JP4420585B2 - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
【0003】
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
【0005】
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、特開平5−286131号公報に見られるように、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案されている。
【0006】
また、このような圧電素子は、例えば、圧力発生室が画成される流路形成基板に接合される接合基板、例えば、各圧力発生室の共通インク室となるリザーバが形成されるリザーバ形成基板上で外部配線と接続されている。すなわち、圧電素子を駆動するための駆動配線が接合基板上に設けられた実装部まで延設され、この実装部にFPC等の外部配線が接続されることにより、駆動配線を介して圧電素子と外部配線とが電気的に接続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成のインクジェット式記録ヘッドでは、実装部が接合基板上に形成されているため、駆動配線と外部配線とを接合する際の熱が接合基板を介して放熱されてしまい、駆動配線と外部配線との接合強度が低下してしまうという問題がある。
【0008】
また、この熱によって接合基板が加熱されて反りが生じ、接合基板あるいは流路形成基板に割れが発生するという問題がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑み、駆動配線と外部配線との接合強度を向上できると共に、基板の割れを防止したインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合される接合基板を有し、該接合基板上に前記圧電素子を駆動するための駆動配線と外部配線とが熱可塑性又は熱硬化性の材料からなる接着層を介して電気的に接続される実装部が設けられると共に、当該接合基板上の複数の前記駆動配線に対応する領域に前記接合基板よりも熱伝導性の低い材料からなる断熱層を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0011】
かかる第1の態様では、駆動配線と外部配線との接合時の放熱が抑えられ、接合強度が向上する。したがって、接着層を介して駆動配線と外部配線とを良好に接続することができる。
【0014】
本発明の第2の態様は、前記断熱層が、複数の駆動配線に対応する領域に亘って連続的に設けられていることを特徴とする第1の態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0015】
かかる第2の態様では、駆動配線と外部配線との接合時の放熱が、より確実に抑えられる。
【0016】
本発明の第3の態様は、前記断熱層が、セラミックス材料からなることを特徴とする第1又は2の態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0017】
かかる第3の態様では、断熱層を所定材料で形成することによって、駆動配線と外部配線との接続時の放熱を効果的に抑えることができる。
【0018】
本発明の第4の態様では、前記断熱層が、ポリイミド樹脂からなることを特徴とする第1又は2の態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0019】
かかる第4の態様では、断熱層を容易に形成でき、且つ駆動配線と外部配線との接続時の放熱を効果的に抑えることができる。
【0020】
本発明の第5の態様では、前記接合基板がシリコン単結晶基板からなることを特徴とする請求項1〜4の何れかの態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0021】
かかる第5の態様では、断熱層によって接合基板の加熱が抑えられているため、接合基板がシリコン単結晶基板で形成されても割れが発生することがない。
【0022】
本発明の第6の態様は、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5の何れかの態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0023】
かかる第6の態様では、高密度のノズル開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ比較的容易に製造することができる。
【0024】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0025】
かかる第7の態様では、ヘッドのインク吐出特性が安定し、信頼性を向上したインクジェット式記録装置を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0027】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2はその平面図であり、図3はその断面図である。
【0028】
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなる。流路形成基板10としては、通常、150〜300μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは180〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。
【0029】
流路形成基板10の一方の面は開口面となり、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。
【0030】
一方、流路形成基板10の開口面には、シリコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11により区画された圧力発生室12が幅方向に並設され、その長手方向外側には、後述するリザーバ形成基板のリザーバ部に連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する連通部13が形成され、各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されている。
【0031】
ここで、異方性エッチングは、シリコン単結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが出現し、(110)面のエッチングレートと比較して(111)面のエッチングレートが約1/180であるという性質を利用して行われるものである。かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室12を高密度に配列することができる。
【0032】
本実施形態では、各圧力発生室12の長辺を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板10をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングすることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12より浅く形成されており、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハーフエッチング)することにより形成されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行われる。
【0033】
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよい。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0034】
ここで、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要がある。
【0035】
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
【0036】
また、流路形成基板10の圧電素子300側には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有するリザーバ形成基板30が接合されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、リザーバ形成基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
【0037】
このリザーバ形成基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。これにより、上述のノズルプレート20の場合と同様に、熱硬化性の接着剤を用いた高温での接着であっても両者を確実に接着することができる。したがって、製造工程を簡略化することができる。
【0038】
さらに、このリザーバ形成基板30の各リザーバ部31に対応する領域には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止され、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部32となっている。
【0039】
一方、リザーバ形成基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可能な圧電素子保持部33が設けられ、圧電素子300はこの圧電素子保持部33内に密封されている。
【0040】
また、本実施形態では、リザーバ形成基板30の圧電素子保持部33に対応する領域上には、リザーバ形成基板30よりも熱伝導性の低い材料からなる断熱層110が設けられている。この断熱層110の材料は、特に限定されないが、例えば、セラミックス材料、あるいはポリイミド樹脂等を用いることが好ましい。
【0041】
また、この断熱層110上には、各圧電素子300を駆動するための、例えば、回路基板あるいは半導体集積回路(IC)等の駆動回路120が搭載されている。さらに、断熱層110上には、この駆動回路120に信号を供給するための駆動配線130が駆動回路120からリザーバ形成基板30の端部近傍まで延設され、この駆動配線130の端部近傍が、外部配線140の接続される実装部150となっている。
【0042】
なお、駆動回路120と圧電素子300とは、上電極膜80の長手方向一端部近傍から弾性膜50上に延設される例えば、金(Au)等からなるリード電極90と、このリード電極90の端部近傍からリザーバ形成基板30に設けられた貫通溝37を介して延設される接続配線160とによって電気的に接続されている。
【0043】
ここで、駆動配線130と外部配線140とは、図3に示すように、接着層170を介して接合されている。この接着層170としては、特に限定されないが、熱可塑性又は熱硬化性の材料を用いる好ましい。例えば、本実施形態では、接着層170として半田を用いており、この接着層170を220℃程度の温度に加熱することによって駆動配線130と外部配線140とを接続している。
【0044】
上述したように、本実施形態では、駆動配線130は、リザーバ形成基板30上に断熱層110を介して設けられている。したがって、この断熱層110によって、駆動配線130と外部配線140とを接続する際の放熱が抑えられ、両者を接続する際、接着層170を所望の温度とすることができる。したがって、接着層170による駆動配線130と外部配線140との接合強度を著しく向上することができる。また、駆動配線130と外部配線140とを短時間で接続することができ、製造効率を向上することができる。
【0045】
なお、従来、駆動配線と外部配線とを接合する際には、550℃で5秒程度加熱し、その時の接合部分の温度は、約240℃程度であったが、本実施形態では、400℃で5秒程度加熱することによって駆動配線130と外部配線140とを接続することができ、その時の接合部分の温度は、約280℃程度であった。
【0046】
また、このような断熱層110によって、駆動配線130と外部配線140とを接続する際の熱によってリザーバ形成基板30が加熱されるのを抑制することができるため、リザーバ形成基板30又は流路形成基板10の熱による反りが抑えられ、これら基板の割れ等の発生を防止することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、リザーバ形成基板30の圧電素子保持部33に対応する領域に亘って断熱層110を形成するようにしたが、勿論これに限定されず、断熱層110は、少なくとも駆動配線130が形成される領域に形成されていればよい。すなわち断熱層110は、複数の駆動配線130に対応する領域に連続的に設けるようにしてもよいし、各駆動配線130に対応する領域にそれぞれ独立して設けるようにしてもよい。
【0048】
また、このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口35からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、図示しない駆動回路からの記録信号に従い、外部配線を介して圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
【0049】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
【0050】
例えば、上述の実施形態では、リザーバ形成基板30上に駆動回路120が実装されたタイプのインクジェット式記録ヘッドについて説明したが、勿論、駆動回路は、リザーバ形成基板30上に実装されている必要はなく、インクジェット式記録ヘッドとは別途に設けられていてもよい。
【0051】
また、例えば、上述の各実施形態では、成膜及びリソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のインクジェット式記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0052】
また、このような実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図4は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
【0053】
図4に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
【0054】
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、流路形成基板に接合される接合基板上に圧電素子を駆動するための駆動配線と外部配線とが接続される実装部を設け、この接合基板上の少なくとも駆動配線が形成される領域に接合基板よりも熱伝導性の低い材料からなる断熱層を設けるようにしたので、実装部に外部配線を接続する際の熱が、放熱されるのを抑えることができる。したがって、駆動配線と外部配線との接合強度を向上することができると共に、この熱による流路形成基板又は接合基板に割れが発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの平面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板
12 圧力発生室
20 ノズルプレート
21 ノズル開口
30 リザーバ形成基板
40 コンプライアンス基板
60 下電極膜
70 圧電体層
80 上電極膜
100 リザーバ
110 断熱層
120 駆動回路
130 駆動配線
140 外部配線
150 実装部
170 接着層
300 圧電素子
Claims (7)
- ノズル開口に連通する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合される接合基板を有し、該接合基板上に前記圧電素子を駆動するための駆動配線と外部配線とが熱可塑性又は熱硬化性の材料からなる接着層を介して電気的に接続される実装部が設けられると共に、当該接合基板上の複数の前記駆動配線に対応する領域に前記接合基板よりも熱伝導性の低い材料からなる断熱層を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 前記断熱層が、複数の駆動配線に対応する領域に亘って連続的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
- 前記断熱層が、セラミックス材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット式記録ヘッド。
- 前記断熱層が、ポリイミド樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット式記録ヘッド。
- 前記接合基板がシリコン単結晶基板からなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
- 前記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
- 請求項1〜6の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット式記録装置。
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JP2003062998A (ja) | 2003-03-05 |
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