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JP4212953B2 - 水解性の吸収性物品 - Google Patents

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JP4212953B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理用ナプキンやパンティライナー、あるいは使い捨ておむつや軽度の失禁患者が使用する尿取りパッドなどの吸収性物品に係り、特に使用後に水洗トイレットに廃棄したときに水中で早期に分散できる水解性の吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
生理用ナプキンやパンティライナーあるいは使い捨ておむつなどの使い捨ての吸収性物品は、使用後にごみとして廃棄されているため、ごみの回収と処理に工数とコストがかかる。そこで、吸収性物品が、多量の水により早期に分解する水解性(水崩壊性)であれば、使用後の吸収性物品をそのまま水洗トイレットに捨てたときに、水洗トイレットの配水管を詰まらせることなく、浄化槽などにおいて短時間のうちに分解できるようになる。
【0003】
水解性の吸収性物品を製造するには、吸収性物品を構成する各要素を水解性の素材で形成することが必要になる。ここで、吸収性物品の肌側表面に現れる表面シートは、経血や尿を速やかに透過させることが必要であるが、さらに経血や尿などの液体が与えられて湿潤状態となったときに身体から与えられる力でシート状態を維持できるだけの強度を保つことが必要となる。しかも、水洗トイレットに流されて多量の水が与えられたときに短時間で水解することも必要になる。
【0004】
このように、水解性の表面シートとしては、液の透過性、湿潤強度および水解性の全てをバランス良く保つことが必要である。
【0005】
例えば以下の特許文献1には、水解性の吸収性物品に使用される表面シートとして、再生セルロース繊維とパルプ繊維、あるいは再生セルロース繊維と合成繊維およびパルプ繊維とから構成されるシートに高圧水ジェット流を噴射して繊維どうしを交絡させた不織布を用いる技術が開示されている。この表面シートは、不織布に形成される開孔の面積および開孔の数さらには開孔の面積率を大きくすることにより、液の透過性と、多量の水に触れたときの水解性を良好にしようというものである。
【0006】
また、吸収性物品の表面シートは、身体の肌に直接触れるものであるため、表面シートが液で濡れやすいと身体の股間部などに湿潤感やべたつき感を与えやすくなる。そこで、特許文献1に記載の前記表面シートは、前記不織布の片面を撥水処理している。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−28702号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載の吸収性物品に使用されている表面シートは、親水性繊維である再生セルロース繊維とパルプ繊維を主体としたものであるため、表面シートの表面にも前記親水性繊維が多く現れる。よって、表面の液残りを少なくして身体にドライ感を与えるためには、前記表面の広い範囲に撥水剤を塗布することが必要である。しかし、撥水剤を塗布する面積が広くなると、表面シートの液透過性が悪くなり、液透過性を確保するためには、大きな開孔を形成することが必要となる。さらに撥水剤が身体の肌に触れることによる安全性が問題になる。
【0009】
また、表面シートの全体において親水性繊維が交絡しているものであるため、液が与えられたときに親水性繊維どうしの交絡が緩みやすく湿潤強度が低下しやすい。逆に湿潤強度を高くするためには繊維長を長くすることが必要となり、この場合には水解の速度が低下する。このように、親水性繊維を主として形成した交絡不織布は、水解性と湿潤強度とのバランスを取るのが難しい。さらに表面に撥水剤が塗布されているため、この撥水剤が水解を阻害するように機能し、短時間での水解を実現することが困難である。
【0010】
次に、吸収性物品の着衣側に向く裏面シートは、液遮断機能が要求される。水解性の吸収性物品を構成する場合に、液遮断機能を有し且つ水中において短時間で分解するシートを使用することが必要である。例えば、PVA(ポリビニルアルコール)などの水溶性フィルムで形成された裏面シートは、液の流れを止める機能を有するが、PVAフィルムは水分を与えたときのシート強度が低下するため、吸収性物品の着衣側の外装として使用するには好ましくない。また、裏面シートを疎水性繊維で形成された不織布で構成した場合、水中において短時間で裏面シートを分解させるのは困難である。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、水解しやすく湿潤強度が高いシートを用いた水解性の吸収性物品を提供することを目的としている。
【0012】
また本発明は、表面シートの表面に液残りが少なく、肌にドライ感を与えやすい水解性の吸収性物品を提供することを目的としている。
【0013】
さらに本発明は、裏面シートが液遮断機能を発揮でき、しかも短時間で水解できる水解性の吸収性物品を提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、肌側表面に現れる液透過性で且つ水解性の表面シートと、着衣側表面に現れる裏面シートとを有する吸収性物品において、
前記裏面シートは、繊維長が20mm以下の水分散性繊維どうしが水流交絡した水解性不織布で、表面シート側に向く第1の表面と着衣側に向く第2の表面を有しており、前記第1の表面には、疎水性繊維と10質量%以下の親水性繊維が現れ、前記第2の表面には、親水性繊維と40質量%以下の疎水性繊維が現れていることを特徴とするものである。
【0025】
この吸収性物品では、第1の表面と第2の表面を有する前記水解性の不織布を裏面シートとして使用している。第1の表面が表面シート側に向けられているため、吸収性物品内の液を前記第1の表面でブロックでき、吸収性物品の着衣側の外面に液が滲み出るのを防止できる。なお、この滲み出しを防止するために、第1の表面に疎水性繊維のみが現れるように、第1の層を疎水性繊維のみで形成することが好ましく、また第1の層の目付けを水解性を損なわない範囲で多くすることが好ましい。
【0026】
この吸収性物品は、裏面シートの着衣側表面が親水性繊維を有する第2の表面であるため、使用後の吸収性物品を水洗トイレットに捨てたときに、裏面シートの着衣側表面に直ちに多量の水が与えられて、前記親水性繊維の交絡が解けて裏面シートが速やかに水解する。この裏面シートの水解により吸収性物品の内部の空気が抜け出て浄化槽内に沈みやすくなり、浄化槽内に沈んだ吸収性物品が速やかに分解されるようになる。
【0027】
また、本発明は、前記表面シートと前記裏面シートとの間には、親水性の水分散性繊維で形成された液吸収層が存在しているものとして構成できる。
【0028】
この場合に、表面シートの第2の表面と液吸収層を密着させておくことにより、表面シートの第2の表面で拡散した液を直ちに液吸収層で吸収させることが可能になる。なお、本発明の吸収性物品は、前記液吸収層を設けることなく、表面シートを前記水解性シートで形成して、水解性シートの第2の層の親水性繊維で液を吸収保持できるものとしてもよい。
【0029】
また本発明では、前記表面シートと前記裏面シートとの間では、縦方向に向く両側縁部の内側に生分解性の樹脂フィルムが設けられているものである。
【0030】
前記樹脂フィルムを設けることにより、吸収性物品で吸収された液が左右両側部に拡散しすぎて横洩れを生じるのを防止しやすくなる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として、生理用ナプキンあるいはパンティライナーとして使用される吸収性物品を一例として説明する。
【0034】
実施の形態での吸収性物品は、身体の肌に向けられる肌側表面と、下着の内側に対面する着衣側表面とを有している。この吸収性物品の各吸収要素は水解性の素材により形成されている。本明細書での水解性とは、多量の水の中に浸漬すると、強度が低下し、水流などの力によって原形を留めないように分解される性質を意味し、これは水崩壊性と同じ意味である。また、本明細書における水解性の不織布とは、後に説明する測定方法で測定したときに600秒以下で原形を留めないように分散状態に至るものを意味している。また、水分散性繊維とは、水中で分散させたときに、単繊維ごとに完全に分散可能な繊維を意味している。
【0035】
また、水解性の不織布は、第1の表面を有する疎水性繊維を主とする第1の層と、第2の表面を有する親水性繊維を主とする第2の層とを有しているが、不織布内で第1の層の繊維と第2の層の繊維が交絡するためにその境界が必ずしも明確でないものがある。本発明では、このように境界が必ずしも明確でないものであっても、第1の層と第2の層とを有する不織布に含まれる。
【0036】
また水解性の不織布は、前記第1の層と第2の層のみを有するものに限られず、第1の層と第2の層の中間に、例えば疎水性繊維と親水性繊維とが交絡した第3の層を有するものであってもよい。
【0037】
図1は本発明の第1の実施の形態の水解性の吸収性物品1を示す平面図、図2は図1のII−II線の断面図である。
【0038】
図1に示すように、この吸収性物品10の本体1は、縦方向の両側に向けて突曲線形状の前縁部1aと同じく突曲線形状の後縁部1b、および横方向の両側に向けて凹曲線形状の右側縁部1cと左側縁部1dを有している。
【0039】
図2に示すように、本体1は、肌側に表面シート2が現れ、着衣側に裏面シート3が現れており、表面シート2と裏面シート3との間に、液吸収層4が挟まれている。図1に示すように、表面シート2と裏面シート3および液吸収層4は同じ大きさであり、これらの形状は本体1の形状に一致している。
【0040】
前記表面シート2は、肌側に向けられる第1の表面2aと、液吸収層4および裏面シート3に向けられる第2の表面2bを有している。裏面シート3は、表面シート2および液吸収層4に向けられる第1の表面3aと着衣側に向けられる第2の表面3bを有している。
【0041】
表面シート2の第2の表面2bと液吸収層4は、液の透過を阻害しないように部分的に塗布されたホットメルト型などの親水性の接着剤で接着されて、表面シート2と液吸収層4とが密着している。同様に、液吸収層4と裏面シート3の第1の表面3aも、ホットメルト型などの親水性の接着剤により接着されている。
【0042】
この吸収性物品1の本体10には、表面シート2から液吸収層4にかけて凹状に圧縮された圧縮凹部5が形成されている。図1に示すように、圧縮凹部5は一定のピッチでドット状に形成されており、前縁部1aと後縁部1bの内側および右側縁部1cと左側縁部1dの内側に所定の間隔を空けて前記各縁部に沿うように配列されている。前記圧縮凹部5では、表面シート2と液吸収層4とが加熱されて加圧されており、その結果、圧縮凹部5では表面シート2と液吸収層4との密度が他の部分よりも高くなっている。そのため表面シート2や液吸収層4を横方向へ向けて拡散した液が圧縮凹部5の高密度部分に引き付けられ、横漏れを防止しやすくなる。
【0043】
裏面シート3の第2の表面3bには、感圧接着剤層6が塗布されている。この感圧接着剤層6は横方向に間隔を空けて、縦方向に向けて帯状に複数箇所塗布されている。着用時には、前記感圧接着剤層6が下着のクロッチ部の内面に接着されて、本体1が前記クロッチ部から位置ずれしないように固定される。また、使用前の状態では、前記感圧接着剤層6が、離型シート7に覆われて保護されている。
【0044】
さらに、図5に示すように、使用前の吸収性物品10では、前記本体1が2つ重ねや3つ重ねに折り畳まれ、全体が包装シート8で包まれている。そして、包装シート8の端部8cとその下に位置する前記包装シート8とが、粘着部を有するテープ9により止められている。また、図5の紙面に直交する方向での両端部では、前記包装シート8がヒートシールされ、包装シート8で、前記本体1が露出することなくパッケージングされている。
【0045】
この吸収性物品10では、前記各構成要素が水解性の素材により形成されている。すなわち各構成要素は後に説明する測定での水解性がいずれも600秒以下となっている。
【0046】
表面シート2は、液透過性の水解性不織布により形成されている。図6は、前記表面シート2の拡大断面図である。
【0047】
表面シート2を構成する水解性の不織布は、繊維が互いに交絡してシート形状を保っているものであり、繊維間を接着する接着剤(バインダー)は含まれておらず、また合成繊維の熱溶融により繊維表面どうしが融着されている部分も存在していない。ただし、親水性繊維の表面の水酸基(OH基)により繊維表面どうしが水素結合により固着されていることを妨げるものではない。また、前記圧縮凹部5以外の領域において表面シート2に圧縮部が設けられていないものが好ましいが、600秒以下の水解性を妨げない範囲において、表面シート2にドット状などの圧縮部が存在していてもよい。
【0048】
表面シート2は水分散性の親水性繊維と水分散性の疎水性繊維とから構成されており、第1の表面2aには、疎水性繊維のみが現れており、あるいは疎水性繊維と40質量%以下の親水性繊維が現れている。また第2の表面2bには、親水性繊維のみが現れており、あるいは親水性繊維と40質量%以下の疎水性繊維が現れている。
【0049】
表面シート2を液透過性とし、第1の表面2aに液残りが少なく、しかも第2の表面2bから液吸収層4に液を浸透しやすくし、さらに多量の水が与えられたときに第2の表面2bから不織布が崩壊しやすくするためには、第1の表面2aに疎水繊維のみが現れ、第2の表面2bに親水性繊維のみが現れていることが好ましい。また、多量の水が与えられたときに第2の表面2bから始まる繊維の分散が第1の表面2aに素早く伝わるためには、第2の表面2bに親水性繊維のみが現れ、第1の表面2aに疎水性繊維と5〜40質量%の親水性繊維が現れるものも好ましいものとして挙げることができる。
【0050】
後に説明するように、表面シート2は、親水性繊維を主とする第2の繊維ウエッブの上に疎水性繊維を主とする第1の繊維ウエッブを積層させて、両層の繊維を交絡させる処理を施すことにより形成できる。したがって、図6に示すように、表面シート2を、第1の表面2aを有する第1の層21と、第2の表面2bを有する第2の層とに区分して説明する。ただし、第1の層21と第2の層22との境界部では両層の繊維が互いに交絡しているため、その境界は必ずしも明確ではない。
【0051】
前記第1の層21は、実質的に疎水性繊維のみで形成され、あるいは疎水性繊維と、第1の層21内での質量%の平均が40%以下の親水性繊維を含んでいる。また、第2の層22は、実質的に親水性繊維のみで形成され、あるいは親水性繊維と、第2の層22内での質量%の平均が40%以下の疎水性繊維を含んでいる。
【0052】
この表面シート2に多量の水が与えられたときに、第2の表面2bおよび第2の層22から繊維の分散による不織布の崩壊が始まって、これが短時間のうちに第1の層21および第1の表面2aに及びやすくするためには、表面シート2の全体の目付けに対する、第1の層21の目付けの割合が、5〜45%であることが好ましく、さらに好ましくは、15〜45%以下である。前記範囲であれば、多量の水が与えられたときに第1の層21の分解をきっかけとして水解しやすくなる。なお、第1の層21の目付けが5%未満であると、疎水性繊維の交絡により実現できる表面シートの湿潤強度が低くなって、湿潤時に表面シートに破れなどが生じやすくなる。また第1の層21の目付けが45%を超えると、多量の水が与えられたときに、疎水性繊維が交絡する第1の層21が崩壊しにくくなる。
【0053】
表面シート2の湿潤時での強度は、MD(吸収性物品1の縦方向(長手方向))の長さを150mm、CDでの幅を25mmとし、これに蒸留水をシート質量に対して50%以上含ませ、テンシロン試験機で、チャック間距離を100mm、引張り速度を100mm/minで引っ張ったときの最大引張り荷重が1N以上であることが好ましく、さらに好ましくは2N以上である。前記引張り強度が2N以上であれば、液を吸収した湿潤状態において、身体から力が与えられたときにシートが過剰に縒れたり、あるいは破れるのを防止できる。
【0054】
また、前記第2の層22の繊維密度の平均値が、第1の層21の繊維密度の平均値よりも高いことが好ましい。このようにすると、第1の層21から第2の層22に密度勾配を持たせることができ、第2の層22の親水繊維の親水力および毛細管作用により、第1の表面2aに与えられた液が、速やかに第2の層22に引き込まれるようになる。
【0055】
さらに、図10に示すように前記表面シート2を、MDの長さを150mm、CDの幅を25mmとし、長手方向を垂直に向けて、下端の10mmの長さ部分を蒸留水に30秒間浸してから引き上げて5分間放置したときの、前記第2の表面2bで測定した蒸留水の吸い上げ高さHが50mm以上であることが好ましく、さらに好ましくは70mm以上である。
【0056】
第2の表面2bでの吸い上げ高さHが前記数値以上であると、第2の層22に引き込まれた液を第2の層22および第2の表面2bで周囲に速やかに拡散させることができる。これは、第1の表面2aに与えられた液が第2の層22に素早く引き込まれることを意味しており、その結果、第1の表面2aに液残りが生じにくくなる。なお、第2の層22の繊維密度は、第1の層21の繊維密度の1.1倍以上が好ましく、さらに好ましくは1.5倍以上である。
【0057】
ここで、本明細書での前記親水性繊維とは、表面に親水基を持つ繊維を意味する。ここでの親水基とは、水との相互作用の強い有極性の原子団を意味し、例えば、(−SO3H)、(−SO3M(Mはアルカリ金属または−NH4))、(−OSO3H)、(−OSO3M)、(−COOM)など、または(−COOH)、(−NH2)、(−CN)、(−OH)、(NHCONH2)などである。
【0058】
本実施の形態での、好ましい親水性繊維は、パルプ、レーヨン、麻、アセテートなどのセルロース繊維、あるいはパルプやレーヨンなどのセルロース系繊維を叩解して表面をフィブリル化して親水度を高めたものである。または親水基を持つ合成繊維、または表面に界面活性剤を塗布するなどにより親水処理された合成繊維を使用できる。前記合成繊維としては、水溶性または水に触れたときに膨潤する性質を持つPVA(ポリビニルアルコール)繊維や、CMC(カルボキシメチルセルロース)繊維が好ましく使用される。これら水溶性または膨潤性の親水性繊維を用いると、多量の水が与えられたときに、第2の層22の繊維が溶解しあるいは膨潤して交絡が緩み、早期に繊維が分散できるようになる。また、PVAやCMCは生分解性であるため、浄化槽内などで分解されやすくなる。
【0059】
前記疎水性繊維は、親水基を持たない繊維、あるいは親水基を持っているが疎水処理された繊維であり、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン系樹脂繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、または前記いずれかを含むコポリマー、などのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、さらにはポリアクリロニトリル系繊維や、アクリル繊維を使用できる。
【0060】
本実施の形態での好ましい疎水性繊維は、生分解性のものである。生分解性の疎水性繊維は、浄化槽内などで表面シート2の繊維が分散したときに、個々の繊維が短時間で分解されるようになる。
【0061】
生分解性の疎水性繊維としては、比較的強度の高いPLA(ポリ乳酸)繊維などの脂肪族ポリエステル繊維が好ましく使用される。あるいは、撥水剤などで表面処理されたパルプ、レーヨン、アセテートなどのセルロース系繊維であってもよい。
【0062】
図7は、前記吸収性物品10の本体1において、表面シート2の第1の表面2aに液15が与えられたときの、液の透過および拡散状態を模式的に示した断面図である。
【0063】
液15が与えられた第1の表面2aおよび第1の層21は疎水性繊維が支配的であるため、液は第1の層21内に拡散しずらいが、その下に親水性繊維が支配的な第2の層22が存在しているため、第2の層22の親水性繊維の親水力および繊維間の毛細管作用によって、液15は第1の層21を速やかに透過して第2の層22に至り、この第2の層22内で拡散していく。特に、第1の層21と第2の層22の境界では両層の繊維どうしが交絡しているため、第2の層22の親水性繊維の親水力は、第1の表面2aに近い位置で発揮されることになり、液15が第1の層21を速やかに透過して、第2の層22内で拡散できるようになる。
【0064】
また、表面シート2の第2の表面2bと液吸収層4とが密着しているため、第2の層22内を拡散した液は、その下に接して位置している液吸収層4に順次吸い込まれていく。よって、表面シート2の第1の表面2aに液が繰り返して与えられたときでも、液は表面シート2を素早く透過して液吸収層4に至るようになる。
【0065】
図7では、第1の層21での液15の拡散領域を符号15aで示し、第2の層22での液15の拡散領域を符号15bで示し、さらに液吸収層4での液15の拡散領域を符号15cで示している。
【0066】
前記表面シート2を、液吸収層4に重ねることなく、空中で平面状に保持し、第1の表面2aから着色した蒸留水を0.05cc滴下し、30秒後に第1の表面2aでの液の拡散面積と第2の表面2bでの拡散面積とを測定したときに、第2の表面2bでの拡散面積が第1の表面2aでの拡散面積の10倍以上であることが好ましく、さらに好ましくは20倍以上である。この範囲であると、第1の表面2aに与えられた液15が、第1の層21内で広く拡散することなく、第2の層22内に速やかに吸収されるようになる。
【0067】
このように、第1の表面2aの液残りが少ないため、本体1を身体の股間部に着用したときに、第1の表面2aが身体へドライ感を与えるようになる。
【0068】
使用後の本体1を水洗トイレットに捨てると、水洗トイレット内で多量の水の水流による力が与えられ、また浄化槽内で多量の水が与えられる。この表面シート2に多量の水が与えられると、第2の層22の親水性繊維が水を引き付けて、また前記水流の力で、繊維間の交絡が緩み、第2の層22の繊維が速やかに分散していく。そしてこの分散力は、第1の層21の繊維にも及ぶ。第1の層21では疎水性繊維が支配的であり、本来疎水性繊維どうしの交絡は水により緩み難いが、少なくとも第1の層21と第2の層22との境界部では、第2の層22の親水性繊維が第1の層21の疎水性繊維と交絡しているため、第2の層22の繊維の分散力が第1の層21にも伝わって、第1の層21においても繊維が短時間のうちに分散できるようになる。
【0069】
なお、表面シート3が水解しやすくするために、パルプ以外の繊維の長さは、20mm以下が好ましく、その下限は3mmである。20mmを越えると、繊維の交絡が緩みにくくなり、3mm未満であると、表面シート2の湿潤強度が低くなる。
【0070】
図8に示すように、裏面シート3は水解性の不織布で形成されている。裏面シート3となる水解性不織布は、第1の表面3aに疎水性繊維と、10質量%以下の親水性繊維が現れており、好ましくは第1の表面3aに疎水性繊維のみが現れている。また第2の表面3bには、親水性繊維のみが現れており、あるいは親水性繊維と40質量%以下の疎水性繊維が現れている。
【0071】
裏面シート3の不織布としての基本的な構造は前記表面シート2と同じであり、裏面シート3も、第1の表面3aを有する第1の層31と、第2の表面3bを有する第2の層32とに区分することができる。この場合も、第1の層31と第2の層32との境界部では両層の繊維が交絡しており、その境界は必ずしも明確ではない。そして、第1の層31は、疎水性繊維のみで形成され、あるいは疎水性繊維と10質量%以下の親水性繊維で形成されており、第2の層32は、親水性繊維のみで形成され、あるいは親水性繊維と40質量%以下の疎水性繊維とで形成されている。
【0072】
裏面シート3は疎水性繊維を主とする第1の表面3aが液吸収層4に向けられているため、この第1の表面3aおよび第1の層31が液を遮断する機能を発揮し、液が裏面シート3からさらに着衣側に滲み出るのを防止できる。
【0073】
ここで、前記表面シート2では、図7に示したように、第1の表面2aに与えられた液15が、第1の層21を透過して第2の層22に積極的に滲み出るように、第1の層21と第2の層22の目付けの割合や、第1の層21での疎水性繊維と親水性繊維の混合割合を設定している。これに対し、裏面シート3では、第1の表面3aに至った液が、第2の層32に滲み出しにくいようにすることが必要である。したがって、水解性が600秒を越えない範囲において、裏面シート3の全体の目付けに対する第1の層31の目付けの割合が、表面シート2よりも多くなっている。
【0074】
そして、裏面シート2に対して図10に示したのと同様に蒸留水の吸い上げ高さの測定を行った場合に、吸い上げ高さHは50mm未満であることが好ましく、さらに好ましくは40mm未満である。
【0075】
裏面シート3は、疎水性繊維を主とする第1の表面3aが液吸収層4に向けられて液遮断層として機能しているとともに、親水性繊維を主とする第2の表面3bが本体1の外面に現れている。したがって、使用後の本体1が水洗トイレットに捨てられ、多量の水が与えられると、裏面シート3の第2の表面3bに直ちに水が与えられて、第2の表面3bおよび第2の層32の親水性繊維が分散させられ、これをきっかけとして第1の層31の疎水性繊維が分散する。
【0076】
すなわち本体1では、裏面シート3が早い時期に崩壊させられることになる。そして、裏面シートの崩壊に伴って本体内の空気が抜けて、本体1が浄化槽内に沈みやすくなる。本体1が浄化槽内で沈むことにより、さらに他の構成要素も短時間のうちに崩壊できるようになる。
【0077】
さらに実施の形態の吸収性物品10では、包装シート8が、表面シート2および裏面シート3と同種の構造の水解性の不織布で形成されている。図9に示すように、包装シート8は第1の表面8aおよび第1の層81が、疎水性繊維のみ、または疎水性繊維と40質量%以下の親水性繊維とで構成され、第2の表面8bおよび第2の層82が、親水性繊維のみ、または親水性繊維と40質量%以下の疎水性繊維で形成されている。
【0078】
包装シート8は、親水性繊維を主とする第2の表面8bが本体1に向けられ、疎水性繊維を主とする第1の表面8aが外側に向けられた状態で、本体1が包装される。疎水性繊維を主とする第1の表面8aが外側に向けられているため、図5に示す包装状態で、手などに付着している水分が包装シート8の外面(第1の表面8a)に触れたとしても、この水分が包装体の内部に入りにくくなり、包装された本体1が不用意に濡れるのを防止できる。
【0079】
この包装シート8が水洗トイレットに捨てられると、親水性繊維を主とする第2の表面8bおよび第2の層82から崩壊が開始され、これをきっかけとして第1の層81も短時間のうちに崩壊できるようになる。
【0080】
なお、前記裏面シート3と包装シート8も、パルプ以外の水分散性繊維の長さが3〜20mmの範囲である。
【0081】
吸収性物品10を構成する他の要素を説明する。
液吸収体4は水分散性の親水性繊維の集合体であり、例えばパルプ、繊維長が20mm以下のレーヨン、コットン、などのセルロース系繊維の積層体である。液吸収層4に多量の水が与えられると、短時間で分散できるものとなっている。
【0082】
また、感圧接着剤層6は親水性の接着剤または生分解性の接着剤で形成される。離型シート7も水解性であり、水解紙の表面に離型剤が塗布されたもの、あるいは水溶性の樹脂フィルムなどで形成される。
【0083】
さらに、表面シート2と液吸収層4との間は、親水性の接着剤で接着され、液吸収層4と裏面シート3との間も、親水性の接着剤で接着されている。
【0084】
図3は本発明の第2の実施の形態の吸収性物品1Aを示す平面図、図4は図3のIII−III線の断面図である。
【0085】
この吸収性物品1Aの各構成要素は図1に示す吸収性物品1の各構成要素と同じである。よって各構成要素のうち吸収性物品1と同じ部分は同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0086】
図3と図4に示す吸収性物品1Aでは、右側縁部1cの内側および左側縁部1dの内側にそれぞれ、防漏用の樹脂フィルム12,12が設けられている。この樹脂フィルム12,12は、液吸収層4と裏面シート12との間に配置されている。この樹脂フィルム12,12は、PLA、PBS(ポリブチレンサクシネート)、PVA、CMCなどの生分解性樹脂で形成されている。
【0087】
前記樹脂フィルム12,12を設けることにより、液吸収層4内を右側縁部1cと左側縁部1dに向けて浸透しようとする液を止めることができ、横漏れを防止しやすくなる。
【0088】
次に、前記表面シート2、裏面シート3、包装シート8として使用される水解性の不織布の製造工程の一例を説明する。
【0089】
図11に示す製造方法は湿式レイヤー50を用いたものである。前記湿式レイヤー50には、ロール間に架けられて矢印(i)方向へ周回する比較的目の細かい網目状コンベア(網目ワイヤー)51が設けられている。この網目状コンベア51の一部は、搬送方向へ向けて斜めに上がる傾斜部(傾斜ワイヤー部)51aとなっており、この傾斜部51aに、第2の供給部52と第1の供給部53が対向している。
【0090】
第2の供給部52には、水の中に親水性繊維が分散した原料、あるいは親水性繊維と疎水性繊維が分散した原料が供給され、この原料が傾斜部51aに流し掛けられて、傾斜部51a上に第2の繊維ウエッブが形成される。この第2の繊維ウエッブは親水性繊維のみで形成され、あるいは親水性繊維と40質量%以下の疎水性繊維とが含まれている。
【0091】
第1の供給部53には、水の中に疎水性繊維が分散した原料、あるいは疎水性繊維と親水性繊維が分散した原料が供給され、この原料が傾斜部51a上の前記第2の繊維ウエッブの上に流し掛けられて、第2の繊維ウエッブの上に第1の繊維ウエッブが積層された形成される。この第1の繊維ウエッブは疎水性繊維のみで形成され、あるいは疎水性繊維と40質量%以下または10質量%以下の親水性繊維とが含まれている。
【0092】
前記第1の供給部53よりも下流には、網目状コンベア51に交絡処理部55が設けられている。この交絡処理部55には、網目状コンベア51の移動方向と直交する向きに列を成して配列されたジェット水流ノズル56が例えば2列設けられており、このジェット水流ノズル56から前記繊維ウエッブに高圧水ジェット流が与えられて、第1の繊維ウエッブと第2の繊維ウエッブを構成する繊維が交絡させられて水解性の不織布が形成される。
【0093】
この水解性の不織布は、矢印(ii)方向へ周回する搬送コンベア57に転写されて搬送され、乾燥工程へ送られて乾燥させられる。
【0094】
図12に示す製造方法は、エアーレイヤー40を用いたものである。(iii)方向へ周回する所定メッシュの網目状コンベア41に、第2のカード機42と第1のカード機43が並んで対向している。第2のカード機では、親水性繊維または親水性繊維と疎水性繊維とが網目状コンベア41上にエアーレイドされて、親水性繊維のみからなる、あるいは親水性繊維と40質量%以下の疎水性繊維を含む第1の繊維ウエッブが形成される。第1のカード機43では、疎水性繊維または疎水性繊維と親水性繊維とがエアーレイドされ、前記第1の繊維ウエッブの上に、疎水性繊維のみ、あるいは疎水性繊維と40質量%以下または10質量%以下の親水性繊維を含む第1の繊維ウエッブが形成される。
【0095】
そして、交絡処理部55に設けられたジェット流ノズル56によって、前記両繊維ウエッブに高圧水ジェット流が与えられて、繊維が交絡させられ、その後に乾燥工程に移行する。
【0096】
このように、湿式レイド方式またはエアーレイド方式で形成された第1の繊維ウエッブと第2の繊維ウエッブに対し、第1の繊維ウエッブ側から高圧水ジェット流が与えられることにより、第1の表面2a,3a,8aが比較的平滑で、且つ各繊維が交絡した水解性不織布を得ることができる。また表面シート2を形成する場合に、網目状搬送コンベア51または41の網目を比較的大きめとすることにより、高圧水ジェット流を与えたときに網目の部分で不織布の密度が小さくでき、または表裏を貫通する開孔を形成できて、液透過性の良好なものを得ることができる。
【0097】
参考例】
前記に示す表面シート2として使用するのに適した水解性の不織布の参考例および比較例をそれぞれ製造し、その特性を調べた
【0098】
(1)使用した繊維
参考例1ないし参考例7および比較例1ないし比較例6において第1の繊維ウエッブと第2の繊維ウエッブに用いた繊維は以下の通りである。
【0099】
PLA繊維は、繊度が1.1dtexで繊維長が5mm、レーヨン繊維は、繊度が1.1dtexで繊維長5mm、パルプはNBKPを用いた。
【0100】
参考例8の第1の繊維ウエッブに用いたのは、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維で繊度が1.4dtex、繊維長が10mm、参考例9の第1の繊維ウエッブに用いたのは、芯部がPP(ポリプロピレン)で鞘部がPE(ポリエチレン)の芯鞘型の複合合成繊維で、繊度が2.2dtexで繊維長が5mm、参考例10の第1の繊維ウエッブに用いたのは、芯部がPETで鞘部がPEの芯鞘型の複合合成繊維で、繊度が3.3dtex、繊維長が5mmである。
【0101】
参考例および比較例の第1の繊維ウエッブと第2の繊維ウエッブでの各繊維の混合比は、表1と表2に記載の通りである。各表では繊維の混合率を第1の繊維ウエッブまたは第2の繊維ウエッブに対する質量%で示している。
【0102】
(2)不織布の製造方法
日本フィルコン株式会社製のワイヤー(網目状コンベア)「LL−70E」上に、第2の繊維ウエッブを湿式レイヤーで形成し、この第2の繊維ウエッブの上に湿式レイヤーで第1の繊維ウエッブを積層した。2層の繊維ウエッブが重ねられた状態で、第1の繊維ウエッブの上から高圧水ジェット流を与えた。この高圧水ジェット流のエネルギーを0.269kW/m2に設定して、前記ワイヤーを30m/minの速度で進行させて、各繊維を交絡させた。その後にロータリドライヤーを用いて120℃で3分間乾燥させた。
【0103】
(3)引張り強度の測定
参考例および比較例を、MDの長さが150mm、CDでの幅が25mmの試験片とし、これをテンシロン試験機で、チャック間距離を100mm、引張り速度を100mm/minで引っ張ったときの最大引張り荷重を測定した。
【0104】
湿潤時の引張り強度は、前記試験片に第1の面側から蒸留水を0.1cc与え、1分間おいた後に前記引張り試験を行った。目付けが50g/m2の試験片の場合、含水倍率は試験片の質量に対して53%である。
【0105】
(4)蒸留水の吸い上げ高さ
前記実施の形態において図10を参照して説明した通り。
【0106】
(5)水解時間
水解試験は、JIS−P4501に規定されるトイレットペーパのほぐれやすさ試験に順じて行った。その詳細は、容積が300ccのビーカーに、水温が20℃±5℃の水を300cc入れ、その中に直径35mmで厚さ12mmの円盤状の回転子を入れ、これを600±10rpmで回転させる。参考例および比較例を一辺が114±2mmの正方形に切断したものを試験片とし、この試験片を前記ビーカーに投入したときから、目視で観察してシート形状が完全に無くなるまでの時間を測定し、これを水解時間とした。
【0107】
(6)触感評価
参考例および比較例を100mm×100mmの大きさとし、第1の面側から蒸留水を0.5cc滴下し、この蒸留水が引き込まれた後に、年齢が20〜39歳までの女性10名が、第1の面を手で触り、ドライ感を得たかどうかの官能試験を行った。ドライ感を得たとの回答者が8〜10名のときに評価を「○」、5〜7名のときに評価を「△」、4名以下の場合を「×」とした。
結果を以下の表1と表2に示す。
【0108】
【表1】
Figure 0004212953
【0109】
【表2】
Figure 0004212953
【0110】
前記参考例1、参考例2、参考例8、参考例9、参考例10のように、第1の繊維ウエッブ(第1の層)が疎水性繊維100%で、第2の繊維ウエッブ(第2の層)が親水性繊維100%であれば、目付けが50g/m2のときに、水解性に優れており、また触感評価が良好である。よって、水解性を維持するためには、目付けは30〜70g/m2の範囲が好ましい。また、参考例3と参考例6および比較例1から、第1の層に親水性繊維が40質量%以下含まれていても、触感評価が良好であることが解り、参考例6から30質量%以下がさらに好ましく、参考例3から10質量%以下がさらに好ましいことが解る。
【0111】
また、参考例2、参考例4、参考例5、比較例2および比較例3から、第2の層に疎水性繊維が40質量%以下含まれていても、水解時間を600秒以下とすることができる。また好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であることも理解できる。
【0112】
【発明の効果】
以上のように本発明では、水解性が良好で、肌側表面に液残りが少なく、且つ液の吸収性が良好な吸収性物品、または裏面シート側から速やかに水解できる吸収性物品などを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の吸収性物品の本体の平面図、
【図2】図1に示す本体のII−II線の断面図、
【図3】第2の実施の形態の吸収性物品の本体の平面図、
【図4】図2に示す本体のIV−IV線の断面図、
【図5】包装シートで本体を包んだ状態を示す吸収性物品の断面図、
【図6】表面シートの拡大断面図、
【図7】表面シートの液の拡散状態を示す説明図、
【図8】裏面シートの断面図、
【図9】包装シートの断面図、
【図10】蒸留水の吸い上げ試験の説明図、
【図11】湿式レイヤーを用いた不織布の製造工程を説明する説明図、
【図12】エアーレイヤーを用いた不織布の製造工程を説明する説明図、
【符号の説明】
1,1A 本体
2 表面シート
2a 第1の表面
2b 第2の表面
3 裏面シート
3a 第1の表面
3b 第2の表面
4 液吸収層
6 感圧接着剤層
7 離型シート
8 包装シート
8a 第1の表面
8b 第2の表面
12 樹脂フィルム
21,31,81 第1の層
22,32,82 第2の層

Claims (5)

  1. 肌側表面に現れる液透過性で且つ水解性の表面シートと、着衣側表面に現れる裏面シートとを有する吸収性物品において、
    前記裏面シートは、繊維長が20mm以下の水分散性繊維どうしが水流交絡した水解性不織布で、表面シート側に向く第1の表面と着衣側に向く第2の表面を有しており、前記第1の表面には、疎水性繊維と10質量%以下の親水性繊維が現れ、前記第2の表面には、親水性繊維と40質量%以下の疎水性繊維が現れていることを特徴とする水解性の吸収性物品。
  2. 前記表面シートと前記裏面シートとの間には、親水性の水分散性繊維で形成された液吸収層が存在している請求項記載の水解性の吸収性物品。
  3. 前記表面シートと前記裏面シートとの間では、縦方向に向く両側縁部の内側に生分解性の樹脂フィルムが設けられている請求項1または2に記載の水解性の吸収性物品。
  4. 前記疎水性繊維は、生分解性繊維である請求項1ないしのいずれかに記載の水解性の吸収性物品。
  5. 前記水流交絡は、第1の表面側から与えられた高圧水ジェット流によるものである請求項1ないしのいずれかに記載の水解性の吸収性物品。
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