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JP4326092B2 - 塗装用マスキングテープまたはシート - Google Patents

塗装用マスキングテープまたはシート Download PDF

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JP4326092B2
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裕 戸崎
秀樹 長津
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塗装用のマスキングテープ又はシート、特に自動車などの塗装用に用いるマスキングテープ又はシートに関し、より詳細には、目的とする被着体の表面に確実に追従させて貼り付けることができ、しかも不要になった時には、切れたり裂けたりすることなくきれいに剥がすことができる塗装用のマスキングテープ又はシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、貼り付け後目的終了と共に剥がす、いわゆるマスキング用途に用いられる粘着テープとして、基材に塩化ビニル樹脂やポリエステル等のプラスチックを用いたテープや、基材に和紙・クレープ紙などの多孔性紙材料を用いたテープが多く使われている。
【0003】
その中でも基材の材料として和紙など多孔性紙材料を用いたものは、テープを手で切ることができる、作業性が良い、比較的安価である等の理由から汎用的に用いられている。この多孔性紙材を用いた粘着テープは、一般に叩解した木材パルプと麻や合成短繊維等を混抄して多孔性紙材とし、紙材の強度や伸びを適度に調整し、含浸処理や離型処理を施した後、表面に粘着剤を塗布することにより製造されている。しかし、このような粘着テープでは、プラスチック基材を用いた粘着テープと比較して、引張り強度、端裂強度、伸び等が小さく、テープを剥がす際、テープが途中で切れたり、裂けたりする不具合が発生していた。この現象は、塗装工程時の強制加熱により粘着力が上昇し基材により大きな負荷がかかるためと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、多孔性基材を用いた粘着テープまたはシートであっても、被着体から剥がす際に途中で切れたり裂けたりすることのない塗装用マスキングテープまたはシートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため、塗料吹き付け後の粘着力に着目して検討を重ねた結果、塗料吹き付けにより粘着力が低下する特性を有する粘着テープまたはシートを用いることにより、塗装工程後のテープまたはシートの剥離作業が円滑化できるできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、多孔性基材の一方の面に粘着剤層を形成した塗装用マスキングテープまたはシートであって、前記粘着剤層が水分散型粘着剤からなり、かつ前記多孔性基材の、JIS P−8117に準じて、ガーレー標準型デンソメーター(B型)を使用して測定された値である透気度が50〜30000秒/100mlであり、塗料吹き付けにより被着体貼り付け粘着力が低下する特性を有する塗装用マスキングテープまたはシートを提供する。
【0007】
前記粘着剤層はアクリル系粘着剤で構成されていてもよい。また、粘着剤のゲル分率は例えば30重量%以上である。塗料吹き付け後における被着体貼り付け粘着力が、被着体としてポリエステル−メラミン系塗料を塗布、乾燥したメラミン塗装板に、18mm幅に切断した粘着テープを2kgローラーを1往復させて貼り合せた後、粘着テープ上に塗料を吹き付け、その後100℃で1時間加熱した後、室温にて放冷後、引張試験機を使用して、引張速度300mm/分、180°ピール試験を行って得られる剥離力(N/18mm)の値であって、該塗料吹き付け後における被着体貼り付け粘着力は、例えば1.7〜4.4/18mmの範囲である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる多孔性基材は、後述する方法により測定される透気度が10〜36000秒/100mlであることが必要である。前記透気度は、好ましくは30〜35000秒/100ml、さらに好ましくは50〜30000秒/100ml程度である。前記透気度が10秒/100ml未満であると水分散型粘着剤を多孔性基材に塗工する際、粘着剤溶液が基材層を透過して基材の背面側へ移行する、所謂裏抜け現象が起こり易くなり好ましくない。また透気度が36000秒/100mlを超えると本発明の目的とする塗料吹き付けによる被着体貼り付け粘着力の低下効果を発現する事ができず好ましくない。
本発明において、多孔性基材の透気度は、JIS P−8117に準じて、ガーレー標準型デンソメーター(B型)を使用して測定された値である。
【0009】
多孔性基材としては、上記特定範囲の透気度を有するものであればその材質等は特に限定されず、例えばクラフト紙、クレープ紙、和紙等の繊維状物質からなる多孔性紙材が挙げられる。中でも、汎用的な和紙が好ましい。
【0010】
和紙は叩解された木材パルプ、あるいはこれに1種以上の合成短繊維を混抄したものが用いられる。合成短繊維の材料としては、例えば、ビニロン、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
【0011】
多孔性基材の透気度を上記特定の範囲に調整するためには、例えば多孔性基材製造時における手段としては、多孔性基材の坪量、厚み、抄紙方法、繊維密度(繊維絡み合い)、繊維同士を接着させるバインダー成分の種類や添加量等で調整する手段を採ることができる。また、多孔性基材製造後の後処理により透気度を本発明の範囲に調整する手段としては、多孔性基材表面にバックサイズ処理、背面処理、下塗り処理等の各種後処理を行うことにより調整する手段がある。
【0012】
多孔性基材の坪量は特に限定されないが、通常20〜100g/m2、好ましくは25〜50g/m2の範囲である。多孔性基材の厚みは使用目的などによって異なるが、強度、コシなどの点から40〜200μmが好ましく、より好ましくは50〜100μmである。
【0013】
上記多孔性基材製造後の後処理により透気度を調整する手段のうち、バックサイズ処理と背面処理は、多孔性基材の粘着剤層形成面と反対側の面(粘着剤層非形成面)に施される処理である。前記バックサイズ処理に使用されるバックサイズ剤としては、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)系樹脂等を用いることができる。また、背面処理に使用される背面処理剤としては、長鎖アルキル系剥離剤やシリコーン系剥離剤等を用いることができる。
一方、下塗り処理は、多孔性基材と粘着剤層との密着性(投錨性)を向上させるために多孔性基材の粘着剤層形成面側に設けられるものであり、該下塗り処理に用いる下塗り剤として、アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エポキシ系等の樹脂を用いることができる。
バックサイズ処理や背面処理、下塗り処理は、多孔性基材表面に前記処理剤溶液を塗布し、乾燥することにより行われる。このとき処理剤の種類や塗布量、塗布方式等を調整することで、本発明において必要とされる透気度に調整される。なお、本発明において、多孔性基材に前記後処理が行われた場合は、処理を行った後の多孔性基材が本発明で必要とされる透気度を満足している必要がある。
【0014】
本発明の塗装用マスキングテープまたはシートは、上記多孔性基材の片面に水分散型粘着剤層が設けられている。該粘着剤層を構成する粘着剤は水分散型あれば特に限定はなく、例えば、アクリル系、ゴム系等が挙げられる。その中でも、アクリル系粘着剤が、耐熱性、耐候性に優れている点で好ましい。
【0015】
アクリル系粘着剤は、アクリル酸エステル共重合体からなる場合が多い。アクリル酸エステル共重合体を構成する主モノマーは、通常、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、具体的にはアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリルなどが挙げられる。これらのアルキルエステルは1種または2種以上用いられる。これらのアルキルエステルは、単量体混合物中、通常、50重量%以上の割合で用いられる。これより少ないと良好な粘着性が得られにくくなる。
【0016】
前記アクリル酸エステル共重合体では、上記主モノマーとともに、被着体への接着性を向上させるため、官能性モノマーを共重合させることができる。官能性モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、メルカプト基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーなどが挙げられ、より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどがあり、連鎖移動剤末端のメルカプト基などを官能基として導入することも可能である。これらの官能性モノマーの中でも、反応性および汎用性の点でカルボキシル基含有モノマーが好ましく、さらに好適にはアクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
【0017】
上記官能性モノマー単位の含有量は、アクリル酸エステル共重合体100重量部中、1〜10重量部程度、好ましくは1〜4重量部程度である。官能性モノマー単位の含有量が1重量部より少ないと良好な接着性が得られにくく、10重量部より多いと巻き戻し力が大きくなりやすい。
【0018】
また、前記アクリル酸エステル共重合体では、上記主モノマー及び官能性モノマー以外に、必要に応じて、他の共重合性モノマーを構成単量体として含んでいてもよい。このような共重合性モノマーには、例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピルなどのアルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどのアルキル基の炭素数が13〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;トリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー;酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、n−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。
【0019】
前記アクリル酸エステル共重合体は、上記単量体混合物を通常の重合方法、例えば乳化重合法を用い、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合などにより合成することができる。重合温度は、例えば30〜80℃の範囲である。
【0020】
重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)などのアゾ系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤;過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどのレドックス系重合開始剤などが挙げられる。
【0021】
乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン系乳化剤などが挙げられ、これらの中から、1種または2種以上が用いられる。アニオン系およびノニオン系のいずれの場合も、プロペニル基などを導入したラジカル重合性の乳化剤を用いてもよい。これら乳化剤は、粘着剤固形分100重量部あたり0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜9重量部の範囲で配合するのが好ましい。乳化剤の配合量が0.3重量部未満であると重合安定性が悪くなる場合があり、また乳化剤の配合量が10重量部よりも多くなると、テープを被着体から剥がした際、被着体表面に糊残りや汚染を起こしたりする場合がある。また乳化剤はその配合量の全てを重合時に使用する必要はなく、一部を重合後の粘着剤溶液に後添加しても良い。
【0022】
本発明では、塗装工程での加熱による接着力の上昇を抑えるため、粘着剤層を構成する粘着剤のゲル分率が30重量%以上であることが好ましく、より好ましくは、40〜95重量%程度である。ゲル分率が30重量%未満であると、接着力が上昇しやすく、また剥離時に糊残りしやすい。また、ゲル分率が95重量%を超えると、接着力が低下し作業中に剥がれやすくなる。なお、ここでいうゲル分率とは、乾燥重量W1(g)の粘着剤(ポリマー)をトルエン中に室温(例えば20℃)で7日間浸漬した後、取り出して乾燥したときの重量をW2(g)としたとき、下記式により算出される値を意味する。
【0023】
ゲル分率(重量%)=(W2/W1)×100
より具体的には、ゲル分率は以下の方法で求められる。すなわち、剥離処理したフィルム上に粘着剤の水分散液を塗布し、130℃で5分間乾燥し、得られたポリマーを一定量採取する(W1g)。次に、このポリマーを孔径0.2μmのテフロン(登録商標)膜で包み、凧糸で口を縛り、トルエン中で7日間室温で放置して、ゾル分を溶出させ、ゲル分の含まれたテフロン(登録商標)膜を130℃で2時間乾燥して、ゲル分の重量を測定する(W2g)。上記W1とW2とを上記の式に代入することによりゲル分率が求められる。
【0024】
粘着剤のゲル分率は、例えば、粘着剤を構成するモノマーの種類や比率、重合開始剤の種類や量、反応温度、架橋剤の種類や量などの重合条件等を適宜選択するすることにより調整できる。
【0025】
粘着剤層には、必要に応じて、各種添加剤、例えば、粘着付与剤、架橋剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、老化防止剤、安定剤などが含まれていてもよい。
【0026】
前記粘着剤層の厚さは、取扱性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、好ましくは10〜70μm程度、さらに好ましくは15〜40μm程度である。
【0027】
本発明の塗装用マスキングテープ又はシートは、通常の粘着テープの製造方法に従って製造できる。例えば、多孔性基材の一方の面に下塗り処理、他方の面にバックサイズ処理及び/又は背面処理を行い、前記下塗り処理を施した面に、粘着剤及び必要に応じて前記添加剤を含む水分散液を直接塗工、乾燥し、必要に応じて適宜の大きさ又は幅に裁断することにより製造できる。また、前記粘着剤等を含む水分散液をセパレータ上に塗工し、乾燥した後、上記基材の一方の面に転写する方法により製造することもできる。なお、前記粘着剤等を含む水分散液は、例えば、乳化重合により得られた粘着剤組成物に必要に応じて前記添加剤を加えることにより調製できる。また、乳化重合以外の重合法で得た粘着剤(ポリマー)と必要に応じて前記添加剤とを乳化剤を用いて水に分散させることにより前記水分散液を調製することもできる。
【0028】
本発明の重要な特徴は、塗料吹き付けにより被着体貼り付け粘着力が低下する特性、すなわち、塗料吹き付けを行ったときの被着体貼り付け粘着力が塗料吹き付けを行わない場合の被着体貼り付け粘着力より小さいという特性を有している点にある。例えば、本発明の塗装用マスキングテープまたはシートでは、被着体に貼り合わせて塗料を吹き付け、所定条件(例えば100℃×1時間)で加熱処理したときの粘着力が、被着体に貼り合わせて、塗料を吹き付けることなく、前記と同条件で加熱処理したときの粘着力よりも小さい。このような特性は、特定の透気度を有する多孔性基材の表面に水分散型の粘着剤層を設けることにより得られるものであるが、そのメカニズムの詳細は定かではない。本発明の塗装用マスキングテープまたはシートは上記の特性を有しているため、塗装工程後の再剥離に際してテープまたはシートが切れたり裂けたりすることがなく、作業を円滑に行うことができる。
【0029】
通常、被着体に良く接着したり、良く追従したりする為にはある程度の粘着力が必要となる。接着させることのみを考えた場合には、粘着力の絶対値は大きいに越したことはないが、基材の強度等とのバランスの関係から、粘着力がある一定の範囲に入るように設計するのが好ましい。
【0030】
本発明の塗装用マスキングテープまたはシートの初期粘着力は1.5N/18mm以上であるのが好ましい。初期粘着力が1.5N/18mmより小さいとテープまたはシートが被着体から剥がれたり、塗料のミストがテープやシートのエッジ(端)から浸入しやすくなる。なお、本発明において初期粘着力とは、被着体としてポリエステル−メラミン系塗料を塗布、乾燥したメラミン塗装板に、18mm幅に切断した粘着テープを2kgローラーを1往復させて貼り合わせ、100℃で1時間加熱した後、室温にて放冷後、引張試験機を使用して、引張速度300mm/分、180°ピール試験を行って得られる剥離力(N/18mm)の値である。
【0031】
また、再剥離時の粘着力(塗料吹き付け後の被着体貼り付け粘着力)は、基材の破れ防止のためには、9.8N/18mm以下であるのが好ましい。また、作業性の観点から、再剥離時の粘着力は、さらに好ましくは4.9N/18mm以下、特に好ましくは1.7〜4.4N/18mmの範囲である。再剥離時の粘着力を上記範囲に調整することにより、手剥がし、機械剥がし等の広範囲の作業条件下での作業性を確保することが可能となる。なお、本発明において再剥離時の粘着力(塗料吹き付け後の被着体貼り付け粘着力)とは、被着体としてポリエステル−メラミン系塗料を塗布、乾燥したメラミン塗装板に、18mm幅に切断した粘着テープを2kgローラーを1往復させて貼り合せた後、粘着テープ上に塗料を吹き付け、その後100℃で1時間加熱した後、室温にて放冷後、引張試験機を使用して、引張速度300mm/分、180°ピール試験を行って得られる剥離力(N/18mm)の値である。
【0032】
上記粘着力は、例えば、粘着剤を構成するモノマー成分の種類や割合、重合開始剤の種類や量、重合温度や重合時間、架橋剤の種類や量を適宜選択することにより調整できる。
【0033】
本発明のマスキングテープまたはシートは、水性塗料を用いた塗装、油性塗料を用いた塗装の何れにも適用できる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、粘着剤層が水分散型粘着剤からなり、かつ特定の透気度を有する多孔性基材を使用し、塗料吹き付けにより被着体貼り付け粘着力が低下する特性を有しているので、被着体表面に確実に追従させて貼付できるとともに、多孔性基材を使用しているにもかかわらず、剥離時には、切れたり裂けたりすることなくきれいに剥がすことができる。
【0035】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の例において、部とあるのは重量部を意味する。
【0036】
実施例1
温度計、撹拌機、窒素導入管および還流冷却管を備えた反応器に水50部および過硫酸カリウム0.2部を仕込み、攪拌下1時間窒素置換した。ここに、アクリル酸2−エチルヘキシル97部、アクリル酸3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1部を水150部で乳化したものを70℃で3時間かけて滴下し、70℃で2時間熟成を行った。その後、室温まで冷却し、10%のアンモニア水で中和して共重合体エマルションを得た。
この共重合体エマルションの固形分100部に対して、エポキシ系架橋剤0.1部を加えて、よく混合することにより、粘着剤水分散液を調製した。この粘着剤のゲル分率は55重量%であった。
坪量30g/m2の和紙の片面に、アクリル系バックサイズ剤(商品名:AE318、日本合成ゴム(株)製)を塗布し、130℃で3分間乾燥させ、塗布量が10g/m2のバックサイズ層を形成した。このバックサイズ処理を行った多孔性基材の透気度は50秒/100mlであった。
上記粘着剤水分散液を、バックサイズ層を形成した和紙の反対面に塗布し、熱風乾燥機中130℃で3分間乾燥処理して、厚さが20μmの粘着剤層を形成し、本発明の塗装用マスキングテープ(粘着テープA)を作製した。
【0037】
実施例2
実施例1で使用した和紙に実施例1と同様の条件でバックサイズ処理を行った後、バックサイズ層と反対側の面に、下塗り剤として水系ウレタン樹脂(商品名:アデカボンタイターHUX−260、旭電化工業(株)製)を塗布し、130℃で3分間乾燥させ、塗布量5g/m2の下塗り層を形成した。このバックサイズ処理及び下塗り処理を行った多孔性基材の透気度は30000秒/100mlであった。
この多孔性基材の下塗り層側に実施例1と同様の粘着剤を塗布し、熱風乾燥機中130℃で3分間乾燥処理して、厚さが20μmの粘着剤層を形成し、本発明の塗装用マスキングテープ(粘着テープB)を作製した。
【0038】
比較例1
トルエンに溶解した天然ゴム系粘着剤100部にロジン系タッキファイヤー20部を添加した粘着剤溶液を、実施例1と同様にバックサイズ処理した多孔性基材(透気度50秒/100ml)に塗布し、熱風乾燥機中130℃で3分間乾燥処理して、厚さが20μmの粘着剤層を形成し、塗装用マスキングテープ(粘着テープC)を作製した。この粘着剤のゲル分率は5重量%であった。
【0039】
比較例2
アクリル系バックサイズ剤(商品名:AE318、日本合成ゴム(株)製)の塗布量を2g/m2としてバックサイズ層を形成して多孔性基材(透気度9秒/100ml)を作製した以外は、実施例1と同様にして塗装用マスキングテープ(粘着テープD)を作製した。なお、この粘着テープは、多孔性基材に水分散型粘着剤を塗布した際、粘着剤が多孔性基材を透過して背面(バックサイズ層形成面)へ裏抜けしてしまった。
【0040】
比較例3
アクリル系バックサイズ剤(商品名:AE318、日本合成ゴム(株)製)の塗布量を10g/m2としてバックサイズ層を形成し、さらに、下塗り剤(アデカボンタイターHUX−260、旭電化工業(株)製)の塗布量を10g/m2として下塗り層を形成して多孔性基材を作製した以外は、実施例2と同様にして塗装用マスキングテープ(粘着テープE)を作製した。なお、前記多孔性基材の透気度は、38000秒/100mlであった。
【0041】
実験例1
18mm幅に切断した粘着テープAをメラミン塗装板に2kgローラーで1往復して貼り合わせ、100℃で1時間加熱し、放冷後、180°ピール試験を行い(引張速度:300mm/分)、剥離力(N/18mm)を測定した。
また、18mm幅に切断した粘着テープAをメラミン塗装板に2kgローラーで1往復して貼り合わせ、100℃で1時間加熱し、放冷後、高速剥離試験機(引張速度:30m/分)を用いてテープを剥離し、テープの裂け性を目視観察し、テープが裂けなかった場合を「○」、裂けた場合を「×」と評価した。
【0042】
実験例2
粘着テープAをメラミン塗装板に貼り合わせた後、水性塗料を吹き付け、その後に100℃で1時間加熱した以外は実験例1と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0043】
実験例3
粘着テープAをメラミン塗装板に貼り合わせた後、油性塗料を吹き付け、その後に100℃で1時間加熱した以外は実験例1と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0044】
実験例4
粘着テープAに代えて粘着テープBを用いた以外は実験例1と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0045】
実験例5
粘着テープAに代えて粘着テープBを用いた以外は実験例2と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0046】
実験例6
粘着テープAに代えて粘着テープBを用いた以外は実験例3と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0047】
実験例7
粘着テープAに代えて粘着テープCを用いた以外は実験例1と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0048】
実験例8
粘着テープAに代えて粘着テープCを用いた以外は実験例2と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0049】
実験例9
粘着テープAに代えて粘着テープCを用いた以外は実験例3と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0050】
実験例10
粘着テープAに代えて粘着テープDを用いた以外は実験例1と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0051】
実験例11
粘着テープAに代えて粘着テープDを用いた以外は実験例2と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0052】
実験例12
粘着テープAに代えて粘着テープDを用いた以外は実験例3と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0053】
実験例13
粘着テープAに代えて粘着テープEを用いた以外は実験例1と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0054】
実験例14
粘着テープAに代えて粘着テープEを用いた以外は実験例2と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0055】
実験例15
粘着テープAに代えて粘着テープEを用いた以外は実験例3と同様にして、剥離力及び裂け性を測定、評価した。
【0056】
以上の実験例の結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004326092
表1より、実施例のテープでは、塗料吹き付けを行ったときの粘着力が塗料吹き付けを行わない場合の粘着力より明らかに低く、裂け性が良好で、再剥離時の作業性に優れることがわかる。

Claims (4)

  1. 多孔性基材の一方の面に粘着剤層を形成した塗装用マスキングテープまたはシートであって、前記粘着剤層が水分散型粘着剤からなり、かつ前記多孔性基材の、JIS P−8117に準じて、ガーレー標準型デンソメーター(B型)を使用して測定された値である透気度が50〜30000秒/100mlであり、塗料吹き付けにより被着体貼り付け粘着力が低下する特性を有する塗装用マスキングテープまたはシート。
  2. 粘着剤層がアクリル系粘着剤からなる請求項1記載の塗装用マスキングテープまたはシート。
  3. 粘着剤のゲル分率が30重量%以上である請求項1又は2記載の塗装用マスキングテープまたはシート。
  4. 塗料吹き付け後における被着体貼り付け粘着力が、被着体としてポリエステル−メラミン系塗料を塗布、乾燥したメラミン塗装板に、18mm幅に切断した粘着テープを2kgローラーを1往復させて貼り合せた後、粘着テープ上に塗料を吹き付け、その後100℃で1時間加熱した後、室温にて放冷後、引張試験機を使用して、引張速度300mm/分、180°ピール試験を行って得られる剥離力(N/18mm)の値であって、該塗料吹き付け後における被着体貼り付け粘着力が、1.7〜4.4N/18mmである請求項1〜3の何れかの項に記載の塗装用マスキングテープまたはシート。
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