JP4371302B2 - ホログラム観察具とそのための計算機ホログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラム観察具とそのための計算機ホログラムに関し、特に、ホログラムの上下、表裏が簡単に分かるようにして正しい向きでメガネフレームに取り付けられて、画像が所定の形態で正しく見えるホログラムメガネとそのための計算機ホログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1においてホログラムメガネが提案されている。このホログラムメガネは、図8(a)に斜視図を示すような構成になっている。すなわち、メガネフレーム1の両眼用の枠内には、2つの透過型ホログラム2、3が嵌め込まれている。この透過型ホログラム2、3を用いたメガネを掛けて図8(b)に示すような小面積の光源4、5、6、7を含むシーンを見ると、例えば図8(c)に示すように見える。すなわち、図8(b)の実際のシーンにおける光源4、5、6、7がそれぞれ予め選択されたパターン「NOEL」8、9、10、11に置き替わったシーンとして見える。このような特性を持つ透過型ホログラム2、3としては、計算機ホログラムとして構成された上記パターン「NOEL」のフーリエ変換ホログラム(フラウンホーファーホログラム)が用いられる。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5,546,198号明細書
【0004】
【非特許文献1】
日本光学会(応用物理学会)主催 第22回冬期講習会テキスト「ホログラムと回折型光学素子−基礎理論から産業応用まで−」pp.36〜39
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
計算機によって得られるフーリエ変換ホログラムは、そのホログラムに記録されるパターン(上記の例では、「NOEL」)を含む制限された矩形領域を縦横に碁盤目状のセルに区切って、セル位置に対応するパターン部分の情報を各セルに持たせ、その限られた数のセルからなるパターンを遠方のホログラム領域にフーリエ変換して投影して構成されているもので、実際には、ホログラム領域も記録するパターン領域と同様に縦横に碁盤目状のセルに区切って、記録するパターンのフーリエ変換された各セル位置の振幅情報と位相情報を記録してなるものである。
【0006】
このような予め選択されたパターンを記録したフーリエ変換計算機ホログラムは、その向きに応じた形態のパターンが再生されて見える。例えば上下をそのままにして、表裏を反対にして左右を入れ換えた場合には、鏡像、すなわち、右手の像が左手の像として見え、また、表裏をそのままにして、上下と左右を入れ換えた場合には、倒立像、すなわち、立っている像が逆立ちした像として見えてしまう特性を持っている。
【0007】
したがって、メガネフレーム1にこのような計算機ホログラムからなる透過型ホログラム2、3を取り付けるときには、その上下と表裏がメガネフレーム1に対して正しく向くように取り付けなけれ、予め選択されたパターンが所定の形態で正しく見えるようにはならない。
【0008】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定のパターンがシーン中の光源に所定の形態で正しく置き替わって見え、かつ、このような特性のものの作製、組立が容易なホログラムメガネのような観察具とそのための計算機ホログラムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のホログラムメガネは、枠内に透過型のフーリエ変換ホログラムとして構成された計算機ホログラムが嵌め込まれてなるホログラム観察具において、前記計算機ホログラムから再生可能な原画パターンに対して相対的に一定の予め定めた前記計算機ホログラム周辺部位置の位相情報、振幅情報の少なくとも何れか一方が省かれて記録されていることを特徴とするものである。
【0010】
この場合に、計算機ホログラムは、位相ホログラムからなり、その計算機ホログラムから再生可能な原画パターンに対して相対的に一定の予め定めた計算機ホログラム周辺部位置の位相情報が省かれて記録されていることが望ましい。
【0011】
また、計算機ホログラムの位相分布が4段階以上に多値化されていることが望ましい。
【0012】
また、その計算機ホログラムが、同一特性の微小な計算機ホログラムからなる要素ホログラムを多数並列配置して矩形形状に構成されたものからなり、予め定めた四隅の中の何れか1つ隅の要素ホログラムが省かれて構成されているものとしてもよい。
【0013】
また、観察具の左右の枠内に嵌め込まれた計算機ホログラムに記録されている原画パターンが両眼視差を有する原画パターンであってもよい。
【0014】
本発明の計算機ホログラムは、観察具用の透過型のフーリエ変換ホログラムとして構成されホログラム観察具用の計算機ホログラムにおいて、前記計算機ホログラムから再生可能な原画パターンに対して相対的に一定の予め定めた前記計算機ホログラム周辺部位置の位相情報、振幅情報の少なくとも何れか一方が省かれて記録されていることを特徴とするものである。
【0015】
この場合に、この計算機ホログラムは位相ホログラムからなり、その計算機ホログラムから再生可能な原画パターンに対して相対的に一定の予め定めた計算機ホログラム周辺部位置の位相情報が省かれて記録されていることが望ましい。
【0016】
また、位相分布が4段階以上に多値化されていることが望ましい。
【0017】
また、この計算機ホログラムは同一特性の微小な計算機ホログラムからなる要素ホログラムを多数並列配置して矩形形状に構成されたものからなり、予め定めた四隅の中の何れか1つ隅の要素ホログラムが省かれて構成されていてもよい。
【0018】
本発明においては、計算機ホログラムから再生可能な原画パターンに対して相対的に一定の予め定めた計算機ホログラム周辺部位置の位相情報、振幅情報の少なくとも何れか一方が省かれて記録されているので、その省いた位置が一目で分かり、その計算機ホログラムの上下が正しいか、表裏が正しいかが直ぐ分かる。そのため、メガネフレーム等の枠内にその計算機ホログラムを取り付ける際に、正しい形態で容易に取り付けることができ、所定の原画パターンがシーン中の光源に所定の形態で正しく置き替わって見えるものが容易に得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のホログラム観察具とそのための計算機ホログラムの実施例を説明する。
【0020】
図1に、本発明のホログラムメガネの枠に嵌め込まれる計算機ホログラム20(図8(a)の透過型ホログラム2、3に相当)とそれから再現される像領域30とを模式的に示す。計算機ホログラム20はフーリエ変換ホログラムであり、碁盤目状に配置された縦方向(y軸方向)の寸法δy 、横方向(x軸方向)の寸法δx の微小なセル21の集合体からなり、本実施例においては、後記のように、各セル21は位相情報のみを持つ。セル21はx軸方向に2m 個、y軸方向に2n 個配置されている。
【0021】
一方、この計算機ホログラム20から十分に遠方に配置される像領域30は、計算機ホログラム20に対応してx軸方向に同じ2m 個、y軸方向に同じ2n 個配置されたセル31の集合体からなり、各セル31は縦方向(y軸方向)寸法Δy 、横方向(x軸方向)寸法Δx であり、像領域30全体のx軸方向長さはLx 、y軸方向長さはLy である。
【0022】
なお、像領域30のx軸方向長さLx 、y軸方向長さLy は、計算機ホログラム20のセル21のそれぞれx軸方向寸法δx 、y軸方向寸法δy と関係しており、計算機ホログラム20からの回折角で表すと(計算機ホログラム20から十分に遠方の位置に像領域30があるので、Lx 、Ly は角度で表現した方がよい。)、Lx は空間周波数1/(2δx )の回折格子の±1次回折光で挟まれる範囲に対応し、Ly は空間周波数1/(2δy )の回折格子の±1次回折光で挟まれる範囲に相当する。これは、計算機ホログラム20に記録される最大空間周波数がx軸方向で1/(2δx )、y軸方向で1/(2δy )であることに対応している。
【0023】
このような配置関係で、計算機ホログラム20の正面から所定波長の平行光15が入射すると、計算機ホログラム20の裏面側に回折光16が生じ、遠方の像領域30に計算機ホログラム20に記録されたパターン、例えば後記のような「F」の字が再生される。したがって、このような計算機ホログラム20をメガネのレンズの代わりに用いて計算機ホログラム20の正面方向を見ると、その「F」の字が見えることになる。そのため、例えば図8(b)に示すようなシーンをこの計算機ホログラム20を介して見ると、光源4、5、6、7がパターン「F」に置き替わったシーンとして見えることになる。
【0024】
このような計算機ホログラム20がパターン「F」を再生するように各セル21の位相情報を計算して求める実施例を説明する。この方法は、再生像面に所定の回折光を与えるために、再生像面とホログラム面との間で束縛条件を加えながらフーリエ変換と逆フーリエ変換を交互に繰り返しながらホログラム面に配置する計算機ホログラムを求める方法であり、Gerchberg−Saxton反復計算法として知られている方法である(例えば、非特許文献1)。
【0025】
ここで、分かりやすくするため、再生像面30での原画の振幅分布(画素値)をAIMG (x,y)、再生像面30での原画の位相分布をφIMG (x,y、)、ホログラム面20での振幅分布をAHOLO(u,v)、ホログラム面20での位相分布をφHOLO(u,v)とする。図2に示すように、ステップ(1)で、再生像面30領域で、記録する原画の画素値をAIMG (x,y)として与え、原画の位相分布をランダムな値に初期化して、ステップ(2)で、その初期化した値にフーリエ変換を施す。ステップ(3)で、フーリエ変換で得られたホログラム面20での振幅分布AHOLO(u,v)を1にし、位相分布φHOLO(u,v)を所定の多値化(量子化)する束縛条件が付与される。そのような束縛条件が付与された後、ステップ(4)で、その束縛条件を付与した振幅分布AHOLO(u,v)と位相分布φHOLOにフーリエ逆変換が施される。ステップ(5)で、そのフーリエ逆変換で得られた再生像面30での振幅分布AIMG (x,y)が原画の画素値と略等しいと収束判定された場合に、ステップ(3)で多値化(量子化)された位相分布φHOLO(u,v)が計算機ホログラム20のセル21に与えられる位相分布となる。ステップ(5)の収束判定で、フーリエ逆変換で得られた振幅分布AIMG (x,y)が原画の画素値と等しくないと判定されると、ステップ(6)で、そのフーリエ逆変換で得られた振幅分布AIMG (x,y)の代わりに原画の画素値を与え、フーリエ逆変換で得られた位相分布φIMG (x,y)はそのままとする束縛条件が付与される。そのような束縛条件が付与された後、ステップ(2)→(3)→(4)→(5)→(6)のループがステップ(5)の条件が満足されるまで(収束するまで)繰り返され、最終的な所望の計算機ホログラム20が得られる。
【0026】
また、ステップ(3)で位相分布φHOLO(u,v)を多値化する処理を行わず、ステップ(5)の条件が満足された後に、所定の多値化する処理を行うようにしてもよい。
【0027】
このようにして求めた多値化した位相分布φHOLO(u,v)から、実際のホログラムの深さ分布を求めるが、本発明のような透過型の場合は、次の式(1)に基づいて、計算機ホログラム20の深さD(x,y)に変換する。
【0028】
D(u,v)=λφHOLO(u,v)/{2π(n1 −n0 )}・・・(1)
ここで、λは使用中心波長、n1 ,n0 は透過型ホログラムを構成する2つの材質の屈折率である。そして、図3に断面図を例示するように、透明基板17の表面に上記式(1)で求めたD(u,v)の深さのレリーフパターン18を形成することによって、本発明の計算機ホログラム20が得られる。図3の場合は、φHOLO(u,v)を0,π/2,π,3π/2の4段階に多値化した例である。なお、上記のホログラム面20での座標(u,v)は、再生像面30での座標(x,y)と区別するためのものであり、座標軸の方向としては、u軸方向はx軸方向に、v軸方向はy軸方向に対応する。
【0029】
ところで、以上のようにして得られる計算機ホログラム20は、計算量が膨大であるので、実際上は微小な要素ホログラム20として作製し、多数の同じ要素ホログラム20を所望の面積中に密に並列させて、メガネフレーム1に取り付ける透過型ホログラム2、3とする。
【0030】
このようにしてよい理由は、要素ホログラム20は、前記したように、それから十分に離れた遠方の像領域30に記録されたパターンを再生する特性のものであるから、観察者の眼の瞳に複数の要素ホログラム20がかかっても、それぞれの要素ホログラム20により再生されるパターンが十分遠方であるため、相互に重なって1つのパターンとして認識されるからである。
【0031】
このような同じ特性の微小な計算機ホログラム(要素ホログラム)20は、図4(a)に示すように、各々矩形として構成し、縦横の格子状配列(碁盤の目配列)して透過型ホログラム2、3としてもよく、あるいは、図4(b)に示すように、各々矩形として構成するが、2番目、4番目等の複数番目の行を横方向に半ピッチずつずらした配列で透過型ホログラム2、3としてもよい。なお、要素ホログラム20の形状は、正方形や長方形の矩形に限ることなく、他の多角形であってもよい。密に並べるには、三角形の要素ホログラム20を隣同士で上下が逆になるように並べてもよいし、六角形の要素ホログラム20であれば、図4(b)に示したように、上下の行で、横方向に半ピッチずつずらして配列すればよい。
【0032】
なお、上記のように、透過型ホログラム2、3中の計算機ホログラム(要素ホログラム)20同士は全て同じものである。したがって、このような要素ホログラム20を図4のように集合してこのような透過型ホログラム2、3とするには、要素ホログラム20の描画パターンを図4(a)や(b)のように並列させて透過型ホログラム2、3を作製するマスクとすればよい。
【0033】
このようにして作製した透過型ホログラム2、3をメガネフレーム1(図7)に取り付けるとき、その上下と表裏をメガネフレーム1に対して正しく向くように取り付けなければ、予め選択されたパターンが所定の形態で正しく見えるようにはならない。前記したように、例えば上下をそのままにして、表裏を反対にして左右を入れ換えて取り付けた場合には、鏡像、すなわち、右手の像が左手の像としてシーン中の光源に置き替わって見え、また、表裏をそのままにして、上下と左右を入れ換えた場合には、倒立像、すなわち、立っている像が逆立ちした像としてシーン中の光源に置き替わって見えてしまう。
【0034】
そこで、本発明においては、1実施例として、図4(a)に示すように、多数の同じ要素ホログラム20を縦横に格子状配列にして透過型ホログラム2、3を構成する場合に、四隅に配置する要素ホログラム20の何れか1つを省いて、その省いた位置を目印にして計算機ホログラム20の集合からなる透過型ホログラム2、3の上下と表裏が分かるようにする。以下、その具体例を説明する。
【0035】
図5(a)に要素ホログラムの計算機ホログラム20に記録する原画を示す。この「F」の字からなる原画を縦横256×256個のセルに分割して、図2のフローチャートに従って4段階に多値化して得られた計算機ホログラム20の位相変調πを与えるためのフォトマスクの基本パターンを図5(b)に、また、位相変調π/2を与えるためのフォトマスクの基本パターンを図5(c)に示す。それぞれ、図5(a)の原画と同様に縦横256×256個のセルに分割されており、各セルの寸法は縦横5μm×5μmであり、全体の縦横寸法は1.28mm×1.28mmである。
【0036】
このようなフォトマスクの基本パターンを用いて、図6に示すよう、図5(b)及び(c)からなる基本パターンを縦横16×20個格子状に配列して、全体の縦横寸法は20.48mm×25.6mmの透過型ホログラム2、3を作製する位相変調π/2用及び位相変調π用のフォトマスクを構成するが、その上下と表裏を分かりやすく区別できるようにするために、図6に示すように、縦横の格子状配列の中の左上の隅の1個の要素ホログラムを省いて構成する。
【0037】
このように、多数の同じ要素ホログラム20を縦横に格子状配列する場合に、その配列の四隅の何れかの一隅(図6の場合は、観察者側から見て左上の隅)の要素ホログラムを省くことにより、その省いた位置が一目で分かり、その透過型ホログラム2、3の上下が正しいか、あるいは表裏が正しいかが直ぐ分かる。したがって、図7に斜視図を示すように、メガネフレーム1にその透過型ホログラム2、3を取り付ける際に、正しい形態で容易に取り付けることができる。
【0038】
なお、図5(b)の位相変調πを与える基本パターンからなるフォトマスクと図5(c)の位相変調π/2を与える基本パターンからなるフォトマスクとを用いて位相分布を4段階に多値化するには、例えば、ポジ型レジストを用いて2回のパターン露光と透明基板17のエッチングを行う場合には、位相変調πのフォトマスクの開口部と位相変調π/2のフォトマスクの開口部とが重なるように露光することにより3π/2の位相部が得られ、位相変調πのフォトマスクの開口部と位相変調π/2のフォトマスクの遮光部とが重なるように露光することによりπの位相部が得られ、位相変調πのフォトマスクの遮光部と位相変調π/2のフォトマスクの開口部とが重なるように露光することによりπ/2の位相部が得られ、位相変調πのフォトマスクの遮光部と位相変調π/2のフォトマスクの遮光部とが重なるように露光することにより0の位相部が得られることになる。
【0039】
なお、以上の実施例は、メガネフレーム1に取り付ける透過型ホログラム2、3として、同一特性の微小な計算機ホログラム20からなる要素ホログラムを多数並列配置させて矩形に構成する場合に、予め定めた四隅の中の何れか1つの要素ホログラム20を省くことにより、透過型ホログラム2、3の上下と表裏が分かるようにする例であったが、透過型ホログラム2、3として対応する大きな1枚の矩形の計算機ホログラム20で構成する場合には、その四隅の中の何れか1つの隅の部分に描画をすべき振幅情報あるいは位相情報を省いて描画しないようにすることによっても、その上下と表裏を一目で分かるようにすることができる。
【0040】
ところで、メガネフレーム1に取り付ける右眼用の透過型ホログラム2と左眼用の透過型ホログラム3に相互に両眼視差のあるパターンを記録したフーリエ変換ホログラムを用いると、例えば図8(b)に示すようなシーン中の光源4、5、6、7に置き替わって見えるパターンが立体像として見えるようになる。このような場合に、本発明の上下と表裏を一目で分かるように目印を付けられた計算機ホログラムを用いると、ホログラムメガネの製造、組立が容易になる。
【0041】
以上、本発明によるホログラムメガネとそのための計算機ホログラムを実施例に基づいて説明してきたが、これらの限定されず種々の変形が可能である。なお、本発明の計算機ホログラムは、片目用のホログラムメガネに用いることも含むものであり、さらには、ホログラムメガネ用に限らず、窓用あるいはディスプレイ用等に用いることもできる。さらには、計算機ホログラムに限らず、他のホログラムにおいても、同様にその上下と表裏を区別するために、そのホログラムから再生可能な原画パターンに対して相対的に一定の予め定めたホログラム周辺部位置の位相情報、振幅情報の少なくとも何れか一方を省くようにすることも有効である。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のホログラム観察具とそのための計算機ホログラムによると、計算機ホログラムから再生可能な原画パターンに対して相対的に一定の予め定めた計算機ホログラム周辺部位置の位相情報、振幅情報の少なくとも何れか一方が省かれて記録されているので、その省いた位置が一目で分かり、その計算機ホログラムの上下が正しいか、表裏が正しいかが直ぐ分かる。そのため、メガネフレーム等の枠内にその計算機ホログラムを取り付ける際に、正しい形態で容易に取り付けることができ、所定の原画パターンがシーン中の光源に所定の形態で正しく置き替わって見えるものが容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラムメガネの枠に嵌め込まれる計算機ホログラムとそれから再現される像領域とを模式的に示す図である。
【図2】本発明の計算機ホログラムを得るためのフローチャートである。
【図3】本発明の計算機ホログラムの構成例を示す断面図である。
【図4】本発明のホログラムメガネに用いる計算機ホログラムを同じ特性の微小な多数の計算機ホログラムから構成する場合の配列例を示す図である。
【図5】本発明の1つの具体例の原画とその原画パターンに対応する位相変調を与えるためのフォトマスクの基本パターンとを示す図である。
【図6】図5の基本パターンから構成したフォトマスクの基本パターンの配列例を示す図である。
【図7】図6のフォトマスクを用いて作製した計算機ホログラムを取り付けたホログラムメガネの斜視図である。
【図8】ホログラムメガネとその作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1…メガネフレーム
2、3…透過型ホログラム
4、5、6、7…小面積の光源
8、9、10、11…予め選択された置き替えパターン
15…平行光
16…回折光
17…透明基板
18…レリーフパターン
20…計算機ホログラム(ホログラム面、要素ホログラム)
21…セル
30…像領域(再生像面)
31…セル
Claims (7)
- 枠内に透過型のフーリエ変換ホログラムとして構成された計算機ホログラムが嵌め込まれてなるホログラム観察具において、前記計算機ホログラムが、同一特性の微小な計算機ホログラムからなる要素ホログラムを多数並列配置して矩形形状に構成されたものからなり、前記計算機ホログラムから再生可能な原画パターンに対して、前記計算機ホログラムの予め定めた四隅の中の何れか1つ隅の要素ホログラムが省かれて構成されていることを特徴とするホログラム観察具。
- 前記計算機ホログラムは、位相ホログラムからなることを特徴とする請求項1記載のホログラム観察具。
- 前記計算機ホログラムの位相分布が4段階以上に多値化されていることを特徴とする請求項2記載のホログラム観察具。
- 観察具の左右の枠内に嵌め込まれた計算機ホログラムに記録されている原画パターンが両眼視差を有する原画パターンであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のホログラム観察具。
- 観察具用の透過型のフーリエ変換ホログラムとして構成されホログラム観察具用の計算機ホログラムにおいて、前記計算機ホログラムが、同一特性の微小な計算機ホログラムからなる要素ホログラムを多数並列配置して矩形形状に構成されたものからなり、前記計算機ホログラムから再生可能な原画パターンに対して、前記計算機ホログラムの予め定めた四隅の中の何れか1つ隅の要素ホログラムが省かれて構成されていることを特徴とする計算機ホログラム。
- 前記計算機ホログラムは、位相ホログラムからなることを特徴とする請求項5記載の計算機ホログラム。
- 位相分布が4段階以上に多値化されていることを特徴とする請求項6記載の計算機ホログラム。
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