JP4238597B2 - 内燃機関の状態検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は内燃機関の状態検出装置に関し、特に、過給機を備えた内燃機関に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
近時においては、機関出力増大のため過給機(ターボチャージャー、スーパーチャージャー)を備えた内燃機関が一般的となっている。このような内燃機関において、機関を最適に制御するため、排気圧力、排気温度を推定することが行われている。特に、可変容量ターボチャージャー(VNT; Variable Nozzle Turbocharger)、排気ガス再循環装置(EGR; Exhaust Gas Recirculation System)等を備えた機関では、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM; Particulate Matter)などを最適に抑えるため、過給圧や吸入空気量、EGR率を正確に制御する必要があり、排気圧力、排気温度を正確に推定することは非常に重要である。
【0003】
このため、例えば特開2000−356162号公報には、可変容量ターボチャージャーを備えた内燃機関の排気圧力、排気温度を推定する方法が記載されている。
【0004】
上記公報に記載された方法は、ターボチャージャーのタービンをノズルと見立て、ノズルを流れる流体の一般式に基づいて、タービン下流側の圧力とVNTの有効開度からタービン上流側の圧力を求めるものである。すなわち、ターボチャージャーでの排気圧力を、一般の流体の解析に用いられる非圧縮性流体の式を用いて推定している。
【0005】
また、内燃機関の排気圧力、排気温度を推定する別の方法として、機関運転状態(燃料噴射量、機関回転数)に応じた排気圧力、排気温度を予め排気圧力センサ、排気温度センサで計測してマップを作成しておき、このマップに基づいて排気圧力、排気温度を取得する方法が知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−356162号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されているようにタービン周辺をノズルの一般式で近似した場合、タービン内の流路などに起因する流量特性、効率特性などのターボチャージャーの諸特性がノズルの式に含まれないこととなる。このため、ノズルの一般式に基づいて排気圧力、排気温度を正確に推定することは困難である。
【0008】
また、ノズルに関する一般式をタービンに適用した場合、排気ガス流量、排気圧力及び排気ガス密度の関係が規定されることとなるが、排気ガス密度は排気ガス温度に応じて変動する。従って、排気圧力を正確に求めるためには、先ず排気温度を正確に求める必要があり、排気圧力の推定精度は排気温度の推定精度に大きく依存する。
【0009】
上記公報に記載された方法では、排気温度を吸気温度、排気圧力などに関する4つの補正係数を用いて決定しているが、多数の補正係数を用いることでロジックの構造が複雑になり、複雑な演算処理が必要となるといった問題が生じる。また、補正係数を取得するため、多くの計測などの煩雑な作業が必要となる。更には、推定精度を高めるためには適合パラメーターを多く用いる必要があり、適合に長時間を要するという問題も生じる。
【0010】
一方、マップに基づいて排気圧力、排気温度を取得する方法では、予め多数のデータに基づいてマップを作成しておく必要があり、マップ作成に非常に煩雑な作業が必要となるという問題が生じる。特に、排気圧力、排気温度を正確に取得するためには、機関運転条件に関する複数のパラメーター(回転数、負荷、EGR開度、冷却水温など)を用いた多次元マップを作成する必要があり、マップ作成に非常に煩雑な作業が必要となる。更に、マップ作成の段階では、排気圧力センサ、排気温度センサなどの各種センサを機関周辺に取り付ける等の煩雑な作業も発生する。
【0011】
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、排気圧力、排気温度などの内燃機関の諸特性を高い精度で検出することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、吸気通路に配置されたコンプレッサーと排気通路に配置されたタービンとから構成され、前記コンプレッサー及びタービンを回転させて前記吸気通路を流れる吸入空気を圧縮する過給手段と、前記コンプレッサーを流れる吸入空気量を取得する手段と、前記コンプレッサーの上流及び下流における吸入空気の圧力比を取得する手段と、前記コンプレッサーの流量特性を用いて、前記吸入空気量及び前記吸入空気の圧力比に基づいて前記コンプレッサーの回転数を求める手段と、前記コンプレッサーの回転数から前記タービンの回転数を求める手段と、前記タービンを流れる排気ガス量を取得する排気ガス量取得手段と、前記タービンの流量特性に基づいて定められた、前記タービンの回転数、前記タービンを流れる排気ガス量、前記タービンの上流及び下流における排気ガスの圧力比の相関関係を用いて、前記タービンの上流における排気ガス圧力を求める排気ガスの状態検出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記排気ガスの状態検出手段は、前記タービンの流量特性に基づいて定められた、前記タービンの回転数、前記タービンを流れる排気ガス量、前記タービンの上流及び下流における排気ガスの圧力比、及び前記タービンの上流における排気ガス温度の相関関係を用いて、前記排気ガス圧力とともに前記タービンの上流における排気ガス温度を求めることを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、前記排気ガスの状態検出手段は、前記相関関係から定まる排気ガス量と前記排気ガス量取得手段により取得された前記排気ガス量との比較の結果に基いて、求めた前記排気ガス圧力及び前記排気ガス温度の正確性を判断する手段を含むことを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、吸気通路に配置されたコンプレッサーと排気通路に配置されたタービンとから構成され、前記コンプレッサー及びタービンを回転させて前記吸気通路を流れる吸入空気を圧縮する過給手段と、前記タービンよりも上流の前記排気通路と前記コンプレッサーよりも下流の前記吸気通路とを接続し、前記排気通路を流れる排気ガスの一部を前記吸気通路へ送る排気ガス再循環手段と、前記排気ガス再循環手段に設けられ、前記吸気通路へ送る前記排気ガスの流量を調整する流量調整手段と、前記流量調整手段の前記吸気通路側における吸入空気圧力を取得する手段と、前記流量調整手段の有効開度を取得する手段と、前記流量調整手段を流れる前記排気ガスの流量を取得する手段と、前記流量調整手段を流れる前記排気ガスの密度を取得する手段と、前記吸気空気圧力、前記流量調整手段の有効開度、前記流量調整手段を流れる前記排気ガスの流量、及び前記流量調整手段を流れる前記排気ガスの密度とに基づいて、前記タービンの上流における排気ガス圧力を求める手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、第4の発明において、前記コンプレッサーを流れる吸入空気量を取得する手段と、前記コンプレッサーの流量特性を用いて、前記吸入空気量及び前記吸入空気圧力に基づいて前記コンプレッサーの回転数を求める手段と、前記コンプレッサーの回転数から前記タービンの回転数を求める手段と、前記タービンを流れる排気ガス量を取得する手段と、前記タービンの流量特性に基づいて定められた、前記タービンの回転数、前記タービンを流れる排気ガス量、前記タービンの上流における排気ガスの圧力、及び前記タービンの上流における排気温度の相関関係を用いて、前記タービンの上流における排気ガス温度を求める手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる過給機付き内燃機関の状態検出装置及びその周辺の構造を説明するための図である。図1に示すように、内燃機関10には吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12および排気通路14には過給機(ターボチャージャー)16が装着されている。過給機16はコンプレッサー16aおよびタービン16bを備えており、コンプレッサー16aは吸気通路12に、タービン16bは排気通路14にそれぞれ設けられている。コンプレッサー16aとタービン16bはシャフト16cで連結され、シャフト16cを中心軸として回転可能に構成されている。過給機16は、排気通路14を流れる排気ガスによってタービン16b及びコンプレッサー16aを回転させ、コンプレッサー16aの回転によって吸気通路12を流れる吸入空気を圧縮するものである。
【0019】
吸気通路12のコンプレッサー16aよりも下流側には、エアフロメータ18が設けられている。エアフロメータ18は、吸気通路12における内燃機関10への吸入空気量dm1/dt(=Ga)を検出するセンサである。エアフロメータ18の下流には、スロットルバルブ20が設けられている。スロットルバルブ20の近傍には、スロットル開度Asを検出するスロットルセンサ21が配置されている。また、スロットルバルブ20の更に下流のインテークマニホールド部には、吸気圧センサ22が設けられている。吸気圧センサ22は、インテークマニホールド圧力P3を検出するセンサである。また、スロットルバルブ20の下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁24が設けられている。
【0020】
吸気通路12と排気通路14はEGR(Exhaust Gas Recirculation System)管26によって接続されている。EGR管26にはEGR弁28が設けられており、EGR弁28によってEGR管26を流れるEGRガスの流量が制御される。そして、排気通路14を流れる排気ガスをEGR管26から吸気通路12へ戻し、排気ガスを再循環させることで、排気ガス中の未燃成分を再び筒内へ送り込んで燃焼させるように構成されている。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の状態検出装置はECU(Electronic Control Unit)30を備えている。ECU30には、上述した各種センサおよび燃料噴射弁30に加えて、大気圧を検出する大気圧センサ32、大気温度(外気温)を検出する温度センサ34などが接続されている。
【0022】
本実施形態の状態検出装置は、タービン16bの上流における、排気圧力P4および排気温度T4を、コンプレッサー16aおよびタービン16bの特性から算出する。最初に排気圧力P4の算出方法を説明する。コンプレッサー16aの上流側の圧力(入口圧力)をP0、下流側の圧力(出口圧力)をP3、コンプレッサー16aを流れる吸入空気量をGa、コンプレッサー16aの回転数をNtbとすると以下の(1)式の関係が成立する。
【0023】
【数1】
【0024】
(1)式の関数f1は、過給機16のコンプレッサー16aの流量特性から定められる関数であって、具体的には、コンプレッサー16aの形状、羽根外径、羽根枚数、ハウジング形状などの諸特性から定められる。(1)式に示されるように、コンプレッサー16aの回転数Ntbは、吸入空気量Ga、出口圧力と入口圧力の比P3/P0の関数として表すことができる。
【0025】
また、タービン16bにおいても、タービン16bの上流側の圧力(入口圧力)をP4、下流側の圧力(出口圧力)をP6、タービン16bを流れる排気ガスの流量をG4(=dm4/dt)、タービン16bの回転数をNtbとすると以下の(2)式の関係が成立する。
【0026】
【数2】
【0027】
(2)式の関数f2も、過給機16のタービン16bの流量特性(タービン16bの形状、羽根外径、羽根枚数、ハウジング形状などの諸特性)から定められる関数である。
【0028】
(1)式において、Gaはエアフロメータ18から、P3は吸気圧センサ22からそれぞれ検出することができる。また、P0は大気圧である。従って、エアフロメータ18及び吸気圧センサ22の検出値に基づいてコンプレッサー16aの回転数Ntbを求めることができる。
【0029】
なお、コンプレッサー16aの出口と吸気圧センサ22の間にはスロットルバルブ20があるため、スロットルバルブ20の開度によってはコンプレッサー16aの出口圧力P3と吸気圧センサ22の検出値が一致しない場合もある。しかし、内燃機関10がディーゼルエンジンの場合、通常スロットルバルブ20は全開に設定されているため、コンプレッサー16aの出口圧力P3と吸気圧センサ22での検出値は同一と考えてよい。また、ガソリンエンジンの場合には、スロットル開度に応じて吸気圧センサ22で検出された圧力を例えば以下の圧縮性流体の(3)式で補正することで、吸気圧センサ22の検出値から出口圧力P3を求めることができる。
【0030】
【数3】
【0031】
(3)式において、ASはスロットル開度、ρ1は吸入空気密度、Psは吸気圧センサ22で検出された圧力をそれぞれ示している。
【0032】
一方、(2)式を変形すると、以下の(4)式が得られる。
【0033】
【数4】
【0034】
(4)式において、タービン16bの回転数Ntbはコンプレッサー16aの回転数Ntbと同一であり、(1)式から算出されている。また、排気ガスの流量G4は、吸入空気量Gaと燃料噴射弁24による燃料噴射量TAU(=dmf/dt)との和として算出することができる。また、P6は大気圧である。従って、(2)式によれば、(1)式から算出したタービン16bの回転数Ntb、及びGaとTAUの和である排気ガス流量G4に基づいて排気圧力P4を求めることができる。
【0035】
図2は、関数f1、関数f2’を規定するマップを示す模式図である。ここで、図2(a)は関数f1のマップを、図2(b)は関数f2’のマップをそれぞれ示している。
【0036】
図2(a)に示す関数f1のマップでは、吸入空気量Ga及び圧力比P3/P0に対応したコンプレッサー16aの回転数Ntbが規定されている。従って、図2(a)のマップによれば、エアフロメータ18で検出された吸入空気量Ga、及び圧力比に基づいて回転数Ntbを求めることができる。図2(a)のマップは、例えばコンプレッサー16aの回転数Ntbを変動させ、コンプレッサー16aを流れるガス量(吸入空気量Ga)と、コンプレッサー16aの出口圧力P3と入口圧力P0の比を測定することにより求めることができる。
【0037】
図2(b)に示す関数f2’のマップでは、タービン16bを流れる排気ガス流量G4及びタービン16bの回転数Ntbに対応した排気圧力P4が規定されている。上述のようにタービン16bの回転数Ntbはコンプレッサー16aの回転数Ntbと同一である。従って、図2(b)のマップによれば、タービン16bのガス流量G4と、図2(a)のマップから求めた回転数Ntbとから排気圧力P4を求めることができる。図2(b)のマップは、例えばタービン16bの回転数Ntbを変動させ、タービン16bを流れるガス量(排気ガス流量G4)とタービン16bの上流の排気圧力P4とを測定することにより求めることができる。
【0038】
このように、本実施形態の状態検出装置では、先ず、コンプレッサー16aの流量特性からコンプレッサー16aの回転数Ntbを求め、その後、回転数Ntbを用いてタービン16bの流量特性から排気圧力P4を求める。コンプレッサー16aとタービン16bの流量特性を用いて排気圧力P4を求めることで、これらの特性に基づいて排気圧力P4を高精度に算出することが可能となる。また、コンプレッサー16aとタービン16bの特性を用いて排気圧力P4を直接的に算出できるため、算出式における補正係数、適合パラーメーターなどを最小限に抑えることができ、複雑な演算が不要となる。
【0039】
次に、排気温度T4の算出方法を説明する。排気温度T4は、タービン16bを流れる排気ガスの流量G4、排気圧力P4、及びタービン16bの回転数Ntbから求めることができる。以下の(5)式は、排気温度T4、タービン16bを流れる排気ガスの流量G4、排気圧力P4、及びタービン16bの回転数Ntbの関係を示している。
【0040】
【数5】
【0041】
従って、エアフロメータ18で検出した吸入空気量Gaと燃料噴射弁22による燃焼噴射量TAUとの和から排気ガス流量G4を求め、(1)式から求められるタービン16bの回転数Ntb、(4)式から求めた排気温度P4とともに(5)式へ代入することで排気温度P4を求めることができる。
【0042】
図3は、(4)式における関数f3を規定したマップを示す模式図である。図3のマップは、例えばタービン16bの回転数Ntbを変動させ、タービン16bを流れるガス流量(排気ガス流量G4)、タービン16bの上流の圧力(排気圧力P4)、タービン16bの上流の温度(排気温度T4)を測定することにより求めることができる。そして、図3のマップによれば、排気ガス流量G4、排気圧力P4、及びタービン16bの回転数Ntbに基づいて排気温度T4を求めることができる。
【0043】
次に、図4に基づいて、排気圧力P4及び排気温度T4を算出する具体的な方法を詳細に説明する。図4(a)は、コンプレッサー16aを流れる吸入空気量Gaと、コンプレッサー16aの出口圧力P3とからコンプレッサー16aの回転数Ntbを求めるためのマップであり、図2(a)のマップの具体例を示している。図4(a)の特性は、過給機16の製造メーカで標準的に計測されるコンプレッサー16aの流量特性に基づくものである。
【0044】
図4(a)において、横軸はP3とP0の圧力比P3/P0を、縦軸はコンプレッサー16aを流れる空気の流量Gtbmapをそれぞれ示している。図4(a)に示されるように、圧力比P3/P0及び流量Gtbmapの交差する点からコンプレッサー16aの回転数Ntbmapcを求めることができる。
【0045】
図4(a)において、流量Gtbmapはコンプレッサー16aを流れる空気の実際の流量(吸入空気量dm1/dt)ではなく、吸入空気量dm1/dtを修正して得られた流量である。エアフロメータ18で測定される吸入空気量dm1/dtとGtbmapとの間には以下の(6)式の関係がある。
【0046】
【数6】
【0047】
(6)式において、Tstdは図4(a)の特性の基準となる温度であって、予め所定の値に定められている。Tstdは、例えば図4(a)の特性を求めた際の吸入空気の温度である。同様に、Pstdは図4(a)の特性の基準となる圧力であって、予め所定の値に定められている。Pstdは、例えば図4(a)の特性を求めた際の大気圧力である。(6)式に基づいて、エアフロメータ18で測定される実際の吸入空気量dm1/dtを、大気圧力P0、大気温度T0で補正することでGtbmapが算出される。なお、大気圧力P0、大気温度T0は、大気圧センサ32、温度センサ34からそれぞれ検出した値を用いる。
【0048】
同様に、図4(a)のマップから求められたコンプレッサー16aの回転数Ntbmapcは、実際のコンプレッサー16aの回転数Ntbではなく、Ntbを修正して得られた回転数である。NtbmapcとNtbとの間には以下の(7)式の関係がある。
【0049】
【数7】
【0050】
このように、実際の流量dm1/dtを修正して流量Gtbmapを設定し、また、実際の回転数Ntbを修正して回転数Ntbmapcを設定することで、図4(a)に示すマップ特性を得ることができる。図4(a)のマップによれば、Gtbmapと、P3/P0とに基づいて、Ntbmapcを求めることができ、Ntbmapcを求めた後は、(7)式に基づいてNtbmapcからNtbを算出することができる。なお、GtbmapとP3/P0の交点が、図4(a)のマップで示される各回転数Ntbmapcの特性の間に位置する場合は、補間などの方法を用いることで適正な回転数Ntbmapcを算出できる。
【0051】
図4(b)は、図4(a)及び(7)式から求めたNtbに基づいて、タービン16bを流れる排気ガス流量Q4と排気圧力P4とを求めるためのマップであり、図2(b)のマップの具体例を示している。図4(b)の特性は、過給機16のメーカで標準的に計測されるタービン16bの流量特性に基づくものである。図4(b)において、横軸はP4とP6の圧力比P4/P6を、縦軸はタービン16bを流れる排気ガスの流量Q4をそれぞれ示している。
【0052】
図4(b)では、タービン16bの回転数Ntbmaptから圧力比P4/P6及び流量Q4を求める。ここで、回転数Ntbmaptは、実際のタービン16bの回転数Ntbではなく、Ntbを修正して得られた回転数である。NtbmaptとNtbとの間には以下の(8)式の関係がある。
【0053】
【数8】
【0054】
同様に、図4(b)のマップから求められる流量Q4は、タービン16bを流れる排気ガスの実際の流量dm4/dtではなく、dm4/dtを修正して得られた流量である。dm4/dtとQ4の間には以下の(9)式の関係がある。
【0055】
【数9】
【0056】
このように、実際のタービン回転数Ntbを修正して回転数Ntbmaptを設定し、また、実際の流量dm4/dtを修正して流量Q4を設定することで、図4(b)に示すマップ特性を得ることができる。そして、図4(b)のマップによれば、Ntbmaptが与えられると、Q4及びP4/P6を求めることができる。この際、図4(b)に示されるように、各回転数毎にNtbmaptが所定の曲線でマップ上に規定されるため、例えばNtbmapt=150000rpmの場合、図4(b)に示すようにNtbmapt=150000rpm特性の中心の値に基づいて、Q4及びP4/P6を求める。
【0057】
なお、図4(b)では、10000〜30000回転毎にNtbmaptの特性を示しており、各回転数毎のNtbmaptが所定の範囲をもってマップ上に示されているが、回転数毎のNtbmaptの刻み幅を小さく設定する(例えば1000回転毎のNtbmaptの特性をマップ上に載せる)ことで、個々の回転数Ntbmaptが示す特性範囲を縮小することができ、Q4及びP4/P6の算出精度をより向上させることができる。また、(8)式から算出した回転数Ntbmaptが図4(b)で示される隣接する回転数Ntbmaptの特性の間に位置する場合は、補間などの方法により両特性の間の特性を求めることで、Q4及びP4/P6を算出できる。
【0058】
図4(b)のマップからQ4及びP4/P6を求める際には、(8)式からNtbmaptを算出する必要がある。この際、排気温度T4の正確な値は得られていないため、最初は仮に設定した排気温度T4を(8)式へ代入してNtbmaptを算出する。そして、仮設定した排気温度T4から求めたNtbmaptを図4(b)のマップに当てはめてQ4及びP4/P6を求める。そして、P6は大気圧力であるため、P4/P6からP4を算出することが可能となる。
【0059】
図4(b)からP4を求めた後、(9)式に基づいてQ4からT4を算出する。この際、(9)式の右辺に図4(b)から得られたQ4,P4を代入し、T4については(8)式に代入した仮設定した排気温度T4を代入する。これにより、(9)式の左辺のdm4/dtを求めることができる。排気ガス流量dm4/dtは、エアフロメータ18から検出された吸入空気量dm1/dtと燃料噴射量dmf/dtとの和であるため、仮に設定したT4の値の正否を判定するため、(9)式から算出されたdm4/dtと(dm1/dt+dmf/dt)とを比較する。
【0060】
そして、dm4/dtと(dm1/dt+dmf/dt)との差の絶対値が、予め設定しておいたしきい値以下となった場合は、このときの排気圧力P4,排気温度T4を最終的な値として決定する。一方、dm4/dtと(dm1/dt+dmf/dt)との差の絶対値が予め設定しておいたしきい値以上である場合は、仮設定したT4の値を変更して再度dm4/dtを求め、(dm1/dt+dmf/dt)との比較を行う。そして、最終的なT4が算出されるまで繰り返し演算を行う。この際、最終的なT4が算出されるまで、例えば、仮設定したT4の値をある刻み幅で変更するなどして繰り返し演算を行う。
【0061】
排気圧力P4、排気温度T4が求まった後は、排気圧力P4、排気温度T4に基づいて内燃機関10を最適に制御する。例えば、排気圧力P4、排気温度T4に基づいて、燃料噴射弁24による燃料噴射量dmf/dt、点火時期、EGR弁28の開度、過給圧を変更するなどの制御を行い、機関運転状態を最適に制御する。また、標準状態での排気圧力P4、排気温度T4を検出することができるため、算出した排気圧力P4、排気温度T4が標準状態の値から大きく外れている場合は、過給機16の故障判定を行うことも可能となる。
【0062】
次に、図5のフローチャートに基づいて、本実施形態の状態検出装置における処理の手順を説明する。先ず、ステップS1では、エアフロメータ18、吸気圧センサ22から吸入空気量dm1/dt、コンプレッサー16aの出口圧力P3をそれぞれ検出する。なお、吸入空気量dm1/dt、出口圧力P3を流体モデル等から推定する手段を備えている場合は、センサの検出値を用いることなく推定値を用いても良い。次のステップS2では、(6)式に基づいて修正された吸入空気量Gtbmapを算出する。次のステップS3では、吸入空気量Gtbmapと吸気圧センサ22で検出された出口圧力P3とを図4(a)のマップに当てはめて、コンプレッサー16aの修正された回転数Ntbmapcを求める。
【0063】
次のステップS4では、(7)式に基づいて、修正された回転数Ntbmapcから実際の回転数Ntbを算出する。次のステップS5では、(8)式に基づいてタービン16bの回転数Ntbmaptを算出するために、排気温度T4を仮設定する。排気温度T4の初期値は大気温度に設定しても良いし、運転状態などから排気温度の概略値が推定できる場合は、初期値をその推定値に設定してもよい。次のステップS6では、(8)式に基づいて、仮設定した排気温度T4とタービン16bの回転数Ntb(=コンプレッサー16aの回転数Ntb)から修正されたタービン16bの回転数Ntbmaptを算出する。この際、上述のようにコンプレッサー16aの回転数Ntbは(7)式から算出した値を用いる。
【0064】
次のステップS7では、ステップS4で算出した回転数Ntbmaptを図4(b)のマップに当てはめ、図4(b)の縦軸、横軸からタービン16bにおける排気ガスの流量Q4、圧力比P4/P6を求める。
【0065】
次のステップS8では、ステップS7で求めた排気圧力P4,排気ガス流量Q4と、ステップS7で設定した排気温度T4の仮の値を(9)式に代入して、タービン16bの排気ガス流量dm4/dtを求める。
【0066】
次のステップS9では、ステップS8で求めたタービン16bの排気ガス流量dm4/dtと、(dm1/dt+dmf/dt)とを比較し、両者の差の絶対値が所定のしきい値t未満であるか否かを判定する。ここで、dm1/dtはエアフロメータ18による吸入空気量の検出値であり、dmf/dtは燃料噴射弁24による燃料噴射量である。
【0067】
ステップS9で|dm4/dt−(dm1/dt+dmf/dt)|<tの場合はステップS10へ進み、ステップS5で仮設定した排気温度T4を最終的な値(真の値)とし、また、最終的な排気温度T4が求まった際に(9)式へ代入したP4を排気圧力P4の最終的な値(真の値)とする。一方、ステップS9で|dm4/dt−(dm1/dt+dmf/dt)|≧tの場合は、ステップS5〜S9の処理を繰り返す。
【0068】
上記処理手順では、ステップS5において仮設定した排気温度T4の値が真の排気温度T4よりも小さい場合には、(9)式から算出されるdm4/dtの値は、真の排気ガス流量(dm1/dt+dmf/dt)よりも大きくなる。そして、(9)式から算出されたdm4/dtと真の排気ガス流量との差はステップS9で判定され、ステップS5〜S9の繰り返し処理を行うことで、dm4/dtが本来タービン16bを流れているはずの流量となるまでT4が繰り返し変更されてdm4/dtが算出されることとなる。従って、この繰り返し処理により、排気温度T4が真の値となるまで演算が行われることとなり、|dm4/dt−(dm1/dt+dmf/dt)|<tとなった時点で真の排気温度T4が求まることとなる。
【0069】
以上説明したように実施形態1によれば、コンプレッサー16aおよびタービン16bの流量特性に基づいて排気圧力P4および排気温度T4を算出することができるため、過給機16の特性に応じた排気圧力P4、排気温度T4を算出することが可能となる。排気圧力P4、排気温度T4の算出の際に用いる流量特性は、コンプレッサー16a、タービン16b毎に求められた標準的な流量特性であり、コンプレッサー16a、タービン16bの性質を直接的に示すものであるため、排気圧力P4、排気温度T4を高精度に算出することが可能となる。また、コンプレッサー16a、タービン16b毎の流量特性を用いることで、流体に関する既存の数式を近似して過給機16に適用する必要がなくなるため、排気圧力P4、排気温度T4を算出する際に必要な測定、補正係数の設定、既存式の適合に必要な項目、時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0070】
更に、過給機16毎の流量特性に基づいて排気圧力P4、排気温度T4を算出できるため、過給機16が別のものに変わった場合であっても、個々の過給機16に対応する排気圧力P4、排気温度T4を正確に算出することが可能となる。従って、本実施形態によれば、正確に算出された排気圧力P4、排気温度T4に基づいて内燃機関を最適に制御することが可能となる。
【0071】
なお、本実施形態では、排気圧力P4、排気温度T4の双方を過給機16の流量特性から算出したが、一方をセンサによる検出など他の手法を用いて取得し、他方を本実施形態の手法で算出しても良い。
【0072】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2にかかる内燃機関の状態検出装置の構成は図1に示す実施の形態1と同様である。実施の形態2では、EGR管26の流体モデル用いて排気圧力P4、排気温度T4を求めるものである。
【0073】
図1で説明したように、吸気通路12と排気通路14はEGR管26によって接続されている。EGR管26を流れるEGRガスの流量は、圧縮性流体の式により以下の(10)式で示される。
【0074】
【数10】
【0075】
(10)式において、AEGRはEGR弁28の有効開度を示している。また、ρ2はEGRガスの密度であって、吸入空気量Gaと燃料噴射量TAUから算出できる。また、κは比熱比である。
【0076】
また、以下の(11)式に示すように、内燃機関10の筒内へ流れる空気量dmcyl/dtは、機関動作状態(機関回転数Ne、インテークマニホールド圧力P3など)から推定することができる。
【0077】
【数11】
【0078】
そして、EGR弁28を流れるEGRガスの流量dmEGR/dtは、エアフロメータ18で検出される吸入空気量dm1/dtとdmcyl/dtの差であるため、dmEGR/dtは以下の(12)式で示される。
【0079】
【数12】
【0080】
従って、(11)式、(12)式によれば、dmEGR/dtは以下の(13)式で示される。
【0081】
【数13】
【0082】
(13)式から、dmEGR/dtを算出し、(10)式の左辺へ代入すれば、EGR有効面積AEGR、インテークマニホールド圧力P3、EGRガス密度ρ2に基づいて排気圧力P4を算出することができる。
【0083】
EGR有効面積AEGRはEGR弁28の有効開度から求めることができ、ステッピングモータを用いたEGR弁28の場合、ステップ数から算出することができる。また、排気圧力P4を求める際には、EGRガスが流れている必要があるため、内燃機関10の運転条件によってEGRガスの流れを停止させている場合は、ECU40からの指令によりEGR弁28を開いてEGRガスを流すようにする。
【0084】
次に、排気温度T4を算出する方法について説明する。実施の形態1で用いた(9)式を変形すると以下の(14)式が得られる。また、実施の形態1における図4(b)の特性は、以下の(15)式で表すことができる。更に、実施の形態1で説明したように、タービン16bの真の回転数Ntbと図4(b)の特性にのせられた回転数Ntbmaptとの関係は(16)式で示すことができる。
【0085】
【数14】
【0086】
(16)式によれば,NtbmapはNtb及びT4の関数であるため、(16)式を(15)式に代入すると以下の(17)式が得られる。(17)式は、実施の形態1で説明した(5)式と同様に、排気ガス流量、排気圧力、タービン回転数、排気温度の関係を示している。そして、(14)式の左辺と(17)式の左辺が等しいため、以下の(18)式が導かれる。
【0087】
【数15】
【0088】
(18)式において、P4は(10)式から算出されている。また、実施の形態1で説明したように、dm4/dtは、dm1/dtとdmf/dtとの和として算出できる。また、実施の形態1で説明した(7)式を変形すると、以下の(19)式が得られ、(19)式から回転数Ntbを算出できる。なお、Ntbを算出する際には、実施の形態1と同様の方法で予めNtbmapcを算出しておく。
【0089】
【数16】
【0090】
従って、(18)式へP4、dm4/dt、Ntbを代入し、排気温度T4について解くことで、排気温度T4を求めることが可能となる。
【0091】
次に、図6のフローチャートに基づいて、本実施形態の状態検出装置における処理の手順を説明する。先ず、ステップS11では、機関回転数Ne、インテークマニホールド圧力P3、吸入空気量dm1/dt、EGR有効面積AEGRを取得する。この際、インテークマニホールド圧力P3は吸気圧センサ22から、吸入空気量dm1/dtはエアフロメータ18からそれぞれ検出し、また、EGR有効面積AEGRはEGR弁28の開度から検出する。次のステップS12では、(11)式を表したマップに基づいて、機関回転数Neおよびインテークマニホールド圧力P3から内燃機関10の筒内へ流れる空気量dmcyl/dtを求める。
【0092】
次のステップS13では、(12)式に基づいて、dmcyl/dt及びdm1/dtからdmEGR/dtを算出する。次のステップS14では、ステップS11で取得したインテークマニホールド圧力P3、EGR有効面積AEGR、ステップS13で算出したdmEGR/dt、EGRガスの密度ρ2を(10)式へ代入し、排気圧力P4を算出する。
【0093】
次のステップS15では、実施の形態1と同様の方法により、図4(a)のマップからコンプレッサー16aの回転数Ntbmapcを求め、(19)式へ代入して真のコンプレッサー回転数Ntbを算出する。次のステップS16では、dm1/dtとdmf/dtの和からdm4/dtを算出する。
【0094】
次のステップS17では、(18)式へP4、dm4/dt、Ntbを代入する。これにより、(18)式において未知変数は排気温度T4のみとなり、(18)式から排気温度T4を算出することができる。
【0095】
なお、実施の形態2ではEGR管26の流体モデルから排気圧力P4を算出したが、他の方法で排気圧力P4を取得した後、実施の形態2の方法で排気温度T4を算出しても良い。
【0096】
以上説明したように実施の形態2によれば、EGR管26を流れるEGRガスの流量dmEGR/dtとEGR弁28の開度AEGRから排気圧力P4を直接的に求めることができる。従って、簡素な演算で排気圧力P4を高い精度で算出することが可能となる。また、実施の形態1と同様に過給機16の流量特性を用いて排気温度T4を算出することができるため、実施の形態1と同様に流体に関する既存の数式を近似して過給機16に適用する必要がなくなる。従って、排気温度T4を算出する際に必要な測定、補正係数の設定、既存式の適合に必要な項目、時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0097】
なお、上述した各実施形態では、通常のターボチャージャーに本発明を適用したが、可変容量ターボチャージャーに本発明を適用しても良い。この場合、VNT開度を考慮して過給機の流量特性を使用し、上述した各実施形態と同様の処理を行う。
【0098】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0099】
第1の発明によれば、コンプレッサー及びタービンの流量特性に基づいてタービンの上流における排気ガス圧力を求めることができる。従って、過給機の特性に応じた排気ガス圧力を高い精度で求めることが可能となり、排気ガス圧力に基づいて内燃機関を最適に制御することが可能となる。
【0100】
第2の発明によれば、コンプレッサー及びタービンの流量特性に基づいてタービンの上流における排気ガス温度を求めることができる。従って、過給機の特性に応じた排気ガス温度を高い精度で求めることが可能となり、排気ガス温度に基づいて内燃機関を最適に制御することが可能となる。
【0101】
第3の発明によれば、排気ガス量に基づいて、求めた排気ガス圧力及び排気ガス温度の正確性を判断することが可能となるため、タービンの上流における排気ガス圧力及び排気ガス温度を正確に求めることができる。
【0102】
第4の発明によれば、吸気空気圧力、排気ガス再循環手段に設けられた流量調整手段の有効開度、流量調整手段を流れる排気ガスの流量及び密度とに基づいてタービンの上流の排気ガス圧力を高い精度で算出することが可能となる。
【0103】
第5の発明によれば、タービンの流量特性に基づいて、タービンの回転数、排気ガス量、及びタービンの上流及び下流における排気ガスの圧力比に基づいてタービンの上流における排気ガス温度を高精度に算出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の各実施形態にかかる内燃機関の状態検出装置及びその周辺の構造を説明するための模式図である。
【図2】 過給機のコンプレッサー回転数、排気圧力を求めるマップの例を示す模式図である。
【図3】 排気温度を求めるマップの例を示す模式図である。
【図4】 過給機のコンプレッサー回転数、排気圧力を求めるマップの具体例を示す模式図である。
【図5】 本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の状態検出装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態2にかかる内燃機関の状態検出装置による処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
16 過給機
16a コンプレッサー
16b タービン
18 エアフロメータ
22 吸気圧センサ
26 EGR管
28 EGR弁
30 ECU
Claims (4)
- 吸気通路に配置されたコンプレッサーと排気通路に配置されたタービンとから構成され、前記コンプレッサー及びタービンを回転させて前記吸気通路を流れる吸入空気を圧縮する過給手段と、
前記コンプレッサーを流れる吸入空気量を取得する手段と、
前記コンプレッサーの上流及び下流における吸入空気の圧力比を取得する手段と、
前記コンプレッサーの流量特性を用いて、前記吸入空気量及び前記吸入空気の圧力比に基づいて前記コンプレッサーの回転数を求める手段と、
前記コンプレッサーの回転数から前記タービンの回転数を求める手段と、
前記タービンを流れる排気ガス量を取得する排気ガス量取得手段と、
前記タービンの流量特性に基づいて定められた、前記タービンの回転数、前記タービンを流れる排気ガス量、前記タービンの上流及び下流における排気ガスの圧力比の相関関係を用いて、前記タービンの上流における排気ガス圧力を求める排気ガスの状態検出手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の状態検出装置。 - 前記排気ガスの状態検出手段は、前記タービンの流量特性に基づいて定められた、前記タービンの回転数、前記タービンを流れる排気ガス量、前記タービンの上流及び下流における排気ガスの圧力比、及び前記タービンの上流における排気ガス温度の相関関係を用いて、前記排気ガス圧力とともに前記タービンの上流における排気ガス温度を求めることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の状態検出装置。
- 前記排気ガスの状態検出手段は、前記タービンの流量特性に基づいて定められた、前記タービンの回転数、前記タービンを流れる排気ガス量、前記タービンの上流及び下流における排気ガスの圧力比、及び前記タービンの上流における排気ガス温度の相関関係から定まる排気ガス量と前記排気ガス量取得手段により取得された前記排気ガス量との比較の結果に基いて、求めた前記排気ガス圧力及び前記排気ガス温度の正確性を判断する手段を含むことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の状態検出装置。
- 吸気通路に配置されたコンプレッサーと排気通路に配置されたタービンとから構成され、前記コンプレッサー及びタービンを回転させて前記吸気通路を流れる吸入空気を圧縮する過給手段と、
前記タービンよりも上流の前記排気通路と前記コンプレッサーよりも下流の前記吸気通路とを接続し、前記排気通路を流れる排気ガスの一部を前記吸気通路へ送る排気ガス再循環手段と、
前記排気ガス再循環手段に設けられ、前記吸気通路へ送る前記排気ガスの流量を調整する流量調整手段と、
前記流量調整手段の前記吸気通路側における吸入空気圧力を取得する手段と、
前記流量調整手段の有効開度を取得する手段と、
前記流量調整手段を流れる前記排気ガスの流量を取得する手段と、
前記流量調整手段を流れる前記排気ガスの密度を取得する手段と、
前記吸気空気圧力、前記流量調整手段の有効開度、前記流量調整手段を流れる前記排気ガスの流量、及び前記流量調整手段を流れる前記排気ガスの密度とに基づいて、前記タービンの上流における排気ガス圧力を求める手段と、
前記コンプレッサーを流れる吸入空気量を取得する手段と、
前記コンプレッサーの流量特性を用いて、前記吸入空気量及び前記吸入空気圧力に基づいて前記コンプレッサーの回転数を求める手段と、
前記コンプレッサーの回転数から前記タービンの回転数を求める手段と、
前記タービンを流れる排気ガス量を取得する手段と、
前記タービンの流量特性に基づいて定められた、前記タービンの回転数、前記タービンを流れる排気ガス量、前記タービンの上流における排気ガスの圧力、及び前記タービンの上流における排気温度の相関関係を用いて、前記タービンの上流における排気ガス温度を求める手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の状態検出装置。
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