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JP4315301B2 - ヒトH37タンパク質と、このタンパク質をコードする cDNA - Google Patents

ヒトH37タンパク質と、このタンパク質をコードする cDNA Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願は、ヒトH37タンパク質と、このタンパク質をコードするcDNAに関するものである。さらに詳しくは、この出願は、ヒト細胞の複製を制御するタンパク質Cdc7の活性制御サブユニットであるヒトH37タンパク質と、このタンパク質をコードするヒト遺伝子およびそのcDNA、H37タンパク質に対する抗体、並びにこれらの遺伝子工学材料や抗体を用いてヒト細胞の増殖を制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
細胞の増殖は、増殖因子と呼ばれる液性因子が細胞表面の受容体に結合し、細胞内に増殖にシグナルが伝達されることによって開始される。従って、培養細胞の増殖を人為的に誘導するためには、細胞培地に増殖因子を過剰量添加したり、あるいはその細胞が本来は持っていない受容体を細胞表面に発現させ、その受容体に特異的な因子を培地に添加する方法等がとられてきた。また、細胞増殖を抑制するためには、受容体タンパク質に対する抗体や拮抗分子等を培地に添加し、受容体への増殖因子の結合を阻害する方法等が採用されてきた。
【0003】
一方、受容体への増殖因子の結合によって増殖シグナルが発せられた細胞は、そのゲノムDNAを複製し、娘細胞に均等に配分したのち分裂するというサイクルを繰り返す。このサイクルを、特に真核生物については「細胞周期」という。細胞周期は基本的に4期間に区分されている。すなわち、染色体DNAが複製するS期、複製した染色体が紡錘体によって分裂したのち細胞質が分裂するM期、M期が終わりS期が始まるまでのG1期、そしてS期が完了してM期が始まるまでのG2期である。特にG1期からS期への移行は厳密に制御されており、DNA複製はS期において1回だけ生じるようになっている。
【0004】
このような細胞周期は、酵母や高等真核細胞での研究からサイクリン依存性キナーゼがその進行に重要な役割を果たしていることが証明されいる(Nature 292:558-560, 1981; Cell 66:731-742, 1991; Nature 349:338-393, 1991; Science 257:1958-1961, 1992; Bioessays 17:471, 1995)。また、酵母における遺伝学的解析からは、S期の開始時(G1−S移行)には別のセリン/スレオニンキナーゼが重要な役割を果たしていることが明らかになっている。すなわち、細胞分裂周期変異株の一つとして単離されたcdc7変異(J. Mol. Biol. 59:183-194, 1971)において、Cdc7タンパク質キナーゼは染色体DNAの複製の開始直前に機能すること、そしてS期を通じて各複製起点の活性化に必要とされていることが明らかになってきた(Mol. Cell. Biol. 6:1590-1598, 1986; Genes Dev. 15:480-490, 1998; Genes Dev. 15:491-501, 1998)。また、Cdc7のキナーゼ活性は制御サブユニットであるDbf4の存在に依存することも明らかにされている(Genetics 131:21-29, 1992; Mol. Cell. Biol. 13:2899-2908, 1993 )。Dbf4の発現は周期的であって、転写レベルおよび翻訳後レベルの両方で制御されており(Exp. Cell Res. 180:419-428, 1989)、G1−S境界期におけるCdc7キナーゼ活性の増加の少なくとも一部はDbf4の発現がG1後期に増加することによって説明されている(Mol. Cell. Biol. 13:2899-2908, 1993; Exp. Cell Res. 180:419-428, 1989 )。さらに、Dbf4は細胞内で複製起点と相互に作用する(Science 265:1243-1246, 1994 )ことから、Cdc7は複製起点上に形成される複製装置を直接的に活性化することによりS期開始の引き金になっていると考えられている。
【0005】
そしてさらに、この出願の発明者らは、これまでに酵母Cdc7に類似したキナーゼを分裂酵母、アフリカツメガエル、マウスおよびヒトから単離し、真核細胞の染色体複製は種差を超えて共通に保存されたこのキナーゼファミリーを含む機構によって制御されていることを指摘している(J. Biol. Chem. 273:23248-23257, 1998; EMBO J. 16:4340-4351, 1997; EMBO J. 14:3094-3104, 1995)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のとおりの酵母および高等真核生物における知見から、細胞内のCdc7キナーゼ活性をコントロールすることによって、増殖因子/受容体結合の操作による従来方法とは全く別の手続による細胞増殖の人為的制御が可能になるものと期待される。
【0007】
しかしながら、この出願の発明者らはまた、ヒトのCdc7ホモログの候補であるhuCdc7を動物細胞で増産させても、あるいは昆虫細胞で発現させてもそれ単独ではほとんどキナーゼ活性を示さないことを見出している。
そこで、ヒトCdc7の制御サブユニットの存在を想定し、ヒトcDNAライブラリーを探索した結果、huCdc7に結合してそのキナーゼ活性を制御する新規なタンパク質をコードするcDNAを単離することに成功し、このcDNAにコードされたタンパク質をH37タンパク質と命名した。
【0008】
この出願の発明は、発明者らによって取得されたこの新規タンパク質H37を産業上利用可能な形態として提供することを課題としている。
またこの出願は、このタンパク質をコードするヒト遺伝子、この遺伝子のcDNAおよびタンパク質に対する抗体等の遺伝子操作材料を提供することを課題としている。
【0009】
さらにこの出願は、これらの遺伝子操作材料を用いてヒト細胞の増殖を人的に制御する方法を提供することを課題としてもいる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この出願は、上記の課題を解決する発明として、配列番号1または2のアミノ酸配列を有するヒトH37タンパク質を提供する。
また、この出願は、配列番号1または2のアミノ酸配列における1もしくは複数のアミノ酸残基が、欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有するヒトH37タンパク質を提供する。
【0011】
さらに、この出願は、上記のヒトH37タンパク質をコードするヒト遺伝子、このヒト遺伝子のcDNAであって、配列番号3または4の塩基配列を有するcDNA、およびこれらcDNAのの一部配列からなるDNA断片を提供する。
さらにまたこの出願は、上記cDNAを保有する組換えベクター、およびヒトH37タンパク質に対する抗体を提供する。
【0012】
そしてまたこの出願は、前記cDNAまたはその部分的あるいは一部を改変し変異を導入したDNA断片を発現制御配列とともに細胞内に導入することを特徴とする細胞の増殖促進方法、ならびに前記抗体を細胞内に導入することを特徴とする細胞の増殖抑制方法を提供する。
以下、この発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明のヒトH37タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を有し、配列番号3に塩基配列を示したcDNAの 518から2541番目までの配列領域にコードされているタンパク質分子である。この発明のH37タンパク質はまた、配列番号2のアミノ酸配列を有し、配列番号4のcDNAにおける 518から1222番目までの配列領域にコードされているタンパク質である。配列番号3および4は同一のゲノム遺伝子から転写されたmRNAを鋳型とするcDNAであるが、配列番号4のcDNAは、配列番号3とは別のスプライシングフォームであり、配列番号3の1199-1259 番目までが欠失している。
【0014】
これらのH37タンパク質は公知の方法、すなわちヒトの臓器、細胞株などから単離する方法、この発明によって提供されるアミノ酸配列に基づき化学合成によってペプチドを調製する方法、あるいはこの発明によって提供されるcDNA断片を用いて組換えDNA技術で生産する方法などにより取得することができる。例えば、組換えDNA技術によってH37タンパク質を取得する場合には、この発明のcDNA断片を有するベクターからインビトロ転写によってRNAを調製し、これを鋳型としてインビトロ翻訳を行なうことによりインビトロで発現できる。また翻訳領域を公知の方法により適当な発現ベクターに組換えてやれば、大腸菌、枯草菌、酵母、動物細胞等で、cDNAがコードするH37タンパク質を大量に発現させることができる。
【0015】
この発明のヒトH37タンパク質を大腸菌などの微生物で発現させる場合には、微生物中で複製可能なオリジン、プロモーター、リボソーム結合部位、cDNAクローニング部位、ターミネーター等を有する発現ベクターに、この発明のcDNAの翻訳領域を挿入結合して組換えた発現ベクターを作成し、この発現ベクターで宿主細胞を形質転換したのち、得られた形質転換体を培養してやれば、cDNAがコードしているH37タンパク質を微生物内で大量生産することができる。あるいは、他の蛋白質との融合蛋白質として発現させることもできる。得られた融合蛋白質を適当なプロテアーゼで切断することによって、cDNAがコードするタンパク質部分のみを取得することもできる。
【0016】
この発明のヒトH37タンパク質を動物細胞で発現させる場合には、この発明のcDNAの翻訳領域を、動物細胞用プロモーター、スプライシング領域、ポリ(A) 付加部位等を有する動物細胞用発現ベクターに組換え、動物細胞内に導入してやれば、この発明のH37タンパク質を動物細胞内で発現できる。
以上のとおりの方法によって得られるヒトH37タンパク質は、例えば、細胞内のhuCdc7のキナーゼ活性を阻害することによって細胞の増殖を抑制するための抗体作成のための抗原として使用することができる。
【0017】
また、この発明のヒトH37タンパク質は、後記する実施例において実証されているように、構造上はこれまでに明らかにされているサイクリンとはほとんど類似性を持たないが、その発現が細胞周期によって制御されること、またhuCdc7触媒サブユニットに結合してそのキナーゼ活性を活性化するという点で、huCdc7キナーゼのサイクリン様構成因子とみなすことができる。従って、H37タンパク質は増殖因子によって誘導される細胞増殖のためのシグナル伝達経路において非常に重要な標的因子と考えられることから、H37タンパク質の発現あるいはその活性がG1−S期の細胞周期のシグナルによってどのように制御されているかを明らかにすることが、動物細胞における細胞複製の細胞周期制御の分子機構を明らかにする上で大きな新しい知見を提供するものと期待される。
【0018】
この発明のヒトH37タンパク質には、配列番号1または2で表されるアミノ酸配列のいかなる部分アミノ酸配列を含むペプチド断片(5アミノ酸残基以上)も含まれる。これらのペプチド断片もまた抗体を作製するための抗原として用いることができる。
この発明の遺伝子は、上記ヒトH37タンパク質をコードするヒトの遺伝子であって、例えば、この発明のcDNAまたはその一部配列をプローブとして、既存のゲノムライブラリーから単離することができる。
【0019】
この発明のcDNAは、配列番号3または4で表される塩基配列を有することを特徴とするものであり、例えばヒト細胞由来cDNAライブラリーからクローン化することができる。cDNAはヒト細胞から抽出したポリ(A)+ RNAを鋳型として合成する。ヒト細胞としては、人体から手術などによって摘出されたものでも培養細胞でも良い。cDNAは、岡山−Berg法(Okayama, H. and Berg, P., Mol. Cell. Biol., 2:161-170, 1982 )、Gubler−Hoffman 法(Gubler, U. and Hoffman. J. Gene, 25:263-269, 1983 )、キャッピング法〔Kato, S. et al., Gene, 150:243-250, 1994)などの公知の方法を用いて作製することができる。
【0020】
この発明のヒトH37タンパク質は脳および腎臓以外のいかなる組織でも発現しているので、配列番号3または4に記載のcDNAの塩基配列に基づいて合成したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、ヒト細胞から作製したヒトcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、この発明のcDNAと同一のクローンを容易に得ることができる。あるいは、これらのオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて、目的cDNAを合成することもできる。
【0021】
一般にヒト遺伝子は個体差による多型が頻繁に認められる。従って配列番号3または4において、1または複数個のヌクレオチドの付加、欠失および/または他のヌクレオチドによる置換がなされているcDNAもこの発明に含まれる。
同様に、これらの変更によって生じる1または複数個のアミノ酸残基の付加、欠失および/または他のアミノ酸残基による置換がなされているタンパク質も、配列番号1または2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質の活性を有する限り、この発明に含まれる。また、人為的に1または複数個のアミノ酸残基の付加、欠失および/または他のアミノ酸残基による置換を導入した変異タンパク質もこの発明に含まれる。
【0022】
この発明のDNA断片には、配列番号3または4で表される塩基配列のいかなる部分塩基配列を含むcDNA断片(10bp以上)、あるいはそれらのアンチセンス鎖からなるDNA断片も含まれる。
この発明のヒトH37タンパク質に対する抗体は、タンパク質それ自体、またはその部分ペプチドを抗原として、公知の方法により、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体として得ることができる。
【0023】
この発明の細胞増殖促進方法は、配列番号3または4の塩基配列を有するcDNA、もしくはそれらの一部配列からなるDNA断片(例えば後記実施例3に示したように、C端側の419 個のアミノ酸配列領域をコードするDNA断片)とその発現制御配列(動物細胞用プロモーターおよび/またはエンハンサー配列)からなる組換えDNAを動物細胞に導入し、配列番号1または2のアミノ酸配列を有するH37タンパク質を細胞核内で過剰発現させることによって行うことができる。組換えDNAの細胞内への導入は公知の方法により行うことができる。例えばリン酸カルシウム法、リポソームや赤血球ゴーストを用いる方法、エレクトロポレーション法、レトロウイルスやアデノウイルスをベクターとして用いる方法、ガラスピペットによる微量注入法等である。このような細胞増殖の促進は、例えば、ヒト疾患の治療に有用な幹細胞を大量に取得するために有用である。すなわち、血液幹細胞や神経幹細胞など、他種類の細胞に分化する幹細胞は、ヒトの身体を構成する多くのタンパク質を作り出すことができるため、白血病等の疾患において幹細胞の移植は極めて重要な治療手段である。しかしながら、幹細胞を分化させることなしに自己増殖させる液性因子は同定されていないため、治療に必要な量の幹細胞を調製することは容易ではなかった。この発明の方法は、幹細胞内の増殖プログラムを操作することによって試験管内で無制限に細胞を自己複製、自己増殖させることを可能にする。また、このような試験内での細胞増殖促進は、ex vivo 方式による遺伝子治療のための遺伝子導入用細胞を大量に調製するためにも有用である。
【0024】
この発明の細胞増殖抑制方法は、前記の抗体を細胞内に注入することによって行うことができる。あるいは、細胞内在性のH37タンパク質遺伝子の発現を阻害することによっても行うことができる。例えば、遺伝子の転写産物に対するアンチセンス配列またはリボザイム配列をコードするDNAを細胞内に導入する方法等である。このような細胞増殖の抑制は、例えば癌細胞の過剰増殖を抑制するための新たな手段を提供するものと期待される。
【0025】
【実施例】
次に実施例を示しこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:
HeLa細胞のcDNAライブラリーをpGAD−GHベクターを用いて作成し、huCdc7が Gal4のDNA結合ドメインに融合された組換えプラスミドを保有する酵母CG1945株に各ベクターを導入した。約3×105 個の形質転換体酵母をスクリーニングした結果、ベータガラクトシダーゼが陽性のクローンを5個得た。インサートのDNA塩基配列を決定し、データベースを検索た結果、これらは全て新しいcDNAであった。そのうち3クローンは同一のものであり、配列番号1の塩基配列を有していた。このcDNAをH37と命名した。他の2つは単独のクローンであり、それぞれH1およびH18と命名した。
【0026】
これらの陽性クローンによるコードされるタンパク質とhuCdc7との相互作用を動物細胞における増産系を用いてさらに検討した。すなわち、myc エピトープで標識したH1、H18およびH37のそれぞれの発現プラスミドを全長huCdc7発現プラスミドとともに動物細胞Cos7にトランスフェクションした。結果は図1に示したとおりである。huCdc7に対する抗体による免疫沈降によってH37タンパク質は共沈殿されたが、H1およびH18タンパク質は共沈殿されなかった(図1:上段レーン2−4)。逆に、myc抗体を用いた免疫沈降により、huCdc7は myc標識のH37を共発現している細胞においてのみ共沈殿された(図1:下段レーン4)。この結果から、H37cDNAのみがhuCdc7と効率よく相互作用するタンパク質をコードしていることが確認された。
【0027】
次いで、内在性のH37タンパク質について調べるために、H37のN端およびC端領域に対する抗体(抗H37N抗体、抗H37C抗体)をそれぞれ作成した。さらに、H37のC端オリゴペプチドに対する抗体(抗H37Cpep 抗体)およびhuCdc7のC端オリゴペプチドに対する抗体(抗huCdc7Cpep 抗体)も作成した。そして、各抗体と細胞内における内在性huCdc7およびH37との会合を測定した。結果は図2に示したとおりである。すなわち、H37に対する抗体はいずれもCos細胞で発現した90kDa のmyc 標識H37タンパク質と特異的に反応した(図2:レーン1−4)。アフィニティ精製した抗ペプチド抗体を用いてヒトCEM細胞から調製した複合体を共沈殿することができた。huCdc7およびH37免疫沈殿物中にいずれもhuCdc7が含まれていることが抗huCdc7Cpep 抗体を用いた免疫ブロットにより確認された(図2:レーン5および7)。このH37とhuCdc7との相互作用は、抗体作成の抗原として用いたペプチドと抗体とを予めpre-incubationすることによって完全に消失した(図2:レーン8)。HeLa細胞の抽出液においては、Cdc7抗体およびH37抗体はいずれも、H37抗体と特異的に反応する80kDa の1本のポリペプチドを共沈殿することができた(図2:レーン9−13)。
【0028】
以上の結果から、内在性のhuCdc7とH37タンパク質が複合体として細胞内に存在していることが判明した。
実施例2
H37タンパク質がhuCdc7を活性化する能力があるか否かを調べるために、myc 標識したH37と野生型あるいはキナーゼ失活型のhuCdc7をCos細胞で発現させて得たhuCdc7/H37キナーゼ複合体を、huCdc7抗体またはmyc 抗体で免疫沈殿し、続いてGST−MCM3融合タンパク質を基質として用いて、invitro のキナーゼ反応を測定した。結果は図3および図4に示したとおりである。野生型のhuCdc7の存在下では、huCdc7抗体の免疫沈降物およびmyc 抗体の免疫沈降物の両方においてMCM3タンパク質の効率のよいリン酸化観察された(図3:レーン2および7)。さらに、もう2本のリン酸化タンパク質が観察され、それらはトランスフェクションされたhuCdc7および mycH37であると同定された(データ示さず)。これらのリン酸化はキナーゼ失活型のhuCdc7では全く検出されないことから、huCdc7のキナーゼ活性がこれらのリン酸化に作用していることが確認された。ただし、キナーゼ失活型のhuCdc7もH37タンパク質と複合体を形成することができる(図3:レーン3および8、図4:レーン2および4)。さらにタンパクゲル電気泳動上でのH37タンパク質の移動度は野生型huCdc7が共発現されている場合は遅くなり、複数のバンドとして検出されたが、この移動度の変化はキナーゼ失活型huCdc7では観察されなかった(図4:レーン1および3)。移動度が遅くなっているバンドは脱リン酸化酵素処理により消失することから、それらは過リン酸化されたH37タンパク質であることが確認された(データ示さず)。また、昆虫細胞においてhuCdc7とH37タンパク質を共発現することにより、MCM2およびMCM3タンパク質を効率よくリン酸化することのできる極めて強いキナーゼ活性を再構成することができた(データ示さず)。
【0029】
以上の結果は、H37タンパク質がhuCdc7キナーゼを活性化し、さらにH37タンパク質自身がhuCdc7によりリン酸化されることを示している。
また、これらの実験条件下では、huCdc7触媒サブユニットのみが発現された場合には、内在性のH37タンパク質のレベルが低すぎるためにキナーゼ活性は僅かであった(図3:レーン4および9)。これらの事実から、H37タンパク質がhuCdc7の制御細胞ユニットをコードし、そのキナーゼ活性を特異的に活性化していることが確認された。
実施例3
H37タンパク質のアミノ酸配列(配列番号1)を検討した。その結果、図5および図6に示したように、出芽酵母Dbf4と33%の相同性を有するアミノ酸配列領域が見出された。この保存ドメイン(H37モチーフC)は、ラット、ショウジョウバエおよび分裂酵母で同定されたH37類似遺伝子にも存在する(図6)。また、H37のもう一つのアミノ酸領域(H37モチーフN)はラットおよびショウジョウバエのH37類似遺伝子に保存されていた。ただし、このH37モチーフNは出芽酵母のDbf4タンパク質には保存されていなかった(図6)。
【0030】
次に、huCdc7との結合に必須なH37タンパク質上の領域を決定するために、図7に示したような一連のH37N端およびC端欠失変異を作成し、各々をGal4活性化ドメインとの融合タンパク質として酵母内で発現させて、それぞれの欠失変異体とhuCdc7との相互作用をtwo-hybridアッセイで検討した。結果は図8に示したとおりである。N端の欠失の結果、N端255 アミノ酸を削除してもhuCdc7との相互作用には影響を与えなかった(ΔN2)。しかしながら、さらにN端50アミノ酸を削除してH37モチーフCを欠失させるとhuCdc7との相互作用は完全に失われた(ΔN3)。
【0031】
一方、C端からの欠失においては、20アミノ酸を削除しただけでhuCdc7との結合能力が約60%まで低下した(ΔC)。さらに、243 あるいは369 アミノ酸をC端から欠失させると(ΔP2およびΔB)、相互作用は全長クローンの約10%までに低下した。N端の235 アミノ酸のみを含むΔP1はhuCdc7と相互作用しなかった。ただし、ΔBとΔN2に共通に存在する50アミノ酸はhuCdc7との効率のよい相互作用のためには充分ではなかった(データ示さず)。
【0032】
以上に述べたH37欠失誘導体の一部をhuCdc7 とともにCOS7細胞内に共発現し、huCdc7 タンパク質と複合体を形成するかを抗体共沈法により確認した。その結果、two-hybrid assayの結果と同様に、全長H37タンパク質の他に、deltaB、deltaN2 のH37欠失誘導体のみがhuCdc7 と複合体を形成することが明らかにされた(図9)。
【0033】
以上の結果は、H37モチーフCがH37タンパク質とhuCdc7触媒サブユニットとの相互作用に必須であること、しかしそれのみでは充分ではないことを示している。出芽酵母においては、H37モチーフCを含む領域がCdc7との結合に充分であるということが既に報告されている(Mol. Cell. Biol. 15:6775-6782, 1996 )。さらに、これらの欠失変異を用いてin vitroキナーゼ反応を行った結果、Dbf4モチーフCを含むC端の419 アミノ酸のみでリン酸化活性で充分であることが判明した(データ示さず)。
実施例4
種々のヒト組織および癌細胞におけるH37mRNAの発現パターンをノーザンブロットにより検討した。結果は図10a、bに示したとおりである。H37cDNA特異的プローブにより、脳と腎臓以外の全ての組織において、また全ての癌細胞において、2.5kbの転写産物が検出された。このことは、huCdc7のmRNAは脳と腎臓においても比較的高い発現が観察されること(EMBO J. 16:4340-4351, 1997)とは対照的であった。検査した組織の中では、H37mRNAの発現が最も高かったのは睾丸、次いで胸腺であり、この両組織はhuCdc7触媒サブユニットの発現が特に高い組織でもあることが発明者等によって報告されている(EMBO J. 16:4340-4351, 1997)。また、睾丸においては6kbと4kbの2本の別のRNAバンドも検出された(図10a)が、これらの転写産物の正体は不明である。さらに、H37mRNAは、肺癌細胞A549 を除いたほとんど全ての癌細胞において極めて高いレベルで発現していることが確認された(図10b)。このことは、活発な増殖能を有する細胞でもH37タンパク質の重要な役割を示している。
実施例5
H37の発現が細胞周期によって制御されているかどうかを検討するため、ヒト正常線維芽細胞WI38細胞を血清飢餓によりG0期に同調させ(図11)、トータルRNAを血清添加後の種々の時間に調整し、ノーザンブロットでH37mRNAのレベルを検討した。結果は図12に示したとおりである。H37mRNAレベルは、休止期の細胞では低く、細胞がG1−S境界に近づくに従って徐々に増加していき、血清添加後20時間で最大に達した。この図12に示した発現パターンは、増殖刺激によって誘導されることが知られているhuCdc6の転写産物の発現パターン(Mol. Cell. Biol. 15:4215-4224, 1995; Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:142-147, 1997 )に似ている。
【0034】
さらに、H37の細胞周期内で発現変動を調べるために、エルトリエーション法によりヒトCEM細胞を各細胞周期に分画し(図13)、ノーザンブロットを行った(図14)。その結果、H37mRNAはG1期には低く、G1後期からS期にかけて上昇し、S期の間は高く維持され、G2期にやや減少するがまだ高く維持されていることが示された。また、ノコダゾールによりHeLa細胞をG2後期に停止させ、同調的に細胞周期を移行させた実験(図15)においてもH37mRNAはG2からG1への移行に従って減少し、S期への移行の際に再び上昇することが示された(図16)。Cdc6の発現も同様にG1からS期への移行に伴って上昇するが、S期が進行するにつれて減少し、G2期には低く抑えられる点がH37とは異なる。この結果は、H37mRNAの発現は進行する細胞周期のなかでも変動し、それが機能すると考えられるS 期に最大になることを示す。
【0035】
H37の発現をさらに調べるために動物細胞内におけるH37タンパク質の細胞内局在を測定した。2種類のH37特異的抗体を用いて間接蛍光抗体法を行った結果、HeLa細胞とWI38細胞の両方において、内在性H37タンパク質は核内に非常に明確な数々のスポットとして観察された(図17)。
これらの結果および発明者らがすでに報告しているhuCdc7触媒サブユニットの核内局在(EMBO J. 16:4340-4351, 1997)とあわせて、huCdc7/H37複合体は核に局在するキナーゼであり、その制御細胞ユニットは細胞周期のシグナルに依存して発現していることが確認された。
実施例6
細胞周期のG1−S移行における内在性H37タンパク質の機能を抗体微量注入法により検討した。H37タンパク質のN端305アミノ酸に対する抗体(抗H37N抗体)およびC端のオリゴペプチドに対する抗体(抗H37Cpep 抗体)をアフィニティ精製し、これらの抗体をヒト唇由来の正常線維芽細胞(KD細胞)に微量注入した。KD細胞は予め血清飢餓によってG0期に停止させておき、血清再添加によって同調的に細胞周期へと進行させたものを使用した。ヌクレオチド誘導体であって、細胞内に取り込まれるBrdU陽性の細胞数を測定することにより、どれくらいの画分の細胞が決定添加後の種々の時期にS期に存在するかを調べた。結果は図18に示したとおりである。細胞は血清添加後約18時間でDNA合成を始め、24時間後にはほぼ90%の細胞がS期に入っていることを確認した。
【0036】
従って、この実施例では、細胞がまだG1後期の状態である血清添加後12時間の時点で抗体を微注入し、ほぼ完全にS期に入ったと考えられる26時間後の時点で細胞を固定してBrdU陽性細胞を計測した。結果は図19に示したとおりである。抗H37N抗体を微注入した細胞の70%がS期に移行することができなかったのに対し、コントロール抗体による影響はほとんど見られなかった。また、抗H37Cpep 抗体の微注入によっても抗H37N抗体と同等あるいはそれ以上のS期移行阻害効果が観察された。しかも、抗H37Cpep 抗体作成のための抗原であるペプチドと抗H37Cpep 抗体とを同時に細胞内に微注入した場合には、70%以上の細胞がS期に移行することができた。
【0037】
図20は、BrdUと微注入抗体の染色例である。抗体は細胞がG1中期から後期にある段階で微注入されており、この時期にはH37タンパク質の発現は低いと考えられる。微注入された抗体は、新しく合成されたH37タンパク質に効率よく結合し、その結果、H37タンパク質の核内への移行を阻害すると考えられる。これらの結果は、H37の機能、すなわちhuCdc7/H37複合体の機能が動物細胞のS期進行に要求されることを強く示唆する。
【0038】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、ヒト細胞の複製を制御するタンパク質Cdc7の活性制御サブユニットであるヒトH37タンパク質と、このタンパク質をコードするヒト遺伝子およびそのcDNA、H37タンパク質に対する抗体、並びにこれらの遺伝子工学材料や抗体を用いてヒト細胞の増殖を制御する方法が提供される。これによって、各種のヒト疾患の治療に用いられる幹細胞等の必要量を調整することが可能となり、あるいは癌細胞の増殖抑制のための新規な手段を開発することが可能となる。
【0039】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】動物細胞で発現させたhuCdc7とH37の共免疫沈降を測定したウェスタンブロッティングの結果である。レーン1−4:免疫沈降物、レーン5−7:細胞総抽出液、上段および中段:huCdc7抗体No.1により免疫沈降したもの、下段:myc 抗体により免疫沈降したもの。抽出液は、huCdc7とH1(レーン2、5)、H18(レーン3、6)H37(レーン4、7)またはhuCdc7のみ(レーン1)をトランスフェクションしたCos7細胞から作成した。ウェスタンブロッティングは、抗myc 抗体(上段)または抗huCdc7抗体No.1(中段および下段)を用いて行った。
【図2】H37タンパク質に対する抗体と細胞内における内在性huCdc7とH37との会合を測定したウェスタンブロッティングの結果である。myc 標識したH37をトランスフェクションしたCos7から作成した核抽出液を、抗H37C抗体(レーン1)、抗H37N抗体(レーン2)、抗H37Cpep 抗体(レーン3)あるいは抗myc 抗体(レーン4)によりブロットした。矢印は、myc タグに加えて5'非コード領域に由来する63アミノ酸を含んでいるH37タンパク質の位置を示している。CEM細胞から作成した抽出液を抗huCdc7C-pep抗体(レーン5、6)、あるいは抗H37C-pep抗体(レーン7、8)により免疫沈降し、タンパクゲル電気泳動したのち、huCdc7モノクローナル抗体(4A8)を用いてブロットした。−と+は、免疫沈降の際にそれぞれの抗原が存在するか否かを示している。レーン9−13はHeLa細胞の核抽出液のウェスタンブロッティングであり、抗huCdc7抗体No.1(レーン9)、抗huCdc7モノクローナル抗体4A8(レーン10)、抗H37C抗体(レーン11)、抗H37N抗体(レーン12)、抗H37C-pep抗体(レーン13)を用いている。
【図3】抗huCdc7抗体No.1(レーン1−5)または抗myc 抗体(レーン6−10)を用いてmyc 標識H37のみ(レーン1、6)、myc 標識H37と野生型huCdc7(レーン2、7)、myc 標識H37とキナーゼ失活型huCdc7(レーン3、8)をトランスフェクションしたCos7細胞の抽出液から免疫沈降を行った結果を示す。コントロールとして野生型huCdc7のみ(レーン4、9)およびキナーゼ失活型huCdc7(レーン5、10)も同様に測定した。
【図4】野生型huCdc7の共発現により誘導されるH37の電気泳動上での移動度の変化である。野生型またはキナーゼ失活型のhuCdc7をmyc 標識H37とともに発現しているCos7細胞から抽出液を作製し、抗huCdc7抗体No.1(レーン1、2)または抗myc 抗体(レーン3、4)で免疫沈降し、抗myc 抗体(上段)または抗huCdc7抗体(下段)でブロットした。試料は8%SDS−PAGEタンパクゲルに流した。
【図5】配列番号1と同一の全長H37タンパク質のアミノ酸配列である。
【図6】Dbf4とH37の構造を比較した模式図と2つの保存領域のアミノ酸配列の比較である。Dbf4上の両向きの矢印で示された領域は、Cdc7との相互作用に充分であると報告されている領域である。H37上の両向き矢印で示された領域は、それぞれhuCdc7との相互作用に必須である(しかし充分ではない)領域と、huCdc7キナーゼ活性の促進に充分な領域を示す。
【図7】H37タンパク質のN端およびC端欠失変異の模式図である。それぞれのバー端部の数字は欠失の端のアミノ酸番号(配列番号1に対応)を示す。斜線領域はDbf4モチーフCを示す。
【図8】H37欠失変異体のhuCdc7とのtwo-hybridアッセイにおけるlacZ活性を示す。
【図9】H37欠失変異体の一部をhuCdc7とともにCOS7細胞内に共発現し、huCdc7タンパク質と複合体を形成するかを抗体共沈法により検討した結果を示す。
【図10】aは種々の臓器でのH37mRNA発現のサザン解析の結果であり、bは種々の癌細胞でのH37mRNA発現のノザン解析の結果である。
【図11】休止期にあるWI38細胞を10%血清添加により増殖刺激し、様々な時間経過においてそのDNA含量をFACSで解析した結果を示す。
【図12】図11に示した細胞からRNAを抽出し、H37およびhuCdc6の発現をノザン解析した結果(上段)と、それぞれのmRNAの相対的発現量を示したグラフ図(中、下段)である。
【図13】エルトリエーション法によるヒトCEM細胞の各細胞周期分画を示したグラフ図である。
【図14】図13に示した各分画のH37およびCyclin Eの発現をノザン解析した結果(上段)と、それぞれのmRNAの相対的発現量を示したグラフ図(中、下段)である。
【図15】ノコダゾールによりHeLa細胞をG2後期に停止させ、同調的に細胞周期を移行させた場合のDNA含量をFACSで解析した結果を示す。
【図16】図15に示した各細胞周期におけるH37およびCyclin Eの発現をノザン解析した結果(上段)と、それぞれのmRNAの相対的発現量を示したグラフ図(中、下段)である。
【図17】間接蛍光抗体法によるH37の細胞局在の解析結果を示す。使用した抗体は、抗H37C抗体(A)、抗H37N抗体(C)、コントロール抗体(E)、B、D、FはDAPI染色像である。
【図18】血清刺激後のKD細胞におけるDNA合成の誘導の時間的変化をBrdU取り込み量を指標として調べた結果を示す。
【図19】血清飢餓により同調したKD細胞に、血清添加後12時間の時点で各抗体を微注入し、さらに16時間後にBrdU取り込み量を測定して計測したDNA合成を行っている細胞の割合を示す。
【図20】抗H37C-pep抗体(左側)または抗H37C-pepとペプチドの混合物を微注入された細胞を例示した顕微鏡写真である。取り込まれたBrdU(上段)、注入された抗体(中段)、細胞(下段)を示す。

Claims (1)

  1. 配列番号1のアミノ酸配列を有するヒトH37タンパク質のC端側の419個のアミノ酸配列領域をコードするDNA断片を発現制御配列とともにヒトから単離された、またはヒト以外の動物細胞の細胞内に導入することを特徴とする細胞の増殖促進方法。
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