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JP4254508B2 - ガスタービンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ガスタービン発電システムに湿分を添加し、そのシステムの増出力及び高効率を達成する技術分野に属する。
噴霧ノズルで水分を添加した加湿空気を用いるガスタービンシステムに関する従来技術として、圧縮機と再生熱交換器(以後、再生器と称す)を繋ぐ空気流路としての配管に高温水をノズルで噴霧する加湿器構造が記載され、また、加湿器での未蒸発水を回収して、その水を再利用する噴霧システム構成が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
更に、圧縮機と再生器を繋ぐ配管に噴霧水の熱交換器を設置し、噴霧水を高温として縦置加湿器に温水を噴霧する構造が記載され、また、圧縮機の吸気に常温水を噴霧する構造も記載されている(例えば、特許文献2参照)。
圧縮機と再生器を繋ぐ配管に噴霧水の熱交換器を、また、ガスタービン排ガスで噴霧水を加熱する熱交換器を設置し、噴霧水を高温として大型増湿塔に温水を噴霧し、加湿空気を生成する構造が記載されている(例えば、特許文献3参照)。
水分を添加した加湿空気を用いるために、ガスタービン排熱を利用した再生器の途中に水又は蒸気を注入する方法が記載されている(例えば、特許文献4参照)。
圧縮機と再生器を繋ぐ配管に高温水を噴霧ノズルで噴霧する加湿器と加湿器下流に設けた熱交換器とを多数設け、加湿器出口温度の違いで再生器との接続位置を変える構造が記載されている(例えば、特許文献5参照)。
上記した加湿システムを構成するためには微細水滴を霧化して噴霧する噴霧ノズルが必要となるが、市販ノズルとしては、国内では株式会社共立合金製作所の「モヤスプレーノズルM19」と称するものがあり、その性能は、噴霧圧力7MPaで、水量が0.125L/min で、噴霧水滴径が算術平均で16μm(SMDで約25μmに相当)である(例えば、非特許文献1参照)。SMDとは、レーザでの水滴径計測で用いられる噴霧水滴径を表す指標でザウター平均粒径(Sauter mean diameter)である。
特開2000−282894号公報 特開2002−138852号公報 特開2003−3861号公報 特開平11−324710号公報 特開2001−132473号公報 株式会社共立合金製作所の製品カタログ、CAT.NO.9802−9901「モヤスプレーノズルM19」
ガスタービン発電システムにおける圧縮機と再生器を繋ぐ空気流路としての配管途中に設置する加湿器構成の従来技術で共通していることは、構成機器が多く高コスト,大型となっている点にある。また、これらの従来技術では、加湿器構成として微細水滴を噴霧する噴霧ノズルを用いるが、狭いエリアで高温空気に噴霧して瞬時に蒸発させ高湿分の空気を生成するためには、微細水滴を大量に噴霧する噴霧ノズルが必要となる。
さらに、高湿分の空気を用いるガスタービンシステムでは、大量の水を添加して加湿空気とするが、圧縮機と再生器間での加湿だけでは、必要とする加湿割合を得ることができないことが考えられる。ガスタービン排熱を利用した再生器の途中に水又は蒸気を注入する方法があるが、再生器の伝熱管への水注入配分に起因する熱応力に問題がある。
また、従来の加湿構成では、高温空気と噴霧水の混合部が少ないため熱交換が十分に行えず加湿割合が少なく、加湿器出口温度が高くなることが考えられる。加湿器出口温度が高くなると、ガスタービン排熱の有効利用が損なわれ、効率が低下することか考えられる。
本発明の目的は、ガスタービンシステム内への加湿量を増加させることである。
本発明の課題を解決するための第1手段は、空気室から吸い込んだ空気を圧縮して吐出する圧縮機と、前記圧縮機から吐出された圧縮空気を通す空気流路と、前記空気流路を経由してきた前記圧縮空気と燃料とが供給されて燃焼作用を行う燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記タービンによって駆動される発電機と、前記排ガスで前記圧縮空気を加熱する再生熱交換器と、前記圧縮空気を再生熱交換器の伝熱流路に分配する上流側ヘッダーと、前記空気室内に液体を噴霧する第1噴霧手段と、前記空気流路内に液体を噴霧する第2噴霧手段と、前記上流側ヘッダー内に液体を噴霧する第3噴霧手段と、を有するガスタービンシステムであり、ガスタービンシステムの複数箇所で液体を噴霧して加湿割合を増大させると共に、上流側ヘッダー内に液体を噴霧することで上流側ヘッダーから伝熱流路への圧縮空気の配分に伴って噴霧液滴の配分も行われて再生熱交換器で噴霧液滴の効率良い蒸発により圧縮空気中の湿分を高めることができる。その上、再生熱交換器の伝熱流路に液体を直接入れる場合に比較して再生熱交換器の熱応力の発生の軽減や、再生熱交換器の伝熱流路が複数ある場合には複数の伝熱流路への分配構造が簡略化できる。
第2手段は、空気室から吸い込んだ空気を圧縮して吐出する圧縮機と、前記圧縮機から吐出された圧縮空気を通す空気流路と、前記空気流路を経由してきた前記圧縮空気と燃料とが供給されて燃焼作用を行う燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記タービンによって駆動される発電機と、前記排ガスで前記圧縮空気を加熱する再生熱交換器と、前記圧縮空気を再生熱交換器の伝熱流路に分配すると共に、前記伝熱流路の最下段の伝熱流路よりも下方に下部が延長されている上流側ヘッダーと、前記空気室内に液体を噴霧する第1噴霧手段、又は前記空気流路内に液体を噴霧する第2噴霧手段、又は前記上流側ヘッダー内に液体を噴霧する第3噴霧手段の内の少なくとも一つの噴霧手段を有し、前記少なくとも一つの噴霧手段は、噴霧圧力が4MPa以上,流量が1L/
min 以上,ザウター平均粒径が30μm以下の性能を有する噴霧ノズルとを有するガスタービンシステムであり、空気室内にザウター平均粒径が30μm以下の霧化状態の液滴を1L/min 以上供給して、空気室内の空気に同伴して圧縮機内へ吸入されていく湿分を増量する。
第3手段は、空気室から吸い込んだ空気を圧縮して吐出する圧縮機と、前記圧縮機から吐出された圧縮空気を通す空気流路と、前記空気流路を経由してきた前記圧縮空気と燃料とが供給されて燃焼作用を行う燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記タービンによって駆動される発電機と、前記排ガスで前記圧縮空気を加熱する再生熱交換器と、前記圧縮空気を再生熱交換器の伝熱流路に分配する上流側ヘッダーと、前記空気室内に液体を噴霧すると共に噴霧させる系統を選択自在な複数系統の第1噴霧手段と、前記空気流路内に液体を噴霧すると共に噴霧させる系統を選択自在な複数系統の第2噴霧手段と、前記上流側ヘッダー内に液体を噴霧すると共に噴霧させる系統を選択自在な複数系統の第3噴霧手段とを有するガスタービンシステムであり、ガスタービンシステムの複数箇所で液体を噴霧して加湿割合を増大させると共に、上流側ヘッダー内に液体を噴霧することで上流側ヘッダーから伝熱流路への圧縮空気の配分に伴って噴霧液滴の配分も行われて再生熱交換器で噴霧液滴の効率良い蒸発による圧縮空気中の湿分を高めることができる。その上、再生熱交換器の伝熱流路に液体を直接入れる場合に比較して再生熱交換器の熱応力の発生の軽減や、再生熱交換器の伝熱流路が複数ある場合には複数の伝熱流路への分配構造が簡略化できる。更には、第1噴霧手段と、第2噴霧手段と、第3噴霧手段との各噴霧手段の液体噴霧と停止及び液体噴霧を行う噴霧手段に係る噴霧させる系統数の選択によって、タービンシステムへの加湿度合いの細かい制御を行って、タービンシステムの状況に応じた加湿制御が達成できる。
第4手段は、空気室から吸い込んだ空気を圧縮して吐出する圧縮機と、前記圧縮機から吐出された圧縮空気を通す空気流路と、前記空気流路を経由してきた前記圧縮空気と燃料とが供給されて燃焼作用を行う燃焼器と、前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記タービンによって駆動される発電機と、前記排ガスで前記圧縮空気を加熱する再生熱交換器と、前記圧縮空気を再生熱交換器の伝熱流路に分配する上流側ヘッダーと、前記空気室内に液体を噴霧する第1噴霧手段と、前記第1噴霧手段に供給される前記液体の流量を計量する第1流量計と、前記空気室内からの前記液体のドレーン液を計量する第1計量手段と、前記空気流路内に液体を噴霧する第2噴霧手段と、前記第2噴霧手段に供給される前記液体の流量を計量する第2流量計と、前記空気流路内からの前記液体のドレーン液を計量する第2計量手段と、前記上流側ヘッダー内に液体を噴霧する第3噴霧手段と、前記第3噴霧手段に供給される前記液体の流量を計量する第3流量計と、前記上流側ヘッダー内からの前記液体のドレーン液を計量する第3計量手段とを有するガスタービンシステムであり、ガスタービンシステムの複数箇所で液体を噴霧して加湿割合を増大させると共に、上流側ヘッダー内に液体を噴霧することで上流側ヘッダーから伝熱流路への圧縮空気の配分に伴って噴霧液滴の配分も行われて再生熱交換器で噴霧液滴の効率良い蒸発による圧縮空気中の湿分を高めることができる。その上、再生熱交換器の伝熱流路に液体を直接入れる場合に比較して再生熱交換器の熱応力の発生の軽減や、再生熱交換器の伝熱流路が複数ある場合には複数の伝熱流路への分配構造が簡略化できる。更には、第1〜3の各流量計による計量総和と第1〜3の各計量手段による計量総和との差に基づいてタービンシステムの全体の加湿割合を把握することができる。


本発明によれば、ガスタービンシステム内の空気へ湿分を多量含ませることが出来る。
本発明の実施例では、次の(A)〜(E)の5項目の課題を解消する手段が含まれている。(A)ガスタービンシステム内に微細水滴を大量に噴霧するノズルがない。(B)ガスタービンシステムの圧縮機と再生器間での加湿だけでは、必要とする加湿割合を得ることができない。(C)ガスタービンシステムの加湿器出口温度が高くなり、ガスタービン排熱の有効利用ができない。(D)ガスタービンシステムの再生器の伝熱管途中に水を注入する加湿方法では、伝熱管への水注入配分に起因する熱応力に問題がある。(E)ガスタービンシステムの必要加湿割合を得るための構成機器が多く、大型となり高コストである。
課題(A)を解決する手段としては、ガスタービンシステムの加湿手段に採用される噴霧ノズルとして発明者等が先に開発し特願2002−319443号で特許出願した高圧1流体霧化ノズルを使用する。このノズルは最大径が約9mmと小型で、その性能は、噴霧水量が約1L/min のノズルで噴霧水滴径[SMD]が20μm以下であり、また、噴霧水量が約2〜3L/min のノズルで噴霧水滴径[SMD]が30μm以下である。これらのノズルは、従来技術に示すモヤスプレーノズルと比較して、水量は10〜30倍となる。
課題(B),(C),(D)は、ガスタービンシステムの圧縮機と再生器間で最大限加湿し、さらに、再生器内でもガスタービン排熱を利用して加湿することで解決する。
ここで、ガスタービンシステムの圧縮機と再生器間で最大限加湿する手段としては、圧縮機と再生器間の圧縮空気の流路である配管部に噴霧ノズルを設置して高温空気流に微細水滴を噴霧し、蒸発させて加湿するが、ただ噴霧するだけでは空気の流れに同伴され、熱交換が十分に行えないために加湿割合が小さくなり、加湿器出口温度も高くなるので、本発明では、噴霧ノズル設置位置より上流側に縮流を発生させるオリフィスを設置し、その下流で生成される減圧域を利用した混合域で高温空気と噴霧水滴の熱交換を十分行わせ瞬時に蒸発させる管加湿器構造を採用する。これによって、圧縮機と再生器間での加湿は最大限達成することができる。
ガスタービンシステムの圧縮空気、即ち作動流体に湿分を添加する高湿分ガスタービンシステムでは、添加する湿分が多いほど高効率を達成できるが、多量に水分を添加すると結露してドレーン水が発生することになり、その作動流体の流路内で悪影響を及ぼすことになる。したがって、ガスタービンシステムへの加湿量は、飽和空気状態の湿度より若干小さい状態が好ましい。
これらのことを考慮すると、システム全体での加湿量は、14.1wt% (吸気流量との重量比)となる。ここで、圧縮機上流での加湿、即ち吸気加湿では1.6wt% で全体の約11%、圧縮機から再生熱交換器間で圧縮空気に加湿する管加湿器では約7wt%で全体の約50%であり、システム全体での加湿量14.1wt% からみると約39%の加湿量が足りない。
この不足分をガスタービンシステムへ加湿する手段として、本発明の実施例では、ガスタービンシステムの排熱を利用する再生熱交換器(ガスタービン排熱と燃焼器へ供給される圧縮空気との熱交換器)の空気入口のヘッダー部に直接微細水滴を噴霧し、均等に再生熱交換器の伝熱流路に流入する構造とする。この場合も、特願2002−319443号で特許出願した高圧1流体霧化ノズルを使用することが好ましい。
上記した管加湿器を通過した加湿後の圧縮空気温度は、ほぼ蒸気飽和温度となり、それ以上の水分を含めない状態となっているため、圧縮機と再生熱交換器間での新たな加湿は困難であることから、再生熱交換器を通過するガスタービンシステムの排熱を利用し、再生熱交換器内で蒸発させ加湿するものである。
課題(E)を解決する手段としては、上記した手段を用いて高湿分ガスタービンシステムを構築することで、構成機器が少ない小型でコンパクトなシステム構成とすることができ、低コスト化を図ることができる。
以下に本発明の実施例による高湿分ガスタービンシステムについて、図示の実施形態により詳細に説明する。図1は本発明の実施例による高湿分ガスタービンシステムの全体構造図、図2は本発明の実施例による高湿分ガスタービンシステムに用いる噴霧ノズルの形状図、図3は本発明の実施例による高湿分ガスタービンシステムで使用する噴霧ノズルの水量をパラメータとした場合の水滴径分布図、図4は噴霧圧力をパラメータとした場合の水滴径分布図、図5は使用ノズルの噴霧圧力に対する噴霧水量の割合を示す図、図6は空気室での吸気噴霧ノズルの設置及び噴霧状況を示す詳細図、図7は吸気噴霧ノズル取付部の詳細図、図8は管内に構造物を設けない管加湿器構造図、図9は図8に示す体系で試験した結果で噴霧ノズル下流での各部温度を示す図、図10は管内に構造物を設けない管加湿器構造での噴霧水滴流れの軸方向水滴濃淡図、図11は図8に示す体系で完全蒸発条件での蒸発限界加湿割合の試験結果を示す図、図12は噴霧ノズル上流側に流路を狭くするオリフィスを設置した本発明による管加湿器構造で、高温空気管にフランジで挟み込むヘッダーに設置したノズルから微細水滴を噴霧した場合の模式図、図13は本発明による管加湿器構造で高温空気管外部にヘッダーを設け、噴霧ノズルへの水供給管を接続する構造で、かつ、噴霧ノズル上流側に流路を狭くするオリフィスを設置した体系で、設置ノズルから微細水滴を噴霧した場合の模式図、図14は本発明である図12及び図13の体系で用いるオリフィスエッジの形状図、図15は本発明である図12に示す体系で試験した結果で噴霧ノズル下流での各部温度を示す図、図16は本発明である図12に示す管加湿器700B構造と図8に示す管内に構造物を設けない管加湿器700A構造での試験結果の比較図、図17は本発明による噴霧システムを導入した再生器の構造図、図18は高湿分ガスタービンシステムにおける噴霧系統制御による全体加湿割合を示す図である。
図1に示す高湿分ガスタービンシステムの全体構造のように、通常ガスタービンシステムの基本構成は、空気室1,圧縮機2,燃焼器3,ガスタービン4,発電機5,発電端6、及び燃料供給系100で構成され、空気室1を通じて吸い込んだ空気は圧縮機2で昇温昇圧されて圧縮空気として図1の白抜き矢印の方向に送られて燃焼器3へ供給される。高湿分ガスタービンシステムでは、加湿システムとして、空気室1に微細水滴13を噴霧し加湿する吸気噴霧加湿システム200,圧縮機2から吐出する高温高圧空気を加湿する管内噴霧加湿システム300,ガスタービンの排熱を利用し燃焼器3に供給する空気の温度を上昇させる再生熱交換器7入口部で噴霧加湿する再生器加湿システム400があり、高湿分を空気に添加できる構成となっている。
これらの各加湿システムへの噴霧水の供給は、噴霧水供給タンク8,高圧ポンプ9,水処理装置10で構成される給水共通設備500から供給される。この給水共通設備500では、水が貯蔵された噴霧水供給タンク8から高圧ポンプ9で各加湿システム200,
300,400へ水を噴霧水として供給する系統構成を有し、高圧ポンプ9からの吐出圧力(P0)をバイパス弁11で規定の圧力に制御する制御系統が備わる。
このような各加湿システムで加湿された高温高圧な圧縮空気と燃料供給系100から供給された燃料とが、共に燃焼器3に供給されて燃焼作用に供せられる。その燃料供給系
100は、燃料タンクから燃料ポンプで燃焼器へ燃料を送る配管による燃料供給流路と、その配管に装備されたフィルタと流量調整弁と流量計と圧力計とを備え、指定の流量となるように流量計からの信号で流量調整弁を開度調整して、適切な量の燃料を燃焼器3に供給する。
燃焼器3での燃焼作用で生じた燃焼ガスによってガスタービン4の羽根が回転され、燃焼ガスはガスタービン排ガス37となって再生熱交換器7の熱源として再生熱交換器内に入り、その排ガスはその後に再生熱交換器7からでて給水加熱器23へ熱源として入り、その後にガスタービンシステム外に排気される。
ガスタービン4の羽根が燃焼ガスで回転駆動されることによって、その羽根が装備されたタービン軸と直列に連結されている圧縮機2と発電機5とが駆動されて、圧縮機2は新たな空気を空気室1から取り込んで圧縮して燃焼に供する圧縮空気をガスタービンシステム内に供給する。また、発電機5が駆動されることによって電力が発生して発電機5の発電端6に伝達され、その発電端6から電力が外部へ電線を通じて供給される。
次に、本発明の実施例に採用される第1噴霧手段としての吸気噴霧加湿システム200を説明する。吸気12中に微細水滴13を噴霧する吸気噴霧加湿システム200は、フィルター14,流量調節弁15,第1流量計としての流量計16,圧力計17,噴霧系統選択弁18,噴霧ノズル600を高圧ポンプ9の吐出側に接続した配管に装備して構成されている。その配管は噴霧系統選択弁18の近くで2系統に分かれ、1系統ごとに一個の噴霧系統選択弁18が備わる。その2系統に分かれた配管には噴霧ノズル600が連通しているスプレーヘッダ19が接続され噴霧水供給タンク8内の噴霧水を噴霧ノズル600に供給できるようになっている。噴霧される微細水滴13の水量の調整は、噴霧系統選択弁18の開閉による噴霧系統の選択及び流量調節弁15で調整されるが、噴霧させる系統の圧力は要求噴霧水滴径が保持できる圧力範囲で制御する。
この吸気噴霧加湿システム200で使用される噴霧ノズル600の要求性能は、吸気の流れに同伴される最大水滴径から噴霧水滴径が好ましくは20μm[SMD]以下で、噴霧水量はできるだけ多いものが必要となる。一般に市販されている1流体噴霧ノズルで噴霧水滴径の要求仕様をほぼ満足するものとして、前記従来技術にも示した株式会社共立合金製作所の「モヤスプレーノズルM19」があるが、これらのノズルでの噴霧水量は約
0.125L/minで非常に少ない水量である。したがって、この吸気噴霧加湿システム
200には、特願2002−319443号で示され、先に開発した噴霧流量が大流量で要求噴霧水滴径を満足する高圧1流体霧化ノズルを使用する。
図2に高圧1流体霧化ノズルの形状を示す。高圧1流体霧化ノズル600は、中空円筒状の高圧水導入管601,高圧水導入管601の端部に固定されて90度の角度間隔で設けられた小孔の噴出口602と各噴出口602に対して傾斜部が対面する傾斜ターゲット603を有するノズル先端部品604及び高圧水導入管601に固定されてノズル先端部品604の円周囲を接触することなく覆う円筒状のカバー605から構成され、高圧水
606を各噴出口602から噴出させ、前方の傾斜ターゲット603の傾斜部に衝突させることで微細水滴13を得るものである。傾斜ターゲット603は各噴出口602に対して傾斜部が対面する様に、微細水滴13が吐出する方向から見ると図2の右図のように十字の形状を有する。このような構造とすることで、以下の(1)〜(4)の特徴がある。
(1)複数個(本実施例では4個)の噴出口602を設けることで小流量から大流量まで 自由な流量範囲を設定できる。
(2)噴出口602から高圧水を噴出し、傾斜ターゲット603に衝突させることで微細 水滴13を得ることができる。
(3)噴出口602から高圧水を噴出し、個々の傾斜ターゲット603に衝突させる構造 とすることで噴霧水滴間に隙間607ができ、噴霧水滴中央部への外気の流通が形成さ れることから、噴霧水滴中央部での減圧が回避され高温・高圧雰囲気で噴霧範囲が縮小 する現象(コーンコラップス現象)が発生しない。
(4)このような構造とすることで、ノズルの小型化が達成できる。実製作では、ノズル 最大径が9mmである。
高圧1流体霧化ノズル600はこのような特徴があることから、高湿分ガスタービンシステムの湿分添加ノズルとして有効である。
図3,図4,図5に高圧1流体霧化ノズル600の噴霧特性を示す。
図3は噴霧水量が1,2,3L/minの高圧1流体霧化ノズル600による噴霧水滴径分布を示すものである。ここで、各ノズルの噴出圧力は7MPaである。これから、このノズルの特徴は、従来技術に示したノズルより10倍の噴出水量となる1L/min ノズルで噴霧水滴径[SMD]が20μm以下であること、2,3L/min ノズルで噴霧水滴径[SMD]が30μm以下であることが分かる。
図4は噴霧水量が1,2,3L/min の高圧1流体霧化ノズル600の噴出圧力に伴う噴霧水滴径分布を示すものである。これから、噴出圧力が5MPa以上では、噴霧水滴径に差がなく4MPaになると噴霧水滴径が大きくなることがわかる。したがって、このノズルによる使用範囲は、噴出圧力が5MPa以上の範囲となる。
図5は、噴霧水滴径が一定となる使用範囲(ここでは噴出圧力が5〜9MPaとする)での流量特性を示すものである。これから、使用範囲である噴出圧力が5〜9MPaでの水量変化は7MPaを定格とした場合±15%であることがわかる。
したがって、この高圧1流体霧化ノズル600の特性としては、噴霧圧力が5〜9MPaで、噴霧水滴径が一定となる流量範囲は7MPaを基準に±15%となる。また、噴霧水滴径が20μm以下を必要とする場合は水量が1L/min 以下のノズルを、霧水滴径が
30μm以下を必要とする場合は水量が2〜3L/min ノズルを使用することになる。
吸気噴霧加湿システム200では、吸気に同伴する水滴が必要となることから、好ましくは噴出圧力が5〜9MPaで噴霧水滴径が20μm以下で噴霧水量が1L/min の高圧1流体霧化ノズル600を使用するが、好ましい噴霧水滴径が20μm以下を超えても実施不可能ではないので、噴出圧力が4MPa以上で霧水滴径が30μm以下で水量が2〜3L/min のノズルを使用することにしても良い。このような高圧で大容量で微細水滴の得られる噴霧ノズルを用いる。
吸気噴霧加湿システム200は、夏期における吸気温度上昇に伴う出力低下の改善、圧縮機内での気化による圧縮機動力の低減及びガスタービン出力上昇を目的としており、吸気噴霧量は、高湿分ガスタービンシステムの全体加湿量の約11%(1.6wt%)を噴霧する。例えば、吸気流量が5kg/sの場合4.8L/minの水量を加湿することになる。
4.8L/minの水量を加湿する吸気噴霧では、前記した好ましい方の1L/min の高圧1流体霧化ノズル600を使用し、5個で賄うことができるが、壁への付着等によるドレーン水として噴霧水の30%を考慮しても6個(6L/min )で良いことになる。噴霧量の制御の観点から複数系統を必要とする場合は、このノズル数を分割して設置することになる。なお、高圧1流体霧化ノズル600から噴霧した微細水滴の空気室1の内壁への付着等によるドレーン水は、その壁伝いに空気室1内と配管で接続した計量タンク50に流入し、計量タンク50内の水量が計量タンク50に装備したレベル計51で計測される。このような計測手段が第1計測手段である。計量タンク50に溜まった計量後の水は、計量タンク50の下部に接続した配管に装備してある弁52を開いて外部に排出し、排出した水は水処理されて再利用される。
図6,図7には、上記6個のノズルを2系統に分割して設置した例の吸気噴霧加湿システム200の構造を示す。なお、ここで、図7は図6中のA部で示す詳細図である。6個のノズルを2系統に分割して設置する場合、噴霧する水を通す配管であるスプレーヘッダ19のそれぞれに3個のノズルを等間隔で設置すれば良い。従来技術に示した「モヤスプレーノズルM19」を使用し、ドレーン水を考慮した水量約6L/min とした場合、ノズル個数は60個が必要となる。この両者を比較すると、本発明の実施例で既述した高圧1流体霧化ノズル(以後、噴霧ノズルと称す)600を使用した本実施例の場合、取り付け個数が1/10になることから、加工,製作,組込みコストでの有利性がある。さらに、図7に示すように、噴霧ノズル600の取り付け方法として締め込み式のスウエジーロック20を使用してスプレーヘッダ19から分岐した短管に取り付けることで、ねじ込み式で取り付ける際に使用するシールテープ等の千切れ片によるノズルの詰まりを回避でき、メンテナンスが容易になる。
次に、本発明の実施例で第2噴霧手段として採用した管内噴霧加湿システム300を説明する。図1に示すように圧縮機2の圧縮空気吐出側と再生熱交換器7の上流側ヘッダー34を連通する圧縮空気の空気流路としての配管内に噴霧し、圧縮機2からの高温高圧で吐出される高温高圧吐出空気21、即ち圧縮空気に加湿するものが、管内噴霧加湿システム300である。管内噴霧加湿システム300は、給水共通設備500から高圧ポンプ9で噴霧水供給タンク8内の噴霧水の供給を高圧ポンプ9の吐出側に接続した配管を通じて受ける。
その配管は分岐点22で二手に分岐して別れ、一方はガスタービンシステムの高温排ガスの通る位置に設けた給水加熱器23を経由して給水加熱器23で排気ガスの熱で加熱されて三方弁24に入る配管経路を有する。分岐点22で二手に分岐して別れたもう一方は、分岐点22から直接三方弁24に入る配管経路を有する。
両方の配管経路を通じて三方弁24内に流入した噴霧水はこの三方弁24で混合され温度調節される。このように温度調整された噴霧水は、三方弁24からフィルター25,第2流量計26,噴霧系統選択弁27を有する配管を経由して、管加湿部700にある噴霧ノズル600から微細水滴となり噴霧される。三方弁24から噴霧ノズル600に至るその配管は、途中で三系統に分岐して、1系統ごとに一個の噴霧系統選択弁27が備わる。このように三系統に分かれた各系統の配管には、水注入管700A4を介して噴霧ノズル600が連通接続されて噴霧水供給タンク8内の噴霧水を噴霧ノズル600に供給できるようになっている。噴霧水滴の水量の調整は、噴霧系統選択弁27の開閉による噴霧系統の選択及び三方弁24で調整されるが、噴霧させる系統の圧力は要求噴霧水滴径が保持できる圧力範囲で制御する。
この三方弁24では、温度が違う2方向からの噴霧水の混合を行い、下流の温度計28(T1),第2流量計26(F1)の検出信号により温度,流量が調整される。この混合された噴霧水の温度は150℃程度に調整され、圧力は圧力計29(P1)で監視される。管加湿部700で加湿された加湿空気30は再生熱交換器7の上流側ヘッダー34に注入されるが、過剰水を注入した場合には蒸発できない水量が発生する。この蒸発できない水量は、圧縮機の吐出側と上流側ヘッダー34間を連通する配管に接続した計量タンク
31に流入し、計量タンク31に接続したレベル計32で計量タンク31内の水量が計測される。このような計量手段が第2計量手段である。計量タンク31に溜まった水は計量後に計量タンク31下部に連通接続した配管に装備した弁33を開くことで外部に排出され、排出された水は水処理されて再利用される。
吸気噴霧加湿システム200は、夏期における吸気温度上昇に伴う出力低下の改善、圧縮機内での気化による圧縮機動力の低減及びガスタービン出力上昇を目的としており、吸気噴霧量は、高湿分ガスタービンシステムの全体加湿量(14.1wt%:吸気流量との重量比)の約11%(1.6wt%)と少ない。これに対して、管内噴霧加湿システム300では、高出力,高効率を目的としているため、多量の加湿が必要となる。前記した吸気噴霧加湿システム200と管内噴霧加湿システム300で全加湿量を賄うとすると、管内噴霧加湿システム300では約12.5wt%(吸気5kg/sの場合での噴霧水量37.5L/min)の加湿が必要となる。
このシステムで使用される噴霧ノズル600の要求性能は、蒸発速度の関係から噴霧水滴径[SMD]が30μm以下で、設置スペースの関係から噴霧水量はできるだけ多いものが必要となる。一般に市販されている1流体噴霧ノズルとしては、前記従来技術にも示した株式会社共立合金製作所の「モヤスプレーノズルM19」があるが、この噴霧ノズルでは噴霧水量が約0.125L/minで非常に少ないこと、また、このノズルは細いピン先端に水流を衝突させるタイプであり、高温条件下の管内で使用すると熱膨張により変形して規定性能が得られない可能性がある。さらに、流量が少ないため、全ノズル数が300個と多くなるなどの問題がある。
管内噴霧加湿システムに1L/min流量の噴霧ノズル600を使用した場合、全ノズル数が37.5個(38個) 必要となるが、3L/min流量のノズルを使用した場合、12.5個(13個)で良い。この3L/min ノズルを使用し、3系統の噴霧系統を構成すると1系統当たり4.3 個のノズルで良く、非常に少ない数で加湿システムを構成することができる。噴霧ノズル600は吸気噴霧加湿システム200の説明の際に解説した噴出圧力が5〜9MPaで噴霧水滴径[SMD]が30μm以下で噴霧水量が3L/min の高圧1流体霧化ノズルである。もちろん、噴霧圧力4MPaで噴霧水滴径[SMD]が20μm以下で噴霧水量が1L/minの高圧1流体霧化ノズルであっても良い。
ここで示した管内噴霧加湿システムの前提は、管内噴霧加湿システムで必要とする加湿(12.5wt%)が得られることであるが、実際には確認されていない。そこで、この管内噴霧加湿システムについて検証した結果を次に述べる。
図8は管内にオリフィスなどの構造物を設けない管加湿器700Aの試験体系を示す。
ここで、噴霧ノズル600は、フランジ700A1の面に密着してボルト700A2で締め付け固定されたリングヘッダー700A3内側に管中央に向け設置され、ノズル先端は管内にわずか突き出した状態で固定されている。高圧ポンプ9で送られてきた噴霧水供給タンク8内の噴霧水が水注入管700A4を通ってから流入し、リングヘッダー700A3 ,噴霧ノズル600を経由して圧縮機からの高温高圧吐出空気21内に微細水滴13として噴霧される。噴霧された微細水滴13は高温高圧吐出空気21と熱交換され加湿空気30として下流、即ち再生熱交換器7の上流側ヘッダー34側に運ばれる。噴霧ノズル600よりも下流の圧縮空気の流路である管700A5の径はφ250で長さは5.5m とし、その管内に多数の温度計(図示せず)を設置し、温度分布を計測した。
図9は図8に示す体系で試験した結果で、噴霧ノズル下流での各部温度を示す。試験条件としては、圧縮空気である高温高圧吐出空気21の流量が5kg/sで圧力が8ata で温度が290℃である。これは、吸気流量が5kg/sガスタービンシステムの定格条件であり、φ250の管では定格時の管内流速が18.5m/s となる。また、水注入管700A4から流入する噴霧水は、温度が150℃で完全蒸発できる水量の12.3L/min である。この場合の加湿割合は4wt%で、これ以上の水を注入するとドレーンが発生し、注入水の全量を蒸発させることができない。
使用した噴霧ノズル600は、噴霧水滴径[SMD]が20μm 以下となる1L/min流量のノズルである。ここで、縦軸は加湿された空気の温度を示し、横軸は最下流のノズル位置からの距離を示している。ここに示す温度計の設置位置は、T1が管中心で、T2が半径方向の管中心寄りで、T3が半径方向の管壁寄りで、T4が管上部内壁で、T5が管下部内壁である。
この結果から、噴霧ノズル600下流の管700A5内温度に大きなばらつきがあり混合がうまく行われていないこと、また、5.5m 付近の温度を見ると、T5の温度以外はかなり高い温度となっていることがわかる。これから、管内半径方向の加湿濃度を予測すると、管半径方向の加湿濃度は管中心部から上部にかけて薄くなり、側壁近傍が中濃度で下部が濃い濃度となることが分かる。また、管内での噴霧水滴の完全蒸発距離が約4.5m必要であることがわかる。さらに、図10に示すように噴霧した微細水滴13が圧縮機からの高温高圧吐出空気21に流されるだけで混合が促進されないことが予測できる。
図11には噴霧ノズル下流の管長さが5.5m の上記試験体系で、管内で完全蒸発した場合の蒸発限界加湿割合の試験結果を示す。試験条件は高温高圧吐出空気21の圧力が8ata で温度が290℃である。ここで、横軸は管内流速を表し、吸気流量が5kg/sのガスタービンシステムの定格流速は18.5m/sである。
この結果から、管内に構造物を設けない管加湿器700A体系では、定格流速での加湿割合は4wt%程度であることがわかる。これは、前記した管内噴霧加湿システムで賄う加湿割合(12.5wt%)の32%で非常に少ない。ただし、管径を太くして管内流速を7m/s程度にすると約7wt%の加湿が可能である。その場合でも必要加湿量の56%であり、全体加湿量を賄うことはできない。
高湿分ガスタービンシステムでは、コスト削減の観点から、システム構成を簡素化すること及び設置スペースをできるだけ少なくすることが重要となる。したがって、管径を太くすることで、材料,加工コストがかかること、さらに、広い設置スペースが必要となる等の問題がある。そこで、管径をφ250で加湿量を多くする構造を考案した。
図12には噴霧ノズル上流側に流路を狭くするオリフィスを設置した本発明の実施例の一例としての管加湿器700Bの構造を示す。この体系は、図8,図10に示した管加湿器700Aの噴霧ノズル上流側に流路を狭くするオリフィスを設置したものである。その構成として、噴霧ノズル600は、フランジ700B1の面に密着してボルト700B2で締め付け固定されたリングヘッダー700B3内側に管中央に向け設置され、ノズル先端は管内にわずか突き出した状態で固定されている。噴霧水は水注入管700B4から流入し、リングヘッダー700B3,噴霧ノズル600を経由して圧縮機からの高温高圧吐出空気21内に微細水滴13として噴霧される。噴霧ノズル600の上流には流路を狭くするオリフィス700B6が設けられており、そのオリフィス700B6下流では、オリフィス部で発生する縮流により減圧部700B7が形成される。
噴霧ノズル600より噴霧された微細水滴13は、この減圧部700B7に噴霧され、減圧部700B7で発生する渦700B8により巻き込まれて管中央部に形成される混合域700B9に運ばれ、瞬時に高温空気との熱交換が行われ、加湿空気30となり下流に運ばれる。
この管加湿器700Bの特徴は、オリフィス700B6部で発生する縮流により形成される減圧部700B7に水滴を噴霧し、減圧部700B7で発生する渦700B8に巻き込ませ、管中央部に形成される混合域700B9で瞬時に高温高圧吐出空気21との熱交換を行わせ加湿量の増加を図るものである。さらに構造的特徴として、噴霧ノズルを取り付けるリングヘッダー700B3がフランジ700B1内側に収納されコンパクト化が図られている。ただし、噴霧ノズルの取り付け,取り外し等のメンテナンス時は全体を外し分解した状態で作業を行う必要がある。
図13は図12に示した管加湿器700Bと噴霧ノズル600設置構造が異なる本発明の一例である管加湿器700Cの構造を示す。その構成は、管外部に設置された注入系統700C4が接続された管タイプリングヘッダー700C3,リングヘッダー700C3への接続用締め込み式継手700C2,配管700C1,噴霧ノズル600の固定及び加湿空気30シール用の締め込み式継手700C11,締め込み式継手700C11を固定する突起部700C10で構成される。このような構造とすることで、管加湿器内構成は前記700Bと同じ構造とすることができる。また、この構造にすることで、新たな特徴として、噴霧ノズル600を単体で取り外すことができることから、噴霧ノズル600のメンテナンス及びノズル位置の調整が個々のノズルで可能となる。
噴霧ノズル位置を前記700Bと同じにした場合は、管加湿器700Cでも同様に、オリフィス700C6部で発生する縮流により形成される減圧部700C7に水滴を微細水滴13し、減圧部700C7で発生する渦700C8に巻き込ませ、管中央部に形成される混合域700C9で瞬時に高温高圧吐出空気21との熱交換を行わせることができる。
図14には、本発明の実施例である管加湿構造700B,700Cの体系で用いるオリフィスエッジの形状を示す。管内にオリフィス700B6,700C6を設置すると圧力損失が発生する。この圧力損失をできるだけ小さくする方法として、オリフィス上流側エッジの加工を施すが、その形状を図中(1),(2)に示す。ここで(1)は、オリフィス上流側エッジを鋭角に削除したもので、(2)はオリフィス上流側エッジに丸みを施したものである。これによって、オリフィス部で発生する圧力損失を格段に小さくすることができる。
図15は本発明の実施例である管加湿器700B構造でオリフィスエッジが図14に示す(1)の構造を使用した結果で、噴霧ノズル下流での各部温度を示す。試験条件としては、高温高圧吐出空気21の流量が5kg/sで圧力が8ata で温度が290℃である。これは、吸気流量が5kg/sのガスタービンシステムの定格条件であり、φ250の管では定格時の管内流速が18.5m/s となる。また、水注入管700B4から流入する噴霧水は、温度が150℃で完全蒸発できる水量の19.8L/minである。この場合の加湿割合は6.6wt% である。使用した噴霧ノズル600は、噴霧水滴径[SMD]が30
μm以下となる3L/min流量のノズルである。ここで、縦軸は加湿空気温度を示し、横軸は最下流のノズル位置からの距離を示している。
ここに示す温度計の設置位置は、T1が管中心で、T2が半径方向の管中心寄りで、
T3が半径方向の管壁寄りで、T4が管上部内壁で、T5が管下部内壁である。この結果から、噴霧ノズル下流での各部の温度変化は、図9に示したオリフィスを設けない構造での管加湿器700Aと比較して、ばらつきが小さいこと、計測温度で最下流(5.5m)の温度指示が全て完全蒸発温度に近い温度になっていること、さらに、注入水を12.3L/minから19.8L/minに61%も増加させたにも拘わらず完全蒸発し、その蒸発距離も4.5mから2.5mに短くなっていることがわかる。
これから、オリフィスを設置したことによる効果で瞬時に混合が行われ、高温空気との熱交換が高効率で行われていることがわかる。なお、計測温度で最下流(5.5m)の温度指示が、完全蒸発限界温度まで低下していないで若干余裕があるが、余剰熱量から、最大加湿割合は約7wt%程度が限界である。これらのことから、噴霧ノズル上流側にオリフィスを設置することは加湿割合を増加させる手段として有効であると考える。
図16には、本発明の実施例である管加湿器700B構造と700Aに示す管内に構造物を設けない管加湿器構造での試験結果を比較して示す。試験条件は高温高圧吐出空気
21圧力が8ata で温度が290℃である。ここで、横軸は管内流速を表し、縦軸は前記管加湿器体系での完全蒸発限界加湿割合を表している。
なお、ここには、吸気流量が5kg/sのガスタービンシステムの定格流速である18.5
m/sを表記した。試験結果としては、700Aに示す管内に構造物を設けない管加湿器構造(開口比:1)での完全蒸発限界加湿割合(A)と管加湿器700B構造に用いたオリフィス700B6の開口比(面積比)が異なる2種類(B:開口比0.36 ,C:開口比0.23)の特性を表記した。
この結果から、管内(φ250)に構造物を設けない管加湿器700A体系では、定格流速での完全蒸発限界加湿割合は約4wt%であるが、オリフィス700B6を設け、開口比を0.36とした場合約5.2wt%で、開口比を0.23 とした場合約7wt%であることが分かる。前記図15でも説明したが、高温高圧吐出空気21の熱量から蒸発加湿の限界は約7wt%であり、開口比を0.23 では、限界加湿を得ることができるが、
700Aに示す管内に構造物を設けない管加湿器構造でも管径を太くして流速を7m/s程度まで下げると蒸発加湿の限界である7wt%の加湿割合を得ることが分かる。ただし、広い設置エリアが必要となりコンパクト化には課題が残る。
ここでの管内噴霧加湿システムは、水注入系統が3系統の例について示したが、大容量型ガスタービンシステムとなると吸気量が増大するため、管加湿部700及びその管加湿部700に注水する水注入系統も複数必要となる。
以上、ここでは、本発明の実施例による管内噴霧加湿システム300を示したが、上記結果から、限界加湿割合は約7wt%であり、前記した吸気噴霧加湿システムの加湿割合(1.6wt%)と合計して8.6wt%で、必要とする加湿割合14.1wt% にはまだ5.5wt% たりない。このたりない分の加湿は、本発明では、ガスタービン4の排熱で管加湿器からの加湿空気を加熱して、必要な温度まで上昇させる再生熱交換器7を利用することにした。
次に、本発明の実施例による第3噴霧手段としての再生器加湿システム400について説明する。ここでは、図1の高湿分ガスタービンシステム全体構成と図17に示す噴霧システムを導入した再生熱交換器7構造を用いて説明する。なお、ここで示す再生熱交換器7の構造は一例として熱交換部が積層された構造(プレートフィン構造)のものを示した。
管加湿部700で加湿飽和濃度近傍まで加湿され、低温(130℃程度)となった加湿空気30は、再生熱交換器7の上流側ヘッダー34部に流入する。流入した加湿空気30は、上流側ヘッダー34に設置した整流板35を通過し、再生熱交換器7内の積層された伝熱流路36に流入し、再生熱交換器7内で高温のガスタービン排ガス37と熱交換して再生熱交換器7の下流側ヘッダー38を経由して燃焼器3に供給されるが、再生熱交換器7内では、前記したように、さらに水分を添加する必要がある。
再生熱交換器7の上流側ヘッダー34部に流入した加湿空気30、即ち圧縮機で圧縮した空気に加湿した圧縮空気は、加湿飽和濃度となっているため、この加湿空気30に微細水滴を噴霧しても加湿の増加は期待できない。したがって、本発明の実施例による再生器加湿システム400では、上流側ヘッダー34内に上流側ヘッダーに入ってきた加湿空気30を整流する整流板35を設け、その整流板35よりも加湿空気30流れの下流に噴霧ノズル600を設置して、再生熱交換器7の伝熱流路36入口に向けて微細水滴13を噴霧することにした。
ここで、整流板35の役割は、上流側ヘッダー34内に流入した加湿空気30を上流側ヘッダー34内で均等に配分し、微細水滴13を安定させるものである。これによって、伝熱流路36に流入する微細水滴13を均等に分配することができる。なお、構造物との衝突で液状化した水滴及び噴霧ノズル600からの微細水滴も加湿空気30に同伴され、再生熱交換器7の伝熱流路36内に混入するが、再生熱交換器7に混入した大粒の水滴もガスタービンの排ガス37(約680℃)により熱交換され、再生熱交換器7内で蒸発する。ガスタービンの排ガス37は十分な熱量を有しており、混入水滴を蒸発させ、さらに昇温することができる。再生熱交換器7内で加湿,昇温された高温加湿空気39(約630℃)は再生熱交換器7の下流側ヘッダー38を経由して燃焼器3に供給される。
この再生器加湿システム400への噴霧水の供給系は、給水共通設備500から高圧ポンプ9で噴霧水供給タンク8内の噴霧水の供給を配管を通じて受け、その配管は分岐点
22で二手に別れ、一方はタービンシステムの高温排ガスに接するように配置した給水加熱器23を経由して三方弁40に入る。もう一方は、分岐点22から直接三方弁40に入る。この三方弁40で混合され、温度調節された噴霧水は、フィルター41,第3流量計としての流量計42,噴霧系統選択弁43を備えた配管を経由して、再生熱交換器7の上流側ヘッダー34内部に設置した噴霧ノズル600に供給されてから噴霧ノズル600から微細水滴13となり噴霧される。噴霧系統選択弁43を備えた配管は、その噴霧系統選択弁43より上流側において2系統に分岐し、各系統の配管ごとに噴霧系統選択弁43が装備され、各系統ごとの配管に分散して噴霧ノズル600が連通接続されている。この三方弁40では、温度が違う噴霧水の2流体の混合を行い、下流の温度計44(T2),流量計42(F2)の信号により温度,流量が調整される。この混合された流体の温度は
150℃程度に調整され、圧力は圧力計45(P2)で監視される。
前記、5kg/sの吸気量を有するガスタービンでの吸気噴霧加湿システム200,管内噴霧加湿システム300で、足りない加湿量(5.5wt%)は、噴霧水量として16.5L/min であるが、この再生器加湿システム400では噴霧した水滴が即蒸発するのではなく、再生熱交換器7の伝熱流路36に流入したものが蒸発するが、再生熱交換器7の上流側ヘッダー34の内壁などに接した噴霧水はドレーン水とる。このドレーン水が最下部の伝熱流路36に集中して流入することを回避するために、本発明の実施例では、再生熱交換器7の熱交換部高さ方向寸法(H)より上流側ヘッダー34部を下方へ若干(L)長くした。
これによって、ドレーン水の最下部伝熱流路36への流入集中を回避する。このドレーン水を考慮して、ここでは50%増量した水量(24.75L/min)を噴霧することにする。2系統噴霧では、既述の1L/min の噴霧ノズル600を用いた場合、1系統当たり12個のノズルが、4系統では1系統当たり6個のノズルが必要となる。なお、再生熱交換器7の上流側ヘッダー34で発生するドレーン水は、上流側ヘッダー34の下部に連通した配管を経由して計量タンク46に流入し、その計量タンク46に装備したレベル計
47でドレーン水の流量を計測する。このような第3計量手段で上流側ヘッダー34で発生するドレーン水量を計量する。計量タンク46に溜まった水は計量タンク46の底部に連通した配管に装備されている弁48を開くことで外部に排出され、排出されたドレーン水は水処理されて再利用される。
以上、ここには、高湿分ガスタービンシステムの加湿システムとして、吸気噴霧加湿システム200,管内噴霧加湿システム300,再生器加湿システム400を示した。これらの加湿システムでの加湿割合は、全加湿を100%とした場合、吸気噴霧加湿システム200で最大11%、管内噴霧加湿システム300で最大50%、再生器加湿システム
400で最大39%とした。この配分で管内噴霧加湿システム300を多くして再生器加湿システム400を少なくした理由は、再生熱交換器7での熱交換における温度差(排ガス温度680℃,噴霧水温度150℃で温度差530℃)が最も大きく、再生熱交換器7の構造物への熱応力も大きくなることから、再生熱交換器の健全性を考慮したものである。
ガスタービンシステムの加湿システムをこのように構成すると、コスト面では安価で、コンパクト化が図られ、さらに健全性が保たれ、必要加湿を得ることができる。
次に、上記した高湿分ガスタービンシステムの各加湿システム200,300,400の噴霧系統制御について示す。ここでは、吸気噴霧加湿システム200が2系統、管内噴霧加湿システム300が3系統、再生器加湿システム400が2系統で構成する噴霧加湿システムを一例として噴霧系統制御を説明する。吸気流量と加湿条件は、定格吸気流量が5kg/s、定格加湿割合が14.1wt% とする。表1に、定格加湿時の各系統構成条件を示す。
Figure 0004254508
ここで、吸気噴霧での実噴霧水量は空気室1の壁への付着によるドレーン水量(約30%)を考慮した水量である。また、再生器加湿での実噴霧水量は伝熱流路36入口部で発生する壁への付着によるドレーン水量(約50%)を考慮した水量である。各加湿システムの1系統当たりの噴霧ノズル数は、吸気噴霧加湿システムで3個、再生器噴霧加湿システムで12個であるが、管噴霧加湿システムでは、系統数に対するノズル数が均等化できないことから、2系統が2個で1系統が3個となる。噴霧ノズルの噴霧圧力は、図5に示すように5〜9MPaとした。
図18に吸気噴霧加湿システム200が2系統、管内噴霧加湿システム300が3系統、再生器加湿システム400が2系統で構成する高湿分ガスタービンシステムの噴霧系統制御による全体加湿割合を示す。図18の下部に記載の系統数は噴霧水を噴霧する系統数を表し、噴霧する系統数の選択は噴霧系統選択弁18,27,43の開閉で行う。そして、その図18の下部に記載の吸気加湿とは吸気噴霧加湿システム200を、管加湿とは管内噴霧加湿システム300を、再生器内噴霧とは再生器加湿システム400を表す。
図18で、縦軸は定格時の加湿割合(14.1wt%)を100%とした場合のシステム全体の加湿割合を示し、横軸は系統連携による運転系統を示している。なお、図18に示す系統のうち、吸気噴霧については、圧縮機の吸気冷却及び動力低減効果があることから、必ず1系統は作動状態にあるものとした。これから、高湿分ガスタービンシステムの全体加湿割合は連続的可変が可能であることが分かる。したがって、どのような部分負荷運転にも対応可能である。
このような各噴霧加湿システムをガスタービンシステム内に組込んでおくことで高効率な高湿分ガスタービンシステムを提供することができる。
(1)本発明の実施例によれば、簡単な構造でガスタービンの吸気に必要分の加湿ができ 、高湿分ガスタービンシステムの高効率が達成できる。
(2)本発明の実施例によれば、ガスタービンシステムの基本構成の大きさを変えずに必 要分の加湿ができることから、ガスタービンシステムのコンパクト化が可能である。
(3)特願2002−319443号に示す大流量で微細水滴を噴霧できる噴霧ノズルを 直接加湿個所の配管等に設置することで、大掛かりな外付け加湿塔などが不要となるこ とから低コスト化及び簡素化が可能である。
(4)本発明の実施例によれば、電力負荷需要に応じたガスタービンシステムの運転モー ドに対応する加湿割合の連続的制御が可能であり、如何なる部分負荷運転にも対応でき る。
(5)本発明の実施例によれば、ガスタービンシステムの夏期の吸気温度上昇に伴う出力 低下を回避できることから、季節に係わりなく高効率運転が可能となる。
(6)管内噴霧加湿システムで最大限の加湿をすることで、再生熱交換器の上流ヘッダー 内での噴霧量を少なくできること、さらに、上流ヘッダー内への噴霧系統を多くして均 等に微細水滴を流入させることから再生熱交換器内の伝熱流路の熱応力を少なくでき、 再生熱交換器の健全性を確保できる。
本発明の実施例による高湿分ガスタービンシステムの全体構造図である。 本発明の実施例による高湿分ガスタービンシステムに用いる噴霧ノズルの形状図であって、(a)図は断面図を、(b)図は(a)図の右側面図を表している。 使用する噴霧ノズルの噴霧水量をパラメータとした場合の水滴径分布図である。 使用する噴霧ノズルの噴霧圧力をパラメータとした場合の水滴径分布図である。 使用ノズルの噴霧圧力に対する噴霧水量の割合を示す図である。 本発明の実施例による空気室での噴霧ノズルの設置及び噴霧状況を示す斜視図である。 図6のA部の一部断面表示による詳細図である。 本発明の実施例による管内噴霧加湿システムの噴霧部の断面図である。 図8に示す構成における試験した結果で、(a)図は噴霧ノズル下流での各部温度を示すグラフ図であり、(b)図は温度計測位置を示す図である。 管内に構造物を設けない管加湿器構造での噴霧水滴流れの軸方向水滴分布を示す図である。 図8に示す構成で完全蒸発条件での蒸発限界加湿割合の試験結果を示すグラフ図である。 噴霧ノズル上流側に流路を狭くするオリフィスを設置した本発明の実施例による管加湿器構造で、高温空気管にフランジで挟み込むヘッダーに設置したノズルから微細水滴を噴霧した場合の状況を示した断面模式図である。 本発明の実施例による管加湿器構造で高温空気管外部にヘッダーを設け、噴霧ノズルへの水供給管を接続する構造で、かつ、噴霧ノズル上流側に流路を狭くするオリフィスを設置した体系で、設置ノズルから微細水滴を噴霧した場合の状況を示した断面模式図である。 本発明の実施例である図12及び図13の構成で用いるオリフィスエッジの形状図である。 本発明である図12に示す構成で試験した結果で、(a)図は噴霧ノズル下流での各部温度を示すグラフ図であり、(b)図は温度計測位置を示す図である。 本発明の実施例である図12に示す管加湿器700B構造と図8に示す管内に構造物を設けない管加湿器700A構造での試験結果の比較を示すグラフ図である。 本発明の実施例による再生器噴霧加湿システムを有する再生熱交換器部分の要部断面表示による斜視図である。 本発明の実施例による高湿分ガスタービンシステムにおける噴霧系統制御による全体加湿割合を示すグラフ図である。
符号の説明
1…空気室、2…圧縮機、3…燃焼器、4…ガスタービン、5…発電機、6…発電端、7…再生熱交換器、8…噴霧水供給タンク、9…高圧ポンプ、10…水処理装置、11…バイパス弁、12…吸気、13…微細水滴、14,25,41…フィルター、15…流量調節弁、16,26,42…流量計、17…圧力計、18,27,43…噴霧系統選択弁、19…スプレーヘッダ、20…スウエジーロック、21…高温高圧吐出空気、22…分岐点、23…給水加熱器、24,40…三方弁、28,44…温度計、29,45…圧力計、30…加湿空気、31…計量タンク、32,47…レベル計、33,48…弁、34…上流側ヘッダー、35…整流板、36…伝熱流路、37…ガスタービン排ガス、38…下流側ヘッダー、39…高温加湿空気、46…計量タンク、100…燃料供給系、200…吸気噴霧加湿システム、300…管内噴霧加湿システム、400…再生器加湿システム、500…給水共通設備、600…高圧1流体霧化ノズル(噴霧ノズル)、700…管加湿部。

Claims (4)

  1. 空気室から吸い込んだ空気を圧縮して吐出する圧縮機と、
    前記圧縮機から吐出された圧縮空気を通す空気流路と、
    前記空気流路を経由してきた前記圧縮空気と燃料とが供給されて燃焼作用を行う燃焼器と、
    前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンと、
    前記タービンによって駆動される発電機と、
    前記燃焼ガスで前記圧縮空気を加熱する再生熱交換器と、
    前記圧縮空気を再生熱交換器の伝熱流路に分配する上流側ヘッダーと、
    前記空気室内に液体を噴霧する第1噴霧手段と、
    前記空気流路内に液体を噴霧する第2噴霧手段と、
    前記上流側ヘッダー内に液体を噴霧する第3噴霧手段と、
    を有するガスタービンシステム。
  2. 空気室から吸い込んだ空気を圧縮して吐出する圧縮機と、
    前記圧縮機から吐出された圧縮空気を通す空気流路と、
    前記空気流路を経由してきた前記圧縮空気と燃料とが供給されて燃焼作用を行う燃焼器と、
    前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンと、
    前記タービンによって駆動される発電機と、
    前記燃焼ガスで前記圧縮空気を加熱する再生熱交換器と、
    前記圧縮空気を再生熱交換器の伝熱流路に分配すると共に、前記伝熱流路の最下段の伝熱流路よりも下方に下部が延長されている上流側ヘッダーと、
    前記空気室内に液体を噴霧する第1噴霧手段、又は前記空気流路内に液体を噴霧する第2噴霧手段、又は前記上流側ヘッダー内に液体を噴霧する第3噴霧手段の内の少なくとも一つの噴霧手段を有し、
    前記少なくとも一つの噴霧手段は、噴霧圧力が4MPa以上,流量が1L/min 以上,ザウター平均粒径が30μm以下の性能を有する噴霧ノズルを有するガスタービンシステム。
  3. 空気室から吸い込んだ空気を圧縮して吐出する圧縮機と、
    前記圧縮機から吐出された圧縮空気を通す空気流路と、
    前記空気流路を経由してきた前記圧縮空気と燃料とが供給されて燃焼作用を行う燃焼器と、
    前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンと、
    前記タービンによって駆動される発電機と、
    前記燃焼ガスで前記圧縮空気を加熱する再生熱交換器と、
    前記圧縮空気を再生熱交換器の伝熱流路に分配する上流側ヘッダーと、
    前記空気室内に液体を噴霧すると共に噴霧させる系統を選択自在な複数系統の第1噴霧手段と、
    前記空気流路内に液体を噴霧すると共に噴霧させる系統を選択自在な複数系統の第2噴霧手段と、
    前記上流側ヘッダー内に液体を噴霧すると共に噴霧させる系統を選択自在な複数系統の第3噴霧手段と、
    を有するガスタービンシステム。
  4. 空気室から吸い込んだ空気を圧縮して吐出する圧縮機と、
    前記圧縮機から吐出された圧縮空気を通す空気流路と、
    前記空気流路を経由してきた前記圧縮空気と燃料とが供給されて燃焼作用を行う燃焼器と、
    前記燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンと、
    前記タービンによって駆動される発電機と、
    前記燃焼ガスで前記圧縮空気を加熱する再生熱交換器と、
    前記圧縮空気を再生熱交換器の伝熱流路に分配する上流側ヘッダーと、
    前記空気室内に液体を噴霧する第1噴霧手段と、
    前記第1噴霧手段に供給される前記液体の流量を計量する第1流量計と、
    前記空気室内からの前記液体のドレーン液を計量する第1計量手段と、
    前記空気流路内に液体を噴霧する第2噴霧手段と、
    前記第2噴霧手段に供給される前記液体の流量を計量する第2流量計と、
    前記空気流路内からの前記液体のドレーン液を計量する第2計量手段と、
    前記上流側ヘッダー内に液体を噴霧する第3噴霧手段と、
    前記第3噴霧手段に供給される前記液体の流量を計量する第3流量計と、
    前記上流側ヘッダー内からの前記液体のドレーン液を計量する第3計量手段と、
    を有するガスタービンシステム。
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