JP4239361B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気通路の検出空燃比に基づいて空燃比を目標空燃比にフィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内燃機関の空燃比制御装置は、複数の気筒に応じて設けられた各排気管の合流部に排気センサを設け、この排気センサの検出結果に基づいて燃料噴射量を制御し、空燃比が目標空燃比となるようにフィードバック制御している。ところが、各気筒ごとに排出される排気ガスは、吸気量や燃料量等のばらつきにより空燃比が異なることがあり、上述した空燃比制御装置では、高精度の空燃比制御が困難となってしまう。この場合、各気筒ごとに排気センサを設け、各排気センサの検出結果に基づいて気筒別に燃料噴射量を制御すればよいが、排気センサの数が増加してコスト高を招いてしまう。
【0003】
そこで、各気筒ごとに排気センサを設けずに、各気筒別の空燃比制御を可能としたものが、例えば、特公平4−77139号公報や特開平10−9023号公報等に開示されている。
【0004】
特公平4−77139号公報に開示された「多気筒エンジンの空燃比制御装置」では、排気多岐管の集合部の排気ガス濃度を排気センサにより検出し、エンジン運転状態に対応する排気センサによる排気ガス濃度検出の遅れ時間とエンジンの基準作動気筒行程との関係から各気筒に対応する排気センサの出力を求め、この排気センサの出力に基づいて各気筒に噴射する燃料を調整している。
【0005】
また、特開平10−9023号公報に開示された「内燃機関の空燃比制御装置」では、機関の運転状態に基づいて排気が各気筒の燃焼室から空燃比センサに到達するまでの時間を求め、現在検出されている空燃比の気筒判別を行って気筒別の空燃比検出を行うが、この場合、他の気筒との混合を考慮して各気筒の空燃比検出値に対して重みを付けて加重平均値を求め、気筒別の空燃比を推定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した「多気筒エンジンの空燃比制御装置」にあっては、エンジン運転状態に対応する排気ガス濃度検出の遅れ時間を考慮した排気センサの出力が各気筒の排気ガス濃度であるとして噴射する燃料量を調整しているが、一つの気筒からの排気ガスと判断した中にも他の気筒の排気ガスが混在しており、遅れ時間を考慮しても排気センサの出力がその気筒の排気ガス濃度であるとは言えず、排気センサが検出した排気ガス濃度には検出誤差を含んでおり、信頼性が不十分である。その結果、制御が発散することがありえる。
【0007】
また、上述した「内燃機関の空燃比制御装置」にあっては、他の気筒との排気ガスの混合を考慮して気筒別の空燃比を推定しているものの、この場合、#1気筒を基準にしてこの空燃比検出値に対する他の気筒の空燃比段差を学習するようにしており、この基準となる#1気筒の空燃比段差を補正することができない。また、各気筒の空燃比検出値に対して重みを付けて加重平均することで気筒別空燃比を求めているが、加重平均を行うための数式の設定には多大な工数を必要とするため、制御系の開発コストが増大してしまう。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するものであって、コストを増加させることなく気筒別の空燃比を高精度に検出して制御可能とした内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明では、排気通路の合流部に設けられた空燃比検出手段を有し、この空燃比検出手段の検出出力に基づいて空燃比を目標空燃比にフィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置において、平均空燃比算出手段が空燃比検出手段の検出出力に基づいて平均空燃比を算出し、気筒別タイミング判定手段がこの空燃比検出手段の検出出力が各気筒の排気に対応する期間を判定し、気筒別空燃比検出手段がこの期間における気筒別の空燃比を検出し、空燃比制御量補正手段が平均空燃比とこの気筒別空燃比との偏差に基づいて対応する気筒の空燃比制御量を補正するようにしている。
【0010】
従って、気筒別空燃比検出手段が検出する気筒別の空燃比は他の気筒の排気が混在した状態の空燃比であるが、全ての気筒の排気が影響する平均空燃比との偏差を用いることで、この気筒の排気状態の影響による空燃比の段差を比較的正確に検出でき、各気筒の空燃比制御量を適正に制御できる。
【0011】
なお、気筒別タイミング判定手段が判定する各気筒の排気に対応する期間は、各気筒についてこの気筒の排気ガスの影響が最も支配的な所定のクランク角範囲として設定することが好ましい。一般に、排気ガスは複数の気筒の排気ガスが混在したものとなり、空燃比もそれと対応したものとなるが、気筒別タイミング判定手段によって各気筒についてこの気筒の排気ガスの影響が最も支配的な期間について偏差を求めるので、複数の気筒の排気ガスが混在した状態でもより正確に制御できる。また、気筒別の空燃比の検出はこの期間に複数回実行され、この偏差は平均空燃比と気筒別空燃比の各検出値との偏差の積算値を基に求めることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1に本発明の一実施例形態に係る内燃機関の空燃比制御装置を表す概略構成、図2に本実施形態の内燃機関の空燃比制御装置による制御のフローチャート、図3に各気筒の検出期間に対応する空燃比を表すグラフを示す。
【0014】
本実施形態の内燃機関の空燃比制御装置は、図1に示すように、4気筒エンジンに適用したものであって、エンジン11には各気筒(燃焼室)に対応して吸気ポート及び排気ポートが設けられており、図示しない吸気バルブ及び排気バルブにより開閉自在となっている。上流部にエアクリーナ12が装着された吸気管13の下流側は、サージタンク14を介して吸気マニホールド15に連結され、この吸気マニホールド15に形成された4つのマニホールド部がエンジン11の各吸気ポートに連結されている。そして、この吸気管13の上流側にはエアフローセンサ16が装着されると共に、スロットルバルブ17及びスロットル開度センサ18が設けられている。また、吸気マニホールド15の各マニホールド部には、燃料を噴射するインジェクタ19がそれぞれ設けられている。
【0015】
一方、排気通路としての排気管20上流側には排気マニホールド21が連結され、この排気マニホールド21に形成された4つのマニホールド部がエンジン11の各排気ポートに連結されている。そして、この排気管20の上流部、つまり、排気マニホールド21のマニホールド部が合流した下流側には空燃比検出手段としてのリニアA/Fセンサ22が装着され、この排気管20の下流部には触媒23が装着されている。また、エンジン11には各気筒のクランク位置を検出するクランク角センサ24が設けられている。
【0016】
また、車両には制御装置としての電子制御ユニット(ECU)25が設けられ、このECU25には、入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶を行う記憶装置、中央処理装置及びタイマやカウンタ類が具備されており、このECU25によってエンジン11の総合的な制御が実施される。即ち、前述した各種センサ類16,18,22,24の検出情報等がECU25に入力され、ECU25は各種センサ類の検出情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期等を決定し、インジェクタ19等を駆動制御する。
【0017】
ところで、このように構成されたエンジン11における空燃比制御にて、ECU25はリニアA/Fセンサ22の検出出力に基づいて空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するようにしている。ところが、エンジン11の各気筒(排気マニホールド21の各マニホールド部)ごとに排出される排気ガスは、吸気マニホールド15の各マニホールド部に流入する空気量やインジェクタ19からの燃料噴射量等のばらつきにより空燃比が異なる場合がある。そのため、排気マニホールド21より下流側の排気管20に設けられたリニアA/Fセンサ22によりここを流通する排気ガスの濃度を検出し、この検出結果に基づいて吸気マニホールド15の各マニホールド部に噴射される燃料量を決定しても、高精度な空燃比制御は困難となる。
【0018】
そこで、本実施形態の内燃機関の空燃比制御装置にあっては、リニアA/Fセンサ22の検出出力に基づいて平均空燃比を算出(平均空燃比算出手段)すると共に、リニアA/Fセンサ22の検出出力が各気筒の排気に対応してその気筒の排気の影響が最も支配的と思われる期間を判定(気筒別タイミング判定手段)し、この期間におけるリニアA/Fセンサ22の検出出力に基づいて気筒別の空燃比を検出(気筒別空燃比検出手段)し、平均空燃比とこの気筒別空燃比との偏差に基づいて対応する気筒の空燃比制御量を補正(空燃比制御量補正手段)するようにしている。
【0019】
なお、各気筒の排気に対応する期間の判定は、図3に示すように、クランク角センサ24の検出信号SGTとカムの回転位置信号(図示略)に基づいて行う。即ち、#1気筒圧縮TDC位置を基準とし、#1気筒の偏差積算開始クランク角をRA、偏差積算クランク角幅をRWとすると、#1気筒の排気期間(積算範囲)R1が設定される。そして、この#1気筒の排気期間R1に、180°ずつ加えていくことで、#3、#4、#2気筒積算範囲R3,R4,R2が設定される。例えば、図中右端の#1気筒圧縮TDC位置を基準として、#1気筒の偏差積算開始クランク角RAが890°BTDC、偏差積算クランク角幅RWを150°であったとすると、
#1気筒の排気期間R1=890〜740°BTDC
#3気筒の排気期間R3=710〜560°BTDC
#4気筒の排気期間R4=530〜380°BTDC
#2気筒の排気期間R2=350〜200°BTDC
となる。
【0020】
ここで、本実施形態の内燃機関の空燃比制御装置による各気筒別の空燃比制御について、図2のフローチャートに基づいて説明する。
【0021】
まず、ステップS1において、ECU25がリニアA/Fセンサ22のLAFS出力信号(電圧)を所定時間間隔でサンプリングする。この場合、サンプリング間隔は各気筒の積算範囲R1〜R4ごとに複数回のサンプリングが行われる間隔となっている。ステップS2で排気ガス圧力による補正を行う。そして、ステップS3にて、気筒別の空燃比制御の条件が成立しているかどうかを判定する。この気筒別の空燃比制御の条件とは、ストイキフィードバック運転中であること、エンジン11の冷却水温が所定温度以上であること、加減速運転中ではなく定常運転中であることである。なお、このストイキフィードバック運転の判定は、所定運転領域(エンジン回転数と体積効率とのマップ)にあることを判定する。
【0022】
このステップS3にて、気筒別の空燃比制御の条件が成立していれば、ステップS4において、平均値LAFSAVを下記数式により算出する。
平均値LAFSAV=K1×LAFSAV(n-1) +(1−K1)×LAFS
この場合、平均値LAFSAVは実際にはフィルタを通した値であり、K1はフィルタ定数であり、LAFSはリニアA/Fセンサ22の検出出力に排圧補正を実行した後の値である。なお、ステップS3で気筒別の空燃比制御の条件が成立していなければ、前回の値を保持する。また、イグニッションキースイッチがオフのときは、バッテリでバックアップする。
【0023】
ステップS4にて、平均値LAFSAVが算出されたら、ステップS5にて、偏差LAFSDを下記数式により算出する。
偏差LAFSD=LAFS−LAFSAV
ここで、LAFSはA/Fセンサ22の検出出力に排圧補正を実行した後の瞬時値であり、求めた偏差LAFSDがプラスであれば空燃比がリーン側に変位し、マイナスであればリッチ側に変位していると判定できる。
【0024】
そして、ステップS5にて、偏差LAFSDが算出されたら、ステップS6にて、各気筒別に偏差積算平均値LAFSDAを算出する。つまり、前述した各気筒積算範囲R1,R3,R4,R2各々について偏差LAFSDを積算したものを積算回数で除算することで、各気筒別の偏差積算平均値LAFSDAを算出することができる。
【0025】
ステップS7では、ある気筒について、偏差積算平均値LAFSDAの絶対値が所定値B1(エンジン回転数と体積効率とのマップ)以上かどうか、つまり、この気筒の空燃比が全ての気筒の平均空燃比と所定量以上相違して補正すべきかどうかを判定する。ここで、偏差積算平均値LAFSDAの絶対値が所定値B1以上であれば、ステップS8にて、空燃比を補正するための補正係数を同じ方向(リーン側あるいはリッチ側)に連続して所定回数B3以上更新したかどうかを判定する。
【0026】
そして、ステップS8にて、補正係数を同じ方向に連続して所定回数B3以上更新していなければ、ステップS9にて、偏差積算平均値LAFSDAが正であるかどうか、つまり、偏差積算平均値LAFSDAが正であって空燃比がリーンであるためにリッチ側に補正する必要があるかどうかを判定する。ここで、偏差積算平均値LAFSDAが正であれば、ステップS10にて、気筒別空燃比補正係数kcylを下記数式によりリッチ側に更新する。
気筒別空燃比補正係数kcyl(n) =kcyl(n-1) +B2
一方、偏差積算平均値LAFSDAが負であって空燃比がリッチであるためにリーン側に補正する必要があれば、ステップS11にて、気筒別空燃比補正係数kcylを下記数式によりリーン側に更新する。
気筒別空燃比補正係数kcyl(n) =kcyl(n-1) −B2
なお、気筒別空燃比補正係数kcylの初期値は1.0とし、上限値及び下限値が設定されている。また、B2は予め設定された所定値である。
【0027】
このようにステップS10,11にて、気筒別空燃比補正係数kcyl(n) が更新されると、ステップS12にて、対応する気筒のインジェクタ19による燃料噴射量を補正する。つまり、気筒別空燃比補正係数kcyl(n) を対応する気筒のインジェクタ19の駆動パルス幅Tinjを下記数式により反映させる。
駆動パルス幅Tinj=Tb×Kelse×kcyl+加減速補正+Td
ここで、Tbは機関運転状態により定まる基本パルス幅、Kelseはその他の補正係数、Tdはデットタイム(インジェクタ駆動信号が発信されてから実際に燃料がインジェクタから噴射されるまでの遅れ時間)である。
【0028】
このようにしてステップS7の判定の処理にて、ある気筒について、空燃比が全ての気筒の平均空燃比と所定量以上相違して補正すべきであれば、ステップS9,10,11,12の処理で気筒別空燃比補正係数kcyl(n) を更新して燃料噴射量を補正する。この場合、4つの気筒に対してそれぞれこの処理を行う。
【0029】
一方、ステップS8にて、補正係数を同じ方向に連続して所定回数B3以上更新していれば、つまり、空燃比をリッチ側あるいはリーン側に所定回数B3以上更新しても、まだ偏差積算平均値LAFSDAの絶対値が所定値B1以上であれば、ステップS13にて、偏差積算平均値LAFSDAの絶対値が所定値B1より大きい所定値B4以上あるかどうかを判定する。このステップS13にて、偏差積算平均値LAFSDAの絶対値が所定値B4以上あるということは、空燃比をリッチ側あるいはリーン側に所定回数B3以上更新しても、この気筒の空燃比と全ての気筒の平均空燃比との差が減少しないということであり、ステップS14にて、気筒別空燃比補正係数kcyl(n) の更新をやめて、前回の気筒別空燃比補正係数kcyl(n-1) を保持する。即ち、この気筒については、空燃比を更新して補正しても平均空燃比との差が減少しないことから、この気筒の偏差LAFSDには他の気筒からの排気ガスの影響が大きい等の要因が想定される。そのため、このまま空燃比の更新による補正を続けると、制御が発散する可能性があるため、一旦この気筒については更新を止めて空燃比補正係数を保持し、まずは他の気筒の空燃比を先に収束させようとするものである。
【0030】
そして、ステップS15にて、ステップS14で気筒別空燃比補正係数kcyl(n-1) を保持してからのエンジン11の行程数が所定行程数B5以上となることで所定期間を経過し、且つ、ステップS14にて気筒別空燃比補正係数kcyl(n-1) を保持した気筒以外の、その他の更新中の気筒全てについて偏差積算平均値LAFSDAの絶対値が所定値B6以下であれば、その他の全ての気筒の空燃比と全ての気筒の平均空燃比との差が収束したということであり、ステップS16にて、気筒別空燃比補正係数kcyl(n-1) を保持した気筒の保持を解除する。これによって収束させやすい気筒についてまず収束させる。これにより、この気筒の空燃比は正確な目標値に制御されることから、他の気筒の偏差積算範囲に混入する排気ガスについても、この気筒からの排気ガスの空燃比は正確に目標値になっていることになる。そのため、保持されていた当初収束させにくいと判断された気筒についても収束させやすくなる。
【0031】
一方、ステップS15にて、エンジン11の行程数が所定行程数B5以上となってもその他の更新中の気筒全てについて偏差積算平均値LAFSDAの絶対値が所定値B6以下にならなければ、ステップS17にて、全ての気筒で気筒別空燃比補正係数kcylが保持されているかどうかを判定し、そうであれば、ステップS18にてその保持を解除する。そして、ステップS19にて、この気筒別空燃比補正係数kcylの保持解除回数が所定回数B7以上であれば、制御が発散している可能性があり、制御が固着状態にあるとも考えられ、このまま続けても収束しないと考えられるので、各係数を初期化して制御をやり直す。
【0032】
このように本実施形態の内燃機関の空燃比制御装置にあっては、リニアA/Fセンサ22のLAFS出力に基づいて空燃比の平均値LAFSAVを算出し、LAFS出力の瞬時値と平均値LAFSAVとの偏差LAFSDを算出し、各気筒ごとの排気期間として設定された積算範囲R1,R3,R4,R2における偏差積算平均値LAFSDAを求めることで、全ての気筒の平均空燃比と各気筒別の空燃比との偏差を求め、この偏差積算平均値LAFSDAが所定値B1以上のときには、気筒別空燃比補正係数kcylを更新して燃料噴射量を補正するようにしている。
【0033】
従って、リニアA/Fセンサ22が検出する気筒別の空燃比(LAFS出力)は他の気筒の排気が混在した状態の空燃比であるが、全ての気筒の排気が影響する平均空燃比平均値LAFSAVとの偏差を用いることで、この気筒の排気状態の影響による空燃比の段差(偏差積算平均値LAFSDA)を比較的正確に検出でき、各気筒の空燃比制御量を適正に制御できる。また、各気筒について、その気筒の排気が空燃比(LAFS出力)に及ぼす影響が最も大きいと思われるクランク角範囲R1,R3,R4,R2について、全気筒の空燃比の平均値LAFSAVからの偏差積算平均値LAFSDAを求めて制御を行うので、複数の気筒の排気が入り混じった状態でも正確に制御できる。
【0034】
なお、上述した実施形態では、空燃比検出手段としてリニアA/Fセンサ22を用いたが、通常のλ−O2 センサを用いてもよい。また、ステップB11,12での気筒別空燃比補正係数kcyl(n) の更新処理にて、所定値B2を加算あるいは減算したが、この所定値B2を偏差積算平均値LAFSDAの大きさに応じて変更してもよく、また、リッチ側とリーン側で異なる値としてもよく、更に、エンジン11の運転条件(エンジン回転数、負荷)に応じて変更してもよい。
【0035】
また、この気筒別空燃比補正係数kcylの更新処理を積分制御としたが、PI制御、PID制御、微分制御等としてもよい。例えば、PID制御の例として、
気筒別空燃比補正係数kcyl=1.0+kcylP+kcylI+kcylD
としてもよく、この場合、
比例係数kcylP=LASFDA×GP (GP:比例ゲイン)
積分係数kcylI=Σ(LASFDA×GI) (GI:積分ゲイン)
微分係数kcylD=(LASFDA(n) −LASFDA(n-1) (GD 比例ゲイン)
となる。
【0036】
更に、ステップS3で気筒別の空燃比制御の条件が成立していなければ、その直前の気筒別空燃比補正係数kcylを用いるようにしてもよい。また、ステップS6にて、偏差LAFSDを積算して積算回数で除算することで気筒別の偏差積算平均値LAFSDAを算出したが、制御の安定性を増すために、数サイクルについて偏差積算平均値LAFSDAを算出してもよい。同様に、ステップS7の判定処理にて、偏差LAFSDが数サイクル(例えば、10〜200サイクル程度)中に所定回数以上所定値B1を上回ったとき、気筒別空燃比補正係数kcylを更新するようにしてもよい。この判定の閾値としての所定値B1を触媒の劣化度合、特に酸素ストレージ能力に応じて変化させるようにしてもよく、例えば、走行距離が長くなるに伴って所定値B1を小さくする。更に、各気筒別の排気管20の長さに応じて所定値B1,B2等を気筒ごとに変更して設定してもよい。
【0037】
また、取り敢えず、特定の気筒の気筒別空燃比補正係数kcylを変化させ、その結果に基づいて制御してもよい。例えば、ステップS7の処理の前に、ある気筒の気筒別空燃比補正係数kcylを故意に多めにリッチ化あるいはリーン化し、その後の偏差LAFSDの変化の反応を見てステップS7の処理を行うようにすればよい。これにより各気筒の偏差傾向が今ひとつはっきりしない場合でも、偏差が大きくなって傾向がはっきり認識でき、制御しやすくなる。また、ステップS20にて、制御が固着状態となって初期化した場合、同様に、故意に気筒別空燃比補正係数kcylを変化させる制御を行ってもよい。
【0038】
更には、まず初めに、各気筒について、故意にリッチ化あるいはリーン化し、そのときの各気筒の偏差LAFSDの変化パターンを記憶して、以後は、まず偏差LAFSDのその変化パターンと照合してから制御を開始するようにしてもよい。即ち、例えば、#1気筒の気筒別空燃比補正係数kcylを故意に多めにリッチ化し、そのときの各気筒について偏差LAFSDがリッチ側に変化したか、リーン側に変化したかを記憶する。次に、#1気筒の気筒別空燃比補正係数kcylを故意に多めにリーン化し、同様に、偏差LAFSDの変化パターンを記憶する。これを全気筒について行い、気筒別空燃比補正係数kcylと偏差LAFSDの変化パターンを記憶する。そして、記憶した各気筒の偏差LAFSDの変化パターンと現在の偏差LAFSDの変化パターンとを照合し、一致した場合には、その変化パターンの記憶時に故意に気筒別空燃比補正係数kcylを変化させた気筒別空燃比補正係数kcylを逆方向に補正する。この方法によりまず最初に偏差の変化傾向のあたりをつけることができ、制御が発散状態あるいは固着状態になったために初期化せざるを得なかった場合にも本方法を適用できる。なお、以上の発明を適用する場合の目標空燃比はストイキでもよいし、リッチあるいはリーンでもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように本発明の内燃機関の空燃比制御装置によれば、各気筒の排気に対応する期間における気筒別の空燃比を検出し、平均空燃比とこの気筒別空燃比との偏差に基づいて対応する気筒の空燃比制御量を補正するようにしたので、気筒別空燃比検出手段が検出する気筒別の空燃比は他の気筒の排気が混在した状態の空燃比であるが、全ての気筒の排気が影響する平均空燃比との偏差を用いることで、この気筒の排気状態の影響による空燃比の段差を比較的正確に検出することができ、コストを増加させることなく気筒別の空燃比を高精度に検出してその制御量を適正に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例形態に係る内燃機関の空燃比制御装置を表す概略構成図である。
【図2】本実施形態の内燃機関の空燃比制御装置による制御のフローチャートである。
【図3】各気筒の検出期間に対応する空燃比を表すグラフである。
【符号の説明】
11 エンジン
13 吸気管
15 吸気マニホールド
19 インジェクタ
20 排気管
21 排気マニホールド
22 リニアA/Fセンサ(空燃比検出手段)
24 クランク角センサ
25 電子制御ユニット(ECU、平均空燃比算出手段、気筒別タイミング判定手段、気筒別空燃比検出手段、空燃比制御量補正手段)
Claims (1)
- 排気通路の合流部に設けられた空燃比検出手段を有し、
該空燃比検出手段の検出出力に基づいて空燃比を目標空燃比にフィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置において、
前記空燃比検出手段の検出出力に基づいて平均空燃比を算出する平均空燃比算出手段と、
前記空燃比検出手段の検出出力が各気筒の排気に対応する期間を判定する気筒別タイミング判定手段と、
該気筒別タイミング判定手段が判定した期間における前記空燃比検出手段の検出出力に基づいて気筒別の空燃比を検出する気筒別空燃比検出手段と、
前記平均空燃比算出手段が算出した平均空燃比と前記気筒別空燃比検出手段が検出した気筒別空燃比との偏差が所定値以上の時には対応する気筒の空燃比制御量を補正する空燃比制御量補正手段とを具え、
前記気筒別タイミング判定手段が判定する各気筒の排気に対応する期間は、各気筒について各気筒の排気ガスの影響が最も支配的な所定のクランク角の範囲とし、
前記空燃比制御量補正手段は、同一気筒について同じ方向に連続して所定回数以上の補正を行っても前記偏差が減少しない場合は当該気筒に対する補正を一旦保持して他の全ての気筒における前記偏差が収束してから上記保持を解除する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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