JP4292898B2 - 通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタル変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法(Digital Wavelet Multi Carrier伝送方法、以下、「DWMC伝送方法」と記載する)を用いる通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタル変復調処理による伝送方法は、マルチキャリア変調方法の一種であり、実係数フィルタバンクにより複数のディジタル変調波を合成して送信信号を生成するものである。各キャリアの変調方式としては、PAM(Pulse Amplitude Modulation)が用いられる。
【0003】
DWMC伝送方法によるデータ伝送について、図15〜図18を用いて説明する。図15はウェーブレット波形の例を示す波形図であり、図16はDWMC伝送方法における送信波形の例を示す波形図、図17はDWMC伝送方法における送信スペクトルの例を示すスペクトル図、図18はDWMC伝送方法における送信フレームの構成例を示すフレーム図である。
【0004】
DWMC伝送方法によるデータ伝送は、図15に示すように、各サブキャリアのインパルス応答が各サブキャリア内で重なり合いながら伝送される。各伝送シンボルは、図16に示すように、各サブキャリアのインパルス応答が合成された時間波形となる。図17に振幅スペクトルの例を示す。DWMC伝送方法では、図16の伝送シンボルを数十個〜数百個程度集めて1つの伝送フレームを構成する。DWMC伝送フレームの構成例を図18に示す。このDWMC伝送フレームには、情報データ伝送用シンボルの他にフレーム同期用シンボルや等化用シンボルなどが含まれる。
【0005】
図14は、DWMC伝送方法を採用した場合の送信装置299および受信装置199から成る従来の通信装置を示すブロック図である。
【0006】
図14において、110はA/D変換器、120はウェーブレット変換器、130はパラレルデータをシリアルデータに変換するP/S変換器、140は受信信号の判定を行う判定器、210はビットデータをシンボルデータに変換しシンボルマッピングを行うシンボルマッパ、220はシリアルデータをパラレルデータに変換するS/P変換器、230は逆ウェーブレット変換器、240はD/A変換器である。
【0007】
このように構成された通信装置について、その動作を説明する。
【0008】
まず、送信装置299においては、シンボルマッパ210によってビットデータをシンボルデータに変換し、各シンボルデータに従ってシンボルマッピング(PAM変調)を行う。そして、直列並列変換器(S/P変換器)220でサブキャリアごとに実数値di(i=1〜M、Mは複数)を与え、逆ウェーブレット変換器230で時間軸上へ逆離散ウェーブレット変換する。これにより、時間軸波形のサンプル値を発生させ、伝送シンボルを表すサンプル値系列を生成する。D/A変換器240で、このサンプル値系列から時間的に連続するベースバンド・アナログ信号波形に変換して送信する。ここで、逆離散ウェーブレット変換により発生される時間軸上のサンプル値の個数は、通常2のn乗(nは正の整数)個である。
【0009】
受信装置199においては、受信信号をA/D変換器110でディジタルベースバンド信号波形を得た後、送信側と同じサンプルレートでサンプルする。そして、このサンプル値系列をウェーブレット変換器120により周波数軸上へ離散ウェーブレット変換し、その後並直列変換器(P/S変換器)130により直列に変換する。最後に判定器140にて各サブキャリアの振幅値を計算し、受信信号の判定を行って受信データを得る。
【0010】
ところで、通信においては、伝送路のインピーダンス変動やマルチパスなどの影響により振幅歪みや位相歪みが生じるため、振幅、位相の両パラメータ、すなわち複素情報を扱えた方が都合がよい。これに対して、従来のDWMC伝送方法では、振幅情報しか扱えないため、伝送路の状態によっては歪みを補正することができず、伝送効率が大幅に抑制されてしまうといった問題がある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0011】
【非特許文献1】
貴家仁志著「ディジタル信号処理シリーズ14 マルチレート信号処理」昭晃堂発行,1995年10月6日,P186−190
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の実係数フィルタバンクによる伝送方法を用いる通信装置では、伝送用データとして振幅情報のみしか扱えず、受信装置で複素情報を扱った処理を行うことができないという問題点を有していた。
【0013】
この通信装置では、複素情報を扱えるDWMC伝送方法を用いることが要求されている。
【0014】
本発明は、この要求を満たすため、複素情報を扱えるDWMC伝送方法を用いる通信装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の通信装置は、ディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置を有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、前記受信装置は検波部を有し、前記検波部は、受信波形データをウェーブレット変換する互いに直交する複数M個の実係数ウェーブレットフィルタで構成される第1のウェーブレット変換器と、前記受信波形データをヒルベルト変換するヒルベルト変換器と、前記ヒルベルト変換器からの出力をウェーブレット変換する第2のウェーブレット変換器と、前記第1のウェーブレット変換器からの出力を複素情報の同相成分とし、前記第2のウェーブレット変換器からの出力を直交成分として複素データを生成する複素データ生成器とを有する構成を備えている。
【0016】
これにより、複素情報を扱えるDWMC伝送方法を用いる通信装置が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の通信装置は、ディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置を有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、受信装置は検波部を有し、検波部は、受信波形データをウェーブレット変換する互いに直交する複数M個の実係数ウェーブレットフィルタで構成される第1のウェーブレット変換器と、受信波形データをヒルベルト変換するヒルベルト変換器と、ヒルベルト変換器からの出力をウェーブレット変換する第2のウェーブレット変換器と、第1のウェーブレット変換器からの出力を複素情報の同相成分とし、第2のウェーブレット変換器からの出力を直交成分として複素データを生成する複素データ生成器と、第2のウェーブレット変換器からのM個の出力の奇数番目の出力を符号反転する符号変換器とを有することとしたものである。
【0018】
この構成により、受信装置に到来する実信号のみの時間信号からサブキャリア毎の複素情報を得ることができるので、高精度な復調を行うことができ、また、振幅値のみでなく位相情報も処理の対象とすることができるようになるため、群遅延などによって生じる劣悪な伝送路によって各サブキャリアの同期タイミングずれが生じた場合でもサブキャリア毎に位相回転分を補正して受信性能を向上させることができるという作用を有する。
【0021】
請求項2に記載の通信装置は、符号変換器からの出力についてヒルベルト変換器のリプルによる振幅変動を補正するレベル変換器を更に有することを特徴とする請求項1に記載の通信装置である。
【0022】
この構成により、受信装置に到来する実信号のみの時間信号からサブキャリア毎の複素情報を得ることができるので、高精度な復調を行うことができ、また、振幅値のみでなく位相情報も処理の対象とすることができるようになるため、群遅延などによって生じる劣悪な伝送路によって各サブキャリアの同期タイミングずれが生じた場合でもサブキャリア毎に位相回転分を補正して受信性能を向上させることができるという作用を有する。
【0023】
請求項3に記載の通信装置は、ディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置を有する実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、受信装置は検波部を有し、検波部は、受信波形データをウェーブレット変換する互いに直交する複数M個の実係数ウェーブレットフィルタで構成される第1のウェーブレット変換器と、受信波形データに対してヒルベルト変換、ウェーブレット変換、奇数番目の符号の反転を行うウェーブレットフィルタで構成される第2のウェーブレット変換器と、第1のウェーブレット変換器からの出力を複素情報の同相成分とし、第2のウェーブレット変換器からの出力を直交成分として複素データを生成する複素データ生成器とを有することとしたものである。
【0024】
この構成により、受信装置に到来する実信号のみの時間信号からサブキャリア毎の複素情報を得ることができるので、高精度な復調を行うことができ、また、請求項1に記載の通信装置におけるよりも高速な処理を行うことができ、回路構成を簡素化することができるという作用を有する。
【0027】
請求項4に記載の通信装置は、請求項1に記載の通信装置において、第2のウェーブレット変換器は、実係数を有するポリフェーズフィルタで構成されたプロトタイプフィルタと、複数M個のダウンサンプラと、M−1個の1サンプル遅延素子と、入力系列の順番をM個単位で反転させる時系列反転器と、高速M点の離散コサイン変換器とを有することとしたものである。
【0028】
この構成により、第1のウェーブレット変換器の高速M点離散コサイン変換器を共用することができるという作用を有する。
【0029】
請求項5に記載の通信装置は、ディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置を有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、受信装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の検波部と、検波部から得られる複素情報と等化処理用にあらかじめ割り当てられた等化用既知信号とを用いて等化を行う等化器と、等化器から得られる信号を用いて判定を行う判定器とを有することしたものである。
【0030】
この構成により、複素情報と等化用既知信号とを用いて等化を行うことができるので、劣悪な伝送路においても高精度な復調を行うことができるという作用を有する。
【0031】
請求項6に記載の通信装置は、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、送信装置は、連続する数シンボルの間に渡って同一で且つ受信装置で既知の同期用データを発生する同期用データ発生器と、同期用データを逆ウェーブレット変換する逆ウェーブレット変換器とを有し、受信装置は、請求項1乃至5のいずれか1に記載の検波部と、検波部から得られる複素情報と等化処理用にあらかじめ割り当てられた等化用既知信号とを用いて等化を行う等化器と、等化器から得られる信号を用いて判定を行う判定器と、検波部より出力される隣接する複素サブキャリア間の位相差からシンボル同期タイミングを推定する同期推定回路とを有することとしたものである。
【0032】
この構成により、同じキャリア番号がついた第1のウェーブレットフィルタバンクより得られるサブキャリアと第2のウェーブレットフィルタバンクより得られるサブキャリアとで構成される複素サブキャリアにおいて、複素サブキャリア間の位相差からシンボル同期タイミングを推定することができるので、正確かつ高精度の復調を行うことができるという作用を有する。
【0033】
請求項7に記載の通信装置は、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、送信装置は、連続する数シンボルの間に渡って同一で且つ受信装置で既知の同期用データを発生する同期用データ発生器と、同期用データを逆ウェーブレット変換する逆ウェーブレット変換器とを有し、受信装置の検波部は、受信波形データをウェーブレット変換する互いに直交する複数M個の実係数ウェーブレットフィルタで構成されるウェーブレット変換器と、ウェーブレット変換器からの2n−1番目(nは正の整数)の出力を複素情報の同相成分とし、2n番目の出力を直交成分として(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号を0〜M−1とする)複素データを生成する複素データ生成器とを有することとしたものである。
【0034】
この構成により、受信装置に到来する実信号のみの時間信号からサブキャリア毎の複素情報を得ることができるので、高精度な復調を行うことができ、また、正弦波で構成される受信信号に対してという限定はあるが、少ない演算量で複素データを得ることが可能になるという作用を有する。
【0035】
請求項8に記載の通信装置は、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、送信装置の変調部は、ビットデータをシンボルデータに変換してシンボルデータをM/2個(Mは複数)の複素座標面にマッピングするシンボルマッパと、互いに直交するM個の実係数ウェーブレットフィルタで構成される逆ウェーブレット変換器と、逆ウェーブレット変換器への2n−1番目(nは正の整数)の入力に複素情報の同相成分を、2n番目の入力に複素情報の直交成分を(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号を0〜M−1とする)供給するように複素データを実部と虚部に分解する複素データ分解器とを有することとしたものである。
【0036】
この構成により、信号点配置器(シンボルマッパ)において生成されたM/2個の複素座標面の初期位相を任意に与えることができるという作用を有する。
【0037】
請求項9に記載の通信装置は、複素データ分解器は、初期位相として0とπのみを用いることを特徴とする請求項8に記載の通信装置である。
【0038】
この構成により、信号点配置器(シンボルマッパ)において生成されたM/2個の複素座標面の初期位相を与えることができるという作用を有する。
【0039】
請求項10に記載の通信装置は、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、送信装置は、連続する数シンボルの間に渡って同一で且つ受信装置で既知の同期用データを発生する同期用データ発生器と、同期用データを用いて変調を行う変調部とを有し、受信装置は、請求項7記載の検波部と、隣接する複素サブキャリア間の位相差からシンボル同期タイミングを推定する同期タイミング推定回路とを有することとしたものである。
【0040】
この構成により、ウェーブレット変換器を1つにすることができるので、受信装置の規模を小さくすることができるという作用を有する。
【0041】
請求項11に記載の通信装置は、受信装置は、検波部から得られる複素情報を用いて2n−1番目(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号を0〜M−1とする)の出力と2n番目の出力を合成して各サブキャリアに使用する等化係数を求める等化器と等化器から得られる信号を用いて判定を行う判定器とを有することを特徴とする請求項6に記載の通信装置である。
【0042】
この構成により、等化係数は各複素サブキャリアのペアを使用して複素サブキャリアペア毎に求めることができるので、各等化係数を求めるときの精度を向上させることができるという作用を有する。
【0043】
また、本願の通信装置は、伝送路として電力線を用い、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、変復調処理部分に複数のフィルタから構成されるフィルタバンクを用いる通信装置であって、送信装置の送信部は、ビットデータをシンボルデータに変換してある信号点配置情報に従ってマッピングするシンボルマッパと、シンボルマッパにおいて信号点配置された送信信号を逆変換して変調処理を行う互いに直交する複数M個のフィルタで構成されるフィルタバンクを用いた変調器とを有し、受信装置の検波部は、受信信号を変換して復調処理を行う互いに直交する複数M個のフィルタで構成されるフィルタバンクを有することを特徴とする通信装置である。
【0044】
この構成により、電力線通信においては、他の既存システムに妨害を与えてはならないため、他の既存システムが使用している帯域では信号を送信しないようにしている。通常は既存システム使用帯域に送信しないように別フィルタでノッチフィルタを生成する。米国の電力線通信のアライアンス団体であるHome PlugがリリースしたHome Plug1.0では30dBのノッチフィルタが使用されている。上記から他の既存システムへの妨害抑制目標としては上記の30dBが妥当である。
【0045】
上記のように構成することにより、本方式はノッチフィルタを生成せずに、既存システムの使用帯域と重なるサブキャリアを不使用とすることにより従来方式と同様な動作(他の既存システム使用帯域にノッチを生成)が可能となるという作用を有する。
【0046】
また、本願の通信装置は、送信装置と受信装置のフィルタのフィルタ長は、4Mであることを特徴とする通信装置である。
【0047】
上記のように構成することにより、一般的にはフィルタバンクにおける各フィルタのフィルタ長を長くすれば長くするほど、深いノッチが形成されるが、その場合フィルタによる遅延が問題となる(フィルタ遅延とノッチの深さはトレードオフ)。よって、電力線通信においてはフィルタのフィルタ長を4Mに限定することにより、30dBのノッチが形成でき、且つフィルタ遅延を抑えることが可能であるという作用を有する。
また、本願の通信装置は、複数のキャリアを受信し、受信した複数のキャリアを復調する受信装置であって、前記複数のキャリアをウェーブレット変換して各前記複数のキャリアに対応する実部データを生成する実部データ生成部と、前記実部データに対応する少なくとも1つのキャリアと直交する位相を有する虚部データを生成する虚部データ生成部と、前記実部データを同相成分として且つ前記虚部データを直交成分として、複素データを生成する複素データ生成器と、を有することとしたものである。
この構成により、受信装置に到来する実信号のみの時間信号からサブキャリア毎の複素情報を得ることができるので、高精度な復調を行うことができ、また、振幅値のみでなく位相情報も処理の対象とすることができるようになるため、群遅延などによって生じる劣悪な伝送路によって各サブキャリアの同期タイミングずれが生じた場合でもサブキャリア毎に位相回転分を補正して受信性能を向上させることができるという作用を有する。
【0048】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図21を用いて説明する。また、以下の実施の形態においては、特に断らない限りウェーブレット変換はコサイン変調フィルタバンクによって行われるものとする。
【0049】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による通信装置の受信装置を構成する検波部を示すブロック図である。なお、送信装置の構成は図14の送信装置299の構成と同じである。
【0050】
図1において、101は受信部における検波部、102は受信波形データをウェーブレット変換するウェーブレット変換器、103は受信波形データをヒルベルト変換するヒルベルト変換器、104はウェーブレット変換器102と同一構成でヒルベルト変換器からの出力をウェーブレット変換するウェーブレット変換器、105はウェーブレット変換器104からの出力di(i=0〜M−1とする。Mは複数)の奇数番目の符号を反転する符号変換器、106は符号変換器105からの出力データについてヒルベルト変換器103のリプル特性による振幅変動分を補正するレベル変換器、107はウェーブレット変換器102からの出力を実部(I成分)、レベル変換器106からの出力を虚部(Q成分)として複素データを生成する複素データ生成器である。
【0051】
このように構成された通信装置について、扱うサブキャリアをM本とし、サブキャリア番号が1〜Mまでふられているものとして、その動作を説明する。
【0052】
まず、ウェーブレット変換器102により、受信波形データをウェーブレット変換し、M本のサブキャリア各々に対する同相成分を得る。一方、ヒルベルト変換器103は、受信波形データをヒルベルト変換することで、受信信号に含まれる各周波数成分をπ/2シフトした波形データを生成し、ウェーブレット変換器104によって各サブキャリアの直交成分を得る。このとき、ウェーブレット変換104からの奇数番目の出力は符号が反転した状態で出力されているので、それを符号変換器105によって補正する。さらに、各サブキャリアのデータの振幅がヒルベルト変換器103のリプル特性によって変動しているので、それをレベル変換器106によって補正する。そして、ウェーブレット変換器102、レベル変換器106からの出力をそれぞれ同相成分、直交成分として、複素データ生成器107は複素データを生成する。
【0053】
なお、本実施の形態では同一構成のウェーブレット変換器を2個使用した場合について説明したが、1個のウェーブレット変換器のみでも構成可能である。また高精度なヒルベルト変換器を使用する場合や振幅補正を行う等化器を使用する場合は、レベル変換器、符号変換器は不要となる。
【0054】
以上のように本実施の形態によれば、振幅値のみでなく位相情報も処理の対象とすることができるようになるため、群遅延などによって生じる劣悪な伝送路によって各サブキャリアの同期タイミングずれが生じた場合でもサブキャリア毎に位相回転分を補正することにより、受信性能を向上させることが可能となる。
【0055】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2による通信装置の受信装置を構成する検波部を示すブロック図である。なお、送信装置の構成は図14の送信装置299の構成と同じである。
【0056】
図2において、108は受信部における検波部、102は受信波形データをウェーブレット変換するウェーブレット変換器、109は受信波形データに対してヒルベルト変換、ウェーブレット変換、奇数番目の符号の反転の処理を一括して行うウェーブレット変換器、107はウェーブレット変換器102からの出力を実部データ(I成分)、ウェーブレット変換器109からの出力を虚部データ(Q成分)として複素データを生成する複素データ生成器である。
【0057】
なお、動作については実施の形態1とほとんど同様であり、異なるのは、実施の形態1において逐次的に処理するヒルベルト変換、ウェーブレット変換、符号反転の処理を、本実施の形態においては、一括処理する点のみである。
【0058】
このような構成にすることにより、実施の形態1に示す構成よりも高速な処理が可能となり、しかも回路構成が簡素化される。
【0059】
(実施の形態3)
図3は、図1、図2の検波部を構成するウェーブレット変換器102を示すブロック図である。また、図4は図3におけるポリフェーズ構成のプロトタイプフィルタの構成を示すブロック図であり、図5は図1のウェーブレット変換器を示すブロック図、図6は図5におけるポリフェーズ構成のプロトタイプフィルタの構成を示すブロック図である。
【0060】
図3において、102は図1あるいは図2に示すウェーブレット変換器、121は受信波形データを1サンプリング時間だけ遅延させる遅延素子、122は受信波形データのサンプリングレートをM分の1にするダウンサンプラ、123はプロトタイプフィルタ、124は高速離散コサイン変換(TYPE4)器である。なお、図3において、遅延素子121はM−1個、ダウンサンプラ122はM個使用する。
【0061】
図4において、123は図3に示すプロトタイプフィルタ、131はプロトタイプフィルタのフィルタ係数をもつ乗算器、132は2入力加算器、133は1シンボル時間(Mサンプリング時間)遅延させる遅延素子である。なお、図4に示すプロトタイプフィルタ123の次数は2Mである。
【0062】
図5において、109Aは図2のウェーブレット変換器109と同じ作用を持つウェーブレット変換器、121は受信波形データを1サンプリング時間だけ遅延させる遅延素子、122は受信波形データのサンプリングレートをM分の1にするダウンサンプラ、125はプロトタイプフィルタ、126は高速離散サイン変換(TYPE4)器である。なお、図5において、遅延素子121はM−1個、ダウンサンプラ122はM個あるものとする。
【0063】
図6において、125は図5に示すプロトタイプフィルタ、131はプロトタイプフィルタのフィルタ係数をもつ乗算器、132は2入力加算器、133は1シンボル時間(Mサンプリング時間)遅延させる遅延素子である。なお、図6に示すプロトタイプフィルタの次数は2Mである。
【0064】
なお、動作については実施の形態2と同様であり、異なるのは、実施の形態2においてFIRフィルタによって実現している部分を、本実施の形態においてはポリフェーズ構成で実現したプロトタイプフィルタと離散コサイン変換あるいは離散サイン変換を用いることによって実現していることにある。
【0065】
また、本実施の形態においては、第1のウェーブレット変換器(ウェーブレット変換器102)および第2のウェーブレット変換器(ウェーブレット変換器109A)を全く別なものとして構成しているが、同一の回路構成を共有することによっても実現可能である。このことは、お互いのプロトタイプフィルタのフィルタ係数が上下反転しているだけであること、離散コサイン変換と離散サイン変換も同様に処理における係数が異なるだけであることから明らかである。
【0066】
以上のような構成にすることにより、FIRフィルタ構成よりもポリフェーズ構成の方が演算量が少ないため、実施の形態2に示す構成よりもさらに高速な処理が可能となる。
【0067】
(実施の形態4)
図7は、図1のウェーブレット変換器(第2のウェーブレット変換器)を示すブロック図である。
【0068】
図7において、109Aは図5のウェーブレット変換器109と同じ作用を持つウェーブレット変換器、121は受信波形データを1サンプリング時間だけ遅延させる遅延素子、122は受信波形データのサンプリングレートをM分の1にするダウンサンプラ、125はプロトタイプフィルタ、127は入力系列をMサンプル単位で時系列反転する時系列反転器、124は高速離散コサイン変換(TYPE4)器、128は入力データの奇数番目の符号を反転する符号変換器である。なお、図5において、遅延素子121はM−1個、ダウンサンプラ122はM個あるものとする。
【0069】
なお、動作については実施の形態3と同様であり、異なるのは、実施の形態3において離散サイン変換器126によって実現している部分を、本実施の形態においては、時系列反転器127と離散コサイン変換器124および符号反転器128によって実現していることにある。また、本実施の形態においては、離散コサイン変換器124の前に時系列反転器127を設置し、離散コサイン変換器124の後に符号反転器128を設置した構成としたが、時系列反転器127と符号反転器128の設置場所を交換した場合においても同様な結果が得られる。
【0070】
上記のような構成にすることにより、実施の形態2に示す構成よりもさらに高速な処理が可能となる。また、実施の形態3において離散コサイン変換器124と離散サイン変換器126を用いていた実現していた部分を離散コサイン変換器124のみで実現可能となるため、回路を共用することができ、回路規模を小さくすることができる。
【0071】
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5による通信装置を構成する受信装置を示すブロック図である。なお、送信装置は図14と同じである。
【0072】
図8において、100は受信装置、110はA/D変換器、108aは図1または図2のいずれかと同様な構成をもつ検波部、120は等化器、130は並直列変換器(P/S変換器)、140は判定器である。
【0073】
このように構成された受信装置について、その動作を説明する。
【0074】
受信装置100において、まず、A/D変換器110により受信信号をディジタル変換し、受信波形データを得る。この受信波形データを検波部108aによって検波し、その出力として、受信信号に含まれる複数のサブキャリアに対する複素情報を得る。次に、等化器120は、検波部108aより得られた複素情報と等化用にあらかじめ割り当てられた既知データとを比較して等化量を求める。そして、実際のデータ伝送シンボル区間において求めた等化量をもって複素情報を等化し、並直列変換器130に供給する。最後に判定器140は等化後の複素情報に基づきデータ判定を行う。これが、受信装置100における一連の動作である。なお、等化器120では、サブキャリアごとに既知信号からの振幅および位相ずれを等化量として求めている。また、伝送路によっては複数タップを使用した適応フィルタ(LMSやRLSなど)を使用することも可能である。
【0075】
上記のような構成により、劣悪な伝送路においても高精度な復調を行うことが可能となる。
【0076】
なお、本実施の形態における等化器120は、下記に示すような形態で使用することも可能である。
【0077】
すなわち、図19は本発明の実施の形態5による通信装置を構成する送信装置を示すブロック図である。
【0078】
また、図19において、200は送信装置、201は連続する数シンボルの間、各サブキャリアに対して同一のデータを発生する同期用データ発生器、210は同期用データに従ってシンボルマッピング(PAM変調)を行うシンボルマッパ、230は逆ウェーブレット変換器、220は逆ウェーブレット変調器からの出力を直列に変換する直並列変換器(S/P変換器)、240は直並列変換器220から出力される送信波形データをアナログ信号に変換するD/A変換器である。
【0079】
このように構成された通信装置について、その動作を図10を用いて説明する。図10はサブキャリアと正弦波周波数との関係を示すグラフである。なお、説明を簡単にするために、使用するウェーブレット変換は8点、すなわちサブキャリア数を8本とする。
【0080】
まず、送信装置200において、同期用データ発生器201は、連続する数シンボルの間、各サブキャリアに対して同一のデータ(例えば1)をシンボルマッパ210に対して出力する。このとき、各サブキャリアに割り当てられるデータは、受信装置100側で既知のデータである。そして、このデータを逆ウェーブレット変換器230によって変換する。このとき、逆ウェーブレット変換器230からの出力は、図10中に示すfnを周波数とした正弦波の合成波となる。そして、この合成波データを直並列変換器220とD/A変換器240とによりアナログ信号に変換して送信する。
【0081】
一方、受信装置100においては、まず、A/D変換器110により受信信号をディジタル変換し、受信波形データを得る。この受信波形データを検波部108によって検波し、その出力として、受信信号に含まれる複数の正弦波に対する複素情報を得る。検波部108は複素データ(複素情報)を等化器120に供給する。等化器120は、検波部108より得られた複素情報を用いて2n−1番目(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号を0〜M−1とする)の出力と2n番目の出力を位相を合わせて合成して各サブキャリアに使用する等化係数を精度高く求め、得られた等化係数と等化用にあらかじめ割り当てられた既知データとを使用して等化量を求める。この方式は図10に示すように、2n−1番目と2n番目のサブキャリアが同じ正弦波を使用して等化係数を求めているため実現できる。そして、実際のデータ伝送シンボル区間において求めた等化量をもって複素データを等化し、並直列変換器130に供給する。最後に判定器140は等化後の複素データに基づきデータ判定を行う。
【0082】
上記のような構成により、サブキャリアペア毎に等化係数を求めることができるため、サブキャリア毎に等化係数を求めるよりもさらに高精度に計算することができる。
【0083】
(実施の形態6)
図9(a)は本発明の実施の形態6による通信装置を構成する送信装置を示すブロック図であり、図9(b)は本発明の実施の形態6による通信装置を構成する受信装置を示すブロック図である。
【0084】
図9(b)において、受信装置100、A/D変換器110、検波部108a、等化器120、P/S変換器130、判定器140は図8と同様のものであり、同一符号を付して説明は省略する。図9(b)において、141は1サンプリング時間遅延させる遅延回路、142は複素除算器、143は入力される複素データを累積加算する複素加算器、144は同期ずれ演算器、145は同期タイミング推定回路である。また、図9(a)において、200は送信装置、201は連続する数シンボルの間、各サブキャリアに対して同一のデータを発生する同期用データ発生器、210は同期用データに従ってシンボルマッピング(PAM変調)を行うシンボルマッパ、230は逆ウェーブレット変換器、220は逆ウェーブレット変調器からの出力を直列に変換する直並列変換器(S/P変換器)、240は直並列変換器220から出力される送信波形データをアナログ信号に変換するD/A変換器である。
【0085】
このように構成された通信装置について、その動作を図10を用いて説明する。図10はサブキャリアと正弦波周波数との関係を示すグラフである。なお、説明を簡単にするために、使用するウェーブレット変換は8点、すなわちサブキャリア数を8本とする。
【0086】
まず、送信装置200において、同期用データ発生器201は、連続する数シンボルの間、各サブキャリアに対して同一のデータ(例えば1)をシンボルマッパ210に対して出力する。このとき、各サブキャリアに割り当てられるデータは、受信装置100側で既知のデータである。そして、このデータを逆ウェーブレット変換器230によって変換する。このとき、逆ウェーブレット変換器230からの出力は、図10中に示すfnを周波数とした正弦波の合成波となる。そして、この合成波データを直並列変換器220とD/A変換器240とによりアナログ信号に変換して送信する。
【0087】
一方、受信装置100においては、まず、D/A変換器110により受信信号をディジタル変換し、受信波形データを得る。この受信波形データを検波部108aによって検波し、その出力として、受信信号に含まれる複数の正弦波に対する複素情報を得る。このとき、シンボル同期タイミングが正確に合っていれば、検波部108aからの出力は全て等しい値となるが、同期タイミングが合っていなければ、そのずれの度合いτとサブキャリア周波数fcによって2πfc・τの位相回転を受けた値となっている。次に、遅延素子141と複素除算器142により、隣り合うサブキャリア間の複素除算を行い、複素座標上で位相差を演算する。隣り合うサブキャリア間の周波数間隔fiは全て同じであるから、全てのサブキャリア間位相差(複素値)は等しい値2πfi・τとなる(。しかしながら実際には、伝送路の影響などを受け、2πfi・τよりもばらついた値となる。この各サブキャリア間位相差θcを複素加算器143によって累積加算することにより平均値θmを求め、同期ずれ演算器144において、サブキャリア間間隔fiと平均サブキャリア間位相差θmとから同期ずれ値τm求める。その結果を同期タイミング推定回路145に与えることにより、検波部108aに対し同期タイミングをフィードバックする。ここで、各サブキャリア間位相差から平均サブキャリア間位相差を引いた(θc−θm)(c:サブキャリア間位相差番号)を新たなパラメータとし、同期ずれ演算器144において各サブキャリアにおける同期タイミングと平均同期タイミングとの差τcを求めて、平均同期タイミングからの各サブキャリアの同期タイミングのずれを計算する。このτcを使って各サブキャリアの同期タイミングを微調整する。この微調整が必要な理由としては、各サブキャリアの同期タイミングは伝送路の影響によりずれてしまうので、同期タイミングとしては平均値にあわせる必要がある。しかしながら、平均値では各サブキャリアに対して完全に同期しているといえないので、各サブキャリアの同期タイミングが平均同期タイミングよりどれだけずれているかを求め、そのずれ量に合わせて各サブキャリアの同期タイミングを微調整する。上記のような動作をすることにより、各サブキャリアの同期タイミングずれによる(同期用データの)受信信号と既知信号の信号点のずれを補正することができ、後段にある等化性能を向上させ、結果として受信性能を向上させることができる。
【0088】
同期タイミング確定後、検波部108aは複素データ(複素情報)を等化器120に供給する。等化器120は、検波部108aより得られた複素データと等化用(同期用)にあらかじめ割り当てられた既知データとを比較して等化量を求める。そして、実際のデータ伝送シンボル区間において求めた等化量をもって複素データを等化し、並直列変換器130に供給する。最後に判定器140は等化後の複素データに基づきデータ判定を行う。
【0089】
上記のような構成により、劣悪な伝送路においても高い精度で同期タイミングを推定することが可能となるため、高精度な復調を行うことが可能となる。
【0090】
なお、検波部108aより得られた値は2n−1番目(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号を0〜M−1とする)の出力と2n番目の出力を位相を合わせて合成することにより精度の高い位相回転量を求めることができる。この方式は図10に示すように、2n−1番目と2n番目のサブキャリアが同じ正弦波を使用して位相回転量を求めているため実現できる。
【0091】
上記のような構成により、サブキャリアペア毎に同期タイミングはずれによる位相回転量を求めることができるため、サブキャリア毎に位相回転量を求めるよりもさらに高精度に計算することができる。
【0092】
(実施の形態7)
図11は、本発明の実施の形態7による通信装置の受信装置を構成する検波部を示すブロック図である。なお、送信装置は図9(b)と同じである。
【0093】
図11において、151は受信装置における検波部、152は互いに直交するM個の実係数ウェーブレットフィルタで構成されるウェーブレット変換器、153はウェーブレット変換器152からの2n−1番目の出力を複素情報の同相成分(Iチャネル)とし、2n番目の出力を直交成分(Qチャネル)として(但し、1≦n<M/2とする)複素データを生成する複素データ生成器、154は並列に出力される複素データを直列に変換する並直列変換器(P/S変換器)である。
【0094】
このように構成された検波部151について、その動作を図10を用いて説明する。なお、説明を簡単にするため、サブキャリア本数を8として説明する。また、本実施の形態において、受信装置の入力として図10に示す太実線部分(f1、f2、f3)を周波数とする正弦波の合成波が入力されるものとし、それぞれの位相をφ1、φ2、φ3とする。このとき、各正弦波の位相φn(n=1、2、3)は−π〜πの範囲で任意である。
【0095】
まず、検波部151は、受信波形データをウェーブレット変換器152によってウェーブレット変換する。このとき、2n−1番目と2n番目のサブキャリア出力(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号は0〜M−1とする)は、それぞれ図10中の各fnを周波数とする正弦波に対するcos(φn)、sin(φn)となる。そして、複素データ生成器153は、cos(φn)を実部データ、sin(φn)を虚部データとして複素データを生成する。最後に並直列変換器154によってシリアル複素データを得る。
【0096】
なお、本実施の形態では合計(M/2−1)個の複素データ生成器153を使用したが、ウェーブレット変換器152からの出力を並直列変換し、そのシリアルデータのうち2n−1番目と2n番目が複素データ生成器153へ入力されるように、タイミング制御を行うことにより、1個の複素データ生成器でも実現可能である。
【0097】
上記のような構成にすることにより、正弦波で構成される受信信号に対してという限定はあるが、少ない演算量(実施の形態3と比較して約半分)で複素情報(複素データ)を得ることが可能となる。
【0098】
(実施の形態8)
図12は、本発明の実施の形態8による通信装置の送信装置を構成する変調器を示すブロック図である。
【0099】
図12において、251は変調器、252はビットデータをシンボルデータに変換し、各シンボルデータに従ってシンボルマッピング(QAM変調)を行うシンボルマッパ、253は逐次入力されたデータを並列に変換する直並列変換器(S/P変換器)、254は入力された複素データを実部と虚部に分解する複素データ分解器、255は逆ウェーブレット変換器である。
【0100】
このように構成された送信装置の変調器251について、その動作を図10を用いて説明する。なお、説明を簡単にするため、サブキャリア本数を8として説明する。また、本実施の形態において、送信装置の出力として図10に示す太実線部分(f1、f2、f3)を周波数とする正弦波の合成波が出力されるものとし、それぞれの位相をφ1、φ2、φ3とする。このとき、各正弦波の位相φn(n=1、2、3)は−π〜πの範囲で任意である。
【0101】
まず、変調器251は、シンボルマッパ252によって送信データ(ビットデータ)をシンボルデータに変換し、各シンボルデータに従ってQAM変調を行い、複素座標上に信号点を配置する。この処理により、(数1)を得る。
【0102】
【数1】
【0103】
次に、直並列変換器253によってパラレル複素データに変換し、各複素データを複素データ分解器254によって実部データ(cos(φn))と虚部データ(sin(φn))とに分解する。そして、逆ウェーブレット変換器255の2n−1番目の入力に対してcos(φn)を、2n番目に対してsin(φn)を割り当てる(但し、1≦n≦(M/2−1)とする)。すると、逆ウェーブレット変換器255の出力は、図10中の各fnを周波数とし、初期位相φnをもつ正弦波cos(2πfn・t+φn)の合成波となる。
【0104】
なお、本実施の形態では、合計M/2−1個の複素データ分解器を使用したが、1個の複素データ分解器でも実現可能である。
【0105】
上記構成により、シンボルマッパ252で配置された複素座標面の初期位相を各サブキャリア(正確には2n−1と2n番目のサブキャリアによるペア)に対して自由に与えることが可能となるため、各サブキャリアの位相が重ならないようにデータを設定することにより、送信出力の際の瞬時ピーク電圧を抑制することができる。このことにより、送信アンプの仕様を緩和することが可能となる。
【0106】
(実施の形態9)
図13(a)は本発明の実施の形態9による通信装置の送信装置を示すブロック図であり、図13(b)は本発明の実施の形態9による通信装置の受信装置を示すブロック図である。
【0107】
図13(b)において、150は受信装置、110は受信信号をディジタル信号に変換するA/D変換器、151は図11に示す検波部、146は複素平面上で位相を回転させる位相回転器、141は1サンプリング時間遅延させる遅延回路、142は複素除算器、143は入力される複素データを累積加算する複素加算器、144は同期ずれ演算器、145は同期タイミング推定回路である。また図13(a)において、250は送信装置、256は連続する数シンボルの間、各サブキャリアに対して同一のデータを発生する同期用データ発生器、251は図12に示す変調器、240は変調器251により生成された送信波形データをアナログ信号に変換するD/A変換器である。
【0108】
このように構成された通信装置の送信装置250と受信装置150について、その動作を図10を用いて説明する。なお、使用するウェーブレット変換は8点、すなわちサブキャリア数を8本とする。
【0109】
まず、送信装置250において、同期用データ発生器256は、連続する数シンボルの間、各サブキャリアに対して同一のデータを変調器251に対して出力する。このとき、各サブキャリアに割り当てられるデータは、受信装置150側で既知のデータである。そして、この同期用データを変調器251によって変調する。このとき、変調器251からの出力は、図10中に示すfnを周波数とした正弦波の合成波となる。また、各正弦波の位相は入力された同期用データに依存するが、ここでは、位相はφnとする。そして最後に、合成波データをD/A変換240によりアナログ信号に変換して送信する。
【0110】
一方、受信装置150においては、まず、D/A変換器110により受信信号をディジタル変換し、受信波形データを得る。この受信波形データを検波部151によって検波し、その出力として、受信信号に含まれる複数の正弦波それぞれに対する複素信号点情報を得る。ここで得られる複素信号点情報はφnによって位相回転させているため、位相回転器146によりそのφn分だけ複素座標上で位相を戻す。さらに、シンボル同期タイミングが正確に合っていれば、位相回転器146からの出力は全て等しい値となるが、同期タイミングが合っていなければ、そのずれの度合いτとサブキャリア周波数fcによって2πfc・τの位相回転を受けた値となっている。次に、遅延素子141と複素除算器142とにより、隣り合うサブキャリア間の複素除算を行い、複素座標上で位相差を演算する。隣り合うサブキャリア間の周波数間隔fiは全て同じであるから、全てのサブキャリア間位相差(複素値)は等しい値2πfi・τとなる(実際には、伝送路の影響などを受け、2πfi・τよりもばらついた値となる)。このサブキャリア間位相差を複素加算器143によって累積加算することにより平均値φmを求め、同期ずれ演算器144においてサブキャリア間間隔fiと平均サブキャリア間位相差φmから同期ずれ値τを求める。その結果を同期タイミング推定回路145に与えることにより、検波部に対し同期タイミングをフィードバックする。
【0111】
上記のような構成にすることにより、実施の形態6で2つのウェーブレット変換器によって構成された部分を1つのウェーブレット変換器によって実現できるため、回路規模を小さくすることができる。
【0112】
(実施の形態10)
本発明は、信号の送受信を行う通信装置に広く適用されるものであるが、劣悪な伝送路を使用する状況がある電力線通信のシステムに好適である。
【0113】
図20は本発明の実施の形態10による通信装置を構成する送信装置を示すブロック図であり、図21は本発明の実施の形態10による通信装置を構成する受信装置を示すブロック図である。
【0114】
図20において、600は送信部、610はビットデータをシンボルデータに変換しある信号点配置にマッピングするシンボルマッパ、220はシリアルデータをパラレルデータに変換するS/P変換器、620は送信信号を逆変換して変調処理を行う互いに直交する複数M個のフィルタで構成されるフィルタバンクを用いた変調器、240はディジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器、700は受信部、110はアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器、630は受信信号を変換して復調処理を行う互いに直交する複数M個のフィルタで構成されるフィルタバンクを用いた復調器である。
【0115】
次に図20,21を使用して本装置の動作について説明する。
【0116】
送信装置の送信部600において、シンボルマッパ610ではビットデータをシンボルデータに変換してある信号点配置情報に従ってマッピングし、フィルタバンク型変調器620ではシンボルマッパ610において信号点配置された送信信号を逆変換して変調処理を行い、D/A変換器240ではディジタル信号をアナログ信号に変換し、受信装置の検波部700において、A/D変換器110ではアナログ信号をディジタル信号に変換し、フィルタバンク型復調器630では受信信号を変換して復調処理を行う。ここで使用可能なフィルタバンクとしては、時間領域および周波数領域で局在しているような信号を使用したフィルタバンクであり、代表としてWaveletベースのコサイン変調フィルタバンクやFFTベースのPulse Shaping型OFDMなど、があげられる。図にコサイン変調フィルタバンクを用いた場合の振幅スペクトル(フィルタ長4Mの場合)を示す。図ではアマチュア無線帯域と重なるサブキャリアを不使用としてノッチを形成している。このようにフィルタバンクを使用して変復調処理を行うことにより、帯域制限された(Pulse Shapingされた)サブキャリアを使用したマルチキャリア伝送が可能となる。帯域制限型マルチキャリアを電力線通信に使用することにより、狭帯域妨害波やキャリア間干渉などに耐性を持たせることができる。また、各サブキャリアが帯域制限されているので、数本のサブキャリアを不使用とすることにより、鋭いノッチを形成することができる。
【0117】
電力線通信においては、約2M〜30Mまでの帯域を使用可能とする規制緩和が行われようとしている。しかしながらこの帯域は他の既存システムも存在(例えばアマチュア無線や短波放送など)する。電力線通信はこのような他の既存システムに妨害を与えてはならないため、他の既存システムが使用している帯域では信号を送信しないようにしなければならない。通常は、既存システムが使用している帯域に送信しないように別フィルタでノッチフィルタを生成する。米国の電力線通信のアライアンス団体であるHome PlugがリリースしたHome Plug1.0では30dBのノッチフィルタが使用されている。上記から他の既存システムへの妨害抑制目標としては上記の30dB以上が考えられる。
【0118】
本方式はフィルタバンクを使用し各サブキャリアを帯域制限して既存システムの使用帯域と重なるサブキャリアを不使用とすることにより、ノッチフィルタを生成せずに従来方式と同様な動作(他の既存システム使用帯域にノッチを生成:図参照)が可能である。ここでフィルタバンクにおける各フィルタのフィルタ長を(Mを固定して)長くすれば長くするほど、深いノッチが形成されるが、その場合フィルタによる遅延が問題となる(フィルタ遅延とノッチの深さはトレードオフ)。よって、電力線通信においてはフィルタバンクのフィルタ長を4Mに限定することにより、30dB以上のノッチが形成でき、且つフィルタ遅延を抑えることが可能である。
【0119】
(実施の形態11)
図22は本発明の実施の形態11による電力線通信システムを示すブロック図である。図において800は建物、810は電力線、820は電話回線あるいは光回線あるいはCATV回線、700は請求項記載の互いに直交する複数M個のフィルタで構成されるフィルタバンクを用いた通信装置、710はTVやビデオやDVDやDVカメラなどのAV機器、720はルータやADSLやVDSLやメディアコンバータや電話などの通信機器、730はプリンタやFAXやスキャナーなどのドキュメント機器、740はカメラ鍵やインターホンなどのセキュリティ機器、750はパソコン、760はエアコンや冷蔵庫や洗濯機や電子レンジなどの家電機器である。
【0120】
図22を用いて本実施の形態の動作について説明する。各機器は互いに直交する複数M個のフィルタで構成されるフィルタバンクを用いた通信装置を使用して電力線を介してネットワークを構成し、双方向の通信を行う。インターネットへの通信は電力線を介して建物内にあるホームゲートウェイ経由で接続される場合があるし、あるいは電話回線や光回線やCATV回線を媒体として通信行う通信機器を経由して接続される場合があるし、あるいは無線機能を有した通信機器から無線で接続される場合もある。ここで使用している通信装置は、実施の形態10に記載の互いに直交する複数M個のフィルタで構成されるフィルタバンクを変復調処理に用いているため、他の既存システムが使用している帯域に重なるサブキャリアを不使用とすることにより、他の既存システムへの妨害を抑えることができる。またフィルタ長を4Mに限定しているため、30dB以上のノッチの深さを実現し且つフィルタ遅延を抑えている。逆に他の既存システムからの狭帯域妨害の影響を軽減することができる。
【0121】
さらにノッチを生成したい帯域があればその帯域に重なるサブキャリアを不使用とするだけでよいので、容易に各国の規制に柔軟に対応することが可能である。しかも本システム導入後に規制が変更されてもファームのバージョンアップなどにより柔軟に対応できる。なお、建物自体も他のシステムへの輻射軽減に役立つ。
【0122】
なお、以上の全ての実施の形態においてウェーブレット変換を使用し、特に断らない限りウェーブレット変換はコサイン変調フィルタバンクによって行われるものとするとするとしたが、実施の形態の中で特にDCT4やDST4などと限定しているもの以外では、上記の変換方法にとらわれず、Real変換(例えばDCTなど)を変復調に用いたマルチキャリア通信方式全般に適用することができる。
【0123】
以上説明したように本発明に記載の通信装置によれば、ディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置を有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、前記受信装置は検波部を有し、前記検波部は、受信波形データをウェーブレット変換する互いに直交する複数M個の実係数ウェーブレットフィルタで構成される第1のウェーブレット変換器と、前記受信波形データをヒルベルト変換するヒルベルト変換器と、前記ヒルベルト変換器からの出力をウェーブレット変換する第2のウェーブレット変換器と、前記第1のウェーブレット変換器からの出力を複素情報の同相成分とし、前記第2のウェーブレット変換器からの出力を直交成分として複素データを生成する複素データ生成器と、前記第2のウェーブレット変換器からのM個の出力の奇数番目の出力を符号反転する符号変換器とを有することにより、受信装置に到来する実信号のみの時間信号からサブキャリア毎の複素情報を得ることができるので、高精度な復調を行うことができ、また、振幅値のみでなく位相情報も処理の対象とすることができるようになるため、群遅延などによって生じる劣悪な伝送路によって各サブキャリアの同期タイミングずれが生じた場合でもサブキャリア毎に位相回転分を補正して受信性能を向上させることができるという有利な効果が得られる。
【0124】
請求項3に記載の通信装置によれば、ディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置を有する実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、前記受信装置は検波部を有し、前記検波部は、受信波形データをウェーブレット変換する互いに直交する複数M個の実係数ウェーブレットフィルタで構成される第1のウェーブレット変換器と、受信波形データに対してヒルベルト変換、ウェーブレット変換、奇数番目の符号の反転を行うウェーブレットフィルタで構成される第2のウェーブレット変換器と、前記第1のウェーブレット変換器からの出力を複素情報の同相成分とし、前記第2のウェーブレット変換器からの出力を直交成分として複素データを生成する複素データ生成器とを有することにより、受信装置に到来する実信号のみの時間信号からサブキャリア毎の複素情報を得ることができるので、高精度な復調を行うことができ、また、高速な処理を行うことができ、回路構成を簡素化することができるという有利な効果が得られる。
【0126】
請求項4に記載の通信装置によれば、請求項1に記載の通信装置において、第2のウェーブレット変換器は、実係数を有する第2のポリフェーズフィルタで構成された第3のプロトタイプフィルタと、複数M個のダウンサンプラと、M−1個の1サンプル遅延素子と、入力系列の順番をM個単位で反転させる時系列反転器と、高速M点の離散コサイン変換器とを有することにより、第1のウェーブレット変換器の高速M点離散コサイン変換器を共用することができるという有利な効果が得られる。
【0127】
請求項5に記載の通信装置によれば、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、受信装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の検波部と、検波部から得られる複素情報と等化処理用にあらかじめ割り当てられた等化用既知信号とを用いて等化を行う等化器と、等化器から得られる信号を用いて判定を行う判定器とを有することにより、複素情報と等化用既知信号とを用いて等化を行うことができるので、劣悪な伝送路においても高精度な復調を行うことができるという有利な効果が得られる。
【0128】
請求項6に記載の通信装置によれば、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、送信装置は、連続する数シンボルの間に渡って同一で且つ受信装置で既知の同期用データを発生する同期用データ発生器と、同期用データを逆ウェーブレット変換する逆ウェーブレット変換器とを有し、受信装置は、請求項1乃至5のいずれか1に記載の検波部と、検波部から得られる複素情報と等化処理用にあらかじめ割り当てられた等化用既知信号とを用いて等化を行う等化器と、等化器から得られる信号を用いて判定を行う判定器と、検波部より出力される隣接する複素サブキャリア間の位相差からシンボル同期タイミングを推定する同期推定回路とを有することにより、同じキャリア番号がついた第1のウェーブレットフィルタバンクより得られるサブキャリアと第2のウェーブレットフィルタバンクより得られるサブキャリアとで構成される複素サブキャリア間の位相差からシンボル同期タイミングを推定することができるので、正確且つ高精度の復調を行うことができるという有利な効果が得られる。
【0129】
請求項7に記載の通信装置によれば、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、前記送信装置は、連続する数シンボルの間に渡って同一で且つ前記受信装置で既知の同期用データを発生する同期用データ発生器と、前記同期用データを逆ウェーブレット変換する逆ウェーブレット変換器とを有し、前記受信装置の検波部は、受信波形データをウェーブレット変換する互いに直交する複数M個の実係数ウェーブレットフィルタで構成されるウェーブレット変換器と、前記ウェーブレット変換器からの2n−1番目(nは正の整数)の出力を複素情報の同相成分とし、2n番目の出力を直交成分として(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号を0〜M−1とする)複素データを生成する複素データ生成器とを有することにより、受信装置に到来する実信号のみの時間信号からサブキャリア毎の複素情報を得ることができるので、高精度な復調を行うことができ、また、正弦波で構成される受信信号に対してという限定はあるが、少ない演算量で複素データを得ることが可能となるという有利な効果が得られる。
【0130】
請求項8に記載の通信装置によれば、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、送信装置の変調部は、ビットデータをシンボルデータに変換してシンボルデータをM/2個(Mは複数)の複素座標面にマッピングするシンボルマッパと、互いに直交するM個の実係数ウェーブレットフィルタで構成される逆ウェーブレット変換器と、逆ウェーブレット変換器への2n−1番目(nは正の整数)の入力に複素情報の同相成分を、2n番目の入力に複素情報の直交成分を(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号を0〜M−1とする)供給するように複素データを実部と虚部に分解する複素データ分解器とを有することにより、信号点配置器(シンボルマッパ)において生成されたM/2個の複素座標面の初期位相を任意に与えることができるという有利な効果が得られる。
【0131】
請求項10に記載の通信装置によれば、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、送信装置は、連続する数シンボルの間に渡って同一で且つ受信装置で既知の同期用データを発生する同期用データ発生器と、同期用データを用いて変調を行う変調部とを有し、受信装置は、請求項7記載の検波部と、隣接する複素サブキャリア間の位相差からシンボル同期タイミングを推定する同期タイミング推定回路とを有することにより、ウェーブレット変換器を1つにすることができるので、受信装置の規模を小さくすることができるという有利な効果が得られる。
【0132】
また、本願の通信装置によれば、伝送路として電力線を用い、ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、変復調処理部分に複数のフィルタから構成されるフィルタバンクを用いる通信装置であって、前記送信装置の送信部は、ビットデータをシンボルデータに変換してある信号点配置情報に従ってマッピングするシンボルマッパと、前記シンボルマッパにおいて信号点配置された送信信号を逆変換して変調処理を行う互いに直交する複数M個のフィルタで構成されるフィルタバンクを用いた変調器とを有し、前記受信装置の検波部は、受信信号を変換して復調処理を行う互いに直交する複数M個のフィルタで構成されるフィルタバンクを有することにより、帯域制限された(Pulse Shapingされた)サブキャリアを使用したマルチキャリア伝送が可能となる。帯域制限型マルチキャリアを電力線通信に使用することにより、狭帯域妨害波やキャリア間干渉などに耐性を持たせることができる。また、各サブキャリアが帯域制限されているので、数本のサブキャリアを不使用とすることにより、鋭いノッチを形成することができる。
【0133】
電力線通信においては、約2M〜30Mまでの帯域を使用可能とする規制緩和が行われようとしている。しかしながらこの帯域は他の既存システムも存在(例えばアマチュア無線や短波放送など)する。電力線通信はこのような他の既存システムに妨害を与えてはならないため、他の既存システムが使用している帯域では信号を送信しないようにしなければならない。通常は、既存システムが使用している帯域に送信しないように別フィルタでノッチフィルタを生成する。米国の電力線通信のアライアンス団体であるHome PlugがリリースしたHome Plug1.0では30dBのノッチフィルタが使用されている。上記から他の既存システムへの妨害抑制目標としては上記の30dB以上が考えられる。
【0134】
本方式はフィルタバンクを使用し各サブキャリアを帯域制限して既存システムの使用帯域と重なるサブキャリアを不使用とすることにより、ノッチフィルタを生成せずに従来方式と同様な動作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による通信装置の受信装置を構成する検波部を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2による通信装置の受信装置を構成する検波部を示すブロック図
【図3】図1、図2の検波部を構成するウェーブレット変換器を示すブロック図
【図4】図3におけるポリフェーズ構成のプロトタイプフィルタの構成を示すブロック図
【図5】図1のウェーブレット変換器を示すブロック図
【図6】図5におけるポリフェーズ構成のプロトタイプフィルタの構成を示すブロック図
【図7】図1のウェーブレット変換器(第2のウェーブレット変換器)を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態5による通信装置を構成する受信装置を示すブロック図
【図9】(a)本発明の実施の形態6による通信装置を構成する送信装置を示すブロック図
(b)本発明の実施の形態6による通信装置を構成する受信装置を示すブロック図
【図10】サブキャリアと正弦波周波数との関係を示すグラフ
【図11】本発明の実施の形態7による通信装置の受信装置を構成する検波部を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態8による通信装置の送信装置を構成する変調器を示すブロック図
【図13】(a)本発明の実施の形態9による通信装置の送信装置を示すブロック図
(b)本発明の実施の形態9による通信装置の受信装置を示すブロック図
【図14】DWMC伝送方法を採用した場合の送信装置および受信装置から成る従来の通信装置を示すブロック図
【図15】ウェーブレット波形の例を示す波形図
【図16】DWMC伝送方法における送信波形の例を示す波形図
【図17】DWMC伝送方法における送信スペクトルの例を示すスペクトル図
【図18】DWMC伝送方法における送信フレームの構成例を示すフレーム図
【図19】本発明の実施の形態5による通信装置を構成する送信装置を示すブロック図
【図20】本発明の実施の形態10による通信装置を構成する送信装置を示すブロック図
【図21】本発明の実施の形態10による通信装置を構成する受信装置を示すブロック図
【図22】本発明の実施の形態11による電力線通信システムを示すブロック図
【符号の説明】
100、150 受信装置
101、108、108a、151 検波部
102、104、109、109A、152 ウェーブレット変換器
103 ヒルベルト変換器
105 符号変換器
106 レベル変換器
107、153 複素データ生成器
110 A/D変換器
120 等化器
121、133、141 遅延素子
122 ダウンサンプラ
123、125 プロトタイプフィルタ
124 離散コサイン変換器
126 離散サイン変換器
127 時系列反転器
128 符号反転器
130、154 並直列変換器(P/S変換器)
131 乗算器
132 加算器
140 判定器
142 複素除算器
143 複素加算器
144 同期ずれ演算器
145 同期タイミング推定回路
146 位相回転器
200、250 送信装置
201、256 同期用データ発生器
210 シンボルマッパ(PAM)
220、253 直並列変換器(S/P変換器)
230、255 逆ウェーブレット変換器
240 D/A変換器
251 変調器
252 シンボルマッパ(QAM)
254 複素データ分解器
Claims (11)
- ディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置を有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、
前記受信装置は検波部を有し、
前記検波部は、受信波形データをウェーブレット変換する互いに直交する複数M個の実係数ウェーブレットフィルタで構成される第1のウェーブレット変換器と、前記受信波形データをヒルベルト変換するヒルベルト変換器と、前記ヒルベルト変換器からの出力をウェーブレット変換する第2のウェーブレット変換器と、前記第1のウェーブレット変換器からの出力を複素情報の同相成分とし、前記第2のウェーブレット変換器からの出力を直交成分として複素データを生成する複素データ生成器と、
前記第2のウェーブレット変換器からのM個の出力の奇数番目の出力を符号反転する符号変換器とを有することを特徴とする通信装置。 - 前記符号変換器からの出力について前記ヒルベルト変換器のリプルによる振幅変動を補正するレベル変換器を更に有することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- ディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置を有する実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、
前記受信装置は検波部を有し、
前記検波部は、受信波形データをウェーブレット変換する互いに直交する複数M個の実係数ウェーブレットフィルタで構成される第1のウェーブレット変換器と、受信波形データに対してヒルベルト変換、ウェーブレット変換、奇数番目の符号の反転を行うウェーブレットフィルタで構成される第2のウェーブレット変換器と、前記第1のウェーブレット変換器からの出力を複素情報の同相成分とし、前記第2のウェーブレット変換器からの出力を直交成分として複素データを生成する複素データ生成器とを有することを特徴とする通信装置。 - 前記第2のウェーブレット変換器は、実係数を有するポリフェーズフィルタで構成されたプロトタイプフィルタと、複数M個のダウンサンプラと、M−1個の1サンプル遅延素子と、入力系列の順番をM個単位で反転させる時系列反転器と、高速M点の離散コサイン変換器と、を有することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- ディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置を有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、
前記受信装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の検波部と、前記検波部から得られる複素情報と等化処理用にあらかじめ割り当てられた等化用既知信号とを用いて等化を行う等化器と、前記等化器から得られる信号を用いて判定を行う判定器とを有することを特徴とする通信装置。 - ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、
前記送信装置は、連続する数シンボルの間に渡って同一で且つ前記受信装置で既知の同期用データを発生する同期用データ発生器と、前記同期用データを逆ウェーブレット変換する逆ウェーブレット変換器とを有し、
前記受信装置は、請求項1乃至5のいずれか1に記載の検波部と、前記検波部から得られる複素情報と等化処理用にあらかじめ割り当てられた等化用既知信号とを用いて等化を行う等化器と、前記等化器から得られる信号を用いて判定を行う判定器と、前記検波部より出力される隣接する複素サブキャリア間の位相差からシンボル同期タイミングを推定する同期推定回路とを有することを特徴とする通信装置。 - ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、
前記送信装置は、連続する数シンボルの間に渡って同一で且つ前記受信装置で既知の同期用データを発生する同期用データ発生器と、前記同期用データを逆ウェーブレット変換する逆ウェーブレット変換器とを有し、
前記受信装置の検波部は、受信波形データをウェーブレット変換する互いに直交する複数M個の実係数ウェーブレットフィルタで構成されるウェーブレット変換器と、前記ウェーブレット変換器からの2n−1番目(nは正の整数)の出力を複素情報の同相成分とし、2n番目の出力を直交成分として(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号を0〜M−1とする)複素データを生成する複素データ生成器とを有することを特徴とする通信装置。 - ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、
前記送信装置の変調部は、ビットデータをシンボルデータに変換して前記シンボルデータをM/2個(Mは複数)の複素座標面にマッピングするシンボルマッパと、互いに直交するM個の実係数ウェーブレットフィルタで構成される逆ウェーブレット変換器と、前記逆ウェーブレット変換器への2n−1番目(nは正の整数)の入力に複素情報の同相成分を、2n番目の入力に複素情報の直交成分を(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号を0〜M−1とする)供給するように複素データを実部と虚部に分解する複素データ分解器とを有することを特徴とする通信装置。 - 前記複素データ分解器は、初期位相として0とπのみを用いることを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
- ディジタルマルチキャリア変調処理を行う送信装置とディジタルマルチキャリア復調処理を行う受信装置とを有し、実係数ウェーブレットフィルタバンクを用いたディジタルマルチキャリア変復調処理によりデータ伝送を行うマルチキャリア伝送方法を用いた通信装置であって、
前記送信装置は、連続する数シンボルの間に渡って同一で且つ前記受信装置で既知の同期用データを発生する同期用データ発生器と、前記同期用データを用いて変調を行う変調部とを有し、
前記受信装置は、請求項7に記載の検波部と、隣接する複素サブキャリア間の位相差からシンボル同期タイミングを推定する同期タイミング推定回路とを有することを特徴とする通信装置。 - 前記受信装置は、前記検波部から得られる複素情報を用いて2n−1番目(但し、1≦n≦(M/2−1)、サブキャリア番号を0〜M−1とする)の出力と2n番目の出力を合成して各サブキャリアに使用する等化係数を求める等化器と前記等化器から得られる信号を用いて判定を行う判定器とを有することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
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