JP4316044B2 - 冷凍機油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍機油組成物に関し、さらに詳しくは、優れた潤滑性能を有し、特にアルミニウム材と鉄材との摩擦部分において、油性領域と極圧領域のどちらかの領域において良好な摩擦・摩耗低減効果を示すことができ、環境汚染をもたらさないR134a等の非塩素系フロン冷媒を用いた冷凍機の潤滑油として好適な冷凍機油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、圧縮型冷凍機は少なくとも圧縮機,凝縮器,膨張機構(膨張弁など),蒸発器、あるいは更に乾燥器から構成され、冷媒と潤滑油の混合液体がこの密閉された系内を循環する構造となっている。このような圧縮型冷凍機においては、冷媒として、従来ジクロロジフルオロメタン(R12)やクロロジフルオロメタン(R22)などが多く用いられ、また潤滑油としては、種々の鉱油や合成油が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、R12やR22は、成層圏に存在するオゾン層を破壊するなど環境汚染をもたらすおそれがあることから、最近、世界的にその規制が厳しくなりつつある。そのため、新しい冷媒としてハイドロフルオロカーボンなどの非塩素系フロン化合物が注目されるようになった。この非塩素系フロン化合物、特にR134aに代表されるハイドロフルオロカーボンは、オゾン層を破壊するおそれがない上、従来からの冷凍機の構造をほとんど変更することなく、R12等と代替が可能であるなど、圧縮型冷凍機油として好ましいものである。
【0004】
この新しい代替フロン系冷媒は、従来のフロン系冷媒とは性質を異にし、それと併用される冷凍機油としては、例えば特定の構造を有するポリアルキレングリコール,ポリエステル,ポリオールエステル,ポリカーボネート,ポリビニルエーテル,アルキルベンゼンなどを基油とし、これに各種添加剤を配合したものが有用であることが知られている。
【0005】
しかし、これらの冷凍機油は、上記の冷媒雰囲気下では潤滑性能に劣り、特に空調用冷凍機用コンプレッサーのアルミニウム材と鉄材との間の摩耗を増大させ、実用上大きな問題となっている。この空調用冷凍機用コンプレッサーにはロータリータイプ,スクロールタイプ及びレシプロタイプがあり、アルミニウム材と鉄材の摩擦部分は、ロータリータイプでは軸受部、スクロールタイプではオルダムリング部、レシプロタイプではコンロッド(アルミ)/ピストンピン(鋼)部などがある。潤滑条件でみると、軸受部やオルダムリング部は、比較的面圧が低い潤滑部で潤滑油の油性効果が発揮できる領域(以下、油性領域という。)で、コロンロッド/ピストンピン部は、比較的面圧が高く潤滑油の極圧性能が要求される領域(以下、極圧領域という。)である。したがって、冷凍機油としては、できるだけ広範囲に対応できる仕様が望まれるため、少なくとも油性領域と極圧領域のどちらかの領域において良好な摩擦・摩耗低減効果を示す添加剤の開発が望まれている。それを満足する潤滑性向上剤として、ソルビタンモノオレートが提案されているが、油性領域において摩擦を低減させる効果はあるものの、体積抵抗が小さいという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、体積抵抗が大きく、かつ優れた潤滑性能を有し、特にアルミニウム材と鉄材との摩擦部分において、油性領域と極圧領域のどちらかの領域において良好な摩擦低減効果を示すことができ、環境汚染をもたらさないR134a等の非塩素系フロン冷媒を用いた冷凍機の潤滑油として好適な冷凍機油組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、いろいろな効果ある添加剤を見出し本発明を完成したものである。すなわち、本発明は、鉱油及び/又は合成油からなる基油に、(b)アセチレン系グリコールのアルキレンオキサイド付加物、(d)下記一般式(V)
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、R6 は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R7 は炭素数1〜4のアルキル基、mは1〜4の整数を示す。)
で表される有機酸類及び(e)脂肪酸アミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を配合してなる冷凍機油組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の冷凍機油組成物においては、基油として鉱油及び/又は合成油が用いられる。この鉱油や合成油については、一般に冷凍機油の基油として用いられているものであればよく、特に制限はないが、40℃における動粘度が2〜500mm2 /s、特に5〜200mm2 /s、とりわけ10〜100mm2 /sの範囲にあるものが好適である。また、この基油の低温流動性の指標である流動点については−10℃以下であるのが望ましい。
【0011】
このような鉱油,合成油は各種のものがあり、用途などに応じて適宜選定すればよい。鉱油としては、例えばパラフィン系鉱油,ナフテン系鉱油,中間基系鉱油などが挙げられ、一方合成油としては、含酸素系合成油及び炭化水素系合成油などが挙げられる。
合成油の中で、含酸素系合成油としては、分子中にエーテル基,ケトン基,エステル基,カーボネート基,ヒドロキシル基などを含有する合成油、さらにはこれらの基とともにヘテロ原子(S,P,F,Cl,Si,Nなど)を含有する合成油が挙げられ、具体的には、▲1▼ポリビニルエーテル,▲2▼ポリオールエステル,▲3▼ポリアルキレングリコール,▲4▼ポリエステル,▲5▼カーボネート誘導体,▲6▼ポリエーテルケトン,▲7▼フッ素化油などである。
【0012】
上記含酸素系合成油については、最後に詳細に説明する。
炭化水素系合成油としては、例えばポリ−α−オレフィンなどのオレフィン系重合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどを挙げることができる。
本発明の冷凍機油組成物においては、基油として前記鉱油を一種用いても二種以上を組み合わせて用いてもよく、また前記合成油を一種用いても二種以上を組み合わせて用いてもよく、あるいは鉱油一種以上と合成油一種以上を組み合わせて用いてもよい。合成油が鉱油よりも好ましいが、特に含酸素系合成油がR134aなどのフロン冷媒との相溶性がよく、かつ潤滑性能に優れ好適である。中でも、ポリビニルエーテル,ポリオールエステル,ポリアルキレングリコールが好適である。
【0013】
次に、基油に配合される(a)〜(f)成分について説明する。
(a)成分
(a)成分の酸性リン酸エステル類としては、下記一般式(I)(II)
【0014】
【化5】
【0015】
(式中、R1 及びR2 は炭素数4〜30のアルキル基,アルケニル基,アルキルアリール基及びアリールアルキル基を示し、同一でも異なっていてもよい。)
で表される正リン酸エステルと下記一般式(III)
【0016】
【化6】
【0017】
(式中、R3 及びR4 は炭素数4〜30のアルキル基,アルケニル基,アルキルアリール基及びアリールアルキル基を示し、同一でも異なっていてもよい。)
で表される亜リン酸エステルがある。
正リン酸エステルは上記一般式(I)のジエステルと一般式(II)のモノエステルの混合物である。具体的には、例えば,2−エチルヘキシルアシッドホスフェート,エチルアシッドホスフェート,ブチルアシッドホスフェート,オレイルアシッドホスフェート,テトラコシルアシッドホスフェート,イソデシルアシッドホスフェート,ラウリルアシッドホスフェート,トリデシルアシッドホスフェート,ステアリルアシッドホスフェート,イソステアリルアシッドホスフェートなどを挙げることができる。
【0018】
亜リン酸エステルとしては、具体的には例えばジブチルハイドロゲンホスファイト,ジラウリルハイドロゲンホスファイト,ジオレイルハイドロゲンホスファイト,ジステアリルハイドロゲンホスファイト,ジフェニルハイドロゲンホスファイトなどを挙げることができる。
以上の酸性リン酸エステル類の中で、例えば2−エチルヘキシルアシッドホスフェート,ステアリルアシッドホスフェート,オレイルアシッドホスフェートなどを挙げることができる。
【0019】
さらに、これらとアミン塩を形成するアミン類としては、例えば下記一般式(IV)
R5 n NH3-n ・・・(IV)
(式中、R5 は炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基,炭素数6〜30のアリール基もしくはアリールアルキル基又は炭素数2〜30のヒドロキシアルキル基を示し、nは1,2又は3を示す。また、R5 が複数ある場合、複数のR5 は同一でも異なっていてもよい。)
で表されるモノ置換アミン、ジ置換アミン又はトリ置換アミンが挙げられる。上記一般式(IV)におけるR5 のうちの炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基は、直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよい。
【0020】
ここで、モノ置換アミンの例としては、ブチルアミン,ペンチルアミン,ヘキシルアミン,シクロヘキシルアミン,オクチルアミン,ラウリルアミン,ステアリルアミン,オレイルアミン,ベンジルアミン,モノエタノールアミン,モノプロパノールアミンなどを挙げることができ、ジ置換アミンの例としては、ジブチルアミン,ジペンチルアミン,ジヘキシルアミン,ジシクロヘキシルアミン,ジオクチルアミン,ジラウリルアミン,ジステアリルアミン,ジオレイルアミン,ジベンジルアミン,ステアリル・モノエタノールアミン,デシル・モノエタノールアミン,ヘキシル・モノプロパノールアミン,ベンジル・モノエタノールアミン,フェニル・モノエタノールアミン,トリル・モノプロパノールなどを挙げることができる。また、トリ置換アミンの例としては、トリブチルアミン,トリペンチルアミン,トリヘキシルアミン,トリシクロヘキシルアミン,トリオクチルアミン,トリラウリルアミン,トリステアリルアミン,トリオレイルアミン,トリベンジルアミン,ジオレイル・モノエタノールアミン,ジラウリル・モノプロパノールアミン,ジオクチル・モノエタノールアミン,ジヘキシル・モノプロパノールアミン,ジブチル・モノプロパノールアミン,オレイル・ジエタノールアミン,ステアリル・ジプロパノールアミン,ラウリル・ジエタノールアミン,オクチル・ジプロパノールアミン,ブチル・ジエタノールアミン,ベンジル・ジエタノールアミン,フェニル・ジエタノールアミン,トリル・ジプロパノールアミン,キシリル・ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,トリプロパノールアミンなどを挙げることができる。
【0021】
上記の(a)成分は、一種又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(a)成分の配合量は、組成物全量基準で0.001〜1重量%である。この配合量が少なすぎると、本発明の目的の効果を十分に発揮できず、多すぎると、その量の割には効果の向上がみられず、また基油に対する溶解性が低下する。好ましい配合量は0.003〜0.05重量%の範囲である。
【0022】
(b)成分
(b)成分のアセチレン系グリコールのアルキレンオキサイド付加物において、アセチレン系グリコールとして、2−ブチン−1,4−ジオール、3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシル−2,5−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールなどを挙げることができる。そのアセチレン系グリコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加して、40℃における動粘度を10〜200mm2 /s(好ましくは30〜100mm2 )の範囲に、水酸基価を100〜300mgKOH/gの範囲に調整したものを使用すればよい。
【0023】
上記の(b)成分は、一種又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(b)成分の配合量は、組成物全量基準で0.01〜5重量%である。この配合量が少なすぎると、本発明の目的の効果を十分に発揮できず、多すぎると、その量の割には効果の向上がみられず、また基油に対する溶解性が低下する。好ましい配合量は0.1〜2重量%の範囲である。
【0024】
(c)成分
(c)成分の脂肪酸のカリウム塩またはナトリウム塩の脂肪酸としては、炭素数12〜24のものを好適に挙げることができる。
炭素数12〜24の脂肪酸としては、直鎖状,分岐鎖状でもよく、また飽和,不飽和でもよい。
直鎖状の飽和脂肪酸として、具体的には、ラウリン酸,トリデシル酸,ミリスチン酸,ペンタデシル酸,パルミチン酸,マルガリン酸,ステアリン酸,ノナデシル酸,アラキン酸,ベヘン酸,リグノセリン酸などを挙げることができる。
【0025】
直鎖状の不飽和脂肪酸として、具体的には、リンデル酸,5−ラウロレイン酸,ツズ酸,ミリストレイン酸,ゾーマリン酸,ペトロセリン酸,オレイン酸,エライジン酸,コドイン酸,エルカ酸,セラコレイン酸などを挙げることができる。
分岐鎖状の飽和脂肪酸として、具体的には、各種メチルウンデカン酸,各種プロピルノナン酸,各種メチルドデカン酸,各種プロピルデカン酸,各種メチルトリデカン酸,各種メチルテトラデカン酸,各種メチルペンタデカン酸,各種エチルテトラデカン酸,各種メチルヘキサデカン酸,各種プロピルテトラデカン酸,各種エチルヘキサデカン酸,各種メチルヘプタデカン酸,各種ブチルテトラデカン酸,各種メチルオクタデカン酸,各種エチルオクタデカン酸,各種メチルノナデカン酸,各種エチルオクタデカン酸,各種メチルエイコ酸酸,各種プロピルオクタデカン酸,各種ブチルオクタデカン酸,各種メチルドコサン酸,各種ペンチルオクタデカン酸,各種メチルトリコサン酸,各種エチルドコサン酸,各種プロピルヘキサエイコサン酸,各種ヘキシルオクタデカン酸;4,4−ジメチルデカン酸;2−エチル−3−メチルノナン酸;2,2−ジメチル−4−エチルオクタン酸;2−プロピル−3−メチルノナン酸;2,3−ジメチルドデカン酸;2−ブチル−3−メチルノナン酸;3,7,11−トリメチルドデカン酸;4,4−ジメチルテトラデカン酸;2−ブチル−2−ペンチルヘプタン酸;2,3−ジメチルテトラデカン酸;4,8,12−トリメチルトリデカン酸;14,14−ジメチルペンタデカン酸;3−メチル−2−ヘプチルノナン酸;2,2−ジペンチルヘプタン酸;2,2−ジメチルヘキサデカン酸;2−オクチル−3−メチルノナン酸;2,3−ジメチルヘプタデカン酸;2,4−ジメチルオクタデカン酸;2−ブチル−2−ヘプチルノナン酸;20,20−ジメチルヘンエイコ酸などを挙げることができる。
【0026】
分岐鎖状の不飽和脂肪酸として、5−メチル−2−ウンデセン酸,2−メチル−2−ドデセン酸,5−メチル−2−トリデセン酸,2−メチル−9−オクタデセン酸,2−エチル−9−オクタデセン酸,2−プロピル−9−オクタデセン酸,2−メチル−2−エイコセン酸などを挙げることができる。上記の脂肪酸の中で、ステアリン酸,オレイン酸,16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)などが好ましい。
【0027】
上記の(c)成分は、一種又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(c)成分の配合量は、組成物全量基準で0.01〜5重量%である。この配合量が少なすぎると、本発明の目的の効果を十分に発揮できず、多すぎると、その量の割には効果の向上がみられず、また基油に対する溶解性が低下する。好ましい配合量は0.05〜2重量%の範囲である。
(d)成分
(d)成分は、下記一般式(V)で表される有機酸類である。
【0028】
【化7】
【0029】
R6 は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基であるが、中でも炭素数10〜20のアルキル基又は炭素数10〜20のアルケニル基が好ましい。R7 は炭素数1〜4のアルキル基であるが、中でもメチル基が好ましい。mは1〜4の整数であるが、中でも1が好ましい。この有機酸類のうち好ましい具体例として、N−オレオイルサルコシン,N−ステアロイルサルコシン,N−パルミトイルサルコシン,N−ミリストイルサルコシン,N−ラウロイルサルコシンなどを挙げることができる。
【0030】
上記の(d)成分は、一種又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(d)成分の配合量は、組成物全量基準で0.01〜5重量%である。この配合量が少なすぎると、本発明の目的の効果を十分に発揮できず、多すぎると、その量の割には効果の向上がみられず、また基油に対する溶解性が低下する。好ましい配合量は0.05〜2重量%の範囲である。
【0031】
(e)成分
(e)成分の脂肪酸アミドの脂肪酸としては、炭素数12〜24のものを好適に挙げることができる。その脂肪酸の具体例として、前記(c)成分と同様なものを挙げることができる。
上記の(e)成分は、一種又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(e)成分の配合量は、組成物全量基準で0.01〜5重量%である。この配合量が少なすぎると、本発明の目的の効果を十分に発揮できず、多すぎると、その量の割には効果の向上がみられず、また基油に対する溶解性が低下する。好ましい配合量は0.1〜2重量%の範囲である。
【0032】
本発明の冷凍機油組成物には、必要に応じ公知の各種添加剤、例えばトリクレジホスフェートなどの極圧剤;フェノール系,アミン系の酸化防止剤;さらにはフェニルグリシジルエーテル,シクロヘキセンオキシド,エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物などの酸捕捉剤;ベンゾトリアゾール,ベンゾトリアゾール誘導体などの銅不活性化剤;シリコーン油,フッ化シリコーン油などの消泡剤などを適宜配合することができる。
【0033】
本発明の冷凍機油組成物が適用される冷凍機に用いられる冷媒としては、ハイドロフルオロカーボン系,フルオロカーボン系,ハイドロカーボン系,エーテル系,二酸化炭素系又はアンモニア系冷媒が用いられるが、これらの中でハイドロフルオロカーボン系冷媒が好ましい。このハイドロフルオロカーボン系冷媒としては、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a),ジフルオロメタン(R32),ペンタフルオロエタン(R125)及び1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)が好ましく、これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのハイドロフルオロカーボンは、オゾン層を破壊するおそれがなく、圧縮冷凍機用冷媒として好ましいものである。また、混合冷媒の例としては、R32とR125とR134aとの重量比23:25:52の混合物(以下、R407Cと称する。),重量比25:15:60の混合物,R32とR125との重量比50:50の混合物(以下、R410Aと称する。),R32とR125との重量比45:55の混合物(以下、R410Bと称する。),R125とR143aとR134aとの重量比44:52:4の混合物(以下、R404Aと称する。),R125とR143aとの重量比50:50の混合物(以下、R507と称する。)などを挙げることができる。
【0034】
最後に、基油として使用する含酸素系合成油について詳述する。
前記▲1▼のポリビニルエーテルとしては、例えば一般式(VI)
【0035】
【化8】
【0036】
(式中、R8 〜R10はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R11は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R12は炭素数1〜20の炭化水素基、aはその平均値が0〜10の数を示し、R8 〜R12は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよく、またR11Oが複数ある場合には、複数のR11Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物(1)を挙げることができる。
また、上記一般式(VI)で表される構成単位と、下記一般式(VII)
【0037】
【化9】
【0038】
(式中、R13〜R16は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、またR13〜R16は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよい。)
で表される構成単位とを有するブロック又はランダム共重合体からなるポリビニルエーテル化合物(2)も使用することができる。また、上記ポリビニルエーテル系化合物(1)とポリビニルエーテル系化合物(2)との混合物からなるポリビニルエーテル系化合物(3)も使用することができる。
【0039】
前記一般式(VI)におけるR8 〜R10はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。ここで炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,各種メチルシクロヘキシル基,各種エチルシクロヘキシル基,各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基,各種メチルフェニル基,各種エチルフェニル基,各種ジメチルフェニル基のアリール基、ベンジル基,各種フェニルエチル基,各種メチルベンジル基のアリールアルキル基を挙げることができる。なお、これらのR8 〜R10としては、特に水素原子が好ましい。
【0040】
一方、前記一般式(VI)中のR11は、炭素数1〜10、好ましくは2〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を示すが、ここで炭素数1〜10の二価の炭化水素基とは、具体的にはメチレン基;エチレン基;フェニルエチレン基;1,2−プロピレン基;2−フェニル−1,2−プロピレン基;1,3−プロピレン基;各種ブチレン基;各種ペンチレン基;各種ヘキシレン基;各種ヘプチレン基;各種オクチレン基;各種ノニレン基;各種デシレン基の二価の脂肪族基、シクロヘキサン;メチルシクロヘキサン;エチルシクロヘキサン;ジメチルシクロヘキサン;プロピルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素に2個の結合部位を有する脂環式基、各種フェニレン基;各種メチルフェニレン基;各種エチルフェニレン基;各種ジメチルフェニレン基;各種ナフチレン基などの二価の芳香族炭化水素基、トルエン;キシレン;エチルベンゼンなどのアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分と芳香族部分にそれぞれ一価の結合部位を有するアルキル芳香族基、キシレン;ジエチルベンゼンなどのポリアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分に結合部位を有するアルキル芳香族基などを挙げることができる。これらの中で炭化数2〜4の脂肪族基が特に好ましい。
【0041】
また、炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基の具体例としては、メトキシメチレン基;メトキシエチレン基;メトキシメチルエチレン基;1,1−ビスメトキシメチルエチレン基;1,2−ビスメトキシメチルエチレン基;エトキシメチルエチレン基;(2−メトキシエトキシ)メチルエチレン基;(1−メチル−2−メトキシ)メチルエチレン基などを好適に挙げることができる。なお、前記一般式(VI)におけるaはR11Oの繰り返し数を示し、その平均値が0〜10、好ましくは0〜5の範囲の数である。R11Oが複数ある場合には、複数のR11Oは同一でも異なっていてもよい。
【0042】
さらに、前記一般式(VI)におけるR12は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基を示すが、この炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,各種メチルシクロヘキシル基,各種エチルシクロヘキシル基,各種プロピルシクロヘキシル基,各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基,各種メチルフェニル基,各種エチルフェニル基,各種ジメチルフェニル基,各種プロピルフェニル基,各種トリメチルフェニル基,各種ブチルフェニル基,各種ナフチル基などのアリール基、ベンジル基,各種フェニルエチル基,各種メチルベンジル基,各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基のアリールアルキル基などを挙げることができる。
【0043】
このポリビニルエーテル系化合物(1)は、前記一般式(VI)で表される構成単位を有するものであるが、その繰り返し数(重合度)は、所望する動粘度に応じ適宜選択すればよい。また、該ポリビニルエーテル系化合物は、その炭素/酸素モル比が3.5〜7.0の範囲にあるものが好ましい。該モル比が3.5未満では、吸湿性が高くなる場合があり、また7.0を超えると、冷媒との相溶性が低下する場合がある。
【0044】
また、ポリビニルエーテル系化合物(2)は、前記一般式(VI)で表される構成単位と前記一般式(VII)で表される構成単位とを有するブロック又はランダム共重合体からなるものであって、該一般式(VII)において、R13〜R16は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基としては、前記一般式(VI)におけるR12の説明において例示したものと同じものを挙げることができる。なお、R13〜R16は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよい。
【0045】
前記一般式(VI)で表される構成単位と前記一般式(VII)で表される構成単位とを有するブロックまたはランダム共重合体からなるポリビニルエーテル系化合物(2)の重合度は、所望する動粘度に応じて適宜選択すればよい。また、このポリビニルエーテル系化合物は、その炭素/酸素モル比が3.5〜7.0の範囲にあるものが好ましい。該モル比が3.5未満では、吸湿性が高くなる場合があり、また7.0を超えると、冷媒との相溶性が低下する場合がある。
【0046】
さらに、ポリビニルエーテル化合物(3)は、前記ポリビニルエーテル系化合物(1)と前記ポリビニルエーテル系化合物(2)との混合物からなるものであるが、その混合割合については特に制限はない。
本発明に用いられるポリビニルエーテル系化合物(1)及び(2)は、それぞれ対応するビニルエーテル系モノマーの重合、及び対応するオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーと、対応するビニルエーテル系モノマーとの共重合により製造することができる。ここで用いることができるビニルエーテル系モノマーは、下記一般式(VIII)
【0047】
【化10】
【0048】
(式中、R8 〜R12及びaは、前記と同じである。)
で表されるものである。このビニルエーテル系モノマーとしては、上記ポリビニルエーテル系化合物(1),(2)に対応する各種のものがあるが、例えばビニルメチルエーテル;ビニルエチルエーテル;ビニル−n−プロピルエーテル;ビニル−イソプロピルエーテル;ビニル−n−ブチルエーテル;ビニル−イソブチルエーテル;ビニル−sec−ブチルエーテル;ビニル−tert−ブチルエーテル;ビニル−n−ペンチルエーテル;ビニル−n−ヘキシルエーテル;ビニル−2−メトキシエチルエーテル;ビニル−2−エトキシエチルエーテル;ビニル−2−メトキシ−1−メチルエチルエーテル;ビニル−2−メトキシ−2−メチルエーテル;ビニル−3,6−ジオキサヘプチルエーテル;ビニル−3,6,9−トリオキサデシルエーテル;ビニル−1,4−ジメチル−3,6−ジオキサヘプチルエーテル;ビニル−1,4,7−トリメチル−3,6,9−トリオキサデシルエーテル;ビニル−2,6−ジオキサ−4−ヘプチルエーテル;ビニル−2,6,9−トリオキサ−4−デシルエーテル;1−メトキシプロペン;1−エトキシプロペン;1−n−プロポキシプロペン;1−イソプロポキシプロペン;1−n−ブトキシプロペン;1−イソブトキシプロペン;1−sec−ブトキシプロペン;1−tert−ブトキシプロペン;2−メトキシプロペン;2−エトキシプロペン;2−n−プロポキシプロペン;2−イソプロポキシプロペン;2−n−ブトキシプロペン;2−イソブトキシプロペン;2−sec−ブトキシプロペン;2−tert−ブトキシプロペン;1−メトキシ−1−ブテン;1−エトキシ−1−ブテン;1−n−プロポキシ−1−ブテン;1−イソプロポキシ−1−ブテン;1−n−ブトキシ−1−ブテン;1−イソブトキシ−1−ブテン;1−sec−ブトキシ−1−ブテン;1−tert−ブトキシ−1−ブテン;2−メトキシ−1−ブテン;2−エトキシ−1−ブテン;2−n−プロポキシ−1−ブテン;2−イソプロポキシ−1−ブテン;2−n−ブトキシ−1−ブテン;2−イソブトキシ−1−ブテン;2−sec−ブトキシ−1−ブテン;2−tert−ブトキシ−1−ブテン;2−メトキシ−2−ブテン;2−エトキシ−2−ブテン;2−n−プロポキシ−2−ブテン;2−イソプロポキシ−2−ブテン;2−n−ブトキシ−2−ブテン;2−イソブトキシ−2−ブテン;2−sec−ブトキシ−2−ブテン;2−tert−ブトキシ−2−ブテンなどを挙げることができる。
これらのビニルエーテル系モノマーは公知の方法により製造することができる。
また、オレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーは、下記一般式(IX)
【0049】
【化11】
【0050】
(式中、R13〜R16は前記と同じである。)
で表されるものであり、該モノマーとしては、例えばエチレン,プロピレン,各種ブテン,各種ペンテン,各種ヘキセン,各種ヘプテン,各種オクテン,ジイソブチレン,トリイソブチレン,スチレン,各種アルキル置換スチレンなどを挙げることができる。
【0051】
本発明に用いられるポリビニルエーテル系化合物としては、次の末端構造を有するもの、すなわちその一つの末端が、一般式(X)又は(XI)
【0052】
【化12】
【0053】
(式中、R17〜R19は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R17〜R19はたがいに同一でも異なっていてもよく、R22〜R25は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R22〜R25はたがいに同一でも異なっていてもよい。R20は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R21は炭素数1〜20の炭化水素基、bはその平均値が0〜10の数を示し、R20Oが複数ある場合には、複数のR20Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表され、かつ残りの末端が一般式(XII)又は(XIII)
【0054】
【化13】
【0055】
(式中、R26〜R28は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R26〜R28はたがいに同一でも異なっていてもよく、R31〜R34は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R31〜R34はたがいに同一でも異なっていてもよい。R29は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R30は炭素数1〜20の炭化水素基、cはその平均値が0〜10の数を示し、R29Oが複数ある場合には、複数のR29Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するもの、及びその一つの末端が、上記一般式(X)又は(XI)で表され、かつ残りの末端が一般式(XIV)
【0056】
【化14】
【0057】
(式中、R35〜R37は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するものが好ましい。
このようなポリビニルエーテル系化合物の中で、特に次に挙げるものが本発明の冷凍機油組成物の基油として好適である。
(1)その一つの末端が一般式(X)又は(XI)で表され、かつ残りの末端が一般式(XII)又は(XIII)で表される構造を有し、一般式(VI)におけるR8 〜R10が共に水素原子、aが0〜4の数、R11が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR12が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(2)一般式(VI)で表される構成単位のみを有するものであって、その一つの末端が一般式(X)で表され、かつ残りの末端が一般式(XII)で表される構造を有し、一般式(VI)におけるR8 〜R10が共に水素原子、aが0〜4の数、R11が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR12が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
【0058】
(3)その一つの末端が一般式(X)又は(XI)で表され、かつ残りの末端が一般式(XIV)で表される構造を有し、一般式(VI)におけるR8 〜R10が共に水素原子、aが0〜4の数、R11が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR12が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(4)一般式(VI)で表される構成単位のみを有するものであって、その一つの末端が一般式(X)で表され、かつ残りの末端が一般式(XIII)で表される構造を有し、一般式(VI)におけるR8 〜R10が共に水素原子、aが0〜4の数、R11が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR12が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
また、本発明においては、前記一般式(VI)で表される構成単位を有し、その一つの末端が一般式(X)で表され、かつ残りの末端が一般式(XV)
【0059】
【化15】
【0060】
(式中、R38〜R40は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R41及びR43はそれぞれ炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R42及びR44はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、d及びeはそれぞれその平均値が0〜10の数を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、また複数のR41Oがある場合には複数のR41Oは同一でも異なっていてもよいし、複数のR43Oがある場合には複数のR43Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。さらに、本発明においては、下記一般式(XVI)又は(XVII)
【0061】
【化16】
【0062】
(式中、R45は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
で表される構成単位からなり、かつ重量平均分子量が300〜3,000(好ましくは300〜2,000)であって、片方の末端が一般式(XVIII)又は(XIX)
【0063】
【化17】
【0064】
(式中、R46は炭素数1〜3のアルキル基、R47は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
で表される構造を有するアルキルビニルエーテルの単独重合体又は共重合体からなるポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。
また、下記一般式(XX)
【0065】
【化18】
【0066】
(式中、R48は炭素数1〜3の分子内にエーテル結合を有するもしくは有しない炭化水素基を示す。)
で表される構成単位(A)を有するポリビニルエーテル単独重合体、又は構成単位(A)と下記一般式(XXI)
【0067】
【化19】
【0068】
(式中、R49は炭素数3〜20の分子内にエーテル結合を有するもしくは有しない炭化水素基を示す。)
で表される構成単位(B)とを有するポリビニルエーテル共重合体〔但し、構成単位(A)のR48及び(B)のR49は同一ではない。〕が特に好適に使用される。R48が炭素数1〜3のアルキル基、R49が炭素数3〜20のアルキル基の場合がより好ましく、特にR48がエチル基の場合の単独重合体やR48がメチル基又はエチル基、R49が炭素数3〜6のアルキル基の場合の共重合体の場合が好適で、中でもR48がエチル基、R49がイソブチル基の場合の共重合体が最適で、その場合構成単位(A)と構成単位(B)との割合は、モル比で95:5〜50:50の範囲が好ましく、95:5〜70:30の範囲がより好ましい。なお、該共重合体は、ランダム体でもブロック体でもよい。
【0069】
前記のポリビニルエーテル系化合物は、前記したモノマーをラジカル重合,カチオン重合,放射線重合などによって製造することができる。例えばビニルエーテル系モノマーについては、以下に示す方法を用いて重合することにより、所望の粘度の重合物が得られる。
【0070】
重合の開始には、ブレンステッド酸類,ルイス酸類又は有機金属化合物類に対して、水,アルコール類,フェノール類,アセタール類又はビニルエーテル類とカルボン酸との付加物を組み合わせたものを使用することができる。
ブレンステッド酸類としては、例えばフッ化水素酸,塩化水素酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,硝酸,硫酸,トリクロロ酢酸,トリフルオロ酢酸などが挙げられる。ルイス酸類としては、例えば三フッ化ホウ素,三塩化アルミニウム,三臭化アルミニウム,四塩化スズ,二塩化亜鉛,塩化第二鉄などが挙げられ、これらのルイス酸類の中では、特に三フッ化ホウ素が好適である。また、有機金属化合物としては、例えばジエチル塩化アルミニウム,エチル塩化アルミニウム,ジエチル亜鉛などが挙げられる。
【0071】
これらと組み合わせる水,アルコール類,フェノール類,アセタール類又はビニルエーテル類とカルボン酸との付加物は任意のものを選択することができる。
ここで、アルコール類としては、例えばメタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール,ブタノール,イソブタノール,sec−ブタノール,tert−ブタノール,各種ペンタノール,各種ヘキサノール,各種ヘプタノール,各種オクタノールなどの炭素数1〜20の飽和脂肪族アルコール、アリルアルコールなどの炭素数3〜10の不飽和脂肪族アルコールなどが挙げられる。
【0072】
ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物を使用する場合のカルボン酸としては、例えば酢酸;プロピオン酸;n−酪酸;イソ酪酸;n−吉草酸;イソ吉草酸;2−メチル酪酸;ピバル酸;n−カプロン酸;2,2−ジメチル酪酸;2−メチル吉草酸;3−メチル吉草酸;4−メチル吉草酸;エナント酸;2−メチルカプロン酸;カプリル酸;2−エチルカプロン酸;2−n−プロピル吉草酸;n−ノナン酸;3,5,5−トリメチルカプロン酸;カプリル酸;ウンデカン酸などが挙げられる。
【0073】
また、ビニルエーテル類は重合に用いるものと同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。このビニルエーテル類と該カルボン酸との付加物は、両者を混合して0〜100℃程度の温度で反応させることにより得られ、蒸留などにより分離し、反応に用いることができるが、そのまま分離することなく反応に用いることもできる。
【0074】
ポリマーの重合開始末端は、水,アルコール類,フェノール類を使用した場合は水素が結合し、アセタール類を使用した場合は水素又は使用したアセタール類から一方のアルコキシ基が脱離したものとなる。またビニルエーテル類とカルボン酸との付加物を使用した場合には、ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物からカルボン酸部分由来のアルキルカルボニルオキシ基が脱離したものとなる。
【0075】
一方、停止末端は、水,アルコール類,フェノール類,アセタール類を使用した場合には、アセタール,オレフィン又はアルデヒドとなる。またビニルエーテル類とカルボン酸との付加物の場合は、ヘミアセタールのカルボン酸エステルとなる。
このようにして得られたポリマーの末端は、公知の方法により所望の基に変換することができる。この所望の基としては、例えば飽和の炭化水素,エーテル,アルコール,ケトン,ニトリル,アミドなどの残基を挙げることができるが、飽和の炭化水素,エーテル及びアルコールの残基が好ましい。
【0076】
前記一般式(VIII)で表されるビニルエーテル系モノマーの重合は、原料や開始剤の種類にもよるが、−80〜150℃の間で開始することができ、通常は−80〜50℃の範囲の温度で行うことができる。また、重合反応は反応開始後10秒から10時間程度で終了する。
この重合反応における分子量の調節については、前記一般式(VIII)で表されるビニルエーテル系モノマーに対し、水,アルコール類,フェノール類,アセタール類及びビニルエーテル類とカルボン酸との付加物の量を多くすることで平均分子量の低いポリマーが得られる。さらに上記ブレンステッド酸類やルイス酸類の量を多くすることで平均分子量の低いポリマーが得られる。
【0077】
この重合反応は、通常溶媒の存在下に行われる。該溶媒については、反応原料を必要量溶解し、かつ反応に不活性なものであればよく特に制限はないが、例えばヘキサン,ベンゼン,トルエンなどの炭化水素系、及びエチルエーテル,1,2−ジメトキシエタン,テトラヒドロフランなどのエーテル系の溶媒を好適に使用することができる。なお、この重合反応はアルカリを加えることによって停止することができる。重合反応終了後、必要に応じて通常の分離・精製方法を施すことにより、目的とする一般式(VI)で表される構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物が得られる。
【0078】
本発明に用いるポリビニルエーテル系化合物は、前記したように炭素/酸素モル比が3.5〜7.0の範囲にあるのが好ましいが、原料モノマーの炭素/酸素モル比を調節することにより、該モル比が前記範囲にあるポリマーを製造することができる。すなわち、炭素/酸素モル比が大きいモノマーの比率が大きければ、炭素/酸素モル比の大きなポリマーが得られ、炭素/酸素モル比の小さいモノマーの比率が大きければ、炭素/酸素モル比の小さなポリマーが得られる。
【0079】
また、上記ビニルエーテル系モノマーの重合方法で示したように、開始剤として使用する水,アルコール類,フェノール類,アセタール類及びビニルエーテル類とカルボン酸との付加物と、モノマー類との組合せによっても可能である。重合するモノマーより炭素/酸素モル比が大きいアルコール類,フェノール類などを開始剤として使用すれば、原料モノマーより炭素/酸素モル比の大きなポリマーが得られ、一方、メタノールやメトキシエタノールなどの炭素/酸素モル比の小さなアルコール類を用いれば、原料モノマーより炭素/酸素モル比の小さなポリマーが得られる。
【0080】
さらに、ビニルエーテル系モノマーとオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーとを共重合させる場合には、ビニルエーテル系モノマーの炭素/酸素モル比より炭素/酸素モル比の大きなポリマーが得られるが、その割合は、使用するオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーの比率やその炭素数により調節することができる。
【0081】
前記▲2▼のポリオールエステルとしては、少なくとも2個の水酸基を含む多価ヒドロキシ化合物のカルボン酸エステルが挙げられ、例えば一般式(XXII)
R50〔OCOR51〕f ・・・(XXII)
(式中、R50は炭化水素基、R51は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基、fは2〜6の整数を示し、複数の−OCOR51は同一でも異なっていてもよい。)
で表されるものを用いることができる。
【0082】
上記一般式(XXII)において、R50は炭化水素基を示し、直鎖状,分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数2〜10のアルキル基である。R51は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜16のアルキル基である。
上記一般式(XXII)で表されるポリオールエステルは、下記一般式(XXIII)
R50(OH)f ・・・(XXIII)
(式中、R50及びfは前記と同じである。)
で表される多価アルコールと、下記一般式(XXIV)
R51COOH ・・・(XXIV)
(式中、R51は前記と同じである。)
で表されるカルボン酸又はそのエステルや酸ハライドなどの反応性誘導体とを反応させることにより得ることができる。
【0083】
上記一般式(XXIII)で表される多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ネオペンチレングリコール,トリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,グリセリン,ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,ソルビトールなどを挙げることができる。
【0084】
一方、(XXIV)で表されるカルボン酸としては、例えばプロピオン酸,酪酸,ピバリン酸,吉草酸,カプロン酸,ヘプタン酸,3−メチルヘキサン酸,2−エチルヘキサン酸,カプリル酸,ペラルゴン酸,カプリン酸,ラウリル酸,ミリスチン酸,パルミチン酸などを挙げることができる。
【0085】
前記▲3▼のポリアルキレングリコールとしては、下記の一般式(XXV)
R52−〔(OR53)g −OR54〕h ・・・(XXV)
(式中、R52は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアシル基又は結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、R53は炭素数2〜4のアルキレン基、R54は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基、hは1〜6の整数、gはg×hの平均値が6〜80となる数を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
【0086】
上記一般式(XXV)において、R52,R54におけるアルキル基は直鎖状,分岐,鎖状,環状のいずれであってもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基などを挙げることができる。このアルキル基の炭素数が10を超えると冷媒との相溶性が低下し、相分離を生じる場合がある。好ましいアルキル基の炭素数は1〜6である。
【0087】
また、R52,R54における該アシル基のアルキル基部分は直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれであってもよい。該アシル基のアルキル基部分の具体例としては、上記アルキル基の具体例として挙げた炭素数1〜9の種々の基を同様に挙げることができる。該アシル基の炭素数が10を超えると冷媒との相溶性が低下し、相分離を生じる場合がある。好ましいアシル基の炭素数は2〜6である。
【0088】
R52及びR54が、いずれもアルキル基又はアシル基である場合には、R52とR54はたがいに同一でも異なっていてもよい。
さらにhが2以上の場合には、1分子中の複数のR54は同一でも異なっていてもよい。
R52が結合部位2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である場合、この脂肪族炭化水素基は鎖状のものでも環状のものであってもよい。結合部位2個を有する脂肪族炭化水素基としては、例えばエチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基,オクチレン基,ノニレン基,デシレン基,シクロペンチレン基,シクロヘキシレン基などを挙げることができる。また、結合部位3〜6個を有する脂肪族炭化水素基としては、例えばトリメチロールプロパン,グリセリン,ペンタエリスリトール,ソルビトール;1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキサン;1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどの多価アルコールから水酸基を除いた残基を挙げることができる。
【0089】
この脂肪族炭化水素基の炭素数が10を超えると冷媒との相溶性が低下し、相分離が生じる場合がある。好ましい炭素数は2〜6である。
前記一般式(XXV)中のR53は炭素数2〜4のアルキレン基であり、繰り返し単位のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基,オキシプロピレン基,オキシブチレン基を挙げることができる。1分子中のオキシアルキレン基は同一であってもよいし、2個以上のオキシアルキレン基が含まれていてもよいが、1分子中に少なくともオキシプロピレン単位を含むものが好ましく、特にオキシアルキレン単位中に50モル%以上のオキシプロピレン単位を含むものが好適である。なお、2個以上のオキシアルキレン基が含まれる場合はランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
【0090】
前記一般式(XXV)中のhは1〜6の整数で、R52の結合部位の数に応じて定められる。例えばR52がアルキル基やアシル基の場合、hは1であり、R52が結合部位2,3,4,5及び6個を有する脂肪族炭化水素基である場合、hはそれぞれ2,3,4,5及び6となる。また、gはg×hの平均値が6〜80となる数であり、g×hの平均値が前記範囲を逸脱すると本発明の目的は十分に達せられない場合がある。
【0091】
前記一般式(XXV)で表されるポリアルキレングリコールは、末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールを包含するものであり、該水酸基の含有量が全末端基に対して、50モル%以下になるような割合であれば、含有していても好適に使用することができる。この水酸基の含有量が50モル%を超えると吸湿性が増大し、粘度指数が低下する場合がある。
【0092】
前記一般式(XXV)で表されるポリアルキレングリコールとしては、ポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノメチルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル,及びポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、さらにはポリオキシプロピレングリコールジアセテートなどが、経済性及び効果の点で好適である。
前記▲4▼のポリエステルとしては、例えば一般式(XXVI)
【0093】
【化20】
【0094】
(式中、R55は炭素数1〜10のアルキレン基,R56は炭素数2〜10のアルキレン基又は炭素数4〜20のオキサアルキレン基を示す。)
で表される構成単位を有し、かつ分子量が300〜2,000である脂肪族ポリエステル誘導体を挙げることができる。
【0095】
この一般式(XXVI)中のR55は炭素数1〜10のアルキレン基を示すが、具体的にはメチレン基,エチレン基,プロピレン基,エチルメチレン基,1,1−ジメチルエチレン基,1,2−ジメチルエチレン基,n−ブチルエチレン基,イソブチルエチレン基,1−エチル−2−メチルエチレン基,1−エチル−1−メチルエチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基などを挙げることができるが、好ましくは炭素数6以下のアルキレン基である。また、R56は炭素数2〜10のアルキレン基又は炭素数4〜20のオキサアルキレン基を示す。アルキレン基は、具体的にはR55の具体例(但し、メチレン基を除く)と同様であり、好ましくは炭素数2〜6のアルキレン基であり、オキサアルキレン基は具体的には、3−オキサ−1,5−ペンチレン基;3,6−ジオキサ−1,8−オクチレン基;3,6,9−トリオキサ−1,11−ウンデシレン基;3−オキサ−1,4−ジメチル−1,5−ペンチレン基;3,6−ジオキサ−1,4,7−トリメチル−1,8−オクチレン基;3,6,9−トリオキサ−1,4,7,10−テトラメチル−1,11−ウンデシレン基;3−オキサ−1,4−ジエチル−1,5−ペンチレン基;3,6−ジオキサ−1,4,7−トリエチル−1,8−オクチレン基;3,6,9−トリオキサ−1,4,7,10−テトラエチル−1,11−ウンデシレン基;3−オキサ−1,1,4,4−テトラメチル−1,5−ペンチレン基;3,6−ジオキサ−1,1,4,4,7,7−ヘキサメチル−1,8−オクチレン基;3,6,9−トリオキサ−1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,11−ウンデシレン基;3−オキサ−1,2,4,5−テトラメチル−1,5−ペンチレン基;3,6−ジオキサ−1,2,4,5,7,8−ヘキサメチル−1,8−オクチレン基;3,6,9−トリオキサ−1,2,4,5,7,8,10,11−オクタメチル−1,11−ウンデシレン基;3−オキサ−1−メチル−1,5−ペンチレン基;3−オキサ−1−エチル−1,5−ペンチレン基;3−オキサ−1,2−ジメチル−1,5−ペンチレン基;3−オキサ−1−メチル−4−エチル−1,5−ペンチレン基;4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチル−1,7−ヘプチレン基;4,8−ジオキサ−2,2,6,6,10,10−ヘキサメチル−1,11−ウンデシレン基などを挙げることができる。なお、R55,R56は構成単位毎に同じでも異なっていてもよい。
【0096】
さらに、前記一般式(XXVI)で表される脂肪族ポリエステル誘導体は、分子量(GPCによる測定値)が300〜2,000であることが望ましい。ここで分子量が300未満のものでは、動粘度が小さすぎ、また2,000を超えるものではワックス状となり、いずれも冷凍機油として好ましくない。
このようなポリエステルについては、国際公開公報WO91/07479号公報に詳細に記載されたものをいずれも使用することができる。
前記▲5▼のカーボネート誘導体としては、例えば一般式(XXVII)
【0097】
【化21】
【0098】
(式中、R57及びR59は、それぞれ炭素数30以下の炭化水素基又は炭素数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R58は炭素数2〜24のアルキレン基、iは1〜100の整数、jは1〜10の整数を示す。)
で表されるポリカーボネートを挙げることができる。
【0099】
上記一般式(XXVII)において、R57及びR59は、それぞれ炭素数30以下の炭化水素基又は炭素数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基であって、炭素数30以下の炭化水素基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基;各種ノニル基;各種デシル基;各種ウンデシル基;各種ドデシル基,各種トリデシル基,各種テトラデシル基,各種ペンタデシル基,各種ヘキサデシル基,各種ヘプタデシル基,各種オクタデシル基,各種ノナデシル基,各種エイコシル基などの脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基,1−シクロヘキセニル基,メチルシクロヘキシル基,ジメチルシクロヘキシル基,デカヒドロナフチル基,トリシクロデカニル基などの脂環式炭化水素基、フェニル基,各種トリル基,各種キシリル基,メシチル基,各種ナフチル基などの芳香族炭化水素基、ベンジル基,メチルベンジル基,フェニルエチル基,1−メチル−1−フェニルエチル基,スチリル基,シンナミル基などの芳香脂肪族炭化水素基などを挙げることができる。
【0100】
また、炭素数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基としては、例えば一般式(XXVIII)
−(R60−O)k −R61 ・・・(XXVIII)
〔式中、R60は炭素数2又は3のアルキレン基(エチレン基,プロピレン基,トリメチレン基)、R61は炭素数28以下の脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素基(R57及びR59の具体例で挙げた基と同様のもの)、kは1〜20の整数を示す。〕
で表されるグリコールエーテル基、具体的にはエチレングリコールモノメチルエーテル基,エチレングリコールモノブチルエーテル基,ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル基,トリエチレングリコールモノエチルエーテル基,プロピレングリコールモノメチルエーテル基,プロピレングリコールモノブチルエーテル基,ジプロピレングリコールモノエチルエーテル基,トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル基などを挙げることができる。R57及びR59については、これらの中では、n−ブチル基;イソブチル基;イソアミル基;シクロヘキシル基;イソヘプチル基;3−メチルヘキシル基;1,3−ジメチルブチル基;ヘキシル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基などのアルキル基、エチレングリコールモノメチルエーテル基,エチレングリコールモノブチルエーテル基,ジエチレングリコールモノメチルエーテル基,トリエチレングリコールモノメチルエーテル基,プロピレングリコールモノメチルエーテル基,プロピレングリコールモノブチルエーテル基,ジプロピレングリコールモノエチルエーテル基,トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル基などのアルキレングリコールモノアルキルエーテル基などが好ましい。
【0101】
また、前記一般式(XXVII)において、R58は炭素数2〜24のアルキレン基であり、具体例としてはエチレン基,プロピレン基,ブチレン基,アミレン基,メチルアミレン基,エチルアミレン基,ヘキシレン基,メチルヘキシレン基,エチルヘキシレン基,オクタメチレン基,ノナメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基,テトラデカメチレン基などを挙げることができる。R58Oが複数ある場合は、複数のR58は同一でも異なっていてもよい。
【0102】
この一般式(XXVII)で表されるポリカーボネートは、分子量(重量平均分子量)が300〜3,000、好ましくは400〜1,500のものが好適である。分子量が300未満のものでは、動粘度が小さすぎて潤滑油として不適当であり、逆に3,000を超えるものでは、ワックス状となり潤滑油としての使用が困難となり好ましくない。
【0103】
このポリカーボネートは、各種の方法により製造することができるが、通常は炭酸ジエステルあるいはホスゲンなどの炭酸エステル形成性誘導体と脂肪族二価アルコールを原料として製造される。
これらを用いてポリカーボネートを製造するには、通常のポリカーボネートの製造法に従えばよく、一般にはエステル交換法やホスゲン法によればよい。
【0104】
上記ポリカーボネートは特開平3−217495号公報に詳細に記載されるものをいずれも使用することができる。
さらに、カーボネート誘導体として、一般式(XXIX)
R62−O−(R64O)p −CO−(OR65)q −O−R63・・・(XXIX)
(式中、R62及びR63は、それぞれ炭素数1〜20の脂肪族,脂環式,芳香族又は芳香脂肪族炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R64及びR65は、それぞれエチレン基又はイソプロピレン基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、p及びqは、それぞれ1〜100の数を示す。)
で表されるグリコールエーテルカーボネートを使用することができる。
【0105】
上記一般式(XXIX)において、R62及びR63における脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基;各種ノニル基;各種デシル基;各種ウンデシル基;各種ドデシル基,各種トリデシル基,各種テトラデシル基,各種ペンタデシル基,各種ヘキサデシル基,各種ヘプタデシル基,各種オクタデシル基,各種ノナデシル基,各種エイコシル基などを挙げることができる。脂環式炭化水素基の具体例としては、シクロヘキシル基,1−シクロヘキセニル基,メチルシクロヘキシル基,ジメチルシクロヘキシル基,デカヒドロナフチル基,トリシクロデカニル基などを挙げることができる。芳香族炭化水素の具体例としては、フェニル基,各種トリル基,各種キシリル基,メシチル基,各種ナフチル基などを挙げることができる。芳香脂肪族炭化水素基の具体例としては、ベンジル基,メチルベンジル基,フェニルエチル基,スチリル基,シンナミル基などを挙げることができる。
【0106】
前記一般式(XXIX)で表されるグリコールエーテルカーボネートは、例えば ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルを、比較的低沸点のアルコールの炭酸エステルの過剰存在下でエステル交換させることによって製造することができる。
上記のグリコールエーテルカーボネートについては、特開平3−149295号公報に詳細に記載されているものをいずれも使用することができる。
さらに、カーボネート誘導体として、一般式(XXX)
【0107】
【化22】
【0108】
(式中、R66及びR67は、それぞれ炭素数1〜15のアルキル基又は炭素数2〜12の1価のアルコール残基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R68は炭素数2〜12のアルキレン基を示し、rは0〜30の整数を示す。)
で表される炭酸エステルを使用することもできる。
【0109】
上記一般式(XXX)において、R66及びR67は、それぞれ炭素数1〜15、好ましくは炭素数2〜9のアルキル基又は炭素数2〜12、好ましくは2〜9の1価アルコール残基を示し、R68は炭素数2〜12、好ましくは2〜9のアルキレン基を示し、rは0〜30、好ましくは1〜30の整数を示す。上記条件を満たさない炭酸エステルを使用すると、冷媒との相溶性などの各種性能が劣るため好ましくない。R66及びR67における炭素数1〜15のアルキル基としては、具体的には、メチル基,エチル基,n−プロピル基,n−ブチル基,n−ペンチル基,n−ヘキシル基,n−ヘプチル基,n−オクチル基,n−ノニル基,n−デシル基,n−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−トリデシル基,n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基,イソプロピル基,イソブチル基,tert−ブチル基,イソペンチル基,イソヘキシル基,イソヘプチル基,イソオクチル基,イソノニル基,イソデシル基,イソウンデシル基,イソドデシル基,イソトリデシル基,イソテトラドシル基,イソペンタデシル基などを挙げることができる。
【0110】
また、炭素数2〜12の2価のアルコール残基としては、具体的には、エチレングリコール;1,3−プロパンジオール;プロピレングリコール;1,4−ブタンジオール;1,2−ブタンジオール;8−メチル−1,3−プロパンジオール;1,5−ペンタンジオール;ネオペンチレングリコール;1,6−ヘキサンジオール;2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール;1,7−ヘプタンジオール;2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール;2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール;1,8−オクタンジオール;1,9−ノナンジオール;1,10−デカンジオール;1,11−ウンデカンジオール;1,12−ドデカンジオールなどの残基を挙げることができる。
【0111】
さらに、R68で表される炭素数2〜12のアルキレン基としては、具体的には、エチレン基;トリメチレン基;プロピレン基;テトラメチレン基;ブチレン基;2−メチルトリメチレン基;ペンタメチレン基;2,2−ジメチルトリメチレン基;ヘキサメチレン基;2−エチル−2−メチルトリメチレン基;ヘプタメチレン基;2−メチル−2−プロピルトリメチレン基;2,2−ジエチルトリメチレン基;オクタメチレン基;ノナメチレン基;デカメチレン基;ウンデカメチレン基;ドデカメチレン基などの直鎖構造や分岐構造を有するものを挙げることができる。
【0112】
上記炭酸エステルの分子量は特に限定されるものでないが、圧縮機の密封性をより向上させるなどの点から、数平均分子量が200〜3,000のものが好適に使用され、数平均分子量が300〜2,000のものがより好適に使用される。
上記炭酸エステルについては、特開平4−63893号公報に詳細に記載されているものをいずれも使用することができる。
前記▲6▼のポリエーテルケトンとしては、例えば一般式(XXXI)
【0113】
【化23】
【0114】
(式中、Tは1〜8価のアルコール残基、R69は炭素数2〜4のアルキレン基、R70はメチル基又はエチル基、R71及びR73は、それぞれ水素原子、炭素数20以下の脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族炭化水素基で、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R72は炭素数20以下の脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族炭化水素基を示し、s及びuは0〜30の数、wは1〜8の数、xは0〜7の数、かつw+xは1〜8を満たし、vは0又は1を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
【0115】
上記一般式(XXXI)において、Tは1〜8価のアルコール残基であり、Tを残基とするアルコールとしては、1価アルコールとして、例えばメチルアルコール,エチルアルコール,直鎖又は分岐のプロピルアルコール,直鎖または分岐のブチルアルコール,直鎖又は分岐のペンチルアルコール,直鎖又は分岐のヘキシルアルコール,直鎖又は分岐のヘプチルアルコール,直鎖又は分岐のオクチルアルコール,直鎖又は分岐のノニルアルコール,直鎖又は分岐のデシルアルコール,直鎖又は分岐のウンデシルアルコール,直鎖又は分岐のドデシルアルコール,直鎖又は分岐のトリデシルアルコール,直鎖又は分岐のテトラデシルアルコール,直鎖又は分岐のペンタデシルアルコール,直鎖又は分岐のヘキサデシルアルコール,直鎖又は分岐のヘプタデシルアルコール,直鎖又は分岐のオクタデシルアルコール,直鎖又は分岐のノナデシルアルコール,直鎖又は分岐のエイコシルアルコールなどの脂肪族1価アルコール;フェノール,メチルフェノール,ノニルフェノール,オクチルフェノール,ナフトールなどの芳香族アルコール;ベンジルアルコール,フェニルエチルアルコールなどの芳香脂肪族アルコール;及びこれらの部分エーテル化物などを、2価アルコールとして、例えばエチレングリコール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ネオペンチレングリコール,テトラメチレングリコールなどの直鎖又は分岐の脂肪族アルコール,カテコール,レゾルシノール,ビスフェノールA,ビスフェニルジオールなどの芳香族アルコール、及びこれらの部分エーテル化物などを、3価アルコールとして、例えばグリセリン;トリメチロールプロパン;トリメチロールエタン;トリメチロールブタン;1,3,5−ペンタントリオールなどの直鎖又は分岐の脂肪族アルコール,ピロガロール,メチルピロガロール,5−sec−ブチルピロガロールなどの芳香族アルコール及びこれらの部分エーテル化物などを、4価〜8価のアルコールとして、例えばペンタエリスリトール,ジグリセリン,ソルビタン,トリグリセリン,ソルビトール,ジペンタエリスリトール,テトラグリセリン,ペンタグリセリン,ヘキサグリセリン,トリペンタエリスリトールなどの脂肪族アルコール及びこれらの部分エーテル化物などを挙げることができる。
【0116】
また、前記一般式(XXXI)において、R69で示される炭素数2〜4のアルキレン基は直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、具体例としては、エチレン基;プロピレン基;エチルエチレン基;1,1−ジメチルエチレン基;1,2−ジメチルエチレン基などを挙げることができる。また、R71〜R73で示される炭素数20以下の脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基;エチル基;プロピル基;ブチル基;ペンチル基;ヘプチル基;オクチル基;ノニル基;デシル基;ウンデシル基;ラウリル基;ミリスチル基;パルミチル基;ステアリル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基;イソブチル基;イソアミル基;2−エチルヘキシル基;イソステアリル基;2−ヘプチルウンデシル基などの分岐鎖アルキル基、フェニル基;メチルフェニル基などのアリール基、ベンジル基などのアリールアルキル基などを挙げることができる。
【0117】
前記一般式(XXXI)において、s及びuは0〜30の数を示し、s,uが30を超えると分子内におけるエーテル基の寄与が増し、冷媒との相溶性,電気絶縁性,吸湿性の面で好ましくない。また、wは1〜8の数、xは0〜7の数であって、w+xは1〜8の関係を満たし、これらの数は平均値を示し、整数には限られない。vは0又は1である。また、s×w個のR69はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、u×w個のR70はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。wが2以上の場合、w個のs,u,v,R71及びR72はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、さらにxが2以上の場合、x個のR73はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0118】
上記一般式(XXXI)で表されるポリエーテルケトンを製造する方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、二級のアルキルオキシアルコールを次亜塩素酸塩と酢酸によって酸化する方法(特開平4−126716号公報)、あるいは水酸化ジルコニウムとケトンを用いて酸化する方法(特開平3−167149号公報)を用いることができる。
【0119】
前記▲7▼のフッ素化油としては、例えばフッ化シリコーン油、パーフルオロポリエーテル、アルカンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの反応化物などを挙げることができる。アルカンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの反応化物の例としては、一般式(XXXII)
Cn H2n+2 ・・・(XXXII)
(式中、nは6〜20の整数を示す。)
で表されるアルカンに、一般式(XXXIII)
CF2 =CFOCm F2m+1 ・・・(XXXIII)
(式中、mは1〜4の整数を示す。)
で表されるパーフルオロアルキルビニルエーテルを反応させて得られる一般式(XXXIV)
Cn H(2n+2-y)(CF2 −CFHOCm F2m+1)y ・・・(XXXIV)
(式中、yは1〜4の整数を示し、n及びmは前記と同じである。)
で表される化合物を挙げることができる。
【0120】
上記一般式(XXXII)で表されるアルカンは直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、その具体例としては、n−オクタン;n−デカン;n−ドデカン;シクロオクタン;シクロドデカン;2,2,4−トリメチルペンタンなどを挙げることができ、一方、一般式(XXXIII)で表されるパーフルオロアルキルビニルエーテルの具体例としては、パーフルオロメチルビニルエーテル,パーフルオロエチルビニルエーテル,パーフルオロn−プロピルビニルエーテル,パーフルオロn−ブチルビニルエーテルなどを挙げることができる。
【0121】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
〔実施例1〜5、比較例1及び参考例1〕
基油として、ポリビニルエチルエーテル(a)・ポリイソブチルエーテル(b)ランダム共重合体〔a単位/b単位=9/1,動粘度68mm2 /s(40℃),数平均分子量720〕を使用し、その基油に、第1表に示す添加剤を、組成物全量基準で第1表に示す割合で配合し、冷凍機油組成物を調製した。その組成物について、下記の要領で極圧領域における潤滑性能(以下、極圧性能という。)、油性領域における潤滑性能(以下、油性性能という。)及び体積抵抗の評価を行った。その結果を第1表に示す。
【0122】
〔極圧性能〕
試験機 :ファレックス摩耗試験機
材 料 :ブロック/ピン=A390(アルミ材)/AISI-3135 (鋼材)
油 温 :室温
荷 重 :1,000lbs(4,450N)
回転数 :290rpm
実験時間:30min
雰囲気 :R134a(吹き込み式)
評価項目:ブロックの摩耗幅(mm)
試験法 :ASTM D 2670−94
【0123】
〔油性性能〕
試験機 :密封式ブロックオンリング試験機
材 料 :ブロック/リング=A4032 (アルミ材)/FC250 (鋳鉄)
油 温 :70℃
荷 重 :10kg(100N)
回転数 :300rpm
実験時間:30min
雰囲気 :R134a封入(0.6MPa)
評価項目:ブロックの摩耗幅(mm)
試験法 :Proceedings of the 1998 International Refrigeration Conference at Purdue,(1998),P.379参照
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
(注)
*1:オレイルアシッドホスフェートのアミン塩
*2:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド付加物
*3:オレイン酸カリウム
*4:N−オレオイルサルコシン
*5:オレイン酸アミド
*6:酸化防止剤(フェノール系),酸捕捉剤(エポキシ系)
消泡剤(シリコーン系)
第1表より、本発明の冷凍機油組成物については、極性性能又は油性性能において優れ、体積抵抗も小さいことがわかる。
【0127】
【発明の効果】
本発明によれば、体積抵抗が大きく、かつ優れた潤滑性能を有し、特にアルミニウム材と鉄材との摩擦部分において、油性領域と極圧領域のどちらかの領域において良好な摩擦低減効果を示すことができ、環境汚染をもたらさないR134a等の非塩素系フロン冷媒を用いた冷凍機の潤滑油として好適な冷凍機油組成物を提供することができる。
Claims (6)
- (b)成分、(d)成分又は(e)成分の配合量が、それぞれ、組成物全量基準で、0.01〜5重量%である請求項1に記載の冷凍機油組成物。
- 基油が、含酸素系合成油である請求項1又は2に記載の冷凍機油組成物。
- 含酸素系合成油が、ポリビニルエーテル、ポリオールエステル及びポリアルキレングリコールから選ばれる少なくとも一種である請求項3記載の冷凍機油組成物。
- 構成単位(A)において、R48がエチル基であり、構成単位(B)において、R49がイソブチル基である請求項5記載の冷凍機油組成物。
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