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JP4255305B2 - 岩盤破砕用くさび装置並びにそれに用いられるくさびおよびくさびガイド - Google Patents

岩盤破砕用くさび装置並びにそれに用いられるくさびおよびくさびガイド Download PDF

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JP4255305B2
JP4255305B2 JP2003114083A JP2003114083A JP4255305B2 JP 4255305 B2 JP4255305 B2 JP 4255305B2 JP 2003114083 A JP2003114083 A JP 2003114083A JP 2003114083 A JP2003114083 A JP 2003114083A JP 4255305 B2 JP4255305 B2 JP 4255305B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、岩盤の破砕等の割岩作業に用いられて好適な岩盤破砕用くさび装置並びにその岩盤破砕用くさび装置に用いられるくさびおよびくさびガイドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
極めて強度の高い岩盤の割岩作業に用いられて好適な装置として、例えば岩盤破砕用くさび装置(以下、単に「くさび装置」という。)が知られている。このくさび装置は、油圧シリンダの推力を受けるくさびと、このくさびを挟む2組のくさびガイドを備え、油圧シリンダの駆動にてそのくさびをそれらくさびガイドに対して摺動させることにより、その油圧シリンダの推力をそれらくさびガイドによって横方向拡幅力に変換し、この横方向拡幅力にて岩盤を破壊して、割岩作業を行えるように構成されている。
【0003】
このくさび装置において、くさびとくさびガイドとは高面圧下で摺動するため、くさび−くさびガイド間の摩擦係数の増大は、前記横方向拡幅力、言い換えれば割岩力に大きく影響してその割岩力を弱めるだけでなく、摩擦熱による寿命低下や、焼付き等の不具合を招く原因となる。
【0004】
従来、このような不具合を防止するように図られたくさび装置として、くさびガイドの摺接部位にリン青銅からなる摺動材を装着するとともに、摺動面に土砂粉塵が入り込むのを防止する防塵機構を設け、かつ潤滑油供給機構により摺動面に潤滑油を供給するといった低摩擦化手段(A)を具備するくさび装置(例えば、特許文献1参照)や、くさびおよびくさびガイドの双方を焼入れ鋼で構成し、摺動面にグリスを手作業で供給するといった低摩擦化手段(B)を具備するくさび装置などが実用に供されている。
【0005】
【特許文献1】
実開平1−98297号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記低摩擦化手段(A)を具備するくさび装置では、リン青銅の抗圧力が低いため、非常な高面圧下(10〜50kg/mm、場合によっては100kg/mmを超える)の摺動によって摺動材が塑性変形してしまい、早期に機能不全に陥って割岩力の低下を招くという問題点がある。また、防塵機構や潤滑油供給機構を具備するため、構造が複雑になり、コストアップを招くという問題点がある。さらに、防塵機構によっても防ぎきれない土砂粉塵もしくは防塵機構の損傷部分から摺動面に侵入した土砂粉塵によって、摺動材が早期に摩耗するという問題点もある。
【0007】
一方、前記低摩擦化手段(B)を具備するくさび装置では、前記低摩擦化手段(A)を具備するくさび装置と比較して構造が簡単であるため、比較的低コストであるという利点は有するも、十分なグリスの供給がない限り焼付きが生じてしまうことから、1割岩動作毎に摺動面に大量のグリスを手作業で供給しなければならず、面倒であり、作業者の労力増を招くという問題点がある。また、防塵機構が省略されることから、土砂粉塵による早期摩耗は免れないという問題点もある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、所期の割岩力を長期に亘り安定に保持することができるとともに、メンテナンスの軽減やコストダウン等を図ることのできる岩盤破砕用くさび装置並びにそれに用いられるくさびおよびくさびガイドを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前記目的を達成するために、第1発明による岩盤破砕用くさび装置は、
推力発生手段からの推力を受けるくさびと、このくさびを挟むように配される一対のくさびガイドを備え、前記推力発生手段の駆動にて前記くさびを前記くさびガイドに対して摺動させることにより、その推力発生手段からの推力をそれらくさびガイドによって横方向拡幅力に変換し、この横方向拡幅力により岩盤を破壊して割岩作業を行えるように構成される岩盤破砕用くさび装置において、
前記くさびおよびくさびガイドのそれぞれの摺動面に、銅または銅合金マトリックスに硬質粒子が分散されてなる複合組織を備える摺動材を設けてなり、前記硬質粒子は、その粒径が0.2mm以上6mm以下で、その含有率が30体積%以上80体積%以下であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明においては、くさびおよびくさびガイドのそれぞれの摺動面に摺動材が設けられることにより、それら摺動材の摺動特性によってくさび−くさびガイド間の摩擦係数が効果的に減じられる。また、各摺動材は、銅または銅合金マトリックスに硬質粒子が分散されてなる複合組織を備えることで、耐摩耗性や耐焼付き性、抗圧力、熱拡散性能等が高められ、摩損や変形、劣化等が生じにくく、長期の使用に亘って所期の摺動特性を保持可能なものとされる。したがって、本発明によれば、所期の割岩力を長期に亘り安定に保持することができるとともに、メンテナンスの軽減を図ることができ、また従来必要であった防塵機構等が省略できてコストダウンを図ることができる。
【0011】
第1発明において、前記くさびおよびくさびガイドにおけるそれぞれの摺動面の摺動範囲には、前記摺動材が全面に配置されているのが好ましい(第2発明)。このようにすれば、摺動材による摺動機能を最大限発揮させることができるので、前記作用効果を最大限得ることができる。
【0012】
第1発明において、前記くさびおよびくさびガイドにおける摺動面のうち、一方の摺動面の摺動範囲には、前記摺動材が全面に配置されるとともに、他方の摺動面の摺動範囲には、前記摺動材が断続的に配置されているのが好ましい(第3発明)。
【0013】
また、第1発明において、前記くさびおよびくさびガイドにおけるそれぞれの摺動面の摺動範囲には前記摺動材が部分的に設けられ、前記くさびガイドに対して前記くさびが摺動する際に、前記くさびに部分的に設けられる前記摺動材の少なくとも一部が、前記くさびガイドに部分的に設けられる前記摺動材と常に摺接するように、それら摺動材の配置が設定されているのが好ましい(第4発明)。
【0014】
第3発明および第4発明のいずれの発明によっても、必要とされる摺動機能を維持しつつ、材料費を削減することができる。
【0015】
次に、第5発明による岩盤破砕用くさび装置に用いられるくさびは、
推力発生手段からの推力を受けるくさびと、このくさびを挟むように配される一対のくさびガイドを備え、前記推力発生手段の駆動にて前記くさびを前記くさびガイドに対して摺動させることにより、その推力発生手段からの推力をそれらくさびガイドによって横方向拡幅力に変換し、この横方向拡幅力により岩盤を破壊して割岩作業を行えるように構成される岩盤破砕用くさび装置に用いられるくさびであって、
前記くさびガイドに摺接する摺動面に、銅または銅合金マトリックスに硬質粒子が分散されてなる複合組織を備える摺動材を設けてなり、前記硬質粒子は、その粒径が0.2mm以上6mm以下で、その含有率が30体積%以上80体積%以下であることを特徴とするものである。
【0016】
本発明によれば、くさびガイドに摺接する摺動面に、銅または銅合金マトリックスに硬質粒子が分散されてなる複合組織を備える摺動材が設けられるので、摩損や変形、劣化等が生じにくく、長期の使用に耐え得るくさびを提供することができる。
【0017】
さらに、第6発明による岩盤破砕用くさび装置に用いられるくさびガイドは、
推力発生手段からの推力を受けるくさびと、このくさびを挟むように配される一対のくさびガイドを備え、前記推力発生手段の駆動にて前記くさびを前記くさびガイドに対して摺動させることにより、その推力発生手段からの推力をそれらくさびガイドによって横方向拡幅力に変換し、この横方向拡幅力により岩盤を破壊して割岩作業を行えるように構成される岩盤破砕用くさび装置に用いられるくさびガイドであって、
前記くさびに摺接する摺動面に、銅または銅合金マトリックスに硬質粒子が分散されてなる複合組織を備える摺動材を設けてなり、前記硬質粒子は、その粒径が0.2mm以上6mm以下で、その含有率が30体積%以上80体積%以下であることを特徴とするものである。
【0018】
本発明によれば、くさびに摺接する摺動面に、銅または銅合金マトリックスに硬質粒子が分散されてなる複合組織を備える摺動材が設けられるので、摩損や変形、劣化等が生じにくく、長期の使用に耐え得るくさびガイドを提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による岩盤破砕用くさび装置並びにそれに用いられるくさびおよびくさびガイドの具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1には、本発明の一実施形態に係る岩盤破砕用くさび装置を備える作業機械の側面図が示されている。また、図2には、くさび装置の概略構造説明図が示されている。
【0021】
本実施形態に係る作業機械1は、図1に示されるように、クローラ式の下部走行体2上に旋回装置3を介して上部旋回体4が設けられるとともに、この上部旋回体4に起伏自在にブーム5が、このブーム5の先端部に屈曲自在にアーム6が、このアーム6の先端部に図示省略されるスイング機構を介して岩盤破砕機7がそれぞれ設けられ、旋回装置3、ブーム5、アーム6およびスイング機構の操作により、岩盤破砕機7の位置決めを広い範囲で行えるように構成されている。
【0022】
前記岩盤破砕機7は、岩盤Wを穿孔するドリル装置8と、このドリル装置8による穿孔動作によって形成された孔H(図3(a)参照)を起点に岩盤Wを割岩する岩盤破砕用くさび装置9(以下、単に「くさび装置9」という。)と、上下方向に延設される固定ガイドセル10と、作業内容に応じてドリル装置8とくさび装置9とを交換する装置交換機構11を備えて構成されている。この岩盤破砕機7においては、装置交換機構11の操作によって、ドリル装置8およびくさび装置9のうち、これから使用される装置が固定ガイドセル10にセットされ、この固定ガイドセル10にセットされた装置が図示省略される移動機構の作動によりその固定ガイドセル10に沿って移動されるようになっている。
【0023】
前記くさび装置9は、図2に示されるように主に、推力発生手段としての油圧シリンダ12(以下、「くさびシリンダ12」という。)を備えてなる駆動部13と、くさび14およびそのくさび14を挟むように配される一対のくさびガイド15を備えてなるくさび工具部16とから構成されている。このくさび装置9においては、駆動部13の作動にてくさび14を一対のくさびガイド15に対して摺動させることにより、くさびシリンダ12からくさび14に付与される推力をそれらくさびガイド15によって横方向拡幅力に変換し、この横方向拡幅力により岩盤Wを破壊して割岩作業を行えるようにされている。なお、符号17で示されるのは、くさびガイド15に対し復元力を付与するための板バネである。
【0024】
以上に述べたように構成される作業機械1を用いた岩盤破砕工事の施工について図3を参照しつつ以下に説明する。
【0025】
まず、旋回装置3、ブーム5、アーム6およびスイング機構の操作により、岩盤破砕機7を所定の位置に位置決めする。位置決め後、装置交換機構11の操作により、ドリル装置8を固定ガイドセル10にセットし、そのドリル装置8の穿孔動作にてくさび工具部16を挿入するための孔Hを岩盤Wに形成する(図3(a)参照)。装置交換機構11の操作により、ドリル装置8とくさび装置9とを交換し、固定ガイドセル10にくさび装置9をセットする(同図(b)参照)。次いで、移動手段の操作にてくさび装置9を下降させてくさび工具部16を前記孔Hに挿入し、その孔Hの孔壁にそのくさび工具部16が当るところでその挿入動作を停止させる(同図(c)参照)。次に、くさびシリンダ12の伸長操作によりくさび14を一対のくさびガイド15に対して摺動させてその一対のくさびガイド15を左右に拡幅し、くさび工具部16周りの岩盤Wを割岩する(同図(d)参照)。割岩後、くさびシリンダ12の収縮操作により一対のくさびガイド15を狭めた後、移動手段の操作にてくさび装置9を所定の高さ位置まで引き上げる(同図(e)参照)。再度、装置交換機構11の操作により、ドリル装置8を固定ガイドセル10にセットする(同図(f)参照)。以上の工程を繰り返して岩盤Wを破砕する。なお、本実施形態で説明した作業機械1は一連の作業が機械化された装置の例であるが、その他の例としては、くさび装置9単体をクレーンで操作してそのくさび装置9のくさび工具部16を孔Hに挿入し以後のくさび装置9による割岩動作を行う例や、くさび装置9が小型のものである場合には人力によりくさび装置9のくさび工具部16を孔Hに挿入し以後のくさび装置9による割岩動作を行う例などがある。
【0026】
次に、前記くさび装置9における摺動部構造について図2、図4および図5を用いて以下に詳述する。ここで、図4には、図2におけるA−A視図(a)およびB−B視図(b)がそれぞれ示されている。また、図5には、図2におけるC−C視断面図が示されている。
【0027】
前記くさび装置9においては、前述した割岩作業時にくさび14とくさびガイド15とが高面圧下で摺動するため、くさび14−くさびガイド15間の摩擦係数の増大は、一対のくさびガイド15の拡幅力、言い換えれば割岩力に大きく影響してその割岩力を弱めるだけでなく、摩擦熱による寿命低下や、焼付き等の不具合を招く原因となる。このような不具合を防止するために、本実施形態では、図4および図5に示されるように、くさび14の摺動面に摺動材20が、くさびガイド15の摺動面に摺動材21がそれぞれ摺動範囲の全面に設けられている。なお、くさび14に設けられる摺動材20の表面中央部には、潤滑油を摺動面の全体に行き渡らせるための潤滑油供給用溝22が、摺動方向に延びるように刻設されている。以下において、この摺動材20,21の組成や特性等についての説明を行うが、この説明においてくさび14およびくさびガイド15のことを単に「摺動体23」と称することとする。
【0028】
図6には摺動材の構造説明図が、図7には含有硬質粒子の面積率の算出に係わる説明図がそれぞれ示されている。
【0029】
前記摺動材20,21は、図6に示されるように、マトリックス金属25に硬質粒子26が分散されてなる複合組織27を有している。ここで、硬質粒子26の粒径は0.2mm以上にされるとともに、硬質粒子の含有率は30〜80体積%にされる。また、この摺動材20,21の摺動面において、互いに隣接する硬質粒子26の間には凹部28が形成されている。
【0030】
前記マトリックス金属25としては、比較的融点が低く(1000℃前後)、延性に優れるとともに、表1に示されるように、Fe基、Ni基、Co基およびTi基と比較して熱伝導率が高い銅(Cu≧99.96)または銅合金が用いられる。ここで、銅合金としては、例えばリン青銅(C5191P−H,Sn:5.5〜8,P:0.03〜0.35,Cu+Sn+P≧99.5)、アルミニウム青銅、7/3黄銅(Cu−30Zn)、6/4黄銅(Cu−40Zn)等が挙げられる。
【表1】
Figure 0004255305
【0031】
また、前記硬質粒子26としては、炭化物系、硼化物系、窒化物系、珪化物系、酸化物系等の各種セラミックが挙げられる。特に炭化物系、硼化物系、窒化物系セラミックは、高硬度を有するとともに、摺動性に優れている点で好適である。ここで、前記炭化物系セラミックの例としては、WC,WC,TiC,NbC,VC,MoC,Cr,TaC,ZrC等が挙げられる。また、前記硼化物系セラミックの例としては、MoB,TiB,CrB,VB,NbB,TaB,WB等が、前記窒化物系セラミックの例としては、TiN,CrN等がそれぞれ挙げられる。なお、当該硬質粒子として、前記炭化物系セラミックをFe,Ni,Co、Cr等の金属で結合してなる超硬合金、もしくはサーメットを用いても良い。
【0032】
こうして、銅または銅合金が持つ延性によりもたらされる衝撃荷重や曲げ荷重に対するねばり強さを、また硬質粒子が持つ特性によりもたらされる高抗圧力や、耐摩耗性・耐焼付き性等を、それぞれ良好に確保するようにされるとともに、摺動時に発生する摩擦熱の吸収・放熱をスムーズに行わせることで、摩擦熱の影響による寿命低下を抑制するようにされている。
【0033】
ところで、延性、靭性、熱伝導率などの特性が比較的高いマトリックス金属中に、そのマトリックス金属よりもそれらの特性が低い硬質粒子を分散させると、硬質粒子分散材料の特性はマトリックス金属単体の特性から硬質粒子の特性へと近づいていき、延性、靭性、熱伝導率は低下する。一般に、互いに隣接する硬質粒子の粒子間距離λとそれら特性の変化量Pとは、P∝1/λの関係にあり、λが大きいほど特性変化量Pは少なくなる。つまり、マトリックス金属中の硬質粒子の含有率が同じならば、粒径を大きくするほどλも大きくなり、特性変化量Pは小さくなる。したがって、含有率が同じならば硬質粒子の粒径を大きくする方が、マトリックス金属の延性、靭性、熱伝導率の低下に及ぼす硬質粒子の影響が小さくなるので、マトリックス金属本来の特性を良好に引き出すことができる。そこで、本発明においては、前記硬質粒子の粒径が従来と比較して極めて大きな0.2mm以上とされる。
【0034】
ここで、前記硬質粒子26の粒径の下限が0.2mmとされる理由は、本実施形態において摺動材20,21が、土砂粉塵が摺動面に入り込む条件下で使用されることを考慮したためである。すなわち、土砂粉塵が摺動面に入り込む条件下においては、土砂粉塵が摺動面ですり潰され、摺動面についた摩耗痕の幅や深さから考えると、摺動材20,21の厚みが最低0.2mmは必要であることが、試験等によって確認されたので、これを基準に考えると、マトリックス金属25に分散し得る硬質粒子26の最小粒径は0.2mmであることが導き出される。なお、摺動特性の硬質粒子依存度を多少減じても問題ないと判断される場合には、0.2mmよりも若干小さな粒径(例えば0.15mm)の硬質粒子を用いることも可能である。
【0035】
なお、前記硬質粒子26の粒径の上限は10mm程度であるのが好ましい(より好ましくは6mm)。このように粒径の上限を10mmとしたのは、粒径が10mmを超えてしまうと、所望の強度・靭性並びに熱伝導率の確保が困難になるからである。また、粒径のより好ましい上限として6mmに設定したのは、粒径が6mmであれば、必要十分な強度・靭性並びに熱伝導率を容易に確保できるからである。
【0036】
一方、前記硬質粒子26の含有率の下限は、以下に述べる理論により、30体積%とされる。すなわち、硬質粒子が分散されてなる摺動材同士の摺動を考えたとき、対向する硬質粒子が常にラップしている(重なり合っている)状態にあれば、摺動特性が硬質粒子自身の特性に近いものになると推察される。そこで、図7に示されるように、それぞれの摺動材における硬質粒子が格子状に配列されているものと仮定し、同図において実線で示されるくさび14側の摺動材20における硬質粒子26A,・・・および同図において点線で示されるくさびガイド15側の摺動材21における硬質粒子26B,・・・のそれぞれの半径をrとし、両硬質粒子26A,26Bの平面投影上の距離をbとすると、b<0のとき、両硬質粒子26A,26Bがラップする(重なり合う)ことになり、そのときの硬質粒子26A(26B)の面積率Sfは、Sf=π/8=0.3925となる。実際には、硬質粒子26A(26B)が同図で示されるように均一には分布しておらず、また全ての硬質粒子26A(26B)がラップする(重なり合う)必要もないので、実用的にはSf=30%で十分と考えられる。こうして導出された面積率Sfに基づいて、前記硬質粒子26の必要最小限の含有率が30体積%に設定される。
【0037】
また、前記硬質粒子26の含有率の上限が80体積%とされるのは、含有率が80体積%を超えると、所望の強度・靭性並びに熱伝導率の確保が困難になるからである。
【0038】
本実施形態の摺動材20,21は、消耗電極式アーク溶接法等の溶接肉盛法による溶接肉盛層として、または熱間静水圧焼結法(HIP法)等の焼結法による焼結体として製造される。なお、その他の製造方法としては、真空炉内において溶浸を行う真空溶浸法や、含浸法などが挙げられる。
【0039】
例えば、前記複合組織27からなる摺動材料層を消耗電極式アーク溶接法にて摺動体23の表面に直接形成する場合には、マトリックスとなる消耗電極ワイヤにて摺動体23の表面に溶融プールを形成し、この溶融プールに硬質粒子を添加して凝固するようにされる。
【0040】
なお、前記摺動材料層は、必ずしも摺動体23の表面に直接形成する必要はなく、摺動体23が例えば溶接肉盛に要する予熱の不可能な部材や、肉盛層形成工程での熱影響による変形や材質変化を嫌う部材で構成されている場合には、摺動体23とは別体の適当な板材に前記摺動材料層を形成して作製された被摺動材料層板材を、場合によっては必要な形状・サイズに切り出して、切り出された被摺動材料層板材を、溶接接合、溶浸(含浸)接合、焼結接合、ろう付け、ボルト締結、圧入などの結合手段により、摺動体23の所定の個所に取り付けるようにすることも可能である。
【0041】
以上に述べたような摺動部構造を備える本実施形態のくさび装置9および従来のくさび装置のそれぞれについて、表2に示されるような岩盤を対象に割岩試験を実施した。その試験結果が表3および表4にそれぞれ示されている。ここで、従来のくさび装置においては、くさびおよびくさびガイドの双方が焼入れ鋼で構成されるとともに、くさびガイドの摺接部位において先端部側と基端部側のそれぞれにリン青銅製の摺動材が装着されている。
(1)対象岩盤⇒岩種:凝灰岩(硬岩)
【表2】
Figure 0004255305
(2)従来のくさび装置についての試験結果
【表3】
Figure 0004255305
(3)本実施形態のくさび装置9についての試験結果
【表4】
Figure 0004255305
【0042】
本実施形態によれば、耐摩耗性や耐焼付き性、抗圧力、熱拡散性能等が高められ、摩損や変形、劣化等が生じにくく、長期の使用に亘って所期の摺動特性を保持可能なものとされた摺動材20および摺動材21が、それぞれくさび14およびくさびガイド15の摺動面に設けられているので、所期の割岩力を長期に亘り安定に保持することができるとともに、メンテナンスの軽減を図ることができ、また従来必要であった防塵機構等が省略できてコストを削減することができる。
【0043】
なお、前述した割岩試験に先立って無潤滑条件下での割岩試験も実施した。その結果、焼付きの発生や異常な摩耗が発生する兆候はまったく観察されず、無潤滑状態でも使用可能であることを確認した。ただし、無潤滑の場合は、摺動により鳴き音が発生するため、実用的には摺動面に石鹸水を供給するなどの潤滑手段によりその鳴き音を防止できる。すなわち、本実施形態のくさび装置9では、万が一、潤滑油の供給が不完全であっても継続使用が可能であり、自動で潤滑油を供給する装置を設ける場合は、装置を簡素化できるし、手作業でグリスを塗布する場合でも、その手間を省くことが可能である。また、河川での工事などでは、潤滑油の漏出は環境を汚染するため嫌われるが、石鹸水程度の潤滑でも作業可能であるから、この様な作業現場でも使用されて好適である。
【0044】
また、本実施形態においては、前記摺動材20,21による摺動機能を最大限発揮させるために、くさび14およびくさびガイド15の摺動面にそれぞれ摺動材20および摺動材21が摺動範囲の全面に設けられる例を示したが、必要とされる摺動機能を維持しつつ、材料費の削減を図るために、図8〜図10に示されるような摺動材の各配置例を採用することも可能である。
【0045】
ここで、図8の配置例においては、くさび14の摺動範囲に、摺動方向Tに延びる帯形状の摺動材30が2組その摺動方向Tと直交する方向に間隔を存して設けられるとともに、くさびガイド15の摺動範囲に、前記摺動材30,30のそれぞれと相対するようにその摺動材30と同形状の摺動材31,31が設けられている。この配置例では、隣接する摺動材30,30とくさび14本体部分とで画成される領域E、および隣接する摺動材31,31とくさびガイド15本体部分とで画成される領域Eのそれぞれに、前記潤滑油供給用溝22と同機能の溝が構造的に形成されるという利点がある。
【0046】
一方、図9の配置例においては、くさび14の摺動範囲に、摺動方向Tに所要の幅寸法を持たせた矩形状の摺動材32が複数組その摺動方向Tに間隔を存して設けられるとともに、くさびガイド15の摺動範囲に、摺動方向Tに所要の幅寸法を持たせた矩形状の摺動材33が複数組その摺動方向Tに間隔を存して設けられ、くさびガイド15に対してくさび14が摺動する際に、くさび14側に設けられる複数組の摺動材32,・・・のいずれかとくさびガイド15側に設けられる複数組の摺動材33,・・・のいずれかとが常に摺接するように、その摺動材32および摺動材33のそれぞれの幅寸法と配置が設定されている。
【0047】
他方、図10の配置例においては、くさび14の摺動範囲に、摺動方向Tに対して傾きを存する傾角方向に所要の幅寸法を持たせた平行四辺形状の摺動材34が複数組その摺動方向Tに間隔を存して配置されるとともに、くさびガイド15の摺動範囲に、前記傾角方向とは対を成す方向に所要の幅寸法を持たせた平行四辺形状の摺動材35が複数組その摺動方向Tに間隔を存して配置されている。つまり、対向する摺動材34と摺動材35とが交差するようにそれぞれの摺動材34,35の配置が設定されている。こうして、摺動時において、くさび14における複数組の摺動材34のいずれかと、くさびガイド15における複数組の摺動材35のいずれかとが常に摺接するようにされている。
【0048】
なお、図8〜図10に示される各配置例は、くさび14およびくさびガイド15におけるそれぞれの摺動面の摺動範囲に、摺動材を部分的に設け、くさびガイド15に対してくさび14を摺動させたときに、くさび14に部分的に設けられる摺動材の少なくとも一部が、くさびガイド15に部分的に設けられる摺動材と常に摺接するように、それら摺動材の配置が設定されている例であるが、くさび14およびくさびガイド15における摺動面のうち、一方の摺動面の摺動範囲に摺動材を全面に配置し、他方の摺動面の摺動範囲に摺動材を図8〜図10に示されるような部分配置とするような例もあり得る。
【0049】
また、図8〜図10に示されるような摺動材の各配置例以外の配置も可能である。すなわち、くさび14に設けられる摺動材とくさびガイド15に設けられる摺動材とが少なくともそれぞれの一部において摺接するようにそれら摺動材が配置されていれば、必要とされる摺動機能が維持できるので、その範囲内であれば、摺動材の配置間隔やその形状を任意に設定することができ、例えば、複数組の摺動材のそれぞれの間隔が一定でなくても良いし、摺動材の形状も矩形状、平行四辺形状に限られず、円形状、三角形状等のその他の形状であっても良い。
【0050】
なお、本実施形態において、推力発生手段として油圧シリンダ12を用いているが、推力発生手段としての機能、すなわちくさび14に対して推力を与える機能を有するものであれば、これに限られるものではない。例えば、電動モータ、油圧モータ、あるいはエンジン等による回転方向の力をねじ等の機械的構造により、直線方向の力に変換し、くさび14に推力を与えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る岩盤破砕用くさび装置を備える作業機械の側面図である。
【図2】図2は、くさび装置の概略構造説明図である。
【図3】図3は、岩盤破砕工事の施工システムを説明する図である。
【図4】図4は、図2におけるA−A視図(a)およびB−B視図(b)である。
【図5】図5は、図2におけるC−C視断面図である。
【図6】図6は、摺動材の構造説明図である。
【図7】図7は、含有硬質粒子の面積率の算出に係わる説明図である。
【図8】図8は、摺動材の配置例を表わす図(1)で、くさびガイド側の摺動材の配置状態図(a)およびくさび側の摺動材の配置状態図(b)である。
【図9】図9は、摺動材の配置例を表わす図(2)で、くさびガイド側の摺動材の配置状態図(a)およびくさび側の摺動材の配置状態図(b)である。
【図10】図10は、摺動材の配置例を表わす図(3)で、くさびガイド側の摺動材の配置状態図(a)およびくさび側の摺動材の配置状態図(b)である。
【符号の説明】
9 岩盤破砕用くさび装置
12 くさびシリンダ(推力発生手段)
14 くさび
15 くさびガイド
20,30,32,34 摺動材(くさび側)
21,31,33,35 摺動材(くさびガイド側)
25 マトリックス金属
26 硬質粒子
27 複合組織
W 岩盤

Claims (6)

  1. 推力発生手段からの推力を受けるくさびと、このくさびを挟むように配される一対のくさびガイドを備え、前記推力発生手段の駆動にて前記くさびを前記くさびガイドに対して摺動させることにより、その推力発生手段からの推力をそれらくさびガイドによって横方向拡幅力に変換し、この横方向拡幅力により岩盤を破壊して割岩作業を行えるように構成される岩盤破砕用くさび装置において、
    前記くさびおよびくさびガイドのそれぞれの摺動面に、銅または銅合金マトリックスに硬質粒子が分散されてなる複合組織を備える摺動材を設けてなり、前記硬質粒子は、その粒径が0.2mm以上6mm以下で、その含有率が30体積%以上80体積%以下であることを特徴とする岩盤破砕用くさび装置。
  2. 前記くさびおよびくさびガイドにおけるそれぞれの摺動面の摺動範囲には、前記摺動材が全面に配置されている請求項1に記載の岩盤破砕用くさび装置。
  3. 前記くさびおよびくさびガイドにおける摺動面のうち、一方の摺動面の摺動範囲には、前記摺動材が全面に配置されるとともに、他方の摺動面の摺動範囲には、前記摺動材が断続的に配置されている請求項1に記載の岩盤破砕用くさび装置。
  4. 前記くさびおよびくさびガイドにおけるそれぞれの摺動面の摺動範囲には前記摺動材が部分的に設けられ、前記くさびガイドに対して前記くさびが摺動する際に、前記くさびに部分的に設けられる前記摺動材の少なくとも一部が、前記くさびガイドに部分的に設けられる前記摺動材と常に摺接するように、それら摺動材の配置が設定されている請求項1に記載の岩盤破砕用くさび装置。
  5. 推力発生手段からの推力を受けるくさびと、このくさびを挟むように配される一対のくさびガイドを備え、前記推力発生手段の駆動にて前記くさびを前記くさびガイドに対して摺動させることにより、その推力発生手段からの推力をそれらくさびガイドによって横方向拡幅力に変換し、この横方向拡幅力により岩盤を破壊して割岩作業を行えるように構成される岩盤破砕用くさび装置に用いられるくさびであって、
    前記くさびガイドに摺接する摺動面に、銅または銅合金マトリックスに硬質粒子が分散されてなる複合組織を備える摺動材を設けてなり、前記硬質粒子は、その粒径が0.2mm以上6mm以下で、その含有率が30体積%以上80体積%以下であることを特徴とする岩盤破砕用くさび装置に用いられるくさび。
  6. 推力発生手段からの推力を受けるくさびと、このくさびを挟むように配される一対のくさびガイドを備え、前記推力発生手段の駆動にて前記くさびを前記くさびガイドに対して摺動させることにより、その推力発生手段からの推力をそれらくさびガイドによって横方向拡幅力に変換し、この横方向拡幅力により岩盤を破壊して割岩作業を行えるように構成される岩盤破砕用くさび装置に用いられるくさびガイドであって、
    前記くさびに摺接する摺動面に、銅または銅合金マトリックスに硬質粒子が分散されてなる複合組織を備える摺動材を設けてなり、前記硬質粒子は、その粒径が0.2mm以上6mm以下で、その含有率が30体積%以上80体積%以下であることを特徴とする岩盤破砕用くさび装置に用いられるくさびガイド。
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