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JP4280678B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents

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JP4280678B2 JP2004155667A JP2004155667A JP4280678B2 JP 4280678 B2 JP4280678 B2 JP 4280678B2 JP 2004155667 A JP2004155667 A JP 2004155667A JP 2004155667 A JP2004155667 A JP 2004155667A JP 4280678 B2 JP4280678 B2 JP 4280678B2
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Description

本発明は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、操舵ハンドルの操作に応じて転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する転舵制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置に関する。
近年、この種のステアリングバイワイヤ方式の操舵装置の開発は、積極的に行なわれるようになった。そして、例えば下記特許文献1は、操舵角および車速を検出し、操舵角の増加に従って減少するとともに車速の増加に従って増加する伝達比を計算し、この伝達比で操舵角を除算することにより前輪の転舵角(ラック軸の変位量)を計算して、同計算した転舵角に前輪を転舵するようにした操舵装置が示されている。また、この操舵装置においては、検出ハンドル操舵角を時間微分した操舵速度に応じて前記計算した転舵角を補正することにより、前輪の転舵応答性・追従性を高めるようにしている。さらに、検出車速および検出ハンドル操舵角を用いて目標ヨーレートを計算し、この計算した目標ヨーレートと検出した実ヨーレートとの差に応じて前記計算した転舵角を補正することにより、車両の挙動状態を考慮した転舵制御を実現するようにもなっている。
また、下記特許文献2には、操舵トルクおよびハンドル操舵角を検出し、操舵トルクおよびハンドル操舵角の増加に従って増加する2つの転舵角をそれぞれ計算し、これらの計算した両転舵角を加算した転舵角に前輪を転舵するようにした操舵装置が示されている。この操舵装置においては、車速も検出して、この検出車速により前記両転舵角を補正して、転舵特性を車速に応じて変更するようにしている。
特開2000−85604号公報 特開平11−124047号公報
しかし、上記従来の装置のいずれにおいても、車両を操舵するための運転者による操舵ハンドルに対する操作入力値である操舵角および操舵トルクを検出し、これらの検出した操舵角および操舵トルクを用いて前輪の転舵角を直接的に計算して、この計算した転舵角に前輪を転舵するようにしている。しかし、これらの前輪の転舵制御は、従前の操舵ハンドルと転舵輪との機械的な連結を外してはいるものの、操舵ハンドルの操作に対する前輪の操舵方法としては、操舵ハンドルの操作位置または操作力に対応させて前輪の転舵角を決定するという基本的な技術思想は全く同じであり、これらの転舵方法では、人間の感覚特性に対応して前輪の転舵角が決定されていないので、運転者は違和感を覚えるとともに車両の運転操作が難しかった。
すなわち、前記従来の装置においては、運転者が知覚し得ない転舵角が操舵ハンドルの操作に対応させて直接的に決定され、同転舵角に応じた前輪の転舵によって車両が旋回する。そして、運転者はこの車両の旋回に起因した車両の横加速度、ヨーレートおよび旋回曲率を触覚または視覚により感じ取り、操舵ハンドルの操作にフィードバックして車両を所望の態様で旋回させていた。言い換えれば、運転者による操舵ハンドルの操作に対する前輪の転舵角は人間の知覚し得ない物理量であり、運転者の操舵操作に対して直接的に決定される転舵角は運転者の知覚特性に合わせて決められたものではないため違和感を覚え、これが車両の運転を難しくしていた。
また、上記従来の装置においても、検出車速および検出ハンドル操舵角を用いて計算した目標ヨーレートと、検出した実ヨーレートとの差に応じて決定転舵角を補正するようにしているが、これは車両の挙動状態を考慮した転舵角の単なる補正であって、操舵ハンドルの操作により運転者が知覚するであろうヨーレートに応じて転舵角を決定しているわけではない。したがって、この場合も、運転者の操舵操作に対して決定される転舵角は運転者の知覚特性に合わせて決められたものではなく、車両の運転を難しくしていた。
本発明者等は、上記問題に対処するために、運転者による操舵ハンドルの操作に対して、人間の知覚特性に合わせて車両を操舵することができる車両の操舵装置の研究に取り組んだ。このような人間の知覚特性に関し、ウェーバー・ヘフナー(Weber-Fechner)の法則によれば、人間の感覚量は与えられた刺激の物理量の対数に比例すると言われている。言い換えれば、人間の操作量に対して人間に与えられる刺激の物理量を操作量が変位の場合には指数関数的に、操作量がトルクの場合にはべき乗関数的に変化させれば、操作量と物理量との関係を人間の知覚特性に合わせることができる。本発明者等は、このウェーバー・ヘフナーの法則を車両の操舵操作に適用し、次のようなことを発見した。
車両の運転にあたっては、操舵ハンドルの操作によって車両は旋回し、この車両の旋回によって横加速度、ヨーレート、旋回曲率などの車両の運動状態量が変化し、運転者はこの車両の運動状態量を触覚および視覚により感じ取るものである。したがって、前記操舵ハンドルに対する運転者の操作に対して、運転者が知覚し得る車両の運動状態量を指数関数的またはべき乗関数的に変化させるようにすれば、運転者は、知覚特性に合わせて操舵ハンドルを操作して車両を運転できることになる。
本発明は、上記発見に基づくもので、その目的は、運転者による操舵ハンドルの操作に対して、人間の知覚特性に合わせて車両を操舵させることにより、全車速域にて車両の運転を易しくした車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する転舵制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記転舵制御装置を、前記操舵ハンドルに対する運転者の操作入力値を検出する操作入力値検出手段と、車両の車速を検出する車速検出手段と、車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態を表していて前記操舵ハンドルに対する操作入力値と予め定めた指数関係またはべき乗関係にある車両の複数の見込み運動状態量を、前記検出された操作入力値を用いて計算する運動状態量計算手段と、前記運動状態量計算手段によって計算された各見込み運動状態量で車両が運動するために必要な前記転舵輪の転舵角を、前記計算された各見込み運動状態量を用いて計算する転舵角計算手段と、前記転舵角計算手段によって計算された前記各見込み運動状態量に対応する各転舵角のうち、前記車速検出手段により検出された車速に基づいて、少なくとも一つの転舵角を選択して決定する転舵角決定手段と、前記決定された転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を同計算された転舵角に転舵する転舵制御手段とで構成したことにある。
この場合、前記転舵角決定手段は、前記運転舵角計算手段により計算された前記各見込み運動状態量に対応する各転舵角の前記車速検出手段により検出された車速に対する割合を変更して、少なくとも一つの転舵角を決定するとよい。そして、前記変更する割合は、前記検出された車速を変数とする関数により表されるとよい。
また、本発明の他の特徴は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する転舵制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記転舵制御装置を、前記操舵ハンドルに対する運転者の操作入力値を検出する操作入力値検出手段と、車両の車速を検出する車速検出手段と、車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態を表していて前記操舵ハンドルに対する操作入力値と予め定めた指数関係またはべき乗関係にある車両の見込み運動状態量を、前記検出された操作入力値を用いて計算する運動状態量計算手段と、前記運動状態量計算手段によって計算された見込み運動状態量で車両が運動するために必要な前記転舵輪の転舵角を、前記検出された車速と前記計算された見込み運動状態量とを用いて計算する転舵角計算手段と、前記計算された転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を同計算された転舵角に転舵する転舵制御手段とで構成し、前記転舵角計算手段は、前記車速検出手段により検出された車速が所定の車速以下のときに、前記転舵輪の転舵角を、前記計算に用いる車速を一定として計算することにもある。
これらの場合、見込み運動状態量は、例えば、車両の横加速度、ヨーレートまたは旋回曲率のうちの少なくとも一つである。また、これらの車両の操舵装置において、さらに、操舵ハンドルの操作に対して反力を付与する反力装置を設けておくとよい。
また、操作入力値検出手段を、例えば、操舵ハンドルの変位量を検出する変位量センサで構成することができ、この場合、運動状態量計算手段を、前記検出された変位量を操舵ハンドルに付与される操作力に変換する操作力変換手段と、前記変換された操作力を見込み運動状態量に変換する運動状態量変換手段とで構成するとよい。そして、操作力変換手段は変位量を同変位量と指数関係にある操作力に変換し、運動状態量変換手段は操作力を同操作力と指数関係に有る見込み運動状態量に変換するとよい。
また、操作入力値検出手段を、例えば、操舵ハンドルに付与される操作力を検出する操作力センサで構成することもでき、この場合には、運動状態量計算手段を、前記検出された操作力を見込み運動状態量に変換する運動状態量変換手段で構成するとよい。そして、運動状態量変換手段は、操作力を同操作力とべき乗関係にある見込み運動状態量に変換するとよい。
上記のように構成した本発明においては、まず、操舵ハンドルに対する運転者の操作入力値が、車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態を表していて操舵ハンドルに対する操作入力値と予め定めた指数関係またはべき乗関係にある車両の見込み運動状態量(横加速度、ヨーレート、旋回曲率など)に変換される。そして、この変換された見込み運動状態量に基づいて、同見込み運動状態量で車両が運動するために必要な転舵輪の転舵角が計算されて、この計算された転舵角に転舵輪が転舵される。したがって、転舵輪の転舵によって車両が旋回すると、この旋回により、運転者には、前記ウェーバー・ヘフナーの法則による「与えられた刺激の物理量」として前記見込み運動状態量が与えられる。そして、この見込み運動状態量は操舵ハンドルへの操作入力値に対して指数関数的またはべき乗関数的に変化するものであるので、運転者は、人間の知覚特性に合った運動状態量を知覚しながら、操舵ハンドルを操作できる。なお、横加速度およびヨーレートについては、運転者が車両内の各部位との接触により触覚的に感じ取ることができる。また、旋回曲率については、運転者が車両の視野内の状況の変化により視覚的に感じ取ることができる。その結果、本発明によれば、運転者は、人間の知覚特性に合わせて操舵ハンドルを操作できるので、運転者は違和感を覚えることなく車両の運転が簡単になる。
また、見込み運動状態量を複数計算するとともにこれら複数の見込み運動状態量に対応した転舵角をそれぞれ計算しておき、検出された車速に基づいて、計算したそれぞれの転舵角から少なくとも一つを選択して決定することができる。これにより、全車速域において、人間の知覚特性に合わせて操舵ハンドル操作が可能となる。すなわち、運転者が車両を旋回させる際には、車両の車速に応じて、知覚し得る見込み運動状態量が異なる。具体的には、例えば、車速が大きい場合には、運転者は車両内の各部位との接触により、見込み運動状態量として横加速度を知覚しやすくなる。一方、車速が小さい場合には、横加速度を感じにくくなり、車両の視野内の状況の変化により、見込み運動状態量として旋回曲率を知覚しやすくなる。このように、車速が変化することにより運転者が知覚し得る見込み運動状態量が異なる。このため、例えば、車速が大きいときには、見込み運動状態量として横加速度に対応した転舵角を選択して決定することによって、運転者は、人間の知覚特性に合わせて操舵ハンドルを操作できるので、運転者は違和感を覚えることなく車両の運転が簡単になる。一方、車速が小さいときには、見込み運動状態量として旋回曲率に対応した転舵角を選択して決定することによって、運転者は、人間の知覚特性に合わせて操舵ハンドルを操作できるので、運転者は違和感を覚えることなく車両の運転が簡単になる。
また、車速に応じて転舵角を決定する際には、複数の見込み運動状態量にそれぞれ対応した各転舵角の車速に対する割合(またはゲイン)を変更して決定することができる。そして、この割合は、車速を変数とする関数により表すことができる。これにより、車速の変化に応じて、適宜転舵角を選択して決定する場合には、車速に対して連続的に最適な転舵角を選択して決定することができる。すなわち、上述したように、例えば、車速が大きく横加速度に対応した転舵角を選択して決定している状態から、車速が小さくなり旋回曲率に対応した転舵角を選択して決定する場合には、横加速度に対応した転舵角の割合を車速の低下に応じて連続的に小さくするとともに、旋回曲率に対応した転舵角の割合を車速の低下に応じて連続的に大きくして、最終的に、旋回曲率に対応した転舵角を選択して決定することができる。このように、転舵角の割合を車速に応じて連続的に変更して最適な転舵角を選択することにより、車速に対応して選択された転舵角へスムーズに変更して決定することができるので、運転者は違和感を覚えることなく車両の運転が簡単になる。さらに、車速を変数とする関数に基づいて割合を変更することにより、よりスムーズに転舵角を変更して決定することができる。
また、検出された車速が所定の車速以下のときに、転舵角の計算に用いる車速を一定とすることができる。これは、例えば、車両を駐車する場合など車速が小さくなるに伴い、運転者の操舵ハンドル操作に対して転舵輪が大きく転舵される、言い換えれば、転舵角が大きくなることが望まれる。しかしながら、車速が小さくなるに従って転舵角を大きく計算する場合には、計算される転舵角が極大を示す場合があり現実的でなくなる。これに対し、所定の車速以下の場合に、車速を一定として計算することにより、転舵角が極大を示すことを防止することができ、現実的な転舵角を計算することができる。そして、この場合には、運転者は見込み運動状態量に基づいて操舵ハンドルを操作することができ、違和感を覚えることなく車両の運転が簡単になる。
また、例えば、上述したように、車速が小さい場合において見込み運動状態量として横加速度を採用した場合には横加速度を知覚しにくくなるものの、運転者はこの見込み運動状態量(横加速度)に基づいて操舵ハンドルを操作して車両を旋回させることは可能である。このため、複数の見込み運動状態量を計算しなくても、運転者は、例えば、見込み運動状態量としての横加速度に基づいて、全車速域において、操舵ハンドルを操作することができる。このため、転舵角を選択して決定することを省略することができ、転舵制御装置を簡略化して構成することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記構成にさらに、見込み運動状態量と同一種類であって車両の実際の運動状態を表す実運動状態量を検出する運動状態量検出手段と、前記計算された見込み運動状態量と前記検出された実運動状態量との差に応じて前記計算された転舵角を補正する補正手段とを設けたことにある。これによれば、転舵輪は、前記計算された見込み運動状態量で車両が運動するために必要な転舵角にさらに正確に転舵されることになる。その結果、運転者は、人間の知覚特性に正確に合った運動状態量を知覚しながら、操舵ハンドルを操作できるようになるので、車両の運転がさらに簡単になる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵装置について図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示している。
この操舵装置は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵するために、運転者によって回動操作される操作部としての操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は操舵入力軸12の上端に固定され、操舵入力軸12の下端は電動モータおよび減速機構からなる反力アクチュエータ13に接続されている。反力アクチュエータ13は、運転者の操舵ハンドル11の回動操作に対して反力を付与する。
また、この操舵装置は、電動モータおよび減速機構からなる転舵アクチュエータ21を備えている。この転舵アクチュエータ21による転舵力は、転舵出力軸22、ピニオンギヤ23およびラックバー24を介して左右前輪FW1,FW2に伝達される。この構成により、転舵アクチュエータ21からの回転力は転舵出力軸22を介してピニオンギヤ23に伝達され、ピニオンギヤ23の回転によりラックバー24が軸線方向に変位して、このラックバー24の軸線方向の変位により、左右前輪FW1,FW2は左右に転舵される。
次に、これらの反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の回転を制御する電気制御装置について説明する。電気制御装置は、操舵角センサ31、転舵角センサ32、車速センサ33、横加速度センサ34およびヨーレートセンサ35を備えている。
操舵角センサ31は、操舵入力軸12に組み付けられて、操舵ハンドル11の中立位置からの回転角を検出して操舵角θとして出力する。転舵角センサ32は、転舵出力軸22に組み付けられて、転舵出力軸22の中立位置からの回転角を検出して実転舵角δ(左右前輪FW1,FW2の転舵角に対応)として出力する。なお、操舵角θおよび実転舵角δは、中立位置を「0」とし、左方向の回転角を正の値で表すとともに、右方向の回転角を負の値でそれぞれ表す。車速センサ33は、車速Vを検出して出力する。横加速度センサ34は、車両の実横加速度Gを検出して出力する。ヨーレートセンサ35は、車両の実ヨーレートγを検出して出力する。なお、実横加速度Gおよび実ヨーレートγも、左方向の加速度およびヨーレートを正で表し、右方向の加速度およびヨーレートを負で表す。
これらのセンサ31〜35は、電子制御ユニット36に接続されている。電子制御ユニット36は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、プログラムの実行により反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動をそれぞれ制御する。電子制御ユニット36の出力側には、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21を駆動するための駆動回路37,38がそれぞれ接続されている。駆動回路37,38内には、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21内の電動モータに流れる駆動電流を検出するための電流検出器37a,38aが設けられている。電流検出器37a,38aによって検出された駆動電流は、両電動モータの駆動を制御するために、電子制御ユニット36にフィードバックされている。
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作について、電子制御ユニット36内にてコンピュータプログラム処理により実現される機能を表す図2の機能ブロック図を用いて説明する。電子制御ユニット36は、操舵ハンドル11への反力付与を制御するための反力制御部40と、操舵ハンドル11の回動操作に基づいて運転者の感覚特性に対応した左右前輪FW1,FW2の目標転舵角δdを決定するための感覚適合制御部50と、目標転舵角δdに基づいて左右前輪FW1,FW2を転舵制御するための転舵制御部60とからなる。
運転者によって操舵ハンドル11が回動操作されると、操舵角センサ31によって操舵ハンドル11の回転角である操舵角θが検出されて、同検出された操舵角θを反力制御部40および感覚適合制御部50にそれぞれ出力する。反力制御部40においては、変位−トルク変換部41が、下記式1を用いて、操舵角θの指数関数である反力トルクTzを計算する。
Tz=To・exp(K1・θ) …式1
ただし、前記式1中のTo,K1は定数であり、これらの値に関しては後述する感覚適合制御部50の説明時に詳しく説明する。また、前記式1中の操舵角θは前記検出操舵角θの絶対値を表しているものとし、検出操舵角θが正であれば定数Toを負の値とするとともに、検出操舵角θが負であれば定数Toを前記負の定数Toと同じ絶対値を有する正の値とする。なお、前記式1の演算に代えて、操舵角θに対する反力トルクTzを記憶した図3に示すような特性の変換テーブルを用いて、反力トルクTzを計算するようにしてもよい。
この計算された反力トルクTzは、駆動制御部42に供給される。駆動制御部42は、駆動回路37から反力アクチュエータ13内の電動モータに流れる駆動電流を入力し、同電動モータに反力トルクTzに対応した駆動電流が流れるように駆動回路37をフィードバック制御する。この反力アクチュエータ13内の電動モータの駆動制御により、同電動モータは、操舵入力軸12を介して操舵ハンドル11に反力トルクTzを付与する。したがって、運転者は、この操舵角θに対して指数関数的に変化する反力トルクTzを感じながら、言い換えればこの反力トルクTzに等しい操舵トルクを操舵ハンドル11に加えながら、操舵ハンドル11を回動操作することになる。この操舵角θと反力トルクTzの関係も上述したウェーバー・ヘフナーの法則に従うものであり、運転者は、操舵ハンドル11から人間の知覚特性に合った感覚を受けながら、操舵ハンドル11を回動操作できる。
一方、感覚適合制御部50に入力された操舵角θは、変位−トルク変換部51にて前記式1と同様な下記式2に従って操舵トルクTdを計算する。
Td=To・exp(K1・θ) …式2
この場合も、前記式2中のTo,K1は、前記式1と同様な定数である。ただし、前記式2中の操舵角θは前記検出操舵角θの絶対値を表しているものであるが、検出操舵角θが正であれば定数Toを正の値とするとともに、検出操舵角θが負であれば定数Toを前記正の定数Toと同じ絶対値を有する負の値とする。なお、この場合も、前記式2の演算に代えて、操舵角θに対する操舵トルクTdを記憶した図3に示すような特性の変換テーブルを用いて、操舵トルクTdを計算するようにしてもよい。
この計算された操舵トルクTdは、トルク−横加速度変換部52、トルク−ヨーレート変換部53およびトルク−曲率変換部54に供給される。トルク−横加速度変換部52は、運転者が操舵ハンドル11の回動操作により見込んでいる見込み横加速度Gdを、操舵トルクTdの絶対値が正の小さな所定値To未満であれば下記式3のように「0」とし、操舵トルクTdの絶対値が正の小さな所定値To以上であれば下記式4に従って計算する。
Gd=0 (|Td|<To) …式3
Gd=C・TdK2 (To≦|Td|) …式4
ただし、式4中のC,K2は定数である。また、前記式4中の操舵トルクTdは前記式2を用いて計算した操舵トルクTdの絶対値を表しているものであり、前記計算した操舵トルクTdが正であれば定数Cを正の値とするとともに、前記計算した操舵トルクTdが負であれば定数Cを前記正の定数Cと同じ絶対値を有する負の値とする。なお、この場合も、前記式3,4の演算に代えて、操舵トルクTdに対する見込み横加速度Gdを記憶した図4に示すような特性の変換テーブルを用いて、見込み横加速度Gdを計算するようにしてもよい。
トルク−ヨーレート変換部53は、運転者が操舵ハンドル11の回動操作により見込んでいる見込みヨーレートγdを、操舵トルクTdの絶対値が正の小さな所定値To未満であれば下記式5のように「0」とし、操舵トルクTdの絶対値が正の小さな所定値To以上であれば下記式6に従って計算する。
γd=0 (|Td|<To) …式5
γd=C・TdK2 (To≦|Td|) …式6
ただし、式6中のC,K2は、前記式4と同じく定数である。また、この場合も、前記式6中の操舵トルクTdは前記式2を用いて計算された操舵トルクTdの絶対値を表しているものであり、前記計算した操舵トルクTdが正であれば定数Cを正の値とするとともに、前記計算した操舵トルクTdが負であれば定数Cを前記正の定数Cと同じ絶対値を有する負の値とする。なお、この場合、前記式5,6の演算に代えて、操舵トルクTdに対する見込みヨーレートγdを記憶した図5に示すような特性の変換テーブルを用いて、見込みヨーレートγdを計算するようにしてもよい。
トルク−曲率変換部54は、運転者が操舵ハンドル11の回動操作により見込んでいる見込み旋回曲率ρdを、操舵トルクTdの絶対値が正の小さな所定値To未満であれば下記式7のように「0」とし、操舵トルクTdの絶対値が正の小さな所定値To以上であれば下記式8に従って計算する。
ρd=0 (|Td|<To) …式7
ρd=C・TdK2 (To≦|Td|) …式8
ただし、式8中のC,K2も,前記式4と同じく定数である。また、この場合も、前記式8中の操舵トルクTdは上記式2を用いて計算した操舵トルクTdの絶対値を表しているものであり、前記計算した操舵トルクTdが正であれば定数Cを正の値とするとともに、前記計算した操舵トルクTdが負であれば定数Cを前記正の定数Cと同じ絶対値を有する負の値とする。なお、この場合、前記式7,8の演算に代えて、操舵トルクTdに対する見込み旋回曲率ρdを記憶した図6に示すような特性の変換テーブルを用いて、見込み旋回曲率ρdを計算するようにしてもよい。
ここで、前記式4について説明しておく。なお、前記式6,8についても、以下の説明に従うことにより前記式4と同様に変形することができるため、これら式6,8の説明に関しては、前記式4について詳細に説明することによりその説明を省略する。前記式2を用いて操舵トルクTdを消去すると、下記式9に示すようになる。
Gd=C・(To・exp(K1・θ))K2=C・ToK2・exp(K1・K2・θ)=Go・exp(K1・K2・θ) …式9
前記式9において、Goは定数C・ToK2であり、式9は、運転者による操舵ハンドル11の操舵角θに対して見込み横加速度Gdが指数関数的に変化していることを示す。そして、この見込み横加速度Gdは、車内の所定部位への運転者の体の一部の接触によって運転者が知覚し得る物理量であり、前述したウェーバー・ヘフナーの法則に従ったものである。したがって、運転者が、この見込み横加速度Gdに等しい横加速度を知覚しながら操舵ハンドル11を回動操作することができれば、操舵ハンドル11の回動操作と車両の操舵との関係を人間の知覚特性に対応させることができる。
なお、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdについても、前記式6,8を前記式4から前記式9への変形と同様に変形することにより、操舵角θに対して見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdが指数関数的に変化する。このため、これらの見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdについても、前述したウェーバー・ヘフナーの法則に従ったものとなり、操舵ハンドル11の回動操作と車両の操舵との関係を人間の知覚特性に対応させることができる。
このように、前記式4(すなわち式9)に示された見込み横加速度Gdは操舵ハンドル11の操作量である操舵角θに対して指数関数的に変化するものであるので、人間の知覚特性に合ったものである。さらに、運転者による操舵ハンドル11の回動操作にとって最も簡単な方法は操舵ハンドル11を一定速度ω(θ=ω・t)で回動することであり、この回動操作によれば、見込み横加速度Gdは下記式10に示すように時間tに対して指数関数的に変化する。したがって、これからも、前記見込み横加速度Gdに等しい横加速度を知覚しながら操舵ハンドル11を回動操作することができれば、運転者の操舵ハンドル11の回動操作が簡単になることが分かる。
Gd=Go・exp(K0・ω・t) …式10
ただし、K0は、K0=K1・K2の関係にある定数である。
また、前記式3に示されるように、操舵トルクTdが所定値To未満である場合、見込み横加速度Gdは「0」に保たれている。これは、操舵角θが「0」のとき、すなわち操舵ハンドル11が中立位置に保たれる場合でも、前記式2の演算により、操舵トルクTdは正の所定値Toとなり、この操舵トルクTd(=To)を前記式4の演算に適用してしまうと、見込み横加速度Gdは正の値C・ToK2になって、これは現実的でない。しかしながら、前述のように、操舵トルクTdが所定値To未満であれば、見込み横加速度Gdは「0」であるので、この問題は解決される。
また、この場合、運転者が知覚し得る最小操舵トルクを前記所定値Toとし、運転者が知覚し得る最小知覚横加速度をGoとし、かつ所定値ToがGo=C・ToK2の関係になるようにすれば、操舵トルクTdが所定値Toになるまで、すなわち運転者が操舵ハンドル11の操作によって車両が旋回して運転者が車両に発生する横加速度を感じるまで、車両の見込み横加速度Gdが「0」に保たれる。これによれば、最小操舵トルクTo以上で操舵ハンドル11を操舵したときのみ、見込み横加速度Gdを発生させるために必要な転舵角だけ左右前輪FW1,FW2は転舵制御され、この転舵制御が車両の操舵に的確に対応したものとなる。なお、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdについても、前記式5,7に示されるように、操舵トルクTdが所定値To未満である場合、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdは「0」に保たれる。このため、上述した見込み横加速度Gdと同様に計算される。
次に、前記式1〜10で用いたパラメータK1,K2,C(所定値K1,K2,C)の決め方について説明しておく。なお、このパラメータK1,K2,Cの決め方の説明においては、操舵トルクTdを操舵トルクTとして扱い、また、見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdの各式については、見込み横加速度Gdを代表して用いて横加速度Gとして扱う。前述したウェーバー・ヘフナーの法則によれば、「人間の知覚できる最小の物理量変化ΔSとその時点での物理量Sとの比ΔS/Sは、物理量Sの値によらず一定となり、その比ΔS/Sをウェーバー比という」ことになっている。本発明者等は、操舵トルクおよび横加速度に関し、前記ウェーバー・ヘフナーの法則が成立することを確認するとともに、ウェーバー比を決定するために、次のような実験を、男女、年齢、車両の運転歴などの異なる種々の人間に対して行なった。
操舵トルクに関しては、車両の操舵ハンドルにトルクセンサを組付け、操舵ハンドルに検査用のトルクを外部から付与するとともに同検査用トルクを種々の態様で変化させながら、この検査用トルクに抗して人間が操舵ハンドルに操作力を加えて同操舵ハンドルを回転させないように調整する人間の操舵トルク調整能力を計測した。すなわち、前記状況下で、ある時点での検出操舵トルクをTとし、同検出操舵トルクTからの変化を知覚し得る最小の操舵トルク変化量をΔTしたときの比の値ΔT/Tすなわちウェーバー比を種々の人間に対して計測した。この実験の結果によれば、操舵ハンドルの操作方向、操舵ハンドルを把持する手の状態、検査用トルクの大きさおよび方向によらず、種々の人間に対してウェーバー比ΔT/Tはほぼ一定の値αとなった。
横加速度に関しては、運転席の側方に壁部材を設けて同壁部材に人間の肩の押圧力を検出する力センサを組付け、人間に操舵ハンドルを把持させるとともに壁部材の力センサに肩を接触させ、壁部材に検査用の力を人間に対して横方向に外部から付与するとともに同検査用の力を種々の態様で変化させながら、この検査用の力に抗して人間が壁部材を押して壁部材が移動しないように調整する、すなわち姿勢を維持する人間の横力調整能力を計測した。すなわち、前記状況下で、ある時点での外部からの横力に耐えて姿勢を維持する検出力をFとし、同検出力Fからの変化を知覚し得る最小の力変化量をΔFしたときの比の値ΔF/Fすなわちウェーバー比を種々の人間に対して計測した。この実験の結果によれば、壁部材に付与される基準力の大きさおよび方向によらず、種々の人間に対してウェーバー比ΔF/Fはほぼ一定の値βとなった。
一方、前記式2を微分するとともに、同微分した式において式2を考慮すると、下記式11が成立する。
ΔT=To・exp(K1・θ)・K1・Δθ=T・K1・Δθ …式11
この式11を変形するとともに、前記実験により求めた操舵トルクに関するウェーバー比ΔT/TをKtとすると、下記式12が成立する。
K1=ΔT/(T・Δθ)=Kt/Δθ …式12
また、最大操舵トルクをTmaxとすれば、前記式2より下記式13が成立する。
Tmax=To・exp(K1・θmax) …式13
この式13を変形すれば、下記式14が成立する。
K1=log(Tmax/To)/θmax …式14
そして、前記式12および式14から下記式15が導かれる。
Δθ=Kt/K1=Kt・θmax/log(Tmax/To) …式15
この式15において、Ktは操舵トルクTのウェーバー比であり、θmaxは操舵角の最大値であり、Tmaxは操舵トルクの最大値であり、Toは前記したように人間が知覚し得る最小操舵トルクに対応するものであり、これらの値Kt,θmax,Tmax,Toはいずれも実験およびシステムによって決定される定数であるので、前記微分値Δθを前記式15を用いて計算できる。そして、この微分値Δθとウェーバー比Ktを用いて、前記式12に基づいて所定値(係数)K1も計算できる。
また、前記式4を微分するともに、同微分した式において式4を考慮すると、下記式16が成立する。
ΔG=C・K2・TK2-1・ΔT=G・K2・ΔT/T …式16
この式16を変形し、かつ前記実験により求めた操舵トルクに関するウェーバー比ΔT/TをKtとするとともに、横加速度に関するウェーバー比ΔF/FをKaとすると下記式17,18が成立する。
ΔG/G=K2・ΔT/T …式17
K2=Ka/Kt …式18
この式18において、Ktは操舵トルクに関するウェーバー比であるとともに、Kaは横加速度に関するウェーバー比であって、共に定数として与えられるものであるので、これらのウェーバー比Kt,Kaを用いて、前記式18に基づいて係数K2も計算できる。
また、横加速度の最大値をGmaxとし、操舵トルクの最大値をTmaxとすれば、前記式4から下記式19が導かれる。
C=Gmax/TmaxK2 …式19
そして、この式19においては、GmaxおよびTmaxは実験及びシステムによって決定される定数であり、かつK2は前記式18によって計算されるものであるので、定数(係数)Cも計算できる。
以上のように、操舵角θの最大値θmax、操舵トルクTの最大値Tmax、横加速度Gの最大値Gmax、最小操舵トルクTo,最小感知横加速度Go,操舵トルクTに関するウェーバー比Kt、および横加速度に関するウェーバー比Kaを、実験およびシステムによって決定すれば、前記式1〜9における係数K1、K2,Cを予め計算により決定しておくことができる。したがって、変位−トルク変換部41,51と、トルク−横加速度変換部52、トルク−ヨーレート変換部53およびトルク−曲率変換部54においては、前記式1〜9を用いて、運転者の知覚特性に合った反力トルクTz、操舵トルクTdと、見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdを計算できる。
ふたたび、図2の説明に戻ると、トルク−横加速度変換部52、トルク−ヨーレート変換部53およびトルク−曲率変換部54によって計算された見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdは、それぞれ、転舵角変換部55,56,57に供給される。そして、転舵角変換部55,56,57によって、計算された見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdに対応した目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρが計算される。
転舵角変換部55は、計算された見込み横加速度Gdを発生するのに必要な左右前輪FW1,FW2の目標転舵角δgを計算するものであり、図7に示すように車速Vに応じて変化して見込み横加速度Gdに対する目標転舵角δgの変化特性を表すテーブルを有する。このテーブルは、車速Vを変化させながら車両を走行させて、左右前輪FW1,FW2の転舵角δと横加速度Gとを予め実測して収集したデータの集合である。そして、転舵角変換部55は、このテーブルを参照して、前記入力した見込み横加速度Gdと車速センサ33から入力した検出車速Vとに対応した目標転舵角δgを計算する。また、前記テーブルに記憶されている横加速度G(見込み横加速度Gd)と目標転舵角δgはいずれも正であるが、トルク−横加速度変換部52から供給される見込み横加速度Gdが負であれば、出力される目標転舵角δgも負となる。
なお、目標転舵角δgは下記式20に示すように車速Vと横加速度Gの関数であるので、前記テーブルを参照することに代えて、下記式20の演算の実行によっても計算することができる。
δg=L・(1+A・V2)・Gd/V2 …式20
ただし、前記式20中のLはホイールベースを示す予め決められた所定値であり、Aは予め決められた所定値である。
転舵角変換部56は、計算された見込みヨーレートγdを発生するのに必要な左右前輪FW1,FW2の目標転舵角δγを計算するものであり、図8に示すように車速Vに応じて変化して見込みヨーレートγdに対する目標転舵角δγの変化特性を表すテーブルを有する。このテーブルは、車速Vを変化させながら車両を走行させて、左右前輪FW1,FW2の転舵角δとヨーレートγとを予め実測して収集したデータの集合である。そして、転舵角変換部56は、このテーブルを参照して、前記入力した見込みヨーレートγdと車速センサ33から入力した検出車速Vに対応した目標転舵角δγを計算する。また、前記テーブルに記憶されているヨーレートγ(見込みヨーレートγd)と目標転舵角δγはいずれも正であるが、転舵角変換部56から供給される見込みヨーレートγdが負であれば、出力される目標転舵角δγも負となる。
なお、目標転舵角δγも、下記式21に示すように、車速Vとヨーレートγの関数であるので、前記テーブルを参照することに代えて、下記式21の演算の実行によっても計算することができる。
δγ=L・(1+A・V2)・γd/V …式21
ただし、前記式21においても、Lはホイールベースを示す予め決められた所定値であり、Aは予め決められた所定値である。
転舵角変換部57は、計算された見込み旋回曲率ρdを発生するのに必要な左右前輪FW1,FW2の目標転舵角δρを計算するものであり、図9に示すように車速Vに応じて変化して見込み旋回曲率ρdに対する目標転舵角δρの変化特性を表すテーブルを有する。このテーブルは、車速Vを変化させながら車両を走行させて、左右前輪FW1,FW2の転舵角δと旋回曲率ρとを予め実測して収集したデータの集合である。そして、転舵角変換部57は、このテーブルを参照して、前記入力した見込み旋回曲率ρdと車速センサ33から入力した検出車速Vとに対応した目標転舵角δρを計算する。また、前記テーブルに記憶されている旋回曲率ρ(見込み旋回曲率ρd)と目標転舵角δρはいずれも正であるが、転舵角変換部57から供給される見込み旋回曲率ρdが負であれば、出力される目標転舵角δρも負となる。
なお、目標転舵角δρも、下記式22に示すように、車速Vと旋回曲率ρの関数であるので、前記テーブルを参照することに代えて、下記式22の演算の実行によっても計算することができる。
δρ=L・(1+A・V2)・ρd …式22
ただし、前記式22においても、Lはホイールベースを示す予め決められた所定値であり、Aは予め決められた所定値である。
このように、計算された目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρは、転舵角決定部58に供給される。転舵角決定部58は、車速センサ33によって検出された検出車速Vに基づいて、目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρのうち現在の車速Vにおいて最適な操舵特性を有する目標転舵角を選択し、目標転舵角δdとして決定する。具体的に説明すると、目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρは、それぞれ前記式20,21,22に基づいて計算することができる。この場合、車速Vが大きい(以下、高速走行という)ときに、例えば、運動状態量として見込み旋回曲率ρdを採用した場合には、前記式22から明らかなように、左右前輪FW1,FW2の目標転舵角δρの見込み旋回曲率ρd(操舵角θ)に対するゲイン(値)が急増して現実的な操舵特性を得ることができない。また、車速Vが小さい(以下、低速走行という)ときに、例えば、運動状態量として見込み横加速度Gdを採用した場合には、前記式20から明らかなように、左右前輪FW1,FW2の目標転舵角δgの見込み横加速度Gd(操舵角θ)に対するゲイン(値)が急増し、この場合も現実的な操舵特性を得ることができない。さらに、車速Vがさらに小さいときに、例えば、運動状態量として見込みヨーレートγdを採用した場合にも、前記式21から明らかなように、左右前輪FW1,FW2の目標転舵角δγの見込みヨーレートγd(操舵角θ)に対するゲイン(値)が急増するため、現実的な操舵特性を得ることができない。
このため、転舵角決定部58は、検出車速Vに応じて、左右前輪FW1,FW2の転舵角δの運動状態量(詳しくは操舵角θ)の変化に対するゲイン(値)の増減変動量が小さくなるように、言い換えれば、現在の車速Vに応じて最適な(現実的な)操舵特性を確保するように目標転舵角δg,δγ,δρを選択し、目標転舵角δdとして決定する。すなわち、転舵角決定部58は、車両が高速走行している場合には、同高速走行時にゲイン(値)の変動量が最も小さい見込み横加速度Gdに対応した目標転舵角δgを選択する。また、車両が低速走行している場合には、同低速走行時にゲイン(値)の変動量が最も小さい見込み旋回曲率ρdに対応した目標転舵角δρを選択する。さらに、車両が車速Vのある程度大きな中速走行している場合には、同中速走行時にゲイン(値)の変動量が最も小さい見込みヨーレートγdに対応した目標転舵角δγを選択する。このように、各速度域において、ゲイン(値)の変動量が最も小さい目標転舵角δg,δγ,δρを選択することにより、運転者の操舵ハンドル11の操作量(すなわち操舵角θ)に対して、全車速域において急激な車両の旋回を防止することができる。また、僅かな車速変化に伴って目標転舵角のゲイン(値)が急に変動することも防止できる。したがって、運転者は、現在の車速Vに最適な操舵特性を得ることができるため、違和感を覚えることがなくて運転が簡単になる。そして、転舵角決定部58は、目標転舵角δg,δγ,δρのうちから選択した目標転舵角を目標転舵角δdとして決定する。
このように、決定された目標転舵角δdは、転舵制御部60の転舵角補正部61に供給される。転舵角補正部61は、転舵角決定部58から供給された目標転舵角δdを補正して補正目標転舵角δdaを計算するものである。具体的に説明すると、転舵角補正部61は、トルク−横加速度変換部52から見込み横加速度Gdを入力するとともに、横加速度センサ34によって検出された実横加速度Gも入力しており、供給された目標転舵角δdが目標転舵角δgである場合には、下記式23の演算を実行して、補正目標転舵角δdaを計算する。
δda=δg+K3・(Gd−G) …式23
ただし、係数K3は予め決められた正の定数であり、実横加速度Gが見込み横加速度Gdに満たない場合には、補正目標転舵角δdaの絶対値が大きくなる側に補正される。また、実横加速度Gが見込み横加速度Gdを超える場合には、補正目標転舵角δdaの絶対値が小さく側に補正される。この補正により、見込み横加速度Gdに必要な左右前輪FW1,FW2の転舵角がより精度よく確保される。
また、転舵角補正部61は、トルク−ヨーレート変換部53から見込みヨーレートγdを入力するとともに、ヨーレートセンサ35によって検出された実ヨーレートγも入力しており、供給された目標転舵角δdが目標転舵角δγである場合には、下記式24の演算を実行して、補正目標転舵角δdaを計算する。
δda=δγ+K4・(γd−γ) …式24
ただし、係数K4は予め決められた正の定数であり、実ヨーレートγが見込みヨーレートγdに満たない場合には、補正目標転舵角δdaの絶対値が大きくなる側に補正される。また、実ヨーレートγが見込みヨーレートγdを超える場合には、補正目標転舵角δdaの絶対値が小さくなる側に補正される。この補正により、見込みヨーレートγdに必要な左右前輪FW1,FW2の転舵角がより精度よく確保される。
さらに、転舵角補正部61は、トルク−旋回曲率変換部54から見込み旋回曲率ρdを入力するとともに、旋回曲率計算部62から実旋回曲率ρも入力する。旋回曲率計算部62は、横加速度センサ34によって検出された横加速度Gと、または、ヨーレートセンサ35によって検出されたヨーレートγと、車速センサ33によって検出された車速Vとを用いて、下記式25の演算の実行により実旋回曲率ρを計算して転舵角補正部61に出力する。
ρ=G/V2またはρ=γ/V …式25
そして、転舵角補正部61は、供給された目標転舵角δdが目標転舵角δρである場合には、下記式26の演算を実行して、補正目標転舵角δdaを計算する。
δda=δd+K5・(ρd−ρ) …式26
ただし、係数K5は予め決められた正の定数であり、実旋回曲率ρが見込み旋回曲率ρに満たない場合には、補正目標転舵角δdaの絶対値が大きくなる側に補正される。また、実旋回局率ρが見込み旋回曲率ρdを超える場合には、補正目標転舵角δdaの絶対値が小さく側に補正される。この補正により、見込み旋回曲率ρdに必要な左右前輪FW1,FW2の転舵角がより精度よく確保される。
この計算された補正目標転舵角δdaは、駆動制御部63に供給される。駆動制御部63は、転舵角センサ32によって検出された実転舵角δを入力し、左右前輪FW1,FW2が補正目標転舵角δdaに転舵されるように転舵アクチュエータ21内の電動モータの回転をフィードバック制御する。また、駆動制御部63は、駆動回路38から同電動モータに流れる駆動電流も入力し、転舵トルクに対応した大きさの駆動電流が同電動モータに適切に流れるように駆動回路38をフィードバック制御する。この転舵アクチュエータ21内の電動モータの駆動制御により、同電動モータの回転は、転舵出力軸22を介してピニオンギア23に伝達され、ピニオンギア23によりラックバー24を軸線方向に変位させる。そして、このラックバー24の軸線方向の変位により、左右前輪FW1,FW2は補正目標転舵角δdaに転舵される。
上記作動説明からも理解できるように、上記第1実施形態によれば、操舵ハンドル11に対する運転者の操作入力値としての操舵角θは変位−トルク変換部51によって操舵トルクTdに変換される。そして、同変換された操舵トルクTdはトルク−横加速度変換部52、トルク−ヨーレート変換部53およびトルク−旋回曲率変換部54に供給され、見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdに変換される。変換された見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdは転舵角変換部55,56,57にそれぞれ供給され、同変換部55,56,57はそれぞれ目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρを計算する。
そして、計算された目標転舵角δg,δγ,δρは転舵角決定部58に供給され、転舵角決定部58は検出車速Vに応じて目標転舵角δdを決定し、転舵角補正部61および駆動制御部63により、左右前輪FW1,FW2は補正目標転舵角δdaに転舵される。この場合、操舵トルクTdは、反力アクチュエータ13の作用によって運転者が操舵ハンドル11から知覚し得る物理量であるとともに、操舵角θに対して指数関数的に変化するものであるので、運転者はウェーバー・ヘフナーの法則に従った反力を感じながら人間の知覚特性に従って操舵ハンドル11を回動操作できる。また、左右前輪FW1,FW2の転舵によって車両に発生する実横加速度G、実ヨーレートγまたは実旋回曲率ρも知覚し得る物理量であるとともに、これら各値G,γ,ρは見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdまたは見込み旋回曲率ρdに等しくなるように制御される。
さらに、この見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdまたは見込み旋回曲率ρdも運転者が入力した操舵角θから計算される操舵トルクTdに対してべき乗関数的(例えば、式4を式9に変形することにより操舵角θに対して指数関数的)に変化する。したがって、運転者はウェーバー・ヘフナーの法則に従った横加速度を感じながら人間の知覚特性に従って操舵ハンドル11を回動操作して、車両を旋回させることができる。その結果、運転者は、人間の知覚特性に合わせて操舵ハンドル11を操作できるので、車両の運転が簡単になる。
また、見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdを計算するとともにこれらに対応した目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρをそれぞれ計算しておき、検出された車速Vに基づいて、目標転舵角δg,δγ,δρから少なくとも一つを選択して目標転舵角δdを決定することができる。これにより、全車速域において、人間の知覚特性に合わせて操舵ハンドル11の操作が可能となる。これにより、運転者は全車速域にて違和感を覚えることなく車両の運転が簡単になる。
また、転舵角補正部61は、車両に実際に発生している実横加速度G、実ヨーレートγまたは実旋回曲率ρが操舵ハンドル11の操舵角θに正確に対応するように目標転舵角δd(目標転舵角δg、目標転舵角δγまたは目標転舵角δρ)を補正するので、車両には操舵ハンドル11の操舵角θに正確に対応した実横加速度G、実ヨーレートγまたは実旋回曲率ρが発生する。その結果、運転者は、人間の知覚特性にさらに正確に合った横加速度を知覚しながら、操舵ハンドル11を操作できるようになるので、車両の運転がさらに簡単になる。
b.第2実施形態
上記第1実施形態においては、転舵角決定部58が、車速Vに基づいて、目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρのうち転舵角のゲイン(値)の変動量が最も小さい目標転舵角を選択し、同選択した目標転舵角を目標転舵角δdとして決定するように実施した。これに対して、車速Vに応じて、目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρの割合を連続的に変化させて目標転舵角δdを演算して決定することも可能である。以下、この第2実施形態に係る車両の操舵装置について説明する。なお、この第2実施形態係る車両の操舵装置においては、電子制御ユニット36にて実行されるコンピュータプログラムが若干異なるが、操舵装置の構成については上記第1実施形態と同じである。このため、操舵装置の構成に関し、上記第1実施形態と同一部分に同一符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
この第2実施形態においては、電子制御ユニット36にて実行されるコンピュータプログラムが図10の機能ブロック図により示されている。この場合、感覚適合制御部50において、変位−トルク変換部51、トルク−横加速度変換部52、トルク−ヨーレート変換部53、トルク−旋回曲率変換部54および各転舵角変換部55,56,57は、上記第1実施形態と同様に機能するが、上記第1実施形態の転舵角決定部58に代えて転舵角演算部59が設けられている。
この転舵角演算部59は、下記式27に従って、検出車速Vに応じて各転舵角変換部55,56,57から供給された目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρの割合を変更し、同割合を変更した各目標転舵角δg,δγ,δρを加算して目標転舵角δdを計算する。
δd=Kg・δg+Kγ・δγ+Kρ・δρ …式27
ただし、式27中のKg,Kγ,Kρは各目標転舵角δg,δγ,δρの割合を表す変数であり、各変数Kg,Kγ,Kρ間には、下記式28に示す関係が成立する。なお、各変数Kg,Kγ,Kρは車速Vに応じて変化するものである。
Kg+Kγ+Kρ=1 …式28
この転舵角演算部59の計算処理を具体的に説明する。この転舵角演算部59の計算処理においても、上記第1実施形態の転舵角決定部58と同様に、高速走行時には目標転舵角δgが選択され、中速走行時には目標転舵角δγが選択され、低速走行時には目標転舵角δρが選択される。このため、各変数Kg,Kγ,Kρは、図11に示すような車速に対する変化特性を有している。すなわち、前記式28に従い、高速走行時には変数Kgが「1」とされるとともに変数Kγ,Kρがそれぞれ「0」とされる。また、中速走行時には変数Kγが「1」とされるとともに変数Kg,Kρがそれぞれ「0」とされる。さらに、低速走行時には変数Kρが「1」とされるとともに変数Kg,Kγがそれぞれ「0」とされる。これにより、前記式27に従って計算される目標転舵角δdは、高速走行時には目標転舵角δgと等しく、中速走行時には目標転舵角δγと等しく、低速走行時には目標転舵角δρと等しくなる。
また、車速域が変化するときには、各変数Kg,Kγ,Kρは一様に増減する、言い換えれば、所定の傾きを有して一次関数的に変化する。具体的に説明すると、例えば、高速域から中速域へ車速Vが変化する場合には、変数Kgの値が「1」から一様に「0」へ変化するとともに変数Kγの値が「0」から一様に「1」へ変化する。また、中速域から低速域へ車速Vが変化する場合には、変数Kγの値が「1」から一様に「0」へ変化するとともに変数Kρの値が「0」から一様に「1」へ変化する。ここで、各変数Kg,Kγ,Kρの変化については車速Vに応じて変化するものであればよく、上述した一次関数的な変化に代えて、例えば、車速Vを変数として二次関数的に変化する変数や指数関数的に変化する変数を採用して実施することも可能である。
このように、各変数Kg,Kγ,Kρの値、すなわち、目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρの比率を車速Vに応じて変更し、加算して計算した目標転舵角δdは、上記第1実施形態と同様に転舵角補正部61に供給される。そして、転舵角補正部61によって供給された目標転舵角δdを補正して補正目標転舵角δdaが計算され、駆動制御部63によって左右前輪FW1,FW2が補正目標転舵角δdaとなるように転舵制御される。
以上の作動説明からも理解できるように、この第2実施形態においては、転舵角演算部59が速度域が変化する際に各変数Kg,Kγ,Kρの値すなわち目標転舵角δg,δγ,δρの割合を一様に増減させて各速度域間にて連続的に変化する目標転舵角δdを計算することにより、操舵特性を連続的に変更することができ、運転者は速度域の変化に起因する違和感を覚えることがなくて運転を簡単にすることができる。その他の作用効果については、上記した第1実施形態と同様である。
c.第3実施形態
上記第1実施形態においては、転舵角決定部58が車速Vに応じて、目標転舵角δg、目標転舵角δγおよび目標転舵角δρのうち転舵角のゲイン(値)の変動量が最も小さい目標転舵角を選択し、同選択した目標転舵角を目標転舵角δdとして決定するように実施した。これは、目標転舵角δdとして、例えば、目標転舵角δgを選択して決定した場合には、低速走行時、特に、極低速走行時における目標転舵角δgのゲイン(値)が、前記式20から明らかなように、極めて大きくなり現実的な操舵特性を得ることができないためであった。このため、低速走行時には、目標転舵角δdとして目標転舵角δρを選択して決定することにより、現実的な操舵特性を得るようにした。
しかしながら、例えば、車両を駐車する場合のように、極低速で走行(移動)しているときにおいて、目標転舵角δρを選択すると、ゲイン(値)の見込み旋回曲率ρd(操舵角θ)に対する変化量が小さいため、運転者は操舵ハンドル11をより多く回動操作しなければ所望の実転舵角δが得られない場合がある。このため、特に、極低速で走行(移動)しているときには、運転者による操舵ハンドル11の回動操作すなわち操舵角θに対して、左右前輪FW1,FW2が大きく転舵することが望まれる場合がある。そこで、以下に、低速走行時、特に、極低速走行時において、左右前輪FW1,FW2が大きく転舵する第3実施形態について説明する。なお、この第3実施形態に係る車両の操舵装置においては、電子制御ユニット36の転舵角決定部58にて実行されるコンピュータプログラムが若干異なるが、操舵装置の構成については上記第1実施形態と同一である。このため、操舵装置の構成に関する詳細な説明を省略する。
この第3実施形態においては、電子制御ユニット36にて実行されるコンピュータプログラムが図12の機能ブロック図により示されている。この場合、感覚適合制御部50において、変位−トルク変換部51、トルク−横加速度変換部52および転舵角変換部55は上記第1実施形態と同様に機能し、上記第1実施形態のトルク−ヨーレート変換部53、トルク−旋回曲率変換部54および転舵角変換部56,57は省略されている。また、転舵制御部60においては、旋回曲率計算部62が省略されている。このため、この第3実施形態においては、転舵角決定部58に対して、転舵角変換部55から目標転舵角δgのみが供給されるようになっている。
そして、この第3実施形態における転舵角決定部58は、供給された目標転舵角δgにのみ基づいて目標転舵角δdを決定する。具体的に説明すると、上記第1実施形態において詳細に説明したように、目標転舵角δgは、前記式20に基づいて、車速Vと横加速度G(見込み横加速度Gd)の関数として計算される。このため、検出車速Vが極めて小さいときには、目標転舵角δgのゲイン(値)が急増し、現実的な操舵特性を得ることができない。
これに対し、この第3実施形態における転舵角決定部58は、車速に関する下限値(一定値)を予め設定し、車速センサ33によって検出される車速Vが前記下限値よりも小さいときには、同下限値を前記式20の車速Vとして用いて目標転舵角δgを計算する。これにより、前記式20中の所定値L,Aおよび車速Vが一定値となり、目標転舵角δgは、見込み横加速度Gdと一定の関係を有するようになる。したがって、車速Vが極めて小さい場合であっても、目標転舵角δgのゲイン(値)が急増することを防止できて、現実的な操舵特性を得ることができる。
一方、車両が中速走行または高速走行している場合にも、転舵角決定部58は、目標転舵角δgを目標転舵角δdとして決定する。この場合、車両が中速走行しているときには、若干目標転舵角δdのゲイン(値)の変動量が大きくなるが、上記第1実施形態において前記式21従って決定した目標転舵角δγと比較して、操舵特性が極端に悪化するものではない。このように、転舵角決定部58により目標転舵角δdとして決定された目標転舵角δgは、転舵角補正部61に供給され、上記第1実施形態と同様に補正されて補正目標転舵角δdaが駆動制御部63に供給される。これにより、左右前輪FW1,FW2は補正目標転舵角δdaとなるように転舵制御される。
以上の作動説明からも理解できるように、この第3実施形態によれば、全車速域にて、同一の運動状態量すなわち見込み横加速度Gdに基づいて目標転舵角δdが決定される。これにより、例えば、車速域が変更する場合であっても、極めてスムーズに左右前輪FW1,FW2を転舵することができ、運転者が感じる違和感をより効果的に低減することができる。また、単一の運動状態量に基づいて目標転舵角δdが決定されるため、電子制御ユニット36にて実行されるコンピュータプログラムを簡素化することができる。
次に、操舵ハンドル11の操作入力値として操舵トルクTを利用するようにした変形例について説明する。この変形例においては、図1に破線で示すように、操舵入力軸12に組み付けられて操舵ハンドル11に付与された操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサ39を備えている。他の構成については上記第1実施形態と同じであるが、電子制御ユニット36にて実行されるコンピュータプログラムは上記第1実施形態の場合とは若干異なる。
この変形例の場合には、前記コンピュータプログラムを表す図2の機能ブロック図において、変位−トルク変換部51は設けられておらず、トルク−横加速度変換部52、トルク−ヨーレート変換部53およびトルク−旋回曲率変換部54が、上記第1実施形態における変位−トルク変換部51にて計算される操舵トルクTdに代えて、操舵トルクセンサ39によって検出された操舵トルクTを用いた式3〜8の演算の実行により見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdを計算する。なお、この場合も、式3〜8の演算の実行に代え、図4〜図6に示す特性を表すテーブルを用いて見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdを計算するようにしてもよい。なお、電子制御ユニット36にて実行される他のプログラム処理については上記第1実施形態の場合と同じである。
この変形例によれば、操舵ハンドル11に対する運転者の操作入力値としての操舵トルクTがトルク−横加速度変換部52、トルク−ヨーレート変換部53およびトルク−旋回曲率変換部54によって、見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdに変換される。変換された見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdまたは見込み旋回曲率ρdは、転舵角変換部55,56,57および転舵角決定部58により目標転舵角δdとして決定され、転舵角補正部61および駆動制御部63により、左右前輪FW1,FW2が補正目標転舵角δdaに転舵される。そして、この場合も、操舵トルクTは運転者が操舵ハンドル11から知覚し得る物理量であるとともに、操舵トルクTに対して見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdはべき乗関数的(例えば、式4を式9に変形することにより操舵角θに対して指数関数的)に変化するものであるので、運転者はウェーバー・ヘフナーの法則に従った反力を感じながら人間の知覚特性に従って操舵ハンドル11を回動操作できる。したがって、この変形例においても、上記第1実施形態の場合と同様に、運転者はウェーバー・ヘフナーの法則に従った横加速度を感じながら人間の知覚特性に従って操舵ハンドル11を回動操作して、車両を旋回させることができるので、上記第1実施形態の場合と同様な効果が期待される。
さらに、上記第1実施形態による車両の操舵制御と、前記変形例による車両の操舵制御とを切り換え可能にしてもよい。すなわち、操舵角センサ31と操舵トルクセンサ39の両方を備え、上記第1実施形態のように変位−トルク変換部51にて計算される目標操舵トルクTdを用いて見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdを計算する場合と、操舵トルクセンサ39によって検出された操舵トルクTを用いて見込み横加速度Gd、見込みヨーレートγdおよび見込み旋回曲率ρdを計算する場合とを切り換えて利用可能とすることもできる。この場合、前記切り換えを、運転者の意思により、または車両の運動状態に応じて自動的に切り換えるようにするとよい。
d.その他の変形例
さらに、本発明の実施にあたっては、上記第1ないし第3実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記第1ないし第3実施形態及び変形例においては、車両を操舵するために回動操作される操舵ハンドル11を用いるようにした。しかし、これに代えて、例えば、直線的に変位するジョイスティックタイプの操舵ハンドルを用いてもよいし、その他、運転者によって操作されるとともに車両に対する操舵を指示できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
さらに、上記第1ないし第3実施形態及び変形例においては、転舵アクチュエータ21を用いて転舵出力軸22を回転させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにした。しかし、これに代えて、転舵アクチュエータ13を用いてラックバー23をリニアに変位させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにしてもよい。
本発明の第1ないし第3実施形態に共通の車両の操舵装置の概略図である。 本発明の第1実施形態に係り、図1の電子制御ユニットにて実行されるコンピュータプログラム処理を機能的に表す機能ブロック図である。 操舵角と操舵トルクの関係を示すグラフである。 操舵トルクと見込み横加速度の関係を示すグラフである。 操舵トルクと見込みヨーレートの関係を示すグラフである。 操舵トルクと見込み旋回曲率の関係を示すグラフである。 見込み横加速度と目標転舵角の関係を示すグラフである。 見込みヨーレートと目標転舵角の関係を示すグラフである。 見込み旋回曲率と目標転舵角の関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係り、図1の電子制御ユニットにて実行されるコンピュータプログラム処理を機能的に表す機能ブロック図である。 図10の転舵角演算部にて演算される目標転舵角の割合の変更を説明するためのグラフである。 本発明の第3実施形態に係り、図1の電子制御ユニットにて実行されるコンピュータプログラム処理を機能的に表す機能ブロック図である。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…反力アクチュエータ、21…転舵アクチュエータ、22…転舵出力軸、31…操舵角センサ、32…転舵角センサ、33…車速センサ、34…横加速度センサ、35…ヨーレートセンサ、36…電子制御ユニット、39…操舵トルクセンサ、40…反力制御部、50…感覚適合制御部、51…変位−トルク変換部、52…トルク−横加速度変換部、53…トルク−ヨーレート変換部、54…トルク−旋回曲率変換部、55,56,57…転舵角変換部、58…転舵角決定部、59…転舵角演算部、60…転舵制御部、61…転舵角補正部

Claims (9)

  1. 車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する転舵制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記転舵制御装置を、
    前記操舵ハンドルに対する運転者の操作入力値を検出する操作入力値検出手段と、
    車両の車速を検出する車速検出手段と、
    車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態を表していて前記操舵ハンドルに対する操作入力値と予め定めた指数関係またはべき乗関係にある車両の複数の見込み運動状態量を、前記検出された操作入力値を用いて計算する運動状態量計算手段と、
    前記運動状態量計算手段によって計算された各見込み運動状態量で車両が運動するために必要な前記転舵輪の転舵角を、前記計算された各見込み運動状態量を用いて計算する転舵角計算手段と、
    前記転舵角計算手段によって計算された前記各見込み運動状態量に対応する各転舵角のうち、前記車速検出手段により検出された車速に基づいて、少なくとも一つの転舵角を選択して決定する転舵角決定手段と、
    前記決定された転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を同計算された転舵角に転舵する転舵制御手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  2. 請求項1に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記転舵角決定手段は、前記運転舵角計算手段により計算された前記各見込み運動状態量に対応する各転舵角の前記車速検出手段により検出された車速に対する割合を変更して、少なくとも一つの転舵角を決定することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  3. 請求項2に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記変更する割合は、前記検出された車速を変数とする関数により表されることを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  4. 車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する転舵制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記転舵制御装置を、
    前記操舵ハンドルに対する運転者の操作入力値を検出する操作入力値検出手段と、
    車両の車速を検出する車速検出手段と、
    車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態を表していて前記操舵ハンドルに対する操作入力値と予め定めた指数関係またはべき乗関係にある車両の見込み運動状態量を、前記検出された操作入力値を用いて計算する運動状態量計算手段と、
    前記運動状態量計算手段によって計算された見込み運動状態量で車両が運動するために必要な前記転舵輪の転舵角を、前記検出された車速と前記計算された見込み運動状態量とを用いて計算する転舵角計算手段と、
    前記計算された転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を同計算された転舵角に転舵する転舵制御手段とで構成し、
    前記転舵角計算手段は、前記車速検出手段により検出された車速が所定の車速以下のときに、前記転舵輪の転舵角を、前記計算に用いる車速を一定として計算することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか一つに記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記操作入力値検出手段を、前記操舵ハンドルの変位量を検出する変位量センサで構成するとともに、
    前記運動状態量計算手段を、前記検出された変位量を前記操舵ハンドルに付与される操作力に変換する操作力変換手段と、前記変換された操作力を前記見込み運動状態量に変換する運動状態量変換手段とで構成したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  6. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか一つに記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記操作入力値検出手段を、前記操舵ハンドルに付与される操作力を検出する操作力センサで構成するとともに、
    前記運動状態量計算手段を、前記検出された操作力を前記見込み運動状態量に変換する運動状態量変換手段で構成したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれ一つに記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記見込み運動状態量は、車両の横加速度、ヨーレートまたは旋回曲率のうちの少なくとも一つであるステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちのいずれ一つに記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、さらに、
    前記計算した見込み運動状態量と同一種類であって車両の実際の運動状態を表す実運動状態量を検出する運動状態量検出手段と、
    前記計算された見込み運動状態量と前記検出された実運動状態量との差に応じて前記計算された転舵角を補正する補正手段とを設けたことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のうちのいずれ一つに記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、さらに、
    前記操舵ハンドルの操作に対して反力を付与する反力装置を設けたことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
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