[go: up one dir, main page]

JP4335702B2 - クラッド材の製造方法 - Google Patents

クラッド材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4335702B2
JP4335702B2 JP2004014323A JP2004014323A JP4335702B2 JP 4335702 B2 JP4335702 B2 JP 4335702B2 JP 2004014323 A JP2004014323 A JP 2004014323A JP 2004014323 A JP2004014323 A JP 2004014323A JP 4335702 B2 JP4335702 B2 JP 4335702B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
base material
dissimilar
dissimilar metal
metal base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004014323A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005205449A (ja
Inventor
泰之 藤谷
幸雄 道下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2004014323A priority Critical patent/JP4335702B2/ja
Publication of JP2005205449A publication Critical patent/JP2005205449A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4335702B2 publication Critical patent/JP4335702B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Description

本発明は、異なる性質の金属を接合させることで異なる性質を併せ持つクラッド材の製造方法に関する。
近年、2つ以上の異なる性質を要求される部材が多く利用されている。2つ以上の異なる性質を要求される部材として例えば、圧力容器や配管をあげることができる。前記圧力容器や配管は高温水又は酸性度の高い液体接触する部分には高い耐食性が、外部は荷重に耐えることのできる強度が要求される。
このような複数の性質を有する金属材料として、クラッド材が広く採用されている。前記クラッド材は異なる2種以上の材料を接合させた材料であり、該クラッド材を製造する方法として、真空中で圧延する方法、爆着法等の種々の方法が知られている。
前記真空中での圧延法は金属母材上に金属母材とは異なる金属を重ね合わせて、両者を真空中で冷間圧延又は熱間圧延のいずれかで圧延するものである。前記爆着法は金属母材上に金属母材とは異なる金属を重ね合わせて火薬を爆発させ火薬の強大な爆発力で接着面を拡散させて接合するものである。
またアーク溶解による肉盛、溶射、めっき等を行い金属母材上に母材とは異なる金属の膜を形成する方法で異なる性質を有する材料を作成することができる。
特開2001−47261号公報
前記真空中での圧延法でクラッド材を製造する場合、異種金属同士の合わせ面を研磨等によって清浄に保つ必要がある。また、異種金属の界面に酸素や窒素等の不純物が介在するのを防ぐために真空中で作業するが、大きな空間を真空にするのは非常に難しくそれだけ製造が困難である。また、熱間圧延を行う場合、金属材料が熱によって溶融し、金属間化合物が生成されることもある。
また、前記爆着法でクラッド材を製造する場合、火薬を爆発させることで金属を圧着するので、爆風に耐えることができる設備が必要であり、また、安全性に十分な配慮が必要である。
そして、前記圧延法及び前記爆着法によってクラッド材を製造する場合、異種金属の境界面への不純物や酸素が介在しやすく、不純物が介在した状態でクラッド材を製造した場合、該クラッド材の接合面の強度を十分に得ることができない。また、酸素が介在した状態でクラッド材を製造した場合、金属母材又は異材金属いずれかの金属酸化物が生成され、その金属酸化物が前記不純物となり接合面の強度を十分に得ることができない。また、上記の各方法では任意の部材の他部材と摺動する部分や、他部材が衝突する部分のみにクラッド材を形成することは難しい。
さらに、前記アーク溶解にて肉盛、溶射、及びめっき等で母材表面に金属母材とは異なる金属の膜を形成する場合、該金属の膜の膜厚は非常に薄い。前記アーク溶解にて肉盛、溶射するものの場合、膜厚を上げることが可能である。膜厚を上げる場合、アーク溶解によって溶解される金属(被溶解金属)は母材に付着するとき高温になっており、前記母材が加熱されて合金等の金属間化合物が生成されたり、著しく変形したりする。また、非溶融金属としてはアーク溶解しやすい金属、母材は被溶解金属が付着しても溶融しにくい金属等のように母材、非溶融金属の組み合わせが限定されてくる。
以上の問題を鑑みて本発明は、金属母材に該金属母材とは異なる性質を有する金属を接合してクラッド材とするためのクラッド材の製造方法であって、製造環境を限定されることなく、それだけ簡単、容易に異なる金属を強固に接合することができるクラッド材の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、金属母材に該金属母材とは異なる性質を有する金属を接合してクラッド材とするためのクラッド材の製造方法であって、前記金属母材と前記異材金属の境界面に不純物や酸素が介在せず、それだけ異種金属を強固に接合することができるクラッド材の製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、金属母材に該金属母材とは異なる性質を有する金属を接合してクラッド材とするためのクラッド材の製造方法であって、前記金属母材の必要な部分に限定的に異材金属を接合することができるクラッド材の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、金属母材に該金属母材とは異なる性質を有する金属を接合してクラッド材とするためのクラッド材の製造方法であって、異種金属の接合面に合金等の金属間化合物が生成されたり金属母材が変形したりすることなく異種金属を接合することができるクラッド材の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、金属母材の表面に金属母材とは異なる金属(異材金属)板を配置し、前記異材金属を前記金属母材に固定した状態で該異材金属板の厚みより短い突起のある工具を回転させながら該異材金属板側より挿入し、前記工具を回転させつつ移動させ、摩擦撹拌することで前記金属母材と前記異材金属を境界で互いに拡散させて接合するものであり、さらに、前記金属母材の表面に凹凸を形成するとともに、前記金属母材と前記異材金属板の間に、前記金属母材を構成する金属又は前記異材金属の少なくとも一方を含む粉末を配置し、前記工具の先端が、前記金属母材と前記異材金属板との境界に到達する手前で止まった状態で前記工具を回転させつつ移動させることで、前記異材金属板の金属を塑性流動させながら前記粉末の金属を塑性流動させるか、又は、前記工具の先端が、前記金属母材に到達して該金属母材内に食い込んだ状態で撹拌することを特徴とするクラッド材の製造方法を提供する。
この構成によると、製造環境を限定されることなく金属母材の表面に異材金属を接合することができる。製造環境を限定されないので、既存の金属構造物の表面に対して異材金属を接合させてクラッド材とすることも可能である。
さらにこの構成によると、回転工具を回転させつつ移動させることで金属母材に異材金属板を接合させるものであるので、回転工具の断面積及び移動長さを調整することで部分的に金属母材に異材金属板を接合するクラッド材を製造することができる。
さらに構成によると、金属母材及び異材金属いずれも融点以上の温度に熱しないで接合するので、金属母材と異材金属の接合部に金属間化合物が生成されたり、各金属に含まれる合金成分が析出したりするのを防ぎ、前記金属母材と前記異材金属が強固に接合されたクラッド材を製造することができる。
さらにこの構成によると前記回転工具の先端が金属母材を撹拌しないので、金属母材が反応しやすい金属で構成されている場合、該金属母材が過剰に反応して異材金属と金属間化合物を生成するのを防ぐことができる。
さらにこの構成によると、摩擦撹拌による前記異材金属の塑性流動が起こりやすくなり、それだけ、該異材金属が前記金属母材に拡散しやすく、前記金属母材と前記異材金属が強固に接合される。
さらにこの構成によると、前記金属母材の表面が凹凸に形成されていることで該金属母材の表面が塑性流動を起こしやすく、また、凹凸に金属粉末が配置されるので撹拌性も高くなり、それだけ、簡単且つ容易に金属母材と異材金属を強固に接合することができる。
上記構成において、前記異材金属板を複数枚有し、該複数の異材金属板は積層されており各異材金属板の間には所定の性質を有する粉末を配置するものとしてもよい。
この構成によると、前記金属母材の性質と前記異材金属の性質以外の性質を有するクラッド材を製造することができる。このとき、各金属を溶融点以上の温度まで加熱しないので、合金等の金属間化合物が生成されたり、合金成分が析出したりすることを防ぐことができ、各金属の性質を有するクラッド材を製造することができる。
上記構成において、前記異材金属板は異材金属の粉末を板状に成型したものとしてもよい。
この構成によると、前記異材金属板は金属粉末を成型したものであり、粉末をそのまま用いるよりも運搬しやすい。また、金属粉末同士は弱い結合でつながっているので小さなエネルギで塑性流動を起こすので小さなエネルギでクラッド材を製造することができる。
上記構成において、金属粉末を配置場所の形状に合わせた形状に成型したものとしてもよい。
上記の粉末を板状及び所定の形状に成型する方法として、例えばCIP(Cold Isostatic Pressing(冷間等方圧加工法))を挙げることができる。また、CIP以外にも金属の性質を変えることなく、固めることができる方法を広く採用することができる。
本発明によると、金属母材に該金属母材とは異なる特性の金属を接合してクラッド材とするためのクラッド材の製造方法であって、製造環境を限定されることなく、それだけ簡単、容易に異なる金属を強固に接合することができるクラッド材の製造方法を提供することができる。
また本発明によると、金属母材に該金属母材とは異なる特性の金属を接合してクラッド材とするためのクラッド材の製造方法であって、前記金属母材と前記異材金属の境界面に不純物や酸素が介在せず、それだけ異種金属を強固に接合することができるクラッド材の製造方法を提供することができる。
さらに本発明によると、金属母材に該金属母材とは異なる特性の金属を接合してクラッド材とするためのクラッド材の製造方法であって、前記金属母材の必要な部分に限定的に異材金属を接合することができるクラッド材の製造方法を提供することができる。
また本発明によると、金属母材に該金属母材とは異なる特性の金属を接合してクラッド材とするためのクラッド材の製造方法であって、異種金属の接合面に合金等の金属間化合物が生成されたり金属母材が変形したりすることなく異種金属を接合することができるクラッド材の製造方法を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。図1(A)〜(D)に本発明にかかるクラッド材の製造方法の概略図を示す。
図1各図に示すように本発明にかかるクラッド材C1の製造法は、円柱状の本体部11の先端に本体部11より小径で軸方向長さが後述の異材金属板3の厚さよりも短く形成されている接合用ピン12とを有する回転工具1を用いて金属母材2と異材金属とを接合するものである。
図1(A)に示すように金属母材2の表面に金属母材2とは異なる性質を有する金属(異材金属)板3を配置する。そして、図1(B)に示すように異材金属板3を金属母材2上に拘束した状態で回転工具1を回転させ、接合用ピン12を異材金属板3に接触させる。異材金属板3の接合用ピン12の接触部が接合用ピン12の回転による摩擦熱で軟化すると接合用ピン12を異材金属3に押し込む。このとき、回転工具1の本体部11の肩部13は異材金属板3に入り込むように押し込まれる。
その後、図1(C)に示すように回転工具1を回転させつつ、所定の方向(ここでは図中X軸方向)に回転工具1を平行移動させる。このとき、接合用ピン12が常に異材金属板3の表面から等しい深さを保つように回転工具1を移動させる。回転工具1を回転させながら移動させることで、異材金属板3を構成する金属は摩擦熱及び塑性流動を利用して撹拌(摩擦撹拌)することができ、金属母材2中に異材金属板3を構成する金属を拡散することで接合する。
そして、回転工具1は所定長さだけ移動した後に、移動してきた方向(X方向)と直交する方向(図中Y軸方向)に回転工具1の略直径分だけ移動し、その後、X軸方向に反対側に移動する。コレを繰り返すことで、金属母材2に異材金属板3を接合するクラッド材C1を製造することができる。
このようにして製造したクラッド材C1は金属母材2の性質を有するとともに、異材金属板を構成する金属が接合された面は異材金属の性質を備えており、異なる2つの性質を有する金属材料とすることができる。たとえば、金属母材2が高い強度を有する金属であり、異材金属板3を構成する金属が高い耐食性を有する金属である場合、これら2つの金属材が接合されたクラッド材は高い強度を有するとともに、異材金属板3が接合された面は高い耐食性を有する金属材料とすることができる。
また、回転工具1を回転しつつ移動させることで金属母材2と異材金属板3を接合するものであり、金属母材2及び異材金属板3の接合部には酸素等の金属を腐食させる物質が介在しない状態で接合するのでより強固な接合が可能である。
さらに、金属母材2及び異材金属板3の表面に酸化膜が形成されていても、摩擦撹拌により金属母材2及び異材金属板3の新生面同士が接触する状態になり、互いの金属への拡散が良好に行われる。境界面には金属母材及び異材金属板以外の物質が介在しないので、強固に接合することができる。
金属母材2及び異材金属板3を回転工具1を回転しつつ移動させて異材金属板3及び金属母材2を摩擦撹拌して接合するので、施工環境の雰囲気を真空等の特殊な状態に保つ必要がなく、既に設置されている金属部材を金属母材として表面に異材金属板を接合する場合に金属部材を取り外すことなく設置場所で施工することが可能である。
図2に回転工具を挿入した状態の断面図を示す。クラッド材C1を製造するときに回転工具1を金属母材2の表面に配置した異材金属板3の表面から挿入する。このとき、接合用ピン12の先端部121が図2(A)に示すように金属母材2と異材金属板3の境界Bの手前まで到達しているもの、図2(B)に示すように金属母材2内部に到達しているものを例示できる。
異材金属2として反応しやすい金属を用いてクラッド材C1を製造する場合、図2(A)に示すような接合用ピン12の先端部121が金属母材2に到達しないように挿入する。回転工具1が回転することで接合用ピン12の周囲では塑性流動が起こっているが、接合用ピン12の先端121の近傍でも塑性流動が起こっており、反応しやすい金属の場合塑性流動が金属母材2の表層にも到達し、金属母材2の表層も活性化されることにより異材金属板3を構成する金属が容易に接合しやすくなる。これによって、金属母材2は撹拌されず金属母材2と異材金属板3の過剰な反応による金属間化合物の発生を抑えることができ、界面の強度を高くすることができる。
また、異材金属2として反応しにくい金属を用いてクラッド材を製造する場合、図2(B)に示すような接合用ピン12の先端121を金属母材2に到達するように挿入する。このような反応しにくい金属を用いる場合、異材金属板3を構成する金属の塑性流動が接合用ピン12の極めて近い部分でのみ起こっており、接合用ピン12が金属母材2に達していないと金属母材2内部に異材金属板3を構成する金属の接合が不十分な場合がある。よって、異材金属が金属母材2と十分に接合するようにわずかに接合ピン12の先端121が金属母材2内に食い込んだ状態で撹拌する。
図3に本発明にかかるクラッド材の製造方法を用いるときのクラッド材の概略断面図を示す。図3に示すクラッド材C2の製造方法では、金属母材2の上に異材金属板3を配置するものであるが、金属母材2と異材金属板3の間に異材金属板3を構成する金属の粉末からなる粉末層4を配置するものである。
図3に示すように金属母材2と異材金属板3の間に異材金属板3を構成する金属の粉末からなる粉末層4を配置することで、回転工具1を異材金属板3の内部で回転させると、異材金属板3を構成する金属が塑性流動するときに粉末層4も同様に流動し、粉末層4の粉末が異材金属板3と混合されることで、金属母材2と異材金属板3が接合される。
また、金属母材2及び異材金属板3の間に異材金属の粉末層4を配置することで、異材金属板3の厚さが変化したり、工具の押し込み量が変化したり等しても回転工具1の接合用ピン12が金属母材2を撹拌することがなく、それだけ合金等の金属間化合物の生成を防止することが可能である。また、粉末層4は異材金属板3よりも撹拌性が高くそれだけ容易にクラッド材を製造することができる。
上記実施例では粉末層として異材金属板3を構成する金属の粉末を配置したものを例示しているがそれに限定されるものではなく、金属母材2を構成する金属の粉末でもよく、金属母材2を構成する金属の粉末及び異材金属板3を構成する金属の粉末を混ぜ合わせたものであってもよい。
図4に本発明にかかるクラッド材の製造方法を用いるときのクラッド材の概略断面図を示す。図4に示すクラッド材C3の製造方法では、金属母材2の表面20が凹凸面に形成されており、凹凸21の上に異材金属板3を構成する金属の粉末層4が配置され、粉末層4の上に異材金属板3が配置されている。
回転工具1の接合用ピン12は異材金属板3側から押し込み金属母材2と異材金属板3との境界Bに到達する手前で止めた状態で、図1に示すように回転工具1を回転させつつ移動させる。異材金属板3では金属が塑性流動するときに粉末層4の金属も塑性流動する。粉末層4は金属母材2の表面上を塑性流動する。このとき、金属母材2の表面は凹凸21が形成されているので塑性流動しやすく、それだけ異材金属板2を構成する金属及び粉末層4を構成する金属が接合しやすく強固に接合したクラッド材C3を製造することができる。
上記実施例では粉末層として異材金属板3を構成する金属の粉末を配置したものを例示しているがそれに限定されるものではなく、金属母材2を構成する金属の粉末でもよく、金属母材2を構成する金属の粉末及び異材金属板3を構成する金属の粉末を混ぜ合わせたものであってもよい。
図5に本発明にかかるクラッド材の製造方法を用いるときのクラッド材の概略断面図を示す。図5に示すクラッド材C4の製造方法では、異材金属板3Aを2枚用いるものである。異材金属板3Aは第1の異材金属板31Aと第2の異材金属板32Aを有しており、第1の異材金属板31Aと第2の異材金属板32Aの間には第1の金属粉末を配置した第1の粉末層41Aが形成されている。また、第2の異材金属板31Aと金属母材2との間には第2の金属粉末を配置した第2の粉末層42Aを配置している。
第1の異材金属板31A及び第2の異材金属板32Aはそれには限定されないがここでは同一の金属である。また、第1の金属粉末は異材金属板3Aを構成する金属及び金属母材2を構成する金属とは異なる性質を有する金属にて構成されている。第2の金属粉末は異材金属板3Aを構成する金属にて構成されている。
図5に示すように金属母材2の表面に第2の粉末層42Aが配置され、その上面に第1の異材金属板31Aと第2の異材金属板32Aの間に第1の粉末層41Aを挟んだ積層部材を第2の異材金属板32Aが第2の粉末層42Aと接触するように配置する。この状態で、回転工具1を回転させた状態で押し込んでいき、接合用ピン12が第2の異材金属板32Aの第2の粉末層42Aとの境界近傍に到達するまで押し込む。このとき、回転工具1の本体部11の肩部13は第1の異材金属板31Aにめり込んでいる。
回転工具1が第1の異材金属板31A、第1の粉末層41A及び第2の異材金属板32Aに挿入した状態で回転しつつ移動することで、第1及び第2の異材金属板31A、32Aは塑性流動で撹拌されて第1及び第2の異材金属板31A、32Aが互いに接合する。またこのときに第1の粉末層41Aの金属粉末も撹拌されつつ第1及び第2の異材金属板31A、32Aに拡散して異材金属板3Aに第1の金属粉末層41Aの金属粉末が分散し接合した状態になる。また、第2の異材金属板32Aが塑性流動することで第2の粉末層42Aの金属粉末と金属母材2とが塑性流動し第2の異材金属板32A及び第2の粉末層42Aを構成する金属が金属母材2内部に分散し、第2の異材金属板32Aと金属母材2とが接合される。このように製造することで、金属母材2と異材金属板3A内部に第1の粉末層41Aを構成する金属が分散したものを接合することができる。
このように、第1及び第2の異材金属板31A、32Aを有し、異材金属板31A、32Aの間に異材金属板31A、32Aを構成する金属とは性質の異なる金属粉末の粉末層4Aを形成しておき、摩擦撹拌することで製造されるクラッド材C4は、金属母材2の性質を有するとともに、異材金属板3Aを構成する金属及び第1の粉末層41Aを構成する金属の性質をあわせもつことができる。たとえば、十分な強度を有する金属母材と耐食性を有する異材金属板と耐摩耗性を向上させることができる金属粉末を接合した場合、クラッド材は母材により十分な強度を確保することができるとともに、異材金属板が接合している面では高い耐食性及び耐磨耗性を確保することができる。
本実施例では第1の粉末層41Aは異材金属板3Aを構成する金属とは異なる金属の粉末を用いているが、同じ金属の粉末を用いてもよい。また、異材金属板として第1の異材金属板31Aと第2の異材金属板32Aの2枚の間に第1及び第2の異材金属板31A、32Aを構成する金属とは異なる性質を有する金属粉末の粉末層41Aを有しているものを例に説明しているが、それに限定されるものではなく、さらに多くの異材金属板を用いてもよい。このとき、異材金属板の間に配置される粉末層を構成する金属は、それぞれ異なる性質を有する金属であってもよく、同じ性質を有する金属であってもよい。
図6に本発明にかかるクラッド材の製造方法を用いるときのクラッド材の概略断面図を示す。図6に示すクラッド材C5の製造方法では金属母材2Bが曲面状に形成されており、金属母材2Bの上面に異材金属板3Bが配置されている。
図6に示す異材金属板3Bは異材金属の粉末を冷間圧延法にて圧縮成型したものである。異材金属板3Bは圧縮成型によるものなので金属母材2Bの表面のように曲面部に配置しやすい。また、異材金属板3Bが圧縮成型で成型されているので回転工具1にて撹拌しやすく、それだけ、容易にクラッド材C5を製造することができる。また、異材金属板3Bを構成する金属の粉末を圧縮成型して異材金属板3Bを成型するので、異材金属板3Bを任意の形状に成型することができる。
本実施例では異材金属の粉末を冷間圧延法にて圧縮成型したものを例示しているが、それに限定されるものではなく、合金化したり、残留応力が発生したりしないで金属粉末を金属板に成型できる成型方法を広く採用することができる。
また、異材金属板にかえて、スラリー状に形成された異材金属スラリーを用いることもできる。金属母材の表面に異材金属スラリーは流動することができるので、金属母材の表面が平面以外の形状に形成されていても、容易に異材金属スラリーを略均一に配置することができる。
上述に示した各実施の形態は金属母材2(2B)に金属母材2(2B)とは異なる金属の異材金属板3(3A)を配置して、回転工具1を回転させつつ移動させるだけで接合が行われるものであり、既に工場やプラントに設置された金属構造物を金属母材としてクラッド材を作る場合でも、金属構造物の設置場所にて施工することができる。また、部分的に撹拌し、接合することが可能である。
以上のような摩擦撹拌を用いたクラッド材の製造方法を真空中で行ってもよい。真空中で摩擦撹拌を行うことで金属母材と異材金属板の接合面に不要な気体、特に酸素が介在しない状態で摩擦撹拌することができるので撹拌される部分で金属の酸化物が精製するのを防ぐことができる。
同様に、金属母材及び異材金属板を、溶存酸素を有していない又は還元性のある液体中に浸けた状態で回転工具1を回転させつつ移動させることで、金属母材及び異材金属板を摩擦撹拌してもよい。液体中につけた状態で施工するので、施工環境を真空にしなくても撹拌部の酸化を防止することができるので簡単にクラッド材を製造することができる。
クラッド材としては、たとえば、金属母材は強度を確保するために鉄系の金属材料で形成されており、鉄系の金属母材の上に耐食性を上げるために異材金属としてアルミニウムを接合したものを挙げることができる。このクラッド材によると、腐食性の液体及び(又は)気体が接触する部分にはアルミニウムが接合された面をさらしておき、その他の部分は鉄系金属材料で形成して十分な強度を確保することができる。
金属母材及び異材金属を融点以上の温度まで加熱するものではないので、金属母材と異材金属の接合面で金属間化合物が形成されないので、接合面では脆化が起こりにくく強固に接合するクラッド材を製造することができる。また、溶融させないので母材金属及び異材金属それぞれの融点による条件を考慮する必要がないのであらゆる金属の組み合わせを採用することができる。
図(A)〜図(D)は本発明にかかるクラッド材の製造方法の手順の斜視図である。 図(A)、(B)は本発明にかかるクラッド材の製造方法に用いる回転工具の使用状態の断面図である。 本発明にかかるクラッド材の製造方法の一例を用いてクラッド材を製造している状態を示す断面図である。 本発明にかかるクラッド材の製造方法の一例を用いてクラッド材を製造している状態を示す断面図である。 本発明にかかるクラッド材の製造方法の一例を用いてクラッド材を製造している状態を示す断面図である。 本発明にかかるクラッド材の製造方法の一例を用いてクラッド材を製造している状態を示す断面図である。
符号の説明
1 回転工具
11 本体部
12 接合用ピン
13 肩部
2 金属母材
21 凹凸
3 異材金属板
4 粉末層
C1〜C5 クラッド材

Claims (4)

  1. 金属母材の表面に金属母材とは異なる金属(異材金属)板を配置し、
    前記異材金属を前記金属母材に固定した状態で該異材金属板の厚みより短い突起のある工具を回転させながら該異材金属板側より挿入し、前記工具を回転させつつ移動させ、摩擦撹拌することで前記金属母材と前記異材金属を境界で互いに拡散させて接合するものであり、
    さらに、前記金属母材の表面に凹凸を形成するとともに、前記金属母材と前記異材金属板の間に、前記金属母材を構成する金属又は前記異材金属の少なくとも一方を含む粉末を配置し、
    前記工具の先端が、前記金属母材に到達せずに前記異材金属板の内部で回転するか、又は、前記金属母材に到達して該金属母材内に食い込んだ状態で回転することにより、前記異材金属板の金属を塑性流動させながら、前記粉末の金属を塑性流動させることを特徴とするクラッド材の製造方法。
  2. 前記異材金属板を複数枚有し、該複数の異材金属板は積層されており各異材金属板の間には所定の性質を有する粉末を配置したことを特徴とする請求項1に記載のクラッド材の製造方法。
  3. 前記異材金属板は異材金属の粉末を板状に成型したものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクラッド材の製造方法。
  4. 前記金属母材を構成する金属又は前記異材金属の少なくとも一方を含む前記粉末が、該粉末が配置される場所の形状に合わせて成型したものであることを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載のクラッド材の製造方法
JP2004014323A 2004-01-22 2004-01-22 クラッド材の製造方法 Expired - Fee Related JP4335702B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004014323A JP4335702B2 (ja) 2004-01-22 2004-01-22 クラッド材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004014323A JP4335702B2 (ja) 2004-01-22 2004-01-22 クラッド材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005205449A JP2005205449A (ja) 2005-08-04
JP4335702B2 true JP4335702B2 (ja) 2009-09-30

Family

ID=34900150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004014323A Expired - Fee Related JP4335702B2 (ja) 2004-01-22 2004-01-22 クラッド材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4335702B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4588735B2 (ja) * 2007-03-31 2010-12-01 財団法人大阪産業振興機構 クラッド材の製造方法およびクラッド材
JP5365066B2 (ja) * 2008-05-14 2013-12-11 富士電機機器制御株式会社 電気接触子の製造方法
JP4865830B2 (ja) * 2009-04-23 2012-02-01 三菱重工業株式会社 金属の表面改質方法
JP5538079B2 (ja) * 2010-06-11 2014-07-02 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 クラッド鋼材の接合方法及び接合構造
WO2014141423A1 (ja) * 2013-03-14 2014-09-18 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 クラッド鋼管の接合方法及び接合構造
JP2015196180A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 日本軽金属株式会社 伝熱板の製造方法及び摩擦攪拌接合方法
CN110280888B (zh) * 2019-06-21 2020-10-09 江西理工大学 一种废液处理罐及其加工方法
CN112719564B (zh) * 2020-12-31 2022-04-26 昆山哈工万洲焊接研究院有限公司 一种强形变辅助真空扩散焊制备金属间化合物块体的方法
CN112756771A (zh) * 2020-12-31 2021-05-07 昆山哈工万洲焊接研究院有限公司 一种强形变辅助真空扩散焊制备异种金属复合结构的方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1015675A (ja) * 1996-07-01 1998-01-20 Daido Steel Co Ltd 肉盛改質アルミニウム製品とその製造方法
JPH10110203A (ja) * 1996-10-03 1998-04-28 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 金属材の肉盛り用シート及び金属材の肉盛り方法
JPH1128584A (ja) * 1997-07-07 1999-02-02 Showa Alum Corp 金属製積層接合体
JP3775894B2 (ja) * 1997-07-30 2006-05-17 昭和電工株式会社 母材の局部的改質方法
JPH11267857A (ja) * 1998-03-18 1999-10-05 Daido Steel Co Ltd 摩擦接合方法
JP2000301363A (ja) * 1999-04-22 2000-10-31 Showa Alum Corp 活性金属材の摩擦攪拌接合方法
JP3442692B2 (ja) * 1999-08-12 2003-09-02 住友軽金属工業株式会社 金属基複合材の製造方法
US6543670B2 (en) * 2001-08-29 2003-04-08 The Boeing Company Interface preparation for weld joints
JP2003089884A (ja) * 2001-09-14 2003-03-28 Toshiba Corp 被加工物の表面改質方法及び装置
JP2003170280A (ja) * 2001-12-04 2003-06-17 Nippon Steel Corp 異種金属材料の接合方法
JP3785105B2 (ja) * 2002-03-18 2006-06-14 住友軽金属工業株式会社 異種金属部材の接合方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005205449A (ja) 2005-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Li et al. Friction self-piercing riveting of aluminum alloy AA6061-T6 to magnesium alloy AZ31B
US7661575B2 (en) Friction stirring-welding method
US7608296B2 (en) Anvil for friction stir welding high temperature materials
JP4335702B2 (ja) クラッド材の製造方法
CN1981975A (zh) 热交换器用管的制造方法以及热交换器
JP2003039183A (ja) 摩擦攪拌接合方法及び接合体
US20110299800A1 (en) Method for the Production of a Bearing Arrangement, and Bearing Arrangement
CN109807457A (zh) 钢工件在铝合金上的超声波焊接/钎焊
CN113566026A (zh) 一种金属复合管及其制作方法
EP1399286A1 (en) Anvil for friction stir welding high temperature materials
CN101479841A (zh) 基座的制造方法及使用该方法的基座
JP2005288525A (ja) 異種金属部材の点接合方法
JP6358126B2 (ja) 摩擦攪拌接合用ツールを用いた三層以上の積層構造接合体の製造方法とその方法により製造された積層構造接合体
JP6458539B2 (ja) 摩擦攪拌接合用ツールを用いた三層以上の積層構造接合体の製造方法とその方法により製造された積層構造接合体
JP2010253534A (ja) 冷却路内蔵部材および冷却路内蔵部材の製造方法
JP6344261B2 (ja) 摩擦攪拌接合用ツールを用いた三層以上の積層構造接合体の製造方法とその方法により製造された積層構造接合体
JP3419994B2 (ja) 接合強度の高い鋼管の液相拡散接合用継手
JP2005028378A (ja) 重ね継手の摩擦攪拌接合方法
TW200815137A (en) Cladding material and method for producing the same
JP2012166270A (ja) 異種金属材料のスポット摩擦攪拌接合方法
CN109719382A (zh) 焊接方法和通过该焊接方法制造的零件
JP4281881B2 (ja) 加熱炉管および加熱炉管の製造方法
Ohashi et al. Bicontinuous microstructure formation of immiscible phases by the liquid metal replacement method and its application to Ti/Mg dissimilar joining
CN114929422A (zh) 在没有有害金属间化合物的情况下接合异种金属的方法
CA2962282C (en) Presintered brazing

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060302

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20071010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090602

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090625

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees