JP4239451B2 - 多層配線板の製造方法および多層配線板 - Google Patents
多層配線板の製造方法および多層配線板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4239451B2 JP4239451B2 JP2001271690A JP2001271690A JP4239451B2 JP 4239451 B2 JP4239451 B2 JP 4239451B2 JP 2001271690 A JP2001271690 A JP 2001271690A JP 2001271690 A JP2001271690 A JP 2001271690A JP 4239451 B2 JP4239451 B2 JP 4239451B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wiring board
- resin
- multilayer wiring
- adhesive
- solder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
- Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、層間の電気的接続と接着を同時に行う多層配線板の製造方法およびその方法により得られる多層配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の高機能化、並びに、軽薄短小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化が進んできており、これらの電子機器に使用される半導体パッケージは、従来にも増して、益々、小型化かつ多ピン化が進んできている。
【0003】
従来の回路基板はプリント配線板と呼ばれ、ガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸させた積層板からなる、ガラスエポキシ板に貼り付けられた銅箔をパターニングした後、複数枚重ねて積層接着し、ドリルで貫通穴を開けて、この穴の壁面に銅めっきを行ってビアを形成し、層間の電気接続を行った配線基板の使用が主流であった。しかし、搭載部品の小型化、高密度化が進み、上記の配線基板では配線密度が不足して、部品の搭載に問題が生じるようになってきている。
【0004】
このような背景により、近年、ビルドアップ多層配線板が採用されている。ビルドアップ多層配線板は、樹脂のみで構成される絶縁層と、導体とを積み重ねながら成形される。ビア形成方法としては、従来のドリル加工に代わって、レーザー法、プラズマ法、フォト法等多岐にわたり、小径のビアホールを自由に配置することで、高密度化を達成するものである。層間接続部としては、ブライドビア(Blind Via)やバリードビア(Buried Via:ビアを導電体で充填した構造)等があり、ビアの上にビアを形成するスタックドビアが可能な、バリードビアホールが、特に注目されている。バリードビアホールとしては、ビアホールをめっきで充填する方法と、導電性ペースト等で充填する場合とに分けられる。一方、配線パターンを形成する方法として、銅箔をエッチングする方法(サブトラクティブ法)、電解銅めっきによる方法(アディティブ法)等があり、配線密度の高密度化に対応可能なアディティブ法が特に注目され始めている。
【0005】
特開平10−84186号公報では、配線層のパターンに対応した位置に設けた孔に、導電体を埋め込んだ接着性絶縁体の表面に、離型性支持板の表面に形成された導電性配線パターンを転写して、前記接着性絶縁体の表面に配線層を形成すると同時に、バイア接続を行う配線基板が開示されており、ビア内を導電体(導電性ペースト)で充填する(バリードビア)ため、ビアの上にビアを形成するスタックドビアが可能なうえ、配線パターンを電解めっき等で形成する(アディティブ法)ため、微細な配線パターンを形成することができ、高密度化ができるとしている。しかしながら、この方法では、層間の電気的接続を導電性ペーストで行っているため、信頼性が十分ではない。また、微細なビアに導電性ペーストを埋め込む高度な技術や、離型性支持板の表面に形成された配線パターンと、接着性絶縁体に形成されたビアと、もう一方の配線パターンとを、同時に位置合せ積層する高度な技術も必要となり、さらなる微細化に対応することが困難である。
【0006】
特開平11−251703号公報では、導電性組成物によって充填されたビアを有する絶縁体層と、導電組成物の一方または両方の面の上に形成された導電性のバッファー層と、導電性のバッファー層上に形成された配線パターンとを備え、導電性のバッファー層は、導電性組成物、配線パターンのいずれか一方または両方と、合金または金属間化合物を形成している回路基板が記載されている。この方法は、導電性ペーストと配線パターンの接続信頼性向上を狙ったものである。しかしながら、この方法においても、金属間化合物を形成する導電性バッファー層、導電性組成物、配線パターンの表面が、十分に清浄化されていないと、導電性バッファー層が濡れ拡がることができず、半田接合が不十分になり、信頼性の高い電気的接続が得られない。
【0007】
文献「テープ状フィルムの一括積層方式による多層配線板の開発」(エレクトロニクス実装学会誌,vol.1,No.2(1998))に開示された技術においては、接続用電極表面に、Au−Sn合金を用いて、電気的接続を試みているが、Au−Sn合金が全面にぬれ拡がらないため、Au−Snの間に熱硬化性接着剤を挟んだ部分的な接合となり、信頼性が十分ではない。ここで、熱硬化性接着剤の硬化層をエポキシ系接着剤で設けられているが、具体的には、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型もしくはクレゾールノボラック型であり、硬化剤として、フェノールノボラック樹脂とあるが、その機能は層間接着のみであり、金属表面の酸化膜の除去や、還元といった金属表面の清浄化機能に関する記載はない。
【0008】
また、特開平11−204939号公報では、接続用電極として、Sn−Pbはんだ等、Snを主成分とする合金を用いて300℃以下の温度で、電気的な接続を行う方法が記載されているが、接合表面を清浄化しないと、半田接合することは不可能である。一方、配線パターンは、銅箔をエッチングにより形成するサブトラクティブ法であるため、さらなる配線パターンの微細化に対応することが困難である。
【0009】
特開平8−195560号公報では、両面または片面に導電体回路層を有する絶縁体層と導電体回路層を有しない絶縁体層とを所定数積み重ねた積層体を、加圧・成形し、同時に所定の少なくとも上下二つの導電体回路層を、電気的に接続させるプリント回路基板の製造方法において、絶縁体層をいずれもガラス繊維を含まないシート状の絶縁体樹脂層で形成し、導電体回路層の所定場所上に、導電体回路層間の電気的接続用の導電体からなる突起(金属塊)を設けておき、積層体をプレス治具板を用いて、プレスを行うものであり、プレス圧力によって絶縁体樹脂層を突起が突き破り、対向する導電体回路層に当接・圧着させる製造方法が記載されている。また、さらに突起の先端部に、絶縁体樹脂層の樹脂硬化温度より、高い溶融温度を有する半田層を設けておき、熱および圧力で絶縁体樹脂層を突起で突き破り、半田層を導電体回路層に接続させた後、この状態で温度を半田の溶融温度まで上昇し、半田層を溶融させて、突起を導電体回路層に接続させた後、冷却して半田層を固化させる製造方法が記載されている。この製造方法によると、導電体からなる突起(金属塊)により層間接続を行うため、ビア(突起)の上にビア(突起)を形成するスタックドビアが可能となり、層間接続部の高密度化を図ることができる。また、絶縁体樹脂層にビアを形成しておく必要がないため、簡便にかつ品質よく製作できる利点もある。しかしながら、上記の前者の方法では、電気的接続が物理的接触だけであり、信頼性が低いことが予想される。後者の方法では、突起先端の半田層と導電体回路層の表面が十分に清浄化、すなわち、表面酸化膜の除去や還元がされていないと、半田が濡れ拡がることができないため、半田接合することは不可能である。
【0010】
特開昭62−222696号公報では、基板上に導体層と絶縁層とを交互に積層して多層配線基板の導体配線を形成する多層配線基板の製造方法において、前記導体配線を形成する面に所望の配線パターン形状と略同形状にパターニングされた下地金属層を形成する工程と、少なくとも前記下地金属層以外に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層をめっきレジストとして、前記下地金属層上に無電解めっきを行って前記導体配線を形成する工程とからなる製造方法が記載されている。この発明の最大の特徴は、無電解めっきにより配線パターンを形成するところにあり、これにより導体配線を均一な厚みで形成することができるだけでなく、アディティブ法であるため、微細な導体配線を形成することができる。しかしながら、無電解めっきによる導体配線形成では、導体配線を所望の厚みに形成するまでに時間を要するため、生産性の向上が図れないという重大な課題がある。さらに、下地金属層を所望の配線パターン形状と略同形状にパターニングするが、絶縁層と導体配線との間に隙間が形成されないようにするには、下地金属層の寸法(幅)を配線パターン形状よりも大きくする必要があるため、隣接する導体配線のスペースを狭くすることができず、回路密度の向上に障害が生じるという重大な課題もある。
【0011】
一般に、半田接合のためには、半田表面と相対する電極の、金属表面の酸化物等の汚れを除去すると共に、半田接合時の金属表面の再酸化を防止して、半田の表面張力を低下させ、金属表面に溶融半田が濡れ易くする、半田付け用フラックスが使用される。このフラックスとしては、ロジン等の熱可塑性樹脂系フラックスに、酸化膜を除去、還元する活性剤等を加えたフラックスが用いられている。しかしながら、このフラックスが残存していると、高温、多湿時に熱可塑性樹脂が溶融し、活性剤中の活性イオンも遊離する等、電気絶縁性の低下やプリント配線の腐食等の問題が生じる。そのため現在は、半田接合後の残存フラックスを洗浄除去しなければならない。よって、前述の特開平8−195560号公報、特開平11−251703号公報、特開平11−204939号公報で記載された多層プリント基板、回路基板、多層回路基板の半田接合のために、この様な半田付け用のフラックスを用いても、確実に半田接合はできるが、絶縁信頼性を得ることができない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体チップを搭載する多層配線板における、層間接続のこのような現状の問題点に鑑み、確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い多層配線板を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、層間接続用のランドを有する配線パターンと、配線パターンとの層間接続用のランドを有する被接続体の、いずれかのランド上に導体ポストが形成され、少なくとも、導体ポストの先端表面または相対するランドの表面に半田層が形成され、導体ポストと相対するランドとを接着剤層を介して、密着・加圧・加熱の工程を経て半田接合させた層間接続部を有する多層配線板であって、該半田層の表面に表面清浄化機能を有する接着剤からなる接着剤層を形成する工程、該半田層の熱処理が、該半田層に用いる半田の融点以上の温度にて行われる工程、を経た後、密着・加圧・加熱の工程を経ることを特徴とする多層配線板を基本とし、半田層の熱処理は、真空中または不活性雰囲気中にて行うことが好ましい。
【0014】
本発明において、導体ポストは電解めっきにより形成された銅からなることが好ましく、半田層は電解めっきにより形成されることが好ましい。
【0015】
本発明において、接着剤層に用いる接着剤は、表面清浄化機能を有することが好ましく、あるいは、第1の好ましい接着剤として、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)と、その硬化剤として作用する樹脂(B)とを必須成分とするものが用いられ、さらには、フェノール性水酸基を有する樹脂(A)が、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、および、ポリビニルフェノール樹脂から選ばれる、少なくとも1種であることが好ましく、また、フェノール性水酸基を有する樹脂(A)が、接着剤に20wt%以上80wt%以下で含まれることが好ましい。また、第2の好ましい接着剤として、エポキシ樹脂(C)と、イミダゾール環を有し且つエポキシ樹脂(C)の硬化剤として作用する化合物(D)とを必須成分とするものが用いられ、さらには、硬化剤として作用する化合物(D)が、接着剤に1wt%以上10wt%以下で含まれることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記多層配線板の製造方法により、得られることを特徴とする多層配線板である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。図1は、本発明の実施形態である多層配線板の製造方法の第1の例を説明するための図で、図1(f)は得られる多層配線板の構造を示す断面図である。
【0018】
本発明の多層配線板の製造方法としては、まず、金属箔101と絶縁膜102からなる2層構造体を用意し、絶縁膜102にビア103を形成する(図1(a))。2層構造体は、金属箔101上に樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布することにより得ることができる。さらには、市販の樹脂付銅箔(例えば、ポリイミド付銅箔)のような2層構造体を用意しても良い。また、2層構造体は、ガラスエポキシ両面銅張積層板の一方の銅箔を全面エッチングして得ることもできる。
【0019】
ビア103の形成方法は、この製造方法に適する方法であれば、どのような方法でも良く、レーザー、プラズマによるドライエッチング、ケミカルエッチング等が挙げられる。レーザーとしては、炭酸ガスレーザー、紫外線レーザー、エキシマレーザー等を使用することができる。絶縁膜102がガラスエポキシのように補強繊維を含む場合には、樹脂とガラスクロスを貫通してビア103を形成することができる炭酸ガスレーザーを使用することが好ましい。絶縁膜102がポリイミド等の補強繊維を含まない場合には、より微細なビア103を形成できる紫外線レーザーを使用することが好ましい。また、絶縁膜102を感光性樹脂とした場合には、絶縁膜102を選択的に感光し、現像することでビア103を形成することもできる。
【0020】
次に、金属箔101を電解めっき用リード(給電用電極)として、導体ポスト104を電解めっきにより形成する(図1(b))。この電解めっきにより、絶縁膜102のビア103が形成されている部分に、導体ポスト104が形成される。電解めっきにより導体ポスト104を形成すれば、導体ポスト104の先端の形状を自由に制御することができる。導体ポスト104の材質としては、この製造方法に適するものであればどのようなものでも良く、例えば、銅、ニッケル、金、錫、銀、パラジウム等が挙げられる。さらには、銅を用いることで、低抵抗で安定した導体ポスト104が得られる。
【0021】
次に、導体ポスト104の表面(先端)に、半田層105を形成する(図1(c))。半田層105の形成方法としては、無電解めっきにより形成する方法、金属箔101を電解めっき用リード(給電用電極)として電解めっきにより形成する方法、半田を含有するペーストを印刷する方法が挙げられる。印刷による方法では、印刷用マスクを導体ポスト104に対して、精度良く位置合せする必要があるが、無電解めっきや電解めっきによる方法では、導体ポスト104の表面以外に半田層105が形成されることがないため、導体ポスト104の微細化・高密度化にも対応しやすい。特に、電解めっきによる方法では、無電解めっきによる方法よりも、めっき可能な金属が多種多様であり、また薬液の管理も容易であるため、非常に好適である。半田層105の材質としては、SnやIn、もしくはSn、Ag、Cu、Zn、Bi、Pd、Sb、Pb、In、Auの少なくとも二種からなる半田を使用することが好ましい。より好ましくは、環境に優しいPbフリー半田である。なお、図1(c)では、導体ポスト104の表面に半田層105を形成する例を示したが、半田層105を形成する目的は、導体ポスト104と被接続体120のランド107bとを半田接合させることであるため、ランド107bに半田層105を形成しても構わない。もちろん、導体ポスト104とランド107bの両表面に半田層105を形成しても構わない。
【0022】
次に、半田層105に熱処理を行う(図示せず)。電解めっきまたは無電解めっきにより得られた半田層105は、半田を構成する各金属が結晶として析出しただけであり、適切な熱処理を行うことにより、半田として機能するようになる。半田層105に行う熱処理としては、熱処理による半田表面の酸化を防ぐために、真空中または不活性雰囲気(例えば、窒素等)中にて熱処理を行うことが好ましい。さらには、半田層105の表面にフラックスまたは表面清浄化機能を有する樹脂を塗布してから熱処理を行うことにより、半田表面の酸化膜や汚れを除去することができるため、よりいっそう好ましい。熱処理の温度としては、半田の融点以上の温度であることが好ましい。さらには、絶縁膜102が樹脂からなる場合には、400℃以下の温度で熱処理を行うことが好ましい。400℃を超える温度では、樹脂の熱分解等により、絶縁膜102としての機能を果たさなくなるからである。表面清浄化機能を有する樹脂としては、表面清浄化機能を有する接着剤と同じ組成物を用いることができる。
【0023】
前記半田層105の表面にフラックスまたは表面清浄化機能を有する樹脂を塗布する工程の代わりに、表面清浄化機能を有する接着剤からなる接着剤層108を形成してから熱処理を行うとより好ましい。熱処理後の該表面清浄化機能を有する接着剤は、接着剤層としてそのまま使用することができる。表面清浄化機能を有する接着剤についての詳細は後述の通りであるが、フラックス又は表面清浄化機能を有する樹脂を塗布して熱処理を行う場合、該フラックスならびに表面清浄化機能を有する樹脂が残存していると、高温、多湿時に熱可塑性樹脂が溶融し、活性剤中の活性イオンも遊離するなど、電気絶縁性の低下やプリント配線の腐食などの問題が生じる恐れがある。また、その後の工程の接着剤層108の形成における成型不良や、接続体110と被接続体120の接着不良を引き起こす恐れがあるため、該フラックスならびに表面清浄化機能を有する樹脂を洗浄して除去する必要がある。
【0024】
次に、金属箔101を選択的にエッチングすることにより、ランド107aを有する配線パターン106を形成し、絶縁膜102の表面に接着剤層108を形成する(図1(d))。これにより接続体110を得ることができる。既に半田層の表面に表面清浄化機能を有する接着剤樹脂からなる接着剤層を形成している場合は、絶縁膜の表面に接着剤層を形成しなくても良い。接着剤層108の形成は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布したり、ドライフィルムタイプの樹脂を真空ラミネート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられる。接着剤層108の機能は、詳細には後述の通りであるが、金属の表面清浄化機能と接着機能の2機能である。前者は半田接合を実現するために必要な機能であり、後者は接続体110と被接続体120とを接着するために必要な機能であり、両者とも欠く事はできない。なお、図1(d)では、絶縁膜102の表面に接着剤層108を形成する例を示したが、被接続体120の表面に接着剤層108を形成しても構わない。もちろん、絶縁膜102と被接続体120の両表面に形成しても構わない。
【0025】
次に、接続体110と被接続体120とを位置合わせする(図1(e))。位置合わせは、接続体110および被接続体120に予め形成されている位置決めマークを、画像認識装置により読み取り位置合わせする方法、位置合わせ用のピン等で位置合わせする方法等を用いることができる。
【0026】
最後に、接続体110と被接続体120とを積層する(図1(f))。積層方法としては、例えば、真空プレスを用いて、導体ポスト104が、接着剤層108を排除して、半田層105によりランド107bと半田接合するまで加圧し、更に加熱して接着剤層108を硬化させて、接続体110と被接続体120とを接着することができる。
【0027】
以上の工程により、ランド107bと導体ポスト104とを半田層105にて半田接合し、各層間を接着剤層108にて接着した多層配線板130を得ることができる。なお、図1(f)では、被接続体120に対して接続体110を1層のみ積層した例を示したが、図1(f)で得られた多層配線板130の上にさらにもう1層または2層以上積層して、より層数の多い多層配線板を得ることもできる。
【0028】
図2は、本発明の実施形態である多層配線板の製造方法の第2の例を説明するための図で、図2(f)は得られる多層配線板の構造を示す断面図である。
【0029】
本発明の多層配線板の製造方法の第2の例が第1の例と異なるのは、金属箔101を選択的にエッチングして、ランド107aを有する配線パターン106を形成する代わりに、金属板201を電解めっき用リード(給電用電極)として、電解めっきによりランド207aを有する配線パターン206を形成する点であり、基本的な製造方法はほとんど同じである。以下、第2の例について、第1の例と異なる部分のみ詳細に説明する。
【0030】
まず、金属板201上にパターニングされためっきレジスト(図示せず)を形成し、続いて、金属板201を電解めっき用リード(給電用電極)として、ランド207aを有する配線パターン206を電解めっきにより形成した後、めっきレジストを除去する(図2(a))。この電解めっきにより、金属板201上のめっきレジストが形成されていない部分に、ランド207aを有する配線パターン206が形成される。ランド207aを有する配線パターン206の材質としては、例えば、銅、ニッケル、金、錫、銀、パラジウム等が挙げられる。さらには、銅を用いることで、低抵抗で安定したランド207aを有する配線パターン206が得られる。金属板201の材質は、この製造方法に適するものであればどのようなものでも良いが、特に、使用される薬液に対して耐性を有するものであって、最終的にエッチングにより除去可能であることが必要である。そのような金属板201の材質としては、例えば、銅、銅合金、42合金、ニッケル等が挙げられる。一方、めっきレジストは、例えば、金属板201上に紫外線感光性のドライフィルムレジストをラミネートし、ネガフィルム等を用いて選択的に感光し、その後現像することにより形成できる。
【0031】
次に、ランド207aを有する配線パターン206上に絶縁膜202を形成し、続いて、絶縁膜202にビア203を形成する(図2(b))。絶縁膜202を構成する樹脂は、この製造方法に適するものであればどのようなものでも使用できる。また、絶縁膜202の形成は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布したり、ドライフィルムタイプの樹脂を真空ラミネート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられる。特に、市販されている樹脂付銅箔は入手が容易であり、真空ラミネートによりランド207aを有する配線パターン206の凹凸を埋め込みながら成形し、最後に銅箔をエッチングすれば、絶縁膜202の表面がランド207aを有する配線パターン206の凹凸に影響されることなく、非常に平坦になる。また、絶縁膜202の表面には銅箔表面の微細な粗化形状が転写されるため、図2(d)に示す接着剤層208との密着性を確保することができる。一方、ビア203の形成方法は、第1の例と同様である。
【0032】
次に、金属板201を電解めっき用リード(給電用電極)として、導体ポスト204を電解めっきにより形成し、続いて、導体ポスト204の表面(先端)に半田層205を形成する(図2(c))。導体ポスト204および半田層205の形成方法は、第1の例と同様である。
【0033】
次に、半田層205に熱処理を行う(図示せず)。半田層205の熱処理については、第1の例と同様である。
【0034】
次に、絶縁膜202の表面に接着剤層208を形成する(図2(d))。接着剤層208の形成方法は、第1の例と同様である。
【0035】
次に、接続体210と被接続体220とを位置合わせをする(図2(e))。位置合わせ方法は、第1の例と同様である。
【0036】
最後に、接続体210と被接続体220とを積層し、金属板201をエッチングにより除去する(図2(f))。積層方法は、第1の例と同様である。金属板201とランド207aを有する配線パターン206の材質が異なる場合には、ランド207aを有する配線パターン206を侵食・腐食しない薬液を用いて、金属板201をエッチングすればよい。金属板201とランド207aを有する配線パターン206の材質が同じ場合には、金属板201をエッチングする際に、ランド207aを有する配線パターン206が侵食・腐食されるため、金属板201とランド207aを有する配線パターン206との間に、金属板201をエッチングする際に、使用する薬液に対して耐性を有するレジスト金属層(図示せず)を、予め形成しておく。これにより、金属板201をエッチングしても、レジスト金属層があるため、ランド207aを有する配線パターン206は侵食・腐食されることはない。その後、ランド207aを有する配線パターン206を侵食・腐食しない薬液を用いてレジスト金属層をエッチングにより除去する(もちろん除去せず、残しておいてもよい)。
【0037】
具体的に説明すると、金属板201の材質が銅、レジスト金属層の材質がニッケル、錫または半田の場合、市販のアンモニア系エッチング液を使用して金属板201をエッチングすることができる。金属板201の材質が銅、レジスト金属の材質が金の場合、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液を含め、ほとんどのエッチング液を使用して金属板201をエッチングすることができる。ランド207aを有する配線パターン206の材質が銅、レジスト金属層の材質がニッケル、錫または半田の場合、市販の半田・ニッケル剥離剤(例えば、三菱ガス化学製、Pewtax)を使用してレジスト金属層をエッチングすることができる。ランド207aを有する配線パターン206の材質が銅、レジスト金属層の材質が金の場合、ランド207aを有する配線パターン206を浸食・腐食させることなく、レジスト金属層をエッチングすることは困難である。この場合には、レジスト金属層を除去せず、残しておいてもよい。
【0038】
以上の工程により、ランド207bと導体ポスト204とを半田層205にて半田接合し、各層間を接着剤層208にて接着した多層配線板230を得ることができる。なお、図2(f)では、被接続体220に対して接続体210を1層のみ積層した例を示したが、図2(f)で得られた多層配線板230の上に、さらにもう1層または2層以上積層して、より層数の多い多層配線板を得ることもできる。
【0039】
本発明に用いる接着剤層は、表面清浄化機能を有しており、且つ絶縁信頼性の高い接着剤であるところに最も特徴がある。表面清浄化機能としては、例えば、半田表面や被接続金属表面に存在する酸化膜の除去機能や、酸化膜の還元機能である。この接着剤層の表面清浄化機能により、半田と接続するための表面との濡れ性が十分に高まる。そのため、接着剤層は、金属表面を清浄化するために、半田と接続するための表面に、必ず接触している必要がある。両表面を清浄化することで、半田が、被接合表面に対して濡れ拡がろうとする力が働き、その半田の濡れ拡がりの力により、半田接合部における接着剤層が排除される。これより、接着剤層を用いた半田接合には、樹脂残りが発生しにくく、且つその電気的接続信頼性は高いものとなる。
【0040】
本発明に用いる第1の好ましい接着剤は、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)と、その硬化剤として作用する樹脂(B)とを必須成分としており、フェノール性水酸基を有する樹脂(A)の、フェノール性水酸基は、その表面清浄化機能により、半田および金属表面の酸化物等の汚れの除去あるいは、酸化物を還元し、半田接合のフラックスとして作用する。更に、その硬化剤として作用する樹脂(B)により、良好な硬化物を得ることができるため、半田接合後の洗浄除去が必要なく、高温、多湿雰囲気でも電気絶縁性を保持し、接合強度、信頼性の高い半田接合を可能とする。
【0041】
本発明において第1の好ましい接着剤に用いる、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、および、ポリビニルフェノール樹脂から選ばれるのが好ましく、これらの1種以上を用いることができる。
【0042】
本発明において第1の好ましい接着剤フェノール性水酸基を有する樹脂(A)の、硬化剤として作用する樹脂(B)としては、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂等が用いられる。具体的にはいずれも、ビスフェノール系、フェノールノボラック系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノール系、ナフトール系やレソルシノール系等のフェノールベースのものや、脂肪族、環状脂肪族や不飽和脂肪族等の骨格をベースとして変性されたエポキシ化合物やイソシアネート化合物が挙げられる。
【0043】
本発明において第1の好ましい接着剤に用いる、フェノール性水酸基を有する樹脂(A)は、接着剤中に、20wt%以上80wt%以下で含まれることが好ましい。20重量%未満であると、金属表面を清浄化する作用が低下し、半田接合できなくなってしまう恐れがあり、また、80重量%より多いと、十分な硬化物が得られず、接合強度と信頼性が低下する恐れがある。
硬化剤として作用する樹脂(B)の配合量としては、エポキシ基当量またはイアネート基当量が、化合物(A)のフェノール性水酸基当量、あるいはカルボキシル基当量の0.5倍以上、1.5倍以下が好ましい。0.5倍未満であると、十分な硬化物が得られず信頼性が低下する恐れがある。また、1.5倍より多いと、半田および金属表面の酸化物などの汚れを除去する作用が低下し、半田接合の信頼性が低下する恐れがある。
また、接着剤層に用いる樹脂に、硬化触媒、着色料や、無機充填材、各種のカップリング剤等を添加しても良い。
【0044】
本発明に用いる第2の好ましい接着剤は、エポキシ樹脂(C)と、イミダゾール環を有し且つエポキシ樹脂(C)の硬化剤として作用する化合物(D)とを、必須成分としており、化合物(D)のイミダゾール環は、三級アミンの不対電子に起因する表面清浄化機能により、半田および金属表面の酸化物等の汚れの除去あるいは、酸化膜を還元し、半田接合のフラックスとして作用する。更に、イミダゾール環は、エポキシ樹脂(C)をアニオン重合する際の硬化剤としても作用するため、良好な硬化物を得ることができ、半田接合後の洗浄除去が必要なく、高温、多湿雰囲気でも電気絶縁性を保持し、接合強度、信頼性の高い半田接合を可能とする。
【0045】
本発明において第2の好ましい接着剤に用いる化合物(D)の添加量は、1wt%以上10wt%以下であることが好ましい。化合物(D)の添加量が1wt%未満では表面清浄化機能が弱くなったり、また、エポキシ樹脂(C)を充分に硬化させることができなくなる恐れがある。また、化合物(D)の添加量が10wt%より多い場合は、硬化反応が急激に進行し、半田接合時における接着剤層の流動性が低下し、半田接合を阻害する恐れがある。さらに、得られる硬化物が脆くなり、十分な強度の半田接合部が得られなくなる恐れがある。より好ましくは、化合物(D)の添加量は1wt%以上5wt%以下である。
【0046】
本発明において第2の好ましい接着剤で用いる化合物(D)と組み合わせて用いるエポキシ樹脂(C)としては、ビスフェノール系、フェノールノボラック系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノール系、ナフトール系やレゾルシノール系等の、フェノールベースのエポキシ樹脂や、脂肪族、環状脂肪族や不飽和脂肪族等の骨格をベースとして変性されたエポキシ化合物が挙げられる。
【0047】
本発明において第2の好ましい接着剤で用いる化合物(D)としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、ビス(2−エチル−4−メチル−イミダゾール)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4、5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、あるいはトリアジン付加型イミダゾール等が挙げられる。また、これらをエポキシアダクト化したものや、マイクロカプセル化したものも使用できる。これらは単独で使用しても2種類以上を併用しても良い。
【0048】
本発明において第2の好ましい接着剤で用いるエポキシ樹脂(C)の配合量は、接着剤の30〜99wt%が好ましい。30wt%未満であると、十分な硬化物が得られなくなる恐れがある。接着剤層に用いる樹脂に、シアネート樹脂、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、マレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を配合しても良い。また、接着剤層に用いる樹脂に、硬化触媒、着色料や、無機充填材、各種のカップリング剤等を添加しても良い。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0050】
[接着剤ワニスの調整]
調整例1
m,p−クレゾールノボラック樹脂(PAS−1、日本化薬(株)製,OH当量120)100gと、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(RE−404S、日本化薬(株)製、EP当量165)140gを、シクロヘキサノン60gに溶解し、硬化触媒としてトリフェニルフォスフィン(北興化学工業(株)製)0.2gを添加し、接着剤ワニス1を作製した。
【0051】
調整例2
ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂(XD−1000L、日本化薬製、エポキシ当量245)245gを、シクロヘキサノン105gに溶解し、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(2P4MHZ−PW、四国化成製)を5g添加し、接着剤ワニス2を作製した。
【0052】
<多層配線板の製造>
銅箔(金属箔101、厚み18μm)、ポリイミド樹脂絶縁膜(絶縁膜102、厚み25μm)からなるフレキシブルプリント配線用基板(住友ベークライト製、A1フレキ)のポリイミド樹脂絶縁膜にUV−YAGレーザーを用いて、トップ径:45μm、ボトム径が25μmのビア(ビア103)を形成した。ビア内部およびビア周辺部を過マンガン酸樹脂エッチング液にて清浄化した後、裏面の銅箔を電解めっき用リード(給電用電極)として電解銅めっきを行ってビアを銅で充填し、銅ポスト(導体ポスト104)を形成した。ここで、銅ポストの直径が45μmとなるよう、電解銅めっきの時間を調整した。次に、銅ポストの表面に、Sn−Pb共晶半田層(半田層)を電解めっきによって2.5μmの厚みで形成した。次に、銅箔を選択的にエッチングして、層間接続用のランド(ランド107a)を有する配線パターン(配線パターン106)を形成した。
【0053】
上記の工程を経たサンプルを12サンプル作成し、表1の実施例1〜実施例6および比較例に示す条件で、熱処理行ったサンプルを、各2サンプルずつ作製した。
【0054】
【表1】
【0055】
次に、実施例1、実施例4〜実施例6および比較例について、得られた10サンプルに対して、バーコートにより、上述の接着剤ワニス1を、絶縁膜の表面、すなわちSn−Pb共晶半田層が形成された面に塗布後、80℃で20分乾燥し、10μm厚の接着剤層(接着剤層108)を形成した。これまでの工程により、接続体(接続体110)を得ることができた。また、実施例2については、熱処理の前に、接着剤ワニス1により、半田層上に接着剤層108を形成し、実施例3については、熱処理の前に、接着剤ワニス2により、半田層上に接着剤層108を形成し比較例については、半田層表面に市販のフラックスを塗布した。
【0056】
一方、厚み12μm銅箔が両面に形成されたFR−5相当のガラスエポキシ両面銅張積層板(住友ベークライト製、ELC)を用い、銅箔を選択的にエッチングして配線パターン(図示せず)および層間接続用のランド(ランド107b)を形成し、被接続体(被接続体120)を得ることができた。層間接続用のランドは、位置合わせ許容誤差を考慮して、300μm径とした。
【0057】
次に、上述の工程により得られた接続体と被接続体に予め形成されている位置決めマークを画像認識装置により読み取り、両者を位置合わせし、100℃の温度で仮圧着した。これを、プレスにより220℃の温度で加熱加圧して、銅ポストが、接着剤層を貫通してランドと半田接合し、接着剤層により接続体と被接続体とを接着した。
【0058】
以上の工程により、実施例1〜実施例6および比較例に示す熱処理行った多層配線板を、各2サンプルずつ得ることができた。
【0059】
<半田接合部の観察>
得られた多層配線板の半田接合部を観察するため、接続体および被接続体の界面、すなわち、接着剤層で両者を引き剥がし、被接続体のランド(ランド107b)の半田濡れ性を評価した。実施例1〜実施例6および比較例に示す熱処理を行った各サンプルにおける、引き剥がし後のランドの表面写真を図3に示す。
【0060】
図3から、実施例1〜実施例6に示す熱処理を半田層に対して行ったサンプルについては、半田層がランドに対して良好に濡れ広がっていることがわかる。一方、比較例に示す熱処理を行っていないサンプルについては、中心付近が半田接合しておらず、ランドの銅が露出していることがわかる。このことから、半田層に熱処理を行うことが有効であることは明白である。
【0061】
【発明の効果】
本発明により、確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い多層配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による多層配線板の製造方法の第1の例を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施形態による多層配線板の製造方法の第2の例を示す断面図である。
【図3】 実施例1〜実施例6および比較例における半田濡れ性を示す写真である。
【符号の説明】
101 金属箔
201 金属板
102、202 絶縁膜
103、203 ビア
104、204 導体ポスト
105、205 半田層
106、206 配線パターン
107a、207a ランド
107b、207b ランド
108、208 接着剤層
110、210 接続体
120、220 被接続体
130、230 多層配線板
Claims (11)
- 層間接続用のランドを有する配線パターンと、該配線パターンとの層間接続用のランドを有する被接続体の、いずれかのランド上に導体ポストが形成され、少なくとも、該導体ポストの先端表面または相対するランドの表面に半田層が形成され、該導体ポストと相対するランドとを接着剤層を介して、密着・加圧・加熱の工程を経て半田接合させた層間接続部を有する多層配線板の製造方法であって、
該半田層の表面に表面清浄化機能を有する接着剤からなる接着剤層を形成する工程、
該半田層の熱処理が、該半田層に用いる半田の融点以上の温度にて行われる工程、を経た後
密着・加圧・加熱の工程を経ることを特徴とする多層配線板の製造方法。 - 半田層の熱処理が、真空中または不活性雰囲気中にて行われることを特徴とする請求項1記載の多層配線板の製造方法。
- 接着剤層に用いる接着剤が、表面清浄化機能を有することを特徴とする請求項1または2に記載の多層配線板の製造方法。
- 接着剤層に用いる接着剤が、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)と、その硬化剤として作用する樹脂(B)とを必須成分とすることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- フェノール性水酸基を有する樹脂(A)が、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、および、ポリビニルフェノール樹脂より選ばれる、少なくとも1種であることを特徴とする、請求項4記載の多層配線板の製造方法。
- フェノール性水酸基を有する樹脂(A)が、接着剤に、20wt%以上80wt%以下で含まれることを特徴とする、請求項4または5に記載の多層配線板の製造方法。
- 接着剤層に用いる接着剤が、エポキシ樹脂(C)と、イミダゾール環を有し且つエポキシ樹脂(C)の硬化剤として作用する化合物(D)とを、必須成分とすることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- 硬化剤として作用する化合物(D)が、接着剤に、1wt%以上10wt%以下で含まれることを特徴とする、請求項7記載の多層配線板の製造方法。
- 導体ポストが、電解めっきにより形成された銅からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- 半田層が、電解めっきにより形成されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の多層配線板の製造方法により、得られることを特徴とする多層配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001271690A JP4239451B2 (ja) | 2000-09-08 | 2001-09-07 | 多層配線板の製造方法および多層配線板 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-274076 | 2000-09-08 | ||
JP2000274076 | 2000-09-08 | ||
JP2001271690A JP4239451B2 (ja) | 2000-09-08 | 2001-09-07 | 多層配線板の製造方法および多層配線板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002158447A JP2002158447A (ja) | 2002-05-31 |
JP4239451B2 true JP4239451B2 (ja) | 2009-03-18 |
Family
ID=26599597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001271690A Expired - Fee Related JP4239451B2 (ja) | 2000-09-08 | 2001-09-07 | 多層配線板の製造方法および多層配線板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4239451B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7331502B2 (en) | 2001-03-19 | 2008-02-19 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | Method of manufacturing electronic part and electronic part obtained by the method |
JP2004311909A (ja) * | 2002-07-30 | 2004-11-04 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 回路基板、多層配線板、回路基板の製造方法および多層配線板の製造方法 |
DE10237013A1 (de) * | 2002-08-13 | 2004-03-04 | Micronas Gmbh | Verfahren zur Herstellung einer festen Verbindung zweier Schichten eines Mehrschichtensystems sowie Mehrschichtensystem |
CN1759155A (zh) * | 2003-03-18 | 2006-04-12 | 陶氏康宁公司 | 导电粘合剂组合物 |
JP2007208229A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-16 | Taiyo Yuden Co Ltd | 多層配線基板の製造方法 |
-
2001
- 2001-09-07 JP JP2001271690A patent/JP4239451B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002158447A (ja) | 2002-05-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3745335B2 (ja) | 電子部品の製造方法及びその方法で得られた電子部品 | |
JP4427874B2 (ja) | 多層配線板の製造方法および多層配線板 | |
JP2007180530A (ja) | 多層配線板および金属接合接着剤 | |
JPH11204939A (ja) | 多層回路基板及びその製造方法 | |
JP4239451B2 (ja) | 多層配線板の製造方法および多層配線板 | |
JP2002329966A (ja) | 多層配線板製造用配線基板及び多層配線板 | |
JP3938476B2 (ja) | 多層配線板製造用配線基板および多層配線板、並びに、それらの製造方法 | |
JP2004047898A (ja) | プリント配線板の製造方法及び多層プリント配線板の製造方法 | |
JP2006279066A (ja) | 多層配線板およびその製造方法 | |
JP4756802B2 (ja) | 多層配線板およびその製造方法 | |
JP2005317943A (ja) | プリント回路基板およびその製造方法 | |
JP4691850B2 (ja) | 多層配線板製造用配線基板および多層配線板、並びにそれらの製造方法 | |
JP2002033580A (ja) | 多層配線板およびその製造方法 | |
JP4187981B2 (ja) | 多層配線板の製造方法および多層配線板 | |
JP4301152B2 (ja) | バイアホール形成金属張積層板及びスルーホール形成アンクラッド板 | |
JP2005039136A (ja) | 回路基板および回路基板の接続方法 | |
JP4292905B2 (ja) | 回路基板、多層基板、回路基板の製造方法および多層基板の製造方法 | |
JP2004297053A (ja) | 層間接合部及びそれを有する多層配線板 | |
JP2003218532A (ja) | 多層配線板製造用配線基板および多層配線板、並びに、それらの製造方法 | |
JP2004214227A (ja) | 層間接続部及び多層配線板 | |
JP2004006687A (ja) | 多層配線板製造用配線基板およびその製造方法、並びに多層配線板 | |
JP2003282773A (ja) | 多層配線板およびその製造方法ならびに半導体装置 | |
JP2002111206A (ja) | 多層配線板の製造方法および多層配線板 | |
JP2002305378A (ja) | 多層配線板およびその製造方法ならびに半導体装置 | |
JP4239650B2 (ja) | 多層配線板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060413 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080731 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080909 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081202 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081215 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |