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JP4246485B2 - 車両の差動回転制御装置 - Google Patents

車両の差動回転制御装置 Download PDF

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JP4246485B2
JP4246485B2 JP2002376462A JP2002376462A JP4246485B2 JP 4246485 B2 JP4246485 B2 JP 4246485B2 JP 2002376462 A JP2002376462 A JP 2002376462A JP 2002376462 A JP2002376462 A JP 2002376462A JP 4246485 B2 JP4246485 B2 JP 4246485B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンチロックブレーキシステムとの干渉を避けて左右輪の回転数比を広範囲且つ安定的に制御する車両の差動回転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の左右輪にトルクを分配する装置として様々なタイプのものが案出され、そして実用化されている。代表的なものとしては、左右車輪間に伝達トルク容量を可変制御できるカップリングを設け、このカップリングを制御することでトルク移動やトルク移動量を調整するものがあり、カップリングとしては、油圧多板クラッチが広く採用されている。
【0003】
このような装置は、例えば特許第2641724号公報や特許第2826580号公報等に開示されており、これらの特許文献に開示されている装置では、動力源からの動力を左右輪へ伝達する機械式デフ装置とは別に強制的に左右軸を差動させるためのギヤ対を設置し、油圧多板クラッチによりギヤ対による左右間のトルクの移動量を調整するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2641724号公報
【0005】
【特許文献2】
特許第2826580号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示されている装置では、制御可能な左右輪の回転数比の上限がギヤ対のギヤ比によって決まってしまい、機械的な構成によって制御可能な幅が限定されてしまうばかりでなく、左右車輪の回転数を目標回転数に維持するためにはトルクの増減に対するフィードバック制御が必要となり、システムが複雑化する。
【0007】
特に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を搭載する車両では、このABSによる車輪のブレーキ動作との干渉を避けねばならず、システムの複雑化に伴って制御上の応答性が低下すると、ABSとの円滑な協調制御の妨げとなり、違和感が発生する虞がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡素な制御ロジックでアンチロックブレーキシステムとの干渉を確実且つ迅速に避けることができ、左右輪の回転数比を広範囲に渡って安定的に制御することのできる車両の差動回転制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、左右の車軸にそれぞれ連結され、少なくとも一方を可変容量型ポンプとする2つの油圧ポンプと、上記2つの油圧ポンプの互いの吐出ポートと吸入ポートとを連通して閉回路をなす2つの油圧通路と、上記2つの油圧通路をバイパスするバイパス通路を開閉する開放弁と、アンチロックブレーキシステムが非作動時、上記開放弁を閉として上記左右の車軸の回転数比が運転状態に応じた回転数比となるよう上記可変容量型ポンプのポンプ押しのけ容積を可変して上記2つの油圧ポンプを可逆的にポンプ及びモータ動作させ、上記アンチロックブレーキシステムが作動したとき、上記開放弁を開として上記2つの油圧ポンプを自在回転させる手段とを備え、上記アンチロックブレーキシステムが作動から非作動状態に復帰したとき、上記2つの油圧ポンプの吐出量が等しくなるように調整した後、上記開放弁を閉じることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、左右の車軸にそれぞれ連結され、少なくとも一方を可変容量型ポンプとする2つの油圧ポンプと、上記2つの油圧ポンプの互いの吐出ポートと吸入ポートとを連通して閉回路をなす2つの油圧通路と、上記2つの油圧通路をバイパスするバイパス通路を開閉する開放弁と、アンチロックブレーキシステムが非作動時、上記開放弁を閉として上記左右の車軸の回転数比が運転状態に応じた回転数比となるよう上記可変容量型ポンプのポンプ押しのけ容積を可変して上記2つの油圧ポンプを可逆的にポンプ及びモータ動作させ、上記アンチロックブレーキシステムが作動したとき、上記開放弁を開として上記2つの油圧ポンプを自在回転させ、上記2つの油圧ポンプの吐出量が等しくなるように調整する手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明は、アンチロックブレーキシステムが作動から非作動状態に復帰したときには、2つの油圧ポンプの吐出量が等しくなるように調整した後に開放弁を閉じるので、バイパス通路の閉に伴う衝撃を緩和して円滑に通常制御に復帰することができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、アンチロックブレーキシステムが作動したときには、開放弁を開として2つの油圧ポンプの吐出量が等しくなるように調整しておくので、アンチロックブレーキシステムが作動から非作動になったとき、バイパス通路の閉に伴う衝撃を緩和しつつ迅速に通常制御に復帰することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図4は本発明の実施の第1形態に係わり、図1は差動回転制御装置の構成を示す説明図、図2は可変容量型油圧ポンプの説明図、図3は左右輪回転数比と左右ポンプの押しのけ容積比との関係を示す特性図、図4はコントローラによる油圧ポンプの制御処理を示すフローチャートである。
【0013】
本発明による差動回転制御装置は、少なくとも一方を可変容量型として可逆的にポンプ及びモータ作用を行う2つの油圧ポンプ(モータ)を用いて左右車輪間の回転数比を制御することにより、トルクを任意に分配可能とするものであり、図1は駆動輪に適用した例を示している。同図において、符号1は、図示しないエンジンから変速機を経て伝達される駆動力を伝達する動力伝達軸であり、この動力伝達軸1にデファレンシャル装置2が連結され、このデファレンシャル装置2に、左右の油圧ポンプ3L,3Rを主として構成される差動回転制御装置4が連結されている。
【0014】
デファレンシャル装置2は、周知の機械的構成を備えるものであり、動力伝達軸1の後端に結合されるドライブピニオンギヤ5に、回転自在なデファレンシャルケース6の外側に固設されるクラウンギヤ7が噛合し、デファレンシャルケース6内に軸支されて一体回転するピニオンギヤ8,8に、サイドギヤ9,9が噛合している。サイドギヤ9,9には、左右の出力軸10L,10Rの先端が固設され、デファレンシャルケース6を挿通して左右に延出されている。
【0015】
デファレンシャル装置2の左右の出力軸10L,10Rは、それぞれ、左右の油圧ポンプ3L,3Rのポンプ軸に連結され、更に、このポンプ軸を介して左右の車軸11L,11Rに連結されている。左右の車軸11L,11Rの軸端には、左右の駆動輪12L,12Rが固設されている。
【0016】
左右の油圧ポンプ3L,3Rは、例えばベーンポンプやピストンポンプ等からなり、少なくとも一方を可変容量型ポンプとして、互いの吐出ポートと吸入ポートとが閉回路をなす油圧通路によって接続されている。すなわち、左側の油圧ポンプ3Lの吐出ポートと右側の油圧ポンプ3Rの吸入ポートとが油圧通路15を介して連通され、右側の油圧ポンプ3Rの吐出ポートと左側の油圧ポンプ3Lの吸入ポートとが油圧通路16を介して連通されている。
【0017】
また、油圧通路15と油圧通路16とは、バイパス通路17を介して互いに接続され、このバイパス通路17に、開放弁18が介装されている。この開放弁18は、通常は閉弁しており、後述するように、ABS(アンチロックブレーキシステム)作動時に開弁されて油圧通路15,16内の圧力を均一化し、左右の油圧ポンプ3L,3Rの自在な回転を可能としてABSによるブレーキ制御との干渉を防止するためのものである。
【0018】
尚、左右の油圧ポンプ3L,3Rは、デファレンシャル装置2の出力軸10L,10Rと車軸11L,11Rとの間に直列的に配設せず、各出力軸10L,10Rに固設したギヤ列やチェーン等を介してデファレンシャル装置2と並列に配設しても良い。また、従動輪に差動回転制御装置4を適用する場合には、デファレンシャル装置2は不要となり、左右の従動輪の各車軸に、油圧ポンプ3L,3Rのポンプ軸が連結される構成となる。
【0019】
図2は、油圧ポンプ3L,3Rの構成例を示すものであり、図においては、共に、ベーン20を有するロータ21が円形のカムリング22内で回転するベーンポンプを用いた可変容量型油圧ポンプである。この可変容量型油圧ポンプは、ポンプ軸となるロータ21の回転中心に対するカムリング22の偏芯量をアクチュエータ23によって可変するものであり、例えば、モータ等のアクチュエータ23の回転動作をカムリング22の支点22aを中心とする揺動動作に変換することで、ポンプ押しのけ容積(吐出容積)を可変することができる。
【0020】
左右の油圧ポンプ3L,3Rのアクチュエータ23,23、及びバイパス通路17の開放弁18は、マイクロコンピュータ等を中心として構成されるコントローラ50に接続されており、コントローラ50からの信号によって駆動、開閉される。また、コントローラ50には、急制動あるいは氷雪路等の滑りやすい路面での制動時における車輪のロックを防止して方向安定性の維持、操舵性の確保、制動距離の短縮を図るためのABS制御ユニット51が接続されており、このABS制御ユニット51からABS作動状態を示すABS信号が入力されると共に、車両運転状態を表す各種パラメータ、例えば、ステアリングの操舵角、前後4輪の車輪速、アクセル開度、エンジン回転数、前後加速度、横加速度等のパラメータが入力される。
【0021】
コントローラ50では、ABS制御ユニット51からのABS信号がOFF(ABS非作動)のとき、バイパス通路17の開放弁18を閉状態に保持し、左右車輪の回転数比が目標回転数比となるよう左右の油圧ポンプ3L,3Rを制御する。この制御では、車両運転状態を表す各種パラメータの何れか或いは複数のパラメータに基づいて走行時の左右車輪の回転数比に対する制御目標値(目標回転数比)を設定し、目標回転数比となるよう、アクチュエータ23,23を介してポンプの押しのけ容積を可変制御する。
【0022】
すなわち、車両走行中、油圧ポンプ3L,3Rは、車輪と同じ速度で回転することから、左の油圧ポンプ3Lの1回転当たりの押しのけ容積をVL、左車輪の回転数をNLとすると、油圧ポンプ3Lの吐出流量QLは、以下の(1)式で表される。同様に、右の油圧ポンプ3Rの1回転当たりの押しのけ容積をVR、右車輪の回転数をNRとすると、油圧ポンプ3Rの吐出流量QRは、以下の(2)式で表される。
QL=VL×NL …(1)
QR=VR×NR …(2)
【0023】
ここで、左の油圧ポンプ3Lと右の油圧ポンプ3Rとは、互いの吐出ポートと吸入ポートとを閉回路の油圧通路15,16で接続する構成となっているため、左右の油圧ポンプ3L,3Rの吐出流量は同じであるという関係(QL=QR)が成り立ち、上述の(1),(2)式から以下の(3)式が成り立つ。
VL×NL=VR×NR …(3)
【0024】
そして、(3)式を左右車輪の回転数比NR/NLについて変形すると、以下の(3’)式となり、図3に示すように、左右ポンプの押しのけ容積比VL/VRの変化に対して左右輪回転数比NR/NLが直線的に変化する特性を得ることができる。
VL/VR=NR/NL …(3’)
【0025】
従って、左右何れか一方の側の油圧ポンプの押しのけ容積を所定比率だけ増加させると、反対側の油圧ポンプがモータとして作用し、反対側の車輪の回転数を同じ比率だけ増加させることができる。すなわち、ポンプの押しのけ容積を可変制御することにより、一方の車軸11L又は11Rを減速する一方、他方の車軸11R又は11Lを増速させてデファレンシャル装置2を介して相対回転させることができ、動力伝達軸1から伝達されてデファレンシャル装置2で左右に分配された駆動力を、この増減速の割合に応じて左右の車軸11L,11Rに任意に再配分することができる。
【0026】
前述したように、左右の油圧ポンプ3L,3Rのうち、一方を可変容量型の油圧ポンプとして、他方を固定容量型の油圧ポンプとすることも可能であるが、左右の油圧ポンプ3L,3Rの両者の押しのけ容積を可変できることは、制御幅及び制御適応性の面で有利であり、左右の油圧ポンプ3L,3Rを共に可変容量型油圧ポンプとすることが望ましい。
【0027】
一方、ABS制御ユニット51から入力されるABS信号がON(ABS作動)になると、コントローラ50によって左右の油圧ポンプ3L,3Rのバイパス通路17の開放弁18が開弁され、油圧ポンプ3L,3Rの回転が自在となってABSによるブレーキ制御との干渉が防止される。そして、ABS作動が非作動となったところで、左右の油圧ポンプ3L,3Rの押しのけ容積を目標値にセットした後、バイパス通路17の開→閉に伴う衝撃を緩和しながら開放弁18を閉じる復帰処理を行い、通常制御へ移行する。
【0028】
以下、コントローラ50による油圧ポンプ3L,3Rの制御処理について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0029】
前述したように、通常制御の実行中、左右の油圧ポンプ3L,3Rのバイパス通路17は開放弁18によって閉じられており、運転状態に応じた目標回転数比となるよう各ポンプ押しのけ容積が制御されている。この制御状態でABS制御ユニット51からABS信号が入力されると、ステップS1へ進み、ABS信号がONか否かを調べる。
【0030】
その結果、ABS信号がONすなわちABSが作動した場合には、ステップS1からステップS2へ進んで直ちにバイパス通路17の開放弁18を開弁させ、左右の油圧ポンプ3L,3Rの回転を自在にし、ABSによる左右輪のブレーキ制御との干渉を避ける。そして、開放弁18を開弁状態に維持したまま、ステップS1へ戻り、ABS信号の監視を継続する。
【0031】
その後、ABS非作動になり、ABS信号がOFFになると、ステップS1からステップS3へ進んで運転状態に応じた左右回転数比に制御するための目標ポンプ押しのけ容積比VL/VRを設定し、ステップS4で開放弁18を徐々に閉弁させる。例えば、図示するように、全開位置からの閉じ始めと全閉位置に達する近辺での閉弁速度を相対的に遅くする等して、バイパス通路17の閉に伴う衝撃を緩和しつつ開放弁18を閉弁し、開放弁18が全閉となった後、ステップS4からステップS5へ進んで通常制御に復帰する。
【0032】
このように、ABS非作動時の通常制御では、可変容量型油圧ポンプを用いてポンプ押しのけ容積を可変することで、任意の回転数比に制御することができ、しかも実回転数比が目標回転数比からずれた場合には、目標回転数比に近づく方向へ油圧によるトルクが自動的に作用するため、極めて簡素な制御ロジックで安定した制御を実現することができる。
【0033】
すなわち、従来の油圧クラッチ及びギヤ対による装置のようにトルクを制御対象とする技術では、左右車輪の回転数を目標回転数とするためには、トルクの増減に対するフィードバック制御が必要であったが、本発明による差動回転制御装置4では、フィードバック制御の必要がなく、極めて簡素な制御ロジックで制御幅が広く且つ安定した走行制御を実現することができる。
【0034】
また、2つの油圧ポンプ間では、差動回転エネルギーは回転を落としたい側のポンプから回転を上げたい側のポンプへと流れるため、油圧クラッチ及びギヤ対による従来の装置のように、外部のエネルギーを必要とするものに比較してエネルギーの損失が少なく、効率が良いという利点がある。
【0035】
一方、ABSが作動したときには、バイパス通路17の開放弁18を開とすることで左右の油圧ポンプ3L,3Rを直ちに自在回転させ、ABSとの干渉を確実且つ迅速に避けることができる。しかも、ABSが作動から非作動になって通常制御に復帰する際には、左右の油圧ポンプ3L,3Rの押しのけ容積比を、運転状態に応じた左右回転数比に制御するための目標値に設定した後、開放弁18を徐々に閉弁させるため、バイパス通路17の閉に伴う衝撃を緩和して円滑に通常制御に移行することができる。すなわち、簡素な制御ロジックで確実且つ迅速にABSとの干渉を避けて円滑な強調制御を実現することができる。
【0036】
次に、本発明の実施の第2形態について説明する。図5はコントローラによる油圧ポンプの制御処理を示すフローチャートである。
【0037】
第2形態は、ABS作動からの復帰処理において、それまで自在回転していた左右の油圧ポンプ3L,3Rに対し、ABS解除時の左右の車輪速度比に対応した押しのけ容積をそれぞれセットし、左右の油圧ポンプ3L,3Rの吐出量が等しくなるように調整した後、バイパス通路17の開放弁18を閉じることで、バイパス通路17の閉時の衝撃を緩和しながら、円滑に通常制御へ移行させるものである。
【0038】
このため、第2形態では、図5に示すように、通常制御の実行中、ABS制御ユニット51から入力されるABS信号がONになると、第1形態と同様、ステップS11でABS信号がONか否かを調べ、ABS信号がONすなわちABSが作動した場合には、ステップS11からステップS12へ進んで直ちにバイパス通路17の開放弁18を開弁させた後、ステップS11へ戻ってABS信号の監視を継続する。
【0039】
その後、ABS信号がOFFになると、ステップS11からステップS13へ進んで車輪速センサの信号に基づいて左右車輪の車輪速を計測し、ステップS14で、左右車輪の回転数比NR/NLを計算する。次に、ステップS15へ進み、計算した左右輪の回転数比NR/NLに対応した左右の油圧ポンプ3L,3Rの押しのけ容積比VL/VRを設定し、この押しのけ容積比VL/VRで各油圧ポンプ3L,3Rの吐出量が等しくなるように調整する。
【0040】
そして、ステップS16で、バイパス通路17の開放弁18を閉弁させ、ステップS17で通常制御に復帰する。この通常制御への復帰後は、左右車輪の回転数比が運転状態に応じた目標回転数比となるよう左右の油圧ポンプ3L,3Rの目標ポンプ押しのけ容積比を設定する。
【0041】
第2形態では、ABS作動からの復帰時、バイパス通路17の開放弁18を閉弁する前に、予め左右の油圧ポンプ3L,3Rの吐出流量が等しくなるように調整しておくため、バイパス通路17の閉時の衝撃を緩和して円滑に通常制御へ移行させることができるばかりでなく、不要なヨーモメントの発生を防止して車両挙動の安定化を図ることができる。
【0042】
次に、本発明の実施の第3形態について説明する。図6はコントローラによる油圧ポンプの制御処理を示すフローチャートである。
【0043】
第3形態は、ABS作動時、左右の油圧ポンプ3L,3Rのバイパス通路17を開放状態とする一方、左右の車輪速を監視しながら左右の油圧ポンプ3L,3Rの吐出流量が等しくなるようにポンプ押しのけ容積を追従制御させることで、バイパス通路17の閉時の衝撃を緩和しながら、ABSが非作動になったとき、迅速に通常制御へ移行させるものである。
【0044】
このため、第3形態では、図6に示すように、通常制御の実行中、ABS制御ユニット51から入力されるABS信号がONになると、ステップS21でABS信号がONか否かを調べ、ABS信号がONすなわちABSが作動した場合には、ステップS21からステップS22へ進んで直ちにバイパス通路17の開放弁18を開弁させ、ステップS23で車輪速センサの信号に基づいて左右車輪の車輪速を計測する。
【0045】
次に、ステップS24へ進んで左右車輪の回転数比NR/NLを計算し、ステップS25で、計算した左右の回転数比NR/NLに対応した左右の油圧ポンプ3L,3Rの押しのけ容積比VL/VRを設定し、この押しのけ容積比VL/VRで各油圧ポンプ3L,3Rの吐出量が等しくなるように調整した後、ステップS21へ戻り、バイパス通路17の開放弁18を開弁状態に維持しつつ、ABS信号及び左右車輪速の監視を継続する。
【0046】
そして、ABS信号がOFFになると、ステップS21からステップS26へ進んでバイパス通路17の開放弁18を直ちに閉弁させ、ステップS27で通常制御に復帰する。この通常制御への復帰後は、左右車輪の回転数比が運転状態に応じた目標回転数比となるよう左右の油圧ポンプ3L,3Rの目標ポンプ押しのけ容積比を設定する。
【0047】
第3形態では、ABS作動時、予め左右の油圧ポンプ3L,3Rの吐出流量が等しくなるように調整しておくため、ABSが作動から非作動となったとき、直ちに開放弁18を閉としてもバイパス通路17に衝撃が発生することがなく、即座に通常制御へ復帰することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡素な制御ロジックでアンチロックブレーキシステムとの干渉を確実且つ迅速に避けることができ、左右輪の回転数比を広範囲に渡って安定的に制御しつつ、アンチロックブレーキシステムとの円滑な協調制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係わり、差動回転制御装置の構成を示す説明図
【図2】同上、可変容量型油圧ポンプの説明図
【図3】同上、左右輪回転数比と左右ポンプの押しのけ容積比との関係を示す特性図
【図4】同上、コントローラによる油圧ポンプの制御処理を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の第2形態に係わり、コントローラによる油圧ポンプの制御処理を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の第3形態に係わり、コントローラによる油圧ポンプの制御処理を示すフローチャート
【符号の説明】
3L,3R 油圧ポンプ
4 差動回転制御装置
11L,11R 車軸
15,16 油圧通路
17 バイパス通路
18 開放弁
50 コントローラ
51 ABS制御ユニット

Claims (2)

  1. 左右の車軸にそれぞれ連結され、少なくとも一方を可変容量型ポンプとする2つの油圧ポンプと、
    上記2つの油圧ポンプの互いの吐出ポートと吸入ポートとを連通して閉回路をなす2つの油圧通路と、
    上記2つの油圧通路をバイパスするバイパス通路を開閉する開放弁と、
    アンチロックブレーキシステムが非作動時、上記開放弁を閉として上記左右の車軸の回転数比が運転状態に応じた回転数比となるよう上記可変容量型ポンプのポンプ押しのけ容積を可変して上記2つの油圧ポンプを可逆的にポンプ及びモータ動作させ、上記アンチロックブレーキシステムが作動したとき、上記開放弁を開として上記2つの油圧ポンプを自在回転させる手段とを備え
    上記アンチロックブレーキシステムが作動から非作動状態に復帰したとき、上記2つの油圧ポンプの吐出量が等しくなるように調整した後、上記開放弁を閉じることを特徴とする車両の差動回転制御装置。
  2. 左右の車軸にそれぞれ連結され、少なくとも一方を可変容量型ポンプとする2つの油圧ポンプと、
    上記2つの油圧ポンプの互いの吐出ポートと吸入ポートとを連通して閉回路をなす2つの油圧通路と、
    上記2つの油圧通路をバイパスするバイパス通路を開閉する開放弁と、
    アンチロックブレーキシステムが非作動時、上記開放弁を閉として上記左右の車軸の回転数比が運転状態に応じた回転数比となるよう上記可変容量型ポンプのポンプ押しのけ容積を可変して上記2つの油圧ポンプを可逆的にポンプ及びモータ動作させ、上記アンチロックブレーキシステムが作動したとき、上記開放弁を開として上記2つの油圧ポンプを自在回転させ、上記2つの油圧ポンプの吐出量が等しくなるように調整する手段とを備えたことを特徴とする車両の差動回転制御装置。
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