JP4395772B2 - ノイズ除去方法及び装置 - Google Patents
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Description
ノイズ除去装置としては、例えば非特許文献1に記載されている方式がある。これは、最小平均2乗誤差短時間スペクトル振幅法として知られている。図48に、非特許文献1に記載されたノイズ除去装置の構成を示す。
フレームに分割された劣化音声信号サンプルは、窓がけ処理部2に供給され、窓関数w(t)との乗算が行なわれる。第nフレームの入力信号yn(t)(t=0,1,....,K/2−1)に対するw(t)で窓がけされた信号yn(t)バーは、式(1)で与えられる。
以後、連続する2フレームの50%をオーバラップして窓がけする場合を例として説明を続ける。窓関数w(t)としては、例えば式(3)に示すハニング窓を用いることができる。
多重乗算部16は、フーリエ変換部3から供給された劣化音声振幅スペクトル|Yn(k)|を、雑音抑圧係数生成部8から供給された抑圧係数Gn(k)バーで重みづけすることによって強調音声振幅スペクトル|Xn(k)|バーを求め、逆フーリエ変換部9に伝達する。|Xn(k)|バーは、式(4)で与えられる。
音声検出部の実現方法について、非特許文献1は詳細に開示していない。しかし、音声検出部の実現例としては非特許文献2が知られているので、以降、非特許文献2に示されたものを従来の方法として説明する。
図49は、図48における音声検出部4の構成を示すブロック図である。音声検出部4は、閾値記憶部401、比較部402、乗算器404、対数計算部405、パワー計算部406、重みつき加算部407、重み記憶部408、論理否定回路409を有する。
更新閾値THn の計算は、重みつき加算部制御信号905が“1”に等しいときだけ行なわれる。すなわち、重みつき加算部407の機能は、無音のときに、閾値THn -1を更新してTHn を求めることであり、式(9)によって表すことができる。
スイッチ5044には、図53における分離部502から、周波数別劣化音声パワースペクトルが供給されている。スイッチ5044が回路を閉じたときに、周波数別劣化音声パワースペクトルは、シフトレジスタ5045に伝達される。シフトレジスタ5045は、更新判定部521から供給される制御信号に応じて、内部レジスタの記憶値を隣接レジスタにシフトする。シフトレジスタ長は、後述するレジスタ長記憶部5941に記憶されている値に等しい。シフトレジスタ5045の全レジスタ出力は、加算器5046に供給される。加算器5046は、供給された全レジスタ出力を加算して、加算結果を除算部5048に伝達する。
図48におけるカウンタ13から供給されるカウント値は、比較部5203に伝達される。閾値記憶部5204の出力である閾値も、比較部5203に伝達される。比較部5203は、供給されたカウント値と閾値を比較し、カウント値が閾値より小さいときに“1”を、カウント値が閾値より大きいときに“0”を、論理和計算部5211に伝達する。
その結果、論理和計算部5211の出力は、音声検出フラグが“0”である無音部のとき、又はカウント値が閾値より小さいときに“1”となって、図54におけるスイッチ5044を閉じ、カウンタ5049をカウントアップさせる。
図48における周波数別SNR計算部6から供給される後天的SNRγn(k)(k=0,1,....,K−1)は、加算器708の一方の端子と、後天的SNR記憶部702に伝達される。後天的SNR記憶部702は、第nフレームにおける後天的SNRγn(k)を記憶すると共に、第n−1フレームにおける後天的SNRγn-1(k)を多重乗算部705に伝達する。
重みつき加算部70710 〜7071K-1 の構成と動作は、既に図51を用いて説明した重みつき加算部407と等しいので、詳細な説明は省略する。但し、重みつき加算の計算は常に行なわれる。
また、従来のノイズ除去装置及び方法では、逆フーリエ変換して得られた時間領域信号の隣接する2フレームから取り出した信号サンプルを重ね合わせ加算することによって、強調音声を得ていた。一方、フーリエ変換前に時間領域信号にかける窓関数は、雑音抑圧処理を行なわないときに、入力が出力において再現されるように設計されていた。このため、重ね合わせ加算の対象となった信号サンプルが、隣接するフレームにおいて異なった抑圧係数値で抑圧されると、フレーム境界において信号サンプルに不連続性を生じ、出力信号に発生する雑音によって音質が劣化してしまっていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、優れた音質の強調音声を得ることができるノイズ除去装置及び方法を提供することにある。
信号の定常性としては、入力信号の振幅がゼロとなるゼロ交叉の数を用いてもよいし、このゼロ交差の数と相関を示す前記周波数領域信号の高域電力を用いてもよい。
また、入力信号を変換した周波数領域信号に基づいて周波数領域信号に含まれる推定雑音を推定し、この推定雑音と周波数領域信号とを用いて注入雑音を計算し、この注入雑音と周波数領域信号との和、及び注入雑音と推定雑音との和を用いて信号対雑音比を求めるようにしてもよい。
ここで、入力信号を変換した周波数領域信号を重みづけし、この重みづけした周波数領域信号に基づいて推定雑音を推定するようにしてもよい。
また、本発明にかかる他のノイズ除去方法は、入力信号を周波数領域信号に変換し、この周波数領域信号を用いて信号対雑音比を求め、この信号対雑音比に基づいて抑圧係数を定め、この抑圧係数を用いて周波数領域信号を重みづけすることによって、入力信号に含まれるノイズを除去するノイズ除去方法において、信号対雑音比を求めるステップは、周波数領域信号に基づいて周波数領域信号に含まれる雑音を推定し、周波数領域信号と推定雑音に基づいて周波数領域信号への注入雑音を計算し、注入雑音を周波数領域信号に付加して補正周波数領域信号を求め、注入雑音を推定雑音に付加して補正された推定雑音を求め、補正周波数領域信号と補正された推定雑音から信号対雑音比を求め、入力信号を変換した周波数領域信号に基づいて周波数領域信号に含まれる推定雑音を推定し、この推定雑音と周波数領域信号とを用いて注入雑音のパワーを定めるようにしたものである。
ここで、入力信号を変換した周波数領域信号を重みづけし、この重みづけした周波数領域信号に基づいて推定雑音を推定するようにしてもよい。
また、上述したノイズ除去装置は、周波数領域信号の振幅成分を重みづけし,得られた重みつき振幅成分を推定雑音計算部に出力し,推定雑音計算部に重みつき振幅成分に基づいて推定雑音を推定させる重みつき劣化音声計算部を更に具備するものであってもよい。
ここで、重みつき劣化音声計算部は、周波数領域信号の振幅成分を用いて第2の信号対雑音比を計算して出力する第2の信号対雑音比計算部と、この第2の信号対雑音比計算部から入力された第2の信号対雑音比を非線形関数によって処理して重みを求め出力する非線形処理部と、この非線形処理部から入力された重みを用いて周波数領域信号の振幅成分を重みづけし,推定雑音計算部に出力する第2の乗算部とを含む構成としてもよい。
また、上述したノイズ除去装置は、抑圧係数生成部から入力された抑圧係数を,周波数領域信号に基づいて補正して第1の乗算部に出力し,第1の乗算部に補正した抑圧係数を用いて周波数領域信号の振幅成分を重みづけさせる抑圧係数補正部を更に具備するものであってもよい。
また、上述したノイズ除去装置は、周波数領域信号の振幅成分を重みづけし,得られた重みつき振幅成分を推定雑音計算部に出力し,推定雑音計算部に重みつき振幅成分に基づいて推定雑音を推定させる重みつき劣化音声計算部を更に具備するものであってもよい。
ここで、重みつき劣化音声計算部は、周波数領域信号の振幅成分を用いて第2の信号対雑音比を計算して出力する第2の信号対雑音比計算部と、この第2の信号対雑音比計算部から入力された第2の信号対雑音比を非線形関数によって処理して重みを求め出力する非線形処理部と、この非線形処理部から入力された重みを用いて周波数領域信号の振幅成分を重みづけし,推定雑音計算部に出力する第2の乗算部とを含む構成としてもよい。
また、上述したノイズ除去装置は、抑圧係数生成部から入力された抑圧係数を,周波数領域信号に基づいて補正して第1の乗算部に出力し,第1の乗算部に補正した抑圧係数を用いて周波数領域信号の振幅成分を重みづけさせる抑圧係数補正部を更に具備するものであってもよい。
また、本発明にかかる他のノイズ除去装置は、入力信号を周波数領域信号に変換して振幅成分と位相成分に分離して出力する変換部と、周波数領域信号の振幅成分に基づいて周波数領域信号に含まれる雑音を推定する推定雑音計算部と、推定雑音と周波数領域信号の振幅成分を用いて注入雑音を計算する注入雑音計算部と、注入雑音と周波数領域信号の振幅成分を加算する第1の加算器と、注入雑音と推定雑音を加算する第2の加算器と、第1の加算器の出力信号と第2の加算器の出力信号とを受けて第1の信号対雑音比を求める第1の信号対雑音比計算部と、第1の信号対雑音比に基づいて抑圧係数を定める抑圧係数生成部と、抑圧係数を用いて周波数領域信号の振幅成分を重みづけする第1の乗算部と、この第1の乗算部の出力と周波数領域信号の位相成分を時間領域信号に変換する逆変換部とを少なくとも具備し、抑圧係数生成部から入力された抑圧係数を,周波数領域信号に基づいて補正して第1の乗算部に出力し,第1の乗算部に補正した抑圧係数を用いて周波数領域信号の振幅成分を重みづけさせる抑圧係数補正部を更に具備するものであってもよい。
ここで、重みつき劣化音声計算部は、周波数領域信号の振幅成分を用いて第2の信号対雑音比を計算して出力する第2の信号対雑音比計算部と、この第2の信号対雑音比計算部から入力された第2の信号対雑音比を非線形関数によって処理して重みを求め出力する非線形処理部と、この非線形処理部から入力された重みを用いて周波数領域信号の振幅成分を重みづけし,推定雑音計算部に出力する第2の乗算部とを含む構成としてもよい。
このノイズ除去方法において、推定雑音に対する注入雑音の付加を、入力信号の性質に応じて選択的に行なってもよい。これにより、例えば抑圧係数の導出に用いられた統計モデルに従わない雑音を含む信号が入力された場合だけ注入雑音を付加し、強調音声の補正を選択的に行うことができる。
ここで、入力信号の性質として、信号の定常性を用いてもよい。言うなれば、信号の性質、例えば平均パワーやスペクトル形状等が、時間と共にどの程度変化するかを基準として、注入雑音の付加を行ってもよい。
信号の定常性としては、入力信号の振幅がゼロとなるゼロ交叉の数を用いてもよいし、このゼロ交差の数と相関を示す前記周波数領域信号の高域電力を用いてもよい。
また、注入雑音のパワーを、周波数領域信号と推定雑音とを用いて定めるようにしてもよい。
また、入力信号を変換した周波数領域信号を重みづけし、この重みづけした周波数領域信号に基づいて推定雑音を推定するようにしてもよい。
ここで、入力信号を変換した周波数領域信号を用いて信号対雑音比を求め、この信号対雑音比を用いて重みを求め、この重みを用いて周波数領域信号を重みづけするようにしてもよい。これにより、周波数領域信号に含まれる音声成分の影響を小さくし、推定雑音の推定より高精度に行うことができる。
例えば、入力信号を変換した周波数領域信号を用いて信号対雑音比を求め、この信号対雑音比を非線形処理関数によって処理して重みを求め、この重みを用いて周波数領域信号を重みづけするようにしてもよい。
また、上述したノイズ除去方法において、周波数領域の強調音声を変換した時間領域信号に窓がけ処理を施してもよい。
図1は、本発明のノイズ除去装置の第1の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。このノイズ除去装置と、図48に示した従来のノイズ除去装置とは、窓がけ処理部22、注入雑音計算部55、加算器56,57を除いて同一である。この同一部分については同一符号を付している。以下、上述の相違点を中心に詳細に説明する。
隣接する2フレームを構成するxn-1(t)バーとxn(t)バーが各フレームにおいて異なった抑圧係数値で抑圧されたとしても、xn-1(t)バーとxn(t)バーのそれぞれに上述した窓関数h(t)を乗算してフレーム境界におけるxn-1(t)バーとxn(t)バーの振幅を小さくすることによって、フレーム境界における連続性を改善し、雑音の発生を低減することができる。よって、雑音による音質劣化を抑制し、優れた音質の強調音声を得ることができる。
また、Wn(k)の第1と第2の値W1 ,W2 は、推定雑音のレベルに対応して決定することができる。推定雑音レベルが高い時はWn(k)の第1と第2の値W1 ,W2 を小さくし、低い時は大きくする。このようにWn(k)の第1と第2の値W1 ,W2 を設定することで、同じSNRの値に対して、推定雑音レベルが高い時ほど容易に小さなWn(k)が設定できる。この場合、注入レベル計算部553に推定雑音パワースペクトルを供給する構成とすることは、言うまでもない。
図5は、本発明のノイズ除去装置に関連する第1の参考例の全体構成を示すブロック図である。このノイズ除去装置は、図1に示したノイズ除去装置が具備する注入雑音計算部55、加算器56,57の代わりに、SNR補正部65を具備するものである。以下、これらの相違点を中心に詳細に説明する。
すなわち、図1に示したノイズ除去装置では、雑音を注入した劣化音声パワースペクトルと雑音を注入した推定雑音パワースペクトルを用いて、後天的SNRを計算していたのに対して、図5に示したノイズ除去装置では、劣化音声パワースペクトルと推定雑音パワースペクトルを用いて計算した注入雑音を用いて、計算した後天的SNRを補正する。
図6は、SNR補正部65の一構成例を示すブロック図である。SNR補正部65は、K個の補正SNR計算部6540 〜654K-1 、分離部651、652、653、多重化部655を有する。
分離部651には、図5における周波数別SNR計算部6から後天的SNRが供給される。分離部651は、供給された後天的SNRをK個の周波数別成分に分離し、それぞれ補正SNR計算部6540 〜654K-1 に伝達する。分離部652には、図5における多重乗算部17から劣化音声パワースペクトルが供給される。分離部652は、供給された劣化音声パワースペクトルをK個の周波数別成分に分離し、それぞれ補正SNR計算部6540 〜654K-1 に伝達する。分離部653には、図5における推定雑音計算部51から推定雑音パワースペクトルが供給される。分離部653は、供給された推定雑音パワースペクトルをK個の周波数別成分に分離し、それぞれ補正SNR計算部6540 〜654K-1 に伝達する。補正SNR計算部6540 〜654K-1 は、供給された劣化音声パワースペクトルと推定雑音パワースペクトルに対応した補正を後天的SNRに加え、補正後天的SNRを多重化部655に伝達する。多重化部655は、供給された補正後天的SNRを多重化して出力する。
すなわち、注入雑音計算部662で計算された注入雑音は、加算器6543及び6544に伝達される。加算器6543には、図8における分離部653から推定雑音パワースペクトルも供給されており、注入雑音計算部662から供給された雑音との加算結果を除算部6545に伝達する。加算器6544には、図8における分離部652から劣化音声パワースペクトルも供給されており、注入雑音計算部6542から供給された雑音との加算結果を除算部6545に伝達する。除算部6545は、加算器6543の出力と加算器6544の出力から求めた商を、補正後天的SNRとして出力する。
図10は、本発明のノイズ除去装置の第2の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。このノイズ除去装置は、図1に示したノイズ除去装置において、注入雑音計算部55を注入雑音計算部58で置換した構成になっている。以下、この相違点を中心に詳細に説明する。
図10に示すノイズ除去装置では、入力信号の性質に応じて、選択的に雑音注入を適用する。このため、入力信号の性質を評価するために、フレーム分割部1の出力である時間領域の劣化音声信号が、注入雑音計算部58に供給されている。
フレーム分割部1の出力である時間領域の劣化音声信号は、ゼロ交叉計算部581に供給されている。ゼロ交叉計算部581には、SNR計算部551からSNRが、しきい値計算部552からしきい値が、それぞれ供給されている。ゼロ交叉計算部581では、供給された劣化音声信号の振幅がゼロとなるゼロ交叉を計数する。同時に、SNRとしきい値から、SNRが前記第2のしきい値TH2 より小さいか否かを評価する。SNRが前記第2のしきい値TH2 より小さいときだけ、前記ゼロ交叉の数を過去の数フレームに渡って平均化する。すなわち、劣化音声が無音と判定したときだけ、平均値を求める。このようにして得られた平均値を第3のしきい値と比較し、平均値の方が大きいときに“1”を、それ以外の場合は“0”を、制御信号としてスイッチ582に伝達する。第3のしきい値は、予め定めておくこともできるし、動作途中で変更することもできる。
ゼロ交叉の数は、非定常な信号ほど多くなることが知られているので、非定常性が一定以上の信号に対してだけ、雑音注入を実行し、抑圧係数の補正を行うことができる。
図12は、本発明のノイズ除去装置の第3の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。このノイズ除去装置は、図10に示したノイズ除去装置において、注入雑音計算部58を注入雑音計算部59で置換した構成になっている。以下、この相違点を中心に詳細に説明する。
高域電力計算部591には、SNR計算部551と共に、劣化音声パワースペクトルが供給されている。高域電力計算部591は、劣化音声パワースペクトル|Yn(k)|2 のうち、kが基準値kTHよりも大きいものの総和をとる。基準値kTHは、総和をとることによって、上述した劣化音声信号のゼロ交叉の数に対応する高域電力が得られるように、劣化音声信号その他の条件に応じて設定される。この結果、前記ゼロ交叉の数に対応する高域電力が得られるので、この高域電力を第4のしきい値と比較した結果を用いて、図11に示した注入雑音計算部58と同様にスイッチ582を制御することができる。すなわち、高域電力の値によって、注入レベル計算部553から供給された注入雑音と0を選択し、注入雑音として出力する。
図14は、本発明のノイズ除去装置に関連する第2の参考例の全体構成を示すブロック図である。このノイズ除去装置は、図5に示したノイズ除去装置において、SNR補正部65をSNR補正部67で置換した構成になっている。以下、この相違点を中心に詳細に説明する。
図14に示すノイズ除去装置では、図10に示したノイズ除去装置と同様に、入力信号の性質に応じて、選択的に雑音注入を適用する。このため、入力信号の性質を評価するために、フレーム分割部1の出力である時間領域の劣化音声信号が、SNR補正部67に供給されている。
ゼロ交叉計算部67232は、供給された劣化音声信号の振幅がゼロとなるゼロ交叉を計数し、無音区間検出部67231から“1”を受けたときだけ、前記ゼロ交叉の数を過去の数フレームに渡って平均化する。このようにして得られた平均値は、比較部67233に伝達される。
比較部67233は、供給された前記ゼロ交叉の平均値を前記第3のしきい値と比較し、平均値の方が大きいときに“1”を、それ以外の場合は“0”を、制御信号としてスイッチ6722に伝達する。
図17は、本発明のノイズ除去装置に関連する第3の参考例の全体構成を示すブロック図である。このノイズ除去装置は、図14に示したノイズ除去装置において、SNR補正部67をSNR補正部68で置換した構成になっている。以下、この相違点を中心に詳細に説明する。
図18は、図17におけるSNR補正部68の構成例を示すブロック図である。図15に示したSNR補正部67との違いは、注入雑音計算部672が注入雑音計算部682に置換されていることである。
図20は、本発明のノイズ除去装置の第4の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。このノイズ除去装置と図1に示したノイズ除去装置とは、推定雑音計算部5、重みつき劣化音声計算部14及び抑圧係数補正部15を除いて同一である。図20に示すノイズ除去装置の構成は、窓がけ処理部22及び注入雑音計算部58を除けば、非特許文献5に開示されたものに等しい。非特許文献5に開示された方法は、非特許文献1に開示された従来の方法とは異なり、重みつき劣化音声スペクトルを用いて、雑音のパワースペクトルを推定することによって、正確な推定雑音を得ることができる。以下、これらの相違点を中心に詳細に説明する。
分離部1495は、図21における周波数別SNR計算部1402から供給されるSNRを周波数別のSNRに分離し、非線形処理部14850 〜1485K-1 に出力する。
非線形処理部14850 〜1485K-1 は、それぞれ入力値に応じた実数値を出力する非線形関数を有する。図23に、非線形関数の例を示す。f1 を入力値としたとき、図23に示される非線形関数の出力値f2 は、式(17)で与えられる。
多重化部1475は、非線形処理部14850 〜1485K-1 から出力された重み係数を多重化し、その結果得られた重み係数ベクトルを図21における多重乗算部1404に出力する。
なお、重み係数の計算に非線形関数を用いた例を示したが、非線形関数以外にも線形関数や高次多項式など、他の形で表されるSNRの関数を用いることも可能である。
推定雑音記憶部5942は、除算部5048から供給される周波数別推定雑音パワースペクトルを記憶し、1フレーム前に記憶された周波数別推定雑音パワースペクトルを更新判定部520に出力する。更新判定部520の構成と動作の詳細な説明は、図26を参照しながら行う。
閾値計算部5207は、図25における推定雑音記憶部5942から供給される周波数別推定雑音パワースペクトルに応じた値を計算し、閾値として閾値記憶部5206に出力する。最も簡単な閾値の計算方法は、周波数別推定雑音パワースペクトルの定数倍である。その他に、高次多項式や非線形関数を用いて閾値を計算することも可能である。
比較部5205は、閾値記憶部5206から供給される閾値と図24における分離部502から供給される周波数別劣化音声パワースペクトルを比較し、周波数別劣化音声パワースペクトルが閾値よりも小さければ“1”を、大きければ“0”を論理和計算部5201に出力する。すなわち、推定雑音パワースペクトルの大きさをもとに、劣化音声信号が雑音であるか否かを判別している。
論理和計算部5201は、比較部5203の出力値、論理否定回路5202の出力値、及び比較部5205の出力値の論理和を計算し、計算結果を図25におけるスイッチ5044、シフトレジスタ5045及びカウンタ5049に出力する。
比較部1594は、閾値記憶部1593から供給される閾値と、図28における分離部1502から供給される周波数別推定先天的SNRを比較し、周波数別推定先天的SNRが閾値よりも大きければ“0”を、小さければ“1”をスイッチ1595に供給する。
乗算器1579は、スイッチ1595の出力値と修正値記憶部1596の出力値との積を計算し、計算結果を最大値選択部1591に供給する。抑圧係数値を小さくするため、修正値は1より小さい値が普通であるが、目的によってはこの限りではない。このように、周波数別推定先天的SNRが閾値よりも小さいときに、抑圧係数の補正を行なう。SNRが小さい場合に抑圧係数の補正を行なうことで、音声成分を過剰に抑圧することなく、残留雑音量を減らすことができる。
なお、図1、図5、図10、図12、図14、図17に示したノイズ除去装置では、抑圧係数が多重乗算部16と推定先天的SNR計算部7へ供給されていたが、図20に示したノイズ除去装置では、抑圧係数に代わって補正抑圧係数が供給されている。
図30は、図20における雑音抑圧係数生成部8の他の構成例を示すブロック図である。雑音抑圧係数生成部81は、MMSE STSAゲイン関数値計算部811、一般化尤度比計算部812、音声存在確率記憶部813、及び抑圧係数計算部814を有する。
MMSE STSAゲイン関数値計算部811は、図20における周波数別SNR計算部6から供給される後天的SNRγn(k)、図20における推定先天的SNR計算部7から供給される推定先天的SNRξn(k)ハット及び音声存在確率記憶部813から供給される音声存在確率qをもとに、各周波数毎にMMSE STSAゲイン関数値を計算し、抑圧係数計算部814に出力する。各周波数毎のMMSE STSAゲイン関数値Gn(k)は、式(20)で与えられる。
一般化尤度比計算部812は、図20における周波数別SNR計算部6から供給される後天的SNRγn(k)、図20における推定先天的SNR計算部7から供給される推定先天的SNRξn(k)ハット及び音声存在確率記憶部813から供給される音声存在確率qをもとに、周波数毎に一般化尤度比を計算し、抑圧係数計算部814に出力する。周波数毎の一般化尤度比Λn(k)は、式(21)で与えられる。
図31は、周波数別SNR計算部6の他の構成例を示すブロック図である。図56に示した周波数別SNR計算部6との相違点は、帯域別SNR計算部61が帯域別パワー計算部611,612を有することである。帯域別パワー計算部611は、分離部602から供給される周波数別劣化音声パワースペクトルをもとに帯域別のパワーを計算し、除算部6010 〜601K-1 へ出力する。また、帯域別パワー計算部612は、分離部603から供給される周波数別推定雑音パワースペクトルをもとに帯域別のパワーを計算し、除算部6010 〜601K-1 へ出力する。
帯域別SNR計算部61は、M個の加算器61100〜6110M-1を有する。図31における分離部602から供給される周波数別劣化音声パワースペクトル9100 〜910K-1 (9100 〜910ML-1)は、各周波数に対応した加算器61100 〜6110M-1 へそれぞれ伝達される。例えば、帯域番号0に対応する周波数番号は0からL−1なので、周波数別劣化音声パワースペクトル9100 〜910L-1 は加算器61100へ伝達される。また、帯域番号1に対応する周波数番号はLから2L−1なので、周波数別劣化音声パワースペクトル910L 〜9102L-1は加算器61101へ伝達される。
帯域別パワー計算部612の構成と動作は帯域別パワー計算部611と等価であるので、その説明は省略する。
図33は、本発明のノイズ除去装置に関連する第4の参考例の全体構成を示すブロック図である。図20に示したノイズ除去装置との相違点は、注入雑音計算部58、加算器56,57が、SNR補正部67に置換されていることである。図20と図33の関係は、図1と図5の関係及び図10と図14の関係に等しく、SNR補正部67については図15及び14を参照して説明したので、図33に示したノイズ除去装置に関する詳細な説明は省略する。
図34は、本発明のノイズ除去装置の第5の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。図20に示したノイズ除去装置との相違点は、推定雑音計算部5が推定雑音計算部52に置換されていること、及び重みつき劣化音声計算部14が存在しないことである。以下、これらの相違点を中心に詳細に説明する。
図37は、本発明のノイズ除去装置に関連する第5の参考例の全体構成を示すブロック図である。図34に示したノイズ除去装置との相違点は、注入雑音計算部58、加算器56,57が、SNR補正部67に置換されていることである。図34と図37の関係は、図1と図5の関係、図10と図14の関係、及び図20と図33の関係に等しく、SNR補正部67については図15及び14を参照して説明したので、図37に示したノイズ除去装置に関する詳細な説明は省略する。
図38は、本発明のノイズ除去装置の第6の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。図20に示したノイズ除去装置とは、推定先天的SNR計算部71を除いて同一であるので、以下、この相違点を中心に詳細に説明する。
図39は、図38における推定先天的SNR計算部71の構成を示すブロック図である。図57に示した推定先天的SNR計算部7は後天的SNR記憶部702、抑圧係数記憶部703、多重乗算部705,704を有するのに対し、推定先天的SNR計算部71はこれらの代わりに、推定雑音記憶部712、強調音声パワースペクトル記憶部713、周波数別SNR計算部715、多重乗算部716を有する。また、推定先天的SNR計算部7は、入力信号に抑圧係数を有するが、推定先天的SNR計算部71は、抑圧係数の代わりに強調音声振幅スペクトルと推定雑音パワースペクトルを入力信号に有する。以下、推定先天的SNR計算部7と71との間に存在するこれらの相違点を中心に、詳細に説明する。
強調音声パワースペクトル記憶部713は、多重乗算部716から供給される強調音声パワースペクトルを記憶し、1フレーム前に供給された強調音声パワースペクトルを周波数別SNR計算部715へ出力する。
推定雑音記憶部712は、図38における推定雑音計算部5から供給される推定雑音パワースペクトルλn(k)を記憶し、1フレーム前に供給された推定音声パワースペクトルを周波数別SNR計算部715へ出力する。
周波数別SNR計算部715の出力であるGn-1 2(k)バー・|Yn-1(k)|2 /λn-1(k)は、式(11)の関係から、図57における多重乗算部705の出力であるγn-1(k)Gn-1 2(k)バーと等価である。従って、図20に示したノイズ除去装置に含まれる推定先天的SNR計算部7を推定先天的SNR計算部71で置換することが可能となる。
図40は、本発明のノイズ除去装置に関連する第6の参考例の全体構成を示すブロック図である。図38に示したノイズ除去装置との相違点は、注入雑音計算部58、加算器56,57が、SNR補正部67に置換されていることである。図38と図40の関係は、図1と図5の関係、図10と図14の関係、図20と図33の関係、及び図34と図37の関係に等しく、SNR補正部67については図15及び14を参照して説明したので、図40に示したノイズ除去装置に関する詳細な説明は省略する。
図41は、本発明のノイズ除去装置の第7の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。図20に示したノイズ除去装置との相違点は、推定雑音計算部5が推定雑音部52に、推定先天的SNR計算部7が推定先天的SNR計算部71に、それぞれ置換されていることと、重みつき劣化音声計算部14が存在しないことである。推定雑音部52の構成と動作は、図35及び図36を参照して説明したのと同様である。また、推定先天的SNR計算部71の構成と動作は、図39を参照して説明したのと同様である。従って、図41に示したノイズ除去装置は、図20に示したノイズ除去装置と等価な機能を実現する。
図42は、本発明のノイズ除去装置に関連する第7の参考例の全体構成を示すブロック図である。図41に示したノイズ除去装置との相違点は、注入雑音計算部58、加算器56,57が、SNR補正部67に置換されていることである。図41と図42の関係は、図1と図5の関係、図10と図14の関係、図20と図33の関係、図34と図37の関係、及び図38と図40の関係に等しく、SNR補正部67については図15及び14を参照して説明したので、図42に示したノイズ除去装置に関する詳細な説明は省略する。
図43は、本発明のノイズ除去装置の第8の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。図20に示したノイズ除去装置との相違点は、推定雑音計算部5が推定雑音計算部53で置換されていることと、音声検出部4が存在しないことである。すなわち、雑音の推定に音声検出部を必要としない構成になっている。以下、これらの相違点を中心に詳細に説明する。
図44は、図43における推定雑音計算部53の構成を示すブロック図である。図24に示した推定雑音計算部5との相違点は、周波数別推定雑音計算部5040 〜504K-1 が周波数別推定雑音計算部5080 〜508K-1 に置換されていることと、推定雑音計算部53が入力信号に音声検出フラグを有していないことである。図45を参照しながら、周波数別推定雑音計算部5080 〜508K-1 の構成と動作を詳細に説明する。
図46は、図45に示した周波数別推定雑音計算部508に含まれる更新判定部522の構成を示すブロック図である。図26に示した更新判定部520との相違点は、論理和計算部5201が論理和計算部5221に置換されていること、更新判定部522が論理否定回路5202を有していないこと、入力信号に音声検出フラグを有していないことである。すなわち、更新判定部522は、推定雑音の更新に音声検出フラグを用いていない。この点が、図26に示した更新判定部520と異なる。
図26を用いて説明した通り、比較部5205は劣化音声信号が雑音であるか否かの判定を行なっている。すなわち、比較部5205は各周波数毎に音声検出を行なっていると言える。従って、音声検出フラグを入力信号に有しない更新判定部や推定雑音計算部を実現することが可能となる。
図47は、本発明のノイズ除去装置に関連する第8の参考例の全体構成を示すブロック図である。図43に示したノイズ除去装置との相違点は、注入雑音計算部58、加算器56,57が、SNR補正部67に置換されていることである。図43と図47の関係は、図1と図5の関係、図10と図14の関係、図20と図33の関係、図34と図37の関係、図38と図40の関係、及び図41と図42の関係に等しく、SNR補正部67については図15及び14を参照して説明したので、図47に示したノイズ除去装置に関する詳細な説明は省略する。
Claims (28)
- 入力信号を周波数領域信号に変換し、この周波数領域信号を用いて信号対雑音比を求め、この信号対雑音比に基づいて抑圧係数を定め、この抑圧係数を用いて前記周波数領域信号を重みづけすることによって前記入力信号に含まれるノイズを除去するノイズ除去方法において、
前記信号対雑音比を求めるステップは、
前記周波数領域信号に基づいて前記周波数領域信号に含まれる雑音を推定し、
前記周波数領域信号と前記推定雑音に基づいて前記周波数領域信号への注入雑音を計算し、
前記注入雑音を前記周波数領域信号に付加して補正周波数領域信号を求め、
前記注入雑音を前記推定雑音に付加して補正された推定雑音を求め、
前記補正周波数領域信号と前記補正された推定雑音から前記信号対雑音比を求め、
前記注入雑音の付加を、前記入力信号の性質に応じて選択的に行なう
ことを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項1に記載のノイズ除去方法において、
前記入力信号の性質として、信号の定常性を用いることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項2に記載のノイズ除去方法において、
前記信号の定常性として、前記入力信号の振幅がゼロとなるゼロ交叉の数を用いることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項2に記載のノイズ除去方法において、
前記信号の定常性として、前記入力信号を変換した前記周波数領域信号の高域電力を用いることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載のノイズ除去方法において、
前記入力信号を変換した前記周波数領域信号に基づいて前記周波数領域信号に含まれる前記推定雑音を推定し、この推定雑音と前記周波数領域信号とを用いて前記注入雑音のパワーを定めることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載のノイズ除去方法において、
前記入力信号を変換した前記周波数領域信号に基づいて前記周波数領域信号に含まれる前記推定雑音を推定し、この推定雑音と前記周波数領域信号とを用いて注入雑音を計算し、この注入雑音と前記周波数領域信号との和、及び前記注入雑音と前記推定雑音との和を用いて信号対雑音比を求めることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項5又は6に記載のノイズ除去方法において、
前記入力信号を変換した前記周波数領域信号を重みづけし、この重みづけした周波数領域信号に基づいて前記推定雑音を推定することを特徴とするノイズ除去方法。 - 入力信号を周波数領域信号に変換し、この周波数領域信号を用いて信号対雑音比を求め、この信号対雑音比に基づいて抑圧係数を定め、この抑圧係数を用いて前記周波数領域信号を重みづけすることによって前記入力信号に含まれるノイズを除去するノイズ除去方法において、
前記信号対雑音比を求めるステップは、
前記周波数領域信号に基づいて前記周波数領域信号に含まれる雑音を推定し、
前記周波数領域信号と前記推定雑音に基づいて前記周波数領域信号への注入雑音を計算し、
前記注入雑音を前記周波数領域信号に付加して補正周波数領域信号を求め、
前記注入雑音を前記推定雑音に付加して補正された推定雑音を求め、
前記補正周波数領域信号と前記補正された推定雑音から前記信号対雑音比を求め、
前記入力信号を変換した前記周波数領域信号に基づいて前記周波数領域信号に含まれる前記推定雑音を推定し、この推定雑音と前記周波数領域信号とを用いて前記注入雑音のパワーを定める
ことを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項8に記載のノイズ除去方法において、
前記入力信号を変換した前記周波数領域信号を重みづけし、この重みづけした周波数領域信号に基づいて前記推定雑音を推定することを特徴とするノイズ除去方法。 - 入力信号を周波数領域信号に変換して振幅成分と位相成分に分離して出力する変換部と、
前記周波数領域信号の振幅成分に基づいて前記周波数領域信号に含まれる雑音を推定する推定雑音計算部と、
前記推定雑音と前記周波数領域信号の振幅成分を用いて注入雑音を計算する注入雑音計算部と、
前記注入雑音と前記周波数領域信号の振幅成分を加算する第1の加算器と、
前記注入雑音と前記推定雑音を加算する第2の加算器と、
前記第1の加算器の出力信号と前記第2の加算器の出力信号とを受けて第1の信号対雑音比を求める第1の信号対雑音比計算部と、
前記第1の信号対雑音比に基づいて抑圧係数を定める抑圧係数生成部と、
前記抑圧係数を用いて前記周波数領域信号の振幅成分を重みづけする第1の乗算部と、
前記第1の乗算部の出力と前記周波数領域信号の位相成分を時間領域信号に変換する逆変換部と
を少なくとも具備し、
前記注入雑音計算部は、
前記入力信号が入力され、前記入力信号の振幅がゼロとなるゼロ交叉の数を計算し、その計算結果に応じた制御信号を出力するゼロ交叉計算部と、
このゼロ交叉計算部から入力された前記制御信号によって前記注入雑音を選択的にゼロに設定するスイッチと
を含むことを特徴とするノイズ除去装置。 - 請求項10に記載のノイズ除去装置において、
前記周波数領域信号の振幅成分を重みづけし、得られた重みつき振幅成分を前記推定雑音計算部に出力し、前記推定雑音計算部に前記重みつき振幅成分に基づいて前記推定雑音を推定させる重みつき劣化音声計算部を更に具備することを特徴とするノイズ除去装置。 - 請求項11に記載のノイズ除去装置において、
前記重みつき劣化音声計算部は、
前記周波数領域信号の振幅成分を用いて第2の信号対雑音比を計算して出力する第2の信号対雑音比計算部と、
この第2の信号対雑音比計算部から入力された前記第2の信号対雑音比を非線形関数によって処理して重みを求め出力する非線形処理部と、
この非線形処理部から入力された前記重みを用いて前記周波数領域信号の振幅成分を重みづけし、前記推定雑音計算部に出力する第2の乗算部と
を含むことを特徴とするノイズ除去装置。 - 請求項10〜12のいずれか1つに記載のノイズ除去装置において、
前記抑圧係数生成部から入力された前記抑圧係数を、前記周波数領域信号に基づいて補正して前記第1の乗算部に出力し、前記第1の乗算部に補正した抑圧係数を用いて前記周波数領域信号の振幅成分を重みづけさせる抑圧係数補正部を更に具備することを特徴とするノイズ除去装置。 - 入力信号を周波数領域信号に変換して振幅成分と位相成分に分離して出力する変換部と、
前記周波数領域信号の振幅成分に基づいて前記周波数領域信号に含まれる雑音を推定する推定雑音計算部と、
前記推定雑音と前記周波数領域信号の振幅成分を用いて注入雑音を計算する注入雑音計算部と、
前記注入雑音と前記周波数領域信号の振幅成分を加算する第1の加算器と、
前記注入雑音と前記推定雑音を加算する第2の加算器と、
前記第1の加算器の出力信号と前記第2の加算器の出力信号とを受けて第1の信号対雑音比を求める第1の信号対雑音比計算部と、
前記第1の信号対雑音比に基づいて抑圧係数を定める抑圧係数生成部と、
前記抑圧係数を用いて前記周波数領域信号の振幅成分を重みづけする第1の乗算部と、
前記第1の乗算部の出力と前記周波数領域信号の位相成分を時間領域信号に変換する逆変換部と
を少なくとも具備し、
前記注入雑音計算部は、
前記変換部から入力された前記周波数領域信号の振幅成分の高域電力を計算し、その計算結果に応じた制御信号を出力する高域電力計算部と、
この高域電力計算部から入力された前記制御信号によって前記注入雑音を選択的にゼロに設定するスイッチと
を含むことを特徴とするノイズ除去装置。 - 請求項14に記載のノイズ除去装置において、
前記周波数領域信号の振幅成分を重みづけし、得られた重みつき振幅成分を前記推定雑音計算部に出力し、前記推定雑音計算部に前記重みつき振幅成分に基づいて前記推定雑音を推定させる重みつき劣化音声計算部を更に具備することを特徴とするノイズ除去装置。 - 請求項15に記載のノイズ除去装置において、
前記重みつき劣化音声計算部は、
前記周波数領域信号の振幅成分を用いて第2の信号対雑音比を計算して出力する第2の信号対雑音比計算部と、
この第2の信号対雑音比計算部から入力された前記第2の信号対雑音比を非線形関数によって処理して重みを求め出力する非線形処理部と、
この非線形処理部から入力された前記重みを用いて前記周波数領域信号の振幅成分を重みづけし、前記推定雑音計算部に出力する第2の乗算部と
を含むことを特徴とするノイズ除去装置。 - 請求項14〜16のいずれか1つに記載のノイズ除去装置において、
前記抑圧係数生成部から入力された前記抑圧係数を、前記周波数領域信号に基づいて補正して前記第1の乗算部に出力し、前記第1の乗算部に補正した抑圧係数を用いて前記周波数領域信号の振幅成分を重みづけさせる抑圧係数補正部を更に具備することを特徴とするノイズ除去装置。 - 入力信号を周波数領域信号に変換して振幅成分と位相成分に分離して出力する変換部と、
前記周波数領域信号の振幅成分に基づいて前記周波数領域信号に含まれる雑音を推定する推定雑音計算部と、
前記推定雑音と前記周波数領域信号の振幅成分を用いて注入雑音を計算する注入雑音計算部と、
前記注入雑音と前記周波数領域信号の振幅成分を加算する第1の加算器と、
前記注入雑音と前記推定雑音を加算する第2の加算器と、
前記第1の加算器の出力信号と前記第2の加算器の出力信号とを受けて第1の信号対雑音比を求める第1の信号対雑音比計算部と、
前記第1の信号対雑音比に基づいて抑圧係数を定める抑圧係数生成部と、
前記抑圧係数を用いて前記周波数領域信号の振幅成分を重みづけする第1の乗算部と、
前記第1の乗算部の出力と前記周波数領域信号の位相成分を時間領域信号に変換する逆変換部と
を少なくとも具備し、
前記抑圧係数生成部から入力された前記抑圧係数を、前記周波数領域信号に基づいて補正して前記第1の乗算部に出力し、前記第1の乗算部に補正した抑圧係数を用いて前記周波数領域信号の振幅成分を重みづけさせる抑圧係数補正部を更に具備することを特徴とするノイズ除去装置。 - 入力信号を周波数領域信号に変換し、この周波数領域信号に基づいて前記周波数領域信号に含まれる雑音を推定し、この推定雑音を前記周波数領域信号から差し引くことによって前記入力信号に含まれるノイズを除去するノイズ除去方法において、
前記ノイズを除去するステップは、
前記周波数領域信号と前記推定雑音に基づいて前記周波数領域信号への注入雑音を計算し、
前記注入雑音を前記推定雑音に付加して補正された推定雑音を求め、
前記補正された推定雑音を前記周波数領域信号から差し引くことで前記ノイズを除去する
ことを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項19に記載のノイズ除去方法において、
前記注入雑音の付加を、前記入力信号の性質に応じて選択的に行なうことを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項20に記載のノイズ除去方法において、
前記入力信号の性質として、信号の定常性を用いることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項21に記載のノイズ除去方法において、
前記信号の定常性として、前記入力信号の振幅がゼロとなるゼロ交叉の数を用いることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項21に記載のノイズ除去方法において、
前記信号の定常性として、前記入力信号を変換した前記周波数領域信号の高域電力を用いることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項19〜23のいずれか1つに記載のノイズ除去方法において、
前記注入雑音のパワーを、前記周波数領域信号と前記推定雑音とを用いて定めることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項19〜23のいずれか1つに記載のノイズ除去方法において、
前記入力信号を変換した前記周波数領域信号を重みづけし、この重みづけした周波数領域信号に基づいて前記推定雑音を推定することを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項25に記載のノイズ除去方法において、
前記入力信号を変換した前記周波数領域信号を用いて信号対雑音比を求め、この信号対雑音比を用いて重みを求め、この重みを用いて前記周波数領域信号を重みづけすることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項25に記載のノイズ除去方法において、
前記入力信号を変換した前記周波数領域信号を用いて信号対雑音比を求め、この信号対雑音比を非線形処理関数によって処理して重みを求め、この重みを用いて前記周波数領域信号を重みづけすることを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項19〜27のいずれか1つに記載のノイズ除去方法において、
前記周波数領域の強調音声を変換した前記時間領域信号に窓がけ処理を施すことを特徴とするノイズ除去方法。
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