JP4381531B2 - グリコペプチド誘導体 - Google Patents
グリコペプチド誘導体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4381531B2 JP4381531B2 JP34938699A JP34938699A JP4381531B2 JP 4381531 B2 JP4381531 B2 JP 4381531B2 JP 34938699 A JP34938699 A JP 34938699A JP 34938699 A JP34938699 A JP 34938699A JP 4381531 B2 JP4381531 B2 JP 4381531B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- hydrogen
- compound
- substituent
- alkyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 Cc1ccc(*)cc1 Chemical compound Cc1ccc(*)cc1 0.000 description 3
- VYMBCSGXKOXMLQ-UHFFFAOYSA-N Cc(cc1)ccc1-c(cc1)ccc1C#Cc(cc1)ccc1F Chemical compound Cc(cc1)ccc1-c(cc1)ccc1C#Cc(cc1)ccc1F VYMBCSGXKOXMLQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- XYOKCUNCQZYSPK-UHFFFAOYSA-N Cc(cc1)ccc1-c(cc1)ccc1Cl Chemical compound Cc(cc1)ccc1-c(cc1)ccc1Cl XYOKCUNCQZYSPK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- JSBJQQZPQJIGFJ-UHFFFAOYSA-N Cc(cc1)ccc1-c(cc1)ccc1F Chemical compound Cc(cc1)ccc1-c(cc1)ccc1F JSBJQQZPQJIGFJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- NPDACUSDTOMAMK-UHFFFAOYSA-N Cc(cc1)ccc1Cl Chemical compound Cc(cc1)ccc1Cl NPDACUSDTOMAMK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- YXFVVABEGXRONW-UHFFFAOYSA-N Cc1ccccc1 Chemical compound Cc1ccccc1 YXFVVABEGXRONW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリコペプチド誘導体に関する。より詳細には、本発明は、バンコマイシン耐性腸球菌およびメチシリン耐性菌に対して強力な活性を示すグリコペプチド誘導体、あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグに関する。本発明はまた、このような化合物などを含む医薬組成物および抗菌組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
グリコペプチド誘導体は、種々の抗生物質として有用であることが、従来から知られている。
【0003】
例えば、特開平1−240196号は、グリコペプチド系抗生物質である化合物PA−45052を開示している。化合物PA−45052は、メチシリン耐性菌に対する抗菌活性を有する。
【0004】
また、特開平4−108800号は、メチシリン耐性菌およびバンコマイシン耐性菌に対して抗菌活性を示す抗生物質として、一般式[I]で表されるグリコペプチド系抗生物質(バンコマイシン系抗生物質)を開示している。
【0005】
しかし、最近、抗生物質の汎用に伴い、より強力なバンコマイシン耐性腸球菌(例えば、E.faecalis、E.faeciumなど)の出現が問題となっている。
【0006】
例えば、上記の特開平1−240196号に記載されるグリコペプチド系抗生物質PA−45052−B(クロロオリエンチシンB)は、E.faecalisおよびE.faeciumに対して、それぞれ25μg/mlを越える最小発育阻止濃度(MIC)を示すのみである。
【0007】
従って、これらのようなバンコマイシン耐性腸球菌に対して、より優れた抗菌活性を示す抗生物質が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、バンコマイシン耐性腸球菌に対して優れた活性を発現し、かつメチシリン耐性菌(例えば、MRSA)に対してもより強力な活性を発現する、新規な構造のグリコペプチド誘導体、その薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグを提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、このような化合物、その薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグを含む、医薬組成物および抗菌組成物を提供することである。
【0010】
本発明者らは、多くの研究を重ねた結果、バンコマイシン耐性腸球菌およびメチシリン耐性菌に対して優れた抗菌活性を発現する新規なグリコペプチド誘導体を見出した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の式で表される化合物、あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグに関する:
【0012】
【化13】
【0013】
ここで、
R1は、以下の(1−1)〜(1−8)からなる群から選択される:
(1−1)水素;
(1−2)置換基を有していてもよいベンジルであって、該置換基は、ハロゲン、アミノ、ホルミル、ハロゲン化されていてもよいアルキル、ハロゲン化されていてもよいアルケニル、ハロゲン化されていてもよいアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、もしくはアリールアルキニル、またはその組み合わせであって、
ここで、該置換基中のアリール環は、さらにハロゲン、アミノ、ホルミル、ハロゲン化されていてもよいアルキル、ハロゲン化されていてもよいアルケニル、ハロゲン化されていてもよいアルキニル、ハロゲン化もしくはアルキル化されていてもよいアリールアルキル、ハロゲン化されていてもよいアリールアルケニル、もしくはハロゲン化されていてもよいアリールアルキニル、またはその組み合わせで置換され得;
(1−3)それぞれ置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、またはアルキニルであって、該置換基は、ハロゲン、アミノ、もしくはハロゲン化されていてもよいアリール、またはその組み合わせであり;
(1−4)それぞれ置換基を有していてもよいモノもしくはジアリールアルキルカルバモイル、モノもしくはジアリールアルキルチオカルバモイル、モノもしくはジアリールカルバモイル、またはモノもしくはジアリールチオカルバモイルであって、該置換基は、ハロゲン、アミノ、ホルミル、ハロゲン化されていてもよいアルキル、ハロゲン化されていてもよいアルケニル、ハロゲン化されていてもよいアルキニル、アルキルがハロゲン化されていてもよいアリールアルキル、アルケニルがハロゲン化されていてもよいアリールアルケニル、もしくはアリールアルキニル、またはその組み合わせであり、
ここで、該置換基中のアリール環は、さらにハロゲン、ホルミル、もしくはハロゲン化されていてもよいアルキル、またはその組み合わせで置換され得;
(1−5)それぞれ置換基を有していてもよいモノもしくはジアルキルカルバモイル、またはモノもしくはジアルキルチオカルバモイルであって、該置換基は、ハロゲン、もしくはアミノ、またはその組み合わせであり;
(1−6)それぞれ置換基を有していてもよいアルキルカルボニル、アリールアルキルカルボニル、またはアリールカルボニルであって、該置換基は、ハロゲン、アミノ、もしくはホルミル(ただしアリール環の置換に限る)、またはその組み合わせであり;
(1−7)それぞれ置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル、またはアルキルオキシチオカルボニルであって、該置換基は、ハロゲン、アミノ、もしくはハロゲン化されていてもよいアリール、またはその組み合わせであり;および
(1−8)それぞれ置換基を有していてもよいアルキルウレア、アリールアルキルウレア、またはアリールウレアであって、該置換基は、ハロゲン、アミノ、もしくはホルミル(ただしアリール環の置換に限る)、またはその組み合わせであり;
ただし、(1−2)〜(1−8)において、存在するアリール環はヘテロ原子を含み得、該アリール環のα位のメチレンはカルボニルで置換され得、そして、存在する炭素−炭素一重結合はヘテロ原子で中断され得;
R2は、以下の(2−1)〜(2−7)からなる群から選択される:
(2−1)ヒドロキシ:
(2−2)置換基を有していてもよいモノまたはジアルキルアミノ(ただし、(2−4)を除く)であって、2つのアルキルは結合して環を形成してもよく、該置換基は、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ヒドロキシ、グアニジノ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、シアノで置換されていてもよいカルバモイル、モノまたはジアルキルカルバモイル、モノまたはジアリールカルバモイル、アリール、アルキルアミドもしくはアリールアミド、アルキルウレアもしくはアリールウレア、−(C=O)N-−N+(RX)3、−N+(RX)2(CH2)mCOORY、−N+(RX)2(CH2)mN+(RX)3、−SO2−ORY(ここで、mは1〜3であり、RXは、C1〜C3アルキルであり、そしてRYは、水素またはC1〜C3アルキルである)、もしくは−P=O(ORY)2(ここで、RYは、水素もしくはC1〜C3アルキルである)、またはその組み合わせであって、
ここで、該置換基中のアルキルは、さらにアルキルオキシカルボニルもしくはアリールオキシカルボニルで置換されていてもよいアミノで置換され得、
ここで、該置換基中のアリール環は、さらにハロゲン、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、アミノで置換されていてもよいアルキル、もしくはアシル化されていてもよいヒドロキシアルキルまたはチオアルキル、またはその組み合わせで置換され得る;
(2−3)アミノまたはヒドロキシで置換されていてもよいシクロアルキルアミノ;
(2−4)二置換メチルアミノ−NHCHR6R7であって、ここで、R6は、カルボキシ、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル、カルバモイル、もしくは置換基を有していてもよいモノアルキルカルバモイル、もしくは置換基を有していてもよいシクロアルキルカルバモイルから選択され、ここで、該置換基は、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、カルボキシ、ヒドロキシ、−(C=O)N-−N+(RX)3、−(CH2)mCOORX(ここで、mは、1〜3であり、RXは、C1〜C3アルキルである)で置換されていてもよいアリール、−N+(RX)2(CH2)mCOORY(ここで、RYは、水素またはC1〜C3アルキルである)、もしくは−N+(RX)2(CH2)mN+(RX)3、またはその組み合わせであり、
R7は、C1〜C3アルキルで窒素が置換されていてもよいインドールもしくはチオインドール、またはイミダゾリルである;
(2−5)トリペプチドR−A1−A2−A3−:
ここで、A1、A2、およびA3は、それぞれ任意のアミノ酸単位であり、Rは、該トリペプチドのカルボキシ末端であって、ヒドロキシ、アミノもしくは置換基を有していてもよいモノまたはジアルキルアミノを表し、該置換基は、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、グアニジノ、もしくはアリールである;
(2−6)置換基を有していてもよいヒドラジノまたはヒドロキサム酸であって、該置換基は、アルキル、もしくはさらにアルキルで置換されていてもよいアリールアルキルである;および
(2−7)置換基を有していてもよいアルコキシであって、該置換基は、さらにニトロ、ヒドロキサム酸、もしくはアルキルで置換されていてもよいアリールカルボニルである;
ただし、(2−2)〜(2−7)において、存在するアリール環はヘテロ原子を含み得、そして、存在する炭素−炭素一重結合は、ヘテロ原子で、または−O(P=O)(ORF)O−(ここで、RFは、水素、アルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルである)、イミノ、および
【0014】
【化14】
【0015】
から選択されるヘテロ基で中断され得;
R3は、以下の(3−1)〜(3−4)からなる群から選択される:
(3−1)水素;
(3−2)アルキル、シクロアルキルまたはアルキレンで置換されていてもよいアミノメチルであって、該アルキル、シクロアルキルおよびアルキレンはそれぞれ置換基を有していてもよく、該置換基は、アルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルで置換されていてもよいアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、シクロアルキルで置換されていてもよいアリール、ヒドロキシ、グアニジノ、−O−(P=O)(OH)2、カルボキシ、−N+(RX)2(CH2)mN+(RX)3、もしくは−(C=O)−N-−N+(RX)3(ここで、mは1〜3であり、RXは、C1〜C3アルキルである)、またはその組み合わせであって、ここで、該モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ置換基中のアルキルは、さらにアミノで置換され得る;
(3−3)置換基を有していてもよいアルキニルであって、該置換基は、アルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルで置換されていてもよいアミノ、またはアリールである;および
(3−4)ハロゲン;
ただし、(3−2)および(3−3)において、存在するアリール環はヘテロ原子を含み得、そして、存在する炭素−炭素一重結合は、ヘテロ原子で、または−O(P=O)(ORJ)O−(ここで、RJは、水素、アルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルである)、アミド、イミノ、および
【0016】
【化15】
【0017】
から選択されるヘテロ基で中断され得;
R4は、以下の(4−1)〜(4−6)からなる群から選択される:
(4−1)水素;
(4−2)置換基を有していてもよいアルキルであって、該置換基は、アルキルオキシカルボニル、アミノ、アルキル化されていてもよいアリール、アリールカルボニル、カルバモイル、モノまたはジアルキルカルバモイルまたはモノまたはジアリールアルキルカルバモイルまたはその組み合わせであり、
ここで、該置換基中のアルキルまたはアリールは、さらにアルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルで置換されていてもよいアミノ、またはヒドロキシで置換され得る;
(4−3)置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニルであって、該置換基は、アルキル化されていてもよいアリールである;
(4−4)アリールアミドまたはアリールチオアミド;
(4−5)アルキル化されていてもよいアミノまたはアミジノ;および
(4−6)ニトロソ;
ただし、(4−2)〜(4−5)において、存在するアリール環はヘテロ原子を含み得、そして、存在する炭素−炭素一重結合はヘテロ原子で中断され得;そして
R5は、以下の(5−1)〜(5−3)からなる群から選択される:
(5−1)水素;
(5−2)グルコシル;および
(5−3)以下の式で表される、(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル:
【0018】
【化16】
【0019】
ただし、R2がヒドロキシであり、かつR3が水素であるとき、以下の(i)および(ii)を同時に満たすことはない:
(i)R1が、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C9アルキルカルボニル、
【0020】
【化17】
【0021】
(ここで、kは1〜3であり、Raは、水素またはハロゲンである)、
【0022】
【化18】
【0023】
(ここで、pは0〜2である)、または
【0024】
【化19】
【0025】
(ここで、dは2または3である)
である;および
(ii)R4が、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C9アルキルカルボニル、
【0026】
【化20】
【0027】
(ここで、kは1〜3であり、Raは、水素、C1〜C8アルキル、またはC1〜C8アルコキシである)、または
【0028】
【化21】
【0029】
(ここで、dは2または3である)
である。
【0030】
1つの実施態様では、本発明は、上記式(I)において以下のように定義される置換基を有する化合物、あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグに関する:
ここで、
R1は、以下の(1−1’)〜(1−6’)からなる群から選択される:
(1−1’)水素;
(1−2’)置換基を有するベンジルであって、該置換基は、ハロゲン、ハロゲン化されていてもよいC3〜C12アルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールC1〜C8アルケニル、またはC6〜C18アリールC1〜C8アルキニル、またはその組み合わせであって、
ここで、該置換基中のアリール環は、さらにハロゲン、ハロゲン化されていてもよいC1〜C12アルキル、ハロゲン化されていてもよいC6〜C18アリールC1〜C8アルキニル、またはその組み合わせで置換され得;
(1−3’)置換基を有していてもよいC8〜C17アルキルであって、該置換基は、ハロゲン、アミノ、もしくはハロゲン化されていてもよいC6〜C12アリール、またはその組み合わせであり;
(1−4’)置換基を有していてもよいモノC6〜C18アリールカルバモイルまたはモノC6〜C18アリールC5〜C13アルキルカルバモイルであって、該置換基は、ハロゲン、ハロゲン化されていてもよいC1〜C9アルキル、もしくはアルケニルがハロゲン化されていてもよく、かつアリールがC1〜C5アルキルで置換されていてもよいC6〜C18アリールC1〜C8アルケニル、またはその組み合わせであり、
(1−5’)置換基を有していてもよい、アルキルがC9〜C14アルキルであるモノアルキルカルバモイルもしくはモノアルキルチオカルバモイルであって、該置換基は、ハロゲン、もしくはアミノ、またはその組み合わせであり;および
(1−6’) アルキルがC8〜C17アルキルである、アルキルカルボニル;
ただし、(1−2’)〜(1−6’)において、存在するアリール環はヘテロ原子を含み得、そして、存在する炭素−炭素一重結合はヘテロ原子で中断され得;
R2は、以下の(2−1’)〜(2−7’)からなる群から選択される:
(2−1’)ヒドロキシ:
(2−2’)置換基を有していてもよいモノまたはジC1〜C30アルキルアミノであって、該置換基は、アミノ、モノまたはジC1〜C5アルキルアミノ、ヒドロキシ、グアニジノ、シアノで置換されていてもよいカルバモイル、モノまたはジC6〜C10アリールカルバモイル、C5〜C12アリール、C6〜C12アリールアミド、−N+(RX)3、−N+(RX)2(CH2)mN+(RY)3(ここで、mは1〜3であり、RXはC1〜C3アルキルであり、そしてRYは、水素またはC1〜C3アルキルである)、もしくは−(C=O)N-−N+(CH3)3、またはその組み合わせであって、
ここで、該置換基中のアルキルは、さらにC1〜C5アルキルオキシカルボニルで置換されていてもよいアミノで置換され得、
ここで、該置換基中のアリール環は、さらに、アミノ、ヒドロキシ、C1〜C3アルキルオキシカルボニル、もしくはアミノで置換されていてもよいC1〜C8アルキルで置換され得る;
(2−3’)ヒドロキシで置換されたC4〜C8シクロアルキルアミノ;
(2−4’)二置換メチルアミノ−NHCHR6R7であって、ここで、
R6は、カルボキシ、C1〜C3アルキルオキシカルボニル、もしくは置換基を有するモノC1〜C5アルキルカルバモイルから選択され、
ここで、該置換基は、トリメチルアンモニウム、カルボキシ、ヒドロキシ、C1〜C10アリール、−N+(CH3)2(CH2)−COORG(ここで、 RGは、水素またはC1〜C2アルキルである)、もしくは−N+(CH3)2−(CH2)2−N+(CH3)3、であり、
R7は、C1〜C2アルキルで窒素が置換されていてもよいインドールもしくはチオインドール、または4−イミダゾリルである;
(2−5’)トリペプチドR−A1−A2−A3−:
ここで、A1、A2、およびA3は、それぞれ、トリプトファン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸、ロイシン、セリン、チロシン、グリシン、プロリン、およびアラニンからなる群から独立して選択されるアミノ酸単位であり、ただし、A1、A2、およびA3の少なくとも1つは、トリプトファン、ヒスチジン、またはリジンであり、Rは、該トリペプチドのカルボキシ末端であって、ヒドロキシ、アミノ、もしくは置換基を有していてもよいモノまたはジC1〜C3アルキルアミノを表し、該置換基は、トリメチルアンモニウム、グアニジノ、もしくは4−イミダゾリルである;
(2−6’)置換基を有するヒドロキサム酸であって、該置換基は、さらにC1〜C3アルキルで置換されたC6〜C18アリールC1〜C5アルキルである;および
(2−7’)置換基を有するC1〜C3アルコキシであって、該置換基は、さらにC1〜C3アルキルで置換されたC6〜C10アリールカルボニルである;
ただし、(2−2’)〜(2−4’)、(2−6’)および(2−7’)において、存在するアリール環はヘテロ原子を含み得、そして、存在する炭素−炭素一重結合は、ヘテロ原子で、またはイミノおよび
【0031】
【化22】
【0032】
から選択されるヘテロ基で中断され得;
R3は、以下の(3−1’)〜(3−3’)からなる群から選択される:
(3−1’)水素;
(3−2’)C1〜C24アルキル、C5〜C24シクロアルキルまたはC5〜C10アルキレンで置換されたアミノメチルであって、該C1〜C24アルキル、C5〜C24シクロアルキルおよびC5〜C10アルキレンはそれぞれ置換基を有していてもよく、該置換基は、C1〜C5アルキルオキシカルボニルで置換されていてもよいアミノ、ジC1〜C5アルキルアミノ、トリC1〜C3アルキルアンモニウム、C6〜C12アリール、ヒドロキシ、グアニジノ、カルボキシ、−N+(RX)2(CH2)mN+(RX)3、もしくは−(C=O)−N-−N+(RX)3(ここで、mは1〜3であり、RXは、C1〜C3アルキルである)、またはその組み合わせであって、ここで、該ジC1〜C5アルキルアミノ置換基中のアルキルは、さらにアミノで置換され得る;および
(3−3’)C6〜C12アリールC1〜C5アルキニル;
ただし、(3−2’)〜(3−3’)において、存在するアリール環はヘテロ原子を含み得、そして、存在する炭素−炭素一重結合は、ヘテロ原子で、または−O(P=O)(O-)O−、アミド、およびイミノ、および
【0033】
【化23】
【0034】
から選択されるヘテロ基で中断され得;
R4は、以下の(4−1’)および(4−2’)からなる群から選択される:
(4−1’)水素、および
(4−2’)アミノで置換ていてもよいC10〜C30アルキル;
ただし、(4−2’)において、存在する炭素−炭素一重結合はヘテロ原子で中断され得;そして
R5は、以下の(5−1’)および(5−2’)からなる群から選択される:
(5−1’)水素;および
(5−2’)グルコシル。
【0035】
好ましくは、R5が水素であるとき、R1は、水素または上記(1−2’)〜(1−6’)からなる群から選択され、R2は上記(2−2’)〜(2−4’)、(2−6’)および(2−7’)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素であり得る;R5がグルコシルであるとき、R1〜R4は以下の組み合わせであり得る:R1は上記(1−2’)〜(1−6’)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2’)〜(2−4’)、(2−6’)および(2−7’)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2’)および(3−3’)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2はヒドロキシであり、R3は水素であり、そしてR4は上記(4−2’)である;R1は上記(1−2’)〜(1−6’)からなる群から選択され、R2は上記(2−2’)〜(2−4’)、(2−6’)および(2−7’)からなる群から選択され、R3およびR4はそれぞれ水素である;R1は上記(1−2’)〜(1−6’)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2’)および(3−3’)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2’)〜(2−4’)、(2−6’)および(2−7’)からなる群から選択され、R3は上記(3−2’)および(3−3’)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は上記(1−2’)〜(1−6’)からなる群から選択され、R2は上記(2−2’)〜(2−4’)、(2−6’)および(2−7’)からなる群から選択され、R3は上記(3−2’)および(3−3’)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−5’)であり、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である。
【0036】
1つの実施態様では、本発明は、上記式(I)において以下のように定義される置換基を有する化合物、あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグに関する:
ここで、
R1は、以下の(1−1’’)〜(1−4’’)からなる群から選択される:
(1−1’’)水素;
(1−2’’)置換基を有するベンジルであって、該置換基は、C5〜C9アルキル、C6〜C12アリール、 C6〜C12アリールC1〜C5アルケニル、またはC6〜C12アリールC1〜C5アルキニルであって、
ここで、該置換基中のアリール環は、さらにハロゲン、ハロゲン化されていてもよいC1〜C8アルキル、もしくはハロゲン化されたC6〜C12アリールC1〜C5アルキニルで置換され得;
(1−3’’)C6〜C12アリールで置換されていてもよいC9〜C15アルキル;
(1−4’’)置換基を有していてもよいモノC6〜C18アリールカルバモイルまたはモノC6〜C12アリールC7〜C11アルキルカルバモイルであって、該置換基は、ハロゲン、C5〜C9アルキル、もしくはアルケニルがハロゲン化されかつアリールがC1〜C5アルキルで置換されたC6〜C12アリールC1〜C5アルケニルである;
(1−5’’)アルキルがC9〜C14アルキルである、モノアルキルチオカルバモイル;および
(1−6’’)アルキルがC10〜C14アルキルである、アルキルカルボニル;
ただし、(1−2’’)において、存在するアリール環はイオウ原子を含み得、そして(1−2’’)および(1−4’’)において、存在する炭素−炭素一重結合は酸素原子で中断され得;
R2は、以下の(2−1’’)〜(2−8’’)からなる群から選択される:
(2−1’’)ヒドロキシ:
(2−2’’)置換基を有していてもよいモノまたはジC1〜C20アルキルアミノであって、該置換基は、アミノ、ヒドロキシ、グアニジノ、シアノで置換されたカルバモイル、モノまたはジC1〜C3アルキルアミノ、 C5〜C12アリール、C6〜C12アリールアミド、または−(C=O)N-−N+(CH3)3、またはその組み合わせであって、
ここで、該置換基中のアルキルは、さらにt−ブトキシカルボニルで置換されていてもよいアミノで置換され得、
ここで、該置換基中のアリール環は、さらに、ヒドロキシもしくはアミノで置換されていてもよいC1〜C5アルキルで置換され得、また、窒素およびイオウから選択されるヘテロ原子を含み得る;
(2−3’’)ヒドロキシで置換されたC5〜C7シクロアルキルアミノ;および
(2−4’’)二置換メチルアミノ−NHCHR6R7であって、ここで、
R6は、C1〜C2アルキルオキシカルボニル、もしくは置換基を有するモノC2〜C4アルキルカルバモイルであって、
ここで、該置換基は、2−イミダゾリルもしくはN−キノリルであり、
R7は、窒素がメチル化されていてもよいインドール、もしくはチオインドールである;および
(2−5’’)以下から選択されるトリペプチドR−A1−A2−A3−:
R−Lys−His−Trp−;
R−Leu−Trp−Lys−;
R−Leu−Trp−Tyr−;
R−Ser−His−Trp−;
R−Trp−His−Gly−;
R−Trp−Gly−His−;
R−Trp−Lys−His−;
R−Trp−Pro−His−;
R−Trp−Leu−His−;
R−Tyr−Trp−His−;
R−Tyr−Trp−Leu−;
R−Tyr−Trp−Ser−;
R−Leu−Trp−Tyr−;および
R−Trp−Lys−His−、
ここで、Rは、該トリペプチドのカルボキシ末端であって、ヒドロキシ、アミノ、もしくは置換基を有するモノC1〜C3アルキルアミノを表し、該置換基は、トリメチルアンモニウム、グアニジノ、もしくは4−イミダゾリルである;
(2−6’’)置換基を有するヒドロキサム酸であって、該置換基は、さらにメトキシで置換されたベンジルである;
ただし、(2−2’’)〜(2−4’’)および(2−6’’)において、存在する炭素−炭素一重結合は、酸素原子またはイミノで中断され得;R3は、以下の(3−1’’)および(3−2’’)からなる群から選択される:
(3−1’’)水素;および
(3−2’’)C1〜C20アルキル、C5〜C10シクロアルキルまたはC5〜C7アルキレンで置換されたアミノメチルであって、該C1〜C20アルキル、C5〜C10シクロアルキルおよびC5〜C7アルキレンはそれぞれ置換基を有していてもよく、該置換基は、t−ブトキシカルボニルで置換されていてもよいアミノ、ジC1〜C5アルキルアミノ、トリC1〜C3アルキルアンモニウム、C6〜C10アリール、ヒドロキシ、カルボキシ、−N+(RX)2(CH2)mN+(RX)3、もしくは−(C=O)−N-−N+(RX)3(ここで、mは1〜3であり、RXは、C1〜C3アルキルである)、またはその組み合わせであって、ここで、該ジC1〜C5アルキルアミノ置換基中のアルキルは、さらにアミノで置換され得る;
ただし、(3−2’’)において、存在するアリール環は窒素原子を含み得、そして、存在する炭素−炭素一重結合は、酸素、アミド、イミノ、および
【0037】
【化24】
【0038】
から選択されるヘテロ基で中断され得;
R4は、以下の(4−1’’)および(4−2’’)からなる群から選択される:
(4−1’’)水素;および
(4−2’’)アミノで置換されたC14〜C18アルキル;そしてR5は、以下の(5−1’’)および(5−2’’)からなる群から選択される:
(5−1’’)水素;および
(5−2’’)グルコシル。
【0039】
好ましくは、R5が水素であるとき、R1は水素または上記(1−2’’)〜(1−6’’)からなる群から選択され、R3およびR4はそれぞれ水素であり得る;R5がグルコシルであるとき、R1〜R4は以下の組み合わせであり得る:R1は(1−2’’)〜(1−6’’)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、R3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2’’)〜(2−4’’)および(2−6’’)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2’’)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2はヒドロキシであり、R3は水素であり、そしてR4は上記(4−2’’)である;R1は上記(1−2’’)〜(1−6’’)からなる群から選択され、R2は上記(2−2’’)〜(2−4’’)および(2−6’’)からなる群から選択され、R3およびR4はそれぞれ水素である;R1は上記(1−2’’)〜(1−6’’)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2’’)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2’’)〜(2−4’’)および(2−6’’)からなる群から選択され、R3は上記(3−2’’)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は上記(1−2’’)〜(1−6’’)からなる群から選択され、R2は上記(2−2’’)〜(2−4’’)および(2−6’’)からなる群から選択され、R3は上記(3−2’’)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−5’’)であり、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である。
【0040】
1つの実施態様では、本発明は、R1、R2、R3、R4、およびR5の組み合わせが以下の通りである、上記式(I)の化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグに関する:
【0041】
【表14】
【0042】
【表15】
【0043】
【表16】
【0044】
【表17】
【0045】
【表18】
【0046】
【表19】
【0047】
【表20】
【0048】
【表21】
【0049】
【表22】
【0050】
【表23】
【0051】
【表24】
【0052】
【表25】
【0053】
【表26】
【0054】
本発明はまた、上記のいずれかの化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグを含む、医薬組成物に関する。
【0055】
本発明はまた、上記のいずれかの化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグを含む、抗菌組成物に関する。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施態様を詳細に説明する。
【0057】
本明細書中で使用する用語「ヘテロ原子」は、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、またはリン原子などの、炭素原子および水素原子以外の原子を意味する。
【0058】
本明細書中で使用する用語「ヘテロ基」は、例えば、イミノ(−NH−)、−SO−、−SO2−、アミド、
【0059】
【化25】
【0060】
などの、任意のヘテロ原子を含み、さらに水素および/または炭素原子を含み得る、複数の原子からなる基を意味する。
【0061】
本明細書中で用いられる「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
【0062】
本明細書中で用いられる「アルキル」は、直鎖または分岐鎖の炭化水素基を表し、特に指定がない場合、任意の鎖長を有する。アルキルの例として、不飽和結合を有さないメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、ノニル、デセニル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、イコサニル、ヘニコサニル、ドコサニル、トリアコンチルなどが挙げられる。例えば、アルキルが「C1〜C5アルキル」として記載されている場合、この基は例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、またはネオペンチルを意味し得る。
【0063】
本明細書中で用いられる「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味し、特に指定がない場合、任意の鎖長を有する。アルケニルの例として、ビニレン、プロペニレン、ブタジエニレン、などが挙げられる。
【0064】
本明細書中で用いられる「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味し、特に指定がない場合、任意の鎖長を有する。アルキニルの例として、エチニレン、プロピニレンなどが挙げられる。
【0065】
上記で定義したアルキル、アルケニル、およびアルキニルにおいて、存在する炭素−炭素一重結合(アルキルなどの末端の炭素と、アリールなどの他の基の炭素との間で形成される一重結合を含む)は、任意のヘテロ原子またはヘテロ基で中断されていてもよい。
【0066】
本明細書中で用いられる「シクロアルキル」は、少なくとも1つの環状アルキルを含む炭化水素基を意味し、特に指定がない場合、任意の炭素数を有する。シクロアルキルは、アルキル鎖部分をさらに含んでいてもよい。シクロアルキルの例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチルなどが挙げられる。
【0067】
シクロアルキルにおいて、環中の炭素−炭素一重結合は、任意のヘテロ原子またはヘテロ基で中断されていてもよい。例えば、酸素原子で中断されたシクロアルキルは、代表的にはグルコースおよびその異性体、およびその誘導体ならびにそれらのポリマーを含む。
【0068】
本明細書中で用いられる「アリール」は、少なくとも1つの芳香族環を有する炭素環式基を表し、例えば、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。アリールの炭素環式構造中には、ヘテロ原子またはヘテロ基が介在していてもよい。このようなアリールの例には、インドール、キノリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピペリジノ、オキサジノなどが挙げられる。例えば、アリールが「C6〜C18アリール」として記載されている場合、この基は例えばフェニル、ビフェニル、ナフチル、インドールなどを意味し得る。
【0069】
本明細書中で用いられる「アリールアルキル」「アリールアルケニル」および「アリールアルキニル」は、上記で定義したアリールに、上記で定義したアルキル、アルケニル、およびアルキニルがそれぞれ付加した基を表す。これらの基は、必要に応じて任意の置換基を有していてもよい。
【0070】
本明細書中で用いられる「トリペプチド」とは、以下の構造を有する基を意味する:
R−A1−A2−A3−
ここで、A1、A2、およびA3は、それぞれ任意のアミノ酸単位であり、順次アミド結合(−NHCO−)によって連結される。Rは、該トリペプチドのカルボキシ末端であって、ヒドロキシ、アミノもしくは置換基を有していてもよいモノまたはジアルキルアミノである。ここで、「アミノ酸」は、当業者に公知の任意のアミノ酸であり得、好ましくはα−アミノ酸であり、より好ましくは天然に通常存在する20種類のアミノ酸のいずれかである。本発明の化合物において特に用いられるアミノ酸は、トリプトファン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸、ロイシン、セリン、チロシン、グリシン、プロリン、およびアラニンを含み得る。
【0071】
本発明の好適な化合物において、R1は、以下のような基であり得る:
(1−1)水素。
【0072】
(1−2)置換基を有していてもよいベンジル。例としては、以下の(1−2A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−2A)
【0073】
【化26】
【0074】
【化27】
【0075】
より好適な(1−2)の基の例としては、以下の(1−2B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−2B)
【0076】
【化28】
【0077】
さらに好適な(1−2)の基の例としては、以下の(1−2C)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−2C)
【0078】
【化29】
【0079】
最も好適な(1−2)の基の例としては、以下の(1−2D)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−2D)
【0080】
【化30】
【0081】
(1−3)置換基を有していてもよいアルキル、アルケニル、またはアルキニル。例としては、以下の(1−3A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−3A)
【0082】
【化31】
【0083】
より好適な(1−3)の基の例としては、以下の(1−3B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−3B)
【0084】
【化32】
【0085】
さらに好適な(1−3)の基の例としては、以下の(1−3C)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−3C)
【0086】
【化33】
【0087】
(1−4)置換基を有していてもよいモノもしくはジアリールアルキルカルバモイル、モノもしくはジアリールアルキルチオカルバモイル、モノもしくはジアリールカルバモイル、またはモノもしくはジアリールチオカルバモイル。例としては、以下の(1−4A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−4A)
【0088】
【化34】
【0089】
より好適な(1−4)の基の例としては、以下の(1−4B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−4B)
【0090】
【化35】
【0091】
さらに好適な(1−4)の基の例としては、以下の(1−4C)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−4C)
【0092】
【化36】
【0093】
最も好適な(1−4)の基の例としては、以下の(1−4D)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−4D)
【0094】
【化37】
【0095】
(1−5)それぞれ置換基を有していてもよいモノもしくはジアルキルカルバモイル、またはモノもしくはジアルキルチオカルバモイル。例としては、以下の(1−5A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−5A)
【0096】
【化38】
【0097】
より好適な(1−5)の基の例としては、以下の(1−5B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−5B)
【0098】
【化39】
【0099】
さらに好適な(1−5)の基の例としては、以下の(1−5C)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−5C)
【0100】
【化40】
【0101】
(1−6)それぞれ置換基を有していてもよいアルキルカルボニル、アリールアルキルカルボニル、またはアリールカルボニル。例としては、以下の(1−6A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−6A)
【0102】
【化41】
【0103】
より好適な(1−6)の基の例としては、以下の(1−6B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−6B)
【0104】
【化42】
【0105】
(1−7)それぞれ置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル、またはアルキルオキシチオカルボニル。例としては、以下の(1−7A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(1−7A)
【0106】
【化43】
【0107】
(1−8)それぞれ置換基を有していてもよいアルキルウレア、アリールアルキルウレア、またはアリールウレア。
【0108】
本発明の好適な化合物において、R2は、以下のような基であり得る:
(2−1)ヒドロキシ。
【0109】
(2−2)置換基を有していてもよいモノまたはジアルキルアミノ。例としては、以下の(2−2A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−2A)
【0110】
【化44】
【0111】
【化45】
【0112】
【化46】
【0113】
より好適な(2−2)の基の例としては、以下の(2−2B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−2B)
【0114】
【化47】
【0115】
【化48】
【0116】
さらに好適な(2−2)の基の例としては、以下の(2−2C)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−2C)
【0117】
【化49】
【0118】
最も好適な(2−2)の基の例としては、以下の(2−2D)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−2D)
【0119】
【化50】
【0120】
(2−3)アミノまたはヒドロキシで置換されていてもよいシクロアルキルアミノ。例としては、以下の(2−3A)で表される基が挙げられる:
(2−3A)
【0121】
【化51】
【0122】
(2−4)二置換メチルアミノ−NHCHR6R7。例としては、以下の(2−4A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−4A)
【0123】
【化52】
【0124】
【化53】
【0125】
【化54】
【0126】
より好適な(2−4)の基の例としては、以下の(2−4B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−4B)
【0127】
【化55】
【0128】
【化56】
【0129】
さらに好適な(2−4)の基の例としては、以下の(2−4C)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−4C)
【0130】
【化57】
【0131】
最も好適な(2−4)の基の例としては、以下の(2−4D)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−4D)
【0132】
【化58】
【0133】
(2−5)トリペプチドR−A1−A2−A3−(ここで、R、A1、A2、およびA3は、上記で定義した通りである)。例としては、以下の(2−5A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−5A)
【0134】
【化59】
【0135】
【化60】
【0136】
より好適な(2−5)の基の例としては、以下の(2−5B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−5B)
【0137】
【化61】
【0138】
さらに好適な(2−5)の基の例としては、以下の(2−5C)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−5C)
【0139】
【化62】
【0140】
最も好適な(2−5)の基の例としては、以下の(2−5D)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−5D)
【0141】
【化63】
【0142】
(2−6)置換基を有していてもよいヒドラジノまたはヒドロキサム酸。例としては、以下の(2−6A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−6A)
【0143】
【化64】
【0144】
より好適な(2−6)の基の例としては、以下の(2−6B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−6B)
【0145】
【化65】
【0146】
(2−7)置換基を有していてもよいアルコキシ。例としては、以下の(2−7A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−7A)
【0147】
【化66】
【0148】
より好適な(2−7)の基の例としては、以下の(2−7B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(2−7B)
【0149】
【化67】
【0150】
本発明の好適な化合物において、R3は、以下のような基であり得る:
(3−1)水素。
【0151】
(3−2)アルキル、シクロアルキルまたはアルキレンで置換されていてもよいアミノメチル。例としては、以下の(3−2A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(3−2A)
【0152】
【化68】
【0153】
【化69】
【0154】
より好適な(3−2)の基の例としては、以下の(3−2B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(3−2B)
【0155】
【化70】
【0156】
【化71】
【0157】
さらに好適な(3−2)の基の例としては、以下の(3−2C)で表される群から選択される基が挙げられる:
(3−2C)
【0158】
【化72】
【0159】
【化73】
【0160】
最も好適な(3−2)の基の例としては、以下の(3−2D)で表される群から選択される基が挙げられる:
(3−2D)
【0161】
【化74】
【0162】
(3−3)置換基を有していてもよいアルキニル。例としては、以下の(3−3A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(3−3A)
【0163】
【化75】
【0164】
より好適な(3−3)の基の例としては、以下の(3−3B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(3−3B)
【0165】
【化76】
【0166】
(3−4)ハロゲン。これは、(3−4A)フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードから選択される。
【0167】
本発明の好適な化合物において、R4は、以下のような基であり得る:
(4−1)水素。
【0168】
(4−2)置換基を有していてもよいアルキル。例としては、以下の(4−2A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(4−2A)
【0169】
【化77】
【0170】
より好適な(4−2)の基の例としては、以下の(4−2B)で表される群から選択される基が挙げられる:
(4−2B)
【0171】
【化78】
【0172】
(4−3)置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル。例としては、以下の(4−3A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(4−3A)
【0173】
【化79】
【0174】
(4−4)アリールアミドまたはアリールチオアミド。例としては、以下の(4−4A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(4−4A)
【0175】
【化80】
【0176】
(4−5)アルキル化されていてもよいアミノまたはアミジノ。例としては、以下の(4−5A)で表される群から選択される基が挙げられる:
(4−5A)
【0177】
【化81】
【0178】
(4−6)ニトロソ。このような基は、以下の(4−6A)で表される:
(4−6A)
【0179】
【化82】
【0180】
本発明の好適な化合物において、R5は、以下のような基であり得る:
(5−1)水素;
(5−2)グルコシル。
【0181】
R5が水素であるとき、好ましくは、R1は、水素または上記(1−2A)、(1−3A)、(1−4A)、(1−5A)、(1−6A)、(1−7A)、および(1−8A)からなる群から選択され、R2は上記(2−2A)、(2−3A)、(2−4A)、(2−6A)、および(2−7A)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素であり得る。R5がグルコシルであるとき、好ましくは、R1〜R4は以下の組み合わせのいずれかであり得る:R1は上記(1−2A)、(1−3A)、(1−4A)、(1−5A)、(1−6A)、(1−7A)、および(1−8A)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2A)、(2−3A)、(2−4A)、(2−6A)、および(2−7A)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2A)、(3−3A)、および(3−4A)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2はヒドロキシであり、R3は水素であり、そしてR4は上記(4−2A)、(4−3A)、(4−5A)、および(4−6A)からなる群から選択される;R1は上記(1−2A)、(1−3A)、(1−4A)、(1−5A)、(1−6A)、(1−7A)、および(1−8A)からなる群から選択され、R2は上記(2−2A)、(2−3A)、(2−4A)、(2−6A)、および(2−7A)からなる群から選択され、R3およびR4はそれぞれ水素である;R1は上記(1−2A)、(1−3A)、(1−4A)、(1−5A)、(1−6A)、(1−7A)、および(1−8A)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2A)、(3−3A)、および(3−4A)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2A)、(2−3A)、(2−4A)、(2−6A)、および(2−7A)からなる群から選択され、R3は上記(3−2A)、(3−3A)、および(3−4A)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は上記(1−2A)、(1−3A)、(1−4A)、(1−5A)、(1−6A)、(1−7A)、および(1−8A)からなる群から選択され、R2は上記(2−2A)、(2−3A)、(2−4A)、(2−6A)、および(2−7A)からなる群から選択され、R3は上記(3−2A)、(3−3A)、および(3−4A)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−5A)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である。
【0182】
R5が水素であるとき、より好ましくは、R1は、水素または上記(1−2B)、(1−3B)、(1−4B)、(1−5B)、および(1−6B)からなる群から選択され、R2は上記(2−2B)、(2−4B)、(2−6B)、および(2−7B)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素であり得る。R5がグルコシルであるとき、より好ましくは、R1〜R4は以下の組み合わせのいずれかであり得る:R1は上記(1−2B)、(1−3B)、(1−4B)、(1−5B)、および(1−6B)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2B)、(2−4B)、(2−6B)、および(2−7B)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2B)、および(3−3B)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2はヒドロキシであり、R3は水素であり、そしてR4は上記(4−2B)からなる群から選択される;R1は上記(1−2B)、(1−3B)、(1−4B)、(1−5B)、および(1−6B)からなる群から選択され、R2は上記(2−2B)、(2−4B)、(2−6B)、および(2−7B)からなる群から選択され、R3およびR4はそれぞれ水素である;R1は上記(1−2B)、(1−3B)、(1−4B)、(1−5B)、および(1−6B)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2B)、および(3−3B)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2B)、(2−4B)、(2−6B)、および(2−7B)からなる群から選択され、R3は上記(3−2B)、および(3−3B)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は上記(1−2B)、(1−3B)、(1−4B)、(1−5B)、および(1−6B)からなる群から選択され、R2は上記(2−2B)、(2−4B)、(2−6B)、および(2−7B)からなる群から選択され、R3は上記(3−2B)、および(3−3B)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−5B)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である。
【0183】
R5が水素であるとき、さらに好ましくは、R1は、水素または上記(1−2C)、(1−3C)、(1−4C)、および(1−5C)からなる群から選択され、R2は上記(2−2C)、および(2−4C)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素であり得る。R5がグルコシルであるとき、さらに好ましくは、R1〜R4は以下の組み合わせのいずれかであり得る:R1は上記(1−2C)、(1−3C)、(1−4C)、および(1−5C)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2C)、および(2−4C)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2C)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は上記(1−2C)、(1−3C)、(1−4C)、および(1−5C)からなる群から選択され、R2は上記(2−2C)、および(2−4C)からなる群から選択され、R3およびR4はそれぞれ水素である;R1は上記(1−2C)、(1−3C)、(1−4C)、および(1−5C)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2C)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2C)、および(2−4C)からなる群から選択され、R3は上記(3−2C)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は上記(1−2C)、(1−3C)、(1−4C)、および(1−5C)からなる群から選択され、R2は上記(2−2C)および(2−4C)からなる群から選択され、R3は上記(3−2C)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−5C)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である。
【0184】
R5が水素であるとき、最も好ましくは、R1は、水素または上記(1−2D)、および(1−4D)からなる群から選択され、R2は上記(2−2D)、および(2−4D)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素であり得る。R5がグルコシルであるとき、最も好ましくは、R1〜R4は以下の組み合わせのいずれかであり得る:R1は上記(1−2D)、および(1−4D)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2D)、および(2−4D)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である;R1は水素であり、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2D)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は上記(1−2D)および(1−4D)からなる群から選択され、R2は上記(2−2D)、および(2−4D)からなる群から選択され、R3およびR4はそれぞれ水素である;R1は上記(1−2D)、および(1−4D)からなる群から選択され、R2はヒドロキシであり、R3は上記(3−2D)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−2D)、および(2−4D)からなる群から選択され、R3は上記(3−2D)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は上記(1−2D)、および(1−4D)からなる群から選択され、R2は上記(2−2D)、および(2−4D)からなる群から選択され、R3は上記(3−2D)からなる群から選択され、そしてR4は水素である;R1は水素であり、R2は上記(2−5D)からなる群から選択され、そしてR3およびR4はそれぞれ水素である。
【0185】
本発明の化合物は、好ましくは、以下の(1)、(2)、および(3)のうち少なくとも1つを満たすレベルの抗菌活性を有する:(1)E.faecalisに対するMIC値として25.0μg/ml以下;(2)E.faeciumに対するMIC値として25.0μg/ml以下;および(3)MRSA(S.aureus)に対するMIC値として0.4μg/ml以下。
【0186】
より好ましくは、本発明の化合物は、以下の(1)、(2)、および(3)のうち少なくとも1つを満たすレベルの抗菌活性を有する:(1)E.faecalisに対するMIC値として12.5μg/ml以下;(2)E.faeciumに対するMIC値として12.5μg/ml以下;および(3)MRSA(S.aureus)に対するMIC値として0.2μg/ml以下。
【0187】
最も好ましくは、本発明の化合物は、より好ましくは、以下の(1)、(2)、および(3)のうち少なくとも1つを満たすレベルの抗菌活性を有する:(1)E.faecalisに対するMIC値として6.25μg/ml以下;(2)E.faeciumに対するMIC値として6.25μg/ml以下;および(3)MRSA(S.aureus)に対するMIC値として0.1μg/ml以下。
【0188】
MIC値の測定方法は周知であり、例えば下記実施例に記載された微量液体希釈法に従って行うことができる。
【0189】
本発明の化合物は、任意の公知の方法により調製され得る。本発明の化合物の具体的な調製方法は、以下で詳述する実施例により例示されるが、これらの方法のみに限定されるものではない。
【0190】
本発明の化合物は、必要に応じて、塩または水和物の形態で提供され得る。本発明の化合物と塩を形成し得る塩基としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウムなど)が挙げられ、塩を形成し得る酸としては、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸など)、有機酸(例えば、酢酸、フマル酸など)が挙げられる。
【0191】
本発明の化合物はまた、プロドラッグの形態でも提供され得る。プロドラッグは、化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明の化合物の誘導体であり、加溶媒分解によりまたは生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明の化合物を与える。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は周知であり、例えば、Design of Prodrugs,Elsevier,Amsterdam 1985に記載されている。
【0192】
プロドラッグの例として、本発明の化合物がカルボキシル基を有する場合に、適切なアルコールを反応させることによって製造されるエステル誘導体、および適切なアミンを反応させることによって製造されるアミド誘導体が挙げられる。プロドラッグとして特に好ましいエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、tert−ブチルエステル、モルホリノエチルエステル等が挙げられる。
【0193】
プロドラッグの別の例として、本発明の化合物がヒドロキシル基を有する場合に、適切なアシルハライドまたは適切な酸無水物とを反応させることによって製造されるアシルオキシ誘導体が挙げられる。プロドラッグとして特に好ましいアシルオキシとしては、−OCOC2H5、−OCO(t−Bu)、−OCOC15H31、−OCO(m−COONa−Ph)、−OCOCH2CH2COONa、−OCOCH(NH2)CH3、−OCOCH2N(CH3)2等が挙げられる。
【0194】
プロドラッグの別の例として、本発明の化合物がアミノ基を有する場合に、アミノ基を有する化合物と適切な酸ハロゲン化物または適切な混合酸無水物とを反応させることにより製造されるアミド誘導体が挙げられる。プロドラッグとして特に好ましいアミドとしては、−NHCO(CH2)20CH3、−NHCOCH(NH2)CH3等が挙げられる。
【0195】
本発明の化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグは、当業者に公知の任意の方法で、医薬組成物または抗菌組成物に処方され得る。例えば、本発明の化合物を、当該分野で公知の任意の薬学的に受容可能なキャリアとともに混合して、経口投与用(例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、エアロゾルなど)または非経口投与用(例えば、注射剤、塗布剤、坐剤など)の剤形を有する医薬組成物または抗菌組成物を処方し得る。本発明で用いられ得る、当該分野で公知の薬学的に受容可能なキャリアには、例えば、コーンスターチ、ゼラチン、ラクトース、スクロース、セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸カルシウム、塩化ナトリウム、およびアルギン酸などが挙げられる。
【0196】
本発明の医薬組成物または抗菌組成物には、本発明の化合物の抗菌活性を実質的に阻害せず、かつ生体に対して所望されない副作用を生じない限り、他の任意の添加剤が含まれ、例えば、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着香料、および着色料などが挙げられる。
【0197】
本発明の医薬組成物または抗菌組成物は、経口または非経口投与される。非経口投与(例えば、静脈内投与)される場合は、当該分野で公知の任意の流体に溶解させられ得る。このような流体の例としては、生理食塩水、リンゲル溶液、またはデキストロース溶液などが挙げられる。経口または非経口投与用の抗菌組成物の投与量は、活性成分である本発明の化合物の量として成人1日あたり約1〜約100mg/kg体重程度であり得る。
【0198】
本発明の医薬組成物または抗菌組成物の投与量は、治療目的、個体およびその症状などの種々の要因に依存して、適切に決定され得る。
【0199】
以下の実施例は、本発明を例示することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。
【0200】
【実施例】
本発明の化合物を、以下の実施例に従って合成した。以下の実施例で合成される化合物は、下記の式(I)で表されるグリコペプチド誘導体においてR1、R2、R3およびR4の少なくとも1つを置換した修飾体(ここで、R5=グルコシル基である)、ならびに脱グルコース修飾体(ここで、R5=Hである)に分類される。表中、Gは、グルコシル基を表す:
【0201】
【化83】
【0202】
以下に、各化合物の代表的な合成方法を示す。
【0203】
(実施例1)中間体化合物の合成
グリコペプチド誘導体1、9、10、78、101、および125の合成において中間体として用いられる化合物140、141、および142を合成した。以下にこれらの中間体化合物の代表的な合成方法を例示する。
【0204】
(実施例1−1:中間体化合物140の合成)
クロロオリエンチシンB塩酸塩(20.0g、12.4mmol)を窒素ガス気流下ジメチルスルホキシド−ジメチルホルムアミド(100ml−200ml)の混合溶媒に溶解する。この溶液にトリエチルアミン 1.8ml、S−パラメトキシベンジルオキシカルボニル−4,6−ジメチル−2−メルカプトピリミジン3.93gを順次加え、室温で24時間攪拌する。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣120mlを氷冷下にて攪拌した5%食塩水1l中に滴下して加え、更に1N−塩酸にてpHを3へ調整した後、析出する黄白色不溶物を濾取して水でリンスし、3日間乾燥する。得られた固体を酢酸エチル500ml中にサスペンドさせて室温で2時間攪拌した後、不溶物を濾取して乾燥し、化合物140(20.8g、収率100%)を得る。
【0205】
(実施例1−2:中間体化合物141の合成)
化合物140(10.0g、5.76mmol)を窒素ガス気流下ジメチルホルムアミド−メタノール(300ml−200ml)の混合溶媒に溶解する。この溶液に4−[2−(4−クロロフェニル)ビニル]ベンズアルデヒド5.596gを加え、70度で攪拌する。1時間後、水素化シアノホウ素ナトリウム1.144gを加えて、70度で更に18時間攪拌する。反応液を室温まで冷却した後減圧下濃縮し、得られた残渣を氷冷下にて攪拌した5%食塩水1000ml中に滴下して加え、析出する黄白色不溶物を濾取して水でリンスした後、3日間乾燥する。得られた固体を酢酸エチル400ml中にサスペンドさせて室温で2時間攪拌した後、不溶物を濾取して乾燥し、化合物141(10.974g、収率97%)を得る。
【0206】
(実施例1−3:化合物142の合成)
化合物141(300mg、0.122mmol)をアセトニトリル−水(12ml−10ml)の混合溶媒に溶解する。この溶液にD−グルコサミン塩酸塩211mgを加えた後、1N−水酸化ナトリウム水溶液1.63mlを加えてpHを10に調整し、更に37%−ホルムアルデヒド水溶液0.061mlを加え、室温にて1.5時間撹拌する。反応液に1N−塩酸2.1mlを加えてpHを3に調整し、氷冷下で攪拌したアセトン400ml中に滴下して加えて30分間攪拌した後、析出した白色不溶物を濾取して乾燥し、化合物142(344mg)を得る。
【0207】
得られた化合物140、141、および142の構造は、以下の表1に記載の通りである。
【0208】
【表27】
【0209】
(実施例2)R1修飾グリコペプチド誘導体(化合物1〜15)の合成
上記グリコペプチド誘導体のR1基を様々に変化させることにより、以下のR1修飾グリコペプチド誘導体を合成した。本実施例において、R2はOH基であり、R3およびR4はそれぞれ水素であり、そしてR5はグルコシル基である。
【0210】
以下にR1修飾グリコペプチド誘導体の代表的な合成方法を例示する。
【0211】
(実施例2−1:化合物1の合成)
【0212】
【表28】
【0213】
化合物141(236mg、0.096mmol)を水2.5ml中にサスペンドさせ、そこにトリフルオロ酢酸5mlを氷冷下で滴下して加え、氷冷下で1時間攪拌する。反応液を氷冷下にて攪拌した0.7N−炭酸ナトリウム水溶液100ml中に滴下して加え一度中和した後、1N−塩酸水にてpHを3へ調整し、更にメタノール100mlを加えて不溶物を溶解させる。これをローバーカラム(Merck,LiChroprep RP−18 size B;以下同じ)にて精製する。28%アセトニトリル/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ−4−ビニルピリジンを加えてpHを5に調整する。濾過した後濾液を再度濃縮し、残渣を凍結乾燥して化合物1の塩酸塩(58mg,収率36%)を得る。
【0214】
(実施例2−2:化合物9の合成)
【0215】
【表29】
【0216】
化合物140(600mg、0.316mmol)を窒素ガス気流下ジメチルスルホキシド14mlに溶解する。この溶液にトリエチルアミン0.062ml、S−ドデシルカルボニル−4,6−ジメチル−2−メルカプトピリミジン138mgを順次加えて室温にて4時間攪拌する。反応液を氷冷下にて攪拌した5%食塩水140ml中に滴下して加え、更に1N−塩酸水にてpHを3へ調整した後、析出する白色不溶物を濾取して水でリンスした後、1晩乾燥する。更に得られた固体を酢酸エチルでリンスした後乾燥し、白色固体(603mg)を得る。次に得られた固体(403mg)を水4ml中にサスペンドさせ、そこにトリフルオロ酢酸8mlを氷冷下で滴下して加え、氷冷下で1時間攪拌する。反応液を氷冷下にて攪拌した1N−炭酸ナトリウム水溶液100ml中に滴下して加え一度中和した後、1N−塩酸水にてpHを3へ調整し、更にメタノール100mlを加えて不溶物を溶解させる。これをローバーカラムにて精製する。30%アセトニトリル/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ−4−ビニルピリジンを加えてpHを5に調整する。濾過した後濾液を再度濃縮し、残渣を凍結乾燥して化合物9塩酸塩(103mg,収率36%)を得る。
【0217】
(実施例2−3:化合物10の合成)
【0218】
【表30】
【0219】
化合物140(600mg、0.323mmol)を窒素ガス気流下ジメチルホルムアミド12mlに溶解する。この溶液にウンデシルイソシアナート128mg、4−ジメチルアミノピリジン40mgを順次加えて室温にて16時間攪拌する。反応液に40%メチルアミン/メタノール溶液25mgを氷冷下で滴下して加えた後、減圧下濃縮する。得られた残渣を氷冷下にて攪拌した5%食塩水100ml中に滴下して加え、更に1N−塩酸水にてpHを3へ調整し、析出する白色不溶物を濾取して水でリンスした後、1晩乾燥する。更に得られた固体を酢酸エチルでリンスした後乾燥し、白色固体(640mg)を得る。次に得られた固体(640mg)を水7ml中にサスペンドさせ、そこにトリフルオロ酢酸16mlを氷冷下で滴下して加え、氷冷下で1時間攪拌する。反応液を氷冷下にて攪拌した1.3N−炭酸ナトリウム水溶液150ml中に滴下して加え一度中和した後、1N−水酸化ナトリウム水溶液にてpHを9へ調整し、更にメタノール350mlを加えて不溶物を溶解させる。これをローバーカラムにて精製する。30%アセトニトリル/5mM−炭酸水素ナトリウム水溶液で溶出するフラクションを集め、1N−塩酸を加えてpHを5に調整した後濃縮し、析出する白色不溶物を濾取する。水でリンスした後、1晩凍結乾燥して化合物10の塩酸塩(232mg,収率56%)を得る。
【0220】
各化合物は、高速液体クロマトグラフ(HPLC)で検出し、FABマススペクトルにて同定した。移動相に用いた溶媒のアセトニトリル含量と保持時間、およびマススペクトル分子イオンピーク[M+H]+を、以下の表2に示す。
【0221】
【表31】
【0222】
HPLCの分析条件は、以下のとおりである。
カラム:Cosmosil 5C−18AR(ナカライテスク)
移動相:アセトニトリル−水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)
流速:1.0ml/min
検出器:UV−280nm
【0223】
(実施例3)R2修飾グリコペプチド誘導体(化合物16〜51)の合成
上記グリコペプチド誘導体のR2基を様々に変化させることにより、以下のR2修飾グリコペプチド誘導体を合成した。本実施例において、R1はH基であり、R3およびR4はそれぞれ水素であり、そしてR5はグルコシル基である。
【0224】
以下にR2修飾グリコペプチド誘導体の代表的な合成方法を例示する。
【0225】
(実施例3−1:化合物37の合成)
【0226】
【表32】
【0227】
クロロオリエンチシンB塩酸塩286mg(0.18mmol)をジメチルスルホキシド−ジメチルホルムアミド(2ml−1ml)の混合溶媒に溶解する。この溶液にN−ヒドロキシベンズトリアゾール29mg、N−メチルモルホリン0.1ml、ベンズトリアゾール−1−イル−オキシ−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート113mgを順次加えた後、L−トリプトファンメチルエステル塩酸塩53mgを加え室温で6時間撹拌する。
反応液に酢酸エチルを加え生じた沈殿を濾取し、これをローバーカラムにて精製する。40%メタノール/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを4に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物37塩酸塩(265mg,収率75%)を得る。
【0228】
(実施例3−2:化合物38の合成)
【0229】
【表33】
【0230】
化合物37の塩酸塩190mgを30%−ジメチルホルムアミド水溶液10mlに溶解し、1N−水酸化ナトリウム水溶液1.2mlを加えて室温にて撹拌する。30分後1N−水酸化ナトリウム水溶液1.2mlを追加してさらに30分攪拌した後、1N−塩酸水にてpHを4に調整する。溶媒を減圧下溜去し、残ったゲル状物をローバーカラムにて精製する。30%メタノール/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを4に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物38の塩酸塩(145mg,収率70%)を得る。
【0231】
(実施例3−3:化合物39の合成)
【0232】
【表34】
【0233】
化合物38の塩酸塩110mgをジメチルスルホキシド−ジメチルホルムアミド(1.5ml−0.5ml)の混合溶媒に溶解する。この溶液にN−ヒドロキシベンズトリアゾール11mg、N−メチルモルホリン0.07ml、ベンズトリアゾール−1−イル−オキシ−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート39mgを加えた後、(2−アミノエチル)トリメチルアンモニウムクロリド塩酸塩14mgを加え室温で2時間30分撹拌する。反応液に酢酸エチルを加え生じた沈殿を濾取し、これをローバーカラムにて精製する。20%メタノール/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを4に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物39塩酸塩(66mg,収率50%)を得る。
【0234】
各化合物は、HPLCで検出し、FABマススペクトルにて同定した。移動相に用いた溶媒のアセトニトリル含量と保持時間、およびマススペクトル分子イオンピーク[M+H]+を、以下の表3に示す。
【0235】
ここで、HPLC分析条件は、実施例2における条件と同じである。
(*印は対アニオン(Cl-)がはずれたカチオンピークとして検出されたもの、**印は2価イオンピークとして検出されたものを示す。)
【0236】
【表35】
【0237】
【表36】
【0238】
(実施例4)R3修飾グリコペプチド誘導体(化合物52〜57)の合成
上記グリコペプチド誘導体のR3基を様々に変化させることにより、以下のR3修飾グリコペプチド誘導体を合成した。本実施例において、R1はH基であり、R2は−OH基であり、R4は水素であり、そしてR5はグルコシル基である。
【0239】
以下にR3修飾グリコペプチド誘導体の代表的な合成方法を例示する。
【0240】
(実施例4−1:化合物52の合成)
【0241】
【表37】
【0242】
クロロオリエンチシンB塩酸塩2.06gをジメチルホルムアミド−水(10ml−10ml)に溶解する。氷水浴にて冷却撹拌下ヨウ素0.59gを加え、氷水浴にて冷却下1時間、次いで室温にて1時間撹拌する。反応液を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えて粉末化し濾取した後、これをローバーカラムにて精製する。20%メタノール/5mM−塩酸から60%メタノール/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを4に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物52の塩酸塩(1.75g,収率72%)を得る。
【0243】
(実施例4−2:化合物53の合成)
【0244】
【表38】
【0245】
化合物52の塩酸塩202mgをジメチルホルムアミド−水(7ml−7ml)に溶解し、トリエチルアミン120μl、ヨウ化銅(I)16mg、フェニルアセチレン46μl、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド30mgを加え、窒素雰囲気下80℃にて加熱撹拌する。2時間後フェニルアセチレン23μlを追加し、さらに80℃にて1時間30分撹拌する。反応液を濾過し、濾液を減圧化濃縮して得た油状物をローバーカラムにて精製する。40%メタノール/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを4に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物53の塩酸塩(40mg,収率19%)を得る。
【0246】
(実施例4−3:化合物55の合成)
【0247】
【表39】
【0248】
クロロオリエンチシンB塩酸塩319mgをアセトニトリル−水(7ml−7ml)に溶解し、1−アミノデカン0.24ml、37%−ホルムアルデヒド水溶液76μlを加え、室温にて10時間撹拌する。反応液に1N−塩酸を加えてpHを4に調整した後、減圧下濃縮し、ローバーカラムにて精製する。45%メタノール/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを4に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物55塩酸塩(192mg,収率48%)を得る。
【0249】
(実施例4−4:化合物57の合成)
【0250】
【表40】
【0251】
クロロオリエンチシンB塩酸塩481mgを水(30ml)に溶解し、トリプタミン塩酸塩354mgを加えた後1N−水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整する。37%−ホルムアルデヒド水溶液0.11mlを加え、室温にて16時間撹拌する。反応液に1N−塩酸を加えてpHを2に調整した後、減圧下濃縮し、ローバーカラムにて精製する。25%メタノール/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを4に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物57塩酸塩(76mg,収率13%)を得る。
【0252】
各化合物は、HPLCで検出し、FABマススペクトルにて同定した。移動相に用いた溶媒のアセトニトリル含量と保持時間、およびマススペクトル分子イオンピーク[M+H]+を、以下の表4に示す。
【0253】
ここで、HPLC分析条件は、実施例2における条件と同じである。
【0254】
【表41】
【0255】
(実施例5)R4修飾グリコペプチド誘導体(化合物58〜63)の合成
上記グリコペプチド誘導体のR4基を様々に変化させることにより、以下のR4修飾グリコペプチド誘導体を合成した。本実施例において、R1は水素であり、 R2は−OH基であり、R3は水素であり、そしてR5はグルコシル基である。
【0256】
以下にR4修飾グリコペプチド誘導体の代表的な合成方法を例示する。
【0257】
(実施例5−1:化合物58の合成)
【0258】
【表42】
【0259】
クロロオリエンチシンB塩酸塩1.0gをメタノール100mlに溶解する。N−Boc−16−アミノヘキサデカナール0.45gを加え油浴にて60℃に加熱下2時間撹拌した後、水素化シアノホウ素ナトリウム83mgを加え60℃にてさらに5時間攪拌する。反応液を減圧下濃縮し、水を加えて生じた固体を水およびジエチルエーテルで洗い濾取して乾燥する。この固体を氷水浴にて冷却したトリフルオロ酢酸20mlに溶解し、氷水浴にて冷却下1時間撹拌する。減圧下トリフルオロ酢酸を溜去し、残渣をローバーカラムにて精製する。50%メタノール/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを4に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物58の塩酸塩(395mg,収率31%)を得る。
【0260】
(実施例5−2:化合物61の合成)
【0261】
【表43】
【0262】
クロロオリエンチシンB塩酸塩200mgをジメチルホルムアミド−ジメチルスルホキシド(2ml−1ml)に溶解する。1−H−ピラゾール−1−{N,N'−ビス(t−ブトキシカルボニル)}カルボキシアミジン94mg、ジイソプロピルエチルアミン44mlを加え油浴にて70℃に加熱下7時間攪拌する。反応液を酢酸エチルに滴下し、生じた固体を酢酸エチル、ジイソプロピルエーテルで洗い濾取して乾燥する。この固体を氷水浴にて冷却したトリフルオロ酢酸に溶解し、室温にて10分攪拌する。減圧下トリフルオロ酢酸を溜去し残渣をローバーカラムにて精製する。20%メタノール/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを5に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物61の塩酸塩(16mg,収率8%)を得る。
【0263】
各化合物は、HPLCで検出し、FABマススペクトルにて同定した。移動相に用いた溶媒のアセトニトリル含量と保持時間、およびマススペクトル分子イオンピーク[M+H]+を、以下の表5に示す。
【0264】
ここで、HPLC分析条件は、実施例2における条件と同じである。
【0265】
【表44】
【0266】
(実施例6)R1およびR2修飾グリコペプチド誘導体(化合物64〜93)の合成
上記グリコペプチド誘導体のR1基およびR2基を様々に変化させることにより、以下のR1およびR2修飾グリコペプチド誘導体を合成した。本実施例において、R3およびR4はそれぞれ水素であり、そしてR5はグルコシル基である。
【0267】
以下にR1およびR2修飾グリコペプチド誘導体の代表的な合成方法を例示する。
【0268】
(実施例6−1:化合物78の合成)
【0269】
【表45】
【0270】
化合物141(250mg、0.101mmol)をジメチルスルホキシド−ジメチルホルムアミド(1ml−4ml)の混合溶媒に溶解する。この溶液にN−ヒドロキシベンズトリアゾール24mg、ベンズトリアゾール−1−イル−オキシ−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート85mg、N−メチルモルホリン0.095mlを順次加えた後、室温で30分間攪拌する。その後{3−[(3−アミノプロピル)−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル)−アミノ]−プロピル}−カルバミン酸−tert−ブチルエステル55mgを加え室温で3時間撹拌する。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を氷冷下にて攪拌した5%食塩水100ml中に滴下して加え、更に1N−塩酸水にてpHを3へ調整した後、析出する黄白色不溶物を濾取して水でリンスした後、1晩乾燥する。更に得られた固体を酢酸エチルでリンスした後乾燥し、淡黄色固体(263mg)を得る。次に得られた固体 (263mg)を水2.5ml中にサスペンドさせ、そこにトリフルオロ酢酸5mlを氷冷下で滴下して加え、室温で40分間攪拌する。反応液を氷冷下にて攪拌した0.35N−炭酸ナトリウム水溶液200ml中に滴下して加え一度中和した後、1N−塩酸水にてpHを3に調整し、更にメタノール80mlを加えて不溶物を溶解させる。これをローバーカラムにて精製する。20%アセトニトリル/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ−4−ビニルピリジンを加えてpHを5に調整する。濾過した後濾液を再度濃縮し、残渣を凍結乾燥して化合物78の塩酸塩(55mg,収率42%)を得る。
【0271】
各化合物は、HPLCで検出し、FABマススペクトルにて同定した。移動相に用いた溶媒のアセトニトリル含量と保持時間、およびマススペクトル分子イオンピーク[M+H]+を、以下の表6に示す。
【0272】
ここで、HPLC分析条件は、実施例2における条件と同じである。
【0273】
【表46】
【0274】
【表47】
【0275】
(実施例7)R1およびR3修飾グリコペプチド誘導体(化合物94〜112)の合成
上記グリコペプチド誘導体のR1基およびR3基を様々に変化させることにより、以下のR1およびR3修飾グリコペプチド誘導体を合成した。本実施例において、R2は−OH基であり、R4は水素であり、そしてR5はグルコシル基である。
【0276】
以下にR1およびR3修飾グリコペプチド誘導体の代表的な合成方法を例示する。
【0277】
(実施例7−1:化合物101の合成)
【0278】
【表48】
【0279】
化合物142(344mg、0.122mmol)を水3ml中にサスペンドさせ、そこにトリフルオロ酢酸6mlを氷冷下で滴下して加え、氷冷下で1時間攪拌する。反応液を氷冷下にて攪拌した0.4N−炭酸ナトリウム水溶液200ml中に滴下して加え一度中和した後、1N−塩酸水にてpHを3へ調整し、更にメタノール90mlを加えて不溶物を溶解させる。これをローバーカラムにて精製する。27%アセトニトリル/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ−4−ビニルピリジンを加えてpHを5に調整する。濾過した後濾液を再度濃縮し、残渣を凍結乾燥して化合物101の塩酸塩(41mg,収率28%)を得る。
【0280】
各化合物は、HPLCで検出し、FABマススペクトルにて同定した。移動相に用いた溶媒のアセトニトリル含量と保持時間、およびマススペクトル分子イオンピーク[M+H]+を、以下の表7に示す。
【0281】
ここで、HPLC分析条件は、実施例2における条件と同じである。
【0282】
【表49】
【0283】
(実施例8)R2およびR3修飾グリコペプチド誘導体(化合物113〜122)の合成
上記グリコペプチド誘導体のR2基およびR3基を様々に変化させることにより、以下のR2およびR3修飾グリコペプチド誘導体を合成した。本実施例において、R1およびR4はそれぞれ水素であり、そしてR5はグルコシル基である。
【0284】
以下にR2およびR3修飾グリコペプチド誘導体の代表的な合成方法を例示する。
【0285】
(実施例8−1:化合物119の合成)
【0286】
【表50】
【0287】
化合物55の塩酸塩95mgをジメチルスルホキシド−ジメチルホルムアミド(3ml−3ml)の混合溶媒に溶解する。この溶液にN−ヒドロキシベンズトリアゾール10mg、N−メチルモルホリン34μl、ベンズトリアゾール−1−イル−オキシ−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート10mgを加えた後、(2−アミノエチル)トリメチルアンモニウムクロリド塩酸塩13mgを加え室温で3時間撹拌する。反応液を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えて粉末化し濾取した後、これをローバーカラムにて精製する。35%メタノール/5mM−塩酸にて溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを4に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物119の塩酸塩(76mg,収率58%)を得る。
【0288】
各化合物は、HPLCで検出し、FABマススペクトルにて同定した。移動相に用いた溶媒のアセトニトリル含量と保持時間、およびマススペクトル分子イオンピーク[M+H]+を、以下の表8に示す。
【0289】
ここで、HPLC分析条件は、実施例2における条件と同じである。
【0290】
【表51】
【0291】
(実施例9)R1、R2およびR3修飾グリコペプチド誘導体(化合物123〜126)の合成
上記グリコペプチド誘導体のR1基、R2基およびR3基を様々に変化させることにより、以下のR1、R2およびR3修飾グリコペプチド誘導体を合成した。本実施例において、R4は水素であり、そしてR5はグルコシル基である。
【0292】
以下にR1、R2およびR3修飾グリコペプチド誘導体の代表的な合成方法を例示する。
【0293】
(実施例9−1:化合物125)
【0294】
【表52】
【0295】
化合物142(164mg、0.048mmol)を窒素ガス気流下ジメチルスルホキシド−ジメチルホルムアミド(1ml−4ml)の混合溶媒に溶解する。この溶液にN−ヒドロキシベンズトリアゾール14mg、ベンズトリアゾール−1−イル−オキシ−トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート50mg、N−メチルモルホリン0.072mlを順次加え、室温にて30分間攪拌する。その後、3−ジメチルアミノプロピルアミン0.014mlを加え室温で2時間撹拌する。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を氷冷下にて攪拌した5%食塩水80ml中に滴下して加え、更に1N−塩酸水にてpHを3へ調整した後、析出する黄白色不溶物を濾取して水でリンスした後、1晩乾燥する。更に得られた固体を酢酸エチルでリンスした後乾燥し、淡黄色固体(136mg)を得る。次に得られた固体(136mg)を水2ml中にサスペンドさせ、そこにトリフルオロ酢酸4mlを氷冷下で滴下して加え、氷冷下で1時間攪拌する。
反応液を氷冷下にて攪拌した0.3N−炭酸ナトリウム水溶液200ml中に滴下して加え一度中和した後、1N−塩酸水にてpHを3へ調整し、更にメタノール80mlを加えて不溶物を溶解させる。これをローバーカラムにて精製する。23%アセトニトリル/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ−4−ビニルピリジンを加えてpHを5に調整する。濾過した後濾液を再度濃縮し、残渣を凍結乾燥して化合物125塩酸塩(51mg,収率55%)を得る。
【0296】
各化合物は、HPLCで検出し、FABマススペクトルにて同定した。移動相に用いた溶媒のアセトニトリル含量と保持時間、およびマススペクトル分子イオンピーク[M+H]+を、以下の表9に示す。
【0297】
ここで、HPLC分析条件は、実施例2における条件と同じである。
【0298】
【表53】
【0299】
(実施例10)脱グルコースグリコペプチド誘導体(化合物127〜130)の合成
上記グリコペプチド誘導体のR1基およびR2基を様々に変化させ、かつ、R5を水素で置換(脱グルコース)することにより、以下の脱グルコースグリコペプチド誘導体を合成した。本実施例において、R3、R4およびR5はそれぞれ水素である。
【0300】
以下に脱グルコースグリコペプチド誘導体の代表的な合成方法を例示する。
【0301】
(実施例10−1:化合物130の合成)
【0302】
【表54】
【0303】
化合物37の塩酸塩300mgをトリフルオロ酢酸−水(25ml−10ml)に溶解する。油浴にて55℃に加熱下5時間攪拌し、反応液を室温まで冷却した後、氷冷下飽和炭酸ナトリウム水溶液にてpH7に調整する。更にメタノール60mlを加え不溶物を溶解させる。これをローバーカラムにて精製する。30%メタノール/5mM−塩酸で溶出するフラクションを集めて濃縮し、濃縮液にポリ4−ビニルピリジンを加えてpHを5に調整する。濾過したのち濾液を再度濃縮し凍結乾燥して化合物130の塩酸塩(76mg,収率28%)を得る。
【0304】
各化合物は、HPLCで検出し、FABマススペクトルにて同定した。移動相に用いた溶媒のアセトニトリル含量と保持時間、およびマススペクトル分子イオンピーク[M+H]+を、以下の表10に示す。
【0305】
ここで、HPLC分析条件は、実施例2における条件と同じである。
【0306】
【表55】
【0307】
(実施例11)R2がトリペプチドで置換されたグリコペプチド誘導体(化合物131〜139)の合成
本実施例では、上記グリコペプチド誘導体のR2基が以下の式のトリペプチドで置換されたグリコペプチド誘導体を合成した:
R2 = R−A1−A2−A3−
(ここで、Rは−OH基または以下で規定されるアミノ基であり、A1、A2、およびA3はそれぞれ以下で規定されるアミノ酸である)。
本実施例において、R1、R3、R4はそれぞれ水素であり、そしてR5はグルコシル基である。
【0308】
(実施例11−1:化合物131の合成)
【0309】
【表56】
【0310】
2−Methoxy−4−Alkoxybenzyl Alcohol Resin (Sasrin Resin、国産化学)上に、ペプチド合成機(Applied Biosystems)にてロイシン、トリプトファン、チロシンの各アミノ酸をFmoc法にて順次伸長させる。さらにN−ヒドロキシベンズトリアゾール 、N−メチルモルホリン、ベンズトリアゾール−1−イル−オキシ−トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェートを用い、ジメチルスルホキシド−ジメチルホルムアミド中にて室温下18時間振とうして、クロロオリエンチシンBをカップリングさせる。
樹脂を濾取して洗浄後、トリフルオロ酢酸−塩化メチレン−水−トリイソプロピルシラン−エタンジチオール(80:14:2:2:2,v/v)中で室温下30分撹拌する。濾液をジエチルエーテルに滴下し生じた沈澱をさらにジエチルエーテルで洗浄し、水に溶解させて水溶液とした後凍結乾燥して化合物131を得る。
【0311】
(実施例11−2:化合物137の合成)
【0312】
【表57】
【0313】
化合物39の合成法(実施例3−3)と同様の方法により、化合物131から化合物137を得る。
【0314】
各化合物は、HPLCで検出し、FABマススペクトルにて同定した。移動相に用いた溶媒のアセトニトリル含量と保持時間、およびマススペクトル分子イオンピーク[M+H]+を、以下の表11に示す。
【0315】
ここで、HPLC分析条件は、実施例2における条件と同じである。
【0316】
【表58】
【0317】
(実施例12)グリコペプチド誘導体化合物のインビトロ抗菌活性の測定
MRSA(S.aureus SR3637)、バンコマイシン耐性腸球菌(E.faecalis SR7914およびE.faecium SR7917)、ならびにペニシリン耐性肺炎球菌(S.pneumoniae SR16675)について、上記グリコペプチド誘導体化合物を用いて、微量液体希釈法にて、インビトロ抗菌活性(MIC値)を測定した。
【0318】
(実施例12−1:接種用菌液の調製)
−80℃で凍結保存した被検菌の懸濁液を増菌用培地(ミューラー・ヒントンブロス;Difco)5mlに1白金耳(約1μl)接種し20時間培養する。培養液の20倍希釈液を接種用菌液として使用する。但し、ストレプトコッカス(S.pneumoniae)の増菌を測定する場合には、5%(v/v)馬血清添加のミューラー・ヒントンブロスを用いる。
【0319】
(実施例12−2:サンプル溶液)
サンプルを0.1mgの単位まで正確に秤量し、滅菌精製水などの溶剤を適当量加えて、1mg/mlの溶液を作製する。
【0320】
(実施例12−3:微量希釈トレイの調製)
ミューラー・ヒントンブロスに2価陽イオン(Ca++、Mg++)を添加する。最終濃度をCa++;25〜50mg/l、 Mg++;12.5〜25mg/lに補正する。サンプル溶液を、調製したミューラー・ヒントンブロスで段階倍数希釈(25〜0.025μg/ml)し、これら希釈液のそれぞれ0.1mlを標準トレイ(96ウェル)の各ウェルに分注する。接種用菌液5μlを各ウェルに分注接種し混和する。
【0321】
(実施例12−4:判定)
35℃で20時間判定した後、菌の増殖を観察する。菌の増殖が完全に阻止されたと観察される最低濃度をMIC値(μg/ml)とする。
【0322】
各化合物の構造およびMIC値を、以下の表に列挙する。
【0323】
【表59】
【0324】
【表60】
【0325】
【表61】
【0326】
【表62】
【0327】
【表63】
【0328】
【表64】
【0329】
【表65】
【0330】
【表66】
【0331】
【表67】
【0332】
【表68】
【0333】
【表69】
【0334】
【表70】
【0335】
【表71】
【0336】
【表72】
【0337】
【表73】
【0338】
【表74】
【0339】
【表75】
【0340】
【表76】
【0341】
【表77】
【0342】
【表78】
【0343】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、バンコマイシン耐性腸球菌に対して優れた活性を発現し、かつメチシリン耐性菌に対してもより強力な活性を発現する、新規なグリコペプチド誘導体、その薬学的に受容可能な塩、水和物、またはプロドラッグが提供される。
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34938699A JP4381531B2 (ja) | 1999-12-08 | 1999-12-08 | グリコペプチド誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34938699A JP4381531B2 (ja) | 1999-12-08 | 1999-12-08 | グリコペプチド誘導体 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008312670A Division JP2009091369A (ja) | 2008-12-08 | 2008-12-08 | グリコペプチド誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001163898A JP2001163898A (ja) | 2001-06-19 |
JP4381531B2 true JP4381531B2 (ja) | 2009-12-09 |
Family
ID=18403410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34938699A Expired - Fee Related JP4381531B2 (ja) | 1999-12-08 | 1999-12-08 | グリコペプチド誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4381531B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BRPI0516657A (pt) * | 2004-11-29 | 2008-09-16 | Univ Nagoya Nat Univ Corp | derivados de monÈmero antibiótico de glicopeptìdeo |
TW200808818A (en) * | 2006-05-26 | 2008-02-16 | Shionogi & Co | Glycopeptide antibiotic derivatives |
JP5160827B2 (ja) * | 2007-07-25 | 2013-03-13 | 塩野義製薬株式会社 | グリコペプチド抗生物質誘導体 |
AU2008343502A1 (en) * | 2007-12-26 | 2009-07-09 | Biomarin Pharmaceutical Inc. | Novel semi-synthetic glycopeptides as antibacterial agents |
KR20100109934A (ko) | 2007-12-26 | 2010-10-11 | 시오노기세야쿠 가부시키가이샤 | 글리코펩티드 항생 물질 배당화 유도체 |
CN102250221A (zh) * | 2010-05-19 | 2011-11-23 | 复旦大学 | 万古霉素类衍生物及其制备方法和用途 |
GB201402267D0 (en) | 2014-02-10 | 2014-03-26 | Cambridge Entpr Ltd | Antibacterial agents |
US10851401B2 (en) * | 2016-05-12 | 2020-12-01 | Contrafect Corporation | Broth microdilution method for evaluating and determining minimal inhibitory concentration of antibacterial polypeptides |
-
1999
- 1999-12-08 JP JP34938699A patent/JP4381531B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001163898A (ja) | 2001-06-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
FI81087C (fi) | Foerfarande foer framstaellning av nya terapeutiskt anvaendbara 1-acyl-2-azabicyklo/3.3.0/-3-karboxylsyror. | |
JP5719312B2 (ja) | デオキシアクタガルジン誘導体 | |
US5041644A (en) | Peptide derivatives of β-chloro-L(Z)-dehydro-glutamic acid | |
JP4381531B2 (ja) | グリコペプチド誘導体 | |
SG173504A1 (en) | Actagardine derivatives | |
US6498238B1 (en) | Glycopeptide antibacterial compounds, compositions containing same and methods of using same | |
CN109071607A (zh) | 一类万古霉素衍生物、其制备方法、药物组合物和用途 | |
JP2000509030A (ja) | グリコペプチド化合物 | |
US6448256B1 (en) | Antibiotic prodrugs | |
US7259141B2 (en) | Vancomycin analogs and methods thereof | |
JP4307723B2 (ja) | N1−修飾グリコペプチド | |
JPS58213744A (ja) | A−21978c環状ペプチド誘導体およびその製造方法 | |
JP2003505396A (ja) | プソイドマイシンプロドラッグ | |
JP2009091369A (ja) | グリコペプチド誘導体 | |
IL92827A (en) | C63-amide derivatives of 34-de(acetylglucosaminyl)-34-deoxy-teicoplanins, their preparation and pharmaceutical compositions containing them | |
US6482921B1 (en) | Uridyl peptide antibiotic (UPA) derivatives, their synthesis and use | |
JP2003505397A (ja) | プソイドマイシンのn−アシル側鎖アナログ | |
US5763600A (en) | Oligosaccharide antibiotics and process for preparation thereof | |
Kamiyama et al. | Monamidocin, a Novel Fibrinogen Receptor Antagonist II. Biological Activity and Structure-activity Relationships | |
US5137917A (en) | Spergualin-related compound and use thereof | |
JP2003515610A (ja) | シュードマイシンホスフェートプロドラッグ | |
US5849797A (en) | D-β-lysylmethanediamine derivatives and preparation thereof | |
EP1146887A1 (en) | Glycopeptide antibiotics containing a desmethylvancosamine residue, combinatorial libraries of same and methods of producing same | |
EP1140980B1 (fr) | Composes pseudopeptidiques dotes d'une activite inhibitrice a l'egard des voies activees par les proteines a activite tyrosine kinase et les compositions pharmaceutiques les contenant | |
JP2003505399A (ja) | プソイドマイシンのアミドおよびエステルアナログ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060630 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081114 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20081208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090209 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090325 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090416 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090716 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20090804 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090910 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090916 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |