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JP4231951B2 - 多結晶シリコン発泡体およびその製造方法 - Google Patents

多結晶シリコン発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な多結晶シリコン発泡体に関する。詳しくは、粒状多結晶シリコンを得るための破砕時に発生する微粉の発生量が極めて少ない多結晶シリコン発泡体を提供する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体或いは太陽光発電用電池の原料として使用される多結晶シリコンを製造する方法は種々知られており、そのうちのいくつかは既に工業的に実施されている。
【0003】
例えば、その一つはシーメンス法と呼ばれる方法であり、通電によりシリコンの析出温度に加熱したシリコン棒をベルジャー内部に配置し、ここにトリクロロシラン(SiHCl3、以下TCSという)やモノシラン(SiH4)を、水素等の還元性ガスと共に接触させてシリコンを析出させる方法である。
【0004】
上記の多結晶シリコンを粒子径が300μmから2mm程度の粒径に破砕した粒状体としての需要も高まりつつある。例えば、半導体用或いは太陽電池の用途において、該粒状多結晶シリコンはこれを溶融して使用されている。
【0005】
また、該粒状多結晶シリコンを酸水素火炎中に導入し、溶融蒸発させることで、粒子径1μm程度の微粒子状シリカを製造する技術も知られている。
【0006】
更に、可視光発光素子として注目されているシリコンナノ粒子は、ヘリウム雰囲気中で、シリコンターゲットにエキシマレーザーを照射し製造されるが、該シリコンターゲットの材料として、粒状多結晶シリコンを簡単に入手することができれば、シリコンナノ粒子を効率的に製造できる。
【0007】
上記粒状多結晶シリコンは、シーメンス法で製造したシリコンロッドを拳大に破砕して得られる塊状破砕物、いわゆるナゲットを、更に細かく砕く方法によって製造されていた。
【0008】
しかしながら、上記シリコンロッドを破砕して粒状多結晶シリコンを得ようとした場合、砕く際に大量の薄片状、針状、および微粉状の、「微粒子」と呼ばれる破片が多量に発生する。かかる微粒子は、粉塵の発生原因となり取扱いが困難である上、特に、1個の粒子径が200μm以下の微粒子は、発火の危険性もあるため、慎重に廃棄処分されていた。そのため、原料に対する収率が落ちるばかりでなく、廃棄処分においても多大の労力を要していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、粒状多結晶シリコンを製造するための破砕における微粒子の発生量が極めて少ない多結晶シリコン及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。先ず、本発明者らは、微粒子の発生機構が、多結晶シリコンの癖解性によることを確認した。即ち、多結晶シリコンは癖解性が強いため、前記シリコンロッドを破砕して得られるナゲットを更に破砕して、粒状多結晶シリコンとする際、薄片状、針状に割れた微粒子が多量に発生し易い。
【0011】
そして、かかる癖解性を示す応力より小さい応力により、優先的に解砕される構造を多結晶シリコンの構造体に与えれば、破砕における微粒子の発生が抑えられるという知見に基づき、かかる構造として、従来の多結晶シリコンの形態として知られていない、発泡体の構造を採ることによって、シリコンを破砕する際のエネルギーが結晶の癖解面に作用するより優先して気泡壁の破壊エネルギーとして作用せしめることができ、通常のシリコンの破砕物と比べ、廃棄物の発生率を格段に小さくすることに成功した。
【0012】
また、上記気泡を存在させる効果を十分に発揮するためには、その存在量を特定の見かけ密度以下となる量とすることが有効であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、内部に気泡が存在し、見かけ密度が2.20g/cm以下であることを特徴とする多結晶シリコン発泡体である。
【0014】
尚、本発明において、見かけ密度は、ピクノメーターを使用して求めた粒子の体積と、重量から求めた値である。具体的には、粉体工学便覧(日刊工業新聞社、61年2月28日発行)51〜54頁に記載の方法が挙げられる。
【0015】
また、本発明者らは、上記多結晶シリコン発泡体を製造する方法について検討を行う過程で、シリコン融液のような溶融金属中には気体が殆ど溶け込まないことが知られているが、気体が水素の場合、ある程度の量で溶け込ませることができるという知見を得た。そして、かかる知見に基づき、研究を重ねた結果、シリコン融液に水素を接触させて溶け込ませた後、これを液滴として自然落下させ、且つ、特定の冷却条件で固化せしめることにより、該液滴に大きな剪断力がかからず、該液滴に存在する水素が気泡として、固化した多結晶シリコン中に内包された発泡体が得られることを見い出した。
【0016】
即ち、本発明は、水素の存在下で溶融させたシリコンを液滴として自然落下せしめ、0.2〜3秒の時間内に、上記水素の気泡を液滴中に固定することを特徴とする多結晶シリコン発泡体の製造方法をも提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の多結晶シリコン発泡体は、内部に気泡が存在する。このように、内部に気泡を持つ多結晶シリコン構造体は従来知られて無く、本発明の大きな特徴である。
【0018】
即ち、前記シーメンス法により得られる多結晶シリコンロッドは、製造上水素ガスを原料として使用するが、析出する多結晶シリコンは固体であり、水素が溶け込む余地がない。
【0019】
また、水素を原料の一つとしてシリコンを析出せしめ、該シリコンを融液で回収する方法も提案されているが、これらの方法において、融液は水素雰囲気外で取り出され、固化されるため、該固化体中の水素ガスは融液の状態において拡散して消失している。
【0020】
更に、水素ガス中にて生成したシリコンを溶融状態で回転円盤上滴下して飛ばすことにより多結晶シリコン粒子を製造する方法も提案されているが、かかる方法では、水素を含有するシリコン融液の液滴が、固化の初期で大きな剪断力を受けるため、シリコン融液に溶け込んでいる水素が集合して気泡を形成することができず、溶け込んだ水素ガスが成長した気泡を有する本発明の多結晶シリコン発泡体を得ることができない。
【0021】
更にまた、モノシランを原料ガスとして使用し、流動床でポリシリコン粒子を成長させて得られる多結晶シリコンは、比較的多くの水素を取り込んでいるが、該水素は多結晶シリコン中にシリコンの水素化物として存在するため、気泡として存在することができない。
【0022】
本発明の多結晶シリコン発泡体は、内部に気泡を有するものであれば、如何なる形状を成していても良い。例えば、不定形の粗大粒の形状が一般的であり、好ましい。該粗大粒の大きさは、体積で0.01〜3cc、特に、0.1〜0.5ccの範囲に入る程度が好ましい。また、後述する製造方法において、得られる上記粗大粒が、冷却態様によっては、部分的に融着した塊状物として得られる場合がある。かかる塊状物は、軽い破砕により、かかる融着部分を切り離すことができ、容易に上記不定形の粗大粒子とすることができる。
【0023】
本発明において、上記多結晶シリコン発泡体中の気泡の存在量は、見かけ密度が2.20g/cm以下、特に、2.0g/cm以下、更には、1.8g/cm以下であることが好ましい。
【0024】
通常、多結晶シリコンの見かけ密度は2.33g/cmであるが、気泡を含有させると見かけ密度が低下する。そして、本発明の多結晶シリコン発泡体は、見かけ密度を2.20g/cm以下となる量で気泡を含有させることにより、破砕時における微粒子の発生を著しく少なく抑えることができる。
【0025】
尚、本発明の多結晶シリコン発泡体は、軽いので、そのまま単結晶シリコン製造用のるつぼに、リチャージ用のシリコンとして供給する場合、るつぼ中におけるシリコン融液の飛沫の発生が少ないというメリットをも有し、破砕しない状態でも有用である。
【0026】
上記多結晶シリコン発泡体において、気泡は多数が均一に存在していても良いし、1つ又は数個の大きな気泡が存在していても良いが、1つ当たりの気泡直径は、50μm以上であることが好ましい。
【0027】
本発明において、前記見かけ密度が過度に小さい多結晶シリコン発泡体は、製造が困難であると共に、気泡壁の厚みが薄くなることに伴う微粒子の発生が起こる可能性があるため、一般に、多結晶シリコン発泡体は、見かけ密度が1g/cm以上のものが好ましい。
【0028】
本発明の多結晶シリコン発泡体の気泡に存在するガスは、後記の製造方法から、水素ガスであることが一般的であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発泡体が製造可能なガスであれば特に制限されない。
【0029】
また、本発明の多結晶シリコン発泡体の破砕方法は、特に制限されるものではなく、ジョークラッシャー、ピンミル等の公知の破砕機を使用した破砕方法により、微粒子の発生を抑えて、高い収率で粒状多結晶シリコンを得ることが可能である。
【0030】
本発明の多結晶シリコン発泡体の製造方法は特に制限されるものでしないが、前記したように、シリコン融液に水素ガスが溶け込み易いことを利用して、水素ガスの雰囲気中で溶融したシリコンを液滴とし、強い剪断力を与えることなく自然落下させ、特定の条件下で固化させる方法が好適である。
【0031】
即ち、本発明によれば、水素の存在下で溶融させたシリコンを液滴として自然落下せしめ、0.2〜3秒の時間内に、上記水素の気泡を液滴中に固定することを特徴とする多結晶シリコン発泡体の製造方法が提供される。
【0032】
上記本発明の多結晶シリコン発泡体の製造方法において、水素の存在下で溶融させたシリコンを得る方法としては、シリコンを溶融しながら或いは溶融したシリコンを水素ガスと接触させる方法を採用することもできるが、シリコン融液に最も効率的に水素を溶け込ませる方法として、水素の存在下で、クロロシラン類を原料としたシリコンの析出と該シリコンの溶融とを同時に行う方法が挙げられる。
【0033】
具体的には、水素ガスとクロロシラン類との混合ガスをシリコンの融点以上に加熱された加熱体の表面に接触せしめ、シリコンの析出と溶融とを同時に行う態様が挙げられる。
【0034】
上記クロロシラン類としては、分子内に水素を含むクロロシラン類、例えばトリクロロシラン、ジクロロシランがシリコン融液中の水素濃度をより高めることができるため好適である。
【0035】
また、上記クロロシラン類に対する水素の使用割合は、公知の割合が特に制限なく採用されるが、より高濃度の水素雰囲気を形成するためには、水素/クロロシラン類のモル比が、5〜50となるように調整することが好ましい。
【0036】
また、このようにして水素が溶け込んだシリコン融液を液滴として自然落下せしめ、0.2〜3秒の時間内に上記水素の気泡を液滴中に固定する。かかる固定方法は特に制限されないが、1100℃以下、好ましくは、1000℃以下、特に、500℃以下の表面温度を有する冷却材と接触させる方法が有効であり、本発明において好適に使用される。
【0037】
上述した操作において、自然落下するシリコン融液の液滴中に溶け込んだ水素は、前記特定の時間保持することにより、該液滴の中心に気泡として集まり、その状態で固化して多結晶シリコン発泡体が得られる。
【0038】
従って、上記方法においてはシリコン融液を液滴として自然落下させることが重要である。即ち、シリコン融液中に存在する過飽和の水素ガスは、時間の経過と共に集合して気泡となるが、該融液をそのまま固化したのでは、該気泡は重力の影響で上方に向かい、溶け込んでいたはずの水素ガスは極めて容易に外部に放出されるのである。
【0039】
これに対して、上記シリコン融液を自然落下させることにより、ガス化した水素は液滴内に留まる。
【0040】
この場合、気泡が液滴中に中心に集まる機構としては、下記のように推定される。即ち、融液が保持されている基材から落下させる際、液滴は変形に伴う運動量を持ち、その表面張力からすぐに球形になろうとするため、変形に由来する運動量は回転の角運動量へと変化するため、無重力ではあっても、上記回転運動によって液滴内部には遠心力が働く。そして、この遠心力が重力の代わりとなり、内部に存在していた水素の気泡は、中心部に向かって浮力が働き、その結果、液滴の中心部に、気泡が集合する。
【0041】
上記気泡が中心部に集まるための条件は、液滴の回転角速度と経過時間に依存する。液滴に与える初期の運動量は、分離に際して糸を長く引くようにするほど、回転の運動量は大きくなり、角速度は大きくなる。即ち、シリコン融液と基材との密着性が高いほど、内部の気泡は中心部に早く集まり、残り易くなる。シリコン融液との密着性を考えた場合、基材にはSiOや窒化珪素なども使用できるが、より濡れ性の高いSiC、あるいは始めは濡れ性が悪くても容易にシリサイドを形成し、濡れ性が高くなるカーボン材を使用するほうが、本発明の効果をより顕著に示すことができる。
【0042】
本発明の上記方法において、シリコンの液滴が存在する加熱体を離れ、気泡を固定するまでの時間は、少なくとも、本発明の前記見かけ密度を達成することができる程度に、気泡が液滴の中心に集まった状態まで維持し得る時間であることが必要であり、0.2秒以上、更には0.4秒以上、更には0.6秒以上であることが好ましい。
【0043】
逆に、折角中心に集めた気泡も、ゆっくり冷却したのでは拡散して外部に逃げるため、上記時間は、3秒以下、好ましくは2秒以下とすることが好ましい。
【0044】
シリコンの液滴が存在する加熱体を離れ、気泡を固定するまでの時間は、該加熱体の材質により、液滴に与えられる角速度が多少異なると予測され、十分に角速度を大きくできるSiCを基材に使用した場合に比べ、濡れ性の悪い窒化珪素を基材に使う場合は、上記時間を多少長めにとることが好ましい。
【0045】
本発明において、液滴を冷却材と接触させる操作において、該冷却材は、固体、液体、ガス等、特に制限されない。
【0046】
上記冷却材を使用した好適な態様を例示すれば、シリコンと実質的に反応しない材質、例えば、シリコン、銅、モリブデン等の部材により冷却材を構成し、この上にシリコン融液の液滴を落下させる態様、シリコンと実質的に反応しない液体の冷媒、例えば、液体四塩化珪素、液体窒素等を冷却材として使用し、この中にシリコン融液の液滴を滴下させる態様などが挙げられる。
【0047】
また、上記冷媒を噴霧することにより生じる冷却ガスを冷媒として、シリコン融液の液滴と接触させることもできる。
【0048】
上記固体の冷却材を使用する態様において、その表面は、必要に応じて、公知の冷却方法により直接的或いは間接的に冷却しても良い。また、冷却材の上にシリコン融液の液滴が順次落下して固化することにより、多結晶シリコン発泡体が堆積する場合もあるが、この場合、かかる多結晶シリコン発泡体の最上面が冷却材として作用する。また、冷却材表面にシリコン融液の液滴が落下する際の衝撃を吸収するため、該冷却材の表面は、凹凸があることが好ましく、例えば、シリコン粒子等の粒状物を予め存在させておくことが好ましい。この場合、該シリコン粒子として、得られた多結晶シリコン発泡体の一部を使用することが特に好ましい。
【0049】
本発明の方法を実施するための装置は特に制限されるものではないが、連続的にシリコン融液の液滴を落下させるために好適な装置として、図1に示す構造の装置が挙げられる。即ち、
(1)下端にシリコン取出口となる開口部2を有する筒状容器1、
(2)上記筒状容器1の下端から任意の高さまでの内壁をシリコンの融点以上の温度に加熱する加熱装置3、
(3)上記筒状容器において、シリコンの融点以上に加熱された内壁により囲まれた空間5に下方に向かって開口するように設けられ、クロロシラン類Aを供給するクロロシラン類供給管4、
(4)筒状容器の内壁とクロロシラン類供給管の外壁とによって形成される間隙にシールガスBとして、原料の水素ガスを供給するシールガス供給管6、
及び
(5)前記筒状容器1の下方に空間を空けて設けられた冷却材9
より基本的に成る装置が挙げられる。
【0050】
尚、上記装置においては、筒状容器1から排出される排ガスの回収を効率的に行うため、筒状容器1及び冷却材9を排ガスDの取出配管12を設けた密閉容器7により覆うことが好ましい。
【0051】
また、その際、筒状容器1の外壁と密閉容器7の内壁とによって形成される間隙には、シールガス供給管11を設けて、窒素、水素、アルゴン等のシールガスCを供給することが好ましい。
【0052】
また、上記装置において、筒状容器1を加熱するための加熱装置3は、高周波コイルが好適に使用される。また、筒状容器1の材質は、高周波により加熱が可能で、シリコンの融点で耐性がある材質が好適であり、一般には、カーボン、窒化珪素などが使用される。
【0053】
上記装置において、クロロシラン類供給管4より供給されるクロロシランは、シールガスを兼ねてシールガス供給管6より供給される水素と共に、筒状容器1の空間5に供給され、加熱装置3によりシリコンの融点以上に加熱された内壁で、シリコンが析出し、同時に該シリコンが溶融してシリコン融液となる。シリコン融液は、該内壁を流下し、その開口部2より液滴14として自然落下する。
【0054】
かかる開口部2から密閉容器下部の冷却材9までの距離を調整することにより、該シリコン融液の液滴が冷却材と接触する時間を制御することができる。また、冷却材9の温度は間接的に、或いは、冷却ガス供給配管13より冷却ガスEを直接供給するすることにより、所期の温度に調整することが可能である。
【0055】
上記冷却材との接触した上記液滴は、落下しながら内部に水素ガスの気泡を形成し、その状態で冷却材と接触することにより固化して、多結晶シリコン発泡体8となる。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明の多結晶シリコン発泡体は、破砕による微粒子の発生が極めて少なく、これを破砕して平均粒子径が300μm〜2mm程度の粒状多結晶シリコンを製造する場合の収率を著しく向上することができる。
【0057】
また、本発明の多結晶シリコン発泡体はそれ自体が軽質であり、単結晶製造時のリチャージ用などのシリコンとして有用である。
【0058】
【実施例】
実施例1
図1に示す装置を使用し、カーボンを基材とした筒状容器1の内壁を加熱装置3の高周波コイルにより1500℃に加熱した後、トリクロロシランをクロロシラン類供給管4より、水素をシールガス供給管6より筒状容器1の空間部5に導入し、該筒状容器内表面にシリコンを析出、溶融させた。この時、トリクロロシランと水素とのモル比(水素/トリクロロシラン)は、20に調整した。
該シリコン融液を、筒状容器の開口部から分離落下させた。この時、筒状容器の下部開口部先端は、充分にシリコンで濡れ、表面はシリコンで覆われていた。
【0059】
該分離落下させたシリコン融液の液滴を自然落下させ、0.5秒で密閉容器7の底部に設けた冷却材9と接触させた。
【0060】
尚、冷却材9は、予め得られた多結晶シリコン発泡体の粒子を敷き詰め、その表面温度が、300℃に保持されるように冷却した。
【0061】
得られた多結晶シリコン発泡体10の見かけ密度は、1.66g/cmであった。
【0062】
上記多結晶シリコン発泡体を解砕したところ、平均粒子容積0.1ccの不定形粒子が得られた。この粒子をハンマーで割ったところ、その破断面には、気泡の後が多数観察された。また、該シリコン粒子をダイヤモンドで研磨し、断面を観察したところ、中央部に直径0.5mmから1mmの気泡が多数存在していた。
【0063】
また、多結晶シリコン発泡体の上記粒子100gをジョークラッシャーにより、最大粒子径が2mm以下になるまで破砕し、破砕物の粒子径をSKレーザーで測定したところ、200μm以下の微粒子の発生率は0.05%未満であった。
【0064】
比較例1
実施例1において、冷却材と接触するまでの時間を0.05秒とした以外はすべて実施例1と同じ条件で操作して、多結晶シリコンを得た。得られた多結晶シリコン粒子には、目視できる気泡は観察されなかった。この粒子の見かけ密度は、2.28g/cmであった。
【0065】
また、実施例1と同様に破砕した破砕物の粒子径をSKレーザーで測定したところ、200μm以下の微粒子の発生率は1%であった。
【0066】
比較例2
実施例1において、冷却材として、下部にヒーターを設け1350℃に加熱した石英板を使用し、ゆっくりと冷却した。
【0067】
このシリコン中には、気泡が存在しなかった。この粒子の見かけ密度は、2.33g/cmであった。
【0068】
また、実施例1と同様に破砕した破砕物の粒子径をSKレーザーで測定したところ、200μm以下の微粒子の発生率は2%であった。
【0069】
実施例2
トリクロロシランと水素を反応させてシリコン融液を形成する代わりに、下部に穴を空けたグラファイトの筒状容器に固体シリコンを充填し、水素雰囲気中、高周波で1500℃に加熱してシリコン融液を形成した。更に水素の存在下で30分溶融状態を保持した後、融液上部より水素で圧力をかけ、下部の穴からシリコン融液を落下させた。
【0070】
該分離落下させたシリコン融液の液滴を自然落下させ、0.5秒で下部に設けた冷却材9と接触させた。
【0071】
尚、冷却材9は、予め得られた多結晶シリコン発泡体の粒子を敷き詰め、その表面温度が、300℃に保持されるように冷却した。
【0072】
固化した粒子の見かけ密度を測定したところ、2.11g/cmであった。
【0073】
また、実施例1と同様に破砕した破砕物の粒子径をSKレーザーで測定したところ、200μm以下の微粒子の発生率は0.2%であった。
【0074】
実施例3
実施例1において、四塩化珪素を原料とし、水素/四塩化珪素のモル比を、20に調整してシリコン融液を形成した以外はすべて実施例1と同じ条件で多結晶シリコン発泡体を得た。
【0075】
固化した粒子の見かけ密度を測定したところ、2.05g/cmであった。
【0076】
また、実施例1と同様に破砕した破砕物の粒子径をSKレーザーで測定したところ、200μm以下の微粒子の発生率は0.2%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多結晶シリコン発泡体の製造装置について代表的態様を示す概略図
【符号の説明】
1 筒状容器
2 開口部
3 加熱装置
4 クロロシラン類供給管
6、11 シールガス供給管
7 密閉容器
8 多結晶シリコン発泡体
9 冷却材

Claims (4)

  1. 内部に気泡が存在し、見かけ密度が2.20g/cm以下であることを特徴とする多結晶シリコン発泡体。
  2. 前記気泡として、1つ当りの直径が50μm以上の気泡を1つ以上有する、請求項1記載の多結晶シリコン発泡体。
  3. 水素の存在下で溶融させたシリコン融液を液滴として自然落下せしめ、剪断力を与えることなく、500℃以下の表面温度を有する冷却材と接触させることにより、0.2〜秒の時間内に、上記水素の気泡を液滴中に固定することを特徴とする多結晶シリコン発泡体の製造方法。
  4. 水素の存在下で、クロロシラン類を原料としたシリコンの析出と該シリコンの溶融とを同時に行う請求項3記載の多結晶シリコン発泡体の製造方法。
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