JP4230351B2 - 包装用材料のための低スカルピング積層物 - Google Patents

Description

本発明は包装のための低スカルピング（ｌｏｗ ｓｃａｌｐｉｎｇ）積層材料に関する。さらに特定的には、本発明は香気（フレーバー）損失に対する障壁ならびに酸素障壁を包含する包装用積層材料に関する。

液体食品の貯蔵のための積層された材料から形成される包装は広い範囲に使用されている。典型的には積層された材料は、上に１つ又はそれ以上の液体不浸透性コーテイングが適用されている比較的に堅いが、しかし折り曲げできるコア（芯）層から形成される。普通のコア層は紙又は板紙である。この材料は良好な機械的形状安定性を与え、比較的に低い費用であり、そして典型的にはリサイクルが可能である。液体不浸透性のプラスチックコーテイングは典型的には、ヒートシーリング性（熱封止性）を有し、包装の全体的機能を高めるポリエチレンのような熱可塑性材料である。

単独で紙又は板紙及び液体不浸透性熱可塑性物質から形成される積層された材料は、それらが典型的に高度に酸素透過性である１つの欠点を有する。これは、酸素と接触して劇的に劣化する可能性がある貯蔵寿命、香気（フレーバー）及び／又は栄養含有成分を有する食品にとって特に問題である。多くのフルーツジュースは、それらが酸素に曝されたときにビタミンＣ含有量の低下を示す。

そのようなものとして、（貯蔵される製品に対して）包装の内部表面上にある、コア層の側面上にガス不浸透性材料の障壁層が設けられている包装用材料が開発された。経験は、優れた酸素不浸透性が、アルミニウムホイル、ＥＶＯＨ（エチレンビニルアルコール）及びＰＶＯＨ（ポリビニルアルコール）のような材料によって提供されることを示した。

これらのガス不浸透性層の各々は、今までに知られている障壁不含有包装に優る有益性及び利点を提供するけれども、それらの各々は個々に又は集合的にの両方で、それらの欠点を有する。例えばアルミニウムホイルは全く満足できる酸素障壁特性を提供するけれども、アルミニウムホイルを含有する材料は容易にリサイクルされることができず、そして環境にきびしく影響する可能性がある。そのようなものとして、多くのアルミニウムホイルをベースとする材料は、単一の用途の食品包装において使用するためには退けられてきた。

ＥＶＯＨ及びＰＶＯＨは湿気に対して非常に感受性であり、そしてそれらが湿気のある環境に曝される場合に、酸素ガスに対するそれらの障壁特性を迅速に失う。したがって、例えば包装が延長された貯蔵寿命を有することが必要とされる可能性がある場合に、これらの材料単独では食品包装用の用途のために受け入れられることが出来ない。湿気劣化に伴う問題を克服するために、ＥＶＯＨ及びＰＶＯＨ障壁材料はポリエチレンのような追加の重合体でさらにコーテイングされるか又は積層されることができる。

別法として、ＥＶＯＨ及びＰＶＯＨは、優れたガス障壁性質を有し、しかも耐湿特性を有する連続性の十分に完全一体化された層を達成する１つ又はそれ以上の既知の、食品に許容された重合体と組み合わせることができる。しかしながらこれらの材料は、構造材料に関して及び生産方法に関しての両方で高い費用の包装を生ずる。また、増加している数の層はいっそう複雑な製造操作を生ずる。

包装用材料は包装された製品から香気（フレーバー）を“スカルピングする（ｓｃａｌｐ）”傾向があり得ることがまた分かった。例えば、低密度ポリエチレンは包装された製品からポリエチレン層中に香気（フレーバー：風味）をスカルピングする、即ち引く抜く傾向があることが観察された。このことはオレンジジュース、等のようなフルーツジュースに関して特に真実であり、そしてフルーツジュース濃縮物から造られていない包装されている天然ジュースにとって特に問題である。典型的には濃縮ジュースからではないこれらのジュースは、天然の香気（フレーバー）を補充するためにジュースに加えられる香気（フレーバー）添加剤又は香気（フレーバー）強化剤を有していない。結果として、包装用材料のスカルピング作用はそのような香気（フレーバー）強化剤の添加により阻止されることができない。

この結果に対して、香気（フレーバー）のスカルピング又は損失は、普通の消費者によっては検出可能ではないかもしれないが、それでもやはり、そのことは低いスカルピング又は非スカルピング材料容器中に貯蔵された同じ製品と比較した場合に、高いスカルピング材料中に貯蔵された同一の製品の比較から容易に明らかである。

そのスカルピング作用はジュース中に存在する極性分子と、包装用材料の極性分子との相互作用の結果であると信じられる。また、極性材料を含有する包装用材料のバルク（嵩）（例えば、密度又は厚さ）が大きくなればなるほど、ジュース製品と包装用材料との間の相互作用がそれだけ大きくなることが観察された。また、包装の液体不浸透性を確実にするために、そして容器を直立させるか又は構築することにおいて種々のカートンパネル間の封止（シーリング）を形成するのに十分な材料を提供するために、カートンの内側表面上に十分な量又は十分なバルク（嵩）の重合体材料が存在しなければならない点においてこのことは問題がある。

したがって、包装製品の酸化を防止するための高い酸素障壁特性を提供する積層包装用材料の必要性が存在する。望ましくはそのような積層材料は延長された時間期間にわたって“貯蔵状態”のままであることができる包装のような、湿気のある環境に付されたときでさえ、構造的又は機械的安定性をさらに提供する。最も望ましくは、そのような包装は包装された製品からの香気（フレーバー）の損失を減少させるために、低いスカルピング特性をさらに提供する。

発明の概要
紙又は板紙のコア（芯）層、そのコア層の一側面（即ち外側面）に適用された重合体コーテイング及び新規な内側の組み合わせから、食品包装のための低スカルピング（ｌｏｗ ｓｃａｌｐｉｎｇ）積層材料が形成される。この内側層は、コア層の反対側の側面に隣接して配置された第１障壁層、第１障壁層に隣接して第１結合（ｔｉｅ）層、第１結合層に隣接して第２障壁層、第２障壁層に隣接して第２結合層、及び第２結合層に隣接して重合体コーテイングを含む。該内側重合体コーテイングは食品と接触する表面である。

第１障壁層及び第２障壁層は芳香族ポリアミド樹脂とポリアミド６との混合物から形成され、そして第１結合層及び第２結合層は変性ポリエチレン及びポリオレフィンの１種から形成される。

好ましくは第１障壁層は約６０パーセント〜約１００パーセントの濃度で芳香族ポリアミド樹脂と、約０パーセント〜約４０パーセンドの濃度で存在するＰＡ−６との混合物である。最も好ましくは、芳香族ポリアミド樹脂は約７５パーセントの濃度で存在し、そしてＰＡ−６は約２５パーセントの濃度で存在する。

好ましい積層物において、第１結合層及び第２結合層は無水マレイン酸官能基を有する低密度ポリエチレンから形成される。

第１障壁層及び第２障壁層は好ましくは約４ｇ／ｍ²〜約６ｇ／ｍ²（ｇｒａｍｓ ｐｅｒ ｓｑｕａｒｅ ｍｅｔｅｒ）（ｇｓｍ）の厚さを有する。第１結合層は約１３ｇｓｍ〜約１７ｇｓｍの厚さを有するのが好ましく、第２結合層は約３ｇｓｍ〜約５ｇｓｍの厚さを有するのが好ましく、そして内側重合体コーテイングは約６ｇｓｍ〜約８ｇｓｍの厚さを有するのが好ましい。

内側及び外側の重合体材料は非極性重合体材料である。好ましい材料は低密度ポリエチレンである。また、線状低密度ポリエチレン、変性線状低密度ポリエチレン、及びこれらの材料のブレンドが受け入れられることができる。

食品貯蔵のためのカートンは直立した側壁、封止（シール）された底部壁及び封止（シール）されたトップ壁を含む。そのカートンは食品と接触するための内部領域を有する。

カートンは、低スカルピング積層材料から形成される。その材料は、紙又は板紙のコア層、該コア層の第１側面に適用された第１重合体コーテイング、該コア層の第２側面に隣接する第１障壁層、該第１障壁層に隣接する第１結合層、該第１結合層に隣接する第２障壁層、該第２障壁層に隣接する第２結合層、及び該第２結合層に隣接する第２重合体コーテイングを含む。

重合体コーテイングは食品と接触するために設計される。第１障壁層及び第２障壁層は芳香族ポリアミド樹脂とポリアミド６との混合物から形成され、そして第１結合層及び第２結合層は、変性ポリエチレン及びポリオレフインの１種から形成される。

本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、特許請求の範囲と一緒に以下の詳細な記載から明らかになるであろう。

本発明の有益性及び利点は、以下の詳細な記載及び添付図面を再検討した後に関連業界の当業者にいっそう容易に明らかになるであろう。図面において、

図１は本発明の原理を具体化している積層材料から形成された典型的な山形トップカートンの遠近図であり、それに設けられた注ぎ口タイプの囲いを有するカートンが例示される。

図２は本発明の原理を具体化する低いスカルピングの積層材料の態様を例示する横断面図である。

発明の詳細な記載
本発明は種々の形での態様の余地があるけれども、本開示は本発明の例示であると考えられるべきであり、そして例示される特定の態様に本発明を限定することは意図されないことの理解と共に、現在好ましい態様が図面において示され、そして以下に記載されるだろう。この明細書のこの区分の表題、即ち“発明の詳細な記載”は米国特許庁の要件に関連し、そして本明細書に開示された主要な事項を限定することを暗示するものではなく、又は限定するものとして推断されるべきではないことがさらに理解されるべきである。

さて、図面、特に図１を参照して、本発明の原理を具体化する材料から形成されるカートン１０が示される。例示されたカートン１０は標準の山形トップカートンである。カートンは（２つの壁が１２及び１４で示される）４つの直立している側壁、（１６で局部透視で示される）封止（シール）された底壁及びよく知られている山形トップ１８を含む。本開示を研究した後に、当該の低いスカルピング積層材料が、ほとんどすべてのタイプのカートンの製造のために用いられることができ、山形トップカートンのための使用に限定されないことを、当業者は認識するだろう。カートン１０は製品が貯蔵される、２０で一般的に示される内部領域を規定している。

当業者により知られている、例示的注ぎ口タイプの囲いのような囲い２２を有するカートン１０が例示される。これらの注ぎ口タイプの囲い２２は、種々の製品のために広く用いられるようになってきた。注ぎ口タイプの囲いは、一方でカートン１０中に酸素が進入するのを防止するために閉じられたカートンを維持しながら、優れた再封止性（再シール性）を提供する。

カートン１０は、２４で一般に示される、図２おいて示される積層物のような積層材料から形成される。積層された材料２４は紙又は板紙の基部、即ちコア層２６を含む。紙及び板紙材料、そしてそれらの製造及び使用方法は当業者に知られているだろう。

コア層２６から、２８で一般的に示されるカートンの外側まで、材料２４はコア層２６の外側表面上に配置された耐湿性重合体材料３０の層を含む。その材料３０は非極性重合体材料である。現在、１つの広く用いられている材料は低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）である。ＬＤＰＥは、その高い湿気障壁特性、比較的に低い費用及び使用の容易性の故に用いられている。ＬＤＰＥはまた、食品包装用材料のための食品接触表面及び非食品接触表面の両方において使用するために是認されている。線状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、変性線状低密度ポリエチレン（ｍ−ＬＬＤＰＥ）及びこれらの材料のブレンドが許容できる。

図２において例示される態様において、３４で一般的に示される内側の食品接触層は、新規な５つの層の複合体である。その５つの層の複合体３４は、メタ−キシレンジアミンとアジピン酸との縮合重合反応により生成された芳香族ポリアミド樹脂とポリアミド６（ＰＡ−６）との混合物の第１障壁層３６を含む。

第１障壁層３６に隣接して、第１結合（ｔｉｅ）層３８は第１障壁層３６を十分にカバーして配置されている。その結合層３８は変性ポリエチレン又はポリオレフイン材料から形成される。当該の結合層３８は無水マレイン酸官能基を有する低密度ポリエチレンから形成される。

第１結合層３８に隣接して第２障壁層４０が存在する。好ましくは第２障壁層４０は（下に記載されるように）第１障壁層３６との釣合いを保って同一の材料から形成される。第２障壁層４０の上に第２結合層４２が配置される。

最終の内側層４４は第２結合層４２の上に配置される。この態様において、最終の内側コーテイング層４４は、外側重合体コーテイング層３０の材料に類似している材料である。１つのそのような材料は低密度ポリエチレンである。他の材料は、線状低密度ポリエチレン、変性線状低密度ポリエチレン及びこれらの材料のブレンドを包含する。食品接触層におけるこれらの材料は、この態様において、“スカルピング”材料である可能性があるけれども、その内側層４４は（下に記載されるように）十分に薄く、その結果、最少のスカルピングが観察される。結合層３８は障壁層３６と４０との間の接着を高め、そして結合層４２は障壁層４０と内側層４４との間の接着を高める。また、下に記載されるように、第１結合層３８はカートン１０の封止（シール）の機械的完全一体性のための“バルク（嵩）”を提供する。

この態様において、第１障壁層３６及び第２障壁層４０は芳香族ポリアミド樹脂とＰＡ−６との混合物から形成される。好ましい混合物において、芳香族ポリアミド樹脂は混合物の約６０パーセント〜約１００パーセントの濃度で存在しそしてＰＡ−６は混合物の約０パーセント〜約４０パーセントの濃度で存在する。最も好ましくは、芳香族ポリアミド樹脂は混合物の約７５パーセントの濃度で存在し、そしてＰＡ−６は混合物の約２５パーセントの濃度で存在する。最も好ましい積層材料において、第１障壁層３６及び第２障壁層４０は同一の材料から形成される。障壁層３６の材料及び障壁層４０の材料は例外的に低いスカルピング特性を示すことが分かった。

第１障壁層３６と第２障壁層４０との間の層である結合層３８、及び第２障壁層４０と内側ＬＤＰＥ層４４との間の層である結合層４２は、上に記載されたとおりの、変性ポリエチレン又はポリオレフイン材料から形成される。最も好ましくは、結合層３８及び４２は無水マレイン酸官能基を有する低密度ポリエチレンから形成される。また、最も好ましい積層物において、第１結合層３８と第２結合層４２とは同一の材料から形成される。

上に示された層３０、３６、３８、４０、４２、４４の各々は積層物の単位面積当たりの重量に相当する特定の厚さで提供される。当業者により認識されているように、材料の厚さは関連業界における通常受け入れられている測定の単位である平方メートル当たりのグラム（ｇｓｍ）の単位で提供される。

当該の積層５つの層の構造３４は、５ｇｓｍ（±１ｇｓｍ）の重量を有する第１障壁層３６を含む。第２障壁層４０は第１障壁層と同一に形成され、そして実質的に同一の重量で適用される。

第１結合層３８、即ち第１障壁層３６と第２障壁層４０との間の結合層は１５ｇｓｍ（±１ｇｓｍ）の重量で存在する。障壁層３６及び４０とは異なって、結合層３８及び４２の重量はお互いから実質的に異なっている。この態様において、第１結合層３８は約１５ｇｓｍ（±１ｇｓｍ）の重量で存在するけれども、第２結合層４２は約４ｇｓｍ（±１ｇｓｍ）の重量で存在する。内側層４４は７ｇｓｍの重量で存在する。

当業者により認識されているように、伝統的液体食品包装適用において、内側低密度ポリエチレン障壁層は、典型的には３０ｇｓｍ〜５０ｇｓｍの重量で存在する。しかしながら、これらの材料は液体不透過性であるけれども、許容出きる酸素障壁特性を提供しないことが分かった。また、ＬＤＰＥ、ＬＬＤＰＥ、ｍ−ＬＬＤＰＥ及びそれらのブレンドは、包装製品の香気（フレーバー）のスカルピング作用の大きな一因となることが分かった。

この結果に対して、当該積層材料２４において、内側層４４は、一方では包装の必要な機械的特性を維持しながら、合理的に達成できる限りできるだけ薄く（例えば軽い重量に）維持される。即ち、約１５パーセント〜約２５パーセントだけの伝統的山形トップ包装の重量を有する一方で、内側層４４は必要な液体不透過特性及び物理的一体性を全体的な包装に与えるのに十分な重量で存在する。第２結合層、即ち内側層４４に直ぐに隣接する結合層はまた、比較的に低い重量で維持される。内側層４４の材料と同様に、結合層４２の材料はスカルピング作用の実質的な一因となることが分かった。そのようなものとして、第２結合層４２の重量は約４ｇｓｍで維持される。それにもかかわらず、この結合層４２はカートン１０の全体的機械的特性及び完全一体性が維持されるように、十分な接着を第２障壁層４０と内側層４４との間に提供する。

当該の積層物配置２４は、全体的包装１０に追加の機械的完全一体性を与えるために、実質的にいっそう重い（例えばいっそう厚い）第１結合層３８（即ち第１障壁層３６と第２障壁層４０との間の結合層）を使用する。この形状において、第１結合層３８は第２結合層４２の大きさのおおよそ４倍である約１５ｇｓｍの重さを有する。第１結合層３８が第１障壁層３６と第２障壁層４０との間に配置されることにおいて、そのスカルピング作用は第２障壁層４０の介在によって最少にされるか又は無にされる。したがって、第１結合層３８のその重量及びその実質的に大きな厚さは全体的製品の品質上に有害な影響を有しない、即ちスカルピング作用を有害に増大させない。

第２結合層４２及び内側層４４に参照して、当業者により認められるように、これらの材料はお互いに足し算したときに、合わせて約１１ｇｓｍを有する。これはいぜんとして全体的積層材料２４の比較的に重い（例えば厚い）部分であるけれども、伝統的に用いられる内側層の３０〜５０ｇｓｍよりもいぜんとしてかなり少ない。したがって、これらの２つの層４２及び４４を食品材料に最初に接触させて用いてさえ、スカルピングの程度は本願積層物２４をもちいて非常に減少させることが分かった。

（約１５ｇｓｍで）実質的により重い（例えばより厚い）第１結合層３８を設けることは、包装１０の機械的特性との関係で利点を有することがまた、分かった。封止（シール）完全一体化に関して当業者により認識されるように、変形化及び直立化処理中に種々のヒートシールが包装用材料のパネル間で行われる。

ヒートシール中に、お互いに境を接する層（即ち、内側層４４及び外側層３０）は、お互いに融合して必要とされる液体不浸透性シールを形成するのに役に立つ。この実質的により重い（例えばより厚い）第１結合層３８は、特にカートン１０の側方シール、底シール及びトップシールでシール完全一体化を維持し、そして事実、高めるために必要な“バルク（嵩）”を提供することが分かった。層の、上に示される特定の配置及び重量（例えば厚さ）は、シール（封止）操作中の材料の溶け落ちを防止することがさらに分かった。

好ましい包装１０及びその製造材料において、芳香族ポリアミド樹脂は商標名ＭＸＤ−６^TM下にニューヨーク州ニューヨークのミツビシ ガス アンド ケミカル アメリカ インコーポレーテッドから市販されている。ＰＡ−６材料は商標名１０２２ Ｃ２下にウベ インダストリーズから市販されている。好ましい結合層３８及び４２の材料、即ち、無水マレイン酸官能基を有する低密度ポリエチレンは、商標名ＢＹＮＥＬ^TM Ｇｒａｄｅ ４２８８下にデラウエア州ウイルミントンのイー アイ デュポン ド ネモラス アンド カンパニーから市販されている。

積層材料２４は任意の多くの周知の方法を用いて造られることができる。しかしながら、障壁層（即ち、芳香族ポリアミド樹脂とポリアミド６との混合物）、結合層及び重合体（例えば、ＬＤＰＥ）層が、コア上に同時押し出される同時押し出し法が期待される。本材料の大規模な製造のための他の費用の効率及び経済的な方法が当業者により認識されるだろう。

積層物２４から、本発明に従って形成された包装１０は極めて良好な香気（風味：フレーバー）保持特性を示す。包装１０は４℃の温度で１０週間の全体的に計画された製品貯蔵寿命にわたって、ｄ−リモネンの８５％保持を示した。ｄ−リモネンは、香気の“担体”であり、（オレンジの）果皮油及び（オレンジの）精油に存在する主要な化合物であり、そしてオレンジジュースの代表的な香気成分であることが分かった。

積層物２４から形成された包装１０はまた、優れたビタミン保持を提供することが分かった。特に、包装１０は１０週間後に、約４９０ｍｇ／リットルの初期ビタミンＣ濃度から、ビタミンＣの２／３の保持を提供することが分かった。

本開示において、“或る”又は“１つ”と言う用語は単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。逆に複数の事項への何らかの言及は、適当な場合、単数を包含する。

上記記載から、本発明の真の精神及び新規な概念の範囲から離れることなしに多くの修正及び変更が行われることができることが観察されるだろう。例示された特定の態様に関する限定は、意図されず又は推断されるべきでないことが理解されるべきである。本開示は、そのような修正及び変更のすべてを特許請求の範囲に入るものとして、特許請求の範囲によりカバーされることが意図される。

本発明の原理を具体化している積層材料から形成された典型的な山形トップカートンの遠近図である。それに設けられた注ぎ口タイプの囲いを有するカートンが例示されている。 本発明の原理を具体化する低いスカルピングの積層材料の態様を例示する横断面図である。

符号の説明

１０ カートン
１２ 直立している側壁
１４ 直立している側壁
１６ シールされた底壁
１８ 山形トップ
２０ 内部領域
２２ 注ぎ口タイプ囲い
２４ 積層材料
２６ コア層
２８ カートンの外側
３０ 外側重合体コーテイング（耐湿性重合体外側層）
３２ コア層の外側表面
３４ 食品接触側（内側）の層の組み合わせ
３６ 第１障壁層
３８ 第１結合層
４０ 第２障壁層
４２ 第２結合層
４４ 最終内側コーテイング層

Claims (6)

1. 紙又は板紙のコア層；
   コア層の側面に適用された重合体コーテイング；
   コア層の反対側の側面に接して配置された第１障壁層；
   第１障壁層に接して配置された第１結合層；
   第１結合層に接して配置された第２障壁層；
   第２障壁層に接して配置された第２結合層；
   第２結合層に接して配置された重合体コーテイングであって、食品接触表面のために設計されている重合体コーテイング；
   から本質的になり、しかも第１障壁層及び第２障壁層は芳香族ポリアミド樹脂とポリアミド６との混合物から形成されており、そして第１結合層及び第２結合層は変性ポリエチレン及びポリオレフインの１種から形成されている、食品包装のための低いスカルピングの積層材料。
2. 第１障壁層が６０パーセント〜１００パーセント未満の濃度での芳香族ポリアミド樹脂と、０パーセント超〜４０パーセントの濃度で存在するポリアミド６との混合物である、請求項１に記載の低いスカルピングの積層材料。
3. 芳香族ポリアミド樹脂が７５パ−セントの濃度で存在し、そしてポリアミド６が２５パーセント濃度で存在する、請求項２に記載の低いスカルピングの積層材料。
4. 直立している側壁；
   シールされている底壁；及び
   シールされているトップ壁；
   から本質的になる食品貯蔵のためのカートンにおいて、
   そのカートンは食品と接触するための内部領域を有しており、そのカートンは低いスカルピングの積層材料から形成されており、
   該低いスカルピングの積層材料は紙又は板紙のコア層；コア層の第１側面に適用された第１重合体コーテイング；コア層の第２側面に接して配置された第１障壁層；第１障壁層に接して配置された第１結合層；第１結合層に接して配置された第２障壁層；第２障壁層に接して配置された第２結合層；及び第２結合層に接して配置された第２重合体コーテイングであって、食品と接触するために設計された第２重合体コーテイング；から本質的になり、
   しかも該第１障壁層及び第２障壁層は芳香族ポリアミド樹脂とポリアミド６との混合物から形成され、そして該第１結合層及び第２結合層は変性ポリエチレン及びポリオレフインの１種から形成されている、
   上記食品貯蔵のためのカートン。
5. 第１障壁層が６０パーセント〜１００パーセント未満の濃度での芳香族ポリアミド樹脂と、０パーセント超〜４０パーセントの濃度で存在するポリアミド６との混合物である、請求項４に記載のカートン。
6. 第１結合層及び第２結合層が無水マレイン酸官能基を有する低密度ポリエチレンから形成される、請求項４に記載のカートン。

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