JP4293633B2 - マルチシアナートエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
発明の技術分野
本発明はマルチシアナートエステルを製造する方法に関する。さらに具体的には、本発明はマルチシアナートエステルを製造するための連続法若しくは半回分法に関する。
従来技術の説明
本明細書で使用される“マルチシアナートエステル”という用語は、二個より多いシアナート基が付いているエステルのオリゴマー混合物を意味する。このようなエステルの混合物の例は、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂およびその誘導体で、その誘導体に含まれるものは、場合によって、塩素、ブロミド、トリハロメチル基、1から10個の炭素を有するアルキル基、エポキシ基、1から10個の炭素を有するアルコキシ基、フェニル基および同様の基のような少くとも一つの部分で置換されているクレゾールタイプの樹脂とノボラックタイプの樹脂であるが、これらに限定はされず、その中でノボラックタイプの樹脂は固形若しくは液状のいずれかの形態を取っている。
フェノール樹脂は、数十年に亘って量的にも用途的にも成長を続けている一群の合成材料である。フェノール樹脂は、ブレーキ・ライニング、クラッチ・フェーシング、トランスミッション・ボンドなどの摩擦材料中の結合剤として用いられることが多い。例えば、米国特許第4,268,157号;同第4,069,108号;同第4,268,657号;同第4,218,361号;同第4,219,452号;および同第3,966,670号明細書を参照されたい。フェノール樹脂は成形材料、塗料および接着剤としても使用される。不燃性と230℃までの温度での長期間の安定性を発揮するフェノール樹脂は、炭素繊維複合材で研究された。このような複合材料は先端航空機用途に有望である。
さて、フェノール樹脂は幾つかの有益な性質を示す一方で、熱酸化不安定性などの、その有用性を制約する多数の不利な点も抱えている。シアナト基によるフェノール樹脂の変性はこの難点を取り除いたが、そのような変性フェノール樹脂は、貯蔵寿命が短く、しかも重合体および/または化学製品のための既存の連続加工法を用いて加工するにはゲル化時間が短か過ぎるので、工業的には製造されていない。これは、フェノール系シアナートエステル樹脂が硬化される時、煙と揮発性の化学物質が発生し、且つそれより生成する架橋フェノール系-トリアジン生成物(“PT樹脂”)は不安定で、機械的性質が劣っている、即ち脆いからである。
米国特許第4,831,086号明細書には、新しいクラスのフェノール系シアナートとその製造法が開示されている。その方法では、環状エーテル系溶媒中でフェノール樹脂と塩基を室温で反応させて対応する塩を生成させる。次に、この塩とハロゲン化シアンを環状エーテル中、好ましくは−15℃と−30℃との間の温度で反応させるが、これはジエチルシアナミド(C2H5)2NCN、イミドカルボネートAr-O-C(NH)-O-Ar’(式中、ArとAr’はフェニルなどの任意の芳香族部位である)およびアルキルハライドC2H5X(ここで、Xは臭素或いは塩素である)のような、副反応不純物の生成を最少に抑えることにより、それより生成するPT樹脂の収量と安定性を増加させるためである。米国特許第5,124,414号および同第5,137,989号明細書も参照されたい。しかし、この方法は、そのような不純物の存在を最少にするために反応試薬をゆっくり反応させるので、時間がかかる。さらに、この塩とハロゲン化シアンとの反応は殆ど瞬間的で非常に発熱するという事実から、反応混合物の温度は著しく上昇し、常用の冷却装置では有効に制御できない。このような高温で反応させると、副反応の生起、部分的にシアナート化された最終生成物の生成およびアミンとハロゲン化シアンの消費が増加する。反応試薬を非常に低温、即ち−45℃以下に前冷却することにより、反応速度と反応物から放出される発熱エネルギーの量を減らすことができる。この前冷却で発熱エネルギーの量は常用の冷却装置で除去できる水準にまで減らされるが、このような操作はコスト効率もエネルギー効率も良くない。上述のゆっくりした工程中での反応成分の不十分な混合の結果、濃度勾配および/または温度勾配が存在し、そのために副反応生成物の生成が増えることも知られている。
改善された安定性とゲル化時間を有するマルチシアナートエステルを連続式若しくは半回分方式で製造するための、迅速でエネルギー効率のよい方法を提供することが切望されている。さらに具体的には、副反応を最少に抑えるだけでなく、室温に近い温度で操業することが可能で、しかも主反応を選択的に促進するように反応成分を十分混合できる方法を提供することが切望されている。
発明の要約
本発明によれば、マルチシアナートエステルを製造する方法にして、次の:
a)溶媒、および第3アミンと次式:
(式中、
nは1或いは1より大きい正の整数であり;
qおよびrは各場合に同一若しくは異なり、そして各場合にqとrの和が3に等しいという条件で、0から3の整数であり;
oおよびpは各場合に同一若しくは異なり、そして各場合にoとpの和が4に等しいという条件で、0から4の整数であり;
-X-は二価の有機基であり;
Aは水素、塩素、臭素、1から10個の炭素を有するアルキル基、エポキシド基、1から10個の炭素を有するアルコキシ基、クレゾール-タイプの樹脂およびそれらの混合物より成る群から選ばれ;そして
R3は各場合に同一若しくは異なり、そして得られる共重合体を完全に硬化させるのに必要な条件下で反応しない、水素以外の置換基である。)
のフェノール-ホルムアルデヒドオリゴマー或いはをその誘導体との付加物を含んでなる反応媒体からなる第1供給ストリームを反応容器に供給する工程;
b)上記反応容器に溶媒を含んでなる反応媒体中にハロゲン化シアンを含む第2供給ストリームを供給する工程;
c)上記反応容器に第3アミン-ハロゲン化水素塩、溶媒、不純物、マルチシアナートエステルおよびそれらの混合物より成る群から選ばれる少くとも一種の化合物を含んでなる循環ストリームを供給する工程;
d)第3アミン-ハロゲン化水素塩、溶媒および不純物より成る群から選ばれる少くとも一種の化合物、およびその第3アミン-ハロゲン化水素塩の重量を含めない反応生成物ストリームの総重量を基に約10パーセントから約40パーセントのマルチシアナートエステルを含んでなる反応生成物ストリームを生成させるのに十分な条件下で、上記の第1、第2および循環ストリームを上記反応容器中で反応させる工程;および
e)上記反応生成物ストリームの一部を除去して上記循環ストリームとその生成物ストリームとの容量比が約100:1から約25:1であるような循環ストリームを生成させる工程;
を含んでなる、上記の方法が提供される。
本発明のもう一つの態様は、マルチシアナートエステル、並びに副生成物、溶媒および不純物より成る群から選ばれる少くとも一種の化合物を含んでなる混合マルチシアナートエステル供給ストックからマルチシアナートエステルを抽出し、回収する方法にして、次の:
a)上記供給ストックを水ストリームによりクエンチングして上記マルチシアナートエステルを含んでなる有機相ストリームと水相ストリームを生成させる工程;
b)上記マルチシアナートエステルを含んでなる上記有機相ストリームを上記水相ストリームから分離する工程;および
c)上記有機相ストリームを水で洗滌して上記マルチシアナートエステルから上記の副生成物と不純物をさらに除去する工程;
を含んでなる、上記の方法に関する。
本発明のもう一つの態様は、第3アミン-ハロゲン化水素塩、水、並びにジエチルシアナミド、ハロゲン化シアンおよびアルキルハライドを含む不純物より成る群から選ばれる少くとも一種の成分を含んでなる混合水系供給ストックから水と混ざり合う溶媒を抽出し、回収する方法にして、次の:
上記混合水系供給ストックを、塔頂生成物ストリームの総重量を基に、トリアルキルアミン-ハロゲン化水素塩と不純物を実質的に含んでいない、少くとも95重量パーセントの、水と混ざり合う溶媒を含んでなる塔頂製品ストリームを生成させるのに十分な条件で運転されている蒸留塔の供給口に導入する工程
を含んでなる、上記の方法に関する。
本発明のもう一つの態様は、第3アミン;溶媒;ハロゲン化アルカリ;水;ジエチルシアナミド、ハロゲン化シアンおよびアルキルハライドをさらに含んでなる不純物;並びにそれらの混合物より成る群から選ばれる少くとも一つの成分を含んでなる混合水系供給ストックから第3アミンを抽出し、回収する方法にして、次の:
上記混合水系供給ストックを、塔頂生成物ストリームの総重量を基に、水と不純物を実質的に含んでいない、少くとも95重量パーセントの第3アミンを含んでなる塔頂生成物ストリームを製造するのに十分な条件で運転されている蒸留塔の塔頂入口に導入する工程
を含んでなる、上記の方法に関する。
本発明のもう一つの態様は、マルチシアナートエステルを製造する方法にして、次の:
a)溶媒、および第3アミンと次式:
(式中、
nは1或いは1より大きい正の整数であり;
qおよびrは各場合に同一若しくは異なり、そして各場合にqとrの和が3に等しいという条件で、0から3の整数であり;
oおよびpは各場合に同一若しくは異なり、そして各場合にoとpの和が4に等しいという条件で、0から4の整数であり;
-X-は二価の有機基であり;
Aは水素、塩素、臭素、1から10個の炭素を有するアルキル基、エポキシド基、1から10個の炭素を有するアルコキシ基、クレゾール-タイプの樹脂、およびそれらの混合物より成る群から選ばれ;そして
R3は各場合に同一若しくは異なり、そして得られる共重合体を完全に硬化させるのに必要な条件下で反応しない、水素以外の置換基である。)
のフェノール-ホルムアルデヒドオリゴマー若しくはその誘導体との付加物を含んでなる反応媒体からなる第1供給ストリームを反応容器に供給する工程;
b)上記反応容器に溶媒を含んでなる反応媒体中にハロゲン化シアンを含む第2供給ストリームを供給する工程;
c)上記反応容器に第3アミン-ハロゲン化水素塩、溶媒、不純物、マルチシアナートエステルおよびそれらの混合物より成る群から選ばれる少くとも一種の化合物を含んでなる循環ストリームを供給する工程;
d)第3アミン-ハロゲン化水素塩、溶媒および不純物より成る群から選ばれる少くとも一種の化合物、並びに上記第3アミン-ハロゲン化水素塩の重量を含めない反応生成物ストリームの総重量を基に約10パーセントから約40パーセントのマルチシアナートエステルを含んでなる反応生成物ストリームを生成させるのに十分な条件下で、上記の第1、第2および循環ストリームを上記反応容器中で反応させる工程;
e)上記反応生成物ストリームの一部を除去して上記循環ストリームとその生成物ストリームとの容量比が約100:1から約25:1であるような循環ストリームを生成させる工程;
f)上記反応生成物ストリームを塩単離および洗滌ゾーンに導入してその反応生成物ストリームを有機系ストリームと水系ストリームとに分離する工程にして、上記有機系ストリームが上記マルチシアナートエステル、並びに水、溶媒、不純物およびそれらの混合物より成る群から選ばれる少くとも一つの成分を含んでなり、そして上記水系ストリームが上記第3アミン・ハロゲン化水素塩、並びに水、溶媒、不純物およびそれらの混合物より成る群から選ばれる少くとも一つの成分を含んでなる上記の工程;
g)上記有機系ストリームを凝縮(devolatilization)ゾーンに導入してその有機系ストリームをマルチシアナートエステル・ストリームと凝縮ゾーン溶媒ストリームとに分離する工程;
h)上記凝縮ゾーン溶媒ストリームと上記の塩単離および洗滌ゾーンからの水系ストリームとを溶媒回収ゾーンに導入して溶媒回収ゾーン混合物を生成させる工程;
i)上記溶媒回収ゾーン中で、上記溶媒回収ゾーン混合物を溶媒回収ゾーン塔頂溶媒ストリームと、第3アミン-ハロゲン化水素塩、水、ジシアナミド、ハロゲン化シアンおよび他の有機化合物より成る群から選ばれる少くとも一つの成分を含んでなる溶媒回収ゾーン塔底ストリームとに分離する工程;
j)上記溶媒回収ゾーン塔底ストリームと塩基溶液ストリームを第3アミン回収ゾーンに導入して第3アミン回収ゾーン混合物を生成させる工程;および
k)上記第3アミン回収ゾーン中で、上記第3アミン回収ゾーン混合物から上記第3アミンを分離する工程;
を含んでなる、上記の方法に関する。
本発明のもう一つの態様は、マルチシアナートエステルを製造する方法にして、次の:
a)溶媒、および第3アミンと次式:
(式中、
nは1或いは1より大きい正の整数であり;
qおよびrは各場合に同一若しくは異なり、そして各場合にqとrの和が3に等しいという条件で、0から3の整数であり;
oおよびpは各場合に同一若しくは異なり、そして各場合にoとpの和が4に等しいという条件で、0から4の整数であり;
-X-は二価の有機基であり;
Aは水素、塩素、臭素、1から10個の炭素を有するアルキル基、エポキシド基、1から10個の炭素を有するアルコキシ基、クレゾール-タイプの樹脂およびそれらの混合物より成る群から選ばれ;そして
R3は各場合に同一若しくは異なり、そして得られる共重合体を完全に硬化させるのに必要な条件下で反応しない、水素以外の置換基である。)
のフェノール-ホルムアルデヒドオリゴマーまたはその誘導体との付加物を含んでなる反応媒体からなる第1供給ストリームを反応容器に供給する工程;
b)上記反応容器に溶媒を含んでなる反応媒体中にハロゲン化シアンを含む第2供給ストリームを供給する工程;
c)上記反応容器に第3アミン-ハロゲン化水素塩、溶媒、不純物、マルチシアナートエステルおよびそれらの混合物より成る群から選ばれる少くとも一種の化合物を含んでなる循環ストリームを供給する工程;
d)第3アミン-ハロゲン化水素塩、溶媒および不純物より成る群から選ばれる少くとも一種の化合物、並びに上記第3アミン-ハロゲン化水素塩の重量を含めないその反応生成物ストリームの総重量を基に約10パーセントから約40パーセントのマルチシアナートエステルを含んでなる反応生成物ストリームを生成させるのに十分な条件下で、上記の第1、第2および循環ストリームを上記反応容器中で反応させる工程;
e)上記反応生成物ストリームの一部を除去して上記循環ストリームとその生成物ストリームの容量比が約1:100から約1:25であるような循環ストリームを生成させる工程;
f)上記反応生成物ストリームを塩単離および洗滌ゾーンに導入してその反応生成物ストリームを有機系ストリームと水系ストリームとに分離する工程にして、上記有機系ストリームが上記マルチシアナートエステル、並びに水、溶媒、副生成物およびそれらの混合物より成る群から選ばれる少くとも一つの成分を含んでなり、そして上記水系ストリームが上記第3アミン・ハロゲン化水素塩、並びに水、溶媒、不純物およびそれらの混合物より成る群から選ばれる少くとも一つの成分を含んでなる上記工程;
g)上記有機系ストリームを凝縮ゾーンに導入して上記有機系ストリームをマルチシアナートエステル・ストリームと凝縮ゾーン溶媒ストリームとに分離する工程;
h)上記凝縮ゾーン溶媒ストリーム、上記の塩単離および洗滌ゾーンからの水系ストリーム、および塩基性溶液を含むストリームを第3アミン回収ゾーンに導入して第3アミン回収ゾーン混合物を生成させる工程;および
i)上記第3アミン回収ゾーン中で、上記第3アミン回収ゾーン混合物から上記第3アミンを分離する工程
を含んでなる、上記の方法に関する。
本発明の方法は、各成分が冷却装置に適合する速度で添加される半-回分式反応器か、または前冷却反応混合物が、反応試薬が注入された後での反応混合物の温度上昇を緩和する連続式バックミキシング式(back mixed)撹拌タンク反応器のいずれかの中で行われるので、反応中に放出される発熱エネルギーの量は常用の冷却装置で効率的に除去できる水準に抑えられ、反応混合物の温度上昇が最少限に抑えられる。反応器からの発熱エネルギーの効率的な除去およびその中で達成される強力な混合の両方が、それより製造されるマルチシアナートエステルの改善された安定性とゲル化時間にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
本発明は、以下の本発明の詳細な説明および添付した図面を参照することより完全に理解され、さらなる利点が明らかになるであろう:添付図面において、
図1は、水と混ざり合う溶媒を使用する本発明の一つの態様の系統模式図である。
図2は、水と混ざり合わない溶媒を使用する本発明の一つの態様の系統模式図である。
推奨される態様の説明
当てはまる場合、それぞれ本発明の全連続式或いは半-回分式方法の一つの態様を表す図1か図2を参考することにする。特に断らない限り、本明細書では、全ての基準は重量ベースによる。この明細書で説明される供給ストリームは全て、工程中に、次に続くそれぞれの容器若しくはゾーンに連続的に或いは断続的に導入することができる。さらに、本発明の方法は、ストリームの導入、排出および/またはストリームの量の調節に常用の装置を使用する。
図1と図2は、共に、1)次式:
(式中、
nは1或いは1より大きい正の整数であり;
qおよびrは各場合に同一若しくは異なり、そして各場合にqとrの和が3に等しいという条件で、0から3の整数であり;
oおよびpは各場合に同一若しくは異なり、そして各場合にoとpの和が4に等しいという条件で、0から4の整数であり;
-X-は、二価の有機基であり;
Aは水素、塩素、臭素、1から10個の炭素を有するアルキル基、エポキシド基、1から10個の炭素を有するアルコキシ基、クレゾール-タイプの樹脂およびそれらの混合物より成る群から選ばれ;そして
R3は各場合に同一若しくは異なり、そして得られる共重合体を完全に硬化させるのに必要な条件下で反応しない、水素以外の置換基である。)
を有するフェノール-ホルムアルデヒドオリゴマーまたはその誘導体(“オリゴマー類”)と、2)溶媒を含んでなる反応媒体中の第3アミンとの付加物若しくは第3アンモニウム塩を含んでなる第1供給ストリーム3が、反応容器に供給されることを示している。
溶媒を含んでなる反応媒体中にハロゲン化シアンを含む第2供給ストリーム12も反応装置ゾーン200の中の同じ反応容器に供給され、反応混合物を形成する。この反応混合物は、溶媒、トリアルキルアミン-ハロゲン化水素塩、並びにジエチルシアナミド、イミドカーボネート、約1から10個の炭素を有するアルキルハライド、フェニルシアナート、第3アミン、ハロゲン化シアンおよびそれらの混合物のような有機化合物より成る群から選ばれる少くとも一つの成分と共にマルチシアナートエステルを含んでなるストリームを生成させるのに十分な条件下で反応せしめられる。
その付加物を生成させるときに使用するのに適したオリゴマーのタイプは広い範囲で変えることができ、そして式1のオリゴマー類である。このオリゴマー中に含まれる単量体フェノールは、それがこの方法の反応工程中にハロゲン化シアンと反応して、そのエステル樹脂の硬化時に煙やその他の揮発物を生成する原因となる揮発性物質であるフェニルシアナートを生成する可能性があるので、最少限に抑えられるべきである。好ましくは、このオリゴマーは、オリゴマーの総重量を基に約5パーセント以下、より好ましくは約1パーセント以下の単量体フェノールを含んでいる。とりわけ好んで選ばれるオリゴマー中の単量体フェノールの量は、そのオリゴマーの総重量を基に約0.5パーセント以下である。
もう一つ別の態様では、このオリゴマーは、オリゴマー製品の粘度を下げるために、例えばノニルフェノールのような一官能性フェノール系化合物、レゾルシノール若しくはフェノールフタレインのような二官能性フェノール系化合物およびそれらの混合物と組み合わされる。
オリゴマーの分子量は広い範囲で変えられる。オリゴマーの好ましい数平均分子量は約200から約2000、より好ましくは約250から約1500の範囲である。約280から約750の数平均分子量を有するノボラック樹脂が最も好ましい。分子量分布と数平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフラン(“THF”)を用いるゲル浸透クロマトグラフィーのような、この技術分野で知られている常用の方法で測定することができる。
式1の構造において、R3は不活性な置換基である。適したR3基の代表例はハロゲン、トリハロメチル、アルキル、アルコキシ、フェニル基および同様の基のような不活性な置換基である。
適した-X-基の代表例は、メタンジイル(メチレン)、1,1-プロパンジイル(エチルメチレン)、3-エチル-1,1-ヘキサンジイル(2-エチルペンチルメチレン)、1,1-エタンジイル(エチルメチレン)、2-メチル-1,1-プロパンジイル(イソプロピルメチレン)、3-メチル-1,1-ブタンジイル(イソブチルメチレン)、1,1-ヘキサンジイル(ペンチルメチレン)、フェニルメタンジイル(フェニルメチレン)、(4-メトキシフェニル)メタンジイル(4-メトキシフェニルメチレン)および(2-フリル)-メタンジイル(フリルメチレン)およびそれらに類する物のようなアルカンジイル(アルキレン)基;1,3-ベンゼンジメチレン、1,4-ベンゼンジメチレン、ビス(1,4-フェニレン)メタン、2,2-ビス(1,4-フェニレン)プロパンのようなアリーレン含有基;並びにシクロヘキサンジイル(シクロヘキシレン)、シクロオクタンジイル(シクロオクチレン)、1,3-シクロヘキサンジメチレンおよびそれらに類する基のようなシクロアルカンジイル(シクロアルキレン)および関連の基である。
本発明の実施において使用するのに好ましいオリゴマーは、式1において-X-が-O-、-S-、-SO2-、-C(O)-、-OC(O)-、-C(O)O-、置換若しくは未置換メチレンまたは1,4-ベンゼンジメチレンであり、ここでその許容される置換基はハロゲン、アルキル或いはフリルであり;qとrが各場合同一若しくは異なり、そしてqとrの和が3であるという前提で、0から3の正の整数であり;R3がアルキルであり;nが1から約20の正の整数であり;そしてoとpが各場合同一若しくは異なり、そして各場合におけるoとpの和が4であるという前提で、0から4の正の整数である、式1のそれらオリゴマーの態様である。
好ましい態様の中でも特に好ましいオリゴマーは、上記の式1において、
-X-が-O-、-S-、-SO2-、-C(O)-、-OC(O)-、-C(O)O-、メチレン、約1から約10個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン若しくはフルフリルで置換されたメチレン、或いは1,4-ベンゼンジメチレン基であり;
R3がメチル若しくはエチル基であり;
oが0若しくは1であり;
pが0若しくは1であり;
nが1から約12であり;
qが0若しくは1であり;
rが1から3であり;そして
pが1から4である
式1のオリゴマーである。
最も好ましい態様のオリゴマーは、式1において
nが1から約8であり;
qが0であり;
oが0であり;そして
Xが次式:-CF2-、
-SO2-、-C(O)-、-OC(O)-、-C(O)O-、-S-、-O-であり;
rが3であり;そして
pが4である
式1のオリゴマーであり、そして特に好んで選ばれるものは、上記においてXが-CF2-または
であるオリゴマーである。
本発明の方法では任意のタイプの第3アミンが使用できる。有用な第3アミンの代表例はトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、ジメチル-n-ブチルアミン、ジメチル-sec-ブチルアミン、N-メチルピロリジン、ピリジンおよび同様のアミンである。好ましいい第3アミンは各アルキル基中に約1から約10個の炭素原子を有するトリアルキルアミンであり、そして最も好ましいトリアルキルアミンはトリエチルアミン(“TEA”)である。
第3アミンはオリゴマーと希望の付加物を生成させるのに十分な量で反応せしめられる。一般に、アミン反応成分の量は、フェノール樹脂の量に対し少くとも当量若しくは実質的に当量であるか、または過剰なアミン反応成分が用いられる。このアミンの当量とは、オリゴマーのヒドロキシ置換基の全部若しくは実質的に全部と反応するのに十分な量である。アミン反応成分の量の上限は限定的でなく、主として経済的要因と反応生成物の精製時の過剰なアミンの除去の困難さに依存する。本発明の好ましい態様では、アミンの量は、オリゴマの当量とアミンの当量の比が約1:1から約1:1.2となるそのような量である。これらの特に好ましい態様の中で、最も好ましいのは、アミンの量がオリゴマーの当量とアミンの当量の比が1:1.005から約1:1.1となるそのような量である本発明の態様であり、とりわけ好んで選ばれるのは当量比が約1:1.04の態様である。
オリゴマーと第3アミンとを含む付加物若しくは第3アンモニウム塩はこの技術分野で周知のいかなる方法によっても合成することができる。例えば、本明細書で引用、参照するものとされる二つの特許、即ち米国特許第5,137,989号および同第5,124,414号明細書を参照されたい。本発明で使用される付加物若しくは第3アンモニウム塩は、その化学種、即ち(オリゴマー)n・第3アミンによって、またはオリゴマーの重量+第3アミンの重量によって規定することができる。
本発明の実施に際して用いるのに適したハロゲン化シアンは塩化シアンおよび臭化シアンで、最も好ましいものは塩化シアンである。
本発明の方法の第1工程で用いるのに適した溶媒には、水と混ざり合う溶媒、水と混ざり合わない溶媒およびそれらの混合物がある。適した水と混ざり合う溶媒に、THF、グライム、ジオキシン、ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトンおよび同様の溶媒並びにそれらの混合物がある。
適した水と混ざり合わない溶媒の例に、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリルおよびそれらに類する物のような脂肪族ニトリル;ニトロベンゼン、ニトロエタン、ニトロメタン、1-ニトロプロパン、2-ニトロプロパンおよびそれらに類する物のようなニトロ置換芳香族および脂肪族化合物;クロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、クロロホルム、ブロモエタン、クロロエタン、ペンタクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、ブロモメタン、ジクロロメタンおよびそれらに類する物のようなハロゲン置換芳香族および脂肪族化合物;二硫化炭素およびジメチルスルフィドのような各種スルフィドおよびジスルフィド;シクロヘキサノン、塩化メチレン、アルコキシ基中に約1から約10個、好ましくは約1から約4個の炭素原子を有するアルキルアセテート、メチルイソブチルケトンおよびそれらに類する物並びにそれらの混合物がある。本明細書で用いられる“水と混ざり合わない溶媒”とは、水中の溶解度が約10パーセント若しくはそれ以下の溶媒のことである。
水と混ざり合う溶媒と水と混ざり合わない溶媒との適した混合物の例に、トルエンとイソプロパノール、酢酸ブチルとTHF、および塩化メチレンとアセトンがある。
好ましい溶媒に含まれるものは、ヒルデブランド(Hildebrand)単位(H)が約8.0若しくはそれ以上の溶解度パラメーターを有する上述の溶媒である。一つの好ましい態様では、約9.0Hより大きく、約13Hより小さい溶解度パラメーターを有する均質な溶媒が用いることができる。
特に好ましい溶媒に含まれるものは、THFのような水と混ざり合う溶媒、および塩化メチレンのような臭素および塩素置換脂肪族化合物であり、これら両タイプの溶媒はマルチシアナートエステル樹脂の溶解度パラメーターと大体等しい溶解度パラメーターを有する。
THFが最も好ましい溶媒であるが、その一つの理由は、この溶媒が高分子量のオリゴマーから作られる付加物とシアナートエステルとを共に溶解する能力を有していることである。ただし、塩化メチレン単独では高い分子量を有する全てのオリゴマーを溶解しないが、塩化メチレンとトリアルキルアミンとの間で生成する錯体は、予想に反して、全てのオリゴマーを溶解する能力がある。米国特許第5,137,989号明細書を参照されたい。
本発明の方法の一つの態様で、オリゴマーと第3アミンは個々のストリームとして反応装置ゾーンに導入される。一つの好ましい態様では、最初にオリゴマーと第3アミンとの付加物が作られ、次いでその付加物が一つの供給ストリームとして反応装置ゾーンに供給される。オリゴマー-第3アミン付加物を回分式で合成すれば、反応の化学量論比をより厳密に制御することが可能となるが、このことの重要性は、第3アミンが単に約2モルパーセント以上の量過剰で存在するだけでジエチルシアナミドの生成が促進されるという事実で例証される。さらに、ハロゲン化シアンと付加物とのシアン化反応の速度は、フェノール樹脂と第3アミンの個々のストリームそれぞれとハロゲン化シアンとの反応の速度より大きい。付加物を調製すると、反応器が冷却されなければならない体積と反応時間を、従ってそのような冷却を維持するのに要するエネルギー費用が最小限に抑えられるだけでなく、第3アミンがハロゲン化シアンと反応して既知のフォン・ブラウン(Von Braun)中間体を生成させ得る時間も短くなる。この中間体は、ジエチルシアナミドと塩化エチルとにより分解し易く、オリゴマーとの反応に逆らうことになる。
反応試薬の相対量は広い範囲で変えることができるが、それは一般に希望されるシアン化の程度に依存する。一般に、希望されるシアン化度が大きければ大きい程、付加物に対するハロゲン化シアンの当量比はより大きくなり、そして逆も正しい。本発明により不純物の生成を最少に抑えながら付加物とハロゲン化シアンとの反応を行うには、反応器ゾーンに装填される供給ストック中に存在する第3アミンとオリゴマーの繰返単位とのモル比は、一般に、約1.005:1から約1.1:1、好ましくは約1.01:1から約1.05:1、より好ましくは約1.02:1から約1.04:1の範囲であり、そして反応装置ゾーンに投入される供給ストック中に存在するハロゲン化シアンとオリゴマーの繰返単位とのモル比は、一般に、約1.02:1から約1.15:1、好ましくは約1.05:1から約1.10:1、より好ましくは約1.06:1から約1.09:1の範囲である。第3アミンおよびハロゲン化シアンのモル過剰量は、秤量および測定用装置の精度を考慮した上で、できるだけ小さくすべきである。
反応装置ゾーン内の容器中に濃度勾配が生成するのを避けるために反応試薬の十分な稀釈が行えるようにするために、その溶媒を分割してその約50から約100パーセント、より好ましくは約65から約70パーセントを付加物含有供給ストック中の付加物を溶かすのに使用し、そして残りをハロゲン化シアン含有供給ストック中のハロゲン化シアン溶かすのに使用するのが好ましい。一つの好ましい態様では、反応装置ゾーンに投入される溶媒の総量は、その反応装置ゾーンを出る反応ストリームの総重量(但しその中に含まれる全ての第3アミン−ハロゲン化水素塩の重量を除く)を基にして、反応装置ゾーンを出る反応ストリーム中の最終マルチシアナートエステル濃度が約10から約40パーセント、好ましくは約15から30パーセント、より好ましくは約20から25パーセントになるようにされるべきである。
一つの好ましい態様では、溶液になっているその付加物は、約21から約51パーセント、好ましくは約38から約41パーセントの付加物を含む供給ストリーム3として反応装置ゾーン200内の反応器に装填される。選んだハロゲン化シアンが臭化シアンである一つの態様では、溶液になっているハロゲン化シアンが、供給ストリーム12の総重量を基に約21から約51パーセント、好ましくは約40から約42パーセントのハロゲン化シアンを含む供給ストリーム12として、反応装置ゾーン200に装填される。塩化化シアンがとりわけ好んで選ばれるハロゲン化シアンであるもう一つの態様では、供給ストリーム12は、その供給ストリーム12の総重量を基に、約13から約100パーセント、好ましくは約27から約30パーセントのハロゲン化シアンを含んでいる。特に断らない限り、個々のゾーンに導入される多重ストリームは、個々のゾーン内に含まれる“ベッセル(vessel)”として機能する容器若しくはパイプ容器(pipe volumes)の前で、その流動ストリームの中に所在する常用の混合装置で混合されてもよいし、または、その代わりに、その多重ストリームは容器若しくはパイプ容器に独立に導入され、それらの中で一緒にされてもよい。本明細書全体を通じて用いられる“ベッセル”という用語には、全て、常用の容器、さらにまた“ベッセル”、即ちパイプ・ループ反応器として機能するパイプ容器が含まれる。本明細書で引用、参照するものとされるレーベンスピール(Levenspiel)著・化学反応工学(Chemical Reaction Engineering)144〜49頁(第2版、1962年)を参照されたい。
好ましくは、反応装置ゾーン200内の多重ストリームは、非常に強力な混合装置中で、より好ましくはその反応器ベッセル内で混合される。そのシアン化反応は所定の反応成分と溶媒の存在下で殆ど瞬間的に起きるという事実を考慮し、そしてその結果生じる高い温度を最低に抑えるために、その反応装置ゾーン200内の多重ストリームはその反応器ベッセルおよび/またはパイプ容器の外で一緒にされないのが好ましく、またそれに対して常用の冷却装置を適用しないのが好ましい。
反応装置ゾーン200は、本発明の付加物とハロゲン化シアンとの反応のように強い発熱反応で迅速に進む反応にとって有利な、直列で配列された一つまたはそれ以上のループ・反応器ベッセルを含んでいることができる。これは、ループ反応器は、その反応器ベッセル内の熱勾配と濃度勾配を最小にするために、循環ポンプか高強力パイプライン混合器のいずれかの中での急速な混合と、高い熱伝達速度が組み合わされるからである。
本発明の方法に適したループ反応器内の滞留時間は約10から約25分である。一つの好ましい態様によれば、直列に繋がれた二つのループ反応器、若しくは約10分から約25分の滞留時間を提供できるパイプライン或いは多段撹拌反応器のような装置と直列に繋がれた第1ループ反応器が用いられる。
このループ反応器は長い管状容器若しくは一組のそのような容器と、反応生成物ストリームの一部を循環する配管装置から成ることができる。本発明の好ましい態様では、反応混合物の混合の程度を変えるための撹拌装置を使用することもできる。振動(vibration)、振とう、撹拌、せん断、回転、振動(oscillation)、超音波振動または類似の方法による混合が、考れられるかき混ぜ装置のタイプの全ての例である。ポンプ・インペラー(pump impellers)またはアジテーター・ブレイド(agitator blades)のような機械的せん断装置が推奨される。このような装置は入手可能で、この技術分野の習熟者には良く知られている。一つの好ましい態様で、ストリーム3、12は、反応器ベッセル若しくは同等のパイピング容器に入る前に十分な混合を得るために、遠心ポンプのようなかき混ぜ装置中で混合される。遠心ポンプも反応装置ゾーンのループ反応器内に所在する冷却用熱交換器を通して反応混合物を動かすのに役立つ。
最初のループ反応器に流入する一つ或いは複数のストリームは、反応器1リットル当たり少くとも約0.0013kW[0.007HP/反応器1ガロン(0.005kW/反応器1ガロン)]の実入動力で運転されるそのような撹拌装置を用いて、約5000以上のパイプ流動レイノズル数に対応する乱流度を付与するように混合することができる。より大きい乱流度、即ち約100,000或いはそれ以上のパイプ流動レイノズル数に対応する乱流度を提供するために、約0.342kW/反応器1リットル[1.3HP/反応器1ガロン(1kW/ガロン)]の実入馬力で運転される撹拌装置を用いて反応混合物を撹拌しても、有効ではあるが追加の利点はない。本明細書で引用、参照するものとされる米国特許第3,338,965号明細書を参照されたい。
一つの好ましい態様では、本発明のループ反応器は、熱交換器中に少くとも約5,000から約30,000、そして毎分少くとも約4から約10回のシステム反転を有する循環配管中に約50,000から約250,000のレイノズル数で表される乱れ率を有する、約0.01から約0.029kW/1リットル[0.05から約0.15HP/反応器1ガロン(0.037から約0.112kW/ガロン)]の実入動力循環ポンプを使用する。好ましくは、その乱れ率は、反応容器を冷却するのに用いられる熱交換器中で約12,000から約20,000、そしてその配管については約100,000から約200,000の範囲である。好ましくは、そのシステム逆転数は第1ループ反応器で約4から約8回、そして第2ループ反応器で約7から約10回の範囲である。
本発明で用いられる装置は、その中に含まれる成分に対し不活性な材料で構成されるべきであり、そしてそのような装置の製作は反応の温度と圧力に耐えることができるようにすべきである。さらに具体的には、シアン化反応が行われるループ反応器、さらにまたマルチシアナートエステル、その精製原材料および/または溶媒を含む任意の他のパイプおよび/または容器は、ステンレス鋼、シアナートエステル樹脂で被覆した炭素鋼、ガラス、ポリテトラフルオロエチレン[デュポン社(DuPont)から“テフロン(Teflon)”という商標名で入手できる]およびポリフェニレンスルフィドのようなプラスチック、並びにインターナショナル・ニッケル社(International Nickel Corporation)から“インコネル(Inconel)”という商標名で入手できる“ハスアロイ(Hasalloy)”合金のようなニッケル系合金およびそれらに類する材料のような耐腐食性材料で造られるのが好ましい。ストリッピング操作または廃棄物処理が予定される他の溶液が、上記材料の任意の物から造られたパイプおよび容器に入れられることがあるが、溶媒回収ゾーン500および第3アミン・ストリッピングゾーン700の両方の中のパイプおよび容器は、その中に沸騰塩水が含まれ、存在するので、ニッケル系合金材料から造られるのが好ましい。
付加物を含む供給ストリーム3および/またはハロゲン化シアンを含む供給ストリーム12の温度は限定的ではないが、両ストリームは、一般に、反応装置ゾーン200に入ったときに約−20℃と約30℃の範囲の温度、好ましくは約20℃であり、また圧力は345kPaから690kPa(約50から約100psig)である。好ましい態様では、第1ループ反応器を出る反応生成物ストリームは、約−20℃と約−5℃の範囲、好ましくは約−10℃から−8℃の範囲の温度になり、それが第2ループ反応器に装填されるであろう。
そのループ反応器中でシアン化反応が起きる温度は限定的ではないが、第1ループ反応器中では約−5℃或いはそれ以下でなければならない。その反応の98パーセントが完了した後、第1ループ反応器の温度はその反応が完了するまでに約5℃から10℃に上昇してもよい。この温度はそのループ反応器全体にわたって大体均一、即ち約±1℃から約±3℃の変動に保たれる。反応容器内の温度が上がると、カルバメート類およびシアナミド類のような生成不純物の量も増加する。この方法で用いられる第1ループ反応器が運転される温度は、一般に、約−15℃から約−5℃まで、好ましくは約−11℃から−10℃までである。好ましい態様では、第1ループ反応器は約−9.5℃から約−10.5℃の範囲の温度で運転され、そして第2ループ反応器は約0℃から約10℃、好ましくは約4.8℃から約5.2℃の範囲の温度で運転される。
第1ループ反応器の第1反応パイプ内の混合物の温度は、第1反応パイプに連結された熱交換器によって与えられる外部冷却によって冷却される。第1混合物の温度を前述の範囲に維持することができる任意の常用の熱交換器が適している。第1ループ反応器を冷却するのに好ましい方法は、この第1ループ反応器の熱交換器を取り囲む外面の回りに約−50℃から約−15℃の温度の常用の冷媒の連続流を供給し、そして循環される冷媒を圧縮し、凝縮させる常用の冷却装置による方法である。一つの態様では、中央冷凍源からエチレングリコール若しくはブラインのような液状冷媒が供給される。もう一つの好ましい態様では、この冷却装置は凝縮ゾーン400内の蒸留塔に用いられる凝縮器用の低温冷却媒体も供給する。
反応ゾーン内のループ反応器での反応圧力は一般的には限定的でない。しかし気体のメチルアミンを用いる場合、圧力はそのアミンを溶液として保持して置くのに十分なものでなければならない。便利なので、反応は普通大気圧で行われるが、そのループ反応器内で用いられる配管内の圧力降下により反応混合物の一部が約138kPaゲージから約276kPaゲージ(約20から約40psig)になることがある。
反応時間はかなりの範囲で変えることができ、それは撹拌の程度、温度、反応成分の性質と比率などのような因子に依存する。反応は希望量のシアン化度を提供するのに十分な時間行われる。反応時間、即ち滞留時間は、一般に、第1ループ反応器で約5から約30分、好ましくは約15から約20分、そして第2ループ反応器で約5から約25分、好ましくは約10から約15分である。
ループ反応器を出るストリームの一部は生成物ストリームとして抜き取られ、一方その残りは付加物供給ストリーム、ハロゲン化シアン供給ストリーム、若しくは第1反応器内或いは外に所在する両供給ストリームの混合物のどれかに循環され、戻される。好ましい態様では、その循環ストリームは、ハロゲン化シアン供給ストリームおよび付加物供給ストリームと共に、常用の遠心ポンプ、タービン撹拌機或いは静的混合機のような高せん断機械的混合装置、若しくは機械的混合装置と連結されている遠心ポンプ、さらに好ましくは循環ストリームと付加物供給ストリームおよびハロゲン化シアン供給ストリームとの混合を誘起する遠心ポンプのような混合装置に送り込まれる。かくして、このポンプの一つの機能は、これらのストリームがループ反応器に装填される時そのストリームを前混合若しくは稀釈することである。もう一つの利点は、二つの供給ストリームと冷たい循環ストリームとの混合によりその混合物の全体の温度を下げることで、このことは副生成物生成の可能性を減らすだけでなく、続くループ反応器を低温に保つのに要するエネルギー出力も減らす。さらに、このポンプは、濃度勾配の生成を防ぐために反応物の循環を誘起することである。さらに好ましい態様では、循環ストリームは循環ポンプの中心、即ち“目”に送り込まれる。
二つのループ反応器を用いる好ましい態様では、第2ループ反応器を出るストリームの一部が生成物ストリームとして抜き取られ、一方その残りは、1)第1反応生成物ストリームそれ自身;2)その第1生成物ストリームが第2ループ反応器に入る前に、その流動ストリーム中に所在する混合装置;または3)第2ループ反応器のいずれかに、好ましくは第2ループ反応器に再循環されて、戻される。
反応装置ゾーン200に再循環される反応生成物ストリームの量と質はかなり変わってもよく、それは反応成分の性質と比率、撹拌の程度、温度などのような因子に依存する。好ましくは、ループ反応器を出る反応生成物ストリームの割合は、循環ストリームと出てくる生成物ストリームとの体積比が約100:1から約25:1、より好ましくは約100:1となるそのような割合である。
反応生成物ストリームは、第3アミン-ハロゲン化水素塩の重量を含まない反応ストリームの総重量を基に約10から約40パーセント、好ましくは約15から約30パーセントのマルチシアナートエステル、および溶媒;第3アミン-ハロゲン化水素塩;ジシアナミド、即ちジエチルシアナミド、カーボネート、即ちイミドカーボネート、ハロゲン化シアン、即ち臭化シアンおよび塩化シアン、および他の有機物、即ちアルキルハライド(そのアルキル基は約1から約4個の炭素を有し、そしてハロゲンは臭素または塩素である)、フェニルシアナート、第3アミドおよびそれらの混合物のような不純物より成る群から選ばれる少くとも一つの成分を含んでなることができる。この技術分野の普通の習熟者なら、マルチシアナートエステルの転化率を、第1反応器ループの後で少くとも99パーセント、そして第2反応器ループ若しくは他の滞留時間提供装置の後で約99.5から約99.99パーセントに到達させるために反応条件を最適にすることは容易にできるであろう。
本発明の方法の第2工程は、塩単離および洗滌ゾーン300でマルチシアナートエステルを第3アミン-ハロゲン化水素塩から分離することからなる。少量の第3アミン-ハロゲン化水素塩は、マルチシアナートエステルに溶解するが、それは、そのエステルに適切なゲル化時間を保つためには、100万部当たり約1000部(“ppm”)以下、好ましくは約500ppm以下にまで除去されなければならないと考えられる。これは、第3アミン-ハロゲン化水素塩は加熱すると第3アミンとハロゲン化水素酸に分解し、そしてそれにより生成する第3アミンは、都合の悪いことに、樹脂のゲル化時間を短くするトリアジンの生成反応の強力な触媒であるからである。さらに、その工程の下流で、後に除去されるべき量を最少にするために、ストリーム13中に存在するジシアナミドのできるだけ多い量を塩の単離および洗滌ゾーン300で除去すべきである。ジシアナミドそれ自身はマルチシアナートエステルのゲル化時間に影響しないからであるが、それは後での処理を困難にすると考えられる。
一つの態様では、反応生成物ストリーム13は、マルチシアナートエステル溶液から第3アミン-ハロゲン化水素塩を除去するために、塩単離ゾーン300内で濾過される。溶媒に溶けたマルチシアナートエステルを含むその濾液は、真空濾過または遠心分離のような液体から固体を分離するこの技術分野で知られている常用の方法によりフィルタ・ケーキから除去することができる。残ったフィルター・ケーキは幾らかのマルチシアナートエステル、溶媒および可溶性不純物を含んでいる。フィルター・ケーキ中に含まれている全てのマルチシアナートエステルは、全体を本明細書に引用、参照するものとされるペリー(Perry)およびチルトン(Chilton)著・化学技術者用ハンドブック(Chemical Engineer´s Handbook)中の、19.77-19.78、19.80-19.81および19.47(第5版、1973年)[“ペリーの(Perry´s)”]に記載されているような、新鮮な溶媒による洗滌および再濾過などの、良く知られている方法により除去される。この反応混合物からの最初の濾液と洗滌液は次いで一緒に合わされて、常用の方法により塩単離ゾーンから取り出される。
もう一つの態様では、反応装置ゾーンから出る反応ストリーム13は、塩単離および洗滌ゾーン300中で、より好ましくはその中に所在する常用の混合装置中で水ストリーム20でクエンチ(quennch)されて二つの相を生成させることができる。即ち、一方の相は溶媒中にマルチシアナートエステルとジシアナミドを含んでなり、そして他方の水相は第3アミン-ハロゲン化水素塩と、水と混ざり合う溶媒、水、不純物、有機物およびそれらの混合物より成る群から選ばれる少くとも一つの成分を含んでなる。溶媒が水と混ざり合わない溶媒、より好ましくは塩化メチレンであるもう一つの態様では、単に痕跡量の溶媒およびジシアナミドが水相中に現れ、そしてその分離は、マルチシアナートエステルと溶媒の相と水相の比重に相分離を可能にするのに十分な差があれば、比較的簡単である。
クエンチング後、得られるマルチシアナートエステルを含むストリームは、水ストリームで二回洗滌されるのが好ましい。追加の水ストリームを、各洗滌工程毎に与えることもできるし、或いは、好ましくは、一つの水ストリームをポンプ、流量計および類似の装置のような常用の計量装置を用いて幾つかの部分に分け、クエンチストリーム13用だけでなく、後続の洗液とすることもできる。
本明細書で用いられる“クエンチング(quenching)”とは、反応ストリーム13の中に残っている第3アミン-ハロゲン化水素塩の固体を溶かすために、さらにまたハロゲン化シアンとマルチシアナートエステルとの更なる反応を排除するために、十分な量の水を反応ストリーム13と混ぜ合わせることを意味する。本明細書で用いられる“洗滌”とは、マルチシアナートエステルの大部分を含むクエンチング後のストリームと十分な量の水とを混ぜ合わせることを意味する。
第3アミン-ハロゲン化水素塩の固体を溶液中に留どめ、そして水系塩溶液相とマルチシアナートエステル溶液相の間に適切な比重差を保つために、クエンチングの間に水と溶媒との比を制御しなければならない。水と混ざり合う溶媒、より好ましくはTHFを使用する望ましい態様では、約1:1、より好ましくは約4:1の反応成分スラリーと水との重量比で水ストリームを反応ストリーム13と混ぜ合わせる。この水の量は、そのハロゲン化水素塩を十分溶解して濃厚な塩水溶液を与え、1)その塩水溶液相中へのマルチシアナートエステルの溶解を最少限に抑え;2)塩水溶液相とマルチシアナートエステル溶液相との間に大きい密度差を与えて迅速で綺麗な分離を促進し、そして3)ジシアナミドを生成させる、過剰の第3アミンとハロゲン化シアンとの副反応を抑える量であると考えられる。さらに、マルチシアナートエステル溶液に対し使用する水の比を小さくすると、1)第3アミン回収ゾーン800中で水酸化ナトリウムのような苛性アルカリで引き続き中和する時に濃厚なハロゲン化アルカリの溶液が得られ;そして2)その塩水溶液相への第3アミン/溶媒の溶解度が最小限に抑えられ、それによって溶媒回収ゾーン500に所在するストリッピング塔中で廃水から除去されなければならない有機物の量が減少する。
水と混ざり合う溶媒が用いられる一つの好ましい態様では、クエンチング中に溶媒の一部がストリーム13から塩の水溶液に移行し、これは、有利なことに、そのクエンチを出るストリームの中のマルチシアナートエステルの濃度を、好ましくは約25パーセントまで高める。引き続いて行われるマルチシアナートエステルを含むストリームの洗滌中に、その中に含まれた溶媒が洗滌水に移行する。その結果、続いての凝縮ゾーン400内のエステル回収装置での蒸発負荷が減少する。
水と混ざり合わない溶媒が用いられる態様では、水はマルチシアナートエステルを含む反応ストリームに対して交流で流れるのが好ましい。水とマルチシアナートエステルを含む溶液との体積比は、一般に、約2:1から約0.25:1、好ましくは約0.25:1から約0.35:1の範囲である。水と混ざり合わない溶媒を用いることに関連する1つの不都合な点は、そのエステルと溶媒が一つのストリームの中に一緒に残り、且つその溶媒が水に溶けないために、交流で接触する装置を出るエステル溶液が、その中で用いられる溶媒を引き続いて除去することによっても濃縮されないことである。かくして、エステルを含むストリームからジシアナミドを除去する効率も、その水と混ざり合わない溶媒の水への不溶性のために低下する。
反応装置ゾーンからの反応ストリームがクエンチング水と混合された後、得られる混合物は、次に、塩単離および洗滌ゾーン300中の常用の分離装置で分離される。クエンチング工程および洗滌工程時の温度は限定的ではないが、それらの工程中に達成される温度は、マルチシアナートエステルの加水分解を防ぐために約15℃以上に上がらないことが好ましい。好ましくは、この温度は約5℃から約20℃、より好ましくは約5℃から約10℃の範囲で変えることができる。ゾーン300の混合機-分離機中でのこの混合物の滞留時間は、約10から約40分、好ましくは約23から約26分の範囲で変えることができる。
クエンチングと分離の後、そのマルチシアナートエステル溶液は次いで水ストリームで洗滌される。水と混ざり合う溶媒が用いられる本発明の好ましい態様では、塩単離および洗滌ゾーン300は、そのエステルをさらに濃縮するために、そしてマルチシアナートエステルを含むストリーム中に残っているジシアナミドおよび第3アミン・ハロゲン化水素塩をさらにより多く除去するために、直列で配列された複数の常用の混合機-分離機を含んでいる。本発明のより好ましい態様では、約3から約5台の混合機-分離機が用いられ、そして最も好ましくは約3台を用いて、そのマルチシアナートエステル溶液を、好ましくは約2回から約4回、より好ましくは約2回洗滌する。その水ストリーム20の一部を用いて、エステル:水の比が約1:5から約1:1、好ましくは約1:4で、それぞれの分離装置から出てくるマルチシアナートエステルを含むストリームを、マルチシアナートエステルを含むそれぞれのストリームの各々が、次の各混合機-分離機に導入される前に洗滌する。混合機-分離装置を用いる処理はこの技術分野で良く知られているが、その詳細はペリーの21-13に説明されている。
THFが溶媒として用いられ、そしてマルチシアナートエステル溶液が、各クエンチまたは新鮮な水による洗滌を行う時、約4:1の比の水でクエンチされ、次いで洗滌される好ましい態様では、そのマルチシアナートエステル溶液から、それに適用したクエンチ/洗滌毎にジシアナミドの約25から約30パーセントを除去することができる。より好ましい態様では、THF溶媒は、水系層(溶媒含有相)の総重量基準で、クエンチング後で約20から約25パーセント、クエンチングと一回の洗滌後で約30から約34パーセント、クエンチングと二回の洗滌後で約38から約42パーセントの量で存在する。このような濃度でTHFを使用することにより、その水溶液の抽出能力は抽出剤として水だけを使用した場合より向上する。
塩化メチレンのような水と混ざり合わない溶媒が用いられるもう一つ別の態様では、常用の連結混合機-沈降機(connected mixer settlers)、充填カラム、および回転板接触機、またはヨーク・シーベル社(York-Schiebel)から入手できる機械的接触機によるような、交流分離を行うための装置は、同じように直列で配列させることができ、そしてクエンチングと洗滌には、同様の量の水が用い得る。このような良く知られた交流式分離装置を用いる処理については、例えばペリーの21-7、21-14、21-19、21-24および21-26に説明されている。
塩単離および洗滌ゾーン300の各分離機/機械的接触機を出る、第3アミン-ハロゲン化水素塩含有ストリーム22の量と性質は、分離機/機械的接触機内の滞留時間と温度に依存して変化する。これらストリーム22はこれを一緒にしてもよいし、および/または水と混ざり合う溶媒を用いる態様では、後に続く溶媒回収のために、また水と混ざり合わない溶媒を用いる態様では、後に続く中和工程のために、常用の貯蔵タンクに貯蔵してもよい。
塩単離および洗滌ゾーン300の最終分離機/接触機を出る有機マルチシアナートエステル含有ストリーム21の量と性質も、各分離機/接触機内の滞留時間と温度、さらにまた使用され分離機/接触機の数に依存して変化することができる。普通、ストリーム21は、ストリーム21の総重量を基に少くとも約35パーセント、好ましくは少くとも約40パーセント、より好ましくは少くとも50パーセントの量のマルチシアナートエステル;およびストリーム21中のエステルの総重量を基に約10000ppm以下、好ましくは約6000ppm以下のジシアナミド、約1000ppm以下、好ましいくは約500ppm以下の第3ハロゲン化物および約9500ppm以下のハロゲン化シアンを含んでいる。ストリーム21は、後の凝縮のために常用の貯蔵タンクに導入してもよいし、或いは凝縮ゾーン400に直接導入してもよい。
この方法の第3工程では、塩単離ゾーン300からの塔頂ストリーム21は、マルチシアナートエステルを含むストリームから残留溶媒を除去するために、一基或いはそれ以上の蒸発器と一基またはそれ以上の凝縮器を含んでなる凝縮ゾーン400に供給される。
適した凝縮装置はこの技術分野で良く知られており、それには外部ポンプと熱交換器を備えた蒸発器、好ましくはルワ社(Luwa Co.)から入手できる、薄膜・表面ワイピング式蒸発器(thin film wiped surface evaporator)がある。例えば、そのような装置はペリーの10-34に説明されている。この薄膜・表面ワイピング式蒸発器はそのエステルが高温に曝される時間を最小にし、それによりその熱分解の可能性を最低に抑えるのが好ましい。単一の凝縮装置または直列で配列された複数の凝縮装置を用いることができる。本発明の好ましい態様では、約1から約3基、好ましくは約2基の凝縮装置がゾーン400中で用いられる。
凝縮ゾーン400内に所在する第1蒸発装置の熱所要量を減らすために、塩単離および洗滌ゾーン300からの排出ストリーム21は、第1蒸発装置に入る前に、常用の熱交換器により約75℃から約100℃、好ましくは約78℃から約82℃の温度に予備加熱されるのが好ましい。
本発明の好ましい態様では、溶媒は凝縮ゾーン400内に直列で配置されている二基の凝縮装置を用いて行うような、二段凝縮法で除去される。第2蒸発器の溶媒蒸発負荷を上げると、それにつれて最終マルチシアナートエステル製品中のジシアナミドの量が減少する。蒸発負担率は、第1蒸発装置に約80から約95パーセント、そして第2蒸発装置に約20から約5パーセントに分けられるのが好ましい。より好ましい態様では、蒸発負担率は、第1蒸発装置に約80から約85パーセント、そして第2蒸発装置に約20から約15パーセントに分けられる。この蒸発負担率をそのように分けるのが好ましいのは、1)溶媒の大半を大体大気圧或いは低減圧度、即ち約0.5気圧で除去できるようにするため;2)冷却水での溶媒蒸気の凝縮を室温で可能にするようにするため;および3)高真空下での操業に関連する問題、即ち第1凝縮装置への空気の漏れを最少限に抑えるためである。蒸発負担率は、第1凝縮装置がその第1凝縮装置を出るストリームの総重量に対して約5から約20パーセント、より好ましくは約15から約20パーセントの溶媒を含んでなるマルチシアナートエステル-含有ストリームを排出するように設定されるのが好ましい。
本発明の好ましい態様では、凝縮ゾーン400は、第1凝縮装置を出る塔底ストリームがその第1凝縮装置を出るストリームの総重量を基に約15から約25パーセント、より好ましくは約18から約20パーセントの溶媒濃度を有するように設計されるが、これはその第1凝縮装置で低い温度が使用でき、同時に約0.05Pa・s(50cp)から約0.10Pa・s(100cp)、好ましくは約0.075Pa・s(75cp)から約0.085Pa・s(85cp)の範囲であることができる高分子量マルチシアナートエステル溶液の粘度を下げることができるようにするため;そして水と混ざり合わない溶媒が用いられる態様では、第2凝縮装置を出るマルチシアナートエステル含有最終生成物ストリーム30中のジシアナミドの含有量を減らすためである。このストリーム30中のジシアナミドの含有量は、第2凝縮装置中に存在する溶媒がその中の高沸点ジシアナミドを効率良く伴出するので、低下する。
凝縮ゾーン400中に所在する凝縮装置内の蒸発温度は、普通、約100℃から約135℃、好ましくは約115℃から約120℃の範囲である。塔底温度は普通、約100℃から約135℃、好ましくは約115℃から約120℃の範囲である。シアナートエステルがそのような温度に曝される接触時間は約1から約6分、好ましくは約2.5から約3分である。
第2凝縮装置内の圧力は、一般に、約533Pa絶対(4mmHg絶対)から約1066Pa絶対(10mmHg絶対)の範囲である。好ましい態様では、第1凝縮装置内の圧力は約51kPa絶対(0.5気圧)から約132kPa絶対(1.3気圧)、好ましくは約101kPa絶対(1気圧)であり、そして第2凝縮装置内の圧力は約400Pa絶対(3mmHg絶対)から約1330Pa絶対(10mmHg絶対)、好ましくは約533Pa絶対(4mmHg絶対)から約667Pa絶対(5mmHg絶対)である。
図2に示されるように、マルチシアナートエステルは、凝縮ゾーン400中で、一般に溶媒、水および不純物、即ちジシアナミドおよびアルキルハライドを含んでなる留出物ストリームから分離される。流入ストリーム21に残っているハロゲン化シアンと水の大半は、第1蒸発器の塔頂ストリーム31と共に出て行き、そして後続の蒸発の際にその多官能性エステルから分離されるのが好ましい。
一つの態様では、凝縮ゾーン400中の第1蒸発器からの生成物ストリームは、中間で貯蔵せずに、凝縮ゾーン内の第2蒸発器に直接供給してもよいし、或いは、別の方法では、その生成物ストリームを第2蒸発器に入る前に貯蔵タンクに供給してもよい。後者の態様では、そのストリームの粘度を低く保持するために、そのタンクへの、およびタンクからのその配管中の内容物が約80℃から約110℃、好ましくは約90℃から約95℃の範囲の温度に保たれるように、その配管が電熱器で被覆されたジャケットを備えているか、または常用の加熱流体で追いかける(trace)のが好ましい。
好ましい態様では、凝縮ゾーン400中の第2蒸発器の入口の上方約1.5mから約4.5m(約5フィートから約15フィート)、好ましくは約3mから約3.7m(約10フィートから約12フィート)の位置にヘッドの大きい貯蔵タンクが置かれており、そして常用のポンプ装置、即ちギヤーポンプが第2蒸発器の入口近くに置かれている。この態様では、ポンプ装置は、そのタンク内の材料が水準を保ち、そしてそのポンプ装置の上の液のヘッド圧が第2凝縮装置に繋がている配管の中で溶媒の蒸発を全て抑えるように制御することができる。さらに、ポンプ装置、或いはコントロールバルブのような流れを制御する他の装置が、第1凝縮装置から出る溶液が第2凝縮装置の低い圧力になるのを防ぐ。このようなポンプ装置若しくは制御装置がなければ、第1蒸発器を離れたストリーム内の溶媒は急に蒸発し、そして冷え、それによって配管中に含まれるエステルの粘度が上昇し、流れが詰まる原因になる。
凝縮ゾーン400中の第2凝縮装置として薄膜・表面ワイピング式蒸発器を用いる好ましい態様では、その蒸発器から約200Pa・sから約40Pa・s(200,000〜400,000cp)の範囲内の粘度を有する非常に粘ちょうなエステルを抜き出すためには、常用のギヤーポンプ若しくは抽出押出機(extractor extruder)が必要になるだろう。そのようなギヤーポンプおよび抽出押出機を用いる処理はこの技術分野で良く知られており、例えばペリーの6-13および8-61にそれぞれ説明されている。
中乃至高分子量の、即ち約450から約850、好ましくは500から750の数平均分子量を有するマルチシアナートエステルを使用する態様では、凝縮ゾーン400内の最後の凝縮装置の塔底ストリーム30を出るストリーム内に含まれるエステルは、固化したエステルをフレークとして取り除くために任意、常用の冷却装置、好ましくはスクレープ装置、即ち刃を備えた冷却済みベルト或いはドラム型冷却機の中で急速に固化される。このような、表面が冷却された装置による処理はこの技術分野で良くしられており、例えばペリーの11-39に説明されている。このエステル・フレークは次いで常用の装置、好ましくは冷凍粉砕法で粉砕され、そのエステルは適当な粉末形状にされる。このような粉砕法はこの技術分野で良く知られており、例えばペリーの8-54に説明されている。
低分子量、即ち約320から約420以下の数平均分子量を有するマルチシアナートエステルを使用するもう一つの態様では、凝縮ゾーン400内の塔底ストリーム30を出るストリーム内に含まれるエステルは、管状熱交換器(shell and tube heat exchangers)のような常用の冷却装置により約20℃から約30℃の温度に冷却され、次いでコンテナーを満たすことにより回収される。
図2に示されるように、塩化メチレンのような水と混ざり合わない溶媒を用いる一つの態様では、第1凝縮装置から回収された溶媒-含有ストリーム32は、付加物の合成におよび/またはハロゲン化シアン・ストリームの稀釈に使用するために再循環される。かくして、この水と混ざり合わない溶媒は溶媒回収ゾーン500を必要としないで回収することができる。第2凝縮装置から回収された溶媒は、次いで、その中のジシアナミドを除去するために第3アミン・ストリッピングゾーン700に供給される。図1に示されるように、水と混ざり合う溶媒を用いる態様では、第1凝縮装置から回収された溶媒含有ストリームと、ジシアナミドを含む第2凝縮装置からの塔頂ストリームの両方を含んでなるストリーム91が、溶媒回収ゾーン500に供給される。
水と混ざり合う溶媒を用いる場合に推奨される本方法の第4工程では、その水と混ざり合う溶媒は溶媒回収ゾーン500の中で回収される。凝縮ゾーン400から出てくる、水と混ざり合う溶媒、水、ジシアナミドおよびハロゲン化シアンを含む凝縮ストリーム91は、塩単離および洗滌ゾーン300で行われるクエンチおよび洗滌工程から得られる水系排出液からなるストリーム22と混合される。ストリーム22は、一般に、水、溶媒、溶解した第3アミン・ハロゲン化水素塩、ジシアナミドおよびそれらの混合物を含んで成る。得られるストリーム22と91の混合物は、次いで、溶媒回収ゾーン500内の多段蒸溜塔に供給され、その中でその水と混ざり合う溶媒が塩、不純物および水から分離される。溶媒回収ゾーン500内での溶媒の分離には、多段蒸溜塔の代わりに、充填式蒸溜塔のようなこの技術分野で知られている任意、常用の分離装置を使用することができる。多段蒸溜および充填式カラムによる分離に関する詳細は、例えばペリーの18-5および18-19にそれぞれ見いだすことができる。
一つの態様では、水の大部分、第3アミンハロゲン化水素塩およびジシアナミドから成る塔底ストリームから水と混ざり合う溶媒とその水を分離する、約80℃から約115℃、好ましは約100℃から約105℃の範囲の温度、そして約47kPa絶対(350mmHg)から約133kPa絶対(1000mmHg絶対)、好ましくは約101kPa絶対(1気圧)の圧力で運転されるストリッピング塔が、溶媒回収ゾーン500中の分離装置として用いられる。
水と混ざり合う溶媒としてTHFを用いるより好ましい態様では、ストリーム91と22を混合すると水とTHFは共沸混合物を形成する。この共沸組成物は、大気圧で運転されている溶媒回収ゾーン500中の溜出物ストリームとして塔頂を離れる。還流量は蒸留塔内のトレイの数に基づいて変わるが、この技術分野の習熟者なら、エネルギー効率とコスト効率を良くする様式で共沸組成物を最適に生成させるために、蒸留塔の大きさと還流量をバランスさせることができるであろう。出てくる溜出物ストリームの約0.4から約1倍、好ましくは約0.50から約0.65倍の量の還流ストリームが推奨される。
水と混ざり合う溶媒としてTHFを用いるこのより好ましい態様では、ストリーム22と91との混合物は溶媒回収ゾーン500中の蒸溜塔の供給口に供給される。その蒸留塔内のバブルポイント温度は、選んだ圧力と共沸組成に依存して変えることができるが、約60℃から約65℃であるのが好ましい。塔底ストリーム内の温度は塔頂での圧力、トレイ間の圧力降下、および第3アミン・ハロゲン化水素塩の存在によるその混合物の沸点の上昇に依存して変えることができるが、塔底ストリーム温度は約102℃から約105℃であるのが好ましい。塔頂および塔底の運転圧力はトレイの数と圧力降下/トレイに依存して変えることができるが、塔頂で約101kPa絶対、塔底で約113kPa絶対から約117kPa絶対(約850mmHgから約880mmHg)であるのが好ましい。この蒸溜塔内で、水と混ざり合うその溶媒が不純物、水および第3アミン・ハロゲン化水素塩を含んでなる塔底ストリーム40から分離される。このような条件で運転すると、第3アミン塩の“キャリオーバー”が排除され、そしてジシアナミドはカラムの下方に洗い流される。この明細書で用いられる“キャリオーバー”とは、供給液が上部1/4より十分上の蒸留塔に入ると、第3アミン・ハロゲン化水素塩が最上部のトレイに伴われて上がり、しかしてその溶媒含有溜出液からの除去が不十分になる状況を説明するものである。蒸留塔の底部でも、第3アミン・ハロゲン化水素塩水溶液から痕跡量の水と混ざり合う溶媒が除去される。この第3アミン・ハロゲン化水素塩は揮発性でもないし、分解もせず、むしろ水溶液の中に残り、これは溶媒溜出液ストリーム中にppm程度の極く少量の第3アミンとハライドが含まれていることで確認される。
もう一つ別の態様では、第3アミン・ハロゲン化水素塩は、水と混ざり合う溶媒を除去する前に、それに苛性アルカリ化合物を添加することにより中和され得るが、しかしこれは、水と混ざり合う溶媒から残りの第3アミンの分離が場合によっては困難になるので望ましくない。これとは対照的に、水より低い沸点を有する全ての水と混ざり合う溶媒から不揮発性の塩の形をした第3アミンを分離することは、アミンが上記で考察したように水溶液中に残るので、容易に達成することができる。
溶媒分離ゾーン500中の分離装置から回収された水と混ざり合う溶媒ストリームは、一般に、その水と混ざり合う溶媒ストリーム41の総重量を基に約0.1パーセント以下、好ましくは約0.01パーセント以下の水を含んでおり、この水は、多分、n-ペンタンまたは他の伴出性化合物との常用の共沸蒸溜法による抽出蒸溜、または好ましくは約690kPaから約1380kPa(約100から約200psig)での加圧蒸溜による乾燥などの方法により、常用の第2の分離装置で溶媒から分離されるであろう。このような共沸蒸溜はこの技術分野で良く知られており、例えばチャン.T.(Chang,T.)らの“テトラヒドロフランの精製のための共沸蒸溜スキームの開発(Development of an Azeotropic Distillation Scheme for Purification of Tetrahydrofuran)”、52流体相平衡(52 Fluid Phase Equilibria)、161-68(1989)およびデュポン社の出版になる“THFの回収(Recovery of THF)”に説明されている。この二つの報告を本明細書で引用、参照するものとする。例えば、溶媒分離ゾーン500中の分離装置から回収された溶媒ストリーム41は、凝縮器の温度が約160℃から約166℃で、凝縮器の圧力が約690kPaから約1380kPa(約100psigから約200psig)、好ましくは約1380kPa(約200psig)である第2蒸溜塔のような第2の分離装置に供給することができる。
推奨される態様では、乾燥した水と混ざり合う溶媒が溶媒回収ゾーン500中の第2蒸溜塔の塔底ストリームから除去される。圧力とそれに付随して温度を上昇させることにより共沸組成が水含有率がより高い方にシフトする結果、この水と水と混ざり合う溶媒との共沸混合物は、溶媒回収ゾーン500中の高い圧力下で運転されている第2蒸溜塔の溜出物ストリームを出て行き、次いでゾーン500の第1蒸溜塔に戻される。次いで、この水と混ざり合う溶媒はこれを常用の方法で冷却し、そして付加物溶液2および/またはハロゲン化シアン溶液11の調製で使用するためのストリーム41に再循環させることができる。
前に言及したように、図2に示される水と混ざり合わない溶媒を用いる態様では、溶媒回収ゾーン500はこれを省くのが好ましい。塩単離および洗滌ゾーン300からの第3アミン−ハロゲン化水素塩含有ストリーム22は、次に、中和ゾーン600内に所在する、撹拌容器、ラインミキサーを備えたパイプなどの普通のコンテナー中で、主として第3アミンと痕跡量の水と混ざり合わない溶媒を含んでなる有機液体層、さらにまた主として水とハロゲン化ナトリウムを含んでなる水層を有する溶液ストリーム51を生成させるのに十分な条件下で、固形か溶液のいずれかの形の、水酸化ナトリウム或いは水酸化カリウムのようなアルカリ塩基を濃度約25から約50パーセントで有する溶液を含んでなる苛性アルカリストリーム50と混ぜられるのが好ましい。好ましくは、ストリーム50の温度は約25℃から約60℃であり、そのコンテナー内の温度と圧力はそれぞれ約50℃から約80℃および約1気圧である。
中和ゾーン600を出る二相ストリーム51、および第2凝縮装置からのジシアナミド含有塔頂ストリーム31は次いで第3アミンストリッピングゾーン700に供給されるが、このゾーンは、廃水処理に送られる塩水溶液ストリーム、即ちハロゲン化アルカリ水ストリームからの塔頂ストリーム中の、水と混ざり合わない溶媒、第3アミンおよび約11パーセントの水を最初に溜去するのに十分な条件下で運転されている、複数の、好ましくは約2基の、蒸溜塔、充填プレート・カラム、スリット-プレート・カラム、それらの組合せおよび類似の装置のような分離装置を含んでなる。ストリーム31と51は、還流比約0.5から約1.0、l好ましくは約0.6から約0.7で運転されている、ゾーン700の第1分離装置の上部1/4に所在するトレイに供給されるのが好ましい。ゾーン700の分離装置内の温度と圧力は変えられるが、その中の温度は、好ましくは約76℃で、圧力は約40kPaから約101kPa、好ましくは約1気圧(約300から約760mmHg、好ましくは約760mmHg)である。ゾーン700内の最初の分離装置の目的は塩水溶液ストリーム600から痕跡量ではあるが全ての水と混ざり合う溶媒を除去することである。
好ましい態様では、ゾーン700内の第1分離装置からの塔頂ストリームは、次いで、これもゾーン700内に所在するヘテロ共沸蒸溜塔からの溜出液ストリームと混合される。ヘテロ共沸蒸溜による分離処理は、この技術分野で良く知られており、例えばペリーの13-27〜13-39に説明されている。ゾーン700中の両蒸溜塔からの塔頂ストリームは、ヘテロ共沸蒸溜を用いて同時に凝縮され、次いで常用の分離タンクの中で相分離される。その水相はゾーン700中の第1分離装置に戻され、一方第3アミンの相はゾーン700中の第2共沸蒸溜塔に再循環され、戻される。ゾーン700中の第2蒸溜塔の塔底を出る水と混ざり合わない溶媒/第3アミン-塔底ストリーム61は、これを付加物の調製で使用するために再循環させることができる。
図1に示したように、水と混ざり合う溶媒が溶媒回収ゾーン500の中で回収された後、それより出てくる、不純物、水および第3アミンハロゲン化水素塩を含むストリーム40は、次いで、熱交換器のような常用の冷却装置により、約20℃と約50℃の間の温度、好ましくは約50℃に冷却され、それを濾過して全てのマルチシアナートエステル粒子を除去し、次いで第3アミン回収ゾーン800の中和ステージ600の中で、上述の苛性、若しくは塩基性溶液50で中和されるのが好ましい。上述のアルカリ塩基溶液でストリーム40を中和すると、塩、即ちKCl或いはNaCl、遊離アミンおよび水を含んでなる中和混合物71が生成する。第3アミン回収ゾーン800での本発明の方法の残りの部分は、水と混ざり合わない溶媒を使用する場合に関して上に説明したのと、次のただ一点を除いて基本的に同じである。図1に示したように、水と混ざり合う溶媒とジシアナミドを含むストリーム91は、最初、第3アミンストリッピングゾーン700ではなく溶媒回収ゾーンに供給される。
図1および2に示した本発明の方法の態様に関する上記の説明はそれぞれ水と混ざり合う溶媒および水と混ざり合わない溶媒を含んでいるが、それらの溶媒はこれらの態様にそれぞれ推奨されること、そしてこの明細書で名前を上げた任意の溶媒がどちらの態様にも使用できることを理解すべきである。
Claims (19)
- マルチシアナートエステルを製造する方法にして、次の:
a)(i)溶媒を含んでなる反応媒体、および(ii)第3アミンと次式:
nは1或いは1より大きい正の整数であり;
qおよびrは各場合に同一若しくは異なり、そして各場合にqとrの和が3に等しいという条件で、0から3の整数であり;
oおよびpは各場合に同一若しくは異なり、そして各場合にoとpの和が4に等しいという条件で、0から4の整数であり;
−X−は、二価の有機基であり;
Aは水素、塩素、臭素、1から10個の炭素を有するアルキル基、エポキシド基、1から10個の炭素を有するアルコキシ基、クレゾール−タイプの樹脂およびそれらの混合物より成る群から選ばれ;そして
R3は各場合に同一若しくは異なり、そして得られる共重合体を完全に硬化させるのに必要な条件下で反応しない、水素以外の置換基である。)
のフェノール−ホルムアルデヒドオリゴマー或いはその誘導体との付加物を含んでなる第1供給ストリームを、その温度が−5℃以下であるループ反応容器に供給する工程;
b)該ループ反応容器に溶媒を含んでなる反応媒体中にハロゲン化シアンを含む第2供給ストリームを供給する工程;
c)該ループ反応容器に第3アミン−ハロゲン化水素塩、溶媒、不純物、およびマルチシアナートエステルを含む混合物である循環ストリームを供給する工程;
d)第3アミン−ハロゲン化水素塩、溶媒および不純物、並びに該第3アミン−ハロゲン化水素塩の重量を除いてその反応生成物の総重量を基に10パーセントから40パーセントのマルチシアナートエステルを含む反応生成物ストリームを生成させるのに十分な条件下で、上記の第1、第2および循環ストリームを該ループ反応容器中で反応させる工程;および
e)該反応生成物ストリームの一部を除去して該循環ストリームと該生成物ストリームとの容量比が100:1から25:1であるような循環ストリームを生成させる工程;
を含んでなる、上記の方法。 - オリゴマーが200から2000の数平均分子量を有する、請求項1に記載の方法。
- 第3アミンがトリエチルアミンである、請求項1に記載の方法。
- オリゴマーと第3アミンとの当量比が1:1から1:1.20である、請求項1に記載の方法。
- ハロゲン化シアンが臭化シアン若しくは塩化シアンである、請求項1に記載の方法。
- 溶媒が水と混ざり合う溶媒、水と混ざり合わない溶媒およびそれらの混合物より成る群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
- 溶媒がテトラヒドロフラン若しくは塩化メチレンである、請求項1に記載の方法。
- ハロゲン化シアンとオリゴマー中のオリゴマー繰返単位とのモル比が1.02:1から1.15:1である、請求項1に記載の方法。
- ループ反応容器が二つのループ反応器を含んで成り、その各々が10分から25分の滞留時間を有する、請求項1に記載の方法。
- マルチシアナートエステル、副生成物、溶媒および不純物を含む混合マルチシアナートエステル供給ストックからマルチシアナートエステルを抽出し、回収する工程が、次の:
f)該供給ストックを水ストリームでクエンチングしてマルチシアナートエステルを含んでなる有機相ストリームと水相ストリームとを生成させる工程;
g)該マルチシアナートエステルを含んでなる該有機相ストリームを該水相ストリームから分離する工程;および
h)該有機相ストリームを水で洗滌して該マルチシアナートエステル生成物ストリームから該副生成物と不純物をさらに除去する工程
の追加の工程を含む、請求項1に記載の方法。 - 溶媒がテトラヒドロフランであり、そして水ストリームと供給ストック或いは有機相ストリームとの重量比が4:1である、請求項11に記載の方法。
- 第3アミン−ハロゲン化水素塩、水、並びにジエチルシアナミド、ハロゲン化シアンおよびアルキルハライドを含む混合水系供給ストックから水と混ざり合う溶媒を抽出し、回収する工程が、次の:
該混合水系供給ストックを、塔頂生成物ストリームの総重量を基に、第3アミン−ハロゲン化水素塩と不純物を実質的に含んでいない、少くとも95重量パーセントの第3アミンを含んでなる該塔頂生成物ストリームを生成させるのに十分な条件で運転されている蒸留塔の供給口に導入する工程
の追加の工程を含む、請求項1に記載の方法。 - 第3アミン、溶媒、ハロゲン化アルカリ、水、およびさらにジエチルシアナミド、ハロゲン化シアンおよびアルキルハライドを含む不純物を含む混合水系供給ストックから第3アミンを抽出し、回収する工程が、次の:
該混合水系供給ストックを、塔頂生成物ストリームの総重量を基に、水と不純物を実質的に含んでいない、少くとも95重量パーセントの第3アミンを含んでなる該塔頂生成物ストリームを生成させるのに十分な条件で運転されている蒸留塔の塔頂口に導入する工程の追加の工程を含む、請求項1に記載の方法。 - 次の:
f)該反応生成物ストリームを塩単離および洗滌ゾーンに導入して該反応生成物ストリームを有機系ストリームと水系ストリームとに分離する工程にして、該有機系ストリームが該マルチシアナートエステル、並びに水、溶媒、および不純物を含んでなり、そして該水系ストリームが該第3アミン−ハロゲン化水素塩、並びに水、溶媒、不純物を含んでなる、該工程;
g)該有機系ストリームを凝縮ゾーンに導入して該有機系ストリームをマルチシアナートエステルストリームと凝縮ゾーン溶媒ストリームとに分離する工程;
h)該凝縮ゾーン溶媒ストリームと、該塩単離および洗滌ゾーンからの該水系ストリームとを溶媒回収ゾーンに導入して溶媒回収ゾーン混合物を生成させる工程;
i)該溶媒回収ゾーン中で、該溶媒回収ゾーン混合物を、溶媒回収ゾーン塔頂溶媒ストリームと、第3アミン−ハロゲン化水素塩、水、ジエチルシアナミド、ハロゲン化シアンおよび他の有機化合物を含んでなる溶媒回収ゾーン塔底ストリームとに分離する工程;
j)該溶媒回収ゾーン塔底ストリームと塩基溶液ストリームを第3アミン回収ゾーン混合物に導入する工程;および
k)該第3アミン回収ゾーン中で、該第3アミン回収ゾーン混合物から該第3アミン分離する工程、
の追加の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 溶媒が水と混ざり合う溶媒、若しくは水と混ざり合う溶媒と水と混ざり合わない溶媒との混合物である、請求項15に記載の方法。
- 凝縮ゾーンが
a)直列で配置されている第1および第2凝縮装置;および
b)該第1および第2凝縮装置間を制御する装置
から構成され、該制御装置が、該溶媒が該第1凝縮装置中で急に蒸発するのを防ぐ、請求項15に記載の方法。 - 次の:
f)該反応生成物ストリームを塩単離および洗滌ゾーンに導入して該反応生成物ストリームを有機系ストリームと水系ストリームとに分離する工程にして、該有機系ストリームが該マルチシアナートエステルと、水、溶媒、副生成物を含んでなり、そして該水系ストリームが該第3アミン−ハロゲン化水素塩、並びに水、溶媒、および不純物を含んでなる、該工程;
g)該有機系ストリームを凝縮ゾーンに導入して該有機系ストリームをマルチシアナートエステルストリームと凝縮ゾーン溶媒ストリームとに分離する工程;
h)該凝縮ゾーン溶媒ストリーム、該塩単離および洗滌ゾーンからの該水系ストリームおよび塩基性溶液を含むストリームを第3アミン回収ゾーンに導入して第3アミン回収ゾーン混合物を生成させる工程;および
i)該第3アミン回収ゾーン中で、該第3アミン回収ゾーン混合物から該第3アミンを分離する工程
の追加の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 溶媒が水と混ざり合わない溶媒、若しくは水と混ざり合わない溶媒と水と混ざり合う溶媒との混合物である、請求項18に記載の方法。
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