[go: up one dir, main page]

JP4229967B2 - ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ - Google Patents

ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ Download PDF

Info

Publication number
JP4229967B2
JP4229967B2 JP2007058408A JP2007058408A JP4229967B2 JP 4229967 B2 JP4229967 B2 JP 4229967B2 JP 2007058408 A JP2007058408 A JP 2007058408A JP 2007058408 A JP2007058408 A JP 2007058408A JP 4229967 B2 JP4229967 B2 JP 4229967B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal member
piston seal
ethylene
propylene rubber
rubber composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007058408A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008223780A (ja
Inventor
徹 野口
宏之 植木
拓己 佐合
卓史 松下
剛 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Kogyo Co Ltd
Fukoku Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
Fukoku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Kogyo Co Ltd, Fukoku Co Ltd filed Critical Nissin Kogyo Co Ltd
Priority to JP2007058408A priority Critical patent/JP4229967B2/ja
Priority to US12/071,469 priority patent/US8037975B2/en
Publication of JP2008223780A publication Critical patent/JP2008223780A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4229967B2 publication Critical patent/JP4229967B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/32Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings
    • F16J15/3284Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings characterised by their structure; Selection of materials

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)

Description

本発明は、ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキに関する。
ピストンシール部材は、一般にゴムを主成分とする架橋体のゴム組成物によって成形されている。例えば、車両用のディスクブレーキには、ピストンおよびシリンダを内蔵したキャリパボディが装着され、シリンダの内周面に形成された環状溝には、ピストンシール部材が装着されている。ディスクブレーキは、ブレーキ液圧によって、各車輪に固定されているディスクロータにブレーキパッドを押し付け、摩擦材であるブレーキパッドの摩擦力で車輪の回転を止めるものである。このピストンシール部材は、ブレーキ液をシールする役割と、ブレーキ液圧によって前進したピストンを戻す(ロールバック)役割とを有する。ここで、このブレーキパッドは、ブレーキ液圧によって、シリンダの孔のピストンが前進することにより、ディスクに押し付けられる。
すなわち、このピストンシール部材が装着されていることにより、前記シリンダと、前記シリンダの孔に挿入されたピストンと、を液密的に移動可能な状態で密接させることができる。また、液圧にて前進したピストンは、ピストンシール部材によってロールバックされる(例えば、特許文献1参照)。したがって、このピストンシール部材には、ブレーキ液を確実にシールするための靭性と、液圧にて前進したピストンを元の位置に戻す(ロールバック)ための弾性との両方が求められる。
また、ディスクブレーキのキャリパボディは、ディスクロータとブレーキパッドとの間に生じる摩擦熱によって、作動中に高温になる。これに伴い、ピストンシール部材も高温に曝される。ゴム組成物からなるピストンシール部材は、高温になると熱膨張するとともに、ピストンシール部材の弾性率が低下する。この場合、ピストンシール部材の熱膨張及びピストンシール部材の弾性率の低下によってピストンのロールバック量が変化することになり、ブレーキの効き代が変化することになる。例えば、オートバイのディスクブレーキにおいては、ブレーキ・レバーのストローク量が変化することになり、運転者のブレーキ操作に違和感を生じることがある。
そこで、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)100重量部に対し、少なくともカーボンブラック100重量部以上を添加したゴム組成物によって成形されたピストンシール部材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、炭素繊維(カーボンナノファイバーを含む)およびフラーレンの少なくとも一方を含有するゴムからなるピストンシール部材が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、200℃以上の高温のブレーキ液に対する耐久性を備えたピストンシール部材は、開発されていなかった。
特公平3−59291号公報 特開2004−316773号公報 特開2004−232786号公報
本発明の目的は、耐熱性に優れたピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキを提供することにある。
本発明にかかるピストンシール部材は、
シリンダ孔と、該シリンダ孔内を摺動するピストンと、を液密にかつ摺動可能に保持するピストンシール部材であって、
前記ピストンシール部材は、エチレン−プロピレンゴム100重量部に対し、第1のカーボンブラックを20〜60重量部と第2のカーボンブラックを50〜100重量部とを合わせて70〜160重量部と、平均直径が0.5〜500nmのカーボンナノファイバーを5〜20重量部と、を含む架橋体のゴム組成物によって成形され、
前記第1のカーボンブラックは、平均粒径が35〜100nmでDBP吸油量が50〜200ml/100gであり、
前記第2のカーボンブラックは、前記第1のカーボンブラックの平均粒径よりも大きな平均粒径であって、かつ、平均粒径が60〜500nmでDBP吸油量が5〜50ml/100gである。
本発明にかかるピストンシール部材によれば、耐熱性に優れたピストンシール部材を得ることができる。ピストンシール部材は、第2のカーボンブラックを用いることによって温度上昇に伴う弾性率の低下が減少するので、低温時だけでなく高温時においても高い弾性率を維持することができ、シール性や追従性が低下しにくい。また、ピストンシール部材は、第1のカーボンブラックを用いることによって補強され、耐久性を向上させることができる。さらに、カーボンナノファイバーを用いることによって、ピストンシール部材は高温における高い耐久性を備えることができる。
本発明にかかるピストンシール部材において、
前記ゴム組成物は、前記エチレン−プロピレンゴムに前記カーボンナノファイバーが均一に分散され、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃で測定した、無架橋体における、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満であることができる。
本発明にかかるピストンシール部材において、前記ゴム組成物は、硬度(JIS−A)が80〜95であることができる。
本発明にかかるピストンシール部材において、前記ゴム組成物は、10Hz、30℃における動的弾性率が60〜90MPaであって、10Hz、200℃における動的弾性率が30〜40MPaであることができる。
本発明にかかるピストンシール部材において、前記ゴム組成物は、200℃で24時間後における圧縮永久ひずみが14%以下であって、230℃で24時間後における圧縮永久ひずみが24%以下であることができる。
本発明にかかるピストンシール部材において、前記ゴム組成物は、200℃で250KPa荷重のクリープ試験において、瞬間ひずみが2%以下であって、定常ひずみが−2000ppm/時間〜+2000ppm/時間であることができる。
本発明にかかるピストンシール部材において、前記ピストンシール部材は、ディスクブレーキのキャリパボディに用いられることができる。
本発明にかかるディスクブレーキは、
前記ピストンシール部材と、
シリンダ孔を有するシリンダと、
前記シリンダ孔に挿入されるピストンと、を含み、
前記ピストンシール部材は、前記シリンダ孔の内周壁に形成された環状溝に嵌め込まれ、前記シリンダ孔に挿入された前記ピストンを液密的に移動可能な状態で密接させるとともに、液圧にて前進した該ピストンをロールバックさせる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るピストンシール部材8を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示すピストンシール部材8を含むディスクブレーキ20を模式的に示す断面図である。本実施の形態においては、一例として、フローティングタイプの車両用ディスクブレーキについて説明する。
(ディスクブレーキ)
本実施の形態にかかるディスクブレーキ20は、ピストンシール部材8と、シリンダ孔6aを有するシリンダ6と、前記シリンダ孔6aに挿入されるピストン5と、を含み、前記ピストンシール部材8は、シリンダ孔6aの内周壁に形成された環状溝のピストンシール溝7に嵌め込まれ、前記シリンダ孔6aに挿入された前記ピストン5を液密的に移動可能な状態で密接させるとともに、液圧にて前進した前記ピストン5をロールバックさせる。
ディスクブレーキ20は、車体(図示せず)に固定されたブラケット3と、ブラケット3に摺動可能な状態で支持されたキャリパボディ1と、を有している。キャリパボディ1は、作用部1bおよび反作用部1cを含み、ピストン5およびシリンダ6は作用部1bに形成されている。この作用部1bおよび反作用部1cは、ブリッジ部1aを介して一体的に形成されている。車輪(図示せず)と一体回転するディスクロータ2の両側の摩擦面に臨ませて、一対の摩擦パッド4b,4cが配置されている。ブラケット3には、摩擦パッド4b,4cをディスクロータ2に押圧するキャリパボディ1がスライドピン(図示せず)を介して進退可能に連結している。このキャリパボディ1は、一方の摩擦パッド4bの背面に配置する作用部1bと、他方の摩擦パッド4cの背面に配置する反作用部1cと、ディスクロータ2の外周を跨いで作用部1bおよび反作用部1cを連結するブリッジ部1aとで構成される。摩擦パッド4bは、シリンダ孔6aに挿入されたピストン5によって押されて移動し、ディスクロータ2の一側面に接する。摩擦パッド4cは、反作用部1cによって押されて移動し、ディスクロータ2の他方の側面に接する。上記の動作により、制動が行なわれる。
シリンダ孔6aの内周壁には、環状のピストンシール溝7が設けられている。このピストンシール溝7に環状のピストンシール部材8が嵌め込まれている。ピストンシール部材8の材質及びその製造方法については後述する。
液圧室9は、ピストン5の底部とシリンダ6との間に設けられている。この液圧室9には、供給口10よりブレーキ液が供給される。ピストンシール部材8は、このブレーキ液をシールする機能と、液圧室9の液圧が低下したときに、前進していたピストン5をロールバックさせる機能と、を有する。供給口10は、液圧経路28を介して、液圧源であるマスタシリンダ(図示せず)の出力ポート(図示せず)に接続されている。
図1に示すように、ピストンシール溝7は、面取コーナ7aと面取コーナ7bとを有している。ピストンシール部材8は、図1に示す黒い矢印方向(図2におけるディスクロータ2側)にピストン5が摺動して前進することによって、ピストン5の摺動面に追従してピストンシール部材8の一部が面取コーナ7aに入り込む。そして、液圧室9の液圧が低下したらピストンシール部材8の弾性によって復元することでピストン5が矢印と反対方向にロールバックされる。なお、ディスクブレーキ20の形式は、本実施の形態のようなピンスライド式に限らず、ピストンがディスクロータの両側に配置された対向型ディスクブレーキでもよく、ピストンの数やピストンシール部材の形状も本実施の形態に限定されない。
(ピストンシール部材)
本実施の形態にかかるピストンシール部材8は、シリンダ孔6aと、該シリンダ孔6a内を摺動するピストン5と、を液密にかつ摺動可能に保持するピストンシール部材8であって、ピストンシール部材8は、エチレン−プロピレンゴム100重量部に対し、第1のカーボンブラックを20〜60重量部と第2のカーボンブラックを50〜100重量部とを合わせて70〜160重量部と、平均直径が0.5〜500nmのカーボンナノファイバーを5〜20重量部と、を含む架橋体のゴム組成物によって成形され、前記第1のカーボンブラックは、平均粒径が35〜100nmでDBP吸油量が50〜200ml/100gであり、前記第2のカーボンブラックは、前記第1のカーボンブラックの平均粒径よりも大きな平均粒径であって、かつ、平均粒径が60〜500nmでDBP吸油量が5〜50ml/100gである。ピストンシール部材8は、例えば図2に示すようなディスクブレーキ20のキャリパボディ1に用いられることができる。ここで、「重量部」は、特に指定しない限り「phr」を示し、「phr」は、parts per hundred of resin or rubberの省略形であって、ゴム等に対する添加剤等の外掛百分率を表すものである。
(エチレン−プロピレンゴム)
エチレン−プロピレンゴムとしては、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)を用いることが好ましい。また、本実施の形態にかかるエチレン−プロピレンゴムは、ピストンシール部材に必要な耐熱性、耐寒性、シール性を得るため、エチリデンノルボルネンなどの第3成分を含み、かつ、エチレンとプロピレンの共重合比は、エチレン含量で45%〜80%のEPDMが好ましい。エチレン−プロピレンゴムの平均分子量は、通常5万以上のものが望ましく、より好ましくは7万以上、特に好ましくは10〜50万程度のものを用いることができる。エチレン−プロピレンゴムの分子量がこの範囲であると、エチレン−プロピレンゴム分子が互いに絡み合い、相互につながっているので、エチレン−プロピレンゴムは、凝集したカーボンナノファイバーの相互に侵入しやすく、したがってカーボンナノファイバー同士を分離する効果が大きい。エチレン−プロピレンゴムの分子量が5000より小さいと、エチレン−プロピレンゴム分子が相互に充分に絡み合うことができず、後に説明する工程で剪断力をかけてもカーボンナノファイバーを分散させる効果が小さくなり好ましくない。また、エチレン−プロピレンゴムの分子量が500万より大きいと、エチレン−プロピレンゴムが固くなりすぎて加工が困難となり好ましくない。
エチレン−プロピレンゴムは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって、30℃で測定した、未架橋体におけるネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が好ましくは100ないし3000μ秒、より好ましくは200ないし1000μ秒である。上記範囲のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)を有することにより、エチレン−プロピレンゴムは、柔軟で充分に高い分子運動性を有することができる。このことにより、エチレン−プロピレンゴムとカーボンナノファイバーとを混合したときに、エチレン−プロピレンゴムは高い分子運動によりカーボンナノファイバーの相互の隙間に容易に侵入することができる。スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が100μ秒より短いと、エチレン−プロピレンゴムが充分な分子運動性を有することができない。また、スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が3000μ秒より長いと、エチレン−プロピレンゴムが液体のように流れやすくなり、そのままではカーボンナノファイバーを分散させることが困難となる。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られるスピン−スピン緩和時間は、物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、パルス法NMRを用いたハーンエコー法によりエチレン−プロピレンゴムのスピン−スピン緩和時間を測定すると、緩和時間の短い第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する第1の成分と、緩和時間のより長い第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する第2の成分とが検出される。第1の成分は高分子のネットワーク成分(骨格分子)に相当し、第2の成分は高分子の非ネットワーク成分(末端鎖などの枝葉の成分)に相当する。そして、第1のスピン−スピン緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エチレン−プロピレンゴムは固いといえる。また、第1のスピン−スピン緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エチレン−プロピレンゴムは柔らかいといえる。
パルス法NMRにおける測定法としては、ハーンエコー法でなくてもソリッドエコー法、CPMG法(カー・パーセル・メイブーム・ギル法)あるいは90゜パルス法でも適用できる。ただし、本発明にかかるエチレン−プロピレンゴムは中程度のスピン−スピン緩和時間(T2)を有するので、ハーンエコー法が最も適している。一般的に、ソリッドエコー法および90゜パルス法は、短いT2の測定に適し、ハーンエコー法は、中程度のT2の測定に適し、CPMG法は、長いT2の測定に適している。
カーボンナノファイバーは、通常、側面は炭素原子の6員環で構成され、先端は5員環が導入されて閉じた構造となっているが、構造的に無理があるため、実際上は欠陥を生じやすく、その部分にラジカルや官能基を生成しやすくなっている。そして、エチレン−プロピレンゴムと、カーボンナノファイバーと、を混練する際に、エチレン−プロピレンゴムの分子鎖が切断されて生成したフリーラジカルは、カーボンナノファイバーの欠陥を攻撃し、カーボンナノファイバーの表面にラジカルを生成すると推測できる。
(カーボンナノファイバー)
カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5〜500nmであり、さらに好ましくは平均直径が0.5ないし100nmである。また、カーボンナノファイバーは、平均長さが0.01〜1000μmであることが好ましい。カーボンナノファイバーの配合量は、ピストンシール部材に配合される第1、第2のカーボンブラックの量やピストンシール部材に要求される高温特性などによって適宜設定できるが、優れた耐熱性を得るためにエチレン−プロピレンゴム100重量部に対してカーボンブラック70〜160重量部を配合した場合、カーボンナノファイバー5〜20重量部を含むことが好ましい。
カーボンナノファイバーとしては、例えば、いわゆるカーボンナノチューブなどが例示できる。カーボンナノチューブは、炭素六角網面のグラファイトの1枚面を1層に巻いた単層カーボンナノチューブ(シングルウォールカーボンナノチューブ:SWNT)、2層に巻いた2層カーボンナノチューブ(ダブルウォールカーボンナノチューブ:DWNT)、3層以上に巻いた多層カーボンナノチューブ(MWNT:マルチウォールカーボンナノチューブ)などが適宜用いられる。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブといった名称で称されることもある。また、カーボンナノファイバーは、ホウ素、炭化ホウ素、ベリリウム、アルミニウム、ケイ素等の黒鉛化触媒と共に約2300℃〜3200℃で黒鉛化処理したものを用いてもよい。
単層カーボンナノチューブもしくは多層カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、気相成長法などによって望ましいサイズに製造される。アーク放電法は、大気圧よりもやや低い圧力のアルゴンや水素雰囲気下で、炭素棒でできた電極材料の間にアーク放電を行うことで、陰極に堆積した多層カーボンナノチューブを得る方法である。また、単層カーボンナノチューブは、前記炭素棒中にニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜてアーク放電を行い、処理容器の内側面に付着するすすから得られる。レーザーアブレーション法は、希ガス(例えばアルゴン)中で、ターゲットであるニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜた炭素表面に、YAGレーザーの強いパルスレーザー光を照射することによって炭素表面を溶融・蒸発させて、単層カーボンナノチューブを得る方法である。気相成長法は、ベンゼンやトルエン等の炭化水素を気相で熱分解し、カーボンナノチューブを合成するもので、より具体的には、流動触媒法やゼオライト担持触媒法などが例示できる。なお、カーボンナノファイバーは、エチレン−プロピレンゴムと混練される前に、あらかじめ表面処理、例えば、イオン注入処理、スパッタエッチング処理、プラズマ処理などを行うことによって、エチレン−プロピレンゴムとの接着性やぬれ性を改善することができる。
(カーボンブラック)
第1のカーボンブラックは、ゴム組成物の補強として用いるため、平均粒径が35nm〜100nmでDBP吸油量が50〜200ml/100gであることが好ましく、さらに好ましくは平均粒径が40〜75nmでDBP吸油量が100〜160ml/100gである。第1のカーボンブラックの平均粒径が35nm未満及び/またはDBP吸油量が50ml/100g未満であると、高温における望ましい補強効果が得られなくなり、平均粒径が100nmを超え及び/またはDBP吸油量が200ml/100gを超えると望ましい補強効果が得られない。本発明のゴム組成物は、第1のカーボンブラックによって補強されることで、弾性率を低く抑えて剛性及び耐久性を向上させ、ディスクブレーキのピストンシール部材に用いられた場合には充分なロールバック量を得ることと、引きずりを減少させる効果を有する。
第2のカーボンブラックは、ピストンシール部材に必要な硬さと機械的強度を持たせながら、ゴム組成物中におけるゴムポリマー分率を小さくしてゴム組成物の線膨張係数を低く抑えるため、第1のカーボンブラックの平均粒径よりも大きな平均粒径であって、かつ、平均粒径が60〜500nmでDBP吸油量が5〜50ml/100gであることが好ましく、さらに好ましくは80〜150nmでDBP吸油量が30〜45ml/100gである。第2のカーボンブラックの平均粒径が60nm未満及び/またはDBP吸油量が5ml/100g未満であると、望ましい硬さや線膨張係数の組み合わせが得られなくなり、平均粒径が500nmを超え及び/またはDBP吸油量が50ml/100gを超えると、望ましい補強効果が得られない。
(ゴム組成物の製造方法)
本実施の形態にかかるゴム組成物の製造方法としては、エチレン−プロピレンゴムとカーボンナノファイバーとを、オープンロール、単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなど公知の混合機に供給し、混練する方法が挙げられる。カーボンブラックなどのカーボンナノファイバー以外の充填材は、カーボンナノファイバーを供給する前に混合機に供給することが好ましい。通常、この混練の際に、カーボンブラックと同量程度のプロセスオイルが使用されるが、本発明のゴム組成物の製造過程では使用しないことが望ましい。プロセスオイルを用いて製造されたピストンシール部材を用いた液圧マスタシリンダは、プロセスオイルが作動液中に溶け出し、作動液の性能の経時変化や耐熱性の変化の原因となるからである。
エチレン−プロピレンゴムとカーボンブラックとカーボンナノファイバーとを混練する工程は、エチレン−プロピレンゴムと、第1、第2のカーボンブラック及びカーボンナノファイバーと、を第1の温度で混練する第1の混練工程と、前記第1の混練工程で得られた混合物を第2の温度で混練する第2の混練工程と、前記第2の混練工程で得られた混合物を薄通しする第3の混練工程と、を含む。本実施の形態では、第1の混練工程及び第2の混練工程として密閉式混練法を用い、第3の混練工程としてオープンロール法を用いた例について述べる。
図3は、2本のロータを用いた密閉式混練機11によるゴム組成物の製造方法を模式的に示す図である。図4は、オープンロール機によるゴム組成物の第3の混練工程(薄通し)を模式的に示す図である。図3において、密閉式混練機11は、第1のロータ12と、第2のロータ14と、を有する。第1のロータ12と第2のロータ14とは、所定の間隔で配置され、回転することによってエチレン−プロピレンゴムを混練することができる。図示の例では、第1のロータ12および第2のロータ14は、互いに反対方向(例えば、図中の矢印で示す方向)に所定の速度比で回転している。第1のロータ12と第2のロータ14との速度、第1、第2のロータ12,14とチャンバー18の内壁部との間隔などによって、所望の剪断力を得ることができる。この工程での剪断力は、エチレン−プロピレンゴムの種類および第1、第2のカーボンブラックとカーボンナノファイバーの量などによって適宜設定される。
(混合工程)
まず、密閉式混練機11の材料供給口16からエチレン−プロピレンゴム200を投入し、第1,第2のロータ12,14を回転させる。さらに、チャンバー18内に第1、第2のカーボンブラック210、212及びカーボンナノファイバー220を加えて、さらに第1,第2のロータ12,14を回転させることにより、エチレン−プロピレンゴム200とカーボンナノファイバー220との混合が行われる。
(第1の混練工程)
ついで、エチレン−プロピレンゴム200にカーボンナノファイバー220を加えて混合した混合物を、さらに第1,第2のロータ12,14を所定の速度比で回転させて混練する第1の混練工程が行なわれる。第1の混練工程では、できるだけ高い剪断力を得るために、エチレン−プロピレンゴムとカーボンナノファイバーとの混合は、第2の混練工程より50〜100℃低い第1の温度で行なわれる。第1の温度は、好ましくは0ないし50℃、より好ましくは5ないし30℃の第1の温度である。第1の温度が0℃よりも低い場合には混練が困難であり、第1の温度が50℃より高い場合には高い剪断力が得られないためカーボンナノファイバーをエチレン−プロピレンゴム全体に分散させることができない。第1の温度の設定は、チャンバー18の温度によって設定しても、第1、第2のロータ12,14の温度によって設定してもよく、あるいは混合物の温度を測定しながら速度比の制御や各種温度制御を行なってもよい。また、前述の混合工程に引き続いて同じ密閉式混練機11で第1の混練工程を行なう場合は、あらかじめ第1の温度に設定しておいてもよい。
エチレン−プロピレンゴム200として非極性のEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)を用いた場合、第1の混練工程によって、カーボンナノファイバー220は、凝集塊を残しながらもエチレン−プロピレンゴム200全体に分散する。
(第2の混練工程)
さらに、第1の混練工程によって得られた混合物を別の密閉式混練機11に投入し、第2の混練工程が行なわれる。第2の混練工程では、エチレン−プロピレンゴム200の分子を切断してラジカルを生成させるため、第1の温度よりも50〜100℃高い第2の温度で混練が行なわれる。第2の混練工程で用いられる密閉式混練機11は、ロータ内に内蔵したヒータもしくはチャンバーに内蔵されたヒータによって第2の温度まで昇温させられており、第1の温度よりも高温の第2の温度で第2の混練工程を行うことができる。第2の温度は、用いられるエチレン−プロピレンゴムの種類によって適宜選択することができるが、50〜150℃が好ましい。第2の温度が50℃より低いと、エチレン−プロピレンゴム分子にラジカルが生成されにくく、カーボンナノファイバーの凝集塊を解くことができない。また、第2の温度が150℃より高いと、エチレン−プロピレンゴムの分子量が低下しすぎてしまい、弾性率が低下して好ましくない。
なお、第2の混練時間は、第2の温度の設定や、ロータ間隔の設定、回転速度などによって適宜設定することができる。本実施の形態においては、およそ10分以上の混練時間で効果が得られる。このようにして第2の混練工程を行なうことで、エチレン−プロピレンゴム200の分子が切断されてラジカルが生成し、カーボンナノファイバー220がエチレン−プロピレンゴム分子のラジカルと結合しやすくなる。
(第3の混練工程)
そして、第2の混練工程によって得られた混合物36をさらに第1の温度に設定されたオープンロール30に投入し、図4に示すように、第3の混練工程(薄通し工程)を複数回、例えば10回行い、分出しする。第1のロール32及び第2のロール34のロール間隔d(ニップ)は、第1、第2の混練工程よりも剪断力が大きくなる0〜0.5mm、例えば0.3mmに設定され、ロール温度は第1の混練工程と同じ0ないし50℃、より好ましくは5ないし30℃の第3の温度に設定される。第1のロール32の表面速度をV1、第2のロール34の表面速度をV2とすると、薄通しにおける両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05ないし3.00であることが好ましく、さらに1.05ないし1.2であることが好ましい。このような表面速度比を用いることにより、所望の剪断力を得ることができる。薄通しされたゴム組成物は、ロールで圧延されてシート状に分出しされる。第3の混練工程は、エチレン−プロピレンゴム200中にカーボンナノファイバー220をさらに均一に分散させる仕上げの分散工程であり、より均一な分散性を要求されるときに有効である。この第3の混練工程(薄通し工程)によって、ラジカルが生成したエチレン−プロピレンゴム200がカーボンナノファイバー220を1本づつ引き抜くように作用し、カーボンナノファイバー220をさらに分散させることができる。また、第3の混練工程で架橋剤を投入し、架橋剤の均一分散も行うことができる。
このように、第1の温度による第1の混練工程を行なうことで、高い剪断力によってエチレン−プロピレンゴム全体にカーボンナノファイバーを分散させることができ、さらに第2の温度による第2の混練工程と第3の混練工程とを行なうことで、エチレン−プロピレンゴム分子のラジカルによってカーボンナノファイバーの凝集塊を解くことができる。したがって、EPDMのような非極性のエチレン−プロピレンゴムでもカーボンナノファイバーを全体に分散させると共に、カーボンナノファイバーの凝集塊の無いゴム組成物を製造することができる。特に、エチレン−プロピレンゴム200は、弾性と、粘性と、カーボンナノファイバー220との化学的相互作用と、を有するため、カーボンナノファイバー220を容易に分散することができる。また、第1〜第3の混練工程において、第1、第2のカーボンブラック210,212のまわりに発生するエラストマーの乱流のような幾通りもの複雑な流動によって、個々のカーボンナノファイバー同士を引き離す方向にも剪断力が働くことになる。したがって、カーボンナノファイバーは、個々に化学的相互作用によって結合したエラストマー分子のそれぞれの流動方向へ移動するため、エラストマー中に均一に分散されることになる。そして、カーボンナノファイバー220の分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れたゴム組成物を得ることができる。
より具体的には、オープンロールでエチレン−プロピレンゴムとカーボンナノファイバーとを混合すると、粘性を有するエチレン−プロピレンゴムがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エチレン−プロピレンゴムの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合する。次に、エチレン−プロピレンゴムに強い剪断力が作用すると、エチレン−プロピレンゴム分子の移動に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、さらに剪断後の弾性によるエチレン−プロピレンゴムの復元力によって、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エチレン−プロピレンゴム中に分散されることになる。本実施の形態によれば、ゴム組成物が狭いロール間から押し出された際に、エチレン−プロピレンゴムの弾性による復元力でゴム組成物はロール間隔より厚く変形する。その変形は、強い剪断力の作用したゴム組成物をさらに複雑に流動させ、カーボンナノファイバーをエチレン−プロピレンゴム中に分散させると推測できる。そして、一旦分散したカーボンナノファイバーは、エチレン−プロピレンゴムとの化学的相互作用によって再凝集することが防止され、良好な分散安定性を有することができる。
なお、エチレン−プロピレンゴムにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる第1、第2の混練工程においては、加工性から密閉式混練機を用いることが好ましいが、オープンロール法などの他の混練機を用いてもよい。密閉式混練機としては、バンバリミキサ、ニーダ、ブラベンダーなどの接線式もしくは噛合い式を採用することができる。第1、第2、第3の混練工程は、上記密閉式混練法、オープンロール法に限定されず、多軸押出し混練法(例えば二軸押出機)によって行うことができる。混練機は、生産量などに応じて適宜組み合わせて選択することができる。特に、第3の混練工程におけるオープンロール法は、ロール温度の管理だけでなく、混合物の実際の温度を測定し管理することができるため、好ましい。
ゴム組成物の製造方法は、第1〜第3の混練工程中もしくは第3の混練工程の薄通し後の分出しされたゴム組成物に架橋剤を混合することができる。こうして混練されて得られたゴム組成物は、ピストンシール部材の形状を有した金型を用いて押出成形もしくは射出成形されて架橋体のゴム組成物からなるピストンシール部材に成形される。
本実施の形態にかかるゴム組成物の製造方法において、通常、エチレン−プロピレンゴムの加工で用いられる配合剤を加えることができる。配合剤としては公知のものを用いることができる。配合剤としては、例えば、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などを挙げることができる。これらの配合剤は、例えば混練機におけるカーボンナノファイバーの投入前にエチレン−プロピレンゴムに投入してもよいし、第1〜第3の混練工程の途中で投入することができる。
なお、本実施の形態にかかるピストンシール部材のゴム組成物の製造方法においては、ゴム弾性を有した状態のエチレン−プロピレンゴムにカーボンナノファイバーを直接混合したが、これに限らず、以下の方法を採用することもできる。まず、カーボンナノファイバーを混合する前に、エチレン−プロピレンゴムを素練りしてエチレン−プロピレンゴムの分子量を低下させる。エチレン−プロピレンゴムは、素練りによって分子量が低下すると、粘度が低下するため、凝集したカーボンナノファイバーの空隙に浸透しやすくなる。原料となるエチレン−プロピレンゴムは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって30℃で測定した、未架橋体における、ネットワーク成分の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし3000μ秒である。この原料のエチレン−プロピレンゴムを素練りしてエチレン−プロピレンゴムの分子量を低下させ、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が3000μ秒を越える液体状のエチレン−プロピレンゴムを得る。なお、素練り後の液体状のエチレン−プロピレンゴムの第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は、素練りする前の原料のエチレン−プロピレンゴムの第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)の5〜30倍であることが好ましい。この素練りは、エチレン−プロピレンゴムが固体状態のままで行なう一般的な素練りとは異なり、強剪断力を例えばオープンロール法で与えることによってエチレン−プロピレンゴムの分子を切断し分子量を著しく低下させ、混練に適さない程の流動を示すまで、液体状態になるまで行なわれる。この素練りは、例えばオープンロール法を用いた場合、ロール温度20℃(素練り時間最短60分)〜150℃(素練り時間最短10分)で行なわれロール間隔dは例えば0.1mm〜1.0mmで、素練りして液体状態のエチレン−プロピレンゴムに、第1、第2のカーボンブラックとカーボンナノファイバーとを投入する。しかしながら、エチレン−プロピレンゴムは液体状で弾性が著しく低下しているため、エチレン−プロピレンゴムのフリーラジカルとカーボンナノファイバーが結びついた状態で混練しても凝集したカーボンナノファイバーはあまり分散されない。
そこで、液体状のエチレン−プロピレンゴムとカーボンナノファイバーとを混練して得られた混合物中におけるエチレン−プロピレンゴムの分子量を増大させ、エチレン−プロピレンゴムの弾性を回復させてゴム状弾性体の混合物を得た後、先に説明したオープンロール法の薄通しなどを実施してカーボンナノファイバーをエチレン−プロピレンゴム中に均一に分散させる。エチレン−プロピレンゴムの分子量が増大したゴム状弾性体の混合物は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって30℃で測定した、ネットワーク成分の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が3000μ秒以下である。また、エチレン−プロピレンゴムの分子量が増大したゴム状弾性体の混合物の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は、素練りする前の原料エチレン−プロピレンゴムの第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)の0.5〜10倍であることが好ましい。ゴム状弾性体の混合物の弾性は、エチレン−プロピレンゴムの分子形態(分子量で観測できる)や分子運動性(T2nで観測できる)によって表すことができる。エチレン−プロピレンゴムの分子量を増大させる工程は、混合物を加熱処理例えば40℃〜100℃に設定された加熱炉内に混合物を配置し、10時間〜100時間行なわれることが好ましい。このような加熱処理によって、混合物中に存在するエチレン−プロピレンゴムのフリーラジカル同士の結合などによって分子鎖が延長され、分子量が増大する。また、エチレン−プロピレンゴムの分子量の増大を短時間で実施する場合には、架橋剤を少量、例えば架橋剤の適量の1/2以下を混合させておき、混合物を加熱処理(例えばアニーリング処理)し架橋反応によって短時間で分子量を増大させることもできる。架橋反応によってエチレン−プロピレンゴムの分子量を増大させる場合には、この後の工程で混練が困難にならない程度に架橋剤の配合量、加熱時間及び加熱温度を設定することが好ましい。
ここで説明したピストンシール部材のゴム組成物の製造方法によれば、カーボンナノファイバーを投入する前にエチレン−プロピレンゴムの粘度を低下させることで、エチレン−プロピレンゴム中にカーボンナノファイバーを従来よりも均一に分散させることができる。より詳細には、先に説明した製造方法のように分子量が大きいエチレン−プロピレンゴムにカーボンナノファイバーを混合するよりも、分子量が低下した液体状のエチレン−プロピレンゴムを用いた方が凝集したカーボンナノファイバーの空隙に侵入しやすく、薄通しの工程においてカーボンナノファイバーをより均一に分散させることができる。また、エチレン−プロピレンゴムが分子切断されることで大量に生成されたエチレン−プロピレンゴムのフリーラジカルがカーボンナノファイバーの表面とより強固に結合することができるため、さらにカーボンナノファイバーを均一に分散させることができる。したがって、ここで説明した製造方法によれば、先の製造方法よりも少量のカーボンナノファイバーでも同等の性能を得ることができ、高価なカーボンナノファイバーを節約することで経済性も向上する。
こうして混練されて得られたゴム組成物は、架橋剤を適量加えて、ピストンシール部材の形状を有した金型を用いて押出成形もしくは射出成形されて架橋体のゴム組成物からなるピストンシール部材に成形される。
(ゴム組成物の特性)
ゴム組成物は、マトリックスであるエチレン−プロピレンゴムに平均直径が0.5〜500nmのカーボンナノファイバーが均一に分散され、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃で測定した、無架橋体における、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満である。ゴム組成物は、架橋してピストンシール部材に成形されることができる。ゴム組成物は、架橋体において、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし2000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満であることが好ましい。
ゴム組成物のT2n,fnnは、マトリックスであるエチレン−プロピレンゴムにカーボンナノファイバーが均一に分散されていることを表すことができる。つまり、エチレン−プロピレンゴムにカーボンナノファイバーが均一に分散されているということは、エチレン−プロピレンゴムがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、カーボンナノファイバーによって拘束を受けたエチレン−プロピレンゴム分子の運動性は、カーボンナノファイバーの拘束を受けない場合に比べて小さくなる。そのため、本実施の形態にかかるゴム組成物の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)及びスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーを含まないエチレン−プロピレンゴム単体の場合より短くなり、特にカーボンナノファイバーが均一に分散することでより短くなる。なお、架橋体におけるスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーの混合量に比例して変化する。
また、エチレン−プロピレンゴム分子がカーボンナノファイバーによって拘束された状態では、以下の理由によって、非ネットワーク成分(非網目鎖成分)は減少すると考えられる。すなわち、カーボンナノファイバーによってエチレン−プロピレンゴムの分子運動性が全体的に低下すると、非ネットワーク成分は容易に運動できなくなる部分が増えて、ネットワーク成分と同等の挙動をしやすくなること、また、非ネットワーク成分(末端鎖)は動きやすいため、カーボンナノファイバーの活性点に吸着されやすくなること、などの理由によって、非ネットワーク成分は減少すると考えられる。そのため、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)は、カーボンナノファイバーを含まないエチレン−プロピレンゴム単体の場合より小さくなる。なお、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する成分の成分分率(fn)は、fn+fnn=1であるので、カーボンナノファイバーを含まないエチレン−プロピレンゴム単体の場合より大きくなる。
以上のことから、本実施の形態にかかるゴム組成物は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって得られる測定値が上記の範囲にあることによってカーボンナノファイバーが均一に分散されていることがわかる。
パルス法NMRを用いた反転回復法により測定されたスピン−格子緩和時間(T1)は、スピン−スピン緩和時間(T2)とともに物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、エチレン−プロピレンゴムのスピン−格子緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エチレン−プロピレンゴムは固いといえ、そしてスピン−格子緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エチレン−プロピレンゴムは柔らかいといえる。
こうして得られた架橋体のゴム組成物は高温例えば200℃以上で優れたクリープ性を有し、このようなゴム組成物で成形されたピストンシール部材は優れた耐熱性を有する。ゴム組成物は、硬度(JIS−A)が80〜95であることが好ましく、90〜95であることがさらに好ましい。また、架橋体のゴム組成物は、10Hz、30℃における動的弾性率が60〜90MPaであって、10Hz、200℃における動的弾性率が30〜40MPaであることが好ましい。架橋体のゴム組成物が200℃において30〜40MPaの動的弾性率を有することによって、ピストンシール部材は高温においても適度なロールバック量を有することができる。
架橋体のゴム組成物は、200℃で24時間後における圧縮永久ひずみが14%以下であって、230℃で24時間後における圧縮永久ひずみが24%以下であることが好ましい。このようなゴム組成物によれば、望ましい耐ヘタリ性を有することができる。また、架橋体のゴム組成物は、200℃で250KPa荷重のクリープ試験において、瞬間ひずみが2%以下であって、定常ひずみが−2000ppm/時間〜+2000ppm/時間であることが好ましい。このようなゴム組成物によれば、高温における優れた耐クリープ性を有することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態に変形可能である。
例えば、本実施の形態においては、車両用のディスクブレーキに内蔵するピストンシール部材であったが、その他のピストンシール部材であってもよい。特に例えば200℃以上の高温領域で使用されるピストンシール部材において有用である。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)ゴム組成物サンプルの作製
(a)密閉式混練機のブラベンダー(チャンバー設定温度20℃)に、表1に示す所定量(100g)のエチレン−プロピレンゴム(100重量部(phr))を投入した。
(b)エチレン−プロピレンゴムに対して表1に示す量(重量部(phr))のカーボンブラックを投入した後、カーボンナノファイバーをエチレン−プロピレンゴムに投入した。
(c)カーボンナノファイバーを投入し終わったら、エチレン−プロピレンゴムとカーボンブラック及びカーボンナノファイバーとの混合物を混合(素練り)工程を行ない、ロータから取り出した。
(d)設定温度20℃の密閉式混練機のロータに上記(c)で得られた混合物を投入し、10分間第1の混練工程を行いロータから取り出した。
(e)上記(d)で得られた混合物を100℃に設定された密閉式混練機に投入し、10分間第2の混練工程を行い、密閉式混練機から取り出した。
(f)ロール間隔(ニップ)を0.3mmと狭くしたロール温度20℃の6インチオープンロールに上記(e)で得られた混合物を投入し、10回薄通し(第3の混練工程)をした。この薄通しした混合物を約1.1mm厚に圧延し分出しした。この分出しされたゴム組成物は90℃、5分間プレス成形し、それぞれ厚さ1mmのシート状の無架橋体のゴム組成物サンプルに成形した。また、分出しされたゴム組成物に有機過酸化物と共架橋剤とを配合し、オープンロールで混合して、ロール間隙を1.1mmで分出しした。そして、分出しされたゴム組成物を175℃、20分間プレス架橋し、実施例1〜4及び比較例1、2の架橋体のゴム組成物サンプルを成形した。
表1において、原料「EPDM」はJSR社製エチレン−プロピレンゴム(EPDM:エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)(EP103AF)、「MWNT13」は平均直径が約13nmの気相成長マルチウォールカーボンナノチューブであり、「MWNT100」は平均直径が約100nmの気相成長マルチウォールカーボンナノチューブであり、第1のカーボンブラックは「SRF−HS」グレード(平均粒径72nm、DBP吸油量152ml/100g)と「FEF」グレード(平均粒径43nm、DBP吸油量115ml/100g)であり、第2のカーボンブラックは「MT」グレード(平均粒径122nm、DBP吸油量41ml/100g)であり、「HAF−HS」は第1、第2のカーボンブラックより平均粒径の小さな平均粒径27nm、DBP吸収量101ml/100gのカーボンブラックであった。
(2)ピストンシール部材の作製
前記(1)で得られたゴム組成物を射出成形し、実施例1〜4および比較例1,2の架橋したピストンシール部材を得た。
(3)パルス法NMRを用いた柔軟性の測定
各無架橋体のゴム組成物サンプルについて、パルス法NMRを用いてハーンエコー法及び反復法による測定を行った。この測定は、日本電子(株)製「JMN−MU25」を用いて行った。測定は、観測核がH、共鳴周波数が25MHz、90゜パルス幅が2μsecの条件で行い、ハーンエコー法のパルスシーケンス(90゜x−Pi−180゜x)にて、Piをいろいろ変えて減衰曲線を測定した。また、無架橋のゴム組成物サンプルは、磁場の適正範囲までサンプル管に挿入して測定した。測定温度は150℃であった。この測定によって、原料EPDM(測定温度は30℃)と、無架橋体のゴム組成物サンプルの第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)及び第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)とを求めた。その結果を表1に示す。
(4)静的物性の測定
各架橋体のゴム組成物サンプルについて、ゴム硬度(JIS−A)、引張強さ(TB)および切断伸び(EB)を測定した。ゴム硬度(JIS−A)については、JIS K 6253によって測定した。TB及びEBについては、JIS K 6521−1993によって測定した。これらの結果を表1に示す。
(5)動的物性の測定
各架橋体のゴム組成物サンプルについて、SII社製の動的粘弾性試験機DMS6100を用いて、チャック間距離20mm、測定温度−100〜300℃、動的ひずみ±0.05%、周波数10HzでJIS K6394に基づいて動的粘弾性試験を行い30℃及び200℃におけるE’(動的粘弾性率)を測定した。また、各架橋体のゴム組成物サンプルについて、圧縮永久ひずみ(JIS K6262)を測定した。圧縮永久ひずみは、200℃、24時間、25%圧縮の第1の条件と、230℃、24時間、25%圧縮の第2の条件と、で行なった。圧縮永久ひずみは、高温におけるピストンシール部材のいわゆる耐ヘタリ性についての評価である。さらに、各架橋体のゴム組成物サンプルについて、200℃で250KPa荷重のクリープ試験を行い、瞬間ひずみ及び定常ひずみを測定した。これらの結果を表1に示す。
(6)高温高圧作動耐久性試験
各ピストンシール部材を耐久試験用ディスクブレーキに装着し、液圧13MPa、液温200℃で繰り返し作動させ、ピストンシール部材が破断した回数を求めた。これらの結果を表1に示す。なお、10万回の繰り返し作動にも耐えて液漏れその他の異常がなかった場合には、表1に「○」を記入した。
Figure 0004229967
表1から、本発明の実施例1〜4によれば、以下のことが確認された。すなわち、実施例1〜4のピストンシール部材は、比較例1,2のピストンシール部材に比べ液温200℃における高温高圧作動耐久性に優れており、優れた耐熱性を有していることがわかった。また、このようなピストンシール部材に用いられた架橋体のゴム組成物は、硬度(JIS−A)が80〜95であり、30℃における動的弾性率が60〜90MPaであって、200℃における動的弾性率が30〜40MPaであった。さらに、架橋体のゴム組成物は、200℃における圧縮永久ひずみが14%以下であって、230℃における圧縮永久ひずみが24%以下であった。特に、架橋体のゴム組成物は、200℃のクリープ試験において、瞬間ひずみが2%以下であって、定常ひずみが−2000ppm/時間〜+2000ppm/時間であり、比較例1,2の架橋体のゴム組成物よりも耐クリープ性に優れていた。
本発明の一実施の形態に係るピストンシール部材を模式的に示す断面図である。 図1に示すピストンシール部材を含むディスクブレーキを模式的に示す断面図である。 密閉式混練機によるゴム組成物の製造方法を模式的に示す図である。 オープンロール機によるゴム組成物の第3の混練工程(薄通し)を模式的に示す図である。
符号の説明
1 キャリパボディ
1a ブリッジ部
1b 作用部
1c 反作用部
2 ディスクロータ
3 ブラケット
4b,4c 摩擦パッド
5 ピストン
6 シリンダ
6a シリンダ孔
7 ピストンシール溝
7a,7b 面取コーナ
8 ピストンシール部材
9 液圧室
10 供給口
20 ディスクブレーキ
28 液圧経路
200 エチレン−プロピレンゴム
220 カーボンナノファイバー

Claims (8)

  1. シリンダ孔と、該シリンダ孔内を摺動するピストンと、を液密にかつ摺動可能に保持するピストンシール部材であって、
    前記ピストンシール部材は、エチレン−プロピレンゴム100重量部に対し、第1のカーボンブラックを20〜60重量部と第2のカーボンブラックを50〜100重量部とを合わせて70〜160重量部と、平均直径が0.5〜500nmのカーボンナノファイバーを5〜20重量部と、を含む架橋体のゴム組成物によって成形され、
    前記第1のカーボンブラックは、平均粒径が35〜100nmでDBP吸油量が50〜200ml/100gであり、
    前記第2のカーボンブラックは、前記第1のカーボンブラックの平均粒径よりも大きな平均粒径であって、かつ、平均粒径が60〜500nmでDBP吸油量が5〜50ml/100gである、ピストンシール部材。
  2. 請求項1において、
    前記ゴム組成物は、前記エチレン−プロピレンゴムに前記カーボンナノファイバーが均一に分散され、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃で測定した、無架橋体における、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満である、ピストンシール部材。
  3. 請求項1または2において、
    前記ゴム組成物は、硬度(JIS−A)が80〜95である、ピストンシール部材。
  4. 請求項1または2において、
    前記ゴム組成物は、10Hz、30℃における動的弾性率が60〜90MPaであって、10Hz、200℃における動的弾性率が30〜40MPaである、ピストンシール部材。
  5. 請求項1または2において、
    前記ゴム組成物は、200℃で24時間後における圧縮永久ひずみが14%以下であって、230℃で24時間後における圧縮永久ひずみが24%以下である、ピストンシール部材。
  6. 請求項1または2において、
    前記ゴム組成物は、200℃で250KPa荷重のクリープ試験において、瞬間ひずみが2%以下であって、定常ひずみが−2000ppm/時間〜+2000ppm/時間である、ピストンシール部材。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記ピストンシール部材は、ディスクブレーキのキャリパボディに用いられる、ピストンシール部材。
  8. 請求項1〜6のいずれかのピストンシール部材と、
    シリンダ孔を有するシリンダと、
    前記シリンダ孔に挿入されるピストンと、を含み、
    前記ピストンシール部材は、前記シリンダ孔の内周壁に形成された環状溝に嵌め込まれ、前記シリンダ孔に挿入された前記ピストンを液密的に移動可能な状態で密接させるとともに、液圧にて前進した該ピストンをロールバックさせる、ディスクブレーキ。
JP2007058408A 2007-03-08 2007-03-08 ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ Expired - Fee Related JP4229967B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007058408A JP4229967B2 (ja) 2007-03-08 2007-03-08 ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ
US12/071,469 US8037975B2 (en) 2007-03-08 2008-02-21 Piston seal member and disc brake using the piston seal member

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007058408A JP4229967B2 (ja) 2007-03-08 2007-03-08 ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008223780A JP2008223780A (ja) 2008-09-25
JP4229967B2 true JP4229967B2 (ja) 2009-02-25

Family

ID=39740328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007058408A Expired - Fee Related JP4229967B2 (ja) 2007-03-08 2007-03-08 ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8037975B2 (ja)
JP (1) JP4229967B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101402763B (zh) * 2008-11-07 2011-04-06 安徽中鼎密封件股份有限公司 汽车发动机冷却系统散热器板式橡胶密封条组件及其制造工艺
JP2010138305A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Sonac Kk Cnt配合樹脂材料
JP5099376B2 (ja) * 2009-03-04 2012-12-19 豊田合成株式会社 発光装置の製造方法
JP5133326B2 (ja) * 2009-11-17 2013-01-30 本田技研工業株式会社 動力伝達装置
US20130277916A1 (en) * 2010-11-26 2013-10-24 Uchiyama Manufacturing Corp. Seal Member Having Excellent Wear Resistance, and Seal Structure Using Same
JP5876817B2 (ja) * 2012-12-04 2016-03-02 日信工業株式会社 耐熱シール部材
JP6137899B2 (ja) * 2013-03-26 2017-05-31 日信工業株式会社 炭素繊維複合材料及びその製造方法
DE102014110602A1 (de) * 2014-02-28 2015-09-03 Johnson Electric Germany GmbH & Co. KG Gerät mit einem beweglichen Bauteil
JP6503312B2 (ja) * 2016-03-23 2019-04-17 日信工業株式会社 ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ
JP7202110B2 (ja) * 2018-09-07 2023-01-11 株式会社バルカー シール材用ゴム組成物およびこれを用いたシール材
US11378504B2 (en) * 2019-09-11 2022-07-05 Kauo Jei Ind Co., Ltd. Rubber detection system
KR20240033926A (ko) * 2022-09-06 2024-03-13 현대자동차주식회사 전자파 차폐용 수지 조성물 및 이를 적용한 케이블

Family Cites Families (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1050021A (ja) 1964-10-12 1900-01-01
US3438932A (en) * 1966-12-09 1969-04-15 Us Air Force High strength,heat resistant fluoroelastomers
US3562195A (en) * 1967-12-04 1971-02-09 North American Rockwell Fluoride elastomer composition
JPS5382966A (en) * 1976-12-29 1978-07-21 Tokico Ltd Brake cylinder
ZA828472B (en) * 1981-12-01 1983-09-28 Lucas Industries Ltd Seals used in piston and cylinder arrangements
GB2119874B (en) 1981-12-01 1985-08-29 Lucas Industries Ltd Improvements relating to seals used in piston and cylinder arrangements
FR2548321B1 (fr) * 1983-06-29 1988-07-22 Teves Gmbh Alfred Agencement cylindre-piston pour frein, a piston au moins partiellement en ceramique
JPH07122059B2 (ja) 1987-10-22 1995-12-25 日産自動車株式会社 液圧シリンダー用シール部品
US5252659A (en) * 1990-04-26 1993-10-12 Toyoda Gosei Co., Ltd. Molded polypropylene-α-olefin product having low coefficient of linear expansion
BR9106184A (pt) 1990-10-11 1993-03-16 Rotoflex Inc Dispositivo de vedacao de arvore rotativa
US5076593A (en) * 1990-11-05 1991-12-31 Itt Corporation Disc brake caliper seal
US5260111A (en) * 1991-08-08 1993-11-09 Bridgestone Corporation Thermoplastic films for heat seaming roof sheeting and method for covering roofs
JP3059291B2 (ja) 1992-03-16 2000-07-04 富士通株式会社 アクティブマトリクス液晶表示装置
GB9207736D0 (en) * 1992-04-08 1992-05-27 Exxon Chemical Patents Inc Ethlene elastomer compounds having good processability and ageing properties
US6232390B1 (en) * 1997-10-31 2001-05-15 Nok Corporation Molding composition, molded composition and sealing device for sealing carbon dioxide
JPH11153168A (ja) * 1997-11-21 1999-06-08 Nitta Ind Corp 高減衰ゴム組成物
US6046806A (en) * 1998-03-25 2000-04-04 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Flow-through cell culture chamber
JP2000241736A (ja) 1999-02-18 2000-09-08 Fuji Xerox Co Ltd 光学箱
AU6022500A (en) * 1999-07-23 2001-02-13 Degussa A.G. Rubber composition for extrusion molding and for molding with mold and use thereof
RO117023B1 (ro) 1999-11-18 2001-09-28 Sc Artego Sa Compozitie de cauciuc cu continut de cauciuc etilenpropilenic
US6642291B2 (en) * 2000-05-25 2003-11-04 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Viscoelasticity improving agent for rubber and rubber composition containing the same
DE60127044T2 (de) * 2000-07-26 2007-08-16 Sumitomo Rubber Industries Ltd., Kobe Kautschukzusammensetzung für Reifen und Luftreifen
JP2002348424A (ja) 2001-03-21 2002-12-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd 低弾性率高分子組成物およびそれを用いたシール材
JP2003160692A (ja) 2001-11-26 2003-06-03 Sumitomo Rubber Ind Ltd 低弾性率ゴム組成物およびそれを用いた成形体
JP2003253067A (ja) 2002-03-01 2003-09-10 Mitsubishi Cable Ind Ltd 冷凍機シール用ゴム組成物および冷凍機用シール
JP2004232786A (ja) 2003-01-31 2004-08-19 Nissin Kogyo Co Ltd ピストンシールおよびディスクブレーキ
JP4014156B2 (ja) 2003-04-16 2007-11-28 日信工業株式会社 ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ
JP2005047993A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤトレッド用ゴム組成物および当該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤ
JP4076942B2 (ja) * 2003-11-04 2008-04-16 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物およびそれを用いた競技用タイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
US8037975B2 (en) 2011-10-18
US20080216646A1 (en) 2008-09-11
JP2008223780A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4229967B2 (ja) ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ
JP4749362B2 (ja) ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ
EP1927779B1 (en) Disc brake shim plate
KR100848446B1 (ko) 탄소 섬유 복합 재료
US7960467B2 (en) Carbon fiber composite material and method of producing the same
JP2007039649A (ja) 複合材料
WO2014088005A1 (ja) 炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合材料の製造方法
JP4493567B2 (ja) リップ状シール部材及び該リップ状シール部材を用いた車両用液圧マスタシリンダ
JP5374047B2 (ja) 炭素繊維複合材料
JP7524026B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4823195B2 (ja) 粒子状の炭素繊維複合材料の製造方法及び粒子状の炭素繊維複合材料並びに摩擦材の製造方法
JP4606276B2 (ja) ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ
JP2009079185A (ja) 炭素繊維複合材料及びその製造方法
JP2007056243A (ja) 炭素繊維複合材料及びその製造方法
JP5072644B2 (ja) 炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合材料の製造方法
JP2008222730A (ja) 摩擦材
JP4255491B2 (ja) ディスクブレーキ用のシム板
JP4758940B2 (ja) ダンパーの製造方法及びディスクブレーキのシム板
JP2007057092A (ja) ピストンシール部材及び該ピストンシール部材を用いたディスクブレーキ
JP4255490B2 (ja) ディスクブレーキ用のシム板
JP5374597B2 (ja) 炭素繊維複合材料の製造方法
JP4255489B2 (ja) ディスクブレーキ用のシム板
JP4383474B2 (ja) 炭素繊維複合材料及びその製造方法
JP2009197197A (ja) 炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合材料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4229967

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131212

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees