JP4282267B2 - 硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、D-グルクロン酸とN-アセチル-D-ガラクトサミンがβ1→3グリコシド結合した二糖構造を主鎖の構成二糖単位とし、部分的に硫酸化フコビオシル基を側鎖として有する新規な硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸並びに該硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸を含有する医薬組成物及び線溶活性亢進剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンドロイチン硫酸(以下、CSともいう)は、グリコサミノグリカン(以下、GAGともいう)の一種であり、D-グルクロン酸(以下、GlcAともいう)とN-アセチル-D-ガラクトサミン(以下、GalNAcともいう)とがβ1→3グリコシド結合(GlcAβ1→3GalNAc)により結合した二糖を構成二糖単位とする多糖で、該構成二糖単位における硫酸基の結合位置や結合割合の違いにより数種の分子種に分類されている。例えば、GalNAcのO-4位またはO-6位に硫酸基が結合した構成二糖単位を多く含むコンドロイチン硫酸は各々コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸Cと呼ばれ、GalNAcのO-4,6位が硫酸化されているコンドロイチン硫酸はコンドロイチン硫酸E(以下、CS-Eとも言う)とも呼ばれている。また、CSは動物軟骨や結合組織中に存在することが広く知られており、様々な動物より単離された各種CS及びその構造や作用などの研究が報告されている。
【0003】
例えば、マナマコからは、硫黄を9.5〜13%及びフコースを12〜28%含有したCSが単離され、分析の結果、このマナマコ由来のCSは、GlcAとGalNAcがβ1→3グリコシド結合により結合した二糖単位の繰り返し構造をコアポリマーとし、GalNAcのO-4位、O-6位及び/又はGlcAのO-3位に硫酸化フコース2残基から成る硫酸化フコビオシル基がグリコシド結合した構造を有している。マナマコCSは、直鎖構造のみから成る他のCSとは異なり、コンドロイチナーゼ類によって極めて消化されにくいことが報告されている(Kariya et al. (1997) Carbohydr. Res., 297, 273-279、特公平6-70085)。また、その生理活性に関しては、主に抗凝固活性が確認されている(Morao et al. (2001) Thromb. Res., 102, 167-176)。
【0004】
同様に、他の各種ナマコ類からも硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸(以下、硫酸化フコビオシルCSという)の単離精製の例が報告されている(特公平6-70085)。他方、これらナマコ由来の硫酸化フコビオシル基側鎖を有する硫酸化フコビオシルCSは、ほとんど線溶活性を示さないことが報告されている(Sakai et al.(2000) Tromb Res.,100, 557-565)。一般に、棘皮動物に存在すると考えられる硫酸化フコビオシルCSを原料に、その構成を一部改変して製造した物質についての報告はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、線溶活性亢進作用を有する新規なコンドロイチン硫酸誘導体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、構成二糖単位毎ほぼ全てに硫酸化フコビオシル基の側鎖を有し、ほとんど線溶活性亢進作用を示さない硫酸化フコビオシルCSから硫酸化フコビオシル基側鎖を部分的に脱離させることにより、線溶活性亢進作用が適度に発現することを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)D-グルクロン酸(以下、GlcAともいう)とN-アセチル-D-ガラクトサミン(以下、GalNAcともいう)がβ1→3グリコシド結合した二糖を構成単位とし、下記物理化学的特性を有する硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸(以下、本発明物質ともいう)。
i)下記式(1)で表される二糖構成単位構造を有する。
【0008】
【化2】
【0009】
ii)コンドロイチナーゼABCによる分解にて、不飽和二糖生成率が35〜55%である。
iii)構成二糖単位当たり、1.3〜1.8分子の硫酸基、及び、0.2〜0.4分子のフコビオシル基を含有する。
(2)平均分子量11,000〜13,000である上記(1)に記載の硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸。
(3)ナマコ類由来の硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸から、側鎖である硫酸化フコビオシル基を部分的に除去することにより得られる上記(1)又は(2)に記載の硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸。
(4)分岐化度が20〜50%である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸を含有する組成物。
(6)医薬組成物である上記(5)記載の組成物。
(7)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸を有効成分とする線溶活性亢進剤(以下、本発明医薬ともいう)。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明物質は、GlcAのO-1位とGalNAcのO-3位とがβ-グリコシド結合した二糖単位の繰り返し構造を主鎖とし、側鎖として硫酸化フコース2残基から成る硫酸化フコビオシル基を部分的に有するCSの一種である。
【0011】
本発明における硫酸化フコビオシル基とは、フコースのO-2位及びO-4位のヒドロキシル基(-OH)の硫酸(-OSO3 ―)化の違いによりフコース1分子中に0〜2個硫酸基を有するフコース残基2残基がα-1,3結合しているフコビオース基であり、下記式(2)で表される。当該硫酸化フコビオシル基は、本発明物質の主鎖を構成するGalNAcのO-4位、O-6位、及び、GlcAのO-3位から選択される位置のヒドロキシル基と硫酸化フコビオシル基O-1位のヒドロキシル基とでグリコシド結合することにより、本発明物質の側鎖を形成している。
【0012】
【化3】
【0013】
【表1】
【0014】
本発明物質をコンドロイチナーゼABCによって分解した際の不飽和二糖生成率は35〜55%である。不飽和二糖生成率は、後述の実施例に記載のコンドロイチナーゼABCによる分解とイオン交換高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCとも言う)による分析を組み合わせた二糖組成分析により算出できる。本発明物質について、この方法で分析すると、下記式(3)で表される二糖構造が検出される。
【0015】
【式4】
【0016】
式中、R1、R2、R3は水素原子またはSO3 ―を示し、Acはアセチル基を示す。
【0017】
更に、化学組成分析の結果、主鎖の二糖単位1残基あたり、1.3〜1.8分子の硫酸基、好ましくは、1.5〜1.8分子の硫酸基を含有し、同様に主鎖の二糖単位1残基あたり、0.2〜0.4分子のフコビオシル基、好ましくは、0.2〜0.3分子のフコビオシル基を含有する。この化学組成分析の方法としては、本発明物質中のヘキソサミン含量、硫酸基含量及びフコビオシル含量又はフコース含量を測定可能な方法であれば、特に限定されないが、一例として、後述の実施例に記載の様に、MBTH法によりヘキソサミン含量を測定し、更にイオンクロマトグラフィー法及びアンスロン法(Dimler, R. Let al. (1952) Anal.Chem.,24, 1411-1414)にて、各々硫酸基含量及びフコース含量を測定する方法が挙げられる。
【0018】
フコビオシル含量からみて、本発明物質は、硫酸化フコビオシル基側鎖を持たない構成二糖単位とGalNAcのO-4位、O-6位及びGlcAのO-3位より選択される位置に1つ以上の硫酸化フコビオシル基側鎖を有する構成二糖単位が混在した状態で構成されており、従って、部分的に硫酸化フコビオシル基側鎖を有するCSである。
【0019】
本発明物質は、平均分子量11,000〜13,000であることが好ましく、平均分子量11,000〜12,000がより好ましい。尚、多糖類の平均分子量は、重量平均分子量で示すのが一般的であるが、GAGの平均分子量は、同一試料でも測定方法や測定条件などによって多少異なることは当業者にとって常識であり、本発明物質においても、上記平均分子量の範囲に厳密に限定されるべきものではない。
【0020】
本発明物質は、その起源、由来、製法によっては特に限定されるものでは無く、本発明物質が有する物理化学的特性を満たすものであれば、天然資源から得られる部分的に硫酸化フコビオシル基側鎖を有する硫酸化フコビオシルCSでも、天然資源(主として生物体)から得られる硫酸化フコビオシルCSを原料として後述の部分的に硫酸化フコビオシル基を除去する等の化学的手法等により改変したもの、若しくは、人工的に化学合成したものや、遺伝子工学的に動物細胞、植物細胞、微生物等により合成させたものでも構わない。
【0021】
本発明物質自体が生物体から単離精製される場合や生物体から単離精製される硫酸化フコビオシルCSを原料として製造する場合に用いる生物体は、種、属など特に限定されない。生物体として、例えば、棘皮動物が挙げられ、好ましくはナマコ類が挙げられ、特に、マナマコ(Sea Cucumber Stichopus japonicus)、クロナマコ(Holthuria atra)、ニセクロナマコ(Holothuria leurospilota)などが挙げられる。尚、これらナマコ類動物は、ごく一部が食用に供されてはいるが、殆ど利用されていない未利用資源である。
【0022】
一例として、マナマコを原料とする本発明物質の製造方法を説明する。
先ず、GAGを生体組織から単離・精製する際に通常用いられる公知の方法(Carbohydr. Res., 297, 273-279 (1997), 特公平6−70085等参照)に準じてマナマコ体壁より硫酸化フコビオシルCSを単離精製し、次いで、側鎖である硫酸化フコビオシル基を部分的に脱離させ(部分的脱分岐化)、本発明物質を得る。
【0023】
ここに於いて、側鎖である硫酸化フコビオシル基の部分的脱離方法は、本発明物質が有する物理化学的特性を満たすCSが生成する方法であれば、特に限定されないが、分岐化度20〜50%である硫酸化フコビオシルCSが得られる条件での緩和な酸加水分解、アルカリ加水分解反応や酵素消化反応などが挙げられる。上記のうち、特に0.05〜0.2N程度の硫酸、塩酸等の無機酸を用いて、75〜85℃程度の条件下で約2.5〜3.5時間、酸加水分解する方法が好ましい。尚、通常、反応後中和し、分離・精製工程に供する。かくして、より好ましくは、分岐化度30〜40%である反応終生成物(本発明物質)が得られる。上記部分的脱分岐化後、GAGの分離・精製の常套手段によって精製された本発明物質を得ることが出来る。
【0024】
ここでいう、分岐化度とは、本発明物質1分子が有している側鎖である硫酸化フコビオシル基のモル量の、主鎖構成二糖単位のモル量に対する割合を示している。尚、上記の側鎖を部分的に脱離する方法によって本発明物質を製造する際の原料となりうるナマコ由来の硫酸化フコビオシルCSに関しては、主鎖を構成している二糖単位当たり、ほぼ1本の硫酸化フコビオシル基側鎖を有している(分岐化度=100%とする)事が既に報告されている。(Kariya et al. (1997) Carbohydrate Research 297, 273-279 )
【0025】
先に述べた様に、マナマコ由来CSは、コンドロイチナーゼ類により極めて消化されにくい事が既に知られているが、マナマコ由来CSから部分的に側鎖を除去する方法等により得られる本発明物質は、後述の実施例に記載の通り、コンドロイチナーゼABCにより35〜55%分解される。
【0026】
また、上述の様にSakai.et.al (2000) Tromb Res.,100,557-565において、本発明物質の製造原料となるマナマコ由来CSは極めて弱い線溶活性亢進作用しか示さないと報告されているが、本発明物質は、後述の実施例に記載の通り、プラスミノーゲン、一本鎖組織プラスミノーゲンアクチベーター及び合成基質を加えた線溶反応系において、マナマコ由来CSに比べ、極めて高い線溶活性亢進作用を示した。
【0027】
プラスミノーゲンアクチベーターを介した線溶活性亢進作用とは、プラスミノーゲンアクチベーター(以下、PAとも言う)がプラスミノーゲンをプラスミンに限定分解し、活性化されたプラスミンがフィブリンを分解する一連の反応の総称である。
【0028】
特に血管内線溶においては組織型PA(以下、t-PAという)が重要な調節因子となっており、t-PAの作用が低下すると血流中に生成した血栓を溶解しにくくなる為、脳梗塞や心筋梗塞など血栓症を発症しやすくなる。本発明物質は、優れた線溶活性亢進作用を有する為、本発明物質を有効成分とする医薬組成物(以下、本発明医薬組成物ともいう)は、t-PA活性の促進が望まれるこれら上記の様な疾患の予防、維持(悪化防止)、軽減(症状の改善)及び治療を目的としてヒト、その他ほ乳動物に投与することが出来る。
【0029】
本発明医薬組成物を生体に投与する際の剤型及び投与経路としては、対象となる疾患の性質や重篤度に応じて適宜選択する事ができる。例えば、それらをそのまま、又は、他の薬理学的に許容され得る担体、希釈剤、安定化剤等と共に適宜、注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、リポ化剤、軟膏剤、ゲル剤、外用散剤、スプレー剤、吸入散剤、点眼剤、眼軟膏剤、座剤などに製剤化し、注射(筋肉内、皮下、皮内、静脈内、関節腔内、腹腔内等)、点眼、点滴、経皮、経口、吸入等の投与方法によって、経口又は非経口的に安全に投与することが出来る。
【0030】
本発明医薬組成物における本発明物質の配合量や投与量は、その製剤の投与方法、投与形態、使用目的、患者の具体的症状、患者の体重等に応じて個別に決定されるべき事項であり、特に限定はされないが、経口的あるいは非経口的な投与経路において本発明物質として1日当たり概ね0.1mg/kg〜300mg/kg程度を例示することが出来る。また、投与間隔は、1日1回程度でも可能であり、1日2〜4回、またはそれ以上の回数に分けて投与することも可能であるし、例えば点滴等により連続的に投与することも可能である。
【0031】
更に、本発明物質を有効成分とする組成物は、上記医薬組成物としての用途以外に、凝固線溶系を研究するための研究用試薬としても有用である。
【0032】
【実施例】
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1 本発明物質の製造
▲1▼マナマコ体壁由来CSの単離精製
マナマコ(Stichopus japonius)の体壁部をミンチ状に処理した後、ホモジナイズし、クロロホルム/メタノール(2:1、v/v)で不要の脂溶性画分を抽出除去した。抽出残渣を乾燥後、オートクレーブ処理(120℃、30分)に付し、50mMリン酸バッファー(p H 8.0)中に溶解し、懸濁液とした。この懸濁液に対し、蛋白質1gあたり50mgのアクチナーゼ(科研製薬(株)製)を加え、55℃にて8時間攪拌し、コラーゲンやコアプロテイン等を消化した。
【0033】
アクチナーゼ消化物を0.4M水酸化ナトリウム、次いで10%トリクロロ酢酸にて順次処理した後、遠心分離(5,000×g、15分)に付し、上清を回収し、流水透析を行った。透析内液に2.5%酢酸ナトリウムを添加した冷エタノールを透析内液量の3倍量添加することにより目的物質を沈殿させ、遠心分離(5,000×g、15分)により沈殿を回収した。更に、得られた沈殿を冷エタノールで洗浄し、得られたペレットを減圧乾燥することにより粗精製物を得た。
【0034】
得られた粗精製物1.0gを少量の50mM 炭酸水素アンモニウム緩衝液(p H 8.0)に溶解し、その半分量を同溶媒で平衡化したSephadex G-100(ファルマシア社製)を詰めたカラム(直径3.4cm×長さ100cm)に付し、同溶媒にて溶出させ、溶出液を10ml毎に回収した。得られた各フラクションにつき、UV210nmにおける吸光度の測定、カルバゾール法(Bitter & Muir (1962) Anal. Biochem., 4, 330-334)によるウロン酸含量の測定及びアンスロン法(Dimler, R. L et al. (1952) Anal. Chem., 24, 1411-1414)による中性糖含量の測定を行った。
【0035】
その結果、高分子画分にGAGと推測されるカルバゾール反応陽性の画分を見出し、これを合一回収し、凍結乾燥により粉末を224mg得た。同様の操作を得られた粗精製物の溶液の残り半分量についても行い、合わせて574mgの凍結乾燥物を得た。得られた凍結乾燥物のうち500mgを100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)で平衡化したDEAE-セルロース(DE52、Whatmann社製)を詰めたカラム(内径1.8cm×長さ18cm)に付し、同緩衝液中0→1.2M 塩化ナトリウムの直線的濃度勾配により溶出した。
【0036】
8ml毎に分画回収した各フラクションにつきカルバゾール法によるウロン酸含量の測定およびアンスロン法による中性糖含量の測定を行った。その結果、塩化ナトリウムの0.6M濃度付近に目的物質と目されるピークを見出したので、このピークに該当する画分を合一した後、流水透析にて透析後、凍結乾燥を行い、粉体を210mg得た。
【0037】
▲2▼分析
上記▲1▼で得られた粉体について、化学組成分析を行った。
MBTH法(Hurst & Settine (1981) Anal. Biochem., 115, 88-92)にてヘキソサミン含量を、カルバゾール法、イオンクロマトグラフィー並びにアンスロン法にて各々ウロン酸含量、硫酸イオン含量並びに中性糖含量を定量した。
【0038】
分析結果から、この画分の構成成分の重量存在比を算出したところ、既に報告されていいるナマコGAGの分析結果(Kariya et al.(1990) J.Biol.Chem.,265,5081-5085参照)とほぼ同等の組成を示した。
【0039】
▲3▼本発明物質の製造
公知ナマコGAGとほぼ同等の組成を有する上記▲1▼で得られた精製画分40mgを0.1N硫酸4mlに溶解し、80℃にて3時間あるいは6時間の加水分解反応にそれぞれ付した。反応は反応混液を室温までに冷却することによって停止させ、1N水酸化ナトリウムを添加して中和した後、0.2M塩化ナトリウムで平衡化したセルロファインGCL-90mカラム(内径3.4×長さ110cm、生化学工業(株)製)に付し、溶出液を10ml毎に分取した(以下、3時間の加水分解により得られたものを3時間水解物、6時間の加水分解により得られたものを6時間水解物という)。対照として40mgの未加水分解物(上記▲1▼で得られた精製画分、以下、未水解物ともいう)も同様にカラムクロマトグラフィーに付し、溶出液を10mlづつ分取した。
【0040】
未水解物、3時間水解物及び6時間水解物のカラム溶出液の各フラクションにつき、ウロン酸含量並びに中性糖含量を測定し、溶出液の挙動を比較した(図1)。得られた高分子画分域(3時間水解物(図1b)はフラクションNo.40〜54、6時間水解物(図1c)はフラクションNo.40〜58、未水解物(図1a)はフラクションNo.40〜50)は合一濃縮して、蒸留水で平衡化したセルロファインGCL-25カラム(内径2.0×長さ25cm、生化学工業(株)製)に付し脱塩した後、凍結乾燥処理によって乾燥・回収した。未水解物、3時間水解物及び6時間水解物の各高分子画分の収量は、各々34.7mg、18.1mgおよび15mgであった。
【0041】
実施例2 本発明物質の物理化学的性状の解析
▲1▼ゲル濾過溶出パターン
図1のゲル濾過溶出パターンを比較すると、未水解物(図1(a))では高分子画分域にウロン酸及び中性糖のピークがほぼ完全に一致した位置に等しい形状でシングルピークとして観察された。しかし3時間水解物(図1(b))では、未水解物のパターンと比べ、対応する高分子画分域のウロン酸ピークはやや減少し、やや広がり、更に、同域の中性糖ピークの検出値は大幅に減少し、一方、低分子画分域に中性糖の新しいピークが出現した。このピークは加水分解処理により脱離した硫酸化フコビオシル基と考えられる。同様に6時間水解物(図1(c))においては、低分子画分域の新しい中性糖ピークがより顕著であり、更に、高分子画分域におけるウロン酸ピークの減少とより広い平坦化、更に中性糖ピークの顕著な減少が確認された。
【0042】
これより、加水分解反応の進行に伴い、原料であるナマコ由来のGAG主鎖から硫酸化フコビオシル基が加水分解反応時間依存的に脱離している事が示唆される。
【0043】
尚、3時間水解物の様に、硫酸化フコビオシル基が部分的に脱離した構造を有するGAGは、これまでに報告がなく、新規な硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸である。
【0044】
▲2▼化学組成分析
3時間水解物、6時間水解物、未水解物について、実施例1▲2▼に記載の化学組成分析を行い、結果として得られた各水解物の構成成分の重量存在比を算出した(表1)。更に、各構成成分のモル存在量(mmol/g)を算出した上、ヘキソサミンのモル存在量を1として、各成分のモル比を算出した(表2)。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
表2 各水解物の構成成分のモル存在量
(各水解物毎にGalNAcのモル存在量を1とした場合の各成分のモル比)
【0047】
表1及び表2より、各水解物においては、ヘキソサミンとウロン酸のモル比はほぼ一定しており、加水分解後でも、主鎖部分の構造はGAG特有の二糖繰り返し構造が保持されていると考えられる。主鎖の二糖単位1残基あたりのフコビオシル基及び硫酸基含量は、未水解物が各々1.19及び3.69分子存在するのに対し、3時間水解物では各々0.29及び1.70分子であり、6時間水解物では各々0.18及び1.06分子と、加水分解反応時間依存的に減少していることが判明した。これは、上記実施例2▲1▼のゲル濾過溶出パターン(図1)の結果を支持しており、加水分解反応時間依存的に硫酸化フコビオシル基が脱離していると考えられる。
【0048】
▲3▼脱分岐化度
加水分解反応による、硫酸化フコビオシル基の脱離割合を脱分岐化度として算出した。図1に於けるアンスロン法の吸光度を指標に、検出される高分子領域のピークと低分子領域のピークの面積から以下の式を用いて脱分岐化度の見積もりを行った。尚、グラフの描画にはMicrosoft Excel 2000を、面積の算出には、NIH Image 1.62を用いた。
【0049】
脱分岐化度(%)=低分子化領域ピーク面積(A2)/全ピーク面積(A1+A2)×100
【0050】
計算の結果、未水解物、3時間水解物および6時間水解物の脱分岐化度は、それぞれ0%、67.6%及び90.4%と算出された。この結果からも、加水分解による脱分岐化反応は、反応時間依存的に進行することが確認される。尚、分岐化度(%)=100−(脱分岐化度)である。
【0051】
▲4▼コンドロイチナーゼABC消化
コンドロイチナーゼABC(生化学工業(株)製、以下、C-ABCという)による未水解物、3時間水解物、6時間水解物各々の消化の度合いをゲル濾過クロマトグラフィーを分離要因とする高速液体クロマトグラフィー(以下、GPC-HPLCという)により測定した。
【0052】
各水解物を10mg/mlとなるように蒸留水に溶解し、そのうち20μlを0.5UのC-ABCを含む酵素溶液10μl(0.4M酢酸ナトリウム、0.1%牛血清アルブミンを含む0.4Mトリス塩酸緩衝液(p H8.0))に添加し、37℃で18時間、酵素消化反応を行った。反応混液に蒸留水50μlを添加し、沸騰水中で1分加熱後、遠心分離することにより上清を得た。
【0053】
このC-ABC酵素消化物を含む上清を、TSK-Gel G4000PWXL、TSK-Gel G3000PWXLおよびTSK-Gel G2500PWXLカラム(いずれも内径4.0×25cm、Tosoh社製)を上流から順に連結して装着したGPC-HPLCに付し、0.2M塩化ナトリウム溶液のアイソクラティック条件で溶出し、Refractive Indexを指標として検出した。同様に、C-ABC消化前の各水解物に関しても、HPLCチャートを得た。これらの結果を図2に示す。
【0054】
得られたHPLCチャートのピーク面積から以下の式を用いて各水解物のC-ABC消化度(不飽和二糖生成率)の見積もりを算出した。下記不飽和二糖生成率の計算式において、全ピーク面積とは、図2のA2、B2、C2(C-ABC酵素消化後のチャート)における、△oligo、△Di-diS、△Di-monoS及び△Di-zeroSの合計ピーク面積を示し、不飽和二糖ピーク面積の和とは、各不飽和二糖ピークの面積の総和(△Di-diS、△Di-monoS及び△Di-zeroSの合計ピーク面積)である。尚、△oligoとは、C-ABC消化にて二糖単位構造にまで分解されず、三糖以上の構造である不飽和オリゴ糖を示す。また、△Di-diSは、不飽和二糖単位構造中に硫酸基を二つ有する不飽和二糖を、△Di-monoSは、不飽和二糖単位構造中に硫酸基を一つ有する不飽和二糖を、△Di-zeroSは不飽和二糖単位構造中に硫酸基を有さない不飽和二糖を示し、後述の不飽和二糖スタンダードに関して述べると、△Di-diSには△Di-di(2,6)S、△Di-di(4,6)Sが、△Di-monoSには△Di-6S、△Di-4Sが、△Di-zeroSには△Di-0Sが分類される。
【0055】
不飽和二糖生成率(%)=不飽和二糖ピーク面積の和/全ピーク面積×100
【0056】
酵素消化前のチャートにおいては、加水分解反応時間が長くなるに従ってメインピークの保持時間が長くなっており、若干の低分子化が起こっていることが観察された。これは硫酸化フコビオシル基側鎖の脱離が進行した結果であると推察される。
【0057】
未水解物の酵素消化後のチャートを、酵素消化前と比較すると、メインピークの保持時間は僅かに長くなるが、ほとんど変化せず、不飽和二糖成分も検出されない。すなわち、消化された形跡が見られず、公知文献の記載と同様にC-ABCにより分解されないことが確認された。
一方、3時間水解物及び6時間水解物では、不飽和二糖及び不飽和オリゴ糖のピークが観察された。これらピークについて、上記式に従い二糖生成率を算出した。その結果、未水解物、3時間水解物及び6時間水解物の二糖生成率は各々0%、46.5%及び66.3%であった。
【0058】
加水分解の反応時間に従い、C-ABCの消化性も高まり、不飽和二糖の生成も増えている。これより、硫酸化フコビオシル基側鎖を有するCSにおいて、C-ABC酵素消化の障壁と成っているのは、硫酸化フコビオシル基側鎖の存在であると推測される。
【0059】
更に、C-ABC酵素消化物の不飽和二糖分析を行った。上記の各水解物のC-ABC酵素消化物につき、上清をYMC-PA120S5カラム(内径4.0cm×25cm、YMC社製)を装着した強陰イオン交換HPLC(以下、SAX-HPLCともいう)に付し、MilliQ Water(商標名:ミリポア社製)と0.8Mリン酸二水素ナトリウム溶液の直線的濃度勾配システム(16mM→520mM/38分)で溶出し、230nmの吸光度で検出した。結果を図3に示す。
【0060】
不飽和二糖スタンダードとしてコンドロイチン硫酸タイプの△Di-0S、△Di-6S、△Di-4S、△Di-di(2,6)S、△Di-di(4,6)Sおよび△Di-triSを用いた。
【0061】
尚、これら△Di-0S、△Di-6S、△Di-4S、△Di-di(2,6)S、△Di-di(4,6)Sおよび△Di-triSとは、前述式3で示される二糖組成中の各置換基が下表の通りであるものを示す。
【0062】
【表4】
【0063】
図3より、△Di-0S、△Di-6S、△Di-4S、△Di-di(2,6)S、△Di-di(4,6)Sおよび△Di-triSの各ピークの合計に対し、3時間水解物では、△Di-di(4,6)Sが52.2%、△Di-6Sが30.4%であったのに対し、6時間水解物では△Di-6Sが49.8%、△Di-di(4,6)Sが25.3%であった。また、両者とも△Di-di(2,6)S及び△Di-triSは観察されず、いくつかの不飽和オリゴ糖由来と目されるピークが見られた。以上の結果は一見したところ、6時間水解物で観察された△Di-6Sの一部は、3時間水解物に存在した△Di-di(4,6)Sの4-O-硫酸基の加水分解によって生じたものと推定される。
【0064】
しかしながら一方では、△Di-6SのGalNAcのO-4位から伸展していた硫酸化フコビオシル基の加水分解による脱離速度は遅く、△Di-di(4,6)SのGlcAのO-3位から伸展していた硫酸化フコビオシル基の加水分解による脱離速度が速かった為に、見かけ上、上記のように△Di-di(4,6)Sの4-O-硫酸の脱離が発生した様に見えた可能性が高い。尚、図2のC-ABC消化後のチャートにおいて、全ピーク面積に対する△Di-diS成分である△Di-di(4,6)Sの割合が、3時間水解物で28.8%、6時間水解物で29.7%とほぼ同等だったことからも、後者の可能性が高いことが支持される。
【0065】
この不飽和二糖組成は硫酸化フコビオシル基側鎖が脱離し、酵素消化可能となった直鎖構造を有する部分の組成であり、側鎖が保持されている部分の二糖組成についてはこの方法では分析出来ない。
【0066】
以上のことより、本発明物質の一例である3時間水解物は、CS-Eタイプの二糖単位を有し、D-グルクロン酸のO-3位に結合している硫酸化フコビオシル基が優先的に脱離した、部分的に硫酸化フコビオシル基側鎖を有する新規な硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸と言える。
【0067】
実施例3 本発明物質の組織プラスミノーゲンアクチベーターを介した線溶活性亢進作用
実施例1にて製造した未水解物、3時間水解物、6時間水解物及び、公知ナマコGAG(Stichopus japonicus由来、1997年に単離精製)について種々の濃度の溶液を作成し、当該溶液30μlと0.48μMのプラスミノーゲン50μl、7.5nMの一本鎖t−PA(以下、sct―PAという)及び1.8mMの合成基質S-2251(H-D-Val―L-Leu―L-Lys―p-ニトロアニリド・二塩酸塩)40μlをウェルで混和後、自動マイクロタイタープレート読み取り機にセットし、37℃に加温して反応を進行させながら、15秒毎に405nm(対照492nm)の吸光度を測定した。なお、反応はTween80を0.005%含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で行った。
【0068】
プラスミノーゲンの活性化の初速度は、時間tの時の405nm(対照492nm)の吸収値A405-492と時間の自乗のプロットの傾き(A405-492/t2)より得た。促進率はGAGのない場合の初速度を1とし、それに対する相対比をポテンシエーションファクターとして示した。以上の活性測定を種々のGAG濃度で実施し、最も高い活性を示したGAG濃度(1.56μg/ml)における結果を図4に示した。
【0069】
活性の高い順に列挙すると3時間水解物が飛び抜けて高い活性を示し、次いでずっと低いレベルに6時間水解物、公知ナマコGAGそして未水解物の順であり、本発明物質である3時間水解物は、非常に高い線溶活性亢進作用を有する事が明らかとなった。
【0070】
【発明の効果】
本発明により、線溶活性亢進作用を有する新規な部分的に硫酸化フコビオシル基側鎖を有する硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸が提供される。
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】 未水解物、3時間水解物及び6時間水解物のセルロファインGCL-90mカラム溶出液の各フラクションにおけるウロン酸含量並びに中性糖含量を測定したグラフであり、縦軸は吸光度、横軸はフラクション番号である。(a)、(b)及び(c)は、各々、未水解物、3時間水解物、6時間水解物の結果である。
【図2】 未水解物、3時間水解物及び6時間水解物における、C-ABC消化前後のGCP-HPLCチャートであり、縦軸は示差屈折率、横軸は保持時間(分)を示す。A1は、未水解物のC-ABC消化前のGCP-HPLCチャートであり、A2は、未水解物のC-ABC消化後のGCP-HPLCチャートであり、二糖生成率は0%である。B1は、3時間水解物のC-ABC消化前のGCP-HPLCチャートであり、B2は、3時間水解物のC-ABC消化後のGCP-HPLCチャートであり、二糖生成率は46.5%である。C1は、6時間水解物のC-ABC消化前のGCP-HPLCチャートであり、C2は、6時間水解物のC-ABC消化後のGCP-HPLCチャートであり、二糖生成率は66.3%である。
【図3】 C-ABC消化後の未水解物、3時間水解物及び6時間水解物におけるSAX-HPLCチャートであり、縦軸は吸光度、横軸は保持時間(分)を示す。A、B、C及びDは各々、未水解物、3時間水解物、6時間水解物及び不飽和二糖スタンダードの結果である。
【図4】 sct-PAを介したglu-plg(N末端のアミノ酸がグルタミン酸(Glu)から始まるるタイプのプラスミノーゲン)の活性化測定による、未水解物、3時間水解物、6時間水解物及び公知ナマコGAGの1.56μg/ml濃度に於ける組織プラスミノーゲンアクチベーターを介した線溶活性促進率を示す。縦軸は、Potentiation Factorである。
Claims (4)
- 硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸が平均分子量11,000〜13,000である請求項1記載の線溶活性亢進剤。
- 硫酸化フコビオシルコンドロイチン硫酸の分岐化度が20〜50%である請求項1又は2記載の線溶活性亢進剤。
- マナマコ由来である請求項1〜3の何れか1項に記載の線溶活性亢進剤。
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