[go: up one dir, main page]

JP4358618B2 - 核酸の放出及びそれらを検出するための細胞を迅速に溶解せしめるための万能な方法及び組成物 - Google Patents

核酸の放出及びそれらを検出するための細胞を迅速に溶解せしめるための万能な方法及び組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4358618B2
JP4358618B2 JP2003514951A JP2003514951A JP4358618B2 JP 4358618 B2 JP4358618 B2 JP 4358618B2 JP 2003514951 A JP2003514951 A JP 2003514951A JP 2003514951 A JP2003514951 A JP 2003514951A JP 4358618 B2 JP4358618 B2 JP 4358618B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
diameter size
solid
product
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003514951A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004535207A (ja
JP2004535207A5 (ja
Inventor
メナール,クリスティアン
ジ. ピカール,フランソワ
Original Assignee
ジェネオーム サイエンシズ カナダ インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジェネオーム サイエンシズ カナダ インコーポレイティド filed Critical ジェネオーム サイエンシズ カナダ インコーポレイティド
Publication of JP2004535207A publication Critical patent/JP2004535207A/ja
Publication of JP2004535207A5 publication Critical patent/JP2004535207A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4358618B2 publication Critical patent/JP4358618B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • C07H21/04Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids with deoxyribosyl as saccharide radical
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/06Lysis of microorganisms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1003Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6806Preparing nucleic acids for analysis, e.g. for polymerase chain reaction [PCR] assay

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

発明の背景
微生物から核酸を単離するための古典的な方法
分子生物学の出現と共に、核酸の検出に基づく診断方法の数は増えつつある。核酸増幅技術は分子生物学における代表的な有用な道具である。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の発見以来、微生物の検出及び同定をするために適切な、核酸を単離するための様々なプロトコルが記載されてきた。しかし、これらのプロトコルの大部分は、時間がかかり且つ往々にして毒性化学物質を使用する必要がある。加えて、プロトコルは各微生物種に対してティラーメードである必要がある。即ち、真菌のための溶解プロトコルは、グラム陰性細菌、又は寄生生物、又は菌胞子などに対して適切でないであろう。更に、これらのプロトコルは多くの段階を要し、試料〜試料又は持起(Carry-over)による汚染の危険性が増える。
Huguesら(Method in Microbiology, 1971, vol. 5B, Academic Press, New York)は、生物学的に活性を有する画分を調製するために微生物を崩壊せしめるための有効な方法を総説している。この方法は、所定のサイズの試料を処理するかあるいは複数の試料を適切な時間内で処理でき、所望の核酸がその完全性を維持したままであるその能力に依存するだろう。細胞を破壊する古典的物理方法としては、機械的な細胞崩壊(破砕及び粉砕、ウェットミルによる処理、超音波処理、油圧剪断、凍結加圧)、液体又は水力学的な剪断(フレンチプレス、チャイコフプレス、ホモジナイザー、ウェットミル、バイブレーションミル、フィルター、超音波による崩壊)及び固相剪断(粉砕、ヒューグースプレス)が挙げられる。細胞崩壊の化学的な方法のねらいの大部分は、膨圧の効果により細胞が漏れやすい状態になるかあるいは破裂するようにするため細胞壁もしくは細胞膜又はその両方を改変することである。方法としては、浸透圧、乾燥及び抽出、自己溶解、細胞壁合成の阻害をすること、細胞壁に対する酵素攻撃、バクテリオファージ及び他の溶解因子、及び電離放射線が挙げられる。
固形物粒子を伴うかあるいは伴わないで細胞を破壊するいくつかの方法、及びそれに関連する核酸を放出せしめるための物理的撹拌が記載されてきた。その例としては、Amocoの細胞中断装置(米国特許第5,567,050号)及びQbiogeneのFast Prep(登録商標)装置(米国特許第5,567,050号)が挙げられる。しかし、これらの特許においては、操作の数が減らされてはいない。細胞を溶解せしめるために用いられうる類似の振動型ビーズミルを用いる市販の装置としては、B. Braun Biotech (Allentown, PA, USA)のMicro-Dismembrator II及びBioSpec (Bartlesville, O.K, USA)のMini-Bead Beaterが挙げられる。しかし、この種類の装置を用いる刊行物に記載の多くの方法には、溶解段階の後に、更なる核酸精製段階が必要となる(Millerら、1999, Appl. Env. Microbiol. vol. 65.: pp. 4715〜4724; Cornejoら、1998, Appl. Env. Microbiol. vol. 64: pp. 3099〜3101)。加えて、多くのプロトコルは、機械的な細胞溶解を促すために溶原性化学物質の存在に依存している。これらの方法の主たる欠点とは、使用された化学物質が往々にして、PCRにおけるデタージェントドデシル硫酸ナトリウム(SDS)法などのその後の生物学的方法に悪影響を及ぼすことである。
臨床標本中に存在する微生物からの核酸の放出及び精製をより簡単にするための製造者による改良が近年有意に進行している。しかし、研究者にとっては、多量の商業上入手可能な核酸抽出キットの選択をすることは難かしい。これらのキットは、核酸試験(NAT)をするための多種多様な標的微生物を含む様々な試験試料の調製において性能の変動を示す。これらのキットは総核酸回収率、操作段階の数及び必要な時間が異なる。実施例2には8つの異なる商標上入手可能なDNA抽出キットと本発明の方法との比較を示している。速さ、DNAの総回収率及び操作段階の数に関しての結論としては、以下に記載の試料調製方法が最良のプロトコルであった。
簡単、迅速、万能且つ多用途である新規抽出方法
本発明中に記載の方法は迅速万能細胞溶解及び核酸調製(RUCLANAP)プロトコルである。これは、簡単で、柔軟且つ効率的なプロトコルにおいておよそ10〜15分を要する。本発明の基礎となる事象の主たる系列は、最初にキレート剤の存在下で固形粒子を用い機械的に細胞を溶解せしめること、しかる後に、増幅反応の場合に用いられるポリメラーゼに対して阻害性の物質を調節すること又はNATアッセイの他の段階に対して妨害性の物質を調節することである。前記妨害物質は試験試料中に存在しそして/又は細胞の溶解により溶解物中へと放出される。大部分の用途について、核酸の更なる精製は不要である。かかる調節は、試料もしくは溶解物中のNAT妨害物質を加熱、吸着、凍結、除去もしくは希釈することなどによって行うことができうる。この方法の利点とは、簡単で、迅速、効率的、万能(全ての微生物種で有効)且つ低コストなことである。
本発明以前は、細胞を溶解せしめるために熱が用いられ(米国特許第5,376,527号)、細胞を溶解せしめるために粒子での撹拌が用いられ(米国特許第5,567,050号及び4,295,613号及び世界特許WO02/10333)、有機溶媒中での粒子による撹拌が細胞を溶解せしめるために用いられ(米国特許第5,643,767号)、そして粒子による撹拌が、核酸に対するアクセス性を供するために即に溶解せしめた細胞に対して適用されていた(米国特許第5,942,425号)。本発明以前は、事象の特定の系列(キレートバッファー中、粒子による撹拌、しかる後のPCR妨害物質の熱による不活性化)が、分子生物学のためのDNAを調製するために適用されていた。しかし、より以前のこれらの方法において、細胞の溶解は主に沸とう段階により供された熱に主に依存する以外に、機械的な力には依存してはいなかった。例えば、Chelex(登録商標)におけるボルテックス段階、弱イオン交換マトリックス、しかる後の試料の沸とうの組み合わせを用いるものもある(Kesslerら、1997, J. Clin. Microbiol, vol. 35: pp. 1592〜1594; Drakeら、1996, Food Res. Int. vol. 29: pp. 451〜455; Yoshimiら、1993, Acta Pathol. Jap. vol. 43: pp. 790〜791)。全ての場合において、二価の陽イオンを封鎖するため、及びPCRを妨害する化合物を結合せしめるためにのみChelex(登録商標)と試料とを混合する非常に短かいvortex段階が行われ(Singer-Samら、1989, Amplification vol. 3: p11); しかも細胞溶解が、加熱段階(全ての微生物、特に細菌の胞子及び酵母細胞に対しては万能ではない)中に達成されていた。本発明の実施例19で明らかにされているように、PCRプロトコル中の加熱段階は、マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)を溶解せしめることに対して十分であるとはいえない。
特許公報WO99/15621には機械的に細菌又は酵母を溶解せしめる方法が記載されている。ここにおいて、細菌又は酵母を含んで成る液体試料は、容器中に粒子と共に置かれている。その粒子は、細菌のために90〜150μm、即ち100μmを有し、そして巨大なものは酵母のために400〜600μm、即ち500μmを有する。この方法はS.エピデルミジス(S. epiderumidis)及びC.アルビカンス(C. albicans)の約60%がボルテックスの8分後に溶解するので至適ではない。
特許公報WO00/05338には細胞を溶解せしめるための「磁気」ボルテックス方法が開示されている。細胞を機械的に破壊するために2つ以上のサイズの粒子が用いられている。より大きな方の粒子は磁場に反応する物質(即ち、鉄)からなり、一方で、より小さい方の粒子は非磁性ビーズである。巨大ビーズは磁気装置を作動させることによって運動し、そして試料が巨大ビーズと小ビーズとの間で破砕される。より小さい方のビーズは大きい方のビーズによって動かされている。小ビーズと標的細胞とのサイズ比は、幾分小さく(50/1)、一方で、巨大ビーズと小ビーズとのサイズ比は比較的大きい(40/1)。従って、巨大ビーズはそれらと小ビーズ間で標的細胞を破砕し、そして細胞成分を溶出液中に遊離せしめる機能を有する。更に、この適用により溶出率及びそこから得られた核酸の完全性の「定量的」評価のみが供される。電気泳動ゲルのみでこの方法の結果を示される。核酸に対して行われる更なる増幅方法は、高いレベルでの溶解傾向及び再現性が要求される非常に慎重を期する方法である。WO00/05338は、全体的に、開示された「磁気」ボルテックス法によりこのような高い水準を達成することに関しては触れられていない。
特許公報WO02/10333には、様々な技術に対して適合されうる方法が記載されている。その様々な技術とは即ち、超音波処理、機械ボルテックス及び磁気ボルテックスである。この方法は:a)処理される試料の総重量に対する粒子重量が50〜100%、b)(2つのサイズの粒子が用いられる場合には)大きい方の粒子の直径に対する小さい方の粒子の直径の比率が50%以下、c)9〜20分の溶解時間、d)粒子の動きに関連し且つそれ自体は溶解に関わらないガラスビーズの数が7未満であること;並びにe)d)におけるのと同じ役割を持つが、しかし磁気ボルテックスのためのものである鉄ビーズの数が5〜15であること、からなる群から選択されるパラメーターを3つ以上含んで成る。重ねて、前記溶解粒子はWO99/15621(小さい方は細菌のために90〜150μm、即ち100μmであり、そして大きい方は酵母のために400〜600μm、即ち500μm)におけるのと同じサイズを有する。粒子サイズの混合が用いられている場合は比較的長い溶解時間と共に、より大きな粒子サイズ比率(50%以上)が好まれる。超音波処理以外、他の撹拌技術には、小さい粒子を運動せしめるために存在している巨大非溶解用粒子が必要になる。これら、大きい粒子によりビーズマトリックスが一層かさばりそして溶解物との接触面での凹凸が生じ、デッドボリュームが増え、それ故に溶解物のピペッティングによる回収が一層困難になる。
Jaffeらによる刊行物(J. Clin. Microbiol, 2000, vol. 38: pp. 3407〜3412)には、体積0.5mLの細菌試料中で1.0gの100μmガラスビーズ及び0.25gのChelex−100を使用し機械的に細胞を破壊して核酸を放出せしめ、更に加熱段階が続く方法が開示されている。しかしながら、この方法は、「Chelexによるビーズビーティング」と呼ばれているが所定の種、即ち、メチシリン耐性S.アウレウス(S. aureus)(MASA)に対しては、感度が、破壊するのがより容易な他の細菌、例えばグラム陰性の種に対して許容できるとしても、感度を欠く。全ての微生物から核酸を効率的に回収するために、ビーズのサイズを変えこの方法の感度及び汎用性(「万能性」)を高めることに関する提案はない。更に、この方法は臨床試料では試験されていない。
1999年にシカゴで開催された第99回ASM総会(要約C−481)で、本発明者は、本発明の方法及びキット(その時は、IDI DNA抽出キットと呼んだ)と他の8種類のキットで行った比較試験の結果を開示した(実施例2を参照のこと)。細胞を溶解せしめることに関するプロトコル及びそれに関わる成分の詳細は示さなかった。
前記RUCLANAP法は微生物に対して万能である。何故なら、当業者はそれを用い、ウィルス、細菌、細菌の胞子、真菌、寄生生物又は他の真核細胞、例えば動物及びヒトの細胞から核酸を抽出できるからである。基本的RUCLANAPプロトコルは汎用性が高い。何故なら、用いられる臨床試料の種類に基づき、試料中に存在する微生物の濃度を希釈又は濃縮する目的、及び/もしくは粗製の核酸を抽出する目的、及び/もしくはNATアッセイの、試料−特異的妨害物質(Wilson. Applied Env. Microbiol, 1997, vol. 63: pp. 3741〜3751)を調節(不活性化、吸着、希釈又は除去)する目的のために、容易に適合せしめることができるからである。RNAの遺伝子解析をするために、RUCLANAPによる核酸の抽出をする前に試料に対してRNAase阻害物質が加えられて良い。完全長RNAの更なる精製は、例えばRT−PCRによるその後の増幅及び検出のために欠かすことができない(実施例18を参照のこと)。
この方法の用途は様々である。それは即ち、この方法を用いることで微生物核酸が首尾良く調製される試料としては、微生物培養ブロス、陽性血液培養物、寒天培地上で増殖した微生物コロニーの懸濁、並びに様々な生物試料の例えば、血液、血しょう、濃縮血しょう板、尿、脳脊髄流体、羊膜流体、胎便、創傷滲出物、排泄物、鼻腔スワブ、咽頭スワブ、肛門スワブ、膣スワブ、膣/肛門スワブ、直腸スワブ及びウシの乳が挙げられる。RUCLANAP法によるストレプトコッカス・アグラクチアエ(Streptococcus agalactiae)の溶解効率は、生菌数測定により測定した場合99.99%であると見積もられた(実施例5を参照のこと)。様々な標本と詳細な試料調製プロトコルは、実施例2〜12,15及び17〜20を参照のこと。この方法はスケールアップ又はスケールダウン、及び自動化のために改変もできる。
生物標本の取り扱いにおける関心事項の1つは安全性である。感染因子を含む臨床試料を加熱することは試料をより安全にとり扱うための1つの好適な方法である。米国特許第5,376,527号には、マイコバクテリウム・ツベロクロシス(Mycobacterium・tuberculosis)の溶菌難細胞を非感染性にするのに十分な熱の溶菌有効量が記載されている。我々は、RUCLANAP法の細胞溶解段階と加熱段階とを組み合わせることが多くの臨床試料の取り扱いをより安全することにも気が付いた。加熱及び/又は凍結段階も試験試料の取り扱いをより安全にするためにRUCLANAPの前に行われても良い。
発明の概要
本発明の目的は細胞、即ち微生物細胞もしくはウィルスから核酸を迅速に調製をするための万能な方法及び製品又はキットを供することであり、前記方法は:
A.生物試料を75μm〜2000μmの公称直径サイズを有する固体粒子(solid particles)によって形成された微粒子勾配(granulometric gradient)中に置き;
B.前記混合物を、十分な機械的な力に委ね、細胞壁及び細胞膜を崩壊させ、NATアッセイの妨害物質の存在及び/又は活性を調節する段階に更に委ねられる細胞成分及び亜細胞(ミトコンドリア)成分を放出せしめる、
ことを含んで成る。
即ち、前記粒子は100μm超及び1500μm未満の公称直径サイズを有する。好適な実施態様において、粒子は本質的に、150μm〜約1200μmで様々であり、即ち150μm超及び1180μm以下の公称直径サイズからなる。
更に好適な実施態様において、前記固体球形粒子は、2つの直径の範囲の、酸で洗浄されたガラスビーズでありその範囲とは:1つが150〜212μmであり、もう1つが710〜1180μmである。全ての細胞(細菌、酵母、真菌、寄生生物、動物及びヒトの細胞)又はウィルスに対して、前記ビーズは好適に4:1の比(w/w)で混合されており、そして1.5mLのミクロチューブあたり合計0.05gのガラスビーズがある。他のビーズ比率も可能であり;例えば、酵母細胞を溶解せしめるには、前記ビーズは好適に1:1(w/w)以上の比で混合されており、そして1.5mLのミクロチューブあたり合計約0.02gのガラスビーズがある。ウィルス粒子が溶解の標的でもある場合、もし必要又は所望ならば第3の範囲の、約75〜106μmも加えられて良い。
他の好適な実施態様において、生物試料及び粒子は、キレート剤を含有する緩衝溶液中にある。
更に好適な実施態様において、前記緩衝溶液は、10mMのトリス−HCl(pH8.0)からなり、そしてキレート剤は1MのEDTAである。
他の好適な実施態様において、用いられる機械的な力は、レベル7に設定された、埋込み基盤(recessed plat form)有無の水平軌道運動(horizontal orbital motion)を用いる装置(例えば、Fisher Scientific, Nepean, Ont, CanadaのGenie2型vortex)によって5分に渡り生み出されている。
上記の実施態様において、WO99/15621、WO00/055338及びWO02/10333に記載されているような溶解用粒子の動きには関わるが溶解には関係しない(ミリメーター直径サイズのオーダーの)巨大粒子は不要である。本発明者はこれら非溶解用のより巨大なサイズの粒子に代わり、小粒子と比較的より大きなサイズの巨大粒子(≒150〜212μmと≒710〜1180μm)からなる微粒子勾配を含んで成る混合物を用いている。その混合物により、使用者は溶解段階をそれ自体5分以内で且つ非溶解用巨大粒子(約2mm超の直径サイズ)など任意の機械的補助に頼ることなく行うことができる。
更に好適な実施態様において、機械的な力は、パワーレベル6に設定された垂直角度運動(vertical angular motion)を用いる装置(例えば、Qbiogene, Carlsbad, CA, USAのFast Prep(登録商標)FP−120装置)によって45秒に渡り生み出されている。
他の実施態様において、固体粒子の存在下で細胞を崩壊させるのに用いられた前記力は、超音波によって伝達されている。
NATアッセイの妨害物質を調節するために好適な実施態様の1つは、混合物を約55〜100℃の範囲の温度で十分な時間に渡り加熱することである。
他の好適な実施態様において、溶解媒体はNATアッセイを妨害する物質を結合又は吸着する活性炭(チャーコール、活性チャーコール)などの物質をも含むだろう。このような成分は、ビーズ混合物に加えられるかあるいはその一部であるだろうし、そして様々な粒子サイズ、炭素で覆われた粗合成ビーズ、又は塊状の多孔性炭素ビーズを含んで成るだろう。これらの物質により、NATアッセイの妨害物質として知られているポルフィリン及びポルフィリン様色素又は誘導体、ヘミン及びヘミン様分子、ステロイド及びステロイド様ホルモンを吸着することが可能になる。
NATアッセイ妨害物質は、単に、試料を希釈することによって、もしくは、Percoll(登録商標)など密度勾配上での除去によって、もしくは吸収媒体(チャコールなど)によって、もしくは試料を凍らせることによっても調節されて良い。NATアッセイ妨害物質を調節するための手段又は段階の組み合わせ(例えば加熱+勾配、又は加熱+希釈など)も本発明の範囲内である。
発明の詳細な説明
本発明中に記載の迅速万能細胞溶解及び核酸調製(RUCLANAP)法は、核酸の検出に基づく分子診断用途のために適切な核酸を調製するために用いられるプロトコルの中心を形成する。処理された試験試料の性質に基づき、改良が加えられて良く(下記の例を参照のこと)これは、当該方法の汎用性を裏づける。
注目の試料は最初、キレート剤をも含む緩衝溶液中で再懸濁されている。トリス(トリス[ヒドロキシメチル]−アミノメタン)がここでは好適な緩衝剤であり、その理由は、その緩衝力に加えて、トリスが、細菌細胞壁におけるリポポリサッカライド(LPS)分子同士の側方相互反応を、LPSに対して強く結合した他の陽イオンを部分的に置換することによって、弱めることにも役立つからである。しかし、代わりに生化学者に公知の他の緩衝剤をも用いることができる。多くの試料種が自然に緩衝作用を受けてしまう場合;アッセイが高感度の検出を必要としなくても良い場合はどのような緩衝剤も適切ではないかも知れない。キレート剤は、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)が好適であり、それは二価の陽イオンをキレートする。それにより、ヌクレアーゼ酵素を、それらに必須の金属性共因子を隔離することにより阻害する。しかし、代わりに他の金属キレート剤も用いられて良い。キレート化の更なる効果は、LPS分子同士の静電的反発力の中立化に関係する陽イオンを失わせ、膜のLPS単層部分の脱安定化をもたらすことである。確認された細胞浸透性増加は、以前はLPS、リン脂質分子によって占められていた空間が埋まることによるようだ(Escherichia coli and Salmonella: Cellular and Molecular Biology, 1996、第2版、Vol. 1、第5章、AM Press, Washington)。
次いで、混合物が固体粒子と接触せしめられる。前記混合物の好適な体積は約10〜500μLである。代わりに、前記粒子はキレート剤を含む溶液中に前々から存在していても良い。好適な固体粒子は、1.5mLミクロチューブ中に置かれている、無菌の、酸で洗浄されたガラスビーズからなる。固体粒子は、サイズの異なる粒子の混合物であって良い。好適な混合物は、2つのサイズ範囲のビーズからなり、第1番目は150〜212μm(70〜100U.S.ふるい)、そして第2番目は710〜1180μm(16〜25U.S.ふるい)の範囲である。しかし、一般に、小ビーズ(150〜425μm)は細菌細胞を溶解せしめるために効率的であり、酵母細胞を効率的に溶解するにはより巨大なビーズ(710μm以上)が必要である。従って、ある特定の種類の微生物のために作られた個々のキット、製品及び方法に加えて、我々は、万能溶解用混合物を考え出した。ここにおいて、2つのサイズ範囲のビーズが4:1(w/w)の比で混合されており、そしてビーズの総重量はミクロチューブあたり0.05gである。この混合物により効率的に酵母細胞を溶解せしめることができる(実施例2を参照のこと)。代わりに、酵母溶解用混合物において、2つのサイズ範囲のビーズが、1:1(w/w)の比で混合されていて、ミクロチューブあたりのビーズ総重量は0.02gである。細胞を溶解せしめるために適切であることが発見されている他の粒子としては、Ottawa砂及びジルコニアビーズが挙げられる(がそれらには限定されない)。
任意の理論に束縛されることなく、我々は、75〜約2000μm(即ち75〜1500、更に75〜1200)の範囲の直径サイズを有する粒子の微粒子勾配を用いることで、より良い溶解が可能になると考えている。このことは、様々な異なるサイズを有する粒子が存在すること(勾配)による。その勾配により細胞を崩壊させるために好ましい有効衝突表層が増え、そしてデッドボリュームが減ることによって、溶解物の回収率が高まる。細菌及び酵母として様々なサイズ及び形態を有する様々な微生物の全てを溶解をせしめるために、我々は、2つの不連続的な微粒子勾配(150〜212μmと710〜810μm)を組み合わせることが特に効率的且つ都合が良いことを発見した(実施例1を参照のこと)。他で言われる巨大非溶解用粒子(WO99/15621,WO00/055338及びWO02/10333)と溶解用のより小さな粒子の勾配とを混合することも本発明と共に用いられて良い。
次に、ウィルス、細菌、真菌、寄生生物、動物及びヒトの核酸は、機械的な作用による細胞崩壊によって放出される。機械的な作用は、Fisher ScientificのGenie2型ボルテックスを用いてパワーレベル7で1〜5分に渡り、ミクロチューブに対して水平軌道運動を適用すること(ボルテックスを掛けること)によって供されうる。細胞を破壊するための代わりの方法とは、QbiogeneのFast Prep(登録商標)FP120装置をパワーレベル6に設定して45秒に渡り用いることである。超音波発生装置などの他の装置は、細胞を破壊する十分な機械的エネルギーを適用するためには適切である。
最後の段階は、調製物を加熱することによってNATアッセイの潜在的な妨害物質を調節又は中立化することを伴う。用いられる温度は、55〜100℃で様々であって良く、好適には、本プロトコルは95℃を使う。加熱時間は、試料によって、数秒〜15分まで様々であり、通常の時間は2〜5分である。加熱は、ある種類の試料に対しては絶対必要ではないが、万能プロトコルは好適に、核酸抽出の最大性能を引き出すためにこの段階を伴う。
試料の性質によって、精製もしくは濃縮もしくは希釈段階が細胞溶解の前後いずれかにつけ加えられて良い。前記段階としては:浮遊密度分離(例えばPercoll(登録商標)による、実施例4,9、及び10を参照のこと)、ろ過、限外ろ過、遠心及び/もしくは洗浄、超遠心、炭素もしくは他の吸着物質上での固相吸着、クロマトグラフィー、磁性粒子上での捕捉、凍結などが挙げられるが、これらに限定はされない。これらの段階は全て往々にして生物試料中に存在するNATアッセイの妨害物質を調節する目的がある。RUCLANAP処理標本を凍結することにより、いくつかの場合においては感度が向上することが示されており;凍結することは、核酸増幅の妨害を回避する手段であることが知られている(Toyeら、1998, J. Clin. Microbiol, vol. 36: pp 2356〜2358; Templetonら、2001, Int. J. of STD & AIDS, vol. 12: pp. 793〜796)。
撹拌時間、及びビーズ同士の体積の比、試料の総体積及び容器の総体積は、選定の撹拌技術(磁気、機械、超音波処理)により適合せしめられて良い全てのパラメータでありうる。粒子による溶解を至適化するための戦略の例は、WO99/15621、WO00/05338及びWO02/10333中に見出される。至適化は、溶解の効率及び後に行われるNATアッセイの感度をモニタリングすることによって、所定の種類の容器及び撹拌技術に対しても行われて良い。
特に断わらない限り、引用した参考文献の内容は、単に参照することによってのみ本明細書中に組み込まれているものとみなされる。
実施例の一覧
実施例1:RUCLANAPの中心プロトコル。
実施例2:RUCLANAPと微生物培地から迅速にDNAを抽出するための8種類の市販のキットとの比較。
実施例3:Shiga毒素生産細菌を検出するためのRUCLANAPの使用。
実施例4:RUCLANAPを用いることでの、PCR増幅のための血小板濃縮物の調製。
実施例5:肛門、膣、及び膣/肛門を組み合わせた標本におけるB群ストレプトコクチ(streptococci)を検出するためのRUCLANAPの使用。
実施例6:尿の試料からS.サプロフィチカス(S. saprophyticus)を直接検出するためのRUCLANAPの適用。
実施例7:血液試料中のカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、大腸菌(Escherichia coli)及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の検出。
実施例8:臨床試料からのヒトDNAを抽出するためのRUCLANAP。
実施例9:バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)内生胞子に対するRUCLANAPの効果。
実施例10:RUCLANAPを用いてのウシの乳中の細菌の検出。
実施例11:鼻腔スワブ中のスタフィロコッカス・アウレウスを検出するためのRUCLANAPの使用。
実施例12:RUCLANAPを用いての糞便試料からのバンコマイシン耐性エンテロコクチ(enterococci)の直接検出。
実施例13:ガラスビーズサイズの比又はビーズの総重量の変化がRUCLANAPに及ぼす効果。
実施例14:粒子サイズが溶解効率に及ぼす効果。
実施例15:肛門/膣試料中に存在する潜在的な妨害物質がPCRに及ぼす効果。
実施例16:RUCLANAPに対する細菌密度の効果。
実施例17:RUCLANAPを用いての大腸菌からの完全長RNAの抽出。
実施例18:RUCLANAPを用いてのクリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvam)からのゲノムDNAの抽出。
実施例19:RUCLANAPを用いてのマイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)からのゲノムDNAの抽出。
実施例20:RUCLANAPを用いてのHIV−1からのRNAの抽出。
実施例21:RUCLANAPのためのジルコニアビーズの使用。
実施例
実施例1:
RUCLANAPの中心プロトコル。 試料(遠心後オーバーナイト培養ブロスから回収した微生物細胞、もしくは寒天培地上で増殖した微生物コロニー、もしくは臨床試料から回収した微生物細胞など)をキレート剤(1〜25mMのEDTA)をも含む緩衝溶液(10〜50mMトリスHCl、pH8.0)で再懸濁する。次いで、混合物(通常10〜100μL)を酸で洗浄した無菌のガラスビーズが入っている1.5mLのネジフタ式のコニカルミクロチューブ(V. WR. Scientific Products, Mississanga, Ont, Canada)へと移す。そこには2つのサイズのビーズがあり、第1のビーズは150〜212μmの範囲(カタログ番号G1145, Sigma, St-Louis, MO, USA)であり、そして第2のビーズは710〜1180μmの範囲(カタログ番号G1152, Sigma)である。万能溶解用混合物において、2種類のビーズが4:1の比(w/w)で混合されており、そしてビーズの総重量は0.05g/ミクロチューブである。一方で、酵母溶解用混合物の場合は、ビーズを1:1の比(w/w)で混合しミクロチューブあたりのビーズの総重量が0.02gである。
次に、ウィルス、細菌、真菌、寄生生物、動物又はヒトの核酸が、細胞が機械的な作用によって崩壊させられている場合に放出される。機械的な力は、ミクロチューブをFisher ScientificのGenie2型ボルテックス上でパワーレベル7で1〜5分に渡りボルテックス掛けすることによって供される。細胞を破壊する代わりの方法は、QbiogeneのFast Prep(登録商標)FP120装置をパワーレベル6にセットし45秒に渡り用いることである。
最後の段階には、調製物を加熱することによってNATアッセイの潜在的な妨害物質を中立化せしめることを伴う。用いられる温度は55℃〜100℃で様々であるが、好適には、本プロトコルは95℃を用いる。加熱時間は1〜15分で様々であって良く、通常の時間は2〜5分である。
このプロトコルを用いることで、我々は様々な微生物から、PCR増幅に適切な核酸を抽出できた。その微生物とは、例えば:バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、B.サブチリス(栄養細胞及び内生胞子)、B.アントラキス(B. anthracis)(栄養細胞、内生胞子及び発芽胞子)、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・ドゥブリニエンシス(Candida dubliniensis)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、コリネバクテリウム・アクコレンス(Corynebacterium accolens)、コリネバクテリウム・ゲニタリウム(Corynebacterium genitalium)、コリネバクテリウム・ジェイケニウム(Corynebacterium jeikeium)、コリネバクテリウム・、クシュエリ(Corynebacterium kutscheri)、コリネバクテリウム・ミヌティシマム(Corynebacterium minutissimum)、コリネバクテリウム・ストリアタム(Corynebacterium striatum)、クリトスポリジウム・パルバム(Crytosporidium parvum)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・ファエシウム(Enterococcus faecium)、大腸菌、ヒト免疫不全ウィルス1(HIV−1)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、クレブシエラ・ニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae)、メタノブレビバクター・スミチイ(Methanobrevibacter smithii)、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)、マイコバクテリウム・スメグマチス、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、ポルフィロモナス・グラエ(Porphyromonas gulae)、シュードモナス・アルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、サルモネラ・コレラエスイス(Salmonella choleraesuis)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、シゲラ・ジセンテリアエ(Shigella dysenteriae)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミジス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophyticus)、ストレプトコッカス・アグラクチエ、ストレプトコッカス・ミチス(Streptococcus mitis)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・パラウベリス(Streptococcus parauberis)、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)、ストレプトコッカス・サングイニス(Streptococcus sanguinis)、及びエルシニア・エンテロコルチカ(Yersinia enterocolitica)である。
RUCLANAPを用いて抽出された核酸は、−80℃又は−20℃で凍結保存した場合数ヶ月に渡り安定なままであり、そして繰り返し解凍されても良い(実施例3,5,11、及び12を参照のこと)。出発試料によっては、臨床試料に由来するDNA調製物を、4℃で保存した場合、24時間以内にPCR増幅のために用いることができ(実施例5を参照のこと)、一方で、微生物培養物に由来するDNA調製物(4℃で保存した)は、最大で1週間に渡り使用できる。上記の保存条件の全てにおいて、PCR感度の有意な喪失は確認されなかった。
実施例2:
RUCLANAPと微生物培養物からDNAを迅速に抽出するための市販の8種類のキットとの比較。 微生物培養物からDNAを迅速に単離するための市販の8種類のキットを本発明の方法と比較した。我々は以下の微生物からDNAを調製するこれらのキットの効率を検証した。その微生物とは:(i)大腸菌ATCC25922(グラム陰性細菌)、(ii)E.ファエシウムATCC19434及びS.アウレウスATCC25923(グラム陽性細菌)及び(iii)C.アルビカンスATCC56884(真菌)である。増殖の中間対数期にある培養ブロス(OD600はおよそ細菌について約0.5及び真菌について0.8)を試験試料として用いた。
従って、9種類の方法を、PCRのために適切なDNAを4つの異なる微生物から抽出するためのそれらの能力を比較することによって評価した。以下のDNA抽出方法を製造説明書に従い実行した。
・K1:Fast RNATM blueキット(Qbiogene);
・K2:Dynabeads(登録商標)DNA DIRECTTM (Dynal Biotech、Lake Success、NY, US A);
・K3:NucliSens(登録商標)(Organon Teknika、bioMeerieux、Marcy I'Eetoile、F rance);
・K4:GeneReleaser(登録商標)(BioVentures Inc.、Murfreesboro、TN, USA);
・K5:High Pure(登録商標)PCR Template preparationキット(Roche、Basel、Swi tzerland);
・K6:Instagene(登録商標)Matrix (Bio-Rad Laboratories、Mississauga、Ont.、 Canada);
・K7:QlAamp(登録商標)Tissueキット(Qiagen、Mississauga、Ont.、Canada);
・K8:Fast DNATMキット(Qbiogene);
・K9:RUCLANAP.
この実験のために用いたRUCLANAPプロトコルを実施例1に記載しており、以下の条件を用いている。その条件とは:キレートバッファー=5×TE(50mMのトリス−HCl、pH8.0、5mMのEDTA);ガラスビーズ=万能溶解混合物;機械的作用=ボルテックスで5分に渡りスピードレベル7で行うことである。異なる方法との間での比較を容易にするためにオリジナルのキットプロトコルに多少のささいな変更を加えた。これらの変更とは:(i)中間対数期における体積100μLの細菌培養物を各方法と共に常に用い、そして(ii)DNA調製物の最終体積を常に100μLへ調整しておいた。各方法で得られたDNA抽出物を連続的に希釈し、105〜1ゲノムコピー/μL当量に到達せしめた。
細菌の(16S rRNA遺伝子もしくは真菌18S rRNA遺伝子の保存されている領域を、細菌もしくはC.アルビカンスからDNAの増幅をするための標的として用いた。前記16S rRNAプライマーは以前の我々の特許に記載がある(配列番号126及び127、米国特許5,994,066号)。一方で、18S rRNAプライマーは刊行物(van Barikら、1998, J. Clin Microbiol. vol. 36: pp. 1169〜1175)に記載があった。増幅反応を20μLの反応混合物中で行った。その反応混合物は、50mMのKCl、10mMのトリス−HCl(pH9.0)、0.1%のTriton X−100、2.5mMのMgCl2、各0.4μMの選定の2つのPCRプライマー、各200μMの4つのデオキシヌレオシド三リン酸、TaqStart(登録商標)抗体(Clontech Laboratories Inc., Palo Alto, CA, USA)と組み合わせた0.5UのTaq DNAポリメラーゼ(Promega, Madison, WI, USA)を含有する。潜在的に試薬混合物中に存在する混入核酸の除去を刊行物(Meierら、1993, J. Clin Biology, Vol 31: pp. 646〜652)に記載されているようにして行った。1μLの希釈した核酸調製物を19μLの反応混合物中へと移し、DNAエンジンPTC−200(登録商標)サーマルサイクラー(MJ Research Inc., Waltham, MA, USA)を用いるサーマルサイクリング(94℃で3分、次いで30サイクルの、変性段階のために95℃で30秒、アニーリング段階のために55℃で30秒、及び伸長段階のために72℃で30秒、しかる後に最終伸長段階を72℃で2分)に委ねた。
PCR増幅した反応混合物10μlを、mLあたり0.5μgのエチジウムブロミドを含む2%アガロースゲルにおいて、170Vで30分に渡る電気泳動により分析した。増幅産物のサイズを分子サイズ50bpの標準ラダーとの比較によって見積った。
表1に示すように、DNA回収に関する最大の効率をK9(本発明中で記載のRUCLANAP法)で達成し、次には順にK1,K5,K7,K6,K3,K8,K2及びK4で達成した。キット間での効率の差は、試験した微生物種により、0.5〜4logの範囲にある。操作段階及び必要とされる時間に基づき分析した場合、最も都合の良いキットは、5段階のプロトコルで所要15分間のK9であり、それに次いでK2,K6,K1,K8,K4,K5,K3及びK7であった。これらの抽出方法は、4〜40段階のプロトコルで、完了するまで15〜150分を要する。全体的に見て、微生物から迅速にDNAを抽出するための最も効率的且つ簡単な方法はRUCLANAPであった。
実施例3:
Shiga毒素生産細菌を検出するためのRUCLANAPの使用。 このアッセイをJounal of Clinical Microbiology 2002, vol 4: pp. 1436〜1440中で公開している。この刊行物中では試料調製プロトコルに関する情報を開示してはいない。Shiga毒素生産大腸菌及びシゲラ・ジセンテリアエは出血性の下痢及び溶血性の尿毒性症候群を引き起こす。現在、同定は主にS.ジセンテリアエ及び大腸菌抗原型O157:H7の表現型同定に依存している。しかし、他の抗原型の大腸菌は、1型及び/又は2型のShiga毒素の生産者であることが次第に分かって来ている。各Shiga毒素遺伝子stx1及びstx2中に存在する非常に良く保存されている領域を標的とするPCRプライマーの2組を、それらの遺伝子の全ての変異型を増幅するために設計した(以前の我々の特許公報WO01/23604に記載されている)。第1プライマー対のオリゴヌクレオチド(配列番号1080及び1081)は、stx1遺伝子に由来する186bpの増幅産物をもたらす。このアンプリコンに関して、分子標識(配列番号1084)(特許公報WO01/23604)を、蛍光標識6−カルボキシ−フルオレセインを用いてのstx1特異的検出のために設計した。第2番目のPCRプライマー対のオリゴヌクレオチド(配列番号1078及び1079)は、stx2遺伝子に由来する160bpの増幅産物をもたらす。分子標識(配列番号1085)(特許公報WO01/23604)を、蛍光標識5−テトラクロロ−フルオレセインを用いてのstx2の特異的検出をするために設計した。両方のプライマー対を多数のPCRアッセイにおいて組み合わせている。
糞便試料を以下の方法で調製した。固体糞便物質に対して、無菌スワブを前記試料中に浸し、次いでTEバッファー(10mMのトリスHCl、1mMのEDTAが1mL入っている1.5mLのネジフタ式ミクロチューブへと移した。スワブの首(stem)をガーゼで包みそれが壊れるまで折り曲げておき、そうすることによって、菌が付いているスワブの部分が入っているミクロチューブを閉じることができるだろう。糞便物質を溶液中で激しく15秒以上ボルテックス掛けをすることにより再懸濁せしめた。50μLアリコートを、1.5mLのネジフタ式ミクロチューブ(酸で洗浄された無菌のガラスビーズ(実施例1に記載の万能溶解用混合物が入っている)へと移した。液体糞便物質に関して、50μLアリコートの排泄物を直接、ビーズが入っているミクロチューブへと移した。続いて、前記ミクロチューブを、Fisher ScientificのGenie2型によりスピードレベル7で5分に渡りボルテックス掛けした。素速い遠心回転の後、前記ミクロチューブを95℃で5分に渡り加熱した。次いで、10,000gでの遠心を2分行った。上清を他のミクロチューブに移し、1.5μLの1:10及び1:20希釈物をPCR反応中で用いた。抽出物は−20℃で1週間以上に渡り、PCR分析感度における任意の有意なロスを伴わずに保存できるだろう。
PCR増幅を、0.8μMの各プライマー(配列番号1080及び1081)、0.5μMの各プライマー(配列番号1078及び1079)、0.3μMの各分子標識、8mMのMgCl2、490μg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)、0.2mMのdNTPs(Amersham Biosciences、Uppsala、Sweden)、50mMのトリス−HCl、16mMのNH4SO4、1×TaqMaster(Eppendprf、Hamburg、Germany)、TaqStart(登録商標)抗体(Clontech)と組み合わされた2.5UのKlenTaq 1 DNAポリメラーゼ(AB Peptides, St. Louis, MO, USA)及び1.5μLの調製された排泄物試料を25μLの最終反応体積において用いて行った。PCR増幅をSmartCycler(登録商標)サーマルサイクラー(Cepheid, Sunnyvale, CA, USA)を用いて行った。最大感度及び特異性のための至適サイクル条件は、初期変性のための95℃で60秒、次いで45サイクルの95℃で10秒、56℃で15秒及び72℃で5秒の3第階からなるである。PCR産物の検出を、分子標識がその標的に対してハイブリダイズした場合に放射する蛍光シグナルを56℃での各アニーリング段階の最後で測定することによって、リアルタイムで行った。
前記アッセイは、PCR結果の完全な関連性及び各種Shiga毒素に対して特異的な抗体を用いて行った表現型による特性決定によって示されたように、両方の毒素の検出に対して特異的であった。前記アッセイを、世界の様々な地域から単離した、10のO157:H7大腸菌、5つの非O157:H7大腸菌及び4つのS.ジセンテリアエなど、いくつかのShiga毒素生産株に対して行った。このPCRアッセイの検出限界は、約105コロニー形成単位(CFU)/糞便物質(g)であった。このアッセイの有効性を、27人の患者から得た38の糞便試料を試験することによって確認した。これらの試料のうち、26個はstx1及び/又はstx2に関して陽性であった。培養結果と比較して、感度及び陰性適中率(negative predictive value)はどちらも100%であった。特異性は92%であり、そして陰性適中率は96%であった。RUCLANAPは、液体又は個体排泄物の両方に対し、それらが微量の血液を含むか否かによらず有効に働いた。
実施例4:
RUCLANAPを用いることでの、PCR増幅のための血小板濃縮物の調製。 微生物汚染は保存期間中に進行するので、血小板調製物は、微生物汚染について確認される必要がある。プライマーをtuf遺伝子断片から設計した。血小板濃縮物の17種の主要な汚染細菌の保存されているオリゴヌクレオチド配列(245bp及び368bpの増幅産物をもたらす、以前の我々の特許公報WO01/23604に記載されている、オリゴヌクレオチド配列番号636,637,553及び575)を選定することによって、これら細菌種の検出が可能になった。前記アッセイにより効率的にゲノムDNAが検出される104の細菌種は以前の我々の特許刊行物WO01/23604の表14に列挙されている。
これらのPCR産物の検出を、二本鎖DNAに対して結合する蛍光色素のSYBR(登録商標)Green I(Molecular Probes Inc., Eugene, OR, USA)を用いて、Light Cycler(登録商標)サーマルサイクラーにより行った。
各々17の主要な汚染細菌を注射した血小板濃縮物(250μL)を、ガラスビーズ(万能溶解用混合物、実施例1を参照のこと)が入っている1.5mLのネジフタ式ミクロチューブ中600μLのPrecoll SIM-40(40%のPercoll (Amercham Biosciences)及び60%ペプトン水(BD Microbiology Systems, Cockysville, USA))上での浮遊密度分離に委ねた。混合物を16200gで75秒に渡り遠心した。上清を除去し、そしてペレットを1mLの0.01Mリン酸緩衝塩類溶液(PBS)(pH7.4)と反転させることによって混合した。10000gで5分に渡る遠心後、上清を除去し、そしてペレットを20μLのTE又は超純水中で再懸濁せしめた。細胞をFast Prep(登録商標)FP−120装置(Qbiogene)においてパワーレベル6で45秒に渡り崩壊させた。素速い回転の後、ミクロチューブを95℃で2分加熱した。各調製物1μLをPCR増幅のために用いた。
Light Cycler(登録商標)によるPCR産物の蛍光検出を、最終体積15μLの、各1.0μMの万能プライマー及び各0.4μmのスタフィロコッカス特異的プライマー、4.5mMのMgCl2、0.4mg/mLのBSA、0.2mMのdNTPs(Amersham Biosciences)、PC2バッファー(50mMのトリス−HCl、3.5mMのMgCl2、BSA 0.15mg/mL、16mMのNH4(SO42)、TaqStartTM抗体(Clontech)と組み合わされた1.875UのKlenTaq DNAポリメラーゼ(AB Peptides)及び0.5×SYBR(登録商標)Green I (Molecular Probes, Inc.)を用いて行った。試薬混合物中に潜在的に存在する汚染核酸の除去を上記に記載のようにして行った。最大感度及び特異性のための至適サイクル条件は、初期の変性のための94℃で1分、次いで、95℃で0秒、次いで60℃で5秒及び72℃で9秒の3つの段階からなる45サイクルであった。増幅を各伸長サイクルの間に蛍光のレベルを測定することによって確認し、そして増幅の後、融解曲線解析を行った。このアッセイにより、RUCLANAPを用いることで、血小板濃縮物の全ての優占汚染細菌に由来するDNAを抽出した。分析感度試験を血小板の9の頻出汚染細菌に対して行った。その細菌とは:エンテロバクター・クロアカエ、バチルス・セレウス、サルモネラ・コレラエスイス、セラチア・マルセセンス、シュードモナス・アルギノーサ、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミジス、大腸菌及びクレブジエラ・ニューモニアエである。これら試験した9種全ての検出限界は、20CFU/mL血小板濃縮物であった。
実施例5:
肛門、膣、及び膣/肛門標本の組み合わせ標本中のB群ストレプトコクチを検出するためのRUCLANAPの使用。 B群ストレプトコクチの迅速な検出をするための常用及びリアルタイムのPCRアッセイの開発を最初、Clinical Chemistry, 2000, vol. 46: 324〜331中で公開した。その後これらのアッセイに基づく臨床研究をNew England Journal of Medicine, 2000, vol. 343: pp. 175〜179に記載した。これらの刊行物中では、試料調製プロトコルに関する情報を開示してはいない。妊娠中の女性のB群のストレプトコクチに関する通常のスクリーニングをするための2つのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイの効率を分娩時に調べた。肛門、膣及び膣/肛門標本の組み合わせを112人の妊娠中の女性から獲得し;女性57人に関しては、羊膜が破れる前後に標本を得た。標本をB群のストレプトコクチに関して、(i)標準的な、選択培養ブロスの培養によって、(ii)常用のPCRアッセイにより、そして(iii)蛍光PCRアッセイによって、試験した。
これらの研究においてDNAの増幅をするための臨床試料を調製するために用いた迅速溶解プロトコルは以下のとおりである。
A.肛門、膣又は肛門−膣表層を採取するのに用いたBBL Culturette(登録商標)スワブ(BD Microbiology System)を300μLのGNS培地(8μg/mLのゲンタマイシン及び15μg/mLのナリジクス酸を捕捉したTodd-Hewittブロス)が入っている1.5mLのネジフタ式ミクロチューブ中に挿入した。スワブの先端をチューブの周りで転がし液体を最大限吐き出させた。
B.10μLのアリコートを酸で洗浄した無菌のガラスビーズ(実施例1に記載の万能溶解用混合物)0.05gが入っている1.5mLのネジフタ式のミクロチューブへと移し、それに40μLのTEバッファーを加えた。前記ミクロチューブをFisher ScientificのGenie2型ボルテックスによりスピード7で5分に渡りボルテックス掛けした。
C.素速い遠心回転の後、前記ミクロチューブを2分に渡り95℃で加熱した。
D.前記混合物1.5μLを直接PCR反応において用いた。抽出物は−20℃で1週間以上に渡り、PCR分析感度における任意の有意なロスを伴わずに保存できるだろう。
培養に基づき、112人の女性中33人からの膣/肛門組み合わせ標本がB群のストレプトコクチに関して陽性であった(コロニー形成率29.5%)。2つのPCRアッセイで、これら33人の女性のうち32人からの標本においてB群ストレプトコッカスのコロニー形成を確認した。即ち、1つの陰性PCR結果とは膜の破裂後に得た試料であった。培養の結果との比較をした場合、両PCRアッセイの感度は97%でありしかも、陰性適中率は98.8%であった。2つのPCRアッセイの特異性及び陽性適中率はどちらも100%であった。結果を得るために要する時間の長さは、蛍光PCRアッセイに関して30〜45分、常用のPCRアッセイに関して100分であり、そして培養法に関しては36時間以上であった。
代わりに、上記のプロトコルを以下の態様でも用いた。
A.肛門、膣又は肛門−膣表層を採取するのに用いたBBL Culturette(登録商標)スワブ(BD Microbiology System)をTEバッファー1mLが入っている1.5mLのネジフタ式ミクロチューブ中に挿入した。スワブの首をガーゼで包みそれが壊れるまで折り曲げ、そうすることによって、菌が付いているスワブの部分が入っているミクロチューブを密封できるだろう。
B.細胞を溶液中で15秒以上激しくボルテックス掛けをすることにより再懸濁せしめた。50μLアリコートを酸で洗浄した無菌のガラスビーズ(実施例1に記載の万能溶解用混合物)0.05gが入っている1.5mLのネジフタ式のミクロチューブへと移した。前記ミクロチューブをFisher ScientificのGenie2型ボルテックスによりスピード7で5分に渡りボルテックス掛けした。
C.素速い遠心回転の後、前記ミクロチューブを2分に渡り95℃で加熱した。
D.前記混合物1.5μLを直接PCR反応において用いた。
RUCLANAP法によるストレプトコッカス・アガラクチアエを溶解せしめる効率を生菌数計測によって測定した場合、99.99%と見積った。
実施例6:
尿試料からS.サプロフィチカスを直接検出するためのRUCLANAPの適用。 このアッセイをJournal of Clinical Microbiology, 2000, vol. 38: pp. 3280〜3284中で公開している。この刊行物中では試料調製プロトコルに関する情報を開示してはいない。スタフィロコッカス・サプロフィチカスは、若く、性的に活発な女性の外来患者における急性尿路感染症(UTI)に伴い最も頻繁に出現する微生物のうちの1つである。生化学的特性に基づく常用の同定法により効率的にS.サプロフィチカスを同定することができるが、これらの方法の迅速さについては改善を要する。尿試料から迅速且つ直接的にこの細菌を同定することは、臨床微生物診療所においてS.サプロフィチカスの診断を加速せしめるために有用であるだろう。S.サプロフィチカスの特異的検出をするためのPCRに基づくアッセイを開発して来た。S.サプロフィチカスに対して特異的な380bpのアービトラリープライムPCR増幅産物の配列を決定し、そして1組のS.サプロフィチカス特異的PCR増幅プライマー(特許公報WO01/23604の配列番号1208及び1209)を設計するために使用した。アンプリコン解析をするための、標準アガロースゲル電気泳動を用いるPCRアッセイは、49のグラム陽性細菌種及び31のグラム陰性細菌種に由来するDNAで試験した場合、S.サプロフィチカスに対して特異的であった。このアッセイでは、地球上の様々な地域に由来する、試験した60のS.サプロフィチカスの全ての株からDNAを効率的に増幅することもできた。このアッセイを尿試料からの直接検出をするために適合せしめた。
尿試料から核酸を放出させるため、細菌細胞を迅速に溶解せしめるのに用いたプロトコルは以下のとおりである。それは:様々な量のS.スプロフィチカス細胞を注射した500μLの尿試料を、酸で洗浄した無菌のガラスビーズ(実施例1に記載の万能溶解用混合物)が0.05g入っているネジフタ式のミクロチューブへと移した。15800gで5分に渡り遠心した後、上清を捨て、そしてペレットを1mLのPBSで洗浄した。更なる、15800gで5分に渡る遠心の後、その上清を捨てた。次いで、50μLのTE又はPBSをチューブへと加え、そしてFisher ScientificのGenie2型ボルテックスによりスピードレベル7で5分に渡りボルテックス掛けをすることによって再懸濁及び溶解せしめた。次に、95℃で2分の加熱段階を行った。調製した尿試料1μlを直接PCR反応に加えた。RUCLANAP処理した尿試料により達成した分析感度レベルは、0.3〜1.4CFU/40サイクルの増幅を伴うPCR反応、であった。対照的に、PCRに対して直接加えた注射された尿試料(処理ナシ)は700〜800CFU/PCRの検出限界であった。S.サプロフィチカスを特異的に検出するためのこのPCRアッセイは簡単且つ迅速(尿標本調製のために要する約10分を含む、約90分)である。
実施例7:
血液試料中のカンジダ・アルビカンス、大腸菌及びスタフィロコッカス・アウレウスの検出。 真菌及び細菌の核酸を感染血液から検出する手順を考え出した。血液は、多量の有力なPCR妨害物質を含んでいるので、RUCLANAPプロトコルの前に迅速に洗浄をすることが要求される。様々な量の細菌及び真菌細胞を注射した血液試料(1mL)を、万能溶解又は酵母溶解するためのガラスビーズ(実施例1)が入っている1.5mLのミクロチューブに加えた。次いで3回の逐次洗浄を前記チューブに対して1mLのTEバッファーを添加して素速く混合し、そして遠心段階(21000gで1分に渡る)及び各洗浄の間に吸引により上清の除去をすることによって行った。最後の洗浄の後に、素速い遠心回転を行い、そして残留液を、穏和な吸引によって除去した。12.5μlの5×TEバッファーをビーズに対して加え、次いで細胞をFast Prep(登録商標)FP−120装置においてパワーレベル6で45秒に渡り崩壊させた。素速い遠心回転後、ミクロチューブを95℃で2分加熱し、そして素速く遠心した。調製物2〜4μLをPCR増幅のために用いた。以前の我々の特許公報WO01/23604に記載した種特異的PCRアッセイを用いて、我々は以下の検出限界を達成した。それは:大腸菌に関して40CFU/mL血液、スタフィロコッカス・アウレウスに関して30CFU/mL血液、及びカンジダ・アルビカンスに関して50CFU/mL血液であった。最後の加熱段階を省くことにより感度のロスがもたらされた。これは、洗浄した血液試料中に依然として存在するPCR妨害物質を加熱することによって首尾良く除去できることを裏づけている。
実施例8:
臨床試料からのヒトDNAを抽出をするためのRUCLANAP。 我々の目標は微生物由来のDNAを検出することだが、ヒトDNAをも実施例3〜7,11,12,15及び17に記載の臨床試料から抽出している。例えば、β−グロブリン遺伝子に対して特異的なプライマー(Swanら、1999, J. Clin. Microbiol. vol. 37: pp. 1030-1034)を用いて、我々は、実施例12に記載のように、RUCLANAPによる処理をした直腸スワブ中においての1〜104コピーのこのヒト遺伝子標的を検出できうる。
RUCLANAPは遺伝学目的のために有用であるのみならず、サンプリング手順の効率を確認するのにも有用である。個々の試料の検証は、サンプリングするために用いたスワブ上に乗っているヒトDNAを測定し、そして規定域値と結果を測定することによって確認できる。
実施例9:
バチルス・サブチリスの内生胞子に対するRUCLANAPの効果。 細菌内生胞子からのDNAの回収が記載されて来たが、PCR感度を妨害するような、激しく切断されたDNAをもたらす退屈な方法が多くの研究で用いられている(Kuskeら、1998, Appl. Environ. Microbiol. vol. 64: pp. 2463〜2472)。これらの著者が、ビーズ粉砕ホモジネーションは、細菌内生胞子調製物からDNAを抽出するための唯一の有効な方法であったことを証明した。ここで我々は、RUCLANAPの胞子に対する有効性を証明する。
内生胞子を濃縮して精製するための以下のプロトコルをBelgraderらの方法(Analytical Chemistry 1999, vol. 71: pp. 4232〜4236)を基に適合せしめた。胞子形成培地中(Methods for General and Molecular Bacteriology, 1994, American Society for Microbiology, Washington, DCにおけるHoltとKrieg, Ennichment and Isolation)で増殖したバチルス・サブチリスの培養物50mLをボルテックスに掛け、次いで25mLの体積2つに分けた。2500gで20分に渡る遠心後、ペレットを5mLの無菌蒸留水で3回洗浄し、各洗浄では2500gで10分に渡る遠心を行った。最終ペレットを、50mMのNaCl、100mMのEDTA(pH6.9)4mL中で再懸濁せしめた。リゾチームを最終濃度1mg/mLで添加し、混合物を30℃で90分に渡りインキュベートした。上記のように更なる2回の洗浄後、ペレットを5%のTriton X−100、1mL中で再懸濁せしめた。
次に、250μLの上記の内生胞子懸濁を、1.5mLのネジフタ式ミクロチューブ中600μLのPercoll SIM-40 (40%のPercoll及び60%のペプトン)上での浮遊密度分離に委ねた。混合物を750gで15分に渡り遠心した。ペレットを250μLの無菌水で3回洗浄し、各洗浄につき9300gで2分に渡る遠心を行った。最終ペレットを100μLの無菌蒸留水中で再懸濁せしめた。最終的に精製された胞子懸濁を連続1/10希釈し、1×10-8の最終係数にした。各希釈物100μLを細菌数を計測するために血液寒天プレート上へかあるいは、内生胞子数を計測するために血球計上のいずれかへと置いた。最終的に精製された内生胞子の懸濁は1.73×1010内生胞子/mLからなり、それは、5.7×109CFU/mLに対応する。
RUCLANAPアッセイを内生胞子溶解のために以下の方法で適合せしめた。体積100μLの精製した内生胞子の各連続希釈物を9300gで5分遠心し、そのペレットを40μLのTEバッファー中で再懸濁せしめ、そしてガラスビーズ(万能溶解用混合物、実施例1を参照のこと)が入っている1.5mLのネジフタ式チューブへと移した。内生胞子をFast Pnep(登録商標)FP-120装置によりパワーレベル6で45秒に渡り崩壊させた。素速い遠心回転の後、このミクロチューブを95℃で5分に渡り加熱した。その後、溶解した物質の1/10希釈物100μLを、内生胞子溶解をアッセイをするために血液寒天プレート上へと置いた。RUCLANAPによるバチルス・サブチリスの溶解効率を溶解処理の前及び後に行ったCFU計測に基づき、98.8%と見積った。
1/10希釈の溶解物質1μLをPCR増幅のために用いた。プライマー(配列番号643及び644)を用いる万能細菌検出のためのPCRアッセイを、以前の我々の特許公報WO01/23604に記載している。
未処理の内生胞子で決定された検出限界は、1.3×105〜1.7×106内生胞子/mLの幅にあり、一方でRUCLANAPで溶解せしめた内生胞子の検出限界は、1.3×103〜1.7×104内生胞子/mL(約100倍良い)の幅にあった。各PCR反応チューブにおいて、未処理の内生胞子に関する検出限界320〜4340に比較して、3〜43の検出限界でRUCLANAP処理内生胞子を検出できるであるだろう。RUCLANAP前に胞子懸濁の更なる濃縮をすることにより、検出限界をCFU/mLについてより低くすることが可能である。
実施例10:
RUCLANAPを用いてのウシ乳中の細菌の検出。 臨床乳腺炎はカンジダ症の乳牛における共通の疾患であり;浮汁を分泌するウシの約1/5がその生涯において臨床乳腺炎の症状を1つ以上有する。各場合のコストは150〜200$CANと見積もられるので、カナダの日常産業に対するロスは大まかに4400万$CAN/年と見積られ;米国においては、約1.8億$であると見積られている。最も共通する細菌乳腺炎病原体はスタフィロコッカスsp.、ストレプトコッカスsp.、及び大腸菌(coliforms)である(Sargeantら、1998, Can. Vet J. vol. 39: pp. 33〜38)。我々は、ウシ乳中の細菌を検出するために、RUCLANAP法に基づくプロトコルを設計した。
乳試料を最初に37℃で6時間に渡りインキュベートした。ウシの乳から核酸を抽出するために、Percoll(登録商標)浮遊密度勾配を用いるプロトコルには、実施例4に記載のように、150〜212μmのサイズの総重量0.01gのガラスビーズを単独で用いた。スタフィロコッカス・アウレウスかあるいはストレプトコッカス・アガラクチアエに対する培養によって陽性の乳試料の80〜100%を、我々の、これら2つの細菌種を標的とする種特異的PCRアッセイ(実施例11及び5にそれぞれ記載されているアッセイ)により検出した。
実施例11:
鼻腔スワブ中のスタフィロコッカス・アウレウスを検出するためのRUCLANAPの使用。 Martineauらによって記載されたPCRアッセイ(2000, J. Antimicrob. Chemother. vol. 46: pp. 527〜534)の1つを、鼻腔スワブからスタフィロコッカスを検出するために、核酸を抽出するためのRUCLANAPを用いて行った。用いたプロトコルは以下のとおりである。それは:
A.鼻の粘膜を採取するのに用いたBBL Culturette(登録商標)スワブ(BD Microbiology System)を1.5mg/mLのBSAを補択した300μLのTEバッファーが入っている1.5mLのネジフタ式ミクロチューブ中に挿入した。スワブの頭部をガーゼで包みそしてそれが壊れるまで折り曲げ、そうすることによってスワブの菌がついている部分が入っているミクロチューブを密封できるであるだろう。
B.細胞を溶液中で、ボルテックス掛けをすることにより再懸濁せしめ、50μLのアリコートを、酸で洗浄した無菌のガラスビーズ(実施例1に記載の万能溶解用混合物)0.05gが入っている1.5mLのネジフタ式のミクロチューブへと移した。前記ミクロチューブをFisher ScientificのGenie2型ボルテックスによりスピード7で5分に渡りボルテックス掛けした。
C.素速い遠心回転の後、前記ミクロチューブを2分に渡り95℃で加熱した。
D.素速い遠心回転の後、2μLの混合物を直接、最初はMartineauらによって記載された(1998, J. Clin. Microbiol. vol. 36: pp. 618〜623)スタフィロコッカス・アウレウス特異的PCRアッセイを用いるPCR反応で用いた。抽出物は−80℃で数ヶ月に渡り、PCR感度における任意の有意なロスを伴うことなく保存できるであるだろう。
このPCRアッセイでの予備研究において、81の鼻腔スワブをRUCLANAPプロトコルを用いて処理した。合計で36の試料がスタフィロコッカス・アウレウスに関して培養陽性であり、そのうち35試料を、我々のPCRアッセイを用いて97.2%の感度で検出した。鼻腔試料中に存在するPCR妨害物質を除去するためには加熱段階を欠かすことができなかった。
実施例12:
RUCLANAPを用いての糞便試料からバシコマイシン耐性エンテロコクチの直接検出。 院内バンコマイシン耐性エンテロコクチ(VRE)の発生の発生率増加は、ヒトからヒトへの伝染を予防するために、VREがコロニーを形成した患者を早期に同定することは重要性であるということの証明となる。排泄物又は直腸試料からVREの検出をするための常用の培養法も信頼性があるが、完了するまでに2〜4日以上を要する。それ故に、我々は、糞便試料からVREを直接、迅速に検出するための代替方法として、キャプチャープローブバイブリダイゼーションと組み合わせた、PCRに基づくアッセイの使用を模索した。後者を2000年1月にケベック市で院内VREが発生した間に収集した。
533の排泄物又は直腸スワブに由来する糞便物質を(i)選択的寒天培地を用いる標準的な培養方法及び(ii)キャプチャープローブハイブリダイゼーションと組み合わせた我々のPCRアッセイによって分析した。前記PCRアッセイを、実施例3で記載した方法に類似する態様でRUCLANAP法で調製した糞便物質から直接行った。排泄物に関して、スワブを試料に浸し、次いで、1mLのTEバッファーが入っている1.5mLのネジフタ式ミクロチューブ中に挿入した。スワブの首先端をガーゼで包みそれが壊れるまで折り曲げ、そうすることによって、菌が付いている綿棒の部分が入っているミクロチューブを密封できるであるだろう。直腸スワブを同じ方法で1.5mLのネジフタ式ミクロチューブへと直接移した。糞便物質を溶液中で激しく1分に渡りボルテックス掛けすることによって再懸濁せしめた。50μLのアリコートを、酸で洗浄した無菌のガラスビーズ(実施例1に記載の万能溶解用混合物)0.05gが入っている1.5mLのネジフタ式のミクロチューブへと移した。その後前記ミクロチューブをFisher ScientificのGenie2型ボルテックスによりスピード7で5分に渡りボルテックス掛けした。素速い遠心回転の後、前記ミクロチューブを2分に渡り95℃で加熱した。次いで2μLの1:2.5、1:5及び1:10希釈物をPCR反応中で用いた。抽出物は−80℃で数ヶ月に渡り、PCR感度における任意の有意なロスを伴うことなく保存できるだろう。
vanA及びvanBに対して特異的なプライマー対からなる多重PCRアッセイを開発し、そしてそれぞれvanA及びvanBアンプリコンを標的とする2つのキャプチャープローブを用いるPCR後ハイブリダイゼーションと組み合わせた。この多重PCRアッセイで用いたプライマー及びプローブを、以前の我々の特許WO01/23604の実施例23に記載している。
29の標本は、培養に基づき、VREに関して陽性(全てエンテロコッカス・ファエシウム)であった。29の培養陽性標本のうち28がPCRにより検出された。培養陽性標本の(i)26がvanAに関して陽性でありそして(ii)2つがvanA及びvanBの両方に関して陽性であった。培養陰性標本のうちで、PCRにより更なる1つのvanA陽性標本及び10のvanB陽性標本が検出された。全体的に、多重PCRアッセイは、96.6%の感度及び97.9%の特異性を有した。RUCLANAP抽出に基づくこのアッセイは、糞便試料からVREを検出するためのスクリーニング試験を確実にし且つ迅速にする。
実施例13:
ガラスビーズサイズの比又は、ビーズの総重量の変化がRUCLANAPに対して及ぼす効果。 a)ガラスビーズサイズの比、又はb)万能溶解用混合物中で用いられるビーズの総重量の変更がPCR検出の感度に対する効果を有するかどうかを検証するために、次のような実験を計画して行った。最初に異なるビーズの比を比較した。万能溶解用混合物において、小ビーズ(150〜212μm):巨大ビーズ(710〜1180μm)の比は、4:1であり、1.5mLの反応チューブあたり、40mgの小ビーズ+10mgの巨大ビーズがある。他のビーズ比を比較のために試験し、ビーズの総重量を50mgに維持した。
・3.5:1.5(35mgの小ビーズ+15mgの巨大ビーズ)
・4:1(40mgの小ビーズ+10mgの巨大ビーズ、万能混合物)
・4.5:0.5(45mgの小ビーズ+5mgの巨大ビーズ)
次に、小/巨大ビーズの比及び総ビーズ重量を様々な組み合わせで比較した。
・1:1(10mgの小ビーズ+10mgの巨大ビーズ、合計20mg)
・2.5:1(25mgの小ビーズ+10mgの巨大ビーズ、合計35mg)
・4:1(40mgの小ビーズ+10mgの巨大ビーズ、合計50mg、万能混合物)
・5.5:1(55mgの小ビーズ+10mgの巨大ビーズ、合計65mg)
最後に、小ビーズのみ、様々な総重量:20mg、35mg、50mg及び65mgを試験した。
体積50μLの、ストレプトコッカス・アガラクチアエATCC13813の中間対数期培養物の連続10倍希釈物を様々なビーズの混合物に対して添加した。ミクロチューブをFisher scientificのGenie2型ボルテックスによりスピードレベル7で5分に渡りボルテックス掛けした。素速い遠心回転後、ミクロチューブを95℃で2分に渡り加熱した。次いで、1.5μLの混合物をPCR反応で直接用いた。そのPCR反応は実施例5に記載した。
上記の試験したビーズ比及び重量に関して、分析感度における有意な差はなかった。
実施例14:
粒子サイズが溶解効率に及ぼす効果。 粒子サイズが溶解効率に対して及ぼす効果についても、カンジダ・アルビカンス、大腸菌、エンテロコッカス・ファエカリス、スタフィロコッカス・アウレウス及びミクロコッカス・ルテウスにより試験した。
細菌を血液寒天上37℃で一晩増殖せしめた。酵母をSabouraud上30℃で一晩増殖させしめた。細胞をPBS中で、108細胞/mL(Dade Behring比濁計(Deerfield, IL, USA)上で酵母に関して0.23の読み値、及び細菌に関して0.08の読み値)を達成するように再懸濁せしめた。
粒子サイズが微生物細胞の溶解効率に対して及ぼす効果を検証するために、様々な種類及びサイズの固体粒子を試験した。その粒子とは:シグマの0.2gガラスビーズ(<106μm、150〜212μm、212〜300μm、425〜600μm又は710〜1180μm)、先のガラスビーズサイズの全ての混合物0.2g、又は0.2gのOttawa砂である。
酵母に関しては、最も大きい粒子(710〜1180μm)並びにビーズの全サイズの混合物を用いた場合に、最適の分析感度を得た。次に良い結果を砂で、そして中間サイズのビーズによって達成した。
細菌に関しては、150〜212μmの小サイズのビーズ並びに全サイズのビーズの混合物が最適な結果をもたらした。重ねて、砂は効率が低かった。
この結果によって、微生物細胞を効率的に溶解せしめるためには、全サイズのビーズを使用するかあるいは約710〜1180μm以内の幅と150〜212μm以内の幅で選択した2つ以上のサイズのビーズを使用する必要があることが示唆された。これらのサイズ(それらの全範囲又は2つの一層特異的な範囲)は溶解法のより良い再現性をOttawa砂よりももたらすだろう。何故なら、砂はロットごとに変わり、最終的に細胞を溶解せしめる効率に影響を及ぼし、そして最終的には、NATアッセイの分析感度にも影響を及ぼすからである。
実施例15:
肛門/膣試料中に存在する潜在的な妨害物質がPCRに及ぼす効果。 B群ストレプトコクチ(GBS)を検出するためのRUCLANAPの使用を実施例5に記載した。PCRを妨害する可能性を有する多くの物質は、妊娠中の女性が出産する直前にサンプリングした肛門、膣、又は組み合わせ膣/肛門の試料中に見出される。これらの物質としては、尿、羊膜流体、臍帯に由来する血液、膣分泌物、胎便、排泄物及び潤滑物(Johnson & Johnson, Markham, Ont., CanadaのK−Y(登録商標)ゼリー)が挙げられる。それらの妨害可能性を評価するために、スワブを各これらの純粋な物質の試料いくつかに浸し、実施例5の最後に記載したRUCLANAPプロトコルを行った。次いで、GBSリアルタイムPCRアッセイを100コピーの内部コントロール鋳型(Keら、2000, Clin. Chem. vol. 46: pp 324〜331)の存在下で、処理した試料(超純水中純粋又は希釈1:1)1.5μLで行った。妨害作用の評価を、各これら妨害物質の存在下で内部コントロールによって放射された蛍光とネガティブコントロール(妨害物質を加えなかった)とを比較することによって行った。試験した全ての物質に関して、リアルタイムPCR蛍光シグナルはネガティブコントロールのシグナルと等しく、これは、RUCLANAP手順により様々なPCR妨害物質を効率的に調節できることを示している。
実施例16:
細菌密度のRUCLANAPに対する効果。 細菌密度がRUCLANAPの効率に対して影響を及ぼすのかどうかを特定するために、2つのプロトコルを試験した。第一番目のプロトコルにおいて、細菌試料に対して連続希釈を、RUCLANAPでの溶解を行う前に行った。一方、第二のプロトコルでは、細菌の希釈を行わなかったが、溶解した物質に対する希釈を行った。寒天プレート上で一晩増殖せしめたスタフィロコッカスアウレウスを用いて、PBS中で細菌懸濁を調製し、108細菌/mLを達成するように較正することによって出発試料を得た。
懸濁の1/10ずつの連続希釈をPBS中で、103細菌/mLを達成するまで行った。体積100μlの、初期の懸濁又は各10倍希釈物をサイズ150〜212+710〜1180μm(万能溶解用混合物、実施例1を参照のこと)のビーズと混合した。この混合物をFast Prep(登録商標)FP−120装置に置き、スピード6で45秒に渡り振とうした。初期の懸濁(108細菌/mL)に由来する溶解物質をTEバッファー中で最終希釈係数1/100000を達成するまで連続的に希釈(10倍希釈)していった。PCRをユニバーサルプライマー(以前の我々の特許WO01/23604に由来する。実施例12に記載した)により、1μLの溶解試料(又は希釈溶解試料)を用いて行った。
2つのプロトコルの間での有意な差異はなかった。これは、少なくともここで試験した範囲では、試験試料中の細菌集団の密度が溶解効率に対して有意な影響を及ぼすことはないことを示唆している。
実施例17:
RUCLANAPを用いての大腸菌からの全長RNA抽出。 RUCLANAPを用いることで、cDNA合成及びRT−PCRによる増幅のために適切なRNAを細菌細胞から抽出できうることを証明するためにこの実験を計画した。RUCLANAPを、RNase阻害物質を添加することによってRT−PCRのために適合せしめた。体積50μLの中間対数増殖期の大腸菌ATCC25922の培養ブロス(O.D.600=0.5)を、ビーズの万能混合物が入っている1.5mLミクロチューブ中で遠心し、そして細胞ペレットを、40Uの組み換えリボヌクレアーゼ阻害物質(RNasin(登録商標)、Promega)を含む50μLの5×TEバッファー中で再懸濁せしめた。次いで、基本的なRUCLANAPプロトコル(実施例1)を万能溶解用混合物を用いて行った。溶解物の連続10倍希釈をTEバッファーにおいて行った。
次に、希釈した溶解物10μLを10μLの消化バッファー(20mMのトリス−HCl、pH8.0、5mMのMgCl2、0.2mMのCaCl2)と混合し、そして37℃で1分に渡り、10UのDNaseI(RNase−フリー、Roche)もしくは0.14UのRNaseA(DNase−フリー、Qiagen)もしくはDNaseA及びDNaseIの両方のいずれかと共にかあるいは酵素を全く伴わずインキュベートした。全ての条件を試験した後に95℃で5分の不活性化段階を行った。次いで、1μLの処理した溶解物をRT−PCR反応又はPCR反応へと加えた。
Platinum(登録商標)Taqを伴うSuperscript(登録商標)One-Step PCR(Invitrogen, Carsbad, CA, USA)を製造説明書に従って最終体積50μLで行った。逆転写及びPCRの両方の段階を逐次、同じ反応チューブ中で行った。tuf遺伝子を標的とし且つエスケリキア属に対して特異的なプライマー(特許WO01/23604における配列番号1661及び1665)を用いた。cDNA合成を50℃で30分のインキュベーション、しかる後に94℃で2分の初期変性段階で達成した。その後のPCR増幅に関しては、94℃で15秒、56℃で30秒及び72℃で30秒の40サイクルを行い、しかる後に72℃で2分の最終伸長を行った。この増幅された混合物をゲル電気泳動(0.5μg/mLのエチジウムプロミドを含む、TBE中2%のアガロースにて)で分離し、254nmのUV照射下で視覚化した。
試験した酵素の有効性を評価するために、上記と同じ条件を用いるPCRを酵素処理した試料で並行して行った。DNAaseI処理により、全てのDNAが首尾良く分解されていた。その理由は、増幅可能な産物が検出されなかったからである。
DNAaseI処理した溶解物(RNAのみ)のRT-PCRの検出限界は、反応あたり約10CFUであった。RNaseA及びDNaseIの両方で処理した試料からはシグナルが検出されず、従って、RNAが最初に溶出物中に存在していたことは確かである。従って、当業者は、RUCLANAPは、cDNAの合成をするために首尾良く用いることができる全長RNAを細菌細胞から単離するための簡単且つ効率的な方法であると断言できる。
実施例18:
RUCLANAPを用いてのクロストリジウム・パルバムからのゲノムDNAの抽出。 RUCLANAPの万能性を更に、寄生生物クリプトスポリジウム・パルバムから粗製のゲノムDNAを獲得することによって証明した。卵母細胞を遠心及び50μLの5×TEバッファー中での再懸濁によって回収した。次に、基本的なRUCLANAPプロトコル(実施例1)を酵母ビーズ混合物を用いて行った。粗製調製物の10倍希釈物1μLを、プライマーとして以前の我々の特許公報WO01/23604に由来する配列番号798−800及び804−806を用いて、伸長因子1遺伝子を特異的に増幅するための鋳型とした。期待したPCR産物をアガロースゲル電気泳動によって検出した。
実施例19:
RUCLANAPを用いてのマイコバクテリウム・スメグマチスからのゲノムDNAの抽出。 RUCLANAPの万能性の他の例は、溶解せしめるのが難かしいマイコバクテリウム・スメグマチスからの粗製のゲノムDNAの単離である。Robsonらは、(米国特許5,376,527)に、マイコバクテリアの細胞溶解は、細菌を溶解させるのに有効な量の熱に、2〜20分の範囲でさらすことによって達成されて良いことを示している。続いて、DNAを更にフェノール/クロロホルム抽出及びエタノール沈澱によって精製した。これはRUCLANAP法よりもかなり煩わしい。そしてまた、この方法は、十分に増殖する前の臨床試料から直接検出をするために十分な感度がないことを結果が示された。いくつかのマイコバクテリウム種に関しては、PCRプロトコル中の加熱段階は、増幅可能な標的DNAを放出せしめるのに十分であったが、この素速い方法は試験したマイコバクテリウム種の全てに対しては万能ではなかった。
基本的RUCLANAPプロトコルを万能溶解用混合物(実施例1)と共に用いた。コロニーから調製したM.スメグマチスのPBS中0.5MacFarland懸濁から出発して、細胞(50μL)を21000gで5分に渡る遠心によって回収し、上清を捨て、そしてペレットを50μLの5×TEバッファー中で再懸濁せしめた。RUCLANAP後、粗製溶解物の連続10倍希釈物1μLを、以前の我々の特許公報WO01/23604(配列番号566及び567)に記載のプライマー対を用いて、atpD遺伝子を特異的に増幅するための鋳型とした。未溶解細胞懸濁もPBSで連続10倍希釈をし、そして10-5及び10-6希釈物から100μLを血液寒天プレート上に置き、3重にし、生菌数を計測した。未溶解細胞懸濁の希釈物各1μLもPCRアッセイの鋳型として用いた。
未溶解細胞懸濁を3.1×104CFU/μLと計測した。3.1×104CFU/PCR反応を含む試験した最低希釈物を含め、未処理細胞懸濁の希釈物全てから、標準的なアガロースゲル電気泳動により増幅されたDNAが検出されることはなかった。他方、RUCLANAP処理したM.スメグマチス細胞を、3CFU/PCR反応の検出限界で検出した。マイコバクテリウム細胞を処理することで、検出が10000倍以上向上した。従って、RUCLANAPは、溶解せしめるのが難しいマイコバクテリウム・スメグマチスを検出する迅速且つ感度の高い方法である。
実施例20:
RUCLANAPを用いてのHIV−1からのRNA抽出。 基体的RUCLANAPプロトコルの変更を、ヒト1型免疫欠損ウィルス(HIV−1)からRNA抽出し、Organon TeknikaのNucliSens HIV QTアッセイのRNA抽出法との比較するために計画した。この商業上入手可能なキットは、ヒト血清及び血しょう中のHIV−1Rを定量的に測定する。RNA抽出方法は、Boomらの方法(J. Clin. Microbiol, 1990, vol. 28: pp 495〜503)に由来する。効率的ではあるが、このアッセイは細心の注意が必要であり、時間がかかり(数時間)そして毒性物質のチオシアン酸グアニジンの使用を要する。
即知のHIV−1ウィルス量のヒト血しょう500μLから出発して、両方のRNA抽出法を比較した。NucliSense HIV QTアッセイを製造説明書に記載があるとおりに行った。RUCLANAPのために、リボヌクレアーゼ阻害物質のRNasin(登録商標)(Promega)を500Uを試料に対して加えた。21000gで5分の遠心後、ペレットを1mLの10mMトリス−HCl(pH8.0)で洗浄した。同じ条件での他の遠心段階及び上清を除去した後、以下のものを加えた。それは:0.2gのビーズ(106μm及びより微細な、カタログ番号G−4649、Sigma;推定上75μm〜106μm)、20μLのRNA較正溶液(下記参照のこと)、10μLの1%トリトンX−100溶液、及び40UのRNasinである。ウィルスをFast Prep(登録商標)FP−120装置においてパワーレベル6で45秒に渡り崩壊させた。次に、最後の素速い回転を10000gで2分に渡り行った。
いずれかの方法により獲得した抽出RNAの増幅及び検出を、製造説明書に従いNucliSens Reader (Organon Teknika)により行った。増幅のために用いた技術はNASBA(核酸配列に基づく増幅)であり、それは、3つの酵素の同時活性化に依存する。その酵素とは:AMV−RT(鳥類骨髄芽細胞症ウィルス(Avian Myoblastsis Virus)逆転酵素)、RNaseH及びT7RNAポリメラーゼである。標的RNA配列の及び較正RNA配列(3つの人工コントロールRNA)のコピーをファージT7ポリメラーゼによって、二本鎖T7RNAポリメラーゼプロモーターを有する中間体DNA分子を介して合成した。産物の検出は電気化学発光(ECL)技術に依存する。
どちらのウィルスRNA方法を用いても、類似レベルの回収率を達成でき、これは、RUCLANAPの万能性を示す。更にRUCLANAPは、NucliSence HIV QTアッセイのRNA抽出法を使用するよりも一層迅速、且つ簡単である。万能混合物150〜212μm:710〜1180μm(4:1)を、それ自体で使用するかあるいはウィルス粒子を溶解せしめるために適合(より小さな粒子、即ち75〜106μmの範囲の粒子を加えることによって、巨大ビーズの比率を下げることによって又は、小粒子(約150μm以下、即ち100μm以下)のみの個別の組成物を供することによって)させることができうる。
実施例21:
RUCLANAPのためのジルコニアビーズの使用。 基本的RUCLANAPプロトコルを万能溶解混合物(実施例1)と共に、又は0.05gの100μmジルコニア/シリカビーズ(カタログ番号11079101z、BioSpec)と共に用いた。ミクロチューブ中にビーズを伴わないネガティブコントロールも行った。コロニーから調製したスタフィロコッカス・アウレウスATCC25923のPBS中、0.5MacFarland懸濁から出発し、細胞(100μL)を21000gで5分に渡る遠心によって回収し、上清を捨て、そしてペレットを100μLの5×TEバッファー中で再懸濁せしめた。RUCLANAP後、3つの異なる条件で獲得した粗製溶解物の連続10倍希釈物(100〜105)1μLをMartineauらによって記載されたS.アウレウス特異的アッセイ(2000, J. Antimicrob. Chemother vol. 46: pp. 527〜534)における鋳型として用いた。標準的なアガロースゲル電気泳動によって増幅を確認した。未溶解細胞懸濁もPBSで連続10倍希釈し、そして10-5及び10-6希釈物から100μLを血液寒天プレート上に置き、3重にし、CFU数を測定した。
未溶解細胞懸濁は3.×104CFU/μLと計測された。ネガティブコントロール(ビーズなし)の検出限界は350CFU/PCR反応であった。対照的に、RUCLANAP処理(ガラスビーズ又はジルコニア/シリカビーズの万能混合物のいずれかを用いて)したS.アウレウス細胞の検出限界は、3.5CFU/PCR反応であった。スタフィロコッカスの細胞をRUCLANAP処理することで、核酸検出を100倍以上向上せしめることができ、そして、異なる種類及びサイズのビーズと適合されて良い。
本発明は、本明細書中で先に好適な実施態様により先に記載しているが、それは添付の特許請求の範囲に規定されているように、本発明の精神及び特徴から出発することなく変更を加えることができる。
Figure 0004358618

Claims (45)

  1. 核酸試験(NAT)アッセイのための調製物における試料の細胞又はウィルス粒子から核酸を放出せしめるための方法であって:
    a)細胞もしくはウィルス細胞粒子を、75μm〜2000μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子(solid lysing particles)によって形成された微粒子勾配の存在する溶液中で、細胞のもしくはウィルスの溶解物を獲得するために、当該細胞もしくはウィルス粒子を溶解せしめるのに十分な機械的な力を適用することによって崩壊させ、核酸などの細胞成分を当該溶液中へと放出せしめ;そして
    b)NATアッセイ妨害物質の存在及び/又は活性を調節する、
    段階を含んで成る方法。
  2. 前記微粒子勾配が、75μm〜1500μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記微粒子勾配が、2以上の、直径サイズ範囲を有する固体溶解用粒子によって形成されており、第1の範囲は150μm〜212μmであり、そして第2の範囲は710μm〜1180μmである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記微粒子勾配が、75μm〜1200μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、請求項1に記載の方法。
  5. 前記微粒子勾配が不連続であり、そして150μm〜212μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子及び710μm〜1180μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 150μm〜212μmの直径サイズを有する粒子と710μm〜1180μmの直径サイズを有する粒子の比(w/w)が4:1である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記NATアッセイ妨害物質を調節する段階が、
    i)試料及び/もしくは溶解物から出た妨害物質を取り除くこと;
    ii)試料及び/もしくは溶解物中の妨害物質の希釈をすること;
    iii)試料及び/もしくは溶解物中の妨害物質を不活性化せしめること;又は
    iv)これらの任意の組み合わせ、
    のいずれかによって行われている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記妨害物質を除去する段階が、試料又は溶解物から出た妨害物質を吸着する段階である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記妨害物質を除去する段階が、微生物細胞もしくはウィルス粒子もしくは細胞成分を密度勾配により精製する段階である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記妨害物質を除去する段階が、微生物細胞もしくはウィルス粒子もしくは細胞成分を遠心及び洗浄をする段階又はその段階の繰り返しである、請求項7に記載の方法。
  11. 前記妨害物質を不活性化する段階が、試料又は溶解物を加熱する段階である、請求項7に記載の方法。
  12. 前記加熱段階が、温度55℃〜100℃且つ15秒〜15分の加熱時間を含んで成る、請求項11に記載の方法。
  13. 前記固体溶解用粒子がジルコニウム又はシリカからなる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 粒子:試料の比(w/w)が4:1〜1:2である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記溶液がキレート剤を含んで成る、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記溶液が緩衝剤を含んで成る、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記細胞が、以下の:
    ・酵母細胞であり、そして前記微粒子勾配が710μm〜1180μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている;あるいは
    ・細菌細胞であり、そして前記微粒子勾配が150μm〜212μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、
    である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記細胞が、酵母細胞又は細菌細胞である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記試料がウィルスを含み又は前記核酸がウイルス粒子から放出され、そして前記微粒子勾配が75μm〜106μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、請求項1に記載の方法。
  20. 前記段階a)が5分以内で行われ得る、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 試料の細胞又はウィルス粒子から核酸を放出せしめるための製品であって、以下の:
    (a)75μm〜2000μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成された微粒子勾配;及び
    (b)NATアッセイ妨害物質を結合する又は吸着する物質、
    を含んで成る製品。
  22. NATアッセイにおける使用に好適な、試料の細胞又はウィルス粒子から核酸を放出せしめるための製品であって、以下の:
    (a)固体溶解用粒子の少なくとも第1及び第2セットの混合物を伴う、固体溶解用粒子の混合物;
    (b)NATアッセイ妨害物質を結合する又は吸着する物質、
    を含み、ここで当該第1セットの粒子は第2セットの粒子より小さい直径のものであり、当該第1セットの直径は150μm〜212μmであり、当該第2セットの直径は710μm〜1180μmである、上記製品。
  23. 前記微粒子勾配が、75μm〜1500μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、請求項21に記載の製品。
  24. 前記微粒子勾配が、75μm〜1200μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、請求項21に記載の製品。
  25. 前記微粒子勾配が不連続であり、そして150μm〜212μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子及び710μm〜1180μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、請求項21、23及び24のいずれか1項に記載の製品。
  26. 前記固体粒子が、ジルコニウム又はシリカからなる、請求項21〜25のいずれか1項に記載の製品。
  27. 体積10μL〜500μLの試料と共に使用される、0.02g〜0.2gの前記固形粒子を含んで成る、請求項21〜26のいずれか1項に記載の製品。
  28. キレート剤を更に含んで成る、請求項21〜27のいずれか1項に記載の製品。
  29. 緩衝剤を更に含んで成る、請求項21〜28のいずれか1項に記載の製品。
  30. 前記細胞が、以下の:
    (a)酵母細胞であり、そして前記微粒子勾配が710μm〜1180μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている;又は
    (b)細菌細胞であり、そして前記微粒子勾配が150μm〜212μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、
    である、請求項21に記載の製品。
  31. 前記細胞が、酵母細胞又は細菌細胞である、請求項21〜29のいずれか1項に記載の製品。
  32. 前記試料がウィルスを含み、あるいは前記核酸がウィルス粒子から放出され、そして前記微粒子勾配が、75μm〜106μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、請求項21に記載の製品。
  33. 前記微粒子勾配が、150μm〜212μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子及び710μm〜1180μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子によって形成されている、請求項21に記載の製品。
  34. 150μm〜212μmの直径サイズを有する粒子と710μm〜1180μmの直径サイズを有する粒子の比(w/w)が4:1である、請求項22、25又は33に記載の製品。
  35. 前記混合物が、75μm〜106μmの直径サイズを有する溶解用粒子の第3セットをさらに含む、請求項22に記載の製品。
  36. 試料の細胞又はウイルス粒子から核酸を放出させるための、150μm〜212μmの第1直径サイズを有する固体溶解用粒子と710μm〜1180μmの第2直径サイズを有する固体溶解用粒子を含む製品の使用。
  37. 前記製品が、75μm〜106μmの直径サイズを有する溶解用粒子の第3セットをさらに含む、請求項36に記載の使用。
  38. 請求項21〜35のいずれか1項に記載の製品を含む細胞又はウイルス粒子から核酸を放出するためのキット。
  39. 前記微粒子勾配が、75μm〜106μmの直径サイズを有する固体溶解用粒子を含む、請求項1〜16、19、及び20のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記細胞又はウイルス粒子からの核酸がDNAである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記細胞又はウイルス粒子からの核酸がDNAである、請求項21〜35のいずれか1項に記載の製品。
  42. 前記細胞又はウイルス粒子からの核酸がDNAである、請求項38に記載のキット。
  43. 前記細胞又はウイルス粒子からの核酸がRNAである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記細胞又はウイルス粒子からの核酸がRNAである、請求項21〜35のいずれか1項に記載の製品。
  45. 前記細胞又はウイルス粒子からの核酸がRNAである、請求項38に記載のキット。
JP2003514951A 2001-07-19 2002-07-19 核酸の放出及びそれらを検出するための細胞を迅速に溶解せしめるための万能な方法及び組成物 Expired - Lifetime JP4358618B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US30616301P 2001-07-19 2001-07-19
PCT/CA2002/001088 WO2003008636A2 (en) 2001-07-19 2002-07-19 Universal method and composition for the rapid lysis of cells for the release of nucleic acids and their detection

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004535207A JP2004535207A (ja) 2004-11-25
JP2004535207A5 JP2004535207A5 (ja) 2006-01-05
JP4358618B2 true JP4358618B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=23184109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003514951A Expired - Lifetime JP4358618B2 (ja) 2001-07-19 2002-07-19 核酸の放出及びそれらを検出するための細胞を迅速に溶解せしめるための万能な方法及び組成物

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7494771B2 (ja)
EP (1) EP1407051B1 (ja)
JP (1) JP4358618B2 (ja)
AT (1) ATE323182T1 (ja)
AU (1) AU2002354838B2 (ja)
CA (1) CA2451985C (ja)
DE (1) DE60210621T2 (ja)
WO (1) WO2003008636A2 (ja)

Families Citing this family (105)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080064108A1 (en) * 1997-12-10 2008-03-13 Tony Baker Urine Preservation System
US7569342B2 (en) * 1997-12-10 2009-08-04 Sierra Molecular Corp. Removal of molecular assay interferences
US7226739B2 (en) 2001-03-02 2007-06-05 Isis Pharmaceuticals, Inc Methods for rapid detection and identification of bioagents in epidemiological and forensic investigations
US20040121311A1 (en) 2002-12-06 2004-06-24 Ecker David J. Methods for rapid detection and identification of bioagents in livestock
WO2004060278A2 (en) 2002-12-06 2004-07-22 Isis Pharmaceuticals, Inc. Methods for rapid identification of pathogens in humans and animals
US20030027135A1 (en) 2001-03-02 2003-02-06 Ecker David J. Method for rapid detection and identification of bioagents
US7666588B2 (en) 2001-03-02 2010-02-23 Ibis Biosciences, Inc. Methods for rapid forensic analysis of mitochondrial DNA and characterization of mitochondrial DNA heteroplasmy
US7217510B2 (en) 2001-06-26 2007-05-15 Isis Pharmaceuticals, Inc. Methods for providing bacterial bioagent characterizing information
CA2509367C (en) 2002-12-13 2013-01-08 Infectio Diagnostic (I.D.I.) Inc. Biological reagents and methods to verify the efficiency of sample preparation and nucleic acid amplification and/or detection
US7964343B2 (en) 2003-05-13 2011-06-21 Ibis Biosciences, Inc. Method for rapid purification of nucleic acids for subsequent analysis by mass spectrometry by solution capture
US8158354B2 (en) 2003-05-13 2012-04-17 Ibis Biosciences, Inc. Methods for rapid purification of nucleic acids for subsequent analysis by mass spectrometry by solution capture
US8546082B2 (en) 2003-09-11 2013-10-01 Ibis Biosciences, Inc. Methods for identification of sepsis-causing bacteria
US8097416B2 (en) 2003-09-11 2012-01-17 Ibis Biosciences, Inc. Methods for identification of sepsis-causing bacteria
US20120122103A1 (en) 2003-09-11 2012-05-17 Rangarajan Sampath Compositions for use in identification of bacteria
US8163895B2 (en) 2003-12-05 2012-04-24 Ibis Biosciences, Inc. Compositions for use in identification of orthopoxviruses
US7666592B2 (en) 2004-02-18 2010-02-23 Ibis Biosciences, Inc. Methods for concurrent identification and quantification of an unknown bioagent
CA2567839C (en) 2004-05-24 2011-06-28 Isis Pharmaceuticals, Inc. Mass spectrometry with selective ion filtration by digital thresholding
US20050266411A1 (en) 2004-05-25 2005-12-01 Hofstadler Steven A Methods for rapid forensic analysis of mitochondrial DNA
US7575864B2 (en) * 2004-05-27 2009-08-18 E.I. Du Pont De Nemours And Company Method for the direct detection of diagnostic RNA
US7811753B2 (en) 2004-07-14 2010-10-12 Ibis Biosciences, Inc. Methods for repairing degraded DNA
EP2361993A1 (en) * 2004-08-03 2011-08-31 Novartis Vaccines and Diagnostics, Inc. Method for obtaining nucleic acids from microbial samples
RU2420595C2 (ru) * 2005-01-31 2011-06-10 Кабусики Кайся Якулт Хонса СПОСОБ КОЛИЧЕСТВЕННОГО АНАЛИЗА КОЛИЧЕСТВА КЛЕТОК ПРЕДСТАВЛЯЮЩЕЙ ИНТЕРЕС БАКТЕРИИ В ЖИВОМ СОСТОЯНИИ С ПРИМЕНЕНИЕМ рРНК В КАЧЕСТВЕ МИШЕНИ
CA2600184A1 (en) 2005-03-03 2006-09-08 Isis Pharmaceuticals, Inc. Compositions for use in identification of adventitious viruses
US8084207B2 (en) 2005-03-03 2011-12-27 Ibis Bioscience, Inc. Compositions for use in identification of papillomavirus
EP1874963A2 (en) * 2005-04-19 2008-01-09 E.I. Dupont De Nemours And Company Increased sensitivity of nucleic acid-based detection of organisms by fractionation of target genomes
AU2006272776B2 (en) 2005-07-21 2012-01-19 Ibis Biosciences, Inc. Methods for rapid identification and quantitation of nucleic acid variants
EP1772522A1 (en) * 2005-10-04 2007-04-11 Nederlandse Organisatie Voor Toegepast-Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno Control of preservation by biomarkers
GB0525231D0 (en) * 2005-12-12 2006-01-18 Genpoint As Method
EP2010679A2 (en) 2006-04-06 2009-01-07 Ibis Biosciences, Inc. Compositions for the use in identification of fungi
US8080645B2 (en) * 2007-10-01 2011-12-20 Longhorn Vaccines & Diagnostics Llc Biological specimen collection/transport compositions and methods
US8097419B2 (en) * 2006-09-12 2012-01-17 Longhorn Vaccines & Diagnostics Llc Compositions and method for rapid, real-time detection of influenza A virus (H1N1) swine 2009
US20090098527A1 (en) * 2006-09-12 2009-04-16 Fischer Gerald W Biological organism identification product and methods
US9481912B2 (en) 2006-09-12 2016-11-01 Longhorn Vaccines And Diagnostics, Llc Compositions and methods for detecting and identifying nucleic acid sequences in biological samples
US8652782B2 (en) 2006-09-12 2014-02-18 Longhorn Vaccines & Diagnostics, Llc Compositions and methods for detecting, identifying and quantitating mycobacterial-specific nucleic acids
EP2064332B1 (en) 2006-09-14 2012-07-18 Ibis Biosciences, Inc. Targeted whole genome amplification method for identification of pathogens
WO2008104002A2 (en) 2007-02-23 2008-08-28 Ibis Biosciences, Inc. Methods for rapid forensic dna analysis
WO2008151023A2 (en) 2007-06-01 2008-12-11 Ibis Biosciences, Inc. Methods and compositions for multiple displacement amplification of nucleic acids
US11041215B2 (en) 2007-08-24 2021-06-22 Longhorn Vaccines And Diagnostics, Llc PCR ready compositions and methods for detecting and identifying nucleic acid sequences
US9683256B2 (en) 2007-10-01 2017-06-20 Longhorn Vaccines And Diagnostics, Llc Biological specimen collection and transport system
US10004799B2 (en) 2007-08-27 2018-06-26 Longhorn Vaccines And Diagnostics, Llc Composite antigenic sequences and vaccines
AU2008293504B2 (en) 2007-08-27 2012-04-12 Longhorn Vaccines & Diagnostics, Llc Immunogenic compositions and methods
US11041216B2 (en) 2007-10-01 2021-06-22 Longhorn Vaccines And Diagnostics, Llc Compositions and methods for detecting and quantifying nucleic acid sequences in blood samples
CA2701168A1 (en) 2007-10-01 2009-07-09 Longhorn Vaccines & Diagnostics, Llc Biological specimen collection and transport system and methods of use
US8835109B2 (en) 2007-11-16 2014-09-16 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method for detection and/or analysis of yeast and mold in filterable liquids
US8367337B2 (en) 2007-12-21 2013-02-05 Biomerieux S.A. Detection of methicillin-resistant Staphylococcus aureus
WO2009082747A1 (en) * 2007-12-24 2009-07-02 Zeus Scientific, Inc. Methods and compositions including diagnostic kits for the detection of staphylococcus aureus
US8550694B2 (en) 2008-09-16 2013-10-08 Ibis Biosciences, Inc. Mixing cartridges, mixing stations, and related kits, systems, and methods
US8148163B2 (en) 2008-09-16 2012-04-03 Ibis Biosciences, Inc. Sample processing units, systems, and related methods
EP2344893B1 (en) 2008-09-16 2014-10-15 Ibis Biosciences, Inc. Microplate handling systems and methods
WO2010061347A1 (en) * 2008-11-27 2010-06-03 Szerodiagnosztikum Ltd. Pcr based diagnostic method for the identification of clinically important candida species
WO2010068812A1 (en) 2008-12-10 2010-06-17 Abqmr, Inc. Nuclear magnetic resonance apparatus, methods and associated technology
US10072307B1 (en) 2009-01-23 2018-09-11 Colorado State University Research Foundation Isolation of viruses using anionic resin beads
US8158936B2 (en) 2009-02-12 2012-04-17 Ibis Biosciences, Inc. Ionization probe assemblies
US9719083B2 (en) 2009-03-08 2017-08-01 Ibis Biosciences, Inc. Bioagent detection methods
WO2010114842A1 (en) 2009-03-30 2010-10-07 Ibis Biosciences, Inc. Bioagent detection systems, devices, and methods
WO2011008971A1 (en) 2009-07-17 2011-01-20 Ibis Biosciences, Inc. Lift and mount apparatus
WO2011008972A1 (en) 2009-07-17 2011-01-20 Ibis Biosciences, Inc. Systems for bioagent identification
WO2011014811A1 (en) 2009-07-31 2011-02-03 Ibis Biosciences, Inc. Capture primers and capture sequence linked solid supports for molecular diagnostic tests
WO2011017656A2 (en) 2009-08-06 2011-02-10 Ibis Biosciences, Inc. Non-mass determined base compositions for nucleic acid detection
ES2628739T3 (es) 2009-10-15 2017-08-03 Ibis Biosciences, Inc. Amplificación por desplazamiento múltiple
US9758840B2 (en) 2010-03-14 2017-09-12 Ibis Biosciences, Inc. Parasite detection via endosymbiont detection
US9476812B2 (en) 2010-04-21 2016-10-25 Dna Electronics, Inc. Methods for isolating a target analyte from a heterogeneous sample
US8841104B2 (en) 2010-04-21 2014-09-23 Nanomr, Inc. Methods for isolating a target analyte from a heterogeneous sample
US20110262989A1 (en) 2010-04-21 2011-10-27 Nanomr, Inc. Isolating a target analyte from a body fluid
US9428547B2 (en) 2010-04-21 2016-08-30 Dna Electronics, Inc. Compositions for isolating a target analyte from a heterogeneous sample
US20130078641A1 (en) * 2010-06-01 2013-03-28 Streck, Inc. Sample processing method and device
JP5950920B2 (ja) 2010-10-22 2016-07-13 ティー2 バイオシステムズ インコーポレイテッド 検体の検出のためのnmrシステムおよび方法
US8409807B2 (en) 2010-10-22 2013-04-02 T2 Biosystems, Inc. NMR systems and methods for the rapid detection of analytes
US8563298B2 (en) 2010-10-22 2013-10-22 T2 Biosystems, Inc. NMR systems and methods for the rapid detection of analytes
CN103476945A (zh) * 2010-12-31 2013-12-25 宙斯科技公司 使用基于分子核酸的技术确定细胞活性的改进方法
ES2827293T3 (es) 2011-03-08 2021-05-20 Univ Laval Dispositivo centrípeto fluídico
CA2859697C (en) * 2011-12-21 2021-06-08 Geneohm Sciences Canada Inc. Enrichment & isolation of microbial cells & microbial nucleic acids from a biological sample
CA2858284A1 (en) 2011-12-23 2013-06-27 Biomerieux Detection of meca variant strains of methicillin-resistant staphylococcus aureus
EP2806890A4 (en) 2012-01-26 2015-09-02 Longhorn Vaccines & Diagnostics Llc COMPOSITE ANTIGENIC SEQUENCES AND VACCINES
AU2013234281B2 (en) 2012-03-16 2016-06-23 Stat-Diagnostica & Innovation, S.L. A test cartridge with integrated transfer module
WO2013158281A1 (en) 2012-04-20 2013-10-24 T2 Biosystems, Inc. Compositions and methods for detection of candida species
US9599610B2 (en) 2012-12-19 2017-03-21 Dnae Group Holdings Limited Target capture system
US9804069B2 (en) 2012-12-19 2017-10-31 Dnae Group Holdings Limited Methods for degrading nucleic acid
US9434940B2 (en) 2012-12-19 2016-09-06 Dna Electronics, Inc. Methods for universal target capture
US9995742B2 (en) 2012-12-19 2018-06-12 Dnae Group Holdings Limited Sample entry
US9551704B2 (en) 2012-12-19 2017-01-24 Dna Electronics, Inc. Target detection
US10000557B2 (en) 2012-12-19 2018-06-19 Dnae Group Holdings Limited Methods for raising antibodies
WO2015057810A1 (en) * 2013-10-15 2015-04-23 Ibis Biosciences, Inc. Blood sampling
CN104089883B (zh) * 2013-12-17 2017-02-01 浙江工商大学 基于激光器阵列的检测装置及小黄鱼存储时间检测方法
JP6318239B2 (ja) * 2014-04-24 2018-04-25 株式会社ヤクルト本社 真菌核酸の抽出方法
WO2016172204A1 (en) 2015-04-24 2016-10-27 Becton, Dickinson And Company Multiplex detection of vulvovaginal candidiasis, trichomoniasis and bacterial vaginosis
EP3294448A4 (en) 2015-05-14 2018-12-12 Longhorn Vaccines and Diagnostics, LLC Rapid methods for the extraction of nucleic acids from biological samples
USD799715S1 (en) 2015-10-23 2017-10-10 Gene POC, Inc. Fluidic centripetal device
WO2017116694A1 (en) * 2015-12-29 2017-07-06 3M Innovative Properties Company Method and system for detecting microorganisms in large-volume samples
EP3405479A4 (en) 2016-01-21 2019-08-21 T2 Biosystems, Inc. NMR METHOD AND SYSTEMS FOR THE FAST DETECTION OF BACTERIA
EP3405559B1 (en) * 2016-01-21 2021-11-17 T2 Biosystems, Inc. Rapid antimicrobial susceptibility testing using high-sensitivity direct detection methods
US10036054B2 (en) 2016-01-30 2018-07-31 Safeguard Biosystems Holdings Ltd. Bead beating tube and method for extracting deoxyribonucleic acid and/or ribonucleic acid from microorganisms
EP3199629A1 (en) * 2016-01-30 2017-08-02 Safeguard Biosystems Holdings Ltd. Bead beating tube and method for extracting deoxyribonucleic acid and/or ribonucleic acid from microorganisms
US11959125B2 (en) 2016-09-15 2024-04-16 Sun Genomics, Inc. Universal method for extracting nucleic acid molecules from a diverse population of one or more types of microbes in a sample
US10428370B2 (en) * 2016-09-15 2019-10-01 Sun Genomics, Inc. Universal method for extracting nucleic acid molecules from a diverse population of one or more types of microbes in a sample
WO2018085572A1 (en) 2016-11-02 2018-05-11 University Of Iowa Research Foundation Method and apparatus for selective removal of cells from a cell suspension by mechanical lysis
AU2018211530B2 (en) 2017-01-30 2022-09-15 Safeguard Biosystems Holdings Ltd. Bead beating tube and method for extracting deoxyribonucleic acid and/or ribonucleic acid from microorganisms
US20190024076A1 (en) * 2017-07-18 2019-01-24 Shoreline Biome, Llc Semi-dry bead beating method for microbial lysis and device for performing same
EP3872166A4 (en) * 2018-10-25 2022-09-14 Nissui Pharmaceutical Co., Ltd. CELL COLLECTION PROCEDURE
US20210371939A1 (en) * 2020-05-26 2021-12-02 Omni International, Inc. Mechanical lysis and exposure by homogenization for direct viral nucleic acid amplification
CA3193878A1 (en) 2020-11-05 2022-05-12 Qiufeng ZHANG Multiplex detection and typing of vibrio cholerae
JP2023547536A (ja) 2020-11-05 2023-11-10 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー 細菌性呼吸器病原体のマルチプレックス検出
CN116964226A (zh) 2020-11-05 2023-10-27 贝克顿迪金森公司 副溶血弧菌的快速鉴定和分型
WO2024003792A1 (en) 2022-06-29 2024-01-04 Crispr Therapeutics Ag Viral detection assays
WO2024028818A1 (en) 2022-08-04 2024-02-08 Crispr Therapeutics Ag Method for detecting mycoplasma contamination

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4295613A (en) 1979-10-03 1981-10-20 Vpi Educational Foundation Apparatus for breaking bacterial cells
CA1296604C (en) * 1986-03-20 1992-03-03 Kathleen Murphy Method for releasing rna and dna from cells
GB8910768D0 (en) * 1989-05-10 1989-06-28 Glaverbel Forming vitreous enamel
AU664050B2 (en) 1991-12-18 1995-11-02 Becton Dickinson & Company Process for lysing mycobacteria
US5464773A (en) 1994-03-14 1995-11-07 Amoco Corporation Cell disrupting apparatus
US5643767A (en) 1994-05-02 1997-07-01 The Rockefeller University Process for isolating cellular components
US5567050A (en) 1994-08-23 1996-10-22 Savant Instruments, Inc. Apparatus and method for rapidly oscillating specimen vessels
US5994066A (en) 1995-09-11 1999-11-30 Infectio Diagnostic, Inc. Species-specific and universal DNA probes and amplification primers to rapidly detect and identify common bacterial pathogens and associated antibiotic resistance genes from clinical specimens for routine diagnosis in microbiology laboratories
US5942425A (en) * 1996-03-12 1999-08-24 Walters; Adriann H. Method to access nucleic acids from cells
ATE378422T1 (de) * 1996-08-26 2007-11-15 Invitek Biotechnik & Biodesign Verfahren zum nachweis klinisch relevanter veränderungen der dns-sequenz des ki-ras-onkogens,seine verwendung und testkit zur früherkennung von tumoren
FR2781500B1 (fr) 1998-07-23 2000-09-08 Bio Merieux Dispositif perfectionne et procede de lyse de micro-organismes
DE60022025T2 (de) * 1999-05-28 2006-06-29 Cepheid, Sunnyvale Anlage zum brechen von zellen
EP2322667A3 (en) 1999-09-28 2011-10-26 Geneohm Sciences Canada, Inc. Highly conserved gene and its use to generate species-specific, genus-specific, family-specific, group-specific and universal nucleic acid probes for microorganisms.

Also Published As

Publication number Publication date
DE60210621D1 (de) 2006-05-24
CA2451985A1 (en) 2003-01-30
WO2003008636A2 (en) 2003-01-30
DE60210621T2 (de) 2007-03-08
US7494771B2 (en) 2009-02-24
CA2451985C (en) 2012-03-13
WO2003008636A3 (en) 2003-07-10
EP1407051A2 (en) 2004-04-14
EP1407051B1 (en) 2006-04-12
ATE323182T1 (de) 2006-04-15
JP2004535207A (ja) 2004-11-25
AU2002354838B2 (en) 2007-11-29
US20040076990A1 (en) 2004-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4358618B2 (ja) 核酸の放出及びそれらを検出するための細胞を迅速に溶解せしめるための万能な方法及び組成物
AU2002354838A1 (en) Universal method and composition for the rapid lysis of cells for the release of nucleic acids and their detection
US20200239871A1 (en) Method, lysis solution and kit for selectively depleting animal nucleic acids in a sample
JP6914037B2 (ja) 標的抗生物質の感受性試験方法
EP1774041B9 (en) Method for obtaining nucleic acids by lysis of microbial samples
JPH01503006A (ja) 細菌検定用標本の調製技法
JP2575290B2 (ja) ミコバクテリアの試料処理方法
WO2007094506A1 (ja) 生物材料からの核酸抽出法
CN106460030A (zh) 用于稳定和维持顽强微生物的生存力的组合物和方法
WO2019116034A1 (en) Microbial enrichment method
JP5714291B2 (ja) 抗酸菌dnaの抽出精製法
US20180016623A1 (en) Compositions and methods for detecting nucleic acids in sputum
JP6713007B2 (ja) 核酸の単離
EP2888364B1 (en) Method for efficient isolation of microbial dna from blood
JP2781749B2 (ja) マイコバクテリアの溶菌方法
US20240210394A1 (en) Microorganism capture from antimicrobial-containing solution
JP2006141292A (ja) 微生物の破砕・核酸抽出方法、この方法を用いたキット、及びその製造方法
JP5599013B2 (ja) 血液検体からの微生物核酸の抽出方法
JP2023052559A (ja) ビーズ破砕用チューブ並びに微生物からデオキシリボ核酸及び/又はリボ核酸を抽出する方法
Edwards The Application of Loop Mediated Isothermal Amplification for the Detection of the Sexually Transmitted Pathogens Chlamydia trachomatis, Neisseria gonorrhoeae, Mycoplasma genitalium, and Trichomonas vaginalis, at the Point of Care
NZ621288B2 (en) Assay for detection of jc virus dna

Legal Events

Date Code Title Description
A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20050719

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080415

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080714

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080722

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080909

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081208

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090127

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090424

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090604

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090707

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090806

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4358618

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term