JP4348748B2 - 印刷装置および画像記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
色相が異なる2種類以上のドットを、対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する印刷装置およびその画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの出力装置として、数色のインクをヘッドから吐出するタイプのカラープリンタが広く普及し、コンピュータ等が処理した画像を多色多階調で印刷するのに広く用いられている。シアン、マゼンタ、イエロー(CMY)の三色のインクにより多色の画像を印刷する場合、多階調の画像を形成しようとするにはいくつかの方法が考えられる。一つは、従来のプリンタで採用されている手法であり、一度に吐出するインクにより用紙上に形成されるドットの大きさを一定として、印刷される画像の階調を、ドットの密度(単位面積当たりの出現頻度)により表現するものである。もう一つの方法は、用紙上に形成するドット径を調整して、単位面積当たりの濃度を可変するものである。最近では、インク粒子を形成するヘッドの微細加工が進み、所定長さ当たりに形成できるドットの密度やドット径の可変範囲などは、年々向上しているが、プリンタの場合には、印字密度(解像度)で300dpiないし720dpi程度、粒径で数十ミクロンに留まっており、銀塩写真の表現力(フィルム上では解像度で数千dpiと言われる)との間の隔たりは未だ大きい。
【0003】
特に、画像濃度の低い領域、即ち印刷されるドット密度の低い領域では、ドットがまばらに形成され(いわゆる粒状化)、これが目に付いてしまう。そこで、従来から多値化の処理、例えばプリンタ用のハーフトーニングの処理を工夫し、印刷濃度の低い領域での各色のドットの出現頻度を、できるだけ偏らせないようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各色のドットの出現頻度が偏らないようにしても、多色の印刷が可能な場合、複数色のインクのドットは別々に多値化され形成されるから、場合によってはシアンとマゼンタのドットが偏って出現し、粒状感を強く感じさせることがあった。
【0005】
本発明は、色相の異なる2種類以上のドット(例えばシアン、マゼンタ、イエロの三原色インクによるドット)を形成可能な印刷装置において、元の画像の階調信号に対して、2種類以上の色相のドットの多値化を適切に行なわせ、記録される画像の品位を向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
かかる目的を達成するため、本願発明は、以下の構成を採用した。まず、本発明の第1の印刷装置は、
色相が異なる2種類以上のドットを、対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する印刷装置であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力する入力手段と、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する第1のドット形成判断手段と、
該多値化の結果を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する第2のドット形成判断手段と、
前記第1および第2のドット形成判断手段の判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させるヘッド駆動手段と
を備えたことを要旨としている。
【0007】
この印刷装置に対応した画像記録方法の発明は、
色相が異なる2種類以上のドットを、対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する方法であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力し、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断し、
該多値化の結果を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、該色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断し、
前記両判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させること
を要旨としている。
【0008】
この印刷装置は、色相の異なる2種類のドットのうちの一種類のドットについて、第1のドット形成判断手段が、2以上の多値化を行なって、前記色相が異なる1種類のドットの形成を判断する。ここで多値化は、2値化であってもよいし、3値化以上であってもよい。第2のドット形成判断手段は、この多値化の結果を受け、これを、色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させる。第2のドット形成判断手段は、反映された記録濃度に従って、色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、そのドットの形成を判断する。その後、ヘッド駆動手段によりは、第1および第2のドット形成判断手段の判断結果に基づいてヘッドを駆動して、色相の異なる2種類以上のドットを形成させる。
【0009】
また、この画像記録方法では、色相の異なる2種類のドットのうちの一種類のドットについて、2以上の多値化を行なって、前記色相が異なる1種類のドットの形成を判断し、この多値化の結果を受け、これを、色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させる。反映された記録濃度に従って、色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、そのドットの形成を判断する。その後、これらの判断結果に基づいてヘッドを駆動して、色相の異なる2種類以上のドットを形成させる。
【0010】
この結果、第1の印刷装置およびこれに対応した画像記録方法によれば、色相の異なる1種類ののドットの形成の判断が、他の種類のドットの形成の判断に反映され、元の画像の階調を表現するドットの有無が、色相の異なる2種類以上のドット単独ではなく、両者に関連付けを持たせて判断されることになる。
【0011】
こうした画像記録方法をコンピュータ上で実現するプログラムを記録した記録媒体の発明は、
色相が異なる2種類以上のドットを、対象物上に形成可能なヘッドを備えた印刷装置に接続されたコンピュータにより機械読み取り可能であり、該ドットの分布により多階調の画像を記録するプログラムを記録した記録媒体であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力する機能、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する機能、
該多値化の結果を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、該色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する機能、
前記両判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させる機能
をコンピュータに実現させるプログラムを記録したことを要旨としている。
【0012】
かかる記録媒体に記録されたプログラムは、機械読み取りされてコンピュータにより実行される。コンピュータは、このプログラムを実行し、ドットの形成について判断した上で、印刷機に備えられたヘッドを駆動して、上記の画像記録方法を実現する。
【0013】
これらの印刷装置および画像記録方法において、色相が異なる2種類以上のドットのうち、最初にドットの形成を判断する1種類のドットは、2種類以上のドットのうち視覚上の影響の大きい側の色のドットとすることができる。視覚上の影響の大きい側の色とは、印刷上であれば明度の低い色となる。また、色相が異なる2種類以上のドットのうち、1種類のドットは、フルカラーを表現可能な三原色、例えばシアン,マゼンタ,イエロのうちの一つの色、あるいは赤,緑,青のうちの一つの色のドットであり、色相が異なる他の種類のドットは、これら三原色の他の色のドットとすることができる。
【0014】
また、色相異なる2種類以上のドットのうち、1種類のドットはフルカラーを表現可能な三原色、例えばシアン,マゼンタ,イエロのうちの一つの色のドットであり、色相が異なる他の種類のドットは、この一つの色成分とこれとは異なる色成分とを含む色、例えばブラックのドットとすることができる。
【0015】
色相が異なる2種類のドットのうちの1種類のドットの形成の判断と、他の種類のドットの形成の判断とを関連付ける手法としては、例えば、色相が異なる2種類以上のドットのうちの1種類のドットについて、入力した階調信号に基づいて、このドットを形成するか否かの判断を、このドット以外の色相のドットについての判断に先立って行ない、このドットの形成を行なわないとの判断がなされたとき、色相が異なる他の種類のドットについて、該ドットを形成するか否かの前記判断を行なうものとしても良い。
【0016】
他方、第2のドット形成判断手段は、該第1のドット形成判断手段により該1種類のドットを形成すると判断した場合には、前記他の種類のドットを形成しないと判断するものとしてもよい。この場合には、1種類のドットが形成される場合には、他の種類のドットを形成しないことになり、判断が簡易となる。
【0017】
更に、これらの場合において、第2のドット形成判断手段よるドット形成の有無の判断に基づき、階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との差を濃度誤差として求め、この濃度誤差を、ドット形成の対象となっている画素の周辺の画素についての他の種類のドットの形成の判断に反映させるよう配分することも、画像全体での量子化誤差を低減する上で好適である。
【0018】
なお、第1のドット形成判断手段が、色相が異なる2種類以上のドットのうち1種類のドットを形成すると判断した場合には、他の種類のドットの階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との濃度誤差を、1種類のドットと他の種類のドットとの色相上の相関の程度に応じた値として求めるものとすることもできる。先にドットの形成を判断したドットの色相が黒であり、後で判断するドットの色相がシアンやマゼンタの場合には、黒色のドットが形成されたことでシアンやマゼンタのドットが形成されたと考えることができ、両者の色相上の相関が高い場合には、1種類のドットが形成されたことで他の種類のドットが形成されたとみなして濃度誤差を求めることができる。他方、シアンとイエロなど両者の相関が小さい場合には、一方のドットが形成されたことによる他方のドットへの影響の度合いを小さく見積もって濃度誤差を求めることが望ましい。
【0019】
また、本発明の第2の印刷装置は、
色相の異なる2種類以上のドットを、印字対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する印刷装置であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力する入力手段と、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する第1のドット形成判断手段と、
該多値化の結果、前記階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との局所的な差を求める局所誤差演算手段と、
該局所的な差を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する第2のドット形成判断手段と、
前記第1および第2のドット形成判断手段の判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させるヘッド駆動手段と
を備えたことを要旨としている。
【0020】
この印刷装置に対応した画像記録方法の発明は、
色相の異なる2種類以上のドットを、印字対象物上に形成可能なヘッドを用い、該ドットの分布により多階調の画像を記録する方法であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力し、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断し、
該多値化の結果、前記階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との局所的な差を求め、
該局所的な差を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断し、
前記両判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させること
を要旨としている。
【0021】
この印刷装置および画像記録方法では、入力した画像の多色の階調信号に基づいて、色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、この多値化の結果、階調信号に対応した印刷濃度とこのドットにより実現される印刷濃度との局所的な差を求める。その上で、この局所的な差を、色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、この記録濃度に従って、色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行なう。色相が異なる2種類以上のドットの1種類のドットについてのドット形成の判断結果と、他の種類のドットについての判断結果とに基づいて、ヘッドを駆動して、色相の異なる2種類以上のドットを形成させる。
【0022】
この結果、先に判断されたドットの形成に伴い局所的に生じる濃度の差が、他の種類のドットの形成に反映され、2種類以上のドットの局所的な不均一が解消される。
【0023】
こうした画像記録方法をコンピュータ上で実現するプログラムを記録した記録媒体の発明は、
色相の異なる2種類以上のドットを、印字対象物上に形成可能なヘッドを備えた印刷機に接続されたコンピュータにより機械読み取り可能であり、該ドットの分布により多階調の画像を記録するプログラムを記録した記録媒体であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力する機能、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する機能、
該多値化の結果、前記階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との局所的な差を求める機能、
該局所的な差を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する機能、
前記両判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させる機能
を、コンピュータに実現させるプログラムを記録したこと要旨としている。
【0024】
かかる記録媒体に記録されたプログラムは、機械読み取りされてコンピュータにより実行される。コンピュータは、このプログラムを実行し、ドットの形成について判断した上で、印刷機に備えられたヘッドを駆動して、上記の画像記録方法を実現する。
【0025】
この第2の印刷装置および画像記録方法においても、色相が異なる2種類以上のドットのうち、最初にドットの形成を判断する1種類のドットは、2種類以上のドットのうち視覚上の影響の大きい側の色のドットとすることができる。視覚上の影響の大きい側の色とは、印刷上であれば明度の低い色となる。こうした場合には、視覚上影響度の大きな色相のドットを多値化した後に、第1のドットの局所的な誤差を解消する形で第2の色相のドットの多値化が行なわれるので、多値化に伴う視覚上の粒状感などを最も抑制することができる。
【0026】
かかる構成において、局所的な誤差は、1種類のドットの階調信号に対応した印刷濃度と、そのドットのオン・オフにより実際に実現された印刷濃度との差、もしくはこの差に所定の補正係数を乗じたものとして、直接求めても良いが、次のように区分して求めても良い。即ち、色相が異なる1種類のドットによる階調信号に対応した印刷濃度に基づいて、前記他の種類のドットの印刷濃度への影響の度合い(これを第1の影響度と呼ぶ)を求め、色相が異なる1種類のドットにより実現された印刷濃度に基づいて、他の種類のドットの印刷濃度への影響の度合い(これを、第2の影響度という)を求め、更に着目してる画素の周辺の画素についての第2のドット形成判断手段よるドット形成の有無の判断に基づき、この周辺の画素についての階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との差である濃度誤差による前記他の種類のドットの印刷濃度への影響の度合い(これを、第3の影響度という)をもとめ、これら第1ないし第3の影響度を考慮して、局所的な差とするのである。この場合、第1の影響度と第2の影響度との差を直接求めても良いが、それぞれの補正の程度を異ならせたり、第1の影響度に基づく補正を行なった後、第3の影響度の補正を先に行ない、その後第2の影響度に基づく補正を行なうといった構成も可能である。こうした構成を用いた場合には、局所的な誤差として様々な補正を行なうことが可能となる。第1ないし第3の影響度に基づく補正は、どの順序で行なっても良い。
【0027】
また、色相異なる2種類以上のドットのうち、1種類のドットは、フルカラーを表現可能な三原色、例えばシアン,マゼンタ,イエロのうちの一つの色、あるいは赤,緑,青のうちの一つの色のドットであり、色相が異なる他の種類のドットは、これら三原色の他の色のドットとすることができる。
【0028】
また、色相異なる2種類以上のドットのうち、前記1種類のドットはフルカラーを表現可能な三原色、例えばシアン,マゼンタ,イエロのうちの一つの色のドットであり、色相が異なる他の種類のドットは、この一つの色成分とこれとは異なる色成分とを含む色、例えばブラックのドットとすることができる。
【0029】
更に、他の種類のドットについてのドット形成の有無の判断に基づき、階調信号に対応した印刷濃度とそのドットにより実現される印刷濃度との差を濃度誤差として求め、該濃度誤差を、ドット形成の対象となっている画素の周辺の画素について、他の種類のドットの形成の判断に反映させるよう配分することも、画像全体での量子化誤差を低減する上で好適である。
【0030】
これらの印刷装置では、ヘッドは、色相の異なるインクについて、濃度の異なる2種類以上の濃淡インクを吐出可能なものとすることもできる。濃度の異なる2種類の以上の濃淡インクにより単位面積当たりの濃度の異なる2種類以上のドットを形成することができる。こうした場合、濃淡インクは2種類のインクからなり、低濃度インクの染料濃度は、高濃度インクの染料濃度の略1/4とすることも望ましい。
【0031】
本発明の第3の印刷装置は、
色相が異なる有彩色インクによる2種類以上のドットと無彩色のインクによるドットとを、印字対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する印刷装置であって、
印刷すべき画像の階調信号を画素毎に順次入力する入力手段と、
該入力した階調信号に基づいて、前記有彩色インクが分担する濃度と前記無彩色インクが分担する濃度とを求める濃度演算手段と、
該求められた無彩色インクの濃度に基づいて、該無彩色インクについて、2以上の多値化を行なって、無彩色インクのドットの形成を判断する無彩色ドット形成判断手段と、
該無彩色についての多値化の結果に基づいて、前記2種類以上の有彩色インクの各々の濃度に反映すべき補正データを求め、前記有彩色インクが分担する濃度を補正する濃度補正手段と、
該補正された有彩色インクの濃度に基づいて、前記色相が異なる2種類以上のドットについてそれぞれ多値化を行ない、該2種類以上のドットの形成を判断する有彩色ドット形成判断手段と、
前記無彩色ドット形成判断手段および前記有彩色ドット形成判断手段の判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、色相の異なる有彩色インクの2種類以上のドットおよび前記無彩色インクのドットを形成させるヘッド駆動手段と
を備えたことを要旨としている。
【0032】
また、この印刷装置に対応した画像記録方法は、
色相が異なる有彩色インクによる2種類以上のドットと無彩色のインクによるドットとを、対象物上に形成可能なヘッドを駆動し、該ドットの分布により多階調の画像を記録する方法であって、
印刷すべき画像の階調信号を画素毎に順次入力し、
該入力した階調信号に基づいて、前記有彩色インクが分担する濃度と前記無彩色インクが分担する濃度とを求め、
該求められた無彩色インクの濃度に基づいて、該無彩色インクについて、2以上の多値化を行なって、無彩色インクのドットの形成を判断し、
該無彩色についての多値化の結果に基づいて、前記2種類以上の有彩色インクの各々の濃度に反映すべき補正データを求め、前記有彩色インクが分担する濃度を補正し、
該補正された有彩色インクの濃度に基づいて、前記色相が異なる2種類以上のドットについてそれぞれ多値化を行ない、該2種類以上のドットの形成を判断し、
前記両判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、色相の異なる有彩色インクの2種類以上のドットおよび前記無彩色インクのドットを形成させること
を要旨としている。
【0033】
この印刷装置および画像記録方法では、画素毎に順次入力した階調信号に基づいて、有彩色インクが分担する濃度と無彩色インクが分担する濃度とを求めてておき、無彩色インクの濃度に基づいて、該無彩色インクについて、2以上の多値化を行なって、無彩色インクのドットの形成を判断し、この多値化の結果に基づいて、2種類以上の有彩色インクの各々の濃度に反映すべき補正データを求め、各有彩色インクが分担する濃度を補正する。その上で、この補正済みの濃度に基づいて、各色相のドットによる多値化をそれぞれ行ない、該2種類以上のドットの形成を判断する。こうしてなされた無彩色のドットについての判断結果と有彩色の2種類以上のドットについての判断結果とに基づいて、ヘッドを駆動して、色相の異なる有彩色インクの2種類以上のドットおよび無彩色インクのドットを形成させる。
【0034】
すなわち、この印刷装置は、無彩色についてのドット形成の有無により2種類以上の有彩色のドットの形成に影響を与える。無彩色のドットには、有彩色の成分が含まれていると考えることができるから、こうした構成を取ることにより、無彩色(例えば黒色のドット)のオン・オフにより、色相の異なる2種類以上の有彩色のドットのオン・オフを適正に制御することが可能となる。
【0035】
こうした画像記録方法をコンピュータ上で実現するプログラムを記録した記録媒体の発明は、
色相が異なる有彩色インクによる2種類以上のドットと前記無彩色のインクによるドットとを、前記対象物上に記録可能なヘッドを備えた印刷機に接続されたコンピュータにより機械読み取り可能であり、該両ドットの分布により多階調の画像を記録するプログラムを記録した記録媒体であって、
印刷すべき画像の階調信号を画素毎に順次入力する機能、
該入力した階調信号に基づいて、前記有彩色インクが分担する濃度と前記無彩色インクが分担する濃度とを求める機能、
該求められた無彩色インクの濃度に基づいて、該無彩色インクについて、2以上の多値化を行なって、無彩色インクのドットの形成を判断する機能、
該無彩色についての多値化の結果に基づいて、前記2種類以上の有彩色インクの各々の濃度に反映すべき補正データを求め、前記有彩色インクが分担する濃度を補正する機能、
該補正された有彩色インクの濃度に基づいて、前記色相が異なる2種類以上のドットについてそれぞれ多値化を行ない、該2種類以上のドットの形成を判断する機能、
前記両判断結果に基づいて、色相の異なる有彩色インクの2種類以上のドットおよび前記無彩色インクのドットを形成する機能
を、コンピュータに実現させるプログラムを記録したことを要旨としている。
【0036】
かかる記録媒体に記録されたプログラムは、機械読み取りされてコンピュータにより実行される。コンピュータは、このプログラムを実行し、ドットの形成について判断した上で、印刷機に備えられたヘッドを駆動して、上記の画像記録方法を実現する。
【0037】
更に、こうした場合に、無彩色のインクによるドットが形成された場合に、どの程度、有彩色のインクについての濃度誤差に反映させるかは、色毎に決めることもできるし、2種類の以上の各色についての濃度誤差に按分する事も可能である。
【0038】
なお、上述した各印刷装置では、ヘッドの構造は、各種のものが許容される。例えば、インク通路に設けられた電歪素子への電圧の印加によりインクに付与される圧力によってインク粒子を吐出する機構を備えたものとしても良いし、インク通路に設けられた発熱体への通電により発生する気泡により該インク通路のインクに付与される圧力によってインク粒子を吐出する機構を備えたものとしても良い。
【0041】
【発明の他の態様】
この発明は、以下のような他の態様も含んでいる。第1の態様は、印刷装置の入力手段,第1のドット形成判断手段,第2のドット形成判断手段のうちの一つまたは関連するいくつかの手段を、印刷装置の筐体内部ではなく、印刷しようとする画像を出力する装置の側に置く構成である。第1,第2のドット形成判断手段等は、ディスクリートな回路によっても実現可能であるが、CPUを中心とした算術論理演算回路におけるソフトウェアによっても実現可能である。後者の場合には、印刷しようとする画像を出力する側、例えばコンピュータ側にドットの生成に関する処理まで行なわせ、印刷装置の筐体内には、生成されたドットを、ヘッドからのインクの吐出を制御して、用紙上などに形成する機構のみを収納する形態も考えることができる。もとより、これらの手段を適当な箇所で二つのグループに分け、その一方を、印刷装置の筐体内で実現し、残りを、画像を出力する側で実現すると言った構成も可能である。
【0042】
第2の形態は、上記の画像記録方法を実現するプログラムを通信回線を介して供給する供給装置としての形態である。こうした形態では、プログラムをネットワーク上のサーバなどに置き、通信回線を介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロードし、これを実行することで、上記の画像記録方法を実現することができる。
【0043】
第3の形態は、上記の画像記録方法で記録された印刷物の形態である。即ち、
色相が異なる2種類以上のドットを、対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する方法により記録された印刷物であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力し、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断し、
該多値化の結果を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、該色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断し、
前記両判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させた結果得られた印刷物の形態を考えることができる。
【0044】
同様に、他の画像記録方法により記録した印刷物も発明の実施の形態として考えることができる。更に、本発明の印刷装置により印刷した印刷物も発明の実施の形態として考えることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の種々の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、この発明の一実施例であるプリンタ20の概略構成図である。図示するように、このプリンタ20は、紙送りモータ22によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ30に搭載された印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御する機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。
【0046】
用紙Pを搬送する機構は、紙送りモータ22の回転をプラテン26のみならず、図示しない用紙搬送ローラに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0047】
制御回路40を中心にこのプリンタ20の構成を示したのが、図2である。図示するように、この制御回路40は、周知のCPU41,プログラムなどを記憶したP−ROM43,RAM44,文字のドットマトリックスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45などを中心とする算術論理演算回路として構成されており、この他、外部のモータ等とのインタフェースを専用に行なうI/F専用回路50、このI/F専用回路50に接続されヘッド28を駆動するヘッド駆動回路52、同じく紙送りモータ22およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54を備える。また、I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータに接続されて、コンピュータが出力する印刷用の信号を受け取ることができる。コンピュータからの画像信号の出力については後述する。
【0048】
次にキャリッジ30の具体的な構成と、キャリッジ30に搭載された印字ヘッド28によるインクの吐出原理について説明する。図3は、キャリッジ30の形状を示す斜視図である。また、図4は、キャリッジ30の下部に配列された印字ヘッド28における各色インクを吐出するノズル部分を示す平面図である。図3に示すように、キャリッジ30は、略L字形状をしており、図示しない黒インク用カートリッジとカラーインク用カートリッジ70(図5参照)とを搭載可能であって、両カートリッジを装着可能に仕切る仕切板31を備える。キャリッジ30の下部の印字ヘッド28には計6個のインク吐出用ヘッド61ないし66が形成されており、キャリッジ30の底部には、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管71ないし76が立設されている。キャリッジ30に黒インク用のカートリッジおよびカラーインク用カートリッジ70を上方から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入管71ないし76が挿入される。
【0049】
インクが吐出される機構を簡単に説明する。図6に示すように、インク用カートリッジ70がキャリッジ30に装着されると、毛細管現象を利用してインク用カートリッジ内のインクが導入管71ないし76を介して吸い出され、キャリッジ30下部に設けられた印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし66に導かれる。なお、初めてインクカートリッジが装着されたときには、専用のポンプによりインクを各色ヘッド61ないし66に吸引する動作が行なわれるが、本実施例では吸引のためのポンプ、吸引時に印字ヘッド28を覆うキャップ等の構成については図示および説明を省略する。
【0050】
各色ヘッド61ないし66には、図4および図6に示したように、各色毎に32個のノズルnが設けられており、各ノズル毎に電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PEとノズルnとの構造を詳細に示したのが、図7である。図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルnまでインクを導くインク通路68に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行なう素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図7下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結果、インク通路68の体積は、ピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルnの先端から高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行なわれることになる。
【0051】
印字ヘッド28における各色ヘッド61ないし66の配列は、上述したピエゾ素子PEを配置する関係上、図4に示したように、2つのヘッドを一組として、3組に分けて配設されている。黒インク用カートリッジに近接した側の端に黒インク用のヘッド61が配設されており、その隣がシアン用のインクヘッド62である。また、この組に隣接するのが、シアン用インクヘッド62に供給されるシアンインクより濃度の低いインク(以下、ライトシアンインクと呼ぶ)用のヘッド63とマゼンタ用のインクヘッド64である。更にその隣の組には、通常のマゼンタインクより濃度の低いインク(以下、ライトマゼンタインクと呼ぶ)用のヘッド65と、イエロ用のヘッド66とが配置されている。各インクの組成および濃度については後述する。
【0052】
以上説明したハードウェア構成を有する本実施例のプリンタ20は、紙送りモータ22によりプラテン26その他のローラを回転して用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし66のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行ない、用紙P上に多色の画像を形成する。なお、プリンタ20は、図8に示すように、コンピュータ90などの画像形成装置からコネクタ56を介して受け取った信号に基づいて、多色の画像を形成する。この例では、コンピュータ90内部で動作しているアプリケーションプログラムは、画像の処理を行ないつつビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ93に画像を表示している。このアプリケーションプログラム95が、印刷命令を発行すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像情報をアプリケーションプログラムから受け取り、これをプリンタ20が印字可能な信号に変換している。
【0053】
プリンタドライバ96は、本発明の画像記録方法に対応するプログラムであり、実施例では、記録媒体としてのフレキシブルディスクFDに記録されたプログラムをディスクドライブ75により読み取り、これをコンピュータ90のRAMに展開することにより、コンピュータ90により実行可能となる。ディスクドライブ75やこれに接続されるコントローラ、あるいは周知のCPU,RAM,ROMなどは、図8では図示を省略した。図8に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、アプリケーションプログラム95が扱っている画像情報をドット単位の色情報に変換するラスタライザ97、ドット単位の色情報に変換された画像情報(階調データ)に対して画像出力装置(ここではプリンタ20)の発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジュール98、色補正された後の画像情報からドット単位でのインクの有無によりある面積での濃度を表現するいわゆるハーフトーンの画像情報を生成するハーフトーンモジュール99が備えられている。これらの各モジュールの動作は、周知のものなので、説明は原則として省略し、ハーフトーンモジュール99の内容については、後述する。
【0054】
以上説明したように、本実施例のプリンタ20は、その印字ヘッド28に、いわゆるCMYKの4色のインク以外に、ライトシアンインクとライトマゼンタインク用のヘッド63,65を備える。これらのインクは、図9にその成分を示すように、通常のシアンインクおよびマゼンタインクの染料濃度を低くしたものである。図示するように、通常濃度のシアンインク(図9中C1で示す)は、染料であるダイレクトブルー99を3.6重量パーセント、ジエチレングリコール30重量パーセント、サーフィノール465を1重量パーセント、水65.4重量パーセントとしたものであるのに対して、ライトシアンインク(図9中C2で示す)、染料であるダイレクトブルー99を、シアンインクC1の1/4である0.9重量パーセントとし、粘度調整のためにジエチレングリコールを35重量パーセント、水を63.1重量パーセントに変更したものである。また、通常濃度のマゼンタインク(図9中M1で示す)は、染料であるアシッドレッド289を2.8重量パーセント、ジエチレングリコール20重量パーセント、サーフィノール465を1重量パーセント、水79重量パーセントとしたものであるのに対して、ライトマゼンタインク(図9中M2で示す)は、染料であるアシッドレッドを、マゼンタインクM1の1/4である0.7重量パーセント、ジエチレングリコール25重量パーセント、水74重量パーセントに変更したものである。
【0055】
なお、図9に示したように、イエロインクYと、ブラックインクKは、染料としてダイレクトイエロ86とフードブラック2とを用い、それぞれ1.8重量パーセント、4.8重量パーセントとしたものである。いずれのインクも、粘度がおよそ3[mPa・s]程度に調整されている。本実施例では、各色インクの粘度の他、表面張力も同一に調整しているので、各色ヘッド毎のピエゾ素子PEの制御を、ドットを形成するインクに拠らず同一にすることができる。
【0056】
これらの各色インクの明度を測定したものを図10に示した。図10の横軸はプリンタの記録解像度に対する記録率であり、ノズルnから吐出したインク粒子Ipにより白色の用紙Pにドットを記録した割合を示している。即ち、記録率100とは、用紙Pの全面がインク粒子Ipにより覆われた状態を示している。本実施例では、シアンインクC1に対してライトシアンインクC2は、染料の濃度が重量パーセントで約1/4としており、このときの両インクの明度は、ライトシアンインクC2の記録率が100パーセントの場合の明度が、シアンインクC1の記録率が約35パーセントの場合の明度と等しくなっている。この関係は、マゼンタインクM1,ライトマゼンタインクM2においても同様である。濃度の異なるインクが同一明度となる記録率の割合は、両インクを混在して印刷した場合の混色の美しさの点から定めたものであるが、実用上は、20ないし50パーセントの範囲に調整することが望ましい。この関係を、両インクにおける染料の重量パーセントの割合で表現すると、濃度の高いインク(シアンインクC1およびマゼンタインクM1)における染料の重量パーセントに対して、濃度の低いインク(ライトシアンインクC2およびライトマゼンタインクM2)における染料の重量パーセントの関係を、後者が前者の約1/5ないし1/3程度に調整することとほぼ等価である。
【0057】
次に、プリンタドライバ96のハーフトーンモジュール99内の処理について説明する。第1の実施例では、無彩色のインクである黒インクのドットを形成するか否かの判断結果を、色相が異なる有彩色のインクであるシアンおよびマゼンタインクのドットの形成に反映させている。この実施例について説明する前に、複数のインクについてのドット形成を関連させる基本技術について、濃度の高いシアンインクC1と濃度の低いライトシアンインクC2とについてドット形成を関連づける技術を例に取って説明する。後述する第1の実施例では、この技術を拡張し、異なる色相間のドット形成を関連付けるハーフトーン処理を行なっている。
【0058】
濃度の異なる二つのドットの形成を関連付ける場合の処理の一例を、図11のフローチャートに示した。図示するように、印刷の処理が開始されると、一つの画像の左上隅を原点として各画素を順にスキャンし、まず色補正モジュール98から、キャリッジ30のスキャン方向に沿った順に、一つの画素の色補正済みの階調データDS(CMYK各8ビット)を入力する(ステップS100)。
【0059】
なお、以下では、シアンインクのみにより印刷が行なわれるものとして説明するが、実際には多色の印刷が行なわれることになり、マゼンタについては、濃度の高いマゼンタインクM1と濃度の低いライトマゼンタインクM2とにより、濃ドットおよび淡ドットが形成される。またイエロについては、イエロインクYによりドットが形成され、黒色についてはブラックインクKによりドットが形成されることになる。また、所定の領域内に異なる色のインクによるドットが形成される場合には、混色による色の再現性を良好なものとするために必要な制御、例えば異なる色のドットを同位置箇所に印刷しないものとする制御などが行なわれる。
【0060】
次に、入力した階調データDSに基づき、濃ドットのオン・オフを決定する処理を行なう(ステップS120)。この濃ドットのオン・オフを決定する処理の詳細を、図12の濃ドット形成判断処理ルーチンに示した。この処理ルーチンでは、まず、階調データDSに基づいて、図13に示したテーブルを参照して、濃レベルデータDthを生成する処理を行なう(ステップS122)。図13は、元の画像の階調データに対して、淡インクと濃インクの記録率をどの程度にするかを設定するテーブルを示す。階調データは、各色について0〜255までの値をとるものとしているから(各色8ビット)、以下階調データの大きさを16/256等のように表現する。図13のテーブルは、得られる印刷物における濃インクと淡インクの平均的な割合を示すものであり、ある階調データDSが与えられたときに実現すべき濃インクの記録率と淡インクの記録率を与える。したがって、個々の画素の濃インクまたは淡インクによるドットのオン・オフを、一意に定めるものではない。
【0061】
入力した階調データDSに基づいて、図13のテーブルを参照することにより、予め定めた濃インクの記録率に対応した濃レベルデータDthを得る(図13右側縦軸)。例えば、入力したシアンの階調データが50/256のベタの領域を印刷する場合には、濃インクであるシアンインクC1の記録率は0パーセントであり、濃レベルデータも値0となる。階調データが95/256のベタの領域を印刷する場合には、濃インクであるシアンインクC1の記録率は7パーセントであり、濃レベルデータDthは値18となる。更に、階調データが191/256のベタ領域を印刷する場合にはシアンインクC1の記録率は75パーセントであって、濃レベルデータは値191となる。なお、これらの場合の対応するライトシアンインクC2の記録率は36パーセント、58パーセント、0パーセントとなっており、淡レベルデータDtnは、それぞれ92/255,148/255,0/255となる。
【0062】
次に、こうして得られた濃レベルデータDthが閾値Dref1より大きいか否かの判断を行なう(図12、ステップS124)。この閾値Dref1は、着目した画素に濃インクによるドットを形成するか否かの判定値である。この例では、この閾値の設定に分散型ディザの閾値マトリックスを採用し、特に64×64程度の大域的マトリックス(ブルーノイズマトリックス)を利用し、組織的ディザ法を適用した。従って、濃ドットのオンオフを定める閾値Dref1は、着目する画素毎に異なった値となる。図14に、組織的ディザ法における閾値の考え方を示す。図14では、マトリックスの大きさは図示の都合上4×4としたが、実際には、64×64の大きさのマトリックスを用い、その内部のいずれの領域をとっても閾値(0〜255)の出現に偏りがないように閾値を決めている。こうした大域的なマトリックスを用いると、疑似輪郭などの発生が抑制される。分散型ディザとは、その閾値マトリックスにより決定されるドットの空間周波数が高いものであり、ドットが領域内でバラバラに発生するタイプを言う。具体的には、Beyer型の閾値マトリックスなどが知られている。分散型のディザを採用すると、濃ドットの発生がバラバラに行なわれるので、濃淡ドットの分布が偏らず、画質が向上する。なお、濃ドットのオンオフを決定するには、その他の手法、例えば濃度パターン法や画素配分法などを採用しても差し支えない。
【0063】
濃ドットデータDthが閾値Dref1より大きい場合には、その画素の濃ドットをオンにするものと判断し、更に結果値RVを演算する処理を行なう(図12、ステップS126)。結果値RVは、その画素の濃度に相当する値(濃ドット評価値)であり、濃ドットがオン、即ちその画素に濃度の高いインクによるドットを形成すると判断した場合には、その画素の濃度の対応した値(例えば値255)が設定される。この結果値RVは、固定値でも良いが、濃レベルデータDthの関数として設定しても良い。
【0064】
他方、濃レベルデータDthが閾値Dref1以下の場合には、濃ドットをオフ、即ち形成しないと判断し、更に結果値RVに値0を代入する処理を行なう(ステップS128)。濃度の高いインクによるドットが形成されない箇所は、用紙の白地が残ることから、結果値RVを値0とするのである。
【0065】
こうして濃ドットのオン・オフを決定し、結果値RVを演算する処理(図11ステップS120)を行なった後、次に、淡ドットのオン・オフを決定するための淡ドット用データDxを求める処理を行ない(ステップS130)、これに処理済み画素からの拡散誤差ΔDuを加えて補正データDCを求める処理を行なう(ステップS135)。淡ドット用データDxは、次式によって求める。
Dx=Dth・Z/255+Dtn・z/255
ここで、Dtnは、図13のグラフに基づいて階調データDSから求めた淡ドットデータである。また、Zは濃ドットがオンの場合の評価値、zは淡ドットがオンの場合の評価値である。Dxは淡データと濃データにそれぞれの評価値に応じた重み係数を掛けて合計したものになっている。このように、淡ドットのオン・オフを決定するに当たっては、淡ドットデータではなく、濃淡両ドットのデータを総合したDxを用いているのが本発明の大きな特徴である。ここでは上述したとおりZ=255であるから、上記式は
Dx=Dth+Dtn・z/255
となる(ステップ130)。淡ドットの評価値zは、当然濃ドット評価値と比べれば小さい。本実施例では、z=160とした。
【0066】
また、ステップS135で、拡散誤差△Duを加えて補正データDCを求めるのは、淡ドットについては、誤差拡散の処理を行なっているからである。誤差拡散で印刷を行なう場合、処理済みの画素について生じた濃淡の誤差を予めその画素の周りの画素に所定の重みを付けて予め配分しておく。そこで、該当する誤差分を読み出し、これを今から印刷しようとする画素に反映させるのである。淡ドットについてのオン・オフを決定した処理済みの画素PPに対して、周辺のどの画素にどの程度の重み付けで、この誤差を配分するかを、図15に例示した。オン・オフを決定した画素PPに対して、キャリッジ30の走査方向で数画素、および用紙Pの搬送方向後ろ側の隣接する数画素に対して、濃度誤差が所定の重み(1/4,1/8、1/16)を付けて配分される。
【0067】
補正データDCを求めた後、濃ドットをオフ(シアンインクC1によるドット形成)としたか否かを判断し(ステップS138)、濃ドットをオフ、すなわち形成していない場合には、濃度の低いドット、即ちライトシアンインクC2によるドット(以下、淡ドットと呼ぶ)のオン・オフを決定する処理を行なう(ステップS140)。淡ドットのオン・オフを決定する処理について、図16に示した淡ドット形成判断処理ルーチンに拠って説明する。淡ドットのオン・オフを決定する処理では、ライトシアンインクC2によるドットの形成は、この例では、誤差拡散法を適用し、誤差拡散の考え方で補正した階調データDCが淡ドット用の閾値Dref2より大きいか否かの判断を行なう(ステップS144)。この閾値Dref2は、着目した画素に濃度の低い淡インクによるドットを形成するか否かの判定値であって、単純に固定値とすることもできるが、ここでは、補正済みのデータDCに応じて可変される値として設定した。閾値Dref2と補正データDCとの関係を図17に示す。図示するように、閾値Dref2を、判断の対象である補正データDCの関数として設定することにより、階調の下限または上限近くのドット形成の遅延や、領域の階調が急変した場合の走査方向に一定の範囲で生じるドット形成の乱れ(いわゆる尾引き)などを抑制することができる。
【0068】
補正データDCが閾値Dref2より大きければ淡ドットをオンすると判断し、結果値RV(淡ドット評価値)を演算する(ステップS146)。結果値RVは、ここでは、値122を基準値とし、補正データDCにより補正される値としたが、固定値とすることも可能である。他方、補正データDCが閾値Dref2以下と判断された場合には、淡ドットをオフにすると判断し、結果値RVに値0を算入する処理を行なう(ステップS148)。
【0069】
こうして淡ドットのオン・オフと結果値RVの演算とを行なった後(図11、ステップS140)、次に誤差計算を行なう(ステップS150)。誤差計算は、補正データDCから結果値RVを減算することにより求める。濃淡いずれのドットも形成されなかった場合には結果値RVは値0に設定されているから、誤差ERRには、補正値DCが算入される。即ち、その画素において実現されるべき濃度が全く得られなかったので、その濃度が誤差として計算されるのである。他方、濃ドットもしくは淡ドットが形成された場合には、各ドットに対応した結果値RVが代入されているから、判断の元になったデータDCとの差分が、誤差ERRとなる。
【0070】
次に、誤差拡散の処理を行なう(ステップS160)。ステップS150で得られた誤差に対して、着目している画素の周辺画素に所定の重み(図15参照)を付けて、この誤差を拡散する。以上の処理の後、次の画素に移動して、上述したステップS100以下の処理を繰り返す。
【0071】
こうして淡ドットと濃ドットによる記録が行なわれることになるが、この様子をシアンインクC1とライトシアンインクC2とについて模式的に示したのが、図18である。入力された階調データが低い領域(ここでは、階調データが0/256〜63/256の領域)では、図18(a),(b)に示すように、ライトシアンインクC2によるドットだけが形成され、かつ階調データが高くなるにつれて、所定の領域内に存在する淡ドットの割合は増加して行く。
【0072】
階調データが所定値を越える領域(ここでは、64/256以上の領域)では、図18(c)に示すように、淡ドットの割合も増加するが濃ドットの記録も開始され、徐々に増加する。更に、階調データが高い領域(ここでは95/256以上の領域)では、図18(d),(e)に示すように、濃ドットは増加し、淡ドットの割合は減少して行く。
【0073】
階調データが更に高い領域(ここでは191/256以上の領域)となると、淡ドットの形成は行なわれなくなり、図18(f),(g)に示すように、濃ドットだけが形成される。階調データが最大となれば、図18(h)に示すように、濃ドットによる記録率が100パーセントとなり、用紙Pの全面が濃度の高いインク(シアンインクC1)により印刷されることになる。
【0074】
以上説明した構成によれば、先に一方のインク(ここでは、濃度の高いインク)によるドットを形成するか否かについて決定し、そのインクによるドットのオン・オフに応じて結果値RVを決定する。その後、一方のインクを形成しないと判断した時のみ、他方のインク(ここでは、濃度の低いインク)によるドットの形成を行なうか否かを決定し、この他方のインクのドットのオン・オフに応じて結果値RVを決定する。この結果、一方のインクのドットのオン・オフの影響が他方のインクに反映され、両ドットのオン・オフにより、印刷される画像は、適正に印刷される。
【0075】
以上の基本技術を踏まえて、本発明の第1の実施例について説明する。第1実施例の印刷装置は、上述した通り、黒インクK,シアンインクC1,ライトシアンインクC2,マゼンタインクM1,ライトシアンインクM2,イエロインクYの計6色によって画像を記録することが可能である。この実施例では、ハーフトーンモジュール99は、図19に示した画像記録処理ルーチンを実行する。このルーチンを起動すると、まず着目画素の階調データを入力する処理を行ない(ステップS200)、続いて黒インクについての2値化の処理を実行する(ステップS210)。この黒インクについての2値化の処理は、図20に示したが、その詳細は後述する。
【0076】
黒インクについての2値化の処理を行なった後、濃度の異なる2種類のシアンインクC1,C2についての2値化の処理を行ない(ステップS220)、同様に濃度の異なる2種類のマゼンタインクM1,M2についての2値化の処理を行ない(ステップS230)、更にイエロインクYについての2値化の処理を行なう(ステップS240)。即ち、着目している画素について、全部で6種類のインク(K,C1,C2,M1,M2,Y)の2値化の処理を順次行なうのである。
【0077】
黒インクについての2値化の処理は、図20に示したように、組織的ディザ法により行なわれる。組織的ディザ法については、上記の基本技術で説明した。黒インクについては、同様に64×64程度の大域的マトリックス(ブルーノイズマトリックス)を利用し、分散性の良い2値化を行なっている。2値化、即ち黒インクによるドットのオン・オフを決定した後(ステップS212)、黒ドットがオンであるか否かを判断し(ステップS214)、オンの場合には、フラグFCおよびFMに値1を設定する処理を行なう(ステップS216)。他方、黒インクのドットを形成しないと判断した場合には、これらのフラグに値0を設定する処理を行なう(ステップS218)。これらのフラグFCおよびFMは、黒インクによるドットのオン・オフを、シアンインクおよびマゼンタインクについての2値化の処理(ステップS220,230)において参照するためのものである。
【0078】
次に、図21によって、シアンまたはマゼンタインクのハーフトーン処理(ステップS220,230)について説明する。なお、この処理は、基本技術として説明したハーフトーン処理(図11)と同様の処理を含むので、図11の処理と同じもしくは類似のステップについては、下2桁の番号を同じにしてある。また、図21は、シアンインクについての処理を基本として示し、マゼンタインクの場合の処理については(括弧)内に示した。本ルーチンが開始されると、まずフラグFCが値1であるか否かの判断を行なう(ステップS313)。マゼンタインクについての処理ルーチンであれば、フラグFMが値1であるか否かの判断を行なうことになる。フラグFC(FM)が値1なければ、黒インクの2値化処理(図20)において黒インクによるドットはオンになっていないと判断でき、以下、濃ドット(C1)のオン・オフの決定、結果値RVC(RVM)を演算する処理(ステップS320)、および着目している画素の近傍の処理済みの画素からの拡散誤差△Duを加えた補正データDCC(マゼンタの場合はDCM)を作成する処理を行なう(ステップS325)。
【0079】
他方、黒インクについての2値化の処理において黒インクのドットをオンとした場合(FCおよびFM=1)には、シアンインクについての濃ドットを、入力した階調データの如何に関わらずオンにしたものとみなし、結果値RVC,RVMを演算する処理を行なう(ステップS315)。即ち、黒インクKによるドットが打たれた場合、黒インクには減色混合の考え方によればシアンやマゼンタが既に存在するとみなして差し支えなく、黒インクに重ねてシアンやマゼンタのインクによるドットを形成するには及ばないから、シアンインクC1及びマゼンタインクM1によるドットをオンにしたものとみなして、結果値RVC(RVM)に所定値(rvckおよびrvmk)を設定するのである。その後、ステップS325同様、着目している画素の近傍の処理済みの画素からの拡散誤差△Duを加えた補正データDCC(マゼンタの場合はDCM)を作成する処理を行なう(ステップS318)。
【0080】
黒インクKによるドットが形成されていなかった場合(FC,FM=0の場合)には、上記の補正データDCC(DCM)の作成を行なった後、濃ドットをオン(シアンインクC1またはマゼンタインクM1によるドットを形成)としたか否かを判断し(ステップS330)、濃ドットを形成していない場合には、濃度の低いドット、即ちライトシアンインクC2(またはライトマゼンタインクM2)によるドット(以下、淡ドットと呼ぶ)のオン・オフを決定する処理を行なう(ステップS340)。淡ドットのオン・オフを決定する処理については、基本技術として説明したもの(図16)と同様なので図示は省略する。淡ドットのオン・オフを決定する処理では、ライトシアンインクC2(マゼンタインクM2)によるドットの形成は、実施例では、誤差拡散法を適用し、誤差拡散の考え方で補正した階調データDCC(DCM)が淡ドット用の閾値Dref2より大きいか否かの判断を行なう。この閾値Dref2は、着目した画素に濃度の低い淡インクによるドットを形成するか否かの判定値である。
【0081】
補正データDCC(DCM)が閾値Dref2より大きければ淡ドットをオンすると判断し、結果値RVC,RVM(淡ドット評価値)を演算する。他方、補正データDCが閾値Dref2以下と判断された場合には、淡ドットをオフにすると判断し、結果値RVC(RVM)に値0を算入する処理を行なう。
【0082】
こうして淡ドットのオン・オフと結果値RVC(RVM)の演算とを行なった後(ステップS340)、次に誤差計算を行なう(ステップS350)。誤差計算は、補正データDCC(DCM)から結果値RVC(RVM)を減算することにより求める。濃淡いずれのドットも形成されなかった場合には結果値RVC(RVM)は値0に設定されているから、誤差ERRには、補正値DCC(DCM)が算入される。即ち、その画素において実現されるべき濃度が全く得られなかったので、その濃度が誤差として計算されるのである。他方、濃ドットもしくは淡ドットが形成された場合には、各ドットに対応した結果値RVが代入されているから、判断の元になったデータDCC(DCM)との差分が、誤差ERRとなる。また、本実施例では、黒インクによるドットが形成された場合には、シアン及びマゼンタの濃ドットがオンされた(形成された)とみなして、結果値RVC(RVM)を求め、補正データを作成した上で、直接上記ステップS350以下の処理を行なっているから、着目画素に対応して黒インクによるドットが形成された場合には、シアン及びマゼンタインクのドットは形成されないが、結果値RVC(RVM)には、所定値rvck(rvmk)が設定され、これにより誤差計算(ステップS350)が行なわれることになる。
【0083】
この誤差計算に用いる結果値は、先にオン・オフを決定したドットのインク色と後でオン・オフを決定するドットのインク色との色相上の相関の程度により設定することが望ましい。例えば、上記の例では、先にオン・オフを決定したインク色は黒であり、後でオン・オフを決定するインク色はシアンまたはマゼンタである。こうした場合には、黒色のドットがオンされた場合には、シアンCのドットがオンされたものとして結果値RVC(RVM)を設定しても差し支えないが、先にオン・オフを決定するインク色がシアンであり、シアンのドットのオン・オフに関連してオン・オフを判断するインク色がマゼンタやイエロの場合には、両者の色相上の相関は小さいから、前者をオンと判断して後者をオフとする場合、後者の結果値としてはより小さな値を設定することになる。どの色間においてどの程度の結果値を設定するかは、印刷された画像の品質などを評価しながら、実験的に決定すればよい。
【0084】
以上の誤差計算の処理の後、誤差拡散の処理を行なう(ステップS360)。ステップS350で得られた誤差に対して、着目している画素の周辺画素に所定の重み(図15参照)を付けて、この誤差を拡散する。以上の処理の後、次の画素に移動して、上述した処理を繰り返す。なお、シアンインク及びマゼンタインクの2値化の処理(ステップS220,230)に引き続いて行なわれるイエロインクの2値化の処理(ステップS240)では、シアンインクやマゼンタインクのような処理は行なわず、組織的ディザ法による2値化の処理を行なっている。但し、黒インクについて使用した閾値マトリックスを同じマトリックスを使用し、黒インクによるドットが形成される場合には、イエロインクのドットは形成しないようにしている。
【0085】
以上説明した第1実施例によれば、多色の画像を黒インクを含む複数種類のインクにより記録する場合、色相の異なる一つのインク(ここでは黒インク)によるドットが形成されると、他の色相のインク(ここではシアン及びマゼンタのインク)によるドットが形成されたものとみなし、着目している画素に対応してシアン及びマゼンタのドットを形成することがない。この結果、シアンインク,マゼンタインクについては、黒インクによるドットが形成された場合には、あたかもシアンインク,マゼンタインクによるドットが形成されたものとみなして、結果値RVC,RVMの計算を行なっているので、黒インクによるドットがオンになった場合には、そのドットの周辺には、シアン,マゼンタのドットは形成されにくくなる。例えば各色インクがまばらに記録されるような領域で、黒インクのドットの間近にシアンインクやマゼンタインクはもとより、ライトシアンインク,ライトマゼンタインクのドットも記録されにくくなり、画像の粒状感は著しく低減される。更に、本実施例によれば、無駄なインクを吐出することがなく、インクの使用量を低減できるだけでなく、用紙に対するインク吐出量の制限(インクデューティ)の面からも好ましい。
【0086】
なお、上記の実施例では、黒インクとシアンインク,マゼンタインクの関係について説明したが、有彩色のインクであれぱシアン,マゼンタインクに限るものではなく、イエロインクに適用することも可能である。また、ヘッドから吐出されるインクがCYM以外の組み合わせによっている場合にも適用することができる。更に、無彩色のインクとしては黒インクに以外に、灰色のインクなど、濃度の低いインクを用いることもできる。
【0087】
次に、本発明の第2実施例について説明する。第2実施例では、ドット形成を関連付ける色相の異なる2色のインクとして、シアンとマゼンタとを取り上げる。第2実施例におけるハーフトーニングの処理を図22ないし24に示した。図22に示した処理が開始されると、まず着目する画素の位置を初期化する処理が行なわれる(ステップS400)。即ち水平方向位置を示す変数xおよび垂直方向位置を示す変数yに、それぞれ値0を代入するのである。次にこの画素のマゼンタインクMの濃度M(x,y)に基づき、マゼンタインクをN値化する処理を行ない、結果値MRSTを求める処理を行なう(ステップS410)。ここでマゼンタインクのN値化は、種々の手法が適用できる。例えば、第1実施例において黒インクに適用した組織的ディザ法により行なうこともできる。
【0088】
マゼンタインクについては濃度の高いマゼンタインクM1と、低濃度のライトマゼンタインクM2とが、用意されているから、N値化処理として、3値化処理を行なっても良い。組織的ディザ法を用いて3値化する処理の概要を図23に示した。この処理では、16×16の分散型ディザの閾値マトリックスを予め用意する。この分散型ディザの閾値マトリックスは、値85〜255の閾値が各マトリックスに分散性良く記憶されている。この閾値マトリックスから読み出された閾値Md1とマゼンタの濃度M(x,y)とを比較し(ステップS411)、その結果により閾値Md1より大きければマゼンタインクM1によるドットを形成するとしてMdot(x,y)は、M1をオンとする(ステップS412)。マゼンタインクの濃度M(x,y)の方が閾値Md1より小さければ、次にマゼンタインクの濃度M(x,y)が、閾値Md1から値85を減じた淡ドット閾値Md2より大きいか否かを判断する(ステップS413)。マゼンタインクの濃度M(x,y)が淡ドット閾値Md2より大きければ、ライトマゼンタインクM2によるドットを形成するとしてMdot(x,y)は、M2をオンとし(ステップS414)。マゼンタインクの濃度M(x,y)の方が淡ドット閾値Md2より更に小さければ、このドットについてはマゼンタインクM1もライトマゼンタインクM2もオフとする(ステップS418)。なお、各々のドット形成の有無に基づいて、結果値MRSTは、マゼンタインクM1によるドットが形成された場合には値255が、ライトマゼンタインクM2によるドットが形成された場合には値128が、またいずれのインクのドットも形成されなかった場合には値0が、それぞれ設定される(ステップS415,S416,419)。
【0089】
次に、マゼンタインクについての3値化の処理を受けて、シアンについての修正データCxを求める処理を行なう(ステップS420)。修正データCxは、着目している画素のシアン成分の階調データC(x,y)に、マゼンタインクの階調データM(x,y)とその結果値MRSTとの差分に係数MCWを乗じた値を加えることにより求めている。これを数式で表現すると、
Cx=C(x,y)+{M(x,y)−MRST}・MCW
である。
【0090】
シアン成分についての修正データCxを求めるのに、マゼンタインクの階調データから結果値を引いた値を加えるのは、マゼンタインクによるドットが形成された場所(M(x,y)−MRSTの値がマイナスの値になる場所)には、シアンインクのドットが打たれにくくするようにするためである。なお、修正データCxを求めるのに、重み付け係数MCWを用いているので、マゼンタインクのドットが打たれた時に、シアンのドットが打たれ難くする程度を調整することができる。この重み付け係数MCWを値1より小さい値とすれば、シアンインクのドットとマゼンタインクのドットの相関(一方が形成されたとき他方が形成されにくくなる度合い)は、平均的には大きくなり、値1より大きな値とすれば、両ドットの相関は、平均的には小さくなる。
【0091】
シアン成分に関する階調データを補正した後(ステップS420)、次にシアンについての3値化処理を行なう(ステップS430)。この処理の詳細は図24に示したが、単純化して言えば、シアン成分についての拡散誤差補正済みデータCcrに基づいて、シアンインクC1,ライトシアンインクC2によるドット形成のオンオフを判断するものである。この処理については後述するものとし、全体の処理(図22)を先に説明する。
【0092】
シアン成分についての3値化処理を行なった後、シアン成分について生じた誤差を周辺の誤差に拡散する処理を行なう(ステップS450)。3値化処理により、濃度の高いシアンインクC1によるドットを形成するか,濃度の低いライトシアンインクC2によるドットを形成するかあるいはいずれのドットも形成されないかのいずれかの結果が得られるが、いずれの場合も、もとの画素の階調データと一致するとは限らず、通常は幾分かの誤差を生じる。そこで、これを第1実施例図15に示した重み付けを施して、周辺の画素に配分するのである。
【0093】
その後、主走査方向(ヘッド搬送方向)の位置を示す変数xを値1だけインクリメントし(ステップS460)、主走査方向の位置が端(Hmax)を越えたかを判断する(ステップS470)。主走査方向端を越えていなければ、上述したステップS410から処理を繰り返す。一方、処理が主走査方向の端を越えていれば、変数xを値0に戻し、副走査方向(用紙搬送方向)の位置を示す変数yを値1だけインクリメントする処理を行なう(ステップS480)。その後、副走査方向の位置が用紙端(Vmax)を越えているか判断し(ステップS490)、越えていなければ、上述したステップS410に戻って、処理を繰り返す。
【0094】
次に、図24に拠って、シアン成分についての3値化処理について説明する。この処理が開始されると、まずシアン成分について図22ステップS420で求めた修正データCxに、同じくステップS450で処理した拡散誤差Cdferを加えて、補正データCcrを求める処理を行なう(ステップS431)。即ち、着目している画素の階調データC(x,y)に、先に処理したマゼンタインクの階調データと結果値との差に重み付けを施した値を加えて求めた修正データCxに、更に周辺の画素から拡散された誤差を加えて、その画素で実現すべきシアンインクの濃度を求めるのである。次に上記の補正データCcrが第1の閾値EdTh1より大きいか否かの判断を行なう(ステップS433)。補正データCcrが、第1の閾値EdTh1より大きければ、その画素で実現すべき濃度は高く、その点に濃ドットを形成するとしてCdot(x,y)について、シアンインクC1のドットをオンとする処理を行なう(ステップS434)。また、濃ドットをオンとしたことから結果値CRSTには値255を入れ(ステップS435)、補正データCcrと結果値CRSTとの偏差を、濃度誤差Cerrとして求める処理を行なう(ステップS440)。この濃度誤差Cerrは、上述した誤差拡散処理(図22、ステップS450)により、周辺の画素に拡散される量子化誤差である。
【0095】
ステップS433において、補正データCcrが第1の閾値EdTh1より大きくないと判断され場合には、第1の閾値EdTh1により小さな第2の閾値EdTh2より大きいか否かの判断を行なう(ステップS441)。補正データCcrが、第1の閾値EdTh1以下で第2の閾値EdTh2より大きいと判断された場合には、その画素で実現すべき濃度は淡ドットをオンにすべき程度の濃度であると判断する。即ち、その点に淡ドットを形成するとしてCdot(x,y)について、ライトシアンインクC2のドットをオンとする処理を行なう(ステップS442)。また、淡ドットをオンとしたことから結果値CRSTには値128を設定する(ステップS443)。更に、補正データCcrが、第2の閾値EdTh2以下であると判断された場合には、その点には濃淡を問わずドットを形成しないと判断し、Cdot(x,y)について、濃淡のシアンインクC1,C2のドットを共にオフとする処理を行なう(ステップS444)。また、濃淡のドットをオフとしたことから結果値CRSTには値0を設定する(ステップS445)。
【0096】
以上で、シアン成分について3値化し、濃ドットC1,淡ドットC2のいずれを形成するかあるいはいずれも形成しないかの処理が行なわれる。こうした濃淡ドットの形成の判断(ステップS434,S442,S444およびS446)および結果値CRSTの設定(ステップS435,S443,およびS445)を行なった後、上述した濃度誤差の演算処理を行なう(ステップS440)。
【0097】
以上説明した実施例によれば、マゼンタインクのドットの形成の有無により、シアンインクの濃淡ドットの形成に影響を与えることができる。即ち、マゼンタインクとシアンインクという色相の異なる2種類のインク間において、マゼンタインクによるドットが形成された場合には、その周辺にシアンインクのドットが形成され難くなる。このため、マゼンタインクとシアンインクについて、それぞれ単独の分散性が高い場合でも、両方のドットが隣接して形成されてしまい、結果的に粒状性が視認されると言った不具合を生じることがない。
【0098】
また、本実施例では、マゼンタインクのドットが形成されたことによ.影響を、マゼンタインクにより実現すべき濃度M(x,y)とマゼンタドットの結果値MRSTとの差分、即ちM(x,y)−MRSTという形で取り込んでいるので、その影響は局所的なものに限られるという利点がある。マゼンタインクとシアンインクとは、色相的には全く異なり、マゼンタインクと黒インクのように、一方が他方の色相を含んでいるとみなすことはできないから、一方のインクの影響が他方に及ぶ範囲を局所的なものに限り、画像全体としては影響がないものとすることは、画像全体の色調や明るさの再現性の点から望ましい。また、本実施例の手法によれば、マゼンタインクとシアンインクの和が100[%]を越えるような場合でもそのまま適用することができる。
【0099】
更に、この実施例では、マゼンタインク,シアンインクともに3値化処理を行なっており、マゼンタインクのドットが形成された場合には、その濃さに応じて、その周辺にシアンインクのドットが形成されにくくなる。また、シアンインク,マゼンタインクについては濃淡のインクを記録することができるから、仮に形成されるとすれば淡ドットが形成されやすく、画像の品質は極めて高いものとなる。
【0100】
なお、上記実施例では、マゼンタインクのドットが形成された場合の影響をシアンインクに及ぼす上で、図22ステップS420に示したように、マゼンタインクの濃度M(x,y)から結果値MRSTを引いている。したがって、マゼンタインクの影響は、局所的なものに限られ、平均的に見れば、そのシアンインクの濃度に影響を与えることはない。なお、マゼンタインクのドットが形成された影響をシアンインクのドットの形成に及ぼす際の重み付け係数MCWにより制御しているが、色相の異なる2種類のインクが、黒インクとマゼンタインク,黒インクとシアンインク、あるいは黒インクとマゼンタおよびシアンインクのような場合には、この重み付け係数は、それぞれ最適な値に調整すれば良い。例えば黒インクとマゼンタ(あるいはシアンインク)の場合には値1程度、黒インクの影響をマゼンタおよびシアンインクの両方に与える場合には、値0.5ないし0.8程度とすればよい。後者の場合で、シアンおよびマゼンタの両ドットを、一つの黒ドットに置き換えると、ドットの隙間が目立つときには、重み付け係数は、値0.5以下とした方が望ましい。
【0101】
本実施例では、マゼンタインクドットを形成した否かによる局所的な影響を図22ステップS420に示したように、
{M(x,y)−MRST}・MCW
として求めた。この場合、局所的な誤差の影響を重み付け係数MCWにより一括して補正しているが、
M(x,y)・MCW1−MRST・MCW2
のように、それぞれに異なる重み付け係数を乗じて、その画素のマゼンタインクの濃度による影響と、実際に形成されたドットの濃度により影響とを、別々に評価することも差し支えない。
【0102】
更に、先ず先に多値化を行なったインク(この実施例ではマゼンタインク)の濃度による影響度(第1の影響度)を
Cx←C(x,y)+M(x,y)・MCW1
のように考慮し、その後、平均誤差最小法により周辺の画素から影響をうける拡散誤差による影響度(第3の影響度)を
Ccr←Cx+Cdfer
のように考慮し、更に先に多値化を行なったインクについて実際に形成されたドットの濃度による影響度(第2の影響度)を
C←Ccr−MRST・MCW2
のように考慮し、得られた階調データCに基づいて、第2の色相のインク(この実施例ではシアンインク)の多値化を行なうものとしても良い。なお、これらの影響度による補正は、どの順序で行なっても差し支えない。
【0103】
また、ステップS420の式を、例えば黒インクとマゼンタあるいはシアンインクとの相関を付ける場合などには、
Cx=C(x,y)+K(x,y)
のように設定することも可能である。この場合には、たとえばシアンインクについての3値化処理において、補正データCcrを求めた直後に、黒インクのドットを形成したか否かを判断し、黒インクのドットKが形成されている場合には、シアンインクのドットを形成しないものとし、かつシアンインクについての結果値CRSTに所定値(例えば値255)を代入するものとしても良い。これは次の理由による。
【0104】
ステップS420でシアンインクについての修正データCxを求めるのに、シアンインクについての階調データC(x,y)に黒インクの階調データK(x,y)を加えている。したがって、図24に示したステップS431で求めた補正データCcrは、
Ccr=Cx+Cdfer
=C(x,y)+K(x,y)+Cdfer
となる。
【0105】
したがって黒インクのドットを形成した場合に、シアンインクについての結果値CRSTに所定値を代入し、これを補正データCcrから減算して求める濃度誤差Cerrは、
Cerr=Ccr−CRS1
=C(x,y)+K(x,y)−CRST+Cdfer
となる。ここで、黒インクのドットを形成した場合に、シアンインクについてのドットの形成を何ら判断することなく、シアンインクについての結果値CRSTに所定値を設定していることから、この場合の結果値CRSTは、結局、黒インクのドットを形成した場合の結果値を反映している。即ち、
K(x,y)−CRST=Kerr
とみなすことができる。この結果、黒インクのドットを形成した場合には、その誤差分がステップS450で周りのシアンインクのドットの形成に反映されることになる。なお、黒インクのドットが形成されない場合には、黒インクについての結果値KRSTは、値0に設定されるのが通常なので、黒インクの階調データK(x,y)を加える処理(図22ステップS420)は、結局黒インクについての濃度誤差を加える処理に相当し、黒インクのドットのオン・オフの影響を、周辺のシアンインクのドットのオン・オフに反映させていることになる。尚、同じ考え方を、マゼンタインクのドット形成の影響をシアンインクのドットの形成に与える場合にも、適用することができる。
【0106】
上述した実施例では、マゼンタMのドットのオン・オフをシアンCのインクの多値化に影響を与える場合について説明したが、図22のハーフトーン処理は、多のインクの組み合わせにも適用することができる。例えば、マゼンタインクMに代えて濃度の高いシアンインクC1を、シアンインクCに代えて濃度の低いライトシアンインクC2を、それぞれ当てはめ、ステップS430の処理を「ライトマゼンタインクについて2値化処理」とすれば、同系色の濃淡インクにおける相互の2値化の処理に適用することができる。この場合には、図11の処理とほぼ同様になるが、濃インクと淡インクの記録率の合計が100パーセントを越えるような設定も可能となる点で、図22に示した処理の方が適用範囲が広いと言える。
【0107】
以上説明した実施例では、異なる色相のインク間においてドットの形成に影響を与える例として、黒インクとシアン(またはマゼンタ)インク、マゼンタインクとシアンインクの場合を挙げたが、これら以外のインク間、例えばシアン(またはマゼンタ)インクとイエロインク、シアン(またはマゼンタ)インクとライトマゼンタ(またはライトシアン)インク、ライトシアン(またはライトマゼンタ)インクとイエロインク等の間でも、本発明を、同様に適用することができる。また、黒インクに代えて、グレーのインク等、黒を含む無彩色のインクの影響を、マゼンタやシアンその他の有彩色のインクに影響を与えるものとすることも可能である。
【0108】
上記いくつかの実施例では、ドットの形成を制御するプログラムは、プリンタ20側ではなくコンピュータ90のプリンタドライバ96側に用意したが、プリンタ20内に用意することも可能である。例えば、コンピュータ90からは、ポストスクリプトなどの言語により印刷する画像情報が送られてくる場合には、プリンタ20側にハーフトーンモジュール99などを持つことになる。また、これらの機能を実現するソフトウェアプログラムは、本実施例では、コンピュータ90内のハードディスク等に記憶されており、コンピュータ90が起動する際にプリンタドライバの形態でオペレーティングシステムに組み込まれるが、フロッピディスクやCD−ROM等の携帯型記憶媒体(可搬型記憶媒体)に格納され、携帯型記憶媒体からコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に転送されるものとすることも可能である。また、コンピュータ90からプリンタ20の内部に転送して利用する形態とすることも可能である。なお、通信回線を介して、これらのソフトウェアプログラムを提供する装置を設け、上記ハーフトーンモジュールの処理内容を、通信回線を介して、このコンピュータやプリンタ20に転送して利用する形態とすることもできる。
【0109】
これらの構成を実現するには、コンピュータ90は、次の構成をとればよい。図25は、コンピュータ90の内部構成を示すブロック図である。図示するように、このコンピュータ90は、プログラムに従って画像処理に関わる動作を制御するための各種演算処理を実行するCPU81を中心に、バス80により相互に接続された次の各部を備える。ROM82は、CPU81で各種演算処理を実行するのに必要なプログラムやデータを予め格納しており、RAM83は、同じくCPU81で各種演算処理を実行するのに必要な各種プログラムやデータが一時的に読み書きされるメモリである。入力インターフェイス84は、スキャナ12やキーボード74からの信号の入力を司り、出力インタフェース85は、プリンタ22へのデータの出力を司る。CRTC86は、カラー表示可能なCRT21への信号出力を制御し、ディスクコントローラ(DDC)87は、ハードディスク76やフレキシブルドライブ75あるいは図示しないCD−ROMドライブとの間のデータの授受を制御する。ハードディスク76には、RAM83にロードされて実行される各種プログラムやデバイスドライバの形式で提供される各種プログラムなどが記憶されている。このほか、バス80には、シリアル入出力インタフェース(SIO)88が接続されている。このSIO88は、モデム78に接続されており、モデム48を介して、公衆電話回線PNTに接続されている。画像処理装置30は、このSIO88およびモデム78を介して、外部のネットワークに接続されており、特定のサーバーSVに接続することにより、画像処理に必要なプログラムをハードディスク76にダウンロードすることも可能である。また、必要なプログラムをフレキシブルディスクFDやCD−ROMによりロードし、コンピュータ90に実行させることも可能である。
【0110】
したがって、上述した実施例で実行された各種プログラムは、記録媒体としてのフレキシブルディスクやCD−ROMに記録しておくことができる。コンピュータ90は、これをディスクドライブ75などにより読み取ることにより、上述した画像記録方法を実現することができる。
【0111】
また、上述した実施例では、濃淡いずれのインクの吐出も、ピエゾ素子PEを用い、ピエゾ素子PEに所定時間幅の電圧を印可することにより行なっているが、この他のインク吐出方式を採用することも容易である。実用化されているインク吐出方式としては、大まかに分けると、連続したインク噴流からインク粒子を分離して吐出する方式と、上述した実施例でも採用された方式であるオンデマンド方式に大別される。前者には、荷電変調によりインクの噴流から液滴を分裂させる荷電変調方式、インクの噴流から大径粒子が分裂する際に生じる微少なサテライト粒子を印字に利用するマイクロドット方式などが知られている。これらの方式も、複数種類の濃度のインクを利用した本発明の印刷装置に適用可能である。
【0112】
また、オンデマンド方式は、ドット単位でインク粒子が必要となったとき、インク粒子を生成するものであり、上述した実施例で採用したピエゾ素子を用いた方式の他、図26(A)〜(E)に示すように、インクのノズルNZ近傍に発熱体HTを設け、インクを加熱することでバブルBUを発生させ、その圧力によりインク粒子IQを吐出する方式などが知られている。これらのオンデマンド方式のインク吐出方式も、複数種類の濃度のインクあるいは径の異なる複数のドットを利用する本発明の印刷装置に適用可能である。また、上記実施例の中でも触れたが、同一濃度のインクを複数回吐出して濃度の異なるドットを形成する構成にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のプリンタ20の概略構成図である。
【図2】プリンタ20における制御回路40の構成を示すブロック図である。
【図3】キャリッジ30の構成を示す斜視図である。
【図4】印字ヘッド28における各色ヘッド61ないし66の配置を示す説明図である。
【図5】カラーインク用カートリッジ70の形状を示す斜視図である。
【図6】各色ヘッド61ないし66におけるインク吐出のための構成を示す説明図である。
【図7】ピエゾ素子PEの伸張によりインク粒子Ipが吐出される様子を示す説明図である。
【図8】コンピュータ90が扱う画像情報から印刷が行なわれるまでの処理の様子を例示するブロック図である。
【図9】各色インクの成分を示す説明図である。
【図10】各色インクの記録率と明度との関係を例示するグラフである。
【図11】ハーフトーンモジュール99における処理を例示するフローチャートである。
【図12】濃ドット形成判断処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】淡インクと濃インクとによる記録率と階調データとの関係を例示するグラフである。
【図14】組織的ディザ法を用いた濃ドットの決定手法を示す説明図である。
【図15】誤差拡散における周辺ドットへの誤差の配分の様子を例示する説明図である。
【図16】淡ドット形成判断処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図17】データDCに対して閾値Dref2を与えるグラフである。
【図18】濃淡インクによるドット形成の過程を例示した説明図である。
【図19】本発明の第1実施例の画像記録処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図20】第1実施例における黒インクの2値化処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図21】シアン(マゼンタ)についてのハーフトーン処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図22】第2実施例のハーフトーン処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図23】第2実施例におけるマゼンタインクの2値化の処理を示すフローチャートである
【図24】第2実施例におけるシアン成分についての3値化処理を示すフローチャートである。
【図25】コンピュータ90の内部構成と共に、ネットワークとの接続について説明する説明図である。
【図26】インク粒子の吐出機構の他の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
20…プリンタ
22…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
25…ジエチレングリコール
26…プラテン
28…印字ヘッド
30…キャリッジ
31…仕切板
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
41…CPU
43…ROM
44…RAM
50…I/F専用回路
52…ヘッド駆動回路
54…モータ駆動回路
56…コネクタ
61〜66…インク吐出用ヘッド
68…インク通路
70…カラーインク用カートリッジ
71…導入管
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
93…CRTディスプレイ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…ラスタライザ
98…色補正モジュール
99…ハーフトーンモジュール
P…用紙
PE…ピエゾ素子
n…ノズル
Claims (17)
- 色相が異なる2種類以上のドットを、対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する印刷装置であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力する入力手段と、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる2種類以上のドットのうちの1種類のドットについて、該ドットを形成するか否かの判断を、該ドット以外の色相のドットについての判断に先立って行ない、該1種類のドットの形成を判断する第1のドット形成判断手段と、
該多値化の結果を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、該色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する第2のドット形成判断手段と、
該第2のドット形成判断手段よるドット形成の有無の判断に基づき、前記階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との差を濃度誤差として求め、該濃度誤差を、ドット形成の対象となっている画素の周辺の画素についての前記第2のドット形成判断手段における前記ドット形成の判断に反映させるよう配分する誤差拡散手段と、
前記第1および第2のドット形成判断手段の判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させるヘッド駆動手段と
を備え、
前記第2のドット形成判断手段は、該第1のドット形成手段により前記ドットの形成を行なわないとの判断がなされたとき、色相が異なる他の種類のドットについて、該ドットを形成するか否かの前記判断を行なう手段であり、
前記誤差拡散手段は、前記第1のドット形成判断手段が、前記1種類のドットを形成すると判断した場合には、前記他の種類のドットの階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との前記差を、前記1種類のドットと前記他の種類のドットとの色相上の相関の程度に応じた値として求める濃度差決定手段を有する
印刷装置。 - 色相が異なる2種類以上のドットを、対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する印刷装置であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力する入力手段と、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる2種類以上のドットのうちの1種類のドットについて、該ドットを形成するか否かの判断を、該1種類のドット以外の色相のドットについての判断に先立って行ない、該1種類のドットの形成を判断する第1のドット形成判断手段と、
該判断の結果を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、該色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する第2のドット形成判断手段と、
該第2のドット形成判断手段よるドット形成の有無の判断に基づき、前記階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との差を濃度誤差として求め、該濃度誤差を、ドット形成の対象となっている画素の周辺の画素についての前記第2のドット形成判断手段における前記ドット形成の判断に反映させるよう配分する誤差拡散手段と、
前記第1および第2のドット形成判断手段の判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させるヘッド駆動手段と
を備え、
前記第2のドット形成判断手段は、該第1のドット形成判断手段により該1種類のドットを形成すると判断した場合には、前記他の種類のドットを形成しないと判断する手段であり、
前記誤差拡散手段は、前記第1のドット形成判断手段が、前記1種類のドットを形成すると判断した場合には、前記他の種類のドットの階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との前記差を、前記1種類のドットと前記他の種類のドットとの色相上の相関の程度に応じた値として求める濃度差決定手段を有する
印刷装置。 - 色相の異なる2種類以上のドットを、対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する印刷装置であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力する入力手段と、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する第1のドット形成判断手段と、
該多値化の結果、前記階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との局所的な差を求める局所誤差演算手段と、
該局所的な差を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する第2のドット形成判断手段と、
前記第1および第2のドット形成判断手段の判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させるヘッド駆動手段と
を備えた印刷装置。 - 請求項3記載の印刷装置であって、
前記局所誤差演算手段は、
前記色相が異なる1種類のドットによる階調信号に対応した印刷濃度に基づいて、前記他の種類のドットの印刷濃度への影響の度合いを求める第1の影響度演算手段と、
前記色相が異なる1種類のドットにより実現された印刷濃度に基づいて、前記他の種類のドットの印刷濃度への影響の度合いを求める第2の影響度演算手段と、
着目してる画素の周辺の画素についての前記第2のドット形成判断手段よるドット形成の有無の判断に基づき、該周辺の画素についての階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との差である濃度誤差による前記他の種類のドットの印刷濃度への影響の度合いを求める第3の影響度演算手段と、
該第1ないし第3の影響度演算手段により求められた影響の度合いを考慮して、前記局所的な差を求める手段と
からなる印刷装置。 - 前記色相が異なる2種類以上のドットのうち、前記第1のドット形成判断手段がドットの形成を判断する前記1種類のドットは、前記2種類以上のドットのうち視覚上の影響の大きい側の色のドットである請求項3または請求項4記載の印刷装置。
- 前記色が相異なる2種類以上のドットのうち、前記1種類のドットはフルカラーを表現可能な三原色の一つの色のドットであり、色相が異なる前記他の種類のドットは、該三原色の他の色のドットである請求項3または請求項4記載の印刷装置。
- 前記色相が異なる2種類以上のドットのうち、前記1種類のドットはフルカラーを表現可能な三原色の一つの色のドットであり、色相が異なる前記他の種類のドットは、該色成分とこれとは異なる色成分とを含む色のドットである請求項3または請求項4記載の印刷装置。
- 請求項3記載の印刷装置であって、
更に、該第2のドット形成判断手段によるドット形成の有無の判断に基づき、前記階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との差を濃度誤差として求め、該濃度誤差を、ドット形成の対象となっている画素の周辺の画素についての前記第2のドット形成判断手段における前記ドット形成の判断に反映させるよう配分する誤差拡散手段を備えた印刷装置。 - 請求項3ないし請求項8のいずれか記載の印刷装置であって、
第1のドット形成判断手段または第2のドット形成判断手段が、ディザ法によりドットの有無を決定する手段である印刷装置。 - 請求項9記載の印刷装置であって、第1または第2のドット形成判断手段が用いるディザ法の閾値マトリックスが分散型の閾値マトリックスである印刷装置。
- 請求項3ないし請求項8のいずれか記載の印刷装置であって、
前記ヘッドが、色相の異なる2種類以上のインクについて、濃度の異なる2種類以上の濃淡インクを吐出可能であり、
前記第1および第2のドット形成判断手段の少なくとも一方は、該インクにより単位面積当たりの濃度の異なる2種類以上のドットの各々について、多値化を行ない、該ドットの形成を判断する手段である
印刷装置。 - 濃淡インクは2種類のインクからなり、低濃度インクの染料濃度は、高濃度インクの染料濃度の略1/4である請求項11記載の印刷装置。
- 色相が異なる有彩色インクによる2種類以上のドットと無彩色のインクによるドットとを、対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する印刷装置であって、
印刷すべき画像の階調信号を画素毎に順次入力する入力手段と、
該入力した階調信号に基づいて、前記有彩色インクが分担する濃度と前記無彩色インクが分担する濃度とを求める濃度演算手段と、
該求められた無彩色インクの濃度に基づいて、該無彩色インクについて、2以上の多値化を行なって、無彩色インクのドットの形成を判断する無彩色ドット形成判断手段と、
該無彩色についての多値化の結果に基づいて、前記2種類以上の有彩色インクの各々の濃度に反映すべき補正データを求め、前記有彩色インクが分担する濃度を補正する濃度補正手段と、
該補正された有彩色インクの濃度に基づいて、前記色相が異なる2種類以上のドットについてそれぞれ多値化を行ない、該2種類以上のドットの形成を判断する有彩色ドット形成判断手段と、
前記無彩色ドット形成判断手段および有彩色ドット形成判断手段によるドット形成の有無の判断に基づき、前記階調信号に対応した印刷濃度と該無彩色インクおよび各有彩色インクのドットにより実現される印刷濃度との差を濃度誤差として求め、該濃度誤差を、ドット形成の対象となっている画素の周辺の画素についての前記有彩色ドット形成判断手段における前記ドット形成の判断に反映させるよう配分する誤差拡散手段と、
前記無彩色ドット形成判断手段および前記有彩色ドット形成判断手段の判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、色相の異なる有彩色インクの2種類以上のドットおよび前記無彩色インクのドットを形成させるヘッド駆動手段と、
を備えた印刷装置。 - 前記ヘッドは、インク通路に設けられた電歪素子への電圧の印加によりインクに付与される圧力によってインク粒子を吐出する機構を備えた請求項3または請求項13に記載の印刷装置。
- 前記ヘッドは、インク通路に設けられた発熱体への通電により発生する気泡により該インク通路のインクに付与される圧力によってインク粒子を吐出する機構を備えた請求項3または請求項13に記載の印刷装置。
- 色相が異なる2種類以上のドットを、対象物上に形成可能なヘッドを備え、該ドットの分布により多階調の画像を記録する方法であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力し、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断し、
該多値化の結果、前記階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との局所的な差を求め、
該局所的な差を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断し、
前記両判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させる
画像記録方法。 - 色相の異なる2種類以上のドットを、印字対象物上に形成可能なヘッドを備えた印刷機に接続されたコンピュータにより機械読み取り可能であり、該ドットの分布により多階調の画像を記録するプログラムを記録した記録媒体であって、
印刷すべき画像の多色の階調信号を画素毎に順次入力する機能、
該入力された各色の階調信号に基づいて、前記色相が異なる1種類のドットについて2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する機能、
該多値化の結果、前記階調信号に対応した印刷濃度と該ドットにより実現される印刷濃度との局所的な差を求める機能、
該局所的な差を、前記色相が異なる他の種類のドットにより実現すべき記録濃度に反映させ、該記録濃度に従って、色相が異なる他の種類のドットによる2以上の多値化を行ない、該ドットの形成を判断する機能、
前記両判断結果に基づいて、前記ヘッドを駆動して、前記色相の異なる2種類以上のドットを形成させる機能
をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体。
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