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JP4393800B2 - 金属ナトリウムをガラス形態で固定化する方法 - Google Patents

金属ナトリウムをガラス形態で固定化する方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属ナトリウムをガラス形態で固定化する方法に関する。より詳細には、放射性元素を含有する金属ナトリウム、例えば特定の原子力発電所において、具体的には高速中性子型原子炉の一次冷却系又は二次冷却系において液体状態で使用されるナトリウムのガラス固化を行うために利用可能な方法に関する。
原子力発電所内で使用されてきた液体ナトリウムには、放射性元素、例えば22Na、トリチウム又は137 Cs等の可変成分が含まれている可能性がある。試験的な反応装置の或る特定の試験ループに存在するナトリウムは、0.001重量%を超える放射性元素を含有する可能性があるのに対して、在来型の高速中性子型原子炉の一次冷却系又は二次冷却系中で使用されているナトリウムは、一般的に、わずかに放射性を帯びたナトリウムであり、通常の場合、1gあたりおおよそ2×10-12 〜3×10-12 g程度の放射性元素を含有する。更に、これらの放射性元素は半減期が短く且つ安定な娘核種を有する。いずれにしても、放射性元素の内容が何であれ、原子炉内で使用されてきたナトリウムは、現在の法律によれば環境を汚染する可能性のある核廃棄物とみなされる。したがって、放射性元素の含有量が極めて少量であったとしても、そのナトリウムは、少なくとも「超低レベル」(VLA)と呼ばれる核廃棄物に分類される。その結果として、ナトリウムを用いる原子力発電所を解体する作業の間は、たとえどのような程度の汚染であっても、ナトリウムが外部環境と接触することを防ぐようにしてナトリウムを貯蔵する必要がある。
これに関連して、多数の放射性廃棄物又は毒性廃棄物を貯蔵する方法と同様の方法で、ナトリウムを塩、ケイ酸塩又は酸化物の形態でセメント又はガラス等のマトリックス内に固定化することが提案されてきた。しかしながら、ナトリウム化合物は水への溶解性が高いことから、ガラスタイプ又はセメントタイプのマトリックス内にナトリウムを固定化する場合、ナトリウムの浸出の可能性、即ち、ガラスマトリックス又はセメントマトリックスは水の存在下でナトリウム化合物を遊離させる傾向があるかもしれないという一つの特有の問題が生じる。放射性廃棄物の貯蔵に関する現在の基準の下でナトリウムを固定化するためには、ナトリウム浸出の傾向が可能な限り最も小さいマトリックスを目指すことが必要である。
この観点から、ガラスタイプのマトリックスが一般的に最も有望である。本明細書において、「ガラス」という用語は廃棄物をガラス固化する分野において最も広く受け入れられている意味に解釈されるべきである。換言すれば、一般的にはシリカに基づく種々の無機質成分から成る比較的均質な固体混合物であって、無孔性固体の形をとった固体混合物であり、好ましくは化学的且つ構造的に結合した要素から形成されるものであり、廃棄物の固定化に適するものである。本発明の意味における「ガラス」という用語は、好ましくは、特にアモルファス構造を有する固体を指す。しかしながら、或る特定の状況では、この用語は部分的に結晶構造を有する固体、特にガラス状結晶タイプの固体を指すこともあり、また、結晶性固体を指すこともある。また本明細書の意味において用いる場合、「ガラスタイプのマトリックス」という用語は、本発明の意味における「ガラス」に基づく連続相を有するあらゆる固体マトリックスを指す。
ガラスタイプのマトリックスの比表面積は、特に多孔性でない限り、セメントタイプのマトリックスのそれよりもはるかに小さい。したがって、外部媒体との交換のための面積が大きく減少する。しかしながら、ナトリウム化合物を含有するガラスタイプのマトリックスがナトリウムの浸出を制限する点に関して真に有望であるためには、ナトリウム化合物を、混在物としてではなくマトリックスの実際の成分の形態で組み込むことが一般的に望ましく、そうでなければナトリウム化合物が単にガラスタイプのマトリックス内に物理的に封入されるに過ぎないことが強調されるべきである。この場合、ナトリウム化合物のマトリックスへの組み込みは比較的弱いことから、その結果、この化合物が浸出する傾向が極めて顕著に高くなる。
より一般的に言えば、ガラスタイプのマトリックス内にあるナトリウムが浸出する現象を回避するためには、このナトリウムに基づくマトリックスの構成を可能な限り均質とすることが望ましい。このように、真に有望なガラス状マトリックスを得るためには、可能な限り最大限に制御された条件下でこれらのマトリックス内にナトリウムを固定化することが必要であることが明らかにされてきた。
このように制御された条件下でナトリウムの固定化を実現するために提案されている解決策のほとんどにおいて、ガラス状マトリックスに組み込むことが可能な、特に炭酸ナトリウム又は酸化ナトリウムのタイプの誘導体にナトリウムを化学的に変換し、次いで、制御された条件下で得られた混合物のガラス固化を実施する前に、これらのナトリウム誘導体をガラス成分に導入する。しかしながら、この状況において使用されるナトリウムを化学的に変換する操作は、結果的に環境中に放射性元素を放出する傾向のある液体廃棄物及び/又は気体廃棄物を生成することになる。更に、提案されている放射性ナトリウムの処理操作のほとんどは、放射性化合物の中間貯蔵が必要であることに加えて幾つかの逐次過程を含み、制御すべき液体廃棄物又は気体廃棄物の総数を更に増加させるという欠点を有する。この欠点により明らかに製造コストが高くなり、何よりも環境中への放出を制御できないというリスクも上昇する。
液体廃棄物又は気体廃棄物の総数の増加に関連したこのような問題を回避するために、一つの有望な解決策が、例えば、非特許文献1において記載されている。この解決策は、金属ナトリウムを酸化させて酸化ナトリウムの形態とするのに十分な量を導入された空気の存在下で、シリカ、アルミナ、生石灰及び酸化ホウ素粒子を、1000℃の温度に加熱した「サイクロン」反応装置内で、液体状態の滴が分散した形態で導入される金属ナトリウムと混合する過程を含む。この方法によって、均質な構成のガラス状マトリックスを得ることが可能となり、また導入されるシリカ、アルミナ、生石灰及び酸化ホウ素の量に依存して浸出速度を低下させることができる。
アール・クシャー(R. Kushar)、外1名,反応性金属の処理/廃棄の改良(Improved Treatment/Disposal of Reactive Metals),ANL−91−21,アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory),1991年
しかしながら、この方法は大量の空気を使用し、ナトリウムの酸化反応によって消費される空気はその一部でしかない。したがってこの方法は、反応装置から大量の気体廃棄物が生み出されるという欠点を有する。この気体廃棄物は放射性のほこりを運ぶ可能性が高く、繰り返して言えば、この気体廃棄物は廃棄物の処理コスト及び環境に対する潜在的な影響に反映する。より一般的に言えば、ナトリウムを酸化物の形態で組み込んでいる均質な構成のガラス状マトリックスを、ただ一つの反応装置内で金属ナトリウムから作成することが可能なガラス固化方法であって、気体成分の生成が検出されないようなガラス固化方法は現在のところ知られていない。
本発明の目的は、ナトリウムをガラス状マトリックス内に固定化する方法であって、放射性元素を含有するナトリウムを封じ込めるのに適した方法を提供することにある。
これに関連して、本発明のより詳細な目的の一つは、汚染されたナトリウムと外部媒体との間に起こりうるあらゆる交換を制限するナトリウム固定化方法を提供することにある。
本発明のより一般的な他の目的は、ガラスの形態で金属ナトリウムを固定化する方法であって、実施が容易なだけでなく、得られるガラス状マトリックスの最終的な構成を、このマトリックスの所望の特性、特に浸出及び失透の両方に対する抵抗性にしたがって容易に変化させることが可能な方法を提供することにある。
さて、本発明者らは、ナトリウム、酸化鉄及び無機質マトリックス前駆体を、特に分散した形態で反応装置内に導入する限り、金属ナトリウム、最終的なガラス状マトリックス前駆体及びナトリウムの酸化剤としての酸化鉄Fe2 3 をガラス固化反応装置内に導入することによって、このような方法を実現できることを発見した。本発明者らは、分散状態にある種々の成分を用いることによって、酸化鉄Fe2 3 によるナトリウムの酸化反応の最適化が可能となるだけではなく、均質な構成のガラス状マトリックスを最終的に得ることが可能となることを明らかにしている。
したがって、本発明の対象は、金属ナトリウムをガラス形態で固定化する方法であって、(A)反応装置内にガラス状マトリックス前駆体(i)、金属状態のナトリウム(ii)、及び導入される該金属ナトリウム(ii)を確実に酸化させるのに十分な量の酸化鉄Fe2 3 (iii)を導入する導入過程であって、前記ガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)を特に分散した形態で反応装置内に導入する過程と、(B)分散した形態のガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)を反応装置内で互いに接触させることにより、これらの成分の均質な混合物を製造する混合過程と、(C)得られた混合物を1000〜1600℃の間の温度、好ましくは1200℃よりも高い温度、より好ましくは1400℃よりも高い温度に加熱することにより、前記導入したナトリウムが酸化ナトリウムの状態で含まれる、均質な溶融状態の混合物を作る加熱処理過程と、(D)該加熱処理過程にて得られた溶融混合物を回収して冷却することにより、前記反応装置内に導入したナトリウムが前記ガラス状マトリックスの酸化物の成分として組み込まれた、均質な構成のガラス状マトリックスを得る冷却過程とを含むことを特徴とする方法である。
本発明の意味において、「ガラス状マトリックス前駆体」という用語は、ナトリウム及び酸化鉄に関して好ましくは低温で不活性な、一般的には固体の成分の集合体であって、且つ加熱処理過程(C)及び冷却過程(D)の後に、ナトリウムと酸化鉄Fe2 3 との反応から生じる生成物の存在下で、ガラス状マトリックスを生成させることが可能な成分の集合体として広い意味に理解される。
以上詳述した如く本発明によれば、ナトリウムをガラス状マトリックス内に固定化する方法であって、ナトリウムを含有する放射性元素を封じ込めるのに適する方法を実現することができる。
また本発明によれば、ナトリウムを固定化する方法であって、汚染されたナトリウムと外部媒体との間の、考えられるあらゆる交換を制限する方法を実現することができる。
更に本発明によれば、ガラスの形態で金属ナトリウムを固定化する方法であって、実施が容易なだけでなく、得られるガラス状マトリックスの最終的な構成を、このマトリックスの所望の特性、特に浸出及び失透の両方に対する抵抗性の点にしたがって容易に変化させることが可能である方法を実現することができる等、優れた効果を奏する。
最も一般的な場合において、本発明の無機質マトリックス前駆体(i)は、酸化物、炭酸塩又はガラスの製造の際に一般的に使用される塩に基づく粒子のあらゆる混合物から成るものであってもよい。これに関連して、特に、放射性廃棄物の封じ込めに使用される「核」ガラスの製造の際に利用される「バッチ材料」という用語によって一般的に示される混合物から選択してもよい。こうして、例えば、酸化ケイ素SiO2 に基づく粒子と、一般的には酸化カルシウムCaO及び/又は酸化ホウ素B2 3 に基づく粒子とを組み合わせ、また任意に、酸化アルミニウム及び/又は酸化マグネシウムに基づく粒子を加えた固体粒子の少なくとも一部から、ガラス状マトリックス前駆体(i)を形成してもよい。ここで、種々の前記酸化物に基づく粒子は、場合によってはこれらの酸化物のうち一種類のみに基づく粒子とするか、又はこれらの酸化物のうち二種類以上の組み合わせに基づく粒子とする。
特に、本発明の方法により得られるガラス状マトリックスの浸出及び失透の傾向を可能な限り抑えるために、本発明のガラス状マトリックス前駆体が、酸化ケイ素SiO2 、並びに酸化カルシウムCaO及び/又は酸化ホウ素B2 3 に基づく粒子混合物を含有しており、またSiO2 /(CaO+B2 3 )の質量比が一般的に1〜10の間であり、好ましくは5〜8の間であることが一般的に好ましい。マトリックス前駆体(i)の融点を低下させるため、又は冷却過程(D)におけるマトリックスの機械的な完成度を改良するため、特に酸化ホウ素B2 3 を用いてもよい。取り分け、最終的に得られるガラスマトリックスの特性を更に改良するために、好ましくは、酸化アルミニウムAl2 3 、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛から選択される化合物を前駆体(i)が更に含有してもよい。
好ましくは、本発明のガラス状マトリックス前駆体は、20〜80重量%の、好ましくは40〜75重量%の酸化ケイ素と、0〜20重量%の、好ましくは1〜10重量%の酸化カルシウムと、0〜20重量%の、好ましくは1〜10重量%のアルミナと、0〜20重量%の、好ましくは1〜10重量%の酸化ホウ素B2 3 とを含有する。正確な構成がどのようであろうとも、ガラス状マトリックス前駆体(i)は特に分散した形態で、本発明の方法が実施される反応装置内に導入される。こうして、一般的には金属酸化物粒子又は予め作成しておいたガラス原料の粒子等の粒子の混合物の形態で導入される。ここで、これらの粒子の好ましい平均サイズは0.1〜20mmの間であり、より好ましくは10mm未満であり、更に好ましくは5mm未満である。したがって、1〜3mmの間の粒子サイズを有するシリカ、アルミナ、生石灰及び酸化ホウ素粒子の混合物の形態で、本発明のガラス状マトリックス前駆体を用いることが好ましい。該前駆体は、ガラス原料の形態で用いてもよく、特にケイ素、アルミニウム、カルシウム及び酸化ホウ素に基づくガラス原料の形態で用いてもよい。ここで、これらのガラス原料の平均サイズは1〜10mmの間であることが好ましく、5mm未満であることがより好ましい。
尚、本発明の方法によれば検出可能な量の廃棄物の生成には至らないという事実を考慮に入れると、厳しい封じ込め条件下で、特に放射性化合物を扱う場合に適した条件下でこの方法を実施してもよい。その結果、本発明の方法において使用される金属ナトリウムは、好ましくは放射性元素を含有するナトリウムであってもよく、特に高速中性子型原子炉の一次冷却系又は二次冷却系に由来するナトリウムであってもよい。
その正確な性質がどのようであろうとも、本発明の方法に従って使用されるナトリウムは、特に、分散した形態で反応装置内に導入される。
このように、一つの特に好ましい実施の形態によれば、ナトリウムを液滴の形態で反応装置内に導入してもよい。ここで、この液滴のサイズは好ましくは10〜500μmの間であり、より好ましくは200μm未満であり、更に好ましくは50〜150μmの間である。これらの液滴は、通常、例えばインジェクションノズルを用いて液体ナトリウムを噴霧することよって得られる。
他の可能な実施の形態によれば、導入されるナトリウムは、分散した状態の液体ナトリウムをガラス状マトリックス前駆体の少なくとも一部と予め混合しておくことによって得られたものであってもよい。この場合、分散した状態で導入されるナトリウムは、ガラス状マトリックス前駆体の粒子上にナトリウムを付着させた形態である。このように、この特定の実施方法によれば、本方法の導入過程(A)にて分散した状態で導入されるナトリウムは、例えばシリカ粒子の表面にナトリウムが付着した形態であってもよい。
一般的に、本発明の方法の後に浸出する傾向が可能な限り小さいガラス状マトリックスを得るためには、特に、このマトリックス内に組み込まれるナトリウムの量をマトリックスの総質量の30質量%未満とすることが多くの場合好ましく、更に20質量%未満とすることが好ましい。また、組み込まれるナトリウムの前記量がマトリックスの総質量の4質量%よりも多いことが好ましく、更に5質量%よりも多いことが好ましい。このように、この量は通常、マトリックスの総質量の5〜15質量%の間である。
したがって、反応装置内に導入される金属ナトリウムの質量は、導入されるガラス状マトリックス前駆体の質量の3〜20質量%の間であることが一般的に好ましい。導入されるナトリウムの質量は、より好ましくは導入されるガラス状マトリックス前駆体の質量の14質量%以下であり、更に好ましくは12質量%以下である。
また、ガラス状マトリックス前駆体が酸化ケイ素に基づいているという特定のケースにおいて、このケースは一般的であるが、導入されるナトリウムの量と、ガラス状マトリックス前駆体内に導入されるケイ素の量とのモル比は好ましくは1/20〜1/1の間であり、より好ましくは1/6未満である。
本発明の方法において使用される必須成分の一つは酸化鉄Fe2 3 である。この成分により、反応装置内におけるナトリウムの酸化物への変換が確実に行われる。このとき、ナトリウムは混在物の要素としてではなく、特にこのマトリックスの構成要素として、ガラス状マトリックス内に効果的に組み込まれる。鉄もまた、ケイ素又はアルミニウムと同様に網状組織を形成する要素である。特に、これらのケイ素及びアルミニウム元素の存在下で、鉄は相互の接続によりガラス質の網状組織を形成する。その結果、ナトリウム中に存在する可能性のある、或る特定の放射性汚染物質を捕捉することができる孔を有することが知られた無機質の構造体を生成することも可能である。特に、大きな交換表面積を与える分散した形態で導入されるナトリウムとこの酸化物とが接触する界面の総数を最大化するために、酸化鉄Fe2 3 を分散した形態で反応装置内に導入することが非常に好ましい。その結果、酸化鉄Fe2 3 は、酸化鉄Fe2 3 を含有する粒子の形態で導入されることが一般的に好ましく、またこれらの粒子は本質的に酸化鉄Fe2 3 から形成されることが好ましい。また好ましくは粒子の平均サイズは0.1〜20mmの間であり、より好ましくは10mm未満であり、更に好ましくは5mm未満である。これらの粒子の比表面積は可能な限り大きいことが好ましい。
導入される酸化鉄Fe2 3 の量もまた、金属状態で導入されるナトリウムの効率的な酸化を確実にするための鍵となるパラメータである。これは、この酸化を確実に起こらせるためには十分な量の酸化鉄Fe2 3 を導入することが必要だからである。これに関連して、酸化鉄Fe2 3 の形態で導入される鉄の量と、導入されるナトリウムの量とのモル比は0.5/1〜3/1の間であることが一般的に好ましい。より好ましくはこのモル比は0.6/1以上であり、更に好ましくは0.9/1以上である。また、一般的にこのモル比は2/1未満であることが好ましく、より好ましくは1.5/1未満である。
一つの特定の理論に関連づけようと望むのではないが、反応装置内で起こるナトリウムの酸化反応は次式のような反応を含むとすることが可能であろう。
2Na+Fe2 3 →Na2 O+2FeO
2Na+3Fe2 3 →Na2 O+2Fe3 4
あらゆる場合において、最終的に得られるガラス状マトリックスは一般的に酸化鉄FeO及び/又はFe3 4 を含有し、残留物の酸化物Fe2 3 を含むこともある。特に、放射性元素を含むナトリウムを封じ込めるために本発明の方法を実施する場合、通常、本発明に従って作られるガラス状マトリックスに導入される鉄の量を制御することが必要である。この目的のために、導入されるFe2 3 の質量が、導入されるガラス状マトリックス前駆体の質量の5〜50質量%の間であることが一般的に好ましく、より好ましくは35質量%未満の量であり、更に好ましくは30質量%未満の量であり、また更に好ましくは25質量%未満の量である。
正確な性質及びそれぞれの割合がどのようであろうとも、ナトリウムと水とのあらゆる反応を避けるために、水を全く入れないようにして本発明の方法の導入過程(A)のガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)を導入することが一般的である。ナトリウムと水との反応は、水素化気体廃棄物を生成したり、最終的に得られるガラス状マトリックスを脆化させたりする傾向がある。この反応を避けるためには、本方法においてこれらを用いる前に、ガラス状マトリックス前駆体及び使用される酸化鉄Fe2 3 を乾燥させておき、次いで、水分から完全に遠ざけて貯蔵するのが一般的である。反応装置内に導入される固体を、少量のキャリヤーガスで移動させてもよい。この場合、キャリヤーガスは水を全く含まないものが一般的であり、窒素のような不活性ガスが好ましい。このキャリヤーガスが生成させる気体廃棄物の量はわずかであるだろうから、放射性元素を含有するナトリウム(二次廃棄物の制限)に対してこの方法を実施することは特に好ましい。
また、本発明の方法の導入過程(A)のガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)を、15〜150℃の範囲の温度で反応装置内に導入することが一般的であり、ナトリウムは一般的に液体状態で導入される。換言すれば、温度は100℃を超えることが好ましく、通常は110〜130℃の間である。また、他の成分はより低い温度、例えば15〜100℃の間、典型的には20〜60℃の間で導入され得る。
種々のガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)を分散した形態で互いに接触させて均質な混合物を製造するという本方法の混合過程(B)は、一般的には、ガラス状マトリックス前駆体及び酸化鉄を雨粒状粒子の形態で反応装置内に導入し、液体状態のナトリウムを該雨粒状粒子に噴霧することにより実施される。
本発明によれば、「雨粒状粒子」という用語は、粉末形態又は分散した形態の反応物質を用いる反応装置内で使用される粒子のタイプのうち、下降性分散粒子であって好ましくは均質に分散したものを意味すると理解される。従来技術において既知のあらゆるタイプの標準的な粉末分散系を用いて、本発明に係る雨粒状粒子を製造してもよい。ガラス状マトリックス前駆体及び酸化鉄に基づく雨粒状粒子は、酸化鉄(iii)とガラス状マトリックス前駆体(i)とから成る最初の混合物から製造することが好ましいが、その他、酸化鉄及びガラス状マトリックス前駆体に基づく二種類以上の雨粒状粒子の相互浸透によって得てもよい。
混合過程(B)の混合物を製造する別の方法は、少なくともいくつかのガラス状マトリックス前駆体の粒子上、一般的にはシリカ粒子上にナトリウムを付着させる過程と、次いで雨粒状粒子の一方がFe2 3 に基づく粒子であって、他方がガラス状マトリックス前駆体の粒子である場合、それらの粒子の少なくともいくつかがナトリウムで含浸された粒子を含有する二種類の雨粒状粒子を相互浸透することによって、ガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)を混合する過程とから成る。
実施の正確な方法がどのようなものであっても、混合過程(B)で製造される均質な混合物を、加熱処理過程(C)の加熱処理の前に150〜400℃の間の温度に加熱することが一般的に好ましく、ナトリウムのその場での酸化反応を最適化するためには特に好ましい。
このように、150℃以下の温度でガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)を均質に混合し、次いで正の温度勾配をつけて加熱処理過程(C)の温度条件下での温度、換言すれば、1000〜1600℃の温度、好ましくは1400〜1500℃の間の温度とすることが一般的に好ましい。この目的のために、本発明の方法において使用される反応装置は、100〜150℃の間の温度であり、混合過程(B)が実施される上部と、加熱処理過程(C)の温度条件下での温度、換言すれば1000〜1600℃の温度、好ましくは1400〜1500℃の間の温度である下部とを有することが好ましい。ここで、これらを混合する場合、導入過程(A)のための成分を反応装置の上部に導入する。
一つの特定の実施方法によれば、本発明の方法において使用される反応装置は、100〜200℃の温度の供給領域、150〜400℃の温度のナトリウム酸化領域及び加熱処理過程(C)の温度条件下での、換言すれば1000〜1600℃の温度の、好ましくは1400〜1500℃の温度の溶融領域を含む。この場合、反応装置がナトリウム酸化領域において、下方に向かって朝顔状に広がる円錐台タイプの切断面を有することが好ましく、あるいはより一般的には、前記ナトリウム酸化領域において、反応装置の切断面が、反応装置の先端部から下方に向けて大きくなることが好ましいことが分かる。これは、ナトリウムの酸化が発熱反応である限り、反応混合物の固定化を導く、早すぎるガラス固化が酸化領域内で見られる可能性があるからである。この状況において、上述のように提案されている反応装置の好ましい配置により、形成されたガラスの硬い表面が加熱処理過程(C)の温度条件下で、換言すれば1000〜1600℃の温度で反応装置の下部領域に向かって流れることが可能となる。ここで、この下部領域では反応混合物の中でガラスが溶融する。このことにより、反応装置の先端部でガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)が詰まって、これらの成分の混合効果を下げる、及び/又はナトリウムの酸化反応の効率を制約する等の影響が生じるのを防止する。
本発明の方法において使用される反応装置の正確な配置がどのようであろうとも、当業者に知られている、ガラス状マトリックスの製造に適したあらゆる手段を用いて加熱処理過程(C)を実施してよい。勿論、加熱処理過程(C)の温度条件下での混合物の残留時間は、該温度条件下で、混合過程(B)から均質な混合物を導くのに十分な程度の長さとしなければならない。
本発明の方法の加熱処理過程(C)を、例えば本発明の方法が実施される反応装置内の壁面を特に抵抗加熱で加熱することにより実施してもよい。しかしながら、本発明の方法の加熱処理過程(C)を誘導加熱によって実施することが特に好ましい。
ガラスの製造に関して誘導加熱を利用することは既知の技術であり、低温では絶縁性を示すガラスが温度上昇の影響を受けて伝導性を示すようになるという事実に基づいて広範囲に記載されている。誘導加熱を利用することは、冷えたガラスの層を反応装置の壁面に形成させることが可能である限り特に好ましい。ここでこの層は、本方法が実施される間中、反応装置の保護層として機能し、したがって、最適な封じ込め条件を確保しながらこの方法を実施することが望ましい場合に特に有益であることが分かる。このような技術は、一般的に「冷却された自己るつぼにおける」誘導加熱と称されており、放射性廃棄物、特にあらゆる活性を持つ廃棄物のガラス固化に関して広く使用されている技術の一つである。この話題についてのさらなる情報については、Les techniques de l’ingenieur(工業技術)、Genie electrique(電気工学)、D12巻に発表されたジー・デレベイ(G. Delevey)の論文D5935、D5936及びD5937を特に参照されたい。
本方法を実施する一つの特別な方法によれば、加熱処理過程(C)において、酸化鉄FeO及び/又はFe3 4 のうちの少なくともいくらかをナトリウムの酸化反応に基づいて酸化物Fe2 3 の形態に変換させることが可能であり、この方法は、酸化物FeO又はFe3 4 よりも効率的にガラスマトリックスを作り上げる。これを行うためには、加熱処理過程(C)において、酸素を制御しながら混合物に投入する。しかしながら、これに関連して、導入される酸素のすべてが消費されるように、即ち導入される酸素が気体廃棄物を生成させることもなく、また最終的なガラス状マトリックス内に泡を生じさせることもないように、用いる酸素の量を好ましく適合させる。多くの場合、比表面積が可能な限り最も大きい酸化鉄Fe2 3 の粒子(iii)を用いることが好ましい。
本発明の方法の過程(A)〜(C)までが、本発明の方法に従って得られるガラス状マトリックス内の構成を均質なものとする際の鍵であるが、加熱処理過程(C)に由来する溶融混合物からガラス状マトリックスを形成する冷却過程(D)自体も、特に得られるガラス状マトリックスの物理的特性に関して重要な過程である。
特に本発明の方法が、放射性元素を含有するナトリウムを封じ込めることを意図するものである場合、外部環境との交換の点から、得られるガラス状マトリックスの表面積を可能な限り小さくすることが必要である。したがってこの目的のために、得られるガラス状物質の引っ張り強さを高めることが必要である。
冷却過程(D)は一般的に、加熱処理過程(C)からの溶融状態(マグマ)の混合物を鋳型、又は金属製の容器(一般的に鋼鉄製のドラム缶)に注ぐ操作から成る。別の実施方法によれば、鋳造によって得られるマグマを圧延してもよい。
一般的に、熱衝撃によって現れるマイクロクラックのリスクを制限するような条件下でこの組成物を冷却する。これに関連して、組成物を可能な限り緩やかに冷却することが一般的に好ましい。この目的のために、必要に応じて次の段階で温度を下げることを考慮してもよい。熱衝撃によって現れるマイクロクラックのリスクを制限する別の手段は、酸化ホウ素B2 3 を無機質マトリックス前駆体(i)の成分として用いる。
特に好ましい実施方法によれば、本発明の方法を連続的に実施してもよい。換言すればガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)を連続的に反応装置に添加し、加熱処理過程(C)に由来する混合物を反応装置の後で連続的に鋳造して実施してもよい。連続的に実施する方法の可能性は、放射性元素を含有する金属ナトリウムのガラス固化に関して或る特定の優位性を与える。これは、完全に閉じられた方法を用いてナトリウムを扱うことが可能となるからである。
連続的な実施の方法に関して、慣習的に、通常1000〜1600℃の間の温度の、好ましくは1200℃を超える温度の、より好ましくは1400℃を超える温度の、典型的には1400〜1500℃の間の温度の溶融ガラス槽を反応装置内に設ける必要がある。この槽は一般的に、ガラス状マトリックス前駆体のみを反応装置内に導入することと、前記前駆体に対して1400〜1500℃の加熱処理過程を施すこととからなる予備的過程を用いて作られ、これは一般的には上述の加熱処理過程(C)の条件下で実施される。上述のように誘導することによって、好ましくは「冷却された自己るつぼ」を形成する条件下で誘導することによって、このガラス槽を作成することが好ましい。このガラス槽を先に作成した後、ガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)を一定の流速で連続的に添加し、得られる溶融ガラスの混合物を連続的に流す。本方法の開始段階の間を除いて、反応装置から得られるガラス組成物は一般的に均質であり一定している。
連続的に実施される方法に関連して、導入されるガラス状マトリックス前駆体の質量流量に対する、導入される金属ナトリウムの質量流量の比率は0.03〜0.3の間であることが通常好ましく、より好ましくはこの質量比は0.2未満であり、更に好ましくは0.14未満である。一般的には0.05〜0.12の間である。酸化鉄Fe2 3 の形態で導入される鉄のモル流量と、導入されるナトリウムのモル流量との比率は、それ自身好ましくは0.5/1〜3/1の間であり、より好ましくは0.6/1以上であり、更に好ましくは0.9/1以上である。また、Fe/Naのモル流量に関するこの比率は好ましくは2/1未満であり、より好ましくは1.5/1未満である。更に、導入されるガラス状マトリックス前駆体の質量流量に対する、導入されるFe2 3 の質量流量の比率は、一般的に0.05〜0.5の間である。この比率は好ましくは0.35未満であり、より好ましくは0.3未満である。
連続的に実施する方法に関連して、ガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)の流入量、及び反応装置から流出する溶融状態の混合物の流出量は、処理が望まれているナトリウムの量に応じてかなりの程度変化してもよい。しかしながら、本発明の方法によれば、溶融ガラス組成物の流出量を比較的多くすることが可能であり、通常、一時間あたり0.4〜1.5メートルトンの間になる。これに関連して、種々の成分の流入量は一般的に、ナトリウムの場合は一時間あたり15〜160kg、酸化鉄Fe2 3 の場合は一時間あたり60〜540kg、またガラス状マトリックス前駆体の場合は一時間あたり325〜800kgである。
すでに強調したように、本発明の方法は、高速中性子型原子炉の一次冷却系又は二次冷却系において使用された液体ナトリウム等の、放射性元素を含有する金属ナトリウムをガラス形態で固定化するのに最も適している。これに関連して、本発明の方法にあっては、ナトリウム中に存在する放射性元素をガラス状マトリックス内に封じ込めることが可能となる。放射性元素の存在下で実施される特定の方法に関して、最適にナトリウムを確実に封じ込めるためには、減圧下に維持された反応装置内でこの方法を実施することが一般的に好ましい。ここで、一般的には大気圧に対して数百Pa(数ミリバール)減圧する。反応装置内のこのような減圧は、放射性廃棄物の処理に好ましく使用される「動的封じ込め」手段と呼ばれるものに関連する。この手段は、あらゆる廃棄物が外部環境に放出されるのを防ぐことを意図したものである(偶発的な漏出の場合、観測されるのは外部環境から汚染媒体への移動であり、他の方向への移動ではない)。減圧を維持することにより、必然的に気体廃棄物のレベルは極めて低くなるが、「極めて高い性能」の部類に属するフィルター又は他の活性炭フィルター等、放射性気体廃棄物を処理する分野で広く使用されている標準的な手段によって、簡単且つ効果的な方法で、これらの副次的な廃棄物を制御することが可能である。
本発明の方法を実施する一つの特定の方法によれば、金属形態の別のアルカリ金属、一般的には金属カリウムと共に金属ナトリウム(ii)を導入過程(A)において導入してもよい。必要に応じて、ナトリウム(ii)をNa/K混合物の一部とするのが一般的であり、通常は液体の形態である。特にこのNa/K混合物は、原子力発電所の冷却系において使用されるタイプの混合物であってもよく、したがって、放射性元素を含有している可能性がある。この特定の状況において、本発明の方法を好ましくは連続して実施することにより、存在するすべてのアルカリ金属と、含まれている可能性のある放射性元素とをガラスの形態で固定化することが可能となる。しかしながら、追加のアルカリ金属が存在する場合、ガラス固化の最適条件に基づいてこの方法を実施するために、好ましいものとして尊重されている種々の質量及びモル比に関する上述の種々の条件を、ナトリウム単独のデータから、アルカリ金属が存在する組み合わせのデータに置換することによって適合させる。このように、数種類のアルカリ金属の混合物で操作する場合、最終的なマトリックス内に組み込まれるアルカリ金属の総含有量は30質量%未満が好ましいだろう。また、ナトリウム(ii)を含む、導入されるアルカリ金属の総質量は、前駆体(i)の質量の3〜25質量%の間であることが好ましいだろう。更に、使用される酸化鉄(iii)の量は、一般的に、導入される鉄の量と、金属ナトリウム(ii)を含めた金属の形態のアルカリ金属の量とのモル比が0.5/1〜3/1の間となるような量である。
尚、特定の実施方法がどのようであろうとも、本発明の方法を小さな反応装置内で実施してもよい。解体の間に、本発明の方法を実施するガラス固化反応装置を敷地上に直接設置してもよい。ここでは、最初にナトリウムを移動させる必要はなく、一般的に冷却系に直接由来するナトリウムを処理するために反応装置を用いてもよい。これによって、外部環境を汚染するリスクを更に少なくする。これに関連して、核廃棄物の処理に関する現行法規に適合する極めて厳しい封じ込め条件に基づいて、この方法を採用してもよい。
また、操作が単純で且つ用いる化合物が比較的安価なものであることから、本発明の方法では、一般的に極めて低い操作コストのみ必要とする。
更に、種々のガラス状マトリックス前駆体(i)、金属ナトリウム(ii)及び酸化鉄Fe2 3 (iii)の性質及び割合を適切に適合させた場合、本発明の方法により、構成が均質で、長期にわたって安定で、機械的強度が高く、且つたとえあったとしてもナトリウムの浸出及び失透がごくわずかなガラス状マトリックスを得ることが可能となる。この特徴から、該マトリックスは、放射性元素を含有するナトリウムをガラスに梱包した形態で封じ込めるために最適なマトリックスとなる。
上述の方法の特定の利用、特に、金属ナトリウム内又は金属ナトリウムを含有するアルカリ金属の混合物内に存在する放射性元素をガラス状マトリックス内に封じ込めるために上述の方法を連続的に利用することは、本発明の特定の側面をなす。

Claims (21)

  1. 金属ナトリウムをガラス形態で固定化する方法において、
    ガラス状マトリックス前駆体、金属状態のナトリウム、及び導入される該金属ナトリウムを確実に酸化させるのに十分な量の酸化鉄Fe2 3 、分散した形態で反応装置内に導入する導入過程と、
    分散した形態のガラス状マトリックス前駆体、金属ナトリウム及び酸化鉄Fe2 3 を前記反応装置内で互いに接触させて、これらの均質な混合物を製造する混合過程と、
    得られた混合物を1000〜1600℃の間の温度に加熱して、前記導入したナトリウムが酸化ナトリウムの状態で含まれる均質な溶融状態の混合物を作る加熱処理過程と、
    該加熱処理過程にて得られた溶融混合物を回収して冷却し、前記反応装置内に導入したナトリウムがガラス状マトリックスの酸化物の成分として組み込まれた均質な構成のガラス状マトリックスを得る冷却過程と
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 使用する前記金属ナトリウムは放射性元素を含有することを特徴とする請求項に記載の方法。
  3. 前記ガラス状マトリックス前駆体は、酸化ケイ素SiO2 、並びに酸化カルシウムCaO及び/又は酸化ホウ素B2 3 に基づく固体粒子を含有することを特徴とする請求項に記載の方法。
  4. 前記ガラス状マトリックス前駆体内に存在する前記粒子の平均サイズは0.1〜20mmの間であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  5. 使用する前記金属ナトリウムを液滴の形態で反応装置内に導入することを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. すべてのガラス状マトリックス前駆体の粒子の一部分にナトリウムを付着させた形態で、使用する前記金属ナトリウムを導入することを特徴とする請求項に記載の方法。
  7. 導入される金属ナトリウムの質量は、導入されるガラス状マトリックス前駆体の質量の3〜20質量%の間であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  8. 酸化鉄Fe2 3 を含有しており、平均サイズが0.1〜20mmの間である粒子の形態で、前記酸化鉄Fe23 を導入することを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 酸化鉄Fe2 3 の形態で導入される鉄の量と、導入されるナトリウムの量とのモル比は0.5/1〜3/1の間であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. 導入されるFe2 3 の質量は、導入されるガラス状マトリックス前駆体の質量の5〜50質量%の間であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  11. ガラス状マトリックス前駆体及び酸化鉄を雨粒状粒子の形態で反応装置内に導入し、液体状態のナトリウムを該雨粒状粒子に噴霧することにより、前記混合過程における均質な混合物の製造を実施することを特徴とする請求項に記載の方法。
  12. 前記混合過程において製造される均質な混合物を、前記加熱処理過程の加熱処理の前に150〜400℃の間の温度に加熱することを特徴とする請求項に記載の方法。
  13. 前記加熱処理過程を誘導加熱により実施することを特徴とする請求項に記載の方法。
  14. 前記導入過程で、ガラス状マトリックス前駆体、金属状態のナトリウム、及び導入される該金属ナトリウムを確実に酸化させるのに十分な量の酸化鉄Fe 2 3 を連続的に導入し、順次、前記混合過程、前記加熱処理過程、前記冷却過程を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 導入されるガラス状マトリックス前駆体の質量流量に対する、導入される金属ナトリウムの質量流量の比率は0.03〜0.3の間であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 酸化鉄Fe2 3 の形態で導入される鉄のモル流量と、導入されるナトリウムの流量との比率は0.5/1〜3/1の間であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. 導入されるガラス状マトリックス前駆体の質量流量に対する、導入されるFe2 3 の質量流量の比率は0.05〜0.5の間であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  18. 減圧下に維持された反応装置内で実施されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  19. 請求項に記載の方法を実施して、金属ナトリウム内に存在する放射性元素をガラス状マトリックス内に封じ込める方法。
  20. 前記導入過程において、前記金属ナトリウムは、金属形態のカリウムと共に導入されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  21. 請求項20に記載の方法を実施して、金属ナトリウムを含有するアルカリ金属の混合物内に存在する放射性元素をガラス状マトリックス内に封じ込める方法。
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