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JP4301987B2 - マルチ型空気調和装置 - Google Patents

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JP4301987B2
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Description

本発明は、空調運転(冷房運転、暖房運転及び除湿運転)により空調空気を噴出す複数の室内機ユニットを備え、各室内機ユニット毎に異なる運転制御が可能なマルチ型空気調和装置に関する。
室内の冷暖房や除湿(以下、総称して「空調」と呼ぶ)を行う空気調和装置は、室内機ユニットと室外機ユニットとの間を冷媒配管及び電気配線で接続した構成とされる。このような空気調和装置は、圧縮機、室外熱交換器、絞り機構、室内熱交換器及び四方弁を主な構成要素として冷媒の循環回路を形成するヒートポンプを用いており、圧縮機から送出される冷媒の循環方向を四方弁の操作によって切り換えることで、所望の空調運転を行っている。
このような空気調和装置には、一式の室外機ユニットに対し、室内機ユニットが一台接続された構成のシングル型と、それぞれ独自の運転制御を可能にした室内機ユニットが複数接続された構成のマルチ型とがある。
上述した空気調和装置において、圧縮機の潤滑に使用された潤滑油は、圧縮機内でミスト状となり、ガス冷媒と共に送出されて冷凍サイクルの冷媒循環経路内を循環する。このため、運転停止等により圧縮機以外の循環経路内に冷媒及び潤滑油が残留して溜まり込むことがあるので、従来よりこれを回収して溜まり込みにより冷媒及び潤滑油が不足するのを防止する保護制御が行われている。このような溜まり込みの問題は、室内機ユニットがそれぞれ独自の運転制御を行うため、運転中及び停止中の室内機ユニットが混在することに加えて、室内機ユニットまでの配管長が長く、しかも設置位置の高低差も大きくなる傾向にあることから、特に、マルチ型空気調和装置で生じやすい。
従来の空気調和装置においては、循環経路内の冷媒及び潤滑油を回収して溜まり込みを防止するため、下記の制御技術が実施されている。
(a)低回転数連続運転保護制御
圧縮機が連続して低回転数の運転を継続した場合、流出した冷媒及び潤滑油を回収する目的で、圧縮機の回転数を上昇させる。
(b)冷媒溜まり込み保護制御
マルチ型空気調和装置において、長時間連続して運転された場合、暖房運転を停止している室内機ユニットから冷媒及び潤滑油を回収する目的で実施する。この保護制御は、圧縮機の累積運転時間が所定時間(たとえば4時間)を経過した時点で、全ての室内機ユニットの電子膨張弁を全開にしてから圧縮機を運転することで回収運転を行う。
また、従来のマルチ型空気調和装置においては、選択された運転状態で冷媒ガスが循環しない圧縮機吐出側の冷媒管路に、管内凝縮した液冷媒とともに潤滑油が溜まり込むのを防止するため、同冷媒管路から分岐して圧縮機吸入側へ連結され、微少量の冷媒を溢流させるオイル戻し管路を設けたものが開示されている。この結果、微少量の冷媒が、圧縮機吐出側の冷媒管路及びオイル戻し管路を経由して圧縮機吸入側へ流れるので、冷媒及び潤滑油の溜まり込みを防止できるとされる。(たとえば、特許文献1参照)
特開平5−149644号公報
しかしながら、上述した従来技術においては、次のような問題点が指摘されている。
(a)の低回転数連続運転保護制御では、複数の室内機ユニットを独自に運転制御するマルチ型空気調和装置に適用した場合、単に圧縮機の回転数を上げるだけであるから、回収対象となるのは運転中の室内機ユニットのみとなり、従って、停止中の室内機ユニットから冷媒及び潤滑油を回収することはできない。
(b)の冷媒溜まり込み保護制御では、本来の目的が停止ユニットの溜まり込みを防止することであるにもかかわらず、全ての室内機ユニットを運転している場合でも同様に実施されてしまうという問題点を有している。すなわち、全ての室内機ユニットを運転している場合は溜まり込みの心配がなく、しかも、保護運転実施中は適正な運転点から外れた運転となるため、空調フィーリングや圧縮機保護の観点からも保護制御を過剰に実施することは好ましくない。
また、冷房運転の場合は、室内熱交換機内の冷媒を圧縮機で吸い込むため、同熱交換機内には冷媒及び潤滑油が溜まりにくい構成の冷媒循環系路となる。しかし、暖房運転の場合には循環方向が逆向きとなり、室内熱交換機内の冷媒が電子膨張弁を通過して圧縮機内に吸い込まれるように構成された冷媒循環系路となる。このため、暖房運転時の冷媒及び潤滑油は、圧縮機の吸い込みを受けても全閉状態の電子膨張弁に堰き止められるので、停止中の室内機ユニット内等に溜まり込みやすい。
また、保護制御のため停止している室内機ユニットの電子膨張弁を開けると、同室内機ユニット内を冷媒が流れて流動音を発生するので、運転停止中にもかかわらず運転騒音が発生するという不自然な現象が生じて好ましくない。
また、電子膨張弁を全開として絞らない状態で冷媒が循環するので、この冷媒が液相のまま圧縮機に流れ込むという液バックを生じやすい。このような液バックは、圧縮機破損の原因となるため好ましくない。
このように、上述した従来の冷媒溜まり込み保護制御においては、全ての室内機ユニットが運転されて冷媒及び潤滑油の溜まり込みを心配する必要のない場合であっても、適正な運転点から外れて空調フィーリングや圧縮機保護の観点から好ましくない運転が行われるという問題点を有している。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷房運転及び暖房運転に係わらず、空調フィーリングを損なうことなく冷媒及び潤滑油を回収する保護制御を実施可能としたマルチ型空気調和装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係るマルチ型空気調和機は、室外機ユニットと、該室内機ユニットに接続されそれぞれ独自の運転制御を可能にした複数の室内機ユニットとを具備してなるマルチ型空気調和装置において、所定の条件を満たした空調運転の開始時を基準に積算される圧縮機実運転時間の累積時間(T)が所定の設定時間に達した場合に実施され、前記室内機ユニットの冷媒循環系路にそれぞれ設けられている電子膨張弁の全てを全開にして圧縮機を運転する冷媒溜まり込み保護制御運転モードを備え、前記冷媒溜まり込み保護制御運転モードは、前記圧縮機の運転回転数をいったん最小まで落としてから前記電子膨張弁を全開とし、かつ、前記室内機ユニットが停止中の冷媒循環系路に設置されている電子膨張弁を全開とする前に、所定の遅れ時間を設けたことを特徴とするものである。
このようなマルチ型空気調和装置によれば、所定の条件を満たした空調運転の開始時を基準に積算される圧縮機実運転時間の累積時間(T)が所定の設定時間に達した場合に実施され、前記室内機ユニットの冷媒循環系路にそれぞれ設けられている電子膨張弁の全てを全開にして圧縮機を運転する冷媒溜まり込み保護制御運転モードを備えているので、冷房運転及び暖房運転を問わず、全ての室内機ユニットを含む冷媒循環系路を通って冷媒及び潤滑油が流れる。このため、停止中の室内機ユニット内等に溜まり込んでいた冷媒及び潤滑油は、この流れにより流出して圧縮機に戻る。
上述したマルチ型空気調和装置において、前記冷媒溜まり込み保護制御運転モードは、前記圧縮機の運転回転数をいったん最小まで落としてから前記電子膨張弁を全開にするので、冷媒の循環量を必要最小限にして流動騒音を小さく抑えることができる。また、冷媒循環量が減少するので、電子膨張弁の全開により液相のまま圧縮機に流れ込む液バックを防止することもできる。
上述したマルチ型空気調和装置において、前記冷媒溜まり込み保護制御運転モードは、前記室内機ユニットが停止中の冷媒循環系路に設置されている電子膨張弁を全開とする前に、所定の遅れ時間を設けることにより、圧縮機の回転数を低減して圧力比が減少した状態で電子膨張弁を全開とするため、冷媒流動音の騒音を小さくすることができる。すなわち、本来運転停止中のため運転騒音のない室内機ユニットから、保護制御のために発生する冷媒流動音を最小にして、不自然な運転騒音の違和感を低減することができる。
上述したマルチ型空気調和装置において、前記冷媒溜まり込み保護制御モードの終了は、前記電子膨張弁の開度を保護制御開始前に戻した後、前記圧縮機の回転数を保護制御開始前に戻して完了することが好ましく、これにより、運転停止中の室内機ユニットでは冷媒流動音の運転騒音を防止でき、かつ、圧縮機に電子膨張弁で絞られない液冷媒が流入する液バックを防止できる。
上述した本発明のマルチ型空気調和機は、所定の条件を満たした空調運転の開始時を基準に積算される圧縮機実運転時間の累積時間(T)が所定の設定時間に達した場合に実施され、室内機ユニットの冷媒循環系路にそれぞれ設けられている電子膨張弁の全てを全開にして圧縮機を運転する冷媒溜まり込み保護制御運転モードを備えているので、冷房運転及び暖房運転を問わず、全ての室内機ユニットを含む冷媒循環系路を通って冷媒及び潤滑油が流れ、停止中の室内機ユニット内に溜まり込んでいた冷媒及び潤滑油を圧縮機に戻して回収することができる。このため、停止中の室内機ユニットからも冷媒及び潤滑油の回収が可能となり、しかも、圧縮機実運転時間の累積時間毎に保護制御を実施するので、保護制御が頻繁に行われるようなことはない。従って、空調フィーリングを損なう運転や、適正な運転点から外れるという圧縮機にとって厳しい状態での運転が最小となるように減少させることができる。
また、本発明の冷媒溜まり込み保護制御運転モードにおいては、下記の制御を行うことにより冷媒の流動音を小さく抑えることができる。特に、停止中の室内機ユニットから流動音が生じることはユーザーに違和感を与えるので、これを低減できることは商品性の向上に極めて有効である。
1)圧縮機の運転回転数をいったん最小まで落としてから電子膨張弁を全開にする
2)停止中の冷媒循環系路に設置されている電子膨張弁を全開とする前に所定の遅れ時間を設ける
3)冷媒溜まり込み保護制御モードの終了は、前記電子膨張弁の開度を保護制御開始前に戻した後、前記圧縮機の回転数を保護制御開始前に戻して完了する
また、本発明の冷媒溜まり込み保護制御運転モードにおいては、電子膨張弁が全開した場合、冷媒循環量の減少により冷媒が液相のまま圧縮機に流れ込むという液バックを防止でき、さらに、全開の電子膨張弁で絞られない液冷媒が圧縮機に流入するという液バックを防止することもできるので、液バックを原因とする破損から圧縮機を保護することが可能になるという顕著な効果を奏する。
以下、本発明に係るマルチ型空気調和装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、マルチ型空気調和装置の全体構成例を示す説明図である。このマルチ型空気調和装置は、室外機ユニット10と、同室外機ユニット10に接続された複数台の室内機ユニット20(図示の例では、室内機ユニット20A,20B、20Cの3台)とを具備して構成される。これら室内機ユニット10及び室外機ユニット20は、冷媒を流す冷媒配管21や図示しない電気配線等により接続されている。
室外機ユニット10は、冷媒を圧縮して送出する圧縮機11と、冷媒の循環方向を切り換える四方弁12と、冷媒と外気との間で熱交換を行う室外熱交換器13と、絞り機構として機能する電子膨張弁14とを主な構成要素とし、さらに、消音の目的で圧縮機11の吐出側配管に配設されたマフラ15と、冷媒の気液分離等を目的として圧縮機11の吸入側配管に配設されたアキュムレータ16とを具備して構成される。この他にも、この室内機ユニット10には、たとえば図示省略の室外ファン、レシーバ、サービスバルブ及びストレーナ等の機器類や温度センサ等のセンサ類が設けられている。
室内機ユニット20は、ケーシング内に図示しない室内熱交換器や室内ファン等の機器を収納した構成とされる。この室内機ユニット10は、室内ファンで吸引した室内の空気を室内熱交換器に導いて通過させ、上述した室外機ユニット10から供給される冷媒との間で熱交換した空調空気を室内に吹き出すように構成されている。
3台の室内機ユニット20A,20B,20Cは、それぞれ室外機ユニット10内のヘッダー22,ディストリビュータ23で分岐した冷媒配管21A,21B,21Cに接続されている。また、室外機ユニット10内の各冷媒配管21A,21B,21Cには、それぞれ独立して動作する電子膨張弁14A,14B,14Cが、室外熱交換器13と室内ユニット20A,20B,20Cとの間に配設されている。
なお、上述したマルチ型空気調和装置では、各種の運転制御を行う図示省略の制御部が室外機ユニット10及び各室内機ユニット20に設けられている。
以下では、上述した構成のマルチ型空気調和装置の作用について、暖房運転時及び冷房運転時のそれぞれの場合に分けて説明する。
最初に、暖房運転時の作用について、図中に破線矢印で示した冷媒の流れとともに説明する。圧縮機11の圧縮で高温高圧の気体とされた冷媒は、マフラ15及び四方弁12を通り、冷媒配管21からヘッダー22に導かれる。このとき、冷媒の流れ方向(冷暖房の運転切り換え)は、四方弁12の設定位置に応じて選択切換えされる。
このヘッダー22では、冷媒が3つの冷媒配管21A,21B,21Cに分岐され、各流路に設けられた室内機ユニット20A,20B,20Cの室内熱交換器に送られる。なお、室内機ユニット20が運転停止の場合、各冷媒配管21A,21B,21Cに設けられている電子膨張弁14A,14B,14Cが全閉とされる。
運転中の室内機ユニット20内では、室内ファンにより吸込グリルから取り込まれた室内気に対して、室内熱交換器を通過する高温高圧の気体冷媒から熱が与えられる。これにより、室内機ユニット20の吹出口から温風が吹き出されることになる。
このような熱交換により、高温高圧の気体冷媒は、室内熱交換器において凝縮液化し、高温高圧の液冷媒となる。
高温高圧の液冷媒は、冷媒配管21を通って室外機ユニット10の室外熱交換器13に送られるが、その途中で電子膨張弁14を通過する際に絞られて減圧される。こうして低温低圧の気液二相冷媒が室外熱交換器13に送られ、この気液二相冷媒は、室外熱交換器13を通過する際に外気から熱を奪うことになる。低温低圧の気液二相冷媒は、このことにより蒸発気化して低温低圧の気体冷媒となる。この気体冷媒がアキュムレータ16を経由して再び圧縮機11に送出され、以下上述した過程を繰り返すことになる。
次に、冷房運転時においては、四方弁12の設定位置を変えることにより、冷媒は上述した暖房運転時とは逆方向に冷媒回路中を流れる。すなわち、圧縮機11で高温高圧の気体とされた冷媒が、図中に実線矢印で示すように、四方弁12から冷媒配管21を通過して室外熱交換器13に送られ、室外気に熱を与えて凝縮液化し高温高圧の液冷媒となる。この高温高圧の液冷媒は、電子膨張弁14を通過して低温低圧の気液二相冷媒となり、再び冷媒配管21を通り室内機ユニット20の室内熱交換器に送られる。低温低圧の気液二相冷媒は、ここで室内気から熱を奪って当該室内気を冷却するとともに、冷媒自身は蒸発気化して低温低圧の気体冷媒となる。
この気体冷媒は、アキュムレータ16を経由して再び圧縮機11に送出され、以下同様の過程を繰り返すことになる。なお、この冷房運転時においても、運転停止中の室内機ユニット20に接続された電子膨張弁14は全閉とされる。
このような空調運転は、室外機ユニット10及び各室内機ユニット20内に収められた制御部が協調することによって制御される。
さて、上述したマルチ型空気調和装置において、各室内機ユニット20A,20B,20Cは、それぞれ独自の運転制御が可能である。この場合の運転制御は、冷房運転または暖房運転の何れかが選択された場合において、ユニット毎の運転・停止が可能であることや独自の空調温度設定が可能であることなどを意味している。
このようなマルチ型空気調和装置には、所定の条件を満たした空調運転の開始時を基準に積算される圧縮機実運転時間の累積時間(T)が所定の設定時間に達した場合に実施され、室内機ユニット20の冷媒循環系路21にそれぞれ設けられている電子膨張弁14の全てを全開にして圧縮機11を運転する冷媒溜まり込み保護制御運転モード(以下、「保護制御運転モード」と呼ぶ)が設けられている。
この保護制御運転モードは、冷房運転及び暖房運転の区別なくいずれの空調運転にも実施されるものであり、所定の条件を満たす空調運転の開始時から積算した累積時間(T)が所定値に達した時点で開始される。
ここで、累積時間(T)の積算を開始する条件(所定条件)を具体的に示す。
第1の条件は、マルチ型空気調和装置の電源が投入されて圧縮機11の運転を開始することである。この場合の運転開始は、冷媒を圧縮して送出する空調運転を開始することであるから、冷房運転(除湿運転を含む)及び暖房運転のいずれでもよい。
第2の条件は、マルチ型空気調和装置が運転中の場合であり、一つ前の保護制御運転モードが終了して通常の空調運転を開始することである。
上述した二つの条件(第1または第2の条件)のうち、何れか一方が満たされた時点を起点にして、圧縮機11の実運転時間について累積時間(T)の積算を開始する。圧縮機11の実運転時間は、3台の室内機ユニット20A,20B,20Cが全て運転されている場合の運転時間と、圧縮機11の回転数が0rps(すなわち停止中)である場合を除いた運転時間のことである。換言すれば、少なくとも1台の室内機ユニット20を停止状態にして、他の圧縮機11を少なくとも1台運転(回転数≠0)している状態の時間が実運転時間である。
ただし、このような累積時間(T)の積算は、停止中の室内機ユニット20が存在する運転状態から、所定時間を経過する前に全室内機ユニットが運転される状態に切り換わった場合には、積算した累積時間(T)はリセットされる。
こうして圧縮機11の実運転時間を積算し、所定の累積時間(T)が経過すると、保護制御運転モードが開始される。この運転モードでは、全ての電子膨張弁14を全開として圧縮機11を運転する。すなわち、停止中の冷媒循環経路21に配設されて全閉となっている電子膨張弁14及び空調運転中のため所定の絞り開度に設定されている電子膨張弁14の全てが全開とされ、この状態で圧縮機11を運転して冷媒を循環させる。
ここで、保護制御運転モードの具体的な制御例を図2に基づいて説明する。図2のタイムチャートは、(a)冷房運転時及び(b)暖房運転時のそれぞれについて、時間を横軸として上から順に、圧縮機回転数、電子膨張弁開度(運転ユニット)、電子膨張弁開度(停止ユニット)及び室外ファン回転数を示している。
最初に、図2(a)に示した冷房運転時の制御について説明する。
この制御では、保護運転制御モードの制御開始と同時に、圧縮機回転数を圧縮機最小回転数Rmまで低下させる。この圧縮機最少回転数Rmは、圧縮機11が停止することなく回転可能な値であり、圧縮機11の仕様等諸条件により決められる。
また、圧縮機11の回転数低下が完了するのと同時に、室内機ユニット20が空調運転中の冷媒循環系統(冷媒配管21)にある電子膨張弁14は、その開度が全開とされる。なお、以下の説明においては、運転中の室内機ユニット20を「運転ユニット」と呼び、停止中の室内機ユニット20を「停止ユニット」と呼ぶことにする。
こうして圧縮機11を最小回転数Rmで運転するとともに、運転ユニット20の電子膨張弁14を全開として所定時間t1(たとえば60秒程度)の運転を継続した後、停止ユニット20の電子膨張弁14についても同様に全開とし、かつ、圧縮機11の回転数を冷媒循環最小回転数R1まで上昇させる。この冷媒循環最小回転数R1は、電子膨張弁14をすべて全開としたことにより、冷媒が全ての冷媒循環経路を循環できる必要最小限の値である。換言すれば、冷媒循環最小回転数R1は、停止ユニット及びその冷媒循環経路内等に溜まり込んでいる冷媒及び潤滑油を回収できるだけの流れを生じさせることが可能な最小の回転数である。
この結果、マルチ型空気調和装置においては、全ての電子膨張弁14を全開として圧縮機11を冷媒循環最小回転数R1で運転することにより、全ての室内機ユニット20を含めた冷媒循環経路を冷媒が循環することとなる。このような冷媒の循環は、所定時間t2(たとえば120秒程度)の間だけ継続される。このような冷媒循環により、特に停止ユニットに溜まり込んでいた冷媒及び潤滑油の回収が可能になる。
こうして溜まり込み冷媒及び潤滑油を回収する運転(以下、「回収運転」と呼ぶ)が完了すると、圧縮機11の回転数は元の状態(保護制御運転モード開始前の状態)に戻される。
一方、電子膨張弁14の開度については、所定時間t2が経過する前に、次のようにして元の状態に戻される。
停止ユニットの電子膨張弁14は、所定時間t2の回収運転が完了する前に、元の状態である全閉に戻される。すなわち、停止ユニットの電子膨張弁14は、回収運転の完了により圧縮機11を元の回転数に戻す前に、所定時間t2より短いt3の回収運転時間経過後に保護制御運転モード開始前の状態である全閉に戻される。
また、運転ユニットの電子膨張弁14についても、停止ユニットの電子膨張弁14が全閉になるのと同時に動作して、所定時間t2の回収運転が完了する前に元の開度に戻される。すなわち、所定時間t2の回収運転が完了して圧縮機11の回転数を元に戻す前に、全ての電子膨張弁14は元の状態に戻っている。
また、図2(b)に示す暖房運転時の制御についても、上述した冷房運転時と同様の制御がなされるので、ここではその詳細な説明を省略する。
なお、冷暖房運転時において、室外ファンについては上述した回収運転中に回転数を上げる運転がなされ、また、回収運転終了後の所定時間については、デフロスト運転の禁止時間帯とする。
上述した冷媒溜まり込み保護制御運転モードを実施することにより、冷房運転及び暖房運転の何れの空調運転であっても、全ての室内機ユニット20を含む冷媒循環系路を通って冷媒及び潤滑油が流れるため、特に停止中の室内機ユニット20内に滞留している冷媒及び潤滑油を含めて、冷媒循環経路内に溜まり込んでいた冷媒及び潤滑油がこの流れにより流出して圧縮機11に戻るので、系内から確実に冷媒及び潤滑油を回収することが可能になる。また、暖房運転中の保護制御運転モードにおいても、電子膨張弁14を全開とするので、流れが遮られて冷媒及び潤滑油の溜まり込みが生じるようなこともない。
上述した保護制御運転モードの場合、室内ユニット20を全数運転する時間は、溜まり込みの心配がないため累積時間(T)の積算には含んでおらず、しかも、全数運転時には積算した累積時間をリセットするので、保護運転制御モードの実施回数を最小限に抑えることができる。このため、保護運転制御モードの実施による空調フィーリングの低下や、適正な運転点から外れることにより圧縮機11にとって厳しい運転状況になるのを抑制することができる。
また、上述した保護制御運転モードでは、圧縮機11の運転回転数をいったん最小まで落としてから電子膨張弁14を全開にするため、冷媒の循環量が必要最小限に減少して流動騒音が小さく抑えられる。また、このような冷媒循環量の減少は、電子膨張弁14の全開により液相のまま圧縮機11に流れ込む液バックを防止するためにも有効である。
また、上述した保護制御モードでは、室内機ユニット20が停止中の冷媒循環系路に設置されている電子膨張弁14を全開とする前に、所定の遅れ時間t4を設けているので、圧縮機11の回転数を低減して圧力比が減少した状態で電子膨張弁14を全開とすることができる。このため、冷媒流動音の騒音を小さくすることができるので、本来運転停止中のため運転騒音のない停止ユニット20から発生する冷媒流動音を低減して、ユーザーに与える不自然な運転騒音の違和感を緩和することができる。
また、上述した保護制御モードの終了時には、停止ユニット及び運転ユニットの順に電子膨張弁14の開度を保護制御開始前に戻してから、圧縮機1の回転数を保護制御開始前に戻して完了するので、停止ユニットでは冷媒流動音による運転騒音を防止でき、かつ、圧縮機11に電子膨張弁14で絞られない液冷媒が流入する液バックを防止できる。
以上説明したように、本発明のマルチ型空気調和装置においては、冷媒及び潤滑油を回収する保護制御モードにおいて、運転ユニットと停止ユニットとの役割を明確に分類した制御を実施して、暖房運転時及び冷房運転時のいずれであっても、空調フィーリングの低下や圧縮機11に厳しい運転を最小限に抑えて冷媒及び潤滑油を確実に回収することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係るマルチ型空気調和装置の一実施形態を示す構成図である。 本発明の冷媒溜まり込み保護制御運転モードについて、圧縮機回転数、電子膨張弁開度及び室外ファンの制御を示すタイムチャートであり、(a)は冷房運転時、(b)は暖房運転時である。
符号の説明
10 室外機ユニット
11 圧縮機
12 四方弁
13 室外熱交換器
14 電子膨張弁
20 室内機ユニット
21 冷媒配管

Claims (2)

  1. 室外機ユニットと、該室内機ユニットに接続されそれぞれ独自の運転制御を可能にした複数の室内機ユニットとを具備してなるマルチ型空気調和装置において、
    所定の条件を満たした空調運転の開始時を基準に積算される圧縮機実運転時間の累積時間(T)が所定の設定時間に達した場合に実施され、前記室内機ユニットの冷媒循環系路にそれぞれ設けられている電子膨張弁の全てを全開にして圧縮機を運転する冷媒溜まり込み保護制御運転モードを備え
    前記冷媒溜まり込み保護制御運転モードは、前記圧縮機の運転回転数をいったん最小まで落としてから前記電子膨張弁を全開とし、かつ、前記室内機ユニットが停止中の冷媒循環系路に設置されている電子膨張弁を全開とする前に、所定の遅れ時間を設けたことを特徴とするマルチ型空気調和装置。
  2. 前記冷媒溜まり込み保護制御モードの終了は、前記電子膨張弁の開度を保護制御開始前に戻した後、前記圧縮機の回転数を保護制御開始前に戻して完了することを特徴とする請求項1に記載のマルチ型空気調和装置。
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