JP4320128B2 - ディスコティック液晶性分子を配向させる方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスコティック液晶性分子を配向膜を用いて配向させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、液晶セル、偏光素子および光学補償シート(位相差板)からなる。透過型液晶表示装置では、二枚の偏光素子を液晶セルの両側に取り付け、一枚または二枚の光学補償シートを液晶セルと偏光素子との間に配置する。反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚の光学補償シート、そして一枚の偏光素子の順に配置する。
液晶セルは、棒状液晶性分子層、それを封入するための二枚の基板、棒状液晶性分子に電圧を加えるための電極層、および棒状液晶性分子の配向を制御する配向膜層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いで、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence )、反射型については、TN、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest-Host)のような様々な表示モードが提案されている。
【0003】
光学補償シートは、画像着色を解消したり、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用いられている。光学補償シートとしては、延伸複屈折ポリマーフイルムが従来から使用されていた。
延伸複屈折ポリマーフイルムに代えて、透明支持体上に液晶性分子から形成された光学的異方性層を有する光学的異方性シートを、光学補償シートとして使用することが提案されている。液晶性分子には多様な配向形態があるため、液晶性分子を用いることで、従来の延伸複屈折ポリマーフイルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。
【0004】
光学補償シートの光学的性質は、液晶セルの光学的性質、具体的には上記のような表示モードの違いに応じて決定する。液晶性分子を用いると、液晶セルの様々な表示モードに対応する様々な光学的性質を有する光学補償シートを製造することができる。液晶性分子としては、一般に、棒状液晶性分子またはディスコティック液晶性分子が用いられている。
ディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートでは、様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。例えば、TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許5805253号および国際特許出願WO96/37804号の各明細書に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許番号第2866372号公報に記載がある。
特開平9−26572号公報に記載されているSTNモードの液晶セル用光学補償シートでは、ディスコティック液晶性分子を立てた状態で(50乃至90度の平均傾斜角で)配向させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の平均傾斜角で配向している光学的異方性層を有する光学的異方性シートでは、ディスコティック液晶性分子の光軸(円盤面の法線)の平均方向は、一般に配向膜のラビング方向と直交する。光学的異方性シートは実際の生産においてはロール状であって、ラビング処理はロール状光学的異方性シートの長手方向に実施することが最も容易である。従って、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の平均傾斜角で配向している光学的異方性層を有する光学補償シートでは、長手方向に垂直な方向(幅方向)に光軸の平均方向を有する態様が最も容易に生産できる。
偏光膜の透過軸は、偏光膜を構成するポリマーフイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。偏光素子も実際の生産においてはロール状であって、延伸処理はロール状偏光膜の長手方向に実施することが最も容易である。従って、長手方向に垂直な方向(幅方向)に透過軸を有する偏光素子が最も容易に生産できる。
【0006】
以上の関係から、ロール状光学的異方性シートとロール状偏光素子とを積層する場合、光学的異方性シートのディスコティック液晶性分子の光軸と偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置することが最も生産が容易である。
一方、液晶セルの表示モードによっては、ディスコティック液晶性分子の光軸と偏光膜の透過軸とを実質的に垂直になるように配置することが好ましい場合がある。
ディスコティック液晶性分子の光軸がロール状光学的異方性シートの長手方向となるためには、ディスコティック液晶性分子を、その光軸方向が配向膜のラビング方向に対して平行となるように配向させる必要がある。本明細書において、「ディスコティック液晶性分子の光軸方向が、配向膜のラビング方向に対して平行」とは、ディスコティック液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向が、ラビング方向に対して平行であることを意味する。ディスコティック液晶性分子を光軸がラビング方向に対して平行となるように配向させるためには、そのような配向機能を有する配向膜が必要である。従来の配向膜は、ディスコティック液晶性分子の光軸をラビング方向に対して垂直に配向させる機能を有する。
【0007】
本発明の目的は、光軸がラビング方向に対して平行になるようにディスコティック液晶性分子が向している光学的異方性シートを提供することである。
本発明の別の目的は、ディスコティック液晶性分子の光軸と偏光膜の透過軸とが実質的に垂直になるように容易に配置できる偏光板を提供することである。
本発明のまた別の目的は、ディスコティック液晶性分子を、光軸がラビング方向に対して平行になるように配向させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的および下記(1)〜(3)の光学的異方性シート、下記(4)〜(7)の偏光板は、下記(8)〜(11)のディスコティック液晶性分子を配向させる方法により達成および実現された。
(1)ディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層、ラビング処理された配向膜および透明支持体を、この順序で有する光学的異方性シートであって、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の平均傾斜角で、かつディスコティック液晶性分子の光軸の平均方向が配向膜のラビング方向に対して実質的に平行となるように配向していることを特徴とする光学的異方性シート。
【0009】
(2)透明支持体が長手方向を有し、ディスコティック液晶性分子の光軸の平均方向が、透明支持体の長手方向に対して実質的に平行である(1)に記載の光学的異方性シート。
(3)透明支持体が長手方向を有し、配向膜のラビング方向が、透明支持体の長手方向に対して実質的に平行である(1)に記載の光学的異方性シート。
【0010】
(4)ディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層、ラビング処理された配向膜、透明支持体、偏光膜および透明保護膜をこの順に有するロール状の偏光板であって、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の平均傾斜角で、かつディスコティック液晶性分子の光軸の平均方向が配向膜のラビング方向に対して実質的に平行となるように配向していることを特徴とする偏光板。
【0011】
(5)ディスコティック液晶性分子の光軸の平均方向が、偏光板の長手方向に対して実質的に平行である(4)に記載の偏光板。
(6)配向膜のラビング方向が、偏光板の長手方向に対して実質的に平行である(4)に記載の偏光板。
(7)偏光膜の透過軸が、偏光板の長手方向に対して実質的に垂直である(4)に記載の偏光板。
【0012】
(8)支持体上に、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位とを含むコポリマーの溶液を塗布して塗布膜を形成する工程;塗布膜の表面をラビング処理して配向膜とする工程;そして、配向膜の上にディスコティック液晶性分子を含む塗布液を塗布する工程により、50乃至90度の平均傾斜角で、かつディスコティック液晶性分子の光軸の平均方向が配向膜のラビング方向に対して実質的に平行となるようにディスコティック液晶性分子を配向させる方法:
【0013】
【化2】
【0014】
[式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基であり;Mは、アルカリ金属イオンであり;L1 は、−O−、−CO−、−NH−、アルキレン基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり;L2 、L3 およびL4 は、それぞれ独立に、単結合であるか、あるいは、−O−、−CO−、−NH−、−SO2 −、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり;Ar1 、Ar2 、Ar3 およびAr4 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族環または芳香族性複素環であり;mおよびnは、それぞれ0または1であり;xは、10乃至95モル%であり;そして、yは、5乃至90モル%である]。
【0015】
(9)L2 、L3 およびL4 のうち、少なくとも一つがエチニレンである(8)に記載のディスコティック液晶性分子を配向させる方法。
(10)ディスコティック液晶性分子が重合性基を有し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、ディスコティック液晶性分子を重合させて配向状態を固定する(8)に記載のディスコティック液晶性分子を配向させる方法。
(11)コポリマーが重合性基を有し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、ディスコティック液晶性分子とコポリマーとを重合させて配向状態を固定する(10)に記載のディスコティック液晶性分子を配向させる方法。
【0016】
なお、本明細書において、実質的に平行あるいは実質的に直交とは、厳密な平行あるいは厳密な直交との角度の差が5゜未満であることを意味する。角度の差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であることがより好ましく、2゜未満であることがさらに好ましく、1゜未満であることが最も好ましい。
【0017】
【発明の効果】
本発明者は研究の結果、光軸方向が配向膜のラビング方向に対して平行となるように、ディスコティック液晶性分子を配向させることに成功した。これにより、ディスコティック液晶性分子の光軸方向が、ラビング方向に対して実質的に平行に配向している光学的異方性シートを作製することができる。従って、ディスコティック液晶性分子の光軸方向を、長手方向に有するロール状光学的異方性シートを、容易に生産することが可能になった。
一方、前述したように、長手方向に垂直な方向(幅方向)に透過軸を有するロール状偏光素子が最も容易に生産できる。従って、本発明に従うロール状光学的異方性シートとロール状偏光素子とを、ロール状態のまま貼り合わせることで、ディスコティック液晶性分子の光軸方向と偏光膜の透過軸とが実質的に垂直である偏光板を生産することができる。
以上のように、本発明に従う光学的異方性シートを用いることで、ディスコティック液晶性分子の光軸方向と偏光膜の透過軸とが実質的に垂直になるように容易に配置することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、透過型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
図1の(a)に示す透過型液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順に、透明保護膜(1a)、偏光膜(2a)、透明支持体(3a)、光学的異方性層(4a)、液晶セルの下基板(5a)、棒状液晶性分子層(6)、液晶セルの上基板(5b)、光学的異方性層(4b)、透明支持体(3b)、偏光膜(2b)、そして透明保護膜(1b)からなる。
透明支持体および光学的異方性層(3a〜4aおよび4b〜3b)が光学的異方性シートを構成する。そして、透明保護膜、偏光膜、透明支持体および光学的異方性層(1a〜4aおよび4b〜1b)が偏光板を構成する。
透明支持体(3a、3b)は、光学的異方性層(4a、4b)側に配向膜を有する。また、液晶セルの下基板(5a)および上基板(5b)も、棒状液晶性分子層(6)側に配向膜を有する。
【0019】
図1の(b)に示す透過型液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順に、透明保護膜(1a)、偏光膜(2a)、透明支持体(3a)、光学的異方性層(4a)、液晶セルの下基板(5a)、棒状液晶性分子層(6)、液晶セルの上基板(5b)、透明保護膜(1b)、偏光膜(2b)、そして透明保護膜(1c)からなる。
透明支持体および光学的異方性層(3a〜4a)が光学的異方性シートを構成する。そして、透明保護膜、偏光膜、透明支持体および光学的異方性層(1a〜4a)が偏光板を構成する。
透明支持体(3a)は、光学的異方性層(4a)側に配向膜を有する。また、液晶セルの下基板(5a)および上基板(5b)も、棒状液晶性分子層(6)側に配向膜を有する。
【0020】
図1の(c)に示す透過型液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順に、透明保護膜(1a)、偏光膜(2a)、透明保護膜(1b)、液晶セルの下基板(5a)、棒状液晶性分子層(6)、液晶セルの上基板(5b)、光学的異方性層(4b)、透明支持体(3b)、偏光膜(2b)、そして透明保護膜(1c)からなる。
透明支持体および光学的異方性層(4b〜3b)が光学的異方性シートを構成する。そして、透明保護膜、偏光膜、透明支持体および光学的異方性層(4b〜1c)が偏光板を構成する。
透明支持体(3b)は、光学的異方性層(4b)側に配向膜を有する。また、液晶セルの下基板(5a)および上基板(5b)も、棒状液晶性分子層(6)側に配向膜を有する。
【0021】
図2は、反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
図2に示す反射型液晶表示装置は、下から順に、液晶セルの下基板(5a)、反射板(RP)、棒状液晶性分子層(6)、液晶セルの上基板(5b)、光学的異方性層(4)、透明支持体(3)、偏光膜(2)、そして透明保護膜(1)からなる。
透明支持体および光学的異方性層(4〜3)が光学的異方性シートを構成する。そして、透明保護膜、偏光膜、透明支持体および光学的異方性層(4〜1)が偏光板を構成する。
透明支持体(3)は、光学的異方性層(4)側に配向膜を有する。また、液晶セルの反射板(RP)および上基板(5b)も、棒状液晶性分子層(6)側に配向膜を有する。
【0022】
図3は、ロール状偏光素子とロール状光学的異方性シートとの貼り合わせ工程を示す模式図である。
図3に示すように、ロール状偏光素子は、透明保護膜(1)および偏光膜(2)からなる。ロール状光学補償シートは、透明支持体(3)および光学的異方性層(4)からなる。透明支持体(3)は、光学的異方性層(4)側に配向膜を有する。
偏光膜(2)の透過軸(TA)は、ロール状偏光素子の長手方向(LD)と実質的に直交している。光学的異方性層(4)のディスコティック液晶性分子の光軸方向(OA)は、ロール状光学的異方性シートの長手方向(LD)と実質的に平行している。そのため、図3に示すように、ロール状偏光素子とロール状光学的異方性シートとをそのまま貼り合わせるだけで、偏光膜(2)の透過軸(TA)と光学的異方性層(4)のディスコティック液晶性分子の光軸方向(OA)とが実質的に垂直になるように配置することができる。
なお、図1〜図3において、透明支持体(3)と光学的異方性層(4)との順序を逆に配置してもよい。
【0023】
図4は、光学的異方性シートにおけるディスコティック液晶性分子の配向状態を示す模式図である。
図4に示す光学的異方性シートは、長手方向を有する透明支持体(3)、ラビング処理された配向膜(0)およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層(4)からなる。透明支持体(3)の長手方向(LD)と配向膜(0)のラビング方向(RD)とは平行である。光学的異方性層(4)に含まれるディスコティック液晶性分子(DLC)の光軸方向(OA)も、透明支持体(3)の長手方向(LD)および配向膜(0)のラビング方向(RD)と平行である。
【0024】
[支持体]
支持体は、透明であることが好ましい。光学的異方性シートの透明支持体として、ガラス板またはポリマーフイルム、好ましくはポリマーフイルムが用いられる。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。
透明支持体として、一般には、光学等方性のポリマーフイルムが用いられている。光学等方性とは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm未満であることが好ましく、10nm未満であることがさらに好ましく、5nm未満であることが最も好ましい。また、光学等方性透明支持体では、厚み方向のレターデーション(Rth)も、100nm未満であることが好ましく、50nm未満であることがより好ましく、30nm未満であることがさらに好ましく、10nm未満であることがさらにまた好ましく、5nm未満であることが最も好ましい。透明支持体の面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。
Re=(nx−ny)×d
Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であり、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そしてdは透明支持体の厚さである。
【0025】
液晶表示モードの種類によっては、透明支持体として光学異方性のポリマーフイルムが用いられる場合もある。すなわち、光学的異方性層の光学異方性に透明支持体の光学異方性も加えて、液晶セルの光学異方性に対応する(光学的に補償する)場合もある。そのような場合、透明支持体は、光学的一軸性または光学的二軸性を有することが好ましい。光学的一軸性支持体の場合、光学的に正(光軸方向の屈折率が光軸に垂直な方向の屈折率よりも大)であっても負(光軸方向の屈折率が光軸に垂直な方向の屈折率よりも小)であってもよい。光学的二軸性支持体の場合、前記式の屈折率nx、nyおよびnzは、全て異なる値(nx≠ny≠nz)になる。
光学異方性透明支持体の面内レターデーション(Re)は、0乃至300nmであることが好ましく、0乃至200nmであることがさらに好ましく、0乃至100nmであることが最も好ましい。光学異方性透明支持体の厚み方向のレターデーション(Rth)は、10乃至1000nmであることが好ましく、50乃至400nmであることがより好ましく、100乃至300nmであることがさらに好ましい。
【0026】
透明支持体を形成する材料は、光学等方性支持体とするか、光学異方性支持体とするかに応じて決定する。光学等方性支持体の場合は、一般にガラスまたはセルロースエステルが用いられる。光学異方性支持体の場合は、一般に合成ポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂)が用いられる。ただし、欧州特許0911656A2号明細書に記載されている(1)レターデーション上昇剤(複屈折率上昇剤)の使用、(2)セルロースアセテートの酢化度の低下、あるいは(3)冷却溶解法によるフイルムの製造により、光学異方性の(レターデーションが高い)セルロースエステルフイルムを製造することもできる。
ポリマーフイルムからなる透明支持体は、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
【0027】
光学異方性透明支持体を得るためには、ポリマーフイルムに延伸処理を実施することが好ましい。
光学的一軸性支持体を製造する場合は、通常の一軸延伸処理または二軸延伸処理を実施すればよい。
光学的二軸性支持体を製造する場合は、アンバランス二軸延伸処理を実施することが好ましい。アンバランス二軸延伸では、ポリマーフイルムをある方向に一定倍率(例えば3乃至100%、好ましくは5乃至30%)延伸し、それと垂直な方向にそれ以上の倍率(例えば6乃至200%、好ましくは10乃至90%)延伸する。二方向の延伸処理は、同時に実施してもよい。
延伸方向(アンバランス二軸延伸では延伸倍率の高い方向)と延伸後のフイルムの面内の遅相軸とは、実質的に同じ方向になることが好ましい。延伸方向と遅相軸との角度は、10゜未満であることが好ましく、5゜未満であることがさらに好ましく、3゜未満であることが最も好ましい。
なお、光学的一軸性または光学的二軸性を有する透明支持体を用いる場合、光学的異方性層のディスコティック液晶性分子の光軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向が、透明支持体の面内の遅相軸と、実質的に平行または直交しているように配置することが好ましい。
【0028】
透明支持体の厚さは、10乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
透明支持体とその上に設けられる層(密着層、配向膜あるいは光学的異方性層)との密着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。
透明支持体に紫外線吸収剤を添加してもよい。
透明支持体の上に、密着層(下塗り層)を設けてもよい。密着層については、特開平7−333433号公報に記載がある。密着層の厚さは、0.1乃至2μmであることが好ましく、0.2乃至1μmであることがさらに好ましい。
【0029】
[配向膜]
配向膜には、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位とを含むアクリル酸系コポリマーを用いることが好ましい。
【0030】
【化3】
【0031】
式(I)において、R1 は、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基である。R1 は、水素原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチルまたはエチルであることがさらに好ましく、水素原子またはメチルであることが最も好ましい。R1 が水素原子の場合は、アクリル酸コポリマーであり、R1 がメチルの場合は、メタクリル酸コポリマーである。
式(I)において、Mは、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン)である。
式(I)のCOOMが、このような親水性基であることによって、アクリル酸系コポリマーは水溶性を示す。よって、水性溶媒を用いて配向膜を形成することができる。
式(I)において、xは、10乃至95モル%である。xは、25乃至90モル%であることが好ましい。
【0032】
式(II)において、R2 は、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基である。R2 は、水素原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチルまたはエチルであることがさらに好ましく、水素原子またはメチルであることが最も好ましい。
【0033】
式(II)において、L1 は、−O−、−CO−、−NH−、アルキレン基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。L1 は、−CO−O−、−CO−NH−、−CO−O−アルキレン基−、−CO−O−アルキレン基−O−または−CO−O−アルキレン基−CO−O−であることが好ましく、−CO−O−または−CO−NH−であることが特に好ましい。
上記アルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12であることが最も好ましい。
【0034】
式(II)において、L2 、L3 およびL4 は、それぞれ独立に、単結合であるか、あるいは、−O−、−CO−、−NH−、−SO2 −、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。 L2 、L3 およびL4 のうち、少なくとも一つが単結合またはエチニレン(−C≡C−)であることが好ましく、少なくとも一つがエチニレンであることが特に好ましい。L2 、L3 およびL4 は、それぞれ独立に、単結合、エチニレン、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−アルキレン基−O−、−CO−NH−、−O−CO−O−、−NH−SO2 −または−NH−CO−O−であることが好ましい。
上記アルキレン基、アルケニレン基およびアルキニレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12であることが最も好ましい。アルケニレン基およびアルキニレン基の炭素原子数は、2乃至30であることが好ましく、2乃至15であることがさらに好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。
【0035】
式(II)において、Ar1 、Ar2 、Ar3 およびAr4 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族環または芳香族性複素環である。Ar1 、Ar2 、Ar3 およびAr4 は、芳香族環(置換基を有していてもよい)であることが好ましい。
芳香族環の環構成炭素原子数は、6乃至18であることが好ましい。芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環およびナフタセン環が含まれる。ベンゼン環およびナフタレン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
【0036】
芳香族環または芳香族性複素環が有していてもよい置換基には、ハロゲン原子、カルボキシル、シアノ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル置換カルバモイル基、アルキル置換スルファモイル基、アミド基、スルホンアミド基およびアルキルスルホニル基が含まれる。
上記アルキル基は、分岐または環状構造を有していてもよい。上記アルキル基は、分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
【0037】
式(II)において、mおよびnは、それぞれ0または1である。mが0または1で、nが0(芳香環または芳香族性複素環の数が2または3)であることが好ましく、mおよびnは、何れも0(芳香環または芳香族性複素環の数が2)であることが特に好ましい。
式(II)において、yは、5乃至90モル%である。yは、10乃至75モル%であることが好ましい。
以下に、式(II)で表される繰り返し単位の例を(L2 、L3 またはL4 が−C≡C−である場合を除き)示す。
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
【化13】
【0048】
【化14】
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】
【化17】
【0052】
【化18】
【0053】
【化19】
【0054】
【化20】
【0055】
【化21】
【0056】
【化22】
【0057】
【化23】
【0058】
【化24】
【0059】
【化25】
【0060】
【化26】
【0061】
【化27】
【0062】
【化28】
【0063】
【化29】
【0064】
【化30】
【0065】
【化31】
【0066】
【化32】
【0067】
以下に、アクリル酸系コポリマーの例を(L2 、L3 またはL4 が−C≡C−である場合を除き)示す。AAはアクリル酸から誘導される繰り返し単位(アルカリ金属塩)であり、MAはメタクリル酸から誘導される繰り返し単位(アルカリ金属塩)である。繰り返し単位の割合は、モル%である。
【0068】
PA101:−(AA)60−(II−1)40−
PA102:−(AA)70−(II−2)30−
PA103:−(AA)60−(II−5)40−
PA104:−(AA)65−(II−9)35−
PA105:−(AA)70−(II−11)30−
PA106:−(AA)80−(II−15)20−
PA107:−(AA)70−(II−15)30−
PA108:−(AA)60−(II−15)40−
PA109:−(AA)70−(II−16)30−
PA110:−(AA)60−(II−16)40−
PA111:−(AA)50−(II−16)50−
PA112:−(AA)70−(II−18)30−
PA113:−(AA)60−(II−18)40−
PA114:−(AA)50−(II−18)50−
PA115:−(AA)60−(II−23)40−
PA116:−(AA)60−(II−25)40−
PA117:−(AA)60−(II−32)40−
PA118:−(AA)60−(II−35)40−
PA119:−(AA)60−(II−37)40−
PA120:−(AA)60−(II−45)40−
PA121:−(AA)60−(II−55)40−
【0069】
PA122:−(MA)60−(II−1)40−
PA123:−(MA)70−(II−2)30−
PA124:−(MA)60−(II−5)40−
PA125:−(MA)65−(II−9)35−
PA126:−(MA)70−(II−11)30−
PA127:−(MA)80−(II−15)20−
PA128:−(MA)70−(II−15)30−
PA129:−(MA)60−(II−15)40−
PA130:−(MA)70−(II−16)30−
PA131:−(MA)60−(II−16)40−
PA132:−(MA)50−(II−16)50−
PA133:−(MA)70−(II−18)30−
PA134:−(MA)60−(II−18)40−
PA135:−(MA)60−(II−18)40−
PA136:−(MA)60−(II−23)40−
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PA138:−(MA)60−(II−32)40−
PA139:−(MA)60−(II−35)40−
PA140:−(MA)60−(II−37)40−
PA141:−(MA)60−(II−45)40−
PA142:−(MA)60−(II−55)40−
【0070】
繰り返し単位の側鎖は、トラン構造(L2 、L3 またはL4 が−C≡C−であり、−C≡C−の両側の環が芳香族環である構造)を含むことが好ましい。
以下に、トラン構造を側鎖に有する繰り返し単位の例を示す。
【0071】
【化33】
【0072】
【化34】
【0073】
【化35】
【0074】
【化36】
【0075】
【化37】
【0076】
【化38】
【0077】
【化39】
【0078】
【化40】
【0079】
【化41】
【0080】
【化42】
【0081】
【化43】
【0082】
【化44】
【0083】
【化45】
【0084】
【化46】
【0085】
【化47】
【0086】
【化48】
【0087】
【化49】
【0088】
【化50】
【0089】
【化51】
【0090】
【化52】
【0091】
【化53】
【0092】
【化54】
【0093】
以下に、トラン構造を含む繰り返し単位を含むアクリル酸系コポリマーの例を示す。AAはアクリル酸から誘導される繰り返し単位(アルカリ金属塩)であり、MAはメタクリル酸から誘導される繰り返し単位(アルカリ金属塩)である。繰り返し単位の割合は、モル%である。
【0094】
PA201:−(AA)60−(II−101)40−
PA202:−(AA)70−(II−101)30−
PA203:−(AA)60−(II−102)40−
PA204:−(AA)65−(II−107)35−
PA205:−(AA)70−(II−111)30−
PA206:−(AA)80−(II−114)20−
PA207:−(AA)70−(II−120)30−
PA208:−(AA)60−(II−123)40−
PA209:−(AA)70−(II−125)30−
PA210:−(AA)60−(II−125)40−
PA211:−(AA)50−(II−125)50−
PA212:−(AA)70−(II−126)30−
PA213:−(AA)60−(II−128)40−
PA214:−(AA)50−(II−132)50−
PA215:−(AA)70−(II−133)30−
PA216:−(AA)60−(II−133)40−
PA217:−(AA)70−(II−138)30−
PA218:−(AA)60−(II−138)40−
PA219:−(AA)60−(II−139)40−
PA220:−(AA)60−(II−141)40−
PA221:−(AA)60−(II−143)40−
【0095】
PA222:−(MA)60−(II−101)40−
PA223:−(MA)70−(II−101)30−
PA224:−(MA)60−(II−102)40−
PA225:−(MA)65−(II−107)35−
PA226:−(MA)70−(II−111)30−
PA227:−(MA)80−(II−114)20−
PA228:−(MA)70−(II−120)30−
PA229:−(MA)60−(II−123)40−
PA230:−(MA)70−(II−125)30−
PA231:−(MA)60−(II−125)40−
PA232:−(MA)50−(II−125)50−
PA233:−(MA)70−(II−126)30−
PA234:−(MA)60−(II−128)40−
PA235:−(MA)50−(II−132)50−
PA236:−(MA)70−(II−133)30−
PA237:−(MA)60−(II−133)40−
PA238:−(MA)70−(II−138)30−
PA239:−(MA)60−(II−138)40−
PA240:−(MA)60−(II−139)40−
PA241:−(MA)60−(II−141)40−
PA242:−(MA)60−(II−142)40−
PA243:−(MA)60−(II−143)40−
【0096】
重合性基をアクリル酸系コポリマーに導入してもよい。重合性基を有するアクリル酸系コポリマーと重合性基を有するディスコティック液晶性分子とを併用すると、アクリル酸系コポリマーとディスコティック液晶性分子とを、光学的異方性層と配向膜との界面を介して化学的に結合させることができる。これにより、ディスコティック液晶性分子を用いた光学的異方性シートの耐久性を改善することができる。
重合性基は、後述するディスコティック液晶性分子の重合性基(Q)と重合反応させて、ディスコティック液晶性分子とアクリル酸系コポリマーとを、光学的異方性層と配向膜との界面を介して化学的に結合させる。従って、重合性基の種類は、後述するディスコティック液晶性分子の重合性基(Q)の種類に応じて決定する。ディスコティック液晶性分子の重合性基(Q)は、後述するように、不飽和重合性基(後述する例示のQ1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。アクリル酸系コポリマーの重合性基も、ディスコティック液晶性分子と同様に、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが最も好ましい。
【0097】
主鎖と重合性基とは、直結せずに、連結基を介して連結することが好ましい。連結基の例には、−CO−、−CO−O−、−CO−NH−、−CO−NH−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基−O−、−CO−NH−アルキレン基−CO−O−、−CO−NH−アルキレン基−O−CO−、−CO−NH−アルキレン基−CO−NH−、−CO−アルキレン基−O−CO−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−O−CO−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−O−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−および−CO−アルキレン基−O−CO−が含まれる(左側が主鎖に結合し、右側が重合性基に結合する)。
上記アルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12であることが最も好ましい。
上記アリーレン基は、フェニレンまたはナフチレンであることが好ましく、フェニレンであることがさらに好ましく、p−フェニレンであることが最も好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、カルボキシル、シアノ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル置換カルバモイル基、アルキル置換スルファモイル基、アミド基、スルホンアミド基およびアルキルスルホニル基が含まれる。
【0098】
上記アルキル基は、分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
上記シクロアルキル基は、シクロヘキシルであることが好ましい。
上記アルコキシ基は、分岐を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
上記アルキルチオ基は、分岐を有していてもよい。アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
上記アシル基の炭素原子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15であることがより好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。
上記アシルオキシ基の炭素原子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15であることがより好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。
【0099】
上記アルキル置換カルバモイル基の炭素原子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15であることがより好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。アルキル置換カルバモイル基のアルキル部分は、さらに置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。
上記アルキル置換スルファモイル基の炭素原子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15であることがより好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。アルキル置換スルファモイル基のアルキル部分は、さらに置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。上記アミド基の炭素原子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15であることがより好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。
上記スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
上記アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。アルキルスルホニル基のアルキル部分は、さらに置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。
【0100】
側鎖は、二以上の重合性基を有していてもよい。
重合性基は、側鎖に重合性基を有する繰り返し単位としてアクリル酸系コポリマーに導入するか、あるいは、前記式(II)の繰り返し単位に重合性基を導入する。
側鎖に重合性基を有する繰り返し単位は、下記式(III)で表されることが好ましい。
【0101】
【化55】
【0102】
式(III)において、R3 は、水素原子またはメチルである。
式(III)において、L11は、−NH−アルキレン基−O−CO−、−アルキレン基−O−CO−、−O−アルキレン基−O−CO−、−O−アリーレン基−O−アルキレン基−O−CO−、−O−アリーレン基−O−アルキレン基−、−O−アリーレン基−O−、−NH−アルキレン基−O−CO−、−NH−アルキレン基−O−および−NH−アルキレン基−からなる群より選ばれる連結基である。−NH−アルキレン基−O−CO−、−アルキレン基−O−CO−、−O−アルキレン基−O−CO−、−O−アリーレン基−O−アルキレン基−O−CO−、−O−アリーレン基−O−および−NH−アルキレン基−O−CO−が好ましく、−NH−アルキレン基−O−CO−が特に好ましい。
上記アルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12であることが最も好ましい。
上記アリーレン基は、フェニレンまたはナフチレンであることが好ましく、フェニレンであることがさらに好ましく、p−フェニレンであることが最も好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基の置換基の例は、前述したアリーレン基の置換基の例と同様である。
式(III)において、Qは、重合性基である。重合性基は、前述したように、液晶性分子の重合性基(Q)と同様の基であることが好ましい。
以下に、側鎖に重合性基を有する繰り返し単位の例を示す。
【0103】
【化56】
【0104】
【化57】
【0105】
【化58】
【0106】
【化59】
【0107】
【化60】
【0108】
側鎖に重合性基を有する繰り返し単位をアクリル酸系コポリマーに導入する場合、アクリル酸系コポリマーは側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を0.1乃至10モル%含むことが好ましく、3乃至5モル%の範囲で含むことがさらに好ましい。
【0109】
前記式(II)の繰り返し単位に導入する重合性基は、芳香族環または芳香族性複素環の置換基であることが好ましく、最も末端側の芳香族環または芳香族性複素環の置換基であることが特に好ましい。
芳香族環または芳香族性複素環と重合性基とは、直結せずに、連結基を介して連結することが好ましい。連結基の例には、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−SO2 −NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NH−SO2 −、−アルキレン基−、−アルケニレン基−、−アルキニレン基−、−O−アルキレン基−および−アルキレン基−O−が含まれる(左側が芳香族環または芳香族性複素環に結合し、右側が重合性基に結合する)。
上記アルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12であることが最も好ましい。
上記アルケニレン基およびアルキニレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルケニレン基およびアルキニレン基の炭素原子数は、2乃至30であることが好ましく、2乃至20であることがより好ましく、2乃至15であることがさらに好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。
芳香族環または芳香族性複素環は、二以上の重合性基を置換基として有していてもよい。
前記式(II)の繰り返し単位に重合性基を導入した繰り返し単位は、下記式(IV)で表されることが好ましい。
【0110】
【化61】
【0111】
式(IV)において、R5 は、水素原子またはメチルである。
式(IV)において、L21は、単結合、−CO−、−CO−NH−、−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基−O−、−CO−NH−アルキレン基−CO−O−および−CO−NH−アルキレン基−CO−NH−からなる群より選ばれる連結基である。−CO−、−CO−NH−および−アルキレン基−であることが好ましく、−CO−NH−であることが特に好ましい。
上記アルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12であることが特に好ましい。
【0112】
式(IV)において、L22、L23、L24およびL25は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−SO2 −NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NH−SO2 −、−アルキレン基−、−アルケニレン基−、−アルキニレン基−、−O−アルキレン基−および−アルキレン基−O−からなる群より選ばれる連結基である。L22、L23およびL24のうち少なくとも一つは、単結合または−アルキニレン基−であることが好ましい。
【0113】
式(IV)において、Ar21、Ar22、Ar23およびAr24は、それぞれ独立に、芳香族環または芳香族性複素環である。ベンゼン環であることが好ましい。Ar21、Ar22およびAr23は、p−フェニレンであることが特に好ましい。芳香環または芳香族性複素環は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、式(VI)の芳香環または芳香族性複素環の置換基の例と同様である。
式(IV)において、qおよびrは、それぞれ、0または1である。qが0または1で、rが0(芳香環または芳香族性複素環の数が2または3)であることが好ましく、qおよびrは、何れも0(芳香環または芳香族性複素環の数が2)であることが特に好ましい。
式(IV)において、pは、1、2または3である。pは、1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
以下に、側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を2乃至4個と重合性基とを有する繰り返し単位の例を示す。
【0114】
【化62】
【0115】
【化63】
【0116】
【化64】
【0117】
【化65】
【0118】
【化66】
【0119】
【化67】
【0120】
【化68】
【0121】
【化69】
【0122】
【化70】
【0123】
【化71】
【0124】
【化72】
【0125】
【化73】
【0126】
以上の繰り返し単位を組み合わせたアクリル酸系コポリマーを用いてもよい。例えば、式(I)、(II)および(III)の繰り返し単位を組み合わせたアクリル酸系コポリマー、式(I)、(III)および(IV)の繰り返し単位を組み合わせたアクリル酸系コポリマー、あるいは式(I)、(II)、(III)および(IV)の繰り返し単位を組み合わせたアクリル酸系コポリマーも使用することができる。
【0127】
二種類以上のアクリル酸系コポリマーを併用してもよい。
アクリル酸系コポリマーを架橋させて使用することもできる。架橋反応は、配向膜の塗布液の塗布と同時または塗布後に実施することが好ましい。例えば、架橋剤を用いて、アクリル酸系コポリマーのカルボキシル基と架橋剤との架橋反応により、アクリル酸系コポリマーを架橋させることができる。架橋剤については、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」(大成社)に詳細が記載されている。架橋剤の例には、メチロールフェノール樹脂、アミノ樹脂(例えば、メラミン、ベンゾクアナミンあるいは尿素に、ホルムアルデヒドあるいはアルコールを付加重合させてなる樹脂)、アミン化合物、トリアジン化合物、イソシアナート化合物、エポキシ化合物、金属酸化物、金属ハロゲン化合物、有機金属ハロゲン化合物、有機酸金属塩、金属アルコキシド、およびオキサゾリン基を含む化合物が含まれる。
架橋剤の使用量は、配向膜の塗布量の0.1乃至20質量%であることが好ましく、0.5乃至15質量%であることがさらに好ましい。なお、未反応のまま配向膜中に残存する架橋剤の量は、配向膜の塗布量の1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。
【0128】
配向膜は、アクリル酸系コポリマーを塗布して塗布層を形成し、塗布層の表面をラビング処理することにより得られる。ラビング処理は、ポリマー塗布層の表面を、紙や布で一定方向(通常は長手方向)に、数回こすることにより実施する。
なお、アクリル酸系コポリマーの前駆体を塗布し、塗布後に縮合反応を行わせる目的で、ラビング処理前に加熱処理を実施する場合もある。
配向膜の厚さは、0.01乃至10μmであることが好ましく、0.05乃至5μmであることがさらに好ましく、0.1乃至1μmであることが最も好ましい。
なお、配向膜を用いて、光学的異方性層のディスコティック液晶性分子を配向させてから、光学的異方性層を透明支持体上に転写してもよい。配向状態で固定されたディスコティック液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。
【0129】
配向膜は、支持体上に、アクリル酸系コポリマーの溶液からなる塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程;その塗布膜を乾燥する工程;乾燥した塗布膜の表面をラビング処理する工程;そして、ラビング処理した後の塗布膜を加熱する工程、によって製造することが好ましい。
ラビング処理後の塗布膜の加熱では、加熱温度が、50乃至300℃の範囲であることが好ましく、50乃至250℃の範囲であることがさらに好ましく、100乃至250℃の範囲であることがさらに好ましい。
加熱方法としては、透明支持体上の塗布膜を上記温度に設定した加熱用担体に接触させる方法、塗布膜を有する透明支持体を上記温度に設定した箱状容器内に放置する方法、上記温度の気体(大気であることが好ましい)を透明支持体上の塗布膜に直接、ラビング方向に沿って吹き付ける方法等を用いることができる。加熱用担体としては、ホットプレートを用いることが好ましい。加熱処理の時間は、処理温度によって決定される。加熱処理は、温度が低いほど、長い時間を要する。100℃で加熱処理を行う場合には、1乃至30分の範囲、130℃で行う場合には、30秒乃至10分の範囲、160℃で行う場合には、10秒乃至3分の範囲の時間を要する。ラビング処理後に加熱処理を開始するまでの時間は、1週間以内であることが好ましく、3日以内であることがさらに好ましく、3時間以内であることが最も好ましい。
【0130】
[光学的異方性層]
光学的異方性層は、ディスコティック液晶性分子から形成する。ディスコティック液晶性分子は、上記の配向膜を用いて、ディスコティック液晶性分子の円盤面を、配向膜に対して実質的に垂直(50乃至90度の範囲の平均傾斜角)に配向させる。ディスコティック液晶性分子は、垂直(ホモジニアス)配向状態のまま光学的異方性層内で固定することが好ましい。ディスコティック液晶性分子は、重合反応により固定することがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されている。ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
【0131】
ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物であることが好ましい。
【0132】
D(−L−Q)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
【0133】
【化74】
【0134】
【化75】
【0135】
【化76】
【0136】
【化77】
【0137】
【化78】
【0138】
【化79】
【0139】
【化80】
【0140】
上記式において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味し、ARはアリーレン基を意味する。
【0141】
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
【0142】
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L21:−S−AL−
L22:−S−AL−O−
L23:−S−AL−O−CO−
L24:−S−AL−S−AL−
L25:−S−AR−AL−
【0143】
前記式の重合性基(Q)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示す。
【0144】
【化81】
【0145】
重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。
前記式において、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、ディスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
二種類以上のディスコティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、重合性基(Q)を有する分子と有していない分子(非重合性ディスコティック液晶性分子)を併用してもよい。
【0146】
非重合性ディスコティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基(Q)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物であることが好ましい。
D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
上記式の円盤状コア(D)の例は、LQ(またはQL)をLR(またはRL)に変更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。
また、二価の連結基(L)の例も、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。
Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40であることが好ましく、1乃至30であることがさらに好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好ましい。
【0147】
ディスコティック液晶性分子を空気界面側においても、実質的に垂直(ホモジニアス)かつ均一に配向させるため、含フッ素界面活性剤またはセルロースエステルを光学的異方性層に添加することができる。
含フッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニオン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性基および任意に設けられる連結基からなる。フッ素原子を含む疎水性基または親水性基を二以上有する含フッ素界面活性剤を用いてもよい。二種類以上の含フッ素界面活性剤を併用してもよい。含フッ素界面活性剤については、様々な文献(例、堀口弘著「新界面活性剤」三共出版(1975)、M.J. Schick, Nonionic Surfactants, Marcell Dekker Inc., New York, (1967)、特開平7−13293号公報)に記載がある。含フッ素界面活性剤は、ディスコティック液晶性分子の量の0.01乃至30質量%の範囲であることが好ましく、0.05乃至10質量%であることがさらに好ましく、0.1乃至5質量%であることがさらに好ましい。
【0148】
セルロースエステルとしては、セルロースの低級脂肪酸エステルを用いることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4であることがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロキシ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセルロースとエステルを形成していてもよい。セルロースエステルは、0.005乃至0.5g/m2 の範囲の量で使用することが好ましく、0.01乃至0.45g/m2 の範囲であることがより好ましく、0.02乃至0.4/m2 の範囲であることがさらに好ましく、0.03乃至0.35/m2 の範囲であることが最も好ましい。また、ディスコティック液晶性分子の量の0.1乃至5質量%の量で使用することも好ましい。
【0149】
光学的異方性層は、ディスコティック液晶性分子、さらに必要に応じて含フッ素界面活性剤、セルロースエステル、あるいは下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成する。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
【0150】
塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法)により実施できる。
実質的に垂直(ホモジニアス)配向させたディスコティック液晶性分子は、配向状態を維持して固定する。固定化は、ディスコティック液晶性分子に導入した重合性基(Q)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
【0151】
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20質量%であることが好ましく、0.5乃至5質量%であることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、100乃至2000mJ/cm2 であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
光学的異方性層の厚さは、0.1乃至50μmであることが好ましく、1乃至30μmであることがさらに好ましく、5乃至20μmであることが最も好ましい。なお、液晶表示装置に光学補償シートを二枚用いる場合は、一枚使用する場合に必要とされる光学的異方性層の厚さ(上記の好ましい範囲)の半分の厚さでよい。
光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の平均傾斜角度は、50乃至90度である。傾斜角度は、なるべく均一であることが好ましい。ただし、傾斜角度が光学的異方性層の厚み方向に沿って連続して変化しているならば、若干の変動があっても問題ない。
【0152】
ディスコティック液晶性分子の光軸方向、が配向膜のラビング方向に対して平行であるとは、光学的異方性層内の、配向膜近傍のディスコティック液晶性分子がラビング方向に対して上記の関係を有することをいう。従って、配向膜近傍において上記の関係を有しているならば、配向膜表面から空気界面方向に対してディスコティック液晶性分子が若干ねじれ配向していてもよい。
光学的異方性層を設けることにより、光学的異方性シート全体のレターデーションを調整することが好ましい。光学的異方性シート全体の面内レターデーション(Re)は、20乃至200nmであることが好ましく、20乃至100nmであることがさらに好ましく、20乃至70nmであることが最も好ましい。光学的異方性シート全体の厚み方向のレターデーション(Rth)は、70乃至500nmであることが好ましく、70至400mであることがより好ましく、70乃至300nmであることがさらに好ましい。光学的異方性シートの面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。
Re=(nx−ny)×d
Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
式中、nxおよびnyは、光学的異方性シートの面内屈折率であり、nzは光学的異方性シートの厚み方向の屈折率であり、そしてdは光学的異方性シートの厚さである。
光学的異方性層と、前述した光学的一軸性または光学的二軸性を有する透明支持体とを組み合わせることで、光学的異方性シート全体のレターデーションを調整することもできる。
【0153】
[偏光膜]
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光膜の透過軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
偏光膜の透過軸は、ディスコティック液晶性分子の光軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向と、実質的に垂直になるように配置する。
【0154】
[透明保護膜]
透明保護膜としては、透明なポリマーフイルムが用いられる。保護膜が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。
透明保護膜としては、一般にセルロースエステルフイルム、好ましくはトリアセチルセルロースフイルムが用いられる。セルロースエステルフイルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
透明保護膜の厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
【0155】
[液晶表示装置]
本発明は、様々な表示モードの液晶セルに適用できる。前述したように、液晶性分子を用いた光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence )およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードの液晶セルに対応するものが既に提案されている。
本発明の光学的異方性シートは、ディスコティック液晶性分子の光軸と偏光膜の透過軸とを実質的に垂直になるように配置する(光学補償シート全体の遅相軸方向と偏光膜の透過軸とを実質的に平行になるように配置する)ことが好ましい液晶表示装置、例えば、TNモードやVAモードの液晶表示装置に、光学補償シートとして用いることが好ましい。本発明は、VAモードの液晶表示装置において、特に効果がある。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
【0156】
【実施例】
[参考例1]
(光学的異方性シートの作製)
対イオン(中和剤)がトリエチルアミンであるアクリル酸系コポリマー(PA210X)を、メタノールと水との混合溶媒(質量比=30/70)に溶解して4質量%溶液を調製した。
【0157】
【化82】
【0158】
この溶液を、バーコータ−を用いてガラス基板上に1μmの厚さに塗布した。塗布層を120℃で5分間乾燥し、その表面をラビング処理して配向膜を形成した。配向膜上に、以下の組成の塗布液をバーコータを用いて2μmの厚さに塗布した。
【0159】
【0160】
【化83】
【0161】
塗布層を150℃で2分間加熱して、ディスコティック液晶性化合物を実質的に垂直に配向させた。その温度で、4秒間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物を重合させ、配向状態を固定した。
作製した光学的異方性シートの配向性およびディスコティック液晶性化合物のディレクタ(光軸=円盤状コア平面の法線方向)を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、ディレクターは、配向膜のラビング方向と直交していた。また、エリプソメータを用いて、面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存性から平均傾斜角を求めたところ89゜であった。
【0162】
[参考例2〜15]
(光学的異方性シートの作製)
アクリル酸系コポリマー(その対イオン(中和剤)を含む)およびディスコティック液晶性化合物を第1表に示すように変更した以外は、参考例1と同様にして、光学的異方性シートを作製した。なお、アクリル酸系コポリマーの「X」は対イオン(中和剤)がトリエチルアミンであることを意味し、「Y」は対イオン(中和剤)がアンモニアであることを意味する。
作製した光学的異方性シートの配向性およびディスコティック液晶性化合物のディレクター(光軸=円盤状コア平面の法線方向)を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、ディレクターはいずれも配向膜のラビング方向と直交していた。
また、エリプソメータを用いて、面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存性から平均傾斜角を求めた。結果を第1表に示す。
【0163】
【表1】
【0164】
【化84】
【0165】
【化85】
【0166】
【化86】
【0167】
【化87】
【0168】
【化88】
【0169】
【化89】
【0170】
【化90】
【0171】
[実施例1〜28]
(光学的異方性シートの作製)
対イオンがアルカリ金属イオン(中和剤がアルカリ金属の水酸化物)であるアクリル酸系コポリマーを第2表に示すように用い、ディスコティック液晶性化合物を第2表に示すように変更した以外は、参考例1と同様にして、光学的異方性シートを作製した。なお、アクリル酸系コポリマーの「Na」は対イオン(中和剤)がナトリウムイオン(水酸化ナトリウム)であることを意味し、「K」は対イオン(中和剤)がカリウムイオン(水酸化カリウム)であることを意味し、「Li」は対イオン(中和剤)がリチウムイオン(水酸化リチウム)であることを意味し、「Cs」は対イオン(中和剤)がセシウムイオン(水酸化セシウム)であることを意味する。
作製した光学的異方性シートの配向性およびディスコティック液晶性化合物のディレクター(光軸=円盤状コア平面の法線方向)を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、ディレクターはいずれも配向膜のラビング方向と平行であった。
また、エリプソメータを用いて、面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存性から平均傾斜角を求めた。結果を第2表に示す。
【0172】
【表2】
【0173】
【表3】
【0174】
【化91】
【0175】
【化92】
【0176】
【化93】
【0177】
【化94】
【0178】
【化95】
【0179】
【化96】
【0180】
[実施例29]
(偏光板の作製)
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフイルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して偏光膜を得た。偏光膜の一方の面に、ケン化処理したロール状セルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)を、他方の面に実施例1で作製し同様にケン化処理したロール状光学的異方性シートの透明支持体面を、連続して貼り合わせ、偏光板を作製した。光学的異方性シートの遅相軸(ディスコティック液晶性分子の円盤面方向)と偏光膜の透過軸とは平行であった。言い換えると、ディスコティック液晶性分子の光軸と偏光膜の透過軸とは垂直であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
【図2】反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
【図3】ロール状偏光素子とロール状光学的異方性シートとの貼り合わせ工程を示す模式図である。
【図4】光学的異方性シートにおけるディスコティック液晶性分子の配向状態を示す模式図である。
【符号の説明】
BL バックライト
DLC ディスコティック液晶性分子
LD 長手方向
OA ディスコティック液晶性分子の光軸方向
RD 配向膜のラビング方向
RP 反射板
TA 偏光膜の透過軸
0 配向膜
1、1a、1b、1c 透明保護膜
2、2a、2b 偏光膜
3、3a、3b 透明支持体
4、4a、4b 光学的異方性層
5a 液晶セルの下基板
5b 液晶セルの上基板
6 棒状液晶性分子層
Claims (4)
- 支持体上に、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位とを含むコポリマーの溶液を塗布して塗布膜を形成する工程;塗布膜の表面をラビング処理して配向膜とする工程;そして、配向膜の上にディスコティック液晶性分子を含む塗布液を塗布する工程により、50乃至90度の平均傾斜角で、かつディスコティック液晶性分子の光軸の平均方向が配向膜のラビング方向に対して実質的に平行となるようにディスコティック液晶性分子を配向させる方法:
- L2、L3およびL4のうち、少なくとも一つがエチニレンである請求項1に記載のディスコティック液晶性分子を配向させる方法。
- ディスコティック液晶性分子が重合性基を有し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、ディスコティック液晶性分子を重合させて配向状態を固定する請求項1に記載のディスコティック液晶性分子を配向させる方法。
- コポリマーが重合性基を有し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、ディスコティック液晶性分子とコポリマーとを重合させて配向状態を固定する請求項3に記載のディスコティック液晶性分子を配向させる方法。
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