JP4290453B2 - 動圧型軸受装置の製造方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動圧型軸受装置の製造方法およびその装置に係り、詳しくは、情報機器、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置などのスピンドルモータ、複写機、レーザビームプリンタ(LBP)、バーコードリーダー等のスキャナモータ、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータに利用される動圧型軸受装置の製造方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、上記列挙したモータは、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが推進されるに至っている。これらの要求性能を決定づける要素の一つとして、当該モータのスピンドルを支持する軸受が重要視されており、近年においては、この種の軸受として、上記要求性能に優れた特性を有する動圧型軸受の使用が検討され、あるいは実用化が図られている。
【0003】
例えば、HDD等のディスク装置のスピンドルモータに組み込まれる動圧型軸受装置では、軸部材をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部とが設けられ、これらの軸受部として、軸受面に動圧発生用の溝(動圧溝)を有する動圧型軸受が用いられる。
【0004】
この場合、ラジアル軸受部の動圧溝は、ハウジングや軸受部材の内周面または軸部材の外周面に形成され、スラスト軸受部の動圧溝は、フランジ部を備えた軸部材を用いる場合、そのフランジ部の両端面、あるいは、これに対向する面(軸受部材の端面やハウジングの底面等)にそれぞれ形成される。
【0005】
また、フランジ部を備えていない軸部材を用いる場合には、スラスト軸受部として、軸受面に動圧溝を形成することなく、ハウジングの底面に装着したスラストプレートによって軸部材の端面を支持する構造が採用される場合もある。
【0006】
この種の動圧型軸受装置の製造に際しては、その終段の工程において、未注油の状態で組立てた動圧型軸受装置を真空槽内で潤滑油中に浸漬させた後、大気圧に開放することによりハウジングの内部空間を潤滑油で充満させることが行われる。
【0007】
また、この後工程においては、潤滑油の注油を終えた動圧型軸受装置を、真空槽から取り出した後、その動作上限温度まで加温することにより、ハウジングの内部空間に充満された潤滑油を熱膨張させ、余分な潤滑油を除去することが行われる。
【0008】
このような処理は、常温での潤滑油の油面を適量だけ低下させて適性レベルに落ち着かせることにより、動圧型軸受装置が動作上限温度で運転された場合における潤滑油の熱膨張に起因する外部への漏出を阻止することを目的として行われるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の動圧型軸受装置における油面の調整は、ハウジングの内部空間に潤滑油を充満させた状態での加温時に、熱膨張に伴う油面の上昇分を綿棒等の油吸収部材で吸い取ることにより行われているのが現状である。
【0010】
しかしながら、このような毛細管現象等の油の自然吸収作用を利用した手法で油面の調整を行っていたのでは、その吸収能力や吸収機能が綿等の吸収剤の特性に依存することになるため(作業者の習熟度の影響も受けることになるため)、吸い取り量にバラツキが生じて、油面の位置を正確に管理することが困難になるおそれがある。
【0011】
そして、これに起因して、ハウジング内における潤滑油の量が不足すれば、潤滑不良等が原因となって動圧型軸受装置の早期劣化を招くおそれがあり、また潤滑油の量が過多であれば、動圧型軸受装置が動作上限温度で運転された場合に潤滑油の外部への漏出を招くおそれがある。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ハウジングの内部空間に充填される潤滑油の油面レベルを正確に調整して、動作上限温度での運転時における潤滑油の外部漏出、並びに潤滑不良等による早期劣化を適正に回避することが可能な動圧型軸受装置の製造方法およびその装置を提供することを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するためになされた本発明に係る製造方法は、ハウジングと、該ハウジングに収容された軸部材と、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で前記軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、前記ハウジングの一端部に設けられたシール部とを備えた動圧型軸受装置を製造する方法において、負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、前記シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引して、その油面の高さを軸心廻りの周方向の複数箇所でレーザにより検出し、その複数箇所のそれぞれにおいては、油面を形成する凹状の湾曲面における検出すべき一定位置にレーザ光を照射し、その検出された複数の油面の高さの平均値を算出することを特徴とするものである。
【0014】
このような構成によれば、動圧型軸受装置に注油を施した後の潤滑油量の調整が、負圧による吸引力を発生する吸引手段により行われることから、従来のように綿棒等による自然吸収作用を利用していた場合と比較して、吸引力ひいては吸引油量の制御を安定して行えることになる。これにより、潤滑油の油面レベルひいては油量の管理を正確且つ容易に行うことが可能となり、動圧型軸受装置の動作上限温度での運転時における潤滑油の外部漏出や潤滑不良等による早期劣化の問題が効果的に回避される。更に、潤滑油を吸引した後は、その油面の高さが軸心廻りの周方向の複数箇所でレーザにより検出され、その複数箇所のそれぞれにおいては、油面を形成する凹状の湾曲面における検出すべき一定位置にレーザ光が照射され、その検出された複数の油面の高さの平均値が算出される。
【0015】
この場合、前記動圧型軸受装置を動作上限温度まで加温した状態で、前記負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、前記シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引することが好ましい。
【0016】
また、上記技術的課題を解決するためになされた本発明に係る製造装置は、ハウジングと、該ハウジングに収容された軸部材と、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で前記軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、前記ハウジングの一端部に設けられたシール部とを備えた動圧型軸受装置を製造する装置において、負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、前記シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引して、その油面の高さを軸心廻りの周方向の複数箇所でレーザにより検出し、その複数箇所のそれぞれにおいては、油面を形成する凹状の湾曲面における検出すべき一定位置にレーザ光を照射し、その検出された複数の油面の高さの平均値を算出するように構成したことを特徴とするものである。
【0017】
このような構成による場合においても、動圧型軸受装置に注油を施した後の潤滑油量の調整が、負圧により潤滑油を吸引する吸引手段により行われることから、上述の製造方法の場合と同様にして、潤滑油の油面レベルひいては油量の管理を正確且つ容易に行うことが可能となり、動圧型軸受装置の動作上限温度での運転時における潤滑油の外部漏出や潤滑不良等による早期劣化の問題が効果的に回避される。そして、この場合にも、潤滑油を吸引した後は、その油面の高さが軸心廻りの周方向の複数箇所でレーザにより検出され、その複数箇所のそれぞれにおいては、油面を形成する凹状の湾曲面における検出すべき一定位置にレーザ光が照射され、その検出された複数の油面の高さの平均値が算出される。
【0018】
この場合、前記吸引手段は、吸引ノズルで構成されていることが好ましい。この吸引ノズルは、ノズル径、ノズル先端位置、吸引力、および吸引時間を管理することにより、油面レベルを安定して調整できると共に、その管理も容易に行えるものであるため、上述の製造装置における利点をより一層容易に享受できる。
【0019】
また、前記吸引手段は、前記シール空間に対して相対的に接近および離反可能とされていることが好ましい。このようにすれば、油量を調整すべき時期にある場合には、吸引手段(その吸引部位)を前記シール空間またはその近傍に位置させ、油量の調整が終了した場合には、吸引手段をシール空間から離反させて退避位置に相対移動させることが可能となる。これにより、例えば動圧型軸受装置の製造を流れ作業により行う場合において、作業の自動化や迅速化に寄与できることになる。
【0020】
更に、この製造装置においては、前記動圧型軸受装置を動作上限温度まで加温した状態で、前記負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、前記シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引するように構成されていることが好ましい。
【0021】
また、この製造装置においては、前記動圧型軸受装置を下方より支持して回転させる回転治具と、前記動圧型軸受装置の上方側に配置され且つ前記回転治具に対して相対的に上下昇降する昇降治具とによって、該動圧型軸受装置の周囲が覆われた状態で、前記負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、前記シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引するように構成されていることが好ましい。
【0022】
尚、上述のように、潤滑油の吸引後にその油面の位置をレーザで検出することによる基本的な利点、及び、その基本的或いは具体的な手法は、以下に示す通りである。
【0023】
すなわち、吸引手段による潤滑油の吸引油量が正確であったか否かをレーザ(レーザ光)で確認して、良品と不良品とに選別でき、高品位の動圧型軸受装置を市場に提供できることになる。
【0024】
具体例としては、ハウジングのシール部から所定距離だけ離間した位置にレーザ変位測定手段としてのレーザ変位計を配置して、このレーザ変位計の基準位置からシール部までの距離と、同じくレーザ変位計の基準位置から潤滑油の油面までの距離とを検出し、この検出された2つの距離の比較結果に基づいて、ハウジング内における潤滑油の油面高さを検出する。そして、この油面高さに基づいて、ハウジング内における潤滑油の量が適切か否かを判断する。
【0025】
この場合、上記の2つの距離は、相互に平行な方向で検出されること、換言すればレーザ光の照射方向が相互に平行であることが好ましい。したがって、レーザ変位計を動圧型軸受装置の軸心と直交する方向に移動させて2位置で上記の2つの距離を検出するか、或いは動圧型軸受装置の軸心と直交する方向に沿う2位置に2個のレーザ変位計を配置することが好ましい。また、上記の2つの距離は、動圧型軸受装置の軸心と平行な方向に沿って検出されること、換言すればレーザ光の照射方向が動圧型軸受装置の軸心と平行な方向であることが好ましい。なお、上記の2つの距離を検出する部位は、周方向の1箇所、または2箇所(例えば180°を隔てた2箇所)、もしくは3箇所以上の複数箇所であってもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0029】
図1は、本発明に係る動圧型軸受装置の製造装置の一実施形態を示す概略図である。この製造装置20、すなわち動圧型軸受装置1の油量調整に使用される製造装置20は、潤滑油が注油された動圧型軸受装置1の底部を下方より支持し且つ軸心廻り(a方向またはこれと逆方向)に回転可能な回転治具21と、該動圧型軸受装置1の上方側に配備され且つ上下昇降可能な昇降治具22とを備える。この場合、昇降治具22を定置保持させ、回転治具21を上下昇降可能としてもよい。
【0030】
前記昇降治具22は、動圧型軸受装置1のハウジング7上端面(後述するシール部材10の上面)に対して接近および離反可能とされると共に、この昇降治具22には、水平面に対するその軸心の傾斜角度αが45°〜65°(好ましくは55°)に設定された吸引手段としての吸引ノズル23が装着されている。そして、この吸引ノズル23のノズル先端23aは、軸部材2とシール部材10との間に位置し、この吸引ノズル23に発生する負圧吸引力の大きさおよび発生時間は、吸引制御手段24の動作によって制御されるようになっている。
【0031】
図2は、前記動圧型軸受装置1の内部詳細構造と、これに対する前記吸引ノズル23の配設状態とを示している。この動圧型軸受装置1は、図2(a)に示すように、一端に開口部7aを有する有底円筒状のハウジング7と、該ハウジング7の内周に固定された円筒状の軸受スリーブ8と、該軸受スリーブ8の内周に配設された軸部材2と、ハウジング7の開口部7aに固定されたシール部材10とを主たる構成要素とする。
【0032】
前記ハウジング7は、例えば真ちゅう等の軟質金属材料で形成され(ステンレス鋼やステンレスパイプ、或いは樹脂材料等で形成してもよい)、円筒状の側部7bと底部7cとを備えると共に、底部7cの内底面7c1のスラスト軸受面となる領域には、例えば図外のスパイラル形状の動圧溝が形成される。なお、この実施形態において、ハウジング7は、側部7bと底部7cとを別体構造とし、底部7cとなる蓋状部材を側部7bの他端開口部に加締めて接着等の手段で固定しているが、側部7bと底部7cとを一体構造としても良い。
【0033】
前記軸部材2は、例えばステンレス鋼やアルミ等の金属材料で形成され、軸部2aと、該軸部2aの下端に一体または別体に設けられたフランジ部2bとを備え、軸部2aの外周面に、ぬすみ溝2a1とテーパ面2a2とが形成されている。このテーパ面2a2は、上方に向かって漸次縮径する所定のテーパ角θを有すると共に、このテーパ面2a2の直上方には、円筒面2a3が連続して形成されている。
【0034】
前記軸受部材8は、例えば多孔質体、特に銅を主成分とする焼結金属で形成され、その内部の気孔に潤滑油が含浸されて含油軸受とされている。そして、軸受部材8の内周面8aには、上下二つのラジアル軸受面R1、R2が形成され、これらのラジアル軸受面R1、R2は間隔部R3を挟んで軸方向に離隔しており、何れの軸受面R1、R2も図外のヘリングボ−ン形状の動圧溝を備えている。また、間隔部R3は、軸部2aのぬすみ溝2a1と対向し、両者の間の隙間はラジアル軸受隙間よりも大きくなるように設定されている。なお、この軸受部材8の底面8cのスラスト軸受面となる領域にも、例えば図外のスパイラル形状の動圧溝が形成されている。
【0035】
前記シール部材10は、環状に形成されたものであって、ハウジング7の開口部7aの内周面に圧入および/または接着等の手段で固定されると共に、この実施形態では、シール部材10の内周面10aが円筒状に形成され、シール部材10の下側端面10bが軸受部材8の上側端面8bに当接している。そして、シール部材10の内周面10aは、軸部2aのテーパ面2a2と所定の隙間を介して対向しており、この対向両者間に、ハウジング7の上方に向かって漸次拡大するテーパ形状のシール空間Sが形成されている。
【0036】
以上のような相互関係を有するように各構成要素が組立てられた動圧型軸受装置1について、ハウジング7の内部に潤滑油を注油するに際しては、先ず、未注油の動圧型軸受装置1を組立てた後、この動圧型軸受装置1を真空槽内で潤滑油中に浸漬する。これにより、ハウジング7の内部空間の空気が真空槽内の真空圧で引かれて排出され、該内部空間に空気が介在しない状態となる。この後、大気圧に開放することにより、ハウジング7の内部空間が潤滑油で充満される。
【0037】
このように潤滑油の注油が終わると、動圧型軸受装置1を真空槽から取り出して、既述の図1に示すように、回転治具21によりハウジング7の下部を支持させた状態で動圧型軸受装置1を動作上限温度まで加温するか、或いは動圧型軸受装置1を動作上限温度まで加温した後に回転治具21により支持させる。
【0038】
この加温に伴って、ハウジング7の内部空間に充満された潤滑油が熱膨張することから、潤滑油の油面Lが、例えば図2(b)に示すように上昇するが、この時点においては、昇降治具22が下動端またはその近傍まで下降した状態にあり、吸引ノズル23のノズル先端23aが、シール部材10と軸部材2との間、詳しくはシール空間Sの上端近傍に位置している。なお、必要ならば、吸引制御手段24の動作により、或いは昇降治具22の昇降駆動手段の動作により、吸引ノズル23を図示の状態から更に下降させるなどの位置制御を行う。また、昇降治具22の下端面をシール部材10の上端面に当接させた時点で、吸引ノズル23が正確に位置決めされるように構成してもよい。そして、ノズル先端23aの位置が予め定められている高さに設定されている状態の下で、回転治具21をa方向に回転させて、動圧型軸受装置1を軸心Z廻りに回転させる(図1参照)。
【0039】
これと同時期に、吸引制御手段24の動作により、吸引ノズル23のノズル先端23aから一定の負圧値で一定時間だけ潤滑油を吸引することにより、動作上限温度条件下での余分な潤滑油が吸引ノズル23を通じて外部に排出され、シール空間Sにおける油面レベルが適切な高さとなる。この後、加温を停止して動圧型軸受装置1を常温にすれば、シール空間Sにおける潤滑油の油面レベルが温度降下により一定量だけ低下して、図2(b)に示す理想的な高さの油面L1に落ち着くことになる。
【0040】
なお、吸引ノズル23の吸引力(負圧値)や吸引時間、更にはノズル先端23aの位置を適宜変更すれば、動圧型軸受装置1を上述のように加温することなく、常温の状態でシール空間Sから余分な潤滑油を吸引して、油面L1を理想高さに維持させることもできる。また、吸引ノズル23による潤滑油の吸引時に、上述のように動圧型軸受装置1を回転させることは必ずしも行う必要がなく、したがって一定位置に固定保持されている動圧型軸受装置1に対し、シール空間Sの一箇所から上記と同様にして吸引ノズル23による余分な潤滑油の吸引作用を行うようにしてもよい。
【0041】
この後においては、レーザ変位計を使用して油面の高さを検出するが、図3に示すように、油面L1は凹状の湾曲面となっているため、同図に矢印で示すようにレーザ光の照射位置が半径方向に相違すれば、検出される油面L1の高さも相違することになる。したがって、軸部材2が偏心している場合などにおいては、油面L1の検出すべき一定位置(つまり、油面L1を形成する凹状の湾曲面における半径方向の一定位置)にレーザ光が照射されなくなる。そこで、この油面L1の半径方向の一定位置にレーザ光が照射されるようにすべく、この実施形態では、マイクロメータヘッドを使用してレーザ変位計の基準位置(レーザ照射部)の位置を微調整できるように構成されている。このように、油面L1の高さを正確に検出することにより、動圧型軸受装置1の良品と不良品との選別を高精度に行うことが可能となる。
【0042】
図4は、レーザ光を利用してハウジング7内に充填されている潤滑油の油面の高さを検出するための油面位置検出装置25を例示するものである。同図に示すように、動圧型軸受装置1の上方には、シール部材10の上端面(ハウジング7の上端面)から所定距離だけ離隔した位置に、垂直下方(軸心Zと平行な方向の下方)に向けてレーザ光を照射するレーザ変位測定手段としてのレーザ変位計26が配設されている。この実施形態では、単一のレーザ変位計26が、水平面(軸心Zと直交する面)内における一直線上に沿ってのみ移動可能なXテーブルでなるスライドテーブル(Xテーブル)27の下面に取り付けられている。
【0043】
この油面位置検出装置25による潤滑油の油面高さ測定方法は、以下のようにして実行される。すなわち、先ず実線で示す最初の測定位置にあるレーザ変位計26から潤滑油の油面L1にレーザ光を照射し、この時にレーザ光が潤滑油の油面L1で反射して戻るまでの時間を、レーザ変位計26の基準位置26a(レーザ照射部)から油面L1までの距離T1に換算する。次に、スライドテーブル27によりそのレーザ変位計26を直近の鎖線で示す位置まで水平方向に移動させた後、このレーザ変位計26からシール部材10の上端面にレーザ光を照射し、この時にレーザ光がシール部材10の上端面で反射して戻るまでの時間を、レーザ変位計26の基準位置26aからシール部材10の上端面までの距離T2に換算する。そして、上記の2つの距離T1、T2の差に基づいて、第1の箇所における潤滑油の油面高さ(T1−T2)を求める。
【0044】
この後、スライドテーブル27によりレーザ変位計26を最初の測定位置から180°を隔てた2番目の測定位置まで移動させて、上記と同様の測定方法を実行することにより、第2の箇所における潤滑油の油面高さ(T3−T4)を求める。この後、第1の箇所の油面高さ(T1−T2)と、第2の箇所の油面高さ(T3−T4)との平均値を算出し、この平均値を、動圧型軸受装置1の油面高さ(シール部材10の上端面を基準とする油面高さ)Txとする。そして、この油面高さTxに基づいて、ハウジング7内に充填されている潤滑油の油量が適切であるか否か、ひいては動圧型軸受装置1が良品であるか不良品であるかを判定し、不良品であると判定された場合には、再度注油処理或いは油量調整処理を行った後、再び上記と同様にレーザ変位計26を使用して動圧型軸受装置1の油面高さTxを求める。
【0045】
このように、レーザ変位計26を用いて動圧型軸受装置1の油面高さを検出すれば、潤滑油の油量が適切であるか否かを高精度に且つ正確に知得できることになるため、動圧型軸受装置1の動圧作用や潤滑作用の適正化が図られると共に、動圧型軸受装置1の使用時における潤滑油の洩出等の発生確率を大幅に低減させることが可能となる。なお、この油面位置検出装置25では、単一のレーザ変位計26を使用して油面高さの検出を行うようにしたが、複数のレーザ変位計26を使用して同様に油面高さの検出を行うようにしてもよく、また、軸心Z廻りの周方向の2箇所で油面高さを検出したが、これに代えて、1箇所或いは3箇所以上で油面高さを検出するようにしてもよい。そして、このレーザ光を用いた油面高さの検出は、既述のように負圧を伴う吸引によりハウジング7内の潤滑油の油量調整を行った後に限らず、負圧を伴わない吸い取りや拭き取り等の他の手段により油量調整を行った後に実行することも可能である。
【0046】
以上のような各処理を行った後は、後続の付着油除去処理等の仕上げ処理を行うことにより、動圧型軸受装置1の完成品が得られることになり、この完成品としての動圧型軸受装置1は、以下に示すようにして、モータの一構成要素として使用される。
【0047】
すなわち、図5に例示する情報機器用のスピンドルモータ30は、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、上述の動圧型軸受装置1の軸部材2に装着されたディスクハブ31と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたモータステータ32およびモータロータ33とを備えている。ステータ32はケーシング34の外周に取付けられ、ロータ33はディスクハブ31の内周に取付けられる。動圧軸受装置1のハウジング7は、ケーシング34の内周に装着される。ディスクハブ31には磁気ディスク等のディスクDが一又は複数枚保持される。そして、ステータ32に通電することにより、ステータ32とロータ33との間の励磁力でロータ33が回転し、これによりディスクハブ31および軸部材2が一体となって回転するようになっている。
【0048】
そして、このディスクハブ31の回転に伴って、動圧型軸受装置1が動作上限温度近傍まで昇温しても、ハウジング7の内部に充填されている潤滑油がシール空間Sから外部に漏出するという事態が適切に回避され、潤滑油漏れに起因するモータ30の機能阻害やディスクDへの悪影響等を効果的に抑制できることになる。
【0049】
なお、以上の実施形態では、シール部材と軸部材との間にシール空間が形成される型式の動圧型軸受装置に本発明を適用したが、シール部材が軸部材に固定一体化された状態でハウジングの上端側全域から上端部外周側に至る部位を覆うように形成されて、ハウジングのその上端部外周面とこれに対向するシール部材の内周面との間にシール空間が形成される型式の動圧型軸受装置についても同様にして本発明を適用することが可能である。
【0050】
また、以上の実施形態では、フランジ部を備えた軸部材を用い、そのフランジ部の両端面あるいはこれに対向する面に、スラスト軸受部の動圧溝を形成した動圧型軸受装置に本発明を適用したが、これ以外に、フランジ部を備えていない軸部材を用い、スラスト軸受部として、軸受面に動圧溝を形成することなく、ハウジングの底面に装着したスラストプレートによって軸部材の端面を支持するように構成した動圧型軸受装置についても、同様にして本発明を適用することが可能である。
【0051】
更に、以上の実施形態では、ハウジングとシール部材とを別体で構成した動圧型軸受装置に本発明を適用したが、ハウジングにシール部材(シール部)を一体に形成した動圧型軸受装置についても、同様にして本発明を適用することが可能である。
【0052】
また、以上の実施形態では、ハウジングと軸受部材とシール部材とを別体で構成した動圧型軸受装置に本発明を適用したが、この三者を一体に形成した動圧型軸受装置についても、同様にして本発明を適用することが可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る動圧型軸受装置の製造方法によれば、未注油の動圧型軸受装置に注油を施した後、ハウジング内の油量を調整するに際し、負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引するようにしたから、従来のように綿棒等による自然吸収作用を利用していた場合と比較して、吸引力ひいては吸引油量の制御を安定して行えることになる。これにより、ハウジング内の油面レベルひいては油量の管理をバラツキなく且つ容易に行うことが可能となり、動圧型軸受装置の動作上限温度での運転時における潤滑油の外部漏出や潤滑不良等による早期劣化の問題が効果的に回避される。
【0054】
そして、この油量調整に際して、潤滑油の吸引後に、その油面の位置をレーザで検出するようにすれば、吸引手段による潤滑油の吸引油量が正確であったか否かをレーザで確認して、良品と不良品とに選別できることになるため、高品位の動圧型軸受装置を市場に提供できることになる。
【0055】
また、本発明に係る動圧型軸受装置の製造装置においても、シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を負圧により吸引して、ハウジング内における潤滑油の油面の位置を調整する吸引手段を備えたから、動圧型軸受装置に注油を施した後の潤滑油の油面レベルひいては油量の管理を正確且つ容易に行うことが可能となり、動圧型軸受装置の動作上限温度での運転時における潤滑油の外部漏出や潤滑不良等による早期劣化の問題が効果的に回避される。
【0056】
そして、前記吸引手段を吸引ノズルで構成すれば、ノズル径、ノズル先端位置、吸引力、および吸引時間を適切に管理することにより、ハウジング内の油面レベルを安定して調整できると共に、その管理も容易に行えることになり、潤滑油の外部漏出や潤滑不良等による早期劣化の問題をより一層効果的に回避できることになる。
【0057】
また、前記吸引手段を、シール部のシール空間に対して相対的に接近および離反可能とすれば、油量の調整を行うべき時期にある場合には、吸引手段の吸引部位をシール空間またはその近傍に位置させ、油量の調整を行わない時期にある場合には、吸引手段をシール空間から離反させるという動作を行い得ることになるため、例えば動圧型軸受装置の製造を流れ作業により行う場合には、作業の自動化や迅速化に寄与できることになる。
【0058】
更に、前記動圧型軸受装置を軸心廻りに回転させる回転治具を備えるようにすれば、動圧型軸受装置を回転させながら吸引手段によりシール空間の全周に亘って潤滑油の吸引作用を施すことが可能となるため、油量の調整をより一層正確に且つ均一に行えることになる。
【0059】
以上の構成を備えた製造装置において、潤滑油の吸引後にその油面の位置を検出するレーザを更に備えるようにすれば、吸引手段による潤滑油の吸引量が正確であったか否かをレーザで確認して良品と不良品とに選別でき、高品位の動圧型軸受装置を市場に提供できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る動圧型軸受装置の製造装置を示す概略正面図である。
【図2】図2(a)は、本発明の実施形態に係る動圧型軸受装置の製造方法の実施状況を示す動圧型軸受装置の縦断正面図、図2(b)は、図2(a)に符号Aで示す箇所の部分拡大縦断正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る動圧型軸受装置の製造方法の実施状況を示す動圧型軸受装置の部分拡大縦断正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る動圧型軸受装置の製造装置の一部および動圧型軸受装置の縦断面を示す概略正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る製造装置および製造方法により製作された動圧型軸受装置がスピンドルモータに組み込まれた状態を示す概略縦断正面図である。
【符号の説明】
1 動圧型軸受装置
2 軸部材
7 ハウジング
7a ハウジングの開口部
10 シール部(シール部材)
20 製造装置
22 治具(昇降治具)
23 吸引手段(吸引ノズル)
25 油面位置検出装置
26 レーザ変位計(レーザ変位測定手段)
R1 ラジアル軸受部
R2 ラジアル軸受部
S シール空間
Claims (7)
- ハウジングと、該ハウジングに収容された軸部材と、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で前記軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、前記ハウジングの一端部に設けられたシール部とを備えた動圧型軸受装置を製造する方法において、
負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、前記シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引して、その油面の高さを軸心廻りの周方向の複数箇所でレーザにより検出し、その複数箇所のそれぞれにおいては、油面を形成する凹状の湾曲面における検出すべき一定位置にレーザ光を照射し、その検出された複数の油面の高さの平均値を算出することを特徴とする動圧型軸受装置の製造方法。 - 前記動圧型軸受装置を動作上限温度まで加温した状態で、前記負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、前記シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引する請求項1に記載の動圧型軸受装置の製造方法。
- ハウジングと、該ハウジングに収容された軸部材と、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で前記軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、前記ハウジングの一端部に設けられたシール部とを備えた動圧型軸受装置を製造する装置において、
負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、前記シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引して、その油面の高さを軸心廻りの周方向の複数箇所でレーザにより検出し、その複数箇所のそれぞれにおいては、油面を形成する凹状の湾曲面における検出すべき一定位置にレーザ光を照射し、その検出された複数の油面の高さの平均値を算出するように構成したことを特徴とする動圧型軸受装置の製造装置。 - 前記吸引手段が、吸引ノズルで構成されている請求項3に記載の動圧型軸受装置の製造装置。
- 前記吸引手段が、前記シール空間に対して相対的に接近および離反可能とされている請求項3または4に記載の動圧型軸受装置の製造装置。
- 前記動圧型軸受装置を動作上限温度まで加温した状態で、前記負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、前記シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引するように構成されている請求項3〜5の何れかに記載の動圧型軸受装置の製造装置。
- 前記動圧型軸受装置を下方より支持して回転させる回転治具と、前記動圧型軸受装置の上方側に配置され且つ前記回転治具に対して相対的に上下昇降する昇降治具とによって、該動圧型軸受装置の周囲が覆われた状態で、前記負圧吸引力を発生する吸引手段を用いて、前記シール部のシール空間またはその近傍から潤滑油を吸引するように構成されている請求項3〜6の何れかに記載の動圧型軸受装置の製造装置。
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