JP4374917B2 - インクジェット記録液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の色素を含有するインクジェット記録液に関し、特に、色調と色画像堅牢性に優れたインクジェット記録液に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、ピエゾ素子の電気−機械変換により液滴を圧力吐出させる方式、電気−熱変換により気泡を発生させて液滴を圧力吐出させる方式、静電力により液滴を吸引吐出させる方式等に大別される。
【0003】
インクジェット用のインクにおいては、たとえば上記から選択されるようなその使用される記録方式に適合すること、高い記録画像濃度を有し色調が良好であること、耐光性や耐熱性および耐水性といった色画像堅牢性に優れること、被記録媒体に対して定着が速く記録後ににじまないこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性や引火性といった安全性に問題がないこと、安価であること等が要求される。
【0004】
このような観点から、種々のインクジェット用の記録液が提案、検討されているが、要求の多くを同時に満足するような記録液はきわめて限られている。
【0005】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを用いたカラー画像記録においては、たとえばC.I.に記載されている従来から公知のC.I.ナンバーを有する染料、顔料が広く検討されてきた。例えば水溶性染料を用いたマゼンタのインクにおいては、C.I.アシッドレッド52のようなキサンテン系、C.I.ダイレクトレッド20のようなアゾ系の水溶性染料を使用したものが知られているが、これらはプリンターでの目詰まり対する高い信頼性を有しているが、その反面、耐光性のような堅牢性および耐水性に問題を有していた。一方、C.I.ピグメントレッド122のようなキナクリドン系の顔料を使用したものが知られているが、これらは高い堅牢性を有するものの、印字濃度が上がらない、またはブロンジング等の色再現性の問題を起こしやすい。このように従来から良く知られている染料や顔料では、インクジェット用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは難しい。
【0006】
このような観点から、近年種々のインクジェット用の染料、顔料が提案されている。ことにマゼンタ染料については、耐光性での改良が要望されており、例えば、ピラゾールアゾ水溶性染料を含むインクが開示されて(例えば、特許文献1参照。)いる。また、色調と耐光性の両立を目的としたアントラピリドン化合物およびその水性インク組成物が示されて(例えば、特許文献2、3及び4参照。)いる。しかしながら、日進月歩の当業界においては、そのレベルは十分ではなく、特に耐水性、耐光性の点では改良が必要なレベルであり、さらなる改良が望まれていた。
【0007】
一方、これらの耐水性および耐光性を改良するべく、ポリウレタンやポリエステル分散粒子に染料を内包させる方法が提案されて(例えば、特許文献5、6、7及び8参照。)いる。確かにこれらの技術によって、耐水性および耐光性の改良は見られるものの、そのレベルは十分ではなく、さらにこれらの場合には、色相が必ずしも十分ではなく、また、高濃度に染料を内包させた時の分散安定性が十分ではないという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−226752号公報 (特許請求の範囲)
【0009】
【特許文献2】
特開平10−306221号公報 (第2頁式(1))
【0010】
【特許文献3】
特開2000−169776号公報 (特許請求の範囲、請求項1)
【0011】
【特許文献4】
特開2001−72884号公報 (特許請求の範囲、請求項1)
【0012】
【特許文献5】
特開昭58−45272号公報
【0013】
【特許文献6】
特開平6−340835号公報 (第2頁、右欄第1〜4行)
【0014】
【特許文献7】
特開平7−268257号公報 (特許請求の範囲、請求項2)
【0015】
【特許文献8】
特開平7−268260号公報 (特許請求の範囲、請求項2)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、色画像の耐光性に優れ、良好な色再現性のための色調に優れたインクジェット記録液、特に主な対象としてはマゼンタ色のインクジェット記録液を提供することにある。またさらに本発明の目的は、耐光性と色調の両立に加えて長期使用を保証できる水系インクジェット記録液を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0018】
1.前記一般式(1)で表される油溶性染料を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
【0019】
2.前記一般式(2)で表される油溶性染料を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
【0020】
3.一般式(1)または(2)で表される油溶性染料が油溶性ポリマーとともに微粒子分散物として含有されることを特徴とする前記1または2記載のインクジェット記録液。
【0021】
4.微粒子分散物がコア−シェル構造を有することを特徴とする前記3記載のインクジェット記録液。
【0022】
本発明を更に詳しく説明する。まず、本発明の一般式(1)で表される化合物について詳細に説明する。
【0023】
一般式(1)においてR11は直鎖アルキル基、またはアリールオキシ基を表し、直鎖アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ドデシル基等が挙げられる。R11の表すアリールオキシ基のアリール基としてはフェニル基もしくはナフチル基が挙げられ、これらのフェニル基もしくはナフチル基はさらに置換基を有しても良い。
【0025】
一般式(1)においてR12、R13、R14は水素原子または置換基を表す。R12の表す置換基としては、アルキル基が挙げられる。
【0026】
R13の表す置換基としては、アニリノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはヒドロキシ基が挙げられる。
R 14 の表す置換基としては、アシルアミノ基、またはハロゲン原子が挙げられる。
【0027】
一般式(1)においてn11は1〜3の整数、n12は1〜4の整数を表し、n11およびn12が2以上の時、R13およびR14は同じであっても異なっていても良い。
【0028】
次に、一般式(2)で表される化合物について説明する。R21は、アルキル基、またはアリール基を表し、アルキル基としては直鎖であっても分岐であってもよく、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、オクチル基、ドデシル基等を挙げることができる。
【0029】
一般式(2)においてR22、R23、R24は水素原子または置換基を表し、R22 の表す置換基としては、アルキル基であり、R 23 の表す置換基としては、アニリノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはヒドロキシ基であるが、少なくとも一つは、アルコキシ基またはアリールオキシ基である。R24の表す置換基としては、アシルアミノ基、またはハロゲン原子である。
【0030】
一般式(2)においてn21は1〜3の整数、n22は1〜4の整数を表し、n21およびn22が2以上の時、R23およびR24は同じであっても異なっていても良い。
【0031】
本発明において、油溶性染料とは、25℃での水に対する溶解度が1%以下であり、25℃での有機溶媒に対する溶解度が5%以上の化合物である。有機溶媒としては、特に制限はなく、炭化水素系(例えばヘキサン、トルエン)、アルコール系(例えばメタノール、エタノール、ブタノール)、ケトン系(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、エステル系(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、アミド系(例えばN,N−ジメチルホルムアミド)、ニトリル系(例えばアセトニトリル)の各種の有機溶媒の内、少なくとも1種の有機溶媒に対して25℃での溶解度が5%以上であれば良い。好ましくは、メチルエチルケトンまたは酢酸エチルに対する25℃での溶解度が5%以上の化合物である。
【0032】
次に一般式(1)および(2)で表される油溶性染料の具体的化合物例及び参考例を以下に示す。以下、化4〜化17において、下記化合物は参考例の化合物である。
1−8、1−14、1−15、1−22,1−25〜1−48、2−1〜2−11、2−13、2−15、2−18、2−22、2−23、2−28
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】
【化13】
【0044】
【化14】
【0045】
【化15】
【0046】
【化16】
【0047】
【化17】
【0048】
次に一般式(1)および(2)で表される化合物の具体的合成例を下記に示す。
【0049】
(1)例示化合物1−37の合成
例示化合物1−37は、スキーム1に従って合成した。
【0050】
【化18】
【0051】
i)中間体(1a)の合成
ブロマミン酸40.4g(0.1モル)を水400mlに分散し、炭酸ナトリウム21g(0.05モル)、硫酸銅・5水和物7.8g、硫酸鉄・7水和物9.2gを加え攪拌し、さらにアニリン9.5g(0.1モル)を加えて加熱還流下、約3時間反応させる。反応終了後、冷却し、析出した結晶を濾取し、さらに飽和食塩水で洗浄する。得られた結晶を60℃で乾燥させると、粗製の中間体(1a)が41.6g(収率100%)得られる。得られた粗製の中間体(1a)は、さらに精製することなく、次工程に用いた。
【0052】
ii)中間体(1b)の合成
パラ−t−オクチルフェノール120g(0.58モル)と水酸化カリウム14g(0.24モル)を約160℃に加熱し、ほぼ溶解させる。そこに粗製の中間体(1a)20.8gをゆっくりと加え、約4時間反応させる。反応終了後、約100℃で酢酸を投入し、さらに約50℃でメタノールを投入して、加熱還流下1時間攪拌する。その後、冷却し、析出した結晶を室温にて濾取し、メタノール、水、メタノールの順に洗浄する。得られた結晶を60℃で乾燥させると、中間体(1b)が37.3g(収率72%)得られる。
【0053】
iii)例示化合物1−37の合成
中間体(1b)25.9g(0.05モル)とベンゾイル酢酸エチル9.61g(0.05モル)をキシレン250ml中、加熱還流下エタノールを留去させながら6時間反応させる。反応終了後、析出した結晶を濾取し、さらにN,N−ジメチルホルムアミドとエタノールの混合溶液で再結晶すると、目的とする1−37が、22.0g(収率68%)得られる。構造は、H−NMRおよびマススペクトルで確認した。
【0054】
(2)例示化合物2−7の合成
例示化合物2−7は、スキーム2に従って合成した。
【0055】
【化19】
【0056】
i)例示化合物2−7の合成
上述した中間体(1b)25.9g(0.05モル)とシアノ酢酸エチル5.66g(0.05モル)をオルトジクロロベンゼン250ml中、加熱還流下エタノールを留去させながら6時間反応させる。反応終了後、析出した結晶を濾取し、さらにアセトニトリルで再結晶すると、目的とする2−7が、17.3(収率61%)得られる。構造は、H−NMRおよびマススペクトルで確認した。
【0057】
本発明の色素は単独で用いても、本発明の色素を2種以上併用させて用いても、また、本発明外の色素と併用させて用いても良い。
【0058】
本発明の色素を含有するインクジェット記録液は水系溶媒、油系溶媒、固体(相変化)溶媒等の種々の溶媒系を用いることができる。水系溶媒は、水(例えば、イオン交換水が好ましい)と水溶性有機溶媒を一般に使用する。
【0059】
水溶性有機溶媒の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0060】
上記のような水系溶媒は、本発明の色素はその溶媒系に可溶であればそのまま溶解して用いることができる。
【0061】
一方、本発明の色素が、その溶媒系にそのままでは不溶の固体である場合、色素を種々の分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、ジェットミル、オングミル等)を用いて微粒子化するか、あるいは可溶である有機溶媒に色素を溶解した後に、高分子分散剤や界面活性剤とともにその溶媒系に分散させることができる。さらに、そのままでは不溶の液体または半溶融状物である場合、そのままかあるいは可溶である有機溶媒に溶解して、高分子分散剤や界面活性剤とともにその溶媒系に分散させることができる。
【0062】
また、本発明の色素が、可溶である有機溶媒に色素を溶解した後に、油溶性ポリマーとともに微粒子分散物として水系溶媒に分散させることが、好ましい。
【0063】
このようなインクジェット記録液用に使用される水系溶媒の具体的調製法については、例えば特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号等に記載の方法を参照することができる。
【0064】
次に油溶性ポリマーについて説明する。前記油溶性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ビニルポリマーが好ましい。ビニルポリマーとしては、従来公知のものが挙げられ、水不溶性型、水分散(自己乳化)型、水溶性型の何れもものであってもよいが、着色微粒子の製造容易性、分散安定性等の点で水分散型のものが好ましい。
【0065】
前記水分散型のビニルポリマーとしては、イオン解離型のもの、非イオン性分散性基含有型のもの、あるいはこれらの混合型のもののいずれであってもよい。前記イオン解離型のビニルポリマーとしては、三級アミノ基などのカチオン性の解離性基を含有するビニルポリマーや、カルボン酸、スルホン酸などのアニオン性の解離性基を含有するビニルポリマーが挙げられる。前記非イオン性分散性基含有型のビニルポリマーとしては、ポリエチレンオキシ鎖などの非イオン性分散性基を含有するビニルポリマーが挙げられる。これらの中でも、着色微粒子の分散安定性の点で、アニオン性の解離性基を含有するイオン解離型のビニルポリマー、非イオン性分散性基含有型のビニルポリマー、混合型のビニルポリマーが好ましい。
【0066】
前記ビニルポリマーを形成するモノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0067】
アクリル酸エステル類、具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、グリシジルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルアクリレート等が挙げられる。
【0068】
メタクリル酸エステル類、具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−(3−フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−iso−プロポキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルメタクリレートなどが挙げられる。
【0069】
ビニルエステル類、具体的には、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルなどが挙げられる。
【0070】
アクリルアミド類、具体的には、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド、tert−オクチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、β−シアノエチルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
【0071】
メタクリルアミド類、具体的には、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、メトキシエチルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、β−シアノエチルメタクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)メタクリルアミドなどが挙げられる。
【0072】
オレフィン類、具体的には、ジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等、スチレン類、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステルなどが挙げられる。
【0073】
ビニルエーテル類、具体的には、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0074】
その他のモノマーとして、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、ビニリデンクロライド、メチレンマロンニトリル、ビニリデン、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートなどが挙げられる。
【0075】
また、解離性基を有するモノマーとしては、アニオン性の解離性基を有するモノマー、カチオン性の解離性基を有するモノマーが挙げられる。
【0076】
前記アニオン性の解離性基を有するモノマーとしては、例えば、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、リン酸モノマー等が挙げられる。
【0077】
前記カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロトン酸、イタコン酸モノアルキルエステル(例えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチルなど)、マレイン酸モノアルキルエステル(例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチルなど)などが挙げられる。
【0078】
前記スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロイルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロピルスルホン酸など)、メタクリロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、メタクリロイルオキシメチルスルホン酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸など)、アクリルアミドアルキルスルホン酸(例えば、2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸など)、メタクリルアミドアルキルスルホン酸(例えば、2−メタクルリアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸など)などが挙げられる。
【0079】
前記リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、メタクリロイルオキシエチルホスホン酸などが挙げられる。
【0080】
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミドアルキルスルホン酸、メタクリルアミドアルキルスルホン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸がより好ましい。
【0081】
前記カチオン性の解離性基を有するモノマーとしては、例えば、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ジアルキルアミノエチルアタクリレートなどの3級アミノ基を有するモノマーが挙げられる。
【0082】
また、非イオン性分散性基を含有するモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとカルボン酸モノマーとのエステル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとスルホン酸モノマーとのエステル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとリン酸モノマーとのエステル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとイソシアネート基含有モノマーから形成されるビニル基含有ウレタン、ポリビニルアルコール構造を含有するマクロモノマーなどが挙げられる。前記ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルのエチレンオキシ部の繰り返し数としては、8〜50が好ましく、10〜30がより好ましい。前記ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基の炭素原子数としては、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましい。
【0083】
これらのモノマーは、1種単独で使用されてビニルポリマーが形成されていてもよいし、2種以上が併用されてビニルポリマーが形成されていてもよく、前記ビニルポリマーの目的(Tg調節、溶解性改良、分散物安定性等)に応じて適宜選択することができる。
【0084】
本発明においては、色素含有微粒子は、色素を含有するポリマーコアとポリマーシェルを有していることが好ましい態様の一つである。シェルにおける色素含有率(濃度)は、コア−シェル化を行っていないコアにおける色素含有率(濃度)の0.8以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5以下である。
【0085】
色素含有率(濃度)は、TOF−SIMSのような質量分析装置で測定する事ができる。TOF−SIMSでは、個々の微粒子表面について、先ず質量数1〜1000のイオンの総量を測定し、その中で色素に起因するイオンの総量から、色素含有率を求めることができる。シェルとコア−シェル化を行っていないコア、それぞれの色素含有率を比較する。TOF−SIMSでは、表面から深さ方向に数nmの元素分析ができるため本発明の様なコア−シェル微粒子の分析が可能である。粒子径は5nm以下500nm以下が好ましく、10nm以上300nm以下がさらに好ましい。
【0086】
体積平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真の投影面積(少なくとも100粒子以上に対して求める)の平均値から得られた円換算平均粒径を、球形換算して求められる。体積平均粒子径とその標準偏差を求め、標準偏差を体積平均粒子径で割ることで変動係数を求められる。或いは、動的光散乱法を利用して変動係数を求めることも出来る。例えば、大塚電子製レーザー粒径解析システムや、マルバーン社製ゼータサイザーを用いて求める事が出来る。
【0087】
粒子径の変動係数は、粒子径の標準偏差を粒子径で割った値であるが、この値が大きいほど粒子径の分布が広い事を意味する。体積平均粒子径の変動係数が80%を越えると、粒径分布が非常に広くなり、コア−シェルの厚みが不均一となり易く、粒子間の表面物性にばらつきが生じ易くなる。表面物性のばらつきは粒子の凝集を招きやすく、インクジェットヘッドの詰まりを起こし易い。また、粒子の凝集はメディア上で、色素の光散乱を招き易く、画質の低下も招き易くする。変動係数は50%以下が好ましく、30%以下がさらに好ましい。
【0088】
本発明においては、シェルに用いられるポリマー量が総ポリマー量の5質量%以上95質量%以下であることが好ましい。5質量%より少ないとシェルの厚みが不十分で、色素を多く含有するコアの一部が粒子表面に現れ易くなる。また、シェルのポリマーが多すぎると、コアの色素保護能低下を起こし易い。さらに好ましくは10質量%以上90質量%以下である。
【0089】
色素の総量は総ポリマー量に対して20質量%以上1,000質量%以下であることが好ましい。色素量がポリマーに比して少なすぎると、吐出後の画像濃度が上がらず、また、色素質量が多すぎるとポリマーの保護能が十分に得られない。
【0090】
本発明におけるコア−シェルは、最初に色素を含有するポリマーコアを作製した後、ポリマーシェルを設ける方法と、コア−シェルを同時に設ける手法が考えられる。
【0091】
(微粒子コア作製後にシェルを設ける場合)
コアとなる色素含有ポリマーは、各種の手法で調製することができる。例えばモノマー中に油溶性色素を溶解させ、水中で乳化後、重合によりポリマー中に色素を封入する方法、ポリマーと色素を有機溶剤中に溶解し、水中で乳化後有機溶剤を除去する方法、色素溶液に多孔質のポリマー微粒子を添加し、色素を微粒子に吸着、含浸させる手法などがある。それにポリマーシェルを設ける手法としては、コアとなるポリマーの水系分散物に水溶性のポリマー分散剤を添加し吸着させる手法、モノマーを徐々に滴下し、重合と同時にコア表面に沈着させる方法、あるいは、有機溶剤に溶解したポリマーを徐々に滴下し、析出と同時にコア表面に吸着させる方法などがある。
【0092】
あるいは、顔料をポリマーと混練し、その後水系で分散しポリマー被覆顔料コアを作製し、さらに上記の方法によりシェル化を行うことも可能である。
【0093】
(微粒子形成時にコアとシェルを同時に設ける手法)
コアとなるポリマーと色素を、重合後にシェルとなるモノマーに溶解または分散し、水中で懸濁後重合する手法や、その液を活性剤ミセルを含有する水中に徐々に滴下しながら乳化重合していく手法などがある。モノマーがコア、ポリマーがシェルとなってもよい。あるいは、重合後にコアとなりうるモノマーとシェルとなりうるモノマー混合液に色素を溶解または分散し、懸濁重合あるいは乳化重合する手法がある。
【0094】
上記したような本発明の色素を溶解した本発明のインクジェット記録液は、その飛翔時の粘度として0.04Pa・s以下が好ましく、0.03Pa・s以下であることがより好ましい。
【0095】
また、上記本発明のインクジェット記録液は、その飛翔時の表面張力として200μN/cm〜1000μN/cmが好ましく、300〜800μN/cmであることがより好ましい。
【0096】
本発明の色素は、インクジェット記録液の0.1〜25質量%の範囲で使用されることが好ましく、0.5〜10質量%の範囲であることがより好ましい。
【0097】
本発明に使用される樹脂型分散剤としては、分子量1,000〜1,000,000の高分子化合物が好ましく、これらは使用される場合にはインクジェット記録液中に0.1〜50質量%含有されることが好ましい。
【0098】
本発明のインクジェット記録液には、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を添加することもできる。
【0099】
本発明のインクジェット記録液は、その使用する記録方式に関して特に制約はないが、特にオンデマンド方式のインクジェットプリンタ用のインクジェット記録液として好ましく使用することができる。オンデマンド型方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)、放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができる。
【0100】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0101】
実施例1
(インクの作製)
表1に記載の色素を色素の含有量が仕上がりインクとして、2質量%になる量を秤量し、表1に示す組成の溶媒にエチレングリコール15%、グリセリン15%、サーフィノール465(日信化学工業社製)0.3%、残りが純水になるように調整し、更に2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して表1に示すようなインクジェット用インク1〜10を得た。
【0102】
(サンプル作製および評価)
更に、各インクを市販のエプソン製インクジェットプリンター(PM−800)を用いてコニカフォトジェットペーパー Photolike QP 光沢紙(コニカ株式会社製)にプリントし、得られた画像の耐光性、色調および保存性の評価を行った結果を表1に併せて示す。
【0103】
耐光性
キセノンフェードメーターにて96時間爆射した後のサンプルの未爆射サンプルからの可視領域極大吸収波長における反射スペクトル濃度の低下率を下式で計算し表1に示す。
耐光性(%)=(爆射試料極大吸収波長濃度/未爆射試料極大吸収波長濃度)×100
色調
サンプルの390〜730nm領域のインターバル10nmによる反射スペクトルを測定し、これをCIEのL*a*b*色空間系に基づいて、a*、b*を算出した。マゼンタとして好ましい色調を下記のように定義した。
好ましいa*:76以上、
好ましいb*:−30以上0以下
○:a*、b*ともに好ましい領域
△:a*、b*の一方のみ好ましい領域
×:a*、b*のいづれも好ましい領域外。
【0104】
保存性
インクを80℃で1週間、密閉ガラス容器中に保存後、同様に記録し、500時間の連続噴出における噴出異常の有無と上記した色調の評価を行った。好ましい保存性を下記のように定義した。
○:連続噴出にて異常なく、未保存インクからの色調変化がa*、b*ともに±10以下である場合
×:連続噴出異常または色調変化がa*またはb*として少なくとも一方が10以上認められる場合。
【0105】
【表1】
【0106】
【化20】
【0107】
以上の結果から明らかなように、本発明の試料4及び6が比較に比して耐光性、色調、保存性の全ての面で優れていることが分かる。
【0108】
実施例2
(微粒子分散物の作製)
表2に示す色素5g、5gのポリビニルブチラール(積水化学製BL−S、平均重合度350)及び50gの酢酸エチルをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポリマー及び染料を完全溶解させた。ラウリル硫酸ナトリウム2gを含む水溶液100gを滴下後、超音波分散機(UH−150型、株式会社エスエムテー製)を用いて、300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、染料を含浸する着色微粒子を得た。この着色分散物を2種ずつ作製し、1種についてはそのまま下記の水系インク作製に用い、もう1種については、この分散液に0.15gの過硫酸カリウムを加えて溶解し、ヒーターを付して70℃に加温後、更に2gのスチレン及び1gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合液を滴下しながら7時間反応させてコア−シェル型の着色微粒子を得た。
【0109】
(水系インクの作製)
色素の含有量がインクの仕上がり量に対して2質量%になる量を秤量し、エチレングリコール15質量%、グリセリン15質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル3質量%、サーフィノール465を0.3質量%、残りが純水になるように調整し、更に2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して表2に示すようにインクジェット用インク11〜30を得た。
【0110】
(サンプル作製および評価)
実施例1と同様にそれぞれのインクを60℃で7日間保存した際の粒子径変化率、保存後のインクの濾過性、更に、実施例1と同様に各インクを用いてプリントした画像についての色調および耐光性を評価した。結果を表2に示す。
【0111】
粒子径変化率
インクを60℃で7日間保管し、粒子径変化率が5%未満のものを◎、5%ないし10%未満のものを○(許容レベル)、10%以上のものを×(不可レベル)とした。
粒子径変化率(%)={(保存後のインクの平均粒子径−保存前のインクの平均粒子径)/(保存前のインクの平均粒子径)}×100
濾過性
インクを60℃で7日間保管した後に、インクを5ml採取し0.8μmのセルロースアセテートメンブランフィルターで濾過を行い、全量濾過できたものを◎、半量以上濾過できたものを○(許容レベル)、半量以上濾過ができなかったものを×(不可レベル)とした。
【0112】
【表2】
【0113】
【化21】
【0114】
以上の結果から明らかなように、本発明の試料13、19及び20は、比較試料11、12に比較して、色調、耐光性に優れ、なおかつ、インクの粒子径変化率および濾過性に優れており、分散安定性に優れていることが判る。特に、コア−シェル構造を有する場合にその効果は顕著であり、本発明の試料23、29及び30が比較に対してインクの保存安定性および色調、耐光性の面で特に優れていることが分かる。
【0115】
【発明の効果】
本発明により、色画像の耐光性に優れ、良好な色再現性のための色調に優れたインクジェット記録液、特に主な対象としてはマゼンタ色のインクジェット記録液を提供し、さらに、耐光性と色調の両立に加えて長期使用を保証できる水系インクジェット記録液を提供することができた。
Claims (4)
- 一般式(1)または(2)で表される油溶性染料が油溶性ポリマーとともに微粒子分散物として含有されることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録液。
- 微粒子分散物がコア−シェル構造を有することを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録液。
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