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JP4403880B2 - 位置検出装置、位置検出方法、露光装置、および露光方法 - Google Patents

位置検出装置、位置検出方法、露光装置、および露光方法 Download PDF

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Description

本発明は、位置検出装置、位置検出方法、露光装置、および露光方法に関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスを製造するリソグラフィ工程等で用いられる位置検出装置、位置検出方法、露光装置、および露光方法に関する。
一般に、半導体素子等のデバイスの製造に際しては、感光材料の塗布されたウエハ(またはガラスプレート等の基板)上に複数層の回路パターンが重ねて形成される。このため、回路パターンをウエハ上に露光転写するための露光装置には、マスクのパターンと既に回路パターンの形成されているウエハの各露光領域との相対位置合わせ(アライメント)を行うためのアライメント装置が備えられている。近年、回路パターンの線幅の微細化に伴い、高精度のアライメントが必要とされるようになってきている。
従来、この種のアライメント装置として、特開平4−65603号公報、特開平4−273246号公報等に開示されているように、オフ・アクシス方式で且つ撮像方式のアライメント装置が知られている。この撮像方式のアライメント装置の位置検出系は、FIA(Field Image Alignment)系の位置検出装置とも呼ばれている。FIA系の位置検出装置では、ハロゲンランプ等の光源から射出される波長帯域幅の広い光で、ウエハ上のアライメントマーク(ウエハマーク)を照明する。そして、結像光学系を介してウエハマークの拡大像を撮像素子上に形成し、得られた撮像信号を画像処理することによりウエハマークの位置検出を行う。
一般に、低段差でマーク部と周囲の反射率差が小さいパターンのアライメントマークの場合、ベストフォーカス状態で得られるアライメントマーク像のコントラストは所定のデフォーカス状態で得られるそれよりも低くなる。そこで、特開平7−183186号公報、特開平9−6017号公報、特開平10−50592号公報等には、所定のデフォーカス状態下において低段差パターンのアライメントマークを検出することによりアライメントマーク像のコントラストを向上させる技術が開示されている。なお、近年の半導体素子に関する製造技術の進展に伴って、非対称な低段差パターンのアライメントマークであっても位置検出を高精度に行うことが求められるようになってきている。
特開平4−65603号公報 特開平4−273246号公報 特開平7−183186号公報 特開平9−6017号公報 特開平10−50592号公報 国際公開WO03/074966号パンフレット
低段差パターンをベストフォーカス位置で位置検出を行う従来技術では、アライメントマークが非対称な低段差パターンである場合にアライメントマーク像も非対称に歪むので、デフォーカスに伴って位置検出結果にかなりの誤差成分が含まれるようになり、結果として位置検出精度が悪化する可能性がある。また、結像光学系に誤差が残存している場合、例えば、結像開口絞りが光学系の光軸に対して位置ずれしている場合にも、アライメントマーク像が非対称に歪み、同様に位置検出精度が悪化する場合がある。
この点に関して、本願出願人による国際出願に係る上記特許文献6に開示されているように、光電検出器に達するマークからの回折光のうちの特定次数の1つの回折光と0次回折光との位相差がほぼ90度になるように位相差を付与した所定の光学状態においてマークの位置を検出するようにした技術が提案されている。この技術によれば、上述の従来技術の問題をほぼ解消できるが、実際の現場(製造工場等)においては検出対象のマークは、設計仕様上あるいはプロセス上、低段差パターンとは限らず様々であるので、場合によっては検出精度が向上せず、むしろ悪化する場合もある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、マークが非対称である場合やマークの結像光学系に残存誤差がある場合等の検出信号の波形が非対称となるような検出状況を、マーク側、検出装置側の構造を変更することなく改善して、より対称形状な出力信号波形を得る検出状況を作り出すことができ、低段差パターンのマークを高精度に位置検出することのできる位置検出装置および位置検出方法を提供することを目的とする。
また、実際の現場において状況に柔軟に対応して高精度且つ迅速にマーク位置を検出することができる位置検出方法および位置検出装置を提供することを目的とする。
さらに、高精度、高品質なマイクロデバイス等を高いスループットで製造することができる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
以下、この項に示す説明では、本発明を、実施形態を表す図面に示す部材符号に対応付けて説明するが、本発明の各構成要件は、これら部材符号を付した図面に示す部材に限定されるものではない。
本発明の第1の観点によると、位置検出すべき物体(W)に設けられたマーク(WM)からの光を導く光学系(7〜14,17)と、前記マークからの光を光電検出する光電検出器(15,16)と、該光電検出器の出力信号に基づいて前記マークの位置を検出する検出系(18)とを備えた位置検出装置において、所定の基準パターンを検出して得られる前記光電検出器の出力信号の対称性が略対称となるフォーカス状態下で前記マークの位置を検出するようにした位置検出装置が提供される。
パターンを光電検出して得られる信号の波形は、その対称性において崩れを生じることが多い。この対称性の崩れは、フォーカス状態(光学系とマークの該光学系の光軸方向の相対位置関係)に応じて連続的に変化するので、所定の基準パターンを種々のフォーカス状態で検出することにより、この対称性が最も良好となるフォーカス状態を特定することが可能である。本発明では、この特定されたフォーカス状態下でマークの検出を行うようにしたので、非対称な低段差マークであっても、あるいは光学系に残存誤差がある場合であっても、ほぼ対称で且つコントラストのほぼ良好なマーク像を得ることができ、ひいてはマーク位置を高精度に検出することができる。
本発明の第2の観点によると、位置検出すべき物体(W)に設けられたマーク(WM)からの光を光電検出して得られる波形信号に基づいて前記マークの位置を検出する位置検出方法において、相対する一対のエッジ部を有する所定の基準パターンを前記光電検出して得られる波形信号の該エッジ部にそれぞれ対応する部分の信号強度が略等しくなるフォーカス状態下で前記マークの位置を検出する検出工程(S2〜S4)を含む位置検出方法が提供される。
相対する一対のエッジ部を有するパターンを光電検出して得られる信号の波形は、一方のエッジ部に対応する部分(以下便宜的に左エッジ波形部という)と他方のエッジ部に対応する部分(以下便宜的に右エッジ波形部という)において、信号強度に差を生じることが多い。この差は、フォーカス状態(光学系とマークの該光学系の光軸方向の相対位置関係)に応じて連続的に変化するので、所定の基準パターンを種々のフォーカス状態で検出することにより、左エッジ波形部と右エッジ波形部の信号強度が実質的に等しくなるフォーカス状態を特定することが可能である。本発明では、この特定されたフォーカス状態下でマークの検出を行うようにしたので、非対称な低段差マークであっても、あるいは光学系に残存誤差がある場合であっても、ほぼ対称で且つコントラストのほぼ良好なマーク像を得ることができ、ひいてはマーク位置を高精度に検出することができる。
本発明の第3の観点によると、位置検出すべき物体(W)に設けられたマーク(WM)からの光学系(7〜14,17)を介した光を光電検出して得られる信号に基づいて前記マークの位置を検出する位置検出方法において、前記信号に基づいて決定されたフォーカス状態下で前記マークの位置検出を行う検出工程(S2〜S4)と、前記検出工程に先立ち、前記マークのライン部の段差量に関する段差情報を取得し、該段差情報に基づいて前記検出工程を実施するか否かを判断する判断工程(S1)とを含む位置検出方法が提供される。
この発明では、マークの段差量に関する段差情報に基づいて当該検出工程を実施するか否かを判断するようにしたので、例えば段差量が小さい場合には前記所定のフォーカス状態下で検出する当該検出工程を実施し、段差量が大きい場合には当該検出工程を実施せずに通常のフォーカス状態下で位置検出を行うようにできるので、実際の現場における状況に柔軟に対応しつつ高精度な位置検出を行うことができるようになる。また、このような判断を行うので、全体としてのスループットをそれほど低下させることなく、高精度検出を行うことができる。
本発明の第4の観点によると、位置検出すべき物体(W)に設けられたマーク(WM)からの光を導く光学系(7〜14,17)と、前記マークからの光を光電検出する光電検出器(15,16)と、該光電検出器の出力信号に基づいて前記マークの位置を検出する検出系(18)とを備えた位置検出装置において、前記光電検出器の出力信号に基づいて決定されたフォーカス状態下で、前記検出系による前記マークの位置検出を行うか否かを、前記マークの段差量に関する段差情報に基づいて判断する判断手段を有する位置検出装置が提供される。本発明の第3の観点に係る発明と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第5の観点によると、パターンが形成されたマスク(R)を照明する照明系(IL)と、前記マスクのパターン像を物体(W)上に投影する投影光学系(PL)と、本発明の第1又は第4の観点に係る位置検出装置(1〜18)とを備える露光装置が提供される。低段差マークを高精度検出できる本発明に係る位置検出装置を備えているので、マーク位置を高精度検出することができる結果、高精度、高品質なマイクロデバイス等を製造することができる。
本発明の第6の観点によると、マスク(R)のパターンを介して物体(W)を露光する露光方法において、本発明の第2又は第3の観点に係る位置検出方法を用いて前記物体の位置を検出する工程を含む露光方法が提供される。低段差マークを高精度検出できる本発明に係る位置検出方法を用いてマークの位置を検出する工程を備えているので、マーク位置を高精度検出することができる結果、高精度、高品質なマイクロデバイス等を製造することができる。
本発明によれば、マークが非対称である場合やマークの結像光学系に残存誤差がある場合であっても、低段差パターンのマークを高精度且つ迅速に位置検出することができるようになるという効果がある。
また、実際の現場において状況に柔軟に対応してスループットの低下を極力抑制しつつ高精度にマーク位置を検出することができるようになるという効果がある。
さらに、高精度、高品質なマイクロデバイス等を高いスループットで製造することができるようになるという効果がある。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る位置検出装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。また、図2は、プロセスウエハ又は基準ウエハ(詳細後述)に形成された段差パターンからなるウエハマーク又は基準マークの一例を模式的に示す図である。
本実施形態では、半導体素子を製造するための露光装置において感光性基板の位置を検出するためのFIA系の位置検出装置に本発明を適用している。なお、図1では、露光装置の投影光学系PLの光軸AX0に対して平行にZ軸が、Z軸に垂直な平面内において図1の紙面に平行な方向にX軸が、Z軸に垂直な平面内において図1の紙面に垂直な方向にY軸がそれぞれ設定されている。
図示の露光装置は、適当な露光光でマスク(投影原版)としてのレチクルRを照明するための露光用照明系ILを備えている。照明系ILの光源としては、特に限定されないが、超高圧水銀ランプ(g線(波長436nm)、i線(波長365nm))、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、又はFレーザ(波長157nm)等が用いられる。レチクルRはレチクルステージ30上においてXY平面とほぼ平行に支持されており、そのパターン領域PAには転写すべき回路パターンが形成されている。レチクルRを透過した光は、投影光学系PLを介して、感光性基板としてのウエハWに達し、ウエハW上にはレチクルRのパターン像が投影される。
ウエハWは、ウエハホルダ31を介して、Zステージ32上においてXY平面とほぼ平行に支持されている。Zステージ32は、ステージ制御系34によって、投影光学系PLの光軸AX0に沿ってZ方向に駆動されるように構成されている。Zステージ32はさらに、XYステージ33上に支持されている。XYステージ33は、同じくステージ制御系34によって、投影光学系PLの光軸AX0に対して垂直なXY平面内において二次元的に駆動されるように構成されている。
このような構成の露光装置においては、投影露光に先立って、レチクルR上のパターン領域PAとウエハW上の各露光領域(ショット領域)とを光学的に位置合わせ(アライメント)する必要がある。そこで、位置検出すべき物体であるウエハWには、図2に模式的に示すようなパターンからなるウエハマーク(ウエハアライメントマーク)WMが形成されている。ウエハマークWMは図2に示したような段差構造をもつ場合もある。ウエハマークWMの位置を検出し、ひいてはウエハWの位置を検出するのに、本実施形態の位置検出装置が使用される。
具体的には、ウエハマークWMとして、X方向に周期性を有する一次元マークとしてのX方向のウエハマークWMXと、Y方向に周期性を有する一次元マークとしてのY方向ウエハマークWMY(不図示)とが、ウエハW上に形成されている。なお、本実施形態では、ウエハマークWMとして、X方向およびY方向にそれぞれ周期性を有する互いに独立した2つの一次元マークを採用しているが、X方向およびY方向に周期性を有する二次元マークを採用することもできる。
なお、ウエハマークとしては、このようなライン部とスペース部の幅がほぼ同一のマークに限定されず、いわゆる細溝マーク(ライン部の幅をスペース部の幅に対して細く設定したマークあるいはこれを逆転させたマーク)やセグメントマーク(複数の極細パターンを狭ピッチで配列したマークであり、パターン間の幅が結像光学系の解像限界以下に設定されたマーク)等であっても良い。
再度、図1を参照する。本実施形態に係る位置検出装置は、波長帯域幅の広い照明光(例えば、波長530nm〜800nm)を供給するための光源1を備えている。光源1として、ハロゲンランプのような光源を使用することができる。光源1から供給された照明光は、リレー光学系(不図示)を介して、光ファイバーのようなライトガイド2の入射端に入射する。ライトガイド2の内部を伝搬してその射出端から射出された照明光は、例えば円形状の開口部(光透過部)を有する照明開口絞り3を介して制限された後、コンデンサーレンズ4に入射する。
コンデンサーレンズ4を介した照明光は、照明視野絞り5を介して、照明リレーレンズ6に入射する。照明リレーレンズ6を介した照明光は、ハーフプリズム7を透過した後、第1対物レンズ8に入射する。第1対物レンズ8を介した照明光は、反射プリズム9の反射面で図中下方に(−Z方向に)反射された後、ウエハW上に形成されたウエハマークWMを照明する。
このように、光源1、ライトガイド2、照明開口絞り3、コンデンサーレンズ4、照明視野絞り5、照明リレーレンズ6、ハーフプリズム7、第1対物レンズ8および反射プリズム9は、ウエハマークWMを落射照明するための照明系を構成している。照明光に対するウエハマークWMからの反射光(回折光を含む)は、反射プリズム9および第1対物レンズ8を介して、ハーフプリズム7に入射する。ハーフプリズム7で図中上方に(+Z方向に)反射された光は、第2対物レンズ10を介して、指標板11上にウエハマークWMの像を形成する。
指標板11を介した光は、リレーレンズ系(12,13)を介して、XY分岐ハーフプリズム14に入射する。そして、XY分岐ハーフプリズム14で反射された光はY方向用CCD15に、XY分岐ハーフプリズム14を透過した光はX方向用CCD16に入射する。なお、リレーレンズ系(12,13)の平行光路中には、結像開口絞り17が配置されている。
このように、反射プリズム9、第1対物レンズ8、ハーフプリズム7、第2対物レンズ10、指標板11、リレーレンズ系(12,13)、結像開口絞り17およびハーフプリズム14は、照明光に対するウエハマークWMからの反射光に基づいてマーク像を形成するための結像光学系を構成している。また、Y方向用CCD15およびX方向用CCD16は、結像光学系を介して形成されたマーク像を光電検出するための光電検出器を構成している。
こうして、Y方向用CCD15およびX方向用CCD16の撮像面には、マーク像が指標板11の指標パターン像とともに形成される。Y方向用CCD15およびX方向用CCD16からの出力信号は、信号処理系18に供給される。さらに、信号処理系18において信号処理(波形処理)により得られたウエハマークWMの位置情報は、主制御系35に供給される。主制御系35は、信号処理系18からのウエハマークWMの位置情報に基づいて、ステージ制御信号をステージ制御系34に出力する。
ステージ制御系34は、ステージ制御信号にしたがってXYステージ33を適宜駆動し、ウエハWのアライメントを行う。なお、主制御系35には、例えばキーボードのような入力手段36を介して、照明開口絞り3に対する指令や結像開口絞り17に対する指令が供給される。主制御系35は、これらの指令に基づき、駆動系19を介して照明開口絞り3を駆動したり、駆動系20を介して結像開口絞り17を駆動したりしてもよい。
図2に示したマークは理想的な形状を有しているが。実際のプロセスを経て形成されるマークは、非対称に歪んだものとなる場合がある。図3は、非対称な低段差パターンの一例を概略的に示す図である。図3を参照すると、例えばシリコンからなるウエハW上にSiO(酸化シリコン)からなる絶縁層40が形成され、この絶縁層40においてW(タングステン)からなる複数のライン部41が形成されている。ここで、複数のライン部41は、Y方向に沿って細長く直線状に延びた形態を有し、X方向に沿って所定のピッチにしたがって配置されている。また、絶縁層40および複数のライン部41の表面はCMP(Chemical Mechanical Polishing)手法により平坦化され、絶縁層40及びライン部41の表面上にアルミニウム層42が形成されている。
一般に、上述した工程でCMP手法を用いて絶縁層40および複数のライン部41の表面を平坦化すると、ライン部41の表面が非対称に窪んだ形態になり、ライン部41の表面部分に対応するアルミニウム層42の表面部分も非対称に窪んだ形態になる。本実施形態では、この反射層としてのアルミニウム層42をX方向のウエハマークWMXとして用いる。その結果、ウエハマークWMXは、凹部(ライン部41の表面部分に対応するアルミニウム層42の表面部分)および凸部(絶縁層40の表面部分に対応するアルミニウム層42の表面部分)がピッチ方向(X方向)に関してそれぞれ非対称に形成された非対称低段差パターンで構成されることになる。このことは、Y方向のウエハマークWMYについても同様である。
図4(A)〜図4(C)は、非対称な段差パターンをガウス像面において検出したときに得られる信号波形を示す図である。図4(C)のように中心軸に対して非対称な段差パターンを、図4(B)のような残存誤差の無い理想的な結像光学系を介して検出した場合には、図4(A)に示すように、中心軸に対して非対称な(歪んだ)信号波形が得られる。この歪みは、結像光学系により集光されてCCD(光電検出器)15,16に達する回折光においてプラスの次数の回折光と対応するマイナスの次数の回折光とが光軸に関して非対称な分布になることが主な要因の1つである。結果としてマーク像が非対称に歪み検出誤差を引き起こす。この場合、段差パターンの非対称性に応じた誤差を含んだ検出結果が得られることになる。
また、図5及び図8は、対称なパターンを残存誤差のある結像光学系を介してガウス像面において検出したときに得られる信号波形を示す図である。図5に符号WMで示したウエハマークのように中心軸に対して対称な段差パターンを、図5のような光軸に対して結像開口絞り17が位置ずれ(光軸ずれ)している結像光学系を介して検出した場合、図8に示すように、図4(A)と同様に中心軸に対して非対称な(歪んだ)信号波形が得られる。この歪みは、図5に示すように、物体面OP(ウエハマークWM)からの回折光のうち、高次の回折光(同図では3次回折光)の一部が結像開口絞り17の位置ずれによって遮断され、像面IP(CCD)に到達しないために生じるものである。この場合も、結像光学系の残存誤差に応じた誤差を含んだ検出結果が得られることになる。
図6はパターン(マーク)をベストフォーカス状態(即ち結像光学系の物体面に対してマークを一致させたフォーカス状態)で検出した場合の検出誤差(計測位置ずれ)とパターンの段差量との関係をシミュレーションした結果を示す図である。同図中、符号AEO(結像開口絞りの位置ずれ:Aperture Stop Eccentricity for Optical Axis)を付して表示した線から明らかなように、結像開口絞り17の位置ずれが残存している場合、パターンが低段差化すると検出誤差は急激に大きくなることがわかる。なお、同図には、位置検出装置の誤差要因の他の一つとしてのコマ収差についての段差量と検出誤差との関係も示しているが(同図中、符号Comaを付して表示)、コマ収差の残存による検出誤差は、マークの段差量には依存しないので、ここでは結像開口絞りの位置ずれに着目して、これに伴う検出誤差の低減を図る。
図7は、マークの段差量と像のコントラスト(Iac)、非対称量(ΔI)、および非対称度(Q)との関係を示す図である。一対のエッジ部を有するパターン(通常のラインパターン)についての検出波形は、マーク自体が非対称である場合又は結像光学系に誤差がある場合、図8に示すように、当該エッジ部に対応する部分(以下便宜上、左エッジ波形部、右エッジ波形部という)の信号強度が左右エッジ波形部で非対称となる。左右エッジ波形部のうちの一方(信号強度の大きい方、ここでは右エッジ波形部)の信号強度をIac(像のコントラスト)とし、左右エッジ波形部の信号強度の差をΔI(非対称量)とし、ΔI/IacをQ(非対称度)としている。
上述した図6において、パターンが低段差化すると検出誤差が急激に大きくなるのは、マークの段差θが小さくなるのに伴う像のコントラスト(Iac)の劣化が、
Iac∝1−cosθ…(1)
の関係を持つのに対し、像の非対称量(ΔI)の劣化の関係が、
ΔI∝sinθで変化するために起こる現象で、非対称の程度を表す非対称度Qが、
Q=ΔI/Iac∝sinθ/(1−cosθ)=1/tan(θ/2)…(2)
の関係となり、段差θが小さくなると非対称度Qが急激に悪化するためである。
上述したように、一般的にCCD(光電検出器)に達する回折光が光軸に関して非対称になると、マーク像も非対称に歪み、その検出信号の波形も非対称になり検出誤差(計測誤差)を生じる。
この点について、さらに詳しく説明する。マークの検出に際し、ベストフォーカス状態からデフォーカスさせると、光軸に対称な波面収差(位相ずれ)が発生する。ここで、デフォーカス量の大きさをΔZとし、マークからの光の中心波長をλとし、マークのピッチをPとし、回折光の次数をN(N=0,±1,±2,…)とすると、発生する位相ずれの大きさΔW(ラジアン)は次の式(3)で表される。
ΔW=(1/2)×(N・λ/P)×ΔZ×(2π/λ)…(3)
また、パターンの非対称性や結像開口絞りの光軸ずれにより、0次回折光および+1次回折光のみが光電検出器に達し−1次回折光が光電検出器に達しない場合、光電検出面に形成されるパターン像の強度分布Iは、パターンのライン部とスペース部との間の段差量をdとし、パターンのピッチ方向の位置座標をXとし、0次回折光のフーリエ振幅をCとし、±1次回折光のフーリエ振幅をCとすると、次の式(4)で表される。
I=2C +2C +(C−2C )cosθ
+2Csinθ(cosXsinΔW+sinXcosΔW)…(4)
ここで、
θ=2d×(2π/λ)
である。したがって、デフォーカス量がΔZ=0のベストフォーカス状態では、0次回折光と1次回折光との位相差がΔW=0となり、パターン像の強度分布Iは次の式(5)で表される。
I=2C +2C +(C−2C )cosθ+2CsinθsinX…(5)
即ち、デフォーカス量がΔZ=0のベストフォーカス状態では、パターン像の強度分布Iを表す式(5)にXの奇関数sinの項が現れることにより、パターン像に非対称が生じる。これに対し、0次回折光と1次回折光との位相差がΔW=π/2になるように、所定のデフォーカス量ΔZだけデフォーカスさせると、パターン像の強度分布Iは次の式(6)で表される。また、0次回折光と1次回折光との位相差がΔW=π/2になるデフォーカス量ΔZは、次の式(7)で表される。
I=2C +2C +(C−2C )cosθ+2CsinθcosX…(6)
ΔZ=(1/2)×(P2/λ)…(7)
即ち、0次回折光と1次回折光との位相差がΔW=π/2になるような所定のデフォーカス状態では、パターン像の強度分布Iを表す式(6)にXの奇関数sinの項がなくなりXの偶関数cosの項が現れることにより、パターン像の非対称性がなくなり対称なパターン像が得られることになる。また、この場合には、得られるパターン像のコントラストも良好になる。
以上のように、マークからの0次回折光と1次回折光とに基づいて非対称な低段差パターンのマークを検出する場合、0次回折光と1次回折光との位相差が90度(π/2)になる所定のデフォーカス状態に設定すると、完全に対称でコントラストの良好なマーク像を得ることができる。
以上の説明は簡単のためにマークからの0次回折光と1次回折光とに基づいてマークを検出する場合を想定しているが、実際の位置検出装置では1次よりもさらに高次の回折光も光電検出する構成になっている場合が多い。この場合にも、光電検出器に達するマークからの回折光のうち、最高次回折光と0次回折光との位相差が90度になる所定のデフォーカス状態において非対称の低段差パターンのマークを検出すると、ほぼ対称で且つコントラストのほぼ良好なマーク像を得ることができる。さらに、一般的には、光電検出器に達するマークからの回折光のうち、特定次数の1つの回折光または複数の特定次数の回折光と0次回折光との位相差がほぼ90度になるように位相差を付与した所定の光学状態において、非対称な低段差パターンのマークを検出すると、ほぼ対称で且つコントラストのほぼ良好なマーク像を得ることができる。
このような0次回折光と高次回折光の位相差が90度になるようなフォーカス状態でマーク検出を実施するため、本実施形態では、図8における左エッジ波形部と右エッジ波形部の信号強度が略等しくなるフォーカス状態を特定し、当該フォーカス状態でマークの検出を行う。なお、このフォーカス状態は、通常はガウス像面からデフォーカスされた状態となるが、ガウス像面と実質的に一致することもあり得る。
以下、このようなフォーカス状態(図8の左右エッジ波形部が略等しくなるフォーカス状態)を特定する具体的手法について説明する。
まず、基準ウエハ(工具ウエハ)を用いて段差データ収集工程を実施する。この基準ウエハ上には、段差量が互いに段階的に異なる複数の基準パターンが予め形成されている。基準パターンは、対称性の良好な理想に近いパターンであり、ここではシリコンウエハをエッチングすることにより形成された図2に示したような構成のライン・アンド・スペースパターンである。基準パターンのライン部と、該ライン部の周囲のスペース部の反射率は、実質的に等しくなるように設定されている。各基準パターンのそれぞれの段差量は、露光工程で形成(使用)され得、かつ段差の変化が精度に影響を与え始める適切な段差量(図7の例では、200nm程度)から最小段差量までの間で、適宜なピッチで選択される。なお、基準パターンのライン部の幅およびスペース部の幅(即ち配列ピッチ)は、プロセスウエハに形成されるウエハマークと実質的に同一のものの方が望ましい。プロセスウエハに形成されるウエハマークが複数種類ある場合には、これらのそれぞれに対応した基準パターンを前記基準ウエハ上に一括的に形成し、あるいは他の基準ウエハに形成して適宜に交換して用いるようにすると良い。
次いで、基準ウエハをウエハステージ上にローディングし、段差量の互いに異なる各基準パターンについて、ガウス像面からのデフォーカス量を段階的に変更しつつ、CCDの出力信号(FIA信号)の波形について、図8の左右のエッジ波形部が実質的に等しくなるデフォーカス量(以下、便宜上、最適デフォーカス量又は最適フォーカス状態ということがある)を特定する。このデータ収集工程で収集されたデータを基に、各段差量とこれに対応する最適デフォーカス量とを含む段差データ(段差情報)を、例えばテーブルとして作成し、記憶保持する。なお、段差データ収集の際のデフォーカス量の変更は、ガウス像面に対してプラス方向とマイナス方向の両方において行っても勿論よいが、デフォーカス量の変更に伴う図8の左右のエッジ波形部の相対変化(ΔIの変化)はプラス方向とマイナス方向で対称に現れるパターンについては、何れか一方のみについて収集するようにしても良い。
上述の例では、図2に示したようなデューティー比が1対1の基準パターンを用いた場合を示したが、基準パターンは図9(A)に示すような光学系が各エッジを解像しない細溝のパターンであってもよい。この場合もパターンは対称で、ライン部とスペース部の反射率はほぼ等しいものを用いる。その場合、図9(B)の波形の対称性が図9(C)のように実質的に対称になるデフォーカス量を特定する。
実際のプロセスウエハのアライメント工程(アライメントのためのウエハマークの検出工程)においては、計測対象(露光対象)としてのプロセスウエハに形成されたウエハマーク(アライメントマーク)の段差量を取得し、上記の段差データを参照して、当該段差量に対応する最適デフォーカス量を取得し、ガウス像面から当該最適デフォーカス量に相当する分だけデフォーカスさせた状態で、該ウエハマークの位置を検出する。
これにより、結像開口絞りがずれている場合やウエハマークが非対称な低段差パターンの場合であっても、左右対称な波形を有する出力信号を得ることができ、コントラストも良好となるので、ウエハマークの位置検出精度を向上することができる。また、マーク検出を実際に行う際のフォーカス位置の変動(位置決め精度に基づく変動)に対して検出波形の変化が小さくなる。つまり、検出結果のフォーカス依存性が小さくなり、安定した高精度な位置検出が可能となる。
ウエハマークの段差量は、実際のプロセスにおいて設計上あるいは実測することにより既知である場合には、オペレータにより入力され、あるいはプロセスデータ(レシピ)に予め設定されたものから取得するようにできる。但し、ウエハマークの段差量を実測する段差量測定器を併設して、ウエハマークの検出前にこれを実測して取得するようにしても良い。
また、ウエハマークの段差量に対応する段差データが必ずしも存在しない場合があるが、この場合にはウエハマークの段差量に最も近いものを選択するようにしても良いし、あるいは段差データの一部又は全部を用いて適宜な補間関数で補間して、対応するデフォーカス量を求めるようにしても良い。この補間は、ウエハマークの段差量を間に含む2点を直線補間し、あるいはさらに他の点をも用いて直線ないし曲線補間しても良い。
なお、露光工程におけるウエハマークの計測時におけるガウス像面からのデフォーカスは、プラス方向とマイナス方向とで何れか一方の方向に行ってウエハマークの位置を検出してこれを計測結果としても良いし、あるいは両者において行って検出されたウエハマークの位置の平均を計測結果としても良い。
また、上述した説明では、段差データの収集時に基準ウエハを結像光学系に対してその光軸方向に移動して最適デフォーカス量を得るようにするとともに、露光工程におけるウエハマークの計測時にもプロセスウエハを結像光学系に対してその光軸方向に移動してデフォーカスさせているが、光電検出器(CCDの光電検出面)を結像光学系の光軸方向に移動したり、レンズ(図1の8,10,12,13など)を光軸方向に移動するようにしても良い。
さらに、上述の実施形態では、基準パターンが形成された基準ウエハを用いて段差データを収集するものとしたが、ウエハが搭載されるウエハステージ上に常設されるベースライン計測用のフィジューシャルマーク板(FM板)上に該基準パターンを形成しても良いし、他の部材に該基準パターンを形成してウエハステージ上に常設し、あるいは交換可能に設置するようにしても良い。
また、上述の実施形態では、ウエハマークを落射照明しているが、これに限定されることはなく、ウエハマークを透過照明する位置検出装置に本発明を適用することもできる。また、上述の実施形態では、X方向マーク検出とY方向マーク検出とにそれぞれ別のCCDを用いているが、1つのCCDでX方向マーク検出とY方向マーク検出との双方を行ってもよい。
ところで、上述した説明では、プロセスウエハ上のマークの段差量の大小にかかわらず、常に基準ウエハの図8の左右のエッジ波形部の信号強度が実質的に一致するようなフォーカス状態下で、プロセスウエハのウエハマークを検出するようにしている(以下、このフォーカス状態は通常はガウス像面からデフォーカスした状態となるので、便宜上、「本発明のデフォーカス状態における位置検出」ということがある)。しかし、実際の製造現場においては、ウエハマークの位置検出に要求される精度(以下、「要求精度」ということがある)は様々であり、高精度が要求される場合には上述した本発明のデフォーカス状態における位置検出は極めて有効であるものの、それほど高精度が要求されていない場合には、本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施せずに、従来のベストフォーカス状態における位置検出を実施した方がスループット上有利になる場合がある。また、同様に実際の製造現場においては、パターンの段差量が小さいものから大きいものまで様々であり、段差量が比較的に小さい場合には本発明のデフォーカス状態における位置検出は極めて有効であるものの、段差量が比較的に大きい場合には、従来のベストフォーカス状態で検出した方が、検出誤差が小さい場合もあり得る。
このような場合に対応するため、本実施形態では、以下のように対策している。これを図10に示すフローチャートを参照して説明する。
図10を参照すると、後述するような所定の条件に基づいて本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するか否かを判断する判断工程S1を有する。判断工程S1においては、例えば、ウエハマークWMの位置検出に要求される要求精度に基づいて、本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するか否かを判断する。即ち、要求精度が所定の基準精度よりも高い場合には、本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するために、段差データから対応するデフォーカス量を取得する取得工程S2へ移行する。一方、要求精度が所定の基準精度よりも低い場合には、本発明に係る位置検出を実施することなく、例えば特開2002−324746号公報に開示された従来技術にしたがって従来のベストフォーカス状態における位置検出を実施するフォーカス検出工程S10へ移行する。
また、判断工程S1において、ウエハマークWMのパターン情報に基づいて本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するか否かを判断しても良い。即ち、ウエハマークWMの段差量が所定の閾値以下の場合には、本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するために取得工程S2へ移行する。なお、この時に使用されるパターン情報(段差情報)は、ユーザーによるプロセス等の設定情報に応じて一義的に予め決まっている段差値(いわゆる設計値に類するもの)であっても良いし、或いは段差測定器で実際に測定した実測値を用いても良い。一方、ウエハマークWMの段差量が所定の閾値を越える場合には、本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施することなく、従来のベストフォーカス状態における位置検出を実施するためにフォーカス検出工程S10へ移行する。なお、この段差量に関する閾値(前述の所定の閾値)としては、図6において、検出誤差が急激に悪化し始める50nm程度とすることができ、あるいは若干の余裕をみて100nm程度とすることができる。
また、上述したように、像の非対称度Qは、Q∝1/tan(θ/2)にしたがって変化するので、落射照明の場合には、この非対称度が急激に大きくなる段差θがθ≦λ/10である場合に、本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するために取得工程S2へ移行し、θ>λ/10である場合には、従来のベストフォーカス状態における位置検出を実施するためにフォーカス検出工程S10へ移行するようにしても良い。なお、ここでの段差θとは、マークのライン部とその周囲のスペース部との高さの違いにより、該マークを照明する光に加わる位相差である。従って、透過照明の場合には、θ≦λ/5である場合に、本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するために取得工程S2へ移行し、θ>λ/5である場合に、従来のベストフォーカス状態における位置検出を実施するためにフォーカス検出工程S10へ移行する。なお、λはマークを照明する照明光の中心波長である。
さらに、判断工程S1において、ベストフォーカス状態でウエハマークWMから得られた光電検出信号の波形情報に基づいて本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するか否かを判断するようにしても良い。即ち、例えばベストフォーカス状態で得られた波形のコントラストが比較的低い場合あるいは波形の対称性が比較的に悪い場合には、本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するために取得工程S2へ移行し、ベストフォーカス状態で得られた波形のコントラストが比較的高い場合あるいは波形の対称性が比較的に良い場合には、本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施することなく、従来のフォーカス検出工程S10へ移行する。この場合の波形の対称性の判断としては、マークを光電検出して得られる波形信号の崩れ量に関する条件として、例えば上述した像の非対象度Q又は像の非対象量ΔIについて閾値を設定し、これに基づいて本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するか、従来のベストフォーカス状態における位置検出を実施するかを判断するようにできる。
加えて、例えばパターンの材質や膜厚(ひいては屈折率や吸収率)に関するパターン情報に基づいてコントラストの比較的低い光学像しか得られないことが予想されるか否かに応じて、本発明のデフォーカス状態における位置検出を実施するか、従来のベストフォーカス状態における位置検出を実施するかを判断するようにしても良い。
取得工程S2においては、まず処理対象としてのプロセスウエハのマークの段差量を取得する。この段差量は前述した如くオペレータ等により入力され、あるいは実測して求められるので、これを取得する。次いで、取得した段差量に基づいて段差データを検索し、対応する最適デフォーカス量ΔZを取得する。その後、設定工程S3において、取得したデフォーカス量ΔZにしたがってウエハステージ(32,33)を駆動することにより、ウエハWを(ひいてはウエハマークWMを)所定のデフォーカス状態に設定する。その後、検出工程S4に進み、設定工程S3で設定されたデフォーカス状態において、光電検出器(15,16)の出力信号に基づいて当該ウエハマークWMの位置を検出する。なお、いわゆるEGA(Enhanced Global Alignment)の手法にしたがって、ウエハW上に配置された複数(例えば6つまたは8つ)のウエハマークWMの位置を検出するために、ウエハステージ(32,33)をXY平面に沿って二次元的に駆動しながら設定工程S3と検出工程S4とを複数回に亘って繰り返す。
なお、上述した説明では、本発明のデフォーカス状態における位置検出を行うか、従来のベストフォーカス状態における位置検出を行うかを各種の条件により判断するようにしたが、このような判断処理は、従来技術の項で参考文献として列挙したものに記載のデフォーカス状態における位置検出を行うか、従来のベストフォーカス状態における位置検出を行うかについての判断に用いることもできる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述の実施形態では、ウエハマークからの光に基づいてその像を形成する結像光学系を備えた位置検出装置に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、一般的にウエハマークからの光を導く光学系を備えた位置検出装置に対しても本発明を適用することもできる。
また、本発明は、半導体素子や液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、および撮像素子(CCD等)の製造にも用いられる露光装置、およびレチクル、又はマスクを製造するために、ガラス基板、又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも適用することができる。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。
さらに、上記実施形態では本発明を露光装置に適用した場合について説明したが、本発明は、搬送装置、計測装置、検査装置、試験装置、その他のマークの位置を計測して物体の位置合わせを行う装置全般について適用が可能である。
本発明の実施形態に係る位置検出装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。 ウエハマーク又は基準パターンの構成を模式的に示す図である。 非対称な低段差パターンの一例を概略的に示す図である。 非対称な段差パターンを残存誤差のない結像光学系を介して検出したときに得られる信号波形を示す図である。 結像開口絞りのずれにより信号波形が非対称に歪む原理を説明するための図である。 パターンの段差量と検出誤差との関係を示す図である。 パターンの段差量と像のコントラスト(Iac)、非対称量(ΔI)、および非対称度(Q)との関係を示す図である。 マーク自体が非対称である場合又は結像光学系に誤差がある場合の検出信号の波形を示す図である。 細溝パターンで構成されたマーク及びその信号波形について説明する図である。 本発明の実施形態のマーク位置の検出処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ハロゲンランプ
2 ライトガイド
3 照明開口絞り
5 照明視野絞り
7 ハーフプリズム
8 第1対物レンズ
9 反射プリズム
10 第2対物レンズ
11 指標板
14 XY分岐ハーフプリズム
15,16 CCD
17 結像開口絞り
18 信号処理系
30 レチクルステージ
31 ウエハホルダ
32 Zステージ
33 XYステージ
34 ステージ制御系
35 主制御系
36 キーボード
IL 露光用照明系
R レチクル
PA パターン領域
PL 投影光学系
W ウエハ
WM ウエハマーク

Claims (11)

  1. 位置検出すべき物体に設けられたマークからの光を光電検出して得られる波形信号に基づいて前記マークの位置を検出する位置検出方法において、
    相対する一対のエッジ部を有する所定の基準パターンを前記光電検出して得られる波形信号の該エッジ部にそれぞれ対応する部分の信号強度が略等しくなるフォーカス状態下で前記マークの位置を検出する検出工程と、
    前記マークの段差量に関する条件に基づいて、前記検出工程を実施するか否かを判断する判断工程と、
    を含むことを特徴とする位置検出方法。
  2. 前記基準パターンは、ライン部と該ライン部の周囲の非ライン部との反射率が互いに実質的に等しいパターンであることを特徴とする請求項1に記載の位置検出方法。
  3. 前記判断工程では、前記段差量が100nm以下である場合に前記検出工程を実施すると判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の位置検出方法。
  4. 前記判断工程では、前記マークを照明する照明光の波長をλとし、前記マークのライン部からの光と該ライン部の周囲の非ライン部からの光の位相差をθとして、落射照明の場合はθ≦λ/10である場合に、透過照明の場合はθ≦λ/5である場合に、前記検出工程を実施すると判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の位置検出方法。
  5. 前記物体上の前記マークの位置を検出するよりも前に、前記所定の基準パターンとして、互いに段差量が異なり、且つそれぞれ一対のエッジ部を備える複数種の基準パターンを用意し、その用意された前記複数の基準パターンを光電検出して、それぞれの前記エッジ部に対応する部分の信号強度が略等しくなるフォーカス状態を求め、該求められたそれぞれのフォーカス状態を該基準パターン毎に記憶し、
    前記物体上の前記マークの位置を検出する際には、前記マークの構造に関する情報、前記基準パターンの構造に関する情報、および前記記憶されている複数のフォーカス状態に基づいて、前記マークに最適なフォーカス状態を特定し、該特定されたフォーカス状態下で該マークの位置を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の位置検出方法。
  6. 位置検出すべき物体に設けられたマークからの光学系を介した光を光電検出して得られる信号に基づいて前記マークの位置を検出する位置検出方法において、
    前記信号に基づいて決定されたフォーカス状態下で前記マークの位置検出を行う検出工程と、
    前記検出工程に先立ち、前記マークの段差量に関する段差情報を取得し、該段差情報に基づいて前記検出工程を実施するか否かを判断する判断工程と
    を含むことを特徴とする位置検出方法。
  7. 前記判断工程では、前記マークを照明する照明光の波長をλとし、前記マークのライン部からの光と該ライン部の周囲の非ライン部からの光の位相差をθとして、落射照明の場合はθ≦λ/10である場合に、透過照明の場合はθ≦λ/5である場合に、前記検出工程を実施すると判断することを特徴とする請求項6に記載の位置検出方法。
  8. 位置検出すべき物体に設けられたマークからの光を光電検出して得られる波形信号に基づいて前記マークの位置を検出する位置検出装置において、
    相対する一対のエッジ部を有する所定の基準パターンを前記光電検出して得られる波形信号の該エッジ部にそれぞれ対応する部分の信号強度が略等しくなるフォーカス状態下で前記マークの位置を検出する検出系と、
    前記マークの段差量に関する条件に基づいて、前記検出系による前記マークの位置の検出を実施するか否かを判断する判断手段と、
    を含むことを特徴とする位置検出装置。
  9. 位置検出すべき物体に設けられたマークからの光を導く光学系と、前記マークからの光を光電検出する光電検出器と、該光電検出器の出力信号に基づいて前記マークの位置を検出する検出系とを備えた位置検出装置において、
    前記光電検出器の出力信号に基づいて決定されたフォーカス状態下で、前記検出系による前記マークの位置検出を行うか否かを、前記マークの段差量に関する段差情報に基づいて判断する判断手段を有することを特徴とする位置検出装置。
  10. パターンが形成されたマスクを照明する照明系と、
    前記マスクのパターン像を物体上に投影する投影光学系と、
    請求項8または請求項9に記載の位置検出装置と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  11. マスクのパターンを介して物体を露光する露光方法において、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の位置検出方法を用いて前記物体の位置を検出する工程を含むことを特徴とする露光方法。
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