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JP4327122B2 - 無線受信機および無線受信方法 - Google Patents

無線受信機および無線受信方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線信号を受信する広帯域な無線受信機および無線受信方法に関する。
情報化社会の発展により、身近な場面で使用出来る通信手段が飛躍的に増加しており、その通信速度の増加も著しい。通信速度を増加させるために、特定の用途に使用されてきた帯域を違う用途に使用させる例も多い。例えば無線通信においては、特定の帯域を特定の用途に限定して使用するよう法律で定めているが、いくつかの帯域は複数の用途に開放しているし、将来的にはUWB (Ultra-wideband)のように非常に広い帯域を小電力近距離通信に限定して、他の用途と重ねるように開放する可能性がある。さらに、現状で特定のシステムに対してライセンスされている帯域を、そのシステムが使用していない場所・時間に限ってアンライセンス端末が使用できるようにするコグニティブラジオと呼ばれる方式の検討が開始されている(例えば特許文献1参照)。
コグニティブラジオの基本的な考え方は、使用可能性がある帯域をスキャンして使用状況を検出し、使用可能な帯域を探して使用するというものである。近年の無線通信の高速化および広帯域化を考慮すれば、非常に広い帯域をスキャンし、かつ、その中で自らが要求する性能を満たすことができる帯域を使用するよう決定する事が予想される。
さらに、接続形態の多様化が進み、これまでは無線端末が接続する相手は同時にはほぼ1つの相手、例えば基地局、であったが、これからは多対多の接続が多くなり、同時に複数の相手と接続する必要が生じると予想される。
特許第3583962号
上述のようにコグニティブラジオでは、他のライセンスシステムの空きを見てその隙間を使うので、無線信号そのものの帯域幅に比較して、送受信可能な周波数幅が非常に広い。さらに、使用する周波数が他のライセンスシステムの使用状況で変化するため、中心周波数を機器の設計時に決定することが出来ない。すなわち、どのような中心周波数で無線信号が伝搬してきてもそれを受信できるようにしておく必要がある。さらに、接続形態の多様化に伴って、そのような周波数が予め決められていない信号を複数同時に受信する必要が生じる可能性がある。非常に広い帯域、例えば3GHz〜10GHzの間での任意の周波数にあり、かつ、帯域幅が数10〜100MHzといった広帯域な複数の信号を受信しようとした場合、いくつかの問題が生じる。
これまでの無線通信であれば、通常は1つのまとまった周波数帯域に信号があり、例えば基地局の受信機のように、複数の信号を同時に受信する機能が要求されたとしても、全ての信号の中心周波数と帯域幅は予め設計段階で既知であって、かつ、それらの信号が収まるべき全帯域幅の比帯域は比較的小さかった。従って、それぞれの周波数に対応した受信機または比較的狭い範囲でチューニング可能な受信機を、同時接続が想定される数の分だけ準備しておけばよかった。
一方で、コグニティブラジオでは、例えば、ある時間帯では4GHz近辺で周波数がバラバラな7つの信号を受け、他の時間では9GHz近辺で周波数がバラバラな9つの信号を受ける必要があるかもしれない。通常の無線受信機からの類推では、このような場合に、例えば3GHzから10GHzまでチューニング可能な10系統の受信機を備えておくことになるが、チューニング範囲があまりにも広く現実的とは言えない。また、10系統と決めてしまった場合、11個目の信号を受けられず、性能が限定されてしまう。だからといって例えば100系統の受信機を予め備えておくことは現実的ではない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、中心周波数および帯域が非常に広い範囲にわたって不確定な複数の信号を同時に受信することが可能な無線受信機および無線受信方法を提供することを目的とする。
本願発明の無線受信機は、
無線信号を受信するアンテナと、
前記アンテナによって受信された無線信号から各々の受信帯域の信号を選択的に出力する、隣接する受信帯域は一部がオーバーラップしている、複数のフィルタと、
前記複数のフィルタに対応して配置され、前記フィルタから出力された信号をデジタル
信号に変換する複数のA/D変換手段と、
2以上の受信帯域にまたがって存在する境界無線信号の信号成分を、前記2以上の受信
帯域に対応する各デジタル信号のそれぞれから抽出するフィルタ演算手段と、
前記フィルタ演算手段によって抽出された各信号成分について、対応する前記各デジタル信号が通過した各前記フィルタの受信帯域端における位相回りを補正する位相補正手段と、
前記位相補正手段によって補正された各信号成分を合成して境界無線信号を復元する合成手段と、
前記合成手段によって復元された境界無線信号を復調する復調手段と、
を備える。
本発明の無線受信方法は、
アンテナにおいて無線信号を受信し、
あらかじめ設定された複数の受信帯域であって隣接する受信帯域は一部がオーバーラッ
プしている複数の受信帯域の信号を前記無線信号からそれぞれ選択的に出力し、
出力された各前記受信帯域の信号をそれぞれA/D変換してデジタル信号を生成し、
2以上の受信帯域にまたがって存在する境界無線信号の信号成分を、前記2以上の受信
帯域に対応する各デジタル信号からそれぞれ抽出し、
抽出された各信号成分について、対応する前記各デジタル信号が抽出される際に生じた前記受信帯域の端における位相回りを補正し、
位相が補正された各信号成分を合成して境界無線信号を復元し、
復元された境界無線信号を復調する
ことを特徴とする。
本発明によれば、受信帯域の一部がオーバーラップする複数の受信系統を用いて、無線信号を受信する可能性がある全ての周波数をカバーするように受信機を構成する。受信帯域がオーバーラップする部分にある境界無線信号を受信するために、複数の受信系統によってA/D変換されたデジタル信号からそれぞれ境界無線信号の信号成分を抽出し、抽出した各部分信号を合成して境界無線信号を復元し、境界無線信号を復調する。
このようにすることによって、中心周波数や帯域幅が広い範囲で不確定であり、その数が未定の複数のコグニティブラジオ信号を、固定数の受信系統で受信することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は本発明の概念を説明する図である。図2は、本発明の代表的な実施の形態としての無線受信機の構成を示す図である。なお、本明細書で使用する図面では本発明に直接関連する部分のみを表示し、受信機の設計を行う際に不可欠であっても本発明に直接関連しない部品、例えば電源等は、図示を省略している。
図2に示す受信機はコグニティブラジオ用の受信機であって、それが受信すべき信号は広い周波数範囲、例えば3GHz〜10GHzに任意に点在する可能性がある。図5にそのイメージを示す。濃いハッチングで示した信号が受信すべき信号16であり、薄いハッチングで示した信号がその他の信号17である。他の信号17の合間を縫うように複数の受信すべき信号16がある。これら受信すべき信号16それぞれの中心周波数は機器設計時には上述の範囲内であるという以外は不確定であって、送受信を開始する段階になって初めて決定される。また、その帯域幅も様々であって、例えば上限1GHz、下限300kHzのような定めはあってもその範囲は広く、機器設計時には事実上不確定であり、送受信を行う段階になって初めて決定される。
このような信号を図2に示す受信機にて受信する。アンテナ1で受信したRF(Radio Frequency:無線周波数)信号はまずLNA(Low Noise Amplifier:低雑音増幅器) 2で増幅され、必要な数に分岐されて、n個の受信系統10(10-1, 10-2,…,10-n)にそれぞれ入力される。図1(A)に示すように、各受信系統の受信帯域は中心周波数がf1, f2, ・・・・,fnであり、帯域幅がΔfである。隣接する受信帯域の中心周波数の差および、それぞれの受信帯域の帯域幅は図1(A)では一定であるが、必ずしも一定でなくても良い。
各受信系統、例えば第1の受信系統10-1では、まず、RFフィルタ3-1によってフィルタリングを行う。RFフィルタ3-1は、後段でIF(Intermediate Frequency:中間周波数)にダウンコンバートする際にイメージ信号が折り返して所望の信号に重なることを防ぐのが主な目的であり、そのように設計されている。第1の受信系統10-1では図1(A)に示すように中心周波数f1、帯域幅Δfの帯域信号を受信する。後段のA/D変換器5-1に入力される段階で、中心周波数および帯域幅が、RF中心周波数f1に相当する周波数および帯域幅Δfになっていれば良く、RFフィルタ3-1の中心周波数と帯域幅がf1とΔfである必要はない。ここでは、とりあえず中心周波数はf1、帯域幅はΔfRFとする。RFフィルタ3-1から出力された信号はダウンコンバータ4-1でIF周波数に変換される。ダウンコンバータ4-1は主に周波数変換を行うミキサ7-1とミキサ出力をフィルタリングするIFフィルタ9-1とからなる。ミキサ7-1にはRF信号の他に、ローカル入力端子8-1からローカル信号が入力される。IFになったときの所望の中心周波数がFIFであるとして、入力されるローカル信号の周波数はf1-FIFとした。このようにすることによって、中心周波数f1のRF信号が中心周波数FIFのIF信号にダウンコンバートされる。ダウンコンバート後の信号は、IFフィルタ9-1によって整形される。IFフィルタ9-1は中心周波数FIF、帯域幅ΔfIFである。RFフィルタ3-1の特性と、IFフィルタ9-1の特性を併せてトータルでA/D変換器5-1への入力が中心周波数FIF(RFの相当する中心周波数f1)、帯域幅がΔfとなっている。従って、各受信系統の受信帯域を決定するフィルタは図2の受信機ではRFフィルタとIFフィルタをトータルしたものである。
A/D変換器に入力される際の帯域幅Δfは受信帯域が隣接する受信系統のRF中心周波数の差、例えばf2-f1よりも大きく、受信帯域は図1(A)に示すように明らかにオーバーラップしている。このようにして、中心周波数FIF(RFの相当する中心周波数f1)、帯域幅がΔfとなった信号がA/D変換器5-1に入力され、サンプリングされてデジタル信号に変換される。
なお、A/D変換器の前段に利得調整器を配置し、ダウンコンバート後の信号を、A/D変換器に入力する前に、利得調整器によってA/D変換器の入力範囲に適合するようレベル調整してもよい。
デジタル信号に変換された信号は、デジタル信号処理部6に入力される。デジタル信号処理部6は受信機の物理層に関するデジタル信号処理を行う部分である。また、デジタル信号処理部6には、第1の受信系統10-1からの信号のみでなく、他の受信系統10-2,…10-nからの信号も同時に入力される。
図3は、デジタル信号処理部6の構成例を示す。図3の構成は各受信系統から入力されたデジタル信号を一旦周波数領域に変換し、周波数領域でベースバンド信号にしてから時間領域に再変換して復調する形態である。
ある受信系統から入力された信号はFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部11で周波数領域の信号に変換される。すなわち、時間領域の信号をサンプリングして、一定数のサンプルからなるフレームを形成し、フレーム単位でフーリエ変換を行う。これにより周波数領域の信号を生成する。上記一定数が256個の場合、変換後の周波数領域の信号数(周波数ポイントの数)は同じ256個である。この場合、有効な周波数ポイントは、その半分の128個であり、残りの128個はこれのイメージ成分である。変換後の周波数領域の信号は、この系統に含まれる受信すべき無線信号の数に分けられ、それぞれがフィルタ特性乗算部12に入力される。
以下はまず、境界無線信号以外の無線信号を復調するための通常の復調系統21について説明する。周波数領域に変換された信号は各周波数ポイントに対応する信号強度・位相(または実部と虚部)の数値列となっている。フィルタ特性乗算部12では、その復調系統で復調すべき無線信号をフィルタリングして抽出する。具体的には、その無線信号の周波数、帯域幅と変調形態に適したフィルタの周波数特性の数値列を用意し、入力した信号の周波数数値列に乗算し、その結果を出力する。フィルタ特性乗算部12の出力は周波数シフト部18に入力される。本実施の形態では、各受信系統の受信帯域内における任意の周波数に受信すべき無線信号が存在する。すなわち、受信された信号は予め決められたIF周波数にダウンコンバートされるが、そのIF帯域内の任意の周波数に、受信すべき無線信号が存在する。周波数シフト部18では、この無線信号を復調し易い周波数に変換する。フィルタ特性乗算部12の出力のうち、0または十分小さいために無視できる周波数ポイント、以外の有効な周波数ポイントは、FFT部11の出力の周波数ポイント数より大抵の場合少ない。周波数シフト部18を挿入せずに、フィルタリング後の信号に対し、そのままIFFT(inverse FFT: 高速逆フーリエ変換)を行って当該信号を時間軸波形に戻し復調することも可能であるが、FFT, IFFTは処理時間が周波数ポイント数に大きく依存するため、処理の軽減のためには、周波数ポイント数は少ない方が望ましい。また、周波数領域のポイント数は、時間領域の成分数(フレーム内におけるサンプル点の数)に反映されるため、周波数領域でのポイント数が多いと、時間領域の成分数も増加する。しかし、フィルタ特性乗算部12によるフィルタリングによって、周波数領域のポイントの構成が、受信したい無線信号以外0になっている状況では、時間領域の成分数が増加しても、サンプリング定理的に無意味な増加であって、情報量が増えているわけではない。逆に、周波数領域で有効なポイントのみをIFFTして時間領域の信号に変換しても情報量が減るわけではない。そこで、処理量の削減のために、周波数シフト部18によって、フィルタリング後の周波数ポイントを低い周波数にシフトして、不要な高い周波数ポイントを捨て、これによりポイント数を減らす。周波数シフト部18の出力をIFFT部13によって時間領域の信号に再変換し、復調部15で、この信号を復調してデータを取り出し、取り出したデータを出力する。
なお、無線信号の変調方式によっては、IFFTは不要であり、そのまま復調できる場合もある。例えば、OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing)のような周波数軸に情報を乗せる変調方式では、サンプリング周波数、フレーム長、フレーム化タイミングなどの条件が合えばIFFTのステップは不要である。
以上は、1つの受信系統の受信帯域内に、受信すべき無線信号が普通に収まっている場合である。本実施の形態の特徴の1つは、以下に説明するような、無線信号が複数の受信帯域にまたがった場合である。
すなわち、図1(A)において、斜線で示したように第iの受信系統と第(i+1)の受信系統にまたがるような境界無線信号19を仮定する。図1および図2に示すように、それぞれの受信系統の受信帯域は固定であり、境界無線信号19はいずれか1つの受信帯域には収まらない。そこで、本実施の形態に係る受信機では、このような複数の受信帯域にまたがる無線信号(境界無線信号)を復調するべく、図3に示すように、境界無線信号の復調系統22を有する。
図1(B)に示すように、図1(A)の境界無線信号19に関して、第iの受信系統では、境界無線信号19の低周波成分を受信し、第(i+1)の受信系統では、境界無線信号19の高周波成分を受信し、それぞれを合成して元の境界無線信号を復元し、復調する。具体的には以下の通りである。ただし、図2に示す部分に関する説明は通常の信号の場合と同様であるので省略する。
図3に示すように、第iの受信系統でA/D変換された信号および第(i+1)の系統でA/D変換された信号がそれぞれデジタル信号処理部6に入力される。これらの信号はそれぞれ境界無線信号19の一部分を含んでいる。これらの信号は、それぞれFFT部11によって周波数領域の信号に変換される。次に、フィルタ特性乗算部12によってフィルタリングが行われ、境界無線信号のみが抽出される。境界無線信号の中心周波数、帯域幅等の情報は、通信を開始する際に予め決定されていて制御チャンネル等を介して通知されており、既知であるものとする。フィルタ特性乗算部12では、境界無線信号19が含まれている周波数成分を取り出すように決定したフィルタ周波数特性を入力信号に乗算する。ただし、受信帯域外の周波数に対する操作は必要ないので、受信帯域外に出たフィルタ特性の部分に関しては処理の必要が無い。このようにして抽出した周波数成分はそれぞれ周波数シフト部18で周波数シフトされる。境界無線信号19の場合、第iの受信系統における受信帯域の高周波端に境界無線信号19の低周波部分が位置し、第i+1の受信系統における受信帯域の低周波端に境界無線信号19の高周波部分が位置する。そこで、境界無線信号19における低周波部分および高周波部分の位置関係を正しい関係に戻してから合成を行う必要がある。従って、通常の復調系統21の場合と異なり、境界無線信号の復調系統22では周波数シフト部18は必須である。
後述するように、受信帯域がオーバーラップする受信系統間では、周波数領域に変換された信号成分(周波数ポイント)のそれぞれ何番目と何番目が対応するか予め判っている。そこで各受信系統の境界無線信号の信号成分を相対関係が正しくなるように周波数シフトする。このとき、どちらか一方のみを他方に合わせるように移動させても良いが、その場合、移動させた方の成分の一部が、FFTポイント数の外に出てしまうため、後段でIFFTする際に、IFFTの範囲内に再移動する必要がある。従って、これらを合成する際、あるいはその前に、双方の周波数をシフトさせ、IFFTが対応する周波数成分の範囲内に移動することが望ましい。なお、上述した通常の信号の場合と同様に、境界無線信号をIFFTするときに必要となる最小限のポイント数の中に入るように低周波側にシフトを行っておくと良い。
このようにそれぞれ周波数を正しい相対関係にシフトさせられた境界無線信号の信号成分は、合成器14に入力されて合成される。合成の仕方は種々あり、詳細は後述する。合成器14によって、合成された信号は、図1(B)に示すように複数の受信系統間で分割される前の元の境界無線信号に近い状態に復元される。
なお、合成する前に、それぞれの受信系統が受けている遅延の差を補正しておく必要があるが、詳細は後述する。
合成器14の出力はIFFT部13に入力され、時間領域信号に再変換された後、復調部15でデータに復調される。
このように、複数の受信系統で分割された境界無線信号を、正しく合成し復元する機能を有することによって、本実施の形態では、中心周波数や帯域幅が広い範囲で不確定であり、その数が不定であるような無線信号を、固定数の受信系統で受信することが可能となる。
図3では、デジタル信号処理部の構成をブロック図の形態で示した。実装上は、それぞれの機能を実行するプログラムモジュールがあり、信号に相当する数値列がそれらのモジュールで適宜処理される形態である。デジタル信号処理部の構成は種々可能であり、DSPのようなほぼコンピュータ上でソフトウェアとして記述される形態、FPGAやASICのように半固定的、固定的に処理を行う形態のいずれも可能である。図3の形態をソフトウェアのフローとして記述すると、図4のようになる。図4(A)は通常の無線信号の場合、図4(B)は境界無線信号の場合である。内容としては図3の説明と同様であるので省略する。信号の性質(通常の無線信号および境界無線信号)に応じてその信号に対する処理の流れが記述されたメイン部があり、そのメイン部の中で各処理(ブロック)に対応したサブルーチンを呼び出するような形態で、処理が実行される。
図3では一旦デジタル信号をFFTにて周波数領域に変換し、フィルタリングや周波数シフト等を周波数領域で行った。このような方法は、フィルタリングや周波数シフト等の周波数領域の処理を簡単に行えるというメリットを有する。ただし、FFTやIFFTの処理が必要というデメリットもある。一方、デジタル信号を周波数領域に変換せずに時間領域のまま処理することも可能であって、この場合、フーリエ変換に伴う処理時間は短縮できるが、フィルタリング等の周波数的な処理が煩雑になる。
図6は、デジタル信号処理部6の他の構成例を示す。それぞれの受信系統から入力した信号は、その受信帯域内で受信すべき無線信号の数に分岐される。各々の無線信号は、フィルタ特性畳み込み部23によって、その復調系統で復調される信号のみが抽出される。フィルタ特性畳み込み部23は実質的には図3におけるフィルタ特性乗算部12と同等の機能を有するが、時間領域でフィルタリングを行うため、図3の場合のフィルタと同等の特性を持つフィルタ特性のインパルス応答を入力信号に畳み込む処理を行う。具体的には入力信号に、フィルタ特性のインパルス応答の時間軸を反転させた波形を、そのインパルス応答のウィンドウ時間に渡って掛けて積分(加算)する。これを入力信号の時間のポイントをずらしながら行うと、その出力では所望の信号が抽出されている。この出力を周波数変換部24で、復調に適した周波数に変換する。周波数変換部の動作はアナログの場合とほぼ同じである。すなわち、ローカル信号波形を入力信号に掛け合わせて、その結果を必要に応じて適宜畳み込みによりフィルタリングする。次にフィルタリング後の信号を復調部25で復調する。
なお、復調部25において復調する周波数を選択する機能があるならば、周波数変換部24は不要である。例えば復調部25で、周波数可変のローカル信号で同期検波し、その後適切なローパスフィルタで不要な信号を除去するならば、周波数変換部24は不要である。
さらに、信号の変調方式が同期検波によって復調できる方式であって、かつ、境界無線信号でない通常の信号の復調であれば、周波数選択機能を持つ復調部を用いることで、フィルタ特性畳み込み部23も使用せず、入力した信号を分岐した直後に復調部に入力することもできる。これは、図3の場合も同様であり、このようなやり方では、FFTおよびIFFTのステップも不要となるが、図3の形態では、境界無線信号の再合成にはFFT, IFFT, フィルタリング、周波数シフトが必要である。そこで、信号を分岐した後、境界無線信号に対してのみFFT, IFFT等を適用するような形態をとると良い。
図6の形態でも、境界無線信号の復調をする場合はフィルタ特性畳み込み部23と周波数変換部24は必須である。以下に境界無線信号を復調する場合を説明する。図3の場合と同様に第iの受信系統と第i+1の受信系統の境界に無線信号がある場合である。第iの受信系統から入力され、分岐された信号はフィルタ特性畳み込み部23で境界無線信号のみが抽出される。第i+1の受信系統から入力された信号も同様である。これらの抽出された境界無線信号は、その相対的な周波数が正しい関係になるようにそれぞれ周波数変換部24によって周波数変換される。第iの受信系統と第i+1の受信系統とのダウンコンバージョン周波数の差は既知であり、また、後述するようにこの差に対するサンプリング周波数の比が一定であることによって、相対的な周波数関係が正しくなるように周波数変換が可能である。このように周波数変換された信号は、合成器26に入力される。合成器の詳細な構成および動作は後述する。合成器26でこれらの信号が合成されて、元の境界無線信号が復元される。復元された境界無線信号は、復調器25においてデータへ復調される。
次に、複数の受信系統でそれぞれ部分的に受信した信号を合成する処理について、具体的に記述する。まず、図3のように周波数領域で合成を行う形態を示す。
それぞれの受信系統でA/D変換した信号から境界無線信号のみを抽出し、それぞれを周波数の関係が適切になるように周波数シフトする。このような信号が合成器14に入力される。図1(B)に模式的に示したように、受信帯域端で削り取られた境界無線信号は、本来の周波数分布とは異なる周波数分布をしている。すなわち、図2のRFフィルタ3およびIFフィルタ9の特性から受信帯域の周波数特性が決定され、受信帯域端では当然、振幅特性の透過率が小さい。この時大抵の場合、受信帯域端では位相が線形ではなく望ましくない曲がり方をしている。通常の無線機では、RFフィルタおよび IFフィルタでは帯域幅に若干余裕を持って信号を切っておき、ベースバンドのフィルタにおいて、S/Nが最適になるようにまた位相回りが問題にならないように信号を整形する。周波数がベースバンドまで低くなれば、フィルタの設計が容易になるためフィルタ端の振幅の落ち方や位相が理想に近いものを設計することが容易であるためである。このような場合、RFフィルタおよび IFフィルタは信号を大まかに切るだけなので、帯域端の位相回りや振幅の変動は問題にならない。しかし、本実施の形態で特徴とするところは受信帯域端に掛かった信号を復調する機能にあるため、フィルタ端での位相回りおよび振幅変動を無視できない。
そこで、本実施の形態では、合成器に入力された複数の受信系統からの信号に、まずそれぞれ位相の補正を施す。受信機は予め各受信系統のフィルタの周波数特性、少なくともRFフィルタとIFフィルタを併せた、信号に適用されるフィルタ特性を知っておく。フィルタ特性を受信機が知る方法は後述する。受信機は各受信系統についてそれぞれフィルタ周波数特性を知っており、各フィルタ周波数特性を、各周波数ポイントに関する位相と振幅の数値データという形で保有している。合成器では、各受信系統から入力された周波数領域の信号の各周波数ポイントに関して、その周波数が受けたフィルタの位相回りの逆特性を乗算し、位相回りを補正する。合成器に入力される前に周波数シフトされているので、シフトされる前の周波数に合わせてフィルタ周波数特性の周波数ポイントを選択する。合成法によっては、複数の受信系統から入力された信号の全ての周波数ポイントを使用するとは限らないので、使用する周波数ポイントについてのみ位相の補正を行えばよい。なお、位相の補正は合成器ではなくフィルタ特性乗算部で行っても良い。一方振幅の補正は、合成の方法によって種々の補正の仕方があり、合成処理が振幅の減衰量に依存することがあるため、合成器で行うことが望ましい。もし、フィルタ特性乗算部で行う場合は、合成法によっては、フィルタ振幅特性、またはフィルタ特性乗算部で失われた振幅情報を、合成器に送って処理する。
合成には、主として3つの方式があり、場合によってはそれらを適宜組み合わせた方法が可能である。
最も単純な合成方法は選択合成である。図7を用いて説明する。図7は図1(B)を選択合成の場合について詳細に示した図である。それぞれの受信系統からの境界無線信号について位相補償までの処理が完了したものについて、合成処理を行う。受信機は境界無線信号についてそれぞれの系統で、それぞれの周波数ポイントの振幅が受信帯域端でどの程度削られているかを知っている。そこで、各周波数ポイントについて削られている割合が小さい系統の成分を選択する。選択された成分について、フィルタの振幅特性の逆特性を乗算して補正し、補正したそれぞれの成分を足し合わせて、元の境界無線信号を合成する。この際、各周波数ポイントについて独立に減衰量を比較して選択しても良いし、図7のように、最も低周波から途中のある周波数まではfiの系統から、そこから最も高周波まではf(i+1)の系統からというように選択してもよい。遅延差の補正が完全に行われているならば、前者の方法が望ましい。それぞれの系統の各周波数ポイントでの減衰量の比較は、例えば、双方の成分の振幅強度によって行っても良いし、双方の系統が同じLNAに接続されているなら、フィルタ特性の各周波数ポイントの減衰量を比較してもよい。前者の方法は両系統が異なるLNAに接続されていて異なるフェージングを受けているような場合に有効である。選択合成は比較的簡単な方法であって、かつ、そこそこのS/Nが得られる。
図8に示す方法は等利得合成である。位相補正まで行ったそれぞれの系統からの境界無線信号の各周波数ポイントについて全部加算する。加算した場合、おおよその点で、一方からフィルタ端での減衰を受けていない成分、他方から受けている成分が加算されるため、加算後の周波数特性は元の境界無線信号の周波数特性とは異なった形状をしている。そこで、それぞれの周波数ポイントを、双方のフィルタの利得(減衰量)を合計したもので除算する(利得1に正規化する)。このように振幅補正を行って、復元された境界無線信号を得る。等利得合成は比較的単純な方法であるが、本実施の形態の場合、A/D変換器での量子化雑音が加算されてしまうため、若干S/Nが劣化する。
図9に示す合成方法は最大比合成である。それぞれの受信系統の信号をそのS/N比に応じて加算する。本願では、それぞれの周波数ポイントについて最大比合成を行う。最大比合成は正しくは複数の系統からの信号をそのS/N比に対応した比率で加算する方法であるが、S/N比は簡単には検出できないため、通常、S/N比の代わりにパワー比が用いられる。本実施の形態でも、そのようにするとよい。本実施の形態の場合は、LNAの帯域は各受信系統の各々の帯域より十分大きいと仮定しているので、LNAで加算される雑音は受信帯域端で削られても系統による差は出ないが、A/D変換時の量子化雑音によるS/N比劣化は受信帯域端に近づく程大きい。従ってパワー比による最大比合成で量子化雑音によるS/N比劣化を改善できる。
具体例を図9を用いて説明する。位相補正まで行った複数の受信系統からの信号の各周波数ポイントでのパワー比を計算する。双方の受信系統における対応する周波数のパワー比を合計すると1となるように正規化する。各受信系統で求めたパワー比をその系統の境界無線信号に乗算し、双方の系統からの結果を周波数ポイントごとに加算することによって、元の境界無線信号を復元できる。
最大比合成はS/N比の大きい信号を大きい比率で加算するため、トータルでのS/N比を最適化し、より良い品質で受信できる。
以上が基本的な3つの合成法であるが、これを組み合わせて用いることも可能である。例えば、最大比合成が最も品質が良いが、帯域端でフィルタで振幅が削られているような部分は良いS/Nが期待できないので、フィルタの減衰量が一定値、例えば-10dB、を切るような周波数ポイントについては、選択合成を用いて他方の系統の周波数ポイントを使用し、それ以外の周波数ポイントについては最大比合成を行うなどである。このようにすると、最大比合成に伴うパワー比計算などの処理量を減らすことが出来る。
以上の合成法は周波数領域の信号の場合であったが、図6のような時間領域のみの処理を行う場合でもほぼ同等のことをすればよい。すなわち、位相補正なら、補正すべき位相の量を乗せておりかつ振幅1が1であるフィルタ周波数特性に対応する数値列を作り、これのインパルス応答を求めて、時間領域の信号に対して畳み込みを取る。選択合成時の周波数ポイントの選択も、その選択を行うフィルタを用いるものとみなして処理をしていけばよい。一方、時間領域のみでの処理では周波数ごとの信号成分の大きさをフーリエ変換することなく求めることは難しい。このため、信号の大きさやフィルタ減衰量に対応した処理では、信号成分の大きさではなく、予め既知であるRFフィルタおよびIFフィルタによる帯域端の減衰量に基づいて振幅の補正をしたり、パワー比を求めたりするなどの方法を取ると良い。
次に、受信帯域の周波数特性を決定するRFフィルタおよび IFフィルタをトータルしたフィルタ特性の測定方法について述べる。
最も単純な方法は受信機の出荷前の調整時に測定器を用いて測定し、その結果をデータとして受信機にセーブしておく方法である。この方法では経年劣化による変化や季節ごとの温度変化等をカウントすることが出来ないが、受信機に特別な仕掛けが必要無い。
他の方法としては、受信機の電源投入時や、電源が常時入っているなら定期的に、受信機が備える測定機能で測定する方法がある。すなわち、LNAの出力の代わりに自受信機から信号を入力し、それを通常の処理でA/D変換して、各周波数ポイントでの振幅および位相量を測定する。この場合、自受信機のシンセサイザから合成したローカル信号すなわち単一周波数信号を入力して(入力の大きさは自動利得制御等によって既知の値となっているか、当該信号を分岐して測定する)A/D変換後の信号の大きさを測る方法と、白色雑音、またはそれに近い状態にスペクトル拡散された信号を入力してFFTし、各周波数ポイントの大きさを測定する方法とがある。デジタル信号処理部で時間領域のみの処理をしている場合は前者の方法を適用する。
以上の説明は2つの受信系統から合成する場合であったが、図10のように無線信号が非常に広帯域の場合に3つ以上の受信系統から合成する場合もある。合成法や、合成の際の帯域端の位相および振幅の補正の手続きは2つの場合と同様である。ただし、帯域幅が広いため、以下のような工夫が必要である。
周波数軸上で処理する場合には、各系統のFFTの周波数成分数を超える成分の信号が合成される。これをIFFTするには、境界無線信号29全体を含むことが出来る成分数でIFFTしなければならない。その結果、IFFT後の時間領域の信号はA/D変換されたときよりサンプルレートが速い波形となる。このような波形の処理が可能であるようにデジタル信号処理部が構成されている必要がある。デジタル信号処理部がASICのようなもので構成されている場合、そのような処理速度(A/D変換時の2の階乗倍、図10の場合ならば2倍の処理速度)に対応するよう構成されている必要がある。また、デジタル信号処理部がDSP上のソフトによって構成されている場合は、サンプルレートが速くなった信号に余分に計算リソースを割り振る必要がある。速度的に速くなったサンプルレートにそのままついていけない場合には、例えば、CPUのパラレル処理などで対応すると良い。
時間軸上で処理する場合も同様の問題が発生する。すなわち、合成前に周波数の相対関係が適切になるように周波数変換を行っていくが、その際、最も高い周波数成分が、信号のサンプルレートで表現できる周波数を超えてしまうため、そのままでは周波数変換が出来ない。したがって、信号の時間波形を補間してサンプルレートを速めて周波数変換し、その後の処理も全て速くなったサンプルレートで行う必要がある。合成時における加算のために、最も速いサンプルレートの信号に合わせて、他の信号のサンプルレートも速くする必要がある。周波数領域で処理する場合と同様に速くなったサンプルレートに時間的に対応できるCPUをもっているか、パラレル処理で対応する必要がある。
ところで、最大比合成、または等利得合成を行う場合、受信帯域が隣接する受信系統のLNAを異なるLNAにすると良い。隣接する受信系統が各々異なるLNAに接続された受信機の構成例を図11に示す。また、受信帯域が隣接する受信系統が互いに異なるLNAに接続され、受信帯域の境界部分に境界無線信号が含まれる様子を図12に示す。破線で示した受信帯域の受信系統と実線で示した受信帯域の受信系統とは異なるLNAに接続されている。図11において、2つのLNAすなわちLNA2-1、LNA2-2があり、受信系統は1つおきに異なるLNAに接続されている。オーバーラップしている周波数を含む受信系統が図12のようにいかなる周波数でも最大で2つなら、図11のように1つおきに異なるLNAに受信系統を接続すればよい。もし、いずれかの周波数で3つの受信系統がオーバーラップしているような場合は、3つのLNAを設け、オーバーラップしている周波数で各受信系統が互いに異なるLNAに接続されるようにすれば良い。なお、図11では、ブロック図上の配置として1つおきに異なるLNAに接続されているが、実際の回路のレイアウトは特に周波数の順に並んでいる必要は無く、例えば、同じLNAに接続される受信系統をまとめて配置するなどすればよい。
このように受信帯域が隣接する受信系統を各々異なるLNAに接続すると、合成する際に同一周波数ポイントについて異なる受信系統から入力される信号中のLNAで付加された雑音成分に相関が無くなる。信号はコヒーレントに足し合わされるため信号は振幅で加算されるが、相関が無い雑音はインコヒーレントに足し合わされるためパワーでの加算となる。従って合成後のS/N比が改善する。なお、同じLNAを用いた場合でも合成によって量子化雑音を改善する効果があるが、LNAを変えることによって、LNAでの雑音も改善できる。
また、図11では受信系統が1つおきに異なるLNAに接続されているだけでなく、異なるLNAはそれぞれ別のアンテナに接続されている。上記の効果を得るために最低限必要なのは、LNAが異なっていることである。しかし、1つのアンテナで得られるパワーは有限であり、かつ、無線信号の場合大抵微弱であり、また、LNA出力のS/N比はLNAへの入力パワーに大きく依存する。1つのアンテナの出力を2つのLNAに分けると、アンテナの構成にもよるが、給電点が1箇所である大部分のアンテナでは分けない場合よりS/N比は劣化する。従って、雑音抑圧の効果を得るためには図11のようにそれぞれを異なるアンテナに接続し、それぞれに十分なLNAへの入力パワーを確保することが望ましい。
また、アンテナが異なると、周波数やアンテナの配置、指向性にもよるが、同じ信号が入ってこないことが多い。仮にアンテナの指向性が同一でアンテナが互いに近い場所に配置されていたとしても、周波数が高いと受信信号のフェージングの状態が異なる。アンテナの指向性や位置が明確に異なれば、受信信号は当然異なっている。このような場合に合成する際、単純にフィルタ特性で最大比合成のパワー比を決定する方法よりも、それぞれの周波数ポイントのパワーでパワー比を決定する方がより良いS/N比を得ることが出来る。
次に境界無線信号を受信する場合の、各受信系統のダウンコンバージョン周波数とA/D変換器におけるサンプリング周波数(サンプリングレート)との関係について説明する。
これまでにも度々述べてきたように、複数の受信系統でそれぞれ部分的にA/D変換された境界無線信号を、その周波数の相対的な関係を正しく合わせて合成および復元する必要がある。そのためにダウンコンバージョン周波数差とサンプリング周波数との関係を特定の条件に保つ必要がある。この条件については、その後の合成処理を周波数領域で行うか、時間領域で行うかによって、条件を決定するパラメータが若干異なるが、大抵の実施条件の下では同一の条件とみなすことができる。
以上について図13を用いてさらに詳細に説明する。境界無線信号19が図のように第iと第i+1の受信系統の間にある場合を考える。これらの受信帯域はそれぞれダウンコンバータでIF周波数に変換された後、A/D変換される。各受信帯域のダウンコンバージョン周波数は図において30、31によって示され、双方の受信帯域ともほぼ同じIF周波数に変換される。34はこれら隣接する2つの受信系統のダウンコンバージョン周波数差を示す。32-i,32-(i+1)はA/D変換する際のサンプリング周波数(サンプリング間隔時間の逆数)を示す。A/D変換後、それぞれの受信系統の信号はFFTされて周波数領域の信号にされる。FFTする際のフレーム長の逆数すなわちフレーム長に対応する周波数が、周波数領域に変換された信号における周波数ポイント33の間隔となる。なお、フレーム内のサンプル数はサンプリング周波数を周波数ポイント間隔で割った数字である。本実施の形態において周波数領域で処理する場合は、少なくとも境界無線信号の受信処理中は、それに関連する受信系統において、ダウンコンバージョン周波数差が、フレーム長に対応する周波数すなわち周波数ポイント間隔の整数倍でかつ一定であるようにする。このようにすると第i+1の受信系統の周波数0に対応する周波数ポイントに重なる第iの受信系統の周波数ポイントの番号が常に一定となり、かつ、双方の系統の周波数ポイントが、受信帯域がオーバーラップしている周波数帯域においてぴったりと重なるようになる。フレーム長は双方の受信系統で同一であると仮定している。その結果、双方の系統のFFT後の周波数ポイントの対応関係が明確となり、合成する前に正しい周波数に戻すことが可能となる。なお、各受信系統でのダウンコンバージョン周波数およびフレーム長が各々独立に常に一定の値に保たれていてももちろんかまわないが、上記の説明から判るように、上記の比が整数倍一定に保たれていれさえすれば、絶対値の安定性は問題にならない。絶対値が多少ずれても、ダウンコンバージョン周波数差34と周波数ポイント33との相対的な関係が保たれたまま上記絶対値が伸び縮みするだけであって、両系統の周波数ポイントの対応関係に変化は無いからである。
なお以上の説明のように、周波数領域で処理する際に問題となるのはフレーム長であって、フレーム内のサンプル数やサンプリング周波数は原理的には問題にはならない。しかし、FFTする際のサンプル数は2の階乗と通常決まっており、増減するときは倍または半分といった極端な単位で増減されること、また、本実施の形態では各受信系統がおおよそ同等の受信帯域幅を持っていることとから、フレーム長が同一でありながらサンプリング周波数すなわちサンプル数が系統ごとに異なるという状態は起こりにくい。従って、通常の場合上述の条件は、ダウンコンバージョン周波数差とサンプリング周波数との比が一定であるという条件と同等となる。
合成処理を時間領域で行う際には、以上の条件はダウンコンバージョン周波数差とサンプリング周波数との比が一定であるという条件になる。具体的には以下の通りである。時間処理の場合、デジタル化された信号の周波数を決定するのは、判り易く表現すれば、その周波数の正弦波の1周期を何個の点で表現するかということである。図15は正弦波の1周期を4個のサンプル点で表現している例であり、これが5個になるか3個になるかあるいは4.1個になるかで周波数が異なる。図13のような周波数関係では、第iの受信系統で受信される境界無線信号内のある周波数は、A/D変換される際の周波数0すなわちダウンコンバージョン周波数30と、サンプリング周波数32-iとによって、1周期が何個の点で表現されるか決定される。第i+1の受信系統についても同様である。サンプリング周波数が変われば同じ4個でも表現される周波数は変わってしまうが、この時重要なことは、サンプリング周波数に対する4個で表現される周波数の(ダウンコンバージョン周波数との差の)比率はサンプリング周波数によらず一定であるということである。従って、図13の例で例えば第iの受信系統において、第i+1の受信系統のダウンコンバージョン周波数に対応する周波数を表現しようとした場合、この2系統のダウンコンバージョン周波数の差がサンプリング周波数に対して一定の比率で表現できていれば、第iの受信系統において、第i+1の受信系統のダウンコンバージョン周波数に対応する周波数の1周期を常に一定の個数により表現できる。すなわち、第iと第i+1の周波数の対応が明確についていることになる。他の周波数ポイントについても同様であり、サンプリング周波数が双方の系統で同一であり、一方の系統でサンプリング周波数に対して一定の比率で表現される周波数と、他方の系統でサンプリング周波数に対して他の一定の比率で表現される周波数が常に等しくなる条件は、他方の0に相当する周波数が一方の系統で常に一定の比率で表現されていることである。これらの条件を言い換えると、ダウンコンバージョン周波数差が、サンプリング周波数に対して一定の比を有しているという形になる。この場合ももちろん、それぞれのダウンコンバージョン周波数およびサンプリング周波数を絶対的に固定しても同様の効果が得られるが、より単純には比のみを固定すればよい。比のみを固定した場合、双方の系統で対応させた周波数の絶対周波数が揺らぐことがあるが、合成する際の周波数関係を正しく保つには、比のみで十分である。
このようにすることで、双方のサンプリング後の周波数関係が明確になり、合成する際に、複数の系統から部分的に得られた境界無線信号の周波数の関係を正しいものとすることができる。
このような条件を実施するには、図14に示すように1つの周波数シンセサイザ35からダウンコンバージョン用のローカル信号とサンプリングクロックとを生成すると良い。サンプリングクロック生成部36およびローカル信号生成部37はともに分周・逓倍器や合成器から構成されており、シンセサイザ35の出力に完全に同期した信号を出力する。サンプリングクロック生成部36やローカル信号生成部37の出力信号の周波数に対するシンセサイザ35の出力信号周波数の比は少なくとも境界無線信号を受信している間は固定であって、ダウンコンバージョン周波数の差がサンプリング周波数に対して一定の比率となるように制御されている。ローカル信号生成部37の出力は図2においてダウンコンバータ4のローカル入力端子8に接続される。また、サンプリングクロック生成部36の出力はA/D変換器5に入力されて、サンプリングする際のクロックとして使用される(図2ではA/D変換器にサンプリングクロック入力端子は図示していない)。
図14の形態は周波数領域でも時間領域でも使用可能である。ただし、周波数領域の場合は、デジタル信号処理部内のFFTのサンプル数を双方の系統で同一(または2の階乗倍)であるようにする。
図14のような形態をとらずにそれぞれの系統で異なる周波数シンセサイザを用いたり、ローカル信号生成部とサンプリングクロック生成部で異なる周波数シンセサイザを用いたりする場合は、それらの周波数シンセサイザを境界無線信号受信中はPLL (Phase Locked Loop)を用いて同期させるとよい。
ところで、複数の受信系統で部分的に受信した境界無線信号を正しく合成する際に必要なもう1つの条件は、各受信系統で受信した信号を合成する際に時間ずれが無いことである。時間領域で合成する際に合成する系統間で遅延差がないことはもちろんであるが、周波数領域で処理する場合にFFTフレームを取る時間が関連する受信系統で同一となるようにする。
遅延差が発生する要因はいくつかある。まず、実装の際、受信系統ごとに回路の配線長が異なることであり、これは回路レイアウトの工夫で小さくすることは出来るが無くすことは難しい。また、温度変動などによる多少の時間的変動はあっても、一旦、無線機が製造された後に変動する分は微小である。
また、隣接する系統で異なるLNAを用い、それぞれのLNAに異なるアンテナが接続されている場合、その境界無線信号がアンテナに入力されるまでに経由した伝搬距離が異なっていることがある。これは主にアンテナ間の距離による要因が大きい。この場合、電波の到来方向に対して受信機の角度が変化することによって、遅延差が変動する可能性があり、予め決定しておくことが出来ない。
従って遅延差を補正するための方法は、固定的に補正する方法と、動的に補正する方法の2種類がある。
まず、固定的に補正する場合であるが、回路のレイアウトや素子の遅延特性によって遅延差は開発段階で把握できる。最終的な回路設計が完了し試作した段階で各系統の遅延時間差を測定し、予めデジタル信号処理部6に遅延差を入力しておけば良い。具体的な手順としては、例えば、受信帯域がオーバーラップしている周波数の試験用信号をLNAに入力し、それを受信できる受信系統で別々にA/D変換する。周波数領域で処理する場合は、それぞれの受信系統がFFTするときに、フレームを取るために入力された数値列を一旦メモリに記憶するが、これを比較して、遅延時間差を検出する。LNAに入力する試験用信号は例えば特定周波数の正弦波である。オーバーラップしている部分は受信帯域の端であることが多く、受信帯域端での位相回りは上述のように別途補正を行うため、位相回りの分は除いて遅延時間差だけを補正するようにする。従って、遅延差を測定する前にフィルタ端による位相回りの測定を行っておいて、フィルタ特性補償のステップで補償される分は予め差し引いておいてから、系統の遅延時間差を算出し、フレーム化する際のタイミングの違いを算出する。タイミングの違いはクロック数で表現され、各系統でフレーム化する際に、そのクロック数だけずれたタイミングでフレームを取るようにすればよい。すなわち、他のデジタル信号処理部の構成例を示す図18のように、デジタル信号処理部内にフレーム化のタイミングを供給するタイミング供給部43を用意し、そこから、各系統にフレーム化のタイミングを供給すればよい。上記の処理において、系統ごとの遅延時間差が大きいかまたは測定周波数が高いために、正弦波の試験用信号では遅延差が1周期を超えてしまう場合には、試験用信号に低速の固定パターンで変調された信号を用いればよい。
このような測定をそれぞれの隣接する系統ごとに行う。望ましくは、隣接する系統間で遅延差を境界無線信号の受信時に補正するのでなく、全系統の遅延差があらかじめ補正されているようにしておくとよい。FFTはその受信帯域内の信号を受信する限りほぼ常時行われており、境界無線信号の受信の開始時に、FFTのフレームタイミングを取り直せるとは限らないからである。
時間領域で処理を行う場合もほぼ同様の処理である。受信帯域がオーバーラップする周波数に試験用の正弦波または変調波を入力し、それぞれの系統でA/D変換して、通常の処理を行って合成器まで到達した後、フィルタ特性のうち少なくとも位相回りの補正を行ってから、両系統の信号の比較を行う。比較の結果遅延差が検出されたら、それを記録し、合成器で両系統からの信号を足し合わせる際にその遅延差だけずらして、足し合わせればよい。
なお、上記の手続きは受信機の開発時に行っても良いが、試験用信号の入力・検出機構を受信機内に設けて、受信機の電源投入時、あるいは、定期的に受信機内で上記の処理を行って補正を行い、経年劣化や温度変化に備えるようにしても良い。
次にアンテナが複数系統あって、動的に補償する方法を記述する。この場合でも回路内の伝搬距離差で固定的に発生する遅延差に関しては、上述の方法で補償しておくとよい。
電波の到来方向によって、遅延差の量が変化する場合、境界無線信号が送られてくるまで、遅延差を検出することができない。また、この無線システムが移動しながらの送受信を許容する場合、遅延差が時間的に変化する可能性がある。従って遅延差の補償は境界無線信号そのもので行う必要がある。このとき境界無線信号がプリアンブルのような同期のための信号を有していれば、プリアンブルを使用すれば良いし、同期のための信号を持たない場合には境界無線信号そのもので行う。
まず、時間領域で合成処理を行う場合を説明する。プリアンブルで補正する場合は、プリアンブルの周波数構成にもよるが、仮にプリアンブルが正弦波やそれに近い繰り返し波形の場合は以下のようにする。プリアンブルを受信している時間の間に、合成器に入力される波形を比較して遅延差を検出し記憶する。その後のパケット内容の受信の際には合成器での加算処理の際に遅延差だけずらして加算する。遅延差の検出はプリアンブルのできるだけ始めの方で行って、残りのプリアンブルを他の必要とされる処理(ビットレートの同期やパケットフレームの同期など)に用いるようにするとよい。プリアンブルが広帯域な場合には、両方の系統からプリアンブル中の同じ特定の帯域をフィルタリング処理で取り出して比較するとよい。
プリアンブルの始めのうちだけでは遅延差の完全な検出が出来ない場合や、プリアンブルのような同期のための信号を持たない場合は、以下のようにする。デジタル信号処理部の他の構成例を示す図17のように、境界無線信号の復調系統28に入力する2つの受信系統のそれぞれについて、周波数変換部24の後を分岐してさらに別のフィルタ特性畳み込み部40を配置する。これによって、境界信号部分から特定の周波数あるいは狭い帯域を抜き出して遅延差検出部41に入力して波形を比較し、遅延差を検出する。この場合、遅延差の検出にRFフィルタおよび IFフィルタ端の位相回りが影響しないように、前述のフィルタ端の特性の補正の内、位相の補正に関してはフィルタ特性畳み込み部23で行ってしまうことが望ましい。検出された遅延差は合成器26に通知され、合成器26は信号の加算の際にその遅延差だけずらして加算する。
遅延差の検出は遅延差が変化する速さに追随できることが望ましい。プリアンブルで検出する場合は、プリアンブルごとに検出してそのパケットに適用してもよいし、遅延差の変化が非常に遅いなら、全てのパケットについて行わなくても良い。図17のように並行して検出する場合は、遅延差に意味のある変化が生じた時に合成器に通知すればよい。意味のある変化とは境界無線信号の帯域内で遅延差によってフェージングが生じて受信感度が劣化する程度の遅延差を意味する。
次に、周波数領域での合成処理を行う場合であるが、遅延差が予め予測できず、境界無線信号の到来方向によって遅延差が変化するような場合は、固定的な遅延差の場合のように全系統の遅延差をまとめて補正することは出来ない。従って、FFTのフレームのタイミングを遅延差に従ってそろえることは難しい。しかし、FFTのフレームタイミングがずれていると周波数領域で合成する際にフェージングが発生してしまう。そこで、デジタル信号処理部のさらに他の構成例を示す図16のように、周波数領域の信号をIFFTして時間信号に戻してから合成処理を行うとよい。ただし、合成処理で行う加算以外の処理、すなわち位相、振幅の補正や、合成法によってはそれぞれ必要な重み付けや周波数選択などの処理はIFFTする前の合成前処理部42ですべて行っておき、その後時間波形に戻してから加算器39で遅延差を補正して加算するとよい。
この場合の遅延差の検出は、ほぼ時間領域の場合と同様であり、プリアンブルを活用できる場合には、加算器39にてプリアンブル波形の比較によって遅延差を検出し、そうでない場合には、図17と同様の機構をIFFT部と加算器の間に設けて行えばよい。ただし、選択合成の場合は、同一の周波数成分(周波数ポイント)を抽出できなくなるので、合成前処理部でフィルタ位相の補正を行った後、遅延差を検出するための周波数成分のみを抜き出して別途IFFTし、その遅延差の検出を行うとよい。
なお、以上の説明では各受信系統の受信帯域幅は同一で固定、受信周波数は各々固定で、そのサンプリング周波数等も全て同一でほぼ固定として説明してきた。しかし、受信帯域幅は受信系統毎に異なっていてかまわない。その結果、サンプリング周波数は必要に応じて2の階乗倍で変化してかまわない。ただし、このような場合、合成処理する際にサンプリング周波数が異なることによる点の不足を補間処理などで補う必要がある。
さらに、受信周波数を可変にしてもかまわないが、本発明の目的とするところの1つは固定数の受信系統で、周波数および帯域幅が不明である無線信号を広い範囲で受信できるようにすることであるので、この目的を逸脱しない範囲でならば受信周波数を可変にしてもかまわない。例えば、周波数帯がいくつかに分割されており、その受信機が使用できる周波数帯が場所や期間で半固定的に割り振られていて、1つの周波数帯の中で本発明で想定しているような使い方をする場合である。1つの場所で一定の期間は特定の周波数帯しか使わないが、場所や時間が変われば他の周波数帯に切り替えることが要求されるようなシステムなどでは、受信周波数を可変にすればよい。
以上に説明した本実施の形態について要約すると簡単には以下の通りである。
(1)本発明の実施の形態におけるコグニティブラジオの受信機は複数の受信系統を持っている。本受信機は、中心周波数や帯域幅が広い範囲で不確定であるような複数の無線信号を受信するために用いられるが、従来例のように各受信系統を個々の無線信号にチューニングするのではない。本受信機における複数の受信系統は、隣接する受信帯域がオーバーラップするようになっている。各受信帯域はほぼ固定、少なくともその受信帯域内に含まれる無線信号を受信している間は固定である。また、これら複数の受信系統によって、本受信機が受信したい周波数のほぼ全域がカバーされている。各受信系統は各々の受信帯域内の信号をA/D(アナログ・デジタル)変換器でサンプリングしてデジタル信号に変換する。デジタル信号の中からデジタル処理により、復調したい無線信号を抽出し、復調する。A/D変換器に入力する信号の帯域、すなわち受信帯域はA/D変換器以前に挿入されたフィルタで決定され、各フィルタの受信帯域は受信すべき個々の無線信号の周波数や帯域幅とは無関係である。本受信機では、フィルタを通過してきた信号を一旦全てデジタル信号に変換し、その中から受信すべき信号のみをデジタル処理で抽出して復調することが一つの特徴である。このような形態では、受信すべき無線信号それぞれが、いずれかの受信系統の受信帯域内に完全に収まっているとは限らず、受信すべき無線信号が隣接する2つ以上の受信帯域にまたがっていることがある。従来の無線受信機では、受信すべき信号が1つの受信系統では受信しきれない位置に来るような受信帯域をもつようにはしなかった。本受信機では、受信帯域の境界にある境界無線信号を、各受信系統の受信帯域を動かすことなく、そのまま受信する。従って、1つの受信系統で得られる信号は、境界無線信号の一部分のみである。この境界無線信号を受信帯域内に含む2つ以上の受信系統では、各々デジタル化された信号から、その境界無線信号に関する部分を抽出し、抽出した各部分信号についてフィルタ端での強度変化や位相変化を補正した後、これらを合成して境界無線信号を復元し、境界無線信号を復調して必要なデータを得る。周波数が隣接する受信系統は受信帯域がオーバーラップしているため、境界無線信号の各周波数点はいずれかの受信系統でそこそこのS/N比で受信されている。そのため、S/Nが不足して受信できないということが無い。
このようにすることによって、中心周波数や帯域幅が広い範囲で不確定でその数が未定の複数の無線信号を、固定数の受信系統で受信することが可能となる。
(2)各受信系統に入力される信号は無線信号周波数の信号である。RF周波数は大抵の場合、各々の無線信号の帯域幅に比較して十分に高い周波数であるため、A/D変換器に入力するために中間周波数にダウンコンバージョンされる。本発明の実施の形態では、IFはどの受信系統でもほぼ同じ周波数である。各受信系統の受信帯域はRF中心周波数が異なるため、同じIFに落とす時ダウンコンバージョン周波数が各系統で異なる。本発明の実施の形態では、ある境界無線信号に関して、それを受信帯域に含む複数の受信系統でのダウンコンバージョン周波数の差と、受信信号をA/D変換する際のサンプリング周波数との比を、少なくともその境界無線信号を受信している間は一定に保つ。
複数の受信系統からの境界無線信号を正しく合成して元の境界無線信号を復元するための条件として、それぞれの受信系統で受信した境界無線信号の部分の関連が明確でなければならない。
各受信系統で得られたデジタル信号はIF信号であって、全系統でほぼ同じ中心周波数である。そのため、各々の受信系統で得られた境界無線信号の各部分は、ダウンコンバージョンによって周波数の相対位置がずれているので、合成する前に周波数の位置関係を正しくする必要がある。その際、各受信系統のダウンコンバージョン周波数が明確であることはもちろんであるが、これに加えてダウンコンバージョン周波数の系統間の差に対するサンプリング周波数の比を一定とする。受信帯域全体をサンプリングした後、境界無線信号に関する部分をデジタル的なフィルタリング処理によって抽出し、周波数シフトするが、サンプリング周波数がIFでの周波数点を決定するので、上述の比が一定であることによって、合成する際のデジタル処理上の周波数シフト量を相対的に正しくすることが出来る。すなわち、1つの系統のIFにおけるある周波数が、隣接する系統のIFのどの周波数に対応するかを確定することができる。
このようにすることによって正しい合成を行うことが可能となる。
(3)境界無線信号を複数の受信系統でデジタル化した信号から抽出して合成する際、信号を予め周波数領域に変換してから合成を行う。A/D変換器でサンプリングしてデジタル化した信号は、時間軸上の値の列であるが、これをフレームに区切って、FFTを行い、周波数領域の信号に変換する。周波数領域に変換されると、受信帯域内の信号の周波数分布が明確になり、フィルタリングや周波数変換等の周波数的な処理を容易に行うことができる。また時間軸上での煩雑な周波数処理を行った場合に比較して、数値誤差の累積を少なくすることが出来る。
(4)複数の受信系統でから得られた境界無線信号を合成する際に、選択合成、等利得合成または最大比合成を使用する。本受信機では境界無線信号は1つの受信系統の受信帯域端で信号が削り取られてしまう。受信帯域の端ほど、デジタル化した後にS/Nが悪くなるが、特に最大比合成を用いることで、雑音を最も抑圧できる。
このようにすることによって、より良い品質で境界無線信号を復元することが可能となる。
(5)本受信機で加算される雑音は、アンテナ直後のプリアンプ(LNA : Low Noise Amplifier)で加わる雑音と、A/D変換器で加わる量子化雑音が支配的である。各受信系統でA/D変換される信号の時間波形は基本的に独立であるため、量子化雑音は各系統ごとに独立であり、最大比合成によってその寄与を抑圧できる。合成する複数の系統に入力される信号が同じLNAの出力である場合、受信系統が異なってもLNAの雑音には相関があるため、最大比合成をしてもその寄与は抑圧できない。そこで、受信帯域が隣接する受信系統では異なるLNAの出力を用いる。すなわち、受信帯域がオーバーラップする受信系統は異なるLNAに接続する。このようにすると、境界無線信号の復元に用いる複数の受信系統間で、LNAに起因する雑音に相関が無くなるため、最大比合成によって雑音の寄与を抑圧することができ、よりS/N比を改善できる。
(6)合成処理を周波数領域で行う場合、境界無線信号を含む複数の受信系統での周波数の相対関係を正しくするために、受信系統間のダウンコンバージョン周波数の差と、FFTする際のフレーム長に相当する周波数との比を、整数の一定値に保つ。周波数領域で処理する場合、FFT後の周波数ポイントの間隔は、サンプリング周波数でもFFTする際のフレーム内サンプル数でもなくフレーム長のみに依存する。ダウンコンバージョン周波数の受信系統間の差は、A/D変換器に入力するIF周波数0に対応する各々のRF周波数の差である。したがって、ダウンコンバージョン周波数の差をフレーム長に対応する周波数で割った値が一定の整数であるということは、両系統のIF周波数0に対応するRF周波数の間に周波数ポイントがぴったり整数個入り、その個数が一定であることを意味する。その結果、双方の系統の相対的な周波数関係を常に既知な一定値に保つことが出来る。なお、(6)の条件は、FFTする際のフレーム内サンプル数が同一であるという条件下では、(2)の条件と同等である。
図2の無線受信機における各受信系統の受信帯域、および2つの受信系統にまたがる境界無線信号を説明するための図である。 本発明の実施の形態としての無線受信機の構成を概略的に示す図である。 デジタル信号処理部の構成例を示す図である。 デジタル信号処理部をソフトウェアで構成した際のフローを示す図である。 受信信号の周波数配置の一例を示す図である。 デジタル信号処理部の他の構成例を示す図である。 選択合成を説明するための図である。 等利得合成を説明するための図である。 最大比合成を説明するための図である。 3つの受信帯域にまたがる境界無線信号の例を示す図である。 無線受信機の他の構成例を概略的に示す図である。 図11の無線受信機における各受信系統の受信帯域、および複数の受信帯域にまたがる境界無線信号を説明するための図である。 ダウンコンバージョン周波数差とサンプリング周波数との関係を説明するための図である。 1つの周波数シンセサイザからローカル信号とサンプリングクロックを生成する構成を示す図である。 正弦波の1周期を4個のサンプル点で表現した例を示す図である。 動的に遅延差の補正を行う機能を備えたデジタル信号処理部の構成例を示す図である。 動的に遅延差の補正を行う機能を備えたデジタル信号処理部の他の構成例を示す図である。 タイミング供給部を備えたデジタル信号処理部の例を示す図である。
符号の説明
1 アンテナ
2 LNA
3 RFフィルタ
4 ダウンコンバータ
5 A/D変換器
6 デジタル信号処理部
7 ミキサ
8 ローカル入力端子
9 IFフィルタ
10 受信系統
11 FFT部
12 フィルタ特性乗算部
13 IFFT部
14 合成器
15 復調器
16 受信すべき信号
17 他の信号
18 周波数シフト部
19 境界無線信号
20 受信系統の受信帯域
21 通常の復調系統
22 境界無線信号の復調系統
23 フィルタ特性畳み込み部
24 周波数変換部
25 復調部
26 合成器
27 通常の復調系統
28 境界無線信号の復調系統
29 境界無線信号
30 第iの受信系統のダウンコンバージョン周波数
31 第i+1の受信系統のダウンコンバージョン周波数
32 サンプリング周波数
33 周波数ポイント
34 ダウンコンバージョン周波数差
35 シンセサイザ
36 サンプリングクロック生成部
37 ローカル信号生成部
38 サンプル点
39 加算器
40 フィルタ特性畳み込み部
41 遅延差検出部
42 合成前処理部
43 タイミング供給部

Claims (7)

  1. 無線信号を受信するアンテナと、
    前記アンテナによって受信された無線信号から各々の受信帯域の信号を選択的に出力する、隣接する受信帯域は一部がオーバーラップしている、複数のフィルタと、
    前記複数のフィルタに対応して配置され、前記フィルタから出力された信号をデジタル
    信号に変換する複数のA/D変換手段と、
    2以上の受信帯域にまたがって存在する境界無線信号の信号成分を、前記2以上の受信
    帯域に対応する各デジタル信号のそれぞれから抽出するフィルタ演算手段と、
    前記フィルタ演算手段によって抽出された各信号成分について、対応する前記各デジタル信号が通過した各前記フィルタの受信帯域端における位相回りを補正する位相補正手段と、
    前記位相補正手段によって補正された各信号成分を合成して境界無線信号を復元する合成手段と、
    前記合成手段によって復元された境界無線信号を復調する復調手段と、
    を備えた無線受信機。
  2. 2以上のアンテナを備え、
    前記アンテナによって受信された無線信号を増幅する低雑音増幅器を2つ以上備え、
    各前記低雑音増幅器は各々異なるアンテナに接続され、
    受信帯域が隣接するフィルタは各々異なる低雑音増幅器に接続されたことを特徴とする
    請求項1に記載の無線受信機。
  3. 前記複数のフィルタに対応して配置され、前記フィルタから出力された信号を無線周波
    数から中間周波数にダウンコンバートする、複数のダウンコンバータをさらに備え、
    前記複数のA/D変換手段は各々前記中間周波数の信号をA/D変換し、
    前記2以上の受信帯域を処理する各ダウンコンバータおよび各A/D変換手段に関し、
    受信帯域が隣接するダウンコンバータのダウンコンバート周波数差と、受信帯域が隣接す
    るA/D変換手段で用いられるサンプリング周波数との比は一定かつ整数であることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の無線受信機。
  4. 前記複数のA/D変換手段に対応して配置され、前記A/D変換手段によって生成され
    たデジタル信号を高速フーリエ変換する複数のFFT手段と、
    前記合成手段によって復元された前記境界無線信号を逆高速フーリエ変換するIFFT
    手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の無線受信機。
  5. 前記複数のフィルタに対応して配置され、前記フィルタから出力された信号を無線周波数から中間周波数にダウンコンバートする、複数のダウンコンバータをさらに備え、
    前記複数のA/D変換手段は各々前記中間周波数の信号をA/D変換し、
    前記2以上の受信帯域を処理する各ダウンコンバータおよび各FFT手段に関し、受信帯域が隣接するダウンコンバータのダウンコンバート周波数差と、受信帯域が隣接するFFT手段において用いられるフレーム長の逆数との比が一定かつ整数であることを特徴とする請求項4に記載の無線受信機。
  6. 周波数シンセサイザと、
    前記周波数シンセサイザを用いて各前記A/D変換手段へ供給するサンプリングクロックを生成するサンプリングクロック生成手段と、
    前記周波数シンセサイザを用いて各前記ダウンコンバータ用のローカル信号を生成するローカル信号生成手段と、
    を備えた請求項3または5に記載の無線受信機。
  7. アンテナにおいて無線信号を受信し、
    あらかじめ設定された複数の受信帯域であって隣接する受信帯域は一部がオーバーラッ
    プしている複数の受信帯域の信号を前記無線信号からそれぞれ選択的に出力し、
    出力された各前記受信帯域の信号をそれぞれA/D変換してデジタル信号を生成し、
    2以上の受信帯域にまたがって存在する境界無線信号の信号成分を、前記2以上の受信
    帯域に対応する各デジタル信号からそれぞれ抽出し、
    抽出された各信号成分について、対応する前記各デジタル信号が抽出される際に生じた前記受信帯域の端における位相回りを補正し、
    位相が補正された各信号成分を合成して境界無線信号を復元し、
    復元された境界無線信号を復調する、
    無線受信方法。
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