従来のケーブル用コネクタでは、第1及び第2接触部の接触圧のうち、一方の接触圧はアクチュエータを閉位置方向に回転させるモーメントとして働くものの、他方の接触圧はアクチュエータを開位置方向に回転させるモーメントとして働くため、アクチュエータを閉位置方向に回転させるモーメントが小さく、アクチュエータの閉位置での保持力を十分に確保し得ず、ケーブル接続時にアクチュエータが不用意に開く虞があった。これを防止するためには、アクチュエータを閉位置方向に回転させるモーメントとして働く接触圧を、アクチュエータを開位置方向に回転させるモーメントとして働く接触圧よりも極めて大きくする必要があるが、この場合、過大な接点圧によりハウジングへのFPCやFFC等のケーブルの挿入が行えなくなる。
従来のケーブル用コネクタでは、アクチュエータの係合カム部をコンタクトの枢支部とケーブルとの間に位置させ、アクチュエータを閉じた時に係合カム部でケーブルを接点部方向に押圧するために、アクチュエータの係合カム部を含む基端部は枢支部の先端に回転可能に係合されているだけで嵌合はできず、アクチュエータが外れ易いという欠点があった。この欠点を解決すべくアクチュエータの左右両端から突出形成する枢支軸をハウジングの左右両端に形成する軸受部に嵌合するだけの場合には、アクチュエータを閉じた時にこれが撓み変形するためにケーブルを各コンタクトの接点部に均等な力で押圧できず、接触信頼性を確保できない。また、アクチュエータをこの基端部を貫通する軸で回転可能に支持した場合には、アクチュエータを閉じた時の撓み変形は防止されるもののコネクタの部品点数及び組立工数が増加しコストアップを招く。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、アクチュエータを開閉する回転式のケーブル用コネクタにおいて、コンタクトの接点部の接触圧を必要以上に大きくすることなく、アクチュエータの閉位置での保持力を十分に確保し、ケーブル接続時のアクチュエータの不用意な開きを防止することにある。
第2の目的は、アクチュエータを開閉する回転式のケーブル用コネクタにおいて、アクチュエータの基端部をコンタクトの枢支部によって回転可能に嵌合支持することで、接触信頼性が確保できなくなることやコストアップを招く等の他の問題を発生することなく、アクチュエータが外れ易いという従来のケーブル用コネクタの欠点を解消し、またその際に、コネクタの組立て、特に、アクチュエータの取付けが困難にならないようにする。
上記の目的を達成するために本発明は、
(a)一面及び反対面を持つケーブルを受けるためのケーブル用コネクタであって、前記一面に対向する接点部と前記反対面に対向する枢支部とを持つコンタクトと、前記コンタクトを予め定められた方向に挿入し保持するハウジングと、前記ケーブルを前記ハウジングに受入れる開位置及び前記ハウジングに受入れた前記ケーブルを前記接点部方向に押圧する閉位置間で回転可能なアクチュエータとを有するケーブル用コネクタにおいて、
(b)前記コンタクトは、第1及び第2接点部と第1及び第2枢支部とを持ち相反する第1及び第2方向からハウジングに挿入し保持する第1及び第2コンタクトから成り、
(c)前記第1及び第2コンタクトの第1及び第2接点部はいずれも、前記アクチュエータを閉位置方向に回転させるモーメントを該アクチュエータに付与するように、該アクチュエータの回転軸芯の一側に片寄せて配置することを特徴とする。
本発明によれば、アクチュエータにはこれを閉位置方向に回転させるモーメントのみが付与されるので、従来のケーブル用コネクタに比べてアクチュエータをより大きいモーメントで閉保持できる。しかも、第1及び第2接点部による接触圧は大きくしなくてもそのままで、従来のケーブル用コネクタに比べてアクチュエータをより大きいモーメントで閉保持できる。
本発明では、(d)前記アクチュエータが開位置にある時には、前記ハウジングに挿入された前記ケーブルは、前記第1コンタクトの前記第1接点部で前記第1枢支部に押圧されて仮保持されると共に、
(e)前記第2コンタクトの前記第2接点部で前記ハウジングの仮保持部に押圧されて仮保持されることが好ましい(請求項2)。
このように、第1及び第2接点部はいずれも、アクチュエータとの間ではケーブルの仮保持を行わないことで、従来のケーブル用コネクタに比べてアクチュエータの開閉操作力を小さくでき、操作性の向上を図ることができるので有効である。
また、(f)前記第1コンタクトと前記第2コンタクトは、前記ハウジングの長手方向に向けて交互に所定ピッチで配置すると共に、
(g)前記第1接点部と前記第2接点部は、前記ハウジングの入口側と奥側の前後2列の千鳥状に配置されて、
(h)入口側の前記第1接点部の高さが奥部側の前記第2接点部の高さより低く設定されており、
(i)入口側の前記第1接点部は、前記ケーブル挿入時に前記第1枢支部に押圧可能な高さに設定されており、
(j)奥部側の前記第2接点部は、前記ケーブル挿入時に前記ハウジングの仮保持部に押圧可能な高さに設定されていることが好ましい(請求項3)。
このように、第1及び第2接点部はいずれも、アクチュエータとの間ではケーブルの仮保持を行わないことで、従来のケーブル用コネクタに比べてアクチュエータの開閉操作力を小さくでき、操作性の向上を図ることができるので有効である。また、奥部側の前記第2接点部とハウジングの仮保持部との間にケーブルの末端を挿入する前に、入口側の前記第1接点部と第1枢支部でケーブルの末端近傍を仮保持することで、奥部側の前記第2接点部とハウジングの仮保持部との間にケーブルの末端を適正に挿入できるようになるので有効である。
さらに、(k)前記アクチュエータの両端面先端部には係合突起が形成されると共に、
(l)前記ハウジングには、前記アクチュエータが閉位置に回動した時に前記係合突起を係合させる係合溝が形成されていることが好ましい(請求項4)。
このように、アクチュエータの閉位置でのロック手段を設けることで、従来のケーブル用コネクタに比べてアクチュエータを確実に閉保持できるので有効である。
また、(m)前記第1枢支部は、前記ケーブルと反対側となる上方に開いた凹部を有し先端に鉤形のフック部分を持ち、
(n)前記アクチュエータには、前記フック部分が下方から嵌り込む鉤形の第1溝部と、その鉤形の第1溝部の端部が閉じられた縦溝部分に隣接して前記凹部に上方から嵌り込む第1カム部とが、形成されており、
(o)前記第2枢支部は、前記アクチュエータの回転軸芯方向から見て前記凹部の開口部を閉じるように先端に直線部分を持ち、
(p)前記アクチュエータには、前記直線部分が嵌り込む鉤形の第2溝部と、その鉤形の第2溝部の貫通穴である縦溝部分に隣接して形成され前記直線部分と前記ケーブルとの間に位置する第2カム部とが、形成されており、
(q)第1及び第2カム部を形成するアクチュエータの基端部を第1及び第2コンタクトの第1及び第2枢支部によって回動可能に包囲・挟持することが好ましい(請求項5)。
このように、第1及び第2カム部を形成するアクチュエータの基端部を第1及び第2コンタクトの第1及び第2枢支部によって回動可能に包囲・挟持する。換言すれば、アクチュエータの基端部をコンタクトの枢支部によって回転可能に嵌合支持する。このため、接触信頼性が確保できなくなることやコストアップを招く等の他の問題を発生することなく、アクチュエータが外れ易いという従来のケーブル用コネクタの欠点を解消することができる。
また、コネクタの組立ては、先ず、第1コンタクトを第1の方向からハウジングに挿入し保持した後、第1枢支部にアクチュエータの基端部を上方から被せる。これにより、第1枢支部の凹部にアクチュエータの第1カム部が嵌り込み、同時にアクチュエータの第1溝部に第1枢支部のフック部分が嵌り込む。次いで、第2コンタクトを第2の方向からハウジングに挿入し保持する。これにより、第2枢支部の直線部分がアクチュエータの第2溝部に嵌り込み、第2カム部の上側に位置する。以上でアクチュエータの基端部をコンタクトの枢支部によって回転可能に嵌合支持するコネクタの組立てが完了する。このように、コネクタの組立て、特に、アクチュエータの取付けが困難にならない。
さらに、従来のケーブル用コネクタでは、コンタクトの枢支部をコネクタの使用時(ケーブル接続時)以上に組立時に弾性変位させてしまい、コンタクトを破損したり枢支部の弾性を低下させ、ケーブルと接点部との接触圧を適正に得られない不良品を発生させる虞があったが、本発明では、コネクタ組立時にコンタクトの枢支部に弾性変位を伴わないため、コンタクトの破損や枢支部の弾性低下による不良品の発生を防止できる。
以上から明らかなように本発明によれば、アクチュエータを開閉する回転式のケーブル用コネクタにおいて、コンタクトの接点部の接触圧を必要以上に大きくすることなく、アクチュエータの閉位置での保持力を十分に確保し、ケーブル接続時のアクチュエータの不用意な開きを防止することができるという利点を有する。
また、本発明によれば、アクチュエータを開閉する回転式のケーブル用コネクタにおいて、アクチュエータの基端部をコンタクトの枢支部によって回転可能に嵌合支持することができ、接触信頼性が確保できなくなることやコストアップを招く等の他の問題を発生することなく、アクチュエータが外れ易いという従来のケーブル用コネクタの欠点を解消でき、またその際に、コネクタの組立て、特に、アクチュエータの取付けが困難にならないという利点を有する。
以下、本発明によるケーブル用コネクタの実施の形態を、図1〜図9を参照して説明する。
ケーブル用コネクタ1は、FPCやFFC等の一面及び反対面を持つケーブル2を受入れるインシュレータである絶縁性のハウジング3と、ケーブル2の一面に対向する接点部4a,5aと反対面に対向する枢支部4b,5bを持ち、ハウジング3の内部に所定の等ピッチで左右方向(長手方向)に一列に並べられ、かつ、固定保持された多数の導電性のコンタクト4,5と、ケーブル2をハウジング3に受入れる図4,図6,図8に示した開位置及びハウジング3に受入れたケーブル2を接点部4a,5a方向に押圧する図1,図5,図7,図9に示した閉位置間で回転可能な回転式の操作子である絶縁性のアクチュエータ6とを含んで構成される。
ハウジング3は合成樹脂等の絶縁材料から成り、ケーブル2を前方、図4〜図9において左側方から受入れるための袋状のケーブル受入部3aを上下略中間部に形成する。ケーブル2はハウジング3の前方からケーブル受入部3aに挿入される。そのケーブル2の挿入端部の一面、図1,図4〜図9において下面には、所定の等ピッチで図示しない多数の導体が前後2列の千鳥状に露出する。また、ケーブル2の挿入端部の反対面、図1,図4〜図9において上面には、絶縁性の補強板7を備える。本明細書においては、便宜上、この補強板7も含めてケーブル2と呼ぶ。
また、ハウジング3の上壁の入口側(前側)略半分は取り除かれ、アクチュエータ6を収容する上方開口部3bに形成される。この上方開口部3bによりケーブル受入部3aはその入口側略半分がハウジング3の上方に開放された状態になる。
ハウジング3の上方開口部3bの両端部には軸受部3cとロック片3dを前後に隣接して形成する。ロック片3dは軸受部3cより入口側(前側)にてハウジング3の左右方向(長手方向)に弾性変位可能にハウジング3に一体形成された突片から成る。左右のロック片3dはハウジング3の左右方向で対向し、その対向する内面にはそれぞれ係合溝3eが形成される。このロック片3dと上方開口部3bの両端奥壁との間が上方を開放した軸受部3cになり、左右の軸受部3cもハウジング3の左右方向で対向する。
アクチュエータ6はハウジング3の上方開口部3bに収容可能な左右に長い板状の部材であり、このアクチュエータ6も合成樹脂等の絶縁材料から成る。アクチュエータ6の左右両端面の基端部には枢支軸6aが同一軸心O上でそれぞれ突出形成され、また、アクチュエータ6の左右両端面の先端部には枢支軸6aに隣接してロック用の係合突起6bがそれぞれ形成される。ハウジング3の上方よりアクチュエータ6の左右の枢支軸6aをハウジング3の左右の軸受部3cに嵌め込み、ハウジング3の上方開口部3bにアクチュエータ6を開閉(回転)自在に取付ける。アクチュエータ6は、図5,図7,図9に示した閉位置から図4,図6,図8に示した開位置まで回動する。本実施の形態ではアクチュエータ6は閉位置から図4〜図9において時計方向に90度を越えて約120度も開くようにしてある。アクチュエータ6は、閉位置にある時には略水平姿勢となりハウジング3の上方開口部3bに収容されてケーブル受入部3aの入口側略半分をハウジング3の上方に開放している上方開口部3bを閉じ、ケーブル2を接点部4a,5a方向、図4〜図9において下方に押圧する。また、この閉位置ではアクチュエータ6はロック片3dの弾性変位を伴ってその係合溝3eに係合突起6bを係合しており、閉位置でハウジング3にロックされる。つまり、アクチュエータ6が閉保持される。他方、開位置にある時にはハウジング3の上方開口部3bから後傾の起立姿勢で立ち上がり、ケーブル受入部3aの入口側略半分をハウジング3の上方に開放し、ハウジング3のケーブル受入部3aにケーブル2が挿入可能(受入れ可能)になる。
コンタクトは、第1コンタクト4と第2コンタクト5の2種類を備え、これら第1コンタクト4と第2コンタクト5がハウジング3の長手方向に沿って交互に配列される。第1コンタクト4及び第2コンタクト5はそれぞれ薄板金属を打抜き加工して形成する。第1コンタクト4と第2コンタクト5はそれぞれ相反する2方向からハウジング3に挿入され、固定保持される。詳しくは、ハウジング3には、第1コンタクト4を1本ずつハウジング3の前方(入口側)から後方(奥側)、図4において左から右方向の第1の方向Aに挿入・植設するための多数の第1の穴3fと、第2コンタクト5を1本ずつハウジング3の後方(奥側)から前方(入口側)、図6において右から左方向の第2の方向Bに挿入・植設するための多数の第2の穴3gとを、交互に、第1コンタクト4及び第2コンタクト5の配列ピッチに対応した所定の等ピッチでハウジング3の左右方向(長手方向)に配置・形成され、第1の穴3fと第2の穴3gを介して第1コンタクト4と第2コンタクト5を交互に、ハウジング3の内部に所定の等ピッチで左右方向(長手方向)に一列に並べて固定保持する。
第1コンタクト4は、上述したようにケーブル2の一面(下面)に対向する第1接点部4aと反対面(上面)に対向する第1枢支部4bを持つ。詳しくは、第1コンタクト4は、図4,図5,図8,図9に示す如く、ハウジング3のケーブル受入部3aより奥側で上下壁の間に嵌合される基部4cと、基部4cの下端からハウジング3の下壁に沿って入口側前面まで延出され、ケーブル受入部3aの下側に配設される下部分肢4dと、基部4cの上端からハウジング3の上壁に沿って上部開口部3bまで延出され、ケーブル受入部3aの上側に配設される上部分肢4eと、基部4cの上下中間部からハウジング3の入口側に向かって延出され、ケーブル受入部3aの下側に配設される上下方向に弾性変位可能な接点アーム4fとを一体に形成する。また、下分肢4dと上分肢4eは接点アーム4fを挟み、かつ、接点アーム4fとの間にそれぞれ間隔をあけて上下方向で対向する。そして、接点アーム4fの先端(自由端)は上方開口部3bの下側に延出し、その接点アーム4fの先端上部に山形の第1接点部4aが形成されると共に、上分肢4eの先端から第1枢支部4bが上下方向に弾性変位可能に延長形成されて上部開口部3bに突出する。第1接点部4aと第1枢支部4bもまた間隔をあけて対向する。接点アーム4fが自由状態の時には、第1接点部4aはケーブル受入部3aに下方から突出し、接点アーム4fと上分肢4eの間隔はケーブル2の厚さ寸法より大きく、かつ、第1接点部4aと第1枢支部4bの間隔はケーブル2の厚さ寸法より小さくなるように設定され、アクチュエータ6が開位置にある時にケーブル2を第1接点部4aと第1枢支部4bで仮保持するように構成する。さらに、第1枢支部4bにはケーブル2と反対側となる上方に開いた凹部4gを有し先端に鉤形のフック部分4hを持つ。また、第1コンタクト4にはこれをハウジング3の第1の穴3fに挿入・植設する時の上下ストッパー4i,4jを一体に形成する。上ストッパー4iは上分肢4eの先端部上縁から上向きに突出形成され、ハウジング3の上壁の前端に係合し、第1コンタクト4のハウジング3に対する最大挿入量を規制する。他方、下ストッパー4jは下分肢4dの先端部下縁から下向きに突出形成され、ハウジング3の下壁の前端に係合し、上ストッパー4iと同時に第1コンタクト4のハウジング3に対する最大挿入量を規制する。また、この下ストッパー4jは、コネクタ1の下面に突出させる表面実装用の半田付け部を兼ねており、この半田付け部4jは下部分肢4dの先端部から下方に向けて突出する。
第2コンタクト5は、上述したようにケーブル2の一面(上面)に対向する第2接点部5aと反対面(上面)に対向する第2枢支部5bを持つ。詳しくは、第2コンタクト5は、図6〜図9に示す如く、ハウジング3のケーブル受入部3aより奥側で上下壁の間に嵌合される基部5cと、基部5cの下端からハウジング3の下壁に沿って入口側前面まで延出され、ケーブル受入部3aの下側に配設される下部分肢5dと、基部5cの上端からハウジング3の上壁に沿って上部開口部3bまで延出され、ケーブル受入部3aの上側に配設される上部分肢5eと、下部分肢5dの先端で折り返されてハウジング3の奥側に後上がり傾斜状に延出される上下方向に弾性変位可能な接点アーム5fとを一体に形成する。また、下分肢5dと上分肢5eは接点アーム5fを挟み、かつ、接点アーム5fとの間にそれぞれ間隔をあけて上下方向で対向する。そして、接点アーム5fの先端部(自由部)はケーブル受入部3aに下側から突出し、その接点アーム5fの先端上部に山形の第2接点部5aが形成されると共に、上分肢5eの先端から第2枢支部5bが上下方向に弾性変位可能に直線状に延長形成されて上部開口部3bに突出する。ここで、ハウジング3には第2の穴3g内で、上分肢5eを上壁との間に挟み、かつ、ケーブル受入部3aの奥側略半分の天面を形成するような仮保持部部3hが一体に形成される。接点アーム5fが自由状態の時には、その接点アーム5fの傾斜によって基端部がケーブル受入部3aの下方に位置し先端部がケーブル受入部3aに下方から突出し、第2接点部5aを仮保持部部3hに対して下方から可及的に接近、又は軽く接触させるように設定され、アクチュエータ6が開位置にある時にケーブル2を第2接点部5aとハウジング3の仮保持部3hで仮保持するように構成する。さらに、図8,図9にも示す如く、第2枢支部5bはアクチュエータ6の回転軸芯O方向に見て第1枢支部4bの凹部4gの開口部を閉じるように先端に直線部分5gを持つ。また、第2コンタクト5にはこれをハウジング3の第2の穴3gに挿入・植設する時のストッパー5hを一体に形成する。ストッパー5hは基部5cの下縁から下向きに突出形成され、ハウジング3の下壁の後端に係合し、第2コンタクト5のハウジング3に対する最大挿入量を規制する。また、このストッパー5hは、コネクタ1の下面に突出させる表面実装用の半田付け部を兼ねており、この半田付け部5hは基部5cの下縁から下方に向けて突出する。
図8,図9に示す如く、ハウジング3の上方開口部3bに突出する第1枢支部4bと第2枢支部5bは、アクチュエータ6の回転軸芯O方向に見て、アクチュエータ6の左右の枢支軸6aの間の基端部を回転自在に嵌合支持するための軸受穴8を、上方開口部3bの両端の左右の軸受部3cの間に形成する。すなわち、図4〜図7にも示す如く、アクチュエータ6の基端部には、第1枢支部4bのフック部分4hが下方から嵌り込む鉤形の第1溝部6cが形成される。この第1溝部6cはアクチュエータ6の内面に沿う横溝部分の端部のみがアクチュエータ6の基端側面に開放され、アクチュエータ6の厚み方向の縦溝部分の端部はアクチュエータ6の外面には貫通せず閉じられる。アクチュエータ6の基端部にはまた、鉤形の第1溝部6cの端部が閉じられた縦溝部分に隣接してその基端側に第1枢支部4bの凹部4gに上方から嵌り込む第1カム部6dが形成される。この第1カム部6dには、アクチュエータ6が開位置にある時に第1枢支部4bの凹部4g底面に上方から当接し、アクチュエータ6を開位置に保持するスタンド用第1カム面6eと、アクチュエータ6が閉位置にある時に第1枢支部4bの凹部4g底面と間隔をあけて対向する回転案内用カム面6fとを連続して形成し、第1カム部6dを第1溝部6cを介して第1枢支部4bに回転可能に上載支持する。
さらに、アクチュエータ6の基端部には、第2枢支部5bの直線部分5gがハウジング3の奥側から嵌り込む鉤形の第2溝部6gが形成される。この第2溝部6gはアクチュエータ6の外面に沿う横溝部分の端部がアクチュエータ6の基端側面に開放され、アクチュエータ6の厚さ方向の縦溝部分はアクチュエータ6の内外面に貫通する貫通穴である。アクチュエータ6の基端部にはまた、鉤形の第2溝部6gの貫通穴である縦溝部分に隣接してその基端側に形成され、第2枢支部5bの直線部分5gとケーブル2との間に位置する第2カム部6hが形成される。この第2カム部6hには、アクチュエータ6が開位置にある時に第2枢支部5bの直線部分5gの下縁に下方から当接し、アクチュエータ6を開位置に保持するスタンド用第2カム面6iと、アクチュエータ6が閉位置にある時に第2枢支部5bの直線部分5gの下縁に下方から当接し、アクチュエータ6を閉位置に保持する閉保持用カム面6jとをアイドルカム面6kを介して連続して形成し、第2カム部6hを第2溝部6gを介して第2枢支部5bに回転可能に下方から接触させる。また、第2枢支部5bの直線部分5gとケーブル2との間に位置する第2カム部6hは、アクチュエータ6が開位置にある時にケーブル2との間に隙間をあけて上下方向で対向し、ケーブル2に対して非接触状態に保持するように形成する。さらに、アクチュエータ6が閉位置にある時にケーブル2と対向するアクチュエータ6の内面基端部には、ケーブル2を下方に押圧するケーブル押圧部6nが形成される。このケーブル押圧部6nはアクチュエータ6の内面における各第1溝部6cの間の第2溝部6gの開口縁部にそれぞれ突出形成され、アクチュエータ6が閉位置にある時にケーブル2に対向する第2カム部6hの内端面にケーブル押圧部6nを連続形成する。
そして、アクチュエータ6の左右の枢支軸6aの間の基端部は第1溝部6c及び第1カム部6dと第2溝部6g及び第2カム部6hがアクチュエータ6の長手方向に沿って交互に配置・形成されて構成され、このように構成されたアクチュエータ6の左右の枢支軸6aの間の基端部が、ハウジング3の上方開口部3bに突出する第1枢支部4bと第2枢支部5bによりアクチュエータ6の回転軸芯O方向に見て包囲・挟持され、つまり、ハウジング3の上方開口部3bに突出する第1枢支部4bと第2枢支部5bにより形成された軸受穴8により回転自在に嵌合支持することができる。
アクチュエータ6の内面先端部にはアクチュエータ6を開操作する際に指先を引っ掛けるための窪み部6mを形成する。
ところで、ハウジング3の長手方向に沿って交互に配列された第1コンタクト4と第2コンタクト5の第1接点部4aと第2接点部5aに位置関係についてさらに説明すると、第1接点部4aと第2接点部5aは、ケーブル2の挿入端部の一面(下面)に所定の等ピッチで前後2列の千鳥状に露出する導体と接触可能に、ハウジング3の入口側と奥側の前後2列に千鳥状に配置される。また、入口側の第1接点部4aの高さが奥部側の第2接点部5aの高さより低く設定されており、入口側の第1接点部4aはケーブル挿入時にケーブル2を第1枢支部4bに押圧可能な高さに設定され、奥部側の第2接点部5aはケーブル挿入時にケーブル2をハウジング3の仮保持部3hに押圧可能な高さに設定される。第1接点部4aと第2接点部5aはさらにいずれもアクチュエータ6の回転軸芯Oよりもハウジング3の一側(奥部側)に片寄せて配置し、接点アーム4f,5fの弾性復帰力、つまり第1接点部4aと第2接点部5aのケーブル2の導体に対する接触圧をアクチュエータ6を閉位置方向に回転させるモーメントとして該アクチュエータ6に付与するように構成する。
次に、上記のように構成されたコネクタ1の組立て方法について説明する。
先ず、第1コンタクト4を第1の方向Aからハウジング3の各第1の穴3fに1本ずつ挿入・植設し、ハウジング3の内部に固定保持した後、ハウジング3の上方開口部3bに突出する第1枢支部4bにアクチュエータ6の基端部を上方から被せるようにして、ハウジング3の上方よりアクチュエータ6をハウジング3の上方開口部3bに嵌め込み、閉状態で収容する。これにより、アクチュエータ6の左右の枢支軸6aがハウジング3の左右の軸受部3cに上方から嵌り込むと共に、第1枢支部4bの凹部4gにアクチュエータ6の第1カム部6dが上方から嵌り込み、同時にアクチュエータ6の第1溝部6cに第1枢支部4bのフック部分4hは下方から嵌り込む。次いで、第2コンタクト5を第2の方向Bからハウジング3の各第2の穴3gに1本ずつ挿入・植設し、ハウジング3の内部に固定保持する。これにより、第1コンタクト4と第2コンタクト5がハウジング3の長手方向に沿って交互に配列される。この時に、第2コンタクト5の挿入に伴って第2枢支部5bの直線部分5gがアクチュエータ6の第2溝部6gに嵌り込み、第2カム部6hの上側に乗り上がって位置する。以上でアクチュエータ6の基端部を第1及び第2コンタクト4,5の第1及び第2枢支部4b,5bにより形成された軸受穴8に回転可能に嵌合支持するコネクタ1の組立てが完了し、図1,図4〜9に示すコネクタ1を得ることができる。
次に、上記のように構成されたコネクタ1の使用方法について説明する。
コネクタ1は基板に表面実装されることで、第1コンタクト4の半田付け部4j及び第2コンタクト5の半田付け部5hが基板の導体と半田付けされて電気的に接続された状態で基板に固定される。そして、コネクタ1にケーブル2を接続するには、先ず、図1,図4,図6に示す如く、コネクタ1の前方にケーブル2を位置させた状態において、閉位置にあるアクチュエータ6を上方向に回動させて閉位置にて起立させ、図4,図6,図8に示す如く、ハウジング3のケーブル受入部3aがケーブ2を受入れ可能な状態にする。この状態からケーブル2の末端をケーブル受入部3aに挿入する。ケーブル受入部3aに挿入されたケーブル2は先ず、第2コンタクト5の接点アーム5fの基端部とアクチュエータ6の第2カム部6hとの間並びに第1コンタクト4の第1接点部4aと第1枢支部4bとの間を略同時に通過する。この時、第2コンタクト5の接点アーム5fの基端部とアクチュエータ6の第2カム部6hとの間ではこの間隔がケーブル2の厚さ寸法より大きいために、ケーブル2は厚さ方向の押圧をうけることなく、つまり、仮保持されることなく第2コンタクト5の接点アーム5fの基端部とアクチュエータ6の第2カム部6hとの間を通過するが、第1コンタクト4の第1接点部4aと第1枢支部4bとの間ではこの間隔がケーブル2の厚さ寸法より小さいために、ケーブル2は第1接点部4a及び接点アーム4fの下向きの弾性変位を伴って通過するようになる。これにより、ケーブル2が第1接点部4aにより第1枢支部4bに押圧され、第1接点部4aと第1枢支部4bの間で仮保持される。ケーブル2は次いで、第2コンタクト5の第2接点部5aとハウジング3の仮保持部3hの間を通過する。この時、第2コンタクト5の第2接点部5aとハウジング3の仮保持部3hとの間にはこの間隔がケーブル2の厚さ寸法より小さく、かつ、隙間が無いために、ケーブル2は第2接点部5a及び接点アーム5fの下向きの弾性変位を伴って通過するようになる。これにより、ケーブル2が第2接点部5aによりハウジング3の仮保持部3hに押圧され、第2接点部5aとハウジング3の仮保持部3hの間で仮保持される。そして、ケーブル2は第2コンタクト5の第2接点部5aとハウジング3の仮保持部3hの間を通過した後、末端がケーブル受入部3aの最奥部に至り、第1接点部4aと第1枢支部4bの間並びに第2接点部5aとハウジング3の仮保持部3hの間の2箇所で仮保持された状態でハウジング3のケーブル受入部3aに受入れられる。
上記ケーブル受入れ状態で、アクチュエータ6を図4〜図9において反時計方向に、左右両端部の枢支軸6a及びこの間の第1カム部6d,第2カム部6hを含むアクチュエータ6の基端部を回転中心として回動させ、図1,図5,図7,図9に示す如く、ハウジング3の上方開口部3bに収容される開位置にて略水平姿勢に寝かせ、ケーブル受入部3aの入口側略半分をハウジング3の上方に開放している上方開口部3bを閉じる。これにより、アクチュエータ6の内面のケーブル押圧部6n、つまり第2枢支部5bの直線部分5gにより下方に付勢される第2カム部6hの内端面にでケーブル2を下方に押圧する。これにより、第1コンタクト4の第1接触部4aが接触アーム4fの更なる下向きの弾性変位を伴って下方に移動し、ケーブル2の導体は第1接触部4aと所定の接触圧力で圧接され電気的な接続が得られ、また、第2コンタクト5の第2接触部5aとはケーブル受入れ状態で所定の接触圧力で圧接され電気的な接続が得られており、ケーブル接続状態になる。このケーブル接続状態は、アクチュエータ6の係合突起6bとハウジング3のロック片3dに有する係合溝3eとの係合によるアクチュエータ6の閉保持(閉位置でのロック)により維持される。
以上から明らかなように、ケーブル用コネクタ1は、一面及び反対面を持つケーブル2を受けるためのケーブル用コネクタであって、前記一面に対向する接点部4a,5aと前記反対面に対向する枢支部4b,5bとを持つコンタクト4,5と、前記コンタクト4,5を予め定められた方向A,Bに挿入し保持するハウジング3と、前記ケーブル2を前記ハウジング3に受入れる開位置及び前記ハウジング3に受入れた前記ケーブル2を前記接点部4a,5a方向に押圧する閉位置間で回転可能なアクチュエータ6とを有する。
そして、前記コンタクト4,5は、第1及び第2接点部4a,5aと第1及び第2枢支部4b,5bとを持ち相反する第1及び第2方向A,Bからハウジング3に挿入し保持する第1及び第2コンタクト4,5から成り、前記第1及び第2コンタクト4,5の第1及び第2接点部4a,5aはいずれも、前記アクチュエータ6を閉位置方向に回転させるモーメントを該アクチュエータ6に付与するように、該アクチュエータ6の回転軸芯Oの一側に片寄せて配置する。これによれば、アクチュエータ6にはこれを閉位置方向に回転させるモーメントのみが付与されるので、従来のケーブル用コネクタに比べてアクチュエータ6をより大きいモーメントで閉保持できる。しかも、第1及び第2接点部4a,5aによる接触圧は大きくしなくてもそのままで、従来のケーブル用コネクタに比べてアクチュエータ6をより大きいモーメントで閉保持できる。このため、アクチュエータ6を開閉する回転式のケーブル用コネクタ1において、コンタクト4,5の接点部4a,5aの接触圧を必要以上に大きくすることなく、アクチュエータ6の閉位置での保持力を十分に確保し、ケーブル接続時のアクチュエータ6の不用意な開きを防止することができる。
また、前記アクチュエータ6が開位置にある時には、前記ハウジング3に挿入された前記ケーブル2は、前記第1コンタクト4の前記第1接点部4aで前記第1枢支部4bに押圧されて仮保持されると共に、前記第2コンタクト5の前記第2接点部5aで前記ハウジング3の仮保持部3hに押圧されて仮保持される。このように、第1及び第2接点部4a,4bはいずれも、アクチュエータ6との間ではケーブル2の仮保持を行わないことで、従来のケーブル用コネクタに比べてアクチュエータ6の開閉操作力を小さくでき、操作性の向上を図ることができる。
また、前記第1コンタクト4と前記第2コンタクト5は、前記ハウジング3の長手方向に向けて交互に所定ピッチで配置すると共に、前記第1接点部4aと前記第2接点部5aは、前記ハウジング3の入口側と奥側の前後2列の千鳥状に配置されて、入口側の前記第1接点部4aの高さが奥部側の前記第2接点部5aの高さより低く設定されており、入口側の前記第1接点部4aは、前記ケーブル挿入時に前記第1枢支部4bに押圧可能な高さに設定されており、奥部側の前記第2接点部5aは、前記ケーブル挿入時に前記ハウジング3の仮保持部3hに押圧可能な高さに設定される。このように、第1及び第2接点部4a,5aはいずれも、アクチュエータ6との間ではケーブル2の仮保持機能を行わないことで、従来のケーブル用コネクタに比べてアクチュエータ6の開閉操作力を小さくでき、操作性の向上を図ることができる。また、奥部側の前記第2接点部5aとハウジング3の仮保持部3hとの間にケーブル2の末端を挿入する前に、入口側の前記第1接点部4aと第1枢支部4bでケーブル2の末端近傍を仮保持することで、奥部側の前記第2接点部5aとハウジング3の仮保持部3hとの間にケーブル2の末端を適正に挿入できる。
また、前記アクチュエータ6の両端面先端部には係合突起6bが形成されると共に、前記ハウジング3には、前記アクチュエータ6が閉位置に回動した時に前記係合突起6bを係合させる係合溝3eが形成される。このように、アクチュエータ6の閉位置でのロック手段を設けることで、従来のケーブル用コネクタに比べてアクチュエータ6を確実に閉保持できる。
さらに、前記コンタクト4,5は、第1及び第2接点部4a,5aと第1及び第2枢支部4b,5bとを持ち相反する第1及び第2方向A,Bからハウジング3に挿入し保持する第1及び第2コンタクト4,5から成り、前記第1枢支部4bは、前記ケーブル2と反対側となる上方に開いた凹部4gを有し先端に鉤形のフック部分4hを持ち、前記アクチュエータ6には、前記フック部分4hが下方から嵌り込む鉤形の第1溝部6cと、その鉤形の第1溝部6cの端部が閉じられた縦溝部分に隣接して前記凹部4gに上方から嵌り込む第1カム部6dとが形成されており、前記第2枢支部5bは、前記アクチュエータ6の回転軸芯O方向から見て前記凹部4gの開口部を閉じるように先端に直線部分5gを持ち、前記アクチュエータ6には、前記直線部分5gが嵌り込む鉤形の第2溝部6gと、その鉤形の第2溝部6gの貫通穴である縦溝部分に隣接して形成され前記直線部分5gと前記ケーブル2との間に位置する第2カム部6hとが形成されており、第1及び第2カム部6d,6hを形成するアクチュエータ6の基端部を第1及び第2コンタクト4,5の第1及び第2枢支部4b,5bによって回動可能に包囲・挟持する。このように、第1及び第2カム部6d,6hを形成するアクチュエータ6の基端部を第1及び第2コンタクト4,5の第1及び第2枢支部4b,5bによって回動可能に包囲・挟持する。換言すれば、アクチュエータ6の基端部をコンタクト4,5の枢支部4b,5bによって回転可能に嵌合支持する。このため、接触信頼性が確保できなくなることやコストアップを招く等の他の問題を発生することなく、アクチュエータ6が外れ易いという従来のケーブル用コネクタの欠点を解消することができる。また、コネクタ1の組立ては、先ず、第1コンタクト4を第1の方向Aからハウジング3に挿入し保持した後、第1枢支部4bにアクチュエータ6の基端部を上方から被せる。これにより、第1枢支部4bの凹部4gにアクチュエータ6の第1カム部6dが嵌り込み、同時にアクチュエータ6の第1溝部6cに第1枢支部4bのフック部分4hが嵌り込む。次いで、第2コンタクト5を第2の方向Bからハウジング3に挿入し保持する。これにより、第2枢支部5bの直線部分5gがアクチュエータ6の第2溝部6gに嵌り込み、第2カム部6hの上側に位置する。以上でアクチュエータ6の基端部をコンタクト4,5の枢支部4b,5bによって回転可能に嵌合支持するコネクタ1の組立てが完了する。このように、コネクタ1の組立て、特に、アクチュエータ6の取付けが困難にならない。さらに、従来のケーブル用コネクタでは、コンタクトの枢支部をコネクタの使用時(ケーブル接続時)以上に組立時に弾性変位させてしまい、コンタクトを破損したり枢支部の弾性を低下させ、ケーブルと接点部との接触圧を適正に得られない不良品を発生させる虞があったが、上記構成によりコネクタ組立時にコンタクト4,5の枢支部4b,5bに弾性変位を伴わないため、コンタクト4,5の破損や枢支部4b,5bの弾性低下による不良品の発生を防止できる。而して、アクチュエータ6を開閉する回転式のケーブル用コネクタ1において、アクチュエータ6の基端部をコンタクト4,5の枢支部4b,5bによって回転可能に嵌合支持することができ、接触信頼性が確保できなくなることやコストアップを招く等の他の問題を発生することなく、アクチュエータ6が外れ易いという従来のケーブル用コネクタの欠点を解消でき、またその際に、コネクタ1の組立て、特に、アクチュエータ6の取付けが困難にならない。
ところで、本実施の形態で示したケーブル用コネクタ1においては、アクチュエータ(操作子)6は、枢支部とケーブルとの間に位置するカム部6hと、このカム部6hに隣接して貫通形成された穴6gとを有するが、前記枢支部5bは凹部を有していないし、カム部6hと係合もしていない。
また、アクチュエータ(操作子)6は、開位置とハウジング(インシュレータ)3に挿入されたケーブルをコンタクトに圧接させた状態に保持する閉位置との間で回動可能でああるが、開位置では前記ハウジング(インシュレータ)3に挿入されたケーブルをコンタクトと協働して仮保持しない。
また、複数個のコンタクト4,5を備えるが、その接触部4a,5aはアクチュエータ(操作子)6の枢支軸6a(回転軸芯O)の両側には配置していない。
また、枢支部は、先端にフック部分4hを有するものの、アクチュエータ6には、先端にフック部分4hを有する枢支部が挿入される貫通穴は形成されていない。
千鳥状に配列されたコンタクトのうちハウジング(インシュレータ)3のケーブル入口側に配列された入口側コンタクト4の高さが奥部側コンタクト5の高さより低く設定され、奥部側コンタクトは、ケーブルの挿入時にハウジングと協働してケーブルを保持するものの、入口側コンタクトの高さは、ケーブル挿入時に該ケーブルに非接触状態の高さに設定されていない。
千鳥状に配列されたコンタクトのうちハウジング(インシュレータ)3のケーブル入口側に配列された入口側コンタクト4の高さが奥部側コンタクト5の高さより低く設定されるものの、前記入口側コンタクト4と前記奥部側コンタクト5のピッチ方向において隔絶する前記ハウジングの分離壁3i(図2,図4〜図7参照)には段差は設けていない。