JP4277973B2 - イットリア−アルミナ複合酸化物膜の製造方法、イットリア−アルミナ複合酸化物膜および耐蝕性部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イットリア−アルミナ複合酸化物膜の製造方法、イットリア−アルミナ複合酸化物膜および耐蝕性部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スーパークリーン状態を必要とする半導体製造装置では、デポジション用ガス、エッチング用ガス、及びクリーニング用ガスとして、塩素系ガス、及びフッ素系ガスなどのハロゲン系腐食性ガスが使用されている。例えば、熱CVD装置などの半導体製造装置においては、デポジション後にClF3、NF3、CF4、HF、及びHClなどのハロゲン系腐食性ガスからなる半導体クリーニングガスを用いている。また、デポジションの段階でも、WF6、SiH2Cl2 などのハロゲン系腐食性ガスを成膜用ガスとして使用している。
【0003】
また、CVD 、PVD の成膜工程やエッチング工程では、化学反応に伴い副生成物が生じ、副生成物がサセプタや電極、チャンバ構成部品に堆積する。コールドウォール型と呼ばれる装置の場合、チャンバ壁面は温度が低いので、チャンバ壁面にパーティクルが堆積しやすい。これらの堆積物は適当なタイミングで乾式あるいは湿式でクリーニングされるが、堆積物が増えると落下したりしてプロセス変動や歩留り低下をもたらす。
【0004】
このようなパーティクルの落下を防止する方法としては、金属板にショットピーニング加工やガラスビーズ等のブラスト加工を施し、表面を荒すことによって、保持力を高める方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、半導体製造装置用部材、例えば装置内に収容する部材や、チャンバーの内壁面には、ハロゲンガスやそのプラズマに対する耐蝕性が高く、長期間にわたって安定した被膜を形成することが望まれる。また、装置内に収容する部材や、チャンバーの内壁面に副生成物が堆積したときに、その堆積した副生成物を長期にわたって保持する能力が望まれる。
【0006】
本出願人は、特願2001−110136号明細書において、基体表面にイットリア−アルミナガーネット膜を溶射法によって形成することで、ハロゲンガスのプラズマに対して高い耐蝕性を付与しており、パーティクルの発生を抑制できることを開示した。しかし、この膜にも次の問題点が生ずる場合があった。即ち、溶射時の条件によっては、溶射膜にクラックが生ずる場合があった。また、溶射膜を高温で熱処理すると、熱処理後にクラックが発生する場合があった。このように膜内にクラックが発生した物ができると、膜が基体から剥離してパーティクルを発生させ易くなり、また腐食性物質に対する耐蝕性が低下するので、製品としては望ましくないために、歩留り低下の原因となる。
【0007】
本発明の課題は、膜の基体に対する剥離強度が高い、イットリア−アルミナ複合酸化物膜を提供することである。
【0008】
また、本発明の課題は、堆積物の保持能力を有し、長期間にわたって安定して使用可能な低パーティクル部材を提供することである。
【0009】
更に、本発明の課題は、堆積物を表面に堅固に保持可能であり、これによって堆積物に起因するパーティクルが生じにくく、装置メンテナンスに伴うダウンタイムが低減可能な低パーティクル部材を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ガーネット相のY 3 Al 5 O 12 、ペロブスカイト相のYAlO 3 および単斜晶相のY 4 Al 2 O 9 からなる群より選ばれるイットリア−アルミナ複合酸化物膜を製造する方法である。
【0011】
そして、イットリア粉末とアルミナ粉末との混合粉末をアルミナ基体上に溶射することによってイットリア−アルミナ複合酸化物からなる溶射膜を成膜し、この際前記イットリア粉末の50%平均粒子径が3μm以上、100μm以下であり、前記アルミナ粉末の50%平均粒子径が3μm以上、100μm以下であり、前記イットリア粒子と前記アルミナ粒子との割合がイットリアとアルミナとのmol比率(イットリア/アルミナ)に換算して0.5〜0.7であり、前記溶射膜を熱処理することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、イットリア−アルミナ複合酸化物膜に係る。
【0013】
そして、ガーネット相のY 3 Al 5 O 12 およびペロブスカイト相のYAlO 3 からなり、X線回折測定によって得られる前記ペロブスカイト相の(420)面のピーク強度YAL(420)と前記ガーネット相の(420)面のピーク強度YAG(420)との比率YAL(420)/YAG(420)が0.05以上、1.5以下であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、アルミナ基体とイットリア−アルミナ複合酸化物膜とを備えている耐蝕性部材に係る。
【0015】
前記イットリア−アルミナ複合酸化物膜が、ガーネット相のY 3 Al 5 O 12 およびペロブスカイト相のYAlO 3 からなる。
【0016】
そして、X線回折測定によって得られる前記ペロブスカイト相の(420)面のピーク強度YAL(420)と前記ガーネット相の(420)面のピーク強度YAG(420)との比率YAL(420)/YAG(420)が0.05以上、1.5以下である。
【0017】
本発明者は、イットリア粉末とアルミナ粉末との混合粉末を基体上に溶射し、イットリア−アルミナ複合酸化物からなる溶射膜を成膜することを想到し、実施した。この結果、基体に対する剥離強度が高い膜を安定して形成できることを見いだした。
【0018】
こうして得られたイットリア−アルミナ複合酸化物膜には、顕著なクラックが見られず、基体に対する剥離強度も高く、腐食性物質に接触したときにも剥離やパーティクルの発生を生じにくいものであった。更に、この膜を熱処理した場合には、膜の基体への剥離強度は更に向上すると共に、熱処理後にも膜内にクラックは観測されなかった。それのみならず、さらに溶射条件や溶射後の熱処理条件を鋭意検討することにより、微構造のコントロールが可能で、開気孔のみの多孔質層、あるいは開気孔率/閉気孔率比の高い多孔質層を形成することに成功した。これにより部品の比表面積を上げ、堆積物をアンカー効果で堅固に保持するだけでなく、堆積物の厚さを減じることが可能となった。これによって、後述するように、特定のα値を有する膜を製造可能となった。
【0019】
本発明においては、イットリア粉末の50%平均粒子径が3μm以上、100μm以下であり、これによって、クラックを一層抑制でき、かつ腐食性物質、例えばハロゲン系ガスのプラズマに対する耐蝕性が一層改善される。
【0020】
膜の基体への接着力を一層向上させるという観点からは、イットリア粉末の50%平均粒径を80μm以下とすることが好ましく、50μm以下とすることが一層好ましく、10μm以下とすることが特に好ましい。
【0021】
本発明においては、アルミナ粉末の50%平均粒子径が3μm以上、100μm以下である。これによって、クラックを一層抑制でき、かつ腐食性物質、例えばハロゲン系ガスのプラズマに対する耐蝕性が一層改善される。
【0022】
膜の基体への接着力を一層向上させるという観点からは、アルミナ粉末の50%平均粒径を80μm以下とすることが更に好ましく、50μm以下とすることが一層好ましく、10μm以下とすることが特に好ましい。
【0023】
イットリア粉末、アルミナ粉末ともに、50%平均粒子径(D50)は、2次粒子が存在しない場合には1次粒子の粒径であり、2次粒子が存在する場合には2次粒子の粒径である。
【0024】
イットリア粒子とアルミナ粒子との割合は、イットリアとアルミナとのmol比率に換算して(イットリア/アルミナ)、0.5〜0.7である。
【0025】
前記混合粉末は、イットリア粉末およびアルミナ粉末以外の第三成分の粉末を含んでいてもよい。ただし、こうした第三成分は、後述するイットリア−アルミナ複合酸化物膜のガーネット相、ペロブスカイト相の結晶相に対して悪影響を与えないものであることが好ましく、イットリア−アルミナ複合酸化物のガーネット相やペロブスカイト相において、イットリアまたはアルミナを置換するような成分であることが好ましい。こうした成分としては、以下を例示できる。
La2O3、Pr2O3、Nd2O3、Sm2O3、Eu2O3、Gd2O3、Tb2O3、Dy2O3、Ho2O3、Er2O3、Tm2O3、Yb2O3、La2O3、MgO、CaO、SrO、ZrO2、CeO2、SiO2、Fe2O3、B2O3
【0026】
混合粉末を溶射する際には、混合粉末をそのまま溶射することもできる。あるいは、混合粉末に対してバインダーと溶剤とを添加して噴霧乾燥法によって造粒し、造粒粉末を溶射することもできる。
【0027】
混合粉末を溶射する際には、低圧状態で溶射することが好ましく、この圧力は100Torr以下が好ましい。これによって、溶射膜の気孔を更に減少させ、最終的な膜の耐蝕性を一層向上させることができる。
【0028】
本発明においては、溶射膜を熱処理する。これによって膜の基体に対する剥離強度を一層向上させることができる。
【0029】
この熱処理温度は1300℃以上が好ましく、1400℃以上が更に好ましい。熱処理温度が1300℃に達すると、本体の材質と耐蝕膜の材質との間で反応層が生成されやすく、この結果、膜の剥離強度が向上するものと思われる。
【0030】
熱処理温度の上限は特になく、部材本体が変質しない温度であればよく、この観点からは2000℃以下であることが好ましい。溶射膜の熱処理温度が高くなり、1800℃に接近してくると、いったん生成した反応層の近辺におけるアルミニウム元素の移動、拡散が生じ、かえって耐蝕膜の剥離強度が低下することがあった。この観点からは、熱処理温度は1800℃以下が好ましい。更に、膜内でのクラック発生を抑制するという観点からは、1700℃以下が好ましい。
【0031】
本発明の膜は、基体の表面に連続的に存在していてよい。しかし、基体の所定面に全面にわたって連続的に形成されていることは必須ではない。例えば、基体の表面において不連続的に生成しており、島状の層状物を複数形成している場合も含む。また、膜が、基体の所定面に点在ないし散在している場合も含む。
【0032】
好適な実施形態においては、本発明の膜は、実質的にクラックがないものであり、特には長さ3μm以上、幅0.1μm以上のクラックがない膜である。このようなマイクロクラックの有無は、走査型電子顕微鏡で1000倍以上の倍率で膜を観測することによって確認できる。
【0033】
基体の材質はアルミナである。
【0034】
膜の基体に対する剥離強度は、セバスチャン試験に従って接着面の径を直径φ5.2mmとして測定する。
【0035】
基体は多孔質であってよい。また、基体の表面の中心線平均表面粗さRaが1μm以上であってよく、更には1.2μm以上であってよい。これによって膜の下地への接着性を高め、膜の剥離によるパーティクル発生を抑制できる。
【0036】
イットリア−アルミナ複合酸化物の種類は以下の中から選択されるものである。
(1)Y3Al5O12(YAG:3Y2O3・5Al2O3)
イットリアとアルミナとを3:5の割合で含有し、ガーネット結晶構造を有する。
(2)YAlO3(YAL:Y2O3・Al2O3)。ペロブスカイト結晶構造。
(3)Y4Al2O9(YAM:2Y2O3・Al2O3)。単斜晶系。
【0037】
好適な実施形態においては、イットリア−アルミナ複合酸化物がガーネット相およびペロブスカイト相を含む。こうした場合には、膜の基体に対する剥離強度が一層向上し、クラックも生じにくくなる。
【0038】
特に好ましくは、イットリア−アルミナ複合酸化物がガーネット相とペロブスカイト相とからなり、X線回折測定によって得られるペロブスカイト相の(420)面のピーク強度YAL(420)とガーネット相の(420)面のピーク強度YAG(420)との比率(YAL(420)/YAG(420))が0.05以上、1.5以下である。
【0039】
(YAL(420)/YAG(420))は、0.05以上であることが特に好ましく、あるいは、0.5以下であることが特に好ましい。
【0040】
本発明の膜、および膜と基体との積層体は、優れた耐蝕性を有しており、特にハロゲン系ガスおよびハロゲン系ガスのプラズマに対して高い耐蝕性を有している。
【0041】
本発明の耐蝕性部材が耐蝕性を発揮する対象としては、熱CVD装置などの半導体製造装置がある。こうした半導体製造装置では、ハロゲン系腐食性ガスからなる半導体クリーンガスを用いる。本発明の耐蝕性部材は、ハロゲンガスプラズマ中だけでなく、ハロゲンガスと酸素ガスを混合した気体のプラズマ雰囲気中においても、耐蝕性をもつ。
【0042】
ハロゲンガスとしては、ClF3、NF3、CF4、WF6、Cl2、BCl3等を例示できる。
【0043】
参考態様においては、基体と基体上の表面層とを備えている低パーティクル部材であって、単位面積当たりの比表面積αが50以上、700以下である低パーティクル部材を提供する。
【0044】
このような低パーティクル部材によれば、生成した副生成物やパーティクルが低パーティクル部材の表面に堆積するときに、表面層の細孔中に副生成物やパーティクルが保持され、表面層から落下したり、放散したりしにくい。この結果、パーティクルの落下や放散に起因する不良を抑制でき、また堆積物のクリーニングに伴うダウンタイムを低減できる。
【0045】
単位表面積当たりの比表面積αは、以下の式によって定義される。
α=(クリプトン吸着法による比表面積(cm2/g))×(表面層の厚さ(cm))×(表面層の嵩密度(g/cm3))
【0046】
この数式から分かるように、αは、表面層の単位表面積当たりの比表面積を示す指標の一種である。この表面積値は例えば設計図面から算出できるものである。更に詳しくは、表面層の表面凹凸を考慮しないで、表面層の表面状態が滑らかであるという仮定を置いたときの表面層の表面積を意味する。
【0047】
クリプトン吸着法による比表面積(cm2/g)は、(単位重量(g)当たりの比表面積)を意味している。即ち、表面層が、単位重量当たりで、どの程度の吸着量を有しているか、つまりどの程度細かい細孔を多数有しているかを示している。
【0048】
一方、表面層の厚さ(cm)に表面層の嵩密度(g/cm3)を乗算すると、表面層の単位表面積当たりの重量(g/cm2)が得られる。そして、(単位重量当たりの比表面積(cm2/g))に対して(表面層の単位面積当たりの重量(g/cm2)を乗算すると、(単位表面積当たりの比表面積(cm2/cm2)が算出される。これがαである。従って、αは、表面積1cm2当たりにどの程度の気体吸着力があるか、あるいはどの程度細かい開気孔が多数存在しているかを示す指標となる。なお嵩密度とは、開気孔及び閉気孔を含んだ体積で重量を除した密度である。
【0049】
本形態においては、αを50以上とする必要がある。このように単位面積当たりの比表面積αが大きい表面層を基体表面に設けることによって、表面層の開気孔へと副生成物、パーティクルを吸収、付着、保持することができ、パーティクルの落下や放散を抑制することが可能となった。この観点からは、αを100以上とすることが更に好ましい。
【0050】
αが小さい場合には、副生成物が付着するべき表面積が小さくなるので、副生成物の発生量が同じであっても、表面に厚く堆積することになり、結果として副生成物が落下しやすくなる。加えて表面層のアンカー効果が小さいため、副生成物の表面層中への保持力も小となる。α50以上は、スパッタ装置の防着板等で一般的なブラスト仕上げ(後述の比較例C1、C2:表3、表4参照)と比較すると明らかに大きい。
【0051】
ここで、表面層の単位面積当たりの比表面積αが大きくなっても、パーティクルや副生成物を吸着するべき表面積が増加するわけであるから、パーティクルの落下や放散を防止するという点で有利なはずであると考えられた。しかし、実際には、単位面積当たりの比表面積αが700を超えると、かえってパーティクルの落下、放散量が増大することが判明した。これは、αが700を超えると、表面層に対して熱サイクルが加わったときに、表面層を構成するセラミック骨格が微視的に見て破損し、かえってパーティクル源となるためであった。この観点からは、αを 500以下とすることが更に好ましく、300以下とすることがより一層好ましい。
【0052】
表面層の開気孔率が10容積%以上であることが好ましく、15容積%以上であることが一層好ましい。これによって、表面層における副生成物やパーティクルの保持を促進できる。また、表面層の開気孔率は30容積%以下であることが好ましい。これが30容積%を超えると、表面層の耐食性が低下し、また機械的強度が低下するため、表面層が自ら発塵源となったり、クラックをもたらすことになり、かえってパーティクル量が増大する傾向がある。
【0053】
また、表面層の開気孔率と閉気孔率との比率(開気孔率/閉気孔率)は10以上であることが好ましい。閉気孔は副生成物やパーティクルの保持吸着に寄与せず、かえって腐食性物質による腐食を促進する原因となるので、開気孔率の割合が高いことが望ましい。
【0054】
好適な実施形態においては、表面層の主たる開気孔の孔径が0.05〜50μmである。このような孔径を採用することによって、開気孔率中への副生成物やパーティクルの保持吸着を一層促進できる。
【0055】
また、別の観点から検討すると、細孔径は、製造されるべきデバイスのデザインルールと同レベル、あるいはより大きめの方が良い。デバイスのデザインルールが0.05μm である場合には、細孔径は0.05μm 以上とすることが好ましい。
【0056】
なぜなら、微細溝が形成されたウエハは、一旦はN2雰囲気等で大気圧下にて保管、運搬されるため、ウエハの微細溝にもN2や水分が吸着する。このウエハをエッチングあるいは成膜等の次工程プロセスに供する場合、プロセスの安定性を確保するために、ウエハの微細溝に吸着した成分を脱気する必要がある。処理チャンバーの排気ポンプの能力や排気系 (排気管の太さやガスの流し方) は、微細溝からも脱気できるように設計されているのが通常である。従って、ウエハの微細溝幅の指標であるデザインルールと同レベルの細孔が、本発明の膜の表面に空いていても、プロセスに悪影響を及ぼすことはない。更に、ウエハ面積より容器の内面積の方が通常大きいので、総面積の観点から、本発明の膜の細孔径は、デザインルールと同等ともできるが、大きめの細孔とする方が更に好ましい。
【0057】
また、副生成物やパーティクルの保持吸着を促進するという観点からは、表面層の膜厚が50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることが一層好ましい。
【0058】
一方、表面層の基体への剥離強度を向上させ、これによってパーティクル発生を抑制するという観点からは、表面層の厚さを1000μm以下とすることが好ましく、400μm以下とすることが一層好ましい。
【0059】
表面層の材質は、目的とする用途において必要な耐蝕性を有する限り、特に限定されない。好適な実施形態においては、表面層の材質が、希土類元素を含む酸化物、アルカリ土類を含む酸化物、炭化物、窒化物、フッ化物、塩化物、合金、これらの固溶体および混合物からなる群より選ばれる。更に具体的には、以下を例示できる。
コーディエライト、ダイヤモンド、窒化珪素、窒化アルミニウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム。
【0060】
コーディエライトとは鉱物の名前で、理論組成2MgO-2Al2O3-5SiO2組成を有するが、Fe分やアルカリ分を固溶している場合もある。厳密には該組成の低温相の名称だが、通常高温相もコーディエライトと呼ばれている。ここでは主としてコーディエライトからなるものをコーディエライトとする。
【0061】
コーディエライトはは成分にMgOを含むため耐食性に優れるとともに、MgO源にタルク(鉱物名。3MgO-4SiO2-H2O)を用いると、熱処理時に液状化したタルクが周囲の粒子の隙間に移動するため、タルクの形骸がポアとなる。タルク等の原料粒径や熱処理の条件を選択することにより、α値を適正範囲に制御できる。
【0062】
ダイヤモンドは、主としてCVD法により表面に膜形成できる。ダイヤ自身がピラミッド状、あるいは直方体の自形を有するため、自形の形状、大きさを制御することによりα値を選択することができる。加えて、Si等の金属元素を膜内に混入させておき、その後NF3等のフッ素系プラズマにて金属元素だけをエッチング除去することによってもα値を制御することが可能である。ダイヤの場合は基材に窒化珪素、または炭化珪素、窒化アルミニウム、Si、カーボン、アルミナを選択することが好ましい。
【0063】
窒化珪素を表面の細孔構造とすることも可能である。例えばY2O3とAl2O3を焼結助剤とした窒化珪素焼結体をCF4+O2等のフッ素系プラズマ中、約100〜300℃で熱処理すれば窒化珪素のみが選択腐食するので、Y2O3-Al2O3-SiO2系酸化物、あるいはY-Al-Si-N-O系の酸窒化物からなる細孔構造を得ることができる。あるいはKOH:NaOH=1:1(mol比)の300℃溶融塩中で熱処理すれば粒界相を選択溶解できるので、窒化珪素を主体とする細孔構造を得ることができる。
【0064】
以上のように、本願の細孔構造は、溶射法だけでなく、ゾルゲル法、PVD、CVD、あるいは溶液からの析出反応、ペースト塗布法により細孔構造を形成することが可能である。また表層をエッチング処理して表層近傍に細孔構造を形成する方法でもよい。
【0065】
特に好適な実施形態においては、表面層がイットリウムを含む化合物からなる。このような化合物としては、イットリア、イットリアを含む固溶体、イットリアを含む複合酸化物、三フッ化イットリウムが好ましい。具体的には、イットリア、ジルコニア−イットリア固溶体、希土類酸化物−イットリア固溶体、3Y2O3.5Al2O3、YF3、Y−Al−(O)−F、Y2Zr2O7、Y2O3・Al2O3、2Y2O3・Al2O3を例示できる。
【0066】
更に好ましくは、表面層が、イットリア粉末とアルミナ粉末との混合粉末を基体上に溶射することによって生成したイットリア−アルミナ複合酸化物からなる。従って、この表面層材質としては、上記した第一の態様に係る発明において説明したイットリア−アルミナ複合酸化物膜をそのまま転用することができる。
【0067】
即ち、イットリア粉末の50%平均粒子径が3μm以上、100μm以下であり、アルミナ粉末の50%平均粒子径が3μm以上、100μm以下であり、溶射膜が熱処理されている。また、好ましくは、イットリア−アルミナ複合酸化物が少なくともガーネット相を含んでいる。更に好ましくは、イットリア−アルミナ複合酸化物がガーネット相とペロブスカイト相とからなり、X線回折測定によって得られるペロブスカイト相の(420)面のピーク強度YAL(420)とガーネット相の(420)面のピーク強度YAG(420)との比率YAL(420)/YAG(420)が0.05以上、1.5以下である。
【0068】
低パーティクル部材が腐食性物質に対して曝露されるべきものである場合には、腐食性物質としては以下を例示できる。CF4、C3F6等のフロロカーボン、酸素、塩素、塩化ホウ素、CHF3、ClF3、SF6、NF3、HBr、TiCl4、WF6、SiCl4、水素、及びこれらの混合ガス。キャリアガスとして、He、N2、Arと混合される場合もある。
【0069】
この腐食性物質は、特に好ましくは前述したようなハロゲンガスまたはそのプラズマである。
【0070】
本発明においては、基体の材質が、表面層の材質に比べて腐食性物質に対する耐蝕性が低くてもよい。この点について説明する。図1(a)に示すように、低パーティクル部材1が、基体2と、基体2の表面2aに形成された表面層3とを有する。表面層3の表面3aから基体2の表面2aへと向かって開気孔4が連通しているものとする。4aは開気孔の内壁面であり、2bは基体2の開気孔率への露出面である。この開気孔4は、前述のように小さい細孔径を有しており、膜3はある程度の厚さを有しているので、細長い(アスペクト比の大きい)形状を有している。
【0071】
ここで、低パーティクル部材1が腐食性物質に接触すると、図1(b)に示すように表面層3が腐食し、実線の状態となる。点線は腐食前の輪郭線である。表面層7の表面7aが腐食されるだけでなく、開気孔6の内壁面6aおよび基体2の露出面2bが腐食を受ける。ここで、基体2のエッチングレートが表面層7のエッチングレートよりも大きいと(腐食を受けやすいと)、基体2の露出面2aから8のように相対的に大きい孔が生成する。しかし、この孔8は開気孔率6の先端に連通する。これに対して、開気孔率6の内壁面6aのエッチングレートは相対的に小さく、従って開気孔率6の細孔径はそれほど変化しない。この結果、腐食後には開気孔率のアスペクト比はほとんど変化せず、むしろ大きくなる(細長くなる)。これは、腐食を受けやすい基体2からの発塵を抑制するという点で有利な構造である。
【0072】
基体の材質は特に限定されない。しかし、プラズマ容器内のプロセスに対して悪影響を与える可能性のある元素は含有していないことが好ましい。この観点からは、アルミニウムや窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムと酸化イットリウムの化合物または固溶体、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムと酸化イットリウムの化合物または固溶体が好ましい。特に好適な実施形態においては、基体が、アルミナ、スピネル、イットリア−アルミナ複合酸化物、ジルコニア、またはこれらの複合酸化物からなる。
【0073】
好適な実施形態においては、表面層を形成した後に、表面層に対して圧縮応力を加える。この方法としては熱処理がある。これによって表面層からの発塵を抑制できる。
【0074】
表面層の単位面積当たりの比表面積αを制御する方法は特に限定されない。好ましくは、前述したように、イットリア粉末とアルミナ粉末との混合粉末を基体上に溶射して溶射膜を形成し、次いで溶射膜を熱処理する。前記混合粉末は溶射時に反応し、体積変化するので、この体積変化に伴い気孔が多数生成する。そして溶射膜を熱処理すると、更に結晶相の相変態が進行し、一層体積収縮する結果、開気孔率が増加し、αが増大する。これは、本発明者が発見した現象である。
【0075】
他の方法としては、酸性溶液やプラズマによるエッチング、特に選択腐食を応用したエッチングが例示できる。先端的な機械加工によってもαの増大制御は可能である。
【0076】
【実施例】
(実験A)
表1に示した各平均粒径(50%平均粒子径)を有する各原料粉末を準備した。ただし、表1に示す各平均粒径のうち、平均粒径0.1μm、0.5μm、5μmの各イットリア粒子(例A1〜A3)はいずれも一次粒子径であり、その他のイットリア粒子(例A4〜A8)の平均粒径は二次粒子径である。また、平均粒径0.1μm、0.3μm、4μm、20μmの各アルミナ粒子(例A1〜4)はいずれも一次粒子径であり、その他のアルミナ粒子(A5〜8)の平均粒径は二次粒子径である。
【0077】
表1の例A1〜A8においては、イットリア粒子とアルミナ粒子とを重量比57.1:42.9の割合で混合した。イットリアとアルミナとのモル比率は3:5である。例A1〜3においては、イットリア粉末とアルミナ粉末とをボールミルを用いて湿式混合し、スプレードライヤーによって造粒し、平均粒子径40μmの顆粒を得た。例A4〜8においては、イットリア粉末とアルミナ粉末とを乾式混合した。
【0078】
寸法50×50×厚さ2mmの平板形状のアルミナ板からなる基体を準備した(アルミナ純度99.7%)。スルーザーメテコ社製のプラズマ溶射機を用いて、基体上に前記混合粉末をプラズマ溶射した。溶射時には、アルゴンを40リットル/分の流量で流し、水素を12リットル/分の流量で流した。溶射出力は40kWとし、溶射距離は120mmとした。
【0079】
例A9においては、イットリア−アルミナガーネット粉末(平均粒径40μm)のみを、上記条件で基体上にプラズマ溶射した。得られた各例の膜について、以下の測定を実施した。
【0080】
(結晶相の同定)
X線回折装置により結晶相を同定した。そして、YAL(420)/YAG(420)を算出した。測定条件は以下のとおりである。
CuKα、50kV、300mA 、2 θ=20-70°
使用装置:回転対陰極型X線回折装置「理学電機製「RINT」」
【0081】
(剥離強度)
以下のようにして測定した。
1.成膜後の試料(積層体)を10mm×10mm×厚さ2mm(膜の厚さを含む) の寸法に切断する。
2.切断した試料をアセトンにて5分超音波洗浄する。
3.接着剤付きAlスタットピン(フォトテクニカ株式会社製)を用意する。この接着領域は、直径φ5.2mmの円形をなしている。
4.成膜面側にピンを接着する。
5.試料を接着したピンを治具に取り付け、オートグラフにて、膜が剥がれるまで引き上げ、膜がはがれたときの荷重および接着面積から接着強度を計算する(剥離強度=剥離荷重/ピンの接着面積)。この時、接着剤の部位ではがれた試料の値については、測定値としない。
【0082】
(クラックの有無)
各膜の表面について、走査型電子顕微鏡で5000倍の倍率で観測した。
【0083】
(耐蝕試験)
耐食試験装置内に各例の試料をセットし、次の条件で実施した。Cl2 ガス中(ヒーターオフ)で各試料を2時間保持した。Cl2 ガスの流量は300sccmであり、キャリアガス(アルゴンガス)の流量は100sccmであった。ガス圧力を0.1torrとし、RF800W、バイアス電圧310Wの出力を印加した。各試料について、曝露試験前後の各重量を測定し、重量変化を算出した。
【0084】
【表1】
【0085】
表1から分かるように、例A9では、イットリア−アルミナガーネット粉末を基体上に溶射しており、溶射膜内にペロブスカイト相が見られない。しかし、剥離強度は比較的に低く、クラックが見られ、耐蝕試験後の重量増も大きかった。A1〜A8では、混合粉末を溶射しているが、剥離強度は比較的に大きく、クラックも見られなかった。特に、イットリア粉末の粒径を0.5μm〜100μmとし、アルミナ粉末の粒径を0.3〜100μmとすると、剥離強度が10MPa以上となり、かつクラックも観測されず、耐蝕性も特に高くなった。A8では、イットリア粉末およびアルミナ粉末の粒径が120μmであり、YAM相が生成した。A8では、剥離強度は13MPaと比較的高かったが、耐蝕性は若干低下が見られた。
【0086】
(実験B)
例A1〜A9の各例の被覆材料について、それぞれ1500℃で3時間大気中で熱処理した。そして、得られた各例の膜について、実験Aと同様に評価し、評価結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】
表2から分かるように、例B9では、溶射膜内にペロブスカイト相が見られない。しかし、剥離強度は比較的に低く、クラックが見られ、耐蝕試験後の重量増も大きかった。A1〜A8では、混合粉末を溶射しているが、剥離強度は比較的に大きかった。ただし、B1においては、熱処理後には剥離強度の低下とクラックとが観測された。特に、イットリア粉末の粒径を0.5μm〜100μmとし、アルミナ粉末の粒径を0.3〜100μmとすると、剥離強度が40MPa以上と非常に高くなり、かつクラックも観測されなかった。
【0089】
B4〜B8においては、熱処理後にYAL相のピーク強度が著しく増大していた。この傾向は特にB6、B7、B8において顕著であった。A8では、ピーク強度比YAL(420)/YAG(420)が1.5を超えたが、クラックは見られず、剥離強度もそれほど低下しなかった。しかし、耐蝕後の重量増加は大きくなっていた。これは膜の結晶相の相違によるものと考えられる。
以上述べたように、本発明によれば、膜の基体に対する剥離強度が高いイットリア−アルミナ複合酸化物膜を提供できる。
【0090】
(実験C)
表3、表4に示す実験例C1〜16の各部材を製造した。ただし、C1においては、緻密質アルミナ焼結体を♯80砥粒でブラスト仕上げし、次いで約400 μm 厚に加工し、自立膜試験片とした。C2、C3においては、平均粒径40μmのYAG粉末を1600℃または1500℃で焼結させ、各焼結体を得た。そして、各焼結体を♯80砥粒でブラスト仕上げし、次いで約400 μm 厚に加工し、自立膜試験片とした。
【0091】
C4〜C16においては、それぞれ、縦150mm、横150mm、厚さ5mmの基体2枚に、実験Aと同様にして溶射膜を形成した。そして、実験C4、C8〜16においては、得られた溶射膜を熱処理した。各試験片について、それぞれ前記ピーク強度比,剥離強度、クラックの有無、耐蝕試験結果、気孔率、クリプトン吸着法による比表面積(cm2/g)、平均膜厚、α、水銀圧入容積,細孔径、パーティクル数を測定した。
【0092】
(α)
Kr法による比表面積は、Krガス吸着多点BET法を用いた。表面層の嵩密度は4g/cm3とした。
(水銀圧入容積、細孔径)
水銀圧入式ポロシメータを用いてポアサイズ1nm 〜200 μm の範囲を測定した。細孔径は分布があるので、表4には主なピークが存在する径の範囲を記した。水銀の表面張力値には485erg/cm2を用い、接触角には130 °を用いた。
(気孔率)
アルキメデス法により求めた。C7〜C16については、同法により求まる見かけ比重とかさ比重の比から気孔は実質的に開気孔からなることを確認した。
【0093】
(パーティクル数)
比較例C1に用いたアルミナ粉35gを100〜1000ccの純水に懸濁させ、そこにC1〜16の各試料を浸した後、大気中120 ℃で乾燥させた。この作業を懸濁がなくなるまで繰り返すことによって、ほぼ全量を試験片上に堆積させた。表面層コート面を下側としたまま、室温〜200 ℃の熱サイクルを50回かけ、下方に設置したSiウエハ上のパーティクル数を数えた。
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
C1、C2においては、緻密質焼結体のため、パーティクルの保持能力はなく、パーティクルが焼結体からウエハーへと多数落下した。C3においては、YAGの焼結不足のために、αが非常に大きくなった。これは焼結不足のために多数の微細な開気孔が存在するためである。この場合には、熱サイクル後にパーティクルはかえって多数落下した。C4においては、表面層のαが小さくなっており、パーティクルは多数落下した。多数とは概ね10000ケ/枚以上である。本発明例のC5〜16においては、パーティクルのウエハーへの落下は抑制された。特にC8〜C16が良好であった。気孔率がC5〜C7より大であるためと考えられる。剥離強度の観点ではC11〜C16が特に優れている。
【0097】
本発明の実施例中では、C5〜16ともに、イットリア粉末とアルミナ粉末との混合粉末を溶射して溶射膜を生成させた。C5、6、7においては、溶射膜の熱処理を行わなかったので、気孔率は10%未満にとどまっていた。C8〜16においては熱処理の結果、気孔率が上昇し、10%を超えていた。
【0098】
なお、実験C5〜16においては、前記ピーク強度比が0.05〜1.5の範囲内にあり、剥離強度が高く、クラックが見られない。
【0099】
(実施例C17)
粒径10μmのタルクと溶融石英、及び粒径25μmのアルミナ原料をメチルセルロースと水で混練しペースト状にしたものを、C4〜C16と同様の縦150mm、横150mm、厚さ5mmのアルミナ基材に塗布し、次いで大気中1400℃で熱処理した。この工程を数回繰り返し、平均厚さ120μmのコーディエライト層を形成した。α値計算のための嵩密度は2.0g/cm3を用いた。
剥離強度は36MPaであり、クラックは見られなかった。耐蝕試験重量増は−0.3mg/時間であり、気孔率は21%であり、平均膜厚は120μmであり、αは139であり、水銀圧入容積は0.102cc/gであり、細孔径範囲は1−40μmであり、パーティクル数は0ヶである。
【0100】
(実施例C18)
ダイヤモンドの場合は、基材を窒化珪素とした。製法は、粒径約1μmのα型窒化珪素粉末に5mol%のY2O3と2mol%のAl2O3、並びに5mol%のβ型窒化珪素を添加し混合した後、窒素雰囲気中1850℃で緻密化させたものである。基材の形状はC17と同様である。この基材にマイクロ波CVD法で約50μm厚のダイヤ膜を形成した。基材の周囲には石英ガラスを配置しておき、ダイヤ膜にSiと酸素を混入させた。次いで、基材温度を150〜300℃の範囲とした状態でNF3+Ar混合ガスのダウンフロープラズマに10時間暴露させ細孔構造を形成した。α値計算のための嵩密度は3.2g/cm3を用いた。
剥離強度は54MPaであり、クラックは見られなかった。耐蝕試験重量増は0.0mg/時間であり、気孔率は10%であり、平均膜厚は50μmであり、αは53であり、パーティクル数は0ヶである。
【0101】
以上述べたように、本発明によれば、堆積物を表面に堅固に保持可能であり、これによって堆積物に起因するパーティクルが生じにくい低パーティクル部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、腐食前の低パーティクル部材1を模式的に示す断面図であり、(b)は、腐食後の低パーティクル部材1を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 腐食前の低パーティクル部材 2 基体 2a基体2の表面 2b 開気孔4への露出面 3 腐食前の表面層 3a 腐食前の表面 4 腐食前の開気孔 4a 腐食前の開気孔内壁面 6 腐食後の開気孔 6a 腐食後の開気孔内壁面 8 基体2の腐食部分
Claims (10)
- ガーネット相のY 3 Al 5 O 12 、ペロブスカイト相のYAlO 3 および単斜晶相のY 4 Al 2 O 9 からなる群より選ばれるイットリア−アルミナ複合酸化物膜を製造する方法であって,
イットリア粉末とアルミナ粉末との混合粉末をアルミナ基体上に溶射することによってイットリア−アルミナ複合酸化物からなる溶射膜を成膜し、この際前記イットリア粉末の50%平均粒子径が3μm以上、100μm以下であり、前記アルミナ粉末の50%平均粒子径が3μm以上、100μm以下であり、前記イットリア粒子と前記アルミナ粒子との割合がイットリアとアルミナとのmol比率(イットリア/アルミナ)に換算して0.5〜0.7であり、前記溶射膜を熱処理することを特徴とする、イットリア−アルミナ複合酸化物膜の製造方法。 - 前記イットリア−アルミナ複合酸化物が前記ガーネット相のY 3 Al 5 O 12 および前記ペロブスカイト相のYAlO 3 からなり、X線回折測定によって得られる前記ペロブスカイト相の(420)面のピーク強度YAL(420)と前記ガーネット相の(420)面のピーク強度YAG(420)との比率YAL(420)/YAG(420)が0.05以上、1.5以下であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- イットリア−アルミナ複合酸化物膜であって、ガーネット相のY 3 Al 5 O 12 およびペロブスカイト相のYAlO 3 からなり、X線回折測定によって得られる前記ペロブスカイト相の(420)面のピーク強度YAL(420)と前記ガーネット相の(420)面のピーク強度YAG(420)との比率YAL(420)/YAG(420)が0.05以上、1.5以下であることを特徴とする、イットリア−アルミナ複合酸化物膜。
- 長さ3μm以上、幅0.1μm以上のクラックがないことを特徴とする、請求項3記載のイットリア−アルミナ複合酸化物膜。
- 溶射法によって形成されたことを特徴とする、請求項3または4記載のイットリア−アルミナ複合酸化物膜。
- アルミナ基体とイットリア−アルミナ複合酸化物膜とを備えている耐蝕性部材であって、
前記イットリア−アルミナ複合酸化物膜が、ガーネット相のY 3 Al 5 O 12 およびペロブスカイト相のYAlO 3 からなり、X線回折測定によって得られる前記ペロブスカイト相の(420)面のピーク強度YAL(420)と前記ガーネット相の(420)面のピーク強度YAG(420)との比率YAL(420)/YAG(420)が0.05以上、1.5以下であることを特徴とする、耐蝕性部材。 - 前記イットリア−アルミナ複合酸化物膜に長さ3μm以上、幅0.1μm以上のクラックがないことを特徴とする、請求項6記載の耐蝕性部材。
- 前記イットリア−アルミナ複合酸化物膜が溶射法によって形成されたことを特徴とする、請求項6または7記載の耐蝕性部材。
- 前記イットリア−アルミナ複合酸化物膜の前記アルミナ基体に対する剥離強度が10MPa以上であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一つの請求項に記載の耐蝕性部材。
- ハロゲンガスまたはハロゲンガスのプラズマに曝露されるべき耐蝕性部材であることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一つの請求項に記載の耐蝕性部材。
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