JP4310450B2 - 作業車両の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は作業車両の変速制御装置に関するものであり、特に、変速装置の現変速位置をアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式操作部を備えた作業車両の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、農業用トラクタをはじめとする此種車両には、アクチュエータの駆動により変速位置を変更可能な第1変速装置と、変速レバーの手動操作にて変速位置を変更可能な第2変速装置と、動力伝達を入り切りするクラッチとを備え、前記変速レバーには第1変速装置の変速位置をアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部を設け、この変速操作部のスイッチ信号に応じて前記アクチュエータを駆動させて第1変速装置を切り換え可能に形成したものが知られている。
【0003】
従って、前記第1変速装置のギヤ組と第2変速装置のギヤ組とを組み合わせて変速位置を多段化することができ、例えば、第1変速装置が「1速」乃至「4速」の4段の変速位置を有し、第2変速装置が「低速」「中速」「高速」の3段の変速位置を有している場合は、双方合わせて12段の変速位置を選択することができる。そして、前記従来の構成では、変速レバーの手動操作にて第2変速装置の変速位置を例えば「低速」に設定したときは、スイッチ式変速操作部のアップダウン操作によって第1変速装置の変速位置を「1速」乃至「4速」の4段階に切り換えることにより、比較的低速域の範囲で変速位置を変更できる。また、車速を低速域から中速域または高速域へ変更する場合は、変速レバーの手動操作によって第2変速装置の変速位置を変更するとともに、アクチュエータの作動により、第1変速装置を前記手動操作前の車速に近くなるように自動的に変速させる制御が行われている。
【0004】
しかし、前記作業車両では、変速操作時に作業状態、特に作業負荷に応じて、任意のタイミングでクラッチを入り切りする場合があり、この際には別途設けたクラッチペダルの踏込み操作によって前記タイミングを調整する構成となっていた。このため、特に、前記タイミング調整が連続して必要とされる場合には、操作が煩わしく、オペレータへの負担となっていた。
【0005】
また前記作業車両の場合、非作業時、即ち路上等を走行する場合は、迅速且つ大幅な車速の変更が必要とされるが、作業中には極力車速を変更せずに作業の均一性を保ことが要求される。
【0006】
そこで、スイッチ式変速操作部のアップダウン操作で変速される第1変速装置と、変速レバーの手動操作で変速される第2変速装置とを組み合わせて構成する場合に、新たな変速位置への変速差を可及的に小さくするとともに、安価な構成にて変速ショックを低減するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、アクチュエータの駆動により変速位置を変速可能な第1変速装置41,43と、変速レバー18の手動操作にて変速位置を変速可能な第2変速装置44と、動力伝達を入り切りするクラッチ51とを備え、前記変速レバー18には第1変速装置41,43の変速位置をアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部34,35を設け、この変速操作部34,35のスイッチ信号に応じて前記アクチュエータを駆動させて第1変速装置41,43を切り換え可能に形成した作業車両の変速制御装置であって、
前記変速操作部34,35の押し操作が一定時間以上継続する場合には、前記クラッチ51を切り状態に保持する制御手段30を備えた作業車両の変速制御装置に於いて、
前記車両に作業/非作業状態を指定する手段81または作業/非作業状態を検出する手段を設け、
車両が作業状態に指定されているときまたは作業状態を検出しているときには、前記変速レバー18を他の変速位置に変更しない場合に、前記第1変速装置41,43のアップ若しくはダウン幅を1段だけに規制する規制手段30を備えたことを特徴とする作業車両の変速制御装置、
及び、請求項2記載の発明は、
アクチュエータの駆動により変速位置を変速可能な第1変速装置41,43と、変速レバー18の手動操作にて変速位置を変速可能な第2変速装置44と、動力伝達を入り切りするクラッチ51とを備え、前記変速レバー18には第1変速装置41,43の変速位置をアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部34,35を設け、この変速操作部34,35のスイッチ信号に応じて前記アクチュエータを駆動させて第1変速装置41,43を切り換え可能に形成した作業車両の変速制御装置であり、
前記変速操作部34,35の押し操作が一定時間以上継続する場合には、前記クラッチ51を切り状態に保持する制御手段30を備えた作業車両の変速制御装置であって、
前記車両に作業/非作業状態を指定する手段81または作業/非作業状態を検出する手段を設け、
車両が作業状態に指定されているときまたは作業状態を検出しているときには、前記変速レバー18を他の変速位置に変更しない場合に、前記第1変速装置41,43のアップ若しくはダウン幅を1段だけに規制する規制手段30を備えた作業車両の変速制御装置に於いて、
前記変速操作部34,35の押し操作の継続中に変速レバー18を他の変速位置に変更したときは、新たな変速位置と前回までの変速位置との変速差が小となるように、前記第1変速装置41,43の変速位置を変更する一方、変速レバー18を他の変速位置に変更しないときは、前記第1変速装置41,43をアップ若しくはダウンする制御手段30を備えたことを特徴とする作業車両の変速制御装置を.提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って詳述する。図1及び図2は作業車両の一例として農業用トラクタ10を示し、車体の前部にエンジン11を搭載し、該エンジン11の回転動力を後述するようにミッションケース12内の各種変速装置により適宜変速した後に、後輪13,13の二輪または後輪13,13と前輪14,14の四輪へ伝達するように構成してある。車体の後部にはリンク機構15を介してロータリ等の作業機16を牽引する。
【0009】
一方、運転席17の右側には、変速装置の変速位置を切り換えるための変速レバー18や、作業機16の高さを変更するポジションレバー19、追加機器操作用のサブコンレバー20,20…等、各種操作レバーが配置されている。このように、オペレータが頻繁に使用する各種操作レバーを運転席17の右側に集中して配置することにより、オペレータの注意を右側部分に限定することができ、操作性の向上を図ることができる。また、該運転席17の前方にはハンドルポスト24が設けられ、このハンドルポスト24にステアリングハンドル25が装着されている。該ステアリングハンドル25を回転操作することにより、操向輪である前輪14が回向して車体が旋回する。
【0010】
前記ハンドルポスト24の側面には前後進切り換えレバー26を突設し、該前後進切り換えレバー26の操作により後述の前後進クラッチ47が切り換わって、車体の前進走行または後進走行を選択する。更に、ステアリングハンドル25の前方にメータパネル27を設けるとともに、該ステアリングハンドル25の下方にクラッチペダル28や左右ブレーキペダル29等のペダル類を設ける。尚、符号30は後述の制御手段であるコントローラ、31は作業機の高さを検出するリフトアーム角センサである。
【0011】
図2及び図3に示すように、前記変速レバー18は逆h型のレバーガイド32から上方に突出され、車体の内側前方に「低速」位置、車体の外側前方に「中速」位置、車体の外側後方に「高速」位置との3段の変速パターンを有し、該変速レバー18をレバーガイド32に沿って回動操作することにより、後述の副変速装置44がリンク機構を介して「低速」「中速」「高速」の何れかに手動で切り換えるように構成されている。このように、前記変速レバー18のシフトパターンを車体の内側後方にはシフトされないように構成し、使用頻度の低い「低速」位置のみを車体の内側前方に配置したので、前述したように、運転席17の右側部分に各種操作レバーを集中させて配置した場合であっても、前記変速レバー18が運転席17に接近し過ぎて誤操作する虞がなく、且つ、各種操作レバーが極端に接近して操作性が悪化することもない。
【0012】
また、該変速レバー18のグリップ33の側面部には、変速位置をアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部であるアップスイッチ34とダウンスイッチ35が設けられ、後述のHi−Lo変速装置41と主変速装置43とを連携して組み合わせた第1変速装置の変速パターンを現位置からアップ若しくはダウンする。また、前記レバーガイド32の近傍位置には、Hi−Lo変速装置41を「高速」位置または「低速」位置にアップ若しくはダウン指令する押しボタン式の高低切り換えスイッチ36が設けられている。
【0013】
図4乃至図8に示すように、前記エンジン11の回転動力は、クラッチハウジング内の主クラッチ40にて断続操作され、順次ミッションケース12内のHi−Lo変速装置41、前後進切り換え装置42、主変速装置43、副変速装置44へと伝達するように構成されている。
【0014】
Hi−Lo変速装置41は、「高速」「低速」二つのギヤ組45,46を切り換えるための湿式多板形のHi−Loクラッチ47を有する変速装置であり、制御手段であるコントローラ30によりHi−Loクラッチバルブ48を「高速」位置に切り換えれば、前記Hi−Loクラッチ47がHi側に「入」となり、一方のギヤ組45を介して動力が「高速」で伝達される。また、Hi−Loクラッチバルブ48を「低速」位置に切り換えれば、前記Hi−Loクラッチ47がLo側に「入」となり、前記一方のギヤ組45よりも減速比の高い他方のギヤ組46を介して動力が「低速」で伝達される。このように、Hi−Lo変速装置41は高低2段の変速位置を有し、該Hi−Lo変速装置41で変速された回転動力は前後進切り換え装置42に伝達される。
【0015】
前後進切り換え装置42は、「前進」「後進」二つのギヤ組49,50を切り換える湿式多板形の前後進クラッチ51を有する変速装置であり、前述の前後進切り換えレバー26が前進側に操作されているか、或いは、後進側に操作されているかを前後進位置センサ52により検出する。そして、この検出結果により、コントローラ30から前後進バルブ54の前進ソレノイドまたは後進ソレノイドに信号が送られて、前後進クラッチ51が「前進」または「後進」に「入」となり、前記ギヤ組49,50の何れか一方を介して動力が主変速装置43に伝達される。また、前後進切り換えレバー26が中立位置にあるときは前後進クラッチ51が「切」となり、回転動力が遮断されて主変速装置43に伝達されない。
【0016】
主変速装置43は、四つのギヤ組からなるシンクロメッシュギヤ式変速装置であり、前後進切り換え装置42から出力された回転動力を、動力上手側から4速ギヤ組56、3速ギヤ組57、2速ギヤ組58、1速ギヤ組59の何れか一つを通じて副変速装置44へ伝達する。4速ギヤ組56と3速ギヤ組57との駆動側ギヤ間にはシンクロメッシュ機構を有するシフタリングを設け、このシフタリングを変速用アクチュエータである主変速用第1油圧シリンダ60の伸縮により前後スライドさせるように構成し、これと同様に、2速ギヤ組58と1速ギヤ組59との駆動側ギヤ間にもシンクロメッシュ機構を有するシフタリングを設け、このシフタリングを変速用アクチュエータである主変速用第2油圧シリンダ61の伸縮により前後スライドさせるように構成してある。
【0017】
コントローラ30から主変速「3−4速」バルブ62の4速ソレノイドに信号が送られると、主変速用第1油圧シリンダ60の伸長により、前記4速ギヤ組56を介して動力が伝達されて「4速」となり、主変速「3−4速」バルブ62の3速ソレノイドに信号が送られると、該主変速用第1油圧シリンダ60の収縮により、前記3速ギヤ組57を介して動力が伝達されて「3速」となる。また、コントローラ30から主変速「1−2速」バルブ63の2速ソレノイドに信号が送られると、主変速用第2油圧シリンダ61の伸長により、前記2速ギヤ組58を介して動力が伝達されて「2速」となり、主変速「1−2速」バルブ63の1速ソレノイドに信号が送られると、該主変速用第2油圧シリンダ61の収縮により、前記1速ギヤ組59を介して動力が伝達されて「1速」となる。このように、前記主変速装置43は「1速」から「4速」までの4段の変速位置を有している。前述のHi−Lo変速装置41と主変速装置43とから、アクチュエータの駆動により変速位置を変速可能な第1変速装置が構成され、この第1変速装置で変速された回転動力は第2変速装置である副変速装置44へ伝達される。
【0018】
副変速装置44は、前記変速レバー18の手動操作によりリンク機構を介して切り換えるスライディングメッシュギヤ式変速装置となっており、「低速」「中速」のギヤ組64,65と、「高速」(直結)のギヤ組66との3段の変速位置を有している。前記主変速装置43で変速された回転動力は、この副変速装置44にて更に変速される。
【0019】
そして、前記副変速装置44で変速された回転動力は、リヤデファレンシャル装置67を経て後輪13に伝達されるとともに、四駆切り換えクラッチ68にて「等速」或いは「増速」に切り換えられた後、フロントデファレンシャル装置69を経て前輪14に伝達される。更に、エンジン11の回転動力は主クラッチ40の前段にてPTO系に分岐され、PTOクラッチ70にて断接されて車体後部に突設したPTO取り出し軸71に伝達される。
【0020】
ここで、前記主変速装置43には、ギヤ組み合わせを検出する手段として主変速「1−N−2速」位置センサ72と、主変速「3−N−4速」位置センサ73とが設けられ、副変速装置44にはギヤ組み合わせを検出する手段として副変速「低速」位置センサ74と、副変速「中速」位置センサ75と、副変速「高速」位置センサ76とが設けられている。また、前記クラッチペダル28の踏み込み操作をクラッチペダルセンサ77にて検出し、左右ブレーキペダル29の踏み込み操作はブレーキペダルセンサ78にて検出する。尚、79は車体の走行速度を検出する車速センサ、80はエンジン回転数センサ、81は走行・作業モード切り換えスイッチである。前記各スイッチ34乃至37と、前後進位置センサ52及び各センサ72乃至80の検出信号はコントローラ30に送られる。
【0021】
斯くして、Hi−Lo変速装置41と主変速装置43とを連携して、8段の第1変速装置の変速パターンが得られ、更に、副変速装置44による第2変速装置の変速パターン3段を組み合わせて、24段の変速パターンを得ることができる。そして、前述した変速レバー18のグリップ33に設けたアップスイッチ34若しくはダウンスイッチ35の操作により、Hi−Lo変速装置41と主変速装置43とを連携して組み合わせた第1変速パターンを現位置からアップ若しくはダウンさせ、高低切り換えスイッチ36の操作により、Hi−Lo変速装置41を「高速」位置または「低速」位置にアップ若しくはダウンさせる。そして、コントローラ30が前記各スイッチやセンサの検出信号に基づいて現在の変速位置を判別し、前記メータパネル27に設けられたシフト位置のインジケータ82に現変速位置を表示する。
【0022】
尚、該メータパネル27には、バックアップボタン83と検索ボタン84とを設けてあり、オペレータがバックアップボタン83を押すと、現在の走行系変速位置、PTO系変速位置、エンジン回転数等の作業条件がコントローラ30に記憶される。そして、後日オペレータが検索ボタン84を押すことにより、記憶されている作業条件がメータパネル27に表示される。斯くして、作業条件の履歴が保存され、例えば前年に作業した条件などをオペレータが記憶する必要がなくなる。
【0023】
一方、エンジン11によりメインポンプ85及びサブポンプ86が駆動され、メインポンプ85から吐出された作動油は、サブコン回路87を経て作業機昇降用のリフトシリンダ88へ送られるとともに、水平制御用のローリングシリンダ89へ送られる。該メインポンプ85の作動油の一部は、減圧弁90を経て前記四駆切り換えクラッチ68、主変速用第1油圧シリンダ60及び主変速用第2油圧シリンダ61、左右ブレーキシリンダ91L,91R、前後進クラッチ51、PTOクラッチ70に供給される。また、サブポンプ86から吐出された作動油は、パワーステアリング装置と主クラッチ40に供給される。
【0024】
ここで、前記変速レバー18のグリップ33に設けられているアップスイッチ34またはダウンスイッチ35を押し操作した場合には、前述したように、コントローラ30の指令信号によって、Hi−Lo変速装置41と主変速装置43とを連携して組み合わせた第1変速パターンを現位置からアップ若しくはダウンさせる。例えば、変速レバー18が低速位置にシフトされているときは、第2変速装置である副変速装置44が「低速」位置にあり、アップスイッチ34若しくはダウンスイッチ35の操作により第1変速パターンが切り換わって、変速段が「1段」から「8段」の範囲内で変速される。これに対して、例えば変速レバー18が高速位置にシフトされているときは、副変速装置44が「高速」位置にあり、アップスイッチ34若しくはダウンスイッチ35の操作によって、変速段が「17段」から「24段」の範囲内で変速される。
【0025】
次に、前記走行・作業モード切り換えスイッチ81が作業モードに指定されている場合、或いは、センサの検出信号により作業状態であることが検出されている場合に於いて、前記アップスイッチ34若しくはダウンスイッチ35の押し操作中に、変速レバー18を他の変速位置に操作したときの制御手順について、図9のフローチャートに従って説明する。先ず、コントローラ30はアップスイッチ34とダウンスイッチ35の押し操作を監視する(ステップ1及び2)。アツプスイッチ34が一定時間以上押されたときはフラグUpをたて(ステップ3)、ダウンスイッチ35が一定時間以上押されたときはフラグDnをたてる(ステップ4)。該アップスイッチ34またはダウンスイッチ35の何れかが一定時間以上押されたときは、コントローラ30は前後進バルブ54に指令信号を出力して、前後進クラッチ51を切り状態即ち中立位置にする(ステップ5)。
【0026】
続いて、変速レバー18の操作を監視する(ステップ6)。前記アップスイッチ34またはダウンスイッチ35の押し操作中に、変速レバー18が増速側に操作されたときは、第2変速装置である副変速装置44が変速されるが、このときは、新たな副変速位置の最低変速段へ第1変速装置を変速する(ステップ8)。例えば、Hi−Lo変速装置41が「高」、主変速装置43が「3速」、副変速装置44が「低速」の状態、即ち、変速段が「6段」にある状態で、アップスイッチ34またはダウンスイッチ35の押し操作中に、変速レバー18を「低速」位置から「中速」位置に操作した場合は、副変速装置44が「中速」位置に切り換わると同時に、コントローラ30がHi−Loバルブ48と主変速3−4速バルブ62及び主変速1−2速バルブ63を制御して、Hi−Lo変速装置41を「低」、主変速装置43を「1速」の状態、即ち、新たな副変速装置「中速」の最低変速段である「9段」へ変速する。また、例えば変速段が「12段」にある状態で変速レバー18を「中速」位置から「高速」位置に操作した場合は、副変速装置44が「高速」位置に切り換わると同時に、Hi−Lo変速装置41を「低」、主変速装置43を「1速」の状態、即ち、新たな副変速装置「高速」の最低変速段である「17段」へ変速する。
【0027】
一方、前記アップスイッチ34またはダウンスイッチ35の押し操作中に、変速レバー18が減速側に操作されたときは、新たな副変速位置の最高変速段へ第1変速装置を変速する(ステップ9)。例えば、Hi−Lo変速装置41が「低」、主変速装置43が「3速」、副変速装置44が「高速」の状態、即ち、変速段が「21段」にある状態で、アップスイッチ34またはダウンスイッチ35の押し操作中に、変速レバー18を「高速」位置から「中速」位置に操作した場合は、副変速装置44が「中速」位置に切り換わると同時に、コントローラ30がHi−Loバルブ48と主変速3−4速バルブ62及び主変速1−2速バルブ63を制御して、Hi−Lo変速装置41を「高」、主変速装置43を「4速」の状態、即ち、新たな副変速装置「中速」の最高変速段である「16段」へ変速する。また、例えば変速段が「19段」にある状態で変速レバー18を「高速」位置から「低速」位置に操作した場合は、副変速装置44が「低速」位置に切り換わると同時に、Hi−Lo変速装置41を「高」、主変速装置43を「4速」の状態、即ち、新たな副変速装置「低速」の最高変速段である「8段」へ変速する。
【0028】
これに対して、前記アップスイッチ34またはダウンスイッチ35の押し操作中に、変速レバー18の操作がないときは、前述したフラグを判別し(ステップ7)、フラグUpであるときは現在の副変速位置内で第1変速パターンを1段だけアップする(ステップ10)。また、フラグDnであるときは現在の副変速装置内で第1変速パターンを1段だけダウンする(ステップ11)。そして、前記アップスイッチ34またはダウンスイッチ35の押し操作が解除されたときは(ステップ12)、第1変速装置の変速を止めて前後進クラッチ51を元の状態(前進か後進か)に接続する(ステップ13)。
【0029】
このように、アップスイッチ34またはダウンスイッチ35の押し操作中に、変速レバー18が増速側に操作されたときは、新たな副変速位置内の最低速位置に変速することにより、前回までの変速位置と新たな変速位置との変速差が最小となる。一方、アップスイッチ34またはダウンスイッチ35の押し操作中に、変速レバー18が減速側に操作されたときは、新たな副変速位置内の最高速位置に変速することにより、前回までの変速位置と新たな変速位置との変速差が最小となる。斯くして、クラッチを入れたときの変速ショックをできる限り抑止することができる。また、副変速装置44はスライディングメッシュギヤ式であるが、変速レバー18の操作に連動して油圧多板式の前後進クラッチ51を一旦切ることにより、ノンシンクロメッシュでありながら変速ショックの少ない変速操作を行うことができる。
【0030】
ここで、前述したように、第1変速装置及び第2変速装置を変速する場合にはHi−Loクラッチ47及び前後進クラッチ51を入り切りするが、図10に示すように、作業モードと走行モードとでクラッチの昇圧特性を異にしてある。前記走行・作業モード切り換えスイッチ81が作業モードに設定されているときは、同図(a)に示すように、前記Hi−Loクラッチ47を切り換える際に、前後進クラッチ51は全圧状態を保持する。これは、作業機16の牽引負荷等の影響を考慮したものであり、前後進クラッチ51を切らずに接続したままHi−Loクラッチ47を切り換える。これに対して、前記走行・作業モード切り換えスイッチ81が走行モードに設定されているときは、同図(b)に示すように、前記Hi−Loクラッチ47を切り換える際に、一旦前後進クラッチ51を切って、Hi−Loクラッチ47の接続後に比較的緩慢に昇圧する。これは、走行時には前後進クラッチ51を全圧状態のままHi−Loクラッチ47を切り換えると、変速ショックが生じて走行感が悪化するためである。
【0031】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明は、変速レバーに第1変速装置の変速位置をアップ若しくはダウン指令するスイッチを設けた変速制御装置に於いて、該スイッチの押し操作が一定時間以上継続する場合はクラッチを切り状態に保持する。このため、作業状態に合わせて任意のタイミングでクラッチを入りとして車両を駆動することができる。
また、この発明は、車両が作業状態に指定されているときまたは作業状態を検出しているときに、前記スイッチの押し操作の継続中に変速レバーを他の変速位置に操作しない場合は、第1変速装置のアップ若しくはダウン幅を1段だけに規制するので、上記の効果に加えて、作業時には任意のタイミングで変速を可能にする反面、スイッチ操作による車速の変動は1段に抑えられるので均一な作業を妨げることがない。
【0033】
また、請求項2記載の発明は、前記スイッチの押し操作の継続中に変速レバーを他の変速位置に操作した場合は、新たな変速位置と前回までの変速位置との変速差が小となるように、前記変速位置を変更するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、通常作業時には、車速の変動幅を小さく抑えて急加速や急減速を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施の形態を示すものである。
【図1】トラクタの側面図。
【図2】運転席の一部切欠平面図。
【図3】変速レバーの斜視図。
【図4】変速制御系のブロック図。
【図5】動力伝達経路を示す線図。
【図6】変速装置の変速パターンを示す一覧図。
【図7】メータパネルの正面図。
【図8】油圧回路図。
【図9】変速制御の手順を示すフローチャート。
【図10】(a)作業モード時のクラッチの昇圧タイミングチャート。
(b)走行モード時のクラッチの昇圧タイミングチャート。
【符号の説明】
10 トラクタ
18 変速レバー
30 コントローラ
34 アップスイッチ
35 ダウンスイッチ
41 Hi−Lo変速装置
43 主変速装置
44 副変速装置
51 前後進クラッチ
Claims (2)
- アクチュエータの駆動により変速位置を変速可能な第1変速装置41,43と、変速レバー18の手動操作にて変速位置を変速可能な第2変速装置44と、動力伝達を入り切りするクラッチ51とを備え、前記変速レバー18には第1変速装置41,43の変速位置をアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部34,35を設け、この変速操作部34,35のスイッチ信号に応じて前記アクチュエータを駆動させて第1変速装置41,43を切り換え可能に形成した作業車両の変速制御装置であって、
前記変速操作部34,35の押し操作が一定時間以上継続する場合には、前記クラッチ51を切り状態に保持する制御手段30を備えた作業車両の変速制御装置に於いて、
前記車両に作業/非作業状態を指定する手段81または作業/非作業状態を検出する手段を設け、
車両が作業状態に指定されているときまたは作業状態を検出しているときには、前記変速レバー18を他の変速位置に変更しない場合に、前記第1変速装置41,43のアップ若しくはダウン幅を1段だけに規制する規制手段30を備えたことを特徴とする作業車両の変速制御装置。 - アクチュエータの駆動により変速位置を変速可能な第1変速装置41,43と、変速レバー18の手動操作にて変速位置を変速可能な第2変速装置44と、動力伝達を入り切りするクラッチ51とを備え、前記変速レバー18には第1変速装置41,43の変速位置をアップ若しくはダウン指令する一対のスイッチ式変速操作部34,35を設け、この変速操作部34,35のスイッチ信号に応じて前記アクチュエータを駆動させて第1変速装置41,43を切り換え可能に形成した作業車両の変速制御装置であり、
前記変速操作部34,35の押し操作が一定時間以上継続する場合には、前記クラッチ51を切り状態に保持する制御手段30を備えた作業車両の変速制御装置であって、
前記車両に作業/非作業状態を指定する手段81または作業/非作業状態を検出する手段を設け、
車両が作業状態に指定されているときまたは作業状態を検出しているときには、前記変速レバー18を他の変速位置に変更しない場合に、前記第1変速装置41,43のアップ若しくはダウン幅を1段だけに規制する規制手段30を備えた作業車両の変速制御装置に於いて、
前記変速操作部34,35の押し操作の継続中に変速レバー18を他の変速位置に変更したときは、新たな変速位置と前回までの変速位置との変速差が小となるように、前記第1変速装置41,43の変速位置を変更する一方、変速レバー18を他の変速位置に変更しないときは、前記第1変速装置41,43をアップ若しくはダウンする制御手段30を備えたことを特徴とする作業車両の変速制御装置。
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