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JP4390328B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

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JP4390328B2
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  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を映像化する磁気共鳴イメージング(MRI)装置に関し、特にエコー信号間の位相変化により生じるアーチファクトを効果的に抑制することを可能としたMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRIを用いた撮像方法では、一般に読み出し傾斜磁場の反転を利用してNMR信号をエコーとして計測する方法が用いられる。エコー信号は一定のサンプリング時間計測して所定サンプリング数の時系列データとする。ところでエコー信号は、例えば正極性の読み出し傾斜磁場の印加時間と印加強度の積(積分値)と負極性の読み出し傾斜磁場の印加時間と印加強度の積とが一致するところで発生する、即ち両者が一致した時点でエコーはピークとなるので、サンプリング時間はこのピークとなる時点を中心として設定される。
【0003】
しかし、MRI装置ではこのように計測したエコー信号が計測空間の中央からずれる場合がある。これは永久磁石や超電導磁石等の静磁場発生装置によって高度の静磁場均一性が保たれていても、測定対象である被検体の磁化率によって磁場のオフセットが変化することや、傾斜磁場パルスの不完全性や出力応答の誤差等による。
【0004】
撮像方法として1回或いは数回のRF照射で1枚の画像再構成に必要なエコー信号を取得するシングルショット或いはマルチショットのエコープレナーイメージング(EPI)法がある。この撮像方法では、読み出し傾斜磁場を反転しながら時系列的に複数のエコー信号を取得するので、これら複数のエコーを計測空間に配置した場合、偶数エコーと奇数エコーではエコーのピークがそれぞれ異なった位置となる。
【0005】
図9(a)はこの様子を模式的に示したものであり、例えば、奇数エコーの時系列データを図示する計測空間901の左から順に配置するとすると、偶数エコーは計測空間の右から配置することになる。従って奇数エコーのピーク位置9021,9022・・・が計測空間中央904から左側にずれた場合、偶数エコーのピーク位置9031,9032・・・は計測空間中央904に対し右側にずれる。
【0006】
このようなデータを読み出し方向のフーリエ変換すると、偶数エコー、奇数エコーで位相の変化が逆になるため、図9(b)のようなアーチファクト905が画像領域906の両側に生じる。これは一般にN/2アーチファクトと呼ばれる。
【0007】
このようなN/2アーチファクトを信号処理によって除去する手法が提案されている(特開平8-215174号、特開平5-68674号など)。これらの方法では、被検体の画像形成のための撮影(本計測)に先立って、位相エンコード傾斜磁場を加えない状態で、あらかじめ静磁場補正用のデータを取得しておき、この補正用データを用いて計測したエコー信号(本計測データ)を補正する。
【0008】
例えば、特開平8-215174号公報に記載された方法では、補正用データとして一組の偶数エコー、奇数エコーを取得し、これらエコーをフーリエ変換した後に、エコー間の位相差を求め、本計測データを補正する。また、特開平5-68674号公報に記載された方法では、補正用データ及び本計測データをそれぞれ読み出し方向に1次元フーリエ変換し、本計測データから補正用データの位相を減算することにより補正する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特開平8-215174号公報に記載された補正方法では、計測空間における位相エンコード方向の位相変化までは考慮されていなかった。即ち、エコートレイン(1回の励起内で連続して計測される複数のエコー)内で傾斜磁場の渦電流などにより位相差が異なる場合があるが、このような変化は上述した補正方法では考慮されていない。特開平5-68674号公報に記載された方法では、位相エンコード方向のオフセットが最適に調整されていない場合、図10(a)で示すように補正用エコー信号を一次元フーリエ変換した補正用データ1001,1002・・・の位相にノイズ的な変化1011,1012が混入することがある。このような補正用データを用いて補正した画像1020には、(b)に示すように線状のアーチファクト(ストリークアーチファクト)1031,1032が生じる。また、補正用データの位相に2次的な変化も混入していることがあるため、補正後の画像が図中、1041,1042で示すような歪みが生じる場合もある。
【0010】
そこで本発明は、位相エンコード方向のオフセットや2次的に混入位相ノイズも含めた補正が可能であり、高精度でN/2アーチファクトを低減したMR画像を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では少なくとも1回の繰り返し時間内で計測する本計測エコーに対応する数の前計測エコーを得て、時間的に隣接する前計測エコーについてそれぞれ位相変化を算出し、本計測エコーの位相エンコード方向の位相変化を反映した補正用位相マップを作成する。また得られた位相差(位相変化)について、その精度を向上する処理を施す。このような補正用位相マップを用いて本計測エコーを補正あるいはパルスシーケンスを調整することにより、N/2アーチファクトを高精度で除去することができる。
【0012】
即ち、本発明のMRI装置は、被検体に高周波パルスを照射する手段と、読み出し傾斜磁場パルスを印加する手段と、位相エンコード傾斜磁場パルスを印加する手段と、少なくとも1回の繰り返し時間内で発生するエコー信号を時系列的に検出する手段と、エコー信号から画像を作成し、表示する手段と、所定のパルスシーケンスに従い前記各手段を制御する制御手段とを有するMRI装置において、前記制御手段は、画像取得のための本計測エコー信号とは別に、位相エンコード傾斜磁場パルスを印加せずに少なくとも1回の繰り返し時間内で計測した前計測エコー信号を用いて、各前計測エコー信号間の位相変化をそれぞれ算出し、それぞれの位相変化を用いて補正用位相マップを作成するとともに、前記補正用位相マップを用いて本計測エコー信号を取得するためのパルスシーケンスのエコー計測時間を調整する手段を有する。
【0013】
また本発明のMRI装置は、前記制御手段が、画像取得のための本計測エコー信号とは別に、位相エンコード傾斜磁場パルスを印加せずに少なくとも1回の繰り返し時間内で計測した前計測エコー信号を用いて、各前計測エコー信号間の位相変化をそれぞれ算出し、それぞれの位相変化を用いて補正用位相マップを作成するとともに、少なくとも1回の繰り返し時間内で計測した本計測エコー信号をそれぞれ前記補正用位相マップの対応する補正データを用いて補正する手段を有する。
【0014】
本発明のMRI装置では、連続して計測される複数のエコー信号のそれぞれについて位相変化を算出し、補正用位相マップを作成するので、位相エンコード方向に位相変化がある場合でも精度よく補正することができる。
【0015】
また本発明のMRI装置は、均一磁場空間を形成するための静磁場を発生する静磁場発生手段と、均一磁場空間に置かれた被検体に対し高周波パルスを照射する高周波パルス発生手段と、前記被検体に対しスライス方向、位相エンコード方向および読み出し方向の各傾斜磁場を印加する傾斜磁場発生手段と、前記被検体からのエコー信号を検出する検出手段と、前記エコー信号から画像を再構成する画像処理手段と、得られた画像を表示する画像表示手段と、所定のシーケンスに従い高周波パルス発生手段、傾斜磁場発生手段の発生タイミングを制御するとともに検出手段、画像処理手段、画像表示手段をそれぞれ制御する制御手段とを備えたMRI装置において、前記制御手段は、位相エンコードを印加しない前計測シーケンスの後に位相エンコードを付加した本計測シーケンスを実行するよう制御し、前記シーケンスにおいて、少なくとも1回の繰り返し時間内で連続的に計測した前計測エコー信号を用いて、各前計測エコー信号間の位相変化をそれぞれ算出するとともに、計測空間上に時系列に配置される本計測エコー信号を対応する前記位相変化の情報に基づいて、偶数番目取得の本計測エコー信号の位相を奇数番目取得の本計測エコー信号の位相に揃える、奇数番目取得の本計測エコー信号の位相を偶数番目取得の本計測エコー信号の位相に揃える、もしくは計測中心の位相に揃える、のいずれかの処理を実行する位相補正手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明の好適な態様のMRI装置は、補正用位相マップの作成において、算出した位相変化の精度を向上する処理を含む。これら処理は、具体的には、主値回り補正、位相差の平均処理を含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のMRI装置について、図面を参照して詳述する。
【0018】
図8は本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示す図で、このMRI装置は、被検体801を囲む所定の空間に静磁場を発生する磁石802と、該空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル803と、この空間に高周波磁場を発生するRFコイル804と、被検体801が発生するMR信号を検出するRFプローブ805とを備えている。ベッド812は被検体が横たわるためのものである。
【0019】
傾斜磁場コイル803は、X、Y、Zの3方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源809からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。傾斜磁場には、被検体の所定のスライスを選択するために印加されるスライス選択傾斜磁場、エコー信号を位相エンコードするために印加される位相エンコード傾斜磁場およびエコー信号に周波数エンコードするとともにグラディエントエコーを発生させるための読み出し傾斜磁場があり、本発明においては極性の反転する読み出し傾斜磁場を使用する。
【0020】
RFコイル804はRF送信部810の信号に応じて高周波磁場を発生する。RFプローブ805の信号は、信号検出部806で検出され、信号処理部807で信号処理され、また計算により画像信号に変換される。画像は表示部808で表示される。
【0021】
傾斜磁場電源809、RF送信部810、信号検出部806は、一般にパルスシーケンスと呼ばれるタイムチャートに従い制御部811で制御される。
【0022】
制御部811は、上述した信号処理部807で信号処理されたデジタル信号であるエコー信号に各種演算を行うとともに、反転する読み出し傾斜磁場の各周期内で発生するエコー信号を用いて位相変化の算出、補正用位相マップの作成、補正用位相マップを用いたパルスシーケンスの調整および/または補正用位相マップを用いた本計測エコーの補正などを行う機能を備えている。これら制御部811の各機能は、制御部811を構成するコンピュータのプログラムとして構築される。
【0023】
次に、このような構成における本発明の第1の実施形態を説明する。この実施形態では、図1に示すように本計測200に先だって前計測シーケンス100を実行し、この前計測シーケンスで得た補正用エコー101を用いて本計測シーケンスのサンプリング時間を調整する。
【0024】
本計測シーケンスは、シングルショット或いはマルチショットのEPIシーケンスであり、高周波パルスにより被検体の所定領域を励起した後、連続して反転する読み出し傾斜磁場を印加しながら、これと同時に位相エンコード傾斜磁場を印加して、位相エンコードの異なる複数のエコ―信号を計測する。位相エンコードの数は通常1枚の画像あたり64、128、256、512等の値が選ばれる。シングルショットEPIでは、これら位相エンコードの異なる信号を一度の励起で計測し、マルチショットEPIでは分割して計測する。各エコー信号は通常128、256、512、1024個のサンプリングデータからなる時系列信号として得られる。
【0025】
以下、本計測シーケンスがマルチショットEPIである場合を例にして説明する。図2は補正前の本計測シーケンスを示す図で、このパルスシーケンスでは高周波パルス201とスライス選択傾斜磁場パルス202を印加した後、位相エンコードのオフセットを与えるパルス203と読み出し傾斜磁場のオフセットを与えるパルス204を印加し、位相エンコード傾斜磁場パルス205を離散的に印加しながら反転する読み出し傾斜磁場206の各周期内で各位相エンコードのエコー信号102が発生するので、これをサンプリング時間207の間おのおのサンプリングし時系列データ102を得る。サンプリング時間207は典型的にはそれぞれ1ms程度である。
【0026】
このようなシーケンス208を複数回(N回)繰り返し、画像再構成に必要な全ての本計測エコ-信号h(n,m,t)102を取得する。なお、nは繰り返し番号(1≦n≦N)、mはエコー番号(1≦m≦M)、t は時間を表す。一例として、1回の高周波パルス印加で計測する本計測エコー信号の数が16(M=16)であり、読み出し方向のデータ数が128(x=128)、位相エンコード方向のエンコード数が128であるとすると、1枚の画像を得るのに必要な繰り返し数は8(N=8)となる。
【0027】
既に述べたようにこのように計測された本計測エコーは、エコーのピーク位置がサンプリング時間207の中心と一致しないために、計測空間において奇数番目(mが奇数)のエコーのピーク位置と、偶数番目(mが偶数)のエコーのピーク位置が計測空間中央に対し、それぞれ逆方向にずれる(図9(a))。
【0028】
この計測空間におけるエコー信号のピークずれは、フーリエ変換後の空間での位相変化に対応する。そこで、まず前計測によって奇数エコーと偶数エコーの位相変化を求め、この位相変化からピーク位置のずれを求め、奇数エコーおよび偶数エコーのピーク位置を一致するように本計測シーケンスにおけるサンプリング時間を調整する。
【0029】
図3はこのような位相検出ための前計測パルスシーケンスの一例を示す図であり、本計測シーケンスに対応してマルチショットEPIシーケンスを基本としている。但し、図3のパルスシーケンスは位相エンコード傾斜磁場を加えない点が本計測のEPIシーケンスとは異なる。
【0030】
即ち、まず検知する磁化を含む被検体に高周波パルス201を照射すると同時にスライスを選択する傾斜磁場パルス202を印加し、画像化するスライスを選択する。次いで読み出し傾斜磁場のオフセットを与えるパルス204を印加した後、連続して反転する読み出し傾斜磁場パルス206を印加し、反転する読み出し傾斜磁場206の各周期内でエコー信号101が時系列的に発生するので、これを時間範囲207の間おのおのサンプリングし時系列データ101を得る。反転する読み出し傾斜磁場206の強度、印加タイミング、時間範囲207は本計測シーケンスと同じである。
【0031】
このようにシーケンス208内で取得された時系列データ101、即ち前計測エコ-信号p(m,t)101を用いて位相差マップを作成する。なお、mはエコー番号(1≦m≦M)、tは時間を表す。このため、まず前計測エコー信号p(m,t)101を読み出し方向にフーリエ変換し、補正用データp(m,x)105を取得する(ステップ103)。ここで、xは読み出し方向の位置を表し、1≦x≦Xである。
【0032】
次いで偶数エコーの補正用データと奇数エコーの補正用データとから両者間の位相差s(k,x)108 を計算する(ステップ107)。具体的には、下記計算を行う。
【0033】
【数1】
Figure 0004390328
ここで、kは1≦k≦M/2であり、re[]、im[]はそれぞれ信号の実部と虚部を表し、||は信号の絶対値を表す。この計算では、奇数エコー(2k-1番目のエコー)とそれと時系列的に隣接する2つの偶数エコー(2k-2番目と2k番目)との位相差をそれぞれ求め、その平均をとり、位相差s(k,x)としている。
【0034】
次に位相差s(k,x)の精度を向上するための処理(109,110)を行う。上式からもわかるようにこの計算は、-π〜+πの範囲でなされるため、-πを超えるものは折り返して+πの方へ、+πを超えるものは折り近して-πの方へそれぞれ値が離散的に変化する(これを主値回りといい、局所的に位相が主値回りするものを主値飛びという)。上述のように求めた位相差s(k,x)には、この主値飛びノイズが混入しているため、これを下記計算により除去をする(ステップ109)。
【0035】
【数2】
Figure 0004390328
ここで、i、j はフィルタ範囲の点を表し、それぞれ-X/2≦i≦X/2、-X/2≦j≦X/2、である。
【0036】
さらに主値飛びノイズ以外に位相差に混入するノイズを除去するため、下式により位相差を平均する(ステップ110)。
【0037】
【数3】
Figure 0004390328
ここで、i、jはフィルタ範囲の点を表し、それぞれX/2≦i≦X/2、X/2≦j≦X/2、である。
【0038】
これらの処理109、110によりピークずれの検出の精度を向上することができる。
【0039】
次にこのように求めた位相差マップを用いて本計測シーケンスにおけるサンプリング時間207を設定する。図4は、エコー信号のピークの計測空間中央からのずれと位相変化との関係を示したものであり、図示するように、エコー信号402のピークが計測空間の中央401にあるときには、エコーを一次元フーリエ変換した空間での位相の変化は、直線405で示すように0であるが、エコー信号403のピークが中央401からずれたときには(ずれ量404)、このエコー信号を一次元フーリエ変換した空間では、位相は一次関数的に直線406のように変化する。従って位相変化の傾きを求めることによって、ずれ量(時間)を求めることができる。
【0040】
このため、ステップ110により作成した位相差s'(k,x)をフィッティング処理して位相変化の傾き(1次成分)を計算する(ステップ111)。フィッティングとして、例えば最小2乗法を採用できる。このようなフィッティングを位相差s'(k,x)の全てのkについて行う。
【0041】
ステップ111でs'(k,x)の各kについて求めた傾きa(k)から次式によりサンプリング時間207のずれΔt(k)112を計算する。
【0042】
【数4】
Figure 0004390328
ここで、Spはサンプリング207のピッチ(1点のサンプリング時間)、Atはサンプリング207の時間である。1ピクセルの位相差は2πであるから、この計算により、サブピクセル単位で高精度にピークずれを検出できることがわかる。例えば、0.1ピクセル単位のピーク差が、エコー毎に分かる。
【0043】
次に、求めたΔt(k)から、本計測シーケンスのエコー計測時間を計算する(ステップ113)。具体的には、図2の本計測シーケンスにおいて奇数番めのエコーのサンプリング時間はそのままにして、偶数番目のエコーのサンプリング開始時間をΔt(k)ずらす。このように調整された本計測シーケンスを図5に示す。ここでは本計測シーケンス中、読み出し傾斜磁場(Gr)、サンプリング(A/D)、発生したエコー信号(echo)についてのみ示した。
【0044】
図示するように、エコー信号102はそのピーク位置が計測空間中心から 501(5011,5012・・・)だけずれている。このずれ501は、上述の計算によって求めたΔt(k)/2に対応する。そこで、偶数番目のエコーのサンプリング時間207を、Δt(k) (502)だけずらす。これにより計測空間のエコー信号のピーク位置がそろうことになる。
【0045】
このようにステップ103から113までの前計測処理114で計算した本計測シーケンスを実行し、本計測エコー信号102 を取得する。図6に取得した本計測エコー102の計測空間601の配列を示す。図示するように、偶数エコー602のピーク6021,6022・・・は、サンプリング時間をずらすことにより、奇数エコー603のピーク6031,6032…と同じ位置になる。これらは全体として計測空間601の中心604からずれているが、各エコーのピークがそろっているため、これを2次元フーリエ変換して画像再構成119を行い作成した画像118ではN/2アーチファクトが大幅に低減される。
【0046】
尚、図6では、計測空間の中心からのずれがエコー番号に関わらず同一である場合を示しているが、上述したように本発明では位相差はエコー番号(k)の関数として求められるので、エコートレイン内で位相差が変化する場合でも正確にピークを揃えることができる。
【0047】
以上、本発明の第1の実施形態を説明した。この実施形態では偶数エコーのサンプリング時間を調整する場合を説明したが、奇数エコーを調整しても良いし、両者を調整することも可能である。またシーケンスについてもマルチショットのみならず、ワンショット型のシーケンスや、マルチスライス、3D計測等に本発明の処理を適用することも可能である。
【0048】
第1の実施形態によるMRI装置によれば、補正用データからエコー間の位相変化を算出し本計測シーケンスをエコー毎にサブピクセル単位で最適に調整するので、画像歪みや線状のアーチファクトを生じることなく、画質の良い撮影を実現できる。
【0049】
また補正用データを用いて画像再構成時に補正処理を行うのではなく、本計測シーケンスを調整しているので、再構成時間を延長することなく本計測を行うことができる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態でも、本計測に先だって前計測シーケンスを実行し、エコー毎の補正用データを作成することは第1の実施形態と同様であるが、第2の実施形態では、この補正用データp(m,x)101を用いて本計測シーケンスで計測した各エコーの位相を補正する。
【0051】
図7にこの実施形態による処理の手順を示す。図1と同一の処理については図1と同じ符号で示した。ここでもマルチショットEPIを例にして説明する。まず図2に示す前計測シーケンスを実行し、補正用エコーp(m,t)を計測する(ステップ101)。ここでmはエコー番号、tは時間であり、本計測シーケンスの1繰り返し時間で計測するエコーと同じ数のエコーを計測する。この補正用エコーをエコー毎に読み出し方向にフーリエ変換し、補正用データp(m,x)を得る(ステップ103)。
【0052】
この補正用データから奇数エコーと偶数エコーの間の位相差s(k,x)を計算する(ステップ107)。この計算は、第1の実施形態において位相差s(k,x)を求めた計算と同じである。従って、この場合にも主値飛びノイズの除去(ステップ109)と位相差の平均を求める処理(ステップ110)を行う。このように精度を向上した位相差s'(k,x)は、補正用位相マップとして制御部のメモリに格納される。
【0053】
一方、図2に示す本計測シーケンスを実行し、本計測エコーh(n,m,t)を計測する(ステップ102)。ここでnは繰り返し番号、mはエコー番号、tは時間である。次いで本計測エコーh(n,m,t)を読み出し方向にフーリエ変換し、本計測データh(n,m,x)を得る(ステップ106)。
【0054】
この本計測データを前計測で求めた補正用位相マップs'(k,x)を用いて補正する(ステップ111)。補正の計算は、例えば次式により行う。
【0055】
【数5】
Figure 0004390328
上式からわかるように、この例では奇数エコーは、計測したデータをそのまま用い、偶数エコーのみを補正している。これによって図6に示したのと同様に計測空間において偶数エコー602のピーク6011,6012・・・は、奇数エコー603のピーク6031,6032…と同じ位置になる。この場合、奇数エコーを補正し、偶数エコーに揃えるようにしてもよいし、両者を補正し、そのピークが計測空間中心になるように揃えてもよい。
【0056】
このように奇数エコーと偶数エコーの位相を揃えた後、本計測データを位相エンコード方向にフーリエ変換することにより(ステップ112)画像再構成される。このように再構成した画像113ではN/2アーチファクトが大幅に低減される。
【0057】
この実施形態でも位相差はエコー番号(k)の関数として求められ、エコー番号mが異なる本計測エコーについてそれぞれ対応する位相差データを用いて補正するので、位相エンコード方向に位相差の変動がある場合にも、即ち、エコートレイン内で位相差が変化する場合でも、正確に補正することができる。これにより画像歪みや線状のアーチファクトを生じることなく、画質の良い撮影を実現することができる。
【0058】
以上、本発明の第2の実施形態を説明したが、この実施形態も第1の実施形態と同様にワンショットシーケンスやマルチスライス計測、3D計測にも適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、下記の効果が得られる。
▲1▼全エコーについて、偶数エコー、奇数エコー信号の位相差をそれぞれ計算するので、 エコートレイン内で傾斜磁場の渦電流などにより、上記差がエコー毎に異なっていても、正確に本計測エコーを補正できる。或いは本計測シーケンスを調整できる。
▲2▼読み出し方向フーリエ変換後の補正用データについて、精度を向上する処理を行うので、従来の補正では除去できなかった脳低部などのストリークアーチファクトを除去することができ、画質のよいMR画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMRI装置の第1の実施形態における処理手順を示す図。
【図2】本発明のMRI装置で実行される本計測パルスシーケンスの一例を示す図。
【図3】本発明のMRI装置で実行される前計測のパルスシーケンスの一例を示す図。
【図4】エコーのピーク位置のずれと位相変化の関係を説明する図。
【図5】第1の実施形態のMRI装置で実行される、調整後の本計測パルスシーケンスの一例を示す図。
【図6】図5のパルスシーケンスで計測したエコーの計測空間配置を示す図。
【図7】本発明のMRI装置の第2の実施形態における処理手順を示す図。
【図8】本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示す図。
【図9】N/2アーチファクトの発生原理を説明する図。
【図10】その他のアーチファクトを説明する図。
【符号の説明】
803・・・読み出し傾斜磁場を印加する手段、位相エンコード傾斜磁場を印加する手段
804・・・エコー信号を検出する手段
805・・・高周波パルスを照射する手段
811・・・制御手段

Claims (3)

  1. 被検体に高周波パルスを照射する手段と、読み出し傾斜磁場パルスを印加する手段と、位相エンコード傾斜磁場パルスを印加する手段と、少なくとも1回の繰り返し時間内で発生するエコー信号を時系列的に検出する手段と、エコー信号から画像を作成し、表示する手段と、所定のパルスシーケンスに従い前記各手段を制御する制御手段とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、位相エンコード傾斜磁場パルスを印加せずに少なくとも1回の繰り返し時間内で計測した前計測エコー信号を用いて、時間的に隣接する奇数番目のエコーと偶数番目のエコーとの位相変化をそれぞれ算出して、エコー番号の関数として補正用位相マップを作成し、前記補正用位相マップの対応するエコー番号の位相差を用いて本計測エコー信号を取得するためのパルスシーケンスのエコー計測時間を、奇数番目のエコーと偶数番目のエコーのいずれか一方に他方を揃えることにより調整する手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 被検体に高周波パルスを照射する手段と、読み出し傾斜磁場パルスを印加する手段と、位相エンコード傾斜磁場パルスを印加する手段と、少なくとも1回の繰り返し時間内で発生するエコー信号を時系列的に検出する手段と、エコー信号から画像を作成し、表示する手段と、所定のパルスシーケンスに従い前記各手段を制御する制御手段とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、位相エンコード傾斜磁場パルスを印加せずに少なくとも1回の繰り返し時間内で計測した前計測エコー信号を用いて、1回のパルスシーケンスで取得された、時間的に隣接する奇数番目のエコーと偶数番目のエコーとの位相変化をそれぞれ算出して、エコー番号の関数として補正用位相マップを作成し、少なくとも1回の繰り返し時間内で連続した本計測エコーを、前記補正用位相マップの対応するエコー番号の位相差を用いて、偶数番目取得の本計測エコー信号の位相を奇数番目取得の本計測エコー信号の位相に揃える、或いは奇数番目取得の本計測エコー信号の位相を偶数番目取得の本計測エコー信号の位相に揃えることにより補正する手段を有する磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、前記前計測エコー信号毎に算出した各前計測エコー信号間の位相変化に対し、主値回り補正および/又は位相差の平均処理を施した後、前記補正用位相マップを作成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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