JP4359730B2 - モノトーン変換装置、モノトーン変換方法およびモノトーン変換プログラムを記録した媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーの画像をモノトーンの画像に変換するモノトーン変換装置、モノトーン変換方法およびモノトーン変換プログラムを記録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルスチルカメラが急速に利用されはじめている。ディジタルスチルカメラで撮影した場合、画像をデータとして管理できるようになり、画像処理などが簡単に行なえる。例えば、カラー画像を白黒であるとかセピア調といったモノトーンの画像に変換できる。
従来、このようなモノトーンへの変換はドットマトリクス状の各画素ごとに輝度を維持したままモノトーン化したデータに置換するだけの処理を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のモノトーン変換装置においては、モノトーン変換した場合の画像の質についてはあまり問われておらず、その結果、元の輝度分布が悪くてもそのまま変換されてしまうという課題があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、モノトーン変換する場合であっても画像の質を向上させることが可能なモノトーン変換装置、モノトーン変換方法およびモノトーン変換プログラムを記録した媒体の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに色分解した所定の要素色で各画素毎に階調表現した画像データを取得する画像取得手段と、この画像データに基づいて各画素の輝度相当値の集計を行なう輝度分布集計手段と、集計された輝度分布に基づいて当該輝度分布を変更する輝度変換の対応関係を導出する輝度対応関係設定手段と、この導出された輝度変換の対応関係に基づいて上記画像データにおける各画素の輝度を変換したモノトーンの画像データを生成する画像データ変換手段とを具備する構成としてもよい。
【0005】
上記構成においては、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに色分解した所定の要素色で各画素毎に階調表現した画像データを画像取得手段が取得すると、輝度分布集計手段がこの画像データに基づいて各画素の輝度相当値を集計し、輝度対応関係設定手段は集計された輝度分布に基づいて当該輝度分布を変更する輝度変換の対応関係を導出するので、画像データ変換手段はこの導出された輝度変換の対応関係に基づいて上記画像データにおける各画素の輝度を変換したモノトーンの画像データを生成する。
本発明は、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに色分解した所定の要素色で各画素毎に階調表現した画像データを取得する画像取得手段と、上記画像データに基づいて各画素の輝度相当値の集計を行なう輝度分布集計手段と、輝度相当値を変換することにより輝度分布を変更する輝度変換テーブルを、上記集計された輝度分布に基づいて導出するとともに、輝度相当値を所定の色調のモノトーンを表現する要素色に変換するための要素色毎の変換テーブルを設定し、当該輝度変換テーブルを当該要素色毎の変換テーブルそれぞれに統合することにより要素色毎の統合変換テーブルを生成するテーブル設定手段と、上記要素色毎の統合変換テーブルそれぞれに上記画像データにおける各画素の輝度相当値を入力させ、各統合変換テーブルによる変換結果として各画素の要素色毎の階調値を得ることにより上記所定の色調のモノトーンの画像データを取得する画像データ変換手段とを具備する構成としてある。
【0006】
すなわち、画像を構成する各画素ごとの輝度相当値(輝度あるいは厳密ではないが輝度に相当する値を意味する)についてその分布を求め、この輝度分布に改善される余地があれば輝度変換の対応関係を導出し、これに基づいて各画素の輝度を変換したモノトーンの画像を生成する。より具体的には、ある画素の輝度を適正な輝度としつつ各画素の色がモノトーンとなるように変換する。
画像データのモノトーンへの変換は、各種の分野において利用されている。例えば、ディジタル画像をコンピュータのフォトレタッチソフトなどに入力し、同ソフト上で所望のフィルタ処理を掛ける際に一つの選択肢としてモノトーン変換が用意されている。また、ディジタルスチルカメラ自身にセピア調の撮影というモノトーン変換が用意されていることもある。従って、画像取得手段については、カラー画像データが取得されうるものであればよく、CCDのような具体的な撮像素子であるとか、スキャナのような外部機器であるとか、あるいはデータ回線のように単に画像データを供給するだけのものであるなど、特に限定されるものではない。さらには、画像データが既にメモリ上に展開された状態で用意されている場合でも、同メモリから読み出す時点で画像データを取得することに該当する。
【0007】
ここでいうモノトーンとは必ずしも白黒に限るものではなく、いわゆ単一の着色された表現であってもモノトーンである。モノトーン変換の一例として、上記輝度対応関係設定手段は、輝度相当値での輝度分布の変更を行うための対応関係の設定と、輝度変更後に各要素色間の構成比を所定の割合とする対応関係設定をする構成としてもよい。
【0008】
上記構成においては、輝度相当値での輝度分布の変更を行なった後に各要素色間の構成比を所定の割合としている。すなわち、モノトーン画像データにおける各要素色間の構成比がある所定の割合となっているので、セピア調などの着色されたモノトーン画像データとなる。
ただし、ここでいう各要素色間の構成比が同一である場合、白黒画像データとなる。これは、複数の要素色で白黒を表すにあたっては各成分について一致した階調値を与えるという結果にすぎないからである。
また本発明は、モノトーンの色調を指示する着色指示を外部からの入力に応じて取得する手段を備え、上記テーブル設定手段は、輝度相当値と上記取得された着色指示が示す色のモノトーンを表現する要素色との変換関係を規定した要素色毎の変換テーブルに、上記輝度変換テーブルを統合する構成としてもよい。
【0009】
なお、対応関係を導出する際に、個別に各階調値に対して最適な階調値を求めていくのは煩雑である。従って、上記対応関係を一括して決定するトーンカーブに基づいて変換テーブルを生成し、オリジナルの輝度から修整された輝度へ変換するにあたってこの変換テーブルを利用して変換すればよい。むろん、このトーンカーブは輝度分布に基づく対応関係を表している。例えば、輝度分布を求めた結果が全体として暗い領域に分散しているようであれば、全体として明るい側に移動させることになるが、このときにγカーブのようなあるパラメータによって一義的に定まるカーブをトーンカーブとして利用することとし、このパラメータだけを決めるようにする。これによって階調値の幅に関わらず、トーンカーブによってそれぞれの階調値に対応する変換値が決定されることになる。
なお、トーンカーブとしては、一方向にのみ凹凸を有する場合に限らず、S字型とするなど適宜変更可能である。
【0010】
各要素色間の構成比を所定の割合とするに際しても、その実現手法は様々であり、全階調値にわたって一定の割合にする場合に限られない。その一例として、上記輝度対応関係設定手段は、輝度変更後に各要素色間の構成比を所定の割合とするにあたり、トーンカーブを利用してある輝度値で一定の構成比を実現しつつ全階調値にわたって滑らかに変化させる構成としてもよい。
また本発明は、上記テーブル設定手段は、各要素色間の構成比を上記所定の色調のモノトーンを表現するための割合とする上記要素色毎の変換テーブルとして、ある輝度相当値で一定の構成比を実現しつつ全階調値にわたって変換結果を滑らかに変化させるトーンカーブを利用する構成としている。
【0011】
全階調値にわたって一定比としようとすると、輝度値が「0」に近いときには一定比で実現可能であるものの、階調値が最高値に近いときには一定比を実現するのが困難である。従って、ある輝度値において代表的な構成比を実現しつつ端部側では差異が収束するようなトーンカーブを利用することにより、全階調値にわたって滑らかに変化させて、上記不具合を解消する。
また、モノトーンを生成する手法の一例として、上記輝度対応関係設定手段は、輝度相当値での輝度分布の変更と輝度変更後に各要素色間の構成比を所定の割合とする変換とを一括して行う対応関係を設定する構成としてもよい。
【0012】
最終的に輝度が適正値に修正されつつ各要素色の構成比が所定の割合となるようにするためには、一旦、輝度相対値でのモノトーン変換の対応関係を導出して概念的には白黒で輝度変換しておき、白黒の輝度値が変換された状態で各要素色間の構成比を変化させるというように、二段階のステップを踏むことも可能ではある。しかし、限られた階調値である以上、予め二段階の対応を経た結果を得ておくことにより、二段階の対応関係を一度に実現することも可能となる。
【0013】
このように複数段階の対応関係を設定する一例として、上記輝度対応関係設定手段は、上記個々の対応関係に対応する変換テーブルを生成し、この変換テーブルを統合して統合変換テーブルを生成する構成としてもよい。
予めそれぞれの対応関係を表す変換テーブルを生成しておき、変換元の輝度値を全階調値にわたって変化させながら複数段階に変換テーブルを参照する。そして、その結果を変換元の輝度値に対する変換後の輝度値とすることにより、統合した統合変換テーブルを容易に実現できる。
【0014】
変換テーブルを統合するのは着色する場合に限らない。たとえば、まず、集計された輝度分布から複数の要素に基づいて個々に上記輝度変換の対応関係を導出し、次いで、それぞれの対応関係を順次適応させることになる統合した対応関係を導出する場合には、統合した対応関係を表す変換テーブルを生成する。例えば、コントラストを改善する対応関係と、明るさを改善する対応関係とは排他的なものではなく、両方の対応関係を実現するために統合した対応関係を導出する。
【0015】
この場合、最初に個々の対応関係に対応する変換テーブルを生成し、次いでこの変換テーブルを統合して統合変換テーブルを生成する。すなわち、ある変換テーブルで参照される値を利用して次の変換テーブルを参照し、その参照した値を最初の値に対応させるという具合である。むろん、参照されるべき変換テーブルは二つに限られるものではなく、任意の数の変換テーブルを統合可能である。
ところで、カラーの画像データについて各画素の輝度を求める場合、厳密な意味の輝度を求めるのは困難な場合が多い。すなわち、画像データが採用する座標系が単体の輝度のパラメータを採用していない場合は座標系を変換しなければならないが、厳密には各座標系の間に線形の対応関係がないことが多い。この場合、演算で対応関係を求めようとすれば演算量が多くなるし、対応関係を予め導出しておいた変換テーブルを利用しようとすれば再現可能な色の数によっては極めて多大なテーブルになってしまう。
【0016】
しかしながら、利用するのは輝度分布の集計結果であって必ずしも厳密な輝度である必要はない。このため、上記輝度分布集計手段が厳密な輝度の変換を行うのではなく、比較的簡易な処理で済ますことができるように各要素色の階調値から線形変換によって輝度を導出し、分布を求めるようにしてもよい。なお、ここでいう線形変換は広義に解釈することができる。例えば、テーブルを参照しなければ導出できないものであるとか、非線形演算で高負荷な演算処理を行わなければならない場合などを除き、簡略化した演算で求めることができればよい。
【0017】
また、輝度分布を求めた上でこれを改善させる段階を踏むことに意義があるのであり、改善させる具体的なポイントは特に限定されるものではない。ただ、その一例として、上記テーブル設定手段は、上記輝度分布に基づいて導かれる最大輝度から最小輝度までの範囲をコントラストの幅としつつ、当該コントラストの幅を適正な幅となるようにオリジナルの輝度から修整された輝度へ変換する輝度変換テーブルを導出する構成としてある。
【0018】
上記構成においては、輝度分布に基づいて導かれる最大輝度から最小輝度までの範囲をコントラストの幅とみなしている。この最大輝度から最小輝度までの範囲が狭い場合、利用可能なコントラストの幅を有効に利用していない。このため、コントラストの幅を拡大するような対応関係を導出することにより、オリジナルの輝度から修整された輝度へ変換させるとコントラストの幅が広くなる。なお、理論的にはこの逆もあり得る。
【0019】
また、他の一例として、上記テーブル設定手段は、上記輝度分布に基づいて導かれる画像の明るさが適正範囲にない場合に同輝度分布が全体として適正な分布となるようにオリジナルの輝度から修整された輝度へ変換する輝度変換テーブルを導出する構成としてある。
上記構成においては、上記輝度分布から画像の明るさを判断する。すなわち、輝度の分布が明るい領域に集中していれば明るすぎると判断できるし、暗い領域に集中していれば暗すぎると判断できる。従って、できるだけ偏りのないようにすることで、画像の明るさは調整可能であり、そのために輝度分布が全体として適正な分布となるような対応関係を導出している。例えば、度数分布における山が暗い領域に偏っていればこの山を全階調の中央あたりに移動させたり、逆に同山が明るい領域に偏っていればこの山を同様に全階調の中央あたりに移動させたりする対応関係を導出する。
【0020】
このように、輝度分布が改善される余地があれば輝度変換の対応関係を導出して輝度を変換する手法は必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。
また、このようなモノトーン変換装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
【0021】
発明の思想の具現化例としてモノトーン変換装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえない。
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。その他、供給方法として通信回線を利用して行なう場合でも本発明が利用されていることにはかわりない。
【0022】
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。また、本発明は、当該プログラム自体において実現されていることはいうまでもない。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、最適な輝度分布となるように各画素の輝度を調整するため、良好な画質のモノトーン画像を生成することが可能なモノトーン変換装置を提供することができる。
【0024】
また、本発明によれば、最適な輝度分布としつつ、所定の構成比となるように各要素色を求めることができ、白黒を含めて所望の色のモノトーン変換を実現できる。
さらに、本発明によれば、構成比の変化をトーンカーブで実現するため、比較的容易に各要素色の値を求めることができる。
さらに、本発明によれば、複数の段階の変換を一括して実現するので、処理を高速化できる。
【0025】
さらに、本発明によれば、変換テーブルを利用して簡易に統合した対応関係を実現することができる。
さらに、本発明によれば、コントラストの幅が適正となったモノトーン画像を生成することができる。
さらに、本発明によれば、明るさを適正範囲とした、すなわち明るすぎたり暗すぎたりすることのない適度な輝度としたモノトーン画像を生成することができる。
【0026】
さらに、本発明によれば、同様の効果を奏するモノトーン変換方法およびモノトーン変換プログラムを記録した媒体を提供できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるモノトーン変換装置をクレーム対応概略構成図により示しており、図2は同モノトーン変換装置を実現するハードウェアの一例であるコンピュータシステム10をブロック図により示している。まず、このコンピュータシステム10について説明する。
【0028】
本コンピュータシステム10は、画像データを直接的に入力する画像入力デバイスとして、スキャナ11aとデジタルスチルカメラ11bとビデオカメラ11cとを備えており、これらはコンピュータ本体12に接続されている。それぞれの入力デバイスは画像をドットマトリクス状の画素で表現した画像データを生成してコンピュータ本体12に出力可能となっており、ここで同画像データはRGBの三原色においてそれぞれ256階調表示することにより、約1670万色を表現可能となっている。なお、画像データのフォーマットは各種のものが利用されており、圧縮されたJPEG形式のものであったり、非圧縮のBMP形式のものなどがある。
【0029】
コンピュータ本体12には、外部補助記憶装置としてのフロッピーディスクドライブ13aとハードディスク13bとCD−ROMドライブ13cとが接続されており、ハードディスク13bにはシステム関連の主要プログラムが記録されており、フロッピーディスクやCD−ROMなどから適宜必要なプログラムなどを読み込み、同ハードディスク13b上に記録可能となっている。
また、コンピュータ本体12を外部のネットワークなどに接続するための通信デバイスとしてモデム14aが接続されており、外部のネットワークに同公衆通信回線を介して接続し、ソフトウェアやデータをダウンロードして導入可能となっている。この例ではモデム14aにて電話回線を介して外部にアクセスするようにしているが、LANアダプタを介してネットワークに対してアクセスする構成とすることも可能である。
【0030】
ここで、外部補助記憶装置のうち、フロッピーディスクドライブ13aやCD−ROMドライブ13cについては、記録媒体自身が交換可能であり、この記録媒体に画像データが記録された状態で供給されることにより、画像入力デバイスの一手段ともなりうる。また、モデム14aやLANアダプタを介してネットワークにアクセスした場合、このネットワークから画像データが供給されることもあり、このような場合も画像入力デバイスの一手段となりうる。
【0031】
この他、コンピュータ本体12の操作用にキーボード15aやポインティングデバイスとしてのマウス15bも接続され、さらに、マルチメディア対応のためにスピーカ18aやマイク18bを備えている。
さらに、画像出力デバイスとして、ディスプレイ17aとカラープリンタ17bとを備えている。ディスプレイ17aについては水平方向に800画素と垂直方向に600画素の表示エリアを備えており、各画素毎に上述した1670万色の表示が可能となっている。むろん、この解像度は一例に過ぎず、640×480画素であったり、1024×768画素であるなど、適宜、変更可能である。
【0032】
また、印刷装置としてのカラープリンタ17bはインクジェットプリンタであり、CMYKの四色の色インクを用いて記録媒体たる印刷用紙上にドットを付して画像を印刷可能となっている。画像密度は360×360dpiや720×720dpiといった高密度印刷が可能となっているが、階調表限については色インクを付すか否かといった2階調表現となっている。色インクについては、かかる四色のものに限らず、色の薄いライトシアンやライトマゼンタを加えた六色によってドットの目立ちを低減させることも可能であるし、インクジェット方式に限らずカラートナーを利用した静電写真方式などを採用することも可能である。
【0033】
一方、このような画像入力デバイスを使用して画像を入力しつつ、画像出力デバイスに表示あるいは出力するため、コンピュータ本体12内では所定のプログラムが実行されることになる。そのうち、基本プログラムとして稼働しているのはオペレーティングシステム(OS)12aであり、このオペレーティングシステム12aにはディスプレイ17aでの表示を行わせるディスプレイドライバ(DSP DRV)12bとカラープリンタ17bに印刷出力を行わせるプリンタドライバ(PRT DRV)12cが組み込まれている。これらのドライバ12b,12cの類はディスプレイ17aやカラープリンタ17bの機種に依存しており、それぞれの機種に応じてオペレーティングシステム12aに対して追加変更可能である。また、機種に依存して標準処理以上の付加機能を実現することもできるようになっている。すなわち、オペレーティングシステム12aという標準システム上で共通化した処理体系を維持しつつ、許容される範囲内での各種の追加的処理を実現できる。
【0034】
むろん、このようなプログラムを実行する前提として、コンピュータ本体12内にはCPU12eとRAM12fとROM12gとI/O12hなどが備えられており、演算処理を実行するCPU12eがRAM12fを一時的なワークエリアや設定記憶領域として使用したりプログラム領域として使用しながら、ROM12gに書き込まれた基本プログラムを適宜実行し、I/O12hを介して接続されている外部機器及び内部機器などを制御している。
【0035】
この基本プログラムとしてのオペレーティングシステム12a上でアプリケーション12dが実行される。アプリケーション12dの処理内容は様々であり、操作デバイスとしてのキーボード15aやマウス15bの操作を監視し、操作された場合には各種の外部機器を適切に制御して対応する演算処理などを実行し、さらには、処理結果をディスプレイ17aに表示したり、カラープリンタ17bに出力したりすることになる。
【0036】
かかるコンピュータシステム10では、画像入力デバイスであるスキャナ11aなどで写真などを読み取って画像データを取得することができる他、デジタルスチルカメラ11bで撮影した画像データを取得したり、ビデオカメラ11cで撮影した動画としての画像データを取得することができる。また、予め撮影された各種の画像データがCD−ROMソフトとして提供されることも多々ある。
近年、このような画像データはカラーであることがほぼ当然となっているが、表現を楽しむという意味で敢えてモノトーン化してみることが少なくない。従来は、印刷装置が黒インクだけを利用した白黒印刷しかでしかなかったので、当然のようにモノトーン化する処理を行っていたが、カラープリンタ17bの再現性が良好となるにつれて白黒あるいはセピア調のような着色されたモノトーン画像の印刷を行うことも多々ある。
【0037】
このようなコンピュータシステム10では、デジタルスチルカメラ11bなどで撮影した画像データを、コンピュータ本体12にて取り込み、必要な画像処理を経て、カラープリンタ17bで印刷することができる。この場合、コンピュータ本体12にて所定のアプリケーション12dを起動し、印刷対象として直接にデジタルスチルカメラ11bで撮影した画像データを取り込んだり、既にハードディスク13bなど外部記憶装置に保管してある画像データを取り込むことができる。従って、かかる処理が図1に示す画像取得手段A1を構成することになる。
【0038】
一方、アプリケーション12bはこの画像データをそのままプリンタドライバ12cに出力して印刷させることも可能であるが、このアプリケーション12bによって画像処理を実行することも可能である。本発明においては、画像データの輝度相当値(本実施形態においては厳密な意味での輝度を扱うのではなく、輝度と同等といえる輝度相当値をもって輝度として扱っている)について統計処理し、画像の特徴を把握する。この際、画像を通常どおりにモノトーン化するだけでは良好な画質と言えないならば、把握した特徴に基づいて画像データの輝度を修正するための方針を決定する。従って、このような処理が輝度分布集計手段A2や輝度対応関係設定手段A3を構成する。
【0039】
むろんこのようにして修正する方針を決定した場合には、かかる基準に基づいて画像データを修整し、その後にプリンタドライバ12cに出力して印刷させることになる。従って、この修整処理が画像データ変換手段A4を構成することになる。
すなわち、図1に示す画像取得手段A1は要素色ごとに階調値のデータを持つ画像データを取得する処理を実現する。この画像データに基づいて画像取得手段A1は簡易的に輝度相当値yを算出して輝度分布集計手段A2に集計させる。輝度分布集計手段A2では輝度分布の傾向を知ることができるようにするために輝度相当値の度数分布DBを集計する。むろん、度数分布以外の集計を実現することも可能であるが、ここでは処理の簡易さからも度数分布DBを選択している。
【0040】
輝度対応関係設定手段A3は度数分布DBに基づいてモノトーンで表したときに最適な画像が得られるような輝度の対応関係を設定するが、内部的には多段階の処理を行っている。まず、輝度分布幅検出手段A31は度数分布DBにおける分布の最大輝度Ymaxと最小輝度Ymin、およびこれらに基づく輝度分布の幅Ydifを求める。そして、これらを利用して分布幅改善LUT作成手段A32が輝度分布の幅を改善させる対応関係を示す変換テーブルLUT1を生成する。一方、度数分布DBは明暗決定手段A33でも参照され、当該画像の明暗を表す代表値として分布の中央値Ymedを求め、さらに明暗改善LUT作成手段A34は画像の明るさを改善させる対応関係を示す変換テーブルLUT2を生成する。
【0041】
分布幅改善LUT作成手段A32と明暗改善LUT作成手段A34はそれぞれ個別の観点で輝度分布を改善させる対応関係を生成している。むろん、それぞれ個別に改善させることもできるが、変換テーブルを利用した改善は容易に統合できるので、LUT統合手段A35がこれらを統合した統合変換テーブルLUT3を生成する。
このLUT3はあくまでも輝度相当値yを改善させることができるが、モノトーン変換ではセピア調のように着色されたものが好まれるし、たとえ白黒であっても要素色の階調値で表さなければならないことに変わりはない。従って、各色成分用LUT作成手段A36は輝度相当値yから各要素色の階調値へとダイレクトに変換させることになる変換テーブルLUT4R, LUT4G, LUT4Bを生成する。
【0042】
画像データ変換手段A4は、元の画像データRGBに基づいて輝度相当値yを得るか、画像取得手段A1が生成した輝度相当値yに基づいてこのLUT4R,LUT4G, LUT4Bを参照し、参照結果を変換済みの画像データR’,G’,B’として出力する。むろん、このLUT4R, LUT4G, LUT4Bはコントラストと明るさという二つの輝度分布の改善とともに着色の要素も含んでおり、これらが一括で変換された結果を得ることができる。
【0043】
では、以下にコンピュータシステム10が主にソフトウェアを利用してこれらを実現する具体的な処理についてより詳細に説明する。なお、このようなソフトウェアは、ハードディスク13bに記憶されており、コンピュータ本体12にて読み込まれて稼働する。また、導入時にはCD−ROM13c−1であるとかフロッピーディスク13a−1などの媒体に記録されてインストールされる。従って、これらの媒体はモノトーン変換プログラムを記録した媒体を構成する。また、これらの時系列的な処理はモノトーン変換方法を構成することはいうまでもない。
【0044】
本実施形態においては、モノトーン変換装置をコンピュータシステム10として実現しているが、必ずしもかかるコンピュータシステムを必要とするわけではなく、画像データを扱うとともにモノトーン画像を生成するシステムであればよい。例えば、図3に示すようにデジタルスチルカメラ11b1がモノトーン画像を生成する機能を備えており、モノトーン化した画像をディスプレイ17a1で表示したり、プリンタ17b1で印刷させるような構成とする場合にも適用可能である。
【0045】
また、図4に示すように、コンピュータシステムを介することなくプリンタ17b2を接続し、スキャナ11a2やデジタルスチルカメラ11b2あるいはモデム14a2等を介して入力されるカラーの画像データをモノトーン化して印刷する構成とすることもできる。このようなプリンタ17b2は、近年、ビデオプリンタとして家庭用テレビやビデオに接続して一場面をハードコピー化するのに使用されることも多い。この場合にカラーのまま印刷するのではなく、セピア調などにモノトーン化する機能を採用しつつ本発明を適用することが可能である。
【0046】
図5は上記モノトーン変換装置における主となる画像処理ソフトの制御内容をブロック化して表している。
ステップ110では画像データを入力する。画像データはオペレーティングシステム12aを介して読み込み、所定のワークエリアに保存する。画像データ自体は一つのファイルであり、図6に示すように先頭部分に画像のサイズであるとか色数などのプロファイルデータを備えるとともに、その後には個々の画素についてRGB256階調で表現するべく3バイトのエリアが画素数分だけ確保されている。なお、画像データは画像入力デバイスから読み込むようにしてもよいし、既に画像データファイルとしてハードディスク13bなどに保存されているものを読み込むようにしてもよい。
【0047】
画像データをワークエリアに読み込んだら、ステップ120〜ステップ140にて図7に示すようにして対象画素を移動させつつ同対象画素の画像データについて加工を行って輝度についての集計処理を行う。集計処理の内容は様々であるが、本実施形態においては「コントラスト」と「明度」の特徴量を得るための集計処理を行う。そして、全画素について集計処理を終えたら、ステップ150で集計結果に基づいて特徴量を分析しつつ、輝度分布を適正化するための改善手法を設定する。以下、これらの集計を中心に説明する。この特徴量を分析して輝度対応関係を設定するフローチャートを図8に示している。
【0048】
コントラストは画像全体としての輝度の幅を示し、コントラストが適切でないと感じる場合、コントラストの幅を広げたいという要望が主である。ある画像の各画素における輝度相当値の分布をヒストグラムとして集計したものを図9(a)で実線にて示している。実線に示す分布を取る場合、明るい画素の輝度と暗い画素の輝度との差が少ないが、輝度の分布が一点鎖線に示すように広がれば明るい画素の輝度と暗い画素の輝度との差が大きくなり、コントラストの幅が広がることになる。ここで、図9(b)はコントラストを拡大するための輝度変換を示している。変換元の輝度yと変換後の輝度Yとの間において、
Y=ay+b
なる関係で変換させるとすると、変換元の最大輝度Ymaxと最小輝度Yminの画素の差はa>1の場合において変換後において大きくなり、図9(a)に示すように輝度の分布が広がることになる。従って、このようなヒストグラムを作成するために輝度の最大値から輝度の最小値までの間隔をコントラストの幅として集計処理することが必要である。ただし、この場合はあくまでも輝度の変換であり、画像データが輝度を要素として備えていれば直接に集計が可能であるが、上述したように画像データはRGB256階調で表現されてているので、直接には輝度の値を持っていない。輝度を求めるためにLuv表色空間に色変換する必要があるが、演算量などの問題から得策ではないため、テレビジョンなどの場合に利用されているRGBから輝度を直に求める次式の変換式を利用する。
y=0.30R+0.59G+0.11B
また、このように輝度を厳密に求める必要はないので、
y=(R+G+B)/3
としてもよいし、さらには、各成分の重みの相違からG成分だけを概略値とすることも可能であり、
y=G
としてもよい。むろん、このように輝度を概略的に求めたものが現実の輝度相当値であり、簡略化した演算を利用すれば演算処理負荷が減り、高速化を図れる。ステップ120〜ステップ140では、対象画素を移動させながら各画素の画像データである3バイトを読み込み、同式に基づいて輝度yを演算する。この場合、輝度yも256階調であらわすものとし、演算された輝度yに対する度数を1つずつ加えていくことになる。
すなわち、ステップ120では画像を走査して処理していくために対象画素を示すポインタを初期位置へセットし、ステップ140にて全画素が終了したと判断されるまでステップ135にてポインタを移動させながらループ処理を繰り返す。また、各画素ごとに実行するのはステップ125で行なう注目画素の輝度相当値の算出と、ステップ130にて行なう度数分布の更新である。全画素についてその輝度相当値(Y)を算出しつつ、同輝度相当値の画素数を表す変数DB(Y)を「1」ずつ加算していくので、全画素について終了するときには輝度相当値の度数分布(ヒストグラム)が得られる。
【0049】
なお、着色する必要のない白黒への変換はこの輝度を利用すればよく、求められた輝度の階調値にRGBの各成分値を一致させることで実現する。
このようにして輝度分布のヒストグラムを得るステップ120〜ステップ140が輝度分布集計処理であり、このヒストグラムに基づいて図8に示すフローチャートで特徴量を分析しつつ輝度対応関係を設定する。
まず、ステップ210では輝度分布の両端を求める。写真画像の輝度分布は図10(a)に示すように概ね山形に表れる。むろん、その位置、形状についてはさまざまである。輝度分布の幅はこの両端をどこに決めるかによって決定されるが、単に裾野が延びて分布数が「0」となる点を両端とすることはできない。裾野部分では分布数が「0」付近で変移する場合があるし、統計的に見れば限りなく「0」に近づきながら推移していくからである。
【0050】
このため、分布範囲において最も輝度の大きい側と小さい側からある分布割合だけ内側に寄った部分を分布の両端とする。本実施形態においては、同図に示すように、この分布割合を0.5%に設定している。むろん、この割合については、適宜、変更することが可能である。このように、ある分布割合だけ上端と下端をカットすることにより、ノイズなどに起因して生じている白点や黒点を無視することもできる。すなわち、このような処理をしなければ一点でも白点や黒点があればそれが輝度分布の両端となってしまうので、255階調の輝度値であれば、多くの場合において最下端は階調「0」であるし、最上端は階調「255」となってしまうが、上端部分から0.5%の画素数だけ内側に入った部分を端部とすることにより、このようなことが無くなる。そして、実際に得られたヒストグラムに基づいて画素数に対する0.5%を演算し、再現可能な輝度分布における上端の輝度値と下端の輝度値から順番に内側に向かいながらそれぞれの分布数を累積し、0.5%の値となった輝度値が最大輝度Ymaxと最小輝度Yminとなる。
【0051】
輝度分布の幅Ydifは最大輝度Ymaxと最小輝度Yminの差であり、
Ydif=Ymax−Ymin
となる。
一方、輝度分布の幅Ydifは画像データに基づいて分析された特徴量であり、ステップ215の処理ではこの特徴量に基づいて輝度対応関係を設定するために改善パラメータを導出する。輝度分布の幅Ydifに基づいてコントラストを拡大する画像処理としては、輝度の分布に応じて傾きaとオフセットbを決定すればよい。例えば、
a=255/(Ymax−Ymin)
b=−a・Yminあるいは255−a・Ymax
とおくとすると、せまい幅を持った輝度分布を再現可能な範囲まで広げることができる。ただし、再現可能な範囲を最大限に利用して輝度分布の拡大を図った場合、ハイライト部分が白く抜けてしまったり、ハイシャドウ部分が黒くつぶれてしまうことが起こる。これを防止するには再現可能な範囲の上端と下端に拡大しない範囲として輝度値で「5」ぐらいを残すようにすればよい。この結果、変換式のパラメータは次式のようになる。
a=245/(Ymax−Ymin)
b=5−a・Yminあるいは250−a・Ymax
そして、この場合にはY<Yminと、Y>Ymaxの範囲においては変換を行わないようにするとよい。
【0052】
また、このように変換するにあたって、毎回計算する必要はない。輝度の範囲が「0」〜「255」という値をとるとすれば、各輝度値について予め変換結果を予めておき、図10(b)に示すように変換テーブルを形成しておく。この変換テーブルは分布幅改善トーンカーブと実質的に同義であり、ステップ220にて当該変換テーブルを形成している。なお、ここで作成される変換テーブルをLUT1と呼ぶ。
【0053】
単純に白黒のモノトーン画像を得るのであれば、この変換テーブルの変換結果Yを使用し、変換前の画像データ(R0,G0,B0 )について変換後の画像データ(Y1,Y1,Y1 )とすればよい。
すなわち、ステップ150において、特徴量を分析する作業は上述した最大輝度Ymaxと最小輝度Yminを求める処理が該当し、輝度対応関係を設定する作業はこれらから輝度分布の幅Ydifを求めつつ変換式のパラメータa,bを求めて変換テーブルを作成する処理が該当する。そして、もし対応関係の設定処理がこれだけであるならば、ステップ160の画像データ変換処理ではこのような変換テーブルを指定して変換前の画像データ(R0,G0,B0 )から変換後の画像データ(R1(=Y1),G1(=Y1),B1(=Y1))を生成させることになる。
【0054】
また、ステップ210の輝度分布幅検出処理は図1に示す輝度分布幅検出手段A31に相当するし、ステップ215の分布幅改善パラメータ導出処理とステップ220の分布幅改善変換テーブル作成処理は同図に示す分布幅改善LUT作成手段A32に相当する。
次に、明度について説明する。ここでいう画像の特徴量としての明度は画像全体の明暗の指標を意味しており、上述したヒストグラムから求められる分布の中央値(メジアン)Ymedを使用する。従って、この場合における集計処理は先ほどと同様にコントラストのための集計処理と同時に行われる。
【0055】
一方、特徴量を分析する際には明度の理想値であるYmed_targetとの差(Ymed_target−Ymed)を算出すればよい。なお、理想値Ymed_targetの実際の値は「106」を使用するが、固定的なものではない。また、好みを反映して変更できるようにしても良い。むろん、このようにして明度の理想値であるYmed_targetとの差(Ymed_target−Ymed)を算出する処理がステップ225の明暗検出処理に該当する。
【0056】
この特徴量(Ymed_target−Ymed)を利用して明度についての輝度対応関係を設定する場合は次のようにする。中央値Ymedが理想値Ymed_targetと比較して大きいか小さいかで画像が明るいか否かを評価できる。例えば、中央値Ymedが「85」であるとすれば理想値Ymed_targetの「106」よりも小さいので、第一次的に「暗い」と評価されるし、第二次的に暗さの程度は「106−85」と数値的に表現される。
【0057】
図11(a)は輝度のヒストグラムを示しているが、実線で示すように輝度分布の山が全体的に暗い側に寄っている場合には波線で示すように全体的に明るい側に山を移動させると良いし、逆に、図11(b)にて実線で示すように輝度分布の山が全体的に明るい側に寄っている場合には波線で示すように全体的に暗い側に山を移動させると良い。このような場合には図9(b)に示すような直線的な輝度の変換を施すのではなく、図11(c)に示すようないわゆるγ曲線を利用した輝度の変換を行えばよい。
【0058】
このように輝度分布の山を移動させる必要があるということが画像の明るさが適正範囲にない場合に相当するのであり、同輝度分布の山を移動させて全体として適正な分布となるような対応関係を導出することになる。
γ曲線による補正ではγ<1において全体的に明るくなるし、γ>1において全体的に暗くなる。上の例では中央値Ymedが「21」上がれば理想値Ymed_targetと一致することになるが、γ曲線を利用して正確に「21」上げるというのは容易ではない。このため、図12に示すように評価値である(Ymed_target−Ymed)について「5」刻み毎に対応するγの値を設定しておけばよい。この例では評価値の変動量「5」に対応してγの値を「0.05」ずつ変動させているが、両者の対応関係を適宜変更可能であることはいうまでもない。
【0059】
また、コントラストの修正の場合と同様に自動的にγの値を設定することも可能である。例えば、
γ=Ymed/106
あるいは、
γ=(Ymed/106)**(1/2)
としてγの値を求めるようにしてもよい。むろん、γ曲線による輝度の変換についても図11(b)に示すような変換テーブルを形成しておく。ここでは、上記評価値に基づいて図12に示すテーブルからγを求める処理や、上述した算出式にてγを求める処理がステップ230の明暗改善パラメータ導出処理に該当し、さらにステップ235における明暗改善変換テーブル作成処理は同γを利用してあらかじめ輝度「0」〜「255」の範囲で変換値を求めた変換テーブルを作成する処理が該当する。なお、この明暗改善変換テーブル作成処理で最終的に作成される変換テーブルをLUT2と呼ぶことにする。
【0060】
すなわち、特徴量を分析する作業は中央値Ymedあるいは評価値(Ymed_target−Ymed)などを求める作業が該当するし、輝度対応関係の設定処理ではこれからγ補正値を求めつつ変換テーブルを作成する処理が該当する。そして、輝度対応関係がこれだけならばステップ160の画像データ変換処理ではこのような変換テーブルを指定して各画素の変換前の画像データ(R0,G0,B0 )から変換後の画像データ(R1,G1,B1 )を生成させることになる。
【0061】
なお、ステップ225の明暗検出処理は図1に示す明暗決定手段A33に相当するし、ステップ230の明暗改善パラメータ導出処理とステップ235の明暗改善変換テーブル作成処理は同図に示す明暗改善LUT作成手段A34に相当する。
ところで、本実施形態においては以上のようにして二つの変換テーブルを作成している。実際の画像データの変換時に二つの変換テーブルで順次変換するのは作業的に無駄が多い。このため、ステップ240では二つの変換テーブルを統合する処理を行う。このLUT統合処理についての詳細なフローチャートを図13に示している。上述した二つの変換テーブルLUT1,LUT2は、いずれも「0」〜「255」の階調範囲となっている。このため、全階調範囲にわたり、LUT1で変換した後、さらにLUT2で変換した値をもって統合した変換テーブルLUT3の変換値とすればよい。まず、ステップ310でポインタの変数iを「0」クリアしておき、ステップ330のインクリメント処理とステップ335のループエンド判断処理によってi=0〜255のループを実行する。
【0062】
ループ内では、まずステップ315にて階調値iに対するLUT1の変換値を変数i1に保存し、ステップ320ではこの変換値i1に対するLUT2の変換値を変数i2に保存する。この変換値i2が二つの変換テーブルを参照した結果であるので、ステップ325では新たな変換テーブルLUT3における階調値iに対する変換値として設定する。なお、変換テーブルLUT1,LUT2が統合される過程を図14に示している。このようにすれば、いくつもの輝度対応関係があるにしてもそれらをすべて実行したことに相当する変換テーブルを簡易に作成することができる。むろん、かかるLUT統合処理が図1に示すLUT統合手段A35に該当する。
【0063】
ところで、この場合は個々の変換テーブルLUT1,LUT2が中間値を表すにすぎないので、階調範囲を本来の階調範囲に一致させる必要はなく、より詳細な階調範囲にしておくこともできる。例えば、中間段階では768階調にしておき、統合した変換テーブルにおいて256階調にするようにしておけば、複数の変換テーブルを経る間に誤差が徐々に大きくなっていってしまうということを防止できる。
【0064】
なお、輝度対応関係を設定する際に、図11(c)に示すものではγ曲線を利用したし、図9(b)に示すものでは一定の傾きaとオフセットbを有する直線を利用した。これらは、いずれについても1つまたは2つのパラメータを使用して広い範囲で階調値の対応関係を決定することができる意味で、広義のトーンカーブに含まれるといえる。
また、モノトーン画像といっても必ずしも白黒である必要はなく、有色のモノトーン画像も好まれる。このため、LUTが統合されたら、ステップ245にて各色成分用LUTの作成処理を実行する。図15はその詳細なフローチャートである。
【0065】
一般的に、モノトーンの代表色(一番彩度が高いRGBの組み)を(Rs,Gs,Bs)として、これに対応する輝度値をysとするとともに変換後の輝度値をY1 としたときに、変換後のRGBの値(R1,G1,B1 )は、
R1=Y1*Rs/ys
G1=Y1*Gs/ys
B1=Y1*Bs/ys
とすることができる。図16(a)はこのようにして有色のモノトーンの成分比が一定となる関係をグラフで示している。このグラフは、横軸が変換元の輝度値yを示し、縦軸が変換後の各色の階調値(各色の輝度値といえる)を示している。上述したように、一番彩度が高くなるときの輝度値をysに対してはRGBの組みが(Rs,Gs,Bs)となっており、このときのRGBの各階調値の比が輝度値yに関わらず一定に保持される。
【0066】
上の演算式によれば、G成分についても演算することになるが、G成分の輝度への影響度を考慮すればG成分として輝度値ysをそのまま代入し、R成分とB成分については輝度値がysの場合におけるG成分との差Δ1,Δ2を利用して輝度値ysから演算するようにしても良い。すなわち、
R1=Y1*(1+Δ1*(Y1/ys))
G1=ys
B1=Y1*(1−Δ2*(Y1/ys))
むろん、既に変換テーブルLUT3が作成されているため、Y1 を全階調範囲にわたって変化させたときのRGBの値(R1,G1,B1 )を変換テーブルの値として用意しておけばよい。
【0067】
この例では、各要素色の構成比(R:G:B)を必ず一定にするようにしているが、例えば、この色が最も良く現れる輝度値(ys)において各要素色の構成分(R1,G1,B1)が上記構成比(R:G:B)と一致するようにしつつ(Δ1=R−G、Δ2=G−B)、それ以外の領域では暗くなったり明るくなったりするにつれて各構成分が徐々に一致するようにすることもできる。この対応関係を図16(b)に示している。
【0068】
このグラフでは、前述したγカーブを利用した変換態様を示している。すなわち、輝度値ysにおけるRGBの組みが(Rs,Gs,Bs)となるようなγ値を算出し、そのγ値を利用してY1 を全階調範囲にわたって変化させたときのRGBの値(R1,G1,B1 )を求めて変換テーブルの値とするのである。このグラフの場合では、Rs>Gs>Bsという関係があるから、少なくともRs>Y1であり、Y1>Bsとなっている。従って、R成分について言えばγ<1となる下に凸の曲線となり、B成分について言えばγ>1となる上に凸の曲線となる。G成分について言えば厳密にはγは1以上にも1未満にもなりうるが、グラフでは簡素化してγ=1のように表している。ただ、この場合も上述したようにG成分を基準としてR成分とB成分についてのみ変換用のトーンカーブを用意することも可能である。
【0069】
むろん、このようにすると輝度値が低いときと輝度値が高いときでは上記構成比(R:G:B)と一致しない。しかしながら、輝度値が最大値になるあたりでは上記構成比を維持することができないのであるし、輝度値が低いときと輝度値が高いときは実際には黒または白となるのであってこのグラフのように輝度値ysに収束する変化態様の方が自然でもある。
輝度対応関係設定処理においては、着色するか否かに関わらず、ステップ245にて着色用LUT統合処理を実施する。図15に示すように、この着色用LUT統合処理の最初のステップ410にて着色指示パラメータCLを取得する。着色指示パラメータCLは予め色を表す値を代入しておき、同ステップ410にて値を読み込むようにしてもよいし、あるいはディスプレイ17a1にて操作者に入力を促し、キーボード15aやマウス15bの操作に応じた値を設定するようにしてもよい。むろん、着色する色とパラメータは予め対応づけてあり、パラメータが指定された場合の各色成分は、二次元テーブル構造の
LUT_R(CL,0〜255)
LUT_G(CL,0〜255)
LUT_B(CL,0〜255)
という変換テーブルに値を設定しておく。なお、色を付けずに白黒のモノトーンとする場合もあるから、各色成分を各階調ごとに一致させた変換テーブルも用意しておき、例えば着色指示パラメータCLが「0」のときにこの変換テーブルを使用するようにする。むろん、この着色用LUT統合処理は図1に示す各色成分用LUT作成手段に相当する。
【0070】
次に、ステップ415でポインタの変数iを「0」クリアしておき、ステップ435のインクリメント処理とステップ440のループエンド判断処理によってi=0〜255のループを実行する。ループ内ではステップ420〜430にて変数iの階調値における各色成分を次式によって設定する。
LUT4R(i)=LUT_R(CL,LUT3(i))
LUT4G(i)=LUT_G(CL,LUT3(i))
LUT4B(i)=LUT_B(CL,LUT3(i))
この例では、各色ごとに全階調範囲にわたって変換結果を表す変換テーブルを用意しているが、着色指示パラメータごとに各色を修正するγ補正値を用意しておき、変換テーブルLUT3の値を使ってγ補正する演算を実行し、LUT4R,LUT4G,LUT4Bの値を求めるようにしてもよい。
【0071】
図17はLUT3の変換テーブルに対して着色用の変換テーブルLUT_R,LUT_G,LUT_Bを統合する過程を示している。
図17に示すLUT3の変換テーブルは、上述したようにコントラストの修正と明るさの修正とを一段階で実現する対応関係を表すものとして実現されている。すなわち、注目画素の現実の輝度相当値yに基づいて輝度分布を修正した輝度相当値Yが得られるようになっている。
【0072】
一方、LUT_R, LUT_G, LUT_Bは、着色指示パラメータCLで指示された所定のモノトーンを表現するための変換テーブルであり、単一の輝度相当値Y1を入力すればその輝度相当値での各要素色RGBの階調値が得られる。もとより、修正前の輝度相当値yでLUT3を参照し、参照された輝度相当値Y1でLUT_R, LUT_G, LUT_Bを参照すれば、修正前の輝度相当値yに対して最適な輝度分布の修正がなされつつ所望の色に着色させたRGBの階調値が得られる。これを一つの変換で実現させるように変換テーブルを統合したものが同図に示すLUT4R, LUT4G, LUT4Bである。
【0073】
以上のようにして特徴量の分析と輝度対応関係の設定を終えたら、ステップ160にて画像データ変換処理を実行する。図18はこの画像データ変換処理のより詳細なフローチャートを示している。
画像データの変換は、輝度分布を調べたときと同様に注目画素を図7に示すようにして移動させながら各画素の画像データを修正していく。注目画素の位置はポインタで示し、ステップ510ではこのポインタを初期位置に移動させる。ステップ515では上述したのと同様にして注目画素の輝度相当値yを算出し、ステップ520〜530にてこの輝度相当値yで変換テーブルLUT4を参照し、各色成分R’,G’,B’を求める。変換自体はこれで完了し、ステップ535にて修正画像データを出力する。その後、ステップ540にてポインタを次の画素に移動し、このときにステップ545にて全画素を終了したと判断すれば画像データ変換処理を終了するし、全画素を終了していないと判断すれば上述したステップ515以下の処理を繰り返す。
【0074】
なお、この実施形態では輝度分布の集計処理の際と画像データの変換の際とで二度輝度相当値の演算を行っているが、図1の波線に示すように画像取得手段が輝度相当値を出力し、輝度分布を集計しながらワークエリアに保存しておくようにすれば、画像データ変換処理でこのワークエリアから各画素の輝度相当値を読み込んで処理を実行でき、二度の変換を行わなくても済む。また、このように輝度相当値として保存するときは1画素について1要素となる。このため、RGB各成分のために合計3バイト使用する場合と比較して1/3の1バイトで済む。従って、元の画像データよりも1/3のファイル容量となる。
【0075】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
ディジタルスチルカメラ11bで撮影した画像データをセピア調にして印刷したいものとすると、ユーザーはコンピュータシステム10で画像印刷ソフトなどのアプリケーション12dを立ち上げ、ケーブル接続であるとか着脱可能なメディアを利用してディジタルスチルカメラ11bから画像データを取り込む。そして、アプリケーション12dの操作メニューなどから画像処理として「セピア調」を選択し、「印刷」処理を選択する。この処理の概略は、図5に示すフローチャートに従って実行される。この場合は、画像データが既に取り込まれているのでステップ110の入力処理を実行したものとし、ステップ120〜ステップ140の処理を実行する。すなわち、各画素についての輝度相当値を求め、全画素にわたって輝度分布を集計する。なお、集計結果は厳格である必要はないので、全画素にわたって行うのではなく間引きした画素について集計するようにしても良い。
【0076】
ここで具体的な被写体と写真とを参照して説明する。被写体は図19(a)に示すボールであるとする。このボールは帯状の色分け模様がなされており、地球に例えると北極と南極の側で薄い色となり赤道部分で濃い色なっているとする。ディジタルスチルカメラ11bでカラー画像として撮影したところ、図19(b)に示すようになった。写真自体はコントラストの狭い画像となってしまったが、カラー画像であるので色の違いから帯状の色分け模様は認識できている。なお、図面ではあえて色の濃さに対応させていないが、色分けが分かるという意味で帯を示している。このようにコントラストが狭い画像をそのままモノトーン化してしまうと、図20(a)に示すようにかろうじて識別できていた帯状の模様が分からなくなってしまう。
【0077】
しかしながら、ステップ150として実行される特徴量分析輝度対応関係設定処理では、輝度分布からこの画像データについてのコントラストの幅Ydifであるとか分布の中央値Ymedを導出し、これを改善する変換テーブルLUT3を形成する。また、ここでは輝度分布を改善する対応関係を活かしながらセピア調のモノトーンに着色するための変換テーブルLUT4まで形成するため、この変換テーブルLUT4に基づいて画像データを修整すると、コントラストの幅が改善されつつ、明るさも良好な分布となる。むろん、この結果、画像全体がセピア調のモノトーン画像となり、図20(b)に示すようにモノトーン画像のまま帯の模様を認識できる。すなわち、白黒段階の画像修正と、一定の色に着色するという全く性質の異なる多段階の処理が一括の変換で行われ、かつ、その結果はモノトーン画像として非常に画質の良いものとなる。
【0078】
このように、カラーの画像データを入力してモノトーン化する場合に、画像データにおける輝度分布を集計し(ステップ120〜ステップ140)、集計結果を利用して輝度対応関係を設定し(ステップ150)、かかる輝度対応関係に基づいて画像データを修整した上でモノトーン画像に変換するようにしたため、単純に輝度だけに基づいてモノトーン化した場合に比べて画質を向上させることができるうえ、このような輝度分布の改善と着色の処理という多段階の変換を一括して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるモノトーン変換装置のクレーム対応概略構成図である。
【図2】同モノトーン変換装置を具体化するハードウェアのブロック図である。
【図3】本発明のモノトーン変換装置の他の適用例を示す概略ブロック図である。
【図4】本発明のモノトーン変換装置の他の適用例を示す概略ブロック図である。
【図5】本発明のモノトーン変換装置におけるメインのフローチャートである。
【図6】画像データファイルの構成を示す図である。
【図7】処理対象画素を移動させていく状態を示す図である。
【図8】特徴量分析輝度対応関係設定処理のフローチャートである。
【図9】輝度分布を拡大する必要がある場合の輝度分布(a)と変換関係(b)を示す図である。
【図10】輝度分布の端部処理(a)と輝度分布を拡大する際の変換テーブル(b)を示す図である。
【図11】γ補正で明るくする概念(a)と暗くする概念(b)と手法(c)を示す図である。
【図12】明るさの評価値とγの対応関係を示す図である。
【図13】LUT統合処理のフローチャートである。
【図14】LUTの統合過程を示す図である。
【図15】着色用LUT統合処理のフローチャートである。
【図16】モノトーンで着色するために各構成分の比が一定となるように構成分を決定する対応関係(a)と最適な階調値で各構成分の比が一定となるように構成分を決定する対応関係(b)を示すグラフである。
【図17】着色用LUTを統合する過程を示す図である。
【図18】画像データ変換処理のフローチャートである。
【図19】被写体のボール(a)とそのカラー画像(b)を示す図である。
【図20】通常のモノトーン化を行った場合の画像(a)と本発明のモノトーン化を行った場合の画像(b)の図である。
【符号の説明】
10…コンピュータシステム
11a…スキャナ
11a2…スキャナ
11b…デジタルスチルカメラ
11b1…デジタルスチルカメラ
11b2…デジタルスチルカメラ
11c…ビデオカメラ
12…コンピュータ本体
12a…オペレーティングシステム
12b…ディスプレイドライバ
12b…ドライバ
12c…プリンタドライバ
12d…アプリケーション
13a…フロッピーディスクドライブ
13b…ハードディスク
13c…CD−ROMドライブ
14a…モデム
14a2…モデム
15a…キーボード
15b…マウス
17a…ディスプレイ
17a1…ディスプレイ
17b…カラープリンタ
17b1…カラープリンタ
17b2…カラープリンタ
18a…カラーファクシミリ装置
18b…カラーコピー装置
Claims (7)
- 画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに色分解した所定の要素色で各画素毎に階調表現した画像データを取得する画像取得手段と、
上記画像データに基づいて各画素の輝度相当値の集計を行なう輝度分布集計手段と、
輝度相当値を変換することにより輝度分布を変更する輝度変換テーブルを、上記集計された輝度分布に基づいて導出するとともに、輝度相当値を所定の色調のモノトーンを表現する要素色に変換するための要素色毎の変換テーブルを設定し、当該輝度変換テーブルを当該要素色毎の変換テーブルそれぞれに統合することにより要素色毎の統合変換テーブルを生成するテーブル設定手段と、
上記要素色毎の統合変換テーブルそれぞれに上記画像データにおける各画素の輝度相当値を入力させ、各統合変換テーブルによる変換結果として各画素の要素色毎の階調値を得ることにより上記所定の色調のモノトーンの画像データを取得する画像データ変換手段とを具備することを特徴とするモノトーン変換装置。 - 上記請求項1に記載のモノトーン変換装置において、
モノトーンの色調を指示する着色指示を外部からの入力に応じて取得する手段を備え、
上記テーブル設定手段は、輝度相当値と上記取得された着色指示が示す色のモノトーンを表現する要素色との変換関係を規定した要素色毎の変換テーブルに、上記輝度変換テーブルを統合することを特徴とするモノトーン変換装置。 - 上記請求項1または請求項2に記載のモノトーン変換装置において、上記テーブル設定手段は、各要素色間の構成比を上記所定の色調のモノトーンを表現するための割合とする上記要素色毎の変換テーブルとして、ある輝度相当値で一定の構成比を実現しつつ全階調値にわたって変換結果を滑らかに変化させるトーンカーブを利用することを特徴とするモノトーン変換装置。
- 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載のモノトーン変換装置において、上記テーブル設定手段は、上記輝度分布に基づいて導かれる最大輝度から最小輝度までの範囲をコントラストの幅としつつ、当該コントラストの幅を適正な幅となるようにオリジナルの輝度から修整された輝度へ変換する輝度変換テーブルを導出することを特徴とするモノトーン変換装置。
- 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載のモノトーン変換装置において、上記テーブル設定手段は、上記輝度分布に基づいて導かれる画像の明るさが適正範囲にない場合に同輝度分布が全体として適正な分布となるようにオリジナルの輝度から修整された輝度へ変換する輝度変換テーブルを導出することを特徴とするモノトーン変換装置。
- 画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに色分解した所定の要素色で各画素毎に階調表現した画像データを取得し、モノトーン画像データを生成して出力するモノトーン変換方法であって、
上記画像データに基づいて各画素の輝度相当値の集計を行なう工程と、
輝度相当値を変換することにより輝度分布を変更する輝度変換テーブルを、上記集計された輝度分布に基づいて導出するとともに、輝度相当値を所定の色調のモノトーンを表現する要素色に変換するための要素色毎の変換テーブルを設定し、当該輝度変換テーブルを当該要素色毎の変換テーブルそれぞれに統合することにより要素色毎の統合変換テーブルを生成する工程と、
上記要素色毎の統合変換テーブルそれぞれに上記画像データにおける各画素の輝度相当値を入力させ、各統合変換テーブルによる変換結果として各画素の要素色毎の階調値を得ることにより上記所定の色調のモノトーンの画像データを取得する工程とを具備することを特徴とするモノトーン変換方法。 - 画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに色分解した所定の要素色で各画素毎に階調表現した画像データを取得し、モノトーン画像データを生成する処理をコンピュータに実行させるモノトーン変換プログラムを記録した媒体であって、
上記画像データに基づいて各画素の輝度相当値の集計を行なう機能と、
輝度相当値を変換することにより輝度分布を変更する輝度変換テーブルを、上記集計された輝度分布に基づいて導出するとともに、輝度相当値を所定の色調のモノトーンを表現する要素色に変換するための要素色毎の変換テーブルを設定し、当該輝度変換テーブルを当該要素色毎の変換テーブルそれぞれに統合することにより要素色毎の統合変換テーブルを生成する機能と、
上記要素色毎の統合変換テーブルそれぞれに上記画像データにおける各画素の輝度相当値を入力させ、各統合変換テーブルによる変換結果として各画素の要素色毎の階調値を得ることにより上記所定の色調のモノトーンの画像データを取得する機能とを上記コンピュータに実行させることを特徴とするモノトーン変換プログラムを記録した媒体。
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