JP4345254B2 - 非可逆回路素子及び通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、マイクロ波帯で使用されるアイソレータやサーキュレータ等の非可逆回路素子、通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話等の移動用の通信装置に採用される集中定数型アイソレータ(非可逆回路素子)として、永久磁石と、永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、フェライトに配置された三つの中心電極と、それぞれの中心電極に電気的に接続された整合用コンデンサと、永久磁石とフェライトと中心電極と整合用コンデンサを収容するヨークとからなるものが知られている。
【0003】
一般的に量産されているものは、図6に示すような電気等価回路を構成している。図6において、C1〜C3は整合用コンデンサ素子、Rは抵抗素子、21〜23は中心電極、14は入力端子、15は出力端子、16はアース端子をそれぞれ示す。なお、P1〜P3は中心電極21〜23の端部(ポート部)を示す。
【0004】
このアイソレータ41は、それぞれの中心電極21〜23に、電気的に並列に整合用コンデンサ素子C1〜C3が接続されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような回路構成を有するアイソレータ41では、整合用コンデンサ素子C1〜C3として、静電容量値の大きなものを使用する必要がある。このため、整合用コンデンサ素子C1〜C3のサイズが大きくなり、アイソレータ41を小型化しにくいという問題がある。
【0006】
このような問題を踏まえ、図7に示すようなアイソレータ42が提案されている。アイソレータ42は、それぞれの中心電極21〜23間を整合用コンデンサ素子C12,C13,C23で電気的に接続している。つまり、各ポート部P1〜P3間を整合用コンデンサ素子C12,C13,C23で電気的に接続している。
【0007】
このような回路構成を有するアイソレータ42は、その整合用コンデンサ素子C12,C13,C23が、図6に示しているアイソレータ41の整合用コンデンサ素子C1〜C3の約1/3の静電容量ですみ、サイズが小さくなるという利点がある。また、図8に示すように、アイソレータ41,42を組み合わせたアイソレータ43も提案されている。
【0008】
しかし、これらアイソレータ42,43は、挿入損失特性が悪く、十分なアイソレーションが得られる周波数帯域も狭いということがわかった。また、アイソレータ43は整合用コンデンサ素子の数が多く、コスト及びサイズの面で不利である。
【0009】
ここで、図7に示すアイソレータ42の整合用コンデンサ素子C12,C13,C23のQ値と挿入損失劣化量との関係を測定した。測定した結果を図9に示す。図9より、入力端子14と出力端子15の間に直列に挿入された整合用コンデンサ素子C12による挿入損失劣化量は、整合用コンデンサ素子C13,C23による挿入損失劣化量の約4倍であることがわかる。言い換えると、同じQ値を有する材料で整合用コンデンサ素子C12,C13,C23を形成すると、整合用コンデンサ素子C12による挿入損失劣化量が約4倍になることを示す。
【0010】
従って、良好な挿入損失特性を得るためには、入力端子14と出力端子15の間に直列に挿入される整合用コンデンサ素子C12は、他の整合用コンデンサ素子C13,C23と比べてQ値の高いものを採用するか、あるいは、入力端子14と出力端子15の間に整合用コンデンサ素子を配置しないことが望ましいことがわかる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、高性能かつ小型の非可逆回路素子及び通信装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明に係る非可逆回路素子は、
(a)永久磁石と、
(b)前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
(c)前記フェライトにそれぞれ絶縁状態で配置され、それぞれの一端部がアースに電気的に接続する第1、第2、第3の中心電極と、
(d)前記第1の中心電極の他端部とアース間に電気的に接続される第1の整合用コンデンサ素子と、
(e)前記第2の中心電極の他端部とアース間に電気的に接続される第2の整合用コンデンサ素子と、
(f)前記第1の中心電極の他端部と前記第3の中心電極の他端部間に電気的に接続される第3の整合用コンデンサ素子と、
(g)前記第2の中心電極の他端部と前記第3の中心電極の他端部間に電気的に接続される第4の整合用コンデンサ素子と、
(h)前記永久磁石と前記フェライトと前記第1の中心電極と前記第2の中心電極と前記第3の中心電極とを収容する金属ケースと、
を備えたことを特徴とする。第3の中心電極の他端部とアース間に電気的に接続される抵抗素子をさらに備えていることが好ましい。
【0013】
以上の構成により、第3の整合用コンデンサ素子と第4の整合用コンデンサ素子を用いて非可逆回路素子のアイソレータの整合を取ることにより、静電容量の小さい整合用コンデンサ素子を用いることができる。
【0014】
また、第1の中心電極の他端部と第2の中心電極の他端部間に整合用コンデンサ素子が直列に電気的に接続されていないので、第1の中心電極の他端部から第2の中心電極の他端部への非可逆回路素子の挿入損失特性が劣化せず、アイソレーション特性の広帯域化が図られる。
【0015】
また、第1の整合用コンデンサ素子、第2の整合用コンデンサ素子、第3の整合用コンデンサ素子及び第4の整合用コンデンサ素子が単板コンデンサからなり、第1の整合用コンデンサ素子と第3の整合用コンデンサ素子が重なっており、かつ、第2の整合用コンデンサ素子と第4の整合用コンデンサ素子が重なっていることが好ましい。これにより、整合用コンデンサ素子の占める面積がさらに小さくなり、非可逆回路素子が小型化する。
【0016】
また、本発明に係る通信装置は、前記非可逆回路素子を備えていることにより、電気的特性が向上し、小型化される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る非可逆回路素子及び通信装置の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。
【0018】
[第1実施形態、図1〜図4]
本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態の分解斜視図を図1に示す。該非可逆回路素子1は、集中定数型アイソレータである。図1に示すように、集中定数型アイソレータ1は、概略、中心電極組立体13と樹脂製端子ケース3と抵抗素子Rと第1の整合用コンデンサ素子C1と第2の整合用コンデンサ素子C2と第3の整合用コンデンサ素子C13と第4の整合用コンデンサ素子C23と矩形状の永久磁石9と金属製上側ケース4及び金属製下側ケース8を備えている。中心電極組立体13は、概略、第1の中心電極21、第2の中心電極22、第3の中心電極23及びフェライト20とからなる。
【0019】
中心電極組立体13は、矩形状のマイクロ波フェライト20の上面に三つの中心電極21〜23を絶縁シート(図示せず)を介在させて略120度ごとに交差するように配置している。これら中心電極21〜23は、一端側の中心電極21〜23の共通のアース電極25をフェライト20の下面に当接させると共に、各々の他端側のポート部(中心電極21〜23の他端部)P1〜P3を水平に導出する。共通のアース電極25は、フェライト20の下面を略覆っている。中心電極21〜23とアース電極25は、導電性材料からなり、金属薄板を打ち抜き、曲げ加工することによって一体成形される。
【0020】
金属製下側ケース8は、左右の側壁8bと底部8aとを有している。また、金属製上側ケース4は、平面視矩形状であり、上部4aと四つの側壁4bを有している。金属製上側ケース4及び金属製下側ケース8は、例えば、鉄やケイ素鋼等の高透磁率からなる板材を打ち抜き、曲げ加工した後、めっきを施してなるものである。
【0021】
樹脂製端子ケース3は、底部3aと四つの側部3bを有している。この底部3aの中央部には矩形状の窓部3cが形成されており、窓部3cの周縁にはそれぞれ整合用コンデンサ素子C1,C2や抵抗素子Rがそれぞれ収容される窓部3dが形成されている。
【0022】
樹脂製端子ケース3には、入力端子14、出力端子15及びアース端子16がインサートモールドされている。入力端子14及び出力端子15は、それぞれ一端が樹脂製端子ケース3の外側面に露出し、他端が樹脂製端子ケース3の内側面に露出して入力引出電極14a、出力引出電極15aとされる。アース端子16は、一端が樹脂製端子ケース3の外側面に露出し、他端が樹脂製端子ケース3の窓部3d内に露出してアース引出電極16aとされる。
【0023】
抵抗素子Rは、絶縁性基板の両端部に厚膜印刷等でホット側端子電極及びアース側端子電極を形成し、その間に抵抗体を配設している。
【0024】
整合用コンデンサ素子C1,C2,C13,C23は、上面及び下面全体にコンデンサ電極を配設した単板コンデンサである。
【0025】
以上の構成部品は、以下のようにして組み立てられる。まず、金属製下側ケース8上に樹脂製端子ケース3を配置する。このとき、窓部3cには金属製下側ケース8の底部8aが露出し、金属製下側ケース8とアース端子16は電気的に接続する。
【0026】
次に、整合用コンデンサ素子C1,C2や抵抗素子Rを樹脂製端子ケース3の窓部3dに収容する。このとき、整合用コンデンサ素子C1,C2の下面のコンデンサ電極が樹脂製端子ケース3の内側面に露出しているアース端子16のアース引出電極16aにそれぞれ電気的に接続される。抵抗素子Rのアース側端子電極はアース端子16のアース引出電極16aに電気的に接続される。
【0027】
次に、整合用コンデンサ素子C13,C23を整合用コンデンサ素子C1,C2の上面に載置する。このとき、整合用コンデンサ素子C13,C23の下面のコンデンサ電極が整合用コンデンサ素子C1,C2の上面のコンデンサ電極にそれぞれ電気的に接続される。本第1実施形態では、整合用コンデンサ素子C13,C23が整合用コンデンサ素子C1,C2に略半分だけ重なる配置にした。
【0028】
次に、中心電極組立体13を金属製下側ケース8に載置する。このとき、フェライト20の下面に形成されたアース電極25が、樹脂製端子ケース3の窓部3cを通して、金属製下側ケース8の底部8aに電気的に接続される。そして、ポート部P1は入力引出電極14a及び整合用コンデンサ素子C1の上面のコンデンサ電極に電気的に接続される。ポート部P2は出力引出電極15a及び整合用コンデンサ素子C2の上面のコンデンサ電極に電気的に接続される。ポート部P3は整合用コンデンサ素子C13,C23の上面のコンデンサ電極及び抵抗素子Rのホット側端子電極に電気的に接続される。
【0029】
そして、その上から金属製上側ケース4を装着する。このとき、金属製上側ケース4の上部4aの下側には永久磁石9が配置されている。永久磁石9は、中心電極組立体13のフェライト20の上方に配置され、フェライト20に直流磁界を印加する。金属製下側ケース8の側壁8bと金属製上側ケース4の側壁4bは、電気的に接続して金属ケースをなし、磁気回路を構成しており、ヨークとしても機能している。
【0030】
なお、整合用コンデンサ素子C1,C2,C13,C23のコンデンサ電極や抵抗素子Rの端子電極やアース電極25やポート部P1〜P3の接続や金属製上側ケース4及び金属製下側ケース8の接合等は、はんだリフロー等の方法で行われる。
【0031】
こうして、図2に示すアイソレータ1が得られる。図3は図2に示すアイソレータ1の電気等価回路図である。
【0032】
以上のアイソレータ1は、整合用コンデンサ素子C1,C2,C13,C23として、静電容量の小さい(従来の約半分の)整合用コンデンサ素子を用いることができる。従って、整合用コンデンサ素子C1,C2,C13,C23のサイズを小さくすることができるので、アイソレータ1の全体の大きさを小型化することができる。さらに、整合用コンデンサ素子C1,C2,C13,C23が単板コンデンサからなり、整合用コンデンサ素子C1の一部と整合用コンデンサ素子C13が重なっており、かつ、整合用コンデンサ素子C2の一部と整合用コンデンサ素子C23が重なっているので、アイソレータ1の内部において、整合用コンデンサ素子C1,C2,C13,C23の占める面積をより一層小さくすることができ、アイソレータ1を小型化することができる。この結果、図6に示した従来のアイソレータ41に比べて整合用コンデンサ素子の数が四つに増えたが、従来のアイソレータ41より小型のアイソレータ1を得ることができる。
【0033】
具体的には、例えば、図3に示すアイソレータ1を900MHzの周波数帯で使用すると、整合用コンデンサ素子C1,C2,C13,C23の容量はそれぞれC1=4.4(pF)、C2=4.4(pF)、C13=4.1(pF)、C23=4.1(pF)となり、アイソレータ1全体の整合用コンデンサ素子の容量は17.0(pF)となる。一方、図6に示す従来のアイソレータ41を900MHzの周波数帯で使用すると、整合用コンデンサ素子C1,C2,C3の容量はそれぞれC1=9.2(pF)、C2=9.2(pF)、C3=17.3(pF)となり、従来のアイソレータ41全体の整合用コンデンサ素子の容量は35.7(pF)となる。つまり、アイソレータ1は、従来のアイソレータ41に比べて、全体の整合用コンデンサ素子の容量が約半分でよいことがわかる。すなわち、整合用コンデンサ素子C1,C2,C13,C23を同じ材質及び厚みの条件で形成する場合、アイソレータ1に占める整合用コンデンサ素子C1,C2,C13,C23の体積は、従来のアイソレータ41の整合用コンデンサ素子C1〜C3の体積の約半分ですむので、アイソレータ1のサイズを小型にすることができる。
【0034】
さらに、アイソレータ1は、ポート部P1とポート部P2の間に整合用コンデンサ素子を直列に電気的に接続していない。言い換えると、アイソレータ1は、図7に示すアイソレータ42の整合用コンデンサ素子C12を省略して、ポート部P1とポート部P2の間を絶縁している。従って、アイソレータ1のポート部P1とポート部P2の間のQ値が非常に大きくなるので、アイソレータ1の挿入損失劣化量が減少し(図9参照)、アイソレーション特性の広帯域化を実現することができる。
【0035】
ここで、アイソレータ1の電気等価回路図(図3参照)と従来のアイソレータ41の電気等価回路図(図6参照)を比較する。アイソレータ1における整合用コンデンサ素子C13,C23と、アイソレータ41における整合用コンデンサ素子C3は、ポート部P3の整合を変化させるという点で同様の効果を奏している。そこで、試験体(図8において整合用コンデンサ素子C12を省略したアイソレータ)を製作して整合用コンデンサ素子C1,C2,C3,C13,C23の容量値を連続的に変化させて、アイソレータ特性及び整合用コンデンサ素子の全容量値を調べる。表1に、それぞれの試験体の整合用コンデンサ素子C3,C13,C23,C1,C2の容量及び抵抗素子Rの抵抗値を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
ここで、試験体No1の整合用コンデンサ素子C13,C23の容量が0の意味は、整合用コンデンサ素子C13,C23を省略したものであり、図6に示すアイソレータ41と同一の電気等価回路であることを意味する。また、試験体No6の整合用コンデンサ素子C3の容量が0の意味は、整合用コンデンサ素子C3を省略したものであり、図3に示すアイソレータ1と同一の電気等価回路であることを意味する。また、整合用コンデンサ素子Cの容量とは、整合用コンデンサ素子C3,C13,C23,C1,C2の容量の合計値(全体の整合用コンデンサ素子の容量)を意味する。
【0038】
表1に試験体No1〜試験体No6のそれぞれのアイソレータ特性を示す。表1より、整合用コンデンサ素子C3の容量が小さいほど15dBアイソレーション帯域幅が広いことがわかる。また、整合用コンデンサ素子C3の容量が小さいほど全整合用コンデンサ素子の容量が小さいことがわかる。つまり、アイソレータのサイズを小さくすることができる。従って、試験体No6のアイソレータのように、整合用コンデンサ素子C3を省略して、整合用コンデンサ素子C13,C23を用いた構造にすることで、アイソレータ1を小型化、広アイソレーション帯域が実現されることがわかる。つまり、ポート部P1とポート部P2の間に整合用コンデンサ素子が直列に電気的に接続されていないので、アイソレータ1の挿入損失特性が劣化せず、アイソレーション特性の広帯域化を実現することができる。従って、高性能のアイソレータ1を得ることができる。
【0039】
なお、図1に示したアイソレータ1の端子14、端子15、端子16の他に端子17を新たに設け、ポート部P3を端子17に電気的に接続し、かつ、抵抗素子Rを省略することにより、サーキュレータ2(図4参照)が得られる。このとき、端子14は送信用端子とされ、端子15はアンテナ用端子とされ、端子17は受信用端子とされる。このサーキュレータ2は上述の整合用コンデンサ素子C1,C2,C13,C23を用いているので、上述のアイソレータ1と同様の小型化の作用効果を奏する。
【0040】
また、このサーキュレータ2において、信号の通過方向は、送信用端子14−アンテナ用端子15間、アンテナ用端子15−受信用端子17間、送信用端子14−受信用端子17間の三方向がある。この三方向のうち、間に整合用コンデンサ素子がない送信用端子14−アンテナ用端子15間は挿入損失特性が劣化せず、かつ、アイソレーションが広帯域にあるという特性が得られる。
【0041】
従って、図4に示すように、このサーキュレータ2を携帯電話(通信装置)100に実装することで、携帯電話100の電話待ち受け時間を延長させることができる。ここで、図4は携帯電話100のRF部分の電気回路ブロック図である。図4において、102はアンテナ素子、112は送信側増幅器、113は送信側低域通過フィルタ、115は受信側増幅器、116は受信側段間用帯域通過フィルタ、117は切換スイッチである。
【0042】
一般に、携帯電話には、電話の待ち受け時間(連続受信可能な時間)の延長が求められている。しかし、送信系統の部品の損失が大きいと携帯電話の電源(電池)の消耗が激しく、携帯電話の待ち受け時間が短くなる。そこで、上述のサーキュレータ2を携帯電話100に実装することにより、送信電波(信号)の通る方向、すなわち、送信用端子14からアンテナ用端子15の方向の挿入損失を小さくすることができる。このため、小型で電話の待ち受け時間の長い携帯電話100を提供することができる。
【0043】
[第2実施形態、図5]
本第2実施形態では、携帯電話を例にして、通信装置の実施の形態を説明する。
【0044】
図5は携帯電話120のRF部分の電気回路ブロック図である。図5において、122はアンテナ素子、123はデュプレクサ、131は送信側アイソレータ、132は送信側増幅器、133は送信側段間用帯域通過フィルタ、134は送信側ミキサ、135は受信側増幅器、136は受信側段間用帯域通過フィルタ、137は受信側ミキサ、138は電圧制御発振器(VCO)、139はローカル用帯域通過フィルタである。
【0045】
ここに、送信側アイソレータ131として、前記第1実施形態の集中定数型アイソレータ1を使用することができる。このアイソレータ1を実装することにより、小型、高性能の携帯電話を実現することができる。
【0046】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の構成に変更することができる。例えば、アイソレータ1の構成部品である金属製上側ケース4、金属製下側ケース8、樹脂製端子ケース3、フェライト20、永久磁石9等の細部の構造は任意である。特に、前記第1実施形態で示した中心電極組立体13の中心電極21〜23は、金属薄板を打ち抜き、曲げ加工して形成するものの他に、金属線材(例えば、銅)からなる中心電極をフェライト20に巻き付けたものであってもよい。これにより、中心電極21〜23は、金属薄板を打ち抜き加工又はエッチング加工することによって形成する必要があるが、金属線材の場合は成形する必要がないので、中心電極21〜23の成形コストを抑えることができる。また、中心電極21〜23は、金属薄板をエッチングした後曲げ加工して形成したり、基板(誘電体基板や磁性体基板や積層基板等)にパターン電極を設けたりすることによっても形成することができる。また、中心電極組立体13の形状は、矩形状の他に、円板形状や変形角形状等任意である。
【0047】
また、それぞれの中心電極21〜23の交差角は120度として説明したが、これに限定されるものではなく、110〜140度の範囲であればよい。さらに、金属ケースは金属製上側ケース4及び金属製下側ケース8の二つからなるとして説明したが、これに限定されるものではなく、三つ以上に分割されていてもよい。また、永久磁石9の形状は、矩形状の他に、例えば、角が丸い矩形状や円形状や変形角形状であってもよい。
【0048】
また、アイソレータやサーキュレータの他に、各種非可逆回路素子にも本発明を適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、非可逆回路素子は、第3の整合用コンデンサ素子と第4の整合用コンデンサ素子として、静電容量の小さい整合用コンデンサ素子を用いることができる。従って、非可逆回路素子及び通信装置を小型化することができる。
【0050】
また、非可逆回路素子は、第1の中心電極の他端部と第2の中心電極の他端部間に整合用コンデンサ素子が直列に電気的に接続されていないので、非可逆回路素子の挿入損失特性が劣化せず、アイソレーション特性の広帯域化を図ることができる。従って、高性能な非可逆回路素子及び通信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非可逆回路素子の分解斜視図。
【図2】図1に示した非可逆回路素子の組み立て完成後の外観斜視図。
【図3】図2に示した非可逆回路素子の電気等価回路図。
【図4】図2に示した非可逆回路素子の変形例を実装した通信装置の電気回路ブロック図。
【図5】本発明に係る通信装置の電気回路ブロック図。
【図6】従来の非可逆回路素子の電気等価回路図。
【図7】従来の別の非可逆回路素子の電気等価回路図。
【図8】従来のさらに別の非可逆回路素子の電気等価回路図。
【図9】図7に示した非可逆回路素子の挿入損失劣化量とQ値の関係を示したグラフ。
【符号の説明】
1…集中定数型アイソレータ(非可逆回路素子)
2…サーキュレータ(非可逆回路素子)
4…金属製上側ケース(金属ケース)
8…金属製下側ケース(金属ケース)
9…永久磁石
13…中心電極組立体
20…マイクロ波フェライト
21…第1の中心電極
22…第2の中心電極
23…第3の中心電極
100,120…携帯電話(通信装置)
C1…第1の整合用コンデンサ素子
C2…第2の整合用コンデンサ素子
C13…第3の整合用コンデンサ素子
C23…第4の整合用コンデンサ素子
P1…ポート部(第1の中心電極の他端部)
P2…ポート部(第2の中心電極の他端部)
P3…ポート部(第3の中心電極の他端部)
Claims (4)
- 永久磁石と、
前記永久磁石により直流磁界が印加されるフェライトと、
前記フェライトにそれぞれ絶縁状態で配置され、それぞれの一端部がアースに電気的に接続する第1、第2、第3の中心電極と、
前記第1の中心電極の他端部とアース間に電気的に接続される第1の整合用コンデンサ素子と、
前記第2の中心電極の他端部とアース間に電気的に接続される第2の整合用コンデンサ素子と、
前記第1の中心電極の他端部と前記第3の中心電極の他端部間に電気的に接続される第3の整合用コンデンサ素子と、
前記第2の中心電極の他端部と前記第3の中心電極の他端部間に電気的に接続される第4の整合用コンデンサ素子と、
前記永久磁石と前記フェライトと前記第1の中心電極と前記第2の中心電極と前記第3の中心電極とを収容する金属ケースと、
を備えたことを特徴とする非可逆回路素子。 - 前記第1の整合用コンデンサ素子、前記第2の整合用コンデンサ素子、前記第3の整合用コンデンサ素子及び前記第4の整合用コンデンサ素子が単板コンデンサからなり、前記第1の整合用コンデンサ素子と前記第3の整合用コンデンサ素子が重なっており、かつ、前記第2の整合用コンデンサ素子と前記第4の整合用コンデンサ素子が重なっていることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
- 前記第3の中心電極の他端部とアース間に電気的に接続される抵抗素子をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載された非可逆回路素子を備えたことを特徴とする通信装置。
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