JP4324907B2 - ポリウレタン弾性糸およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高耐熱性、高伸度、高回復性、及び耐薬品性を有するポリウレタン弾性糸およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性繊維は、その優れた伸縮特性からレッグウエア、インナーウエア、スポーツウエアなどの伸縮性衣料用途や産業資材用途に幅広く使用されている。
かかる弾性繊維として、特にポリウレタン弾性糸には高耐熱性、高伸度、高回復性、及び耐薬品性を有するものが求められていた。
【0003】
従来、耐薬品性の付与のためにポリウレタン紡糸溶液中にポリフッ化ビニリデンを含有させて紡糸する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ポリフッ化ビニリデンを含有させたポリウレタン弾性糸の場合、回復性や耐熱性に関しては十分でなく、特に一部用途、例えば、高温染色を要するポリエステル糸との混合布帛の用途では不満足なものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−73233号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決し、高耐熱性、高伸度、高回復性、及び耐薬品性を有するポリウレタン弾性糸およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリウレタン糸は、前記の目的を達成するため、以下の手段を採用する。
すなわち、主構成成分がポリオール、及びジイソシアネートであるポリウレタンからなる弾性糸であって、分子内にエポキシ基を有する化合物を含有し、該分子内にエポキシ基を有する化合物がポリブタジエンおよび/またはその共重合体から誘導されるエポキシ樹脂であるポリウレタン弾性糸である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明について、さらに詳細に述べる。
まず本発明で使用するポリウレタンについて述べる。
【0008】
本発明に使用されるポリウレタンは、主構成成分がポリオール、及びジイソシアネートであるポリウレタンであれば任意のものであってよく、特に限定されるものではない。また、その合成法も特に限定されるものではない。
【0009】
すなわち、例えば、ポリオールとジイソシアネートとジアミンからなるポリウレタンウレアであってもよく、また、ポリオールとジイソシアネートとジオールからなるポリウレタンであってもよい。また、鎖伸長剤として水酸基とアミノ基を分子内に有する化合物を使用したポリウレタンウレアであってもよい。なお、本発明の効果を妨げない範囲で3官能性以上の多官能性のグライコールやイソシアネート等が使用されることも好ましい。
【0010】
ここで、本発明で使用されるポリウレタンを構成する代表的な構造単位について述べる。
【0011】
ポリウレタンを構成する構造単位のポリオールとしては、ポリエーテル系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオール等が好ましい。そして、特に柔軟性、伸度を糸に付与する観点からポリエーテル系グリコールが使用されることが好ましい。
【0012】
ポリエーテル系グリコールは、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールの誘導体、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)および3−メチル−THFの共重合体である変性PTMG(以下、3M−PTMGと略する)、THFおよび2,3−ジメチル−THFの共重合体である変性PTMG、特許第2615131号公報などに開示される側鎖を両側に有するポリオール、THFとエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドが不規則に配列したランダム共重合体等が好ましく使用される。これらポリエーテル系グリコールを1種または2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。
【0013】
また、ポリウレタン糸における耐摩耗性や耐光性を高める観点からは、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオール、特開昭61−26612号公報などに開示されている側鎖を有するポリエステルポリオールなどのポリエステル系グリコールや、特公平2−289516号公報などに開示されているポリカーボネートジオール等が好ましく使用される。
【0014】
また、こうしたポリオールは単独で使用されてもよいし、2種以上混合もしくは共重合して使用されてもよい。本発明に使用されるポリオールの分子量は、糸にした際の伸度、強度、耐熱性などを高める観点から数平均分子量で1000以上8000以下が好ましく、1800以上6000以下がより好ましい。この範囲の分子量のポリオールが使用されることにより、伸度、強度、弾性回復力、耐熱性に優れた弾性糸を得ることができる。
【0015】
次に、ポリウレタンを構成する構造単位のジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、トリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成するのに好適である。さらに脂環族ジイソシアネートとして、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、H12MDIと称する。)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは、特にポリウレタン糸の黄変を抑制する際に有効に使用できる。そして、これらのジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0016】
次に、ポリウレタンを構成する構造単位の鎖伸長剤としては、低分子量ジアミンおよび低分子量ジオールのうち少なくとも1種以上を使用するのが好ましい。なお、エタノールアミンのような水酸基とアミノ基を分子中に有するものであってもよい。好ましい低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p,p’−メチレンジアニリン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらの中から1種または2種以上が使用されることも好ましい。特に好ましくはエチレンジアミンである。エチレンジアミンを用いることにより伸度および弾性回復性、さらに耐熱性に優れた糸を得ることができる。これらの鎖伸長剤に架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えば、ジエチレントリアミン等を効果を失わない程度に加えてもよい。
【0017】
また、低分子量ジオールとしては、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1−メチル−1,2−エタンジオールなどは代表的なものである。これらの中から1種または2種以上が使用されることも好ましい。特に好ましくはエチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオールである。これらを用いると、ジオール伸長のポリウレタンとしては耐熱性が高く、また、強度の高い糸を得ることができるのである。
【0018】
また、本発明のポリウレタン弾性糸の分子量は、耐久性や強度の高い繊維を得る観点から、数平均分子量として40000以上150000以下の範囲であることが好ましい。なお、分子量はGPCで測定しており、ポリスチレンにより換算した値である。
【0019】
そして、本発明の弾性糸を構成するポリウレタンとして特に好ましいものは、工程通過性も含め、実用上の問題がなく、かつ、高耐熱性に優れたものを得る観点から、ジオールとジイソシアネートからなり、かつ高温側の融点が200℃以上300℃以下の範囲となるものである。ここで、高温側の融点とは、DSCでポリウレタン又はポリウレタン糸を測定した際のセカンドランの値をいい、ポリウレタンのいわゆるハードセグメントの融点が該当する。
【0020】
即ち、ポリオールとして分子量が1800以上6000以下の範囲にあるPTMG、ジイソシアネートとしてMDI、ジオールとしてエチレングライコール、1,3プロパンジオールおよび1,4ブタンジオールからなる群から少なくとも1種選ばれたものが使用されてポリウレタンが合成され、かつ、高温側の融点が200℃以上300℃以下の範囲であるポリウレタンから製造された弾性糸は、特に伸度が高くなり、さらに上記のように、工程通過性も含め、実用上の問題はなく、かつ、高耐熱性に優れるので好ましい。
【0021】
なお、ポリウレタン糸の高温側の融点を200℃以上300℃以下にするためにの方法としては、事前のテストによって、ジイソシアネートとポリオール、ジオールの比率の最適値を選択する方法が好ましい。本発明で用いるポリウレタンの構成は好ましくはかかるものからなるものである。
【0022】
本発明のポリウレタン弾性糸は、分子内にエポキシ基を有する化合物を含有するものである。ポリウレタン弾性糸中に、分子内にエポキシ基を有する化合物が含有されない場合、高い耐熱性が得られないという問題がある。
【0023】
本発明で用いる、分子内にエポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ基含有化合物ともいう。)は、ポリウレタン糸の原料紡糸液の粘度を安定化し、良好な紡糸性を得る観点から、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物である。
【0024】
中でも、高い紡糸速度を得る観点から炭素数6以上のポリブタジエンやその共重合体から誘導されるエポキシ樹脂である。エポキシ系可塑剤と呼称される化合物群も好ましい。
【0026】
炭素数6以上のポリブタジエンやその共重合体から誘導されるエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ変性ポリブタジエンが挙げられる。ポリブタジエンは1,2―ポリブタジエン或いは1,4―ポリブタジエンのいずれでもよく、これらの任意の混合物でもよい。好ましくは数平均分子量が100〜10,000、より好ましくは500〜5,000のポリブタジエンを使用する。これらは単独で、または2種類以上組み合わせて使用することができる。また本発明に使用するエポキシ変性ブタジエン樹脂は、水素添加したものも使用することができる。水素はいずれの段階で添加してもよく、ポリブタジエンをエポキシ変性した後、残存する二重結合に水素添加してもよく、あるいはポリブタジエンを部分水素添加した後、残存する二重結合をエポキシ化してもよい。また、末端変性した後エポキシ基を導入する場合はエポキシ変性前後いずれの段階で水素添加してもよい。
【0027】
エポキシ系可塑剤としては、植物油や不飽和脂肪酸のエポキシ化によって得られるエポキシ化不飽和トリグリセリド、エポキシ化不飽和脂肪酸のエステル等、従来より使用されているものが使用できる。具体的にはエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸メチル、エポキシ化ステアリン酸エチル、エポキシステアリン酸エチルヘキシル、エポキシステアリン酸ステアリル等が挙げられる。上記のエポキシ系可塑剤 は、単独または2種以上混合して使用することができる。
【0028】
本発明においては、分子内にエポキシ基を有する化合物の含有量は、良好な紡糸性、バランスの良い機械物性、耐熱性を得る観点から、0.5重量%以上50重量%以下の範囲が好ましく、ポリウレタン糸の高温側の融点の降下が少ない、すなわち良好なポリウレタン糸の耐熱性を得る観点から、1重量%以上30重量%以下がより好ましい。
【0029】
本発明においては、分子内にエポキシ基を有する化合物のエポキシ酸素量は、良好な紡糸性、高い伸度を得る観点から、分子内にエポキシ基を有する化合物のエポキシ酸素量0.5%以上30%以下の範囲が好ましく、ポリウレタン糸の高温側の融点の降下が少ない、すなわち良好なポリウレタン糸の耐熱性を得る観点から、3%以上20%以下の範囲がより好ましい。
【0030】
なお、これらの含有量は、用途に応じて事前にテストし、最適値を適宜決定することが好ましい。
【0031】
さらに、本発明で使用される分子内にエポキシ基を有する化合物は、ポリウレタンへの分散および溶解を速くし、製造されるポリウレタン糸の特性を目標の特性とせしめ、さらに適度な透明度のポリウレタン糸を得ること、および紡糸工程で熱などを受けて、分子内にエポキシ基を有する化合物の含有量が低下したり糸が変色することを防止する観点から、20℃での粘度が100cP以上10000P以下となる液体状であるものが好ましい。
【0032】
さらに、本発明で使用されるポリウレタンは、末端封鎖剤が1種または2種以上混合使用されることも好ましい。末端封鎖剤として、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどが好ましい。
【0033】
また、本発明において、ポリウレタンに各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。例えば、耐光剤、酸化防止剤などにBHTや住友化学工業株式会社製の“スミライザーGA−80”などのヒンダードフェノール系薬剤、各種のチバガイギー社製“チヌビン”などのベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学工業株式会社製の“スミライザーP−16”などのリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、酸化鉄、酸化チタンなどの各種顔料、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、カーボンブラックなどの無機物、フッ素系またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などの各種の帯電防止剤などが含まれることも好ましく、またこれらとポリマとを反応させることも好ましい。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるには、例えば、日本ヒドラジン株式会社製のHN−150などの酸化窒素補足剤、例えば、住友化学工業株式会社製の“スミライザーGA−80”などの熱酸化安定剤、例えば、住友化学工業株式会社製の“スミソーブ300♯622”などの光安定剤が使用されることも好ましい。
【0034】
次に本発明のポリウレタン弾性糸の製造方法について詳細に説明する。
【0035】
本発明においては最初にポリウレタン溶液を作製するのが好ましい。ポリウレタン溶液、また、その溶液中の溶質であるポリウレタンを製造する方法は、溶融重合法、溶液重合法のいずれであってもよく、他の方法であってもよい。しかし、より好ましいのは溶液重合法である。溶液重合法の場合には、ポリウレタンにゲルなどの異物の発生が少ないので、紡糸しやすく、低繊度のポリウレタン糸を製造しやすい。また、溶液重合の場合、溶液にする操作が省けるという利点がある。
【0036】
そして本発明に特に好適なポリウレタンとしては、ポリオールとして分子量が1800以上6000以下のPTMGを用い、ジイソシアネートとしてMDIを用い、さらに、ジオールとしてエチレングライコール、1,3プロパンジオールおよび1,4ブタンジオールのうちの少なくとも1種を使用して合成され、かつ、高温側の融点が200℃以上300℃以下の範囲のものが挙げられる。
【0037】
かかるポリウレタンは、例えば、DMAc、DMF、DMSO、NMPなどやこれらを主成分とする溶剤の中で、上記の原料を用い合成することにより得られる。例えば、こうした溶剤中に、各原料を投入、溶解させ、適度な温度に加熱し反応させてポリウレタンとする、いわゆるワンショット法、また、ポリオールとジイソシアネートを、まず溶融反応させ、しかる後に、反応物を溶剤に溶解し、前述のジオールと反応させてポリウレタンとする方法などが、特に好適な方法として採用され得る。
【0038】
鎖伸長剤にジオールを用いる場合、ポリウレタンの高温側の融点を200℃以上300℃以下の範囲内とするための代表的な方法としては、ポリオール、MDI、ジオールの種類と比率をコントロールすることが挙げられる。例えば、ポリオールの分子量が低い場合には、MDIの割合を相対的に多くすることにより、高温側の融点が高いポリウレタンを得ることができる。また、同様にジオールの分子量が低いときはポリオールの割合を相対的に少なくすることにより、高温側の融点が高いポリウレタンを得ることができる。ポリオールの分子量が1800以上の場合、高温側の融点を200℃以上にするには、(MDIのモル数)/(ポリオールのモル数)=1.5以上の割合で、重合を進めることが好ましい。
【0039】
なお、かかるポリウレタンの合成に際し、アミン系触媒や有機金属触媒等の触媒が1種もしくは2種以上混合して使用されることも好ましい。
【0040】
アミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、N,N,N’,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0041】
また、有機金属触媒としては、オクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチル等が挙げられる。
【0042】
こうして得られるポリウレタン溶液の濃度は、通常、30重量%以上80重量%以下の範囲が好ましい。
【0043】
本発明においては、かかるポリウレタン溶液に分子内にエポキシ基を有する化合物を添加するのが好ましい。分子内にエポキシ基を有する化合物のポリウレタン溶液への添加方法としては、任意の方法が採用できる。その代表的な方法としては、スタティックミキサーによる方法、攪拌による方法、ホモミキサーによる方法、2軸押し出し機を用いる方法など各種の手段が採用できる。ここで、添加される分子内にエポキシ基を有する化合物は、ポリウレタン溶液への均一な添加を行う観点から、溶液にして添加することが好ましい。
【0044】
なお、分子内にエポキシ基を有する化合物のポリウレタン溶液への添加により、添加後の混合溶液の溶液粘度が添加前のポリウレタンの溶液粘度に比べ予想以上に高くなる現象が発生するおそれがあり、この現象を防止する観点からジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどの末端封鎖剤が1種または2種以上混合して使用されることも好ましく行われる。
【0045】
分子内にエポキシ基を有する化合物のポリウレタン溶液への添加の際に、前記した、例えば、耐光剤、耐酸化防止剤などの薬剤や顔料などを同時に添加してもよい。
【0046】
本発明のポリウレタン糸の繊度、単糸数、断面形状などは特に限定されるものではない。例えば、糸は1単糸で構成されるモノフィラメントでもよく、また複数単糸で構成されるマルチフィラメントでもよい。糸の断面形状は円形であってもよく、また扁平であってもよい。
【0047】
そして、乾式紡糸方式についても特に限定されるものではなく、任意の方法が適用できる。
【0048】
本発明のポリウレタン糸のセット性と応力緩和は、特にゴデローラーと巻取機の速度比の影響を受けやすいので、糸の使用目的に応じて適宜決定されるのが好ましい。
【0049】
すなわち、所望のセット性と応力緩和を有するポリウレタン糸を得る観点から、ゴデローラーと巻取機の速度比は1.15以上1.65以下の範囲として巻き取ることが好ましい。そして、特に高いセット性と、低い応力緩和を有するポリウレタン糸を得る際には、ゴデローラと巻取機の速度比は1.15以上1.4以下の範囲がより好ましく、1.15以上1.35以下の範囲がさらに好ましい。
【0050】
一方、低いセット性と、高い応力緩和を有するポリウレタン糸を得る際には、ゴデローラーと巻取機の速度比は1.25以上1.65以下の範囲として巻き取ることが好ましく、1.35以上1.65以下の範囲がより好ましい。
【0051】
また、紡糸速度を高くすることによってポリウレタン弾性糸の強度を向上させることができるので、450m/分以上の紡糸速度をとることが、実用上好適な強度水準とするために好ましい。さらに工業生産の点を考慮すると、450〜1000m/分程度が好ましい。
【0052】
【実施例】
本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。
本発明におけるポリウレタン糸のセット性、応力緩和、強度、伸度、耐熱性(耐熱水性、熱軟化点)及び耐薬品性の測定法を説明する。
【0053】
[セット性、応力緩和、強度、伸度]
セット性、応力緩和、強度、伸度は、ポリウレタン糸をインストロン4502型引張試験機を用い、引張テストすることにより測定した。
試長5cm(L1)の試料を50cm/分の引張速度で300%伸長を5回繰返した。このとき、300%伸長時の応力を(G1)とした。次に試料の長さを300%伸長のまま30秒間保持した。30秒間保持後の応力を(G2)とした。次に試料の伸長を回復せしめ応力が0になった際の試料の長さを(L2)とした。さらに6回目に試料が切断するまで伸長した。この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L3)とした。以下、上記特性は下記式により算出される。
【0054】
強度=(G3)
応力緩和=100×((G1)−(G2))/(G1)
セット性=100×((L2)−(L1))/(L1)
伸度=100×((L3)−(L1))/(L1)
【0055】
[耐熱水性]
ポリウレタン糸の耐熱性の指標として高温染色時を想定した熱処理での糸の変形を評価する。糸をフリーで100℃の沸騰水で2時間処理し、一日室温で乾燥した。次に、該糸(長さ=(L5))を100%伸長した(長さ=2×(L5))。該長さのままオートクレーブに封入し、120℃で、60分間処理した。さらに同長さで、水洗、水切りし、1日室温で放置した。次に、糸の伸長状態をはずし、1日室温で放置し、その長さ(L6)を測定した。
耐熱水性=100×((L6)−(L5))/(L5)
【0056】
[熱軟化点]
ポリウレタン糸の耐熱性の指標の一つとして熱軟化点を測定した。ポリウレタン糸について、レオメトリック社製動的弾性率測定機RSAIIを用い、昇温速度10℃/分で、動的貯蔵弾性率E’の温度分散を測定した。熱軟化点は、E’曲線が80℃以上130℃以下のプラト領域での接線と、160℃以上にてE’が熱軟化により降下するE’曲線の接線との交点から求めた。
【0057】
[耐薬品性]
糸を100%伸長状態で固定し、次の3種の暴露処理を実施した。まず、オレイン酸のヘキサン溶液(5重量%)に1時間浸積処理し、次に調整した次亜塩素酸溶液(塩素濃度500ppm)に2時間浸積処理し、次に2時間UV暴露を行う。UV暴露処理は、機器としてスガ試験機社製のカーボンアーク型フェードメーターを用い、63℃、60%RHの温湿度で実施した。この暴露処理を合計2回実施後、糸をフリーで24時間、室温で放置し、破断強度(G4)を測定した。未処理糸の破断強度(G3)に対する、処理後の破断強度(G4)の割合(保持率)を耐薬品性とした。
耐薬品性=100×(G4)/(G3)
【0058】
[実施例1]
分子量2900のPTMG、MDIおよびエチレングリコールからなるポリウレタン重合原料のDMAC溶液(35重量%)を常法により重合し、ポリマ溶液A1とした。次に、分子内にエポキシ基を有する化合物として、旭電化(株)製の品名BF−1000(エポキシ化1,2−ポリブタジエン、オキシラン酸素8.0%)を用い、そのDMAc溶液を調整した。その調整には、水平ミルWILLY A.BACHOFEN社製DYNO−MIL KDLを用い、85%ジルコニアビーズを充填、50g/分の流速の条件で均一に微分散させて、エポキシ基含有化合物溶液B1(35重量%)とした。さらに、米国特許第3555115号明細書に記載されているt−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタンと、米国特許第3553290号明細書に記載されているp−クレゾ−ルとジビニルベンゼンの縮合重合体との2対1(重量比)の混合物のDMAc溶液(35重量%)を調整し、その他添加剤溶液C1(35重量%)とした。
【0059】
ポリマ溶液A1、エポキシ基含有化合物溶液B1、その他添加剤溶液C1を、それぞれ93重量%、5重量%、2重量%で均一に混合し、紡糸溶液D1とした。この紡糸溶液をゴデローラーと巻取機の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、モノフィラメント、分子内にエポキシ基を有する化合物の含有量が5重量%であるポリウレタン弾性糸(200g巻糸体)を作製した。
【0060】
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐熱水性、熱軟化点、及び耐薬品性を表1に示した。耐薬品性はB1未配合の比較例1(後述)に比べ、約2倍に増加した。破断伸度はB1未配合の比較例1に比べ、大幅に増加した。回復性の指標であるセット性、応力緩和、さらには耐熱性の指標である耐熱水性、熱軟化点もB1未配合の比較例1と同等を維持した。
【0061】
さらに次の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価した。
【0062】
まず、得られたポリウレタン弾性糸をカバーリング加工した。カバーリング用糸としてカチオン可染ポリエステル168dtex−48filを使用し、カバーリング機を用いてヨリ数=450t/m、ドラフト=3.0の条件で加工してヨコ糸用カバーリング糸を作製した。また、同様に、カバーリング用糸としてカチオン可染ポリエステル168dtex−48filを使用し、カバーリング機を用いてヨリ数700T/M、ドラフト=3.5の条件で加工してタテ糸用カバーリング糸を作製した。
【0063】
次に、整経・製織を行った。タテ糸の5100本(荒巻き整経1100本)を糊付け整経し、レピアー織機を用いて2/1綾組織で製織した。
【0064】
次に、染色加工を行った。製織で得た生機を、常法に従い精練加工、中間セット(185℃)、減量加工、染色加工(カチオン染料、120℃)、乾燥、仕上げ剤処理、仕上げセット(180℃、布速20m/min、セットゾーン24m)を順次行った。
得られたストレッチ織物は外観品位に優れたものであった。
【0065】
[参考例1]
分子内にエポキシ基を有する化合物として、ジャパンエポキシレジン社製のエピコート(R)191P(シクロヘキサンジグリシジルエステル)を用い、そのDMAc微分散液を調整した。調整は実施例1と同一の方法で行い、エポキシ基含有化合物溶液B2(35重量%)とした。実施例1で調整したポリマ溶液A1、上記によるエポキシ基含有化合物溶液B2、及び、実施例1で調整したその他添加剤溶液C1を、それぞれ97重量%、1重量%、2重量%で均一に混合し、紡糸溶液D2とした。
【0066】
この紡糸溶液をゴデローラーと巻取機の速度比1.40として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、モノフィラメント、エポキシ基含有化合物の含有量が1重量%であるポリウレタン弾性糸(200g巻糸体)を作製した。
【0067】
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐熱水性、熱軟化点、及び耐薬品性を表1に示した。耐薬品性はB2未配合の比較例1に比べ、2倍に増加した。回復性の指標であるセット性、応力緩和、さらには耐熱性の指標である耐熱水性、熱軟化点もB1未配合の比較例1と同等以上であった。
【0068】
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、外観品位に優れたものであった。
【0069】
[実施例2]
分子量1800のPTMG、MDI、エチレンジアミン、および末端封鎖剤としてジエチルアミンからなるポリウレタンウレア重合原料のDMAc溶液(35重量%)を常法により重合し、ポリマ溶液A2とした。次に、このDMAc溶液A2、実施例1で調整したエポキシ基含有化合物溶液B1、及び実施例1で調整したその他添加剤溶液C1を、それぞれ、88重量%、10重量%、2.0重量%で均一に混合し、紡糸溶液D3とした。この紡糸溶液D3をゴデローラーと巻取機の速度比を1.20として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、2filのマルチフィラメント、エポキシ基含有化合物の含有量が10重量%であるポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を作製した。
【0070】
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐熱水性、熱軟化点、及び耐薬品性を表1に示した。耐薬品性はB1未配合の比較例2に比べ、3倍に増加した。破断伸度はB1未配合の比較例3に比べ、大幅に増加した。回復性の指標であるセット性、応力緩和、さらには耐熱性の指標である耐熱水性、熱軟化点もB1未配合の比較例2と同等以上であった。
【0071】
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、外観品位に優れたものであった。
【0072】
[参考例2]
分子内にエポキシ基を有する化合物として、旭電化(株)製のアデカサイザー(R)O−130P(エポキシ化大豆油)を用い、そのDMAc分散液を調整した。調整は実施例1と同一の方法で行い、エポキシ基含有化合物溶液B3(35重量%)とした。実施例2で調整したポリマ溶液A2、上記のエポキシ基含有化合物溶液B3、及び実施例1で調整したその他添加剤溶液C1を、それぞれ70重量%、28重量%、2.0重量%で均一に混合し、紡糸溶液D4とした。この紡糸溶液D4をゴデローラーと巻取機の速度比を1.30として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、2filのマルチフィラメント、エポキシ基含有化合物の含有量が35重量%であるポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を作製した。
【0073】
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐熱水性、熱軟化点、及び耐薬品性を表1に示した。耐薬品性はB3未配合の比較例2に比べ、2.5倍に増加した。破断伸度はB3未配合の比較例2に比べ、大幅に増加した。回復性の指標であるセット性、応力緩和、さらには耐熱性の指標である耐熱水性、熱軟化点もB1未配合の比較例1と同等以上であった。
【0074】
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、外観品位に優れたものであった。
【0075】
[比較例1]
実施例1で調整したポリマ溶液A1、及び実施例1で調整したその他添加剤溶液添加剤溶液C1を、それぞれ、98重量%、2重量%の割合で均一混合し、紡糸溶液E1とした。この紡糸溶液E1をゴデローラーと巻取機の速度比を1.40として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、18dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性糸を作製した。
【0076】
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐熱水性、熱軟化点、及び耐薬品性を表1に示した。耐薬品性は、エポキシ基含有化合物を含有する実施例1、2、参考例1、2に比べ、大幅に劣るものであった。
【0077】
[比較例2]
実施例2で調整したポリマ溶液A2、及び実施例1で調整したその他添加剤溶液添加剤溶液C1を、それぞれ、98重量%、2重量%の割合で均一混合し、紡糸溶液E2とした。この紡糸溶液E2をゴデローラーと巻取機の速度比を1.20として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を作製した。
【0078】
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐熱水性、熱軟化点、及び耐薬品性を表1に示した。耐薬品性はエポキシ基含有化合物を含有する実施例1、2、参考例1、2に比べ、大幅に劣るものであった。
【0079】
[比較例3]
特開2000−73233号公報に記載のクレハ化学工業(株)製ポリフッ化ビニリデン(数平均分子量48,000)のDMAc溶液E4(35重量%)を調整した。その調整は実施例1と同一の方法で行った。実施例2で調整したポリマ溶液A2、上記のポリフッ化ビニリデン溶液E4、及び実施例1で調整したその他添加剤溶液C1を、それぞれ93重量%、5重量%、2.0重量%で均一に混合し、紡糸溶液G4とした。この紡糸溶液G4をゴデローラーと巻取機の速度比を1.30として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を作製した。
【0080】
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐熱水性、熱軟化点、及び耐薬品性を表1に示した。耐薬品性は、ポリフッ化ビニリデンを添加しなかった比較例2の場合の1.5倍に向上したもの、実施例2、参考例2等に比べ、劣るものであった。さらに、セット性が大き過ぎるものであった。
【0081】
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、これの外観はポリウレタン糸のセット性増大によると思われるへたりによる波打ちが発生していて、不満足なものであった。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】
本発明のポリウレタン弾性糸は、高耐熱性、高伸度、高回復性、及び耐薬品性を有するものであるので、この弾性糸を使用した衣服などは、脱着性、フィット性、外観品位、着用感、耐変色性などに優れたものとなる。
【0084】
これらの優れた特性を有することから、本発明のポリウレタン糸は単独での使用はもとより、各種繊維との組み合わせにより、優れたストレッチ布帛を得ることが可能で、編成、織成、紐加工に好適である。その使用可能な具体的用途としては、ソックス、ストッキング、丸編、トリコット、水着、スキーズボン、作業服、煙火服、洋服、ゴルフズボン、ウエットスーツ、ブラジャー、ガードル、手袋や靴下等の各種繊維製品の締め付け材料、さらには、紙おしめなどサニタニー品の漏れ防止用締め付け材料、防水資材の締め付け材料、似せ餌、造花、電気絶縁材、ワイピングクロス、コピークリーナー、ガスケットなどが挙げられる。
Claims (6)
- 主構成成分がポリオール、及びジイソシアネートであるポリウレタンからなる弾性糸であって、分子内にエポキシ基を有する化合物を含有し、該分子内にエポキシ基を有する化合物がポリブタジエンおよび/またはその共重合体から誘導されるエポキシ樹脂であることを特徴とするポリウレタン弾性糸。
- 分子内にエポキシ基を有する化合物の含有量が、0.1重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン弾性糸。
- 分子内にエポキシ基を有する化合物が炭素数6以上の化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン弾性糸。
- 分子内にエポキシ基を有する化合物のエポキシ酸素量が0.5%以上30%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸。
- 主構成成分がポリオール及びジイソシアネートであるポリウレタンの溶液に、分子内にエポキシ基を有する化合物を添加して、紡糸するポリウレタン弾性糸の製造方法であって、該分子内にエポキシ基を有する化合物がポリブタジエンおよび/またはその共重合体から誘導されるエポキシ樹脂であることを特徴とするポリウレタン弾性糸の製造方法。
- 紡糸方法が乾式であることを特徴とする請求項5記載のポリウレタン弾性糸の製造方法。
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