JP4293858B2 - 毛髪保持具の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒状体に挿入された被挿入物に所定の形状を付与することのできる形状付与具の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特開2003−33216号公報及び国際公開第03/007752号パンフレットには、本出願人による「一端部に毛髪取り込み口を有し該毛髪取り込み口から毛髪を挿入可能な筒状体と、該筒状体の巻き上げ用の巻き上げ用糸とを備え、前記筒状体の外周面には、前記巻き上げ用糸を挿通する小孔が、スパイラル状に間欠的に設けられており、前記巻き上げ用糸は、その一端が該筒状体の他端部の近傍に止着され、前記小孔に順次挿通されて前記筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付けられている毛髪保持具」が記載されている。この毛髪保持具によれば、毛髪が筒状体の内部に挿入された状態で前記巻き上げ用糸の他端を引っ張ることにより、該毛髪を該筒状体ごと巻き上げることができ、簡便な操作で毛髪の巻き上げを行うことができる。
このような毛髪保持具は、筒状体に挿入された被挿入物に所定の形状を付与することのできる形状付与具の一種であり、該毛髪保持具によれば、毛髪に所定の形状を付与することができる。
【0003】
しかし、前述の構成を有する毛髪保持具を製造するには、筒状体に小孔をスパイラル状に間欠的に設け、その後、該小孔に巻き上げ用糸を順次挿通する必要があり、その製造が容易ではない。
【0004】
従って、本発明の目的は、筒状体に小孔をスパイラル状に間欠的に設け、該小孔に巻き上げ用糸を順次挿通する必要がない形状付与具を容易に製造することのできる形状付与具の製造方法及び製造装置を提供することにある。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−33216号公報
【特許文献2】
国際公開第03/007752号パンフレット
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一端部に被挿入物の取り込み口を有し該取り込み口から被挿入物を挿入可能な筒状体と、該筒状体の巻き上げ用の巻き上げ用糸とを備え、前記筒状体は、断面が扁平状に形成されており、前記筒状体の両側縁部に、前記巻き上げ用糸を挿通掛合する挿通掛合孔部が、それぞれ所定間隔をあけて且つそれらを順次結ぶことによりスパイラル状線を形成するように複数個設けられており、前記巻き上げ用糸は、その一端が前記筒状体の他端部の近傍に止着され、前記挿通掛合孔部に順次挿通掛合されて該筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付けられている形状付与具を製造する方法であって、前記筒状体の前記両側縁部を構成する前記帯状シートの一方の面及び他方の面それぞれに、該側縁部の縁端から幅方向内方に向いた一対の切り込みを、前記筒状体の長手方向に対する角度を異ならせ且つ両切り込みの端縁を該筒状体の前記側縁部の縁端においてずらして形成し、前記切り込みが形成された前記帯状シートの一方の面と他方の面とを、両切り込みの位置をそれぞれ対応させて且つ両切り込みの前記端縁を開放した状態で部分接合し、前記巻き上げ用糸を、前記切り込みに順次挿入掛合して掛け渡すことにより、前記筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付け、前記巻き上げ用糸が前記切り込みに挿入掛合された状態で、前記帯状シートの一方の面及び他方の面それぞれの両切り込み近傍を接合して接合部を形成し、前記挿通係合孔部を前記一対の切り込みと前記接合部とにより形成する形状付与具の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
また、本発明は、前記形状付与具の製造方法を実施する装置であって、前記筒状体の前記両側縁部を構成する前記帯状シートの一方の面及び他方の面それぞれの所定位置に前記切り込みを形成する切り込み形成機構と、前記切り込み形成機構により前記切り込みが形成された前記帯状シートの一方の面と他方の面とを、両切り込みの位置をそれぞれ対応させて且つ両切り込みの前記端縁を開放した状態で部分接合する部分接合機構と、前記部分接合機構により部分接合された前記帯状シートを保持すると共に、該帯状シートをその長手方向を軸として回転させ且つ該長手方向に移動させる帯状シート保持回転移動機構と、前記帯状シート保持回転移動機構により保持されている前記帯状シートにおける前記切り込みに前記巻き上げ用糸を順次挿入掛合する糸挿入掛合機構と、前記糸挿入掛合機構により前記巻き上げ用糸が前記切り込みに挿入掛合された状態で、前記帯状シートの一方の面及び他方の面それぞれの両切り込み近傍を接合して前記接合部を形成することにより、前記挿通掛合孔部を形成する切り込み近傍接合機構とを備えている形状付与具の製造装置を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、一端部に被挿入物の取り込み口を有し該取り込み口から被挿入物を挿入可能な筒状体と、該筒状体の巻き上げ用の巻き上げ用糸とを備え、前記筒状体は、断面が多角形状に形成されており、前記筒状体の各角部に、前記巻き上げ用糸を挿通掛合する挿通掛合孔部が、それぞれ所定間隔をあけて且つそれらを順次結ぶことによりスパイラル状線を形成するように複数個設けられており、前記巻き上げ用糸は、その一端が前記筒状体の他端部の近傍に止着され、前記挿通掛合孔部に順次挿通掛合されて該筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付けられている形状付与具を製造する方法であって、前記筒状体の前記各角部における一方の面を構成する帯状シート及び他方の面を構成する帯状シートそれぞれに、該角部の縁端から幅方向内方に向いた一対の切り込みを、前記筒状体の長手方向に対する角度を異ならせ且つ両切り込みの端縁を該筒状体の前記角部の縁端においてずらして形成し、前記切り込みが形成された前記一方の面と他方の面とを、両切り込みの位置をそれぞれ対応させて且つ両切り込みの前記端縁を開放した状態で部分接合し、前記巻き上げ用糸を、前記切り込みに順次挿入掛合して掛け渡すことにより、前記筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付け、前記巻き上げ用糸が前記切り込みに挿入掛合された状態で、前記一方の面及び他方の面それぞれの両切り込み近傍を接合して接合部を形成し、前記挿通係合孔部を前記一対の切り込みと前記接合部とにより形成する形状付与具の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0009】
また、本発明は、前記形状付与具の製造方法を実施する装置であって、前記筒状体の前記各角部における前記一方の面及び他方の面それぞれの所定位置に前記切り込みを形成する切り込み形成機構と、前記切り込み形成機構により前記切り込みが形成された前記一方の面と他方の面とを、両切り込みの位置をそれぞれ対応させて且つ両切り込みの前記端縁を開放した状態で部分接合する部分接合機構と、前記部分接合機構により部分接合された前記帯状シートを保持すると共に、該帯状シートをその長手方向を軸として回転させ且つ該長手方向に移動させる帯状シート保持回転移動機構と、前記帯状シート保持回転移動機構により保持されている前記帯状シートにおける前記切り込みに前記巻き上げ用糸を順次挿入掛合する糸挿入掛合機構と、前記糸挿入掛合機構により前記巻き上げ用糸が前記切り込みに挿入掛合された状態で、前記一方の面及び他方の面それぞれの両切り込み近傍を接合して前記接合部を形成することにより、前記挿通掛合孔部を形成する切り込み近傍接合機構とを備えている形状付与具の製造装置を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の形状付与具の製造方法及び製造装置により製造される形状付与具を、その一形態である毛髪保持具に基づき図面を参照しながら説明する。
本形態の毛髪保持具は、図1に示すように、一端部に被挿入物である毛髪H(図14参照)の取り込み口21を有し該取り込み口21から毛髪Hを挿入可能な筒状体2と、該筒状体2の巻き上げ用の巻き上げ用糸3とを備え、前記筒状体2は、2枚の帯状シート4,5がその側縁部41・42、51・52で接合されて断面が扁平状に形成されており、前記筒状体2の両側縁部は、該帯状シート4,5の側縁部41・42、51・52が接合されて形成されており、該両側縁部に、前記巻き上げ用糸3を挿通掛合する挿通掛合孔部6が、それぞれ所定間隔をあけて且つそれらを順次結ぶことによりスパイラル状線を形成するように複数個(本形態では8個)設けられており、前記巻き上げ用糸3は、その一端31が前記筒状体2の他端部22の近傍に止着され、前記挿通掛合孔部6に順次挿通掛合されて該筒状体2の外周面にスパイラル状に巻き付けられている。
【0011】
また、前記挿通掛合孔部6は、前記筒状体2の前記両側縁部における一方の面を構成する前記帯状シート4及び他方の面を構成する前記帯状シート5それぞれに、前記側縁部41・42、51・52の縁端から幅方向内方に向けて形成された一対の切り込み43・44、53・54と、該帯状シート4,5の一方の面(帯状シート4)及び他方の面(帯状シート5)それぞれの両切り込み43・44、53・54近傍を接合してなる接合部7とにより形成されており、前記一対の切り込み43・44、53・54は、前記筒状体2の長手方向に対する角度が異なっており且つ両切り込み43・44、53・54の端縁が該筒状体2の前記側縁部の縁端においてずれている。
【0012】
本形態の毛髪保持具1について詳述する。毛髪保持具1は、図1に示すように、細長筒形状で、扁平な略楕円形状の断面を有する筒状体2からなる。筒状体2は、一端部21及び他端部22を有しており、各端部は開口している。一端部21は毛髪Hの取り込み口となっている。毛髪Hは、筒状体2内に取り込み口21から挿入されて保持される(図14参照)。筒状体2の長さは、処理すべき毛髪の長さに応じて適切な長さとされている。筒状体2の長さは一般に50〜600mm程度の範囲である。
【0013】
毛髪保持具1を構成する筒状体2は、2枚の帯状シート4,5がそれらの両側縁部41・42、51・52同士で接合されて形成されている。該帯状シート4,5の幅L1〔図1(b)参照〕は、好ましくは5〜200mm、更に好ましくは10〜90mmである。
【0014】
本形態の毛髪保持具1の筒状体2には、図1に示すように、その外周面に、筒状体2の巻き上げ用の巻き上げ用糸3がスパイラル状に巻き付けられている。巻き上げ用糸3は、筒状体2内に挿入された状態の毛髪を、該筒状体2ごと巻き上げる手段として用いられる。本明細書において巻き上げとは、毛髪に所定のくせ付けをすること全般を意味し、本来の巻き上げに加えて例えば湾曲や屈曲なども包含される。
【0015】
巻き上げ用糸3は、筒状体2の両側縁部に、それぞれ所定間隔をあけて設けられた複数の挿通掛合孔部6に順次挿通掛合されている。
挿通掛合孔部6は、前記一方の帯状シート4の両側縁部に形成された切り込み43・44と、前記他方の帯状シート5の両側縁部に形成された切り込み53・54と、両帯状シート4,5それぞれの両側縁部41・42、51・52の接合部7とにより形成されている。本形態における前記切り込み43・44、53・54は、何れもスリットである。挿通掛合孔部6は、巻き上げ用糸3が挿通できる程度の大きさがあればよい。筒状体2の長手方向に隣接する挿通掛合孔部6間の該長手方向に沿う間隔M〔図1(a)参照〕は、筒状体2をスムーズに巻き上げし得るスパイラル形状で、巻き上げ用糸3を筒状体2に巻き付ける上で、好ましくは25〜300mm、更に好ましくは40〜80mmである。接合部7の幅L2〔図1(b)参照〕は、好ましくは1〜195mm、更に好ましくは2〜5mmである。
【0016】
取り込み口21には、合成樹脂製のリング状部材及びシート部材からなる取り込み口補強部材8が設けられており、取り込み口21及びその近傍の部位が、筒状体2における他の部位よりも高剛性となされている。これによって、毛髪を取り込む際に、取り込み口21に毛髪Hや毛髪挿入具10(後述、図14参照)が引っ掛かったとしても取り込み口21が変形し難くなり、毛髪を取り込み易くなる。
【0017】
帯状シート4,5について更に説明する。接合前の一方の帯状シート4には、一方の側縁部41に、その側縁端から幅方向内方に延びる切り込み43が、長手方向に所定間隔で複数個(本形態では4個)形成されている。また、前記一方の帯状シート4の他方の側縁部42に、その側縁端から幅方向内方に延びる切り込み44が、長手方向に所定間隔で複数個(本形態では4個)形成されている。
【0018】
また、接合前の他方の帯状シート5の一方の側縁部51及び他方の側縁部52それぞれに、その側縁端から幅方向内方に延びる切り込み53、54が、前記一方の帯状シート4の前記切り込み43,44に対応する位置に形成されている。
そして、一方の帯状シート4の切り込み43,44と、該切り込み43,44に対応する他方の帯状シート5の切り込み53,54とは、接合後における前記筒状体2の長手方向(接合前における帯状シート4,5の長手方向)に対する角度が異なっている。
そのため、接合後において、図1に示すように、一方の縁端部41,51における両切り込み43,53の外端部が該筒状体2の側縁端においてずれており、他方の縁端部42,52における両切り込み44,54の外端部が該筒状体2の側縁端においてずれている。
【0019】
一方の帯状シート4の切り込み43・44及び他方の帯状シート5の切り込み53・54が、前述のように形成されている第1の理由は、両帯状シート4,5の両側縁部41・42、51・52を接合して接合部7を形成することにより、該接合部7と該切り込みとから前記挿通掛合孔部6を形成するためである。第2の理由は、毛髪保持具の製造時において、仮接合した2枚の帯状シート4,5における切り込みに巻き上げ用糸3を一旦挿入掛合したときに該巻き上げ用糸3が外れ難くするためである。第3の理由は、前記特許文献1及び2記載の毛髪保持具のような、糸挿通部の強度不足を解消するためである。
【0020】
一方の帯状シート4の一方の側縁部41の切り込み43と、他方の帯状シート5の一方の側縁部51の切り込み53とのなす角度φ〔図1(b)参照〕は、好ましくは180°未満、更に好ましくは10〜90°である。他方の帯状シート4の他方の側縁部42の切り込み44と、他方の帯状シート5の他方の側縁部52の切り込み54とのなす角についても、前記角度φと同様の範囲が好ましい。
【0021】
また、一方の帯状シート4の一方の側縁部41の切り込み43の該側縁部41に対する角度θ〔図1(b)参照〕、即ち、筒状体2の長手方向に対する切り込み43の角度は、製造時において巻き上げ用糸3を切り込み43,44に挿入しやすくするために、好ましくは90°以下、更に好ましくは20〜60°である。一方の帯状シート4の他方の側縁部42の切り込み44の該側縁部42に対する角度についても、前記角度θと同様の範囲が好ましい。
【0022】
また、他方の帯状シート5の一方の側縁部51の切り込み53の該側縁部51に対する角度、即ち、筒状体2の長手方向に対する切り込み53の角度は、好ましくは90°以下、更に好ましくは20〜60°である。他方の帯状シート5の他方の側縁部52の切り込み54の該側縁部52に対する角度についても同様の範囲が好ましい。
【0023】
帯状シート4,5を構成する材料としては、各種可撓性材料が用いられる。その例としては、不織布、多孔性又は非多孔性の樹脂フィルム、紙、金属板又はこれらの複合体などが挙げられ、具体的用途に応じて適切な材料が選択される。例えば、筒状体2内に挿入された状態の毛髪に対して筒状体2の外部から毛髪処理剤を施したいときには、該毛髪処理剤に対して透過性を有する材料を用いればよい。また、挿入されている毛髪のみに毛髪処理剤を施したいときには、該毛髪処理剤に対して非透過性を有する材料を用いればよい。本形態においては、不織布からなる帯状シートを用いている。
また、帯状シート同士の接合には、ヒートシール、超音波シール、接着剤、粘着テープ、縫製などが用いられ、本形態においては、ヒートシールにより接合されている。
【0024】
巻き上げ用糸3は、図1に示すように、その一端31が筒状体2の他端部22近傍に止着されている。本形態においては、最も他端部22寄りに位置する挿通掛合孔部6の位置において引き抜かれないよう止着されている。巻き上げ用糸3の固定には、ホットメルト、ヒートシール、接着剤などが用いられ、本形態においては、ホットメルトにより固定されている。
【0025】
また、巻き上げ用糸3は、その他端32が筒状体2の最も取り込み口21寄りに位置する挿通掛合孔部6の位置において、自由状態になっている。これによって、巻き上げ用糸3の他端32を引っ張ると、筒状体2は、スパイラル状に変形することになる(詳細については更に後述する)。巻き上げ用糸3の他端32近傍には、使用時の便宜上、糸留め91及びタグ92が取り付けられており、該他端32近傍は、糸留め91により筒状体2の取り込み口21に仮止着されており、更に、タグ92により筒状体2の取り込み口21の外表面に仮止着されている。
使用時においては、タグ92及び糸留め91と筒状体2との仮止着を引き外して、巻き上げ用糸3を他端32側から引っ張ることができる。
【0026】
巻き上げ用糸3は、これを引っ張って毛髪の巻き上げ操作を行うときに、引きちぎれない程度の強度及び巻き上げ操作を円滑に行い得る柔軟性を有していることが好ましく、この点から、各種樹脂などの合成物、木綿や麻などの天然物、レーヨンなどの半天然物、各種金属、又はこれらの複合体などから構成されていることが好ましい。また、巻き上げ用糸3は、糸状のものに限られず、例えば細長い帯状のものであってもよい。
【0027】
次に、本発明の形状付与具の製造方法の好ましい一実施態様を、それを実施する本発明の形状付与具の製造装置の好ましい一実施形態と共に、前述の図1に示す形状付与具(毛髪保持具)を製造する場合について、図2〜図9を参照して説明する。
【0028】
本実施態様の形状付与具の製造方法は、図1に示す形状付与具を製造する方法であって、略述すると、図2(a)に示すように、前記筒状体2の前記両側縁部における一方の面を構成する帯状シート4及び他方の面を構成する帯状シート5それぞれに、該側縁部の縁端から幅方向内方に向いた一対の切り込み43・44,53・54を、前記筒状体2の長手方向に対する角度を異ならせ且つ両切り込みの端縁を該筒状体2の前記側縁部の縁端においてずらして形成し、図2(b)に示すように、前記切り込みが形成された前記一方の面(帯状シート4)と他方の面(帯状シート5)とを、両切り込みの位置をそれぞれ対応させて且つ両切り込みの前記端縁を開放した状態で部分接合し、図5及び図6に示すように、前記巻き上げ用糸3を、前記切り込みに順次ジグザグに挿入掛合して掛け渡すことにより、前記筒状体2の外周面にスパイラル状に巻き付け、前記巻き上げ用糸3が前記切り込みに挿入掛合された状態で、図9に示すように、前記一方の面4及び他方の面5それぞれの両切り込み近傍を接合して接合部7を形成し、前記挿通係合孔部6を前記一対の切り込み43・44,53・54と前記接合部7とにより形成するものである。
【0029】
また、本実施形態の形状付与具の製造装置は、前記実施態様の形状付与具の製造方法を実施する装置であって、略述すると、前記筒状体2の前記両側縁部における前記一方の面4及び他方の面5それぞれの所定位置に前記切り込み43・44、53・54を形成する切り込み形成機構〔図2(a)参照〕と、前記切り込み形成機構により前記切り込みが形成された前記一方の面4と他方の面5とを、両切り込みの位置をそれぞれ対応させて且つ両切り込みの前記端縁を開放した状態で部分接合する部分接合機構〔図2(b)参照〕と、前記部分接合機構により部分接合された前記帯状シート4,5を保持すると共に、該帯状シート4,5をその長手方向を軸として回転させ且つ該長手方向に移動させる帯状シート保持回転移動機構〔図3、図5及び図6参照〕と、前記帯状シート保持回転移動機構により保持されている前記帯状シート4,5における前記切り込みに前記巻き上げ用糸3を順次挿入掛合する糸挿入掛合機構〔図5及び図6参照〕と、前記糸挿入掛合機構により前記巻き上げ用糸3が前記切り込みに挿入掛合された状態で、前記一方の面4及び他方の面5それぞれの両切り込み近傍を接合して前記接合部7を形成することにより、前記挿通掛合孔部6を形成する切り込み近傍接合機構〔図9参照〕とを備えている。
【0030】
本実施形態の形状付与具の製造装置の各部について説明する。
前記切り込み形成機構は、図2(a)に示すように、一方の帯状シート4の切り込み43,44と対応する周面位置に切り込み形成刃101Aが形成された一対の切り込み形成ロール101と、他方の帯状シート5の切り込み53,54と対応する周面位置に切り込み形成刃102Aが形成された一対の切り込み形成ロール102とからなる。
【0031】
該切り込み形成機構によれば、一対の切り込み形成ロール101間に一方の帯状シート4を通過させることにより、帯状シート4の両側縁部41,42に、前記切り込み43,44を所定の位置に複数個形成することができるようになっている。同様に、一対の切り込み形成ロール102間に他方の帯状シート5を通過させることにより、帯状シート5の両側縁部51,52に、前記切り込み53,54を所定の位置に複数個形成することができるようになっている。
【0032】
前記部分接合機構は、図2(b)に示すように、周面の所定位置にスポット状の加熱部103Aが設けられた一対の仮シールロール103からなる。
該部分接合機構によれば、一対の仮シールロール103間に、前記切り込み形成機構により前記切り込みが形成された帯状シート4,5を通過させることにより、帯状シート4,5における各切り込み近傍ごとに、切り込みの位置をそれぞれ対応させて且つ切り込みの端縁を開放した状態で3点のスポットシール(図における「S」)をすることができるようになっている。
【0033】
前記帯状シート保持回転移動機構は、図3に示すように、細径部104A及び太径部104Bからなる段付き棒状のシート保持回転移動棒材104を備えている。
該シート保持回転移動棒材104は、図3(a)に示すように、仮シール(部分接合)された状態の帯状シート4,5を、その一端部側(毛髪取り込み口21となる側)から前記細径部104Aに外挿して保持できるようになっており、更にその際に前記太径部104Bで取り込み口補強部材8を固定して前記一端部側の内側に該取り込み口補強部材8を挿入・配置できるようになっている。
該シート保持回転移動棒材104は、帯状シート4,5間の仮シールが剥離しない程度の力で、細径部104Aが拡がり、仮シールされた状態の帯状シート4,5を内側から押圧してチャッキングできるようになっている。
【0034】
また、本実施形態の形状付与具の製造装置においては、図3(b)に示すように、帯状シート4,5における一端部側の内側に取り込み口補強部材8が挿入・配置された状態で、該一端部と該取り込み口補強部材8とを止着する補強部材止着機構を備えている。
該補強部材止着機構は、図3(b)に示すように、帯状シート4,5における取り込み口補強部材8に対応する部分の上方及び下方に配置される半円筒状の一対のヒートシールブロック105からなる。
該補強部材止着機構によれば、ヒートシールブロック105により取り込み口補強部材8を帯状シート4,5における一端部に止着できるようになっている。
尚、図3(b)以降の図面においては、シート保持回転移動棒材104の図示を省略している。
【0035】
また、本実施形態の形状付与具の製造装置においては、図4に示すように、一方の帯状シート4における取り込み口補強部材8に対応する部分に、巻き上げ用糸3の一端32が取り付けられている前記タグ92を仮止着するタグ仮止着機構を備えている。
該タグ仮止着機構は、スポットシール可能なシールブロック106からなる。
該タグ仮止着機構によれば、図4に示すように、シートブロック106により、一方の帯状シート4の所定位置に前記タグ92を仮止着できるようになっている。
【0036】
シート保持回転移動棒材104〔図5及び図6において図示せず。図3(a)参照〕は、図5及び図6に示すように、細径部104Aに外挿した帯状シート4,5と共に、該シート保持回転移動棒材104の軸方向を中心として回転し、且つ該軸方向(細径部104Aから太径部104Bに向けた方向)に移動可能となっている。
シート保持回転移動棒材104の一方の側方には、前記糸挿入掛合機構が設けられている。該糸挿入掛合機構は、図5及び図6に示すように、糸供給部107と糸ガイド108とからなる。糸供給部107は、巻き上げ用糸3を供給できるようになっている。糸ガイド108は、巻き上げ用糸3のほぼ中間部分を保持し、シート保持回転移動棒材104の移動方向〔図5(a)及び図6(a)に示す矢印の方向〕及びその反対方向〔図5(b)及び図6(b)に示す矢印の方向〕に揺動できるようになっている。
【0037】
これらシート保持回転移動機構及び糸挿入掛合機構によれば、シート保持回転移動棒材104に保持された帯状シート4,5の切り込みが上方に配置したとき〔図5(b)に示す状態〕には、糸ガイド108がシート保持回転移動棒材104の移動方向と反対方向に移動するようになっている。そのため、巻き上げ用糸3を、例えば図7に示すように、一方の帯状シート4における切り込み43と他方の帯状シート5における切り込み53との間に滑り込ませるようにして、挿入掛合できるようになっている。
尚、図5及び図6における一点鎖線は糸ガイド108の揺動端を示す。
【0038】
本実施形態の形状付与具の製造装置においては、図8に示すように、巻き上げ用糸3の一端31を帯状シート4に止着する糸端部止着機構が設けられている。
該糸端部固定機構は、ホットメルトブロック109からなる。
該糸端部固定機構によれば、図8に示すように、巻き上げ用糸3の一端31近傍を、一方の帯状シート4の所定位置に止着できるようになっている。
【0039】
前記切り込み近傍接合機構は、図9に示すように、略ダンベル形状の一対のシールローラ110からなる。
該切り込み近傍接合機構によれば、図9に示すように、帯状シート4,5における両側縁部41・42,51・52のみをヒートシールできるようになっている。
【0040】
本実施形態の形状付与具の製造装置を用いた、本実施態様の形状付与具の製造方法について工程順に詳述する。
先ず、図2(a)に示すように、前記切り込み形成ロール101により、所定長さ(完成後の筒状体の長さ)に切断され且つ切り込みが形成されていない状態の前記一方の帯状シート4の両側縁部41,42に、前記切り込み43,44を所定の位置に複数個形成する。
同様に、図2(a)に示すように、前記切り込み形成ロール102により、所定長さに切断され且つ切り込みが形成されていない状態の前記他方の帯状シート5の両側縁部51,52に、前記切り込み53,54を所定の位置に複数個形成する。
【0041】
次に、図2(b)に示すように、前記仮シールロール103により、一方の帯状シート4の前記切り込み43,44と他方の帯状シート5の前記切り込み53,54とを対応させて所定のずれた位置に配置し、切り込み43・44,53・54の外端部が開放された状態で、帯状シート4,5における切り込み43・44,53・54近傍を部分接合により仮シールする。
【0042】
次に、図3(a)に示すように、前記シート保持回転移動棒材104により、仮シール(部分接合)された状態の帯状シート4,5の一端部側(毛髪取り込み口21となる側)から、取り込み口補強部材8を挿入・配置する。
その後、細径部104Aを拡開し、シート保持回転移動棒材104に帯状シート4,5をチャッキング固定する。
この状態で、前記ヒートシールブロック105により、帯状シート4,5における一端部と取り込み口補強部材8とを止着する。
【0043】
次に、図4に示すように、前記シールブロック106により、一方の帯状シート4における取り込み口補強部材8に対応する部分に、巻き上げ用糸3の一端32が取り付けられている前記タグ92を仮止着する。尚、巻き上げ用糸3の一端32近傍におけるタグ92から離間した位置には、糸留め91が取り付けられている。
【0044】
次に、図5及び図6に示すように、先ず、糸留め91を帯状シート4,5の一端部に仮留めする。巻き上げ用糸3は糸供給部107より供給される。そして、シート保持回転移動棒材104の回転・移動と糸ガイド108の揺動との協働させて、巻き上げ用糸3を帯状シート4,5の一端部寄りの切り込みから他端部(図示せず)寄りの切り込みに向けて、順次挿入掛合して掛け渡す。その際、巻き上げ用糸3は、例えば図7に示すように、一方の帯状シート4における切り込み43と他方の帯状シート5における切り込み53との間に滑り込ませるようにして、挿入掛合される。
【0045】
巻き上げ用糸3を、一方の帯状シート4における最も他端部寄りの切り込み44まで挿入掛合した後、図8に示すように、前記ホットメルトブロック109により、該巻き上げ用糸3の他端31近傍を、一方の帯状シート4における該切り込み44近傍に止着する。
【0046】
次に、図9に示すように、前記シールローラ110により、帯状シート4,5の両側縁部を全長に亘って接合し、接合部7を形成する。
このような工程を経ることにより、前記一対の切り込み43・44,53・54と前記接合部7とにより挿通係合孔部6が形成され、図1に示す形態の形状付与具1が得られる。
【0047】
本実施態様の形状付与具の製造方法及び本実施形態の形状付与具の製造装置によれば、前記特許文献1及び2に記載の毛髪保持具のように巻き上げ用糸を筒状体の孔部に順次挿通する必要がなく、筒状体の切り込みに巻き上げ用糸を挿通し、筒状体の両側縁部を接合すれば、筒状体の外周面に巻き上げ用糸を巻き付けることができ、このような筒状体の外周面に巻き上げ用糸がスパイラル状に巻き付けられた形状付与具を容易に形成することができる。
また、本実施態様の形状付与具の製造方法及び本実施形態の形状付与具の製造装置においては、巻き上げ用糸を帯状シートの移動方向及びその反対方向に揺動し得る糸挿通掛合機構を用いているため、帯状シートの一対の切り込みに巻き上げ用糸を容易に挿入することができる。
【0048】
前記実施形態の形状付与具の製造装置においては、糸挿入掛合機構は、図5及び図6に示すように、巻き上げ用糸3を筒状体2の移動方向及びその反対方向に揺動する糸ガイド108を備えており、該糸ガイド108は、該巻き上げ用糸3を該筒状体2の移動方向と反対方向に移動させながら、前記切り込みに挿入掛合するようになっているが、本発明の形状付与具の製造装置における糸挿入掛合機構は、図5及び図6に示す構成に制限されず、種々の構成を採用することができる。
【0049】
図10に示す糸挿入掛合機構は、図5及び図6に示す糸挿入掛合機構に比して糸を揺動する糸ガイド108が設けられておらず、それに代えて、糸を帯状シートの切り込みに案内する一対の糸案内板121A、121Bが設けられている。
糸案内板121A、121Bは、図10に示すように、長さが帯状シート4,5と略同じで、幅が帯状シート4,5の幅の略半分の板状部材からなる。
【0050】
一方の糸案内板121Aは、帯状シート5の表面に沿って配置されており、糸案内板121Aの一側縁部は、帯状シート5の中心線に略一致して配置されている。また、糸案内板121Aの他側縁部は、帯状シート5の側縁部から幅方向に延出した位置に配置されており、該他側縁部には、長手方向に離間して複数の切欠き122Aが形成されている。複数の切欠き122Aは、帯状シート4,5の切り込み43,53に対応する位置に配置されている。切欠き122Aの開き角は、切り込み43と切り込み53とのなす角φ〔図1(b)参照〕より大きくなっており、また切欠き122Aは、切り込み43及び切り込み53の外側に配置している。
【0051】
他方の糸案内板121Bは、帯状シート4,5からなる筒状体の周方向に一方の糸案内板121Aとは点対称な位置に配置されており、一方の糸案内板121Aと同様な形態を有している。他方の糸案内板121Bにおける複数の切欠き121Bは、帯状シート4,5の切り込み44,54に対応する位置に配置されている。
糸案内板121A、121Bは、シート保持回転移動棒材104〔図10において図示せず、図3(a)参照〕と一体的に回転・移動するようになっている。
【0052】
糸案内板121A、121Bによれば、シート保持回転移動棒材104が回転・移動すると、図10に示すように、それに同期して糸案内板121A、121Bが回転・移動し、先ず巻き上げ用糸3の中間部分が切欠き122Bに接触し、該切欠き122Bにガイドされて帯状シート4の切り込み44及び帯状シート5の切り込み54(図10において図示省略、図6参照)に挿入される。シート保持回転移動棒材104及び糸案内板121A、121Bの回転・移動に従い、このような挿入動作が繰り返され、巻き上げ用糸3は、糸案内板121Aの切欠き122A、糸案内板121Bの切欠き122Bに順次ガイドされて、帯状シート4,5の切り込み43・44,53・54に順次挿入される。尚、巻き上げ用糸3を帯状シート4,5の切り込みにスムーズに挿入するには、巻き上げ用糸3に適切な大きさの張力を付与しておく必要がある。
図10に示す糸挿入掛合機構によっても、図5及び図6に示す糸挿入掛合機構と同様に、帯状シートの一対の切り込みに巻き上げ用糸を容易に挿入することができる。
【0053】
図11に示す糸挿入掛合機構は、図5及び図6に示す糸挿入掛合機構に比して糸を揺動する糸ガイド108が設けられておらず、それに代えて、帯状シートの切り込みに対しエア噴射を行う噴射ノズル131が設けられている。
噴射ノズル131は、図11に示すように、表面が水平方向に配置した状態の帯状シート4,5における切り込み43・44,53・54の上方に設けられており、該切り込みに対し上方から下方に向けてエアBを噴射できるようになっている。
【0054】
噴射ノズル131によれば、表面が水平方向に配置した状態の帯状シート4,5における切り込みに対しエアBが噴射されることにより、帯状シート4,5における切り込み43,53近傍が下方に変形し、その状態で、切り込み43,53間に巻き上げ用糸3を挿入することができる。尚、エアBは、巻き上げ用糸3を切り込みに挿入するときのみ噴射されるようになっている。
図11に示す糸挿入掛合機構によっても、図5及び図6に示す糸挿入掛合機構と同様に、帯状シートの一対の切り込みに巻き上げ用糸を容易に挿入することができる。
【0055】
図12に示す糸挿入掛合機構は、図5及び図6に示す糸挿入掛合機構に比して糸を揺動する糸ガイド108が設けられておらず、それに代えて、帯状シートにおける切り込み近傍を折り曲げる切り込み近傍折り曲げ手段(図示せず)及び折り曲げられている帯状シートを折り曲げ前の状態に戻す折り曲げ戻し手段(図示せず)が設けられている。
【0056】
前記切り込み近傍折り曲げ手段は、図12に示すように、帯状シート4,5における切り込み43,53近傍を上方から下方に向けて向けて折り曲げ、変形できるようになっている。切り込み近傍折り曲げ手段の構成としては、切り込みのピッチに合わせた凸凹状の1対のロール間に帯状シートを通すような構成が挙げられる。また、前記折り曲げ戻し手段は、前記切り込み近傍折り曲げ手段によって下方に折り曲げられた帯状シート4,5を折り曲げ前の状態に戻すことができるようになっている。折り曲げ戻し手段の構成としては、折り曲げ時に用いた凹凸と逆のパターンを有する凸凹状の1対のロール間に帯状シートを通すような構成が挙げられる。
【0057】
筒状体が、紙や樹脂フィルム等の比較的高剛性の材料から構成される帯状シートからなる場合には、帯状シートにおける切り込み近傍が変形し難く、強度の大きい巻き上げ用糸を用いたり、糸の張力を強くしただけでは、切り込み間に巻き上げ用糸を挿入できないときがある。図12に示す前記切り込み近傍折り曲げ手段を備えた糸挿入掛合機構は、このような高剛性の筒状体に対し特に効果的であり、図12に示す糸挿入掛合機構によれば、帯状シートにおける切り込み近傍を予め前記切り込み近傍折り曲げ手段によって折り曲げ、その状態で、図12に示すように切り込み間に巻き上げ用糸3を挿入し、その後、折り曲げられていた帯状シートを前記折り曲げ戻し手段によって折り曲げ前の状態に戻すことができる。
図12に示す糸挿入掛合機構によっても、図5及び図6に示す糸挿入掛合機構と同様に、帯状シートの一対の切り込みに巻き上げ用糸を容易に挿入することができる。
【0058】
糸挿入掛合機構においては、巻き上げ用糸の切り込みへの挿入性を向上させるために、振動付与手段(図示せず)を備えることができる。
前記振動付与手段は、巻き上げ用糸の挿入前における帯状シートの切り込み近傍に振動を付与できるもので、該振動付与手段によれば、特に帯状シートと巻き上げ用糸との摩擦抵抗が大きい場合や帯状シートの表面を滑らせて巻き上げ用糸を切り込みに挿入できない場合等において、巻き上げ用糸の挿入前における帯状シートの切り込み近傍に振動を付与し、巻き上げ用糸の切り込みへの挿入を容易にすることができる。
【0059】
本発明の形状付与具の製造方法及び製造装置においては、製造される形状付与具における巻き上げ用糸の巻き付けピッチに合わせて、筒状体に巻き上げ用糸を巻き付ける必要があり、また、部分接合された帯状シートを回転・移動させるタイミングと糸挿入掛合機構における糸を挿入するタイミングとを同期させて、巻き上げ用糸を切り込みに挿入させることも必要である。
また、生産性を向上させるため、帯状シートをターンテーブル上に配置し、該ターンテーブルを回転させて各処理工程に帯状シートを移動するようにしてもよい。
【0060】
図1に示す形態の形状付与具においては、筒状体2は、2枚の帯状シート4,5がそれらの両側縁部同士で接合されて断面が扁平状に形成され、前記筒状体2の両側縁部における一方の面及び他方の面は、それぞれ一方の帯状シート4及び他方の帯状シート5から形成されているが、本発明の製造方法及び製造装置により製造される形状付与具(毛髪保持具)における筒状体は、斯る構成に制限されない。尚、以下の説明において特に説明しない点については、図1に示す形態における説明が適宜適用され、各構成部材の符合については同じ符合を付してある。
【0061】
図13に示す形態の毛髪保持具においては、筒状体2は、1枚の帯状シート4Aがその長手方向中心線〔図13(a)に示すO−O’線〕で折り返され、その両側縁部が接合されて形成されている。
詳述すると、本形態の毛髪保持具においては、筒状体2は、1枚の帯状シート4Aから形成されている。該帯状シート4Aは、一方の帯状シート4及び他方の帯状シート5を長手方向側縁部で接合した形態を有しており、筒状体2の幅の略2倍の幅を有する矩形状である。尚、中心線O−O’は、帯状シート4Aの長手方向中心線、即ち、一方の帯状シート4と他方の帯状シート5との境界線をとなる。
【0062】
帯状シート4における前記中心線O−O’側の長手方向側縁部には、一方の切り込み43が長手方向に所定間隔を置いて形成されており、帯状シート4における他方の長手方向側縁部には、他方の切り込み44が長手方向に所定間隔を置いて形成されている。一方の切り込み43と他方の切り込み44とは、所定位置に配置している。
【0063】
また、他方の帯状シート5にも、一方の帯状シート4と同様に、長手方向両側縁部にそれぞれ切り込み53、54が長手方向に所定間隔を置いて形成されている。
更に、一方の帯状シート4の切り込み43における中心線O−O’側の端縁と、他方の帯状シート5の切り込み53における中心線O−O’側の端縁とは、中心線O−O’上の接続切り込み43’により接続され、該切り込み43と該連続切り込みと該切り込み53とが連続的な切り込みを形成している。
【0064】
一方の帯状シート4の切り込み43,44と他方の帯状シート5の切り込み53,54とは、1枚の帯状シート4Aを中心線O−O’で折り返すと、切り込み43と切り込み53とが略一致し、切り込み44と切り込み54とが略一致するようになっている。また、切り込み43と切り込み53とは帯状シート4Aの長手方向となす角度が異なり、切り込み44と切り込み54とは該長手方向となす角度が異なっている。
【0065】
本形態の毛髪保持具においては、前述の構成を有する1枚の帯状シート4Aから筒状体2が形成されており、そのため、帯状シート4Aを中心線O−O’で折り返すと、図1に示す形態の形状付与具における筒状体2(接合部7が形成されておらず、巻き上げ用糸3が巻き付けられていない状態のもの)と同様の構成の筒状体(図示せず)が得られる。
【0066】
そして、斯る状態の筒状体2に巻き上げ用糸3を巻き付け、その状態で、図13(b)に示すように、一方の帯状シート4の両側縁部41及び42と、他方の帯状シート5の両側縁部51及び52とをそれぞれ接合し、帯状シート4,5の両側縁部に接合部7を形成すると、図1に示す形態の形状付与具と同様の構成を有する毛髪保持具が得られる。
【0067】
次に、前述の図1に示す形態の形状付与具の使用方法について、図14を参照しながら説明する。
本形態の毛髪保持具1は、図14に示すように、先端に毛髪のフック部11を有する毛髪挿入具10と組み合わせて用いると、毛髪保持具内への毛髪Hの挿入が容易となる。この毛髪挿入具10は、図14に示すように、細長形状の把持部12と、該把持部12の先端に取り付けられたフック部11とを備えている。フック部11は、毛髪保持具1内に挿入される毛髪を引っ掛けるために用いられ、変形可能になされている。
【0068】
毛髪挿入具10は、図14に示すように、毛髪挿入具10のフック部11を筒状体2の取り込み口21側に向けて挿入された状態で使用される。使用に先立ち、毛髪挿入具10のフック部11を、筒状体2の取り込み口21から突出させる。そして、フック部11に所望量の毛髪を引っ掛け、この状態下に毛髪挿入具10の他端部から引き出されている毛髪挿入具10の把持部12を引っ張る。これによって、フック部11に引っ掛けられている毛髪Hがフック部11と共に筒状体2内に挿入される。
【0069】
フック部11が筒状体2内に引き入れられると、該筒状体2内の所定位置において、フック部11による毛髪Hの引っ掛けが解除され、毛髪Hは筒状体2内に円滑に挿入される。フック部11は、筒状体2の他端部22から筒状体2の外に引き出される。
【0070】
本形態の毛髪保持具1の一使用方法について、パーマネント処理を例にとり図14を参照しながら説明する。先ず図14(a)に示すように、筒状体2内に毛髪挿入具10を挿入し、該毛髪挿入具10のフック部11を、筒状体2の取り込み口21から突出させる。そして、筒状体2の他端部22から、毛髪挿入具10の把持部12の端部を引き出す。
この状態下に、毛髪挿入具10のフック部11に所望量の毛髪Hを通して引っ掛ける。
【0071】
次に図14(b)に示すように、筒状体2の取り込み口21付近の位置を一方の手(図示せず)で軽く押さえる。また筒状体2の他端部22から引き出されている毛髪挿入具10の把持部12の端部を他方の手(図示せず)で把持し、毛髪挿入具10を筒状体2の外に引き出す。その操作によって、フック部11に引っ掛けられていた毛髪Hが首尾良く筒状体2の筒状体2内に挿入、収納される。
【0072】
次に、図14(c)に示すように、筒状体2の取り込み口21付近の位置を一方の手(図示せず)で軽く押さえる。この状態下に、筒状体2の外側面に巻き付けられている巻き上げ用糸3の一端32(自由端)を引っ張る。巻き上げ用糸3の一端32は、タグ92を介して筒状体2に仮止着されているが、該タグ92を筒状体2から引き剥がせばよい。すると図14(d)に示すように、毛髪Hは筒状体2と共にスパイラル状に巻き上げられて、小さく纏められる。
【0073】
次に、この状態を保持するために、筒状体2から引き出されている巻き上げ用糸3の根元を糸留め91で係止する。
この状態下に、筒状体2に向けて第1のパーマネント処理剤(還元剤)を付与する(図示せず)。筒状体2はパーマネント処理剤に対して透過性の材料から構成されているので、パーマネント処理剤は筒状体2を透過して毛髪に施される。
【0074】
所定時間放置後、筒状体2に向けて第2のパーマネント処理剤(酸化剤)を付与し、再び所定時間放置する。これによって、筒状体2内に挿入されている毛髪Hに対して、その巻き上げ形態のパーマネントウエーブが掛けられる。その後、巻き上げ用糸3に取り付けられた糸留め91を外し、毛髪Hの巻き上げ状態を解除する。引き続き毛髪Hを筒状体2から取り出し、すすぎ洗いをし、更にシャンプー及びブローをする。
【0075】
所望により以上の操作を繰り返し、所定時間放置する。その後、巻き上げ用糸3に取り付けた糸留め91を外し、毛髪の巻き上げ状態を解除する。引き続き毛髪Hを筒状体2から取り出し、すすぎ洗いをし、更にシャンプー及びブローをする。
【0076】
以上、本発明の形状付与具の製造方法の好ましい一実施態様及び本発明の形状付与具の製造装置の好ましい一実施形態として、毛髪保持具の製造方法及び製造装置について説明したが、本発明の形状付与具の製造方法及び製造装置は、前述した毛髪保持具の製造方法及び製造装置に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更が可能である。
【0077】
シート保持回転移動機構における帯状シートの固定は、押圧力によるチャッキングに制限されず、バキュームによる固定や静電による固定でもよい。また、帯状シート4,5の移動には、ロボットアームやベルト駆動を用いてもよい。
帯状シートの両側縁部の接合は、ホットメルト、超音波シール、接着剤、粘着テープ、縫製等で行うこともできる。
前記形態の毛髪保持具においては、一方の帯状シートの切り込みの内端部と他方の帯状シートの内端部とが一致しているが、本発明の製造方法及び製造装置により製造される形状付与具においては、両切り込みが交差していてもよく、両内端部が若干離れていてもよい。また、帯状シートの切り込みは若干の幅を有していてもよい。
【0078】
本発明の製造方法及び製造装置により製造される形状付与具は、筒状体の断面が扁平状に形成され、該扁平状の筒状体の両側縁部に挿通係合孔部が形成されているものに制限されず、図15及び図16に示す形状付与具のように、筒状体の断面が多角形状に形成され、該多角形状の筒状体の各角部に挿通係合孔部が形成されているものでもよい。
尚、図15(b)、図15(c)、図16(b)及び図16(c)においては、巻き上げ用糸3の図示を省略している。また、図15及び図16に示す形状付与具の構成及び製造に関する説明において、特に説明しない点については、これまでの説明が適宜適用される。
【0079】
図15(a)に示す形状付与具1は、筒状体2の断面が三角形状である。該筒状体2は、3枚の帯状シート4A、4B及び4Cがそれらの側縁部同士で接合されて形成されている。筒状体2の各角部に挿通係合孔部6が形成されており、各挿通係合孔部6に巻き上げ用糸3が順次挿通掛合されている。各挿通係合孔部6は、図1及び図13に示す形状付与具と同様に、一対の切り込みと接合部とにより形成されている。
巻き上げ用糸3の巻き付けられた筒状体2における帯状シート4A、4B及び4Cの側縁部を接合するには、例えば、図15(b)及び(c)に示すように、各側縁部に配した一対のローラ141,141を用いてヒートシールすればよい。
【0080】
図16(a)に示す形状付与具1は、筒状体2の断面が六角形状である。該筒状体2は、6枚の帯状シート4A、4B、4C、4D、4E及び4Fがそれらの側縁部同士で接合されて形成されている。筒状体2の各角部に挿通係合孔部6が形成されており、各挿通係合孔部6に巻き上げ用糸3が順次挿通掛合されている。各挿通係合孔部6は、図1及び図13に示す形状付与具と同様に、一対の切り込みと接合部とにより形成されている。
巻き上げ用糸3の巻き付けられた筒状体2における帯状シート4A、4B、4C、4D、4E及び4Fの側縁部を接合するには、例えば、図16(b)及び(c)に示すように、各側縁部に配した一対のローラ141,141を用いてヒートシールすればよい。
【0081】
本発明の製造方法及び製造装置により製造される形状付与具における筒状体は、図13に示す形態のように、1枚の帯状シートから形成されていてもよく、図1に示す形態のように、2枚の帯状シートから形成されていてもよい。多角形状の筒状体は、1枚又は2枚以上の帯状シートから形成することができる。
また、扁平状の筒状体における両側縁部又は多角形状の筒状体における各角部は、帯状シートが折り返されて形成されていてもよく、帯状シートの側縁部が接合されて形成されていてもよい。即ち、一対の切り込みの形成される、筒状体の両側縁部又は各角部における一方の面を構成する帯状シート及び他方の面を構成する帯状シートは、2枚の帯状シートで構成されていてもよく、1枚の帯状シートが折り返されて形成されていてもよい。
【0082】
本発明の製造方法及び製造装置により製造される形状付与具は、前述の毛髪保持具に制限されず、「一端部に被挿入物の取り込み口を有し該取り込み口から被挿入物を挿入可能な筒状体と、該筒状体の巻き上げ用の巻き上げ用糸とを備え、前記筒状体は、断面が扁平状(又は多角形状)に形成されており、前記筒状体の両側縁部(又は各角部)に、前記巻き上げ用糸を挿通掛合する挿通掛合孔部が、それぞれ所定間隔をあけて且つそれらを順次結ぶことによりスパイラル状線を形成するように複数個設けられており、前記巻き上げ用糸は、その一端が前記筒状体の他端部の近傍に止着され、前記挿通掛合孔部に順次挿通掛合されて該筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付けられている形状付与具」であればよく、例えば、本形状付与具で形状を付与した布片を染色剤に浸す染色法(絞り染め)や食品加工時の形状付与(例えば、ソーセージ等の形状付与)等に用いる形状付与具がある。
【0083】
前記実施態様の形状付与具の製造方法及び前記実施形態の形状付与具の製造装置においては、帯状シートを予め所定の筒状体の長さに切断してから、毛髪保持具を製造しているが、以下の手順で製造することもできる。
先ず、帯状シートを予め切断せず、複数個の筒状体分の長さを有する長尺状の帯状シート素材に切り込みを形成する。2枚の帯状シート素材を所定位置で部分接合した後、巻き上げ用糸を該切り込みに順次挿入掛合し、掛け渡す。次いで、帯状シート素材の両側縁部を接合して、挿通掛合孔部を形成する。その後、帯状シート素材を所定長さに切断して、毛髪保持具を得る。
【0084】
また、前記実施態様の形状付与具の製造方法においては、巻き上げ用糸3の切り込みへの掛け渡しを、部分接合された帯状シート4,5をその長手方向を軸として回転させ且つ該長手方向に移動させながら、該巻き上げ用糸3を該切れ込みに順次挿入掛合することにより行っているが、本発明の形状付与具の製造方法においては、帯状シートを回転させず、巻き上げ用糸を掛け渡す機構側を回転させてもよく、また、帯状シートを移動させず、巻き上げ用糸を掛け渡す機構側を移動させてもよい。
【0085】
本発明の製造方法及び製造装置により製造される形状付与具を毛髪保持具として用いた場合において、筒状体が染毛剤に対して非透過性の材料から構成されているときには、毛髪をこの筒状体内に挿入した後、取り込み口から染毛剤を供給し、毛髪の全体に行き渡らせるようにして使用することができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明の形状付与具の製造方法及び製造装置によれば、巻き上げ用糸を筒状体の孔部に順次挿通しなくても、筒状体の外周面に巻き上げ用糸を巻き付けることができ、このような筒状体の外周面に巻き上げ用糸がスパイラル状に巻き付けられた形状付与具を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法及び製造装置により製造される形状付与具の一形態である毛髪保持具を示す図で、(a)はその全体の正面斜視図、(b)は切り込み近傍の拡大正面図である。
【図2】図2は、本発明の形状付与具の製造方法の一実施態様の一工程(帯状シートへの切り込みの形成及び部分接合)を示す模式的斜視図である。
【図3】図3は、本発明の形状付与具の製造方法の一実施態様の一工程(毛髪取り込み口の補強)を示す模式的斜視図である。
【図4】図4は、本発明の形状付与具の製造方法の一実施態様の一工程(タグ及び糸留めの取付)を示す模式的斜視図である。
【図5】図5は、本発明の形状付与具の製造方法の一実施態様の一工程(巻き上げ用糸の巻付の前半)を示す模式的斜視図である。
【図6】図6は、本発明の形状付与具の製造方法の一実施態様の一工程(巻き上げ用糸の巻付の後半)を示す模式的斜視図である。
【図7】図7は、巻き上げ用糸の巻付工程における、巻き上げ用糸の切り込みへの挿入を示す模式的斜視図である。
【図8】図8は、本発明の形状付与具の製造方法の一実施態様の一工程(巻き上げ用糸の他端の固定)を示す模式的斜視図である。
【図9】図9は、本発明の形状付与具の製造方法の一実施態様の一工程(帯状シートの両側縁部の接合)を示す模式的斜視図である。
【図10】図10は、本発明の形状付与具の製造装置における糸挿入掛合機構の他の形態を示す模式的斜視図で、(a)は帯状シートが水平方向に配置した状態を示す図、(b)は(a)に示す状態から帯状シートが90°回転した状態を示す図である。
【図11】図11は、本発明の形状付与具の製造装置における糸挿入掛合機構の更に他の形態を示す模式的斜視図である。
【図12】図12は、本発明の形状付与具の製造装置における糸挿入掛合機構の更に他の形態を示す模式的斜視図である。
【図13】図13は、本発明の製造方法及び製造装置により製造される毛髪保持具の他の形態を示す図で、(a)は展開状態の帯状シートを模式的に示す斜視図、(b)は筒状体の端面を模式的に示す端面図である。
【図14】図14は、本発明の製造方法及び製造装置により製造される形状付与具の一形態である毛髪保持具の一使用態様を示す模式的斜視図である。
【図15】図15(a)は、本発明の製造方法及び製造装置により製造される毛髪保持具の他の形態を示す斜視図であり、図15(b)及び(c)は、それぞれ、図15(a)に示す毛髪保持具を製造する際における帯状シートの接合工程を模式的に示す斜視図及び平面図である。
【図16】図16(a)は、本発明の製造方法及び製造装置により製造される毛髪保持具の他の形態を示す斜視図であり、図16(b)及び(c)は、それぞれ、図16(a)に示す毛髪保持具を製造する際における帯状シートの接合工程を模式的に示す斜視図及び平面図である。
【符号の説明】
1 毛髪保持具(形状付与具)
2 筒状体
21 取り込み口(一端部)
22 他端部
3 巻き上げ用糸
31 一端
32 他端
4,5 帯状シート
41,42,51,52 側縁部
43,44,53,54 切り込み
6 挿通掛合孔部
7 接合部
10 毛髪挿入具
11 フック部
12 把持部
101、102 切り込み形成ロール
103 仮シールロール
104 帯状シート保持回転移動棒材
105 ヒートシールブロック
106 シールブロック
107 糸供給部
108 糸ガイド
109 ホットメルトブロック
110 シールローラ
H 毛髪
Claims (3)
- 一端部に毛髪の取り込み口を有し該取り込み口から毛髪を挿入可能な筒状体と、該筒状体の巻き上げ用の巻き上げ用糸とを備え、前記筒状体は、断面が扁平状に形成されており、前記筒状体の両側縁部に、前記巻き上げ用糸を挿通掛合する挿通掛合孔部が、それぞれ所定間隔をあけて且つそれらを順次結ぶことによりスパイラル状線を形成するように複数個設けられており、前記巻き上げ用糸は、その一端が前記筒状体の他端部の近傍に止着され、前記挿通掛合孔部に順次挿通掛合されて該筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付けられている毛髪保持具を製造する方法であって、
前記筒状体の前記両側縁部における一方の面を構成する帯状シート及び他方の面を構成する帯状シートそれぞれに、該側縁部の縁端から幅方向内方に向いた一対の切り込みを、前記筒状体の長手方向に対する角度を異ならせ且つ両切り込みの端縁を該筒状体の前記側縁部の縁端においてずらして形成し、
前記切り込みが形成された前記一方の面と他方の面とを、両切り込みの位置をそれぞれ対応させて且つ両切り込みの前記端縁を開放した状態で部分接合し、
前記巻き上げ用糸を、前記切り込みに順次挿入掛合して掛け渡すことにより、前記筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付け、
前記巻き上げ用糸が前記切り込みに挿入掛合された状態で、前記一方の面及び他方の面それぞれの両切り込み近傍を接合して接合部を形成し、
前記挿通係合孔部を前記一対の切り込みと前記接合部とにより形成する毛髪保持具の製造方法。 - 前記巻き上げ用糸の前記切り込みへの掛け渡しを、部分接合された前記帯状シートをその長手方向を軸として回転させ且つ該長手方向に移動させながら、該巻き上げ用糸を該切れ込みに順次挿入掛合することにより行う請求項1記載の毛髪保持具の製造方法。
- 前記毛髪保持具における前記筒状体は、2枚の帯状シートがその側縁部で接合されて、断面が扁平状に形成されており、該筒状体の両側縁部は、該帯状シートが折り返されるか又は該帯状シートの側縁部が接合されて形成されており、
前記毛髪保持具における前記挿通掛合孔部は、前記筒状体の前記両側縁部における前記一方の面を構成する前記帯状シート及び他方の面を構成する該帯状シートそれぞれに、該側縁部の縁端から幅方向内方に向けて、該帯状シートの接合前に形成された一対の切り込みと、該一方の面及び他方の面それぞれの両切り込み近傍を接合してなる接合部とにより形成されており、
前記毛髪保持具における前記一対の切り込みは、前記筒状体の長手方向に対する角度が異なっており且つ両切り込みの端縁が該筒状体の前記側縁部の縁端においてずれている請求項1記載の毛髪保持具の製造方法。
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