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JP4312403B2 - (ポリ)ペプチド/タンパク質を、ジスルフィド結合を介してバクテリオファージ粒子に表示させる新規方法 - Google Patents

(ポリ)ペプチド/タンパク質を、ジスルフィド結合を介してバクテリオファージ粒子に表示させる新規方法 Download PDF

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JP4312403B2 JP2001511164A JP2001511164A JP4312403B2 JP 4312403 B2 JP4312403 B2 JP 4312403B2 JP 2001511164 A JP2001511164 A JP 2001511164A JP 2001511164 A JP2001511164 A JP 2001511164A JP 4312403 B2 JP4312403 B2 JP 4312403B2
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Description

【0001】
本発明は、(ポリ)ペプチド/タンパク質をジスルフィド結合を介して結合させることによって、この(ポリ)ペプチド/タンパク質をバクテリオファージ粒子の表面に表示させる方法に関する。
【0002】
本出願は、引用によりその全体が本明細書中に包含される欧州特許出願EP 99 11 4072.4およびEP 00 10 3551.8を基礎とし、これらに対して優先権を主張する。本明細書中を通して、多数の文献が引用されている。これらの文献の開示内容は引用によりその全体が本明細書中に包含される。
【0003】
Smithは、1985年に、繊維状ファージが、その遺伝子IIIタンパク質(pIII)内に挿入された外来のタンパク質断片を寛容することを最初に示し、そのタンパク質断片がファージ表面に表されることを示すことができた(Smith, 1985)。Landerは、その概念をファージ表面に表示された(ポリ)ペプチドおよび/またはタンパク質のレパートリーのスクリーニングに拡大し、それ以後、ファージディスプレーは劇的な進歩を経験し、実質的に達成された。
【0004】
(ポリ)ペプチド/タンパク質ファージディスプレーライブラリーを構築し、スクリーニングする種々の形式が開発され、多数の総括論文および研究論文がこれらの発達を報告し、要約している(例えば、Kay et al., 1996; Dunn, 1996; McGregor, 1996)。
【0005】
最もよく用いられてきたのは、繊維状ファージに基づく系である。
【0006】
この方法は、最初は、単一鎖Fv(scFv)断片の表示を計画され(WO 88/06630; さらにWO 92/01047を参照)、その後Fab断片のような多量体タンパク質のディスプレー(WO 91/17271; WO 92/01047)を含む、ウシ膵臓トリプシン阻害剤(BPTI)(WO 90/02809)、ペプチドライブラリー(WO 91/19818)、ヒト成長ホルモン(WO 92/09690)および種々の他のタンパク質のディスプレーに急速に拡大された。
【0007】
ペプチドまたはタンパク質を繊維状バクテリオファージ表面にアンカーするためには、ほとんどの場合、ファージコートタンパク質に対する遺伝的融合物が用いられる。好ましいのは、遺伝子IIIタンパク質(Parmley & Smith, 1988)またはその断片(Bass et al., 1990)および遺伝子VIIIタンパク質(Greenwood et al., 1991)に対する融合物である。1つの例では遺伝子VIが用いられ(Jespers et al., 1995)、また最近では遺伝子VIIと遺伝子IXの組み合わせがFv断片の表示用に用いられた(Gao et al., 1999)。
【0008】
さらに、ファージラムダに対するファージディスプレーも達成された。この場合、遺伝子Vタンパク質(Maruyama et al., 1994)、遺伝子Jタンパク質および遺伝子Dタンパク質(Sternberg & Hoess, 1995; Mikawa et al., 1996)が用いられた。
【0009】
遺伝的融合物を用いる以外に、外来ペプチドまたはタンパク質が結合ドメインを介してファージ表面に結合された。WO 91/17271では、ファージ表面に表示されたタグおよび、表示されるべきペプチド/タンパク質に融合されたタグ結合リガンドを用いて非共有的表示を達成することが示された。
【0010】
cDNAライブラリーの表示ために同様の概念が追求された(Crameri & Suter, 1993)。ここでは、jun/fos相互作用を用いて、cDNA断片の表示が媒介された。その構築体中、junならびにfosの両端に隣接するさらなるシステイン残基が、2つのジスルフィド結合の形成によってその相互作用をさらに安定化した。
【0011】
バイオパニング(biopanning)においてファージディスプレーライブラリーをスクリーニングする場合、所望の標的と結合したファージをどのように最良に回収するかという問題が残っている。通常、これは、pH勾配または塩濃度勾配の使用または、可溶性標的を用いる特異的溶出による、適当なバッファーでの溶出によって達成される。しかし、標的に高い親和性(アフィニティー)で結合する最も関心ある結合物がこのアプローチによって失われることもある。この問題を克服するために、表示される(ポリ)ペプチド/タンパク質とその融合パートナー間、または目的の標的と固形表面に標的をアンカーするその担体間の開裂シグナルを提供することによる、いくつかの別の方法が工夫された。
【0012】
さらに、本明細書中に示すすべてのアプローチは、少なくともファージコートタンパク質の部分と外来(ポリ)ペプチド/タンパク質を含む融合タンパク質の使用を必要とする。特に、表示されるべきペプチド/タンパク質に対するパートナーとして遺伝子IIIを用いる場合、このことはいくつかの問題を生じさせる。第一に、遺伝子IIIの発現産物は宿主細胞に対して有毒であり、遺伝子III融合タンパク質の厳重な調節が必要とされる。第二に、遺伝子III産物の発現は、子孫のファージ粒子の生産に必要とされるヘルパーファージの感染に対して宿主細胞を耐性にし得る。そして最後に、遺伝子III融合構築体と遺伝子IIIの野生型コピー間の組換えイベントは望ましくない人工産物を生じさせる。さらに、融合タンパク質をファージコート内へ包含させるために、少なくとも、約190アミノ酸を含む遺伝子IIIタンパク質のC末端ドメインを用いなければならないので、この核酸配列を含むベクターのサイズは大きくなり、形質転換効率の減少を生じさせる。しかし、形質転換効率は非常に大きなライブラリーの生産に決定的な要因である。さらに、ファージディスプレーライブラリーからの選択後に得られた(ポリ)ペプチド/タンパク質の特徴付けに関して、ファージコートタンパク質融合パートナーを除去するためか、あるいは、例えば検出用酵素または多量体化ドメイン(multimerisation domains)との融合によって新たな融合タンパク質を作成するために、その(ポリ)ペプチド/タンパク質を通常、発現ベクターに再クローニングする。再クローニングなしに直接発現し、(ポリ)ペプチド/タンパク質を他の部分と直接カップリングさせることを可能にする系が有益である。
【0013】
さらに、これらのアプローチのほとんど(Jespers et al. (1995), WO 91/17271および本明細書中、上に記載されるCrameri & Suter (1993)の実験を除く)は、(ポリ)ペプチド/タンパク質のC末端をファージコートタンパク質と融合させなければならないため、遊離のN末端を有する(ポリ)ペプチド/タンパク質の提示に限定される。特に、cDNAライブラリーの場合、または機能的であるために遊離のC末端が必要とされるタンパク質の場合、C末端融合物の作成を必要としない単純な方法が非常に望ましい。
【0014】
したがって、本発明の基礎となる技術的な課題は、ファージコートタンパク質との融合タンパク質を用いる必要なしに、(ポリ)ペプチド/タンパク質をファージ粒子上に提示することを可能にする単純な信頼できる系を開発することである。さらに、より信頼できる様式で、厳重に結合した(ポリ)ペプチド/タンパク質を回収することを可能にする方法が必要とされる。
【0015】
この技術的課題は、請求の範囲に特徴付けられる態様を提供することによって解決される。したがって、本発明は、バクテリオファージ粒子表面に表示された(ポリ)ペプチド/タンパク質の大きなライブラリーを容易に作成し、スクリーニングすることを可能にする。(ポリ)ペプチド/タンパク質をジスルフィド結合によってファージ粒子表面に連結する、本発明の技術的アプローチは先行技術によって開示も示唆もされていない。
【0016】
したがって、本発明は(ポリ)ペプチド/タンパク質をバクテリオファージ粒子表面に表示させる方法であって:
該(ポリ)ペプチド/タンパク質に含まれる第一のシステイン残基とタンパク質コートのメンバーに含まれる第二のシステイン残基との間にジスルフィド結合を形成させることにより、発現後の該(ポリ)ペプチド/タンパク質と該バクテリオファージ粒子のタンパク質コートのメンバーとを結合させるか、あるいはその結合を可能にすることを含む方法に関する。
【0017】
本発明の記載では、用語「バクテリオファージ」とは、ファージの複製に必要とされる核酸を含むタンパク質コートからなるパッケージを形成する細菌のウイルスに関する。この核酸は、DNAまたはRNA、二本鎖または一本鎖、直鎖状または環状であり得る。ファージラムダまたは繊維状ファージ(例えばM13、fdまたはf1)のようなバクテリオファージは当業者に周知である。本発明の記載では、用語「バクテリオファージ粒子」は本発明に記載の粒子、すなわちジスルフィド結合を介して(ポリ)ペプチド/タンパク質を表示する粒子を表す。バクテリオファージの組み立て中、コートタンパク質は、パッケージングシグナルを含んでいる種々の核酸配列をパッケージングすることができる。本発明の記載中、バクテリオファージまたはバクテリオファージ粒子に含まれる「核酸配列」という用語は、バクテリオファージまたはバクテリオファージ粒子の組み立て時に、バクテリオファージコートタンパク質によってパッケージングされる核酸配列またはベクターに関する。好ましくは、該核酸配列またはベクターは天然に存在するバクテリオファージゲノムから誘導され、例えば繊維状ファージの場合、ファージおよびファージミドベクターを含む。後者は、プラスミドの特徴に加えてパッケージングシグナルおよびファージの複製起点を含むプラスミドである。
【0018】
用語「(ポリ)ペプチド」は、ペプチド結合を介して連結された複数、すなわち2つまたはそれ以上のアミノ酸の1つまたはそれ以上の鎖からなる分子に関する。
【0019】
用語「タンパク質」は、少なくとも(ポリ)ペプチドの一部が、その(ポリ)ペプチド鎖(群)内および/または間の、二次、三次または四次構造の形成によって規定の三次元配置を獲得しているか、あるいはその獲得能を有する(ポリ)ペプチドを表す。この定義には、天然に存在するか、あるいは少なくとも部分的に人工的なタンパク質、ならびに、上に記載される規定の三次元配置を獲得可能である完全長タンパク質の断片またはドメインが含まれる。
【0020】
一本鎖からなる(ポリ)ペプチド/タンパク質の例には、単一鎖Fv抗体断片があり、複数の鎖からなる(ポリ)ペプチド/タンパク質の例には、Fab抗体断片がある。
【0021】
第一のシステイン残基が、(ポリ)ペプチド/タンパク質のC末端に位置する場合、表示形式は、C末端がファージコートタンパク質のメンバーに遺伝子融合されている慣用の表示機構に対応する。しかし、(ポリ)ペプチド/タンパク質のN末端を用いることによって、表示形式は上記のCrameri & SuterのpJuFO系におけるように逆転させることができる。
【0022】
用語「バクテリオファージ粒子の表面」とは、バクテリオファージ粒子の部分であって、この粒子が含有される媒体と接触し、接近可能な部分を意味する。この表面は、適当な宿主細胞内でのファージ生産時に組み立てられるファージコートの部分であるタンパク質(粒子のタンパク質コートのメンバー)によって決定される。
【0023】
用語「発現後」とは、バクテリオファージコートタンパク質との融合タンパク質をコードしている核酸が発現されるアプローチとは対照的に、該(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする核酸が、該コートとの結合前に宿主細胞内で発現される状況を表す。該(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードしている核酸の発現および、結合を生じさせるか、あるいは可能にする工程を、分離された工程および/または環境において行うことができる。しかし、発現および、結合を生じさせるか、あるいは可能にする工程は、適当な宿主細胞内で順に行われるのが好ましい。用語「(該結合が)ジスルフィド結合の形成によって生じる(ジスルフィド結合を形成させることにより)」とは、例えばpJuFo系の場合(Crameri & Suter, 1993)のように、ジスルフィド結合が結合に寄与し、また(ポリ)ペプチド/タンパク質に存在する第二のドメインと相互作用するための相互作用ドメインが、タンパク質コートの該メンバーと組換え的に融合されていない状況を表す。
【0024】
好ましい態様では、(ポリ)ペプチド/タンパク質を表示するバクテリオファージ粒子は(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする核酸配列を含む。
【0025】
本発明に記載の(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする核酸分子の構築方法、該核酸分子を含むベクターの構築方法、該ベクターを適当に選択された宿主細胞へ導入する方法、該(ポリ)ペプチド/タンパク質を発現させるか、あるいはその発現を可能にする方法は当分野に周知である(例えば、Sambrook et al., 1989; Ausubel et al., 1999; Ge et al, 1995を参照)。さらに、適当な宿主細胞内での子孫のバクテリオファージまたはバクテリオファージ粒子の生産に必要とされる遺伝物質の導入方法、および該子孫のバクテリオファージまたはバクテリオファージ粒子を生産させるか、あるいはその生産を可能にする方法は周知である(例えば、Kay et al., 1996を参照)。
【0026】
さらに好ましい態様では、本発明は、該第二のシステイン残基がバクテリオファージの野生型コートタンパク質の対応するアミノ酸位置に存在する方法に関する。
【0027】
さらに好ましい態様では、本発明は、タンパク質コートの該メンバーがバクテリオファージの野生型コートタンパク質である方法に関する。
【0028】
用語「野生型コートタンパク質」とは、天然に存在するバクテリオファージのファージコートを形成するタンパク質を表す。繊維状バクテリオファージの場合、該野生型タンパク質は遺伝子IIIタンパク質(pIII)、遺伝子VIタンパク質(pVI)、遺伝子VIIタンパク質(pVII)、遺伝子VIIIタンパク質(pVIII)および遺伝子IXタンパク質(pIX)である。繊維状バクテリオファージの密接に関係するメンバー、例えばf1、fdおよびM13間の相違を含むこれらの配列は当業者に周知である(例えば、Kay et al., 1996を参照)。
【0029】
さらに好ましい態様では、タンパク質の該メンバーは、バクテリオファージ野生型コートタンパク質の断頭された変異体であり、該断頭された変異体は少なくとも、該コートタンパク質をバクテリオ粒子タンパク質コート内へ包含させる、該野生型コートタンパク質の部分を含む。
【0030】
用語「断頭された変異体」とは、野生型配列の少なくとも部分の欠失させることによって修飾された上記野生型タンパク質由来のタンパク質を表す。これには、バクテリオファージ突然変異体において発見された断頭された遺伝子IIIタンパク質変異体のような変異体(Crissman & Smith, 1984)または標準的ファージディスプレー法の工程で生産された変異体(例えば、Bass et al., 1990; Krebber, 1996)が含まれる。例えば、断頭された変異体は、遺伝子IIIタンパク質のC末端ドメインからなるか、あるいはこれを含み得る。本発明に記載の断頭された変異体を同定するために、この変異体に検出タグを融合させることができ、この変異体が、変異体の存在下で形成されたバクテリオファージ粒子のファージコート内に包含されているか否かを測定するアッセイを構成することができる。野生型タンパク質の部分を欠失させることによって野生型タンパク質を断頭させる方法により、野生型タンパク質中で、欠失された部分に含まれる第二のシステインとジスルフィド結合を形成するシステイン残基を利用可能にすることができる。
【0031】
さらに好ましい態様では、タンパク質コートの該メンバーは、バクテリオファージ粒子のタンパク質コート内に包含され得る、バクテリオファージの野生型コートタンパク質の修飾された変異体である。
【0032】
本発明に記載の野生型タンパク質を修飾する方法は当業者に周知であり、これには標準的クローニングおよび/または突然変異誘発技術が含まれる。本発明に記載の方法において用いられる野生型タンパク質の修飾された変異体をコードする核酸分子の構築方法、ファージおよび/またはファージミドベクターの構築を含む、該核酸分子を含むベクターの構築方法、該ベクターを適当に選択された宿主細胞へ導入する方法、該修飾されたタンパク質を発現させるか、あるいはその発現を可能にする方法は当分野に周知である(例えば、Sambrook et al., 1989; Ausubel et al., 1999; Kay et al., 1996を参照)。本発明に記載の修飾された変異体を同定するために、変異体に検出タグを融合させることができ、この変異体を、変異体の存在下で形成されたバクテリオファージ粒子のファージコート内へ包含させることができるか否か、あるいは包含されているか否かを測定するためにアッセイを構成することができる。
【0033】
最も好ましい態様では、該第二のシステイン残基はバクテリオファージの野生型コートタンパク質内の対応するアミノ酸位置に存在しない。
【0034】
好ましい態様では、該第二のシステインはバクテリオファージの野生型コートタンパク質内へ人工的に導入されたものである。本明細書の記載では、用語「人工的に導入された」とは、野生型コートタンパク質が例えば組換え法によって修飾された状況を表す。例えば、野生型コートタンパク質をコードする核酸を標準的手法によって操作し、システインコドンを導入して、修飾されたコートタンパク質をコードする核酸配列を作成する。ここにシステイン残基は、該野生型または修飾されたコートタンパク質の少なくとも部分に挿入、あるいは該システイン残基を付加することによって、あるいは該野生型または修飾されたタンパク質の少なくとも部分に含まれるアミノ酸残基を該システイン残基で置換することによって、あるいは野生型または修飾されたコートタンパク質の少なくとも部分を、該第二のシステイン残基を含む(ポリ)ペプチド/タンパク質と融合することによって、あるいはこれらの挿入、付加、置換または融合の任意の組み合わせによって人工的に導入される。このような組換え的に導入されたシステインコドンを含む核酸を発現すると、システイン残基を含む野生型タンパク質の変異体が形成される。
【0035】
さらに最も好ましい態様では、該第二のシステインは、バクテリオファージ野生型コートタンパク質の断頭された変異体に人工的に導入されたものである。
【0036】
さらに好ましい態様では、該第二のシステインは、バクテリオファージ野生型コートタンパク質の修飾された変異体に人工的に導入されたものである。
【0037】
本発明に記載の人工的導入の達成方法は当業者に周知であり、これには標準的クローニングおよび/または突然変異誘発技術が含まれる。本発明に記載の方法において用いられる野生型タンパク質の修飾された変異体をコードする核酸分子の構築方法、該核酸分子を含むベクターの構築方法、該ベクターを適当に選択された宿主細胞へ導入する方法、該融合タンパク質を発現させるか、あるいはその発現を達成する方法は当分野に周知である(例えば、Sambrook et al., 1989; Ausubel et al., 1999を参照)。
【0038】
別の態様では、本発明は、該第二のシステインが、該バクテリオファージ粒子のファージコートの該メンバーのC末端またはN末端か、あるいはその近くに存在する方法に関する。
【0039】
用語「の近く」とは、バクテリオファージの外側に位置する、該(ポリ)ペプチド/タンパク質のNまたはC末端どちらかから数えて、15アミノ酸まで、より好ましくは10アミノ酸までの範囲を表す。
【0040】
さらに好ましいのは、該バクテリオファージが繊維状バクテリオファージである方法である。繊維状バクテリオファージ、例えばM13、fdまたはf1は当業者に周知である。
【0041】
繊維状バクテリオファージの場合では、バクテリオファージ粒子のタンパク質コートの該メンバーが野生型コートタンパク質pIIIであるか、あるいはそれから誘導されたものである方法が特に好ましい。
【0042】
さらに好ましいのは、バクテリオファージ粒子のタンパク質コートの該メンバーが野生型コートタンパク質pIXであるか、あるいはそれから誘導されたものである方法である。本明細書の記載では、用語「誘導された」とは、修飾されたタンパク質がバクテリオファージ粒子のタンパク質コートに包含され得るものである修飾を表す。修飾されたタンパク質の野生型タンパク質に対応する部分は、対応する野生型配列と比較して約70%、好ましくは約80%、最も好ましくは約90%を超えるアミノ酸同一性を示すのが好ましい。
【0043】
本発明のさらに好ましい態様では、
(a)該(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸配列を含有する宿主細胞を入手し;
(b)該核酸配列を発現させるか、あるいはその発現を可能にし;
(c)該宿主細胞内でバクテリオファージ粒子を産生(生産)させるか、あるいはその産生を可能にすることを含む方法に関する。
【0044】
本発明の記載中、用語「発現させるか、あるいはその発現を可能にする」とは、核酸配列を発現させる条件下で宿主細胞を培養することを表す。本発明に記載の(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする核酸分子を構築する方法、該核酸分子を含むベクターを構築する方法、該ベクターを適当に選択された宿主細胞に導入する方法、(ポリ)ペプチド/タンパク質を発現させるか、あるいはその発現を可能にする方法は当分野に周知である(例えば、Sambrook et al., 1989; Ausubel et al., 1999を参照)。さらに、適当な宿主細胞内における子孫のバクテリオファージまたはバクテリオファージ粒子の生産に必要とされる遺伝物質を導入する方法、および該子孫のバクテリオファージまたはバクテリオファージ粒子を生産させるか、あるいはその生産を可能にする方法は周知である(例えば、Kay et al., 1996を参照)。バクテリオファージ粒子を生産させるか、あるいはその生産を可能にする工程は、例えばファージミドを用いる操作の場合、適当なヘルパーファージの使用を必要とすることもある。工程(b)と(c)はいずれかの順序で行ってもよいし、あるいは同時に行ってよい。
【0045】
さらなる態様では、該(ポリ)ペプチド/タンパク質は免疫グロブリンまたはその機能的断片を含む。
【0046】
本明細書の記載では、「免疫グロブリン」は「抗体」の類義語として用いられる。用語「機能的断片」とは、免疫グロブリンの抗原結合部分を保持している免疫グロブリンの断片を表す。本発明に記載の機能的免疫グロブリン断片とは、Fv (Skerra & Plueckthun, 1988), scFv (Bird et al., 1988; Huston et al., 1988), ジスルフィド連結された Fv (Glockshuber et al., 1992; Brinkmann et al., 1993), Fab, F(ab')2 断片または当業者に周知の他の断片であって、免疫グロブリンまたは免疫グロブリン断片の可変ドメインを含むものであってよい。特に好ましいのは、scFvまたはFab断片である。
【0047】
好ましい態様では、本発明は、
(a)バクテリオファージの野生型コートタンパク質の、1個またはそれ以上の部分であって、そのうち1個が少なくとも、該コートタンパク質をファージコート内へ包含させるか、あるいはその包含を可能にする部分を含むもの;および、(b)バクテリオファージの野生型コートタンパク質の対応するアミノ酸位置に存在しない1〜6個の範囲の追加のアミノ酸残基であって、そのうち1個がシステイン残基であるもの;
からなるバクテリオファージの野生型コートタンパク質の修飾された変異体をコードする核酸配列に関する。
【0048】
本発明の記載では、野生型コートタンパク質配列内のアミノ酸残基をシステイン残基で置換することによって得られる修飾された変異体は、追加のシステイン残基によって連結された該野生型タンパク質の2つの部分から構成される変異体とみなすことができる。これに対応して、野生型配列と比較していくつかの突然変異を含む野生型コートタンパク質の変異体はいくつかの野生型部分から構成され、個々の部分は突然変異残基によって連結されているとみなすことができる。しかし、該変異体は、システイン残基を含む6個までの残基を野生型コートタンパク質のC末端またはN末端に追加することによって得られたものであってもよい。
【0049】
さらに好ましいのは、
(a)バクテリオファージの野生型コートタンパク質の1個またはそれ以上の部分であって、そのうち1個が少なくとも、該コートタンパク質をファージコート内へ包含させるか、あるいはその包含を可能にする部分を含むもの;
(b)バクテリオファージの野生型コートタンパク質の対応するアミノ酸位置に存在しない1〜6個の範囲の追加のアミノ酸残基であって、そのうち1個がシステイン残基であるもの;および、
(c)精製および/または検出目的の1個またはそれ以上のペプチド配列;
からなるバクテリオファージの野生型コートタンパク質の修飾された変異体をコードする核酸配列である。
【0050】
特に好ましいのは、金属イオンと結合でき、したがって、それらが融合されるタンパク質の精製に用いることができる(Lindner et al., 1992)、少なくとも5個のヒスチジン残基を含むペプチド(Hochuli et al., 1988)である。また本発明によって、一般に用いられるc−mycおよびFLAGタグ(Hopp et al., 1988; Knappik & Plueckthun, 1994)またはStrepタグ(Schmidt & Skerra, 1994; Schmidt et al., 1996)のような追加の部分が提供される。
【0051】
この修飾された変異体はさらに、クローニング、発現またはタンパク質輸送に必要とされるアミノ酸残基を含む。クローニングに必要とされるアミノ酸残基には、核酸配列の適当なベクター内へのクローニングを可能にするために包含される制限エンドヌクレアーゼの認識配列を含む核酸配列によってコードされる残基が含まれる。発現に必要とされるアミノ酸残基には、(ポリ)ペプチド/タンパク質の可溶性または安定性を増加させる残基が含まれる。タンパク質輸送に必要とされるアミノ酸残基には、修飾された変異体の大腸菌周辺質への輸送を担うシグナル配列および/または該シグナル配列の効率的開裂を促進するアミノ酸残基が含まれる。上記のクローニング、発現、タンパク質輸送、精製および/または検出目的で必要とされるさらなるアミノ酸残基は、当業者に周知の多数のものである。
【0052】
別の態様では、本発明は、本発明に記載の核酸配列を含むベクターに関する。
【0053】
好ましい態様では、このベクターは、第二のシステイン残基を含む(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする1個またはそれ以上の核酸配列をさらに含む。
【0054】
最も好ましい態様では、該(ポリ)ペプチド/タンパク質は免疫グロブリンまたはその機能的断片を含む。
【0055】
本明細書中、上に記載される単一鎖Fv抗体断片の場合には、このベクターは、ポリペプチドリンカーによって連結されたVHおよびVLドメインをコードする1個の核酸配列を含み、Fab抗体断片の場合には、このベクターはVH−CHおよびVL−CL鎖をコードする2個の核酸配列を含む。
【0056】
さらなる態様では、本発明は、本発明に記載の核酸配列または本発明に記載のベクターを含む宿主細胞に関する。
【0057】
本発明の記載では、用語「宿主細胞」は、例えば大腸菌(Ge et al., 1995)または枯草菌(Bacillus subtilis, Wu et al., 1993)のような細菌、酵母(Horwitz et al., 1988; Ridder et al., 1995)または糸状菌(Nyyssoenen et al., 1993)のような真菌、植物細胞(Hiatt & Ma, 1993; Whitelam et al., 1994)、昆虫細胞(Potter et al., 1993; Ward et al., 1995)または哺乳類細胞(Trill et al., 1995)を含むがこれらに限定されない、異種タンパク質の生産に一般に用いられる多数のもののうちのいずれかであってよい。
【0058】
さらに好ましい態様では、本発明は、本発明に記載の核酸配列、本発明に記載のベクターによってコードされるか、あるいは本発明に記載の宿主細胞によって生産される野生型バクテリオファージのコートタンパク質の修飾された変異体に関する。
【0059】
別の態様では、本発明は、(ポリ)ペプチド/タンパク質に含まれる第一のシステイン残基とタンパク質コートのメンバーに含まれる第二のシステイン残基との間にジスルフィド結合を形成させることにより、発現後の該(ポリ)ペプチド/タンパク質とバクテリオファージ粒子のタンパク質コートのメンバーとを結合させるか、あるいはその結合を可能にすることを含む方法によって得られる(ポリ)ペプチド/タンパク質をその表面に表示するバクテリオファージ粒子に関する。
【0060】
別の態様では、本発明は、(ポリ)ペプチド/タンパク質に含まれる第一のシステイン残基とバクテリオファージ粒子のタンパク質コートのメンバーに含まれる第二のシステイン残基のジスルフィド結合の形成によって生じる結合により、その表面に結合された(ポリ)ペプチド/タンパク質を表示するバクテリオファージ粒子に関する。
【0061】
好ましい態様では、バクテリオファージ粒子はさらに、該(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする1個またはそれ以上の核酸配列を含むベクターを含む。
【0062】
本発明の最も好ましい態様では、バクテリオファージ粒子は、修飾された野生型バクテリオファージコートタンパク質をコードする核酸配列およびさらに、(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードし、そして最も好ましくは、少なくとも免疫グロブリンの機能的ドメインを含むものをコードする、1個またはそれ以上の核酸配列を含む本発明に記載のベクターを含む。
【0063】
本明細書中、上に記載される本発明の方法の好ましい態様は、必要な変更を加えて本発明のバクテリオファージに適用される。
【0064】
さらなる態様では、本発明は、各バクテリオファージ粒子が(ポリ)ペプチド/タンパク質の種々の集団由来の(ポリ)ペプチド/タンパク質を表示する本発明に記載のバクテリオファージ粒子の種々の集団に関する。「バクテリオファージ粒子の種々の集団」はまた、「ライブラリー」または「多数のバクテリオファージ粒子」として表すことができる。このようなライブラリーのメンバーはそれぞれ、ライブラリーの別のメンバーを表示する。
【0065】
本発明の記載中、用語「種々の集団(diverse collection)」とは、その組成、性質および/または配列が少なくとも部分的に異なっている少なくとも2個の粒子または分子の集団を表す。例えば、(ポリ)ペプチド/タンパク質の種々の集団とは、その配列の少なくとも1個のアミノ酸位置が異なっている一組の(ポリ)ペプチド/タンパク質である。このような(ポリ)ペプチド/タンパク質の種々の集団は種々の方法、例えば出発(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする核酸配列の少なくとも1個のコドンをランダムに突然変異誘発させることによって、誤りがちなPCRを用いて出発(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする核酸配列を増幅することによって、あるいは本発明の方法において変異誘発株を宿主細胞として用いることによって得られる。(ポリ)ペプチド/タンパク質の種々の集団を作成するための、これらの方法、さらなる方法または別の方法は当業者に周知である。「バクテリオファージ粒子の種々の集団」はまた、ライブラリーまたは多数のバクテリオファージ粒子として表されることもある。このようなライブラリーのメンバーはそれぞれ、ライブラリーの別のメンバーを表示する。
【0066】
別の態様では、本発明は、
(a)本発明に記載のバクテリオファージ粒子の種々の集団を提供し;
(b)所望の性質を有する(ポリ)ペプチド/タンパク質を表示する少なくとも1個のバクテリオファージ粒子を得るために該種々の集団をスクリーニングし、ならびに/あるいは該種々の集団から選択することを含む、所望の性質を有する(ポリ)ペプチド/タンパク質を得る方法に関する。
【0067】
本発明の記載中、用語「所望の性質」とは、(ポリ)ペプチド/タンパク質の種々の集団由来の1個の(ポリ)ペプチド/タンパク質が有するべきであり、この種々の集団のスクリーニングおよび/または選択の基礎を形成する、あらかじめ決められた性質を意味する。このような性質は、標的に対する結合、標的のブロック、標的が媒介する反応の活性化、酵素活性および、当業者に既知のさらなる性質のような性質を含む。当業者であれば、所望の性質のタイプに依存してスクリーニングおよび/または選択を行う形式および必要な工程を同定できるであろう。
【0068】
最も好ましいのは、該所望の性質が目的の標的に対する結合である方法である。
【0069】
該目的の標的は、例えば固相バイオパニング用の表面にコーティングし、溶液中のバイオパニング用に磁気ビーズのような粒子に連結し、あるいは全細胞バイオパニングまたは組織セクションバイオパニング用の細胞表面に表示させるような当業者に周知の種々の方法でバクテリオファージ粒子の該種々の集団に対して提示することができる。該標的と結合したバクテリオファージ粒子は、例えば適当なバッファーで溶出させること、pH勾配または塩濃度勾配を用いること、または可溶性標的を用いる特異的溶出のような当業者に既知の種々の方法によって回収できる。
【0070】
好ましい態様では、(ポリ)ペプチド/タンパク質を得る方法はさらに:
(ba)バクテリオファージ粒子の該種々の集団を目的の標的と接触させ;
(bb)目的の標的と結合しないバクテリオファージ粒子を溶出させ;
(bc)工程(ba)で形成された目的の標的および該目的の標的と結合したバクテリオファージの複合体を還元条件下で処理することによって、目的の標的と結合したバクテリオファージ粒子を溶出させることを含む。
【0071】
例えばDTTとインキュベートすることによる、還元条件下では、ジスルフィド結合は開裂し、これにより、バイオパニングのさらなるラウンドおよび/または該標的と特異的に結合する(ポリ)ペプチド/タンパク質の同定用の、特異的バクテリオファージ粒子を回収することが可能になる。
【0072】
実施例は、本発明を説明するものである。
実施例1:ジスルフィド結合の形成による、非操作繊維状バクテリオファージ粒子表面における(ポリ)ペプチド/タンパク質のディスプレイ
以下の実施例において、すべての分子バイオプシー実験は、標準的プロトコル(Ausubel et al., 1999)にしたがって行なった。
【0073】
scFvを発現するベクターの構築
使用したベクターはすべて、高コピーファージミドpMorphX7-LHの誘導体(図1a+b)、pCALベクターシリーズの誘導体(WO97/08320;Knappik et al., 2000)である。発現カセットには、phoA シグナル配列、モノクローナル抗体(mab)抗−FLAG M1(Sigma #F-3040)(Knappik and Plueckthun, 1994)に対する最小結合部位、一本鎖断片(scFv)、短いリンカー(PGGSG)および6xヒスチジンタグ(6His; Hochuli et al., 1988)(図1a)を含んでいる。pMorphX7-LCHおよびpMorphX7-LHCは、Cys-6Hisおよび6His-Cysをコードするオリゴヌクレオチドカセットをそれぞれ、pMorphX7-LHの固有のAscIおよびHindIII 部位の間に挿入することによって作製されている(図1a, 表1)。すべてのベクターは、いずれのファージコートタンパク質とも遺伝子的に融合していない可溶性scFvを発現する。WO97/08320に記載されたpCAL4ベクターに基づいておりファージタンパク質pIIIのC末端部分へのscFvの融合物を発現する、慣用的なファージディスプレイベクターpMorph13を、ポシティブコントロールとして使用した。scFvは、固有のXbaIおよびEcoRI部位(c.f. 図1a)によって、それぞれのベクター間で交換されている。
【0074】
scFvの説明−抗原相互作用
すべてのscFvは、ヒトのコンビナトリアル抗体ライブラリー(HuCAL; WO97/08320; Knappik et al., 2000)から得られる。HuCAL VHおよびVLコンセンサス遺伝子(WO97/08320に記載)およびscFvのCDR3配列を表2に示す。クローンhag2をインフルエンザウイルス赤血球凝集素由来のペプチド(赤血球凝集素由来のアミノ酸99〜110+更なるフランキングアミノ酸(イタリックで示す(訳者注:本明細書翻訳文では下線で示す)、CAGPYDVPDYASLRSHH)に対して選択し、クローンMacI-5をヒトCR-3α鎖の断片(MacI)(SWISS-PROT entry P11215、6×ヒスチジンタグを含むC末端配列に融合したヒトCR-3αのアミノ酸149〜353)に対して選択した。ELISAおよびドープ化ライブラリー実験のための対応する抗原を以下のようにして得た。hag2特異的抗原N1-hagを、ベクターpTFT74の誘導体である、発現ベクターpTFT74-N1-hag-HIPM(Freund et al., 1993)(図2)を用いて調製した。N1-hagは、インフルエンザウイルス赤血球凝集素由来のアミノ酸99〜110および6×ヒスチジンタグ((イタリック(訳者注:本明細書翻訳文では下線で示す))を含んでなるアミノ酸配列PYDVPDYASLRSHHHHHH(hag)に融合したN末端(N1)に更なるメチオニン残基を含んでいるファージM13の成熟遺伝子IIIタンパク質のアミノ酸1〜82を含んでなる。N1−hagの発現、精製および再折り畳みは、記載されている通りに行なった(Krebber, 1996; Krebber et al., 1997)。MacI-5の抗原として、C末端6×ヒスチジンタグに融合したヒトCR−3α鎖の精製断片(MacI)(SWISS-PROT entry P11215)を使用した。詳細には、発現カセットは、N末端のメチオニン、ヒトCR−3α鎖のアミノ酸149〜353およびアミノ酸IEGRHHHHHHをコードする。このカセットを固有の制限部位BspHIおよびHindIIIによってつなぎ、例えば、pQE-60(QIAGEN GmbH, Hilden, Germany)の固有NcoIおよびHindIII部位ヘ導入して、発現ベクター pQE60-MacIを得ることができる(図3)。発現および精製は、標準的な方法を用いて行なった(The QIAexpressionistTM 3rd edition:A handbook for high-level expression and purification of 6xHis-tagged protein(July 1998). QIAGEN GmbH, Hilden, Germany)。ウシ血清アルブミン(BSA, Sigma #A7906)をネガティブコントロール抗原として使用した。
【0075】
非操作ファージ上にディスプレイされたscFvの機能性
ディスプレイされたscFvが特異的抗原の認識に関して機能的であることを示すため、ファージELISAを行なった。HuCAL scFv hag2およびMacI-5の2つについて分析を行なった。scFvのC末端に融合したモジュールが異なる3つの発現系、pMorphX7-LH、pMorphX7-LHCおよびpMorphX7-LCHを分析した。
【0076】
ファージは、ヘルパーファージVCSM13を用いる標準的手法(Kay et al., 1996)にしたがって調製した。特異的抗原または対照抗原(BSA, Sigma #A7906)を、PBS中5μg/ウェルの濃度で、4℃にて、Nunc Maxisorp マイクロタイタープレート(#442404)に12時間コーティングする。ファージをPBSTM(5%脱脂粉乳および0.1%ツイーン20を含むPBS)中、5 mM DTT有りまたはなしで、室温にて2時間プレインキュベーションした後、それを、抗原でコーテイングしたELISAウェルに、1×1010ファージ/ウェルの濃度で加える(pMorph13については3×10ファージ/ウェルの濃度で用いる)。室温で1時間結合させた後、非特異的に結合したファージを0.05%ツイーン20を含むPBSで洗い流し、結合したファージを抗-M13-HRPコンジュゲート(Amersham Pharmacia Biotech #27-9421-01)およびBM blue soluble(Boehringer Mannheim #1484281)を用いるELISAで検出した。370nmでの吸光度を測定した。特異的抗原により得られたELISAシグナルを対照抗原のものと比較した。scFvをディスプレイしているファージの抗原に対する特異的結合を示すことができた。scFvs hag2およびMacI-5のこのような2つのELISAの例を、図4および図5にそれぞれ示した。pMorphX7-LCHおよびpMorphX7-LHC由来のファージは、シグナルがバックグラウンドの1.9〜5.8倍に達した。プレインキュベーション工程中、抗原結合の前に5mMDDTを加えた場合、ELISAシグナルはバックグラウンドレベルまでほぼ減少したが、慣用のディスプレイファージ(pMorph13)については、DTTの影響はあまりなかった。
【0077】
scFvをディスプレイする非操作ファージの富化
scFvをディスプレイする非操作ファージを特異的抗原に対して富化できることを証明するため、いわゆるドープ化ライブラリー(doped library)実験を行なった。特異的ファージを大過剰の非特異的ファージと混合し、特異的抗原に対する3ラウンドのパニングを行なった。各ラウンド後に特異的ファージの富化を測定した。pMorphX7-LHCベクターにおいてHuCAL scFvs hag2およびMacI-5に関して分析を行なった。
【0078】
pMorphX7-hag2-LHCおよびpMorphX7-MacI-5-LHC誘導化ファージを1:10(pMorphX7-hag2-LHCパニング)および10:1(pMorphX7-MacI-5-LHCパニング)の割合で混合した。それぞれhag2およびMacI-5特異的抗原に対して3ラウンドのパニングを行なった。標準的手順によってファージを調製し、PBSTM(PBS、5%脱脂粉乳、0.1%ツイーン20)と1:1混合することによってプレブロックし、室温で2時間インキュベーションした。Nunc Maxisorp マイクロタイタープレート(#442404)のウェルを、4℃で一晩、PBS中5μg/ウェルの濃度の特異的抗原N1-hag(およびBSA)でコーティングし、次いでPBSM(PBS、5%脱脂粉乳)400μLで室温にて2時間ブロックした。最初のラウンドでは、ウェル当たり1011のプレブロックされたファージをウェルに加え、マイクロタイタープレートシェーカー上で、室温にて1時間インキュベーションした。ファージ溶液を除去し、ウェルをPBST(PBS、0.05%ツイーン20)で3回、PBSで3回洗浄した。結合したファージを標準的なプロトコルにしたがって100mMトリエチルアミンで溶出させ、TG1細胞の感染に用いた。さらに、ウェルに加えたTG1の直接感染によって、残りのファージを溶出させた。特異的抗原に対するパニングの各ラウンド後、少なくとも46個の独立した感染細胞をPCRによって分析することにより、非特異的ファージに対する特異的ファージの割合を測定した。標準的なプロトコルにしたがい、鋳型のソースとして単一のコロニーを用い、プライマーとして各scFvのVH CDR3およびVL CDR3に対して特異的なオリゴヌクレオチドを用いてPCRを行った。3ラウンドのパニング後、特異的クローンは、pMorphX7-hag2-LHCパニングに関しては約4%(分析された93クローンのうち4個)に富化され、pMorphX7-MacI-5-LHCパニングに関しては約90%(分析された91クローンのうち82個)に富化された。
【0079】
実施例2:ジスルフィド結合の形成による操作された繊維状バクテリオファージ粒子の表面上における(ポリ)ペプチド/タンパク質の表示
実施例2.1:scFvのディスプレー
上記実施例1は、機能的scFvがジスルフィド結合により非操作ファージ上にディスプレーされ得ることを示す。この系を、例えばファージコートタンパク質上の露出したシステインを操作することにより、さらに改良することができる。1つの候補となるファージコートタンパク質は、プロテインIII(pIII)であり、これはN1、N2およびpIIICTの3つのドメインからなる。不対のシステイン残基が位置する可能性のある部位は、ドメイン間のリンカー領域か、そのドメインまたは先端欠失型のpIIIであるpIIICTの暴露したN末端である。更なる例は、システインが例えば全長タンパク質のN末端に連結し得るファージコートタンパク質IX(pIX)である。原則として、そのような操作されたタンパク質の発現のためのカセットを、scFvを生じるベクター上(1−ベクター系)か、または別のベクター上(2−ベクター系)に配置することができる。
【0080】
以下に、我々が全長型および先端欠失型pIIIの両方およびpIXを操作した実験を記載する。これらのタンパク質を同じ細菌細胞において、ファージミド(pMorph18-C-gIII-scFv-LHC誘導体;1−ベクター系)または別のプラスミド(pBR322-C-gIIIまたはpUC19-C-gIIIおよび誘導体;2−ベクター系)から、scFvとともに同時発現させた。
【0081】
scFvおよび操作されたファージコートタンパク質を発現するベクターの構築
2−ベクター系のためのファージコートタンパク質発現カセットを以下のとおり構築した:末端に固有NdeIおよびHindIII制限部位によりつないだ2つの異なる発現カセットを作製し、完全長の成熟pIII(C−gIII)のN1ドメインの暴露したN末端または先端欠失型タンパク質のpIIICTドメインのN末端(タンパク質pIIIのアミノ酸216〜406;C−gIIICT)(図6b+c))で不対のシステイン残基を位置させた。両方の発現カセットをlacプロモーター/オペレーター領域の制御下にあり、シグナル配列ompA、アミノ酸DYCDIEFおよびpIIIまたはpIIICT ORF(表3に示された完全アミノ酸配列を含む)を含んでなる。修飾されたpIIIタンパク質を発現するプラスミドは、これらNdeI−HindIIIカセットをプラスミドpBR322およびpUC19へ、それぞれ固有NdeIおよびHindIIIまたはXbaIおよびHindIII部位により挿入することによって得た。一例として、pBR−C−gIIIのベクターマップを図6aに示す。得られたプラスミド、pBR−C−gIII、pBR−C−gIIICT、pUC−C−gIIIおよびpUC−C−gIIICTを、修飾されたscFvを発現するpMorphX7-LHCファージミド(実施例1)によりE. coli TG1へ同時トランスフェクションし、両抗生物質マーカーについて選択した。
【0082】
1−ベクター系において、両方の修飾されたファージコートタンパク質並びに修飾されたscFvを、lacプロモーター/オペレーター領域の制御下でジシストロン(dicistronic)ファージミドから発現させた。第1の発現カセットは、シグナル配列ompA、アミノ酸DYCDIEFおよび各ファージコートタンパク質のORFまたはその一部を含んでなる。不対のシステイン残基を完全長の成熟pIII(C−gIII)のN1ドメインの露出したN末端、先端欠失型のプロテインIII(タンパク質pIIIのアミノ酸216〜406;C−gIIICT)のN末端およびタンパク質IXのN末端(C−gIX)のそれぞれに連結した(アミン酸配列を表4に示す)。第2の発現カセットは、phoAシグナル配列、各scFvのORF、短いリンカー(PGGSG)、6×ヒスチジンタグ(6His; Hochuli et al., 1988)および1個のシステイン残基(pMorphX7-LHC、表1参照)を含む。修飾された完全長のpIII並びに修飾されたscFvhag2をコードするpMorph18-C-gIII-hag2-LHCの完全なベクター配列並びに各ベクターマップを図7a+bに示す。異なるファージコートタンパク質は、、scFvの3’末端に存在する第2のEcoRI部位のために、3フラグメント法においてEcoRIおよびStuIにより交換することができる。異なる操作されたscFvを固有MfeIおよびHindIII部位によりクローニングすることができる。このベクターの誘導体pMorph20-C-gIII-hag2-LHCは、固有EcoRI 部位をscFvの3’末端に含んでいるが、第2の部位(ompA シグナル配列とgIII ORFの間)がサイレントなPCR突然変異誘発により削除されている。この構築物は、固有SphIおよびEcoRI部位によりscFvまたはscFvプールのクローニングを可能にする。
【0083】
ジスルフィド結合によるscFvのファージコートタンパク質への結合
バイオパニング法に利用するファージは、ヘルパーファージVCSM13を用いて標準的なプロトコル(Kay et al., 1996)にしたがって調製することができる。ヘルパーファージタンパク質に加え、操作したファージコートタンパク質および可溶性の修飾されたscFvを、上記の1−ベクター系または2−ベクター系から同時発現させた。ジスルフィド結合によりscFvsが操作したファージコートタンパク質に結合し、ファージ粒子に取りこまれることを実証するために、scFvをディスプレイしているファージを、非還元的および還元的条件下でSDS PAGEに付した。ウェスタンブロット分析を抗-pIIIおよび抗-Flag M1抗血清に対して行なった。
【0084】
ファージを標準的な手法にしたがって、ヘルパーファージVCSM13(Kay et al., 1996)を用いて調製した。5mM DTT添加またはDTT無添加のPBS中(それぞれ還元的および非還元的条件)でファージを室温にて30分間プレインキュベーションした後、DTTまたはβ−メルカプトエタノールのような還元剤を含まないSDS添加緩衝液を加えた。レーンあたり、1〜5×1010のファージ4〜15% SDS PAGE(BioRad)に付し、PVDFメンブランにブロットした。抗-pIIIウェスタンブロットについては、メンブランをMPBST(PBS buffer containing 5% milk powderおよび0.05% Tween20)中でブロックし、1次抗体としてマウス抗-pIII(1:250希釈;Mobitec)、2次抗体として抗マウス-IgG-APコンジュゲート(1:10000希釈;SIGMA)および基質としてBCIP/NPT タブレット(SIGMA)を用いて発色させた。抗-Flag M1ウェスタンブロットについては、メンブランをMTBST-CaCl2(5%ミルク粉末、0.05%ツイーン20および1mM CaCl2を含むTBS緩衝液)中でブロックし、1次抗体としてマウス抗-Flag M1(1:5000希釈;Sigma)、2次抗体として抗マウス-IgG-APコンジュゲート(1:10000希釈;SIGMA)および基質としてBCIP/NPT タブレット(SIGMA)を用いて発色させた。
【0085】
完全長のpIIIに連結したscFvについて予想された高さに移動した特異的バンドを、1−ベクター系および2−ベクター系の両方について示すことができた。このシグナルは、非還元的条件下でのみ認められ、DTT下では現れず、pIIIおよびscFvがジスルフィド結合(scFv−S−S−pIII)によって結合していることを示すものである。2−ベクター系の一例として、scFv MacI−5についての抗-Flag M1および抗-pIII ウェスタンブロットを図8に示す。更なるシステインを有しないscFv(pMorph7x-MacI-5-LH)を発現するとき、ファージを通過する遊離のscFvのみを抗-Flag M1ウェスタンブロットにおいて検出することができる(レーン8、図8A)。更なるシステインがscFvに付加されているとき(pMorphX7-MacI-5-LHC)、それらのバンドはほとんど認めることができず、scFvダイマー(scFv-S-S-scFvおよび/または(scFv-SH)2)(および未知のさらなるバンド(scFv-S-SX))の高さに移動するバンドが現れる(レーン7、図8A)。操作したscFvが操作したさらなるシステインをN末端に含むpIII(pMorphX7-MacI-5-LHCおよびpBR-C-gIII)とともに同時発現するとき、シグナルはscFv−pIIIヘテロ二量体(scFv-S-S-pIII)に対応する分子量へシフトする(レーン6、図8A)。予想通り、同様の数のファージ粒子を各レーンに加えたにもかかわらず、非操作のscFvが操作されたpIIIとともに同時発現したとき(pMorphX7-MacI-5-LHおよびpBR-C-gIII)、このscFv-S-S-pIIIシグナルは認められなかった(レーン5、図8A)。還元剤の存在下では、支配的なシグナルは、すべての発現系について、遊離のscFvからのものであった(レーン1〜4、図8A)。抗-pIII ウェスタンブロットでは、還元的および非還元的条件下の両方で、すべての発現系について、遊離のプロテインIII(pIII-SH および/またはpIII)が認められた(レーン1〜8、図8B)。ジスルフィド結合したプロテインIII二量体(pIII-S-S-pIII)について予想された高さに移動する特異的なバンドは、操作したプロテインIIIが発現したとき、非還元的条件下でのみ検出できた(図8Bのレーン5および6)。操作されたscFvおよび操作されたプロテインIIIが同時発現したときのみ、ジスルフィド結合したプロテインIII二量体に加え、ジスルフィド結合したscFvおよびプロテインIII(scFv-S-S-pIII)の高さに移動した更なるバンドが現れた(レーン6、図8B)。このバンドは、抗-Flag M1ウェスタンで検出され(レーン6、図8A参照)、DTT感受性である(レーン2、図8A参照)scFv-S-S-pIIIシグナルのサイズに対応する。ジスルフィド結合したscFvおよびプロテインIIIの高さに移動し、抗-Flag M1および抗-pIII抗血清の両方により検出されたDTT感受性のバンドも、操作されたscFvおよび操作されたpIIIが同じファージミド(pMorph18-C-pIII-scFv-LHC)から同時発現したときに観察された。この1−ベクター系の一例として、scFv hag2については抗-Flag M1および抗-pIIIウェスタンブロットを、およびscFvs AB1.1およびMacI−5については抗-pIIIウェスタンブロットを、図9Aおよび9Bにそれぞれ示す。
【0086】
操作されたファージ(engineered phages)に表示されたscFvの機能性
表示されたscFvが特異的抗原の認識に関して機能的であることを示すため、ファージELISAを行った。HuCAL scFv MacI-5 および hag2 に関して分析を行った。2ベクター系では、pMorphX7-LHC をそれぞれ pBR-C-gIII, pBR-C-gIIICT, pUC-C-gIII および pUC-C-gIIICT とともに同時トランスフォームした。3個の異なる1ベクター構築体、すなわち pMorph18-C-gIII-scFv-LHC, pMorph18-C-gIIICT-scFv-LHC および pMorph18-C-gIX-scFv-LHC を分析した。scFvがジスルフィド結合によって、操作されたファージコートタンパク質に結合することを示すため、非還元条件および還元条件下の両方でファージELISAを行った。
【0087】
ヘルパーファージ VCSM13 を用いる標準的手法にしたがってファージを生産し、ファージ力価を測定した(Kay et al., 1996)。PBS中5μg/ウェル量の特異的抗原またはコントロール抗原(BSA, Sigma #A7906)を、4℃で12時間、Nunc Maxisorp ミクロタイタープレート (# 442404) にコーティングし、5%脱脂粉乳を含むPBSで2時間ブロックした。可能であれば、ファージを2.5%脱脂粉乳、0.05%ツイーン20および5mM DTTを含むPBS中、室温で2時間プレインキュベートし、その後、抗原でコーティングされたELISAウェルにウェル当たり6.4×10〜1×1011ファージの濃度範囲で適用した。室温(RT)で1時間結合させた後、非特異的に結合したファージを、0.05%ツイーン20を含むPBSで洗浄して除き、結合したファージを抗−M13−HRPコンジュゲート(Amersham Pharmacia Biotech #27-9421-01)とBMブルー可溶性物質(BM blue soluble、Boehringer Mannheim #1484281)を用いるELISAにおいて検出した。370nmでの吸光度を測定した。特異的抗原を用いて得られたELISAシグナルをコントロール抗原を用いて得られたシグナルと比較した。scFvを表示しているファージの抗原への特異的結合は1ベクター形式における C-gIII, C-gIIICT および C-gIX 構築体に関して示された。また、C-gIII および C-gIIICT を試験し、両2ベクター系において働くことが示された。このようなscFvに関する4つのELISAの例としてMacI−5を図10〜13に示す。ファージコートタンパク質がシステイン残基の追加によって操作されているすべての場合で、ELISAシグナルは、scFvのみが追加のシステインを保持している pMorphX7-LHC シグナルと比べて有意に増加している。プレインキュベーション時、抗原結合前に5mM DTTをファージに加えると、全3個の操作されたファージコート構築体および未操作(non-engineered)pMorphX7-LHC ファージに関してELISAシグナルはほとんどバックグラウンドレベルにまで減少したが、DTTは慣用的ディスプレーファージ(pMorph13;図13)に対しては重大な影響を与えなかった。このことは、未操作および操作されたファージの両方に関して、ジスルフィド結合は、ファージに対するscFvの機能的表示に本質的であり、したがってscFvを表示しているファージが抗原と特異的に結合するのに本質的であることを示す。
【0088】
「ドープ化ライブラリー(doped library)」実験におけるscFvを表示する操作されたファージの富化(enrichment)
scFvを表示する操作されたファージを特異的抗原に対して富化できることを証明するため、「ドープ化ライブラリー」実験を行った:特異的ファージを大過剰の非特異的ファージと混合し、特異的抗原に対する3ラウンドのパニングを行った。各ラウンド後に特異的ファージの富化を測定した。pMorph18-C-gIII-scFv-LHC 1ベクター系において2個の HuCAL scFv hag2 および MacI-5 に関して分析を行った。
【0089】
pMorph18-C-gIII-hag2-LHC および pMorph18-C-gIII-MacI-5-LHC 誘導化ファージを1:10(pMorph18-C-gIII-hag2-LHC パニング)および10:1(pMorph18-C-gIII-MacI-5-LHC パニング)の割合で混合した。それぞれhag2およびMacI−5特異的抗原に対して3ラウンドのパニングを行った。標準的手順によってファージを製造し、PBSTM(PBS、5%脱脂粉乳、0.1%ツイーン20)と1:1混合することによってプレブロックし、室温で2時間インキュベートした。Nunc Maxisorp プレート (#442404)のウェルを、4℃で一晩、PBS中5μg/ウェルの濃度の特異的抗原(およびBSA)でコーティングし、次いで室温で2時間、PBSM(PBS、5%脱脂粉乳)400μLでブロックした。第一ラウンドでは、ウェル当たり1010のプレブロックされたファージを適用し、ミクロタイタープレートシェーカー上、室温で1時間インキュベートした。ファージ溶液を除去し、ウェルをPBST(PBS、0.05%ツイーン20)で3回、PBSで3回洗浄した。結合したファージを標準的プロトコルにしたがって100mMトリエチルアミンで溶出させ、TG1細胞の感染に用いた。さらに、ウェルに加えられたTG1細胞の直接感染によって、残りのファージを溶出させた。特異的抗原に対するパニングの各ラウンド後、少なくとも91個の独立した感染細胞をPCRによって分析し、非特異的ファージに対する特異的ファージの割合を測定した。標準的プロトコルにしたがい、鋳型のソースとして単一のコロニーを用い、プライマーとして各scFvのVH CDR3およびVL CDR3に対して特異的なオリゴヌクレオチドを用いてPCRを行った。2ラウンドのパニング後、pMorph18-C-gIII-hag2-LHC パニングに関しては約0%(分析された93クローンのうち0個)の陽性クローンが得られ、pMorph18-C-gIII-MacI-5-LHC パニングに関しては約3%(分析された91クローンのうち3個)の陽性クローンが得られた。3ラウンドのパニング後、特異的クローンは、pMorph18-C-gIII-hag2-LHC パニングに関しては約79%(分析された117クローンのうち92個)に富化され、pMorph18-C-gIII-MacI-5-LHC パニングに関しては約100%(分析された229クローンのうち229個)に富化された。
【0090】
プレ選択されたプールのパニングにおけるscFvを表示する操作されたファージの富化
scFvを表示する操作されたファージを種々のプール(diverse pool)から選択できることを証明するため、プレ選択されたライブラリーのパニングを行った。1ラウンドの慣用的パニング後のプールを操作された1ベクター形式へサブクローニングし、さらに3ラウンドまでパニングを継続した(cys−ディスプレーパニング)。
【0091】
以下の抗原に対してパニングを行った:(i)成熟ICAM1の細胞外部分(アミノ酸1〜454)+M2−Flagおよび6×ヒスチジンタグを含むアミノ酸 CGRDYKDDDKHHHHHHを含むICAM1、(ii)N末端に追加のメチオニン残基+C末端に短いリンカー(N1)を有するファージM13の成熟遺伝子IIIタンパク質のaa1〜82を含み、ヒトCR−3α鎖(SWISS−PROTエントリーP11215)のアミノ酸149〜353を含むポリペプチド+6×ヒスチジンタグを含むC末端配列 IEGRHHHHHH と融合されたN1−MacI、(iii)ヒトNFκB p50のアミノ酸2〜366+6×ヒスチジンタグを含むアミノ酸 EFSHHHHHH と融合された、N1を含むN1−Np50。N1−MacIおよびN1−Np50用の発現ベクターはベクターpTFT74(Freund et al., 1993) に基づくものである(pTFT74-N1-hag-HIPM の完全ベクター配列を図2に示す)。発現、精製および再フォールディングは Krebber, 1996; Krebber ら, 1997 に記載されるように行った。
【0092】
最初に、標準的プロトコルにしたがって、1ラウンドの、抗体ライブラリー HuCAL-scFv (WO 97/08320; Knappik et al., 2000)の慣用的パニングを行った。簡単には、Maxisorp ミクロタイタープレート(Nunc; #442404)のウェルを、PBSに溶解したそれぞれの抗原でコーティングし、PBS中の5%脱脂粉乳でブロックした。1〜5×1012 HuCAL-scFv ファージを20℃で1時間加えた。PBST(PBS、0.05%ツイーン20)およびPBSで数回洗浄する工程後、結合したファージを100mM トリエチルアミンまたは100mMグリシンpH2.2で溶出させ、すぐに1M トリス/HCl pH7.0で中和し、TG1細胞の感染に用いた。さらに、残りのファージを、ウェルに加えられたTG1細胞の直接感染によって溶出させた。N1−Np50に対するパニングは完全 HuCAL-scFv ライブラリー(組み合わせられたκおよびλプール)を用い、N1−MacIに対するパニングでは、κおよびλ軽鎖プールは分離されたままであった。ICAM1に対して、HuCAL-scFv のλ軽鎖部分の1ラウンドの慣用的パニングを行い、次いで選択された重鎖をλ軽鎖の完全ライブラリーと再び組み合わせた。得られた軽鎖の最適化ライブラリーは1.4×10の多様性(diversity)を有していた。
【0093】
それぞれのプールのscFvを、唯一のSphIとEcoRI部位を介してベクター pMorph20-C-gIII-scFv-LHC(1ベクター形式)にサブクローニングした。次いで、3ラウンドのcys−ディスプレーパニングを行った。ファージを標準的手法によって調製し、PBSTM(PBS、5%脱脂粉乳、0.1%ツイーン20)と1:1混合してプレブロックし、室温で2時間インキュベートした。Nunc Maxisorp プレート (#442404) のウェルを、4℃で一晩、PBS中5μg/ウェルの濃度の特異的抗原でコーティングし、次いで室温で2時間、PBSM(PBS、5%脱脂粉乳)400μLでブロックした。cys−ディスプレーパニングの各ラウンドでは、ウェル当たり1×1010〜4.5×1011の範囲の、プレブロックされたファージを適用し、ミクロタイタープレートシェーカー上、室温で1時間インキュベートした。ファージ溶液を除去し、ウェルを高ストリンジェンシーのPBST(PBS、0.05%ツイーン20)およびPBSで洗浄した。第一ラウンドは、PBSTおよびPBSでそれぞれ、3×すばやく、2×5分間洗浄し、第二ラウンドは、PBSTおよびPBSでそれぞれ、1×すばやく、4×5分間洗浄し、第三ラウンドは、PBSTおよびPBSでそれぞれ、10×すばやく、5×5分間洗浄した。標準的プロトコルにしたがって、結合したファージを100mMトリエチルアミンで溶出させ、TG1細胞の感染に用いた。さらに、残りのファージを、ウェルに加えられたTG1細胞の直接感染によって溶出(eluted)させた。
【0094】
パニングの各ラウンド後に、抗原特異的ファージの数をELISAによって測定した。N1−MacI、N1−Np50およびICAM−Strep(成熟ICAM1のアミノ酸1〜455+StrepタグIIを含有する SAWSHPQFEK を含む)をそれぞれ抗原として用いた。大量(高速)発現を確実にするために、選択されたscFvを発現ベクター pMorphX7-FS(表1)にサブクローニングした。サブクローニングは二工程で行った。第一に、pMorph20-C-gIII-scFv-LHC からAflIIとEcoRIを介してscFv断片を単離し、次いでこの断片をSphIで再消化し、EcoRI/SphIで消化された pMorphX7-FS ベクターにクローニングした。この手法により、ベクター pMorph20-C-gIII-scFv-LHC 由来のscFvのみがサブクローニングされ、慣用のディスプレーまたは発現ベクター由来のscFvの混入が確実に排除される。標準的手法にしたがい、scFvの発現およびその、それぞれの抗原に対するELISAにおける試験を行った。ELISAにおいてバックグラウンドに対し、少なくとも3倍高いシグナルを示したクローンを陽性であると考えた。この結果を表5にまとめる。選択されたscFvがその抗原に強く、特異的に結合することを証明するために、2ラウンドのcys−ディスプレーパニング後のいくつかの陽性クローンを選択し、6個の種々の抗原に対する特異性ELISAにおいて4回再試験した(図14および15)。抗原特異的結合物の富化が明らかに示された。N1−MacI、N1−Np50およびICAM1に対する、プレ選択されたプールの2ラウンドのcys−ディスプレーパニング後には、試験されたクローンの80%〜97%がELISAにおいて陽性であった。いくつかの選択されたscFvの親和性をBiacoreにおいて測定し、1nM〜2.2μMの範囲のKd値が測定された。これらの結果は、並行して行われたそれぞれのプールの慣用的パニングにおいて得られた富化率および親和性と同様であった。いくつかのscFvはcys−ディスプレーおよび慣用のパニングを介して独立して選択された。
【0095】
還元剤を用いる、scFvを表示する操作されたファージの溶出
バイオパニングにおいてファージディスプレーライブラリーをスクリーニングする場合、所望の標的と結合したファージをどのように最良に回収するかという課題が残っている。通常、これは、pH勾配または塩濃度勾配を用いるか、あるいは可溶性標的を用いて特異的に溶出させることによる、適当なバッファーでの溶出によって達成される。しかし、標的に対して高い親和性で結合する最も興味深い結合物はこのアプローチによって失われるかもしれない。操作されたcys−ディスプレーファージを用いる場合、標的と特異的バクテリオファージの複合体を還元剤で処理、例えばDTTとインキュベートし、scFvとファージコートタンパク質のジスルフィド結合を開裂させ、特異的バクテリオファージ粒子を回収できる。
【0096】
上記プロトコルにしたがって、N1−MacIに対して、プレ選択されたプールのパニングを行った。100mM トリエチルアミンを用いる標準的プロトコルにしたがい、そして残りのファージによってTG1細胞を直接感染させるか、あるいはウェルをpH8.0のトリスバッファー中、20mM DTTと10分間インキュベートすることによってファージを溶出させた。パニングの各ラウンド後に、上記の二工程手法にしたがって、選択されたscFvのプールを発現ベクター pMorphX7-FS にサブクローニングし、N1−MacI特異的scFvの数をELISAにおいて測定した。選択されたscFvがその抗原に強く、特異的に結合することを証明するために、いくつかの陽性クローンを選択し、特異性ELISAにおいて3回再試験した。両溶出手法に関して、抗原特異的結合物の富化が明らかに示された。MacIκ−プールおよびMacIλ−プールの2ラウンドのパニング後、慣用の溶出と比べて、それぞれ2倍および5倍多くのELISA陽性クローンが還元剤での溶出時に得られた。
【0097】
実施例2.2:Fabの表示(ディスプレー)
実施例2.1は、機能的単一鎖断片が、ジスルフィド結合を介して、操作されたファージに表示され得ることを示す。以下では、Fabに関しても同じこと真実であることを示す実験を記載する。システインをFab抗体断片の種々の位置において操作した。これらのFabは、2ベクター系に基づく、操作された完全長pIIIとともに同一細菌細胞内で発現された。
【0098】
Fabおよび操作されたpIIIを発現するベクターの構築
Fab断片の重鎖および軽鎖をlacプロモーター/オペレーター領域の制御下、ジシストロンファージミド(dicistronic phagemid)から発現した。第一の発現カセットはシグナル配列ompAおよび軽鎖の可変および不変ドメインを含み、第二の発現カセットはシグナル配列phoAおよび重鎖の可変および不変ドメインを含む。重鎖および軽鎖はジスルフィド結合によって連結されていない。操作されたシステインを含むモジュールは軽鎖または重鎖のC末端に位置していた。モジュールのアミノ酸組成が異なるいくつかの構築体を比較し、これを表6にまとめる。例として、修飾されたFab MacI−5をコードする pMorphX10-Fab-VL-LHC-VH-FS の完全ベクター配列およびそのベクターマップを図16a+bに示す。
【0099】
2個の異なるプラスミドを完全長pIIIの発現に用いた。プラスミド pBR-C-gIII はすでに上に記載した。その発現カセットは、ラクトースプロモーター/オペレーター領域の制御下にシグナル配列ompA、アミノ酸 DYCDIEF およびpIII ORFを含む(表3、図6)。別法では、プラスミド pBAD-SS-C-gIII を用いた。ここにその発現カセットは、アラビノースプロモーター/オペレーター領域の制御下にpIIIのシグナル配列、アミノ酸 TMACDIEF およびpIII ORFを含んでいる(表3)。pBAD-SS-C-gIII 構築時に、操作されたシステイン+pIIIをコードする断片を pUC-C-gIII からPCRによって増幅し、制限部位NcoIおよびHindIIIを導入し、市販のベクター pBAD/gIII A (Invitrogen) にクローニングした。プラスミド pBR-C-gIII または pBAD-SS-C-gIII を、修飾されたFabを発現するそれぞれの pMorphX10-Fab ファージミドとともに、両抗生物質マーカーに関して選択された大腸菌TG1内へトランスフォームした。
【0100】
Fabの説明−抗原相互作用
ヒト組み合わせ抗体ライブラリー(HuCAL; WO 97/08320; Knappik et al., 2000)由来の3個の異なるFabすべてを用いて、操作されたファージへのFabの表示を評価した。HuCAL VHおよびVL共通(コンセンサス)遺伝子(WO 97/08320に記載されている)およびFabのCDR3配列を表2に示す。Fab MacI−5は、上記のscFv MacI−5から誘導され、Fab形式に変換された(pMorphX10-Fab-MacI5-VL-LHC-VH-FS の完全ベクターマップは図16aに示す)。Fab MacI−A8およびICAM1−C8は HuCAL-Fab ライブラリーの1つから直接単離した。N末端メチオニン、ヒトCR−3α鎖(SWISS−PROTエントリーP11215)のアミノ酸149〜353および、StrepタグIIを含むアミノ酸 SAWSHPQFEK (Schmidt et al., 1996) を含む抗原MacI−Strepに対してクローンMacI−A8を選択した。発現および精製は Schmidt & Skerra (1994) にしたがって行った。ELISA用の対応する抗原としてN1−MacIを用いた。N1−MacIは上に記載され、N−末端メチオニン、ファージM13の成熟遺伝子IIIタンパク質のアミノ酸1〜82+短いリンカー(N1)、ヒトCR−3α鎖(SWISS−PROTエントリーP11215)のアミノ酸149〜353および、6×ヒスチジンタグを含むアミノ酸 IEGRHHHHHH を含む。成熟ICAM1の細胞外部分(アミノ酸1〜454)+M2−Flagおよび6×ヒスチジンタグを含有するアミノ酸 CGRDYKDDDKHHHHHH を含む上記抗原ICAM1に対してクローンICAM1−C8を選択した。同一の抗原をELISAアッセイおよびドープ化ライブラリーの実験に用いた。
【0101】
ジスルフィド結合を介するFabのファージコートタンパク質への結合
Fabがジスルフィド架橋を介してpIIIと結合し、ファージ粒子に包含されることを証明するために、それぞれのファージを、非還元および還元条件下、SDS PAGEで電気泳動した。それぞれpIII、重鎖、λ軽鎖およびκ軽鎖を検出する抗体を用いてウエスタンブロット分析を行った。表6に記載されるすべての構築体を分析し、例として pMorphX10-ICAM1C8-VL-LHC-VH-FS + pBAD-SS-C-gIII および pMorphX10-MacIA8-VL-LHC-VH-MS + pBAD-SS-C-gIII に関する結果を図17および18に示す。
【0102】
標準的プロトコル(Kay et al., 1996)にしたがい、ヘルパーファージVCSM13を用いてファージを生産した。ヘルパーファージタンパク質に加えて、操作されたファージコートタンパク質および可溶性修飾Fabを2ベクター系から同時に発現した。ファージを20mM DTTを含むか、あるいは含まないPBS(それぞれ還元および非還元条件)中、室温で1時間プレインキュベートし、次いで還元剤、例えばDTTまたはβ−メルカプトエタノールを欠いているSDS添加バッファーを加えた。レーン当たり1×1010ファージを12% SDS PAGE(BioRad)で電気泳動し、ニトロセルロース膜にブロットした(Schleicher & Schuell)。抗−pIIIウエスタンブロットでは、この膜をMTBST(5%粉乳および0.05%ツイーン20を含む50mMトリスバッファーpH7.4)中でブロックし、一次抗体としてマウス抗−pIII(1:250希釈;Mobitec)、二次抗体として抗−マウス−IgG−HRPコンジュゲート(1:5000希釈;SIGMA)および基質としてBMブルーPOD沈殿(Roche #1442066)を用いて展開した。重鎖、κ軽鎖およびλ軽鎖の検出では、一次抗体、抗−Fd(1:5000希釈;The binding site PC075)、抗−ヒトκ(1:5000希釈;Sigma K-4377)および抗−ヒトλ(1:500希釈、Sigma L-6522)をそれぞれ用いた。
【0103】
抗−pIIIウエスタンブロットでは、還元および非還元の両条件下のすべての発現系に対して遊離のタンパク質III(SH−pIIIおよび/またはpIII)を検出できる(図17および18)。操作されたFabおよび操作されたタンパク質IIIの両方を同時発現させる場合、軽鎖とタンパク質IIIのヘテロ二量体(VL-CL-SS-pIII)のレベルでのシグナル移動は非還元条件下で出現した。さらに、ジスルフィド結合されたタンパク質III二量体(pIII−SS−pIII)に関して予測されるレベルでのバンドの移動が見られる(レーン11および12、図17、18)。サンプルをDTTで処理した場合(レーン5および6、図17および18)、または修飾されたFabを未操作PIIIと同時発現した場合(レーン3、4、9および10、図17および18)、ヘテロおよびホモ二量体は両方とも消失した。軽鎖が完全長pIIIと連結されている場合のヘテロ二量体は、非還元ゲル中、抗−軽鎖抗体を用いて検出できたが、還元条件下では不存在であった。さらに軽鎖のホモ二量体(VL-CL-SS-VL-CL)に関して予測されるレベルでのバンドの移動は検出可能であった(データは示していない)。表6に記載されるすべての構築体に関して同様の結果が得られ、操作されたpIIIを供給するベクター pBR-C-gIII と pBAD-SS-C-gIII 間の有意な相違点は検出できなかった(データは示していない)。
【0104】
操作されたファージに表示されたFabの機能性
表示されたFabが特異的抗原の認識に関して機能的であることを示すために、ファージELISAを行った。分析は HuCAL Fab MacI-5, MacI-A8 および ICAM1-C8 に関して行った。Fabでのシステインの位置が異なっているすべての形式を比較した(表6)。Fabがジスルフィド結合を介して操作されたファージコートタンパク質に結合していることを示すために、非還元および還元の両条件下でファージELISAを行った。
【0105】
修飾されたFabを発現するそれぞれのファージミドを pBR-C-gIII とともに同時トランスフォーミングし、標準的条件(Kay et al., 1996)下でファージ生産を行った。慣用的Fabディスプレーファージ (pMorph18-Fab) を陽性コントロールとして用い、未操作Fab発現用のファージミド発現ベクター(pMorphX9-Fab-FS)を陰性コントロールとして用いた。特異的抗原またはコントロール抗原(BSA, Sigma #A7906)を、4℃で12時間、PBS中5μg/ウェル量で Nunc Maxisorp ミクロタイタープレート (# 442404) にコーティングし、5%脱脂粉乳、0.05%ツイーン20を含むPBSで1時間ブロックした。可能であれば、ファージを、室温で1時間、5%脱脂粉乳、0.05%ツイーン20および10mM DTTを含むPBS中でプレインキュベートし、その後、抗原でコーティングされたELISAウェルに、ウェル当たり1×10〜1×1010ファージの濃度範囲で適用した。室温で1時間結合した後、非特異的に結合したファージを0.05%ツイーン20を含むPBSおよびPBSで洗浄して除いた。抗−M13−HRPコンジュゲート(Amersham Pharmacia Biotech #27-9421-01)およびBMブルー可溶性物質(Roche #1484281)を用いるELISAによって結合したファージを検出した。370nmでの吸光度を測定した。特異的抗原を用いて得られたELISAシグナルをコントロールを用いて得られたシグナルと比較した。3個までの独立したファージ調製物を分析し、平均値を図19〜22に示す。
【0106】
すべての種々の2ベクター形式に関して、抗原に対するFab表示ファージの特異的結合を示すことができた(図19〜21、レーン1〜4)。Fab MacI−5に関しては、4個の形式間に有意な相違は検出できず(図19)、構築体 pMorphX10-Fab-VL-LHC-VH-FS は Fab MacI-A8 および ICAM1-C8 に対して最良の結果を再現的に示した(図20および21)。プレインキュベーション工程時、抗原結合前に10mM DTTをファージに加えると、すべてのcys−ディスプレーファージに関してELISAシグナルはほとんどバックグラウンドレベルにまで減少したが、DTTは慣用的ディスプレーファージ(pMorph18-Fab)に対しては重大な影響を示さなかった(Fab MacI-5 に関して図22に示す)。これはジスルフィド結合がファージへのFabの機能的表示、つまりFabを表示しているファージが抗原と特異的に結合するために本質的であることを示す。
【0107】
ドープ化ライブラリー実験におけるFabを表示する操作されたファージの富化 Fabを表示する操作されたファージが特異的抗原に対して富化できることを示すために、「ドープ化ライブラリー」実験を行った:特異的ファージを大過剰の非特異的ファージと混合し、特異的抗原に対する3ラウンドのパニングを行った。特異的ファージに関する富化は各ラウンド後に測定した。分析は2ベクター系 pMorphX10-Fab-VL-LHC-VH-FS + pBAD-SS-C-gIII において HuCAL Fab ICAM1-C8 に関して行った。
【0108】
ICAM1-C8 および MacI-A8 を表示する、操作されたファージを1:10の割合で混合した。ICAM1抗原に対して3ラウンドのパニングを行った。ファージを標準的手法によって製造し、PBSTM(PBS、5%脱脂粉乳、0.1%ツイーン20)と1:1混合してプレブロックし、室温で2時間インキュベートした。Nunc Maxisorp プレート (#442404) のウェルを、4℃で一晩、PBS中5μg/ウェルの濃度の特異的抗原でコーティングし、次いで室温で2時間、PBSM(PBS、5%脱脂粉乳)400μLでブロックした。第一ラウンドでは、ウェル当たり、プレブロックされた1011ファージを適用し、ミクロタイタープレートシェーカー上、室温で1時間インキュベートした。ファージ溶液を除去し、ウェルをPBSTで3回(PBS、0.05%ツイーン20;1×すばやく、2× 5分間)、PBSで3回(1×すばやく、2× 5分間)洗浄した。標準的プロトコルにしたがい、結合したファージを100mMトリエチルアミンで溶出させた。さらに、残りのファージを、ウェルに加えられた細胞の直接感染によって溶出させた。pBAD-SS-C-gIII を宿すTG1細胞の直接感染は十分に効率的ではなかったので、溶出されたファージをTG1細胞の感染に用い、増幅し、次いで pBAD-SS-C-gIII を宿すTG1細胞の感染に用いた。したがって、2ベクター系を復帰(restore)させ、次のラウンドのパニングを行った。ファージELISAおよびWBに関して、操作されたpIIIの発現用の2つのプラスミド(pBR-C-gIII および pBAD-SS-C-gIII)間の相違は観察されず、pBR-C-gIII を宿すTG1細胞の感染は pBAD-SS-C-gIII を宿すTG1細胞の感染ほど効率的ではなかった。パニングの各ラウンド後、少なくとも92個の独立した感染細胞をPCRによって分析し、非特異的ファージに対する特異的ファージの割合を測定した。標準的プロトコルにしたがい、単一のコロニーを鋳型のソースとして用い、λ軽鎖(フレームワーク4のプライム化)、κ軽鎖(フレームワーク3のプライム化)およびFab断片の上流のベクター配列(市販のM13−revプライマー、NEB)に対する特異的オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを行った。λFab(ICAM1−C8)に対しては約420bp長の断片が予測され、κFab(MacI−A8)に対しては290bpが予測された。2ラウンドのパニング後には、61%の陽性クローン(分析された93クローンのうち57)が得られ、第三ラウンド後には、これは100%(分析された92クローン中92)に富化できた。
【0109】
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【0110】
表1:ベクター pMorphX7-hag2-FS, pMorphX7-hag2-LH, pMorphX7-hag2-LCH および pMorphX7-hag2-LHC のEcoRIおよびHindIII部位間のORFモジュールのアミノ酸配列
【表1】
Figure 0004312403
【0111】
表2:HuCAL scFvおよびHuCAL Fabのアミノ酸配列*
【表2】
Figure 0004312403
*詳細は実施例に記載する。
【0112】
表3:ベクター pBR-C-gIII および誘導体の操作されたファージコートタンパク質のアミノ酸配列
【表3】
Figure 0004312403
Figure 0004312403
操作されたCys(訳者注:左から三列目の欄中のCys)は太字(訳者注:本翻訳文中では下線)で示す。
野生型ファージコートタンパク質の配列は下線で示す。
【0113】
表4:ベクター pMorph18-C-gIII-scFv-LHC およびその誘導体の操作されたファージコートタンパク質のアミノ酸配列
【表4】
Figure 0004312403
Figure 0004312403
操作されたCys(訳者注:左から三列目の欄中のCys)は太字(訳者注:本翻訳文中では下線)で示す。
野生型ファージコートタンパク質の配列は下線で示す。
【0114】
表5:プレ選択されたプールのCys−ディスプレーパニング
【表5】
Figure 0004312403
nd: 測定せず。
N1-MacI, N1-Np50:1ラウンドの慣用的パニング後のクローン数;
ICAM1:軽鎖の最適化されたプールの多様性。
それぞれのプレ選択されたプールのELISA陽性の数。
【0115】
表6:操作されたFab断片のモジュールのアミノ酸配列
【表6】
Figure 0004312403
操作されたシステインは太字(訳者注:本翻訳文中では下線)で示す。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 構築体 pMorphX7-hag2-LH のベクターマップ。
【図1b】 pMorphX7-hag2-LH のベクター配列。
【図2】 pTFT74-N1-hag-HIPM のベクター配列。
【図3】 pQE60-MacI のベクター配列。
【図4】 未操作ファージに表示されたscFvの特異的結合。
標準的手法によって構築体 pMorphX7-MacI5-LCH, pMorphX7-MacI5-LHC および pMorphX7-MacI5-LH 由来のファージを生産し、5mM DTTを含む(+DTT)か、あるいはDTTを含まないPBSTM中でプレインキュベートした。5μg/ウェルの特異的抗原(MacI, 暗カラム)および非特異的コントロール抗原(BSA、明カラム)を Maxisorp Nunc-Immuno ミクロタイタープレートにコーティングし、それぞれ1×1010ファージ/ウェルとインキュベートした。結合したファージを抗−M13−HRPコンジュゲートおよびBMブルー可溶性基質によって検出した。慣用のファージディスプレーベクター pMorph13-MacI5 由来のファージをコントロールとして用いた(3×10ファージ/ウェル)。実験の詳細は実施例1に記載する。
【図5】 未操作ファージに表示されたscFvの特異的結合。
標準的手法により、構築体 pMorphX7-hag2-LCH, pMorphX7-hag2-LHC および pMorphX7-hag2-LH 由来のファージを生産し、5mM DTTを含む(+DTT)か、あるいはDTTを含まないPBSTM中でプレインキュベートした。5μg/ウェルの特異的抗原(N1−hag、 暗カラム)および非特異的コントロール抗原(BSA、明カラム)を Maxisorp Nunc-Immuno ミクロタイタープレートにコーティングし、それぞれ1×1010ファージ/ウェルとインキュベートした。結合したファージを抗−M13−HRPコンジュゲートおよびBMブルー可溶性基質によって検出した。慣用のファージディスプレーベクター pMorph13-hag2 由来のファージをコントロールとして用いた(3×10ファージ/ウェル)。実験の詳細は実施例1に記載する。
【図6a】 構築体 pBR-C-gIII のベクターマップ。
【図6b】 N末端にシステイン残基を有する完全長pIIIの発現カセットの配列(C−gIII)。
【図6c】 N末端にシステイン残基を有する断頭されたpIIIの発現カセットの配列(C−gIIICT)。
【図7a】 構築体 pMorph18-C-gIII- hag2-LHC のベクターマップ。
【図7b】 pMorph18-C-gIII-hag2-LHC のベクター配列。
【図8】 操作されたファージに表示されたscFv MacI−5の検出−2ベクター系。
標準的手法により、構築体 pMorphX7-MacI-5-LH / pBR-C-gIII (レーン 1 および 5), pMorphX7-MacI-5-LHC / pBR-C-gIII (レーン 2 および 6), pMorphX7-MacI-5-LHC (レーン 3 および 7) および pMorphX7-MacI-5-LH (レーン 4 および 8) 由来のファージを生産した。1〜5×1010ファージを、DTTを含む(レーン1〜4)か、あるいはDTTを含まない(レーン5〜8)PBS中でプレインキュベートした。還元剤を欠いているSDS添加バッファーを加え、ファージを4〜15% SDS PAA Readyゲルにアプライし、免疫ブロットで分析した。ファージと結合したscFvの検出は、抗−FLAG M1抗体、抗−マウス−IgG−APコンジュゲートおよびFast BCIP/NPT基質(6A)および抗−pIII抗体、抗−マウス−IgG−APコンジュゲートおよびFast BCIP/NPT基質(6B)によって行った。低域マーカー(low range marker, Amersham #RPN756)はMと記す。実験の詳細は実施例2.1に示す。
【図9】 操作されたファージに表示されたscFvの検出−1ベクター系。
標準的手法により、構築体 pMorph18-C-gIII-hag2-LHC (レーン 1 〜 8; 7A), pMorph18-C-gIII-AB1.1-LHC (レーン 1, 2, 5 および 6; 7B) および pMorph18-C-gIII-MacI-5-LHC (レーン 3, 4, 7 および 8; 7B) 由来のファージを生産した。1〜5×1010ファージを、DTTを含む(レーン1、2、5および6;7Aおよびレーン1〜4;7B)か、あるいはDTTを含まない(レーン3、4、7および8;7Aおよびレーン5〜8;7B)PBS中でプレインキュベートした。還元剤を欠いているSDS添加バッファーを加え、ファージを4〜15% SDS PAA Readyゲルにアプライし、免疫ブロットで分析した。ファージと結合したscFvの検出は、抗−FLAG M1抗体、抗−マウス−IgG−APコンジュゲートおよびFast BCIP/NPT基質(レーン1〜4;7A)および抗−pIII抗体、抗−マウス−IgG−APコンジュゲートおよびFast BCIP/NPT基質(レーン5〜8;7Aおよびレーン1〜8;7B)によって行った。低域マーカー(Amersham #RPN756)はMと記す。実験の詳細は実施例2.1に示す。
【図10】 操作されたファージに表示されたscFvの特異的結合−種々の2ベクター系の比較。
標準的手法により、構築体 pMorphX7-MacI-5-LHC / pBR-C-gIII (1), pMorphX7-MacI-5-LHC / pBR-C-gIIICT (2), pMorphX7-MacI-5-LHC / pUC-C-gIII (3), pMorphX7-MacI-5-LHC / pUC-C-gIIICT (4), pMorphX7-MacI-5-LHC (5), pMorphX7-MacI-5-LH (6) および慣用のファージディスプレーベクター pMorph13-MacI-5 (7) 由来のファージを生産した。5μgの特異的抗原(MacI)および非特異的コントロール抗原(BSA、データは示していない)を Maxisorp Nunc-Immuno ミクロタイタープレートにコーティングし、ウェル当たり6.4×10〜1×1011の範囲のファージとインキュベートした。結合したファージを、抗−M13−HRPコンジュゲートおよびBMブルー基質によって検出した。実験の詳細は実施例2.1に記載する。
【図11】 操作されたファージに表示されたscFvの特異的結合−1ベクター系と2ベクター系の比較。
標準的手法により、構築体 pMorphX7-MacI-5-LHC / pBR-C-gIII (1), pMorphX7-MacI-5-LHC / pBR-C-gIIICT (2), pMorph18-C-gIII-MacI-5-LHC (3), pMorph18-C-gIIICT-MacI-5-LHC (4) および pMorphX7-MacI-5-LHC (5) 由来のファージを生産した。5μgの特異的抗原(MacI、暗カラム)および非特異的コントロール抗原(BSA、明カラム)を Maxisorp Nunc-Immuno ミクロタイタープレートにコーティングし、それぞれ1×1010と1×10ファージとインキュベートした。結合したファージを抗−M13−HRPコンジュゲートおよびBMブルー基質によって検出した。実験の詳細は実施例2.1に示す。
【図12】 操作されたファージに表示されたscFvの特異的結合−1ベクター系における操作された遺伝子IIIおよび遺伝子IXタンパク質の比較。 標準的手法により、構築体 pMorph18-C-gIII-MacI-5-LHC (1), pMorph18-C-gIIICT-MacI-5-LHC (2), pMorph18-C-gIX-MacI-5-LHC (3), pMorphX7-MacI-5-LHC (4) および慣用的ファージディスプレーベクター pMorph13-MacI-5 (5) 由来のファージを生産した。5μgの特異的抗原(MacI、暗カラム)および非特異的コントロール抗原(BSA、明カラム)を Maxisorp Nunc-Immuno ミクロタイタープレートにコーティングし、それぞれ1×1010、1×10および1×10ファージとインキュベートした。結合したファージは抗−M13−HRPコンジュゲートおよびBMブルー基質によって検出した。実験の詳細は実施例2.1に示す。
【図13】 操作されたファージに表示されたscFvの特異的結合−DTTの影響。
標準的手法により、構築体 pMorph18-C-gIII-MacI-5-LHC (1), pMorph18-C-gIIICT-MacI-5-LHC (2), pMorph18-C-gIX-MacI-5-LHC (3), pMorphX7-MacI-5-LHC (4) および慣用的ファージディスプレーベクター pMorph13-MacI-5 (5) 由来のファージを生産し、5mM DTTを含む(+)か、あるいはDTTを含まない(−)PBSTM中でプレインキュベートした。5μgの特異的抗原(MacI、暗カラム)および非特異的コントロール抗原(BSA、明カラム)を Maxisorp Nunc-Immuno ミクロタイタープレートにコーティングし、それぞれ1×1010ファージとインキュベートした。結合したファージは、抗−M13−HRPコンジュゲートおよびBMブルー基質によって検出した。実験の詳細は実施例2.1に示す。
【図14】 選択されたscFvの特異性−プレ選択されたプールのN1−MacIに対するパニング。
κ鎖(1〜5)およびλ鎖プール(6〜8)から、抗原N1−MacIに対する2ラウンドのcys−ディスプレーパニング後に選択されたscFvを標準的手法にしたがって発現させた。0.1μg/ウェルの粉乳(A)、BSA(B),FITC−BSA(C、BSAとカップリングさせたFITC)、N1−hag(D)、N1−Np50(E)およびN1−MacI(N1−MacI)を384ウェルプレート(Maxisorp; Nunc)にコーティングし、ぞれぞれscFv溶液10μLとインキュベートした。結合したscFvを抗−Flag M1、抗−Flag M2および抗−マウスIgG−APコンジュゲートの混合物ならびに AttoPhos 蛍光基質(Roche #1484281)によって検出した。各scFvを4回試験し、平均値を示す。
【図15】 選択されたscFvの特異性−プレ選択されたプールのN1−Np50に対するパニング。
抗原N1−Np50(1〜8)に対する2ラウンドのcys−ディスプレーパニング後に選択されたscFvを標準的手法にしたがって発現させた。0.1μg/ウェルの粉乳(A)、BSA(B),FITC−BSA(C、BSAとカップリングさせたFITC)、N1−hag(D)、N1−MacI(E)およびN1−Np50(N1−Np50)を384ウェルプレート(Maxisorp; Nunc)にコーティングし、ぞれぞれscFv溶液10μLとインキュベートした。結合したscFvを抗−Flag M1、抗−Flag M2および抗−マウスIgG−APコンジュゲートの混合物ならびに AttoPhos 蛍光基質(Roche #1484281)によって検出した。各scFvを4回試験し、平均値を示す。
【図16a】 構築体 pMorphX10-Fab-MacI5-VL-LHC-VH-FS のベクターマップ。
【図16b】 pMorphX10-Fab-MacI5-VL-LHC-VH-FS の完全ベクター配列。
【図17】 操作されたファージに表示されたFab ICAM1−C8の検出。
標準的手法により、構築体 pMorphX10-Fab-ICAM1C8-VL-LHC-VH-MS / pBAD-SS-C-gIII (レーン 5,6,11,12), pMorphX10-Fab-ICAM1C8-VL-LHC-VH-MS (レーン 3,4,9,10) および pMorph18-Fab-ICAM1C8 (レーン 1,2,7,8) 由来のファージを生産した。1×1010ファージを、DTTを含む(レーン1〜6)か、あるいはDTTを含まない(レーン7〜12)PBS中でプレインキュベートした。還元剤を欠いているSDS添加バッファーを加え、ファージを12% SDS PAA Readyゲルにアプライし、免疫ブロットで分析した。検出は抗−pIII抗体、抗−マウス−IgG−HRPコンジュゲートおよびBMブルーPOD沈殿基質(BM Blue POD precipitating substrate)によって行った。低域分子量マーカー(Amersham Life Science #RPN756)はMと記す。実験の詳細は実施例2.2に示す。
【図18】 操作されたファージに表示されたFab MacI−A8の検出。
標準的手法により、構築体 pMorphX10-Fab-MacIA8-VL-LHC-VH-FS / pBAD-SS-C-gIII (レーン 5,6,11,12), pMorphX10-Fab-MacIA8-VL-LHC-VH-FS (レーン 3,4,9,10) および pMorph18-Fab-MacIA8 (レーン 1,2,7,8) 由来のファージを生産した。1×1010ファージを、DTTを含む(レーン1〜6)か、あるいはDTTを含まない(レーン7〜12)PBS中でプレインキュベートした。還元剤を欠いているSDS添加バッファーを加え、ファージを12% SDS PAA Readyゲルにアプライし、免疫ブロットで分析した。検出は抗−pIII抗体、抗−マウス−IgG−HRPコンジュゲートおよびBMブルー沈殿基質によって行った。低域分子量マーカー(Amersham Life Science #RPN756)はMと記す。実験の詳細は実施例2.2に示す。
【図19】 操作されたファージに表示されたFabの特異的結合−Fab MacI−5。
標準的手法によって、構築体 pMorphX10-Fab-MacI5-VL-LHC-VH-FS / pBR-C-gIII (1), pMorphX10-Fab-MacI5-VL-C-VH-FS / pBR-C-gIII (2), pMorphX10-Fab-MacI5-VL-VH-CFS / pBR-C-gIII (3), pMorphX10-Fab-MacI5-VL-VH-LHC / pBR-C-gIII (4), pMorphX9-Fab-MacI5-FS (5), および慣用的ファージディスプレーベクター pMorph18-Fab-MacI5 (6) 由来のファージを生産した。5μg/ウェルの特異的抗原(N1−MacI)を Maxisorp Nunc-Immuno ミクロタイタープレートにコーティングし、ウェル当たり1×10(明カラム)および1×10(暗カラム)ファージとインキュベートした。結合したファージは抗−M13−HRPコンジュゲートおよびBMブルー可溶性基質によって検出した。各カラムは2回試験された3個の独立したファージ調製物の平均値を表す。実験の詳細は実施例2.2に示す。
【図20】 操作されたファージに表示されたFabの特異的結合−Fab MacI−A8。
標準的手法により、構築体 pMorphX10-Fab-MacIA8-VL-LHC-VH-FS / pBR-C-gIII (1), pMorphX10-Fab-MacIA8-VL-C-VH-FS / pBR-C-gIII (2), pMorphX10-Fab-MacIA8-VL-VH-CFS / pBR-C-gIII (3), pMorphX10-Fab-MacIA8-VL-VH-LHC / pBR-C-gIII (4), pMorphX9-Fab-MacIA8-FS (5), および慣用的ファージディスプレーベクター pMorph18-Fab-MacIA8 (6) 由来のファージを生産した。5μg/ウェルの特異的抗原(N1−MacI)を Maxisorp Nunc-Immuno ミクロタイタープレートにコーティングし、ウェル当たり1×10(明カラム)および1×1010(暗カラム)ファージとインキュベートした。結合したファージは、抗−M13−HRPコンジュゲートおよびBMブルー可溶性基質によって検出した。各カラムは2回試験された3個の独立したファージ調製物の平均値を表す。実験の詳細は実施例2.2に示す。
【図21】 操作されたファージに表示されたFabの特異的結合−Fab ICAM1−C8。
標準的手法により、構築体 pMorphX10-Fab-ICAM1C8-VL-LHC-VH-MS / pBR-C-gIII (1), pMorphX10-Fab-ICAM1C8-VL-C-VH-MS / pBR-C-gIII (2), pMorphX10-Fab-ICAM1C8-VL-VH-CMS / pBR-C-gIII (3), pMorphX10-Fab-ICAM1C8-VL-VH-LHC / pBR-C-gIII (4), pMorphX9-Fab-ICAM1C8-MS (5), pMorphX9-Fab-ICAM1C8-MS / pBR-C-gIII (6) 由来のファージを生産した。5μg/ウェルの特異的抗原(ICAM1、暗カラム)または非特異的抗原(BSA、明カラム)を Maxisorp Nunc-Immuno ミクロタイタープレートにコーティングし、ウェル当たり1×10ファージとインキュベートした。結合したファージは抗−M13−HRPコンジュゲートおよびBMブルー可溶性基質によって検出した。各カラムは2回試験された1個のファージ調製物の平均値を表す。実験の詳細は実施例2.2に示す。
【図22】 操作されたファージに表示されたFabの特異的結合−DTTの影響。
標準的手法により、構築体 pMorphX10-Fab-MacI5-VL-LHC-VH-FS / pBR-C-gIII (1), pMorphX10-Fab-MacI5-VL-C-VH-FS / pBR-C-gIII (2), pMorphX10-Fab-MacI5-VL-VH-CFS / pBR-C-gIII (3), pMorphX10-Fab-MacI5-VL-VH-LHC / pBR-C-gIII (4), pMorphX9-Fab-MacI5-FS (5), および慣用的ファージディスプレーベクター pMorph18-Fab-MacI5 (6) 由来のファージを生産し、10mM DTTを含む(+)か、あるいはDTTを含まない(−)PBSTM中でプレインキュベートした。5μg/ウェルの特異的抗原(N1−MacI、暗カラム)および非特異的コントロール抗原(BSA、明カラム)を Maxisorp Nunc-Immuno ミクロタイタープレートにコーティングし、それぞれ1×10ファージとインキュベートした。結合したファージは抗−M13−HRPコンジュゲートおよびBMブルー基質によって検出した。各カラムは2回試験された1個のファージ調製物の平均値を表す。実験の詳細は実施例2.2に示す。

Claims (29)

  1. (ポリ)ペプチド/タンパク質をバクテリオファージ粒子表面に表示させる方法であって:
    該(ポリ)ペプチド/タンパク質に含まれる第一のシステイン残基とバクテリオファージ粒子のタンパク質コートのメンバーに含まれる第二のシステイン残基との間にジスルフィド結合を形成させることにより、適切な宿主細胞中で発現後の該(ポリ)ペプチド/タンパク質と該宿主細胞中で組み立てられている該バクテリオファージ粒子のタンパク質コートのメンバーとを結合させるか、あるいはその結合を可能にすることを含む方法。
  2. 該第二のシステイン残基がバクテリオファージの野生型コートタンパク質の対応するアミノ酸位置に存在する、請求項1に記載の方法。
  3. タンパク質コートの該メンバーがバクテリオファージの野生型コートタンパク質である、請求項2に記載の方法。
  4. タンパク質コートの該メンバーがバクテリオファージの野生型コートタンパク質の断頭された変異体であり、この断頭された変異体が少なくとも、バクテリオファージ粒子のタンパク質コート内へのコートタンパク質の包含を生じさせる野生型コートタンパク質の部分を含むものである、請求項2に記載の方法。
  5. タンパク質コートの該メンバーが、バクテリオファージの野生型コートタンパク質の修飾された変異体であり、この修飾された変異体がバクテリオファージ粒子のタンパク質コート内に包含され得るものである、請求項2に記載の方法。
  6. 該第二のシステイン残基がバクテリオファージの野生型コートタンパク質の対応するアミノ酸位置に存在しない、請求項1に記載の方法。
  7. 該第二のシステインがバクテリオファージの野生型コートタンパク質に人工的に導入されたものである、請求項6に記載の方法。
  8. 該第二のシステインがバクテリオファージの野生型コートタンパク質の断頭された変異体に人工的に導入されたものである、請求項6に記載の方法。
  9. 該第二のシステインがバクテリオファージの野生型コートタンパク質の修飾された変異体に人工的に導入されたものである、請求項6に記載の方法。
  10. 該第二のシステインが該バクテリオファージ粒子のファージコートの該メンバーのC末端またはN末端か、あるいはその近く(ここで、その近くとは、バクテリオファージの外側に位置する、該(ポリ)ペプチド/タンパク質のNまたはC末端どちらかから数えて、15アミノ酸までの範囲を表す)に存在する、請求項4〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 該バクテリオファージが繊維状バクテリオファージである、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. バクテリオファージ粒子のタンパク質コートの該メンバーが野生型コートタンパク質pIIIであるか、あるいはそれから誘導されたものである、請求項11に記載の方法。
  13. バクテリオファージ粒子のタンパク質コートの該メンバーが野生型コートタンパク質pIXであるか、あるいはそれから誘導されたものである、請求項11に記載の方法。
  14. (a)該(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸配列を含有する宿主細胞を入手し;
    (b)該核酸配列を発現させるか、あるいはその発現を可能にし;
    (c)該宿主細胞内でバクテリオファージ粒子を産生させるか、あるいはその産生を可能にすることを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  15. 該(ポリ)ペプチド/タンパク質が免疫グロブリンまたはその機能的断片を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 該機能的断片がscFvまたはFab断片である、請求項15に記載の方法。
  17. (a)バクテリオファージの野生型コートタンパク質の、1つまたはそれ以上の部分であって、そのうち1個が少なくとも、該コートタンパク質をファージコート内へ包含させるか、あるいはその包含を可能にする部分を含むもの;および、
    (b)バクテリオファージの野生型コートタンパク質の対応するアミノ酸位置に存在しない1〜6個の範囲の追加のアミノ酸残基であって、そのうち1個がシステイン残基であるもの;
    からなるバクテリオファージの野生型コートタンパク質の修飾された変異体をコードする核酸配列。
  18. (a)バクテリオファージの野生型コートタンパク質の1個またはそれ以上の部分であって、そのうち1個が少なくとも、該コートタンパク質をファージコート内へ包含させるか、あるいはその包含を可能にする部分を含むもの;
    (b)バクテリオファージの野生型コートタンパク質の対応するアミノ酸位置に存在しない1〜6個の範囲の追加のアミノ酸残基であって、そのうち1個がシステイン残基であるもの;および、
    (c)精製および/または検出目的の1個またはそれ以上のペプチド配列;
    からなるバクテリオファージの野生型コートタンパク質の修飾された変異体をコードする核酸配列。
  19. 請求項17または18に記載の核酸を含むベクター。
  20. 第二のシステイン残基を含む(ポリ)ペプチド/タンパク質をコードする1つまたはそれ以上の核酸配列をさらに含む、請求項19に記載のベクター。
  21. 該(ポリ)ペプチド/タンパク質が免疫グロブリンまたはその機能的断片を含む、請求項20に記載のベクター。
  22. 請求項17または18に記載の核酸配列、請求項19〜21のいずれかに記載のベクターを含む宿主細胞。
  23. 請求項17または18に記載の核酸配列、請求項19〜21のいずれかに記載のベクターによってコードされるか、あるいは請求項22に記載の宿主細胞によって生産されるバクテリオファージの野生型コートタンパク質の修飾された変異体。
  24. (ポリ)ペプチド/タンパク質に含まれる第一のシステイン残基とバクテリオファージ粒子のタンパク質コートのメンバーに含まれる第二のシステイン残基のジスルフィド結合の形成によって生じる結合により、その表面に結合された(ポリ)ペプチド/タンパク質を表示する、(ポリ)ペプチド/タンパク質を発現するための核酸配列を含む該バクテリオファージ粒子。
  25. 該核酸配列が請求項20または21に記載のベクターである、請求項24に記載のバクテリオファージ粒子。
  26. 該バクテリオファージ粒子のそれぞれが(ポリ)ペプチド/タンパク質の種々の集団由来の(ポリ)ペプチド/タンパク質を表示している、請求項24または25に記載のバクテリオファージ粒子の種々の集団。
  27. (a)請求項26に記載のバクテリオファージ粒子の種々の集団を提供し;
    (b)所望の性質を有する(ポリ)ペプチド/タンパク質を表示する少なくとも1個のバクテリオファージ粒子を得るために該種々の集団をスクリーニングし、ならびに/あるいは該種々の集団から選択することを含む、所望の性質を有する(ポリ)ペプチド/タンパク質を得る方法。
  28. 該所望の性質が目的の標的との結合である、請求項27に記載の方法。
  29. 工程(b)が
    (ba)バクテリオファージ粒子の該種々の集団を目的の標的と接触させ;
    (bb)目的の標的と結合しないバクテリオファージ粒子を溶出させ;
    (bc)工程(ba)で形成された目的の標的および該目的の標的と結合したバクテリオファージの複合体を還元条件下で処理することによって、目的の標的と結合したバクテリオファージ粒子を溶出させることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
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