JP4205861B2 - 強化ワクチン - Google Patents
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Description
背景
1.技術分野
本発明は、感染症およびIgE関連疾患のような種々の疾患の治療に関係する方法および物質に関する。特に本発明は、特定の自己抗原または非自己抗原に対して哺乳動物をワクチン接種するのに使用することができる方法および物質に関する。例えば、本明細書に記載された方法および物質は、哺乳動物内のIgE抗体の作用を減少することが可能である。
【0002】
2.背景情報
哺乳動物は、細菌感染、ウイルス感染およびアレルギーのようなIgE関連疾患を含む多くの疾患および疾病に罹りやすい。一般に、感染症は生体組織内への微生物(例えば細菌、真菌およびウイルス)の侵入および増殖により特徴づけられる。ワクチンの使用により多くの種類の感染症を治療または予防することが可能である。例えば、ポリオワクチンは、ポリオウイルス感染を予防できる。典型的には、ワクチンは弱毒化した、または死滅させた微生物の懸濁液である。
【0003】
IgE関連疾患は、免疫グロブリンE(IgE)と称するクラスの免疫グロブリンにより媒介される。実際には、ヒト血漿中でIgE抗体は一般に非常に低濃度であるにもかかわらず(10〜400 ng/mL)、IgE抗体はヒト集団で見られる過敏反応の主原因である。その効果は、IgE抗体と、マスト細胞および好塩基球上にあるIgEに対する高親和性受容体との相互作用によるものである。例えばアレルゲンの結合により、これらの細胞型の表面にある2つのIgE受容体が架橋されると多数の生理学的に活性のある物質(例えばヒスタミン、PAF(血小板活性化因子)、へパリン、ロイコトリエン、プロスタグランジン、トロンボキサン、および好酸性および好中性の顆粒球への走化性因子)の放出が開始される。おそらくこれらの媒介物質は、IgE媒介のアレルギー反応(1型過敏反応)の直接的症状の原因である。このグループに属する疾患の病状には、ぜん息、毛皮アレルギー、花粉アレルギー、食物アレルギーおよび湿疹がある。
【0004】
IgEに対する高親和性受容体は、これまでに特性決定されている。該受容体は、マスト細胞、好塩基球、好酸球、単球およびランゲルハンス細胞に存在すると考えられる。加えて、該受容体は、3つの異なるサブユニット(α、βおよびγ鎖)の複合体である。α鎖は主に細胞外に位置し、さらにIgE分子と相互作用すると見られている。IgE分子のε鎖に関する以前の研究において、CH2ドメインとCH3ドメイン(CHとは、重鎖における定常部を指す)との境界にある76アミノ酸の領域がIgE分子とIgEの高親和性受容体との相互作用に重要であることが提唱されている。さらに該領域に相当するペプチドは、in vitroで天然IgEおよびIgEの高親和性受容体間の相互作用を、全体のCH2-CH3-CH4領域と比較して1:1に近いモル比で抑制することが示された。(Helmら、Nature 331, 180-183, (1988))。また該ペプチドはアレルゲン刺激においてIgE媒介発赤反応を抑制することを示した。しかしながらこの場合には、ペプチドの濃度は、天然IgEを用いて同様の抑制効果を示すために必要な濃度の約10倍であった(Helmら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 9465-9469, (1989))。
【0005】
発明の概要
本発明は、感染症およびIgE関連疾患などの種々の疾患の治療および予防に関与する方法および物質に関する。特に本発明は、特異的自己抗原または非自己抗原に対する哺乳動物のワクチン接種に使用しうる方法および物質に関する。例えば、本明細書に記載の方法および物質を使用して、哺乳動物中の総IgE抗体量および受容体結合IgE抗体量を低減させることにより、哺乳動物中のIgE抗体の作用を低減させうる。かかる方法および物質を使用して、ヒト、イヌおよびブタなどの哺乳動物におけるアトピー性アレルギーを治療しうる。
【0006】
本発明は、ワクチンコンジュゲートを、それぞれのポリペプチドが少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメントを有する少なくとも2つのポリペプチドを含有するように設計し、このコンジュゲートを哺乳動物に投与することによって該ポリペプチドのうちの1つの少なくとも一部に対する免疫応答を誘導しうるという発見に基づいている。かかる免疫応答は、いずれの非コンジュゲート形態のポリペプチドまたは少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメントを欠損するポリペプチドのコンジュゲートにより誘導された応答よりも効力が高い可能性がある。したがって、本明細書に記載のワクチンコンジュゲートを使用して、広範な自己抗原(例えば、IgE分子)または非自己抗原(例えば、ウイルス性ポリペプチド)に対する実質的な防御を有する哺乳動物を提供しうる。
【0007】
本発明はまた、ワクチンコンジュゲートをサイトカイン活性を有する1つのポリペプチドを含有するように設計し、その結果、該コンジュゲート内のもう一方のポリペプチドに対する強力な免疫応答が誘導されるという発見に基づいている。かかる免疫応答は、サイトカイン活性を有するポリペプチドを欠損するコンジュゲートにより誘導された応答よりも効力が高い可能性がある。特定の作用機構のいずれにも限定されるものではないが、サイトカイン活性を有するポリペプチドおよび免疫原性ポリペプチドを含有するコンジュゲートは、免疫原性ポリペプチドを含む局所化範囲にサイトカイン活性を集中させるだろう。したがって、サイトカイン活性を有するポリペプチドは、免疫原性ポリペプチドに対する特異的免疫応答の生成に関与する細胞を刺激しうる。
【0008】
さらに本発明は、自己IgE部分および非自己IgE部分を含有するポリペプチドが免疫原性であり、哺乳動物における有効な抗自己IgE応答を誘導するという発見に基づいている。かかる免疫原性ポリペプチドをワクチンとして使用して、自己IgE抗体により誘導された過敏症を中和する抗自己IgE応答を誘導しうる。特定の作用機構のいずれにも限定されるものではないが、本明細書に記載の免疫原性ポリペプチドは、高親和性IgE受容体と相互作用するIgE分子の一部に対しおそらく特異性を有すると考えられる抗自己IgE抗体の産生を誘導する。その産生後、抗自己IgE抗体は自己IgE抗体と相互作用し、その結果自己IgE抗体が高親和性IgE受容体に結合できなくなる。この受容体結合を抑制することによって、おそらく自己IgE抗体により誘導される過敏症が低減されるだろう。したがって、IgEにより誘導される作用の程度は、より多くの抗自己IgE抗体が産生されるほど低減されうる。
【0009】
全体として、本発明は、自己IgE部分および非自己IgE部分を有する免疫原性ポリペプチドを特徴とする。該免疫原性ポリペプチドは、哺乳動物(例えば、ヒト)における抗自己IgE応答の誘導に有効である。該自己の部分は、IgEのCH3ドメインの少なくとも一部を含有しうる。該ポリペプチドは、二量体化して、哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効な可溶性免疫原性二量体を形成することができる。非自己IgE部分は第1領域および第2領域を含有し、自己IgE部分が非自己IgE部分の第1領域と第2領域との間に位置しうる。その第1領域は、IgE CH2ドメインの少なくとも一部を含み、第2領域はIgE CH4ドメインの少なくとも一部を含む。非自己IgE部分は、哺乳動物の無胎盤類(例えば、オポッサム、カモノハシ、コアラ、カンガルー、ワラビー、およびウオンバット)に存在するIgE配列を含有してもよい。自己IgE部分はIgE抗体のCH2ドメインを欠損していてもよい。免疫原性ポリペプチドは真核性翻訳後修飾を含んでもよい。さらに、免疫原性ポリペプチドはポリヒスチジン配列を含んでもよい。抗自己IgE応答はポリクローナル応答でありうる。
【0010】
他の実施形態において、本発明は、免疫原性ポリペプチドをコードする核酸配列を含有する核酸分子を特徴とする。免疫原性ポリペプチドは、自己IgE部分および非自己IgE部分を含有し、かつ哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効である。該核酸分子は、真核細胞からの該免疫原性ポリペプチドの分泌を促進するアミノ酸配列をコードするさらなる核酸配列を含有してもよい。
【0011】
本発明の他の実施形態は、免疫原性ポリペプチドをコードする核酸配列を有する核酸分子を含有する宿主細胞(例えば、真核細胞)を特徴とする。該免疫原性ポリペプチドは、自己IgE部分および非自己IgE部分を含有し、かつ哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効である。
【0012】
本発明の他の実施形態は、二量体化して、可溶性免疫原性二量体を形成することができる2つの免疫原性ポリペプチドを含有する可溶性免疫原性二量体を特徴とする。その2つの免疫原性ポリペプチドはそれぞれ自己IgE部分および非自己IgE部分を含有し、そして該可溶性免疫原性二量体は哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効である。
【0013】
本発明の他の実施形態は、自己IgE部分および非自己IgE部分を有する免疫原性ポリペプチドを含むワクチンを特徴とする。該免疫原性ポリペプチドは哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効である。ワクチンには、医薬学的に許容される担体が含まれてもよい。
【0014】
本発明の他の実施形態は、哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効な免疫原性ポリペプチドをコードする核酸分子の製造方法を特徴とする。該方法には、第1核酸配列と第2核酸配列とを結合させて核酸分子を形成することが含まれ、その場合、第1核酸配列は該哺乳動物に存在するIgE分子の少なくとも一部をコードし、第2核酸配列は該哺乳動物には存在しないIgE分子の少なくとも一部をコードする。
【0015】
本発明の他の実施形態は、哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効な免疫原性ポリペプチドをコードする核酸分子の製造方法を特徴とする。該方法には、
(a)該哺乳動物に存在するIgE分子の少なくとも一部をコードする第1核酸配列を選択し、(b)該哺乳動物には存在しないIgE分子の少なくとも一部をコードする第2核酸配列を選択し、そして(c)第1核酸配列と第2核酸配列とを結合させて核酸分子を形成させることが含まれる。
【0016】
他の態様において、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)にワクチン接種するためのワクチン複合体を特徴とする。該複合体は第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドを含有する。第1および第2ポリペプチドはそれぞれ少なくとも2つの類似した少なくとも5アミノ酸残基長のアミノ酸配列を含む。さらに、第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとを連結して該複合体を形成し、そして該複合体を哺乳動物に投与することによって第1ポリペプチドまたは第2ポリペプチドの少なくとも一部に対する免疫応答を誘導する。第1および/または第2ポリペプチドは、該哺乳動物により発現されるアミノ酸配列を含有してもよい。第1ポリペプチドと第2ポリペプチドは同一であってもよく、二量体を形成しうる。第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結にはジスルフィド結合が含まれうる。第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結には、非共有結合性相互作用が含まれてもよい。第1および/または第2ポリペプチドは、リンカー部位(例えば、ポリヒスチジン配列)を含有しうる。第1および/または第2ポリペプチドのアミノ末端およびカルボキシル末端は、リンカー部位を含有しうる。該複合体は連結分子(例えば、抗ポリヒスチジン抗体などの抗体)を含有しうる。該連結分子は第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとを連結しうる。該複合体は第3ポリペプチドを含んでもよく、その場合、第3ポリペプチドはサイトカイン活性を有する。該サイトカイン活性は、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、TNF-α、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-12、IL-15、IL-18および顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインの活性でありうる。該連結分子は、第3ポリペプチドと第1ポリペプチドまたは第2ポリペプチドとを連結しうる。類似したアミノ酸配列は約20アミノ酸残基長より大きくてもよい。該複合体はFcγ受容体II 遮断分子(例えば、抗CD32抗体)を含有してもよい。
【0017】
他の実施形態において、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)にワクチン接種するためのワクチン複合体を特徴とする。該複合体は、第2ポリペプチドに連結された第1ポリペプチドを含有し、その場合、第1ポリペプチドは少なくとも2つの類似した少なくとも5アミノ酸長のアミノ酸配列を含有する。さらに、第2ポリペプチドはサイトカイン活性を有し、該複合体を哺乳動物に投与することによって第1ポリペプチドの少なくとも一部に対する免疫応答が誘導される。第1ポリペプチドは哺乳動物により発現されるアミノ酸配列を含有してもよい。第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結には非共有結合性相互作用が含まれうる。第1および/または第2ポリペプチドは、リンカー部位(例えば、ポリヒスチジン配列)を含有しうる。例えば、第1ポリペプチドのアミノ末端およびカルボキシル末端はリンカー部位を含有しうる。該複合体は連結分子(例えば、抗ポリヒスチジン抗体などの抗体)を含有しうる。サイトカイン活性は、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、TNF-α、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-12、IL-15、IL-18および顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインの活性であり得る。該複合体は第3ポリペプチドを含有してもよい。第1ポリペプチドと第3ポリペプチドは同一であってもよく、二量体を形成しうる。第1ポリペプチドと第3ポリペプチドとの連結には、ジスルフィド結合が含まれうる。類似したアミノ酸配列は約20アミノ酸残基長より大きくてもよい。該複合体は、Fcγ受容体II 遮断分子(例えば、抗CD32抗体)を含有してもよい。
【0018】
本発明の他の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)にワクチン接種するためのワクチン複合体を特徴とする。該複合体は第1ポリペプチド、第2ポリペプチドおよび第3ポリペプチドを含有し、第1、第2および第3ポリペプチドは連結されて該複合体を形成する。第1ポリペプチドは第1サイトカイン活性を有する。第2ポリペプチドは第2サイトカイン活性を有する。該複合体を哺乳動物に投与することにより第3ポリペプチドの少なくとも一部に対する免疫応答が誘導される。第3ポリペプチドは哺乳動物により発現されるアミノ酸配列を含有しうる。第1、第2および第3ポリペプチド間の連結には、非共有結合性相互作用が含まれうる。第1、第2および/または第3ポリペプチドはリンカー部位を含有しうる。該複合体は連結分子を含有しうる。第3ポリペプチドは、少なくとも2つの類似した少なくとも5アミノ酸長のアミノ酸配列を含有してもよい。該複合体は、Fcγ受容体II 遮断分子(例えば、抗CD32抗体)を含有してもよい。
【0019】
本発明の他の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)にワクチン接種するためのワクチン複合体を特徴とする。該複合体は第2ポリペプチドに連結された第1ポリペプチドを含有し、第1ポリペプチドはインターフェロンαまたはインターフェロンβ活性を有するポリペプチドであり、該複合体を哺乳動物に投与することにより第2ポリペプチドの少なくとも一部に対する免疫応答を誘導する。第2ポリペプチドは該哺乳動物により発現されたアミノ酸配列を含有しうる。第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結には非共有結合性相互作用が含まれうる。第1および/または第2ポリペプチドはリンカー部位を含有しうる。該複合体は連結分子を含有しうる。第2ポリペプチドは、少なくとも2つの類似した少なくとも5アミノ酸長のアミノ酸配列を含有してもよい。該複合体はFcγ受容体II 遮断分子(例えば、抗CD32抗体)を含有してもよい。
【0020】
本発明の他の態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)にワクチン接種するためのワクチンを特徴とする。該ワクチンはFcγ受容体II 遮断分子(例えば、抗CD32抗体)およびポリペプチドを含有し、該ワクチンを哺乳動物に投与することによって該ポリペプチドの少なくとも一部に対する免疫応答が誘導される。該ポリペプチドは該哺乳動物により発現されたアミノ酸配列を含有しうる。Fcγ受容体II 遮断分子とポリペプチドとを連結することができ、その連結には非共有結合性相互作用が含まれうる。
【0021】
特に記載しない限り、本明細書で使用する技術用語および科学用語は全て、本発明が属する技術分野の熟練者に一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載した方法および物質に類似または同等のものを本発明の実施または試験に使用しうるが、適切な方法および物質を以下で説明する。本明細書で示した刊行物、特許出願、特許および他の参照文献は全て、参照によりその全文を本明細書に組み入れる。係争の場合には、定義を含む本明細書が統制する。さらに、物質、方法および実施例は、単に例示にすぎず、限定を意図するものではない。
【0022】
本発明の他の特徴および利点は、本明細書および特許請求の範囲から明らかであろう。
【0023】
発明の説明
本発明は、感染症およびIgE関連疾患などの種々の疾患を治療するための方法および物質を提供する。特に本発明は、特異的自己抗原または非自己抗原に対する哺乳動物のワクチン接種に使用しうる方法および物質を提供する。例えば、本明細書に記載の方法および物質を使用して、哺乳動物中の総IgE抗体量および受容体結合IgE量を低減させることにより、哺乳動物中のIgE抗体の作用を低減させうる。
【0024】
1.ワクチンコンジュゲート
本発明は、それぞれのポリペプチドが少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメントを有する少なくとも2つのポリペプチドを含有するワクチンコンジュゲートを提供する。本明細書で使用する「コンジュゲート」という用語は、1つ以上の共有結合または非共有結合を介して直接または間接的に連結した少なくとも2つのポリペプチドを含有するあらゆる組成物を指す。例えば、コンジュゲートは10個の連続して連結したポリペプチドを含有する(例えば、1つ目が2つ目と連結し、2つ目が3つ目と連結し、3つ目が4つ目と連結する、など)。ポリペプチドに関して本明細書で使用する「連結」という用語は、あらゆる種類の共有結合または非共有結合を指し、限定するものではないが、単結合、二重結合、三重結合、ジスルフィド結合、水素結合、疎水性相互作用、ファンデルワールス相互作用、およびこれらの任意の組み合わせが含まれる。例えば、ジスルフィド結合によって第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとを連結しうる。あるいはまた、抗体によって第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとを連結してもよい。この場合、第1ポリペプチドと第2ポリペプチドがそれぞれ抗体により認識されるエピトープを含有し、その結果得られるコンジュゲートは、第1ポリペプチドに非共有結合で連結した抗体とさらに非共有結合で連結した第2ポリペプチドを含有する。この例においては第1ポリペプチドと第2ポリペプチドは同一のアミノ酸配列を有しうることに留意されたい。
【0025】
本明細書で使用する「アミノ酸セグメント」という用語は、ポリペプチド中の隣接したアミノ酸のストレッチを指す。例えば、100アミノ酸のポリペプチド中30〜40残基のアミノ酸配列はアミノ酸セグメントとみなされるだろう。本発明の目的のために、アミノ酸セグメントは約5アミノ酸残基より大きい(例えば、約6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、75、100、150または200アミノ酸残基よりも大きい)長さであればよい。したがって、アミノ酸セグメントはIgE抗体のCH3ドメイン全体であってもよい。
【0026】
少なくとも2つのアミノ酸セグメントに関して、本明細書で使用する「類似した」という用語は、該セグメント同士がアミノ酸配列に関して少なくとも約50%の同一性を有することを意味する。例えば、類似したアミノ酸セグメントは、約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、または100%の同一性を有しうる。本発明の目的のために、1つのアミノ酸セグメントともう1つのアミノ酸セグメント間のアミノ酸配列の%同一性は、以下のようにして算出する。最初に、2つのアミノ酸セグメントのアミノ酸配列を、Jotun Heimアルゴリズムを利用し、デフォルトが設定されているMEGALIGN(登録商標)(DNASTAR, Madison, WI, 1997)配列アライメントソフトウエアを用いてアライメントする。次に、アライメントした2つのアミノ酸配列間で一致した位置の数を決定する。一致した位置は、MEGALIGN(登録商標)配列アライメントソフトウエアでアライメントした結果、同一の残基が同一位置に存在したその位置を意味する。第3に、一致した位置の数を位置の総数で割り、得られた値に100をかけて%同一性を得る。
【0027】
また、本発明のワクチンコンジュゲートは、それぞれのポリペプチドが少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメントを有する少なくとも2つのポリペプチドを含有する。したがって、ワクチンコンジュゲートは、それぞれのポリペプチドが少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメントを有する、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、または30個のポリペプチドを含有しうる。少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメントを含有するポリペプチドが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の類似したアミノ酸セグメントを含有しうることに留意されたい。少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメントを含有するポリペプチドの他に、本発明のワクチンコンジュゲートは、少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメントを含有しない任意の数のポリペプチドを含有してもよい。例えば、ワクチンコンジュゲートは、それぞれが3回反復した30アミノ酸残基のセグメントを有する4つのポリペプチド、ならびにそれぞれが類似したアミノ酸セグメントを欠損した2つのポリペプチドを含有しうる。
【0028】
典型的には、ワクチンコンジュゲートは、免疫応答が望まれるものに対して抗原として作用しうるポリペプチドを含有する。したがって、本発明の範囲内にあるワクチンコンジュゲートは、いずれの種類のポリペプチドを含有してよく、限定するものではないが、細菌、真菌類、ウイルスおよび哺乳動物のポリペプチドが含まれる。例えば、ワクチンコンジュゲートは5つのC型肝炎ウイルスポリペプチドを含有しうる。コンジュゲートのポリペプチドはそれぞれ同一のアミノ酸配列を有しうることに留意されたい。さらに、ワクチンコンジュゲートのポリペプチドは、典型的には類似したアミノ酸セグメントを含有し、そのそれぞれが免疫応答が望まれるものに対して明確な抗原性単位として作用しうる。したがって、ワクチンコンジュゲートのポリペプチドは、限定するものではないが、受容体結合領域、リガンド結合領域、酵素活性部位、ポリペプチド基質の酵素切断部位、抗体の抗原結合領域、および抗体により認識されるエピトープなどのポリペプチドに由来する任意の領域に相当する類似したアミノ酸セグメントを含有しうる。例えば、ワクチンコンジュゲートのポリペプチドは、それぞれが酵素Xの酵素活性部位に相当する、3つの類似したアミノ酸セグメントを含有してもよい。類似したアミノ酸セグメントは連結していてもよいし、ポリペプチド全体に散在していてもよいことに留意されたい。典型的には、ワクチンコンジュゲートの投与によって、ワクチンコンジュゲートの1つのポリペプチド中の類似したアミノ酸セグメントの少なくとも一部により形成されるエピトープに対する特異性を有する抗体が形成される。
【0029】
ワクチンコンジュゲートのポリペプチドを作製するためのあらゆる方法を使用することができ、限定するものではないが、原核生物発現系、真核生物発現系、および化学合成手法が含まれる。さらに、ワクチンコンジュゲートのポリペプチドは天然の組織源から得てもよい。例えば、脳の糖ポリペプチドを脳組織から得ることができる。典型的には、コンジュゲートの異なるポリペプチドをそれぞれ別々に作製するか、または別々に単離し、そして次にそれらを使用してコンジュゲートを形成しうる。ポリペプチドは精製した後でコンジュゲートの形成に使用しうることに留意されたい。ポリペプチドを精製するためのあらゆる方法を使用することができ、限定するものではないが、分画、遠心分離、およびクロマトグラフィーが含まれる。例えば、ポリヒスチジン配列を含有するポリペプチドをアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製しうる。ポリペプチドを入手したら、それを任意の方法を用いて連結することができる。例えば、ポリペプチドサンプルを連結分子と共にインキュベートして、個々のポリペプチドにコンジュゲートを形成させうる。連結分子は2つのポリペプチドを連結する任意の分子である。典型的には、連結分子とは、2つのポリペプチドのアミノ酸残基間で相互作用し、それにより連結を形成することができる2つの反応基または部位を有する分子である。連結分子は、抗体などの特異的連結分子であっても、または化学試薬(例えば、グルタルアルデヒドおよびホルムアルデヒド)などの非特異的連結分子であってもよい。
【0030】
任意の抗体を連結分子として使用しうる。例えば、抗ポリヒスチジン抗体、または抗FLAG(登録商標)エピトープ抗体もしくは抗赤血球凝集素(HA)タグ抗体などの抗エピトープタグ抗体を使用して2つのポリペプチドを連結しうる。FLAG(登録商標)エピトープは、米国特許第4,703,004号および第4,782,137号に記載されている。特異的連結分子により連結しようとするポリペプチドは、連結分子により認識される特異的部位を含有する必要があることに留意されたい。例えば、抗ポリヒスチジン抗体を用いて2つのポリペプチドを連結するために、それぞれのポリペプチドが該抗体により認識されるポリヒスチジンエピトープを含有する必要がある。本発明の目的のために、抗体などの特異的連結分子により認識される特異的部位はリンカー部位であるとみなす。任意の方法を使用してリンカー部位を含有するポリペプチドを作製し、特定の抗体を連結分子として使用しうる。例えば、一般的な分子クローニング手法を使用して、FLAGタグエピトープをコードする核酸を、特定のポリペプチドをコードする核酸に導入することができる。リンカー部位は任意の位置に存在することができることに留意されたい。例えば、ポリヒスチジン配列は、ポリペプチドのN末端、C末端、または内部位置に位置しうる。さらに、ポリペプチドは1つ以上のリンカー部位を含有してもよい。例えば、ポリペプチドは内部位置およびC末端にポリヒスチジン配列を有しうる。さらにまた、ポリペプチドは異なるリンカー部位を含有してもよい。例えば、ポリペプチドは内部位置にポリヒスチジン配列、およびC末端にFLAGタグエピトープを有しうる。
【0031】
いくつかの場合には、2つ以上のポリペプチドを、それらが共有結合を介して連結するように作製しうる。例えば、2つのポリペプチドを、ペプチド結合で連結するように融合タンパク質として作製しうる。あるいはまた、ポリペプチドを、例えば、2つの同一ポリペプチド間のジスルフィド結合の形成を促進する細胞系において作製してもよい。この場合、該コンジュゲートはホモ二量体でありうる。任意のポリペプチドを1個以上のシステイン残基を含有するように作製して、該ポリペプチドがシステイン架橋を介してコンジュゲートを形成するようにしうることに留意されたい。例えば、ポリペプチドを、N末端およびC末端システイン残基を含有するように作製し、種々の大きさのコンジュゲートを細胞内に形成させうる。
【0032】
さらに、ビオチンとアビジンとの間の相互作用を利用してコンジュゲートを形成しうる。例えば、ポリペプチドを、C末端およびN末端にビオチン分子を含有するように設計または化学処理しうる。これらのビオチン含有ポリペプチドを、2つ以上のビオチン分子と同時に相互作用することができるアビジン分子と共にインキュベートしうる。この場合、単一のアビジン分子が2つのビオチン含有ポリペプチドと連結してコンジュゲートを形成しうる。さらに、2つ以上のイオン(例えば、Ni++、Cu++、Co++、およびZn++)と同時に結合しうるキレート性分子を使用してコンジュゲートを形成しうる。例えば、2つの銅イオンと相互作用することができる銅キレート性分子を用いて、ポリヒスチジン配列を含有する2つのポリペプチドを連結しうる。この場合、単一の銅イオンがそれぞれのポリヒスチジン配列と相互作用しうるのに対し、単一の銅キレート性分子は2つのポリペプチドを連結してコンジュゲートを形成しうる。免疫刺激複合体(iscom)を使用してコンジュゲートを形成しうることに留意されたい。例えば、iscomを銅イオンを含有するように設計して、ポリヒスチジン配列を含有するポリペプチドがコンジュゲート化するようにしうる。
【0033】
典型的には、核酸分子を特定のポリペプチドが発現されるように構築する。例えば、核酸分子をC末端に3つの類似したアミノ酸セグメントおよびポリヒスチジン配列を有するポリペプチドをコードするように構築しうる。核酸分子を構築したら、それを宿主細胞中に導入して、該ポリペプチドを産生させうる。いずれの宿主細胞を使用してもよく、限定するものではないが、原核細胞(例えば細菌)および真核細胞(例えばヒト細胞)が含まれる。ポリペプチドが産生されたら、それを精製して所望のワクチンコンジュゲートに使用しうる。
【0034】
本明細書で使用する「核酸」という用語は、RNAおよびDNA、ならびにcDNA、ゲノムDNAおよび合成(例えば化学的に合成された)DNAを包含する。核酸は、2本鎖であっても1本鎖であってもよい。核酸が1本鎖の場合には、センス鎖であってもアンチセンス鎖であってもよい。さらに、核酸は環状であっても直線状であってもよい。
【0035】
核酸は、PCRを含む一般的な分子クローニングまたは化学的核酸合成手法または技法を用いて得ることができる。PCRとは、米国特許第4,683,195号に記載と同様にして標的核酸を増幅する手法または技法、さらに同特許に記載の変法を指す。一般的に、目的の領域の末端からの配列情報またはそれ以外の領域の配列情報を使用して、増幅しようとする潜在的な鋳型の反対側の鎖に対して配列が同一または類似のオリゴヌクレオチドプライマーを設計する。PCRを用いて、核酸配列をRNAまたはDNAから増幅しうる。例えば、核酸配列は、PCR増幅により、総細胞RNA、総ゲノムDNA、およびcDNA、ならびにバクテリオファージ配列、プラスミド配列、ウイルス配列などから単離しうる。テンプレートとしてRNAを利用する場合には、逆転写酵素を使用して相補性DNA鎖を合成しうる。
【0036】
あらゆる方法が核酸を細胞中に導入するために使用しうる。実際に、in vivoまたはin vitroに関わらず核酸を細胞中に導入するための多くの方法が当業者に公知である。例えば、リン酸カルシウム沈降法、エレクトロポレーション法、ヒートショック法、リポフェクション、マイクロインジェクション、およびウイルス媒介核酸導入法が、核酸を細胞中に導入する一般的な方法である。さらに、本明細書以外に記載のように、ネイキッドDNAをin vivoにて直接細胞中に送達することもできる(米国特許第5,580,859号およびその継続出願を含む米国特許第5,589,466号)。さらにまた、核酸をトランスジェニック動物を作製することにより細胞中に導入してもよい。ウサギ、ヤギ、ヒツジおよびウシなどのトランスジェニック動物を、大量のポリペプチドが該動物のミルク中に分泌されるように遺伝子操作しうることに留意されたい。
【0037】
トランスジェニック動物は、水生動物(魚類、サメ、イルカなど)、農場動物(ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ウサギなど)、齧歯動物(ラット、モルモット、およびマウスなど)、ヒト以外の霊長目動物(ヒヒ、サルおよびチンパンジーなど)、ならびにペット用動物(イヌおよびネコなど)でありうる。当技術分野で公知のいくつかの技法を使用して、動物中に核酸を導入してトランスジェニック動物の創始系統を作製することができる。かかる技法には、限定するものではないが、前核マイクロインジェクション(米国特許第4,873,191号);生殖細胞系へのレトロウイルス媒介遺伝子導入(Van der Puttenら、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 82: 6148-6152 (1985));胚性幹細胞中への遺伝子トランスフェクション(Gossler Aら、Proc Natl Acad Sci USA 83: 9065-9069 (1986));胚性幹細胞中への遺伝子ターゲティング(Thompsonら、Cell, 56: 313-321 (1989));体細胞核の核導入(Schnieke AEら、Science 278: 2130-2133 (1997));ならびに胚のエレクトロポレーションが含まれる。
【0038】
トランスジェニック動物を作製し評価するために使用しうる技法の概要に関して、当業者はGordon(Intl. Rev. Cytol., 115: 171-229 (1989))を参照することができ、そしてさらなる手引きを、例えば:Hoganら、"Manipulating the Mouse Embryo" Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY (1986);Krimpenfortら、Bio/Technology, 9: 844-847 (1991);Palmiterら、Cell, 41 : 343-345 (1985);Kraemer ら、"Genetic Manipulation of the Early Mammalian Embryo" Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY (1985);Hammerら、Nature, 315: 680-683 (1985);Purscelら、Science, 244: 1281-1288 (1986);Wagnerら、米国特許第5,175,385号;ならびにKrimpenfortら、米国特許第5,175,384号から得ることができる。
【0039】
さらに、ポリペプチドをコードする核酸を、任意の形態で細胞中にて維持しうる。例えば、核酸を細胞のゲノム中に組み込んでもよいし、またはエピソーム状態に維持してもよい。言い換えると、細胞は安定な形質転換体であっても一過性の形質転換体であってもよい。
【0040】
さらに、あらゆる方法が特定のポリペプチドの発現を指令するために使用しうる。かかる方法には、限定するものではないが、調節エレメントによってポリペプチドをコードする核酸配列の発現が促進されるように核酸を構築することが含まれる。典型的には、調節エレメントとは、転写のレベルで他のDNA配列の発現を調節するDNA配列である。したがって、調節エレメントには、限定するものではないが、プロモーター、エンハンサーなどが含まれる。
【0041】
一実施形態において、ラットにワクチン接種するためのコンジュゲートを、N末端ポリヒスチジン配列の後にオポッサムIgE CH2ドメイン、ラットIgE CH3ドメイン、オポッサムIgE CH2ドメイン、ラットIgE CH3ドメイン、オポッサムIgE CH4ドメイン、およびC末端ポリヒスチジン配列を有するポリペプチドを含有するように設計しうる。あるいはまた、第1オポッサムIgE CH2ドメインの後に、1つのラットIgE CH3ドメインに対して3つのラットIgE CH3ドメインが含まれてもよい。いずれの場合においても、2つのポリペプチドをジスルフィド結合を介して連結し、二量体を形成させうる。アフィニティークロマトグラフィーを使用してポリヒスチジン配列を含有するポリペプチドを精製しうることに留意されたい。さらに、抗ポリヒスチジン抗体を連結分子として使用して、N末端およびC末端ポリヒスチジン配列を介して任意の数の単一ポリペプチドまたは二量体を連結することができる。例えば、3つの二量体を、2つの抗ポリヒスチジン抗体を介して連続して連結しうる(すなわち、1つ目の二量体を第1抗体で2つ目の二量体に連結し、そして2つ目の二量体を第2抗体で3つ目の二量体に連結する)。連結分子を有する混合ポリペプチドによって、種々の大きさを有し、かつ種々の組み合わせのポリペプチドを有するワクチンコンジュゲートを含有するワクチンを得ることができることに留意されたい。例えば、ワクチンは、4つより少ないポリペプチドを有する(4つより多いポリペプチドを有する場合はわずかである)ワクチンコンジュゲートの実質的な量を含有しうる。ワクチンコンジュゲート中のポリペプチドの一般的な立体配置は、ラット以外の哺乳動物のワクチン接種に適合させうることに留意されたい。例えば、ラットIgEドメインをヒトIgEドメインと置換してヒトに接種することができる。
【0042】
2.ワクチンコンジュゲートおよびサイトカイン
本発明は、コンジュゲート中の他のポリペプチドに対する強力な免疫応答を誘導するような、サイトカイン活性を有するポリペプチドを含有するワクチンコンジュゲートを提供する。かかる免疫応答は、サイトカイン活性を有するポリペプチドを欠損したコンジュゲートにより誘導された応答よりも効力が高い可能性がある。特定の作用機構のいずれにも限定されるものではないが、ポリペプチドXおよびサイトカイン活性を有するポリペプチドを含有するワクチンコンジュゲートは、おそらくポリペプチドXを含有する局在化範囲にサイトカイン活性を集中させるだろう。したがって、サイトカイン活性を有するポリペプチドを含有するワクチンコンジュゲートは、ワクチンコンジュゲート中の他のポリペプチドに対する特異的免疫応答の生成に関与する細胞を刺激しうる。
【0043】
サイトカイン活性を有するポリペプチドは、任意の種類のサイトカイン活性を有しうる。例えば、ポリペプチドは、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、TNF-α、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-12、IL-15、IL-18、または顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)活性を有しうる。重要なことは、サイトカイン活性を有するポリペプチドが、天然に存在するポリペプチドであってもよいし天然には存在しないポリペプチドであってもよいことに留意することである。天然ポリペプチドとは、天然に見出されるアミノ酸配列を有するあらゆるポリペプチドであり、野生型および多型性ポリペプチドが含まれる。かかる天然ポリペプチドは、限定するものではないが、ヒト、チンパンジー、ヒヒ、ラットまたはマウスを含むあらゆる種から得ることができる。例えば、ヒトインターフェロンαをワクチンコンジュゲートに使用しうる。非天然ポリペプチドとは、天然には見出されないアミノ酸配列を有するあらゆるポリペプチドである。したがって、非天然ポリペプチドは、天然ポリペプチドの突然変異形態であっても、遺伝子操作したポリペプチドであってもよい。例えば、インターフェロンα活性を有する非天然ポリペプチドは、少なくともいくらかのインターフェロンα活性を保持するインターフェロンα活性を有する天然ポリペプチドの突然変異形態でありうる。該ポリペプチドは、対応する核酸コード配列の部位特異的突然変異誘発などの標準法を用いて、例えば、配列の付加、欠失、および/または置換により突然変異させうる。
【0044】
コンジュゲートは、サイトカイン活性を有する任意の数のポリペプチドを含有しうる。例えば、コンジュゲートはサイトカイン活性を有する2つのポリペプチドを含有しうる。さらに、コンジュゲートは異なるサイトカイン活性を有するポリペプチドを含有してもよい。例えば、コンジュゲートは、インターフェロンα活性を有する1つのポリペプチドと、GM-CSF活性を有するもう1つのポリペプチドとを含有しうる。サイトカイン活性を有するポリペプチドは、任意の方法により得ることができることに留意されたい。例えば、サイトカイン活性を有するポリペプチドをポリヒスチジン配列を含有するように設計し、アフィニティークロマトグラフィーを用いて該ポリペプチドを精製することができる。さらに、あらゆる方法がコンジュゲートを形成するために使用しうる。例えば、サイトカイン活性を有するポリペプチドをリンカー部位を含有するように設計して、連結分子が、本明細書に記載のポリペプチドのように1つのポリペプチドともう1つのポリペプチドとを連結することができるようにしうる。
【0045】
一実施形態において、ラットにワクチン接種するためのコンジュゲートを、サイトカイン活性を有するポリペプチド、ならびにN末端ポリヒスチジン配列の後にオポッサムIgE CH2ドメイン、ラットIgE CH3ドメイン、オポッサムIgE CH2ドメイン、ラットIgE CH3ドメイン、オポッサムIgE CH4ドメイン、およびC末端ポリヒスチジン配列を有するポリペプチドとを含有するように設計しうる。この場合、サイトカイン活性を有するポリペプチドはN末端ポリヒスチジン配列を含有し、その結果精製のためにアフィニティークロマトグラフィーを使用しうる。さらに、抗ポリヒスチジン抗体を、ポリヒスチジン配列を介して任意の数のポリペプチドを連結するための連結分子として使用しうる。例えば、コンジュゲートは、それぞれが抗ポリヒスチジン抗体を介して連結されている、インターフェロンαポリペプチドの後にIgEドメインを含有する3つのポリペプチド、そしてその後にインターフェロンβポリペプチドを含有しうる。連結分子を有する混合ポリペプチドによって、種々の大きさを有し、かつ種々の組み合わせのポリペプチドを有するワクチンコンジュゲートを含有するワクチンを得ることができることに留意されたい。例えば、ワクチンは、インターフェロンα活性を有するポリペプチドを含有する(インターフェロンα活性を有するポリペプチドとインターフェロンβ活性を有するポリペプチドとの両方を含有することはわずかである)ワクチンコンジュゲートの実質的な量を含有しうる。ワクチンコンジュゲート中のポリペプチドの一般的な立体配置を、ラット以外の哺乳動物のワクチン接種に適合させうることにも留意されたい。例えば、ラットIgEドメインをヒトIgEドメインと置換してヒトにワクチン接種しうる。
【0046】
3.免疫原性ポリペプチドおよび IgE ワクチン
IgEワクチン接種を成功させるためには、主にネイティブIgE分子(例えば、IgE表面エピトープ)と反応する強力な免疫応答を得ることが必須である。このことは、IgE抗体とその特異的IgE受容体との間の相互作用が非常に強力である(2.6×10-10;Froese A、CRC Crit. Rev. Immunol. 1: 79-132 (1980))ように、遊離IgEに対するIgE受容体の効率的な競合を達成するために必要である。本明細書に記載のように、自己IgE抗体に対し特異性を有する高レベルの抗体を、ラット系統において、免疫原性ポリペプチドの投与により産生させた。低、中程度および高IgE応答動物を含む、数種の異なるラット系統を使用した。
【0047】
本明細書に記載するように、免疫原性ポリペプチドは、哺乳動物において免疫応答を有効に誘導するポリペプチドである。例えば、免疫原性ポリペプチドは、哺乳動物において抗自己IgE応答を有効に誘導するポリペプチドでありうる。典型的には、免疫原性ポリペプチドは、特定の哺乳動物に対して非自己であるとみなされうる少なくとも1つのアミノ酸配列(例えば、単一アミノ酸置換)を含有する。例えば、抗自己IgE応答を誘導する免疫原性ポリペプチドは、2つの構成要素、すなわち自己IgE部分および非自己IgE部分を含有しうる。自己IgE部分は、抗自己IgE応答の特異性の付与に関与する可能性があり、非自己IgE部分は免疫原性ポリペプチドを活性化し安定化させる役割を果たし、その結果、特異的な抗自己IgE応答が誘導される。典型的には、免疫原性ポリペプチドの自己IgE部分が、IgE受容体と直接相互作用するか、またはIgE受容体とIgE抗体との相互作用に間接的に影響を及ぼすIgE抗体の一部である。
【0048】
簡単に説明すると、マスト細胞および好塩基細胞上の高親和性IgE受容体に対するヒトIgEの結合部位は、以前示唆されていたようなIgEのCH2ドメインとCH3ドメインとの間の連結部に位置するのではなく、CH3ドメインのN末端領域に位置する。この領域は、折りたたみによって、ネイティブポリペプチドのCH3ドメインとCH4ドメインとの間の連結部に位置する。したがって、自己IgE部分としてのCH2-CH3ドメイン全体の使用は、マスト細胞の表面に既に結合した自己IgE抗体と相互作用する抗体によって抗自己IgE応答を潜在的に誘導して、アナフィラキシー反応が起こりうる。アナフィラキシー応答を誘導するリスクを低減させるために、免疫原性ポリペプチドの自己IgE部分はCH2ドメインを含まないCH3ドメイン全体でありうる。あるいはまた、自己IgE部分はCH3ドメインのN末端領域であってもよい。例えば、ラットにワクチン接種する場合、自己IgE部分は、ラットCH3ドメインのN末端側半分であり、これに関連して非自己IgE部分はオポッサムIgEのCH2ドメイン全体、オポッサムIgEのCH3ドメインのC末端側半分、およびオポッサムIgEのCH4ドメイン全体を含有しうる。かかる免疫原性ポリペプチドは、ORO末端切断型と称される(図2)。
【0049】
典型的には、免疫原性ポリペプチドの非自己IgE部分は、自己IgE部分の機能的コンホメーションを安定化させる。例えば、自己IgE部分がCH3ドメインである場合には、非自己IgE部分は、CH2ドメイン、CH4ドメイン、または自己CH3ドメインがCH2ドメインとCH4ドメインとの間に位置するCH2およびCH4ドメインでありうる。具体的に説明すると、ラットにワクチン接種する場合には、自己IgE部分はラットCH3ドメインであり、これに関連して非自己IgE部分は、例えば、オポッサム由来でありうる。この場合、ラットCH3ドメインは、オポッサムCH2ドメインとCH4ドメインとの間に位置しうる。かかる免疫原性ポリペプチドは、OROと称される(図2)。同様に、マウスにワクチン接種する場合には、自己IgE部分はマウスCH3ドメインであり、これに関連して非自己IgE部分は、例えば、、オポッサム由来でありうる。かかる免疫原性ポリペプチドは、OMOと称される(図2)。
【0050】
本発明の免疫原性ポリペプチドは、真核生物発現系、例えば哺乳動物細胞発現系を用いて提供されうる。このような場合には、免疫原性ポリペプチドは、可溶性であり、適切に折りたたまれ、かつ適切に修飾され、その結果、哺乳動物に投与した際に抗自己IgE応答が誘導される。例えば、1以上の真核性翻訳後修飾を有する免疫原性ポリペプチドは、真核性翻訳後修飾を欠損した類似のポリペプチド(例えば、細菌により産生されたポリペプチド)よりも顕著に高い抗自己IgE応答を示しうる。真核性翻訳後修飾には、限定するものではないが、グリコシル化、アシル化、制限タンパク質分解、リン酸化、およびイソプレニル化が含まれる。さらに、可溶性であり、適切に折りたたまれ、かつ適切に修飾されている免疫原性ポリペプチドは、高い血漿IgE濃度を有する哺乳動物、いわゆる高IgE応答動物において強力な抗自己IgE応答を誘導することができる。しかしながら細菌により産生されたポリペプチドは、高IgE応答動物においてそのような強力な抗自己IgE応答を生じさせることができない。したがって、高溶解性、適切な折りたたみおよび適切な修飾を有する免疫原性ポリペプチドは、本明細書に記載のように得ることができ、それを使用して哺乳動物において有効な抗自己IgE応答を誘導することができる。さらにまた、本明細書に記載の免疫原性ポリペプチドを使用して、IgE血清濃度が高い哺乳動物(ヒトを含む)を治療することができる。ヒト集団における重篤なアレルギー患者の高い割合がこのカテゴリーの患者に属することに留意されたい。
【0051】
ワクチン接種しようとする生物(ヒトなど)に由来するIgE CH3ドメインまたはIgE CH3ドメインの一部を、哺乳動物の無胎盤類(例えば、オポッサム、カモノハシ、コアラ、カンガルー、ワラビー、およびウオンバット)に由来するIgE分子などの遠縁のIgE分子の構造部分に挿入しうる。有袋動物である灰色短尾オポッサム由来のIgE抗体は、ヒト、ラット、ブタおよびイヌのIgE抗体と約25%の配列同一性を示す。したがって、オポッサムIgE抗体の領域を免疫原性ポリペプチドの非自己IgE部分として使用して、ヒト、ラット、ブタまたはイヌにおいて強力な抗自己IgE応答を誘導しうる。
【0052】
免疫原性ポリペプチドの発現のための核酸分子は、ワクチン接種しようとする生物に由来するIgE抗体の一部をコードする第1核酸を、ワクチン接種しようとする生物と遠縁の哺乳動物に由来するIgE抗体の一部をコードする第2核酸にスプライシングすることにより作製しうる。例えば、ラット、ヒト、ブタまたはイヌIgEのCH3ドメインを含有する免疫原性ポリペプチドをコードする核酸分子を、オポッサムIgEのCH2およびCH4ドメインを含有する核酸にスプライシングしうる。かかるキメラ核酸分子は、一般的な分子クローニング手法を用いて構築しうる。一般には、ある生物由来のIgE抗体のCH3ドメインが他の生物由来のIgE抗体のCH2ドメインとCH4ドメインとの間に位置するように核酸を構築することによって、ネイティブIgE抗体中のネイティブ位置と非常に類似した構造部分にCH3ドメインを有するキメラIgE分子をコードする核酸分子が得られる。
【0053】
ラット、ヒト、イヌまたはブタにワクチン接種する場合には、オポッサムCH2ドメインおよびCH4ドメインと、ラット、ヒト、イヌおよびブタIgEの対応するドメインとの間に約30%のアミノ酸同一性があるため、オポッサムCH2およびCH4ドメインが免疫原性ポリペプチドの非自己IgE部分の役割を果たしうる(図1)。かかる免疫原性ポリペプチドは哺乳動物宿主中で産生させうる。さらに、得られる免疫原性ポリペプチドは、適切に折りたたまれかつ適切にグリコシル化された形態で哺乳動物のプロデューサー細胞から分泌されうる。例えば、ヒトIgEのCH3ドメインに対するモノクローナル抗体を用いたBiacore系における分析によって、これらのモノクローナル抗体が本発明の免疫原性ポリペプチドに強力に結合しうることが明らかになり、このことは、CH3ドメイン全体が適切に折りたたまれうることを示している。
【0054】
重要なことは、本明細書に記載の免疫原性ポリペプチドは、有害な副作用を示さず、哺乳動物においてさえもワクチン接種前にIgE力価が非常に上昇しているものでありうることに留意することである。さらに、本明細書に記載の免疫原性ポリペプチドを用いたワクチン接種によって、IgEの遊離プール全体に対する抗自己IgE応答が誘導されうる。かかる応答は、特定のアレルゲンに限定されるものではない。したがって、本発明の方法および物質を使用して、多種多様なアトピー性アレルギーを包含するヒトのアレルギーを治療しうる。
【0055】
4.さらなる成分および投与方法
本明細書に記載のワクチン、ワクチンコンジュゲート、および免疫原性ポリペプチドは、単独で、または他の成分と組み合わせて投与しうる。例えば、ワクチンコンジュゲートは、抗体(例えば、IgG抗体)とFcγ受容体II(例えば、CD32)との間の相互作用を抑制する遮断分子を含有してもよい。かかる遮断分子(すなわち、Fcγ受容体II 遮断分子)には、限定するものではないが、抗CD32抗体が含まれうる。抗CD32抗体は、一般的な抗体産生法およびスクリーニング手法により得ることができる。Fcγ受容体II 遮断分子を任意の免疫原性ポリペプチドと組み合わせて使用して、免疫原性ポリペプチドに対する免疫応答を強化しうることに留意されたい。例えば、抗CD32抗体とコンジュゲート化または非コンジュゲート化免疫原性ポリペプチドとを含有する混合物を哺乳動物に投与して、免疫原性ポリペプチドに対する強力な免疫応答を誘導しうる。
【0056】
哺乳動物にワクチン接種するために、本明細書に記載のワクチン、ワクチンコンジュゲート、または免疫原性ポリペプチドのいずれかの有効量を宿主に投与しうる。有効量とは、所望の免疫応答を誘導するが、宿主に対して有意な傷害性を誘導しない量を意味する。そのような量は、一定量の特定の物質(例えば、免疫感作ポリペプチド)の投与後の宿主の免疫応答を評価することにより決定しうる。さらに、傷害性が存在する場合には、そのレベルを一定量の特定物質の投与前および投与後の宿主の臨床症状を評価することにより決定しうる。宿主に投与される有効量の特定物質は、所望の結果ならびに宿主の応答および傷害性レベルに従って調節しうることに留意されたい。有意な傷害性は、特定の宿主それぞれに関して変化しうるし、限定するものではないが、宿主の病状、年齢および疼痛に対する忍耐力を含む、複数の因子に依存しうる。
【0057】
さらに、本明細書に記載の物質はいずれも、宿主の体(限定するものではないが、関節、血流、肺、腸、筋肉組織、皮膚および腹腔など)の任意の部分に投与しうる。したがって、ワクチンコンジュゲートは、静脈内、腹腔内、筋肉内、経皮、髄腔内および皮内注射により、経口投与、吸入、または経時的な段階的灌流により投与しうる。例えば、免疫原性ポリペプチドを含有するエーロゾル製剤を吸入により宿主に投与しうる。本明細書に記載のいずれかの物質を用いたワクチン接種の期間は、1日のような短期間から生涯にわたる長期間(例えば、長年)までの任意の時間でありうることに留意されたい。例えば、免疫原性ポリペプチドを10年間にわたって1年に1回投与しうる。治療頻度も変更しうることに留意されたい。例えば、免疫原性ポリペプチドを、一日、一週間、一ヶ月、または一年に1度(または2度、3度など)投与してもよい。
【0058】
投与するための製剤には、滅菌水性もしくは非水性溶剤、懸濁剤、および乳剤が含まれうる。非水性溶剤の例としては、限定するものではないが、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物性油、および注射可能な有機エステルが含まれる。水性担体としては、限定するものではないが、水、ならびにアルコール、食塩水、および緩衝化溶液が含まれる。保存剤、矯味剤、および他の添加剤、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガスなどもまた添加してよい。哺乳動物に投与しようとする本明細書に記載の物質はいずれも、1つ以上の一般に公知の製薬上許容される担体を含有してもよいことが理解されるだろう。
【0059】
任意の方法を使用して、特定の免疫応答が誘導されたかどうかを判定しうる。例えば、特定の抗原に対する抗体応答は、免疫学的アッセイ(例えば、ELISA)を用いて判定しうる。さらに、特定の病状の程度を評価しうる臨床的方法を使用して、所望の免疫応答が誘導されたかどうかを判定しうる。
【0060】
本発明を以下の実施例でさらに説明するが、これらは特許請求の範囲に記載した本発明の範囲を限定するものではない。
【0061】
実施例
実施例1: 免疫原性ポリペプチド
自己IgE部分と非自己IgE部分の両方を有する免疫原性ポリペプチドをコードする核酸分子を構築した。それから、これらの核酸分子を用いて、哺乳動物細胞中において可溶性の免疫原性ポリペプチドを合成した。このような免疫原性ポリペプチドは哺乳動物への投与後にポリクローナルな抗自己IgE応答を効果的に誘導した。さらに、免疫原性ポリペプチドは、非自己IgE部分を欠く細菌が産生するポリペプチドよりも効力のある、強力かつ特異的な抗自己IgE応答をもたらすことができるような様式で折り込まれ、そしてグリコシル化されているようである。かくして、本明細書に記述される免疫原性ポリペプチドは天然血漿IgEと同じ立体構造の表面エピトープを数多く含んでいる。さらに、全CH3ドメインまたはCH3ドメインのフラグメント(例えば、CH3ドメインのN末端領域)に限られた自己IgE部分を含む免疫原性ポリペプチドは哺乳動物におけるアナフィラキシー性抗体の産生能を低減した。
【0062】
実施例2: 免疫原性ポリペプチドの製造および精製
ラットIgEのCH3ドメインをコードする約330塩基対のPCRフラグメント(Hellman L et al.,Nucleic Acids Res. 10:6041-6049(1982))は、pCEP4発現ベクターの改変型であるpCEP-Pu2(Margolskee RF et al.,Mol.Cell.Biol. 8:2837-2847(1988))への連結反応によってオポッサムIgEのCH2ドメインとCH4ドメインをコードする2つの同様な大きさのフラグメント(Aveskogh M and Hellman L, Eur. J. Immunol., 28:2738-2750 (1998))と融合した。このベクターはCMVプロモーター-エンハンサーを含み、これは目的のコード領域の5’側に直接位置し、哺乳動物細胞において高いレベルでの発現を可能にしている。またこのベクターはピューロマイシン耐性およびEBV EBNA1遺伝子をコードする領域を有している。EBNA1遺伝子はヒトまたはイヌ科の動物の細胞系においてベクターの安定した複製性エピソームのコピー数を維持する。
【0063】
またオポッサムIgE CH2、ラットIgE CH3、およびオポッサムIgE CH4の核酸配列を含む核酸分子は、N末端領域にシグナル配列および6個のヒスチジン残基をコードする核酸配列を含んでいた。シグナル配列および6個のヒスチジン残基を含む領域は、コードされているポリペプチドの産生細胞からの分泌を促進し、かつニッケルキレートカラムでのポリペプチドの精製を可能にする。ヒト293細胞への発現ベクターのトランスフェクションに続いて、オポッサムCH2-IgE/ラットCH3-IgE/オポッサムCH4-IgE(ORO)免疫原性ポリペプチドを、ニッケルキレートカラムで293細胞のならし培地からほぼ100%の純度に精製した。ORO免疫原性ポリペプチドを20mM Tris (pH 8.0)、0.1M NaCl、100mM イミダゾールを含む溶液で溶出した後、溶出液をPBS (pH 7.5)に対し一晩4℃で透析した。それから該ORO免疫原性ポリペプチドをアミコン(Amicon)濃縮器を使用して約2mg/mLに濃縮した。ORO免疫原性ポリペプチドを含むこの調製物のアリコートをSDS-PAGEで分離したところ、ほぼ100%の純度であることが分かった。この精製されたORO免疫原性ポリペプチド調製物はラットを治療するための抗自己IgEワクチンの活性成分として使用した。
【0064】
実施例 3 : 感作手順
各ラットは次のように卵白アルブミンに感作させた。PBS中の卵白アルブミン10μgを各ラットの腹腔内に投与した。この初めの卵白アルブミンの腹腔内投与の三週間後、ラットは卵白アルブミン1μgの腹腔内注射を週1回づつ4週間受けた。この4週間の間に、ラットは卵白アルブミンに感作され、全IgEおよび卵白アルブミン特異的IgE応答が得られ、この応答は高くかついつまでも続いた。この4週間の後、ラットはワクチン接種プログラムを開始した。全ワクチン接種プログラムの間、卵白アルブミンの腹腔内注射は次の通り継続した。ワクチン接種の最初の2週間は、ラットに卵白アルブミン1μgを週1回腹腔内注射した。最初の2週間のワクチン接種後は、ラットに卵白アルブミン1μgを1週間おきに腹腔内注射した。
【0065】
実施例 4 : 抗自己 IgE 応答の ELISA による測定
36匹のラット(Lewisラット12匹、Louvainラット12匹、Brown Norwayラット12匹)を二つの同じ大きさのグループに分け、ORO免疫原性ポリペプチドまたは陰性対照としてBSAを腹腔内注射した。BSA陰性対照はORO免疫原性ポリペプチドと同じポリペプチド濃度で使用した。この研究では、それぞれのラットにフロイント完全アジュバントとPBSの50:50溶液0.2mLに分散させた約250μgの抗原(ORO免疫原性ポリペプチドもしくはBSA)を腹腔内注射した。3週間後、ラットにフロイント完全アジュバントとPBSの50:50溶液0.1mLに分散させた約100μgの抗原を追加免疫した。6週間後、ラットは再度初回と同じ追加免疫を行った。この3回の免疫後、血液サンプルを採取し、ELISAにより下記のとおり測定した。
【0066】
自己ラットIgEに対するIgG抗IgE抗体のレベルをELISAによって測定した。天然ラットIgEをELISA用のプレートのコーティングのために5μg/mLの濃度で使用した。各ラットから採取した血清の連続1/5希釈物をELISAにおける発色反応で調べた。ラットIgE抗体への特異性を持つラットIgG抗体の存在は、2種類のビオチン化マウスモノクローナル抗体(一方はラットIgG2a/bに特異性であり、他方はラットIgG1に特異性である)を用いて測定した。アルカリホスファターゼを結合させたストレプトアビジンをビオチン化マウスモノクローナル抗体の検出に使用した。
【0067】
実施例 5 : 哺乳動物における抗自己 IgE 応答の誘導
IgEワクチンとしてのORO免疫原性ポリペプチドのin vivo効果を3つの異なる系統のラット(Lewis、Louvain、およびBrown Norway)を使用して調べた。Lewis系ラットは低度IgE応答動物であり、Louvain系ラットは中度IgE応答動物であり、Brown Norway系ラットは高度IgE応答動物である。卵白アルブミンへの感作後、実施例3に記載したように各ラットにORO免疫原性ポリペプチドまたはBSAをワクチン接種した。血液サンプルを採取した後、血清を図示した(図3)ように5段階に希釈した。精製モノクローナルラットIgE(IR162)をELISA用プレートのコーティング使用し(5μg/mL)、2種類のビオチン化マウスモノクローナル抗体をラットIgG抗IgE抗体の検出に使用した。ORO免疫原性ポリペプチドを含むワクチンを接種した低度、中度、高度IgE応答ラットにおいて高い抗IgE力価が検出された。BSA対照で処理したラットにおいては抗IgE力価は検出されなかった。このようにORO免疫原性ポリペプチドは、低量、中量、高量のIgE抗体を含むラットにおいて抗自己IgE応答を誘導することができた。
【0068】
様々な系統間において抗自己IgEレベルに差が見られた。低度応答のLewis系は非常に高い抗自己IgE力価を示した。ELISA測定の際に吸光度値の有意な低下が見られる前に、該血清を3000倍以上に希釈できるだろう(図3)。しかしながら、高度応答のBrown Norway系では、25倍以上に希釈した時、6匹中3匹で吸光度値が降下し始めた(図3)。
【0069】
他の実験では、Wistar系ラットを用いた。Wistar系ラットは中度のIgE応答動物である。Wistar系ラットによる抗自己IgE応答はLewis系ラットで認められた応答と同様であった。
【0070】
実施例 6 : 交差反応性の分析
オポッサムIgEのCH2ドメインまたはCH4ドメインに対するラット抗体とラットIgE抗体の対応するドメインとの交差反応性を評価した。この交差反応性の可能性は、オポッサムIgEとラットIgEのCH2およびCH4ドメイン間の一次アミノ酸配列の相同性の低さまたは密接な構造の類似性に起因するものであろう。ラットのCH2ドメインまたはCH4ドメインに対する特異性を有する抗ラットIgE応答の誘導はマスト細胞の活性化につながるであろう。
【0071】
オポッサムのCH2-CH3-CH4ドメインを含む組換え型ポリペプチド(OOO)をWistar系ラットに注射した。2回目の追加免疫後、これらのラットから血清を採取し、ラットIgEに対して特異性を有する抗体の存在を調べた。OOOポリペプチドで処理したラットにおいては抗ラットIgE抗体は検出されなかった(図4)。それに加え、ORO免疫原性ポリペプチドで処理したWistar系ラットは、Lewis系ラットで認められたのと同様の抗自己IgE応答を示した。さらに、カモノハシのCH2-CH3-CH4ドメインを含む組換え型ポリペプチド(PPP)で処理したWistar系ラットは抗ラットIgE応答を示さなかった。このようにラットへの投与では、オポッサムとカモノハシのIgE抗体のCH2、CH3、CH4ドメインは、ラットIgE抗体に特異性を持つラット抗体は産生しなかった。
【0072】
ORO免疫原性ポリペプチドによって誘導されたラット抗体(ラットIgG抗自己IgE抗体)とヒトIgE抗体との相互作用を調べた。いくつかのケースにおいて低度の交差反応性が見られた。数匹のラットで検出されたこの低度の交差反応性は、おそらくラットIgG抗ラットCH3 IgE抗体とヒトIgEのCH3ドメインとの相互作用によって引き起こされたらしい。ラットとヒトのIgEのCH3ドメインはヒトとオポッサムまたはカモノハシのIgEとよりもずっと密接に関係しているので、オポッサムまたはカモノハシの成分を含むワクチンは大いに安全であり、交差結合する抗体の産生に関する危険性を最小限に抑えられると考えられる。
【0073】
実施例 7 : ワクチンコンジュゲート用ポリペプチド
実施例2に記載されているORO免疫原性ポリペプチドをコードする核酸構築物を用いて、それぞれが数個の同一の自己エピトープを持つ2種類のポリペプチドを産生させた。一方のポリペプチドは2つの同一の自己エピトープ(全ラットCH3ドメイン)のクラスターを含んでおり、もう一方は4つのそのようなクラスターを含んでいた。最初に、3’PCRプライマーに6個のヒスチジン残基のヌクレオチド配列を含めることによってオポッサムのCH4ドメインのC末端に6個のヒスチジン残基をコードする核酸を付加した。したがって、各ポリペプチドはN末端とC末端の両方にポリヒスチジン配列を含むため、コンジュゲートを形成することができる。次に、もとの構築物のオポッサムCH2ドメインおよびラットCH3ドメインをコードする核酸断片をPCR増幅によって得た。この断片は続いてORO免疫原性ポリペプチドをコードする構築物に連結した。得られた構築物はOROROと呼ばれるポリペプチドをコードした。このOROROポリペプチドは、2つのラットCH3ドメイン、2つのオポッサムCH2ドメイン、1つのオポッサムCH4ドメインを、オポッサムCH2ドメイン、ラットCH3ドメイン、オポッサムCH2ドメイン、ラットCH3ドメイン、オポッサムCH4ドメインの順番で含んでいる。このように、このポリペプチドはそれぞれ多数の自己エピトープを持つ2つの同一のCH3ドメインを有している。
【0074】
OROROをコードする該核酸構造物は第2の免疫原性ポリペプチドを産生するための出発物質として用いた。このポリペプチドは、OROROポリペプチド中の最初のラットCH3ドメインの3’側の位置に付加された2つの付加的ラットCH3ドメインを含んでいる。その結果得られる該ポリペプチドは、ポリヒスチジンのタグに続いて、1個のオポッサムCH2ドメイン、3個の同一のラットCH3ドメイン、1個のオポッサムCH2ドメイン、1個のラットCH3ドメイン、1個のオポッサムCH4ドメインおよびC末端のポリヒスチジンのタグ(6his-ORRRORO-6his)を有する。
【0075】
それぞれの組換え型ポリペプチドはpCEP4をベースとしたベクター系において産生させた。さらに、該ポリペプチドは実施例2に記載した方法によりニッケルキレートカラムを用いて精製した。同様なワクチン構築物は、ラットIgEのCH3ドメインのかわりにイヌまたはヒトIgEのCH3ドメインを使用して作製される。
【0076】
実施例 8 : ワクチンコンジュゲート
モノクローナル抗体に対するポリペプチドの適当な組合せを決定するために、実施例7の精製ポリペプチドを、抗ポリヒスチジンモノクローナル抗体と1/1から10/1の比率(ポリペプチド対モノクローナル抗体比)で変動する様々な組合せで混合する。この混合物は、多数の同一の自己エピトープが一列に並んだ長い多重体コンジュゲートの形成をもたらす。様々な組合せの生物学的活性を本明細書中に記述するようにラットにおいて評価する。非コンジュゲートORO免疫原性ポリペプチドを、免疫応答の評価のための基準として用いる。
【0077】
実施例 9 : サイトカイン活性を有するポリペプチド
ラット、イヌ、ヒトのサイトカイン(例えば、インターフェロンα、インターフェロンγ、GM-CSF)をコードするcDNAが脾臓の総mRNAから分離されるようにPCRプライマーを設計する。サイトカインがアフィニティークロマトグラフィーによって精製され、抗ポリヒスチジン抗体によって本明細書中に記述のポリペプチドに非共有結合で結合するように、6個のヒスチジン残基をコードするヌクレオチド配列をそれぞれの5’PCRプライマーに導入する。次の3つの発現系、すなわち(細菌、酵母(例:Pichia pastoris)、哺乳動物細胞(例:pCEP-4ベースの発現系を使った293-EBNA細胞)のどれかひとつを使って、組換え型サイトカインを産生する。
【0078】
実施例 10 :サイトカイン活性のあるポリペプチドを有するワクチンコンジュゲー ト
実施例9によって産生されるサイトカインを用いてワクチンコンジュゲートを形成する。3つの異なるサイトカイン(例:マウスインターフェロンα、ラットインターフェロンγ、ラットGM-CSF)の混合物を作り、OROROポリペプチドと抗ポリヒスチジン抗体との組合せで試験する。
【0079】
はじめに、1/10の比率(サイトカイン対免疫原性ポリペプチドの比率)の混合物を試験する。3種類のサイトカインの場合には、この比率はモル基準で30%のサイトカインと70%の免疫原性ポリペプチドの混合物をもたらす。さらにこの混合物は抗ポリヒスチジン抗体を1/10の比率(免疫原性ポリペプチド対モノクローナル抗体の比率)で含んでいる。多数の比率の組合せを評価し、それによりサイトカイン対免疫原性ポリペプチドの最適な比率およびモノクローナル抗体対免疫原性ポリペプチドの最適な比率を決定する。さらに、いろいろな生物種由来のサイトカイン活性を持つポリペプチドを評価して、特定の生物種に最適な組合せを決定する。
【0080】
その他の実施形態
本発明について詳細な説明とともに記載してきたが、前述の記載は例示を意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により規定されるものである。その他の態様、利点、変更は特許請求の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒト、ラットおよびオポッサムのIgEのCH2-CH3-CH4ドメインのアミノ酸配列(それぞれ、上段、中段および下段)を比較した図である。また、オポッサムの配列はN末端シグナル配列の後に6つのヒスチジン残基を含有する。
【図2】 図2A〜Bは、以下に記載する構成要素を含有する種々のポリペプチドのアミノ酸配列を比較した図である:オポッサムCH2−ラットCH3−オポッサムCH4(ORO);オポッサムCH2−ラットN末端CH3−オポッサムC末端CH3−オポッサムCH4(ORO末端切断型);オポッサムCH2−マウスCH3−オポッサムCH4(OMO);オポッサムCH2−CH3−CH4(OOO);カモノハシCH2−CH3−CH4(PPP);オポッサムCH2−ヒトCH3−オポッサムCH4(OHO);オポッサムCH2−ブタCH3−オポッサムCH4(OPO);およびオポッサムCH2−イヌCH3−オポッサムCH4(ODO)。矢印は境界のドメインを示す。
【図3】 図3A〜Cは、3種の異なるラット系統のパネルにおけるORO免疫原性ポリペプチドに対する免疫応答の分析を示す図である。ラットネイティブIgEに対して誘導されたラットIgG抗IgE抗体のレベルをELISAで測定した。ELISAプレートの被覆のためにラットネイティブIgEを5μg/mLの濃度で使用した。個々のラットそれぞれからの連続5倍希釈の血清をELISAにおいて着色反応により試験した。6体のワクチン接種したラットを各系統からの4体の対照ラットと共に分析した。
【図4】 図4は、ORO免疫原性ポリペプチドならびにOOOおよびPPP対照ポリペプチドに対する免疫応答の分析を示した図である。
Claims (9)
- オポッサムの IgE CH2 ドメインとオポッサムの IgE CH4 ドメインとの間に位置する哺乳動物の IgE CH3 ドメインを含む免疫原性ポリペプチドであって、前記 IgE CH3 ドメインがオポッサム以外の哺乳動物種のものであり、かつ前記免疫原性ポリペプチドが前記種の哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効である、前記免疫原性ポリペプチド。
- 真核性翻訳後修飾を含む、請求項1記載の免疫原性ポリペプチド。
- ポリヒスチジン配列を含む、請求項1記載の免疫原性ポリペプチド。
- 前記自己IgE部分がIgE抗体のCH1ドメインを欠損している、請求項1記載の免疫原性ポリペプチド。
- 前記ポリペプチドがIg軽鎖に連結していない、請求項1記載の免疫原性ポリペプチド。
- オポッサムの IgE CH2 ドメインとオポッサムの IgE CH4 ドメインとの間に位置する哺乳動物の IgE CH3 ドメインを含む免疫原性ポリペプチドであって、前記 IgE CH3 ドメインがオポッサム以外の哺乳動物種のものであり、かつ前記免疫原性ポリペプチドが前記種の哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効である、前記免疫原性ポリペプチドをコードする核酸配列を含有する核酸分子。
- 真核細胞からの前記免疫原性ポリペプチドの分泌を促進するアミノ酸配列をコードするさらなる核酸配列を含む、請求項6記載の核酸分子。
- 核酸分子を含むin vitro宿主細胞であって、該核酸分子は、オポッサムの IgE CH2 ドメインとオポッサムの IgE CH4 ドメインとの間に位置する哺乳動物の IgE CH3 ドメインを含む免疫原性ポリペプチドであって、前記 IgE CH3 ドメインがオポッサム以外の哺乳動物種のものであり、かつ前記免疫原性ポリペプチドが前記種の哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効である前記免疫原性ポリペプチドをコードする核酸配列を含む、前記宿主細胞。
- 真核細胞である、請求項8記載のin vitro宿主細胞。
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