JP4289000B2 - 力率改善回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高効率、低ノイズ、高力率なスイッチング電源に使用する力率改善回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図24に従来の力率改善回路の回路構成図を示す(特許文献1)。図24に示す力率改善回路において、交流電源Vac1の交流電源電圧を整流する全波整流回路B1の出力両端には、昇圧リアクトルL1とMOSFETからなるスイッチQ1と電流検出抵抗Rとからなる直列回路が接続されている。スイッチQ1の両端には、ダイオードD1と平滑コンデンサC1とからなる直列回路が接続され、平滑コンデンサC1の両端には、負荷RLが接続されている。スイッチQ1は、制御回路100のPWM制御によりオン/オフするようになっている。
【0003】
電流検出抵抗Rは、全波整流回路B1に流れる入力電流を検出する。
【0004】
制御回路100は、誤差増幅器111、乗算器112、誤差増幅器113、発振器(OSC)114、PWMコンパレータ116を有して構成される。
【0005】
誤差増幅器111は、基準電圧E1が+端子に入力され、平滑コンデンサC1の電圧が−端子に入力され、平滑コンデンサC1の電圧と基準電圧E1との誤差が増幅され、誤差電圧信号を生成して乗算器112に出力する。乗算器112は、誤差増幅器111からの誤差電圧信号と全波整流回路B1の正極側出力端P1からの全波整流電圧とを乗算して乗算出力電圧を誤差増幅器113の+端子に出力する。
【0006】
誤差増幅器113は、電流検出抵抗Rで検出した入力電流に比例した電圧が−端子に入力され、乗算器112からの乗算出力電圧が+端子に入力され、電流検出抵抗Rによる電圧と乗算出力電圧との誤差が増幅され、誤差電圧信号を生成してこの誤差電圧信号をフィードバック信号FBとしてPWMコンパレータ116に出力する。OSC114は、一定周期の三角波信号を生成する。
【0007】
PWMコンパレータ116は、OSC114からの三角波信号が−端子に入力され、誤差増幅器113からのフィードバック信号FBが+端子に入力され、フィードバック信号FBの値が三角波信号の値以上のときにオンで、フィードバック信号FBの値が三角波信号の値未満のときにオフとなるパルス信号を生成し、該パルス信号をスイッチQ1のゲートに印加する。
【0008】
即ち、PWMコンパレータ116は、スイッチQ1に対して、誤差増幅器113による電流検出抵抗Rの出力と乗算器112の出力との差信号に応じたデューティパルスを提供する。このデューティパルスは、交流電源電圧及び直流負荷電圧の変動に対して一定周期で連続的に補償するパルス幅制御信号である。このような構成により、交流電源電流波形が交流電源電圧波形に一致するように制御されて、力率が大幅に改善される。
【0009】
次に、このように構成された力率改善回路の動作を図25に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図25では、スイッチQ1の両端間の電圧Q1v、スイッチQ1に流れる電流Q1i、ダイオードD1に流れる電流D1iを示している。
【0010】
まず、時刻t31において、スイッチQ1がオンし、全波整流回路B1から昇圧リアクトルL1を介してスイッチQ1に電流Q1iが流れる。この電流は、時刻t32まで時間の経過とともに直線的に増大していく。なお、時刻t31から時刻t32では、ダイオードD1に流れる電流D1iは零になる。
【0011】
次に、時刻t32において、スイッチQ1は、オン状態からオフ状態に変わる。このとき、昇圧リアクトルL1に誘起された励磁エネルギーによりスイッチQ1の電圧Q1vが上昇する。また、時刻t32〜時刻t33では、スイッチQ1がオフであるため、スイッチQ1に流れる電流Q1iは零になる。なお、時刻t32から時刻t33では、L1→D1→C1で電流D1iが流れて、負荷RLに電力が供給される。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−37072号(図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図24に示す昇圧型の力率改善回路では、スイッチQ1のターンオン又はターンオフ時において、スイッチQ1の電圧Q1vと電流Q1iとの重複部分が生じ、この重複部分により大きなスイッチング損失が発生する欠点があった。
【0014】
また、スイッチQ1をオンした時(例えば時刻t31,t33,t35)には、C1→D1→Q1の経路にダイオードリカバリーによるスパイク電流RCが流れる。また、スイッチQ1をオフした時(例えば時刻t32,t34,t36)には、配線のインダクタンスによるスパイク電圧SPが発生する。
【0015】
リカバリー時間の間は、ダイオードD1はショート状態のため、スイッチQ1の損失は増大する。また、スイッチQ1がオフ時のスパイク電圧を抑制するために抵抗及びコンデンサからなるCRアブソーバ等を追加するため、CRアブソーバによる損失も増大していた。
【0016】
また、スパイク電圧及びスパイク電流は、ノイズを発生する。このノイズを低減するためにノイズフィルタも大型化し、スイッチング電源の小型、高効率化の妨げとなっていた。
【0017】
本発明は、スイッチのゼロ電流スイッチング及びゼロ電圧スイッチングを可能とし、小型、高効率、低ノイズ化することができる力率改善回路を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために以下の構成とした。請求項1の発明は、交流電源の交流電源電圧を整流回路で整流した整流電圧を昇圧リアクトルを介して入力して主スイッチによりオン/オフして入力力率を改善するとともに、直流の出力電圧に変換する力率改善回路であって、前記整流回路の一方の出力端と他方の出力端との間に接続され、前記昇圧リアクトルに巻回された昇圧巻線及び巻き上げ巻線と第1ダイオードと平滑コンデンサとからなる第1直列回路と、前記整流回路の一方の出力端と他方の出力端との間に接続され、前記昇圧リアクトルの昇圧巻線と可飽和リアクトルと前記主スイッチとからなる第2直列回路と、前記主スイッチと前記可飽和リアクトルとの接続点と前記平滑コンデンサとの間に接続された第2ダイオードと、前記主スイッチをオン/オフ制御することにより前記平滑コンデンサの出力電圧を所定電圧に制御する制御手段と、前記主スイッチに並列に接続され、第3ダイオードとスナバコンデンサとからなる第3直列回路とを備え、前記可飽和リアクトルは、補助巻線をさらに備え、前記第3ダイオードと前記スナバコンデンサとの接続点と前記第1ダイオードの一端との間に接続され、第4ダイオードと前記可飽和リアクトルの補助巻線とからなる第4直列回路とを有することを特徴とする。
【0021】
請求項2の発明は、前記主スイッチに並列に接続された第5ダイオードを有し、該第5ダイオードは、前記主スイッチの寄生ダイオードであることを特徴とする。
【0022】
請求項3の発明では、前記昇圧リアクトルと前記可飽和リアクトルとは、同一コア上に巻回されて一体化された一体型リアクトルからなることを特徴とする。
【0023】
請求項4の発明は、前記可飽和リアクトルのコアの磁路の一部に断面積の少ない部分を設けたことを特徴とする。
【0024】
請求項5の発明では、前記制御手段は、前記主スイッチのターンオン時にゼロ電流スイッチさせ、前記主スイッチのターンオフ時にゼロ電圧スイッチさせることを特徴とする。
【0025】
請求項6の発明では、前記制御手段は、前記主スイッチのスイッチング周波数を前記交流電源の交流電源電圧値に応じて制御することを特徴とする。
【0026】
請求項7の発明では、前記制御手段は、前記出力電圧と基準電圧との誤差を増幅して第1誤差電圧信号を生成する第1誤差電圧生成手段と、この第1誤差電圧生成手段の第1誤差電圧信号と前記整流回路の整流電圧とを乗算して乗算出力電圧を生成する乗算出力電圧生成手段と、前記整流回路に流れる入力電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段で検出された入力電流に応じた電圧と前記乗算出力電圧生成手段の乗算出力電圧との誤差を増幅して第2誤差電圧信号を生成する第2誤差電圧生成手段と、前記整流回路の整流電圧値に応じて前記主スイッチのスイッチング周波数を変化させた周波数制御信号を生成する周波数制御手段と、前記第2誤差電圧生成手段の第2誤差電圧信号に基づきパルス幅を制御し且つ前記周波数制御手段で生成された前記周波数制御信号に応じて前記主スイッチのスイッチング周波数を変化させたパルス信号を生成し、パルス信号を前記主スイッチに印加して前記出力電圧を所定電圧に制御するパルス幅制御手段とを有することを特徴とする。
【0027】
請求項8の発明では、前記制御手段は、前記交流電源電圧が下限設定電圧以下の場合に前記スイッチング周波数を下限周波数に設定し、前記交流電源電圧が上限設定電圧以上の場合に前記スイッチング周波数を上限周波数に設定し、前記交流電源電圧が前記下限設定電圧から前記上限設定電圧までの範囲の場合に前記スイッチング周波数を前記下限周波数から前記上限周波数まで徐々に変化させることを特徴とする。
【0028】
請求項9の発明では、前記制御手段は、前記交流電源電圧が前記下限設定電圧未満の場合には前記主スイッチのスイッチング動作を停止させることを特徴とする。
【0029】
請求項10の発明は、前記整流回路と前記平滑コンデンサとの間に接続され、前記交流電源がオンされたときに前記平滑コンデンサの突入電流を軽減する突入電流制限抵抗を有し、前記主スイッチは、ノーマリオンタイプのスイッチからなり、前記制御手段は、前記交流電源がオンされたときに前記突入電流制限抵抗に発生した電圧により前記主スイッチをオフさせ、前記平滑コンデンサが充電された後、前記主スイッチをオン/オフさせるスイッチング動作を開始させることを特徴とする。
【0030】
請求項11の発明では、前記昇圧リアクトルは、補助巻線をさらに備え、該補助巻線に発生する電圧を前記制御手段に供給する通常動作電源部を有することを特徴とする。
【0031】
請求項12の発明は、前記突入電流制限抵抗に並列に接続された半導体スイッチを有し、前記制御手段は、前記主スイッチのスイッチング動作を開始させた後、前記半導体スイッチをオンさせることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る力率改善回路の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る力率改善回路は、主スイッチに直列に可飽和リアクトルを接続し、主スイッチをオン時にZCS(ゼロ電流スイッチ)を行わせることにより、整流ダイオードのリカバリーによる損失を低減させ、電流の変化を緩やかにすることにより、高効率、低ノイズのスイッチング動作を行わせるものである。
【0034】
図1は第1の実施の形態に係る力率改善回路の回路構成図である。図1において、全波整流回路B1は、交流電源Vac1に接続され、交流電源Vac1からの交流電源電圧を整流して正極側出力端P1及び負極側出力端P2に出力する。
【0035】
全波整流回路B1の正極側出力端P1と負極側出力端P2との間には、昇圧リアクトルL1に巻回された昇圧巻線5a(巻数n1)及び巻き上げ巻線5b(巻数n2)とダイオードD1と平滑コンデンサC1と電流検出抵抗R(本発明の電流検出手段に対応)とからなる第1直列回路が接続されている。
【0036】
また、全波整流回路B1の正極側出力端P1と負極側出力端P2との間に接続され、昇圧リアクトルL1の昇圧巻線5aと可飽和リアクトルSL1とMOSFETからなるスイッチQ1(主スイッチ)と電流検出抵抗Rとからなる第2直列回路が接続されている。スイッチQ1の両端にはダイオードD5が並列に接続されている。ダイオードD5はスイッチQ1の寄生ダイオードであってもよい。
【0037】
スイッチQ1と可飽和リアクトルSL1との接続点と平滑コンデンサC1との間にはダイオードD2が接続されている。
【0038】
スイッチQ1は、制御回路10のPWM制御によりオン/オフする。ダイオードD1と平滑コンデンサC1とで整流平滑回路を構成する。平滑コンデンサC1には並列に負荷RLが接続され、平滑コンデンサC1はダイオードD1の整流電圧を平滑して直流出力を負荷RLに出力する。
【0039】
電流検出抵抗Rは、全波整流回路B1に流れる入力電流を検出する。
【0040】
制御回路10は、誤差増幅器111、乗算器112、誤差増幅器113、OSC114、PWMコンパレータ116を有して構成され、図24に示す制御回路100の構成と同一構成であるので、ここでは、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図2は第1の実施の形態に係る力率改善回路に設けられた可飽和リアクトルの構造図である。図2に示す可飽和リアクトルSL1は、口の字型のコア(鉄心)20を有し、コア20のB脚20bには、巻線6が巻回されている。コア20のA脚20aには、凹部21が1箇所形成されている。この凹部21により、外周コアの磁路の一部の断面積が他の部分よりも狭くなり、その部分のみが飽和する。この飽和する巻線6を、可飽和リアクトルSL1として使用したときにはコア損失を低減できる。
【0042】
可飽和リアクトルSL1は、コア20の飽和特性を用いている。可飽和リアクトルSL1には、スイッチQ1の電流が流れるため、磁束は、図3に示すB−Hカーブ上のゼロから第1象限の飽和との間を増減する。
【0043】
また、一定の正磁界Hに対して磁束Bが飽和する。磁界Hは電流iの大きさに比例して発生する。凹部21を有した可飽和リアクトルSL1では、B−Hカーブ上を磁束BがBc→Bd→Beと移動する。B−Hカーブ上のBd−Be間は飽和状態である。凹部21を設けることにより、飽和時の磁束が減少し、凹部21以外の部分は飽和しない。従って、損失の上昇も凹部21のみとなり、全体のコア損失は低減する。
【0044】
次にこのように構成された第1の実施の形態に係る力率改善回路の動作を説明する。
【0045】
まず、スイッチQ1をオンさせると、交流電源電圧Viを整流した電圧により、Vac1→B1→5a→SL1→Q1→R→B1→Vac1で電流が流れる。このとき、インピーダンスの高い可飽和リアクトルSL1に電圧が印加されて、スイッチQ1に流れる電流がゼロとなる。そして、スイッチQ1は電流ゼロでオンされる。このため、スイッチQ1はZCS動作となる。
【0046】
次に、可飽和リアクトルSL1が飽和すると、可飽和リアクトルSL1のインピーダンスは略零となるため、可飽和リアクトルSL1の電圧は消失して、昇圧リアクトルL1に電圧が移動する。この電圧により、スイッチQ1に流れる電流は直線的に増加していく。
【0047】
次に、スイッチQ1をオフさせると、昇圧リアクトルL1の昇圧巻線5aに蓄えられたエネルギーにより、5a→5b→D1→C1→R→B1→Vac1→5aで、電流が流れる。このため、平滑コンデンサC1が充電されるとともに、負荷RLに電力が供給される。
【0048】
同様に、可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーによりスイッチQ1の電圧が上昇する。また、可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーにより、SL1→D2→C1→R→B1→Vac1→5a→SL1で電流が流れる。即ち、ダイオードD2を介して可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーを負荷RLに回生する。
【0049】
回生時間(ダイオードD2に電流が流れている時間Tr)は、昇圧リアクトルL1の巻き上げ巻線5bに生じる電圧に依存し、この電圧が高い場合に回生時間が短くなる。したがって、昇圧リアクトルL1の昇圧巻線5aと巻き上げ巻線5bとの接続点、即ちタップの位置が入力側に近いほど(巻き上げ巻線5bの巻数を増やす)、回生時間が短くなる。ただし、この場合、出力電流に対して入力電流が増加し、スイッチQ1のオン幅が減少するので、入力、出力条件により回生時間は、適切な値とする必要がある。
【0050】
次に、回生が完了した時刻において、ダイオードD2の電流がゼロとなり、逆特性が回復した後、再び、スイッチQ1をオンすると、ZCS動作を継続できる。また、制御回路10は、スイッチQ1のオンデューティを、交流電源電圧Viに等しい波形となるように制御するので、昇圧型の力率改善回路を構成できる。
【0051】
このように第1の実施の形態に係る力率改善回路によれば、スイッチQ1に直列に可飽和リアクトルSL1を接続したので、スイッチQ1をオンした時にダイオードリカバリーによるスパイク電流が流れなくなる。このため、ノイズが低減され、ノイズフィルタも小型化されるので、スイッチング電源の小型、高効率化を図ることができる。
【0052】
また、可飽和リアクトルSL1を用いて、スイッチQ1をオン時にZCSを行わせることにより、スイッチング損失及びスイッチングノイズを低減できるので、高効率、低ノイズ化を図ることができる。また、可飽和リアクトルSL1に蓄えられるエネルギーを、負荷RLに回生でき、電力損失を減じて、高効率化できる。
【0053】
(第2の実施の形態)
図4は第2の実施の形態に係る力率改善回路を示す回路構成図である。図4に示す第2の実施の形態に係る力率改善回路は、スイッチQ1をオン時にZCSを行わせ、同時にスナバコンデンサC2の電荷を回収させ、スイッチQ1をオフした時にZVS(ゼロ電圧スイッチ)を行わせることにより、整流ダイオードのリカバリーによる損失を低減させ、電流の変化を緩やかにすることにより、高効率、低ノイズのスイッチング動作を行わせるものである。
【0054】
即ち、スイッチQ1をオフした時にダイオードD3を介してスナバコンデンサC2を充電することにより、スイッチQ1の電圧の立ち上がりを緩やかにしスイッチQ1のオフ時の損失を軽減するとともにノイズの発生も軽減する。また、スイッチQ1をオンした時に、可飽和リアクトルSL1に発生する電圧によりスナバコンデンサC2の電荷を負荷に回生する。
【0055】
このため、図4に示す力率改善回路では、スイッチQ1をオフした時の電圧の立ち上がりを緩やかにするためにスナバコンデンサC2を追加し、スイッチQ1がオン時にスナバコンデンサC2に蓄えられたエネルギーを負荷RLに回生するために可飽和リアクトルSL1にさらに補助巻線6bを設けたことを特徴とする。
【0056】
図4において、可飽和リアクトルSL1は、主巻線6a(巻数n3)と補助巻線6b(巻数n4)とを有し、可飽和リアクトルSL1の主巻線6aは、昇圧リアクトルL1の昇圧巻線5aと巻き上げ巻線5bとの接続点とスイッチQ1の主端子の一端との間に接続される。なお、主巻線6aの巻数n3と補助巻線6bの巻数n4との巻数比は、例えば2:1とするのが好ましい。
【0057】
スイッチQ1に並列に、ダイオードD3とスナバコンデンサC2とからなる第3直列回路が接続されている。ダイオードD3とスナバコンデンサC2との接続点とダイオードD1の一端との間には、ダイオードD4と可飽和リアクトルSL1の補助巻線6bとからなる第4直列回路が接続されている。可飽和リアクトルSL1の主巻線6aとスイッチQ1とダイオードD3のアノードとの接続点と平滑コンデンサC1との間には、ダイオードD2が接続されている。
【0058】
なお、図4に示すその他の構成は図1に示すものと同一構成であり、同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0059】
図5は可飽和リアクトルと昇圧リアクトルとを一体化したリアクトルの構造図である。図5に示すリアクトルは、日の字型のコア20を有し、このコア20は、A脚20aとB脚20bと中央脚20cとからなる。中央脚20cにはギャップ22が形成され、中央脚20cには巻線5a,5bからなる昇圧リアクトルL1が巻回されている。
【0060】
B脚20bには、巻線6aと巻線6bとが巻回されているとともに、凹部21が1箇所形成されている。この凹部21により、外周コアの磁路の一部の断面積が他の部分よりも狭くなり、その部分のみが飽和する。この飽和する巻線6a,巻線6bを、可飽和リアクトルSL1として兼用することによりコア損失を低減できる。また、昇圧リアクトルL1と可飽和リアクトルSL1とが一体化できるので、力率改善回路を小型化できる。
【0061】
次にこのように構成された第2の実施の形態に係る力率改善回路の動作を図6乃至図9に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。図6は第2の実施の形態に係る力率改善回路の交流電源電圧波形と整流出力電流波形のタイミングチャートである。図7は第2の実施の形態に係る力率改善回路の各部における信号のタイミングチャートである。図8は第2の実施の形態に係る力率改善回路のスイッチQ1のターンオン時の各部における信号のタイミングチャートである。図9は第2の実施の形態に係る力率改善回路のスイッチQ1のターンオフ時の各部における信号のタイミングチャートである。
【0062】
なお、図6では、交流電源電圧Vi、整流出力電流I0を示している。図7では、図6のA部の詳細を示している。図7乃至図9では、交流電源に流れる入力電流Ii、スイッチQ1の両端間の電圧Q1v、スイッチQ1に流れる電流Q1i、ダイオードD1に流れる電流D1i、ダイオードD2に流れる電流D2iを示している。Q1制御信号Q1gはスイッチQ1のゲートに印加される信号を示している。
【0063】
まず、時刻t2(t21)において、スイッチQ1をオンさせると、交流電源電圧Viを整流した電圧により、Vac1→B1→5a→6a→Q1→R→B1→Vac1で電流が流れる。このため、インピーダンスの高い可飽和リアクトルSL1に電圧が印加されて、スイッチQ1に流れる電流Q1iがゼロとなる。このため、スイッチQ1は電流ゼロでオンされるため、ZCS動作となる。図8からわかるようにスイッチQ1がオンした後、電流が立ち上がり、ZCS動作を達成していることがわかる。
【0064】
また、同時に、可飽和リアクトルSL1が不飽和時には(時刻t21から時刻t22)、可飽和リアクトルSL1の補助巻線6bに電圧が発生する。この補助巻線6bに発生した電圧により、スナバコンデンサC2に蓄えられた電荷は、C2→6b→D4→C1→C2で流れる。このとき、主巻線6a及び補助巻線6b間のリーケージインダクタとスナバコンデンサC2とにより電圧共振が発生するため、この電圧共振により、ダイオードD4に流れる電流D4iは正弦波状に上昇する。また、スナバコンデンサC2の電圧Vc2は、正弦波状に下降して、時刻t22においてゼロとなる。
【0065】
次に、時刻t22において、可飽和リアクトルSL1が飽和すると、可飽和リアクトルSL1のインピーダンスは略零となるため、可飽和リアクトルSL1の電圧は消失して、昇圧リアクトルL1に電圧が移動する。この電圧により、スイッチQ1に流れる電流Q1iは直線的に増加していく。
【0066】
次に、時刻t3(時刻t31)において、スイッチQ1をオフさせると、昇圧リアクトルL1の昇圧巻線5aに蓄えられたエネルギーにより、5a→5b→D1→C1→R→B1→Vac1→5aで、電流D1iが時刻t3から時刻t4まで流れる。このため、平滑コンデンサC1が充電されるとともに、負荷RLに電力が供給される。
【0067】
同時に、時刻t3(時刻t31)において、可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーにより、5a→6a→D3→C2→R→B1→Vac1→B1→5aで、電流が流れる。このため、スナバコンデンサC2が充電され、時刻t31から時刻t32において、スナバコンデンサC2の電圧Vc2がゼロから緩やかに上昇する。また、時刻t31から時刻t32において、スイッチQ1の電圧Q1vもゼロから緩やかに上昇する。このため、スイッチQ1はZVS動作となる。図9からわかるようにスイッチQ1がオフした後、電圧が緩やかに立ち上がり、ZVS動作を達成していることがわかる。
【0068】
次に、スナバコンデンサC2の電圧Vc2(スイッチQ1の電圧Q1vと同じ電圧)が出力電圧(平滑コンデンサC1の電圧)と等しくなった時(時刻t32)に、可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーにより、6a→D2→C1→R→B1→Vac1→5a→6aで電流D2iが流れる。即ち、ダイオードD2を介して可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーを負荷RLに回生する。
【0069】
回生時間(ダイオードD2に電流D2iが流れている時間Tr=t33−t32)は、昇圧リアクトルL1の巻き上げ巻線5bに生じる電圧に依存し、この電圧が高い場合に回生時間が短くなる。
【0070】
次に、前記回生が完了した時刻において、ダイオードD2の電流D2iがゼロとなり、逆特性が回復した後、再び、スイッチQ1をオンすると、ZCS動作を継続できる。また、制御回路10は、スイッチQ1のオンデューティを、交流電源電圧Viに等しい波形となるように制御するので、昇圧型の力率改善回路を構成できる。
【0071】
このように第2の実施の形態に係る力率改善回路によれば、スイッチQ1をオン時にZCSを行わせ、同時にスナバコンデンサC2の電荷を回収させ、スイッチQ1をオフした時にZVSを行わせることにより、整流ダイオードのリカバリーによる損失を低減させ、電流の変化を緩やかにすることにより、高効率、低ノイズのスイッチング動作を行わせることができる。
【0072】
即ち、スイッチQ1をオフした時にダイオードD3を介してスナバコンデンサC2を充電することにより、スイッチQ1の電圧の立ち上がりを緩やかにしスイッチQ1のオフ時の損失を軽減するとともにノイズの発生も軽減することができる。また、スイッチQ1をオンした時に、可飽和リアクトルSL1に発生する電圧によりスナバコンデンサC2の電荷を負荷に回生することができる。
【0073】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る力率改善回路は、第1の実施の形態に係る力率改善回路に対して制御回路10aの構成のみが異なり、交流電源電圧値に応じて主スイッチのスイッチング周波数を変化させ、交流電源電圧の低い部分でのスイッチング周波数を低下又はスイッチング動作を停止させ、交流電源電圧の低い部分の電力損失を低減して、小型、高効率、低ノイズ化したことを特徴とする。
【0074】
(第1実施例)
第1実施例では、交流電源電圧が下限設定電圧以下の場合に主スイッチのスイッチング周波数を下限周波数(例えば20KHz)に設定し、交流電源電圧が上限設定電圧以上の場合に主スイッチのスイッチング周波数を上限周波数(例えば100KHz)に設定し、交流電源電圧が下限設定電圧から上限設定電圧までの範囲の場合に主スイッチのスイッチング周波数を下限周波数から上限周波数まで徐々に変化させることを特徴とする。
【0075】
図10は第3の実施の形態に係る力率改善回路の第1実施例を示す回路構成図である。図11は第3の実施の形態に係る力率改善回路の第1実施例の交流電源電圧波形とスイッチング周波数のタイミングチャートである。図11は、交流電源電圧Viがゼロから最大値まで変化した場合に、スイッチQ1のスイッチング周波数fがゼロから例えば100KHzまで変化することを示している。
【0076】
図12では、図11に示すタイミングチャートのA部(交流電源電圧Viが最大値付近)における100KHzのスイッチング波形を示している。図13では、図11に示すタイミングチャートのB部(交流電源電圧Viが低い部分)における20KHzのスイッチング波形を示している。
【0077】
なお、図10に示すその他の構成は、図1に示す構成と同一構成であるので、同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0078】
制御回路10aは、誤差増幅器111、乗算器112、誤差増幅器113、電圧制御発振器(VCO)115、PWMコンパレータ116を有して構成される。なお、誤差増幅器111、乗算器112、誤差増幅器113及びPWMコンパレータ116は、図1に示すものと同じであるので、それらの説明は省略する。
【0079】
VCO115(本発明の周波数制御手段に対応)は、全波整流回路B1からの全波整流電圧の電圧値に応じてスイッチQ1のスイッチング周波数fを変化させた三角波信号(本発明の周波数制御信号に対応)を生成するもので、全波整流回路B1からの全波整流電圧が増加するに従ってスイッチQ1のスイッチング周波数fが増加する電圧周波数変換特性を有している。
【0080】
図14は第3の実施の形態に係る力率改善回路の第1実施例に設けられたVCOの詳細な回路構成図である。VCO115において、全波整流回路B1の正極側出力端P1に抵抗R1が接続され、抵抗R1に直列に抵抗R2が接続されている。抵抗R1と抵抗R2との接続点にはツェナーダイオードZDのカソードが接続され、ツェナーダイオードZDのアノードは制御電源EBの正極及びヒステリシスコンパレータ115aの電源端子bに接続されている。抵抗R1と抵抗R2との接続点はヒステリシスコンパレータ115aの入力端子aに接続され、ヒステリシスコンパレータ115aの接地端子cは制御電源EBの負極と抵抗R2の他端に接続されている。ヒステリシスコンパレータ115aの出力端子dはPWMコンパレータ116の一端子に接続されている。ヒステリシスコンパレータ115aは、図16に示すように、入力端子aに印加される電圧Eaが増加するに従ってスイッチQ1のスイッチング周波数fが増加する電圧周波数変換特性CVを有した三角波信号を発生する。
【0081】
図14に示すVCO115では、図11に示す交流電源電圧Viが最大値付近(A部)に達したとき、ツェナーダイオードZDが降伏するので、入力端子aに印加される電圧Eaは、ツェナーダイオードZDの降伏電圧VZと制御電源電圧EBとの合計電圧(VZ+EB)、即ち上限設定電圧に設定される。また、交流電源電圧Viが低い部分(B部)に達したとき、制御電源EBからツェナーダイオードZDを介して抵抗R2に電流が流れるので、入力端子aに印加される電圧Eaは、制御電源電圧EB、即ち下限設定電圧に設定される。さらに、交流電源電圧Viが最大値付近と低い部分までの範囲の場合には、入力端子aに印加される電圧Eaは、合計電圧(VZ+EB)と制御電源電圧EBとの範囲で徐々に変化する。
【0082】
このため、図16に示すように、交流電源電圧Viが下限設定電圧EB以下の場合にスイッチQ1のスイッチング周波数fを下限周波数f12(例えば20KHz)に設定し、交流電源電圧Viが上限設定電圧(VZ+EB)以上の場合にスイッチQ1のスイッチング周波数fを上限周波数f11(例えば100KHz)に設定し、交流電源電圧Viが下限設定電圧EBから上限設定電圧(VZ+EB)までの範囲の場合にスイッチQ1のスイッチング周波数fを下限周波数f12から上限周波数f11まで徐々に変化させるようになっている。
【0083】
PWMコンパレータ116(本発明のパルス幅制御手段に対応)は、VCO115からの三角波信号が−端子に入力され、誤差増幅器113からのフィードバック信号FBが+端子に入力され、図17に示すように、フィードバック信号FBの値が三角波信号の値以上のときにオンで、フィードバック信号FBの値が三角波信号の値未満のときにオフとなるパルス信号を生成し、該パルス信号をスイッチQ1に印加して平滑コンデンサC1の出力電圧を所定電圧に制御する。
【0084】
また、PWMコンパレータ116は、平滑コンデンサC1の出力電圧が基準電圧E1に達して、フィードバック信号FBが低下すると、フィードバック信号FBの値が三角波信号の値以上となるパルスオン幅を短くすることによって、出力電圧を所定電圧に制御する。即ち、パルス幅を制御している。
【0085】
なお、VCO115からの三角波信号の電圧の最大値、最小値は、周波数により変化しない。このため、誤差増幅器113のフィードバック信号FBにより、周波数に関係なく、パルス信号のオン/オフのデューティ比が決定されるようになっている。また、スイッチング周波数fが変わることで、パルス信号のオン幅が変わっても、パルス信号のオン/オフのデューティ比は変わらない。
【0086】
次に、このように構成された第3の実施の形態に係る力率改善回路の第1実施例の動作を図10乃至図17を参照しながら説明する。ここでは、制御回路10aの動作についてのみ説明する。
【0087】
まず、誤差増幅器111は、平滑コンデンサC1の電圧と基準電圧E1との誤差を増幅して、誤差電圧信号を生成して乗算器112に出力する。乗算器112は、誤差増幅器111からの誤差電圧信号と全波整流回路B1の正極側出力端P1からの全波整流電圧とを乗算して乗算出力電圧を誤差増幅器113の+端子に出力する。
【0088】
次に、誤差増幅器113は、電流検出抵抗R(本発明の電流検出手段に対応)による電圧と乗算出力電圧との誤差を増幅して、誤差電圧信号を生成してこの誤差電圧信号をフィードバック信号FBとしてPWMコンパレータ116に出力する。
【0089】
一方、VCO115は、全波整流回路B1からの全波整流電圧の電圧値に応じてスイッチQ1のスイッチング周波数fが変化した三角波信号を生成する。
【0090】
ここで、図15のタイミングチャートを用いて説明すると、交流電源電圧Viが最大値付近(例えば時刻t2〜t3、時刻t6〜t7)に達したときには、図14に示すツェナーダイオードZDが降伏するので、入力端子aに印加される電圧Eaは、ツェナーダイオードZDの降伏電圧VZと制御電源電圧EBとの合計電圧(VZ+EB)、即ち上限設定電圧に設定される。このため、交流電源電圧Viが上限設定電圧(VZ+EB)以上の場合には、VCO115により、スイッチQ1のスイッチング周波数fは、上限周波数f11(例えば100KHz)に設定される。
【0091】
次に、交流電源電圧Viが低い部分(例えば時刻t0〜t1、時刻t4〜t5)に達したときには、図14に示す制御電源EBからツェナーダイオードZDを介して抵抗R2に電流が流れるので、入力端子aに印加される電圧Eaは、制御電源電圧EB、即ち下限設定電圧に設定される。このため、交流電源電圧Viが下限設定電圧EB以下の場合には、VCO115により、スイッチQ1のスイッチング周波数fは、下限周波数f12(例えば20KHz)に設定される。
【0092】
さらに、交流電源電圧Viが最大値付近と低い部分までの範囲(例えば時刻t1〜t2、時刻t3〜t4、時刻t5〜t6)の場合には、入力端子aに印加される電圧Eaは、合計電圧(VZ+EB)と制御電源電圧EBとの範囲で徐々に変化する。このため、交流電源電圧Viが下限設定電圧EBから上限設定電圧(VZ+EB)までの範囲の場合には、スイッチQ1のスイッチング周波数fは下限周波数f12から上限周波数f11まで徐々に変化する。
【0093】
次に、交流電源電圧Viが最大値付近(例えば時刻t2〜t3、時刻t6〜t7)の場合には、PWMコンパレータ116は、図17に示すように、フィードバック信号FBの値が上限周波数f11を持つ三角波信号の値以上のときにオンで、フィードバック信号FBの値が上限周波数f11を持つ三角波信号の値未満のときにオフとなる上限周波数f11を持つパルス信号を生成し、該パルス信号をスイッチQ1に印加する。
【0094】
一方、交流電源電圧Viが低い部分(例えば時刻t0〜t1、時刻t4〜t5)の場合には、PWMコンパレータ116は、図17に示すように、フィードバック信号FBの値が下限周波数f12を持つ三角波信号の値以上のときにオンで、フィードバック信号FBの値が下限周波数f12を持つ三角波信号の値未満のときにオフとなる下限周波数f12を持つパルス信号を生成し、該パルス信号をスイッチQ1に印加する。
【0095】
また、交流電源電圧Viが最大値付近と低い部分までの範囲(例えば時刻t1〜t2、時刻t3〜t4、時刻t5〜t6)の場合には、PWMコンパレータ116は、下限周波数f12から上限周波数f11までの範囲で徐々に変化する周波数を持つパルス信号を生成し、該パルス信号をスイッチQ1に印加する。
【0096】
このように、第1実施例によれば、第1の実施の形態に係る力率改善回路の効果が得られるとともに、交流電源電圧Viに応じてスイッチQ1のスイッチング周波数fを変化させ、交流電源電圧Viの低い部分でのスイッチング周波数fを低下させることで、図13に示すように、スイッチQ1のオン時間も長くなり、電流も増加し負荷RLに電力を供給できる。また、スイッチング回数が減少するため、スイッチング損失も低減できる。
【0097】
特に、スイッチQ1のスイッチング周波数fとして例えば100kHzを上限周波数とし、人間の聞こえない周波数、例えば20kHzを下限周波数とし、他の部分を交流電源電圧Viにスイッチング周波数fを比例させたので、スイッチング損失を低減でき、また、可聴周波数以下となり、不快な騒音を発生することもない。
【0098】
また、磁束は電流に比例するため、交流電源電圧Viの最大値の時(電流も最大)に最大周波数とし、他の部分は交流電源電圧Viに比例させて周波数を変化させても、昇圧リアクトルL1の磁束は最大値を上回ることはなく、昇圧リアクトルL1は大型化せず、スイッチング損失を低減できる。
【0099】
また、スイッチQ1のスイッチング周波数fが下限周波数から上限周波数までの範囲に亙るので、発生するノイズも周波数に対して分散するから、ノイズを低減できる。このため、小型、高効率、低ノイズ化できる力率改善回路を提供できる。
【0100】
(第2実施例)
図18は第3の実施の形態に係る力率改善回路の第2実施例の交流電源電圧波形とVCOにより変化するスイッチング周波数のタイミングチャートである。
【0101】
図15に示す第1実施例では、交流電源電圧Viが低い部分に達したときに、VCO115により、スイッチQ1のスイッチング周波数fを下限周波数f12(例えば20KHz)に設定したが、図18に示す第2実施例では、交流電源電圧Viが低い部分の場合で、下限周波数f12未満では、VCO115により、主スイッチQ1の動作を停止させたことを特徴とする。この停止部分では、入力電流も少ないため、交流電源電流波形の歪みも最低限に抑えられる。
【0102】
(第3実施例)
第3実施例では、交流電源電圧が設定電圧以下の場合に主スイッチのスイッチング周波数を下限周波数(例えば20KHz)に設定し、交流電源電圧が設定電圧を超えた場合に主スイッチのスイッチング周波数を上限周波数(例えば100KHz)に設定したことを特徴とする。
【0103】
図19は第3の実施の形態に係る力率改善回路の第3実施例のVCOの詳細な回路構成図である。図19に示すVCO115Aにおいて、全波整流回路B1の正極側出力端P1に抵抗R1が接続され、抵抗R1に直列に抵抗R2が接続されている。コンパレータ115bは、抵抗R1と抵抗R2との接続点の電圧を+端子に入力し、基準電圧Er1を−端子に入力し、抵抗R1と抵抗R2との接続点の電圧が基準電圧Er1よりも大きいときHレベルをトランジスタTR1のベースに出力する。この場合、基準電圧Er1を前記設定電圧に設定する。
【0104】
トランジスタTR1のエミッタは接地され、トランジスタTR1のコレクタは、抵抗R3を介してトランジスタTR2のベースと抵抗R4の一端と抵抗R5の一端とに接続されている。抵抗R4の他端は電源VBに接続され、抵抗R5の他端は接地されている。トランジスタTR2のエミッタは抵抗R6を介して電源VBに接続され、トランジスタTR2のコレクタはコンデンサCを介して接地されている。
【0105】
コンパレータ115cにヒステリシスを持たせるために、+端子と出力端子との間には、抵抗R9を接続し、+端子は、抵抗R8を介して接地されるとともに、抵抗R10を介して電源VBに接続されている。
【0106】
コンパレータ115cは、コンデンサCの電圧を−端子に入力している。また、コンデンサCの放電に、出力端子からダイオードD及び抵抗R7の直列回路が−端子に接続されている。図20に示すように、交流電源電圧Viが設定電圧以下の場合にスイッチQ1のスイッチング周波数fを下限周波数f12に設定した三角波信号を生成し、交流電源電圧Viが設定電圧を超えた場合にスイッチQ1のスイッチング周波数fを上限周波数f11に設定した三角波信号を生成する。
【0107】
次に、このように構成された第3の実施の形態に係る力率改善回路の第3実施例の動作を図19及び図20を参照しながら説明する。ここでは、VCO115Aの動作についてのみ説明する。
【0108】
まず、VCO115Aは、全波整流回路B1からの全波整流電圧の電圧値に応じてスイッチQ1のスイッチング周波数fが変化した三角波信号を生成する。
【0109】
ここで、図20のタイミングチャートを用いて説明すると、交流電源電圧Viが設定電圧を超えた場合(例えば時刻t2〜t3、時刻t5〜t6)、コンパレータ115bからのHレベルによりトランジスタTR1がオンする。このため、電源VBから抵抗R4及びトランジスタTR2のベースを介して抵抗R3に電流が流れるため、トランジスタTR2のコレクタ電流が増大する。すると、トランジスタTR2のコレクタに流れる電流によりコンデンサCが短時間で充電される。即ち、コンデンサCの電圧Ecが上昇して、この電圧Ecがコンパレータ115cに入力されるため、コンパレータ115cは、スイッチQ1のスイッチング周波数fを上限周波数f11(例えば100KHz)に設定した三角波信号を生成する。
【0110】
一方、交流電源電圧Viが設定電圧以下の場合(例えば時刻t0〜t2、時刻t3〜t5)、コンパレータ115bからHレベルは出力されないため、トランジスタTR1はオフとなる。このため、トランジスタTR2のコレクタ電流が減少するため、コンデンサCの充電時間は長くなる。即ち、コンデンサCの電圧Ecはゆるやかに上昇して、この電圧Ecがコンパレータ115cに入力されるため、コンパレータ115cは、スイッチQ1のスイッチング周波数fを下限周波数f12(例えば20KHz)に設定した三角波信号を生成する。
【0111】
次に、交流電源電圧Viが設定電圧を超えた場合(例えば時刻t2〜t3、時刻t5〜t6)、PWMコンパレータ116は、フィードバック信号FBの値が上限周波数f11を持つ三角波信号の値以上のときにオンで、フィードバック信号FBの値が上限周波数f11を持つ三角波信号の値未満のときにオフとなる上限周波数f11を持つパルス信号を生成し、パルス信号をスイッチQ1に印加する。
【0112】
一方、交流電源電圧Viが設定電圧以下の場合(例えば時刻t0〜t2、時刻t3〜t5)、PWMコンパレータ116は、フィードバック信号FBの値が下限周波数f12を持つ三角波信号の値以上のときにオンで、フィードバック信号FBの値が下限周波数f12を持つ三角波信号の値未満のときにオフとなる下限周波数f12を持つパルス信号を生成し、パルス信号をスイッチQ1に印加する。
【0113】
このように第3実施例によれば、交流電源電圧が設定電圧以下の場合にスイッチQ1のスイッチング周波数を下限周波数に設定し、交流電源電圧が設定電圧を超えた場合にスイッチQ1のスイッチング周波数を上限周波数に設定しても、第1実施例の効果とほぼ同等な効果が得られる。
【0114】
なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態の制御回路10を制御回路10aに変更した力率改善回路であるが、本発明は、第3の実施の形態の変形例として、第2の実施の形態の制御回路10を制御回路10aに変更した力率改善回路にも適用できる。
【0115】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態に係る力率改善回路を説明する。第1乃至第3の実施の形態に係る力率改善回路では、主スイッチとして、ノーマリオフタイプのMOSFET等を用いた。このノーマリオフタイプのスイッチは、電源がオフ時にオフ状態となるスイッチである。
【0116】
一方、SIT(static induction transistor、静電誘導トランジスタ)等のノーマリオンタイプのスイッチは、電源がオフ時にオン状態となるスイッチである。このノーマリオンタイプのスイッチは、スイッチングスピードが速く、オン抵抗も低くスイッチング電源等の電力変換装置に使用した場合、理想的な素子であり、スイッチング損失を減少させ高効率が期待できる。
【0117】
しかし、ノーマリオンタイプのスイッチング素子にあっては、電源をオンすると、スイッチがオン状態であるため、スイッチが短絡する。このため、ノーマリオンタイプのスイッチを起動できず、特殊な用途以外には使用できない。
【0118】
そこで、第4の実施の形態に係る力率改善回路は、第1の実施の形態に係る力率改善回路の構成を有すると共に、スイッチQ1にノーマリオンタイプのスイッチを使用するために、交流電源オン時に、コンデンサの突入電流を軽減する目的で挿入されている突入電流制限抵抗の電圧降下による電圧を、ノーマリオンタイプのスイッチの逆バイアス電圧に使用し、電源オン時の問題をなくす構成を追加したことを特徴とする。
【0119】
図21は第4の実施の形態に係る力率改善回路を示す回路構成図である。図21に示す力率改善回路は、図1に示す第1の実施の形態に係る力率改善回路の構成を有すると共に、交流電源Vac1から入力される交流電源電圧を全波整流回路B1で整流して、得られた電圧を別の直流電圧に変換して出力するもので、全波整流回路B1の負極側出力端P2と電流検出抵抗Rとの間には、突入電流制限抵抗R1が接続されている。
【0120】
全波整流回路B1の正極側出力端P1には、昇圧リアクトルL1の昇圧巻線5a及び可飽和リアクトルSL1を介してSIT等のノーマリオンタイプのスイッチQ1nが接続され、スイッチQ1nは、制御回路11のPWM制御によりオン/オフする。
【0121】
また、突入電流制限抵抗R1の両端にはスイッチS1が接続されている。このスイッチS1は、例えばノーマリオフタイプのMOSFET,BJT(バイポーラ接合トランジスタ)等の半導体スイッチであり、制御回路11からの短絡信号によりオン制御される。
【0122】
突入電流制限抵抗R1の両端には、コンデンサC6と抵抗R2とダイオードD6とからなる起動電源部12が接続されている。この起動電源部12は、突入電流制限抵抗R1の両端に発生する電圧を取り出し、コンデンサC6の両端電圧をスイッチQ1nのゲートへの逆バイアス電圧として使用するために、制御回路11に出力する。また、平滑コンデンサC1に充電された充電電圧を制御回路11に供給する。
【0123】
制御回路11は、交流電源Vac1をオンしたときに、コンデンサC6から供給された電圧により起動し、制御信号として端子bからスイッチQ1nのゲートに逆バイアス電圧を出力し、スイッチQ1nをオフさせる。この制御信号は、例えば、−15Vと0Vとのパルス信号からなり、−15Vの電圧によりスイッチQ1nがオフし、0Vの電圧によりスイッチQ1nがオンする。
【0124】
制御回路11は、平滑コンデンサC1の充電が完了した後、端子bから制御信号として0Vと−15Vとのパルス信号をスイッチQ1nのゲートに出力し、スイッチQ1nをスイッチング動作させる。制御回路11は、スイッチQ1nをスイッチング動作させた後、所定時間経過後にスイッチS1のゲートに短絡信号を出力し、スイッチS1をオンさせる。
【0125】
また、昇圧リアクトルL1に設けられた補助巻線5dの一端は、スイッチQ1nの一端とコンデンサC7の一端と制御回路11とに接続され、補助巻線5dの他端は、ダイオードD7のカソードに接続され、ダイオードD7のアノードはコンデンサC7の他端及び制御回路11の端子cに接続されている。補助巻線5dとダイオードD7とコンデンサC7とは通常動作電源部13を構成し、この通常動作電源部13は、補助巻線5dで発生した電圧をダイオードD7及びコンデンサC7を介して制御回路11に供給する。
【0126】
なお、制御回路11は、第1の実施の形態の制御回路10の機能も有している。ここでは、図面の複雑化を避けるために、制御回路10を構成している、誤差増幅器111、乗算器112、誤差増幅器113、OSC114、PWMコンパレータ116を省略した。
【0127】
次にこのように構成された第4の実施の形態に係る力率改善回路の動作を図21乃至図23を参照しながら説明する。
【0128】
なお、図23において、Vac1は、交流電源Vac1の交流電源電圧を示し、入力電流は、交流電源Vac1に流れる電流を示し、R1電圧は、突入電流制限抵抗R1に発生する電圧を示し、C1電圧は、平滑コンデンサC1の電圧を示し、C6電圧は、コンデンサC6の電圧を示し、制御信号は、制御回路11の端子bからスイッチQ1nのゲートへ出力される信号を示す。
【0129】
まず、時刻t0において、交流電源Vac1を印加(オン)すると、交流電源Vac1の交流電源電圧は全波整流回路B1で全波整流される。このとき、ノーマリオンタイプのスイッチQ1nは、オン状態であり、スイッチS1は、オフ状態である。このため、全波整流回路B1からの電圧は、平滑コンデンサC1を介して突入電流制限抵抗R1に印加される(図22中の▲1▼)。
【0130】
この突入電流制限抵抗R1に発生した電圧は、ダイオードD6、抵抗R2を介してコンデンサC6に蓄えられる(図22中の▲2▼)。ここで、コンデンサC6の端子f側が例えば零電位となり、コンデンサC6の端子g側が例えば負電位となる。このため、コンデンサC6の電圧は、図23に示すように、負電圧(逆バイアス電圧)となる。このコンデンサC6の負電圧が端子aを介して制御回路11に供給される。
【0131】
そして、コンデンサC6の電圧が、スイッチQ1nのスレッシホールド電圧THLになった時点(図23の時刻t1)で、制御回路11は、端子bから−15Vの制御信号をスイッチQ1nのゲートに出力する(図22中の▲3▼)。このため、スイッチQ1nは、オフ状態となる。
【0132】
すると、全波整流回路B1からの電圧により、平滑コンデンサC1は、充電されて(図22中の▲4▼)、平滑コンデンサC1の電圧が上昇していき、平滑コンデンサC1の充電が完了する。
【0133】
次に、時刻t2において、制御回路11は、スイッチング動作を開始させる。始めに、端子bから0Vの制御信号をスイッチQ1nのゲートに出力する(図22中の▲5▼)。このため、スイッチQ1nは、オン状態となるため、全波整流回路B1の正極側出力端P1から昇圧リアクトルL1の昇圧巻線5a及び可飽和リアクトルSL1を介してスイッチQ1nに電流が流れて(図22中の▲6▼)、昇圧リアクトルL1及び可飽和リアクトルSL1にエネルギーが蓄えられる。
【0134】
また、昇圧リアクトルL1と電磁結合している補助巻線5dにも電圧が発生し、発生した電圧は、ダイオードD7及びコンデンサC7を介して制御回路11に供給される(図22中の▲7▼)。このため、制御回路11が動作を継続することができるので、スイッチQ1nのスイッチング動作を継続して行うことができる。
【0135】
次に、時刻t3において、端子bから−15Vの制御信号をスイッチQ1nのゲートに出力する。このため、時刻t3にスイッチQ1nがオフして、電流D2iがダイオードD2を介して平滑コンデンサC1に流れて負荷RLに電力が供給される。また、昇圧リアクトルL1に蓄えられたエネルギーにより電流D1iがダイオードD1を介して平滑コンデンサC1に流れて負荷RLに電力が供給される。
【0136】
また、時刻t3に制御回路11から短絡信号をスイッチS1に出力すると、スイッチS1がオンして(図22中の▲8▼)、突入電流制限抵抗R1の両端が短絡される。このため、突入電流制限抵抗R1の損失を減ずることができる。
【0137】
なお、時刻t3は、交流電源Vac1をオンしたとき(時刻t0)からの経過時間として設定され、例えば平滑コンデンサC1と突入電流制限抵抗R1との時定数(τ=C1・R1)の約5倍以上の時間に設定される。以後、スイッチQ1nはオン/オフによるスイッチング動作を繰り返す。スイッチQ1nがスイッチング動作を開始した後には、スイッチQ1nは、図1に示す第1の実施の形態に係る力率改善回路のスイッチQ1の動作と同様に動作する。
【0138】
このように第4の実施の形態に係る力率改善回路によれば、第1の実施の形態の効果が得られるとともに、制御回路11は、交流電源Vac1がオンされたときに突入電流制限抵抗R1に発生した電圧によりスイッチQ1nをオフさせ、平滑コンデンサC1が充電された後、スイッチQ1nをオン/オフさせるスイッチング動作を開始させるので、電源オン時における問題もなくなる。従って、ノーマリオンタイプの半導体スイッチが使用可能となり、損失の少ない、即ち、高効率な力率改善回路を提供することができる。
【0139】
なお、第4の実施の形態は、第1の実施の形態の構成に図21に示すようなノーマリオン回路を追加したが、例えば、本発明は、第2の実施の形態の構成に図21に示すようなノーマリオン回路を追加してもよく、また、第3の実施の形態の構成に図21に示すようなノーマリオン回路を追加してもよい。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スイッチがオン時にZCS動作となりスイッチがオフ時にZVS動作となりスイッチング損失が低減し、効率が向上する。また、スイッチングノイズも低減し、フィルタを小型化でき、昇圧リアクトルと可飽和リアクトルも一体化できる。これにより、小型、低ノイズ、高効率な昇圧型の力率改善回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る力率改善回路を示す回路構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る力率改善回路に設けられた可飽和リアクトルの構造図である。
【図3】第1の実施の形態に係る力率改善回路に設けられた可飽和リアクトルのB−H特性を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係る力率改善回路を示す回路構成図である。
【図5】可飽和リアクトルと昇圧リアクトルとを一体化したリアクトルの構造図である。
【図6】第2の実施の形態に係る力率改善回路の交流電源電圧波形と整流出力電流波形のタイミングチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係る力率改善回路の各部における信号のタイミングチャートである。
【図8】第2の実施の形態に係る力率改善回路のスイッチQ1のターンオン時の各部における信号のタイミングチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る力率改善回路のスイッチQ1のターンオフ時の各部ににおける信号のタイミングチャートである。
【図10】第3の実施の形態に係る力率改善回路の第1実施例を示す回路構成図である。
【図11】第3の実施の形態に係る力率改善回路の第1実施例の交流電源電圧波形とスイッチング周波数のタイミングチャートである。
【図12】図11に示すタイミングチャートのA部における100KHzのスイッチング波形を示す図である。
【図13】図11に示すタイミングチャートのB部における20KHzのスイッチング波形を示す図である。
【図14】第3の実施の形態に係る力率改善回路の第1実施例に設けられたVCOの詳細な回路構成図である。
【図15】第3の実施の形態に係る力率改善回路の第1実施例の交流電源電圧波形とヒステリシスコンパレータに入力される電圧とこの電圧により変化するスイッチング周波数のタイミングチャートである。
【図16】第3の実施の形態に係る力率改善回路の第1実施例のVCOの特性を示す図である。
【図17】第3の実施の形態に係る力率改善回路の第1実施例のVCOの周波数の変化に応じてPWMコンパレータのパルス周波数が変化した様子を示す図である。
【図18】第3の実施の形態に係る力率改善回路の第2実施例の交流電源電圧波形とヒステリシスコンパレータに入力される電圧により変化するスイッチング周波数のタイミングチャートである。
【図19】第3の実施の形態に係る力率改善回路の第3実施例のVCOの詳細な回路構成図である。
【図20】第3の実施の形態に係る力率改善回路の第3実施例の交流電源電圧波形とコンデンサの電圧とこの電圧により変化するスイッチング周波数のタイミングチャートである。
【図21】第4の実施の形態に係る力率改善回路を示す回路構成図である。
【図22】第4の実施の形態に係る力率改善回路の動作を説明するための図である。
【図23】第4の実施の形態に係る力率改善回路の各部における信号のタイミングチャートである。
【図24】従来の力率改善回路を示す回路構成図である。
【図25】従来の力率改善回路の各部における信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
Vac1 交流電源
B1 全波整流回路
10,10a,11,100 制御回路
Q1,Q1n スイッチ
RL 負荷
R1〜R10 抵抗
L1 昇圧リアクトル
SL1 可飽和リアクトル
C1 平滑コンデンサ
C2 スナバコンデンサ
C6,C7 コンデンサ
S1 スイッチ
5d L1の補助巻線
12 起動電源部
13 通常動作電源部
D1〜D7 ダイオード
R 電流検出抵抗
111 誤差増幅器
112 乗算器
113 誤差増幅器
114 発振器(OSC)
115 電圧制御発振器(VCO)
115a ヒステリシスコンパレータ
115b,115c コンパレータ
116 PWMコンパレータ
Claims (12)
- 交流電源の交流電源電圧を整流回路で整流した整流電圧を昇圧リアクトルを介して入力して主スイッチによりオン/オフして入力力率を改善するとともに、直流の出力電圧に変換する力率改善回路であって、
前記整流回路の一方の出力端と他方の出力端との間に接続され、前記昇圧リアクトルに巻回された昇圧巻線及び巻き上げ巻線と第1ダイオードと平滑コンデンサとからなる第1直列回路と、
前記整流回路の一方の出力端と他方の出力端との間に接続され、前記昇圧リアクトルの昇圧巻線と可飽和リアクトルと前記主スイッチとからなる第2直列回路と、
前記主スイッチと前記可飽和リアクトルとの接続点と前記平滑コンデンサとの間に接続された第2ダイオードと、
前記主スイッチをオン/オフ制御することにより前記平滑コンデンサの出力電圧を所定電圧に制御する制御手段と、
前記主スイッチに並列に接続され、第3ダイオードとスナバコンデンサとからなる第3直列回路とを備え、
前記可飽和リアクトルは、補助巻線をさらに備え、
前記第3ダイオードと前記スナバコンデンサとの接続点と前記第1ダイオードの一端との間に接続され、第4ダイオードと前記可飽和リアクトルの補助巻線とからなる第4直列回路と、
を有することを特徴とする力率改善回路。 - 前記主スイッチに並列に接続された第5ダイオードを有し、該第5ダイオードは、前記主スイッチの寄生ダイオードであることを特徴とする請求項1記載の力率改善回路。
- 前記昇圧リアクトルと前記可飽和リアクトルとは、同一コア上に巻回されて一体化された一体型リアクトルからなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の力率改善回路。
- 前記可飽和リアクトルのコアの磁路の一部に断面積の少ない部分を設けたことを特徴とする請求項3記載の力率改善回路。
- 前記制御手段は、前記主スイッチのターンオン時にゼロ電流スイッチさせ、前記主スイッチのターンオフ時にゼロ電圧スイッチさせることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の力率改善回路。
- 前記制御手段は、前記主スイッチのスイッチング周波数を前記交流電源の交流電源電圧値に応じて制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の力率改善回路。
- 前記制御手段は、
前記出力電圧と基準電圧との誤差を増幅して第1誤差電圧信号を生成する第1誤差電圧生成手段と、
この第1誤差電圧生成手段の第1誤差電圧信号と前記整流回路の整流電圧とを乗算して乗算出力電圧を生成する乗算出力電圧生成手段と、
前記整流回路に流れる入力電流を検出する電流検出手段と、
この電流検出手段で検出された入力電流に応じた電圧と前記乗算出力電圧生成手段の乗算出力電圧との誤差を増幅して第2誤差電圧信号を生成する第2誤差電圧生成手段と、
前記整流回路の整流電圧値に応じて前記主スイッチのスイッチング周波数を変化させた周波数制御信号を生成する周波数制御手段と、
前記第2誤差電圧生成手段の第2誤差電圧信号に基づきパルス幅を制御し且つ前記周波数制御手段で生成された前記周波数制御信号に応じて前記主スイッチのスイッチング周波数を変化させたパルス信号を生成し、パルス信号を前記主スイッチに印加して前記出力電圧を所定電圧に制御するパルス幅制御手段と、
を有することを特徴とする請求項6記載の力率改善回路。 - 前記制御手段は、前記交流電源電圧が下限設定電圧以下の場合に前記スイッチング周波数を下限周波数に設定し、前記交流電源電圧が上限設定電圧以上の場合に前記スイッチング周波数を上限周波数に設定し、前記交流電源電圧が前記下限設定電圧から前記上限設定電圧までの範囲の場合に前記スイッチング周波数を前記下限周波数から前記上限周波数まで徐々に変化させることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の力率改善回路。
- 前記制御手段は、前記交流電源電圧が前記下限設定電圧未満の場合には前記主スイッチのスイッチング動作を停止させることを特徴とする請求項8記載の力率改善回路。
- 前記整流回路と前記平滑コンデンサとの間に接続され、前記交流電源がオンされたときに前記平滑コンデンサの突入電流を軽減する突入電流制限抵抗を有し、
前記主スイッチは、ノーマリオンタイプのスイッチからなり、
前記制御手段は、前記交流電源がオンされたときに前記突入電流制限抵抗に発生した電圧により前記主スイッチをオフさせ、前記平滑コンデンサが充電された後、前記主スイッチをオン/オフさせるスイッチング動作を開始させることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の力率改善回路。 - 前記昇圧リアクトルは、補助巻線をさらに備え、該補助巻線に発生する電圧を前記制御手段に供給する通常動作電源部を有することを特徴とする請求項10記載の力率改善回路。
- 前記突入電流制限抵抗に並列に接続された半導体スイッチを有し、
前記制御手段は、前記主スイッチのスイッチング動作を開始させた後、前記半導体スイッチをオンさせることを特徴とする請求項10又は請求項11記載の力率改善回路。
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