JP4220180B2 - フローティング型ブレーキディスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車等の車両の制動に用いられるフローティング型ブレーキディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフローティング型ブレーキディスクは、図6に示されるように、円形のアルミ製のハブaとその外側の円環状のステンレス製のローターbとを同心に配置して、ハブaの外周縁部に周方向に間隔をあけて設けた複数個の半円形凹部a1と、ローターbの内周縁部に周方向に間隔をあけて設けた複数個の半円形凹部b1とを突き合わせ、これら突き合わされた凹部a1およびb1同士に一端にフランジc1aを有する共通のピンcを所望によりワッシャーを介して挿入し、ピンcの他端c1bに皿ばねc2およびワッシャc3を嵌挿した後、ピンcの他端c1bを外側に広げて皿形にかしめることにより抜け止めして、ハブaとローターbとをスラスト方向にフローティング自在に結合したものである。
【0003】
このブレーキディスクでは、フローティング部(連結部)のがたつきを、皿ばねc2などでスラスト方向(ローター側面)からピンcのフランジ部に押し当て固定することによりなくし、またラジアル方向(半径方向)のがたつきも皿ばねにより補っている。皿ばねc2はハブaとローターbに接触させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ピンによるハブとローターとの連結箇所は7〜10箇所あり、従来仕様のブレーキディスクは部品点数が多かった。例えば10軸仕様(10箇所連結)で42部品((ピン+皿ばね+ワッシャー×2)×10+ローター+ハブ)にもなる。したがって、それらの組み付け工数が大となり、コスト増加となる問題があった。
【0005】
この場合、ローターに発生した熱は連結箇所からアルミ製のハブに逃げるようになっているため、ピン本数を減らすと、ローターの熱が引けやすい箇所と熱がこもりやすい箇所とが生じて、ローターの摺動面に形成したピアス孔付近の熱応力が高くなることにより、クラックが発生しやすくなる。
【0006】
また皿ばねはハブとローターに接触させているが、ハブとローターの板厚は公差内のばらつきがあるため、皿ばね内で撓みのばらつきがあった。
【0007】
本発明の課題は、上記従来の問題点に鑑み、部品点数を大幅に削減でき、熱引け性能の向上等も可能なフローティング型ブレーキディスクを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は、フローティング型ブレーキディスクにおいて、ローターの内周縁部に半径方向の多数の突出部を周方向に間隔をあけて設け、ハブの外周縁部の背面側に前記突出部と同数の軸線方向の突起部を周方向に間隔をあけて設けて、前記突起部を前記突出部同士の間を通って軸線方向に突出させると共に、前記突出部を軸線方向に押圧する湾曲した矩形状断面を有する帯状のリングばねに前記突出部と同数の軸線方向の穴を設けて、前記突起部の先端部分に設けた突片を前記穴に挿通してかしめることにより、前記リングばねを前記突起部に固定することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、リングばねとして、周方向の一所で分断された非連続のオープンリングばね、分断のない連続の一体成形リングばね、または周方向の複数箇所で分割された分割リングばねを使用することができるが、ブレーキディスクの構成部品がローター、ハブおよびリングばねの3種類なので、従来の例えば42部品(10軸仕様)のブレーキディスクに比べ部品点数を顕著に削減できる。これに伴い、組み付け工数およびコストを大幅に低減することができる。特にリングばねを使用した場合には、ローター、ハブおよびリングばねの最小3点の部品で構成可能である。またローターの突出部とハブの突起部とを例えば10以上の多数設けるので、ローターの熱のヒケ性が向上し、ローターの摺動面に形成したピアス孔付近の熱応力が高くなることによるクラックの発生を防止することができる。特にリングばねを使用しているので、ローターの熱をリングばねによりハブの全周で逃がすことができ、この面からも熱のヒケ性能が格段に向上する。さらにローター上の同一面にリングばねの接触面が位置するので、ばねの撓みのばらつきをなくすことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
【0011】
図1は、本発明のフローティング型ブレーキディスクの一実施の形態を示す図で、同図(a)は正面図、(b)は背面図である。図2は、ブレーキディスクの構成部品を背面側から見た斜視図、図3は、ブレーキディスクの一部を背面側から部分的に切り欠いて示す斜視図、図4は、ブレーキディスクの組立法を示す断面図である。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態のフローティング型ブレーキディスク1は、環状のローター10と、円盤状のハブ20と、帯状のリングばね30とからなっている。
【0013】
ローター10は、図2に示すように、内周縁部に半径方向に突出させた突出部11を周方向に間隔をあけて例えば10〜24の多数、本例では20個設けており、このローター10の突出部11は、同心に配置されたハブ20の外周縁部に重なる突出長さを備える。ハブ20は、外周縁部の背面側に軸線方向(車軸と同方向)に突出させた突起部21を周方向に間隔をあけて上記のローター10の突出部11と同数、つまり20個設けている。ハブ20の突起部21の先端部分の略中央部には、周方向に延設された突片23が突出されている。ローター10とハブ20とは同心に重ねられ、図3に示すように、ハブ20の突起部21がローター10の突出部11同士の間の間隙12を通って、先端部分が突出部11から僅かに軸線方向に突出されている。
【0014】
リングばね30は、弾性金属製の薄板を幅方向に緩い円弧状に湾曲させた断面略矩形状のリングからなり、ハブ20の突起部21の幅よりも大きい幅に形成されている。リングばね30としては、周方向の一所で分断された非連続のオープンリングでも、分断のない連続の一体成形リングでもよいが、一体成形リングの方が作成しやすい。このリングばね30には、ハブ20の突起部21と同数の長穴31が周方向に間隔をあけて設けられ、この長穴31は、突起部21の突片23より大きめの外形を有している。
【0015】
ハブ20の突起部21のローター10の突出部11から突出した突片23に対し、リングばね30の湾曲の凹部側を内側にして長穴31を嵌め(図4(a))、長穴31を通った突片23をリングばね30上からかしめることにより、リングばね30を突出部11に固定する(図4(b))。これにより、リングばね30の凹状の幅方向の両端部30aがローター10の突出部11に圧接し、ローター10を背面側から軸線方向外方(スラスト方向)に押圧した状態に、ローター10がハブ20に軸線方向にフローティング自在に取り付けられ、フローティング型ブレーキディスク1が構成される。
【0016】
本実施の形態のフローティング型ブレーキディスクは、以上のように構成され、ローター10、ハブ20およびリングばね30の3点の部品でブレーキディスクを構成でき、従来の例えば42部品(10軸仕様)のブレーキディスクに比べ部品点数を顕著に削減できる。これに伴い、組み付け工数およびコストを大幅に低減することができる。またローター10の突出部11とハブ20の突起部21とを多数設けるので、ローターの熱のヒケ性が向上し、さらに弾性部材としてリングばねを使用するので、ローターの熱をリングばねによりハブの全周で逃がすことができて、この面からも熱のヒケ性能が格段に向上する。これにより、ローターの摺動面に形成したピアス孔付近の熱応力が高くなることによるクラックの発生を防止することができる。またローター10上の同一面にリングばね30の接触面が位置するので、ばね30の撓みのばらつきをなくすことができる。
【0017】
本発明の他の実施の形態について説明する。本実施の形態では、図5に示すように、分割リングばねを使用した点が図1〜図4を参照して説明した前記の実施の形態と異なる。
【0018】
分割リングばね32は、実施の形態1のリングばね30を周方向にハブ20の突起部21(ローター10の突出部11)と同数、即ち20個に分割した分割片よりは短いが、ハブ20の突起部21よりは長いばね片からなっている。各分割リングばね32の断面形状等、その他の点はリングばね30と同一である。
【0019】
ハブ20の各突起部21のローター10の突出部11から突出した突片23に対し、各分割リングばね32の湾曲の凹部側を内側にして分割リングばね32の長穴31を嵌め、長穴31を通ったハブ20の突片23を分割リングばね32上からかしめることにより、各分割リングばね32をハブ20の突起部21に固定する。これにより、ローター10の各突出部11に両側の分割リングばね32の凹状の幅方向の両端部32aが圧接し、ローター10を軸線方向に押圧した状態に、ローター10がハブ20に軸線方向にフローティング自在に取り付けられる。
【0020】
本実施の形態によれば、前記の実施の形態と同様、ローター10の熱のヒケ性が向上し、ばねの撓みのばらつきをなくすことができるといった効果を奏する。また本実施の形態では、分割リングばねを使用するので、前記の実施の形態よりは部品点数が多くなるが、それでも22部品(分割リングばね×20+ローター+ハブ)で済み、従来の42部品のブレーキディスクに比べて部品点数を約2分の1と大幅に削減することができる。また分割リングばねは、オープンリングばねや一体成形リングばねに比べて作成しやすく、材料の低減化、製品の軽量化を図ることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のフローティング型ブレーキディスクによれば、部品点数を大幅に削減でき、熱引け性能も向上することができ、またばねの撓みのばらつきをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフローティング型ブレーキディスクの一実施の形態を示す図である。
【図2】図1のブレーキディスクの構成部品を示す斜視図である。
【図3】図1のブレーキディスクの一部を背面側から部分的に切り欠いて示す斜視図である。
【図4】図1のブレーキディスクの組立て法を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】従来のフローティング型ブレーキディスクを示す図である。
【符号の説明】
1 フローティング型ブレーキディスク
10 ローター
11 突出部
12 間隙
20 ハブ
21 突起部
22 突片
30 リングばね
31 長穴
32 分割リングばね
Claims (2)
- ローターの内周縁部に半径方向の多数の突出部を周方向に間隔をあけて設け、ハブの外周縁部の背面側に前記突出部と同数の軸線方向の突起部を周方向に間隔をあけて設けて、前記突起部を前記突出部同士の間を通って軸線方向に突出させると共に、前記突出部を軸線方向に押圧する湾曲した矩形状断面を有する帯状のリングばねに前記突出部と同数の軸線方向の穴を設けて、前記突起部の先端部分に設けた突片を前記穴に挿通してかしめることにより、前記リングばねを前記突起部に固定したことを特徴とするフローティング型ブレーキディスク。
- 前記リングばねは、周方向の一所で分断された非連続のオープンリングばね、もしくは分断のない連続の一体成形リングばね、または周方向の複数箇所で分割された分割リングばねであることを特徴とする請求項1記載のブレーキディスク。
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