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JP4375333B2 - ガラス材の製造方法 - Google Patents

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JP4375333B2
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Description

本発明は、シリカ(SiO)ガラスを主成分とする透明ガラス材の製造方法に関するものである。さらに詳しく述べるならば、出発材の表面にガラス微粒子を堆積させて多孔質体を製造し、さらにこの多孔質体を透明化してシリカガラスを主成分とする透明ガラス材を製造する方法に関するものである。
これまでにシリカガラス材を製造する方法がいくつか知られている。たとえば、天然石英を真空下または不活性ガス雰囲気下で電気溶融する方法(方法I)、天然石英粉末を酸水素火炎によって溶融する方法(方法II)、四塩化ケイ素(SiCl)を酸水素火炎中にスプレーして火炎加水分解によってシリカガラスを製造する方法(方法III)、水分を含まないプラズマ火炎中でSiClからシリカガラスを製造する方法(方法IV)が知られている(Breuckner,Journal of Non−Cristalline Solids 5,North−Holland Publishing Co.(1970)p.124)。
また、光ファイバ母材を製造するために用いられる多孔質体の製造方法としては、OVD(Outside Vapor Phase Deposition)法、およびVAD(Vapor Phase Axial Deposition)法が公知である。これらの方法は、水素(H)、メタン(CH)等と酸素(O)の燃焼によって生じた火炎中にSiCl等の原料ガスを供給し、火炎加水分解反応、および/または酸化反応によって生じたSiO微粒子を出発材の表面に堆積させて多孔質体を製造する方法である(Tingi Li編、「Optical Fiber Communication Vol.1」,Academic Press,Inc.,1985年,第2および第3章)。
さらに、光ファイバ用ガラス母材を製造する方法として、200メッシュ程度のガラス粉末をプラズマ中で溶融させて出発材の表面に堆積させる方法(プラズマ溶射法)が知られている(特開昭50−99342号公報)。
さらに、粒径0.01〜0.05μmのSiO微粒子を別途気相合成しておき、出発材に向けて噴射される火炎中にこの微粒子を噴霧し、SiO微粒子を出発材上に堆積させる方法、あるいは前記SiO微粒子を誘導炉またはプラズマ炉を通して出発材表面に向けて噴霧し、SiO微粒子を出発材上に堆積させる方法が知られている(特開昭61−77631号公報)。特開昭61−77631号公報に開示される方法においては、SiO微粒子は液体中に分散した状態で噴霧され、この液体成分は火炎、または誘導炉もしくはプラズマ炉によって蒸気となる。
天然石英粉末を原料とするBrucknerの方法I、方法IIは、単位時間あたりに多くのガラス原料を出発材の表面に堆積することができるため製造効率がよい。他方、原料中に含まれる不純物、たとえばアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、およびナトリウム(Na)等が、製造されたガラス材中に残存するため、このガラス材の紫外線領域の光透過率は低い。さらに、用いられるガラス粒子の大きさが通常数μm以上であるため、ガラス粒子を出発材の表面に堆積させて得られた多孔質体を透明化するために石英の溶融温度以上の高い温度を加える必要がある。また、ガラス粒子を出発材上に重力によって落下させて出発材上に堆積させるので、出発材の配置位置に対するガラス粒子の供給装置の配置位置等が決まってしまい、設備レイアウト上の自由度が低くなる。
特開昭61−77631号公報に記載されている方法の場合、原料のガラス微粒子は、液体に分散された状態で噴射ノズルから、バーナあるいは誘導炉またはプラズマ炉を通して出発材上に供給される。したがって、液体の気化熱によりガラス微粒子の温度の低下が生じやすく、また液体を使用することが必要であるため、液体中の不純物成分のガラスへの混入が避けがたい。
一方、OVD法およびVAD法においては、ガラス材中に含まれる不要な不純物の量を少なくすることがでる。さらにハロゲン化合物存在下で熱処理することによってガラス材に存在するOH基の量も少なくすることができ、OH基による赤外領域における光吸収を少なくできる。そのため、光ファイバ製造に用いる母材として好ましいガラス材が製造できる。しかし、OVD法およびVAD法においては、ガラス原料をガスとして供給すること、および火炎中において原料ガスが加水分解あるいは酸化反応をするために反応時間が必要であることから、火炎中の原料濃度を高くすることが困難である。そのため、単位時間あたりに出発材に堆積させることができるガラスの量を従来よりも著しく高めて、ガラス材の生産効率を高くすることが困難であった。
この点をさらに説明すると、SiCl等を用いてガラスを気相合成する場合、SiCl等の酸化および/または加水分解反応によりSiOが生成され、このSiO粒子が成長し、さらに熱勾配ブラウン運動によるサーモフォレシス効果によってSiO粒子が低温領域へ移動し、ガス温度よりも低温の、出発材表面または出発材にガラス微粒子が堆積されて形成された面(以下、これらを合わせて「ガラス微粒子堆積面」ともいう。)へ粒子が付着するという経過をたどる。
したがって、ガラス微粒子堆積面へのガラス微粒子の付着効率を高めようとした場合に上記サーモフォレシス効果を効率良く利用するためには、ガラス微粒子の粒径を小さくし、かつガス温度を高める必要がある。しかし、OVD法およびVAD法においては、ガス温度を高くするとSiClからのSiOの生成反応が早く進み、生成されるガラス微粒子の粒径が大きくなってしまう。
また、出発材へのガラス微粒子の堆積速度を大きくするために、SiCl等の原料の供給速度を大きくすると、原料からのガラスの生成反応が不充分のうちに原料がガラス微粒子堆積面に到達してしまい、用いた原料に対するガラス微粒子の堆積効率が低下してしまう。さらに、単位時間当たりに供給する原料の量を低下させずに原料の流速のみを遅くすることにより、原料からのガラス生成反応を充分すすめようとすると、原料が供給される範囲の面積を大きくすることになる。そうすると生成されたガラス微粒子が幅広い流れとしてガラス微粒子堆積面に向かうため、ガラス微粒子堆積面に到達するまでにガラス微粒子がその流れに対して垂直に移動しなければならない距離が長くなり、ガラス微粒子のガラス微粒子堆積面への堆積効率が低下してしまう。
本発明の目的は、出発材上への堆積速度が大きく、堆積効率が大きいガラス材を製造する方法を提供することである。
目的を達成するため、発明の第一の態様として、シリカガラスを含有する粒子であって、該粒子の平均径が0.2μm以下である粒子を含む原料粉末をキャリアガスによって搬送して火炎中に供給するとともに、原料粉末と火炎とを出発材に吹き付けて原料粉末を出発材に堆積させ多孔質体を形成し、後に多孔質体を加熱することにより透明化するガラス材の製造方法が提供される。
発明の第二の態様として、シリカガラスを含有する粒子であって、該粒子が有するSi−OH基の少なくとも一部がSi−OR基(Rは有機基を表す)によって置換されている粒子を含む原料粉末をキャリアガスによって搬送して火炎中に供給するとともに、原料粉末と火炎とを出発材に吹き付けて原料粉末を出発材に堆積させ多孔質体を形成し、後に多孔質体を加熱することにより透明化するガラス材の製造方法が提供される。上記二つの態様において、「キャリアガスによって搬送する」とは、原料粉末がキャリアガスとともに移動されることをいう。
上記二つの態様において、キャリアガスは、可燃性ガスおよび/または助燃性ガスを含んでもよい。原料粉末をキャリアガスによって搬送する前に、原料粉末とキャリアガスを原料粉末タンク中で混合し原料粉末を流動化してもよい。原料粉末とキャリアガスを機械的にかき混ぜながら原料粉末を流動化してもよい。その場合、原料粉末タンクを振動させて原料粉末とキャリアガスとを機械的にかき混ぜてもよく、原料粉末タンク内で回転子を回転させて原料粉末とキャリアガスとを機械的にかき混ぜてもよい。
また、原料粉末とキャリアガスとは、負圧発生手段により吸引されることにより火炎中に搬送されてもよい。さらに、原料粉末とキャリアガスとの混合比により原料粉末の供給量を調整してもよい。その場合、混合比は、キャリアガスの流量調整で行われてもよく、原料粉末タンクに挿入された原料粉末供給管の先端位置の調整で行われてもよい。
本発明は、以下において、図面を参照して詳細に説明される。図面は、説明を目的とし、発明の範囲を限定しようとするものではない。
図1は、本発明の製造方法のための装置の第一実施形態の概念図である。 図2は、本発明の製造方法のための装置の第二実施形態の概念図である。 図3は、本発明の製造方法のための装置の第五実施形態の概念図である。 図4は、本発明の製造方法のための装置の第四実施形態の概念図である。 図5は、多重管バーナの一例を示す正面図である。 図6は、本発明の製造方法のための装置の第三実施形態の概念図である。 図7は、エジェクタの一例を示す断面図である。 図8は、原料粉末タンクに導入するキャリアガス流量と原料粉末タンク中の平均粒子密度の関係を示すグラフである。 図9は、粒子密度と透過光量の関係を示すグラフである。 図10は、本発明の製造方法で用いる原料粉末タンクの実施形態の概念図である。 図11は、本発明の製造方法で用いる原料粉末タンクの他の実施形態の概念図である。
本発明の実施形態が、以下において、図面を参照して説明される。図面において、説明の重複を避けるため、同じ符号は同一部分を示す。図面中の寸法の比率は、必ずしも正確ではない。
本明細書において、原料粉末を構成する粒子の平均径は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって約1000個の粒子の直径を測定し、測定結果から粒子の直径に対する粒子数のヒストグラムを作成し、このヒストグラムから累積粒子数が、測定された全粒子数の合計の50%になるときの粒子の直径の値である。原料粉末の比表面積は、BET法によって測定した値である。かさ密度は、軽く容器をたたきながら測定対象である粉体を一定体積の容器内に入れたとき、容器内にはいった粉体の質量を容器の内容積で割って得た値である。
図1は、本発明の製造方法のための装置の第一実施形態の概念図である。第一実施形態の装置は、VAD法として知られる軸付け法の製造装置と概略同じ構成を有する。
図1において、出発材1は、その上部が回転手段2に結合され、回転手段は、出発材1を上下に昇降可能な昇降手段3に結合される。出発材1の周囲を取り囲んで反応容器4が配置され、反応容器下部にはバーナからの火炎が出発材1の下部に噴射されるようにバーナ6が配置される。バーナ6は中心ポート7およびその外側に同心円状に外側ポート8を有する多重管バーナである。なお図1には、外側ポート8を二つしか示していないが、実際に用いる多重管バーナは、たとえば中心ポートのほかに外側ポートを四つ有する図5に示される5重管バーナまたは7重管バーナ等である。
バーナ6の中心ポート7には、配管18が結合され、配管18には原料粉末供給ライン16および混合用ガス供給ライン17が連結される。原料粉末供給ライン16はさらに原料粉末タンク11と結合される。原料粉末タンク11は、その内部が水平方向に配置されたメッシュ12で仕切られ、仕切られた上部空間に原料粉末供給管14およびバルブ15が結合される。この仕切られた上部空間に原料粉末20が入れられる。メッシュで仕切られた原料粉末タンク11の下部空間にはキャリアガス供給管13が連結される。
キャリアガスAは、キャリアガス供給管13を通して原料粉末タンクのメッシュで仕切られた下部空間内に供給される。下部空間に供給されたキャリアガスAは、メッシュを通って上部空間に流れ込み、原料粉末20と混合される。キャリアガスAと混合された原料粉末20は流動化され、容易にキャリアガスAに搬送され、キャリアガスAとともに原料粉末供給ライン16へ流れる。したがって、キャリアガスAは原料粉末20を流動化するために充分な量が原料粉末タンクの下部空間に供給される。
原料粉末を原料粉末タンク中で流動化する際原料粉末の一部にガス流路ができてしまうと、その流路のみにガスが流れ、原料粉末が流動化しにくくなる。これを抑制するために、ガス流路を崩すように原料粉末とキャリアガスを機械的にかき混ぜながら原料粉末を流動化してもよい。かき混ぜの方法としては、原料粉末タンクを加震装置48で振動させる方法(図10)、原料粉末タンク内で回転子47を回転させる方法(図11)があり、双方を組み合わせてもよい。
流動化した原料粉末とキャリアガスとは、負圧発生手段により吸引されることにより火炎中に搬送されてもよい。図2は、本発明の製造方法のための装置の第二実施形態の概念図である。第二実施形態では、負圧発生手段(回転ポンプ40)によって負圧を発生させている。原料粉末タンク11に原料粉末20が入れられ、キャリアガスをキャリアガス供給管13から原料粉末タンク11内に供給することによって原料粉末20が流動化される。流動化された原料粉末20およびキャリアガスの混合物は、回転ポンプ40によって原料粉末供給ライン16を通してバーナ6へ搬送される。回転ポンプによる吸引では、回転子による供給量の脈動と回転子と原料粉末のすり合わせによる摩耗が課題となる。
図6は、本発明の製造方法のため装置の第三実施形態の概念図である。第三実施形態では、負圧発生手段(エジェクタ41)によって負圧を発生させている。図7は、エジェクタの構成を示す断面図である。エジェクタは、ボディ42、アダプタ43、ディフューザ4、カセット45、パッキン46からなり、ガスを流すことにより負圧を発生させる装置である。機械駆動部がない点で回転ポンプ吸引よりも優れているが、吸引流量の制御が困難である課題がある。吸入流量の調整には、吸入口の径を変化させることが有効である。
キャリアガスの流速を小さくすると原料粉末が配管壁に付着しやすくなるので、流動化した原料粉末の供給量の調整をキャリアガスの流量の制御のみで行うのは難しい。流速を所定値以上に保ったまま原料粉末の供給量を調整するために、原料粉末とキャリアガスとの混合比により原料粉末の供給量を調整してもよい。
図8は、原料粉末タンクに導入するキャリアガス流量と原料粉末タンク中の原料粉末の平均粒子密度の関係を示すグラフである。キャリアガス流量の増大に伴い平均粒子密度を0.03g/cmから0.015g/cmまで小さくできる。原料粉末の平均粒子密度は、粉体の質量と見かけの体積から求めている。この関係を用いて、混合比をキャリアガスの流量調整で行っても良い。
原料粉末の粒子密度は、原料粉末供給管の先端に光電センサを取り付けレーザーの散乱による透過光量を測定することでもとめることもできる。その際、あらかじめ原料粉末の粒子密度と透過光量の関係(図9)をとっておくことが必要となる。このようにして、光学的に原料粉末の密度を測定すると、原料粉末タンク底面からの高さと原料粉末の粒子密度に関係がみられ、原料粉末上面ほど密度が低い。これは、原料粉末の重力沈降とガスによる流動の釣り合いで流動化が成されるためである。そこで、混合比を、原料粉末タンクに挿入された原料粉末供給管の先端位置の調整で行うことができる。
第一実施形態の装置では、混合用ガス供給ライン17を通して所望のガス(混合用ガス)が供給され、この混合用ガスは配管18中で、原料粉末供給ライン16を通ってきた原料粉末20およびキャリアガスAの混合物と混合され、原料粉末20、キャリアガスA、および混合用ガスの混合物がバーナ6の中心ポート7から火炎中に供給される。すなわち、上記混合用ガスも原料粉末を搬送するためのキャリアガスとして機能する。
バーナ6の外側ポート8には、可燃性ガス、助燃性ガス、およびシールガス等が供給される。バーナに供給される可燃性ガスおよび助燃性ガスによって火炎9が形成される。
可燃性ガスとしては、水素ガス、メタンガス、およびエチレンガス等からなる群から選ばれる1以上のガスを用いることが好ましく、とくに火炎の温度を高くすることができることから、水素ガスを用いることが好ましい。助燃性ガスとしては、たとえば酸素および/または空気を用いることが好ましい。キャリアガスAとしては不活性ガスおよび窒素ガスが好ましく、たとえば、ヘリウム、アルゴン、および窒素等からなる群から選ばれる1以上のガスを用いることが好ましい。このキャリアガスAには、さらに可燃性ガスまたは助燃性ガスを混合して用いることができる。混合用ガスとしては、上記可燃性ガス、または上記助燃性ガスを用いることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、バーナの燃焼条件の自由度が高いので、原料のガラス微粒子のサーモフォレシス効果がもっとも大きくなるようにバーナの燃焼状態を設定することが可能である。
出発材1は、回転手段2によって鉛直方向を回転軸として回転される。火炎9は、出発材1または形成されつつある多孔質体10に吹き付けられ、火炎9中に含まれる原料粉末20すなわちガラス微粒子は、火炎中で溶融または軟化され、回転軸まわりに回転している出発材1または多孔質体10の表面に付着され、堆積される。出発材1および多孔質体10の下部にガラス微粒子が付着されて多孔質ガラス層が形成されるとともに、出発材1は昇降手段3によって上方へ引き上げられ、多孔質体10は下方向へ成長する。バーナ6から噴射されるガスおよび原料粉末20のうち、出発材1上に堆積された原料粉末20を除き、その他のガス等は排気口5から反応容器4外へ排出される。
原料粉末タンク11中の原料粉末20は、多孔質体10の製造が進むにしたがい減少するが、原料粉末20は適宜、バルブ15を開いて、原料粉末供給管14から原料粉末タンク11に供給される。
本発明の製造方法に用いるバーナ6としては多重管バーナが好ましい。図5は、多重管バーナの一例を示す正面図である。このバーナは中心ポート7の直近の外周に第二ポート31が配置され、その外側に順次第三ポート32、第四ポート33、第5ポート34が配置された5重管バーナである。各ポートを仕切るために、同心円状に円筒状の石英ガラスからなる隔壁35が配置される。本発明の製造方法においては、原料粉末20、キャリアガス(キャリアガスA、および所望により混合用ガス)を含む混合物が中心ポート7に供給される。キャリアガス(キャリアガスA、および所望により混合用ガス)として可燃性ガス、たとえば水素ガス、および助燃性ガス、たとえば酸素ガスからなる群から選ばれる1以上のガスを含むガスを用いると、原料粉末が出発材1の表面に高い効率で堆積される。これは、バーナ火炎中において原料粉末の温度が高められるためと推測される。
上記5重管バーナの各ポートに供給するガスの種類の組み合わせの例を以下に具体的に示すが、これらに限定されるものではない。
(i)キャリアガスAとして乾燥空気を用い、混合用ガスとして酸素ガスを用い、これらが混合された混合物をバーナ6の中心ポート7に供給する。バーナの第二ポート31にArガス、第三ポート32に水素ガス、第四ポート33にArガス、第5ポート34に酸素ガスをそれぞれ供給する。
(ii)キャリアガスAとしてヘリウムガスおよび水素ガスの混合ガスを用い、混合用ガスとして酸素を用い、これらが混合された混合物をバーナ6の中心ポート7に供給する。バーナの第二ポート31にArガス、第三ポート32に酸素ガス、第四ポート33にArガス、第5ポート34に水素ガスをそれぞれ供給する。
なお当業者は、好ましい結果が得られるように、これらの各ポートへの各ガス等の供給量を適宜定めることができる。
上記多重管バーナの外周にさらに可燃性ガスおよび助燃性ガスを供給するため、たとえば同心円状にポートを配置し、多重管バーナの外周にさらに火炎を形成させることもできる。この方法は、火炎をひろげ、多孔質体全体を均一に加熱できることから好ましい。
本発明の製造方法においては、原料粉末として、シリカガラスを含む粉末を用いることが好ましい。シリカガラスを含む粉末としては、SiClおよびテトラアルコキシシラン等の有機シリコン化合物からなる群から選ばれる1以上の原料を加水分解および縮合させて得られる粉末が例示できる。その他に、この原料粉末は、SiCl、または有機シリコン化合物、たとえば(CHSiOSi(CHの酸化反応によっても製造できる。このようなSiO微粒子は市販されており、たとえばドイツ国DEGUSSA社のAEROSIL(登録商標)、およびシーアイ化学社のNano Tek(登録商標)等があげられ、粉末粒子の平均径は7〜50nmのものが知られている。
粒子どうしが凝集しにくく、かつ上記キャリアガスと混合した状態における流動性が良好であることから、本発明において用いる原料粉末20は粒子の平均径が0.2μm以下のSiO粒子であることが好ましく、0.05μm以下であることがとくに好ましい。このようなSiO粒子は、通常、そのかさ密度が0.03〜0.1g/cmであり、SiOガラスの真密度2.2g/cmのわずかに1.5〜5%しかない。この低いかさ密度は、粒子表面が静電気を帯びることによる粒子間の静電反発によるものと考えられる。この、かさ密度が低く、かつ粒子どうしが凝集しにくいSiO微粒子からなる粉末は、粒子間の凝集力が小さいため、気体と混合された場合に気体の流れとともに流動する性質を有する。したがって、本発明の製造方法においては、このようなSiO微粒子からなる原料粉末を用いることが好ましい。もちろん、このようなSiO微粒子は、キャリアガスによって搬送することができる範囲で、他の粒子と混合して用いることができる。
本発明の製造方法に用いる上記SiO粒子は、その表面に存在するSiOH基の少なくとも一部を公知の方法によってSiOR基に置換したものを用いることができる。SiOR基のR基としては、(CHSi基、−OSi((CH)SiO基、(t−C)(CHSi基、(CSi基等が例示できる。表面に有機基を有するSiO粒子(疎水性SiO粒子)を原料粉末20として用いる場合は、表面に有機基を有しないSiO粒子(親水性SiO粒子)と比較して、出発材1へのガラス微粒子の堆積効率が高くなるという効果が得られる。これは、上記有機基がバーナ火炎中で燃焼することにより、SiO粒子の温度が高められ、サーモフォレシス効果によって出発材に効率良く堆積されるためと考えられる。
有機官能基でSiOH基を置換した場合、原料粉末の流動化特性でも優れた効果をもたらす。親水性SiO粒子の官能基が表面にある場合、粉末表面に大気中の水分が吸着し粉末の凝集をもたらす場合がある。このような現象は、粉末の保管の際加温することや乾燥空気、Nなど水分を含有しないガスによる置換を必要とする。疎水性SiO粒子の場合、有機物が水分吸着を阻害するので、長期間にわたり粉末の凝集が発生せず、流動性が良好なまま保たれる。このような流動特性の向上効果は、親水性SiO粒子に数%以上の疎水性SiO粒子を混合することでも成される。粉末の疎水化手法は、日本特許公告S41−17049(独38532)に示されるように、親水性SiO粒子粉末を有機ケイ素化合物ガス雰囲気で500℃程度に加熱処理して製造される。
本発明の製造方法においては、原料粉末20として、上記SiO粉末とともに、Al、B、TiO、およびGeO等からなる群から選ばれる1種以上の金属酸化物粉末を併用することができる。本発明の製造方法に用いるための金属酸化物粉末としては、たとえば、金属蒸発酸化法によって製造される金属酸化物微粒子が好ましく、具体的には、Al粉末(BET法によって測定された平均径が0.033μm、見掛け比重0.23g/cm、BET法によって測定された比表面積が50m/gのAl粉末:シーアイ化成社製)、TiO粉末(BET法によって測定された平均径が0.030μm、見掛け比重0.26g/cm、BET法によって測定された比表面積が50m/gのTiO粉末:シーアイ化成社製)等の金属酸化物粉末が例示できる。
SiO粉末と他の金属酸化物粉末とを併用する方法としては、SiO粉末に他の金属酸化物粉末が混合された混合物を原料粉末として用いる方法、ならびに、キャリアガスと混合されて流動化されたSiO粉末、およびキャリアガスと混合して流動化された他の粉末をそれぞれ別の供給ラインを使用して、同じバーナ火炎中に供給する方法(本発明の製造方法のための装置の第四実施形態)、ならびに所定の元素組成比となるように合成された複合酸化物粉末を火炎中に供給する方法をあげることができる。図4は、本発明の製造方法のための装置の第四実施形態の概念図である。図4は、原料粉末としてSiOおよびGeOを用いる場合の実施態様の例を示した。同様に、図4の装置に原料粉末タンク11を三つ以上配置し、3種以上の原料粉末を用いることもできる。SiO粉末および他の金属酸化物粉末を併用する場合に、SiO粉末に対する他の金属酸化物粉末の割合は、とくに制限されない。上記SiO以外の金属酸化物粉末を原料粉末として用いることによって、得られるガラス材の光学特性、および溶融時の粘性等の特性を調節することができる。たとえば、SiOにGeOを添加する場合、約15質量%のGeOを添加することにより、得られるガラスの屈折率を1%上昇させることができる。また、SiOにTiOを添加することにより、得られるガラスの熱膨張係数を低下させることができる。
本発明の製造方法はOVD法類似の装置に適用することもできる。図3は、本発明の製造方法のための装置の第五実施形態の概念図である。図3において、出発材1、たとえばガラスロッドが回転手段2と結合され、出発材1を囲んで反応容器4が配置される。バーナ6は出発材1の長手方向の回転軸と略平行に往復移動することができるように、移動手段30と結合されて配置される。原料粉末およびキャリアガスを供給するための装置の構成は第一実施形態および第四実施形態と同様である。さらに、第五実施形態において用いられるバーナに代えて、2本以上のバーナを出発材の中心軸方向に並列させたバーナ列を用いることもできる。
図3において、出発材1が回転軸を中心に回転され、かつバーナ6が出発材1の長手方向に略平行に所定範囲を往復移動されるとともに、バーナ6に原料粉末およびキャリアガス混合物、ならびに可燃性ガス、助燃性ガスおよびシールガス等から選ばれるガスが供給され、バーナから火炎9が噴射され、火炎9中に含まれるガラス微粒子が出発材1の表面に付着され、かつ堆積されて多孔質体10が製造される。図3においては、出発材1に対してバーナ6が往復移動する装置の形態を示したが、バーナ6を固定して、出発材1をバーナに対して所定範囲を往復移動させることも、また、バーナ6および出発材1の両者を相対的に往復移動させることもできる。
本発明の方法によって製造された多孔質体10は、さらに公知の方法によって加熱し焼結することによって透明化し、透明ガラス材にすることができる。多孔質体10を透明化する方法としては、たとえば、塩素ガスおよびHeガスの混合ガス雰囲気下において、多孔質体10を1100℃に加熱して脱水し、さらにHeガス雰囲気下において1550℃で加熱して透明ガラス化する方法があげられる。また、前記脱水処理後に、フッ素化合物ガス、たとえばSiF、CF、C、CCl、およびSF等からなる群から選ばれる1以上の化合物を含有する雰囲気中で1000〜1400℃で熱処理することにより、フッ素を含有するSiOガラスを製造できる。同様に、SiClおよびCCl等からなる群から選ばれるCl(塩素)化合物ガスで処理することによって、ガラスにClを含有させることもできる。このようにして従来のOVD法およびVAD法によって製造した場合と同等の光学性能を有する透明ガラス材を製造することができ、透明ガラス材は、たとえば光ファイバの母材として用いることができる。
以下の各実施例および比較例においては、第一実施形態の装置を用いる。バーナは、図5に示した多重管バーナを1本用いる。各実施例および比較例では、出発材を回転させながら、バーナから出発材下部に向けてガラス微粒子を含む火炎を噴射する。出発材にガラス微粒子を堆積させるとともに、堆積速度に合わせて出発材を回転軸上方向へ引き上げ、出発材の下部にガラス微粒子堆積体を成長させる。
原料として、SiO粉末(商品名:AEROSIL(登録商標)380、DEGUSSA社製)を用いる。この粉末の粒子の平均径は0.007μmであり、比表面積は380m/gである。
メッシュによって上下の空間が仕切られた原料粉末貯蔵用タンク11の上部にSiO粉末を入れ、キャリアガスとして乾燥空気を0.5リットル/分の速度で容器下部からメッシュを通してSiO粉末内に導入する。乾燥空気と混合されて流動化された原料粉末は、原料粉末貯蔵タンクから乾燥空気とともに、原料粉末供給ライン16に送られる。原料粉末供給ライン16を通ってきた原料粉末および乾燥空気の混合物は、混合用ガス供給ライン17を通して供給されるOガスと混合され、バーナの中心ポートから火炎中に噴射される。これら各成分の供給量は、SiO粉末が10〜11g/分、乾燥空気が0.5リットル/分、Oガスが2リットル/分である。バーナの第二ポートにはシール用のArガスを3リットル/分、バーナの第三ポートにはHガスを20リットル/分、バーナの第四ポートにはArガスを3リットル/分、バーナの第5ポートにはOを15リットル/分それぞれ供給する。このバーナの外周には、さらにHまたはOをそれぞれ供給する同心円状ポートを配置し、供給されるHおよびOによって外側火炎を形成する。
出発材へのガラス微粒子の堆積を6時間行って多孔質体を製造する。質量3000g、平均外径15cm、長さ80cmの多孔質体が得られる。多孔質体の質量とバーナに供給された原料粉末の質量との比の値から、原料粉末の収率(出発材上に堆積される割合)が75%であることが求められる。多孔質体を石英製炉心管内に入れ、1100℃に加熱するとともに、この炉心管内に塩素ガスおよびHeガスをそれぞれ500cc/分および15リットル/分の速度で流し、多孔質体を脱水する。つぎに石英製炉心管内にHeを15リットル/分の速度で流すとともに、多孔質体を1550℃に加熱して透明化する。得られる透明ガラス材には気泡が存在せず、SiOH基の存在による2.7μm帯の光吸収は観測されない。
原料として、SiO粉末(商品名:AEROSIL(登録商標)380(DEGUSSA社製))を用いる。キャリアガスとして流量0.5リットル/分のHeガスを用いる。流動化された原料粉末(10〜11g/分)とHeガスとの混合物は、混合用ガス供給ライン17を通じて供給される流量2リットル/分のHガスと混合され、バーナの中心ポートから火炎中に供給される。バーナの第二ポートにはシール用のArガスを3リットル/分、バーナの第三ポートにはOガスを10リットル/分、バーナの第四ポートにはArガスを3リットル/分、バーナの第5ポートにはHガスを12リットル/分それぞれ供給する。バーナの外周にさらに、それぞれHまたはOを供給するポートを設けて、供給されるHおよびOによって外側火炎を形成する。
出発材へのガラス微粒子の堆積を6時間行って多孔質体を製造する。質量3200g、平均外径15cm、長さ80cmの多孔質体が得られる。多孔質体の質量とバーナに供給された原料粉末の質量との比から、原料粉末の収率が80%であることが求められる。この収率は実施例1の場合よりも高い値であるが、これは原料粉末をHガスと混合した状態でバーナ火炎中に供給するため、火炎温度が上昇することによる結果と考えられる。得られる多孔質体を、実施例1と同様にして脱水、透明化する透明化する。得られる透明ガラス材には気泡が存在せず、SiOH基の存在による2.7μm帯の光吸収は観測されない。
原料として、SiO粉末(商品名:AEROSIL(登録商標)130(DEGUSSA社製))を用いる。この粉末の粒子の平均径は0.016μmであり、比表面積は130m/gである。
キャリアガスとして流量0.4リットル/分の乾燥空気を用い、原料粉末を流動化する。流動化された原料粉末(10〜10.5g/分)と乾燥空気との混合物は、混合用ガス供給ライン17を通じて供給される流量2リットル/分のOガスと混合され、バーナの中心ポートから火炎中に供給される。バーナの第二ポートにはシール用のArガスを3リットル/分で、バーナの第三ポートにはHガスを30リットル/分で、バーナの第四ポートにはArガスを3リットル/分で、バーナの第5ポートにはOを18リットル/分でそれぞれ供給する。バーナの外周にさらに、それぞれHまたはOを供給するポートを設けて、供給されるHおよびOによって外側火炎を形成する。
出発材へのガラス微粒子の堆積を7時間行って多孔質体を製造する。質量3500g、平均外径16cm、長さ80cmの多孔質体が得られる。多孔質体の質量とバーナに供給された原料粉末の質量との比から、原料粉末の収率が80%であることが求められる。得られる多孔質体を、実施例1と同様にして脱水、透明化する。得られる透明ガラス材には気泡が存在せず、SiOH基の存在による2.7μm帯の光吸収は観測されない。
さらにこの透明ガラス材をコア材とし、公知の方法であるOVD法を用いて前記コア材の外周面上にフッ素添加SiOガラスからなるクラッドを形成して光ファイバ母材を得る。この母材からコア径9μm、かつ比屈折率差0.35%の単一モード光ファイバを作製する。得られるファイバの伝送損失は、OH基に起因する1.38μm帯における光吸収の増加が0.25dB/kmである。さらに得られる光ファイバは、0.6〜1.8μm帯においてガラス中に含まれる不純物やガラスの欠陥に起因する吸収は観測されず、従来公知のVAD法およびOVD法によってSiCl等を原料として用いて製造された光ファイバと同等の光学特性を有している。
原料として、SiO粉末(商品名:AEROSIL(登録商標)R202(DEGUSSA社製))を用いる。この粉末の粒子の平均径は0.014μmであり、比表面積は200m/gである。この粉末は、粒子表面の水酸基を−O−Si((CH)−O−基に変換されている。原料を流動化させる方法、バーナの各ポートへ流すガスの種類と流量は実施例3と同じである。
出発材へのガラス微粒子の堆積を6時間行って多孔質体を製造する。質量3200g、平均外径16cm、長さ80cmの多孔質体が得られる。多孔質体の質量とバーナに供給された原料粉末の質量との比から、原料粉末の収率が84%であることが求められる。実施例3の場合と比較して、原料粉末の出発材への堆積率がさらに高くなる理由は、原料粉末の粒子表面に存在する有機基がバーナ火炎中で酸化されて発生する燃焼熱によって、原料粉末の温度がさらに高くなるためと考えられる。得られる多孔質体を、実施例1と同様にして脱水、透明化する。得られる透明ガラス材には気泡が存在せず、SiOH基の存在による2.7μm帯の光吸収は観測されない。
(比較例)
ガラス原料としてSiClを用いる。そして、原料供給系として、図1の原料粉末貯蔵用タンクおよび原料粉末供給ラインに代えて、原料中にキャリアガスをバブリングすることができる構成を有する液体原料貯蔵タンク、ならびに気化された原料およびキャリアガスをこのタンクからバーナの中心ポートへ供給するための原料供給ラインを有する装置を用いる。
出発材へのガラス微粒子の堆積を7時間行って多孔質体を製造する。質量2500g、平均外径15cm、長さ60cmの多孔質体が得られる。多孔質体質量とバーナに供給されたSiClの質量との比から、SiClの収率が60mol%であることが求められる。得られる多孔質体を、実施例1と同様にして脱水、透明化する。得られる透明ガラス材には気泡が存在せず、SiOH基の存在による2.7μm帯の光吸収は観測されない。
液体原料貯蔵タンク内にSiClを貯蔵し、このSiCl中にArガスをバブリングしてSiClを気化させる。気化されたSiClとキャリアガスとしてのArガスとの混合物は、原料供給ラインを通して送り、途中で混合用ガス供給ラインから供給されるHガスと混合して、バーナの中心ポートから火炎中に供給する。
これら各成分のバーナ中心ポートへの供給速度は、SiClはSiOに換算して10g/分であり、混合用ガスとして用いるHガスは1リットル/分である。バーナの第二ポートにはシール用のArガスを10リットル/分で、バーナの第三ポートにはOガスを20リットル/分で、バーナの第四ポートにはArガスを3リットル/分で、バーナの第5ポートにはHガスを30リットル/分でそれぞれ供給する。このバーナの外周には、さらに実施例3と同様にして外側火炎を形成する。
日本特許出願2003−75866(2003年3月17日出願)の明細書、クレーム、図面、要約書を含むすべての開示は、本明細書に統合される。
本発明の方法により得られた透明ガラス材は、光ファイバ用ガラス母材、または耐熱性を有するシリカガラス製品もしくはその原料として用いることができる。

Claims (13)

  1. ガラス材の製造方法であって、
    シリカガラスを含有する粒子であって、該粒子の平均径が0.2μm以下である粒子を含む原料粉末をキャリアガスによって搬送して火炎中に供給するとともに、前記原料粉末と前記火炎とを出発材に吹き付けて前記原料粉末を前記出発材に堆積させ多孔質体を形成し、
    前記多孔質体を加熱することにより透明化するガラス材の製造方法
  2. ガラス材の製造方法であって、
    シリカガラスを含有する粒子であって、該粒子が有するSi−OH基の少なくとも一部がSi−OR基(Rは有機基を表す)によって置換されている粒子を含む原料粉末をキャリアガスによって搬送して火炎中に供給するとともに、前記原料粉末と前記火炎とを出発材に吹き付けて前記原料粉末を前記出発材に堆積させ多孔質体を形成し、
    前記多孔質体を加熱することにより透明化するガラス材の製造方法
  3. 請求項1又は2に記載のガラス材の製造方法において、
    前記キャリアガスは、可燃性ガスを含むことを特徴とするガラス材の製造方法
  4. 請求項1又は2に記載のガラス材の製造方法において、
    前記キャリアガスは、助燃性ガスを含むことを特徴とするガラス材の製造方法
  5. 請求項1又は2に記載のガラス材の製造方法において、
    前記キャリアガスは、可燃性ガスおよび助燃性ガスを含むことを特徴とするガラス材の製造方法
  6. 請求項1又は2に記載のガラス材の製造方法において、
    前記原料粉末を前記キャリアガスによって搬送する前に、前記原料粉末と前記キャリアガスを原料粉末タンク中で混合し前記原料粉末を流動化することを特徴とするガラス材の製造方法
  7. 請求項に記載のガラス材の製造方法において、
    前記原料粉末と前記キャリアガスを機械的にかき混ぜながら前記原料粉末を流動化することを特徴とするガラス材の製造方法
  8. 請求項に記載のガラス材の製造方法において、
    前記原料粉末タンクを振動させて前記原料粉末と前記キャリアガスとを機械的にかき混ぜることを特徴とするガラス材の製造方法
  9. 請求項に記載のガラス材の製造方法において、
    前記原料粉末タンク内で回転子を回転させて前記原料粉末と前記キャリアガスとを機械的にかき混ぜることを特徴とするガラス材の製造方法
  10. 請求項に記載のガラス材の製造方法において、
    流動化した前記原料粉末と前記キャリアガスとは、負圧発生手段により吸引されることにより前記火炎中に搬送されることを特徴とするガラス材の製造方法
  11. 請求項1又は2に記載のガラス材の製造方法において、
    前記原料粉末と前記キャリアガスとの混合比により原料粉末の供給量を調整することを特徴とするガラス材の製造方法
  12. 請求項11に記載のガラス材の製造方法において、
    前記混合比は、前記キャリアガスの流量調整で行われることを特徴とするガラス材の製造方法
  13. 請求項11に記載のガラス材の製造方法において、
    前記混合比は、前記原料粉末タンクに挿入された原料粉末供給管の先端位置の調整で行われることを特徴とするガラス材の製造方法
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