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JP4330560B2 - 光分波器及び波長多重光伝送モジュール - Google Patents

光分波器及び波長多重光伝送モジュール Download PDF

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JP4330560B2 JP2005183291A JP2005183291A JP4330560B2 JP 4330560 B2 JP4330560 B2 JP 4330560B2 JP 2005183291 A JP2005183291 A JP 2005183291A JP 2005183291 A JP2005183291 A JP 2005183291A JP 4330560 B2 JP4330560 B2 JP 4330560B2
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Description

本発明は、複数の波長を波長毎に分離する光学デバイスに関し、特に、光ファイバを用いて送信されてきた波長多重光信号を回折格子により分波する光分波器及び波長多重光伝送モジュールに関するものである。
下記特許文献1には、内部空間及びこの内部空間と繋がる光入射口及び光出射口を有するケースと、ケースの光入射口に接続された入射用光伝送路と、ケースの光出射口に接続された複数の出射用光伝送路と、ケースの内部空間内に設けられ、入射用光伝送路を介して内部空間内に入射された波長分割多重光を反射させて平行光にする第1の凹面反射面と、ケースに固定され、第1の凹面反射面において平行光にされた波長分割多重光を複数の直線状の回折溝が等間隔に並べられてなる平面形の反射回折面において波長の異なる複数の光に分光するグレーティングと、ケースの内部空間内に設けられ、グレーティングにおいて分光された光を出射用光伝送路に入射させる第2の凹面反射面とを備え、光入射口と光出射口とは、グレーティングにおける回折溝の延びる方向に、グレーティングを挟んで設けられている光分波合波器が開示されている。
下記特許文献2には、少なくとも2つの回折作用と集光作用を有する不等周期平面回折格子を有し、第1の回折格子で回折された光が第2の回折格子に導かれ、第2の回折格子により更に回折されるように構成された光通信用分波器が開示されている。
ここで、下記特許文献1に開示された光分波合波器は、回折格子と凹面反射面を用いたレンズ系と光伝送媒体とを一体化した一体型構造を用いている。この凹面反射面は、光ファイバから入射した光ビームを平行化して回折格子に照射し、さらに回折格子から回折した平行な光ビームを光出射部に集光する機能を有するものである。
しかし、このように平行光として回折格子に光ビームを入射する場合、回折格子に入射する光ビームが円形となるため回折格子に照射される光ビームの面積が大きくなる。そのため、光分波合波器も回折格子の大きさに合わせて大きくする必要あり、光分波合波器が大きくなるという問題点があった。
さらに、光入射部と光出射部が同じ側にあるため直接光ビームを入出射することが難しく、下記特許文献1においては、入射用光伝送路及び出射用光伝送路、具体的な実施例としては光ファイバを用いて光ビームの入出射を行っていた。
また、下記特許文献2では、光導波路中に光ビームを閉じ込め、不等周期平面回折格子、いわゆるチャープ型回折格子を用いて分波を行っている。
しかし、光導波路を用いて波長の異なる光信号を分解能良く分離できるのは、シングルモードの光ビームを入射した場合のみであり、マルチモードの光ビームを用いる必要がある場合には、回折格子への入射角度によって回折角度が変わるために分解能が低下し、十分な波長分離特性を得ることができなかった。
また、チャープ型回折格子を2個用いているため、光の入射部と出射部が異なる方向とすることができるが、回折格子を2個用いると回折格子の回折効率を高くすることは難しく、光損失が大きくなるという問題点があった。
また、特許文献3及び4には、UV光を照射することによってコアを形成した光導波路及び光導波路形成方法が開示されている。
特開2004−29298号公報 特開昭61−223711号公報 特開2002−258077号公報 特開2004−258493号公報
本発明は、小型で、光入射部と光出射部への光部品の接続を容易とし、さらに開口数の大きな光伝送媒体を用いて光を入射しても波長分離特性の良い光分波器、及び、この光分波器を用いた波長多重光伝送デバイスを実現することである。
本発明の光分波器は、波長多重された光ビームが入射する光入射部と、該光入射部に入射した光ビームを伝送する光路と、該光路で伝送される前記光ビームを照射して波長毎に光信号を分離する回折格子と、分離された前記光信号を取り出す光出射部と、を有する光分波器において、前記光入射部から入射した前記光ビームの光路を曲げる第一の光路変換部材と、前記回折格子の溝方向の拡がり角度を低減するように一軸方向に光集光性を持つ凹面鏡と、前記凹面鏡で一軸方向の拡がり角を低減された前記光ビームを照射され、前記凹面鏡の集光軸とは異なる一軸方向について光集光性を有した前記回折格子と、前記光出射部に至る前記光ビームの光路を曲げる第二の光路変換部材と、を有し、前記光入射部と前記光出射部とが、その間に前記第一の光路変換部材または前記第二の光路変換部材が来るように配置されていることを特徴とする。
また、本発明の光分波器は、波長多重された光ビームが入射する光入射部と、該光入射部に入射した光ビームを伝送する光路と、該光路で伝送される前記光ビームを照射して波長毎に光信号を分離する回折格子と、分離された前記光信号を取り出す光出射部と、を有する光分波器において、前記光路中に前記光ビームの光路を曲げる光路変換部材と、前記回折格子の溝方向の拡がり角度を低減するように一軸方向に光集光性を持つ凹面鏡と、を有し、前記凹面鏡により拡がり角度を低減した前記光ビームを前記凹面鏡の集光軸とは異なる一軸方向について光集光性を有する前記回折格子に照射し、前記光路変換部材を用いて、前記光入射部から入射する前記光ビームの進行方向と、前記光出射部から出射する前記光ビームの進行方向とのなす角度が90°以上となるように配置したことを特徴とする。
光ビームの通る光路は、全体を透明な光学部材で形成することも、また、空気中を伝播する光路を設けることもできる。光集光性を有する回折格子としては、略平面上に形成されたチャープ型を用いることができる。
また、回折格子の中心におけるブレーズ角度は21°以上34°以下であり、回折格子の格子定数と使用波長との比が0.88以上1.41以下であることが好ましい。
光入射部に接続する光伝送媒体には、マルチモードの光伝送媒体を用いることが好ましい。光出射部には、光導波路を有することが好ましい。
このとき、光ビームとして入射する波長範囲の中で最も波長の長い光ビームが、回折格子で集光される最良像点位置と、凹面鏡で集光される位置とが略等しく、光導波路の入射端面上に来ることが好ましい。また、光導波路が回折格子に入出射する前記光ビームと略平行に配置されていることが好ましい。
またさらに、光導波路からの光ビームを光検出器で受光し、光検出器からの電気信号を増幅する増幅回路を設ける場合に、増幅回路を、光導波路を形成した基板上、または、前記光導波路と略平行に配置された回路基板上に設けることが好ましい。
本発明の光分波器は、波長多重光受信モジュール又は波長多重光伝送モジュールに適用できるものであり、その場合に、信号伝送用光ファイバと光分波器との接合部との間をマルチモード光伝送媒体で接続し、信号伝送用光ファイバと光合波器との間をシングルモード光伝送媒体で接続することができる。
本発明の光分波器は、光路を反射又は屈折により光路を曲げる光路変換部材を用いて光ビームの入射・出射位置を分離したため、光入射部と光出射部への光部品の接続を容易にできる。
さらに、本発明によると、略一軸方法に集光性を持つ凹面鏡を用いて一軸方向の光ビームを平行化し、集光性を有する回折格子に照射したため、光ビームの透過する光路を、光学部材を用いて構成でき、開口数の大きな光伝送媒体を用いて光ビームを入射しても波長分離特性の良い小型な分波器を提供できる。
本発明の実施の形態を、図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本発明に係わる光分波器を説明する図であり、図1(a)は光分波器の上面図、図1(b)は側面図である。波長多重化されて伝送してきた光ビームは、光伝送媒体である光ファイバ10の端面から光入射部50を介して光分波器1に入射する。この波長多重光ビームは、波長分離手段であるチャープ型回折格子12に入射して波長毎に異なる角度に回折される。
チャープ型回折格子12には、略平面上にy方向に沿って平行な直線格子溝が形成されており、x−z面内において拡がって入射した光ビーム42を回折し集光するように格子間隔を変化させた不等間隔回折格子(チャープ型回折格子)を用いている。ここでは、4波長が多重されて、それを分離する場合について図示しているが、波長多重数を限定するものではない。
光ファイバ10から入射した光ビームは、まず、第一の光路変換部材としてのプリズム16aで反射して光路を変え、凹面鏡14に入射する。凹面鏡14は、x方向についてはほぼ同一の断面形状を持ったいわゆるシリンドリカル形状をしており、y方向(格子溝の刻線方向)の一軸のみ光ビーム42の拡がり角度を小さくしほぼ平行光として反射するものである。
x方向については、凹面鏡14で反射しても入射前とほぼ同じ拡がり角度を保っている。凹面鏡14で反射した光ビーム42は、光学ブロック18中を伝搬してチャープ型回折格子12に入射し、波長によって異なった角度に回折される。
さらに、チャープ型回折格子12のチャープの効果により、回折した光ビーム43はx−z平面内で集光するように回折される。
チャープ型回折格子12により回折し集光された光信号は、入射時とは逆の光路を通り、凹面鏡14によって一軸方向が集光され、第二の光路変換部材としてのプリズム16bで反射した後、受光用光導波路28の入射端44に光結合される。
受光用光導波路28は、入射部側にスラブ導波路部38、その後段にテーパ導波路部40を有している。光ビーム43は凹面鏡14により入射端44に集光され、スラブ導波路部38に効率良く光結合される。
スラブ導波路部38に入射した光ビーム43は、y方向についてはスラブ導波路38に閉じ込められて伝搬し、スラブ導波路部38面(x−z面)内についてはチャープ型回折格子12の集光作用により、波長帯毎に設けられたテーパ導波路40との接合部46に集光される。
このように分離集光された光信号はテーパ導波路部40に入射し、それぞれの波長帯に対応した受光部を有する光検出器アレイ26により検出される。
光ファイバ10の光入射部50と受光用光導波路28の入射端面44を凹面鏡14の焦点位置付近に設けることにより、一つの凹面鏡14を用いて入射光の一方向(y軸方向)の平行化と回折光の一軸集光を行うことができる。
また、反射面を有する光路変換部材としてのプリズム16を設けることで光入射部と光出射部とを分離し、光入射部と光出射部とをプリズム16を挟んで対向する位置とすることができた。
そのため、本形態においては、プリズム16aの光入射部から入射する光ビームの進行方向とプリズム16bの光出射部から出射する光ビームの進行方向とを同じ方向とすることができ、受光用光導波路28及び光検出器アレイ26を含む受光部をプリズム16に対して光ファイバ10とは逆側に配置することができた。
受光部を光ファイバ10と離して配置できるため分波器の配置が容易となり、余分な光伝送媒体を用いることなく分波器1への光入射及び光検出器での光検出が可能となった。
必ずしもプリズム16aの光入射部から入射する光ビームの進行方向と、プリズム16bの光出射部から出射する光ビームの進行方向とを同じ方向とする必要はなく、受光部が配置しやすいようにプリズム16による反射の方向は選ぶことができる。
また、入射と出射の両方にプリズム16aと16bを用いる必要もなく、入射と出射のどちらかに用いることで、光入射部と光出射部を分離してもよい。本形態では、光入射方向と光出射方向がほぼ同じ方向としているが、これら方向の間に約180°の角度があることになる。そこで、プリズム16aを省略または他の光学部材を用いて、光出射方向に対しての光入射方向を0°以上90°以下とすると、光ファイバ10を受光部に接続する際に、光ファイバ10が受光部に直接ぶつかることがなく、接続が容易となるため望ましい。すなわち、プリズムは、入射及び出射光ビームの光路を曲げる光路変換部材の機能を持つものであるが、このプリズムによる光の反射のみならず、他の屈折、回折等の光学部材を用いて光路を曲げることもできる。


本形態では、光学ブロック18を用いることで光入射端50から凹面鏡14、回折格子12、受光用光導波路28までを一体化した。そのため、空気中を伝播させ光ビームの集光にレンズ等を用い場合に生じる界面反射を低減することができ、光ビームの損失が低減できる。
また、界面での反射を防止する反射防止膜等を設ける必要がなく、作成が容易となる。さらに、一体構造としたことにより、部品間の位置ずれがおきにくく、環境変化、長期安定性に優れている。
以下、さらに各部の詳細について説明する。
本発明においては、光ファイバ10から出射された拡散光ビーム42の集光を、集光方向によってチャープ型回折格子12と凹面鏡14とに分担して行った。
つまり、チャープ型回折格子12の刻線方向(y方向)については凹面鏡14を用い、x−z平面内においてはチャープ型回折格子12により集光した。
このようにy方向については凹面鏡14により平行化してチャープ型回折格子12に光ビーム42を照射するため、チャープ型回折格子12に当たる光ビーム42のy方向の高さφを小さくすることができ、光学ブロック18、延いては分波器1を薄くすることができた。
このように分波器1のy方向の厚さを薄くすることができたため、光学ブロック18にプリズム16を設けたり、光学ブロック18上に受光用光導波路28や光検出器アレイ26を配置したりしても分波器1を薄くでき、小型化できた。
さらに、本発明ではチャープ型回折格子12を用いているために、波長の分離幅がチャープ型回折格子12から集光点までの距離で決まる。
一方、従来の分波器、例えば、特許文献1の光分波器においては、波長の分離幅が凹面鏡の焦点距離に比例するため、回折格子から凹面鏡までの距離が余分に必要となり、分波器が大きくなる。
したがって、本分波器は、従来の分波器に比べて凹面鏡14から集光点までの距離を短くできるため、小型化できる。
凹面鏡14は、入射光ビームを所望の平行度とするものであり、凹面鏡14の一例として断面形状が放物面をした放物面鏡を用いることができる。
光ファイバ10の端面と受光用光導波路28の入射端面44を放物面鏡の焦点位置付近に設ければz方向についてほぼ平行な光ビームを得ることができる。
光ファイバ10としてマルチモード光ファイバを用いる場合には、入射端が広がりを有しており完全な平行光は得られないため、所望のチャープ型回折格子12の集光性能及び受光用光導波路28との光結合効率が得られるように凹面鏡14の形状を定める必要がある。
放物面鏡を用いる場合には、必要な集光性能が得られるように放物面鏡のサイズを定めることが望ましい。凹面鏡14としては所望の平行度が得られるものであればよく、放物面に加えて別の非球面形状を用いてもよい。
ここでは、一つの凹面鏡14を用いて光ファイバ10から入射した光ビーム42の平行化とチャープ型回折格子12で回折した光ビーム43の集光とを兼用した。
入射光と出射光の集光をそれぞれ別の凹面鏡を用いて実現してもよく、例えば、プリズム16の反射面を凹面形状としてもよい。この場合には、それぞれの凹面鏡の曲率を変えて焦点距離を異なるようにすることもできる。
プリズム16、凹面鏡14及び回折格子12の反射面には、所望の反射率が得られるようにコーティングを行う。コーティング材としては、金、アルミニウム、銀等の金属反射膜を用いることができる。
さらに高い反射率を必要とする場合には、誘電体多層膜を用いた反射コーティングを用いればよい。また、プリズム16や凹面鏡14への光入射角度を大きくし、界面において全反射を起こす場合には、特にコーティングせずに用いることもできる。
次にチャープ型回折格子12について説明する。
分波器1の幅を小型化する、つまり光学ブロック18の幅を小さくするためには、光入射位置とチャープ型回折格子12の集光位置とを近くに配置することが望ましい。つまり、チャープ型回折格子12中心において、入射方向に回折するリトロー配置に近いことが望ましい。
さらに、チャープ型回折格子12の特性として、使用する波長範囲で回折効率が高いことが望ましく、加えて入射する光ビームが偏光している場合には、回折効率の偏光依存性が小さいことが望ましい。
図2に、リトロー配置において、ブレーズ角度をパラメータとし、TE偏光とTM偏光の回折効率が等しくなる場合の回折効率とそのときの格子定数/波長の関係を示す。
図2において、ブレーズ角度を大きくすると格子定数を小さくすることができ、チャープ型回折格子の波長分散を大きくできるため、分波器を小さくできるという利点がある。しかし、一方では、回折効率が低下することが分かる。
ただし、ブレーズ角度21°〜34°の間で特異的に回折効率が向上している。したがって、チャープ型回折格子12の中心においてブレーズ角度を21°以上34°以下とすると、低偏光依存性・高回折効率と、光分波器の小型化を両立でき、望ましい。
このとき、チャープ型回折格子12の中心での格子定数と波長の比は、0.88以上1.41以下となる。この場合の波長としては、チャープ型回折格子12の設計波長、または分波器を使用する波長範囲に含まれる波長とすればよい。
チャープ型回折格子12の焦点距離は、波長によって変化し、波長が長いほど焦点距離は短くなる特性がある。
受光用光導波路28において、波長間のクロストークを小さく波長を分離するためには、使用波長領範囲内でチャープ型回折格子12による集光位置が受光用光導波路28の中に来るようにする必要がある。
一方で、効率良く受光用光導波路28に光入射するために、受光用光導波路28の入射端面44が、凹面鏡14の焦点位置にくるよう配置する必要がある。したがって、使用する波長範囲の中で最も長い波長に対するチャープ型回折格子12の集光位置が、凹面鏡14の焦点位置と同じか、またはより遠くにある必要がある。
つまり、チャープ型回折格子12での集光位置がプリズム16bの出射端面上、或いは出射端面上よりも外側に焦点を結ぶように格子定数を変化させる必要がある。
一般的には、受光用光導波路28において生じる単位長さ当たりの光損失のほうが、光学ブロック18で生じる光損失よりも大きいため、光損失を低減するためには、受光用光導波路28を短くすることが望ましい。
そのためには、使用する波長範囲の中で最も長い波長について、チャープ型回折格子12で集光される位置が、凹面鏡14の焦点位置とほぼ等しくなるようにし、この位置に受光用光導波路28の入射端面44がくるように配置することが望ましい。
チャープ型回折格子12の収差のために、近軸焦点位置とスポット径が最小となる最良像点位置が異なる場合には、チャープ型回折格子12の最良像点位置と凹面鏡14の焦点位置とがほぼ等しくなるようにすればよい。
チャープ型回折格子12の格子定数は、所望の集光性能を有するように、回折格子の場所の関数として変化させた。個々の格子溝の位置は、光ビームの入射位置及び集光位置から定めることができる。
一般的には、ある特定の波長(設計波長)について、最良の集光性能が得られるように格子定数を定めている。
チャープ型回折格子12の溝形状としては、高い回折効率が得られるように、格子溝の断面形状が直角三角形をしたいわゆるエシュレット型を用いることが望ましい。
回折効率を大きくするためには、各格子位置での入出射角度に合わせてブレーズ角を変化させることが望ましい。
光ビーム42,23は、光学ブロック18中を伝播することにより空気中を伝搬させる場合に比べて拡がり角が小さくなる。そのため、x−z面内においてチャープ型回折格子12に当たる光ビーム42,43の照射幅wが狭くなる。
その結果、チャープ型回折格子が小さくて済み、回折格子の加工が容易になるとともに、チャープ型回折格子12の回折効率を高くすることができる。
さらに、チャープ型回折格子12への照射範囲が小さくなったことによって、入射波長がチャープ型回折格子12の設計波長から変化した場合に生じる収差が小さくなる。
そのため、入射波長が設計波長から変化してもスポット径の変化が小さくなり、波長間のクロストークの発生が抑制され、波長の透過帯域幅を広くすることができる。
チャープ型回折格子12は、別途作成したものを光学ブロック18に貼り付けてもよく、光学ブロック18と一体成型してもよい。
回折格子としては、一軸方向に集光性を有する回折格子を用いればよく、本形態に示した平面状のチャープ型回折格子に限らず円筒面に形成した凹面回折格子を用いることもできる。
凹面回折格子を用いる場合には、受光用光導波路28にスラブ導波路部38を設けなくてもよく、テーパ導波路部40のみとすることができる。或いは、受光用光導波路28を設けず、直接プリズム16bの出射面に光検出器アレイ26や出射用の光ファイバアレイを設けることもできる。
光学ブロック18は、使用する波長領域で透明な材料を用いて構成すればよく、ガラスやポリマー材料を用いることができる。
受光効率を大きくするためには、使用波長で光吸収の少ない材料を用いることが望ましく、ポリマー材料としては、PMMA、ポリカーボネート、非晶質脂環式ポリオレフィン、ポリスチレン等を用いることができる。
光学ブロック18は、各部を別に加工し部品を組合せて作成してもよく、一体形成してもよい。例えば、ポリマー材料を用いる場合には、射出成型により、プリズム16、凹面鏡14を含めて一体に形成することもでき、さらには、チャープ型回折格子12も同時に成型することもできる。
ここでは、凹面鏡14による集光特性が入射と出射の光ビームでほぼ等しくなるように、図1(a)に示すように、プリズム16aの入射面に対して光ファイバ10を傾けて接続することで凹面鏡14に対して光ビームが略対称に入出射するようにしている。
なお、入射と出射の光ビームが凹面鏡14に入射する角度の差が小さい場合には、光ファイバ10をプリズム16aの入射面に対して略垂直となるようにすることもできる。この場合、分波器1を光モジュール内に実装する際に配置が容易となる。
或いは、光ビームがプリズム16aの入射面に対して略垂直となるように、プリズム16aの入射面を傾けてもよい。
本形態のように、光学ブロック18にチャープ型回折格子12を固定すると、温度変化等の環境変化に伴い、屈折率の変化、伸縮等が起き、特性変動に影響することが考えられる。
そこで、光学ブロック18の屈折率をnとチャープ型回折格子12の格子定数をdとすると、この積ndの変動を小さければ回折格子の特性変動は小さくなる。一般的には、温度が上昇すると回折格子は熱膨張し格子定数dは大きくなるが、光学材料の屈折率nは減少する。
したがって、光学ブロック18にチャープ型回折格子12を固定することにより、温度変化に伴う特性変化を抑制することができる。
次に、受光用光導波路28について説明する。
図3に、受光用光導波路28の上面図を示す。受光用光導波路28は、スラブ導波路部38、テーパ導波路部40で構成される。
本形態では、チャープ型回折格子12を用いているため、光信号の波長によって集光点が横方向(x方向)に移動するとともに焦点距離の変化(z方向への移動)も起こる。
そこで、スラブ導波路部38により波長変動に伴う焦点距離変化(z方向)に対応し、テーパ導波路部40により回折角度変化による横方向(x方向)の集光位置移動に対応する構成としている。
チャープ型回折格子12により回折された光信号は、凹面鏡14によりスラブ導波路部38の入射端44に集光され、受光用光導波路28に入射する。そのため、受光用光導波路28の厚さは、凹面鏡14による光結合と光検出器アレイ26との光結合の両方を考慮して定める必要がある。
スラブ導波路部38の形状は、チャープ型回折格子12で集光された光ビームが、スラブ導波路部38とテーパ導波路部40との接合部46に焦点を結ぶように定めた。
すなわち、波長が短いほどチャープ型回折格子12の焦点距離が長くなるため、短波長側ほど入射端44から接合部46までの距離を長くした。
テーパ導波路部40は、接合部46側から光の進行方向に沿ってコア幅が減少するテーパ形状をしており、波長変動によって接合部46上を集光位置が変動しても所定の光検出器アレイ26に結合することができるようにしている。
スラブ導波路部38、テーパ導波路部40は、同一の光導波路基板34上に一括して形成し、コアの厚さは一定とすることができる。
本形態においては、テーパ導波路部40を用いているために受光径の小さな光検出器アレイ26にも効率良く光ビームを結合できるとともに、受光径を小さくすることで、光検出器アレイ26の光検出器間を離すことができるので、電気的なクロストークを低減でき高速変調された光信号を受光することができる。
テーパ導波路部40内においては、テーパ部で反射する毎に光の入射角度が大きくなるために光損失が生じ易くなる。この光損失を抑えるためには、受光用光導波路28の開口数、特にテーパ導波路部40側面の開口数は大きいほうが望ましい。そのため、テーパ側面にはクラッド層を設けず、空気と直接接するようにすることが望ましい。
また、図1(b)に示すように、光導波路基板34とは逆側のコア30の下側にも、クラッドを形成せずに用いることができる。このように、テーパ側面にはクラッドを形成せずに、コア30上のみにクラッドを形成できる場合には、コア30上にもクラッド32を形成することが望ましい。
図4は、図1,3に示す受光用光導波路28の断面図であって、図4(a)は、図3の光導波路出射端面45側から見た断面図、図4(b)は、図3の光導波路入射面44付近の側面断面図である。
受光用光導波路28は、導波路基板34上に導波路クラッド32を設け、その上に導波路コア30を形成している。この場合の導波路コア30上面(導波路基板34とは反対側)にはクラッドを設けていない。そのため、受光用光導波路28の導波路コア30上へのゴミ等の付着を抑えることが望ましい。
そこで、受光用光導波路28は、光学ブロック18上に設けた空洞部48を有する台20に、導波路コア30を空洞部48側にして設置している。
このように、空洞部48を有する台20を設けて導波路コア30を覆って保護することでゴミ等の付着を抑制し、クラッドを設けなくても光導波路の長期的な安定性を確保できる。
また、台20を基準面にして台20とクラッド32が接するようにすることで、光導波路コアの高さ方向(y方向)の位置決めをすることができる。
プリズム16bと光導波路入射端44面との間は、反射による光損失を低減するために、光学接着剤36あるいは屈折率マッチング剤を用いて反射を小さくすることが望ましい。
上部クラッド層を設けない場合においても、コアの屈折率よりも十分に小さな屈折率のものを用いて屈折率マッチングを取ることにより、スラブ導波路部38の導波路コア30上に光学接着剤36あるいは屈折率マッチング剤がはみ出してもコアより光が漏れることがなく、上部クラッドを設けなくても光損失を生じることなく受光用光導波路28を接続できる。
光検出器アレイ26は、受光用光導波路部28からのビームが光検出器に効率よく結合するように位置を調整し、受光用光導波路部28の出射端45に接着固定することが望ましい。この光検出器の信頼性を向上するために、光検出器アレイ26がパッケージングされている場合には、光ビームが直接光検出器アレイ26に入射するようにすればよい。
本形態の受光用光導波路28としては、例えば、特許文献3、4に開示されているように、光露光により作成したポリマー光導波路を用いることができる。あるいは、フォトリソグラフィ法により反応性イオンエッチング等のエッチングにより形成することもでき、導波路材料も、ガラス等の無機材料を用いても作製できる。
ここでは、図1に示すように、プリズム16bの出射面に対して受光用光導波路28が傾いている場合を示している。この場合、受光用光導波路28の入射端面と出射端面が略平行となるようにすると、受光用光導波路28が作成しやすくなり、望ましい。
図5に、光検出器アレイ26から出力される電流信号を電圧信号に変換し、増幅する増幅回路としてプリアンプ22を設けた分波器の実施形態を示す。
図5(a)は、分波器の側面図、図5(b)は分波器の上面図である。高速な光信号を受信する場合には、プリアンプ22をなるべく光検出器アレイ26近くに配置することが、ノイズの混入を抑制する上で望ましい。
ここでは、プリアンプ22用の回路基板24を分波器1上に配置することで、プリアンプ22を光検出器アレイ26に近接して配置した。そのため、高速な光信号を受信する場合でもノイズの混入によるS/N比の劣化を抑制した。なお、光導波路基板34と回路基板24を別の基板とした場合について示しているが、光導波路基板34と回路基板24とを兼用することもできる。
そこで、回路基板24上に光導波路を形成する場合には、回路基板24の凹凸を平坦化する平坦化層を設けることによりその上に光導波路を形成することが可能である。
したがって、例えば、回路基板24の片側にプリント配線を形成して電気部品を実装し、逆の面には平坦化層を形成した上に受光用光導波路28を形成することもできる。この平坦化層を受光用光導波路28のクラッド層としてもよく、あるいは平坦化層の上にさらにクラッド層を設けてもよい。
本形態においては、光分波器を薄型化できたことと、分波した光の出射方向と光の入射方向とを揃え、プリズムを挟んで対向する位置に配置したため、分波器1上に受光用光導波路28に加えて、回路基板24を配置することが可能となった。なお、回路基板24は、プリズム16bを用いて支持することが可能である。
また、本形態において、入射用の光ファイバ10は、特に限定するものではないが、光ファイバのコア径・開口数が大きくなるほど所望の特性が得られるように、凹面鏡14の形状、回折格子12の仕様、受光用光導波路28のコア厚・コア形状を吟味して定める必要がある。したがって、マルチモード光ファイバを用いる場合に、特にこれら条件が厳しくなる。
一般的に、高速な光通信に用いられている光ファイバの中で、コア径・開口数の大きなものとして、コア径62.5μm、開口数0.275のGI型マルチモード光ファイバが挙げられる。この光ファイバに対応できるようにすれば、コア径・開口数のより小さな光ファイバについては、特性を劣化させることなく受光することが可能となる。
マルチモード光ファイバのように開口数の大きな光ファイバ10を用いる場合、チャープ型回折格子12への光照射幅が大きくなり、チャープ型回折格子12よって生じる収差が大きくなるという課題がある。
本形態のように光学部材18中を伝搬させた場合、光学部材18の屈折率により光ビームの拡がり角度が低減し、チャープ型回折格子12への光照射幅wが小さくなる。
チャープ型回折格子により生じる3次のコマ収差は、おおよそ、この光照射幅wの3乗に比例するため、光学部材中を伝搬させてチャープ型回折格子に照射することは、チャープ型回折格子により生じる収差の低減に大きな効果がある。
このように、光学部材中を伝搬させることは、開口数の大きな光ファイバを用いたときに収差低減の効果が大きく、そのためマルチモード光ファイバを用いる場合に有効である。
本発明の別の実施の形態を、図6を用いて説明する。
図6は、本発明に係わる光分波器を説明する図であり、図6(a)は光分波器の上面図、図6(b)は光分波器のA−A’断面図である。
本形態では、凹面鏡14からチャープ型回折格子12の間に空隙部52を設け、光ビーム42,43が空気中を通るようにした。他の構成は図1と同様であり、同じ符号を用いている。
空隙部52を設けたことにより、ある程度光吸収のある光学材料を用いて光学ブロック18を形成することができる。赤外波長領域では、一般的に、ポリマー材料の光吸収が大きくなり、光学ブロック18により光伝搬損失が生じるようになる。しかし、空隙部52を設けたことにより、ポリマー材料を用いて光学ブロック18を形成しても、特に赤外波長の光信号を受信する場合に光損失を低減することができる。
このように、ポリマー材料を用いると、射出整形により光学ブロック18を作成することが容易となり、プリズム16、凹面鏡14を一体として光学ブロック18を作成することができる。
さらに、チャープ型回折格子12も同時に成型することもできる。光ビームが空気中を伝搬するため、光学ブロック18の屈折率変化による特性変動は小さくなる。
以上、分波器に用いる場合について説明したが、光検出器側から光を入射させることで光合波器として用いることもできる。また、光入射用の光伝送媒体として光ファイバを用いている場合を示しているが、当然光導波路に置き換えることもできる。
以下、本発明の実施例について、説明する。
光分波器の実施形態として、図1に示した形態を用いた。本実施例においては、10GBASE−LX4規格に対応した波長多重信号を分波するようにした。
つまり、中心波長1275.7、1300.2、1324.7、1349.2nmの24.5nm間隔の4波長を分離するものとし、入射信号は各中心波長に対して±6.7nmの波長ずれが許容される。この仕様に合わせて分波器を作成した。
光入射部50からチャープ型回折格子12の中心までの距離を12mm、入射角度を30°とした。このとき使用波長範囲での回折角度は、20.7〜24.3°となり、各中心波長はx方向について約250μm離れた位置に集光される。
また、分波器の小型化と高回折効率・低偏波依存性とを両立できるように、チャープ型回折格子12中心でのブレーズ角度は32°とした。
チャープ型回折格子12の設計波長は、使用する波長範囲の中心波長である1312nmを用い、チャープ型回折格子12中心での格子定数と設計波長との比は1.18とした。
光学ブロック18は、ガラスを用いて作成した。本実施例においては、凹面鏡14、プリズム16、チャープ型回折格子12を張り合わせることで一体構造の分波器とした。
光ファイバ10として、コア径62.5μmの屈折率分布(GI)型マルチモード光ファイバ(開口数0.275)に対応できるようにした。
この光ファイバ10から出射される光ビームの空気中での拡がり角は±16°であるが、光学ブロック18中では光学ブロック18の屈折率(1.51)により、±10.5°に低減される。
そのため、チャープ型回折格子12への光照射幅wは、光学ブロック18を用いることにより、空気中を伝搬させた場合の8.2mmから5.2mmに低減された。
チャープ型回折格子12よって生じる収差は、概ねこの照射幅wの3乗に比例するため、特に開口数の大きな光ファイバを用いた場合に収差の影響を強く受ける。つまり、照射幅wを小さくできることは、特に開口数が大きなマルチモード光ファイバを用いる場合に収差を低減する上で有効である。
さらに、収差は設計波長から波長の変動が大きい場合に大きくなるため、本実施例のように波長幅が広いCDWM(Coarse Wavelength Division Multiplexing)に適用する場合に有効である。
本実施例では、使用する波長範囲の中で最も長い波長、つまり、波長1355.9nmの光ビームが、チャープ型回折格子12で集光される位置を、凹面鏡14の焦点位置と等しくなるようにし、この位置に受光用光導波路28の入射端面44がくるように配置した。この集光位置は、チャープ型回折格子12で生じる収差を考慮し、スポット径が最小となる最良像点位置とした。
この分波器光学系は約1倍の横倍率となるため、受光用光導波路28に、効率よく光結合するためには、受光用光導波路28のコア厚を光ファイバ10のコア径と同程度あるいはコア径よりも厚くすることが望ましい。
一方、高速変調された光信号を検出するためには、光検出器の受光径は小さいことが望ましく、光検出器の受光径に合わせて、受光用光導波路28のコア厚を小さくすることが望ましい。本実施例では、光ファイバのコア径にほぼ合わせてコア厚を65μmとした。
図7に、光ファイバ10としてコア径62.5μmのGI型マルチモード光ファイバを用い、受光用光導波路28のコア厚を65μmとした場合の凹面鏡14の曲率半径Rと光結合損失及びビーム高さφの関係を示す。ここで、曲率半径をRとしたとき、放物面形状はz=y2/2Rと表される。この曲率半径Rは、放物面中心での曲率半径を示している。
図7より、凹面鏡14の曲率半径Rを大きくするにしたがって、結合損失が減少する。曲率半径Rを3mm以上とすればほぼ損失0とできる。曲率半径Rを2mm以上とすれば実用的には十分小さな損失となる。しかし、曲率半径Rを大きくするとビーム高さφが大きくなり、光学ブロック18を厚くする必要がある。そのため、光分波器が大きくなるため、曲率半径Rは小さいことが望ましい。したがって、本実施例では4mmとした。
本実施例のチャープ型回折格子12は、回折格子を領域に区切り、領域内では一定のブレーズ角度とし、領域毎にブレーズ角度を最適化することにより回折効率が高くなるようにした。このような回折格子は、ルーリングエンジンを用いて領域毎に一定のブレーズ角度で格子定数を変化させながら加工した。光分波器1にはこの回折格子をマスターとして作成したレプリカを用いた。
本実施例では、光ファイバ10に光信号伝送用の光ファイバをそのまま用い、光ファイバ10を分波器1に固定せず挿抜するようにした。その場合には、挿入ガイド等を用いることにより、光コネクタに固定された光ファイバ10が挿抜されても所定の位置に突き合わされるようにすればよい。また、入射面には反射防止膜を設け、反射による光損失を低減した。
以上のように、マルチモード光ファイバに合わせて所望の特性が得られるようにしたため、光ファイバ10として所定のマルチモード光ファイバよりも開口数またはコア径の小さな光ファイバを接続した場合にも、所定のマルチモード光ファイバを接続した場合と同等以上の特性が得られる。そのため、接続する光ファイバ10は、所定のマルチモード光ファイバに限定するものではなく、開口数またはコア径の小さな光ファイバを接続してもよい。
本実施例においては、62.5μmのGI型マルチモード光ファイバに換えてシングルモード光ファイバや、例えば、コア径50μmのマルチモード光ファイバ等を接続することもできる。光ファイバ10はプリズム16aに接着してもよい。
光ファイバ10を固定した場合は、伝送用光ファイバを光ファイバ10のもう一端側に突き合わせて分波器に光を入射すればよい。その場合にも、伝送用光ファイバの開口数及び径は、光ファイバ10と等しいか光ファイバ10よりも小さければよい。
したがって、光ファイバ10には、光ファイバ10と同じGI型マルチモード光ファイバを接続してもよく、ファイバ径・開口数の小さなシングルモード光ファイバ(SMF)やコア径50μmのマルチモード光ファイバを接続することもできる。
また、コア径62.5μmのGI型マルチモード光ファイバに変えて、他のGI型マルチモード光ファイバに対応するように仕様を定めることもできる。GI型マルチモード光ファイバのコア径及び開口数は、それぞれ50μm以上、0.2以上が一般的に用いられているため、望ましい。
62.5μmのマルチモード光ファイバ以外では、50μmのマルチモード光ファイバや、GI型に限らずステップインデックス(SI)型でもよく、またさらにコア径の大きなプラスチック光ファイバ等を用いることもできる。
波長多重信号の多重数、波長間隔についても、所定の仕様に合わせて所望の特性が得られるようにすればよく、波長間隔20nmのITU−T694.2に準拠させることも可能であり、また、本実施例のようにCWDMに限定するものではなく、DWDMへの適用も可能である。
本発明に係る光分波器の実施例として、図6に示した形態を用いた。
本実施例では、光学ブロック18としてポリカーボネートを用いて射出成型した。同時に、チャープ型回折格子12も射出成型した。
チャープ型回折格子12は、支持部54を介して光学ブロック18と一体化している。光ビーム42,43は、光学ブロック18と屈折率の違う空隙部52を通るため、チャープ型回折格子12の格子定数を変調し、所望の集光性能が得られるようにした。
図8は、本発明に係る波長多重光伝送モジュールの実施例を示す構成図である。伝送用光ファイバ74a、74bは、コネクタ96により光伝送モジュール80に接続される。
光ファイバ74bはさらにシングルモード光ファイバ11と突き合わせられる。受信用の伝送用光ファイバ74aを通して伝送されてきた波長多重信号は、直接分波器1に入射し、波長毎に分離されて光検出器アレイ26で検出される。この検出信号は、プリンアンプ22で増幅され、さらに、受信回路86により増幅され、波形整形される。そして、パラレル/シリアル変換回路90により、分離されたパラレル信号をシリアル信号に変換して出力する。
送信する場合には、入力された信号をシリアル/パラレル変換回路92で信号を分離し、送信回路88で信号毎にレーザダイオードアレイ94の各光源を駆動し、波長の異なる光信号とする。
各光信号は、シングルモードの光カプラにより構成される合波器84で多重化し、シングルモード光ファイバ11に出力する。シングルモード光ファイバ11を通して送信用の伝送用光ファイバ74bに結合され、送信される。
シングルモード光ファイバ11を用いて伝送用光ファイバ74bと結合しているため、伝送用光ファイバ74a、74bにはマルチモード光ファイバ、シングルモード光ファイバのどちらでも用いることができる。
本実施例では、光ファイバ10に、コア径62.5μmのGI型マルチモードファイバを用いているため、伝送用光ファイバ74a、74bとして、シングルモード光ファイバ、コア径50μm及び62.5μmのマルチモード光ファイバ等を用いることができる。
本実施例においては、10GBASE−LX4規格に対応して多重化されて伝送されてきた中心波長1275.7、1300.2、1324.7、1349.2nmの24.5nm間隔の4波長を分離する構成とした。
本実施例では、合波器84と伝送用光ファイバ74bとの間をシングルモード光ファイバ11で結合したが、伝送用光ファイバ74bにマルチモード光ファイバのみを用いる場合には、シングルモード光ファイバ11にかえてマルチモード光ファイバを用いればよく、その場合は、合波器84にもマルチモードの光導波路を用いればよい。
マルチモード光導波路を用いることにより、合波器84とレーザダイオードアレイ94との調整が容易になる。また、シングルモード光ファイバ11を用いずに合波器84から伝送用光ファイバ74bに直接光信号を入力してもよい。
本実施例では、送信と受信の両方の機能を有する波長多重伝送モジュールについて示したが、受信部のみを有する波長多重光受信モジュールとしても本発明の効果を得られるものである。
本実施例は、マルチモード光ファイバにより送信された光信号を受信するのに適しており、上記のようにCWDMに適したものである。ただし、DWDM(Dense WDM)への適用を制限するものではない。また、波長多重数4の場合について説明したが、多重数を限定するものではなく、用いるシステムに合わせて適宜選定すればよい。
以上、本発明に用いた光分波器に入力する光信号は、必ずしも変調されていなくてもよく、また同時に複数の波長を含まなくてもよいため、単に波長を分離して光強度を検出または光信号を分離して取り出す分光器にも適用できる。
本発明に係る分波器の上面図と側面図 図1におけるチャープ型回折格子のブレーズ角度と回折効率及び格子定数/波長の関係図 図1における受光用光導波路28の上面図 図1,3における受光用光導波路28の断面図と側面断面図 本発明に係る分波器にプリアンプ22を設けた上面図と側面図 本発明に係る他の分波器の上面図と側面図 本発明における凹面鏡14の曲率半径と受光用光導波路との結合損失及びビーム高さの関係図 波長多重光伝送モジュールの構成図
符号の説明
1…分波器、10…光ファイバ、11…シングルモード光ファイバ、12…チャープ型回折格子、14…凹面鏡、16…プリズム(光路変換部材)、16a,16b…第1、第2プリズム(第一、第二の光路変換部材)、18…光学ブロック、20…台、22…プリアンプ、24…回路基板、26…光検出器アレイ、28…受光用光導波路、30…導波路コア、32…導波路クラッド、34…導波路基板、36…接着剤、38…スラブ導波路部、40…テーパ導波路部、42,43…光ビーム、44…光導波路入射端面、45…光導波路出射端面、46…接合部、48…空洞部、50…光入射部、52…空隙部、54…支持部、74a、74b…伝送用光ファイバ、80…光伝送装置、84…合波器、86…受信回路、88…送信回路、90…パラレル/シリアル変換回路、92…シリアル/パラレル変換回路、94…レーザダイオードアレイ、96…光コネクタ

Claims (13)

  1. 波長多重された光ビームが入射する光入射部と、該光入射部に入射した光ビームを伝送する光路と、該光路で伝送される光ビームが照射されて波長毎に光信号を分離する回折格子と、該回折格子で分離された光信号を取り出す光出射部とを有する光分波器において、
    前記光入射部から入射した光ビームの光路を曲げる第一の光路変換部材と、
    前記第一の光路変換部材からの光ビームを、回折格子の溝方向の拡がり角度を低減するように一軸方向に光集光する凹面鏡と、
    前記回折格子は、凹面鏡で一軸方向の拡がり角が低減された光ビームを、凹面鏡の集光軸とは異なる一軸方向に光集光し、
    前記回折格子で波長毎に分離された光信号の光路を曲げる第二の光路変換部材とを有し、
    前記光入射部と光出射部との間に、前記第一の光路変換部材と第二の光路変換部材とが配置されているおり、
    前記第二の光路変換部材からの光信号が光出射部まで伝播することを特徴とする光分波器。
  2. 波長多重された光ビームが入射する光入射部と、該光入射部に入射した光ビームを伝送する光路と、該光路で伝送される光ビームが照射されて波長毎に光信号を分離する回折格子と、該回折格子で分離された光信号を取り出す光出射部とを有する光分波器において、
    前記光路において光ビームの光路を曲げる光路変換部材と、
    前記回折格子の溝方向の拡がり角度を低減するように一軸方向に光集光する凹面鏡と、
    前記回折格子は、凹面鏡で一軸方向の拡がり角度が低減された光ビームを、凹面鏡の集光軸とは異なる一軸方向に光集光し、
    前記光路変換部材は、前記光出射部から出射する光ビームの進行方向に対しての前記光入射部から入射する光ビームの進行方向の角度が、0°以上90°以下となるように形成されていることを特徴とする光分波器。
  3. 請求項1又は2に記載の光分波器において、
    前記光路が、透明な光学部材で形成されており、
    前記光ビームは、光入射部から光出射部まで前記光学部材中を伝播することを特徴とする光分波器。
  4. 請求項1又は2に記載の光分波器において、
    前記光路の一部が、透明な光学部材で形成されており、
    前記光ビームは、光入射部から光出射部までに空気中を伝播することを特徴とする光分波器。
  5. 請求項1又は2に記載の光分波器において、
    前記回折格子が、略平面上に形成されたチャープ型であることを特徴とする光分波器。
  6. 請求項1又は2に記載の光分波器において、
    前記光入射部に、マルチモードの光伝送媒体を接続して光ビームを入射することを特徴とする光分波器。
  7. 請求項1又は2に記載の光分波器において、
    前記回折格子の中心におけるブレーズ角度が、21°以上34°以下であり、回折格子の格子定数と使用波長との比が、0.88以上1.41以下であることを特徴とする光分波器。
  8. 請求項1又は2に記載の光分波器において、
    前記光出射部に接続された光導波路を有することを特徴とする光分波器。
  9. 請求項8に記載の光分波器において、
    前記光ビームとして入射する波長範囲の中で最も波長の長い光ビームが、回折格子で集光される最良像点位置と、凹面鏡で集光される焦点位置とが略等しく、光導波路の入射端面上にくることを特徴とする光分波器。
  10. 請求項8に記載の光分波器において、
    前記光導波路が、回折格子に入出射する光ビームと略平行に配置されていることを特徴とする光分波器。
  11. 請求項8に記載の光分波器において、
    前記光導波路からの光ビームを受光する光検出器と、
    前記光検出器からの電気信号を増幅する増幅回路とを有し、
    前記増幅回路が、光導波路を形成した基板上、又は、光導波路と略平行に配置された回路基板上に設けられていることを特徴とする光分波器。
  12. 信号伝送用光ファイバとの接合部と、光分波器と、光検出器アレイと、光検出器アレイからの信号を増幅して波形整形する受信回路とを有する波長多重光受信モジュールにおいて、
    前記光分波器として、請求項1から11に記載のいずれか一つの光分波器を用い、接合部と光分波器とをマルチモード光伝送媒体で接続したことを特徴とする波長多重光受信モジュール。
  13. 信号伝送用光ファイバとの接合部と、光分波器と、光検出器アレイと、光検出器アレイからの信号を増幅して波形整形する受信回路と、光源アレイと、光源アレイを駆動する送信回路と、光源アレイからの光信号を合波する光合波器とを有する波長多重光伝送モジュールにおいて、
    前記光分波器として、請求項1から11に記載のいずれか一つの光分波器を用い、接合部と光分波器とをマルチモード光伝送媒体で接続し、接合部と光合波器とをシングルモード光伝送媒体で接続したことを特徴とする波長多重光伝送モジュール。
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