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JP4295150B2 - 植物栽培用構造物 - Google Patents

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Description

本発明は植物栽培用構造物に関する。
農業用または園芸用構造物は、古くから、金属製または木製のフレーム構造体にガラス板がはめ込まれた、いわゆるガラス温室として普及してきた。一方最近では、ハウス形状に組まれた金属製のフレーム構造体の外側を透光性樹脂フィルムからなる被覆材で覆った構造のものが主流となってきている。
これら農業用または園芸用構造物においては、長期間にわたって良好な透光性を維持することが重要である。
しかしながら、従来の樹脂フィルムからなる被覆材で構成されたハウスでは、空気中に浮遊している塵埃、煤煙、オイルミスト、花粉、カビやコケなどの胞子などが付着することによる被覆材の汚染によって生じる透光性の低下がしばしば問題となる。さらに、被覆材の汚染は、透光性の低下のみならず、被覆材自体の劣化も引き起こすおそれがある。
これら問題を解決するために、防汚性が改良された被覆材として、被覆材表面に防汚性加工が施されたフィルムが種々開発されている。
特許文献1には、プラスチックフィルムの少なくとも片面に、無機親水性コロイド物質を主成分とする防汚層を設けられた複合フィルムが開示されている。
特許文献2には、合成樹脂からなるベースフィルムの少なくとも片面に、シリコン樹脂微粒子を含有する樹脂組成物の膜が形成された農業用合成樹脂フィルムが開示されている。
特許文献3には、コロイド状アルミナおよびシリカからなる混合コロイド溶液、およびアニオン性界面活性剤からなる溶液を塗布、乾燥してなる防曇性被膜を有することを特徴とする農業用フィルムが開示されている。
特開平8−150681号公報 特開平11−98927号公報 特開平7−53747号公報
しかしながら、当該技術分野では、更なる防汚性の向上が望まれており、特に、カビやコケの繁殖による汚染が効果的に防止される農業用ハウスが強く望まれている。
本発明は、塵埃、煤煙、オイルミスト、花粉などの付着による汚染が効果的に防止されると同時に、カビやコケの繁殖による汚染も効果的に防止され、以って透光性の低下が効果的に防止される、農業用または園芸用ハウスやトンネルなどの植物栽培用構造物を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、植物栽培用構造物であって、該構造物はフレームとこれを覆って前記構造物の外形を形成している被覆材とで構成されており、該被覆材は、プラスチックフィルムからなる基材、高分子バインダーを含まず、第一の無機微粒子が80重量%以上を占めている第一の層であって、前記構造物の外面である前記被覆材の一方の表面を形成している第一の層、および第二の無機微粒子を含有し、前記基材と前記第一の層との間に配された第二の層を有しており、該第二の層は前記基材上に形成され、前記第一の層は該第二の層上に形成されていることを特徴とする構造物である。
本発明の植物栽培用構造物は、安定性および耐久性に優れた、実質的に無機微粒子のみからなる第一の層と、該層とプラスチックフィルム基材の両方との密着性に優れた第二の層とを有する被覆材で覆われているので、カビ類を始めとする各種汚れ原因物質に対する防汚性に優れ、該構造物内の照度を高水準で維持することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
はじめに、本発明における用語を定義する。
本発明において「植物栽培用構造物」とは、その内部で植物を栽培するために、栽培する植物を覆うように設営される施設であり、典型的には、農業用や園芸用の温室やトンネルを指す。
本発明において「フレーム」とは、金属製パイプ、プラスチック製パイプ、プラスチック層で被覆された金属製パイプなどからなる複数の支持材が、互いに独立して、または組み合わされて配置され、植物栽培用構造物の概形を形成している構造体を指す。
本発明において「被覆材」とは、フレームを覆うように配設されて植物栽培用構造物の外形を形成するフィルム状の材料を指す。
本発明において「フィルム」とは、厚さ数μm〜数mmの広い面積の材料を指し、一般に「シート」と称される厚さの材料も包含する。
本発明の植物栽培用構造物において、被覆材は、プラスチックフィルムからなる基材、実質的に第一の無機微粒子のみからなり前記構造物の外面である前記被覆材の一方の表面を形成している第一の層、および第二の無機微粒子を含有し、前記基材と前記第一の層との間に配された第二の層を有しており、該第二の層は前記基材上に形成され、前記第一の層は該第二の層上に形成されている。
前記第二の層が含有する第二の無機微粒子としては、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩などの微粒子が挙げられる。金属の元素としては、金、パラジウム、白金、銀などが例示される。金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩における金属元素としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガンなどが例示される。金属酸化物の微粒子と金属水酸化物の微粒子が好ましく、特に、酸化ケイ素(すなわちシリカ)微粒子、水酸化ケイ素微粒子、酸化アルミニウム(すなわちアルミナ)微粒子、水酸化アルミニウム微粒子が好ましい。第二の無機微粒子としては、一種類の無機微粒子のみならず、二種類以上の無機微粒子の混合物も適用可能である。
なお、第二の層は、プラスチックフィルム基材に隣接しているので、該プラスチックフィルム基材を劣化させるおそれがある光触媒作用化合物を含有しないことが好ましい。
第二の無機微粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状形、板状形、柱状形などの規則的な形状のみならず、不規則な形状も許容されるが、均質で安定な層を形成しやすいことから、規則的な形状が好ましく、球状形またはほぼ球状形がより好ましい。
第二の無機微粒子の平均粒径は1nm〜300nmの範囲にあることが好ましく、5〜100nmの範囲にあることがさらに好ましく、5〜20nmの範囲にあることが特に好ましい。平均粒径が1〜300nmの範囲にあると、プラスチックフィルム基材と第二の層との密着性および第一の層と第二の層との密着性が良好となり、平均粒径が5〜100nmまたは5〜20nmの範囲にあると、よりプラスチックフィルム基材と第二の層との密着性および第一の層と第二の層との密着性が良好となる。
第二の無機微粒子の平均粒径は、第二の層の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)観察によって得られる写真画像から、以下の方法により計測される。
まず、第二の層の断面の無作為に選択した2ヶ所以上の点について顕微鏡観察を行い、写真画像を得る。次いで、各々の写真画像において、無作為に選択した10個以上の粒子の個々の粒子について、その最大値を個々の粒子の粒径とする。最後に、前記無作為に選択された全粒子の粒径を平均し、この平均値を第二の無機微粒子の平均粒径とする。
第二の層の形成において無機微粒子のコロイドを用いる場合には、該コロイド中の無機微粒子の平均粒径は、該コロイドから形成される第二の層の顕微鏡観察により求められる無機微粒子の平均粒径とよく一致する。したがって、第二の層の形成に用いるコロイド中の無機微粒子の平均粒径をもって、第二の層中の無機微粒子の平均粒径とすることもできる。
コロイド中の無機微粒子の平均粒径は、JIS R 1626(ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法)またはJIS Z 8830(気体吸着による粉体の比表面積測定方法)に記載の方法により測定されたBET比表面積から、球相当法の換算により求められる。また、該コロイドのTEM観察によって求めることもできる。
第二の層は第二の無機微粒子に加えて、有機高分子バインダーや、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などの親水性有機化合物、無機層状化合物を含有することができる。
プラスチックフィルム基材の単位面積(1m)あたりに形成されている第二の層の重量は、0.01g〜10gの範囲であることが好ましく、0.05g〜2gの範囲であることがさらに好ましい。第二の層の重量が0.01g〜10gの範囲にあると、該第二の層とこれに隣接した第一の層との間の密着性が良好となり、かつ被覆材の透光性が高くなる。第二の層の重量が0.05g〜2gの範囲にあると、第一の層との密着性と被覆材の透光性のいずれもがより優れたものとなる。
第二の層は、通常、無機微粒子が媒体中に分散した流動性混合物をプラスチックフィルム基材の表面に塗布し、次いで塗布された混合物中の媒体を乾燥して除去することにより形成される。塗布する流動性混合物中で無機微粒子が均一に分散していることが好ましいので、該流動性混合物としては、無機微粒子のコロイドが好適に使用される。具体的には、例えば、特開平7−53747号公報、特開平7−82398号公報などに記載されているコロイド状アルミナやコロイド状シリカを主成分とする組成物、特開平2−113939号公報に記載されているコロイダルシリカ、アルミナゾル、アクリル系樹脂バインダーからなる組成物、特開平2−279733号公報に記載されている無機親水性コロイド物質と親水性有機化合物からなる組成物などを用いることができる。
上記流動性混合物における分散媒としては、水、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、キシレンなどを用いることができる。
第一の層を構成している第一の無機微粒子の平均粒径は1nm〜500nmの範囲にあることが好ましく、10nm〜300nmの範囲にあることがさらに好ましく、40nm〜300nmの範囲にあることが特に好ましい。平均粒径が前記の範囲にあると、良好な造膜性で、強度や透光性に優れた層となる。平均粒径が40nm以上であると、第一の層はこれに接触する物との固着を起こしにくくなり、防汚性により優れるものとなる。
第一の無機微粒子の平均粒径は、第一の層の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって得られる写真画像から、以下の方法により計測される。
まず、第一の層の表面の無作為に選択した2ヶ所以上の点について顕微鏡観察を行い、写真画像を得る。次いで、各々の写真画像において、無作為に選択した10個以上の粒子の個々の粒子について、その最大値を個々の粒子の粒径とする。最後に、前記無作為に選択された全粒子の粒径を平均し、この平均値を第一の層の無機微粒子の平均粒径とする。
また、第一の層の無機微粒子の平均粒径は、第一の層の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)観察によって得られる写真画像を用いて、上記と同様の手順で算出してもよい。
第一の層の形成において無機微粒子のコロイドを用いる場合には、該コロイド中の無機微粒子の平均粒径は、該コロイドから形成される第一の層の顕微鏡観察により求められる無機微粒子の平均粒径とよく一致する。したがって、第一の層の形成に用いるコロイド中の無機微粒子の平均粒径をもって、第一の層中の無機微粒子の平均粒径とすることもできる。
第一の層の形成に使用するコロイド中の無機微粒子の平均粒径の決定方法は、先に記載した第二の層用のコロイド中の無機微粒子の平均粒径の決定方法と同様である。
第一の無機微粒子の平均粒径は、第二の無機微粒子のそれよりも大きいことが好ましく、具体的には、第一の無機微粒子の平均粒径は第二の無機微粒子の平均粒径の2倍以上、100倍以下であることが好ましく、2.5倍以上、50倍以下であることがより好ましく、3倍以上、20倍以下であることが更に好ましい。また、平均粒径が20nm以下の無機微粒子を第二の層に用いると同時に、平均粒径が40nm以上の無機微粒子を第一の層に用いることが好ましい。この場合には、第二の層と基材及び第一の層との接着力が優れると同時に、第一の層はひび割れを生じにくい。また、第一の層はこれに接触するものに対して固着を起こしにくく、防汚性により優れたものとなる。
第一の無機微粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状形、板状形、柱状形などの規則的な形状のみならず、不規則な形状も許容されるが、均質で安定な層を形成しやすいことから、規則的な形状が好ましく、球状形またはほぼ球状形がより好ましい。
第一の無機微粒子としては、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩などの微粒子が挙げられる。金属の元素としては、金、パラジウム、白金、銀などが例示される。金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩における金属元素としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガンなどが例示される。金属酸化物の微粒子と金属水酸化物の微粒子が好ましく、特に、酸化ケイ素微粒子、水酸化ケイ素微粒子、酸化アルミニウム微粒子、水酸化アルミニウム微粒子が好ましい。
中でも、酸化物コロイド、水酸化物コロイドが好ましく、特にケイ素またはアルミニウムの酸化物コロイドまたは水酸化物コロイドが、実質的に無機微粒子のみからなる第一の層の安定性および耐久性などの観点から好ましく用いることができる。
光触媒性化合物が第一の層に含まれていると、当該層が変質、劣化または破壊されてしまう蓋然性が極めて高い。したがって、第一の層の安定性と耐久性の観点から、当該層は光触媒性化合物を含まないことが好ましい。使用を避けるべき光触媒性化合物としては、光触媒酸化物、例えばアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。第一の層が光触媒性化合物を含有すると、プラスチックフィルム基材の劣化促進、チョーキングとよばれる被覆材の白化現象などの問題が引き起こされる。
第一の無機微粒子としては、一種類の無機微粒子のみならず、二種類以上の無機微粒子の混合物も適用可能である。
第一の層は、実質的に無機微粒子のみからなり、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上が無機微粒子で占められている。
第一の層は、特開平7−82398号公報などに記載されている界面活性剤、有機系電解質、無機層状化合物などを、20重量%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5%未満だけ含むことができる。
一方、第一の層は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ基、エポキシ基、ウレイド基、アンモニウム基、エチレン性不飽和結合含有基などを有する架橋型有機ケイ素化合物の重合体などの高分子バインダーを含まない。第一の層が高分子バインダーを含有していると、被覆材の防汚性、特にススカビやクロカワカビなどの黴の繁殖に起因する汚染の防止性能が損なわれる。
プラスチックフィルム基材の単位面積(1m)当たりに形成されている第一の層の重量は、0.01〜10gの範囲であることが好ましく、0.05〜2gの範囲であることがさらに好ましい。第一の層の重量が0.01〜10gの範囲にあると、良好な防汚性と高い強度を同時に達成することができ、0.05〜2gの範囲にあると、このメリットが更に顕著となる。
第一の層は、本発明の構造物の外側に露出している部分の表面の80%以上を被覆していることが好ましく、90%以上を被覆していることがより好ましい。第一の層が被覆材の構造体外部への露出面積の80%以上を占めていると、良好な防汚性が達成される。
第一の層は、通常、無機微粒子が媒体中に分散した流動性混合物をプラスチックフィルム基材上に形成された第二の層の表面に塗布し、次いで塗布された混合物中の媒体を乾燥して除去することにより形成される。塗布する流動性混合物中で無機微粒子が均一に分散していることが好ましいので、該流動性混合物としては、無機微粒子のコロイドが好適に使用される。第一の層は、例えば、特開2003−238717号公報に記載された方法により形成することができる。
上記流動性混合物における分散媒としては、水、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、キシレンなどを用いることができる。
本発明における被覆材は、その内面、すなわち本発明の構造物の内面を構成している面が防曇性被膜などの機能性被膜で被覆されていても良い。また、本発明における被覆材は、プラスチックフィルム基材の外側に形成されている必須の第一の層および第二の層と同様の層を該プラスチックフィルム基材の内側に有していてもよい。
被覆材中のプラスチックフィルム基材を構成する材料としては、フィルムを形成し得、かつ、植物栽培用構造物の建設時のフレーム上への展張や、植物栽培用構造物としての屋外での使用に耐える物理的および化学的強度を有するプラスチックであれば特に制限無く適用可能であるが、透光性に優れるプラスチックが特に好ましい。また、フィルムを構成するプラスチックは、1種類の高分子材料で構成されてもよく、また2種以上の高分子材料で構成されてもよい。
本発明に好ましく適用されるプラスチックとしては、オレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−メタクリル酸メチル共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素含有樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;フッ素含有樹脂;ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、特開平6−336539号公報、特開2000−272068号公報、特開2001−103849号公報、特開2002−248720号公報に記載された樹脂が挙げられる。
プラスチックフィルム基材は、「プラスチック及びゴム用添加剤実用便覧」化学工業社(1970年)に記載されているような各種添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防霧剤、防曇剤、無機フィラー、ワックス、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、顔料などを含有していても良い。
具体的には、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防霧剤、防曇剤、無機フィラーとしては、特開2002−248720号公報に記載のものが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、特開平11−315067号公報や特開2001−2842号公報に記載のものも適用可能である。
プラスチックフィルム基材は、例えば、インフレーション成形法、T−ダイ成形法、カレンダー成形法など、通常のプラスチックフィルム形成方法によって製造することができる。
なお、プラスチックフィルム基材は2層以上のプラスチック層を有する多層フィルムでもよい。このような多層フィルムは、例えば、共押出インフレーション成形法、共押出T−ダイキャスティング成形法、押出ラミネーション成形法、ドライラミネーション成形法など通常の多層フィルム形成方法によって製造することができる。
本発明における、無機微粒子を含む第二の層と、さらにその上に形成される、実質的に無機微粒子のみからなる第一の層の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、グラビアコーティング方式、リバースコーティング方式、刷毛ロールコーティング方式、スプレーコーティング方式、キッスコーティング方式、ダイコーティング方式、ディッピング/プレーンバーコーティング方式などが挙げられる。具体的には、例えば、特開2003−238717号公報に記載された方法により形成することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
実施例1
<無機微粒子コロイド組成物の作製>
コロイダルシリカ(商品名:スノーテックス−ZL、BET比表面積法により求めた粒径70〜100nm、固形分濃度40重量%,媒体 水;日産化学工業社製)を、固形分濃度が10重量%となるように水で希釈し、第一のコロイド組成物を調製した。
水100重量部に対し、コロイダルアルミナ(商品名:アルミナゾル520、コロイドのTEM観察により求めた粒径10〜20nm,固形分濃度20重量%,媒体 水;日産化学工業社製)1.84重量部、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックス20、BET比表面積法により求めた粒径10〜20nm,固形分濃度20重量%,媒体 水;日産化学工業社製)0.49重量部、カプリル酸ナトリウム(東京化成社製)0.013重量部、p−トルエンスルホン酸ナトリウム(ナカライテスク社製)0.002重量部および無機層状化合物(商品名:スメクトンSA;クニミネ工業社製)0.09重量部を加え、第二のコロイド組成物を調製した。
<プラスチックフィルムの製造>
下記材料(i)及び(ii)を用い、共押出インフレーション成形法(加工温度150℃)により、3層フィルムを作製した。該3層フィルムでは、厚さ30μmの層(1)、厚さ90μmの層(2)および厚さ30μmの層(3)がこの順に積層されており、形成されたチューブ状バブルの胴回りは8540mmであった。層(1)および層(3)には材料(i)を、層(2)には材料(ii)を用いた。インフレーション成形の最終段階において、チューブ状バブルをニップロール間に通して折り畳んだ。
材料(i):
エチレン/ヘキセン−1共重合体(商品名:スミカセンE、FV201、住友化学工業社製)75重量%、ポリエチレン樹脂(商品名:スミカセン F208−0;三井住友ポリオレフィン社製)24.3重量%、光安定剤(商品名:チヌビン622;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.6重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物。
材料(ii):
エチレン/酢酸ビニル共重合体(商品名:エバテート H2031;住友化学工業社製)87.4重量%、ハイドロタルサイト系化合物(商品名:DHT−4A;協和化学工業社製)12重量%、光安定剤(商品名:チヌビン783;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.5重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物。
<被膜の形成>
インフレーション成形と連続して、折り畳まれたフィルムの外面にコロナ処理を施し、その直後に、第二のコロイド組成物を塗布し、乾燥させ、無機微粒子を含む第二の層を形成した。第二のコロイド組成物の塗布は、線径0.2mmφのワイヤー巻き、長さ4500mm、直径16mmのマイヤーバーを用いて、フィルム外面の単位面積(1m)あたり0.2gの第二の層が形成されるように行った。なお、コロナ処理は、フィルムの表面エネルギーが400μN/cm以上となるように行った。乾燥は、ドライヤーの風温60℃、風速18m/秒で行った。
上記、第二の層の形成と連続して、第一のコロイド組成物を、第二の層の上に塗布し、乾燥し、第二の層の上に、実質的に無機微粒子のみからなる第一の層を形成した。第一のコロイド組成物の塗布は、表面粗さ(最大径と最小径の差)6μm以下、長さ4500mm、直径16mmのプレーンバーを用いて行った。プレーンバーの表面粗さとは、プレーンバーの最大径と最小径との差を意味する。第一のコロイド組成物の塗布は、フィルム外面の単位面積(1m)あたりの0.2gの第一の層が形成されるように行った。乾燥は、ドライヤーの風温60℃、風速18m/秒で行った。
こうして得られた、折り畳まれたフィルムの片端部を長手方向に沿ってスリットして開反することにより、幅8400mm、厚さ150μmの被覆材を得た。
得られた被覆材の第一の層表面のSEM写真および被覆材断面のTEM写真を、図1および図2にそれぞれ示す。
図1から、被覆材の外面は実質的に無機微粒子のみで構成された層で覆われていることが判る。また、図2から、プラスチックフィルム基材が無機微粒子を含む2層で被覆されていることが判る。
<農業用ハウスの設営>
日本の千葉県にある試験場の屋外で、ハウス形状に組まれたフレームの外側に上記の被覆材を広げて固定し、農業用ハウスを設営した。このとき、前記被覆材は、その第一の層ががハウスの外面となるようにした。
<照度の測定>
上記ハウス内での照度の経時変化を調査した。照度計を、その受光部の受光面が、地面に対して20℃の角をなして被覆材の内面に接するように地上高さ1.7mのところに設置し、照度を測定した。
一方、ハウス近傍のハウス外でも、照度計を、その受光部の受光面が、地面に対して20℃の角をなすように地上高さ1.7mのところに設置し、照度を測定した。
同時刻における、ハウス外での照度に対するハウス内での照度の比率(%)を求めた。
<汚れ物質の分析>
ハウス設営から2ヶ月が経過した時点で被覆材の一部を採取し、ハウス外に露出していた面に付着している汚れ物質の分析を行った。試験結果を表1に示す。
比較例1
片面に無機コロイド組成物に由来する被膜が形成されてなる、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム、「クリンテート MC 150」(三善加工社製)を用いて、該被膜が内面となるように試験ハウスに展張して、実施例1と同様の評価に供した。なお、本比較例の展張方法は、該農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムに表示されている展張方法通りの方法であった。試験結果を表1に示す。
参考例
片面にアクリル系樹脂被膜が形成されている、農業用塩化ビニル系樹脂フィルム、「クリーンエース」(三菱化学MKV社製)を用いて、該被膜が外面となるように試験ハウスに展張して、実施例1と同様の評価に供した。なお、本実施例の展張方法は、該農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに表示されている展張方法通りの方法であった。試験結果を表1に示す。
Figure 0004295150
*1:Mg,Ca,Al,Siとして検知(イオンクロマトグラフィーによる分析)
*2:ベンゾピレンとして検知(イオンクロマトグラフィーによる分析)
*3:形態観察(寒天培地に転写して培養後に観察)
表1に示す通り、実施例1の農業用ハウスは相対照度の低下が少なく、透光性持続性に優れていた。また、2ヵ月後の汚れ原因物質の分析により、ススカビおよびクロカワカビを検出せず、カビの繁殖が見られなかった。
一方、比較例1のハウスは相対照度の低下が大きく、透光性持続性に劣っている他、ススカビおよびクロカワカビの繁殖が認められた。
実施例1の被覆材の第一の層表面のSEM写真である。 実施例1の被覆材の断面のTEM写真である。

Claims (2)

  1. 植物栽培用構造物であって、該構造物はフレームとこれを覆って前記構造物の外形を形成している被覆材とで構成されており、該被覆材は、プラスチックフィルムからなる基材、
    高分子バインダーを含まず、第一の無機微粒子が80重量%以上を占めている第一の層であって、前記構造物の外面である前記被覆材の一方の表面を形成している第一の層、
    および第二の無機微粒子を含有し、前記基材と前記第一の層との間に配された第二の層を有しており、該第二の層は前記基材上に形成され、前記第一の層は該第二の層上に形成されていることを特徴とする構造物。
  2. 第一の無機微粒子の平均粒径が第二の無機微粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の構造物。
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