JP4367300B2 - 延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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[1]mass%で、C:0.05〜0.3%、Si:0.01〜2.0%、Mn:1〜3%、P:0.001〜0.05%、S:0.0001〜0.01%、Al:0.10超〜2.0 %、N:0.001〜0.01%を含有し、かつSi/Al=0.01〜10を満足し、残部Fe及び不可避不純物からなる組成と、平均結晶粒径10μm以下のフェライト相を体積分率で40〜90%、残留オーステナイト相を体積分率で1.0〜20%含み、残部が低温変態相である鋼組織を有し、かつ鋼板表面における最高Si濃度/平均Si濃度が1.1〜4.0であることを特徴とする延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。
「2」上記[1]において、さらに、mass%で、Ti:0.001〜0.2%、Nb:0.001〜0.2%、V:0.001〜0.5%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。
[3]上記[1]または[2]において、さらに、mass%で、Cu:0.01〜1%、Ni:0.01〜1%、Mo:0.01〜1%、Cr:0.01〜1%、B:0.0001〜0.005%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。
[4]上記[1]ないし[3]のいずれかにおいて、さらに、mass%で、Ca:0.0001〜0.005%を含有することを特徴とする延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。
[5]上記[1]ないし[4]のいずれかに記載の組成を有する鋼スラブを鋳造後、加熱、熱間圧延、酸洗、冷間圧延を施して鋼板とし、該鋼板を連続焼鈍するにあたり、雰囲気ガスの露点:-50℃〜0℃、雰囲気ガスの水素濃度:1.0〜100%の条件下で、焼鈍温度:700〜900℃、保持時間:10〜1000秒として加熱後、冷却速度:5〜150℃/秒、冷却停止温度:300〜500℃として冷却を行い、次いで、熱処理温度:300〜500℃、熱処理時間:100〜1400秒として熱処理することを特徴とする延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板の製造方法。
Cは残留オーステナイト相の生成、および低温変態相を利用して鋼を強化するために必要不可欠である。0.05%に満たないと所望の残留オーステナイト相が得られない。一方、0.3%を超えて含有してもその効果は飽和する。また一般に、低温変態相の強度はC量に比例する傾向にある。590MPa以上のTSを得るには0.05%以上必要であり、TS確保の観点からはさらにC量が多いほうが好ましい。しかし、0.3% を超えて含有すると、スポット溶接性が著しく劣化する。また低温変態相が過度に硬質化し延性など成形性も低下する傾向にある。以上より、Cは0.05%以上0.3%以下、好ましくは0.06%以上0.18%以下とする。
Siはオーステナイト相を安定化し残留オーステナイト相の生成を促進させる元素である。しかしながら含有量が0.01%に満たないと添加効果はなく、一方、2.0%を越えて添加しても効果は飽和する。また固溶強化により強度向上に寄与する元素であり、その効果は0.01%未満では発揮されない。しかし、2.0%を越えて含有してもその効果は飽和するばかりではなくフェライト相の延性も低下する。また過度に含有することにより、熱延時に難剥離性のスケールを生成し鋼板の表面性状を劣化させ、加えて鋼板表面、結晶粒界などに偏析、濃化する。さらに、鋼板表面にSi酸化物が存在する、もしくは局所的に偏在し高濃度に存在すると、鋼板表面に不活性な部位が点在することになり、化成処理薬液に浸漬時、化成結晶の核生成を阻害し、その後の塗装後耐食性が低下する。以上より、Siは0.01%以上2.0%以下、好ましくは0.02%以上1.6%以下とする。
Mnは、鋼の焼入れ性を高め硬質な低温変態相を得る作用があり強度に寄与する。また熱間割れの原因であるFeSの生成を防止する役割がある。このような作用は1%以上を含有することで認められる。一方、3%を越えて過度に含有すると、Mnの偏析などに起因し部分的に変態点が異なる組織となり、結果としてフェライト相と第2相である低温変態相が層状に分布し、組織は不均一化し、延性は低下する。以上より、Mnは1%以上3%以下、好ましくは1.2%以上2.5%以下とする。
Pは、固溶強化元素である。一方で、粒界への偏析により粒界の結合力を低下させ成形性を劣化させ、またスポット溶接性を低下させる元素でもある。0.05%を超えると、その影響が顕著に現れる。一方で、過度の低減は製鋼工程における製造コストの増加を伴う。以上より、Pは0.001%以上0.05%以下、好ましくは0.001%以上0.02%以下とする。
Sは増加すると介在物MnSとして存在し、冷間圧延後に板状の介在物として存在し、特に材料の極限変形能を低下させ、成形性を低下させる。しかし、Sの含有量が0.01%までは許容できる。一方、過度の低減は製鋼工程における脱硫コストの増加を伴う。以上より、Sは0.0001%以上0.01%以下、好ましくは0.0001%以上0.0050%以下とする。
Alは、製鋼工程において脱酸剤として有効であり、局部延性を低下させる非金属介在物をスラグ中に分離する点でも有効である。また、化成処理性に悪影響を及ぼすSiよりも酸化しやすく、鋼板表面にSiが局在したり、Siが表面に過剰に濃化するのを抑制する効果も有する。さらに、Alはフェライト中に一部固溶し、フェライトを強化し、フェライト相と硬質な低温変態相の硬度差を低減し穴拡げ率向上にも寄与する。このような作用を得るには0.10%を超える量の添加が必要である。一方、2.0%を超えて添加すると、鋼板表面が過度にAlで被覆されることになり、その結果鋼板表面が不活性化し、化成結晶の核生成サイトが減少し、化成処理性は低下し、耐食性も劣化する。また、鋼成分コスト増を生じるだけではなく、溶接性を低下させる。以上より、Alは0.10%超2.0%以下、好ましくは0.2%以上1.5%以下とする。
組織強化鋼において材料特性に及ぼすNの影響はあまり大きくはないが、Nは窒化物を形成し、スラブの表面割れを抑制する作用を有する。そのような作用を得るには0.001%以上の添加が必要である。一方、0.01%を越えて含有しても飽和する傾向にある。以上より、Nは0.001%以上0.01%以下、好ましくは0.001%以上0.0050%以下とする。
SiとAlはともに酸化されやすい元素であり、お互いに単独で過度に表面に存在すると化成結晶が鋼板表面上に十分形成されず、十分に、均一微細かつ緻密に化成結晶の未付着部がない状態で化成処理皮膜が形成されず、塗装後の耐食性は低下する。ゆえに、SiとAlの添加バランスを最適化することは重要であり、本発明においては重要な要件の一つであり、Si/Alは0.01以上10以下とする。
Ti、Nb、Vのうち1種または2種以上を含有することが好ましい。Tiは炭窒化物を形成するため多量に含有するとフェライト相中に析出し、フェライト相の延性を低下させるため好ましくないが、適量であれば結晶粒微細化による組織の均一化に寄与し、成形性が向上する。特に熱延加熱時の粒成長を抑制する効果が大きい。またスラブ冷却時に高温でTi系炭窒化物や硫化物を析出して、比較的低温で生成するAlNや、結晶粒微細化の目的から添加されるNb、Vによって粒界に生成するNb系やV系炭化物の析出を抑制し、スラブ表面割れを防止する上でも有効な元素である。しかし、多量に含有すると本来冷延加熱焼鈍中にオーステナイト相へ濃化すべきC量が減少し、最終的に得られる残留オーステナイト相の体積分率を低下させる。よって、含有する場合、Tiは0.001%以上0.2%以下、さらに好ましくは、0.001%以上0.05%以下とする。
さらにCu、Ni、Mo、Cr、Bのうち1種または2種以上を含有することが好ましい。Cu、Ni、Mo、Crは低温変態相の生成促進または低温変態相自体の強化を通じで強度に寄与する元素であり、Bは焼入れ性を高め低温変態相の生成を促進させる効果を発現する。しかし過度に含有することにより焼入性が高くなりすぎフェライト相の生成が抑制され、低温変態相の硬化などにより成形性が低下する。またコスト的にも不利となる。よって、含有する場合、Cuは0.01%以上1%以下、Niは0.01%以上1%以下、Moは0.01%以上1%以下、Crは0.01%以上1%以下、Bは0.0001%以上0.005%以下とする。さらに好ましくは、Cuは0.01%以上0.5%以下、Niは0.01%以上0.5%以下、Moは0.01%以上0.5%以下、Crは0.01%以上0.5%以下、Bは0.0001%以上0.002%以下である。
CaはMnSなど硫化物の形状制御により延性を向上させる。一方、多量に含有してもその効果は飽和する傾向にある。よって、含有する場合、Caは0.0001%以上0.005%以下、さらに好ましくは0.0001%以上0.002%以下とする。
結晶の微細化は鋼板の伸びフランジ性の向上に寄与する。そこで、本発明では、複合組織中のフェライト相の平均結晶粒径を10μm以下に制限することとする。フェライト相の平均結晶粒径が10μmを超えると、伸びフランジ性の顕著な向上作用が期待できない。過度に粗大化することによりプレス成形後に鋼板表面が荒れることもある。また、フェライト相の平均結晶粒径は小さいほうが望ましく、好ましくは5μm以下である。
フェライト相は、セメンタイトなど鉄炭化物を含まない軟質相であり、変形能に優れ、鋼板の延性を向上させる。このような顕著な延性向上効果を得るために、本発明の鋼板では、フェライト相を体積分率で40%以上含有させる必要がある。一方でフェライト相が90%を超えて存在すると強度の確保が困難となる。以上より、フェライト相の体積分率は40%以上90%以下、好ましくは50%以上80%以下とする。
残留オーステナイトは、加工時にマルテンサイトを歪誘起変態し、局部的に加えられた加工歪を広く分散させ、鋼板の延性を向上させる作用を有する。このような顕著な延性向上効果を得るために、本発明の鋼板では、残留オーステナイトを体積分率で1.0%以上含有させる必要がある。一方20%を越えて含有してもその効果は飽和するばかりではなく、硬質な残留オーステナイト相が過度に存在することにより、伸びフランジ性の低下など局部延性に悪影響を及ぼす。以上より、残留オーステナイト相の体積分率は1.0〜20%、好ましくは2〜10%とする。
本発明の鋼の組織において、フェライト相及び残留オーステナイト相以外の残部は低温変態相とする。なお、低温変態相とは、マルテンサイト相、ベイナイト相、パーライト相を指すものである。マルテンサイト相およびベイナイト相はともに硬質相であり、組織強化によって鋼板の強度を増加させる作用を有している。また、変態生成時に可動転位の発生を伴うため、鋼板の降伏比を低下させる作用も有する。このような効果を十分に得ようとする場合には、低温変態相はマルテンサイト相が好適である。なお、この低温変態相におけるマルテンサイト相、ベイナイト相、パーライト相の量は特に限定されず、鋼板の強度に応じて適宜分配すればよい。ただし、パーライト相は多量に存在すると強度の確保が困難となり、またパーライト相の存在により残留オーステナイト相生成のために必要なCも消費されるため延性が低下することになるので5%以下が好ましく、5%以下であれば構成相の一つとして存在してもかまわない。
鋼板表面におけるSi濃度分布は、本発明おいて、重要な要件の一つであり、鋼板の表面性状を良好とするため、最適化する必要がある。電着塗装後に塩温水のような劣悪な環境下にさらされた場合、鋼板表面のSi酸化物が原因となり、塗膜の2次密着性が著しく劣化する。この2次密着性の劣化は、電着塗装の下地処理として行われるリン酸亜鉛などによる化成処理皮膜の形成工程の初期において、鋼板表面のSi酸化物が鋼板のエッチング性を阻害するためである。そして、Si酸化物が局所的に高濃度で存在している場合には、高Si濃度の場所では化成結晶の形成が阻害され、鋼板全体ではエッチングのされかたにムラを生じ、均一な鋼板表面を確保することが困難となる。以上の理由により、鋼板表面における最高Si濃度/平均Si濃度は4.0以下とする。一方、Siが平均的に存在していれば、エッチング性は悪いが、均一に反応が進み成分濃度ムラのない均一な鋼板表面となり、より均一微細かつ緻密に化成結晶の生成が進行する。ゆえに、成分が均一であればあるほど好ましく、最高Si濃度/平均Si濃度が1.1レベルであれば化成処理上の問題はなくなる。したがって鋼板表面における最高Si濃度/平均Si濃度は1.1以上とする。以上より、鋼板表面におけるSi濃度分布:最高Si濃度/平均Si濃度は1.1以上4.0以下、好ましくは1.2以上3.5以下とする。なお、鋼板表面におけるSi濃度分布を最適化する手段としては、特定の条件下で冷延鋼板を連続焼鈍することが挙げられ、特にその中でも焼鈍中の雰囲気制御が重要である。焼鈍中の雰囲気が高露点、酸化雰囲気になると、鋼板表面にSi元素が局在し、局所的にSi濃度が高くなり、また鋼板全面にSiが濃化する傾向にもあり、最終的に得られる鋼板の最高Si濃度/平均Si濃度が高くなる。また、鋼板表面におけるSi濃度分布の最適化の点では、上述したSiの添加量、Si、Al成分バランスを制御することも重要となってくる。
加熱焼鈍時の雰囲気は、酸化皮膜の還元可能な領域として、エリンガムダイヤグラム図により適切な露点および水素濃度を選択する必要がある。雰囲気ガスの露点が0℃を超えて高い場合、Si、Al、P、Mnなど易酸化性元素の酸化皮膜が還元しにくくなり、特にSi、Alが最終的に鋼板表面に存在し、化成処理性を低下する。一方で、雰囲気ガスの露点を-50℃より低くすることは工業的に困難である。よって、雰囲気ガスの露点は-50℃以上0℃以下、好ましくは-40〜-10℃とする。雰囲気ガスの露点同様、雰囲気ガスの水素濃度が1.0%に満たない場合、酸化皮膜が還元しにくく、好ましくない。よって、加熱焼鈍時の水素濃度は1.0%以上100%以下、好ましくは5%以上50%以下とする。このように、鋼中のSi、Alに起因する酸化皮膜を還元性雰囲気で還元できるように加熱焼鈍時の雰囲気ガスの露点、雰囲気ガスの水素濃度を制御することにより、表面濃化を抑制し化成処理性の低下を抑制することが可能となる。
焼鈍温度が700℃より低い場合、冷間圧延により結晶粒が展伸した組織に起因し、バンド状の不均一な組織となり、伸び、穴拡げ率および曲げ性が劣化する。また連続焼鈍時に十分なオーステナイト相が存在せず、最終製品に低温変態相や残留オーステナイト相が得られず、強度不足、加工性の低下などをまねく。一方、焼鈍温度が900℃より高い場合、結晶粒径は過度に粗大化し穴拡げ率が低下し、またフェライト相の生成量も減少し伸びも低下する。以上より、焼鈍温度は700℃以上900℃以下とする。
10秒未満では未溶解炭化物が存在する可能性が高くなり、オーステナイト相の存在量が少なくなる可能性があり、強度確保が困難となる。一方、長時間焼鈍により結晶粒は成長し粗大化する傾向にあり、1000秒を超えると加熱焼鈍中のオーステナイト相の粒径が粗大化し、最終的に熱処理後に得られる鋼板の組織が粗大化し、穴拡げ率が低下する。またフェライト相の生成量も減少し伸びも低下する。加えてプレス成形後の肌荒れの原因ともなり好ましくない。したがって、より微細な組織を達成することと、焼鈍前の組織の影響を小さくし均一微細な組織を得ることとを両立するためには、焼鈍時間は10秒以上1000秒以下とする。好ましくは20秒以上500秒以下である。
冷却速度が5℃より遅いと、フェライト相が過度に生成し、TS590MPa以上を確保することが困難となる。また、オーステナイト相はパーライト相もしくはベイナイト相に変態し、残留オーステナイト相の生成量が減少してしまうため、TRIP効果が得られなくなる。一方、冷却速度が150℃より高いと、過度にマルテンサイト相が生成し、フェライト相が得られず、伸び、曲げ性が低下する。以上より、冷却速度は5℃/秒以上150℃/秒以下とする。より好ましくは20℃/秒から100℃/秒である。なお、この場合の冷却は、放冷、ガス冷却、ミスト冷却、ロール冷却などを用いて行うことが可能である。
300℃より低い温度まで冷却すると、オーステナイト相はマルテンサイト相に変態してしまい所望の量の残留オーステナイト相が得られない。一方、500℃より高い温度ではオーステナイト相はほとんどがパーライト相またはベイナイト相に変態してしまい、TRIP効果が期待できなくなる。よって、冷却停止温度は300℃以上500℃以下、好ましくは350〜450℃とする。
熱処理温度が300℃より低い場合、熱処理中にオーステナイト相がマルテンサイト相に変態し、硬質相が多く存在するため、伸び、穴拡げ率および曲げ性など成形性が劣化する。一方、500℃を越えるとベイナイト変態が過度に進行し所定の量の残留オーステナイト相を確保するのが困難となり、プレス加工時にTRIP効果が発現しなくなる。以上より、熱処理温度は300℃以上500℃以下、好ましくは350〜450℃とする。
急冷後、熱処理時間は残留オーステナイト相を確保する上で重要な因子である。しかし、熱処理時間が100秒に満たないと、残留オーステナイト相はマルテンサイト相へ変態し、硬質化し、TRIP効果が発現しない。そして、高TS化し、伸び、穴拡げ率など成形性が劣化する。一方、1400秒を越えてもその効果は飽和する傾向にあるばかりで、ベイナイト変態が過度に進行し残留オーステナイト相が減少するので好ましくない。以上より、熱処理時間は100秒以上1400秒以下、好ましくは200〜1200秒とする。
(3)最高Si濃度/平均Si濃度:日本電子製JXA8600MXにて分析エリア:200μm×200μm、電子線加速エネルギー:15kV、電流:1.2×10-7A、分析時間:50msec/point の条件下でSi元素分布調査を実施した。Siカウントの分布を測定し、最高Siカウント/平均Siカウント=最高Si濃度/平均Si濃度とした。
(4)最高Al濃度/平均Al濃度:上記最高Si濃度/平均Si濃度の測定方法と同様の条件で、Al元素分布調査を実施し、Alカウント分布を測定し、最高Alカウント/平均Alカウント=最高Al濃度/平均Al濃度とした。
Claims (5)
- mass%で、C:0.05〜0.3%、Si:0.01〜2.0%、Mn:1〜3%、P:0.001〜0.05%、S:0.0001〜0.01%、Al:0.10超〜2.0 %、N:0.001〜0.01%を含有し、かつSi/Al=0.01〜10を満足し、残部Fe及び不可避不純物からなる組成と、平均結晶粒径10μm以下のフェライト相を体積分率で40〜90%、残留オーステナイト相を体積分率で1.0〜20%含み、残部が低温変態相である鋼組織を有し、かつ鋼板表面における最高Si濃度/平均Si濃度が1.1〜4.0であることを特徴とする延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。
- さらに、mass%で、Ti:0.001〜0.2%、Nb:0.001〜0.2%、V:0.001〜0.5%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。
- さらに、mass%で、Cu:0.01〜1%、Ni:0.01〜1%、Mo:0.01〜1%、Cr:0.01〜1%、B:0.0001〜0.005%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。
- さらに、mass%で、Ca:0.0001〜0.005%を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の組成を有する鋼スラブを鋳造後、加熱、熱間圧延、酸洗、冷間圧延を施して鋼板とし、該鋼板を連続焼鈍するにあたり、
雰囲気ガスの露点:-50℃〜0℃、雰囲気ガスの水素濃度:1.0〜100%の条件下で、焼鈍温度:700〜900℃、保持時間:10〜1000秒として加熱後、冷却速度:5〜150℃/秒、冷却停止温度:300〜500℃として冷却を行い、次いで、熱処理温度:300〜500℃、熱処理時間:100〜1400秒として熱処理することを特徴とする延性および化成処理性に優れる高強度冷延鋼板の製造方法。
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