JP4208377B2 - 画像形成方法及び画像形成用透明フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真装置、静電記録装置等に用いることが可能な、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)によって投影する目的の透明記録媒体としての透明フィルムに画像を形成する画像形成方法及び画像形成用透明フィルムに関し、更に詳しくは、画像形成装置内での透明フィルムの位置を光学的に検知するためのマーキングとなり、又は画像形成装置内での透明フィルムの搬送状態を光学的に検知するためのマーキングとなる不透明部分を有する透明フィルムに画像を形成する画像形成方法及びその画像形成透明フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真、インクジェット、熱転写記録の如き記録装置でOHP用フィルムに画像を形成することは従来から広く用いられており、今後益々その重要度が高まってゆくものと考えられる。
【0003】
OHP用フィルムとしては、一般的に厚さ100〜150μm程度のポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムを用いることが多く、必要に応じて画像の定着性や保持性あるいは解像性を向上される目的で、その上に所望の受容層が設けられている。
【0004】
そして、画像形成装置に不透明な記録紙と併用することを目的として、透明フィルム上に不透明なマークを予め設けておき、画像形成装置の光学センサーでこの不透明なマークを検出し、透明フィルムの位置の検知を行うことが多く行われている。しかしながら、このような透明フィルムの位置を検知するための不透明なマークは画像形成後も残るため、記録した画像とは無関係な像として残存し、OHPで投影した際に著しく見苦しいものであり、更に記録した画像と重なったりすると画像が見えなくなるという問題があった。
【0005】
それに対し、例えば、特開昭57−76554号公報や特開昭58−90647号公報等で画像転写面と反対側の面の端部に、容易に剥離可能な不透明体を設ける等の提案がある。ここで提案されている透明フィルムによれば、画像転写面と反対側の面の端部に設けた容易に剥離可能な不透明体で光学的な検知を可能にし、OHPに使用する時には、その不透明体を剥離して使用すればフィルム全体を有効に使用することができるというものである。
【0006】
しかし、このような方法では画像形成装置内を透明フィルムが搬送される際、途中で不透明体が剥がれる危険性があり、画像形成装置の故障の原因ともなる。また、不透明体の剥ぎ取りに関しても使用者の注意が必要であり、フィルムに折れ、傷及び接着に用いた糊が残るという問題が生じる。
【0007】
また、特開平3−170944号公報で表面に設けられた不透明体が加熱により透明化する提案がある。ここで、提案されている透明フィルムによれば、前述で述べた画像形成装置内での剥がれ及び使用者の注意が必要なくなる利点がある。しかし、この不透明体の印刷を単純に行うと、定着ローラーの一周後の印字部では消える程度が悪いという問題が発生することがわかった。これは、定着ローラーが転写材によって熱が奪われ、その奪われた定着ローラーで、また透明フィルムに熱を与えるためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前述の如き問題点を解決し、透明フィルムに画像形成を行って得られた透明フィルムには、形成した画像形成不要な不透明体が存在しない高品位な記録画像を得ることができる画像形成方法及び画像形成用透明フィルムを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、定着ローラーの一周後の位置に不透明部を設けても、定着後、形成した画像以外の不要な不透明体が存在しない高品位な透明記録画像を得ることができる画像形成方法及び画像形成用透明フィルムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オーバーヘッドプロジェクター投影用の透明フィルムを用いて画像形成後、定着工程によって画像を形成する方法において、該透明フィルム表面には、定着ローラーの加熱により透明化しうる不透明センシングマーク層および該加熱により透明化しうる不透明マーク層が設けられており、該不透明マーク層は、該不透明センシングマーク層より、加熱による透明化が容易であり、透明フィルムの搬送方向の端部から測って、少なくとも定着ローラーの約1周後の位置から搬送方向上流側に、また、該不透明センシングマーク層は、該不透明マークの下流側に形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明は、加熱により透明化する不透明センシングマーク層および加熱により透明化する不透明マーク層を表面に有する画像形成用透明フィルムにおいて、該不透明マーク層が、搬送方向に対して、該不透明センシングマーク層より上流側に、不透明センシング層より加熱による透明化が生じ易くなるように形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の画像形成方法においては、定着ローラーの一周後において、透明フィルム表面に形成されている不透明部の加熱による透明化が十分に行われない問題点を解決するために、不透明センシングマーク層を、定着ローラーが接触し始めてから、ほぼ一周するまでの間に形成し、不透明センシングマークの下流側に不透明マーク層を形成したものである。不透明マーク層は、不透明センシングマーク層よりも低い加熱で透明化可能な層になっている。不透明マーク層は、センシングマーグマークとしての光学的性能を持っていてもよいし、また、透明フィルムの搬送方向を示す表示マークおよび、透明フィルムの表面と裏面を識別するための表示マークなどとして、利用されてもよい。
【0013】
本発明による透明フィルムは、従って、搬送方向の下流側に不透明センシングマーク層が、上流側に不透明マーク層が形成されているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明による透明フィルムの平面図である。図の矢印Cが搬送方向であり、斜線部Aが不透明センシングマーク層でドット部Bが不透明マーク層である。通常、センシングマークは左右非対称で、フィルムの画像形成領域外の少なくとも、側端に沿って帯状にあり、定着ローラー径に対して、Bの不透明マーク層を薄くすることで、Aの部分より低温で透明化可能にしている。透明フィルムの搬送方向の先端からの長さ11は、定着ローラー径によって決まる。例えば、直径60mmの定着ローラーだとすると、端部からの長さ11が60πmmとなり、少なくとも、約60πmmを超えた位置では不透明マーク層になっていなけらばならない。
【0016】
即ち、透明フィルム面を1回転した定着ローラの全周面は透明フィルムによって熱が奪われており、熱が奪われた状態で次の不透明マーク層を透明化しなければならないため不透明マーク層は、熱が足りなくなった定着ローラーでも、透明化可能にしておく必要がある。
【0017】
不透明マーク層は、不透明センシングマーク層の厚さを薄くすることで形成できるが、不透明センシングマーク層を形成している材料より、低い温度で溶け易い材料で形成する方法、不透明センシングマーク層を形成している着色材料より、低い温度で脱色反応が可能な材料で形成する方法、などの方法で形成できる。
【0018】
不透明マーク層は、不透明センシングマーク層より10℃以上低い温度で透明化可能なものが好適であり、そのために、不透明マーク層を不透明センシングマーク層の厚さを薄くして形成する場合には、不透明マーク層の透過率から不透明センシングマーク層の透過率を引いた値が、透明フィルムの位置検知光において、1%以上になるのが好適である。また、塗布により、不透明センシングマーク層および不透明マーク層を形成する場合には、不透明マーク層の単位面積当りの塗工量が、不透明センシングマーク層の75wt%以下が好適である。
【0019】
不透明センシングマーク層の形状は、図1に示される場合を代表例とするが、他の形状であってもよい。例えば、図1の不透明センシングマーク層は、透明フィルムの搬送方向の端部に沿って形成されているa1部と、透明フィルムの則端に沿って形成されているa2部とで成っているが、a1部だけでもよいし、a2部だけでもよい。また、a1部とa2部に加えて、図面上方の則端に沿って不透明センシングマーク層が形成されてもよい。また、不透明センシングマークは、透明フィルムの搬送方向先端から一定距離を置いて形成されてもよい。
【0020】
不透明センシングマーク層は、定着ローラーが透明フィルムに接触する位置、即ち、透明フィルムの先端から約1回転する位置の間に連続、又は非連続マークとして形成される。定着ローラーが約1回転する位置としては定着ローラーの1回転の位置±5mm、特には、±1mmが好適である。不透明マーク層は、この約1回転する位置より上流側に連続又は非連続マークとして形成される。不透明マーク層をセンシングマークとして機能させないことが望まれるときには、不透明マーク層の透過率を検知可能レベルを超した領域に、例えば、その透過率を15%以上にすることが好適である。また、不透明マーク層の認知度から90%以下が好適である。
【0021】
図2は、定着ローラーが一回転する間に透明フィルムが進んだ概略図である。透明フィルムは、図のDの方向に進み、定着ローラーは矢印のEの方向に動く。即ち、定着ローラー41と加圧ローラー42の一対のローラーは透明フィルムの先端を挟持して位置P1から、定着ローラー41が1回転したとき、定着ローラー41と加圧ローラー42はP2の位置に移動する。図2は、定着ローラーが1回転したときの透明フィルムの位置の説明図であり、画像形成装置内では、定着ローラと加圧ローラーは固定されている透明フィルムだけが搬送される。
【0022】
不透明センシングマーク層および不透明マーク層は、透明フィルムの画像が形成される面とは反対側の面に形成されているのがトナー画像の形成に影響を与えない点で好適である。不透明センシングマーク層および不透明マーク層が透明フィルムの画像形成領域の外側の位置又はその外側の位置に対応する透明フィルムの反対側の面の位置に形成されている方が、より鮮明な投影画像を得る上で好適であるが、不透明センシングマーク層および不透明マーク層とも加熱により透明化されるものであるから、画像形成領域に形成されてもよい。
【0023】
図5は、本発明に用いる一般的な透明フィルムの層構成を示す概略断面図である。図5に示すように、本発明の透明フィルム51は、透明な基材上512に受容層511を有する透明フィルムであって、この透明フィルムのいずれかの箇所、本発明においては基材512上に不透明センシングマーク層および不透明マーク層513を備えている。
【0024】
図6のように、基材512と不透明センシングマーク層と不透明マーク層513との間にアンカーコート層614として形してもよい。
【0025】
透明な基材としては、従来公知のものがいずれも使用でき、具体的には、ポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、セロハン、セルロイド、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂の如き、プラスチックフィルム及びシートが挙げられる。
【0026】
この透明な基材の厚みは特に制限されないが、一般的には1〜5000μm程度が好ましく、より好ましくは70〜150μmである。また、ベースの透明な基材に関しては、ヘイズ(JIS K−6714)で4%以下であることが好ましい。4%を越えると全体的に暗くなってしまい、カラー電子写真用透明フィルムとしては色彩に乏しくなる。
【0027】
このような透明な基材の上に直接又は接着層を介して、受容層511が形成される。受容層511に関しては、電子写真用等の公知の種々の受容層組成物から形成される。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。受容層には、更に上記のような樹脂に応じて添加剤を添加させ、適当な溶剤に溶解又は分散して調製した組成物を透明な基材上に公知の方法によって塗布を行い、適切な乾燥を行い形成させる。この時の受像層の厚みは1〜20μmであることが好ましい。
【0028】
定着処理前の不透明センシングマーク層および不透明マーク層513についての好適な構成は、内部に亀裂や連通孔を有する多孔質構造を有する樹脂層によって構成されるものであり、加熱又は加熱と加圧により透明化し得るものである。上記の特性を出すための不透明センシングマーク層および不透明マーク層513は主として樹脂粒子と結着剤とからなり、必要に応じて添加剤を添加させ、適当な溶剤に溶解又は分散して調製した組成物を基材上に公知の手段により塗布・乾燥させて形成される。
【0029】
この様な不透明センシングマーク層および不透明マーク層513は、図3に示すように透明フィルム1の透明な基材512の上に熱可塑性の樹脂粉体(樹脂粒子)及びエマルジョンを層状に塗布することによって形成することができ、加熱又は加熱と加圧にて融着し、均一化し得る。
【0030】
樹脂粉体としては、例えば、ポリエチレン、ポリメタクリレート、エラストマー、エチレン−酢酸ビニル重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル、ポリアクリル、ポリビニルエーテルが挙げられ、この中から1種又は2種以上混合して使用することができる。樹脂粉体は、上記の樹脂粉体に限定されるものではなく、記録材、透明フィルム及び透明フィルムに画像を形成するためのトナーに対して非結着性のものであり、かつ透明化できるものであれば、他の周知の材料を使用することも可能である。使用する結着剤は、上記樹脂粒子同士及び/又はシート状部材とを結着させる機能を有するものであり、樹脂粒子と同様にトナーに対して非結着性であることが望ましい。
【0031】
結着剤として好ましい材料は、前記の機能を有するものであれば、従来公知の材料がいずれも使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、デンプン、ポリビニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、アイオノマー、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、ユリア樹脂、フェノール樹脂、α−オレフィン樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルゴムが挙げられ、これらの中から少なくとも1種以上が使用される。
【0032】
更に、センシングマークとしての前記機能を向上させるために、必要に応じて各種添加剤、例えば界面活性剤、蛍光増白剤、防腐剤、防バイ剤、浸透剤、架橋剤等を添加しても良い。
【0033】
前記樹脂粒子と、結着剤との混合比(重量比)については、結着剤が多いとセンシングマークの亀裂や連通孔が少なくなり、定着前の透過率が上がってしまう。混合比において樹脂粒子が多すぎると、樹脂粒子同士は、シート状部材と樹脂粒子との接着が十分でなくなり、センシングマークが剥れ易くなる。
【0034】
センシングマークの厚さは、求められる透過率および、離型剤量の如き装置条件にも依存するが、好ましくは1〜200μmであり、より好適には3〜50μmである。
【0035】
シート状部材512上に、表層としての不透明センシングマーク層および不透明マーク層513を形成する方法としては、前述の材料を適当な溶剤に溶解又は分散させて塗工液を調液し、この塗布液をシート状部材512上に塗布する。この際、シート状部材512上には、図6のように予めアンカーコート層614を形成することでシート状部材512と不透明センシングマーク層および不透明マーク層513との密着性を適正にし、例えばローラコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法の如き公知の方法により層状に塗工した後、速やかに乾燥させるようにするのが好ましい。
【0036】
アンカーコート層は、シート状部材512と不透明センシングマーク層および不透明マーク層513との材料の溶解性パラメータが離れているような場合には、シート状部材512と不透明センシングマーク層および不透明マーク層513との密着性を高め、逆にシート状部材512と不透明センシングマーク層および不透明マーク層513との材料の溶解性パラメータが同一又は近すぎる場合にはシート状部材512と不透明センシングマーク層および不透明マーク層513との密着性を下げるように作用する層である。
【0037】
アンカーコート層614に用いられる樹脂としては具体的には、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、デンプン、ポリビニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、アイオノマー、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、ユリア樹脂、フェノール樹脂、α−オレフィン樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルゴムが挙げられ、これらの中から少なくとも1種を用いて上記の条件を満足するように用いることが好ましい。
【0038】
次に、画像形成装置内で本発明の中で透明化するために使用される定着装置について説明する。図4は、熱ローラー方式の定着装置の一例である。41は定着ローラー、42は加圧ローラーであり、それぞれの内部の熱源であるハロゲンヒーター41a及び42aを有し、互いに圧接して回転する。
【0039】
定着ローラー側にトナー像Tを担持する転写材1が定着装置4の方向へ搬送され、次いで転写材1が定着加圧ローラー41と42の間に挟持されつつ搬送されると、その間に転写材1上のトナー像Tが加熱及び加圧されて転写材1上に溶融定着される。
【0040】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0041】
(実施例1)
透明な基材として、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、その上に電子写真用受容層として、ポリエステル樹脂層(商品名:VyLON,東洋紡製,Tg=56℃)を3μm厚に形成されたフィルムを準備した。そのフィルムのヘイズは3.0%(測定機器:日本電飾製)であった。そして、基材の裏面の画像形成領域外側の所定の位置に、スチレン−アクリル共重合体樹脂(ボンコートPP−1000、大日本インキ化学工業製、固形分45%)100重量部、ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製、10%水溶液)30重量部、界面活性剤(ペレテックスOT−P、花王製、固形分70%)0.3重量部を混合した溶液をバーコーターにて塗布する。その際、定着ローラーの直径が60mmであることを考え、端部から60πmm以降の部分の塗工量が単位面積当り50wt%になるようバーコーターの溝が半分のに代えて塗布を行った後、80℃で10分間乾燥炉内で乾燥した。このようにして、図1に示されるような、線幅8mmの不透明センシングマーク層(厚さ:2μm)および不透明マーク層(厚さ:1.5μm)を形成した。不透明マーク層の長さは20mmである。
【0042】
この透明フィルムに、カラー電子写真複写機(商品名:CLC1150,キヤノン製)を用いて、未定着のカラートナー透明画像を形成し、これを、図4に示される熱ローラー式の定着装置(定着温度155℃、加圧3kg/cm2、定着速度75mm/s)で定着させると、不透明センシングマーク層および不透明マーク層を形成している樹脂粉体同士の結着が図られ、透明化した。透明化した部分のヘイズは8.0%となった。それをOHPによって投影させたが、透明化した部分に関して認識はできるが画像投影上問題はなかった。
【0043】
(実施例2)
ローラー一周後の位置まで実施例1と同様の塗工液をバーコーターで塗布し、ローラー一周後の位置から塗工量が50wt%となるように、溶媒のポリビニルアルコールを2倍の60重量部として希釈した塗工液を同じバーコーターで塗布を行った以外は、実施例1と同様にして透明フィルムを形成した。不透明センシングマーク層の透過率は980mmの光で10%であり、一周後の薄い部分不透明マーク層の透過率は60%となった。この透明フィルムを用いて、実施例1とにカラートナー透明画像を形成し、同様の熱ローラー式の定着装置で定着させると、樹脂粉体同士の結着が図られ不透明センシングマーク層および不透明マーク層ともヘイズは7.5%となった。それをOHPに投影させたが、透明部に関して認識できるが画像投影上問題はなかった。
【0044】
(実施例3)
実施例1の樹脂塗工液をグラビアコーターで印刷し、ローラー一周後の位置の版を印刷部の塗工量の半分になるように浅くし、実施例1と同様にして透明フィルムを形成した。不透明センシングマーク層の透過率は8%であり、一周後の不透明マーク層の透過率は45%となった。この透明フィルムを用いて実施例1と同様にカラートナー透明画像を形成し、実施例1と同様にして熱ローラー式の定着装置で定着させると、樹脂粉体同士の結着が図られ不透明センシングマーク層および不透明マーク層ともヘイズは9%となった。それをOHPに投影させたが、透明部に関して認識できるが画像投影上問題はなかった。
【0045】
(比較例1)
実施例1において、不透明センシングマーク層および不透明マーク層を塗布により形成する際、バーコードを代えずに、ローラー一周後の印刷部の塗工量も同じにした。形成された不透明センシングマーク層の透過率は10%となった。形成された透明フィルムを用いて、それを実施例1と同様にカラートナー透明画像を形成し、同様にして、熱ローラー式の定着装置を用いて定着を行った。定着ローラー一周前では不透明センシング層のヘイズは8%となったが、一周後の不透明センシング層のヘイズが25%となり、画像形成の妨げとなった。
【0046】
(比較例2)
実施例2において、不透明センシングマーク層および不透明マーク層を塗布により形成する際、透明フィルムの定着ローラー一周後で塗工液の希釈を行わず、全体を同じように印刷した。形成された不透明センシングマーク層の透過率は9%であった。形成された透明フィルムを用いて実施例1と同様にしてカラートナー透明画像を形成し、熱ローラー式の定着装置を用いて定着を行った。定着ローラー一周前では不透明センシングマーク層のヘイズは9%となったが、一周後にはヘイズが30%となり、画像形成の妨げとなった。
【0047】
(比較例3)
実施例3において、不透明センシング層および不透明マーク層を塗布により形成する際定着ローラー一周後のグラビアコーターの版の調整を行わず、全体を同じように印刷した。形成された不透明センシングマーク層の透過率は10%であった。形成された透明フィルムを用いて、実施例1と同様にしてカラートナー透明画像を形成し熱ローラー式の定着装置を用いて定着を行った。定着ローラー一周前では不透明センシングマーク層のヘイズは9%となったが、一周後にはヘイズが28%となり、画像形成の妨げとなった。
【0048】
(実施例4)
実施例1において、不透明マーク層だけを、実施例1の不透明センシングマーク層および不透明マーク層を形成するに用いた樹脂塗料のスチレン−アクリル共重合体樹脂を軟化点が10℃低い90℃のスチレン−アクリル共重合体樹脂に変えた塗料で形成した。不透明センシングマーク層と不透明マーク層との厚さは共に2μmである。
【0049】
形成された透明フィルムの不透明センシングマーク層の透過率は10%、不透明マーク層の透過率は13%であった。この透明フィルムを用いて、実施例1と同様にして、カラートナー透明画像を形成し、熱ローラー式の定着装置で定着を行った。その結果、不透明センシングマーク層および不透明マーク層ともヘイズは8.0であった。またそれを、OHPによって投影したところ、不透明センシングマーク層および不透明マーク層は、その存在は認識できるが、画像投影上全く支障はなかった。
【0050】
(実施例5)
実施例1において、不透明センシングマーク層と同じ条件で不透明マーク層を形成した。但し、乾燥条件を60℃で20分とした。その結果、不透明センシングマーク層の多孔質表面の孔の隙間は約2μmであるが、不透明マーク層の多孔質表面の孔の隙間は約1μmであった。
【0051】
形成された透明フィルムの不透明センシングマーク層の透過率は10%、不透明マーク層の透過率は30%であった。この透明フィルムを用いて、実施例1と同様にして、カラートナー透明画像を形成し、熱ローラー式の定着装置で定着を行った。その結果、不透明センシングマーク層および不透明マーク層ともヘイズは8.0であった。またそれを、OHPによって投影したところ、不透明センシングマーク層および不透明マーク層は、その存在は認識できるが、画像投影上全く支障はなかった。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光学センサーによって検出可能でしかも所定の処理によって簡単に透明化する不透明部分を、透明なシート状部材状に付して透明フィルムを形成することにより、透明フィルムはこの不透明部分を利用して、画像形成中にはサイズや表裏の検出を的確に行うことができる上、画像形成後においては不透明部分を透明化させることにより、不透明部分が例えばOHP装置で投射された際、スクリーン上に画像となって現れることがない。また、定着ローラーの周期に対しての印刷部の透明化のレベルの悪化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透明フィルムの概略図である。
【図2】本発明に係る定着ローラー一周後の説明図である。
【図3】本発明に係るセンシングマーク部分の拡大断面図である。
【図4】本発明に係る熱ローラー式定着器の断面図である。
【図5】本発明に係る透明フィルムの概略断面図である。
【図6】本発明に係るアンカーコート層を有する透明フィルムの概略断面図である。
Claims (21)
- オーバーヘッドプロジェクター投影用の透明フィルムを用いて画像形成後、定着工程によって画像を形成する方法において、該透明フィルム表面には、定着ローラーの加熱により透明化しうる不透明センシングマーク層および該加熱により透明化しうる不透明マーク層が設けられており、該不透明マーク層は、該不透明センシングマーク層より、加熱による透明化が容易であり、透明フィルムの搬送方向の端部から測って、少なくとも定着ローラーの約1周後の位置から搬送方向上流側に、また、該不透明センシングマーク層は、該不透明マークの下流側に形成されていることを特徴とする画像形成方法。
- 不透明マーク層は、不透明センシングマーク層の厚さを薄くすることにより、形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 不透明マーク層の透過率から不透明センシングマーク層の透過率を引いた値が1%以上であることを特徴とする請求項2記載の画像形成方法。
- 不透明マーク層の単位面積当りの塗工量が、不透明センシングマーク層の75wt%以下であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
- 不透明センシングマーク層および不透明マーク層が、透明フィルムの画像が形成される面とは反対側の面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 不透明センシングマーク層および不透明マーク層が透明フィルムの画像形成領域の外側の位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 不透明センシングマーク層および不透明マーク層が透明フィルムの画像形成領域の外側の位置に対応する透明フィルムの反対側の面の位置に形成されていることを特徴とする請求項5記載の画像形成方法。
- 不透明マーク層における検知光の透過率が、透明フィルムの位置検知可能レベルを超えていることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 不透明センシングマーク層および不透明マーク層が樹脂粉体の塗工層であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 透明フィルムは、画像形成表面に、トナー画像受容層を有していることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 透明フィルムの、不透明センシングマーク層および不透明マーク層が形成されていない部位のヘイズ値が4%以下であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 透明フィルムに形成される画像がカラー透明トナー画像であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 加熱による透明化が加圧下で行われる請求項1記載の画像形成方法。
- 加熱により透明化する不透明センシングマーク層および加熱により透明化する不透明マーク層を表面に有する画像形成用透明フィルムにおいて、該不透明マーク層が、搬送方向に対して、該不透明センシングマーク層より上流側に、不透明センシング層より加熱による透明化が生じ易くなるように形成されていることを特徴とする画像形成用透明フィルム。
- 不透明センシングマーク層および不透明マーク層が、前記透明フィルムの側端に沿って帯状に形成されていることを特徴とする請求項14に記載の画像形成用透明フィルム。
- 不透明マーク層は、不透明センシングマーク層の厚さを薄くすることにより、形成されていることを特徴とする請求項14記載の画像形成用透明フィルム。
- 不透明マーク層の透過率から不透明センシングマーク層の透過率を引いた値が1%以上であることを特徴とする請求項16記載の画像形成用透明フィルム。
- 不透明マーク層の単位面積当りの塗工量が、不透明センシングマーク層の75wt%以下であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成用透明フィルム。
- 不透明センシングマーク層および不透明マーク層が、透明フィルムの画像が形成される面とは反対側の面に形成されていることを特徴とする請求項14に記載の画像形成用透明フィルム。
- 不透明マーク層における検知光の透過率が、透明フィルムの位置検知可能レベルを超えていることを特徴とする請求項14記載の画像形成用透明フィルム。
- トナー画像形成用の透明フィルムであって、不透明センシングマーク層と不透明マーク層とを表面に具備し、
該不透明マーク層は、該不透明センシングマーク層よりも該透明フィルムの搬送方向先端から離れた箇所に位置しており、
該不透明センシングマーク層は該トナー画像を該透明フィルムに定着させるための該透明フィルムの加熱により透明化するものであり、該不透明マーク層は、該不透明センシングマーク層よりも低い温度での該透明フィルムの加熱により透明化するものであることを特徴とする透明フィルム。
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