JP4314833B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)を保持(吸蔵、吸収、吸着を含む)する機能があるSOx保持材やNOx保持材を内燃機関の排気通路に設けた場合、これらのSOx保持材やNOx保持材には、燃料に含まれる硫黄分が燃焼して生成される硫黄酸化物(SOx)が保持される。特に、NOx保持材では、NOxを保持する場合と同様のメカニズムでSOxの保持が生じるが、保持されたSOxはNOxよりも離脱されにくく、酸素濃度が低下した還元雰囲気でNOxの放出が行われてもSOxは離脱せず、次第にNOx触媒内に蓄積される。これを硫黄被毒(SOx被毒)といい、NOx浄化率が低下するため、適宜の時期にSOx被毒から回復させる被毒回復処理を施す必要がある。
【0003】
このようにして、SOx保持材やNOx保持材に保持されたSOxを離脱させるには、SOx保持材やNOx保持材を高温(例えば600乃至650℃程度)にしつつ、酸素濃度を低下させた排気をこれらに流通させることで可能となる。
【0004】
ところが希薄燃焼が可能な内燃機関では、希薄燃焼運転時の排気の温度が低いため、SOx放出に必要とされる温度までこれらの保持材を昇温させることが必要である。
【0005】
そこで、排気中へ燃料の供給を行うことにより保持材の温度を上昇させつつ、排気の酸素濃度を低下させる制御を実行する。このような制御では、通常、保持材におけるSOxの推定蓄積量が所定の設定値に達すると、そのSOxを除去するためにSOx被毒回復処理が実行されるが、その前提として蓄積したSOx量を正確に推定することが重要である。
【0006】
このような推定を正確に行うことを目的としたものとして、例えば、NOx保持材からの離脱SOx量を、その放出処理の連続時間を考慮に入れて推定するものがある。特に、離脱処理の連続時間に基いて、NOx保持材を、SOxが完全に除去された完全除去領域と、部分的に除去された部分除去領域と、全く除去されていない未除去領域とに区分し、各領域毎に放出されたSOx量を推定したのち、その合計を算出することにより、SOx被毒回復処理でNOx保持材から放出されたSOxの総量を推定するエンジンの排気浄化装置が公知である(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−152838号公報
【特許文献2】
特開2002−115536号公報
【特許文献3】
特開2002−81312号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の排気浄化装置では、SOx放出量を保持材の温度条件と還元剤の添加時の排気の空燃比が理論空燃比以下である条件が成立している時間に基づいて算出しており、前記条件の成立時間がSOx放出時間(放出量)とされているので、このような成立時間が短いとSOx放出量が少なく、逆に成立時間が長いと放出量が多いと算出される。
【0009】
上記のような構成では、吸入空気量や燃料噴射量のばらつきに起因して、NOx保持材等に流入する排気の空燃比が変動することがカウンタに反映されていない。例えば、NOx保持材の温度が所定温度を下回るか、あるいは排気の空燃比が瞬間的にリーンになる等の事態によって条件の成立時間カウンタがクリアされてしまうので、再度条件の成立時間を0からカウントする。したがって、実際にはSOx放出がされているにもかかわらず、計算上のSOx放出量が少なくなり、必要以上に長い時間にわたりSOx被毒回復処理が行われる。このような事態となれば効率的なSOx被毒回復処理は望めず、燃費の悪化を招く。
【0010】
また、上記の条件成立時間が短い場合は、SOx放出が実際に開始されるまでの時差のために、SOxの実放出量が少ないもの関わらず、放出量が多く算出される事態が生じる。
【0011】
したがって、NOx保持材等におけるSOx蓄積量が正確に推定されず、適切な時期にSOx被毒回復処理が実行されない虞がある。
【0012】
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、正確なSOx放出量を把握することで、適切な時期にSOx被毒回復処理の実行が可能な内燃機関の排気浄化装置を提供することを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明は、実際にSOxが離脱される時間とSOx離脱条件を満たしている時間との間のずれを修正するために、離脱SOx量の推定において、所定のSOx離脱条件を満たしてもSOx離脱時間のカウントを行わず、また、SOx離脱条件を満たさなくてもSOx離脱時間のカウントを停止しない場合を含むようにした。
【0014】
すなわち、第1の発明は、排気に含まれるSOxを保持するSOx保持材と、このSOx保持材に保持されたSOx量を推定するSOx保持量推定手段とを備え、この推定されたSOx保持量が所定量以上となった時に前記SOx保持材に流入する排気の空燃比をストイキまたはリッチとし、かつ前記SOx保持材の温度を所定温度以上であるSOx離脱条件を満たしたとき、前記SOx保持材に保持されたSOxが離脱する内燃機関の排気浄化装置において、
前記SOx離脱条件を満たした期間をカウントし、前記SOx保持材から離脱したSOx量を推定する離脱SOx量推定手段を有し、この離脱SOx量推定手段は、実際にSOxが離脱する時期と前記SOx離脱条件を満たしている時期とのずれを修正するために、SOx離脱条件を満たすようになってから所定時間以上経過していない場合には、補正によって前記SOx離脱条件を満たした時間のカウントを短縮し、この短縮された前記時間に基づいて前記SOx保持剤から離脱したSOx量を推定し、また、SOx離脱条件を満たさなくなってから一定時間以上経過していない場合には、前記SOx離脱条件を満たした時間のカウントを停止しないことを特徴とする。
【0015】
第1の発明では、排気の空燃比の変動を考慮して、SOx離脱条件が短い期間にわたり満足され、又は瞬間的にSOx離脱条件が不満足になった場合などに、SOx離脱時間のカウントを、実際のSOx離脱に合致させるように適切にコントロールすることで、実際のSOx離脱状況と一致しない離脱SOx量推定がされることを抑制する。
【0016】
第2の発明は、排気に含まれるSOxを保持するSOx保持材と、このSOx保持材に保持されたSOx量を推定するSOx保持量推定手段と、この推定されたSOx保持量が所定量以上となった時に前記SOx保持材に流入する排気の空燃比をストイキまたはリッチとし、かつ前記SOx保持材の温度を所定温度以上であるSOx離脱条件を満たしたとき、前記SOx保持材に保持されたSOxを離脱させる内燃機関の排気浄化装置において、
前記SOx離脱条件を満たした時間をカウントし、前記SOx保持材から離脱したSOx量を推定する離脱SOx量推定手段を有し、この離脱SOx量推定手段は、前記SOx離脱条件を満たさなくなっても、前記SOx保持材に流入する排気の空燃比をストイキまたはリッチとする制御が継続している間は、前記カウントを停止しないことを特徴とする。
【0017】
このようにすれば、瞬間的に排気の空燃比がリーンになりSOx離脱条件を満たさなくなった場合でも、排気中への還元剤の添加等、排気の空燃比をストイキまたはリッチとする制御が継続している間は、SOx離脱条件が満たした時間がカウントが持続され、SOx離脱時間を、実際のSOx離脱に合致させるように適切にコントロールされる。
【0018】
第3の発明では、排気に含まれるSOxを保持するSOx保持材と、このSOx保持材に保持されたSOx量を推定するSOx保持量推定手段とを備え、この推定されたSOx保持量が所定量以上となった時に前記SOx保持材に流入する排気の空燃比をストイキまたはリッチとし、かつ前記SOx保持材の温度を所定温度以上であるSOx離脱条件を満たしたとき、前記SOx保持材に保持されたSOxを離脱させる内燃機関の排気浄化装置において、
前記SOx離脱条件を満たした時間をカウントして前記SOx保持材から離脱したSOx量を推定する離脱SOx量推定手段を有し、この離脱SOx量推定手段は、前記SOx離脱条件を満たす範囲に入った後の第1の所定時間は、補正によって前記SOx離脱条件を満たした時間のカウントを短縮し、この短縮された前記時間に基づいて前記SOx保持剤から離脱したSOx量を推定することを特徴とする。
【0019】
この場合、前記第1の所定時間は、前記SOx離脱条件を満たした後、実際にSOx離脱が開始されるまでの期間とすることができる。
【0020】
第4の発明は、排気に含まれるSOxを保持するSOx保持材と、このSOx保持材に保持されたSOx量を推定するSOx保持量推定手段と、この推定されたSOx保持量が所定量以上となった時に前記SOx保持材に流入する排気の空燃比をストイキまたはリッチとし、かつ前記SOx保持材の温度を所定温度以上であるSOx離脱条件を満たしたとき、前記SOx保持材に保持されたSOxを離脱させる内燃機関の排気浄化装置において、
前記SOx離脱条件を満たした時間をカウントし、前記SOx保持材から離脱したSOx量を推定する離脱SOx量推定手段を有し、この離脱SOx量推定手段は、前記SOx離脱条件を満たさない時間が第2の所定期間未満であるときは、前記カウントを停止しないことを特徴とする。
【0021】
この場合、前記第2の所定時間は、前記SOx離脱条件を満たさなくなった後、実際にSOx離脱がされなくなるまでの期間とすることができる。
【0022】
本発明によれば、実際にSOxが離脱する期間とSOx離脱条件を満たしている期間との間のずれが修正されるので、正確な離脱SOx量が把握され、適切な時期にSOx被毒回復処理の実行が可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る排気浄化装置の具体的な実施態様を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係る排気浄化装置を適用する内燃機関1とその吸排気系の概略構成を示す図である。
【0024】
図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する水冷式の4サイクル・ディーゼル機関である。
【0025】
内燃機関1は、各気筒2の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。各燃料噴射弁3は、燃料を所定圧まで蓄圧する蓄圧室(コモンレール)4と接続されている。
【0026】
前記コモンレール4は、燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通している。この燃料ポンプ6は、内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)の回転トルクを駆動源として作動するポンプであり、該燃料ポンプ6の入力軸に取り付けられたポンププーリ6aが内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)に取り付けられたクランクプーリ1aとベルト7を介して連結されている。
【0027】
このように構成された燃料噴射系では、クランクシャフトの回転トルクが燃料ポンプ6の入力軸へ伝達されると、燃料ポンプ6は、クランクシャフトから該燃料ポンプ6の入力軸へ伝達された回転トルクに応じた圧力で燃料を吐出する。
【0028】
前記燃料ポンプ6から吐出された燃料は、燃料供給管5を介してコモンレール4へ供給され、コモンレール4にて所定圧まで蓄圧されて各気筒2の燃料噴射弁3へ分配される。そして、燃料噴射弁3に駆動電流が印加されると、燃料噴射弁3が開弁し、その結果、燃料噴射弁3から気筒2内へ燃料が噴射される。
【0029】
次に、内燃機関1には、吸気枝管8が接続されており、吸気枝管8の各枝管は、各気筒2の燃焼室と吸気ポート(図示省略)を介して連通している。
【0030】
前記吸気枝管8は吸気管9に接続されている。吸気管9には、該吸気管9内を流通する吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ11が取り付けられている。
【0031】
前記吸気管9における吸気枝管8の直上流に位置する部位には、該吸気管9内を流通する吸気の流量を調節する吸気絞り弁13が設けられている。この吸気絞り弁13には、ステップモータ等で構成されて該吸気絞り弁13を開閉駆動する吸気絞り用アクチュエータ14が取り付けられている。
【0032】
前記エアフローメータ11と前記吸気絞り弁13との間に位置する吸気管9には、排気のエネルギを駆動源として作動する遠心過給機(ターボチャージャ)15のコンプレッサハウジング15aが設けられている。
【0033】
このように構成された吸気系では、吸気は、吸気管9を介してコンプレッサハウジング15aに流入する。
【0034】
コンプレッサハウジング15aに流入した吸気は、該コンプレッサハウジング15aに内装されたコンプレッサホイールの回転によって圧縮される。前記コンプレッサハウジング15a内で圧縮された吸気は、必要に応じて吸気絞り弁13によって流量を調節されて吸気枝管8に流入する。吸気枝管8に流入した吸気は、各枝管を介して各気筒2の燃焼室へ分配され、各気筒2の燃料噴射弁3から噴射された燃料を着火源として燃焼される。
【0035】
一方、内燃機関1には、排気枝管18が接続され、排気枝管18の各枝管が排気ポート1bを介して各気筒2の燃焼室と連通している。
【0036】
前記排気枝管18は、前記遠心過給機15のタービンハウジング15bと接続されている。前記タービンハウジング15bは、排気管19と接続され、この排気管19は、下流にて大気へと通じている。
【0037】
前記排気管19の途中には、NOx保持材を含む吸蔵還元型NOx触媒20(以下、単にNOx触媒とする。)が設けられている。NOx触媒20は、例えばコージェライトのような多孔質材料から形成され、例えば、アルミナを担体とし、その担体上に、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、もしくはセシウム(Cs)等のアルカリ金属と、バリウム(Ba)もしくはカルシウム(Ca)等のアルカリ土類と、ランタン(La)もしくはイットリウム(Y)等の希土類とから選択された少なくとも1つと、白金(Pt)等の貴金属とを担持して構成されている。尚、本実施の形態では、アルミナからなる担体上にバリウム(Ba)と白金(Pt)とを担持し、更に酸素貯蔵(O2ストレージ)能のある例えばセリア(CeO2)等の遷移金属が添加されている。
【0038】
このNOx触媒20は、このNOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を保持し、一方、このNOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が低下したときは保持していたNOxを離脱させる。その際、排気中に炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の還元成分が存在していれば、該NOx触媒20から離脱したNOxが還元される。また、セリア(CeO2)等の遷移金属は、排気の特性に応じて酸素を一時的に保持し、活性化酸素として放出する能力を有する。
【0039】
NOx触媒20より上流の排気管19には、該排気管19内を流通する排気の温度に対応した電気信号を出力する排気温度センサ24が取り付けられている。また、NOx触媒20より下流の排気管19には、該排気管19内を流通する排気中のNOx濃度に対応した電気信号を出力するNOxセンサ22及び排気の空燃比に対応した電気信号を出力する空燃比センサ23が取り付けられている。
【0040】
このように構成された排気系では、内燃機関1の各気筒2で燃焼された混合気(既燃ガス)が排気ポート1bを介して排気枝管18へ排出され、次いで排気枝管18から遠心過給機15のタービンハウジング15bへ流入する。タービンハウジング15bに流入した排気は、該排気が持つエネルギを利用してタービンハウジング15b内に回転自在に支持されたタービンホイールを回転させる。その際、タービンホイールの回転トルクは、前述したコンプレッサハウジング15aのコンプレッサホイールへ伝達される。
【0041】
前記タービンハウジング15bから排出された排気は、排気管19を介してNOx触媒20へ流入し、排気中のNOxが保持される。その後、排気は排気管19を流通して大気中へと放出される。
【0042】
ところで、内燃機関1が希薄燃焼運転されている場合は、内燃機関1から排出される排気の空燃比がリーン雰囲気となり排気中の酸素濃度が高くなるため、排気中に含まれるNOxがNOx触媒に保持されることになるが、内燃機関1の希薄燃焼運転が長時間継続されると、NOx触媒のNOx保持能力が飽和し、排気中のNOxがNOx触媒にて保持されずに大気中へ放出されてしまう。
【0043】
特に、内燃機関1のようなディーゼル機関では、大部分の運転領域においてリーン空燃比の混合気が燃焼され、それに応じて大部分の運転領域において排気の空燃比がリーン空燃比となるため、NOx触媒のNOx保持能力が飽和し易い。なお、ここでいうリーン空燃比とは、ディーゼル機関にあっては、例えば20から50の範囲であり、三元触媒ではNOxを浄化できない領域を意味する。
【0044】
従って、内燃機関1が希薄燃焼運転されている場合は、NOx触媒のNOx保持能力が飽和する前にNOx触媒に流入する排気中の酸素濃度を低下させるとともに還元剤の濃度を高め、NOx触媒に保持されたNOxを還元させる必要がある。
【0045】
このように酸素濃度を低下させる方法としては、排気中の燃料添加や、再循環するEGRガス量を増大させて煤の発生量が増加して最大となった後に、更にEGRガス量を増大させる低温燃焼(特許第3116876号参照)、機関出力のための燃料を噴射させる主噴射の後の膨張行程若しくは排気行程中に再度燃料を噴射させる副噴射等の方法が考えられる。例えば、排気中の燃料添加では、NOx触媒20より上流の排気管19を流通する排気中に還元剤たる燃料(軽油)を添加する還元剤供給機構を備え、この還元剤供給機構から排気中へ燃料を添加することにより、NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度を低下させるとともに還元剤の濃度を高めることができる。
【0046】
還元剤供給機構は、図1に示されるように、その噴孔が排気枝管18内に臨むように取り付けられ、後述するECU35からの信号により開弁して燃料を噴射する還元剤噴射弁28と、前述した燃料ポンプ6から吐出された燃料を前記還元剤噴射弁28へ導く還元剤供給路29と、を備えている。
【0047】
このような還元剤供給機構では、燃料ポンプ6から吐出された高圧の燃料が還元剤供給路29を介して還元剤噴射弁28へ印加される。そして、ECU35からの信号により該還元剤噴射弁28が開弁して排気枝管18内へ還元剤としての燃料が噴射される。
【0048】
還元剤噴射弁28から排気枝管18内へ噴射された還元剤は、排気枝管18の上流から流れてきた排気の酸素濃度を低下させると共に、NOx触媒20に到達し、NOx触媒20に保持されていたNOxを還元することになる。
【0049】
その後、ECU35からの信号により還元剤噴射弁28が閉弁し、排気枝管18内への還元剤の添加が停止されることになる。
【0050】
また、内燃機関1には、クランクシャフトの回転位置に対応した電気信号を出力するクランクポジションセンサ33が設けられている。
【0051】
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)35が併設されている。このECU35は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
【0052】
ECU35には、各種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種センサの出力信号の他、運転者がアクセルを踏み込んだ量に応じた電気信号を出力するアクセル開度センサ36の出力信号が入力されるようになっている。
【0053】
一方、ECU35には、燃料噴射弁3、吸気絞り用アクチュエータ14、還元剤噴射弁28等が電気配線を介して接続され、上記した各部をECU35が制御することが可能になっている。
【0054】
例えば、NOx浄化制御では、ECU35は、NOx触媒20に流入する排気中の酸素濃度を比較的に短い周期でスパイク的(短時間)に低くする、所謂リッチスパイク制御を実行する。
【0055】
リッチスパイク制御では、ECU35は、所定の周期毎にリッチスパイク制御実行条件が成立しているか否かを判別する。このリッチスパイク制御実行条件としては、例えば、NOx触媒20が活性状態にある、排気温度センサ24の出力信号値(排気温度)が所定の上限値以下である、被毒解消制御が実行されていない、等の条件を例示することができる。
【0056】
上記したようなリッチスパイク制御実行条件が成立していると判定された場合は、ECU35は、還元剤噴射弁28からスパイク的に還元剤たる燃料を噴射させるべく当該還元剤噴射弁28を制御することにより、NOx触媒20に流入する排気の空燃比を一時的に所定の目標リッチ空燃比とする。
【0057】
具体的には、ECU35は、記憶されている機関回転数、アクセル開度センサ36の出力信号(アクセル開度)、エアフローメータ11の出力信号値(吸入空気量)、空燃比センサ23の出力信号、燃料噴射量等を読み出す。
【0058】
ECU35は、前記した機関回転数とアクセル開度と吸入空気量と燃料噴射量とをパラメータとして還元剤添加量制御マップへアクセスし、排気の空燃比を予め設定された目標空燃比とする上で必要となる還元剤の添加量(目標添加量)を算出する。
【0059】
続いて、ECU35は、前記目標添加量をパラメータとして還元剤噴射弁制御マップへアクセスし、還元剤噴射弁28から目標添加量の還元剤を噴射させる上で必要となる還元剤噴射弁28の開弁時間(目標開弁時間)を算出する。
【0060】
還元剤噴射弁28の目標開弁時間が算出されると、ECU35は、還元剤噴射弁28を開弁させる。
【0061】
ECU35は、還元剤噴射弁28を開弁させた時点から前記目標開弁時間が経過すると、還元剤噴射弁28を閉弁させる。
【0062】
このように還元剤噴射弁28が目標開弁時間だけ開弁されると、目標添加量の燃料が還元剤噴射弁28から排気枝管18内へ噴射されることになる。そして、還元剤噴射弁28から噴射された還元剤は、排気枝管18の上流から流れてきた排気と混ざり合って目標空燃比の混合気を形成してNOx触媒20に流入する。
【0063】
この結果、NOx触媒20に流入する排気の空燃比は、比較的に短い周期で酸素濃度が変化することになり、以て、NOx触媒20がNOxの保持と還元とを交互に短周期的に繰り返すことになる。
【0064】
このように、NOx触媒20に流入する排気の空燃比をスパイク的に目標リッチ空燃比とし、吸蔵還元型NOx触媒に保持されたNOxを還元することが可能となる。
【0065】
次に、SOx被毒解消制御では、ECU35は、NOx触媒20のSOxによる被毒を解消すべくSOx被毒解消処理を行う。
【0066】
ここで、内燃機関1の燃料には硫黄(S)が含まれている場合があり、そのような燃料が内燃機関1で燃焼されると、二酸化硫黄(SO2)や三酸化硫黄(SO3)などの硫黄酸化物(SOx)が生成される。
【0067】
SOxは、排気とともにNOx触媒20に流入し、NOxと同様のメカニズムによって吸蔵還元型NOx触媒に保持される。
【0068】
具体的には、NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が高いときには、流入排気ガス中の二酸化硫黄(SO2)や三酸化硫黄(SO3)等のSOxが白金(Pt)の表面上で酸化され、硫酸イオン(SO4 2-)の形でNOx触媒20に保持される。更に、NOx触媒20に吸収された硫酸イオン(SO4 2-)は、酸化バリウム(BaO)と結合して硫酸塩(BaSO4)を形成する。
【0069】
ところで、硫酸塩(BaSO4)は、硝酸バリウム(Ba(NO3)2)に比して安定していて分解し難く、NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が低くなっても分解されずにNOx触媒20内に残留してしまう。
【0070】
NOx触媒20における硫酸塩(BaSO4)の量が増加すると、それに応じてNOxの保持に関与することができる酸化バリウム(BaO)の量が減少するため、NOx触媒20のNOx保持能力が低下する、いわゆるSOx被毒が発生する。
【0071】
NOx触媒20のSOx被毒を解消する方法としては、NOx触媒20の雰囲気温度をおよそ600乃至650℃の高温域まで昇温させるとともに、NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度を低くすることにより、NOx触媒20に吸収されている硫酸バリウム(BaSO4)をSO3 -やSO4 -に熱分解し、次いでSO3 -やSO4 -を排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)と反応させて気体状のSO2 -に還元する方法を例示することができる。
【0072】
ECU35は、例えば、還元剤噴射弁28から排気中へ燃料を添加することにより、それらの未燃燃料成分をNOx触媒20において酸化させ、酸化の際に発生する熱によってNOx触媒20の床温を高めるようにする。同時に、各気筒の膨張行程若しくは排気行程時に燃料噴射弁3から副次的に燃料を噴射させても良い。
【0073】
上記したような燃料添加により、NOx触媒20の床温が600℃から650℃程度の高温域まで上昇する。その後も、引き続きNOx触媒20に流入する排気の酸素濃度を低下させるべくECU35は、還元剤噴射弁28から燃料を噴射させる。
【0074】
このように被毒回復処理が実行されると、NOx触媒20の床温が高い状況下で、NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が低くなるため、NOx触媒20に保持されている硫酸バリウム(BaSO4)がSO3 -やSO4 -に熱分解され、それらSO3 -やSO4 -が排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)と反応して還元され、以てNOx触媒20のSOx被毒が回復されることになる。
【0075】
なお、上述のSOx被毒回復処理には前記リッチスパイクを実行して排気の酸素濃度を低下させる。
【0076】
さらに、1回のリッチスパイクを複数回の燃料噴射により形成し、空燃比が過剰なリッチとならないようにする。ここで、一度に多量の燃料を噴射する空燃比が過リッチとなる虞があり、NOx触媒20で反応しきれない燃料の一部が下流へ流出することがある。そこで、本実施の形態では、少量の燃料を複数回に分割して噴射することにより、過リッチを抑制しつつリッチ雰囲気を形成するようにした。
【0077】
ここで、従来のSOx被毒回復処理における問題点を図2及び図3に基づいて詳説する。
【0078】
従来の排気系燃料添加を間欠的に実施するSOx被毒回復処理では、離脱SOx量を触媒床温条件(T℃以上)と、燃料添加時の空燃比(ストイキ以下)が成立している時間から算出していた。離脱SOx量は上記の条件が成立している間は継続して所定量が離脱されているものとされていたので、この条件の成立時間の長短が、そのまま離脱SOx量に反映されていた。
【0079】
図2のように、従来のSOx被毒回復処理では、吸入空気量や燃料噴射量のばらつき等によって排気の空燃比が瞬間的にリーン状態(符号50で示す)になったとき、SOx離脱成立時間カウンタが0(ゼロ)にリセット(符号51で示す)されてしまい、再度、SOx離脱成立時間を0(ゼロ)からカウントすることになる。したがって、実際にはSOx離脱が継続しているにもかかわらず、離脱SOx量が実際よりも少なく算出される結果、必要以上にSOx被毒回復処理が行われる。このような事態は燃費の悪化をも招くので、好ましいことではない。
【0080】
他方、図3に示すように、SOx離脱判定フラグがONの時間(SOx離脱成立時間)が短い場合は、実際の離脱SOx量が少ないにも関わらず、算出される離脱SOx量は実際の離脱量よりも多く算出される。例えば、実際にはSOx離脱時間が1秒間しかないにもかかわらず、SOx離脱成立時間が、2秒、3秒または4秒として算出されてしまう(符号52で示す)。これは還元剤がNOx触媒に行き渡り、SOxが前述した所定の反応によって離脱が開始されるまでに、ある程度の時間を要するためである。
【0081】
このような場合は、実際に離脱されないSOx量が離脱されたものとして算出され、NOx触媒に蓄積されたSOx量が正確に推定されないので、SOx被毒回復処理を適切な時期に実行できない虞がある。
【0082】
本発明は、かかる事態を回避するため、瞬間的に、排気の空燃比または/及び触媒床温がSOx離脱条件から外れることがあっても、離脱SOx量カウンタをリセットしない一方、同様に、排気の空燃比または/及び触媒床温がSOx離脱条件を満たす範囲に入っても、その後の数秒間は条件の成立時間カウンタを作動させない。また、SOx保持材に流入する排気の空燃比をストイキまたはリッチとする制御が継続している間は、前記カウントを停止しないことで、SOxが離脱される時間とSOx離脱条件を満たしている時間とのずれを修正する。
【0083】
次に、本実施の形態によるSOx被毒回復制御について説明する。この制御は、瞬間的にSOx離脱条件を外れたとしても、還元剤として燃料を添加して排気の空燃比をストイキまたはリッチにする制御が継続している間は、離脱SOx量カウンタをリセットしないことで、SOxが離脱される時間とSOx離脱条件を満たしている時間とのずれを修正するものである。
【0084】
図2を参照すれば、SOx離脱判定フラグがONで、燃料排気添加フラグもONであるとき、排気の空燃比(A/F)はストイキ(14.5)より小さい。しかし、図示のように、瞬間的に空燃比がストイキより大きくなり、リーン側に変化したとき、一旦、SOx離脱判定フラグはOFFとなるが、燃料排気添加フラグがONのままであり排気中への燃料の添加が継続していれば、図2に示す場合と異なり、SOx離脱成立時間を0(ゼロ)にすることなく、このカウントを継続する。
【0085】
このようにすれば、意図しない状況での瞬間的なSOx離脱判定フラグのOFFに対しても離脱SOx量を誤算出することはなくなる。
【0086】
次に、この制御を図4に示すSOx被毒回復のフローを示したフローチャート図に基づいて説明する。
【0087】
ステップS101では、SOx被毒回復条件が成立しているか否か判定する。条件としては、NOx触媒20に保持されたSOx量が所定量を超えたか等を例示することができる。ここで、SOx保持量は、機関回転数NE × 燃料噴射量Qの二次元マップに基づいて算出することができる。
【0088】
その他、燃料消費量やNOxセンサ22からの出力信号、車両走行距離等により求めることができる。燃料中の硫黄成分によりNOx触媒20が被毒するので、燃料の消費量を積算してECU35に記憶させ、この燃料の消費量によりSOx保持量を求めても良い。
【0089】
また、SOx被毒が進行すると吸蔵還元型NOx触媒のNOxの保持量が減少し、NOx触媒20下流に流通するNOxの量が増大する。したがって、NOx触媒20の下流にNOxセンサ22を設け、この出力信号に基づいてSOx保持量を求めても良い。更に、車両走行距離に応じてSOx保持量が増加するとして、この車両走行距離に基づいてSOx保持量を求めることも可能である。
【0090】
ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはこのルーチンを終了させる。
【0091】
ステップS102では、燃料添加判定条件が成立しているか否か判定する。条件としては、内燃機関1がSOx被毒回復に適した運転状態であるか、NOx触媒20の温度がSOx被毒回復に適した温度A℃からB℃の範囲(例えば、550〜700℃の範囲)であるか、また排気の空燃比がストイキより小さいか否か等を例示することができる。
【0092】
ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはS107に進む。
【0093】
ステップS103では、SOx離脱判定フラグをONにする。
【0094】
次に、ステップS104では、SOx離脱成立時間のカウントを開始し、ステップS105ではSOx離脱判定フラグがONであり、かつSOx離脱成立時間T1が0(ゼロ)でないことが成立するか否かを判断する。ここで肯定判定がされたときはステップS106に進み、SOx離脱成立時間T1から離脱SOx量を算出する。この算出は、あらかじめ実験等により求めたSOx離脱成立時間T1と離脱SOx量Aの関係を示すマップに基づいて行われる。
【0095】
一方、ステップS102で否定判定がされたときは、ステップS107に進み、SOx離脱判定フラグをOFFにする。次に、ステップS108に進み、燃料排気添加フラグがOFF であるか否かを判断する。これが肯定判定されたときはステップS109に進み、SOx離脱成立時間T1を0(ゼロ)にしてこのルーチンを終了する。
【0096】
ステップS108で否定判定がされたとき、すなわち燃料排気添加フラグがONで、燃料添加が継続しているときは、SOx離脱成立時間を0(ゼロ)にリセットすることなく、SOx離脱判定フラグがONでSOx離脱成立時間T1がカウントがされている状態に戻り、上述したステップS105からステップS106に進み、このルーチンを終了する。
【0097】
したがって、SOx離脱判定フラグがOFFにされても、燃料添加が継続されている限りは、SOx離脱成立時間カウンタをクリアすることなくそのカウントを継続するので、正確に実際の離脱SOx量Aを算出することができる。
【0098】
次に、他の本実施の形態によるSOx被毒回復制御について説明する。
【0099】
この実施の形態では、排気の空燃比または/及び触媒床温がSOx離脱条件を満たす範囲に入っても、その後の所定時間、例えば数秒間は、SOx離脱成立時間カウンタを作動させない一方、同様に、所定時間、例えば数秒間にわたり、排気の空燃比または/及び触媒床温がSOx離脱条件から外れることがあっても、所定の期間は、離脱SOx量カウンタをリセットしないことで、SOxが離脱される時間とSOx離脱条件を満たしている時間とのずれを修正するものである。
【0100】
図3を参照して前者の制御について説明すると、SOx離脱判定フラグがONでSOx離脱成立時間が0(ゼロ)より大きいとき、図3に示すようにSOx離脱成立時間のカウントに基づいて離脱SOx量の算出を実行している。これに対して、この実施の形態では、そのままのSOx離脱成立時間に対応して前記算出をするのではなく、SOx離脱判定フラグON時間が所定時間以上経過していない場合には、補正によってSOx離脱成立時間を短縮する。この短縮された前記時間に基づいて離脱SOx量を算出する。
【0101】
このような場合の離脱SOx量Bは、次式で求められる。
【0102】
離脱SOx量B=SOx離脱成立時間T2×補正係数E
ここで、補正係数Eは、NOx触媒20に還元剤が行き渡り、SOxの離脱開始までの時間を予め実験等で求め、SOx離脱判定フラグがONとなった後、前記離脱開始までの時間の経過後に離脱される離脱SOx量が算出されるように求められた値である。
【0103】
このようにすれば、SOx離脱判定フラグON時間が短いときでも、その時間に見合った実際の離脱SOx量Bを正確に算出できる。
【0104】
また、先の実施の形態と同様に、意図しない状況での瞬間的なSOx離脱判定フラグのOFFに対しても、離脱SOx量を誤算出することはなくなる。
【0105】
次に、この制御を図5に示すSOx被毒回復のフローを示したフローチャート図に基づいて説明する。
【0106】
ステップS201では、SOx被毒回復条件が成立しているか否か判定する。
【0107】
ステップS201で肯定判定がなされた場合にはステップS202へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはこのルーチンを終了する。
【0108】
ステップS202では、燃料添加判定条件が成立しているか否か判定する。条件としては、内燃機関1がSOx被毒回復に適した運転状態であるか、NOx触媒20の温度がSOx被毒回復に適した温度A℃からB℃の範囲(例えば、600〜650℃の範囲)であるか、また排気の空燃比がストイキより小さいか否か等を例示することができる。
【0109】
ステップS202で肯定判定がなされた場合にはステップS203へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはS208に進む。
【0110】
ステップS203では、SOx離脱判定フラグをONにし、次に、S204では、SOx離脱不成立時間T4を0(ゼロ)にする。
【0111】
次に、S205で、SOx離脱成立時間T2のカウントを開始する。
【0112】
S206ではSOx離脱判定フラグがONであり、かつSOx離脱成立時間T2が0(ゼロ)でないことが成立するか否かを判断する。ここで肯定判定がされたときはS207に進み、SOx離脱成立時間T2がDsecよりも小さいか否かを判断する。一方、否定判定がされたときは、このルーチンを終了する。
【0113】
前記ステップS207において肯定判定がされたときは、ステップS208に進み、SOx離脱成立時間T2に補正係数Eを掛けてこれを補正して、補正されたSOx離脱時間T3に基づいて離脱SOx量を算出する。したがって、SOx離脱成立時間T2が短いときでも正確な離脱SOx量が算出できる。
【0114】
一方、ステップS207で否定的判定がされたときは、ステップS209に進み、SOx離脱成立時間T2を補正せずに、そのままの時間に基づいてSOx量を算出する。
【0115】
なお、前記ステップS202で否定判定がされたときは、ステップS210に進み、SOx離脱判定フラグをOFFにする。次に、ステップS211に進みSOx離脱不成立時間T4のカウントを開始する。
【0116】
次いで、ステップS212に進み、SOx離脱不成立時間T4がCsecより大きいか否かが判断される。肯定的判定がされればSOx離脱成立時間T2を0(ゼロ)にしてこのルーチンを終了する。
【0117】
ステップS212で否定判定がされたときは、SOx離脱成立時間T2を0(ゼロ)にリセットすることなく、SOx離脱判定フラグがONでSOx離脱成立時間カウントがされている状態に戻り、前記ステップS206からステップS209に進み、このルーチンを終了する。
【0118】
したがって、SOx離脱判定フラグがOFFにされても、SOx離脱不成立時間T4がCsecより小さければ、SOx離脱成立時間カウンタをクリアすることなくそのカウントを継続するので、正確に実際の離脱SOx量を算出することができる。
【0119】
以上説明したように、上記の実施の形態によれば、SOxが離脱される時間とSOx離脱条件を満たしている時間との間のずれが修正されるので、実際よりもSOx離脱成立時間が短く算出されて必要以上にSOx被毒回復処理が継続される状態と、反対に、実際よりもSOx離脱成立時間が長く算出されて必要な時間のSOx被毒回復処理が行われない状態の双方を回避することができる。
【0120】
この実施の形態のように、還元剤に機関燃料が使用されている場合には、必要以上のSOx被毒回復処理による燃費の悪化を抑制することができる。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、実際にSOxが離脱される時間と、SOx離脱条件を満たしている時間との間のずれを修正することができるので、NOx触媒等における正確なSOx蓄積量及びその離脱量を把握することが可能である。したがって、効率的で無駄のないSOx被毒回復処理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る内燃機関の概略構成図である。
【図2】従来のSOx被毒回復制御における問題点を示す図である。
【図3】従来のSOx被毒回復制御における他の問題点を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるSOx被毒回復制御の実行フローを示すフローチャート図である。
【図5】本発明の他の実施の形態におけるSOx被毒回復制御の実行フローを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 内燃機関
2・・・・気筒
3・・・・燃料噴射弁
4・・・・コモンレール
4a・・・コモンレール圧センサ
5・・・・燃料供給管
6・・・・燃料ポンプ
6a・・・ポンププーリ
8・・・・吸気枝管
9・・・・吸気管
18・・・排気枝管
19・・・排気管
20・・・NOx触媒
22・・・NOxセンサ
23・・・空燃比センサ
24・・・排気温度センサ
28・・・還元剤噴射弁
29・・・還元剤供給路
33・・・クランクポジションセンサ
35・・・ECU
36・・・アクセル開度センサ
Claims (5)
- 排気に含まれるSOxを保持するSOx保持剤と、このSOx保持剤に保持されたSOx量を推定するSOx保持量推定手段とを備え、この推定されたSOx保持量が所定量以上となった時に前記SOx保持剤に流入する排気の空燃比をストイキまたはリッチとし、かつ前記SOx保持剤の温度を所定温度以上であるSOx離脱条件を満たしたとき、前記SOx保持剤に保持されたSOxが離脱する内燃機関の排気浄化装置において、
前記SOx離脱条件を満たした時間をカウントし、前記SOx保持剤から離脱したSOx量を推定する離脱SOx量推定手段を有し、この離脱SOx量推定手段は、実際にSOxが放出される時期と前記SOx離脱条件を満たしている時期とのずれを修正するために、SOx離脱条件を満たすようになってから所定時間以上経過していない場合には、補正によって前記SOx離脱条件を満たした時間のカウントを短縮し、この短縮された前記時間に基づいて前記SOx保持剤から離脱したSOx量を推定し、また、SOx離脱条件を満たさなくなってから一定時間以上経過していない場合には、前記SOx離脱条件を満たした時間のカウントを停止しないことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 排気に含まれるSOxを保持するSOx保持剤と、このSOx保持剤に保持されたSOx量を推定するSOx保持量推定手段とを備え、この推定されたSOx保持量が所定量以上となった時に前記SOx保持剤に流入する排気の空燃比をストイキまたはリッチとし、かつ前記SOx保持剤の温度を所定温度以上であるSOx離脱条件を満たしたとき、前記SOx保持剤に保持されたSOxを離脱させる内燃機関の排気浄化装置において、
前記SOx離脱条件を満たした時間をカウントして前記SOx保持剤から離脱したSOx量を推定する離脱SOx量推定手段を有し、この離脱SOx量推定手段は、前記SOx離脱条件を満たす範囲に入った後の第1の所定時間は、補正によって前記SOx離脱条件を満たした時間のカウントを短縮し、この短縮された前記時間に基づいて前記SOx保持剤から離脱したSOx量を推定することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記第1の所定時間は、前記SOx離脱条件を満たした後、実際にSOx離脱が開始されるまでの時間であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記離脱SOx量推定手段は、前記SOx離脱条件を満たさない時間が第2の所定時間以下であるときは、前記カウントを停止しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記第2の所定時間は、前記SOx離脱条件を満たさなくなった後、実際にSOx離脱がされなくなるまでの時間であることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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