JP4413465B2 - 銀系抗菌剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は銀ブロム又はヨード錯体の塩(以下単に銀ブロム又はヨード錯塩と称することもある)を含有することを特徴とする抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗菌剤は主として病原性細菌、特に有害なバクテリア、カビ等の生長抑制又は殺滅を行う物質で、例えばペニシリン、セファロスポリンなどの化学療法剤、例えばニトロフランなどの防腐剤、例えばエチルアルコール、クレゾールなどの消毒剤、例えば酢酸フェニル水銀などの種子、皮薬、塗剤防腐剤、例えばペンタクロロフェノールなどの木材、繊維防腐剤、例えば塩化ベンジルセチルジメチルアンモニウムなどの食品衛生関係防腐剤、例えば銀クロロ錯塩などの家庭用消毒剤等、医薬分野、工業、農業、家庭等で幅広く使用され、その有効成分は、無機、有機化合物にわたって種類も多い。
【0003】
しかしながら、公知の抗菌剤は必ずしも満足すべきものはない。
例えば、病院などの医療施設では、MRSA(メチシリン抵抗性黄色ブドウ球菌:Methicillin-resistant Staphylococcus aureus)の院内感染が問題となっている。MRSAは免疫力の低下した手術後の患者などに感染して、種々の化膿性疾患を引き起こし、重症の場合には死亡することもある。MRSAはメチシリンだけでなく、ほとんどの抗生物質などの抗菌剤に対しても抵抗性を示すため、現在、最も対策が必要な院内感染の原因菌となっている。
【0004】
また、アルコール系、クレゾールなどのフェノール系、第四アンモニウム塩素の抗菌剤は、抗菌剤として物品に適用しても水洗により完全に物品から消失し効果がなくなる欠点を有する。又、アルコールは引火性があり危険であり、フェノール系は毒性ならびに刺激臭が強い欠点がある。
【0005】
又さらに、銀の錯塩系の抗菌剤については、銀のチオ硫酸やチオシアン酸の錯塩は、S2−イオンを含むため、酸や熱に分解して有毒ガスを発生すると共に次第に硫化銀に変化して抗菌能力が失われる。銀クロロ錯塩は、金属と接触して腐食させる欠点があり、家庭での使用や、製造に際し例えば塩化物に耐腐食性の濃縮釜を準備するために非常に大きな投資を必要とするなど改善が望まれている。又、さらに硝酸銀は水溶性ではあるが、皮膚に付着すると塩化銀が皮膚の内部に沈殿し、これが還元されて黒化する。
従って、従来公知の抗菌剤は必ずしも満足すべきものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記の事情に鑑みて、抗菌力が強く、MRSAなどの抵抗性菌にも抗菌性を示し、人畜に低毒性もしくは無毒性であって、鉄などの金属を腐食せず、皮膚に触れても黒化せず、酸・熱・紫外線等に安定で、揮発性がなく無臭で、しかも持続性のある新規な抗菌剤を提供することを目的とする。
また、本発明者は、水性溶媒または有機溶媒の両方に溶解することができる抗菌剤、かかる抗菌剤を含有し、抗菌処理が行いやすい抗菌性組成物を提供することを目的とする。さらに、本発明者は、例えば、塗料、成形品、紙、繊維、医薬、医薬部外品、化粧品などに代表される上記新規抗菌剤の用途を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、銀ブロム又はヨード錯塩を含有する新規抗菌剤の創製に成功すると共に、この抗菌剤が優れた抗菌性を示し、上記の公知技術の問題点を一挙に解決することを見出した。
さらに、本発明者は、銀ブロム又はヨード錯塩を含有する新規抗菌剤が有機溶媒に溶解するという他の無機系銀化合物には見られない特性を有することを見出した。かかる知見に基づけば、かかる新規抗菌剤を有機溶媒に溶解して、抗菌性処理を容易にし、例えば、医療品、医療用具、日用品もしくは建材などの成形物、繊維または塗料などの種々の用途に利用することが可能となる。
【0008】
すなわち、本発明は
(1) 銀ブロム又はヨード錯体の塩を含有することを特徴とする抗菌剤、
(2) 抗菌剤が、抗バクテリア剤、抗ウイルス剤、抗真菌又は抗黴剤であることを特徴とする前記(1)記載の抗菌剤、
(3) 銀ブロム又はヨード錯体が陰イオンと陽イオンとからなり、陰イオンが式
〔AgX2〕−、
〔AgX3〕2−、又は
〔AgX4〕3−
(式中、XはBr又はIを表わす)で示されることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の抗菌剤、
(4) 銀ブロム又はヨード錯体の塩が水溶液中、式〔AgX2〕−、〔AgX3〕2−又は〔AgX4〕3−(式中、XはBr又はIを表わす)で示される陰イオンとアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン又はアンモニウムイオンとから形成されている錯塩の形態で溶解されていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の抗菌剤、
に関する。
【0009】
また、本発明は
(5) 抗菌剤が、局所投与用感染症予防又は治療剤であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の抗菌剤、
(6) 抗菌剤が、メチシリン抵抗性黄色ブドウ球菌抗菌剤又はバンコマイシン抵抗性腸球菌抗菌剤であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の抗菌剤、
(7) 抗菌剤が、医療器具の洗浄剤又は消毒剤であることを特徴とする前記(1)に記載の抗菌剤、
(8) 銀ブロム又はヨード錯体の塩が、有機溶媒に溶解されていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の抗菌剤、
に関する。
【0010】
また、本発明は
(9) 無機系基剤または有機系基剤に、前記(1)〜(3)に記載の抗菌剤を含有することを特徴とする抗菌性組成物、
(10) 前記(1)〜(3)に記載の抗菌剤を有することを特徴とする無機系素材または有機系素材からなる抗菌性成形物、
(11) 前記(1)〜(3)に記載の抗菌剤を有することを特徴とする抗菌性繊維、
(12) 前記(1)〜(3)に記載の抗菌剤を有することを特徴とする抗菌性紙、
(13) 前記(1)〜(3)に記載の抗菌剤を含有していることを特徴とする抗菌性塗料、
に関する。
【0011】
本発明は、銀ブロム又はヨード錯体の塩を含有する抗菌剤である。
本発明の抗菌剤は、銀ブロム又はヨード錯体の塩を有効成分とするものである。
上記銀ブロム又はヨード錯体としては、[AgX2]−、[AgX3]2−、[AgX4]3−(式中、XはBr又はIを表わす)を挙げることができる。
上記銀ブロム又はヨード錯体は、X−(すなわちBr−又はI−)存在下で安定な状態で存在することができ、充分量のX−存在下では[AgX4]3−の形態をとり、良好な溶解性が得られ、また、光、熱、酸化等に対しても安定な状態を維持することができる。
【0012】
上記銀ブロム又はヨード錯体の塩としては、医薬として許容される塩であれば特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、ジベンジルアミン塩等の有機塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩;ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等の有機塩;アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸との塩を挙げることができる。
【0013】
本発明で用いる銀ブロム又はヨード錯体の塩は、例えば、臭化アンモニウム、沃化アンモニウム、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の臭化物又は沃化物を所定濃度となるように水に溶解した水溶液を調製し、この水溶液に銀の硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物(例えば臭化物、沃化物)等の銀塩又は銀メタルを加えて、銀をジブロム又はヨード銀酸錯イオン(上記した[AgX2]−)として溶解させることにより製造することができる。この場合、水溶液中における臭化物又は沃化物の濃度を上げると銀塩又は銀メタルの溶解度が向上する。溶解度が増すにつれて錯体は[AgX2]−から[AgX3]2−を経て[AgX4]3−となってもはや銀塩又は銀メタルは溶解しなくなる。[AgX2]−、[AgX3]2−及び[AgX4]3−のいずれの段階で溶解プロセスを止めてもよいが、好ましくは[AgX4]3−の段階に至るまで銀塩又は銀メタルを溶解させるのがよい。このように、そもそも、臭化銀又は沃化銀は水に対する溶解度が低いが、銀イオンは一定濃度以上のBr−又はI−の存在下に上記した錯体を形成し、さらにこれがアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アンモニウムイオン等のカチオンと塩を形成し、銀イオンの水に対する良好な溶解度が得られる。
従って、銀ブロム又はヨード錯体の塩を含有する抗菌剤は、銀クロロ錯塩を開示した特開平10−182326号公報に記載された抗菌防黴剤の製造方法と同様の方法により製造されてよい。
上記のようにして製造された錯体の塩を含有する水溶液を抗菌剤として使用してもよいが、通常はこれをさらに例えば10倍〜1000倍に水で希釈して使用するのがよい。水溶液中において錯体の塩が形成されている状態において、例えば当該水溶液を希釈するなどによって、Br−又はI−濃度が低下すると錯体の塩が臭化銀又は沃化銀となり徐々に臭化銀又は沃化銀が通常は微小結晶として析出して、除菌しようとする対象物に付着する。一般には臭化銀又は沃化銀は上記した錯体また錯体の塩より抗菌力が高く、水洗により流亡しにくくなる。臭化銀または沃化銀は光照射下でさらに銀に変化することもある。かかる銀も又抗菌作用に貢献する。このようにして銀化合物の状態の変化はあるが本発明の抗菌剤の抗菌効果は長期間持続する。
【0014】
さて、上記のように、銀ブロム又はヨード錯体の塩と臭化又は沃化銀との間に水溶性の落差が存在するが、この落差は対応するクロルの場合よりも顕著であり、この特性により、本発明においてはより高い効果の持続性並びにより高い安全性特性を発揮することができる。
又、上記のようにして製造される銀ブロム又はヨード錯体の塩の水溶液を濃縮して得られる固状の成分を有効成分とし常法に従って、軟膏、クリーム、チンキ等の局所投与用薬剤としてもよい。
【0015】
上記銀ブロム又はヨード錯体の塩は、細菌、真菌、ウイルスに対して、広い抗菌スペクトルを有し、グラム陽性菌、グラム陰性菌、カビ、酵母、ウイルスの何れに対しても優れた抗微生物活性を示す。上記銀ブロム又はヨード錯体の塩は、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や、VRE(バンコマイシン抵抗性腸球菌)に対しても優れた抗菌作用を発現する。
【0016】
上記銀ブロム又はヨード錯体の塩は、細菌等のプロテアーゼのシステインのSH基にキレートすることにより、細菌等のタンパク質合成を阻害し、抗菌活性を発現する。このため、本発明の抗菌剤は、特異性が低く、広い抗菌スペクトルを有する。また、本発明の抗菌剤によれば、有機化合物からなる従来の化学療法剤を有効成分とする抗菌剤とは異なり、耐性菌が発生することは極めてまれである。
【0017】
なお、特開平10−182326号公報には、銀クロロ錯塩を含む抗菌防黴溶液が開示されているが、感染症に関する記載は全くなく、示唆もされていない。また、銀クロロ錯塩が生体に対して適応可能か否かもこの文献からは不明である。
【0018】
本発明の抗菌剤の適応症としては、細菌、真菌又はウイルスが関与しているものであれば特に限定されないが、例えば、毛包炎、尋常性膿皮炎、せつ、よう、ひよう疽、皮下膿瘍、熱傷、湿疹、切創、術創の二次感染症等の皮膚科領域感染症;肛門周囲膿瘍等の外科領域感染症;バルトリン腺炎等の婦人科領域感染症;眼瞼膿瘍、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、角膜炎等の眼科領域感染症;外耳炎、中耳炎等の耳鼻科領域感染症;歯周組織炎等の口腔外科領域感染症等を挙げることができる。従って、本発明の抗菌剤は感染症の予防又は治療剤として有用である。
【0019】
本発明の抗菌剤は、銀ブロム又はヨード錯体の塩に加え、更に他の化学療法剤又は消毒剤を含有していてもよい。有機化合物からなる従来の化学療法剤を有効成分とする抗菌剤は、優れた抗菌活性を有していても、耐性菌の発生が重大な問題となっていたが、本発明の銀ブロム又はヨード錯体の塩と併用することにより、抗菌剤中の化学療法剤の濃度を減らすことができ、抗菌活性を維持しながら、耐性菌が発生する危険性を大幅に低減することができる。
【0020】
上記他の化学療法剤としては特に限定されず、例えば、β−ラクタム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、キノロン系等の抗菌性化合物;ケトコナゾール、フルコナゾール、アンホテリシンB等の抗真菌性化合物;アシクロビル、ガンシクロビル等の抗ウイルス性化合物等を挙げることができる。
上記の消毒性としては、具体的には例えばアルコール、ポビドンヨード等のヨード剤、過酸化水素水、オゾン水、次亜塩素酸ソーダ等が挙げられる。
【0021】
また、感染症の治療にあたって、有機化合物からなる従来の化学療法剤を有効成分とする抗菌剤と、本発明の銀ブロム又はヨード錯体の塩を有する抗菌剤とを、セットとして組み合わせた治療キットとして用いて、交互に投与することにより、有機化合物からなる従来の化学療法剤を有効成分とする抗菌剤の使用量を減らすことができ、同様に耐性菌が発生する危険性を大幅に低減することができる。
【0022】
本発明の抗菌剤の投与箇所としては特に限定されず、例えば、眼、鼻腔、外耳、内耳、口腔、皮膚、膣内、上気道、下気道、尿路等を挙げることができる。
本発明の抗菌剤の形態としても特に限定されず、広く、外用剤、局所投与剤として用いることができ、例えば、座剤、塗布剤、軟膏剤、口腔洗浄剤、点眼剤、点鼻剤、点眼軟膏等としても好適に用いることができる。上気道に投与する場合はネブライザーを用いて噴霧することによる投与が可能である。
【0023】
従って、上記銀ブロム又はヨード錯体の塩は、医薬用防腐剤の有効成分として用いることもできる。上記銀ブロム又はヨード錯体の塩を有効成分として含有する医薬用防腐剤は刺激が少なく、特に生体のなかでも敏感である眼や鼻に投与する点眼剤や点鼻剤の防腐剤として好適に用いることができる。
上記医薬用防腐剤もまた、本発明の1つである。
【0024】
本発明の抗菌剤中の銀ブロム又はヨード錯体の塩の含有量は、患者の年齢、疾患の種類および状態、使用する化合物の種類等によって異なる。一般的には、銀ブロム又はヨード錯体の塩の濃度は抗菌作用が認められる最低濃度の0.1ppm以上とし、菌種並びに症状に応じて如何様にも可変することができる。当該濃度は約0.1〜1000ppm程度としてもよい。なお、投与箇所が眼である場合は、涙液により希釈されるので、皮膚等に投与する場合に比べて高濃度であることが好ましい。
【0025】
本発明の感染症治療剤は、生体用抗菌剤としても用いることができる。上記生体用抗菌剤もまた、本発明の1つである。なお、本明細書において、生体とは、ヒト、哺乳類を含む他の動物等に対して用いることを意味するものである。
本発明の生体用抗菌剤の形態としては特に限定されず、例えば、石けん、シャンプー、洗浄剤、消毒液、歯磨き剤、口腔洗浄剤、うがい薬、入浴剤、沐浴剤、清拭用シート、防臭剤、育毛剤、健毛剤等を挙げることができる。
本発明の抗菌剤又は生体用抗菌剤は、これを用いて、身体の洗浄、清拭等を行うことにより、いわゆる「床ずれ」の治療・予防にも有効である。
【0026】
本発明の抗菌剤又は生体用抗菌剤は、有効成分である銀ブロム又はヨード錯体の塩以外にも、通常用いられる添加剤を含有してもよい。
上記添加剤としては特に限定されず、例えば、結合剤、崩壊剤、コーティング剤、滑沢剤、矯昧矯臭剤、希釈剤、賦形剤;アルコール、緩衝剤、オレイン酸メチル、水等の溶剤;緩衝剤、分散剤、溶解補助剤;p−ヒドロキシ安息香酸メチル又はp−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸等の安定化剤;グリセリンのモノ又はジオクタン酸エステル等の吸収促進剤;抗酸化剤、芳香剤、鎮痛剤、懸濁剤、副作用抑制剤;吸収排泄調節剤、酵素分解防止剤等の作用増強物質等を挙げることができる。
【0027】
本発明の抗菌剤又は生体用抗菌剤は、上記銀ブロム又はヨード錯体の塩に、適宜上記添加剤を配合することにより調製することができる。
本発明の有効成分である銀ブロム又はヨード錯体の塩は、従来の銀化合物のもつ安定性、溶解性に関する問題点を解決したものであり、銀を高濃度に含むことができ、安定性及び保存性に優れるものである。
また、本発明の有効成分である銀ブロム又はヨード錯体の塩は極めて安全性の高いものである。
【0028】
また、上記銀ブロム又はヨード錯体の塩は、従来の有機化合物とは異なる機構により抗菌活性を発揮するので、本発明の抗菌剤及び生体用抗菌剤は、特異性が低いうえに、耐性菌を生みにくいものである。
【0029】
上記銀ブロム又はヨード錯体の塩の発現する抗菌活性、抗真菌活性、及び、抗ウイルス活性は、発現までに一定の時間がかかる。銀ブロム又はヨード錯体の塩を一定時間以上患部と接触させることにより、優れた効果を示し、更に、この効果は長期間継続し、持続性に優れたものであることもわかった。
従って、例えば、即効性に優れる上記他の化学療法剤と併用することにより、即効性及び持続性に優れる抗菌薬を得ることもできる。
【0030】
このような上記銀ブロム又はヨード錯体の塩を有効成分として含有する抗菌剤及び生体用抗菌剤は上述のとおり、抗菌活性等をはじめとする極めて優れた特性を有する。このため、上記抗菌剤及び生体用抗菌剤を様々な他の用途に応用することも可能である。
上記抗菌剤及び生体用抗菌剤の他の用途としては、例えば、手術時及び/又は術後に病巣、傷口等を洗浄するための感染病巣洗浄剤;医療従事者が身体を洗浄するための身体洗浄剤;内視鏡、注射針、カテーテル等の医療器具を洗浄するための医療器具洗浄剤;コンタクトレンズを洗浄するためのコンタクトレンズ洗浄剤、上記銀ブロム又はヨード錯体の塩でコンタクトレンズ表面をコートした抗菌コートコンタクトレンズ等を挙げることができる。
これらの他の用途もまた、本発明の1つである。
【0031】
又、本発明の抗菌剤は、銀クロロ錯体の塩(例えば特許第2907194号)と全く同様に、防菌防黴溶液として使用でき、例えば医療器具の洗浄剤又は消毒剤、病院等の清掃剤、衛生陶器をはじめ文具などの日用品や工業用品など多種多様の物品に対する抗菌処理剤、繊維の抗菌化剤、例えば種々の廃液、汚泥、生ごみ、雑巾などの防臭剤、切り花の延命剤、浴室等の住居用洗剤、抗菌紙などとしても使用される。
それぞれの用途に用いる際の本発明の抗菌剤における銀濃度は、その用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、本発明の抗菌剤を切り花の延命剤として用いる場合、本発明の抗菌剤における銀濃度は約0.01〜1.0ppm程度が好ましい。
【0032】
本発明の抗菌剤は、タンパク質を変性させる働きも有しているので、タンパクの汚れを洗浄し、またタンパクの汚れの付着を防止する効果も発揮する。そのため、本発明の抗菌剤は、タンパク除去剤、または/およびタンパク付着防止剤として用いることもできる。
【0033】
上記銀ブロム又はヨード錯塩は、例えば、メタノール、エタノールまたはジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に溶解することができる。かかる性質を利用して、本発明は、有機系基剤に上記銀ブロム又はヨード錯塩を含有する抗菌性組成物(以下、有機系抗菌性組成物という)を提供する。かかる本発明の抗菌性組成物における上記銀ブロム又はヨード錯塩の含有量は、その用途に応じて適宜選択することができる。
本発明の有機系抗菌性組成物に使用される有機系基剤としては特に限定されないが、樹脂を好適に用いることができる。有機基剤となる樹脂材料としては、いかなる樹脂も使用可能であり、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、エチレン−プロピレンコポリマー)、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアミド、ポリビニリデン(例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン)、ポリエステル、さらには、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンもしくはエポキシ樹脂などの発泡体などが使用できる。また、生ゴム(cis−1,4−イソプレン)などの天然ゴムや、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどの合成ゴムも、上記樹脂材料として挙げられる。なかでも、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリアミドなどが、上記樹脂材料として好ましい。
【0034】
本発明に係る有機系抗菌性組成物には、安定剤、滑剤、抗酸化剤、光安定剤または難燃剤などの添加剤が配合されていてもよい。これら添加剤は、前記のものに限定されず、公知の添加剤を用いてよい。
本発明に係る有機系抗菌性組成物は、公知の方法により容易に製造することができる。例えば、有機系基剤として樹脂を用いる場合、上記銀ブロム又はヨード錯塩を例えばメタノール、エタノールまたはジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に溶解し、かかる溶液および所望により添加剤を、上述のような樹脂材料に混合し、その後、有機溶媒を留去することにより製造することができる。このとき、有機系抗菌性組成物を構成する成分の混合順序は特に問わない。具体的には、例えば、可塑剤にあらかじめ上記銀ブロム又はヨード錯塩を溶解した有機溶媒を添加したものを作成し、これを樹脂材料に他の添加剤とともに添加し、混合し、その後、有機溶媒を留去することにより製造することができる。また、樹脂材料(可塑剤などを含む)に高濃度に上記銀ブロム又はヨード錯塩を溶解した有機溶媒を添加したものを作成し、この樹脂を、上記銀ブロム又はヨード錯塩を含むまない樹脂材料に添加し、混合し、その後、有機溶媒を留去することにより本発明に係る有機系抗菌性組成物を作成してもよい。
【0035】
本発明に係る有機系抗菌性組成物は、他の機能性樹脂と組み合わせて用いることができる。機能性樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂を用いてよいが、例えば、吸水性樹脂が挙げられる。本発明に係る有機系抗菌性組成物を吸水性樹脂と組み合わせて、例えば、オムツや生理用品などに用いることにより、皮膚の炎症の防止、皮膚感染症の感染の予防または悪臭の軽減などの優れた性能を有する製品を提供することができる。
上記吸水性樹脂としては、短時間で吸水、膨潤し、最大では自己の重量の数百倍程度まで膨潤するようなポリマー物質が好ましい。具体的には、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸ナトリウム−ビニルアルコール共重合体((メタ)アクリル酸メチル−酢酸ビニル共重合体ケン化物)、ポリ(メタ)アクリロニトリル系重合体ケン化物、ヒドロキシエチルメタクリレートポリマー、ポリ(メタ)アクリルアミド等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体、カルボキシメチルセルロースアルカリ金属塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウム塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、澱粉グリコール酸ナトリウム塩、澱粉リン酸エステルナトリウム塩、澱粉−アクリル酸塩グラフト共重合体などが挙げられ、一部架橋していても良い。なかでも、上記吸水性樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体が好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム又は(ポリ)メタアクリル酸アミドが特に好ましい。
【0036】
本発明においては、有機系基剤だけでなく、無機系基剤を用いて抗菌性組成物を提供することもできる。すなわち、本発明は、無機系基剤に上記銀ブロム又はヨード錯塩を含有する抗菌性組成物(以下、無機系抗菌性組成物という)を提供する。無機系基剤は、特に限定されないが、水ガラスなどの珪酸塩系基剤またはセラミックなどが挙げられる。
前記本発明にかかる無機系抗菌性組成物は、安定剤、滑剤、抗酸化剤、光安定剤または難燃剤などの当技術分野で公知の添加剤を含有していてもよく、また、公知の方法または上記有機系抗菌性組成物の製造方法に従って、容易に製造することができる。
【0037】
上記本発明に係る抗菌性組成物を利用して、抗菌性成形物を製造することができる。例えば、上述の抗菌性樹脂組成物から成形物を加工する方法としては、圧縮成型法、射出成型法、押出し成型法、吹き込み成型法、注造成型法、圧延法等の公知の方法を何れも採用しうる。また、本発明に係る抗菌性成形物は、上記銀ブロム又はヨード錯体を含有した抗菌性組成物を無機系素材または有機系素材からなる成形物の表面に被覆する方法によっても得ることができる。ここで、無機系素材としては水ガラスなどの珪酸塩系基剤またはセラミックなどが挙げられ、有機系素材としては樹脂などが挙げられる。
【0038】
本発明に係る抗菌性成形物としては、特に限定されず、種々のものが挙げられる。例えば、有機系素材である樹脂からなる抗菌性成形物としては、文房具、玩具、プラスチック製食器、包装容器、包装材料(例えばフィルム)、テープ、シート、ネット、パイプ、ホース、トレー、容器などが挙げられる。なかでも、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズもしくはカテーテルなどの医療品、手術器具もしくは診断検査器具などの医療用具、乳首などの乳幼児用品、または救急用具など、特に抗菌性が要求される用途に用いられるものであることが好ましい。ここで、本発明に係る抗菌性成形物は、全てが上述の抗菌性組成物から形成されている必要はない。本発明に係る抗菌性成形物は、少なくとも表面の一部が上述の抗菌性組成物により形成されていることが好ましい。
【0039】
本発明は、上記銀ブロム又はヨード錯塩が、高濃度に水性溶媒または有機溶媒に溶解することができる性質を利用して、上記銀ブロム又はヨード錯塩を含有する抗菌性塗料を提供する。本発明の抗菌性塗料に含有されている上記銀ブロム又はヨード錯塩の量は、特に限定されないが、例えば銀濃度として、約0.01〜100ppm程度であることが好ましい。
本発明の抗菌性塗料に使用される塗料材料としては、水性、油性いずれの材料を用いることもできる。具体的には、例えば、珪酸塩系塗料、脂肪酸系塗料、エポキシ樹脂系塗料、無溶剤エポキシ樹脂系塗料、ビニールエステル系塗料、ポリウレタン樹脂系塗料、無溶剤ポリウレタン樹脂系塗料、さらに、シリコーン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料などが挙げられる。
本発明の抗菌性塗料に含有されている上述の抗菌剤は、抗菌性だけでなく、防藻効果をはじめとする防汚効果をも有する。そのため、本発明の抗菌性塗料は、船舶および水中構造物における水(海水を含む)接触部分への水中生物(例えば、ぶじつぼなど)の付着を防止するための塗料、すなわち防汚塗料として用いることができる。
【0040】
本発明の抗菌性塗料を防汚塗料に応用する場合の塗料材料としては、公知のものが使用でき、例えば、一液型の塗料では、基剤成分として、珪酸、ロジン、アクリル樹脂、油性系樹脂、塩化ビニル系樹脂、合成ゴム系樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂などを含有し、可塑剤として、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステル系、ジ−n−ドデシルフタレート、ジノニルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−ブチルフタレート、ジメチルフタレートなどのフタル酸エステル類、塩素化パラフィンおよびポリエステル類などがあげられ、有機溶剤としては、例えば、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤が使用され、これらの塗料材料中に、上述の本発明に係る抗菌剤が添加される。
【0041】
また、二液型塗料としては、前記のエポキシ樹脂系塗料、無溶剤エポキシ樹脂系塗料、ポリウレタン樹脂系塗料、無溶剤ポリウレタン樹脂系塗料などの公知のものが使用でき、例えば、エポキシ樹脂系塗料材料としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、フェノールまたはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フタル酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂などであり、さらに、所望により、それらエポキシ樹脂と相溶する熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂などが添加される。また、使用時に上記樹脂液に混合される硬化剤としては、水に難溶で水分子と置換性のある芳香族アミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミド、アミン変性アミドなどのエポキシ樹脂用硬化剤が用いられる。さらに、ポリウレタン系塗料材料としては、同様に公知のものが使用でき、ポリオールとポリイソシアネートからなる二液型であり、ポリオールとしては、例えば、エチルアミン、ブチルアミン、ジアミノジフェニルメタン、ヘキサエチレンジアミンなどのアミノ化合物とフタル酸ジグリシジル、エポキシブタン、ブチルグリシジルエーテル、ポリエチレングリシジルエーテルなどのエポキシ化合物との反応生成物などが使用でき、また、ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどによるイソシアネート基含有プレポリマーが使用できる。このような塗料材料に、上述の本発明に係る抗菌剤が添加される。また塗料材料として、上述の二液型のものを用いる場合、その一方あるいは両方に本発明に係る抗菌剤を添加してもよい。好ましくは添加された本発明に係る抗菌剤に変性を与える可能性少ない方の塗料成分側に添加することであり、二液型エポキシ塗料にあっては、エポキシ樹脂液に、また、二液型ポリウレタン塗料にあっては、ポリオールに抗菌作用性物質を添加しておくことが好ましい。
【0042】
また、本発明の抗菌性塗料は、上記のような防汚塗料に限られず、学校、病院、事務所、食品工場、一般住宅(例えば、台所、浴室)などの内外壁面、床、天井など広範囲に使用できる。特に、本発明に係る抗菌性塗料は、病室、手術室などの微生物汚染を防ぎたい空間の壁面、天井、床などに用いることが好ましい。こうすることにより、医療上深刻な問題となっているMRSAなどの病原菌汚染を防止するばかりではなく、仮に汚染しても徐々に菌量を減少させ、最終的には消滅させることができる。また、本発明に係る抗菌性塗料を長期療養型の病室に用いることにより、病原菌を排除するばかりではなく、腐敗菌の繁殖を防ぐことにより不快なニオイを軽減し、快適な療養、生活空間を維持することができる。さらに、本発明の抗菌性塗料は、例えば、自動車、機関車、航空機、輸送貨物車両などの内装または外装に使用することもできる。
【0043】
本発明は、上記抗菌性塗料と同様にして、塗料だけでなく、上記銀ブロム又はヨード錯塩を含有する抗菌性接着剤なども提供することができる。前記接着剤としては、ユリア系、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルその他の溶液が好ましい例であるが、用途に応じて種々の接着剤の中から適宜選択して使用することができる。
【0044】
本発明は、上記銀ブロム又はヨード錯塩が有機溶媒に溶解することができる性質を利用して、上記銀ブロム又はヨード錯塩を含有する抗菌性繊維を提供する。ゼオライト担持銀剤を含有するナイロン繊維が従来から知られているが、この場合ナイロンが着色してしまうという問題があった。また、他の繊維を用いた場合も、繊維を構成する原料樹脂にゼオライト担持銀剤を練りこむと、繊維製造時の紡糸ノズルが詰まったり、混紡にした場合に抗菌作用が喪失してしまったりするなど種々問題が生じていた。本発明に係る抗菌性繊維は、かかる問題は一挙に解決できる。
【0045】
本発明に係る抗菌性繊維の製造方法としては、特に限定されず公知の方法を用いてよい。例えば、天然繊維の場合は、繊維表面に上記銀ブロム又はヨード錯塩を定着させることが挙げられる。また、合成繊維の場合は、前記方法の他に、繊維を構成する原料樹脂に上記銀ブロム又はヨード錯塩を含有させ、かかる抗菌性樹脂組成物を紡糸して繊維を製造するという方法が挙げられる。
前記繊維表面に定着させる方法としては、例えば、上記銀ブロム又はヨード錯塩を含有する溶液に繊維を浸漬し、余剰分を搾り取るという方法が挙げられる。また、かかる方法としては、スプレーなどを用いて、上記銀ブロム又はヨード錯塩またはそれを含有する溶液を繊維に吹き付けるという方法も挙げられる。前記溶液は、上記銀ブロム又はヨード錯塩を水性溶媒に溶解させたものであってもよいし、有機溶媒に溶解させたものであっても良い。また、前記溶液には、抗酸化剤や着色剤など公知の添加剤が含有されていても良い。上記方法においては、上記銀ブロム又はヨード錯塩の繊維への定着をより強固にするために、前処理または/および後処理を施しても良い。前処理としては、例えば、上記銀ブロム又はヨード錯塩が付着しやすいように、繊維をコロナ処理やプラズマ処理に付すること等が挙げられる。また、後処理としては、上記銀ブロム又はヨード錯塩を付着させた繊維を乾燥したのち、約60℃以上の熱処理に付すること等が挙げられる。
【0046】
また、合成繊維の原料となる抗菌性樹脂組成物は、上述の有機系抗菌性組成物と同様に作製することができる。かかる抗菌性樹脂組成物を用いて繊維を製造する方法は、公知の方法を用いてよい。本発明に係る抗菌性繊維の製造方法の好ましい態様としては、湿式紡糸又は紡糸原液を一端空中に吐出した後、凝固浴に導く乾湿式紡糸法により紡糸し、凝固した後の繊維を、未乾燥の状態で、即ち、ゲル状態の繊維に本発明に係る抗菌剤を付与して乾燥する方法が挙げられる。かかる方法を用いれば、本発明に係る抗菌剤を繊維の表面に近い内部に存在させることができる。その結果、本発明に係る抗菌剤が、使用や洗濯などにより脱落するのを防止することができ、かつ表面付近にあるために抗菌効果をより有効に発揮することができる。
【0047】
本発明が適用可能な繊維の材質については特に限定はされず、天然繊維であっても、合成繊維であってもよい。天然繊維としては、例えば、麻、パイナップル繊維などの植物系繊維、または羊毛、獣毛(モヘア、アルパカ、カシミアなど)、絹などの動物系繊維が挙げられる。合成繊維は、再生繊維、半再生繊維または合成繊維に大別され、本発明においてはいずれを用いてもよい。再生繊維としては、例えば、レーヨン、テンセル、キチン、コラーゲン繊維などが挙げられる。半再生繊維としては、例えば、アセテート、トリアセテートなどが挙げられる。合成繊維としては、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリウレタン(スパンデックス)系繊維などが挙げられる。また、メタ系アラミド、パラ系アラミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、カーボナイズドあるいはノボロイド等の耐熱性繊維素材を用いることも、抗菌性向上の上で有効である。なかでも、ポリエステル、ポリアミド(例えばナイロン)、ポリプロピレン、アクリル系の合成繊維に対しては、特に高い抗菌性能、その高い持続性を発揮することができる。
【0048】
本発明は、上記本発明に係る抗菌性繊維を用いて、一般衣料品をはじめ、各種防水衣料など、特殊用途の衣料品を製造することができる。衣料品としては、被服、履き物、帽子類などがある。さらには、衣料品以外にも、タオル、毛布、布団、ベッドリネンなどの寝具類、ロープ、テント、日除け、帆、袋等の梱包材料、マット、建築用内装部材(幕、緞帳、テーブルクロス、カーテン、壁クロス、カーペット、フローリング、じゅうたん、リノリウムなど)、あるいは自動車、鉄道車両、船舶、航空機などの乗り物用内装部材(例えば、壁用クロス、フローリング、カーペット、じゅうたん、リノリウム等)など、抗菌性が要求される分野であれば限定なく使用することができる。
【0049】
上述のような抗菌性繊維製品は、上記本発明に係る抗菌性繊維を用いるのでなく、繊維製品を公知の方法で製造した後、上記銀ブロム又はヨード錯塩を定着させることによっても得ることができる。また、織布、編布又は不織布などの布帛の段階で上記銀ブロム又はヨード錯塩を定着させてもよい。
【0050】
本発明に係る抗菌剤を紙に含有させ、抗菌性紙を製造することもできる。本発明に係る抗菌性紙は、その形態は問わず、上述の本発明に係る抗菌剤が表面に付着されているものであってもよいし、あるいは内部に含有されているものであってもよい。紙の表面に本発明に係る抗菌剤を付着させる場合の付着量としては、約0.005〜5g/m2程度が好ましく、より好ましくは約0.01〜1g/m2程度である。また、紙に抗菌作用性物質を含有させる場合の添加量としては、紙の重量の約0.005%〜3%程度が好適であり、より好ましくは、約0.01〜1%程度である。
【0051】
紙の内部に抗菌作用性物質を含有している抗菌性紙の作成方法としては、製造用原液中に本発明に係る抗菌剤を含有させたものを用いて、紙を作成することにより行うことができる。また、紙を製造した後、上記銀ブロム又はヨード錯塩を含む溶液に浸漬し、その後乾燥することによっても得ることができる。さらに、リグニンを除去してパルプ化された短繊維の状態で前記の浸漬処理を行い、その後紙に漉くことによって、本発明に係る抗菌剤を紙の内部に有する紙を得ることができる。なお、前記溶液は、水溶液であっても、有機溶液であってもよい。上述のような浸漬処理の前に、本発明に係る抗菌剤が紙の内部に定着しやすいように、前処理を行っても良い。前処理としては、鉄イオン、銅イオン、アルミニウムイオン等の金属イオンを含む水溶液で予め紙またはパルプ化された繊維を処理する方法という方法が挙げられる。この場合、金属イオンは、塩化第二鉄、硝酸第二鉄、硝酸銅、硫酸銅、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等の形で用いられることが好ましい。なかでも、硫酸アルミニウム等の金属イオンは、製紙工程において繊維の凝集を促進させるために使用されるものでもあり、パルプ化された繊維の製紙工程で本発明に係る抗菌剤と共に使用するのが好ましい。
【0052】
紙の表面に本発明に係る抗菌剤を付着させる方法としては、紙の表面に対して付着性を有する表面処理剤に本発明に係る抗菌剤を含有させ、この表面処理剤を紙の表面に塗布することにより行うことができる。前記表面処理剤としては、例えば、粘着性を有するセルロース系物質、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、オキシプロピルセルロース、オキシエチルセルロース、また、PVA(ポリビニルアルコール)、PVP(ポリビニルピロリドン)、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体などの水性系表面処理剤、または、シリコーン樹脂系コーティング剤(例えば、ジメチルシロキサン系コーティング剤、メチルハイドロジエンポリシロキサン系コーティング剤、メチルトリクロロシロキサン系コーティング剤、シランカップリン剤)もしくはフッ素樹脂系コーティング剤などの疎水性樹脂系表面処理剤が挙げられる。前記表面処理剤には、所望により、グリオキザール、尿素樹脂等の耐水化剤;グリコール類、グリセリンなどの可塑剤;アンモニア、カセイソーダ、炭酸ソーダあるいはリン酸等のpH調整剤;消泡剤;離型剤;界面活性剤;抗酸化剤などの公知の添加剤を添加してもよい。
また、上述の表面処理剤の塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、サイズプレスコーター、ロールコーター、エヤナイフコーター、ブレンドコーター等の任意の方法を用いることができる。塗工量は、目的により相違するので一概には言えないが、固形分で約0.1〜30g/m2程度が好適である。
【0053】
本発明の抗菌剤は、木材または木製品に含有させることもできる。本発明の抗菌剤は、抗菌性だけでなく、防虫性、防臭性および防黴性なども併せ有しているので、日常生活において通常使用され、清潔に保たれることが望まれる木製品の生活用品、更には、壁紙、ベニヤ板、合板等の日常身近に存在し触れる機会が多い建材、または細菌やシロアリ(例えば、イエシロアリまたはヤマトシロアリなど)に抵抗性を必要とする柱等の建材に好適に適用することができる。
本発明の抗菌剤を、木材または木製品に含有させる方法としては、特に限定されず、上記銀ブロム又はヨード錯塩を含む溶媒に木材または木製品を浸漬し、その後乾燥することによっても得ることができる。木材の表面に対して付着性を有する表面処理剤に本発明に係る抗菌剤を含有させ、この表面処理剤を木材または木製品の表面に塗布することにより行うこともできる。前記各々の方法の詳細は、上記抗菌性紙についての記載と全く同様である。
【0054】
本発明は、上記銀ブロム又はヨード錯塩を含む化粧品を提供する。本発明の化粧品は、化膿性皮膚炎、にきび、腋臭症、湿疹などの発生および進行の阻止を行い、皮膚の衛生保持を行うことができるという利点がある。
本発明の対象となる化粧品としては、基礎化粧品として、例えば、化粧用クリーム、乳液などがあり、仕上げ化粧品としては、例えば、粉白粉、固形白粉、ファンデーション(例えば、ファンデーションクリーム、ファンデーションスティック、ファンデーションケーキ)、頬紅などがあり、洗顔用化粧品としては、例えば、化粧石鹸などがあり、さらに歯磨剤(例えば、粉歯磨、油性(半練)歯磨、練歯磨)などが考えられる。より具体的には、化粧用クリームとしては、弱油性クリーム(例えば、バニシングクリーム、アフターシェーブクリーム、化粧下クリーム)、中性クリーム(例えば、モイスチュアクリーム、栄養クリーム)、油性クリーム(例えば、コールドクリーム)などが挙げられる。その他の化粧品としては、パウダー類(例えば、ベビーパウダー)、薬用化粧品(例えば、日焼け止めクリーム、防臭化粧品)などにも使用できる。
【0055】
上記銀ブロム又はヨード錯塩の化粧品中への混入量としては、銀濃度として約0.01〜100ppm程度が好ましい。
本発明に係る化粧品の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法に従えばよい。例えば、化粧用クリームの製造方法としては、化粧用クリームを製造した後、それに上記銀ブロム又はヨード錯塩を添加し、混練するという方法が挙げられる。また、上記銀ブロム又はヨード錯塩をあらかじめクリーム中の油分(例えば、脂肪酸、高級アルコール)または、グリセリン等に混合し、これを化粧用クリームに添加し、混練するという方法も挙げられる。
【0056】
以上述べてきた本発明に係る抗菌剤を含む医薬、化粧品、抗菌性組成物、抗菌性成形物、抗菌性塗料、抗菌性繊維、抗菌性紙もしくは抗菌性木製品には、上記銀ブロム又はヨード錯塩の他に、材質、コストまたは期待性能に合わせて、例えば、チタン、銅、亜鉛、白金、ニッケル、コバルトもしくはクロムなどの他の金属イオン、またはそれら金属の酸化物、水酸化物などの金属化合物を混合して用いることができる。前記混合し得る金属イオンまたは金属化合物としては、酸化チタンが好ましい。また、上述したように、例えば抗酸化剤など、その用途に常用されている公知の添加剤を含んでいてもよいし、さらに、他の抗菌剤を含んでいてもよい。
【0057】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例及び試験例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるべきものではない。
【0058】
【実施例】
実施例1
臭化カルシウム2.8モル/l水溶液を作成し、これにフレイク状銀メタル粉末1.2gを加え、2時間激しく攪拌した後、濾過して抗菌液を得た。
【0059】
実施例2
臭化カルシウムの代わりに沃化カルシウムを使用する以外は実施例1と全く同様にして抗菌液を得た。
【0060】
実施例3
臭化カルシウム3.1モル/l水溶液に臭化銀を溶解することにより0.49g/lの銀をブロム錯体として含む抗菌液を得た。
【0061】
実施例4
臭化カルシウムの代わりに沃化カルシウムを使用し、臭化銀の代わりに沃化銀を使用する以外は実施例3と全く同様にして0.48g/lの銀をヨード錯体として含む抗菌液を得た。
【0062】
試験例
直径5cmの5A濾紙に上記各実施例で得られた抗菌液を0.3gづつ均一にスプレーを用いて散布し、48時間放置して乾燥した。
これにあらかじめ作成した寒天培地を加えたシャーレに移し、O−157菌(E.coli)104個/mlを含む菌液を1mlづつ滴下した後、36℃で72時間平板培養した。培養後発生したコロニーを数えて以下の結果を得た。
【0063】
【表1】
【0064】
実施例5
28%ヨウ化ナトリウムメタノール溶液20gに0.5gのヨウ化銀が溶解し、銀濃度として、10,000ppmの銀ヨード錯塩のメタノール溶液を得た。
上記と全く同様にして、8,000ppmの銀ヨード錯塩エタノール溶液を得た。
【0065】
実施例6
粉末ポリスチレン1kgに、アセトン50gとメタノール50gを加えよく混合し、ポリマーを十分膨潤させた。そこに、銀濃度として1.2%のヨウ化銀錯体メタノール溶液10gを添加し、よく混合した後、メタノール及びアセトンを減圧下でメタノールを留去する。その後、加熱混練することにより、銀濃度で100ppmの銀ヨード錯塩を含むポリエチレンを得た。
上記ポリスチレンを、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステルまたはアクリルポリマーに替えても、同様に銀ヨード錯塩を含有する樹脂組成物を作製することができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、耐性菌が生じにくく、広い抗菌スペクトルを有する優れた抗菌活性、抗真菌活性、及び、抗ウイルス活性を奏し、MRSA及びVREに対しても優れた抗菌活性を有し、高い安全性及び長期にわたる安定性を有する抗菌剤、生体用抗菌剤、並びに、医薬用防腐剤を提供することができる。
又さらに、本発明の抗菌剤は、病院等の清掃、抗菌処理等にも有用である。
【0067】
また、本発明の抗菌剤は水性溶媒または有機溶媒に溶解することが可能であるので、例えば、有機系抗菌性組成物、抗菌性成形物、塗料または繊維など種々の用途に応用できる。樹脂組成物に抗菌性を持たせるためにゼオライト担持銀剤が従来から用いられているが、本発明に係る樹脂組成物は、前記従来の樹脂組成物よりも抗菌性が高い。さらに、本発明の抗菌剤は、従来の抗菌剤に比べて抗菌作用の持続性に優れているため、本発明の抗菌剤を含む上記種々の製品は、持続して菌汚染を防止することができる。特に、かかる持続性抗菌作用を有する本発明の抗菌剤をコーティングなどにより手術室や手術器具などに適用すると、高度に無菌化された状態を保持する必要があるという要求を十分に満たすことができるという利点がある。
【0068】
さらに、本発明の抗菌剤は、抗菌作用のみならず、防臭作用も有していることから、例えば、塗料や建材として壁や床、天井に用いることにより、快適な療養、生活空間を作ることができる。また、本発明の抗菌剤は防虫作用をも有することから、衣類に代表される繊維製品に本発明の抗菌剤を適用することにより、シックハウスの原因の一つとされている衣類防虫剤の使用の軽減を図ることができる。
Claims (11)
- 水溶液中、式〔AgX 2 〕 − 、〔AgX 3 〕 2− 又は〔AgX 4 〕 3− (式中、XはBr又はIを表わす)で示される陰イオンとアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン又はアンモニウムイオンとから形成されている錯塩の形態で溶解される、銀ブロム錯体又は銀ヨード錯体の塩を含有することを特徴とする抗菌剤。
- 抗菌剤が、抗バクテリア剤、抗ウイルス剤、抗真菌又は抗黴剤であることを特徴とする請求項1記載の抗菌剤。
- 抗菌剤が、局所投与用感染症予防又は治療剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌剤。
- 抗菌剤が、メチシリン抵抗性黄色ブドウ球菌抗菌剤又はバンコマイシン抵抗性腸球菌抗菌剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌剤。
- 抗菌剤が、医療器具の洗浄剤又は消毒剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌剤。
- 銀ブロム錯体又は銀ヨード錯体の塩が、有機溶媒に溶解されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌剤。
- 無機系基剤または有機系基剤に請求項1又は2に記載の抗菌剤を含有することを特徴とする抗菌性組成物。
- 請求項1又は2に記載の抗菌剤を有することを特徴とする無機系素材または有機系素材からなる抗菌性成形物。
- 請求項1又は2に記載の抗菌剤を有することを特徴とする抗菌性繊維。
- 請求項1又は2に記載の抗菌剤を有することを特徴とする抗菌性紙。
- 請求項1又は2に記載の抗菌剤を含有していることを特徴とする抗菌性塗料。
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